FC2ブログ
 
  

アルプスの大パノラマ、そして、レマン湖のほとり、クララ・ハスキルの住んだ家へ

ルツェルンの6日目。今日は超早起きして、大観光に出かけます。アルプスのハイキングとスイスの鉄道の華の一つ、ゴールデン・パスラインの2本立て。それに一番、大事な最愛のピアニストが晩年まで暮らしたヴヴェイ訪問もあります。実に盛沢山。

朝6時の電車でルツェルンからインターラーケンに向かいます。ゴールデン・パスラインの1区間でもあり、パノラマ列車ですが、生憎、外は真っ暗。途中で夜が白み始めます。そうこうするうちにブリエンツ湖が見えてきます。すぐにインターラーケン・オストに到着。今日がここが最大の難関。10分の乗り換え時間で大きなスーツケースをコインロッカーに預けないといけません。そのためにコインはしっかりとため込みました。大きなロッカーは7フラン。5フランと2フランが必要です。念の為にこの7フランのセットを二組用意して、コインロッカーに急行。駅舎のホーム側にあります。やはり、大きなロッカーでも2つのスーツケースは入らず、二つのロッカーを利用することになります。今度はラウターブルンネン行の電車に向かいます。セーバーデイパスのファーストクラスを買ってあるので、楽観していたら、意外にファーストクラスも混んでいます。ともかくラウターブルンネンに行き、4分でミューレンに向かうロープウェイに乗り換えますが、実は電車が早く着き、余裕で乗り換え。グリュッチアルプに到着後、BLM鉄道に乗り換えてミューレンへ。この頃には既に快晴の下、アイガー北壁、メンヒ、ユングフラウはくっきりと視界に収まっています。ミューレン村をちょっと散策して、また、BLM鉄道で戻りますが、友人のアドバイスで途中駅で下車し、15分後に来る後続電車を待つ間、アイガー、メンヒ、ユングフラウの3山の絶景を楽しみます。ラウターブルンネンからはヴェンゲンまで登山電車に乗り、そこから、メンリッヒェン行のロープウェイに乗ります。あらかじめ予約してあった、ゴンドラの展望席(ゴンドラの屋上)からの360度の景色を楽しみます。これは絶対にお勧めです。メンリッヒェンの駅に到着後、メンリッヒェンの山頂に向かいます。既に3山はくっきりと見えており、一昨年の何も見えなかったときのリベンジを果たせます。山頂に上るのは大変で休み休み上ります。その苦労は報われて、素晴らしいパノラマが楽しめます。これが3山の眺め。左から、アイガー、メンヒ、ユングフラウです。

2019091701.jpg



しばらく山頂で楽しみ過ぎたため、予定時間をオーバー。急いでクライネシャイデックへのハイキングを敢行しましょう。まさに絶景のハイキングになりました。温度も上昇し、脱げるものはすべて脱ぎ、Tシャツ1枚でガンガン歩きます。アイガー北壁は常に見え、メンヒもほぼ見えています。ユングフラウは時折、山影に隠れますが、ここぞというときには美しい姿を見せます。同時にユングフラウヨッホの姿もくっきりと見えています。真夏ほど、花は咲いていませんが、草原の美しさも最高。放牧されている牛のカウベルの音もずっと聞こえています。素晴らしいハイキングを終えて、クライネシャイデックに着く頃には、3山の山頂は少し雲に巻かれていますが、それまでに十分過ぎるほどに見たので構いませんよ。

2019091702.jpg



クライネシャイデックには予定の電車の出発時刻の30分前に着いたので、グリンデルワルトまでのチケットを購入し(この区間はセーバーデイパスの有効区間に含まれていません)、レストランで特急でランチをいただきます。グリンデルワルトを経由し、インターラーケン・オストに戻り、コインロッカーから荷物を出して、いよいよ、ゴールデン・パスラインの鉄道旅の開始です。美しい山間の風景を楽しみながら、乗換駅のツヴァイジンメンへ。ここからはMOBご自慢のクラシック車両に乗り込みます。まるでオリエントエキスプレスの雰囲気です。となれば、祝杯も挙げたくなります。豪華にシャンパンとそのおつまみセット(チーズ、生ハム、燻製の肉など)を頼み、にわかの祝宴です。したたか飲んだせいで、途中からはぐっすりと寝込み、レマン湖が見えてきたところで配偶者に起こされます。美しい景色が広がっています。すぐにモントルーに到着。さっと、ジュネーヴ行の電車に乗り換えて、たった7分でヴヴェイに到着。ホテルに荷物を置き、PCにヘッドフォンをつなぎ、クララ・ハスキルが亡くなる直前にこのヴヴェイでセッション録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴きながら、レマン湖畔を歩いて、クララ・ハスキルが晩年を過ごしたアパートメントに向かいます。すぐに建物は見つかります。通りの名前はクララ・ハスキル通り、バス停もクララ・ハスキルです。建物の壁にはクララ・ハスキルの記念の銘板がふたつ飾られています。

2019091703.jpg



ハスキルのベートーヴェンは演奏はもちろん、音質も素晴らしいものです。故吉田秀和氏がハスキルはシューマンはよいが、ベートーヴェンは女性だから力強さに欠けると書いていましたが、彼は一体何を聴いていたのかと不思議になります。まあ、好みの問題かもしれませんが、saraiのような素人と違って、評論家は影響力がありますから、よくよく聴き込んだうえでの意見を発してもらいたいものです。そう言えば、彼はハスキルのモーツァルトはあまり聴き込んでいないようでした。PHILIPSの正規録音しか聴いていないようでした。そのレベルでの迂闊な発言だったと受け止めています。ともかく、力強さはもとより、深い音楽性の演奏でした。それを聴いていて、最近、誰か、似たような演奏をしていた記憶が戻ります。ああ、そうです。河村尚子のベートーヴェン。彼女はクララ・ハスキル・ピアノ・コンクールで優勝していますね。もしかして、ハスキルの演奏も聴いたのかしらね。そんなことをつらつら思いつつ、夕暮れの美しいレマン湖畔を散策しました。この風景はクララ・ハスキルも見た風景ですね。

2019091704.jpg



明日はローザンヌを経由して、スイスを後にして、フランスのリヨンに入ります。長いフランスの旅の開始です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

       ハスキル,  

クララ・ハスキルの日特別編 クララ・ハスキルの全録音を聴く:モーツァルト編(2)

先週、12月7日はsaraiの最愛のピアニスト、クララ・ハスキルが58年前に亡くなった日でした。今年もその日が巡ってきましたが、生憎、ノット&東響の《フィガロの結婚》があり、クララを偲ぶ記事が書けませんでした。5日遅れでクララ・ハスキルの日の記事をアップします。

