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ベルリン・フィルは永遠なり キリル・ペトレンコの最高の指揮で聴くシンフォニア・ドメスティカ バティアシヴィリのミステリアスで魅惑に満ちたシマノフスキ@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2024年2月16日19時(ベルリン時間)

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの最後かもしれない鑑賞記です。昨年8月から、サブスク契約して、7か月。遂に今月末で契約を打ち切ることにし、今日が最後の視聴になります。最後はほぼ10日前にベルリンで収録されたキリル・ペトレンコ指揮のコンサートを聴くことにしました。プログラムが最高に魅力的ですからね。リサ・バティアシヴィリのヴァイオリンも久々に聴けます。そして、何と言っても、R.シュトラウスのシンフォニア・ドメスティカ(家庭交響曲)がペトレンコ指揮のベルリン・フィルで聴けるのが楽しみです。実はライヴ配信で聴こうと思っていましたが、色々な事情で聴けなかったので、配信が始まるのを待っていたんです。

ベルリン・フィルの来日公演で首席指揮者キリル・ペトレンコの素晴らしい指揮でR.シュトラウスの交響詩の最高傑作《英雄の生涯》の演奏を聴いて以来、ペトレンコとベルリン・フィルにぞっこん惚れ込みました。そのコンビによるR.シュトラウスのシンフォニア・ドメスティカ(家庭交響曲というよりもシンフォニア・ドメスティカのほうが雰囲気がよいと思いませんか!)ですから、期待は高まりますが、その演奏は後半です。

まずは、ブラームスの悲劇的序曲。最初のトゥッティでいきなり、魅了されます。ペトレンコは強弱をつけた演奏で、ベルリン・フィルを巧みにドライブして、ブラームスの深い味わいを表現していきます。ベルリン・フィルは今日も役者が揃っています。コンサートマスターは我が樫本大進、フルートはエマニュエル・パユ、クラリネットはヴェンツェル・フックス、オーボエはアルブレヒト・マイヤー、ホルンはシュテファン・ドールというスーパースターが勢揃いです。ですから、管の独奏の表現も素晴らしく、まったく、隙のない演奏です。わずか15分ほどの音楽ですが、極め付きのブラームスが聴けました。でも、これはほんの序の口。

次は艶やかなリサ・バティアシヴィリが登場して、シマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番です。オーケストラがカチャカチャとファンタジックな音楽を細かいフレーズで速いテンポで奏でます。ベルリン・フィルの素晴らしい音響をたっぷりと味わいます。そして、そこにリサ・バティアシヴィリがゆったりとたゆたうばかりの飛びっきりの美音のヴァイオリンで異次元のような音楽を奏で始めます。美しい顔と美しいヴァイオリンで魅惑の音楽・・・これこそ、リサ・バティアシヴィリの魅力の世界です。さすがのぺトレンコとベルリン・フィルもたった一人のヴァイオリニストに主役の座を明け渡します。後期ロマン派を思わせるような魅力たっぷりのヴァイオリンに耳を傾けるのみです。たまに独奏ヴァイオリンも速いテンポでオーケストラと同調するような音楽も奏でますが、何と言ってもシマノフスキのヴァイオリン曲の魅力はミステリアスで魅惑に満ちたスローなバラードです。終始、リサ・バティアシヴィリの極美の世界に浸って、うつつの時を過ごしました。リサ・バティアシヴィリの最高のシマノフスキでした。今日はこれが聴けただけで満足でした。

しかし、後半のR.シュトラウスのシンフォニア・ドメスティカ。これが凄かったんです。やはり、ペトレンコのR.シュトラウスは素晴らしいです。もう、かつてのカラヤン時代のベルリン・フィルのR.シュトラウスは凌駕したと言っても過言ではないでしょう。英雄の生涯ほどの派手な曲ではありませんが、シンフォニア・ドメスティカはよりインティメットな魅力に満ちています。そして、その重層的な音の響きはR.シュトラウスの魅力にあふれていました。まったくもって、音楽的な充実度は圧倒的でした。一瞬とも気を抜けて聴けない緊張感に満ちた演奏にしびれました。ペトレンコの圧倒的な指揮も見事ですが、ベルリン・フィルのスーパースターたちの妙技も見事。それに弦楽アンサンブルの素晴らしい響き。家庭交響曲というと何かこじんまりした印象なので、これはやはり、シンフォニア・ドメスティカと言わねば、今日の素晴らしい演奏にそぐわない感じです。終曲の最後の高潮は圧倒的で、saraiは思わず、のけぞるほどの迫力でした。いくら賛美しても足りないのが、今日のシンフォニア・ドメスティカでした。
ところで前半はいなかったヴィオラの清水直子が後半から1列目に登場。こういうことってあるんですね。

