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今年のヨーロッパ遠征・・・ウィーン国立歌劇場の楽劇《サロメ》の予習

今年のヨーロッパ遠征の準備中です。

今日はオペラ・コンサートの予習です。

ウィーン国立歌劇場で本当に久しぶりにオペラを聴きます。最後に聴いたのは2015年6月のヒンデミットの歌劇「カルディヤックCardillac」。4年ぶりです。そして、ウィーン国立歌劇場で聴くR.シュトラウスは格別です。ここでR.シュトラウスを聴くのは、2014年6月に歌劇「ナクソス島のアリアドネ」を聴いて以来、5年ぶりです。
満を持して、予習したのはアンゲラ・デノケがサロメを歌ったブルーレイ・ディスク。凄いオペラです。それを実感させてくれる、素晴らしい演奏でした。デノケの絶唱とヨカナーンを歌ったアラン・ヘルドが素晴らしかったです。特に二人が絡み合うシーンでは聴き惚れてしまいました。歪んだ形の愛、聖と俗の対照、若きシュトラウスの天才たる音楽をデノケとヘルドは見事に歌い切ります。R.シュトラウスの音楽は今でも前衛を走ります。フィナーレでは言葉を失いました。

予習した曲とキャストは以下です。

・リヒャルト・シュトラウス:『サロメ』全曲

サロメ:アンゲラ・デノケ(S)
ヘロデ:キム・ベグリー(T)
ヘロディアス:ドリス・ゾッフェル(Ms)
ヨカナーン:アラン・ヘルド(Br)
ナラボート:マルセル・レイヤン(T)
ベルリン・ドイツ交響楽団
指揮:シュテファン・ゾルテス

演出:ニコラス・レーンホフ
舞台デザイン:ハンス=マルティン・シュローダー

収録時期:2011年
収録場所:バーデン・バーデン祝祭劇場(ライヴ)


ウィーン国立歌劇場でのキャストは以下です。

指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス
演出:ボレスラウ・バルロク
舞台デザイン:ユルゲン・ローゼ

ヘロデ:イェルク・シュナイダー
ヘロディアス:リンダ・ワトソン
サロメ:アウシュリネ・シュトゥンディーテ
ヨカナーン:アラン・ヘルド

サロメの演出は今でも変わっていません。演出家のボレスラウ・バルロクは既に故人です。この演出のサロメは2011年の10月に聴いています。このとき聴いたサロメは最高に素晴らしい演奏でした。オーケストラの究極の美に酔いしれました。このときのブログ記事はここです。今回もウィーン国立歌劇場のオーケストラはきっと素晴らしい演奏を聴かせてくれるでしょう。楽しみです。



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       デノケ,  

いろんな思いが交錯:オペラ《カルディヤック》@ウィーン国立歌劇場 2015.6.22

今日からは昨日までのダブルのコンサートとオペラは終了し、素直にオペラ1回だけです。

今日のオペラは手放しで絶賛するわけにはいきません。とは言え、演出も音楽も実に意欲的ではあったんです。ですが、いい意味でもう少し、力を抜いて上演してほしかったというのがsaraiの本音です。きっと、この公演は賛否両論あるのではないかと思います。実はこの公演を聴くために予習したDVDがあります。

 パリ・オペラ座公演
 指揮:ケント・ナガノ
 演出:エンゲル
 カルディヤック:ヘルド
 娘:デノケ
 将校:ヴェントリス
 貴婦人:ミヌティッロ

これが素晴らしい出来なんです。何といっても、ヒンデミットの音楽の美しさに心を奪われます。そうです。このオペラは20世紀のドイツ現代音楽を牽引した作曲家ヒンデミットの作品なんです。ヒンデミットと言えば、ユダヤ人でもないのにナチスに退廃芸術の烙印を押されて、スイスへの亡命を余儀なくされた作曲家です。ヒットラーに嫌われるほど、当時の前衛音楽を固守した人です。パリ・オペラ座の公演はそういう過去を捨て去り、古典作品のひとつとして、音楽の純粋な美しさを引き出した素晴らしいものです。演出もパリが舞台ということで実にお洒落。新古典風の音楽を前面に出したファンタスティックな内容にヒンデミットの音楽の素晴らしさを教えられました。