現在、クララ・ハスキルの全録音を聴くという大企画を決行中です。もっとも全録音のCDまたはLPが入手できればの話です。
モーツァルトの作品の録音はほぼ収集できました。ハスキルのディスコグラフィーは以下のCDに付属しています。J.スピケの労作です。

 Clara Haskil - The Unpublished Archives TAHRA TAH389/390
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
   53/01/20、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
   52/12/19、チューリッヒ ハンス・シュミット・イッセルシュテット、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団
  等


前回はモーツァルトのピアノ協奏曲第9番から第19番までの全録音について聴いた感想をまとめました。
https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-2533.html
今回はモーツァルトのピアノ協奏曲第20番から第27番までの全録音について聴いた感想をまとめます。


ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466

(1)...48/07/25、エキサン・プロヴァンス エルネスト・ブール、パリ音楽院管弦楽団(INA) 
 ハスキルの現存するモーツァルトの録音で一番古いものです。したがって、音質は期待できませんが、オーケストラの音はともかく、ハスキルのピアノは意外に明快にとらえられています。第1楽章はハスキルも落ち着かなかったようで、拙速だったり、集中していないようですが、後半からはハスキルらしい音楽が展開されます。第2楽章はとても品格の高い演奏です。圧巻なのは第3楽章。ハスキルならではの見事な演奏です。終盤では、素晴らしく勢いのあるカデンツァも含めて、彼女の素晴らしいピアノの表現に圧倒されます。INAはよくもこういう記録を復活してくれました。感謝するのみです。
    
(2)...50/09/23-24、ヴィンタートゥール ヘンリー・スウォボダ、ヴィンタートゥール交響楽団(Westminster)カデンツァ:ニキタ・マガロフ
 ピアノ、オーケストラ、ともに素晴らしい演奏。デモーニッシュではなく、詩情にあふれた音楽に仕上がっています。ハスキルのピアノは第2楽章で詩情豊かに歌いますが、それよりも第3楽章の真珠の球を転がすようなきらめきに満ちた演奏が素晴らしく感じられます。LPレコードの音質が光ります。

(3)...52/12/19、チューリッヒ ハンス・シュミット・イッセルシュテット、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団(THARA)
 スタジオ録音のため、ハスキルの落ち着いた演奏が光ります。第1楽章、第3楽章は勢いのある演奏。第2楽章はさりげない力の抜けた演奏ながら、後半の美しい演奏が印象的です。シュミット・イッセルシュテットの堂々たるオーケストラのサポートも見事です。録音もよく、聴き応えのある演奏です。ハスキルの魅力全開とは言えないまでも、とても素晴らしい演奏・録音と言えます。

(4)...54/01/10、ベルリン(オイローパ宮) フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(Audite)
 ライヴとは思えない落ち着いた演奏ながら、ハスキルもフリッチャイも気迫に満ちています。とりわけ、ハスキルの輝かしいピアノの音色は素晴らしいです。フリッチャイとの協奏も見事。これは名演です。録音はピアノとオーケストラのバランスが絶妙。

(5)...54/01/11-12、ベルリン(イエス・キリスト教会) フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(DGG)
 もうハスキルのピアノの響きを聴いているだけで、ハスキルのファンは幸福になれる。そういう演奏です。基本的には前日のライヴとほぼ同じ演奏ですが、ハスキルの気品に満ちたピアノの透徹した響きは第1楽章から第3楽章まで変わらず、速いパッセージになっても安定した響きです。第3楽章のカデンツァに至り、演奏は勢いを増して、胸を打たれるようなハスキルの演奏にただただ感服するのみです。フリッチャイはライヴよりもサポート役に徹して、見事な演奏を聴かせてくれます。

(6)...54/10/11、ウィーン ベルンハルト・パウムガルトナー、ウィーン交響楽団(Philips)
 ハスキルの純度の高い響きで端正に、そして、音楽に敬意を持って、実に丁寧に弾かれた演奏は最後まで維持されます。適度に軽い残響のあるホールトーンで美しい音楽はこの上もなく、心に沁み渡ってきます。パウムガルトナー指揮のウィーン交響楽団も見事なサポートです。こういう素晴らしいセッション録音を残してくれたPhilipsに感謝です。因みにハスキルの演奏スタイルは同じ年に録音されたフリッチャイとの演奏とほとんど変わりません。すっかり、この曲を自分のものとして確立したようです。

(7)...56/01/28、ザルツブルグ ヘルベルト・フォン・カラヤン、フィルハーモニア管弦楽団(ORF)カデンツァ:クララ・ハスキル
 これは本当に驚きました。まさに一期一会とも思える会心の演奏です。生命力に満ちて、純度の高い響きで、ハスキルはこの名曲を弾き切ります。第3楽章の素晴らしさには感銘を受けてしまいます。カラヤンの絶妙のサポートも見事の一語です。ピアノに寄り添いつつ、ピアノの響きを高めていくような素晴らしい指揮です。永遠に語り継いでいくような名演です。この演奏では以前とはカデンツァが変わりましたね。これがハスキル自身の作ったカデンツァでしょうか。なお、カラヤンとは、このとき、ウィーン、ザルツブルク、ミュンヘン、パリ、ロンドンで10回以上もツアーでコンサートを行い、ハスキル自身も満足の出来だったそうです。カラヤンとはこれが最後の共演になったそうです。

(8)...56/11/06、ボストン シャルル・ミュンシュ、ボストン交響楽団(MUSIC&ARTS)カデンツァ:ニキタ・マガロフ
 音質はまあまあというところですが、ハスキルの純度の高いピアノの響きは十分にさえわたっています。ハスキルの演奏は相変わらずの素晴らしさ。とりわけ、第2楽章の情感あふれる演奏はこれまでで最高のレベルです。ミュンシュの気合のはいった指揮も聴きものです。なお、この演奏は初のアメリカでのコンサートツアーで最初のボストンでの4回のコンサートのうちの最後のコンサートです。最初の3回はベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番でしたが、この最後のコンサートはミュンシュのたっての希望でこのモーツァルトのピアノ協奏曲第20番が取り上げられたそうです。道理でハスキルもミュンシュも気合がはいっていたわけです。ハスキルもこの演奏について、満足していたようです。ところでカデンツァはまた、元のマガロフのカデンツァを弾いています。予定外の曲目だったので、古くから弾いていたカデンツァを弾いたのかもしれません。