今年はペトレンコ&ベルリン・フィルは来日しないようですが、こういうR.シュトラウスを生の迫力で聴きたいものです。

これでベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールは聴き納めですが、どうしてもというコンサートがあれば、また、1ヵ月のみのサブスク契約して、集中的に聴くつもりです。
ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールのサブスク契約解除で浮いた資金で、今度はApple Music(Apple Classical)のサブスク契約しました。これでほとんどのクラシックCDが聴き放題。ハイレゾの音源もあり、これが1ヵ月1080円はお得です。年契約したので、10800円と2か月分お得です。これで所有するほとんどのCDは不要になるとは、時代が変わったものです。これまで買い込んだ数千枚のCDはどうしてくれる!!


この日のプログラムは以下です。

  2024年2月16日19時(ベルリン時間)、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  ヴァイオリン:リサ・バティアシヴィリ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 ヨハネス・ブラームス
   悲劇的序曲ニ短調 op. 81
 カロル・シマノフスキ
   ヴァイオリン協奏曲第1番 op. 35
   
 《休憩》
 
 リヒャルト・シュトラウス
   シンフォニア・ドメスティカ(家庭交響曲) op. 53

  


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       バティアシヴィリ,        キリル・ペトレンコ,        ベルリン・フィル,  

オーケストラ芸術の究極:キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルのR.シュトラウスの《英雄の生涯》を聴き、ただ、幸せを噛みしめるのみ@サントリーホール 2023.11.25

ベルリン・フィル、3回目のコンサートを聴きます。これで最後です。最後はやっぱり、R.シュトラウスの《英雄の生涯》。ベルリン・フィルのラストコンサートは明日ですが、明日はブラームス。saraiとしてはこのR.シュトラウスの《英雄の生涯》で締めたいんです。
前回と同じメンバー・・・コンサートマスターは我が樫本大進、フルートはエマニュエル・パユ、クラリネットはヴェンツェル・フックス、オーボエはアルブレヒト・マイヤー、ホルンはシュテファン・ドール・・・。スーパースターの勢揃いで、文句なし。
そして、お目当ては首席指揮者のキリル・ペトレンコ。いつもの柔和な笑顔でステージに登場です。

演奏は今回もやはり、凄かった! 前回と同じような感想になるのは当たり前ですが、ご容赦ください。

まずはレーガーの《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》です。最初に主題がオーボエで奏でられます。最前列のsaraiの席からは見えませんが、名人アルブレヒト・マイヤーが吹いています。素晴らしい音色です。そして、弦楽パートがはいってきます。前回ほどの恐ろしいくらいの弱音ではなく、もっとリラックスした感じです。そして、第1ヴァイオリンの前の席で聴いているせいか、ピタッと合った合奏ではなく、若干のずれがあります。これもご愛嬌ですね。キリル・ペトレンコの極めて柔らかい指揮でベルリン・フィルも柔らかい演奏です。直線的な演奏ではないのも面白いところです。そして、終始、響きの美しさは驚くべきものです。レーガーの和音感覚はちょっと不思議な音響ですが、次第に耳馴染みしていきます。レーガーのちょっと変わった感覚の変奏曲に聴き惚れているうちにたちまち、最後の第8変奏。既に最初の主題の姿は消え去っていますが、実に心に響く繊細な表情が印象的です。ここでペトレンコの指揮もベルリン・フィルの演奏も最高レベルに達しました。若干のパウゼの後、最終のフーガが始まります。第1ヴァイオリンがフーガ主題の音型を示し、それが次々と他の弦楽パートに受け継がれます。さらに木管、金管も加わり、音楽が物凄く高潮します。鉄壁のベルリン・フィルのアンサンブルが本領を発揮していきます。美しい音響のまま、強烈なフォルテシモ。ベルリン・フィルの音響は最強音でもまったく濁りがなく、美しさの限りです。最後は全楽器でモーツァルトの主題が壮大に歌い上げられます。バロックの雰囲気を醸し出しつつ、音響の芸術が終焉。今日は前回以上に凄い演奏でした。

