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夢のようなアンコール、絶品のシューマン フォーレ四重奏団@トッパンホール 2021.12.9

トッパンホールはハーゲン・カルテットも結局は聴けず、フォーレ四重奏団も半分諦めていましたが、何とこちらは無事に聴くことができました。トッパンホールに足を運ぶのも久しぶりのことです。実に2年ぶりです。最後に聴いたのは2019年10月のハーゲン・カルテットでした。

前半のフォーレは歌曲の編曲版はまるで古いヨーロッパの映画の1シーンを切り取ってきたかのような郷愁に満ちた演奏でほろっとします。ピアノ四重奏曲第2番は熱いパトスが迸るようなスケールの大きな演奏で予想以上の好演でした。それに実演ならではの迫力も併せ持っていました。フォーレ四重奏団を聴くのは3年ぶりですが、やはり、さすがの実力です。

後半のブラームスは美しいロマンにあふれた素晴らしい演奏。フォーレ四重奏団のブラームスはいつも素晴らしいです。特に第3楽章のアンダンテは3つの弦楽器の織りなす抒情とそれを支えるピアノの魅力はまさに桃源郷です。しかし、圧巻だったのはアンコールで演奏したシューマンのアンダンテ・カンタービレ。3年前にも聴きましたが、それ以上の魅力に満ちた演奏です。チェロの美しいメロディーに始まり、各楽器のメローな美しさには参りました。シューマンの魅力満載です。これだけのシューマンが演奏できるのはCDも含めてもフォーレ四重奏団が一番でしょう。アドルフ・ブッシュの録音が残っていれば、それと比較でいたのですが、残念ながらありません。ということは史上最高のシューマンです。いやはや、卒倒するほど絶品でした。アンコールは夢のような世界を体験したと思っていたら、アンコールの最後は何とフォーレの傑作〈夢のあとに〉。まさに夢見心地で聴いていました。

フォーレ四重奏団、恐るべし!


今日のプログラムは以下です。

  ピアノ四重奏:フォーレ四重奏団
   エリカ・ゲルトゼッツァー(ヴァイオリン)
   サーシャ・フレンブリング(ヴィオラ)
   コンスタンティン・ハイドリッヒ(チェロ)
   ディルク・モメルツ(ピアノ)

   フォーレ(D.ツェルナー編):《3つの歌》Op.23より 第1番〈ゆりかご〉/第2番〈われらの愛〉
   フォーレ(D.ツェルナー編):《2つの歌》Op.46より 第2番〈月の光〉
   フォーレ:ピアノ四重奏曲第2番 ト短調 Op.45

   《休憩》

   ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 Op.60

   《アンコール》
    シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47より 第3楽章 Andante cantabile
    フォーレ(ツェルナー編):《5つのヴェネツィアの歌》Op.58より 第1番〈マンドリン〉
    フォーレ(ツェルナー編):《3つの歌》Op.7より 第1番〈夢のあとに〉


最後に予習について触れておきます。

1~3曲目のフォーレの歌曲のピアノ四重奏編曲版は以下のCDを聴きました。

 フォーレ四重奏団 2020年5月 セッション録音

無論、美しいフォーレのメロディーが聴けます。


4曲目のフォーレのピアノ四重奏曲第2番は以下のCDを聴きました。

 フォーレ四重奏団 2001年12月 セッション録音
 
四重奏団の名前を冠したフォーレの作品の演奏です。今となってはもうひとつの演奏かもしれません。


5曲目のブラームスのピアノ四重奏曲第3番は以下のCDを聴きました。

 フォーレ四重奏団 2007年8月 ベルリン セッション録音
 
これも今となってはもうひとつの演奏かもしれません。再録音が望まれます。



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       フォーレ四重奏団,  

秋の夜のブラームスに酔う:フォーレ四重奏団@トッパンホール 2018.10.5

台風が近づいているせいか、小雨が降って、小寒い天候です。秋の気配があります。そういう日には、やはり、ブラームスの室内楽が似合います。フォーレ四重奏団のお得意のブラームスのピアノ四重奏曲第1番の演奏には酔わせられました。こんなブラームスが聴けるなんて、何と贅沢な人生かと天に感謝する思いです。彼らのこの曲の演奏を聴くのもこれが3回目。ますます、熟成してきたようにも思えますが、初めて聴いた4年前にも感動したので、昔から高いレベルの演奏を続けているんでしょう。2年毎にフォーレ四重奏団のブラームスのピアノ四重奏曲第1番の演奏を聴いていますが、これからもずっと聴ければと思わずにはいられません。4日前に聴いたシューマンのピアノ四重奏曲と今日聴いたブラームスのピアノ四重奏曲第1番・・・フォーレ四重奏団の素晴らしさを堪能しました。次はまた、R.シュトラウスのピアノ四重奏曲が聴きたくなりました。次の来日は2年後なのでしょうか。今から待ち遠しい思いです。