(9)...57/09/27、モントルー音楽祭 パウル・ヒンデミット、フランス国立管弦楽団(INA)カデンツァ:ニキタ・マガロフ
 何故か、可憐に咲く一輪の白い花をイメージしました。オーケストラは妙に重い演奏でリズムも悪いのですが、ハスキルのピアノが入ってくると、空気が一変します。実に気品の高い清冽な演奏です。オーケストラとのギャップが逆にハスキルのピアノを引き立てている印象すらあります。音質もハスキルのピアノの響きを聴き取るのに十分なレベルです。ハスキルはこの曲の演奏形式を完全に確立していて、常に高いレベルの演奏を聴かせてくれます。 

(10)...59/09/08、ルツェルン オットー・クレンペラー、フィルハーモニア管弦楽団(URANIA、AUDITEハイレゾ)カデンツァ:ハスキル
 URANIAのCDは音質は悪いですが、素晴らしい演奏でした。今回、新たにAuditeのダウンロード販売で入手したハイレゾ音源はまるで奇跡のように素晴らしい音質で、オーケストラもハスキルのピアノの響きも素晴らしく磨きあがっています。とりわけ、ハスキルのピアノの高域のピュアーな響きと低域の深みのある響きは感涙ものの素晴らしさ。ルツェルン音楽祭のハイレゾ音源シリーズでは、フルトヴェングラーのシューマンの交響曲第4番も見事に蘇りましたが、これはそれを上回る出来です。この演奏で聴くハスキルの音楽は一段と芸術上の高みに上った感があります。潤いのある、磨き上げられたようなピアノの響きで哀感のある音楽を奏でていきます。まさに輝くような演奏に引き込まれてしまいます。第2楽章の深い詩情にあふれた演奏には絶句するのみです。第3楽章もパーフェクトな響きで音楽が始まります。なぜか、カデンツァが短く省略されたのはどういうことなんでしょう。そういう問題があるにしても、これこそ、ハスキルのモーツァルトを代表する名演奏であることは変わりません。クレンペラーもさすがに立派にオーケストラを鳴らしています。名指揮者と組んだときのハスキルは一段と輝きを増します。

(11)...60/11/14-18、パリ イーゴル・マルケヴィッチ、コンセール・ラムルー管弦楽団(Philips)カデンツァ:クララ・ハスキル
 これはLPレコードを入手しました。素晴らしい音質ですが、若干、音が硬い印象があります。演奏は巷で言われているほど、ハスキルの最高の演奏には思えません。直前に聴いた前年のクレンペラーとのライヴのほうが明らかに優っています。この曲だけはセッション録音だと、ハスキルの心情が強く表れないのかもしれません。ライヴでステレオ録音が残っていればと悔やまれます。とは言え、これだけ素晴らしい音でハスキルのピアノの音が聴けるのですから、貴重な録音であることは間違いありません。第3楽章だけは素晴らしい演奏です。勢いはありませんが、その代わり、くまどりのはっきりしたメリハリのきいた素晴らしい演奏です。(追記)ハイレゾ音源で聞き直した結果、ずい分、印象が変わりました。もう一つに思えたマルケヴィッチ指揮コンセール・ラムルー管弦楽団の演奏もなかなか素晴らしいです。そして、やはり、ハスキルの演奏は最高の輝きに満ちていました。オーディオも進化によって、こんなに演奏の印象が変わるものかと驚愕しました。

(結論) これらの11種類の録音はいずれもハスキルのファンならば、聴き逃せない演奏ばかりですが、とりわけ、56年のカラヤン、56年のミュンシュ、59年のクレンペラーは素晴らしいの一語に尽きます。54年のフリッチャイとのセッション録音、54年のパウムガルトナー、60年のマルケヴィッチも捨て去りがたい魅力に満ちています。やはり、ハスキルのピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466は大袈裟に言うと、人類の文化遺産の最高峰です。


ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488

(1)...53/06/25、ルガーノ オトマール・ヌシオ、スイス・イタリア語放送管弦楽団(Ermitage)
 うーん、これが本当にハスキルの演奏でしょうか? 響きといい、音楽性と言い、まるでハスキルらしくない演奏です。妙に綺麗過ぎるんです。音質がえらく良いのですが、音響的な処理のせいでしょうか。それでも第3楽章はハスキルならでは勢いのあるテクニックのある演奏なので、これはハスキルしか弾けないでしょう。オーケストラがメロー過ぎるほどのロマンティックな演奏をしているので、ハスキルも同調してしまったのかな。この曲をハスキルが以後、どんな演奏をしているのか、興味が尽きません。ほぼ1年後と3年後と6年後(亡くなる前年)の録音が残っているので、比較してみましょう。

(2)...54/10/08-10、ウィーン パウル・ザッハー、ウィーン交響楽団(Philips)
 これはハスキルらしい高貴さと詩情に満ちた演奏。ほぼ、4か月前の演奏は何だったんでしょう。第1楽章こそ、ピアノの響きがきちんと聴こえてきませんが、第2楽章の抑制のきいた美しさ、第3楽章の純度の高い響きには満足できます。オーケストラも美しい響きですが、決して、やり過ぎていません。最高の演奏ではありませんが、一定の水準の演奏です。

(3)...56/02/06、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール ヘルベルト・フォン・カラヤン、フィルハーモニー管弦楽団(ICA CLASSICS)
 クララ・ハスキルの新しい録音が発見されました。イギリスBBC放送で中継放送されたコンサートを当時の最高の機材で録音していたリチャード・イッター(Richard Itter)という奇特な人がいて、1952年から1996年まで、およそ1500点にのぼる放送録音をコレクションしていたそうです。今回、ICA CLASSICSがBBCと12年間の交渉との末、ようやく契約がまとまり、イッターの膨大な録音の中から40タイトルをリリースするそうです。その中に前から聴きたかったクララ・ハスキルとカラヤンが共演したロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのモーツァルトのピアノ協奏曲第23番があります。これはカラヤンと組んで、ウィーン、ザルツブルク、ミュンヘン、パリ、ロンドンなどで11回もコンサートを行い、ハスキル自身も満足の出来だったコンサート・ツアーの最後を飾るものです。もっともクララ自身はツアーが続いたため、このロンドンの演奏会は疲れていて満足な演奏の出来ではなかったと述懐しています。カラヤンとはこれが最後の共演になったそうです。既にザルツブルクでのモーツァルトのピアノ協奏曲第20番はオーストリア放送協会の録音がCD化されており、まさに一期一会とも思える会心の演奏です。生命力に満ちて、純度の高い響きで、ハスキルはこの名曲を弾き切っています。ロンドンでの1956年2月6日の演奏会については実際にその場で聴いた植村攻氏の感想が著書《巨匠たちの音、巨匠たちの姿》に書かれています。第2楽章のアダージオが絶品だったそうです。タイムズ紙もこの第2楽章を絶賛するレビュー記事を掲載したそうです。で、実際に聴いてみた感想は音質はもう一つながら、まあまあ、聴けるレベルにあるという感じです。演奏はやはり、第2楽章が白眉です。第3楽章も勢いのある演奏です。残念ながら、このコンビの第20番ほどの冴えはありませんでした。ただ、ハスキルの品格の高いピアノ、共演したカラヤンの気品に満ちた演奏は特筆すべきものです。