長い休憩後、リヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》です。弦は16型の構成で、コントラバスは8本に強化。4管編成でホルンは8本、トランペットは5本。ハープが2台。強力な布陣で、ステージは団員で埋め尽くされます。
冒頭の英雄の主題は前回ほどの整ったアンサンブルではなく、少し、お疲れ気味の感じです。しかし、英雄の主題が終盤に高潮していくところで本来の響きが復活してきます。最後は爆発的な響きで光り輝くような音楽が炸裂します。いやはや、凄いね、これは。キリル・ペトレンコ率いる強大なベルリン・フィルの凄まじい響きは光り輝く閃光のようです。大編成のオーケストラの隙のない完璧な演奏はもうオーケストラ芸術の究極の姿としか思えません。音楽を聴いて、途轍もなく、幸せ感に浸ります。第1部の《英雄》の持ち直した光輝く響きの後、第2部の《英雄の敵》では、木管の達人たち、パユ、マイヤー、フックスが今日もあり得ないような美しい響きの饗宴を聴かせてくれます。そして、弦楽も加わって、さらに音響の高みに達していきます。第3部の《英雄の伴侶》では、コンマスの樫本大進が素晴らしい技巧と響きのヴァイオリン独奏を聴かせてくれます。ただ、前回のような突っ込んだ演奏ではなく、もっと落ち着きのある余裕の演奏です。この渾身の独奏を最前列で最も樫本大進に近い席のsaraiはすべての響きを漏らさずに聴き取りました。まったく、濁りのない響きで素晴らしい演奏でした。それに実に音楽的に充実していました。第4部の《英雄の戦場》は、今日も強烈な金管が鳴り響き、勇壮そのものの圧倒的な響きに圧し潰されそうでした。第5部の《英雄の業績》はキリル・ペトレンコの巧みな棒さばきでオーケストラ芸術の粋を味わいます。ゲネラルパウゼを効果的に使い、緊張感を高め、物凄い気魄の指揮でベルリン・フィルを鼓舞し、超絶的な演奏を聴かせてくれます。超高速の弦楽合奏が一糸乱れない演奏を繰り広げるのには呆れるのみです。第6部の《英雄の隠遁と完成》は音楽的にも演奏的にも最高に素晴らしく、もう、天国の音楽を聴いている心持ちです。美し過ぎる弦楽合奏が心に沁み入ります。最後は樫本大進のヴァイオリン独奏が超高域を極めて、心が持っていかれそうになります。金管が葬送のようなフォルテシモの響きをあげた後、木管の弱音の長いフェルマータが続きます。最終的にペトレンコがタクトを止めて、静寂の時間を作ります。長い静寂の後、ペトレンコがタクトをゆっくりと下ろします。盛大な歓呼と拍手の嵐。

今日のリヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》はもっと凄い演奏でした。小柄で優しそうなキリル・ペトレンコがこれほどの音楽を聴かせてくれるとは・・・。saraiにとって、今年最高のコンサートでした。幸せな気持ちを抱き、サントリーホールを後にしました。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサートマスター:樫本大進

 マックス・レーガー
   モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op. 132
   
 《休憩》
 
 リヒャルト・シュトラウス
   交響詩《英雄の生涯》Op. 40


最後に予習について、まとめておきます。(無論、前回と同じ)

いずれもベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールで聴きました。

  ベルリン・フィルの2023/2024年新シーズン開幕コンサート
  2023年8月25日19時(ベルリン時間)、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

詳しい視聴記事は以下に書きました。

  https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4808.html
  
このとき、2度視聴しましたが、その後、1回、そして、本日ももう1回、計4回も聴きましたが、聴けば聴くほど、素晴らしい演奏です。



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       キリル・ペトレンコ,        ベルリン・フィル,  

キリル・ペトレンコ指揮のベルリン・フィルの燃え上がる炎のような圧巻のブラームス:交響曲第4番@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.11.21

今日も引き続き、ベルリン・フィルの来日公演を聴きます。昨日のサントリーホールから、ミューザ川崎シンフォニーホールに場所を移します。今日もチケットは完売でベルリン・フィルの人気ぶりがうかがい知れます。今日のプログラムはモーツァルト、ベルク、ブラームスと多彩なものです。特に滅多に演奏されないベルクのオーケストラのための3つの小品 Op.6が注目されます。もっともsaraiはブラームスの交響曲第4番が聴きたくて、この公演に足を運びました。