で、今日の公演ですが、18世紀のオペラ風の表現をベースに表現主義的とも思える演出です。舞台はパリですが、どう見ても第一次世界大戦後のベルリンをイメージさせられます。実際、このオペラはパリを舞台としているもののヒットラーが台頭してきたベルリンの状況を描いたと言われているので、おかしな演出ではありませんが、表現主義的と言い、ベルリンを想起させることと言い、あまりに教条主義的な演出に辟易してしまいました。パリ・オペラ座の自由な演出に1票というのがsaraiの意見です。これでは、ヒンデミットの素晴らしさが現代に蘇りようがありません。まあ、このヒンデミットの作品も幅の広い表現が可能なんだなと思えば、今日のような公演もありなのかも・・・。

音楽も演出に引きずられたのか、表現主義的な演奏。ヒンデミットの音楽はそんなものだと言われれば、それは仕方がありませんが、もはや、古典としての演奏であっていいのではないかというのがsaraiの意見です。

それでも、娘役のデノケは期待通りの素晴らしい歌唱。第2幕のカルディヤックと一緒に歌う場面の美しさには心を打たれました。それまでの新古典風の音楽が一変して、無調的な音楽に転じ、まるでベルクの音楽を聴いているような風情です。もっとも、ヒンデミットはシェーンベルクの12音技法に批判的でしたので、これは調性の拡大なんでしょうが、素人のsaraiが聴けば、立派なノントナールの音楽にしか聴こえません。ともあれ、デノケの歌唱と実質ウィーン・フィルのオーケストラが奏でる音楽の美しさにはうっとりとしてしまいます。また、第3幕の終幕でのデノケと将校役のリッパートが繰り返しの無限旋律のように歌う音楽の美しさは彼岸の輝きがありました。実質ウィーン・フィルの室内オーケストラ編成の弦の美しさもその輝きに一役かっていました。そうそう、今日のコンサートマスターだったのはシュトイデ。彼の独奏も見事でした。

バロック以前の音楽を基盤に新しい音楽を作り出したヒンデミットの前衛性はヒットラーにとっては許しがたいものだったのでしょうが、その時代の《退廃芸術》の多くの芸術作品と同様に現代ではもう古典の芸術です。今となっては、これが何故、理解しがたい《退廃芸術》だったのか、ヒットラーに問い質したいものです。ヒンデミットの作品群が再評価されることを願い、saraiも積極的にヒンデミットを聴いていきたいと思います。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:Michael Boder
  演出:Sven-Eric Bechtolf
  合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  パウル・ヒンデミット:オペラ《カルディヤック》

  カルディヤック:Tomasz Konieczny
  娘:アンゲラ・デノケ
  将校:Herbert Lippert
  貴婦人:Olga Bezsmertna
  騎士:Matthias Klink
  金商人:Wolfgang Bankl