前半のラフマニノフの絵画的練習曲集《音の絵》はフォーレ四重奏団のピアノ奏者のディルク・モメルツがレスピーギのオーケストラ編曲版に基づいて、ピアノ四重奏にために編曲したものです。なかなかよい編曲ではありますが、後述するように予習した原曲のピアノ独奏版が凄い演奏だったので、こういう編曲版を聴いても心に迫ってきません。へーっと思いながら、聴いていただけでした。
フォーレのピアノ四重奏曲第1番は部分的にはとても美しい響きに魅了されましたが、全体として、曲自体の魅力が今一つ。フォーレ四重奏団は何故、フォーレの名前を冠したのか、理解できません。第3楽章のアダージョの美しい演奏はよかったのですが・・・。

ブラームスのピアノ四重奏曲第1番は冒頭から素晴らしい演奏。しかし、圧巻だったのは、第3楽章のアンダンテ・コン・モートと第4楽章のツィゴイナー風のロンドとプレストです。第3楽章の美しく、抒情的なメロディーには酔わされて、感動しました。そして、第4楽章の終盤でジプシー風のメロディーがテンポを落として、弦楽器だけで王朝風に奏されると、心が砕けそうになります。個々の奏者の音が立って、美しい上に、奏者間の音のバランスが絶妙で、室内楽の極上の素晴らしさを味わえました。フォーレ四重奏団の演奏は昔日の名演、ブッシュ弦楽四重奏団員&ルドルフ・ゼルキンにも匹敵できるレベルに達しました。まさに奇跡の名演と称えたいと思います。

今日のプログラムを紹介しておきます。

  ピアノ四重奏:フォーレ四重奏団
   ヴァイオリン:エリカ・ゲルトゼッツァー
   ヴィオラ:サーシャ・フレンブリング
   チェロ:コンスタンティン・ハイドリッヒ
   ピアノ: ディルク・モメルツ

  ラフマニノフ(モメルツ編):絵画的練習曲集《音の絵》Op.39より 第2番 イ短調/第6番 イ短調
  ラフマニノフ(モメルツ編):絵画的練習曲集《音の絵》Op.33より 第7番 変ホ長調
  フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 Op.15

  《休憩》

  ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 Op.25

   《アンコール》
     ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(編曲:フォーレ四重奏団&グリゴリー・グルツマン)より
      第7曲:リモージュの市場
      第9曲:鶏の足の上に建つ小屋 - バーバ・ヤガー
      

最後に予習について、まとめておきます。

ラフマニノフの絵画的練習曲集《音の絵》を予習したCDは以下です。

  ピアノ独奏(原曲)
   ニコライ・ルガンスキー 1992年録音 ロシア音楽アカデミー、モスクワ

  オーケストラ編曲版(レスピーギ)
   大植英次指揮ミネソタ管弦楽団 2001年録音 ミネアポリス、オーケストラホール

まず、ルガンスキーのピアノ独奏ですが、これは素晴らしい演奏。最高のラフマニノフが聴けます。これを聴いてしまうと、ピアノ独奏でしか、聴きたくなってしまいます。悪いものを予習しました。で、レスピーギのオーケストラ編曲版の大植英次指揮ミネソタ管弦楽団の演奏ですが、ルガンスキーの凄い演奏を先に聴いてしまったので、ほとんど、拒否反応。そんな風に編曲したのねとしか、聴きようがありません。演奏のいい、悪いではありません。大植さん、ごめんなさい。


フォーレのピアノ四重奏曲第1番を予習したCDは以下です。

  ジャン・ユボー、レイモン・ガロワ・モンブラン、コレット・ルキアン、アンドレ・ナヴァラ  1969年録音

とても美しい演奏で、フランスの香りも満喫できます。しかし、saraiがフォーレの音楽を理解できないので、音楽を評価しきれません。まだまだ、聴き込み不足ですね。


ブラームスのピアノ四重奏曲第1番を予習したCDは以下です。

  フォーレ四重奏団 2007年録音 ベルリン、シーメンスヴィラ
  ブッシュ弦楽四重奏団員、ルドルフ・ゼルキン 1949年録音

フォーレ四重奏団はよい演奏ですが、実演のレベルには達していません。再録音が望まれます。一方、ブッシュ弦楽四重奏団は古い音質ながら、ブラームスの本質を突く最高の演奏です。いつもながら、アドルフ・ブッシュのヴァイオリンの物悲しい音色には泣かされます。バリリ弦楽四重奏団&イエルク・デムスの演奏も聴こうと準備していましたが、所用で聴けず、残念。