お目当ての指揮者、キリル・ペトレンコは既に昨日、その実力をいやというほど見せつけられました。今日は余裕で彼の指揮を楽しませてもらいましょう。

まず、モーツァルトの交響曲第29番です。弦の編成は10-10-6-5-3という小編成。管はオーボエとホルンが二人ずつ。その編成で透き通るような響きが立ち上がります。特に低域をしぼっているために、高域の美しさが際立ちます。もう、笑ってしまうほど、素晴らしい演奏。とりわけ、第1楽章の魅惑的な演奏に感銘を覚えます。ペトレンコの指揮は実に柔らかく、軽いです。モーツァルトはこうでなくっちゃね。小編成の割には驚くほどのダイナミズムです。抑え気味の音量で透明な演奏が主体ですが、ここぞというときにはびっくりするほどの大音量にスイッチします。ペトレンコの音楽表現は生半可なものではありません。

次は同じウィーンの作品ですが、時代は飛んで、20世紀初頭の新ウィーン楽派のアルバン・ベルク。一気に4管編成の巨大なオーケストラになります。弦は16型。曲はベルクの管弦楽のための3つの小品 Op.6です。この曲は初聴きです。演奏の難度は超大変そうですが、ベルリン・フィル、そして、キリル・ペトレンコの前ではうってつけの作品でしょう。演奏はベルクの音楽の真髄を抉り出す会心の演奏です。ベルクらしい濃密で表現主義的な音楽がコンサートホールの空気を包み込みます。とても小品とは言えない完成度の高い強烈な演奏に圧倒されました。(予習でも同じ感想で、そのときも書きましたが、ペトレンコが指揮したオペラ「ルル」のBlu-rayディスクを猛烈に聴きたくなり、購入しました。あのオペラのオーケストラの間奏曲的なパートを聴きたくなったからです。)
20分ほどの短さを感じさせない密度の高いベルクの傑作をペトレンコがベルリン・フィルを鮮やかにドライブして、圧巻の音楽に仕立て上げました。

長い休憩後、最も期待していたブラームスの交響曲第4番です。これは14型の弦で2管編成。ベルクの巨大な編成に比べると、古典的とも思える編成に逆戻り。しかし、ベルリン・フィルは弦、木管、金管が3層に並んで、素晴らしい響きを聴かせてくれます。
冒頭は高弦の美しい響きでロマンに満ちた音楽が立ち上ります。憂愁に満ちたブラームスをそう粘らずに弾いていきます。うっとりと聴いていると、第1楽章の終盤の音楽の高潮に心を揺さぶられます。圧倒的な響きのコーダはこれでこの交響曲が終わったかの如くです。万雷の拍手が起きないのが不思議なくらいの音楽の充足感です。
第2楽章で再び、音楽が開始。穏やかに始まった音楽はまた、楽章の終盤で燃え上がります。楽章ごとに音楽を完結しているような不思議な演奏です。
第3楽章は賑やかに始まります。強大な響きのスケルツォが展開されます。そして、やっぱり、最後は大きく音楽が盛り上がります。第4楽章はパッサカリアの変奏曲。パッサカリア主題の提示に続いて、30の変奏曲が続きます。古典的な雰囲気でありながら、ロマンに満ちた傑作です。弦楽、木管、金管が交錯しながら、得も言われぬ音楽を奏でていきます。ベルリン・フィルの機能性が素晴らしく音楽を盛り立てていきます。第12変奏での長大なフルート・ソロが見事なアクセントになっています。そして、もちろん、終盤、音楽は熱を帯びて燃えあがり、劇的なコーダに収束します。ペトレンコの疲れをしらないタクトがオーケストラを鼓舞し続けたことが印象的です。期待していたブラームスですが、その気持ちは完全に報われました。

キリル・ペトレンコ指揮のベルリン・フィルはもう一度聴きます。あの素晴らしかったリヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》です。期待は裏切られないでしょう。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサートマスター:ヴィネタ・サレイカ=フォルクナー

  モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
  ベルク:オーケストラのための3つの小品 Op.6
   