明日は3回目のヤンソンス指揮ウィーン・フィルのマーラーを聴きます。ウィーンの楽しみは尽きません。


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       デノケ,  

ティーレマンの《パルジファル》、デノケも最高@ウィーン国立歌劇場 2012.4.8

かなり期待して臨んだ復活祭の日曜日に上演するワーグナー舞台神聖祝典劇《パルジファル》でしたが、恐ろしく思えるほどに磨き上げられた演奏にただただ感動するのみでした。それにしても、主役は指揮者のティーレマンに間違いありません。オペラで指揮者が主役だったのはこれまでsaraiにはカルロス・クライバーの《薔薇の騎士》しかありませんでした。ティーレマンは当地では絶大な人気を誇りますが、その実力たるや、底知れない感じで、指揮する姿だけ見ていても、クライバーとは別の意味で魅了されるものがあります。
今夜のティーレマンは神が乗り移ったような指揮で、あくまでもsaraiの素人としての感想では、世に名高い1962年のバイロイトでのクナッパーツブッシュの演奏にも匹敵するものでした(クナッパーツブッシュファンの皆さん、恐れ多いことを言ってごめんなさい)。まさに今夜はティーレマンの《パルジファル》でした。
第3幕は舞台からつい目が離れ、ティーレマンの指揮する姿に釘づけといった感でした。
もちろん、ウィーン国立歌劇場のオーケストラ(実質、ウィーン・フィルです。当夜もコンサートマスターはライナー・キュッヒル、その横はダナイロヴァと豪華な顔ぶれ)という名器あればこそ、ティーレマンも縦横にその力を発揮できたわけです。歌手陣も充実していましたが、何といってもクンドリー役のアンゲラ・デノケの澄みきった声の素晴らしさはうっとりと聴き惚れるしかないものでした。演技も聖俗すべてをあわせ持つ難しい役どころを見事にこなし、体当たり的とも思えるヌードまで披露してくれる大サービス。saraiも男性の一人として、脱帽するのみです。もちろん、彼女はソプラノなので、声域的に低音が苦しい部分もありましたが、逆に高音域の清らかな声は次第に聖化していく女性像を美しく表現していました。特に第2幕の長いモノローグ、パルジファルとの絡みなどはこれまでのクンドリー役としては最高の出来栄えに思えました。ワルトラウト・マイヤーが現在、最高のクンドリー役として評価されていますが、清らかさへの昇華という観点からデノケに軍配を上げたい気持ちです。

今日のキャストは以下です。

 指揮:クリスティアン・ティーレマン
 演出:クリスティーネ:ミーリッツ
 管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
 アンフォルタス:ファルク・シュトルックマン
 ティトゥレル:アンデレアス・ヘール
 グルネマンツ:クァンチュル・ヨーン
 パルジファル:サイモン・オニール
 クリングゾル:ヴォルフガング・バンクル
 クンドリー:アンゲラ・デノケ

saraiと配偶者の陣取った席は平土間の前から4列目の中央右寄りという好位置。間近にティーレマンの姿も見えます。
まず、第1幕への前奏曲が始まります。何と厳かで宗教的とも思える演奏でしょう。オーケストラの柔らかく美しい響きで空間が満たされます。こちらも厳粛な面持で緊張感いっぱいです。やがて、祈りのような音楽の果てに幕を透かせてステージが見えてきます。そして、幕が上がります。グルネマンツ役のヨーンが歌い始めますが、なかなかの美声で意外な驚きです。表現力もあり、素晴らしいバリトンです。グルネマンツは言わば、狂言回しのような役どころでとても重要な押さえどころですが、十分、満足して聴けました。うっとりと聴き入ることもしばしばでした。すぐにクンドリー役のデノケも登場。頭の頭巾も含め足首まで黒づくめの衣装です。第1幕では、美声を少し聴かせてもらう程度で、お楽しみは第2幕です。次いで、アンフォルタス役のシュトルックマンの登場。彼の実力からすれば、このあたりではまだまだ抑えた歌唱ですが、ベテランらしく、そつなくこなしていました。そして、タイトルロールのパルジファル役のオニールです。多分、初めて聴くテノールですが、パルジファルにしては明るい声でイメージが違います。ただ、このあたりではパルジファルは悟りにいたっていないので、少し、能天気っぽいのもよいのでしょう。事実、第2幕後半の聖人に昇華するあたりでは、実に熱っぽい歌唱に変化していました。最強のパルジファルではありませんが、十分満足できるパルジファルであると言えます。第1幕終盤の聖杯の場面はさすがにウィーン国立歌劇場の合唱が響き渡り、素晴らしいものでした。ただ、女声合唱が舞台裏(下?)からなので、もうひとつ弱かったかなという印象です。事実、舞台がリフトアップされて、下から女性及び少年合唱が登場するとなかなかの響きでした。演出上の問題もありますが、音楽最優先がsaraiの好みです。
長大な第1幕も緊張感をきらすことなく聴き通せたのは、いかに素晴らしい音楽が展開されたかの証しでしょう。幕があり、ぱらぱらと拍手が起きましたが、ウィーンやバイロイトでは第1幕後は現在でも拍手は慣例として禁止です。シーッという観客の声で拍手も止みました。ここで休憩。

