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濃厚なロマンに満ちたブラームスの弦楽五重奏曲をカルテット・アマービレが熱演@ハクジュホール(Hakuju Hall) 2023.7.11

ハクジュホールで進行中のBRAHMS Plusシリーズの4回目。2回目までは聴き逃がしましたが、第3回目以降は聴いています。
今回はモーツァルトとブラームスの弦楽五重奏曲を中心としたプログラムです。

最初はモーツァルトの弦楽四重奏曲 第21番。安定したアンサンブルでモーツァルトの名曲を好演。うっとりと魅了されました。

次はモーツァルトの傑作中の傑作、弦楽五重奏曲 第4番。この名作は実演で聴けそうで聴けないもので、saraiの記憶のある限り、ライナー・キュッヒルとウィーン・フィルのメンバー、ミッシャ・マイスキーという豪華メンバーの演奏を聴いただけです。今日のカルテット・アマービレの演奏は第1楽章が早めのテンポで哀愁に満ちた音楽を奏でて、なかなかの演奏。第2楽章も雰囲気に満ちた美しい演奏。そして、第3楽章は抒情に満ちた抑制的な演奏で味わい深いもの。第4楽章は冒頭の悲哀に満ちた演奏に惹き付けられ、その後、一転して、明るい表情の美しい演奏で進行して、あっさりとフィナーレ。魅力にあふれた演奏でした。

後半はいつものように女性3人はドレスを着替えて登場。前半のモーツァルトとはまったく別のアンサンブルで、ブラームスの重層的な深い響きを聴かせてくれます。ともかく、ブラームスの弦楽五重奏曲 第1番の第1楽章の濃厚なロマンの響きに圧倒されました。各楽器で旋律がリレーされるように表現され、それぞれの味わいの深さにうっとりと魅了されます。中でもヴィオラの中 恵菜の演奏は白眉。中低域のアンサンブルが支えた構築性のある音楽はブラームスならではの素晴らしさを感じます。長大な第2楽章は緩徐楽章ですが、その抒情の深さに加えて、テンポの早い中間部での変化で、複雑な色合いを出しています。最後の第3楽章は田舎のお祭りのような賑わいを感じさせる意外性に満ちた音楽。ブラームスの諸相をたっぷりと堪能させてもらいました。

アンコールのモーツァルトは本編の演奏以上にとても美しい演奏で、単独で聴くとモーツァルトの天才性を感じさせてくれるものでした。

カルテット・アマービレの充実ぶりは今日もたっぷりと味わうことができました。彼らの今後にさらなる期待を寄せましょう。


今日のプログラムは以下です。

  カルテット・アマービレ BRAHMS Plus 〈 Ⅳ 〉

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   篠原悠那vn   北田千尋vn   中 恵菜va   笹沼 樹vc
  ヴィオラ:村上淳一郎

  モーツァルト:弦楽四重奏曲 第21番 ニ長調 K.575
  モーツァルト:弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516

   《休憩》

  J.コズマ(武満徹編):枯葉
  ブラームス:弦楽五重奏曲 第1番 ヘ長調 op.88

   《アンコール》
   モーツァルト:弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516 から 第3楽章 変ホ長調 Adagio ma non troppo


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトの弦楽四重奏曲 第21番は以下のCDを聴きました。

  アマデウス四重奏団 1969年 ベルリン セッション録音
 
定番中の定番。素晴らしいです。


2曲目のモーツァルトの弦楽五重奏曲 第4番は以下のCDを聴きました。

 アマデウス四重奏団、セシル・アロノヴィッツ  1969年9月、ベルリン、ミヒャエルスハイム セッション録音
 
これまた素晴らしいモーツァルト。アマデウス四重奏団の見事な演奏に耳を傾けるまでです。


3曲目のJ.コズマ(武満徹編)の枯葉は音源の見当がつかず、予習していません。


4曲目のブラームスの弦楽五重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 アマデウス四重奏団、セシル・アロノヴィッツ  1968年4月、ベルリン セッション録音
 