 《休憩》
 
  ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98


最後に予習について、まとめておきます。

いずれもベルリン・フィルのデジタル・コンサートホール(ネット配信)で聴きました。

  2023年2023年11月3日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

詳しい視聴記事は以下に書きました。

  https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4851.html
  
モーツァルトもベルクもブラームスもあり得ないほどの最高レベルの演奏です。



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       キリル・ペトレンコ,        ベルリン・フィル,  

凄過ぎるキリル・ペトレンコ指揮のベルリン・フィルのR.シュトラウスの《英雄の生涯》にただただ、得心の笑いがこみあげるだけ@サントリーホール 2023.11.20

今日のベルリン・フィルのプログラムは今年8月25日のベルリン・フィルの2023/2024年新シーズン開幕コンサートをベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールのネット配信で聴いたばかりで、その素晴らしさは分かっていました。あとは果たして、ベルリン・フィルがベストメンバーで来日してくれるかを心配するくらいです。
で、いよいよ、サントリーホールのステージにメンバーが入ってきます。
コンサートマスターは我が樫本大進、フルートはエマニュエル・パユ、クラリネットはヴェンツェル・フックス、オーボエはアルブレヒト・マイヤー、ホルンはシュテファン・ドール・・・。凄い! スーパースターの勢揃いです。
そして、いよいよ、待ちかねた首席指揮者のキリル・ペトレンコの登場です。例によって、柔和な笑顔です。彼はいわゆるカリスマ指揮者のような威厳はなく、音楽的実力で勝負というタイプです。初めて生で聴く彼の実力のほどをご披露願いましょう。

まずはレーガーの《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》です。最初に主題がオーボエで奏でられます。懐かしい旋律です。モーツァルトのピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K. 331の第1楽章の変奏曲の主題です。ピアノ独奏曲から管弦楽曲の主題をとったんです。オーボエで主題を演奏しているのは、アルブレヒト・マイヤー。達人中の達人です。そして、弦楽パートがはいってきます。恐ろしいくらいの弱音です。トップ奏者だけで演奏しているのかと思うと、何と全員で弾いています。何と言う静謐でピタッと合った合奏でしょう。驚嘆します。キリル・ペトレンコの柔らかい指揮で変奏が進んでいきます。聴き惚れているうちにたちまち、最後の第8変奏。既に主題の姿は消え去っていますが、実に心に響く繊細な表情が印象的です。そして、最終のフーガが始まります。第1ヴァイオリンが音型を示し、それが次々と他の弦楽パートに受け継がれます。さらに木管、金管も加わり、音楽が物凄く高潮します。鉄壁のベルリン・フィルのアンサンブルがうなりをあげていきます。美しい音響のまま、強烈なフォルテシモ。硬質で鋭角のベルリン・フィルが牙をむきます。最後は全楽器で主題が壮大に歌い上げられます。バロックの雰囲気を醸し出しつつ、音響の芸術が終焉。凄いね!

長い休憩後、最も期待していたリヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》です。16型の構成で、コントラバスが8本に強化。4管編成でホルンは8本、トランペットは5本。ハープが2台。強力な布陣で、ステージは団員で埋め尽くされます。
冒頭から、低弦が凄い響きを上げます。さらに高弦も加わり、ホルンと一緒に強烈な響きで英雄の主題。いや、これは凄いね!もう、この時点で心が持っていかれます。英雄の主題はさらに高潮していき、最後は爆発的な響き。もう、かっこいいの何の。思わず、saraiは声を出さず、会心の笑いがこみあげます。指揮のキリル・ペトレンコもきっと会心の笑みを浮かべていたでしょう。もう、あとは何も語る言葉がありません。キリル・ペトレンコ率いる強大なベルリン・フィルの凄まじい響きを夢見心地で聴き入るのみです。大編成のオーケストラの隙のない完璧な演奏。saraiの生涯で最高に素晴らしい演奏です。音楽って、こんなに心が浮き立つものなんですね。第1部の《英雄》の最高の高レベルアンサンブルの後、第2部の《英雄の敵》では、木管の達人たち、パユ、マイヤー、フックスがあり得ない美しい響きの饗宴を聴かせてくれました。第3部の《英雄の伴侶》では、コンマスの樫本大進が素晴らしい技巧と響きのヴァイオリン独奏を聴かせてくれます。もう、コンマスというよりも、ヴァイオリンのソロ奏者の風情で、渾身の独奏。あっけに取られて聴き入りました。そうそう、saraiは最前列中央なので、目の前で樫本大進のすべての響きを漏らさずに聴き取りました。圧巻でした。第4部の《英雄の戦場》は、強烈な金管が鳴り響き、勇壮そのものの圧倒的な響きに圧し潰されそうです。第5部の《英雄の業績》はキリル・ペトレンコの巧みな棒さばきでオーケストラ芸術の粋を味わいます。ゲネラルパウゼを効果的に使い、緊張感を高め、物凄い気魄の指揮でベルリン・フィルを鼓舞し、超絶的な演奏を聴かせてくれます。そこまでやるかって、またまた、高笑い。第6部の《英雄の隠遁と完成》は音楽的にも演奏的にもカタルシスを感じ入ります。美し過ぎる弦楽合奏に心が癒されます。心を慰撫するような樫本大進のヴァイオリン独奏の果てに金管がうなりをあげてフィナーレ。
リヒャルト・シュトラウスの最高傑作のひとつ、交響詩《英雄の生涯》を、キリル・ペトレンコが音楽的実力を遺憾なく発揮して、達人集団のベルリン・フィルを最高にドライブして、もう笑うしかないような見事な演奏を聴かせてくれました。脱帽です。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサートマスター:樫本大進