休憩中、念願のウィーン国立歌劇場のネクタイをゲット。これで楽友協会とここへは専用のネクタイでこれから通うことになります。

第2幕は怪人クリングゾル役のバンクルの登場です。実に素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。第2幕だけの登場ではもったいないほどの素晴らしさでした。続いて、デノケが胸をはだけた体当たり的な衣装で登場。ぎょっとします。しかし、その歌声は人間の生の声、苦悩する人間の弱さ・強さを見事に表現していました。続いては花の乙女たちの登場。ミラーボールが回り出したのには苦笑しましたが、実に妖艶な雰囲気が醸し出されて、なかなよい演出でしょう。また、この場面は続くパルジファルとクンドリーの葛藤と昇華への導火線にもなっており、必然性が感じられました。ということで、クンドリー役のデノケが再登場して、いよいよ音楽は最高潮に達していきます。デノケの歌声の素晴らしさ。何を語っているのなんか、saraiにはどうでもよい感じ。ただただ、彼女の透き通った声の響きにひたっているだけで幸福感に包まれます。さらにその歌声に呼応すかのように、新しく生まれ変わったともいえるパルジファル、すなわちオニールの熱のこもった歌声が響き渡ります。彼らの聖人対俗人の対決、愛の葛藤、聖人への昇華、もう、凄まじい歌声で響き渡る中、saraiはもう感動の嵐です。ティーレマンの率いるオーケストラも負けじと美しい響きを奏でます。これこそ、最高のワーグナーです。第2幕が終わったとき、もうsaraiはこのまま帰っても満足という感じでした。ここでまた休憩。

第3幕は冒頭に書いた通り、もう、ティーレマンの独り舞台。なんという素晴らしい指揮でしょう。座って指揮していますが、ときおり、ここぞという時に立ち上がり、オーケストラを鼓舞しますが、そのスケールの大きな演奏には圧倒され、もうひれ伏すだけです。ものすごい指揮です。というわけで第3幕は舞台は半分も見ていなかったかもしれません。ただただ、ティーレマンの指揮の素晴らしさ、その作り出す音楽の美しさ、重厚さ、強靭さ、もう表現は難しいですが、なるほど、これがワーグナー音楽の頂点だということは理屈抜きで体感しました。フィナーレの神々しさには参りました。
満場総立ちでティーレマンに怒号の声援です。ティーレマンに初めて、ワーグナー音楽の奥義を教えられた思いです。
それにしても、ウィーンでのティーレマンの人気は凄まじいものでした。実力あってのことですね。今回の旅では最後にティーレマン指揮のウィーン・フィルのコンサートを2回も聴きます。ますます、楽しみです。


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       ティーレマン,        デノケ,  

究極のヤナーチェク!デノケの《カーチャ・カバノヴァ》@パリオペラ座(ガルニエ宮) 2011.4.1

今回の旅は計10回のオペラ・コンサートを聴きましたが、その皮切りがパリオペラ座(ガルニエ宮)でのチェコの作曲家ヤナーチェクのオペラ《カーチャ・カバノヴァ》でした。オペラとしてメジャーな作品ではなく、saraiも生で聴くのは初めて。

この日のキャストは以下です。(歌手名の日本語表記は間違っているところもあると思います。ご容赦くださいね。)

 ヤナーチェク:オペラ《カーチャ・カバノヴァ》
  管弦楽:パリ国立オペラ座管弦楽団
  指揮:トマーシュ・ネトピル
  演出:クリストフ・マルタラー
  カーチャ・カバノヴァ:アンゲラ・デノケ
  ヂコイ:ヴァンサン・ル・テキシエ
  カバニハ:ジェーン・ヘンシェル
  チホン:ドナルド・カーシュ
  ボリス:ヨルマ・シルヴァスティ
  クドゥルヤーシュ:アレス・ブリシャイン
  ヴァルヴァラ:アンドレア・ヒル
  クリギン:ミカル・パルティカ

