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ファウストにはシューマンが似合う・・・瑞々しいシューマンのヴァイオリン協奏曲 大野和士&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.10.1

たびたび来日して素晴らしい演奏を聴かせてくれるイザベル・ファウストですが、今回もお得意のシューマンを聴かせてくれるので、聴き逃がせません。その期待に応えてくれたシューマンのヴァイオリン協奏曲はとても聴き応えのある見事な演奏でした。

イザベル・ファウストはお洒落ないでたちでステージに登場します。
第1楽章から、彼女のヴァイオリンはよく響きます。1704年製ストラディヴァリウス[スリーピング・ビューティー]なのでしょうか。CDでは、このヴァイオリンにガット弦を張って演奏していましたが、今日は通常の弦のようです。
第1楽章はシューマンの万年青年ぶりを感じさせる溌剌とした表現でポジティブな雰囲気の演奏です。第2主題の何とも言えない雰囲気がたまりません。長大な楽章を爽やかに弾き抜きます。とても素晴らしい。これぞシューマンです。
第2楽章は一転して、小さな音量で抒情的な音楽を内面的に演奏します。実に繊細極まりない表現に聴き入ります。これこそ、シューマンの魅力ですね。この楽章は聴いていて哀しくなります。
第3楽章はファウストの身振りも音楽に合わせて、踊るような感じに変わります。舞曲のように聴いていながら体がスイングしそうになります。ファウストの演奏は実にノリのよい流麗なものです。
結局、彼女の演奏は各楽章の特性に合わせて最適化されたような素晴らしいものでした。ここには3人のシューマンがいて、それを最高に表現してくれました。ファウストのシューマンの行き着くところといった風情の音楽に魅惑された演奏でした。
今日はこれが聴けただけで満足。大野和士指揮の都響も素晴らしいサポートでした。
あっ、アンコールに触れるのを忘れるところでした。バッハの無伴奏に似ているようで、明確に違う曲が実に繊細に演奏されました。これはバッハの前の世代のヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフの無伴奏の作品でした。バッハ以前にもこういう無伴奏曲があったのですね。よいものを聴かせてもらいました。

シューマン以外にも一言。

マグヌス・リンドベルイのアブセンスは現代音楽ですが、ベートーヴェンにオマージュした作品。混沌とした現代音楽風の中に現れるタータターという跳躍音型がベートーヴェンのピアノ・ソナタ《告別》から引用したものでしょうか。この音型がヴィオラによって再三登場しますが、その印象が鮮烈に響きます。

後半のベートーヴェンの交響曲第7番は都響のアンサンブルがよく響き、気持ちのよい演奏でした。大野和士の感性的な表現もよかったと思います。最近の大野和士は以前のような知性に偏った表現が影を潜め、感性のおもむくままという傾向が好感を持てます。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:大野和士
  ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉

  マグヌス・リンドベルイ:アブセンス-ベートーヴェン生誕250年記念作品-(2020)[日本初演]
  シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
   《アンコール》ヴェストホフ:無伴奏ヴァイオリンのための組曲 イ長調より サラバンド
   
   《休憩》
   
  ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
   

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のマグヌス・リンドベルイのアブセンスは予習していません。


2曲目のシューマンのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

 イザベル・ファウスト、パブロ・エラス=カサド指揮フライブルク・バロック・オーケストラ 2014年5,8,9月 テルデックス・スタジオ・ベルリン セッション録音

ファウストの瑞々しい演奏はシューマンにぴったりです。


3曲目のベートーヴェンの交響曲第7番を予習した映像は以下です。

 キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2018年8月24日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

キリル・ペトレンコのダイナミックな指揮に完璧に反応するベルリン・フィルの高レベルな演奏能力による素晴らしいベートーヴェン。



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       ファウスト,  

イザベル・ファウストの心に沁みる内省的なベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 ベルナルト・ハイティンク&ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2015年3月6日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの久々の鑑賞記です。
近く、都響でヴァイオリンのネマニャ・ラドゥロヴィチでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴くので、予習も兼ねて、聴くことにしました。
無論、巨匠ベルナルト・ハイティンク、ドイツを代表するヴァイオリニストのイザベル・ファウストの共演ということに心を惹かれたこともあります。