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       フォーレ四重奏団,  

最高のシューマン:フォーレ四重奏団@トッパンホール 2018.10.1

フォーレ四重奏団は2年ぶりに聴きます。2年前の同じ日、同じトッパンホールで聴きました。そのときはモーツァルトのピアノ四重奏曲第2番、細川俊夫の新作、ブラームスのピアノ四重奏曲第2番でしたが、見事に期待外れの演奏でがっかりした思い出があります。その2年前に聴いたときの新鮮な感動が凄かっただけに、とても残念でした。もっとも、その4日後にみなとみらいホールで聴いたブラームスのピアノ四重奏曲第1番は素晴らしかったので、たまたま、その日は調子が悪かっただけなのかもしれません。

で、今日の演奏ですが、全曲、素晴らしい演奏で、またまた、フォーレ四重奏団の実力を再認識しました。とりわけ、後半のシューマンのピアノ四重奏曲は最高でした。このところ、シューマンの音楽はどのカテゴリーでも、よい演奏を聴くと、その演奏者に強いシンパシーを感じますが、まさに今日もそのパターン。素晴らしいシューマンを聴かせてくれて、フォーレ四重奏団にリスペクトと感謝を覚えます。
第1楽章の冒頭の序奏はまるでベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲のような深い味わいの響きですが、そのなかにシューマンらしい憧れに満ちたロマンの断片も感じられる、緊張感の高い演奏でぐっと惹き付けられます。すぐに主部に入り、強い響きの演奏に変わりますが、シューマンの室内楽の魅力を十分に感じさせてくれます。短い第2楽章を経て、第3楽章のアンダンテ・カンタービレにはいります。一番の聴きどころです。チェロが奏でる美しい旋律に始まり、これ以上はないという美しいロマンの世界が展開されます。シューマンの作品の素晴らしさはもちろんですが、細かいニュアンスまで表現していくフォーレ四重奏団の各メンバーの演奏力にうっとりと魅惑されて、音楽と一体化する幸せを感じました。終盤のデリケートな演奏は驚異的でした。ここで大拍手したいところですが、まだ、第4楽章が残っています。この第4楽章も圧倒的な迫力の素晴らしい演奏でした。パーフェクトなシューマンの音楽の世界を堪能させてもらいました。

ところで、前半のモーツァルトのト短調のピアノ四重奏曲も見事な演奏でした。弦とピアノのバランスが素晴らしく、エリカ・ゲルトゼッツァーのヴァイオリンの美音が引き立ちます。名曲ですが、それが一層、素晴らしく聴けました。実はこの曲は4年前にも聴いていますが、そのときも素晴らしかったんです。今日も優るとも劣らない演奏でした。

前半の2曲目のメンデルスゾーンのピアノ四重奏曲第2番は初めて聴きましたが、これが14歳の少年だったメンデルスゾーンが作曲した曲だとはね・・・モーツァルトに負けない神童ですね。フォーレ四重奏団が演奏すると、ロマン派の超名曲に聴こえます。全編、ロマンの美しさにあふれて、ただただ、うっとりと聴くだけです。こうなると、メンデルスゾーンのほかの曲、第1番と第3番も聴きたくなりますね。第2番と第3番はフォーレ四重奏団のCDが出ているようですから、早速、購入して聴いてみましょう。

大変、質の高いコンサートでした。アンコールは楽しく聴けるムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」。圧巻の演奏に脱帽です。
2回目の金曜日のコンサートにも期待しています。きっと素晴らしいブラームスが聴ける予感がします。

今日のプログラムを紹介しておきます。

  ピアノ四重奏:フォーレ四重奏団
   ヴァイオリン:エリカ・ゲルトゼッツァー
   ヴィオラ:サーシャ・フレンブリング
   チェロ:コンスタンティン・ハイドリッヒ
   ピアノ: ディルク・モメルツ

  モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K478
  メンデルスゾーン:ピアノ四重奏曲第2番 ヘ短調 Op.2

  《休憩》

  シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47

   《アンコール》
     ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(編曲:フォーレ四重奏団&グリゴリー・グルツマン)より
      第1曲:小人(グノーム)
      第10曲:キエフの大門
      

最後に予習について、まとめておきます。

モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番を予習したCDは以下です。

  フォーレ四重奏団 2005年録音

現代的なメリハリのきいたパワフルな演奏ですが、ちゃんとモーツァルトらしい様式美を感じさせてくれる素晴らしい演奏です。


メンデルスゾーンのピアノ四重奏曲第2番を予習したCDは以下です。

  バルトルディ・ピアノ四重奏団 1991年録音 ハイデルベルク、クララ・ヴィーク・ホール

とても美しい演奏です。満足できました。


シューマンのピアノ四重奏曲を予習したCDは以下です。

  フォーレ四重奏団 2004年3月録音 ケルン放送 クラウス・フォン・ビスマルク・ザール
  バリリ弦楽四重奏団、イエルク・デムス 1956年録音

フォーレ四重奏団はスケールの大きな演奏です。一方、バリリ弦楽四重奏団&イエルク・デムスは古い音質ながら、端正な演奏を聴かせてくれます。どちらもお勧めできる素晴らしい演奏です。



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       フォーレ四重奏団,  

またまた圧巻のブラームス:フォーレ四重奏団@横浜みなとみらいホール 2016.10.5

4日前に聴いたトッパンホールでのブラームスのピアノ四重奏曲第2番は期待したほどの演奏には思えませんでしたが、今日のブラームスのピアノ四重奏曲第1番は文句なしに素晴らしい演奏でした。特に大好きな第3楽章、第4楽章は素晴らしい演奏。なかでも第4楽章の後半は圧巻の演奏。saraiの気持ちも高揚しました。1昨年、初めてフォーレ四重奏団を聴いたときの感動を思い出しました。そのとき演奏されたのもこのブラームスのピアノ四重奏曲第1番でした。ともかく、フォーレ四重奏団の演奏するブラームスのピアノ四重奏曲第1番は見事です。アンサンブルもアーティキュレーションも最高で音楽的にも熟成しています。久々にブラームスの音楽を堪能しました。

休憩後、当初のプログラムにははいっていなかった細川俊夫の新作《レテ(忘却)の水》が演奏されます。4日前のトッパンホールでのコンサートでも聴いたばかりです。前回は音楽をしっかりと聴き取ることができませんでしたが、今日は気持ちを集中して聴きました。音楽としては、前半部分の音の響きの薄さが不満でしたが、後半、ピアノの独奏が始まったあたりからは深みの感じられる音楽が展開されます。ピアノの響きを中心に構成するパートは聴き応えのある音楽である印象でした。正直、標題音楽的な聴き方は難しいと感じましたが、後半部分に限れば、純粋音楽として評価できると感じました。あくまでも1素人の印象に過ぎませんけどね。

最後はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」のピアノ四重奏編曲版です。演奏は見事でした。まあ、それだけのことです。これならピアノ独奏を聴けば十分というのが正直な感想です。

アンコールの2曲目のベートーヴェンは聴きなれない曲だと思いましたが、いかにもベートーヴェンらしい美しい音楽です。ピアノと管楽のための五重奏曲のベートーヴェン自身によるピアノ四重奏曲への編曲版でした。こういうベートーヴェンもあるんだ・・・。

今日のプログラムを紹介しておきます。

  ピアノ四重奏:フォーレ四重奏団
   ヴァイオリン:エリカ・ゲルトゼッツァー
   ヴィオラ:サーシャ・フレンブリング
   チェロ:コンスタンティン・ハイドリッヒ
   ピアノ: ディルク・モメルツ

  ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番ト短調 Op. 25
  細川俊夫: 《レテ(忘却)の水》ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノのための
    (2016年10月1日トッパンホールにて日本初演)─フォーレ四重奏団に捧げる─

  《休憩》

  ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(編曲:フォーレ四重奏団&グリゴリー・グルツマン)

   《アンコール》
     メンデルスゾーン:ピアノ四重奏曲第2番 ヘ短調 Op. 2から第4楽章アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェAllegro molto vivace
     ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op. 16 (ピアノと管楽のための五重奏曲 Op. 16の編曲版)から第2楽章アンダンテ・カンタービレAndante cantabile

ブラームスの名曲を聴くので、CD(またはアナログディスク)で聴ける名演をできるだけ予習しました。

 ゼルキン&ブッシュ四重奏団員
 デムス&バリリ四重奏団員
 シュナイダー,トランプラー,パーナス,ブラウン
 サボー&バルトーク弦楽四重奏団員(アナログディスク)
 フォーレ四重奏団

どれも聴き応えのある演奏です。なかでもゼルキン&ブッシュ四重奏団とデムス&バリリ四重奏団は別格の素晴らしさ。どちらも60年以上も昔のモノラル録音ですが、ドイツ風のなよやかなゼルキン&ブッシュ四重奏団とウィーン風のしなやかで柔らかいデムス&バリリ四重奏団には聴き惚れてしまいます。サボー&バルトーク弦楽四重奏団の第4楽章のハンガリー風のノリのよく、哀愁に満ちた演奏に滅法聴き惚れてしまいました。



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       フォーレ四重奏団,  

秋の夜はやっぱりブラームス:フォーレ四重奏団@トッパンホール 2016.10.1

秋の夜に聴くブラームスの室内楽は最高です。アンコールの最後に演奏してくれたブラームスのピアノ四重奏曲第3番の第3楽章アンダンテはとても心にしみいってきました。繊細でロマンチック・・・ブラームスにぴったりの演奏でした。

フォーレ四重奏団は一昨年に初めて聴いて、すっかりファンになってしまいました。大変、期待して聴きましたが、一昨年に聴いたほどの新鮮な感動は残念ながらありませんでした。過度の期待だったのかな。ダイナミックな演奏はよかったのですが、フォルテの部分が少し騒々しかった感じです。フォルテ以外は大変、よかったので全体としては満足な演奏でした。

まず、モーツァルトのピアノ四重奏曲第2番です。これは一昨年に東京文化会館小ホールで聴いたときの名演には及ばない感じです。フォーレ四重奏団のCDに録音されている内容と同レベルの演奏ですから、及第点ではありますが、一昨年の素晴らしい演奏を聴いてしまっているので、もう一つに感じてしまいました。ホールが少し大きくなった分、演奏に力みがあったのかもしれません。やはり、室内楽はなるべく小さなホールで聴いたほうが良さそうです。

次は、細川俊夫の新作です。このところ、彼の新作を聴く機会が多いですね。なかなか1回聴いただけでは印象をつかむのが困難ですが、作曲家が言うところの《音は水のメタファー》という感じは何となく分かりました。題名の水がすべてを忘却させてくれるというよりも、水にも色んな諸相・・・悲しみ、希望などが投影されているように感じました。ただ、あまり、散文的には音楽を聴かずに純粋に音楽自体の中身だけを聴きたいとも思いました。もう一度、聴き直したい音楽です。

休憩後は期待のブラームスのピアノ四重奏曲第2番です。第2楽章がとても美しかったので満足です。ただ、前述したようにフォルテの部分が少し騒々しかった感じでブラームスの最高の演奏とは言えない感じで残念です。むしろ、アンコールのブラームスのほうが素晴らしかったと思います。

来週、みなとみらいホールでもブラームスのピアノ四重奏曲第1番を聴くので、それに期待しましょう。

今日のプログラムを紹介しておきます。

  ピアノ四重奏:フォーレ四重奏団
   ヴァイオリン:エリカ・ゲルトゼッツァー
   ヴィオラ:サーシャ・フレンブリング
   チェロ:コンスタンティン・ハイドリッヒ
   ピアノ: ディルク・モメルツ

  モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K493
  細川俊夫: 《レテ(忘却)の水》ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノのための
    (2016/日本初演)─フォーレ四重奏団に捧げる─

  《休憩》

  ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番 イ長調 Op.26

   《アンコール》
     メンデルスゾーン:ピアノ四重奏曲第2番 ヘ短調 Op. 2から第4楽章アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェAllegro molto vivace
     ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番ハ短調 Op.60から第3楽章アンダンテAndante

ブラームスの名曲を聴くので、CD(またはアナログディスク)で聴ける名演をできるだけ予習しました。

 ゼルキン&ブッシュ四重奏団員
 シュナイダー,トランプラー,パーナス,ブラウン
 ファウスト,ジェランナ,ミュニエール,ハン
 リヒテル&ボロディン弦楽四重奏団員
 ラントシュ&バルトーク弦楽四重奏団員(またはアナログディスク)

すべて名演です。ブッシュ四重奏団は別格の素晴らしさ。アドルフ・ブッシュのなよやかなヴァイオリンの響きはブラームスにぴったりです。ステレオ録音ではシュナイダー他の演奏がブラームスを美しく繊細に演奏しています。シュナイダーはブダペスト弦楽四重奏団の第2ヴァイオリンを弾いていた人ですね。ファウストがヴァイオリンを弾いている演奏も室内楽らしくまとまった演奏ですが、もう少しファウストが前面に出た演奏をしてほしかったところです。まだ彼女が若かった頃の演奏なんでしょう。リヒテルはさすがのピアノを聴かせてくれます。ピアノを聴くなら、これが最高でしょう。バルトーク弦楽四重奏団も見事なブラームスを聴かせてくれます。ラントシュのピアノも立派です。デムス&ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団もウィーン代表として聴くつもりでしたが、時間切れになりました。残念です。後で聴いときましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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