 マックス・レーガー
   モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op. 132
   
 《休憩》
 
 リヒャルト・シュトラウス
   交響詩《英雄の生涯》Op. 40


最後に予習について、まとめておきます。

いずれもベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールで聴きました。

  ベルリン・フィルの2023/2024年新シーズン開幕コンサート
  2023年8月25日19時(ベルリン時間)、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

詳しい視聴記事は以下に書きました。

  https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4808.html
  
このとき、2度視聴しましたが、その後、1回、そして、本日ももう1回、計4回も聴きましたが、聴けば聴くほど、素晴らしい演奏です。



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2回目の感動!マーラー2番byオッター、ラトル+ベルリン・フィル@コンツェルトハウス 2013.6.6

昨夜と同じく、感動の涙! 素晴らしいマーラーでした。

フォン・オッターの素晴らしい歌唱、ラトルの素晴らしい指揮、それらは昨夜、語り尽くしました。今夜は演奏の流れに沿って、ふりかえってみます。

第1楽章、高弦のさざ波のようなトレモロに乗って、低弦が力強い主題を奏でます。ベルリン・フィルの強力な地響きのようなアンサンブルです。ラトルの指揮はとても柔らかく、自然です。次第に熱を帯びて、音楽は進行していきます。強烈なフォルテでは、ベルリン・フィルのアンサンブルの極限までラトルの棒は要求し、とても緊張感の高い演奏が繰り広げられます。これがラトル、そして、ベルリン・フィルのマーラーです。来日公演で聴いたマーラーの交響曲第9番の演奏がデジャヴのように思い出されます。曲が変わっても、彼らのマーラー演奏は基本軸が固まっており、演奏の極限を極めることのように思えます。並みのオーケストラならば、とっくにアンサンブルが崩壊してしまうようなぎりぎりの演奏で、決して、何も恐れずにマーラーの音楽の本質に果敢に挑戦していきます。
マーラーの音楽は多面性を帯びていますが、それ故の曲想の目まぐるしい変化をどう表現していくかが演奏の難しさになります。ラトルは思いっ切り、ベルリン・フィルをドライブし、緩急、強弱を変化させ、オーケストラの合奏力にすべてを委ねます。こんなに切り込んだ高いレベルの演奏は聴いたことがありません。ここまでやっていいのかとも思えますが、明瞭でメリハリの利いた演奏は説得力があることは確かです。ラトルはよほど譜面を読み込んだようです。ラトルの美点はその努力が音楽演奏の精密さだけに留まらないことです。部分、部分の精密さというよりも、音楽の大きな流れ・構造のなかにきっちりと崩壊寸前まで切り込んだ表現を展開していることです。その結果、マーラー音楽の本質である多面性が見事に表現されました。第1楽章はまさにその典型で、この楽章だけで、独立した音楽叙事詩を聴いた思いになりました。もともと、第1楽章はマーラーが交響詩《葬礼》として作曲したものですが、ラトルはその意図に沿って、この交響曲第2番の序章として、この第1楽章を演奏したようです。実際、この第1楽章の後だけに長い休憩を入れていました。