まず、8年前はハイティンクはこんなに元気だったことに驚きます。すたすたとファウストと連れ立って、ステージに歩いてきます。すっと立って、彼らしい自然な棒さばきでベルリン・フィルを指揮します。当時、86歳という高齢だったとは思えないお元気な姿です。もっとも、この年の秋、ロンドン交響楽団を引き連れて、来日公演したハイティンクもたっぷりと聴いています。さらにはその2年後、わざわざ、ザルツブルクまで遠征して、ザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィル公演でマーラーの交響曲第9番を2回も聴きました。88歳の巨匠の告別の音楽を聴いたのがハイティンクとのお別れでした。その2年後、ハイティンクは引退し、さらに2年後、死去。2年前のことです。そういう感傷の念に駆られながら、映像を眺めます。冒頭は自然で抑制気味の演奏です。
そして、当時42歳の気鋭のヴァイオリニストだったファウストが独奏ヴァイオリンを弾き始めます。あまりの自然な表現に虚を突かれる思いです。巨匠ハイティンクが指揮するベルリン・フィルに対して、気負うこともなく、美しいヴァイオリンの響きで切々と音楽を奏でていきます。それは実に内省的な音楽を志向するものです。ベートーヴェンのこの協奏曲でこういう演奏を予期していなかったので、半ば唖然としてしまいます。しかし、よく考えてみれば、この曲はそういう音楽なのかもしれません。ベートーヴェンが晩年に達することになる孤高の境地、辛くさびしい諦念の音楽へ続く道です。そして、それこそが、ドイツ音楽の本流であろうと信じて疑いません。ファウストこそがドイツ本流の音楽の継承者として、こういう内省的な音楽(saraiは女々しい音楽と思っています。無論、いい意味です。)を奏でることのできる音楽家であり、それは、シューマン、ブラームスでも発揮されます。対して、ハイティンクは時折、オーケストラパートで重厚な響きに満ちたヒロイックな音楽を奏でます。ファウストの内的な表現と対比して、音楽の妙を感じます。第1楽章の終盤はカデンツァをファウストが弾き始めます。聴き慣れないカデンツァです。これはベートーヴェン自身によるピアノ協奏曲版のカデンツァをヴァイオリン用に移し替えたもので、クリスティアン・テツラフが編曲したものです。カデンツァの後半ではティンパニとの協奏になるという面白い趣向です。
第2楽章にはいると、ベルリン・フィルも情緒に満ちた表現の音楽を奏で、ファウストのさらなる内的な表現と絡み合っていきます。もう、うっとりとその精神性に満ちた音楽に耳を傾けるのみです。カデンツァの後、ファウストとハイティンクが目を合わせて、呼吸を合わせて、第3楽章のロンドの軽やかな音楽にはいっていきます。さすがにここでは内省よりも軽やかなステップの流れに乗っていきます。最後はまた弱音で内省的な音楽を極めた後、一気に音楽を終えます。
巨匠ハイティンクの古典に根差した安定した音楽表現と気鋭のファウストの個性的でかつ、ドイツ本流を思わせる内省的な音楽表現がマッチした素晴らしいベートーヴェンの協奏曲に深く心の感銘を受けました。

なお、アンコールのクルタークのヴァイオリン独奏曲は現代的な作品ですが、内省的な音楽ということで、今日のベートーヴェンの音楽と共通項を持ったものでした。ファウストがしばしばアンコールで好んで取り上げる作品ですね。


この日のプログラムは以下です。

  2015年3月6日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:ベルナルト・ハイティンク
  ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
  
  《アンコール》ジェルジ・クルターグ:穏やかに、夢見ながら(シュテファン・ローマスカヌの思い出に)
  
  
なお、この日のコンサートでは、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)
  
  ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68《田園》
  


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       ハイティンク,        ファウスト,  

イザベル・ファウストの弾く究極のバッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ@東京オペラシティ コンサートホール 2021.11.18

イザベル・ファウストのバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータを聴くのは2度目です。最初に聴いたのは5年前のザルツブルク音楽祭。このときにファウストを初めて聴いたんです。また、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲を実演で聴いたのも初めてでした。ザルツブルクのコレギエン教会で一挙に全6曲を聴いたんです。夜の8時半に始まり、深夜12時までのコンサート。たった一人で演奏したイザベル・ファウストの体力も凄いですが、聴く側のsaraiもへとへとになりました。その日はお昼にモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》を聴いたので、最後はもう修行のようなものでした。でも素晴らしい演奏で最後のシャコンヌは感涙ものでした。

今日は普通のコンサートホールで3曲だけ聴くので、ゆったりと聴けるでしょう。残りの3曲は昨日でした。saraiはキーシンのリサイタルと重なって、今日の分だけ聴きます。
ただ、今日は休憩なしだそうです。休憩を入れて、ゆったりと聴けると思っていましたが、あてが外れました。

パルティータ第3番から始まります。音量は少し小さいですが、素晴らしい響きがホールを貫きます。最初のプレリュードから胸に沁みます。練習曲のような風情ですが、格調の高い演奏です。続くルールも美しい響きの爽やかな演奏です。有名なガヴォットを楽しく聴き、メヌエットは優雅な演奏です。短いブーレを挟んで、ジーグで全曲をしめくくります。そんなに長い曲はないのですが、たっぷりと聴いたという満足感が残ります。実時間よりも充実した長い時間に思えました。

続いて、ソナタ第2番です。グラーヴェは重厚な演奏。ドイツを代表するヴァイオリニストらしく、重心の低い演奏です。そうそう、彼女は今日もいつものようにヴァイオリンはストラディヴァリの名器「スリーピング・ビューティー」で、バロック弓を使っての演奏です。その分、音量は下がりますが、音色は美しいですね。もちろん、ノン・ヴィブラートです。次のフーガは永遠に続くと思うほど、長大です。ここでも響きが素晴らしく美しいです。流石に聴くほうも疲れてきます。次のアンダンテはとても美しい曲。saraiも大好きです。極めて美しい演奏にうっとりとします。最後はアレグロ。軽快なテンポで走っていきます。ソナタは聴き応えがありました。これで20分ほどとは信じられません。

普通はここで休憩が入り、一息つくところですが、一気にパルティータ第2番に進みます。このパルティータは耳慣れた有名な曲が続きます。素晴らしいアルマンドで始まり、軽快なクーラントが続きます。でも、結構、ここまでもボリュームがあります。次は大好きなサラバンド。哀調に満ちた旋律にうっとりとなります。ゆったりとした音楽がいつまでも続きます。一転して、次のジーグは軽やかに疾走します。そして、いよいよ、真打ち登場。西洋音楽で器楽作品の最高峰にあるシャコンヌです。作品の長大さも群を抜いて、全曲の半分ほどをしめます。うーん、流石にファウストのシャコンヌは素晴らしい。冒頭の重音の響きが圧倒的で心を鷲掴みにされます。そして、次から次に心に迫る抒情的な旋律が美しく奏でられます。うっとりどころではありません。長大ですが、いつまでも終わってほしくない究極の音楽が続いていきます。いったん、頂点に達して、強い感動を覚えた後、最後はすっと終わります。長い静寂が続きます。バッハの無伴奏は本質的に静謐さを音楽の形にしたものです。音楽が終わっても、頭の中では静謐な音楽が続いています。今日の聴衆のみなさんはこのバッハの音楽の本質を理解している人たちです。長い静寂のあと、ブラーボの一声。ルール違反ですが、見事な一声でした。続いて盛大な拍手。素晴らしい無伴奏でした。

ファウストは今年1月に来日して、素晴らしいシューマンを聴かせてくれました。その後も長い滞在でした。そして、また、来日。1年に2回来日です。それもコロナ禍で制限を受けながらの来日。よほどの親日家なのでしょう。実力は凄いですが、地味な存在だと思うのですが、今日もほぼ満席。日本での人気も相当のようです。日本人のsaraiが言うのも何ですが、日本人の耳も肥えましたね。これからもたびたびの来日が楽しみです。

このオペラシティでは3年前にヒラリー・ハーンがバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータの全曲を演奏しました。あれは凄い演奏でした。オペラシティはBCJの演奏も含めて、バッハの聖地のようになってきましたね。


今日のプログラムは以下です。

  ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

  バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲コンサート 第2夜

  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV 1006
   I. プレリュード Preludio
   II. ルール Loure
   III. ロンド風ガヴォット Gavotte en rondeau
   IV. メヌエットI-II Menuett I-II
   V. ブーレ Bourree
   VI. ジーグ Gigue

  無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV 1003
   I. グラーヴェ Grave
   II. フーガ Fuga
   III. アンダンテ Andante
   IV. アレグロ Allegro

  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004
   I. アルマンド Allemanda
   II. クーラント Corrente
   III. サラバンド Sarabanda
   IV. ジーグ Giga
   V. シャコンヌ Ciaccona