(4)...59/06/29、ディボンヌ・レ・バン音楽祭 ピエール・コロンボ、ジュネーブ室内管弦楽団(INA)
 未入手のため、この演奏だけは聴けていません。遂にこの演奏だけが未入手になりました。

(5)...59/09/15、モントルー シャルル・ミュンシュ、パリ国立管弦楽団(MUSIC&ARTS)
 嬉しくなってしまうような感動の名演です。生々しい録音でハスキルの素晴らしさがすべて分かってしまう感じ。ライヴなのに落ち着いた堂々たる演奏を聴かせてくれます。第1楽章から美しい響きでモーツァルトのメロディアスな音楽が奏でられますが、抑制のきいた格調の高い表現です。そして、第2楽章の素晴らしさ。深い思い、精神性と言ってもいいかもしれませんが、音楽に込められたハスキルの極上の世界が繰り広げられます。それに寄り添うミュンシュの抒情的な表現も見事です。第3楽章はもう、自由な飛翔が存分に展開されて、ただただ聴き入るのみ。晩年のハスキルの高い音楽性はもう、天上の世界を思わせられます。感動的なのは大指揮者ミュンシュがハスキルのピアノにぴったりと寄り添い、支えていることです。よほど、ハスキルのピアノに感銘を受けていたのでしょう。この録音を聴くだけでそれが分かります。ハスキルはその時代の大音楽家によほど愛されたのですね。胸が熱くなりました。

(結論) 59年のミュンシュとの演奏が最高です。56年のカラヤンも彼とのラストコンサートなので、価値がありますし、その品格の高い演奏は忘れられません。


ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491

(1)...55/12/08、パリ(シャンゼリゼ劇場) アンドレ・クリュイタンス、フランス国立管弦楽団(INA)
 ハスキルの魅力が凝縮されているような演奏です。これを聴いて、ハスキルのファンにならない人は音楽を聴く資格がないとそしられても仕方がないでしょう。大指揮者クリュイタンスの指揮するオーケストラの素晴らしい演奏が野暮に聴こえてしまうほど、ハスキルのピアノの響きは美しく、格調が高いと感じます。可憐な白い一輪の花というと、誤解があるかもしれませんが、そう表現したくなるような孤高のピアノです。第1楽章から冴え渡るピアノは、第2楽章でひと際美しく、第3楽章でも冴え渡る技巧の素晴らしさに聴いている自分が茫然自失になってしまいます。ハスキルの最高の演奏が聴けました。録音もINAの素晴らしい技術で最高です。

(2)...56/06/25、ローザンヌ ヴィクトル・デザルツェンス、ローザンヌ室内管弦楽団(Claves)
 全編、哀しみ色に塗り込まれた深い詩情にただただ聴き入るのみです。ハスキルのモーツァルトの中でも最高の演奏です。デザルツェンスの指揮もそういうハスキルの演奏にぴったりと寄り添って、雰囲気を盛り上げてくれます。ピアノ、オーケストラ、共に素晴らしい協奏曲を作り上げてくれました。どの楽章をとっても素晴らし過ぎる演奏ですが、第1楽章のカデンツァは最高の演奏です。忘れられない究極の演奏のCDになりました。

(3)...60/11/14-18、パリ イーゴル・マルケヴィッチ、コンセール・ラムルー管弦楽団(Philips)カデンツァ:クララ・ハスキル/ニキタ・マガロフ
 貴重なステレオ録音で期待してしまいますが、同時に録音された第20番 ニ短調の協奏曲と同様にがっかりしてしまいます。特に第1楽章ではハスキルの詩が聴こえてきませんし、響きも平凡です。救われるのは第2楽章の終盤から響きがよくなり、第3楽章の演奏が素晴らしいことです。これなら、第3楽章の後、もう一度、第1楽章を録音し直してくれれば、よかったのにね。まあ、この曲では既に素晴らしい録音が2つもあるのでいいでしょう。一般にはこのCDがハスキルの代表盤のようになっているので、これを聴いた人はハスキルの真髄を聞き逃して、誤解してしまうかもしれません。(追記)まだ、ハイレゾ音源を聴いていませんが、第20番では印象ががらっと変わったので、この演奏も大化けする可能性があります。上記の感想は一時、保留です。

(結論) 55年のクリュイタンス、56年のデザルツェンスとの演奏は、ハスキルのモーツァルト演奏の中でも究極を思わせる素晴らしいものです。


ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595

(1)...56/09/09、モントルー オットー・クレンペラー、ケルン放送(WDR)交響楽団(MUSIC&ARTS)
 ハスキルの素晴らしい演奏に至福を感じます。音質は聴き取り易く処理されていますが、音楽を損ねるようなものではありません。クレンペラーのがっちりとしたオーケストラに支えられて、ハスキルはすべての音楽をクレンペラーに一旦、委ねたかのしながらも、しっかりと自分の個性に満ちた音楽を奏でていきます。第1楽章、第2楽章は愛らしいとも言える、ゆったりとしたピアノの響きで、とても格調高いものです。ハスキルらしい純度の高いピアノの音も十分感じられます。第3楽章はハスキルのテクニックが素晴らしく、見事な音楽を展開していきます。何故か、このクレンペラーとかクリュイタンスとかミュンシュとかシューリヒトのような大指揮者と組んだときのハスキルは彼らにインスパイアされるのか、必ず、最高の演奏を聴かせてくれます。ああ、イッセルシュテット、ヨッフム、カラヤンも抜けていますね。彼らの誰かとモーツァルトのピアノ協奏曲全集を録音してくれていればとの思いが残ります。