この日の公演の目玉は主役のカーチャを歌うアンゲラ・デノケ。彼女に惹かれて、このチケットを買いました。ところが開演直前にステージに人があらわれ、フランス語でマダム・デノケがどうのこうのと言っています。実はsaraiは以前もデノケの直前キャンセルがあって(そのときは《薔薇の騎士》のマルシャリン)、まだ一度も生の舞台を見ていなかったので、またかとがっかりです。ところが、その人の説明の最後で拍手が沸きました。きっと、喉か体調が悪いが、彼女は歌いますということだったんでしょう。

まずはオーケストラの序奏から始まります。何と素晴らしくヤナーチェックの旋律が響くんでしょう。弦も管もこれ以上の演奏はないって感じです。これはオペラですがこのオーケストラの響きを聴いているだけでもヤナーチェックのオーケストラ曲を満喫している感じに思えます。
で、すぐに幕が開くと、予想はしていましたが、やはり驚きました。舞台セットも衣装もそして演出もすべて1998年のザルツブルグ音楽祭のものとまったく同じです。妙なダンス風の動きまでまったく同じです。もう10年以上前の演出ですが、今見てもとてもモダンで新鮮な演出です。
で、肝心のオペラですが、オーケストラの色彩感があふれて、それでいてデリカシーに満ちた演奏と、主役(カーチャ)を歌うデノケのリリシズムあふれる抒情と繊細な女性の心のひだをめんめんとした表現で歌い上げる歌唱力にsaraiはいたく感動しました。
オーケストラの音楽の響きが素晴らしく、歌手はメロディーというより、チェコ語の語法で心理描写が中心なので、目をつぶって聴いていても心に沁みてくるような音楽でした。ヤナーチェックの音楽で今までで一番の感動でした。
歌手はデノケの名唱につきます。何と透明な声で、傷つきやすい純真な乙女(実年齢とは関係なしに)の心を表現していることでしょう。ありふれた日常のなかで一途な心が蝕まれていき、遂には日常の破綻に至る過程が実に細やかに歌われます。現代を生きる我々自身もピュアーな心を持ち続ければ、いつでもこの状況にはまりかねない。それを回避するために心に鎧で閉ざす毎日を過ごさざるを得ない。カーチャに自分を重ね合わせてしまいます。そう聴衆に考えることを迫るデノケの名唱でした。ある意味、悲しすぎます。しかし、何故か重くはありません。それがこのオペラの素晴らしいところでもあるでしょう。
デノケ以外の歌手では義妹のヴァルヴァラ役のヒルの素晴らしい声の響きがよかったです。特にデノケと2人で歌うところでは、二人の声の質が透明で似ているので、素晴らしい響きになっていました。これから期待できるメゾソプラノです。
そうそう、指揮のネトピルにも触れないといけないでしょう。このヤナーチェックの表現の難しいと思われる音楽を実に丁寧に的確に、そして美しく指揮し、見事にパリオペラ座管弦楽団の最高の響きを引き出していました。ヤナーチェックの管弦楽曲も聴いてみたいと思わせる素晴らしい指揮者です。

さて、名演の誉れ高い1998年のザルツブルグ音楽祭の公演と比べてですが、saraiとしてはオーケストラの出来とデノケの歌手としての熟成が素晴らしかった今夜の公演のほうを評価します。それにヴァルヴァラ役のヒルの素晴らしさも加味されますが、残念ながら、1998年のザルツブルグ音楽祭にも出演していたジェーン・ヘンシェルの声が少し衰えていたのは唯一のマイナス材料です。
この日の公演は期待以上のもので、多分、今回の旅で聴くオペラでベストなものになるだろうと思うほどの素晴らしさでした。パリ・オペラ座恐るべしです。
ただし、さすがにこの後に聴いたネトレプコとガランチャの最強コンビの《アンナ・ボレーナ》は感動し、泣かされたんですが・・・・

いずれにせよ、ヨーロッパのオペラハウスで聴くオペラは最高の音楽芸術と思ってしまいます。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

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04/23 23:45 sarai

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04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

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04/11 00:33 kico
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