   《アンコール》

     無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調 BWV1001 から 第3楽章 シチリアーノ


最後に今回の予習について、まとめておきます。と言っても、もちろん、すべて、イザベル・ファウストを聴きました。

  イザベル・ファウスト 2009年9月1-4日 、2011年8月、9月 テルデックス・スタジオ(ベルリン) セッション録音
    使用楽器:1704年製ストラディヴァリ「スリーピング・ビューティー」 バロック弓

もう既に10年前の録音なのですね。バロック弓ということで地味な音を想像していましたが、素晴らしい響きです。演奏も最高。シェリング、ヒラリー・ハーンに並び立つ演奏です。



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イザベル・ファウストのシマノフスキはミステリアスでありながら、チャーミング 熊倉 優&NHK交響楽団@東京芸術劇場コンサートホール 2021.2.12

イザベル・ファウストはコロナ禍の中、海外演奏家として入国制限の中、最後に入国し、1月から日本で演奏を続けています。とてもありがたいので、再び、その演奏を聴くために足を運びました。
先日聴いたシューマンとブラームスの室内楽はとても素晴らしかったのですが、今日のシマノフスキの協奏曲はまた、趣きが違って、とってもチャーミングな演奏。引き出しの多さに驚かされます。シマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番は独奏ヴァイオリンのパートがほぼ全曲にわたって、高音域の繊細でミステリアスな表現が続きますが、ファウストは驚くべき美音で聴き手を魅惑してくれました。特に左手の強めのヴィブラートは圧倒的。オリジナル演奏ではノンヴィブラートも得意なのに、彼女は多彩な表現力がありますね。若手の指揮者、熊倉 優率いるNHK交響楽団も色彩感あふれる響きで好サポートでした。ファウストは音楽だけでなく、シマノフスキにぴったりの奇妙なドレスもなかなかチャーミングでした。いつもは地味ないでたちなのに、今日は張り切っていますね。ともかく、日本に2か月も滞在して、日本の聴衆に音楽を聴かせてくれたことに感謝です。彼女がヨーロッパに戻ったら、しばらく、海外演奏家の演奏が聴けそうにありません。コロナがある程度収束して、何とか、海外からの演奏家が来日できることを願うばかりです。あるいは、ファウストがもうしばらく、日本で演奏活動を続けてくれないかな・・・。

後半のプログラム、ドヴォルザークの交響曲 第6番は熊倉 優の清新な指揮のもと、”MARO”こと篠崎史紀率いるNHK交響楽団の素晴らしい響きで魅了してくれました。一つだけ残念だったのは、ボヘミアの素朴な雰囲気が感じられなかったことですが、無理な要求かもしれません。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:熊倉 優
  ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
  管弦楽:NHK交響楽団  コンサートマスター:篠崎史紀

  スメタナ:歌劇「売られた花嫁」─ 3つの舞曲(ポルカ/フリアント/道化師の踊り)
  シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 Op.35
   《アンコール》ニコラ・マタイス:ヴァイオリンのためのエアー集 前奏曲/パッサージオ・ロット/アンダメント・ヴェローチェ

   《休憩》

  ドヴォルザーク:交響曲 第6番 ニ長調 Op.60


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のスメタナの歌劇「売られた花嫁」からの 3つの舞曲は以下のCDを聴きました。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1963年 クリーヴランド セッション録音

セルのお国ものの演奏はさすがのレベルです。


2曲目のシマノフスキのヴァイオリン協奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 バイバ・スクリデ、ワシーリー・ペトレンコ指揮オスロ・フィル 2013年2月14、15日 オスロ・コンサート・ホール セッション録音
 フランク・ペーター・ツィンマーマン、アントニ・ヴィト指揮ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団 2007年 セッション録音
 