(2)...57/05/07-09、ミュンヘン(ヘラクレスザール) フェレンツ・フリッチャイ、バイエルン国立管弦楽団(DGG)LP
 モーツァルトはかく演奏されねばならないというような最高の演奏です。ハスキルの最高の芸術をここに聴くことができます。彼女の純度の高いピアノの響きは極限まで高められて、聴くものの耳をも純化します。フリッチャイはよいサポートとか、寄り添うとかというレベルではなく、ハスキルの最高の演奏と一体化したような素晴らしい指揮です。彼こそ、ハスキルの芸術の何たるかを理解していた音楽家だったのですね。第1楽章の素晴らしい演奏に続き、第2楽章はさらに純化された最高の演奏です。第3楽章はさぞや、勢いに乗った演奏になると思っていたら、そうではありません。インテンポのゆったりした演奏で、すっかりと力の抜けた、軽み(かろみ)に至る演奏です。あまりの見事さに思わず、こちらは笑みがこぼれてしまいます。でも最後のフィナーレの凄まじさには感動します。まるで泣き笑いのようになってしまうような極上の演奏。ハスキルは本当に天才だったんですね。それが実感できる究極の1枚です。

(結論) 56年のクレンペラーとの演奏も素晴らしいのですが、57年のフリッチャイとの演奏ときたら、ハスキルの芸術のすべてが詰まっています。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハスキル,  

明日のフィガロに向けて、一休み

今日はFセンターのレクチャーコンサート。懇親会もあり、色んな勉強をしました。夜遅く帰宅。明日の「フィガロの結婚」は13時からの始まり。早く寝ましょう。
そうそう、朗報です。我が愛するクララ・ハスキルの新しい録音が発見されました。イギリスBBC放送で中継放送されたコンサートを当時の最高の機材で録音していたリチャード・イッター(Richard Itter)という奇特な人がいて、1952年から1996年まで、およそ1500点にのぼる放送録音をコレクションしていたそうです。今回、ICA CLASSICSがBBCと12年間の交渉との末、ようやく契約がまとまり、イッターの膨大な録音の中から40タイトルをリリースするそうです。その中に前から聴きたかったクララ・ハスキルとカラヤンが共演したロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのモーツァルトのピアノ協奏曲第23番があります。これはカラヤンと組んで、ウィーン、ザルツブルク、ミュンヘン、パリ、ロンドンなどで11回もコンサートを行い、ハスキル自身も満足の出来だったコンサート・ツアーの最後を飾るものです。もっともクララ自身はツアーが続いたため、疲れていて満足な演奏の出来ではなかったと述懐しています。カラヤンとはこれが最後の共演になったそうです。既にザルツブルクでのモーツァルトのピアノ協奏曲第20番はオーストリア放送協会の録音がCD化されており、まさに一期一会とも思える会心の演奏です。生命力に満ちて、純度の高い響きで、ハスキルはこの名曲を弾き切っています。ロンドンでの1956年2月6日の演奏会については植村攻氏の著書《巨匠たちの音、巨匠たちの姿》に書かれています。第2楽章のアダージオが絶品だったそうです。タイムズ紙もこの第2楽章を絶賛するレビュー記事を掲載したそうです。楽しみなCDが現れました。saraiはもちろん、すぐに注文しました。第23番はこれまで3枚のCDが出ています。このうち、1959年9月15日、モントルーでのシャルル・ミュンシュ指揮パリ国立管弦楽団との共演は嬉しくなってしまうような感動の名演です。さて、4枚目となるカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団との演奏は期待に応えてくれるでしょうか。クララが特別の忘れがたい演奏だったと語ったウィーンやミュンヘン、パリの公演も発見されるといいのですが・・・。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハスキル,  

クララ・ハスキルの全録音を聴く:モーツァルト編(1)

クララ・ハスキルの全録音を聴くという大企画です。もっとも全録音のCDまたはLPが入手できればの話です。
モーツァルトの作品の録音はほぼ収集できました。ハスキルのディスコグラフィーは以下のCDに付属しています。J.スピケの労作です。

 Clara Haskil - The Unpublished Archives TAHRA TAH389/390
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
   53/01/20、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
   52/12/19、チューリッヒ ハンス・シュミット・イッセルシュテット、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団
  等


今回はモーツァルトのピアノ協奏曲第9番から第19番までの全録音について聴いた感想をまとめます。


ピアノ協奏曲第9番変ホ長調『ジュノーム』 K.271

(1)...52/05/23、シュトゥットガルト カール・シューリヒト、シュトゥットガルト放送交響楽団(Hanssler Swr Music)
 第1楽章の冒頭、ハスキルのピアノはあれって言う感じの響きですが、中盤から持ち直し、第2楽章は満足の響き。第3楽章の終盤に至って、素晴らし過ぎる演奏に変貌し、圧巻のフィナーレ。シューリヒト指揮のシュトゥットガルト放送交響楽団は終始、かっちりした演奏で見事。ハスキルのピアノの響き・演奏の充実に伴って、素晴らしいサポートを見せます。
  
(2)...53/06/19、プラド パブロ・カザルス、プラド音楽祭管弦楽団(THARA)
 凄い演奏!! これでピアノの録音がもう少し、よければ最高だったのにと思います。カザルスはモーツァルトの交響曲の名演奏を彷彿とさせる躍動感と陰影に富む素晴らしい演奏です。一方、ハスキルはそのカザルスに触発されたかのごとく、のびやかな演奏。第2楽章の深い表現には魅了されるのみです。圧巻なのは第3楽章。素晴らしいテクニックを駆使して猛烈な速さでパーフェクトに弾き切ります。まさにモーツァルトの音楽の真髄を極める名演。

(3)...54/03/01、ハーグ オイゲン・ヨッフム、バイエルン放送交響楽団(THARA)
 全編、沈潜した気分の哀しみに満ちた演奏。特に第2楽章はまるでノクターンを聴いているような気分になります。ヨッフム指揮のバイエルン放送交響楽団は素晴らしい響きの演奏でハスキルのピアノにぴったりと合わせています。流石です。 

(4)...54/06/11、ケルン オットー・アッカーマン、ケルン放送(WDR)交響楽団(MEDICI MASTERS、MUSIC&ARTS)
 音質が素晴らしいです。ハスキルのピアノの芯のしっかりした響きがよく聴こえます。音楽的には第3楽章の迫力が圧巻。わくわくしてしまいます。第1楽章は少し落ち着きに欠けるのが残念。

(5)...54/10/08-10、ウィーン パウル・ザッハー、ウィーン交響楽団(Philips)
 素晴らしい演奏です。ザッハー指揮ウィーン交響楽団のウィーン風のオーケストラの演奏に乗って、ハスキルのピアノが優雅に響きます。第1楽章、第2楽章はその落ち着いた美しい響きにうっとりとします。ハスキルの最高の演奏です。第3楽章は少し勢いに欠けるのが残念です。セッション録音のためでしょう。それでも中間部の緩徐パートの美しい演奏からフィナーレにかけての演奏は素晴らしいです。音質はピアノの高音が少し割れ気味なのが残念です。

