ティーレマンのブラームスはシュターツカペレ・ドレスデンとの演奏で完成の域に達したようです。今日のシュターツカペレ・ベルリンとの演奏はまるでシュターツカペレ・ドレスデンとの演奏を聴いている感じ。このシュターツカペレ・ベルリンは素晴らしいアンサンブルを誇り、シュターツカペレ・ドレスデンに優るとも劣らないレベルの凄い演奏を聴かせてくれます。よほど、バレンボイムが鍛え上げたのでしょうか。CDで聴いたシュターツカペレ・ドレスデンの演奏を彷彿とさせてくれます。実演を聴くのですから、さらに興が深いものです。
ティーレマンのブラームスはどうやら、基本パターンが決まっているようで、どの楽章も中間部で抑えた響きで繊細で自然な音楽を歌い上げて、後半は一気に勢いを増して、テンポも上げ、壮麗な響きで圧倒するという勝利の方程式で聴くものを納得させます。中間部は優秀な木管のソロと繊細な弦楽アンサンブルで静謐な音楽を聴かせてくれます。これこそ、ティーレマンが到達した音楽であることを実感しました。かつての剛腕のティーレマンからは考えられない音楽です。そして、その後に一転して、金管と素晴らしい響きの弦楽アンサンブルの威力を全開放して、ロマンの香り高い圧倒的な音楽を歌い上げます。このあたりはさすがに剛腕のティーレマンの真骨頂です。前半の第3番もこのパターンで第1楽章、第2楽章が素晴らしい出来でした。
そして、後半の第4番も第1楽章、第2楽章がこのパターンで素晴らしく決まります。圧巻だったのは第4楽章のパッサカリア。これもパッサカリア主題を変奏しながら、ティーレマンの基本パターンで素晴らしい音楽が奏でられます。まるで、この楽章がブラームスの4曲の交響曲の締めくくりのような風情の盛り上がりです。最後は凄い高揚に上り詰めて、感動のフィナーレ。これ以上の演奏はないでしょう。
聴衆の拍手に応えるティーレマンのどや顔もいいね・・・。

ティーレマンはやっぱり、凄かった!! そして、シュターツカペレ・ベルリンはまるでシュターツカペレ・ドレスデンを聴いているか、あるいはそれ以上のレベルの音楽を聴いている感覚でした。
ひとつだけ、残念だったのは、最初からティーレマンが来ると分かっていれば、ちゃんといい席のチケットを購入できたのにということです。昨日のブラームスも聴き逃がしたしね。
今日のプログラムは以下のとおりです。
指揮:クリスティアン・ティーレマン
管弦楽:ベルリン国立歌劇場管弦楽団≪シュターツカペレ・ベルリン≫
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
《休憩》
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op. 98
最後に予習について、まとめておきます。
ブラームスの交響曲第3番を予習したCDは以下です。
クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン 2012年10月 ゼンパーオーパー、ドレスデン ライヴ録音
ティーレマン、渾身のブラームス。堂々たる演奏でありながら、自然で落ち着いた音楽の流れも見事。
ブラームスの交響曲第4番を予習したCDは以下です。
クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン 2013年4月 ゼンパーオーパー、ドレスデン ライヴ録音
3番と同様ですが、さらに素晴らしい演奏。
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