いずれも熱演。スクリデのヴァイオリンは美しい高域の響きを聴かせてくれます。一方、ツィンマーマンは男性とは思えない繊細な美を表現してくれます。


3曲目のドヴォルザークの交響曲 第6番は以下のCDを聴きました。

 ズデニェック・コシュラー指揮スロヴァキア・フィル 1977年 セッション録音
 
弦セクションの美しさが際立ちます。見事な演奏です。



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       ファウスト,  

今日もシューマンの豊かなロマンの世界にうっとり ファウスト&メルニコフ@王子ホール 2021.1.27

昨日に引き続いて、イザベル・ファウストのヴァイオリン、アレクサンドル・メルニコフのピアノを聴きます。前半のプログラム、後半のプログラムのそれぞれ冒頭にシューマンがドレスデン時代に書いた短いけれども実に充実した作品が演奏されました。昨日のシューマンと同様に素晴らしい演奏でした。音楽的に深い内容の演奏にうっとりと聴き入りました。ファウストのヴァイオリンの音色はシューマンにぴったりで、彼女をシューマン弾きと呼びたいほどです。特に後半のプログラムで演奏された3つのロマンスの深い情感には強い感銘を覚えました。第2曲の抒情的なメロディーをファウストは柔らかいヴァイオリンの響きで歌い上げて、最高のシューマンの音楽を聴かせてくれました。本来、プログラム的には、シューマンの作品は前菜の位置づけですが、極上の前菜になっていました。2日間通して、こんな素晴らしいシューマンが聴けて、シューマン好きとしては最高の2日間になりました。

もちろん、メインの曲の演奏も素晴らしかったんです。前半のバルトークの緊張感の高い演奏も聴きものでした。第1楽章の夜を思わせる冷徹な表現、第2楽章の爆発的なエネルギー。素晴らしいバルトークでした。しかし、プログラム的にどうも落ち着きが悪かったのも事実です。せっかくだから、むしろ、シューマンの第3番のソナタを弾いてくれたほうがよかったかなと思っていたら、それはアンコールでプレゼントされました。

後半のメインのブラームスのクラリネット・ソナタ第1番のヴァイオリン版は昨日の第2番以上の素晴らしい演奏。第1楽章と第2楽章の爽やかなロマンはクラリネットで演奏する渋い世界とは別物のようで、ファウストのヴァイオリンの柔らかい響きが心を打ちます。そして、第4楽章の圧倒的なフィナーレ。ファウストのブラームスもいいですね。ヴァイオリン・ソナタも聴きたかったところです。リサイタルの3日目があれば、ブラームスのヴァイオリン・ソナタが聴けたでしょう。少々、残念です。

そして、最後のアンコールはシューマンで〆です。ヴァイオリン・ソナタ第3番の間奏曲というよりも『F.A.E.ソナタ』の間奏曲です。またまた、シューマンの世界にうっとり。ファウストの弾くシューマンの素晴らしさを堪能しました。

今でもシューマンのヴァイオリン・ソナタ 第2番の第3楽章のコラールの旋律が脳裏から離れず、ずっと、2日間、鳴り続けています。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
  ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ

  シューマン:幻想小曲集 Op.73
  バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 Sz76

   《休憩》

  シューマン:3つのロマンス Op.94
  ブラームス:クラリネット・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1(ヴァイオリン版)

   《アンコール》
     シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 WoO 27より 第3楽章 間奏曲(F.A.E.ソナタ第2楽章より転用)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューマンの幻想小曲集はヴァイオリン版のよいものがなくて、チェロ版の以下のCDで予習しました。

  ミッシャ・マイスキー、マルタ・アルゲリッチ 1999年12月 ブリュッセル セッション録音

マイスキーらしいロマンティックな演奏です。


2曲目のバルトークのヴァイオリン・ソナタ 第2番を予習したCDは以下です。

  パトリツィア・コパチンスカヤ、ポリーナ・レシチェンコ 2017年6月 グルノーブル、MC2 セッション録音

コパチンスカヤが弾くとこうなるのねっていう、自在で凄い演奏です。


3曲目のシューマンの3つのロマンスを予習したCDは以下です。

  イザベル・ファウスト、アレクサンドル・メルニコフ 2014年9月 セッション録音

今日のリサイタルで演奏するファウストとメルニコフのコンビでの演奏です。


4曲目のブラームスのクラリネット・ソナタ 第1番はヴァイオリン版のよいものがなくて、ヴィオラ版を中心に以下のCDで予習しました。

  ウイリアム・プリムローズ(ヴィオラ)、ルドルフ・フィルクスニー 1958年 セッション録音
  ヨゼフ・スーク(ヴィオラ)、ヤン・パネンカ 1990年 セッション録音
  イェルク・ヴィトマン(クラリネット)、アンドラーシュ・シフ 2018年5月14-16日 ドイツ、ノイマルクト、Historischer Reitstadel セッション録音

プリムローズは古い録音ですが、おおらかな演奏で楽しませてくれます。スークはとても美しい、清々しい演奏。ヴィトマンとシフはこれぞ真打ちという深い演奏です。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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