これもアマデウス四重奏団の演奏で聴きました。素晴らしい演奏です。



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       カルテット・アマービレ,  

ヴィトマン、カルテット・アマービレと過ごす贅沢な一夜@トッパンホール 2023.3.13

今日は期待をはるかに超えるコンサートで音楽の素晴らしさを堪能しました。

前半は作曲家イェルク・ヴィトマンの多彩な作品を楽しみます。

まず、ヴィトマン自身が自作のクラリネットのソロ曲、《3つの影の踊り》を演奏。第1曲はまるで尺八のような幽玄な雰囲気を醸し出します。クラリネットでこんな響きが出せるとは驚きです。第2曲はエレクトロニクスの音響でエコーをかけて、幻想的な音楽を味わわせてくれます。第3曲もエレクトロニクスの音響で響きを増幅し、クラリネットの弁を叩く音で打楽器的な効果を出して、ノリのよいアフリカの踊りを奏でます。最後は高潮して、ワーという叫び声を上げます。クラリネット独奏でこれほど多彩な音楽を奏でるとは驚きです。感銘を受けました。

次はカルテット・アマービレに鈴木慧悟(ヴィオラ)と上村文乃(チェロ)が加わって、弦楽六重奏曲《1分間に180拍》。激しい勢いで高揚したリズムの音楽が始まり、いつしか、まるでバルトークのような世界になります。ヴィトマンはバルトークの正統の継承者に思えるほどです。途中から、対位法的な音楽に変わります。カルテット・アマービレの素晴らしい演奏に感銘を受けました。

次は周防亮介のヴァイオリン独奏でエチュード第2番/第3番。凄まじい超絶技巧の嵐に悶絶してしまいます。

前半最後はカルテット・アマービレによる弦楽四重奏曲第3番《狩》。古典的なスタイルの狩りの音楽がどんどん変容していきます。ここでもカルテット・アマービレの素晴らしい演奏に圧倒されます。弓の糸がどんどん切れていくほどの激しい演奏です。現代音楽ではありますが、調性を感じてしまうような明快な音楽です。そして、演劇的要素も入っているヴィトマン流の音楽です。決して、古い音楽に回帰していないのですが、音楽性を感じるのは何故でしょう。現代音楽の方向性のひとつを示しているようです。最後のしめが決まっていました。音楽も演奏も最高でした。

休憩後、ウェーバーのクラリネット五重奏曲。ヴィトマンの自在な演奏はまるでオペラのアリアを聴いているように感じます。実に歌心のあるクラリネットです。作曲の才以上にヴィトマンのクラリネットの演奏は素晴らしいです。無論、カルテット・アマービレのサポートも見事でした。
彼らのアンコールがなかったのが唯一の不満です。モーツァルトかブラームスのクラリネット五重奏曲の一部を聴かせてくれると思っていたんですけどね。

ヴィトマンの才能、そして、カルテット・アマービレの素晴らしい演奏。最高の一夜でした。


今日のプログラムは以下です。

  イェルク・ヴィトマン(クラリネット)
  カルテット・アマービレ
   篠原悠那(ヴァイオリン) 北田千尋(ヴァイオリン)
   中 恵菜(ヴィオラ)  笹沼 樹(チェロ)
  周防亮介(ヴァイオリン)
  鈴木慧悟(ヴィオラ)
  上村文乃(チェロ)

  ヴィトマン:クラリネット独奏のための《3つの影の踊り》
  ヴィトマン:弦楽六重奏曲《1分間に180拍》
  ヴィトマン:ヴァイオリン独奏のためのエチュード第2番/第3番
  ヴィトマン:弦楽四重奏曲第3番《狩》

   《休憩》

  ウェーバー:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.34

   《アンコール》

  なし
  
  
最後に予習について、まとめておきます。

ヴィトマンのクラリネット独奏のための《3つの影の踊り》を予習したYOUTUBEは以下です。

  イェルク・ヴィトマン 2021年1月21日 WDR フンクハウス、ケルン

作曲家自らの演奏ですから、見事なものです。


ヴィトマンの弦楽六重奏曲《1分間に180拍》を予習したYOUTUBEは以下です。

  ケルン放送交響楽団のメンバー 2021年9月26日 WDR フンクハウス、ケルン 

素晴らしい演奏です。


ヴィトマンのヴァイオリン独奏のためのエチュード第2番/第3番を予習したYOUTUBEは以下です。

  カロリン・ヴィトマン 2021年5月21日 ケルン・フィルハーモニー

カロリン・ヴィトマンは作曲家の妹。見事な演奏を聴かせてくれます。何よりヴァイオリンの響きが美しいです。


ヴィトマンの弦楽四重奏曲第3番《狩》を予習したYOUTUBEは以下です。

  ヒース四重奏団 2017年12月17日 ウィグモアホール、ロンドン
  ヒエロニムス四重奏団 2017年2月 バレンボイム・サイード・アカデミー、ベルリン

いずれも素晴らしい演奏です。


ウェーバーのクラリネット五重奏曲を予習したCDは以下です。

  イェルク・ヴィトマン、アイルランド室内管弦楽団 2016年5月3日 リメリック大学ICOスタジオ、アイルランド セッション録音
  
ヴィトマンの吹き振りで弦楽四重奏のパートを弦楽オーケストラ(弦:6/6/4/4/2)に置き換えて演奏しています。ヴィトマンのクラリネットが素晴らしいです。



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       カルテット・アマービレ,  

初期、中期、後期弦楽四重奏曲・・・いずれも見事なアンサンブルと気魄に納得の演奏 ベートーヴェン・チクルス第3回 カルテット・アマービレ@王子ホール 2023.1.31

王子ホールで進行中のカルテット・アマービレのベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルスの第3回です。今回も素晴らしい充実度の演奏。初期、中期、後期、それぞれの弦楽四重奏曲はたっぷりとした中身のある音楽で、カルテット・アマービレはますます熟成し、けれども瑞々しさを湛えた渾身の演奏を聴かせてくれました。今回で中期の作品はすべて弾き終えて、残りは初期の3曲と後期の4曲を来年以降の3年3回のコンサートで弾くことになりました。来年は1月21日。ますます、名曲に挑戦することになります。楽しみですね。

さて、今日のコンサート。まずはみなさん、黒いお洒落なドレスで登場。ヴィジュアルさは音楽には関係ありませんが、音楽だけでなく、姿の美しさにも磨きがかかってきました。クラシック音楽界のアイドルみたいです。
冒頭はベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第2番。作品18の2です。今回のチクルスでは、作品18の6曲を作曲順に弾いています。これまで第3番、第1番と弾いてきました。次回は多分、第5番、作品18の5を弾くのでしょう。
第1楽章を弾き始めると、挨拶の主題が爽やかに響きます。美しいアンサンブルにぐっと惹き込まれます。ベートーヴェン初期の作品とは言え、とてもそうは思えない完成度の高さでsaraiもとっても好きな曲です。素晴らしいアンサンブルの中、第1ヴァイオリンの篠原悠那の美しい響きが光ります。第2楽章は抒情的な音楽がカルテット・アマービレの美しい響きで精緻に演奏されます。第3楽章、第4楽章は軽快に気持ちよく音楽が流れます。最上級の演奏でした。

次はベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第9番。「ラズモフスキー第3番」で知られているベートーヴェン中期の傑作です。明るく、勢いに満ちた作風の傑作です。カルテット・アマービレの演奏は最高に素晴らしいものでした。とりわけ、第4楽章のフーガは圧倒的な迫力でどこまでも突き進むという風情で魅力たっぷりの演奏でした。古典派の弦楽四重奏曲の総決算として、どこまでも音楽の高みに上り詰めるという音楽を若い4人は瑞々しい感性で歌い上げてくれました。

休憩後、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第13番 Op.130。終楽章はオリジナルの大フーガ Op.133を演奏します。実に長大な作品です。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中でもっとも演奏時間の長い作品です。カルテット・アマービレの4人の充実した演奏が最高の形で結実しています。ただただ、魅了されるのみです。第4楽章までの熟達した演奏はその後の第5楽章と終楽章の前座だったのかと思わせるほど、第5楽章のカヴァティーナが何とも思い入れたっぷりに奏でられます。作曲したベートーヴェンが凄いのですが、カルテット・アマービレのメンバーたちは思いつめたような深い感情を込めて、切々と音を紡いでいきます。彼らを突き動かしていたのは、愛の思い出か、単に音楽への深い傾倒なのか。老年のsaraiとて、平静な気持ちでは聴いていられません。曲が終わり、うーん、何も弾けませんね。彼らもちょっとチューニングで時間をとります。無論、普通の終楽章ならば、きっと、そのまま弾き進めたでしょうが、今日はここから長大かつ壮大な大フーガです。美しいカヴァティーナと対極をいくような音楽です。そして、彼らは意を決したように大フーガを弾き始めます。静かに始まった音楽も凄い迫力で盛り上がっていきます。カルテット・アマービレ、渾身の演奏です。そして、また、静謐な音楽が始まります。今日、最高の演奏です。精緻なフーガが見事に演奏されていきます。その果てで音楽は高潮し、再び、静まった後に圧倒的なフィナーレ。うーん、今日、最高の演奏でした。

カルテット・アマービレは聴くたびに彼らの音楽に魅了され、彼らの成長が楽しみで、そして、それ以上に若々しい音楽の精華に共感します。ソロ活動が増えた彼らですが、今後もこのカルテット・アマービレとしての室内楽の活動に軸を置いてもらいたいと老年ファンの一人として願うばかりです。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
         篠原悠那(第1ヴァイオリン)
         北田千尋(第2ヴァイオリン)
         中 恵菜(ヴィオラ)
         笹沼 樹(チェロ)


  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第2番 ト長調 Op.18-2
  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 Op.59-3 「ラズモフスキー第3番」

   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130/大フーガ 変ロ長調 Op.133


   《アンコール》
     ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 から 第6楽章 Allegro 変ロ長調 Op.130-6


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第2番を予習したCDは以下です。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1979年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤です。新盤よりもしっくりくる演奏です。


2曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第9番「ラズモフスキー第3番」を予習したCDは以下です。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1984年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤です。これも新盤よりもしっくりくる演奏です。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第13番 Op.130/大フーガ Op.133を予習したCDは以下です。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1983年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音
  リンゼイ弦楽四重奏団 2000年7月25-27日 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤と新盤です。これは新盤のほうがしっくりきました。


アンコールのベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 から 第6楽章 Allegro 変ロ長調 Op.130-6を予習したCDは以下です。そうです。当然、アンコールはこれしかないと予想して、予習しました(笑い)。

  リンゼイ弦楽四重奏団 1983年 ウェントワース、ホーリー・トリニティ教会 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の旧盤です。



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       カルテット・アマービレ,  

デュティユー、ドビュッシー、ラヴェルというフランス音楽でも魅了してくれるカルテット・アマービレ@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2022.6.29

先週のハクジュホールでのコンサートに引き続いて、saraiのお気に入りの若手カルテット、カルテット・アマービレの演奏を聴きます。

最初はデュティユーの弦楽四重奏曲「夜はかくの如し」です。無調と調性が入り混じるような幻想的な作品ですが、カルテット・アマービレは魅力に満ちた響きを聴かせてくれます。とりわけ、後半は音楽的レベルも高潮し、幻想的でいて、熱情にあふれた音楽を表現してくれました。趣きは異なりますが、ベルクの音楽を想起させられました。カルテット・アマービレは、響きの底をチェロの笹沼 樹がきっちり、安定的に支え、その上を第一ヴァイオリンの篠原悠那が美しく舞い踊るという風情で、その横で内声の2人、北田千尋、中 恵菜が響きを充足させるという感じで、四人の力量がますますアップしているようです。それによって、繊細で美しい響きからドラマチックなフォルテの響きまで、見事に演奏してくれます。その上で音楽的な表現が素晴らしく熟成してきているのが感じられます。