(6)...55/06/08、ローザンヌ イーゴル・マルケヴィッチ、フランス国立管弦楽団(INA)
 暗く沈んだ、しかし、気品に満ちた演奏。音質は普通。ハスキルのピアノを中心にマルケヴィッチはサポートしています。


ピアノ協奏曲第10番変ホ長調 K.365

(1)...54/10/18、チューリッヒ ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、パウル・ブルクハルト、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団(THARA)
 これは素晴らしい演奏。音質も最高です。ハスキルのピアノの響きが素晴らしく、アンダとの息もぴったり。オーケストラも美しい演奏です。難点を言えば、モーツァルトの曲自体がもうひとつかな。

(2)...56/04/24-26、ロンドン(EMIアビー・ロード・スタジオ) ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、アルチェロ・ガリエーラ、フィルハーモニア管弦楽団(EMI)
 録音が最高です。モーツァルトのセレナード的な響きが堪能できます。オーケストラの高域の伸びにも魅了されます。ハスキルのピアノは素晴らしく、また、アンダもハスキルのピアノと区別ができないほどの出来のよさ。ただ、ハスキルらしいピアノの粒立ちの響きは意外に聴き取れません。音楽的にレベルが高い演奏で、ハスキルのピアノうんぬんという聴き方はふさわしくないのかもしれません。この作品がとっても名曲に思えてしまうような素晴らしい演奏と録音です。スタジオ録音のよいところがいっぱい詰まったCDです。ステレオ録音に聴こえますが、そうなのでしょうか?

(3)...57/08/04、ザルツブルク音楽祭(モーツァルテウム) ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、ベルンハルト・パウムガルトナー、カメラータ・ザルツブルク(Orfeo)
 ライヴ録音なので、帯域が狭く感じられますが、聴きやすい音質ではあります。さすが、パウムガルトナーと唸らされるようなモーツァルトの音楽に仕上がっています。ハスキルの粒立ちのよい響きが聴けて、ハスキルのファンにはたまらない演奏です。アンダも次第にハスキルに同化して、見事な響きになっていきます。ハスキルの魔力のようなものが感じられます。ハスキルとアンダが共演した3つの演奏、それぞれ、素晴らしいです。総合力では56年のスタジオ録音。ハスキルのピアノが楽しめるのは57年のザルツブルクのライヴ録音というところです。


ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415

(1)...53/03/30、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(Memories、URANIA)
 これは間違いなく名演です。フリッチャイの指揮するオーケストラも素晴らしく歌っているし、ハスキルのピアノの流麗なこと、とってもチャーミングです。録音はぎりぎりセーフかな。ときどき、オーケストラがシャーと変な音をたてますが、素晴らしい演奏の前ではあまり気になりません。第3楽章の第2主題?のハスキルの究極の演奏にはうっとりするのみです。両端楽章は圧倒的な美しさです。

(2)...60/05/05-06、ルツェルン ルドルフ・バウムガルトナー、ルツェルン祝祭管弦楽団(DGG)カデンツァ:ニキタ・マガロフ
 あまりの録音のよさにびっくり。それにステレオ録音なので、いつ録音したのか調べると、最晩年で亡くなる半年前。ハスキルのピアノの音がこんなに鮮明に聴けるのは感動ものです。やはり、彼女のピアノは音楽の微妙な陰影まで表現していて、凄いピアニストだったことを再確認。第2楽章も素晴らしく繊細な表現で見事な演奏です。これは録音がよくなければ分からなかったところです。ハスキルのピアノがこんなに明確に聴けて、嬉しいばかりです。何て素晴らしい演奏なんでしょう。バウムガルトナー指揮のルツェルン祝祭管弦楽団も美しい響きで、最高のモーツァルトの音楽がここにあります。同じCDに入っているモーツァルトのピアノ・ソナタ第2番K.280、キラキラ星変奏曲 K.265も会心の演奏です。ハスキルの素晴らしさを聴くのはこのCDしかないとも思えてしまいます。


ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459

(1)...50/09/23-24、ヴィンタートゥール ヘンリー・スヴォボダ、ヴィンタートゥール交響楽団(Westminster)
 音が良いというLPレコードで聴きましたが、それ以前に録音時のピアノの響きがオーケストラに比べて、バランスが悪く(ピアノの音が小さい)、ハスキルのピアノの響きを楽しめません。迫力のある演奏なのに残念です。オーケストラは意外に音がよく、演奏もよかったので、これでピアノの音がちゃんと録れていればなあと思ってしまいます。

(2)...52/05/30、ケルン フェレンツ・フリッチャイ、ケルン放送(WDR)交響楽団(MEDICI MASTERS)
 ハスキルのピアノの音が楽しめます。ハスキルの演奏が素晴らしいのは当然ですが、フリッチャイの指揮が素晴らしいこと。第3楽章の対位法的な展開の鮮やかさ、見事です。ハスキルのピアノ演奏もいかに技術が優れているか、驚くほど素晴らしいです。技術と音楽性の高さでモーツァルトの真髄を完璧に表現した演奏です。 

(3)...53/01/20、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(THARA,AUDITE)
 ハスキルの自然に内面から滲み出るようなリリシズムに感銘を受けます。それを可能にしたのは素晴らしいスタジオ録音とAuditeのリマスターです。ハスキルのピアノの響きを余すところなく味わえます。圧巻は第3楽章の対位法的なオーケストラ演奏に続く部分。ハスキルの見事なテクニックの演奏で圧倒的なフィナーレです。
 
(4)...55/09/21-22、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、ベルリン・フィル(DGG)
 とても素晴らしい演奏です。ベルリン・フィルの美音に拮抗するハスキルの美音は素晴らしいの一語です。録音もとてもよいです。それにしても、ハスキルに寄り添うフリッチャイの指揮はいいですね。最高の相性です。

(5)...56/07/04、ルドヴィクスブルク カール・シューリヒト、シュトゥットガルト放送交響楽団(Hanssler Swr Music)
 シューリヒトとハスキル、二人の素晴らしい芸術家がこれぞ協奏曲という見事な音楽を繰り広げてくれる最高の演奏。冒頭はシューリヒトのペースにハスキルが合わせたような感じですが、第1楽章の中盤からはハスキルらしい個性を発揮して、ピアノとオーケストラのバランスが絶妙です。それが最高に感じられるのが第3楽章。あり得ないような協奏が続きます。ハスキルの指が完璧にまわり切るのが見事です。 