第2楽章、ここから第4楽章まではアッター湖畔の作曲小屋で作曲されましたが、美しい自然、変わりやすい自然、そういったものを肌に感じられる音楽です。ラトルは序章に続き、この第2楽章からを交響曲の始まりのように演奏します。ちょうど、交響曲第4番のような感じです。そのように演奏されると、これまで聴いてきた第2番とかなり、趣きが変わって聴こえてきます。弦楽合奏の舞曲風の旋律もアッター湖畔の自然のなかの響きに感じられます。時折、天候が崩れたりもしますが、自然のなかのおおらかな響きに満ちて、この楽章は終始します。ベルリン・フィルの美しい合奏力ならではの音楽です。珠玉のような演奏と言って、差し支えないでしょう。

第3楽章、グロテスクな自然、それでも美しい自然を感じさせる音楽です。この楽章は次の第4楽章と同様に、『子供の不思議な角笛』と強い関わりを持ち、自然の魔力に満ちています。ラトルは多彩な表情をつけながら、次第に熱を帯びた終盤に向かいます。ここでソロ歌手の入場です。舞台の上方にあるオルガンの張り出しの上に歌手が立ちます。フォン・オッターは昨日と同じ赤いドレス姿で座って、第4楽章を待ちます。

第4楽章、第3楽章が終わると同時に、フォン・オッターが「赤い小さな薔薇よ」と歌い始めます。繊細な響きで、感動的な歌声です。もう、うるうるするしかありません。オーケストラの演奏が少し続き、デル・メンシュ(人間は)・・・という決然としていながら、哀感に満ちた歌が始まります。もう、たまりません・・・。哀感あふれる木管の響きもたまりません・・・。もう、ここで最初の涙・・・・。この《原光》が聴きたくて、2度もこのコンツェルトハウスに足を運びましたが、それは十分に報われました。静かな、本当に静かな感動で胸がいっぱいになりました。フォン・オッター、最高です。

第5楽章、静かな第4楽章が終わるや、即、オーケストラの強烈な響きです。長大な楽章の幕開きです。前半はオーケストラの演奏ですが、最初の山場は復活のテーマの提示です。管楽器のスローな演奏で、インパクトの強い楽想が提示されます。展開部にはいり、行進曲風な音楽がベルリン・フィルの見事な合奏で演奏されると、ぐっと気持ちが高ぶっていきます。そして、合唱が低い歌声で復活賛歌を歌い始めます。「よみがえる、・・・」です。合唱やソロなどで次第に音楽は頂点をめざします。彼岸を思わせるバンタのアンサンブルも実に見事です。バンタの響きは素晴らしく効果的で、演奏場所を変えながらの演奏です。このあたりにもベルリン・フィルの底知れぬ実力が垣間見えます。
そして、最後の大合唱、「・・・神のもとへとおまえを運んでいくだろう!」。もう、涙が流れて、感動して、どうしようもありません。ベルリン・フィルのアンサンブルの響きも最高ですが、やはり、人間の声に勝るものはありません。大合唱がsaraiの体を貫いていきます。最後の管弦楽の後奏はカタルシスのように、優しく感じられるくらいでした。演奏が終わってもラトルの棒が下されるまでは静寂が続きます。感動の静寂です。本当にこの静寂が神のもとに自分を運んでくれるように感じます。これは聴衆も参加した音楽でした。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。昨日とまったく同じです。

  指揮:サイモン・ラトル
  ソプラノ:サラ・フォックス
  メゾ・ソプラノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
  管弦楽:ベルリン・フィル
  合唱:ウィーン・シングアカデミー

マーラー:交響曲第2番ハ短調《復活》

この2日間の《復活》を聴いただけでも、今回の旅は価値あるものでした。ウィーンという街、コンツェルトハウスという途轍もない音楽ホール、ウィーンに培われた合唱団、そして、ラトルとベルリン・フィル、マーラー歌手フォン・オッター、それらがひとつになってこその素晴らしいコンサートでした。それにしても、ラトルという指揮者、これまでsaraiが読み違えしていたようです。今後、注目して、聴きこんでいかねばと痛感させられました。ラトルありきのベルリン・フィルも恐ろしいレベルの演奏が期待できそうです。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子
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