次のドビュッシーの弦楽四重奏曲は冒頭から凄まじい響きの音楽が続きます。フランス音楽でここまで力強く演奏するのはかなり個性的とも思えます。それが第二楽章まで続きます。このあたりは聴く人によって賛否両論があるかもしれません。saraiは一応、面白く聴かせてもらいました。別の表現はあるかもしれませんが、シンフォニックな響きの個性的な表現は考えた上での表現だったのでしょう。第三楽章は一転して、音量も抑えて、実に抒情に満ちた音楽で魅了されます。第二楽章までの奔放なまでの演奏はここへの布石だったのでしょうか。第四楽章は静謐さと熱さを適宜表現して、見事な演奏です。バランスのよい演奏で曲を閉じます。

後半はシックな黒のドレスに着替えて登場。ラヴェルの弦楽四重奏曲です。第一楽章は美しいメロディーを前面に出した美しい演奏です。特に第二主題でしょうか、途中のメロディーの美しい表現に魅惑されます。第二楽章はピチカートで活き活きとした演奏です。きびきびと音楽が進行します。第三楽章は内省的な気分の緩やかな音楽ですが、カルテット・アマービレの丁寧で心の込められた演奏で惹き付けられます。第四楽章は再び、活気に満ちた音楽で、カルテット・アマービレの充実した響きで気持ちよく音楽が閉じられます。

カルテット・アマービレのフランス音楽への取り組みは上々の演奏でした。今後さらに熟成していくことでしょう。

アンコールはプッチーニの弦楽四重奏曲 「菊」。先週聴いたばかりですが、プッチーニらしい美しいメロディーの音楽をカルテット・アマービレは思いっ切り、魅惑的に演奏し、このよく響くホールにそのプッチーニが響き渡ります。素晴らしい演奏に満足、満足。

カルテット・アマービレを先週に続いて聴き、彼らがますます、音楽の表現の幅を広げていることに感銘を受けました。とりわけ、個々の力量が確実に上がっていることが印象的でした。今後、ますます、期待できそうです。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   篠原悠那vn   北田千尋vn   中 恵菜va   笹沼 樹vc

  デュティユー:弦楽四重奏曲「夜はかくの如し」
  ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10

   《休憩》

  ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調

   《アンコール》
   プッチーニ:弦楽四重奏曲 「菊」I Crisantemi 嬰ハ短調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のデュティユーの弦楽四重奏曲は以下のCDを聴きました。

 ベルチャ弦楽四重奏団 2000年5月 イギリス、サフォーク、ポットン・ホール セッション録音
 アルカント・カルテット 2009年10月 ドイツ、Teldex Studio Berlin セッション録音

ベルチャ弦楽四重奏団も見事な演奏ですが、アルカント・カルテットは最高級の素晴らしい演奏です。なお、どちらのアルバムもデュティユー、ドビュッシー、ラヴェルの弦楽四重奏からなるアルバムです。


2曲目のドビュッシーの弦楽四重奏曲は以下のCDを聴きました。

 アルカント・カルテット 2009年10月 ドイツ、Teldex Studio Berlin セッション録音
 ベルチャ弦楽四重奏団 2000年5月 イギリス、サフォーク、ポットン・ホール セッション録音
 
これはいずれ劣らぬ素晴らしい演奏です。


3曲目のラヴェルの弦楽四重奏曲は以下のCDを聴きました。

 アルカント・カルテット 2009年10月 ドイツ、Teldex Studio Berlin セッション録音
 ベルチャ弦楽四重奏団 2000年5月 イギリス、サフォーク、ポットン・ホール セッション録音
 
これはベルチャ弦楽四重奏団のほうが気持ちよく聴けました。



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魅惑のプッチーニ、濃厚なロマンのブラームス、スケール感のあるドヴォルザーク 充実のカルテット・アマービレの熱演@ハクジュホール(Hakuju Hall) 2022.6.24

ハクジュホールで進行中のBRAHMS Plusシリーズの3回目。2回目までは聴き逃がしました。

最初はプッチーニの弦楽四重奏曲 「菊」。プッチーニらしい美しいメロディーの音楽をカルテット・アマービレは思いっ切り、魅惑的に演奏します。短い曲ですが、ぐっと惹き付けられます。素晴らしい演奏でした。

次はブラームスの弦楽四重奏曲 第2番。これは濃厚なロマンの作品を前のめりで演奏してくれます。ブラームスの世界を堪能しました。ここまでは女性奏者はシックな黒いドレス姿です。

後半は明るい白系のドレスに着替えて登場。ベテランのお二人も一緒に登場して、ドヴォルザークの弦楽六重奏曲を演奏します。冒頭の美しいメロディーでぐっと惹き付けられます。全編、ドヴォルザークらしいスラブ風の美しい音楽がホールに満ちます。6人の奏者が演奏すると、ちょっとした室内オーケストラの響きです。最後は高潮して圧巻のフィナーレ。

アンコールのチャイコフスキーの弦楽六重奏曲もとても美しい演奏でした。

久し振りに聴くカルテット・アマービレは実に安定した演奏を聴かせてくれました。実はまた、来週も彼らの演奏を聴きます。詳細な感想はそのときに書きましょう。


今日のプログラムは以下です。

  カルテット・アマービレ BRAHMS Plus 〈 Ⅲ 〉

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   篠原悠那vn   北田千尋vn   中 恵菜va   笹沼 樹vc
  チェロ:山崎伸子
  ヴィオラ:鈴木康浩

  プッチーニ:弦楽四重奏曲 「菊」I Crisantemi 嬰ハ短調
  ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 Op.51-2

   《休憩》

  ドヴォルザーク:弦楽六重奏曲 イ長調 Op.48

   《アンコール》
   チャイコフスキー:弦楽六重奏曲《フィレンツェの思い出》Souvenir de Florence Op.70 から 第2楽章 ニ長調 Adagio cantabile e con moto



最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のプッチーニの弦楽四重奏曲 「菊」は以下のCDを聴きました。

 ブロドスキー四重奏団 2012年10月28-30日 イギリス、サフォーク、ポットン・ホール セッション録音

とても美しい演奏です。


2曲目のブラームスの弦楽四重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

 ベルチャ弦楽四重奏団  2015年3月6-7日 Aldenburgh Music, Britten Studio, Snape,英国 セッション録音
 
素晴らしいブラームスに魅了されました。


3曲目のドヴォルザークの弦楽六重奏曲は以下のCDを聴きました。

 エルサレム弦楽四重奏団
  〔アレクサンドル・パヴロフスキ(1st ヴァイオリン)、
   セルゲイ・ブレスラー(2nd ヴァイオリン)、
   オリ・カム(ヴィオラ)、
   キリル・ズロトニコフ(チェロ)〕
  ヴェロニカ・ハーゲン(ヴィオラ)
  ゲイリー・ホフマン(チェロ)
    2017年1月11-14日、テルデックス・スタジオ・ベルリン セッション録音
 
素晴らしいアンサンブル、郷愁に満ちた音楽です。



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Steppkeです。

その時のハンナはMara Mastalir(マーラ・マスタリル)で、ヴァランシエンヌはRebecca Nelsen(レベッカ・ネルセン)でした。ちなみにダニロはMarco Di Sap

05/22 00:24 Steppke

Steppkeさん、こんばんは。

専門的なコメント、ありがとうございました。

2015年の新国立劇場のこうもりは経歴に書かれていました。その公演を見られたんですね。

フォ

05/21 03:12 sarai

sarai さん、こんにちは。Steppke です。

マヌエラ・レオンハルツベルガー(Manuela Leonhartsberger)には、2回遭遇しています。

1回目(2015年2月)は、新国立劇場の

05/20 22:33 Steppke

最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

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3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai
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