(6)...56/09/06、ブザンソン(市立劇場) イェジー・カトレヴィッツ、パリ音楽院管弦楽団(THARA,INA)
 冒頭、カトレヴィッツ指揮のパリ音楽院管弦楽団は結構、雑な演奏に聴こえますが、かえって、そのあとのハスキルのピアノの精気に満ちた演奏が引き立ってきます。全楽章、ハスキルの生き生きしたピアノの響きが楽しく聴ける演奏です。最初は雑に思えたオーケストラも勢いに満ちた演奏に変わります。終わってみれば、とても気持ちのよい演奏でした。録音状態はあまりよくありませんが、音楽を楽しむことに無理がある録音ではありません。

(7)...57/10/04、ローザンヌ ヴィクトル・デザルツェンス、ローザンヌ室内管弦楽団(Claves)
 録音は素晴らしいです。デザルツェンス指揮のオーケストラもなかなかの好演です。ハスキルはもちろん、いつものような素晴らしい演奏ですが、こういう良い録音で聴くと、弾いているピアノの響きが鄙びた音であることに気が付きます。多分、フランス製の少々古いピアノのような気がしますがどうでしょうか。スタインウェイのような華やかさがありませんが、こういう響きも興味深いです。ハスキルの純度の高い高音域の響きとはちょっと異なるので、ハスキルらしくない感じがします。何度か聴き込むとこういう響きもよいかもしれませんけどね。

(8)...59/02/19、パリ(シャンゼリゼ劇場) コンスタン・シルヴェストリ、フランス国立管弦楽団(INA、SPECTRUM国内盤)
 これは最高の1枚です。迂闊なことにこれがステレオ録音だと知らずに聴き始めて、冒頭の聴衆の空気感からステレオ録音と知り、びっくり。音質もこれ以上ないほどの素晴らしさ。平林直哉氏の最高の仕事に感謝です。シルヴェストリ指揮のフランス国立管弦楽団の演奏はモーツァルトにしては少々、硬い印象ではありますが、立派な演奏には違いありません。そして、ハスキルのピアノをこんなに明確に聴いたのは初めての体験です。やはり、純度の高い響きで格調高い演奏です。ハスキル・ファンとしては感涙ものと言える素晴らしい演奏と録音です。ハスキルを代表する1枚と言えます。どうして、世の中でもっと評判にならないのか、とっても不思議です。第3楽章のハスキルの妙技、そして、それに触発されるかのように白熱するオーケストラ。これぞ、協奏曲と言える演奏に酔いしれるのみです。フィナーレで大変、感動しました。会場から沸き起こる拍手と一緒に思わず拍手してしまいました。まさにその場でライヴで聴いた思いになったからです。きっと、これからも繰り返し聴く愛聴盤になるでしょう。



↓ 音楽を愛する同好の士はポチっとクリックしてsaraiと気持ちを共有してください

 いいね!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハスキル,  

クララ・ハスキルの日:仮想コンサートを聴く

今日、12月7日はsaraiの最愛のピアニスト、クララ・ハスキルが57年前に亡くなった日です。今年もこの日が巡ってきました。

現在、クララ・ハスキルのモーツァルトの全録音を聴いています。ピアノ協奏曲はほぼ聴き終えました。彼女の作品別の録音は以下のとおりです。


ピアノ協奏曲第9番変ホ長調『ジュノーム』 K.271

(1)...52/05/23、シュトゥットガルト カール・シューリヒト、シュトゥットガルト放送交響楽団(Hanssler Swr Music)
(2)...53/06/19、プラド パブロ・カザルス、プラド音楽祭管弦楽団(THARA)
(3)...54/03/01、ハーグ オイゲン・ヨッフム、バイエルン放送交響楽団(THARA)
(4)...54/06/11、ケルン オットー・アッカーマン、ケルン放送(WDR)交響楽団(MEDICI MASTERS、MUSIC&ARTS)
(5)...54/10/08-10、ウィーン パウル・ザッハー、ウィーン交響楽団(Philips)
(6)...55/06/08、ローザンヌ イーゴル・マルケヴィッチ、フランス国立管弦楽団(INA)


ピアノ協奏曲第10番変ホ長調 K.365
(1)...54/10/18、チューリッヒ ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、パウル・ブルクハルト、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団(THARA)
(2)...56/04/24-26、ロンドン(EMIアビー・ロード・スタジオ) ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、アルチェロ・ガリエーラ、フィルハーモニア管弦楽団(EMI)
(3)...57/08/04、ザルツブルク音楽祭(モーツァルテウム) ゲザ・アンダ(第2ピアノ)、ベルンハルト・パウムガルトナー、カメラータ・ザルツブルク(Orfeo)


ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415

(1)...53/03/30、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(Memories、URANIA)
(2)...60/05/05-06、ルツェルン(ルーカス教会ゲマインデザール) ルドルフ・バウムガルトナー、ルツェルン祝祭管弦楽団(DGG)


ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459

(1)...50/09/23-24、ヴィンタートゥール ヘンリー・スヴォボダ、ヴィンタートゥール交響楽団(Westminster)
(2)...52/05/30、ケルン フェレンツ・フリッチャイ、ケルン放送(WDR)交響楽団(MEDICI MASTERS)
(3)...53/01/20、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(THARA,AUDITE)
(4)...55/09/21-22、ベルリン フェレンツ・フリッチャイ、ベルリン・フィル(DGG)
(5)...56/07/04、ルドヴィクスブルク カール・シューリヒト、シュトゥットガルト放送交響楽団(Hanssler Swr Music)
(6)...56/09/06、ブザンソン(市立劇場) イェジー・カトレヴィッツ、パリ音楽院管弦楽団(THARA,INA)
(7)...57/10/04、ローザンヌ ヴィクトル・デザルツェンス、ローザンヌ室内管弦楽団(Claves)
(8)...59/02/19、パリ(シャンゼリゼ劇場) コンスタン・シルヴェストリ、フランス国立管弦楽団(INA、SPECTRUM国内盤)


ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466

(1)...48/07/25、エキサン・プロヴァンス エルネスト・ブール、パリ音楽院管弦楽団(INA) 
(2)...50/09/23-24、ヴィンタートゥール ヘンリー・スヴォボダ、ヴィンタートゥール交響楽団(Westminster)
(3)...52/12/19、チューリッヒ ハンス・シュミット・イッセルシュテット、ベロミュンスタースタジオ管弦楽団(THARA)
(4)...54/01/10、ベルリン(オイローパ宮) フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(Audite)
(5)...54/01/11-12、ベルリン(イエス・キリスト教会) フェレンツ・フリッチャイ、RIAS交響楽団(DGG)
(6)...54/10/11、ウィーン ベルンハルト・パウムガルトナー、ウィーン交響楽団(Philips)
(7)...56/01/28、ザルツブルグ ヘルベルト・フォン・カラヤン、フィルハーモニア管弦楽団(ORF)
(8)...56/11/06、ボストン シャルル・ミュンシュ、ボストン交響楽団(MUSIC&ARTS)
(9)...57/09/27、モントルー音楽祭 パウル・ヒンデミット、フランス国立管弦楽団(INA)
(10)...59/09/08、ルツェルン オットー・クレンペラー、フィルハーモニア管弦楽団(URANIA)
(11)...60/11/14-18、パリ イーゴル・マルケヴィッチ、コンセール・ラムルー管弦楽団(Philips)


ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488

(1)...53/06/25、ルガーノ オトマール・ヌシオ、スイス・イタリア語放送管弦楽団(Ermitage)
(2)...54/10/08-10、ウィーン パウル・ザッハー、ウィーン交響楽団(Philips)
(3)...59/06/29、ディボンヌ・レ・バン音楽祭 ピエール・コロンボ、ジュネーブ室内管弦楽団(INA) **未入手**
(4)...59/09/15、モントルー シャルル・ミュンシュ、パリ国立管弦楽団(MUSIC&ARTS)


ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491

(1)...55/12/08、パリ(シャンゼリゼ劇場) アンドレ・クリュイタンス、フランス国立管弦楽団(INA)
(2)...56/06/25、ローザンヌ ヴィクトル・デザルツェンス、ローザンヌ室内管弦楽団(Claves)
(3)...60/11/14-18、パリ イーゴル・マルケヴィッチ、コンセール・ラムルー管弦楽団(Philips)


ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595

(1)...56/09/09、モントルー オットー・クレンペラー、ケルン放送(WDR)交響楽団(MUSIC&ARTS)
(2)...57/05/07-09、ミュンヘン(ヘラクレスザール) フェレンツ・フリッチャイ、バイエルン国立管弦楽団(DGG)LP


ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K.386

(1)...54/10/08-10、ウィーン ベルンハルト・パウムガルトナー、ウィーン交響楽団(Philips)


以上ですが、ピアノ協奏曲第23番 K.488の(3)だけ、未入手です。ずい分探しましたが、どうしても見つかりません。所在をご存じのかたはご一報ください。

ハスキルが全曲を録音しなかったのは残念です(ラファエル・クーベリックの指揮で全曲録音を検討していましたが、所属レコード会社の違い(ハスキルはフィリップス、クーベリックはデッカ)で実現しませんでした。実現していれば、どんなに素晴らしかったでしょう。クーベリックが後にクリフォード・カーゾンと共演した素晴らしい録音を聴いて、その思いは募ります。)。 しかし、残された8曲の録音を聴けるだけでも幸せなのかもしれません。とりわけ、第20番の11録音、第19番の8録音、第9番の6録音はハスキルが得意にした曲で、充実した演奏が聴けます。第23番、第24番、第27番も最高の名演が残されています。

今日はこれまで聴いたうちで第9番から第19番までの録音の中で、選りすぐりのCDを聴くことにします。以下のプログラムの仮想コンサートをsaraiのオーディオルームで開催することにします。

 ・ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415
   ルドルフ・バウムガルトナー、ルツェルン祝祭管弦楽団
 ・ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調 K.280
 ・「ああ、ママに言うわ」による12の変奏曲ハ長調(キラキラ星変奏曲) K.265

 ・ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459
   コンスタン・シルヴェストリ、フランス国立管弦楽団


最初の3曲は以下のCDです。

 2017120701.jpg


 1960年5月5日-6日、ルツェルン(ルーカス教会ゲマインデザール)でのセッション録音 DG ステレオ録音
 併録はクララ・ハスキル、フェレンツ・フリッチャイ指揮RIAS交響楽団で
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
   1954年1月11日-12日、ベルリン(イエス・キリスト教会)でのセッション録音 モノラル

最後の1曲は以下のCDです。

 2017120702.jpg


 1959年2月19日、パリ(シャンゼリゼ劇場)でのライヴ録音 INA原盤によるSPECTRUM国内盤(平林直哉氏によるリマスター)
 併録はコンスタン・シルヴェストリ指揮フランス国立管弦楽団で
  ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調「新世界」Op.95
  ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
  ラヴェル:ボレロ

ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415は最晩年の素晴らしい演奏です。音質も最高です。なんと言ってもステレオ録音ですからね。ハスキルの格調が高く、澄み切ったピアノの音色は天使が奏でるような響きです。バウムガルトナー指揮のルツェルン祝祭管弦楽団(実際は弦楽セクションのみ)もハスキルにぴったりの透き通るような響きの演奏でサポートします。
同時に録音されたピアノ・ソナタ第2番ヘ長調 K.280もハスキルのピアノの響きが見事です。とりわけ、短調の第2楽章の美しさには魅了されるだけです。
「ああ、ママに言うわ」による12の変奏曲ハ長調(キラキラ星変奏曲) K.265はもちろんシンプルな曲ですが、ハスキルが弾くと格調が高くなります。

ピアノ協奏曲第19番ヘ長調 K.459はハスキルが亡くなる前の年の録音ですが、同曲の最後の録音で、最高の名演です。破格の演奏に耳を奪われます。終楽章の切れのよい高い技巧の演奏にはただただ聴き惚れるだけです。録音も臨場感のある素晴らしい音質です。平林直哉氏によるリマスターも見事です。

いずれもsaraiの愛聴盤となっています。

ハスキルの素晴らしいピアノが聴けて、幸せな「ハスキルの日」になりました。

なお、ピアノ協奏曲第19番までの全録音の感想記事は別稿でアップします。



↓ 音楽を愛する同好の士はポチっとクリックしてsaraiと気持ちを共有してください

 いいね!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハスキル,
人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

天野さん

saraiです。初めまして。コメントありがとうございます。ブログを書く励みになります。当日は快晴で素晴らしい日でしたが、夏の陽光がまぶしいほどで暑さに悩ま

09/27 14:15 sarai

充実した心豊かなご様子に励まされます.
情報、有り難うございました.
いつか、ふらっと訪ねてみたいです.

09/27 09:23 天野哲也

昨日投稿した記事の一部に誤りがありました。ドイツ騎士団の中庭はパスしないで、ちゃんと見ていました。追記・修正しました。申し訳ありません。

08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

これは昨年の9月のウィーンですが、現在のコロナ禍では、古き良き日という風情ですね。もう、ポスト・コロナでは、行けたにし

07/20 12:41 sarai

Saraiさま、
お元気ですか?
新型コロナウィルス、自粛中。
このウィーンの散策を読んでいると、なんだか切なくて悲しくなってきました。
次はいつ行けるのかな、とか思う

07/20 05:08 えりちゃ

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR