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田部京子の心に沁みるシューマン!!ジルヴェスターコンサート@横浜みなとみらいホール 2019.12.31

大晦日は恒例のジルヴェスターコンサート@みなとみらいホールで年越しです。saraiと配偶者、娘夫婦の4人です。
イタリアン・レストランでグルメなディナーをいただいた後、みなとみらいホールに移動。
みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは今年で第21回目。そして、saraiがジルヴェスターコンサートに通うのもこれで21回。全部聴いてます。

今回のプログラムは以下です。

《第1部》

池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
J. S. バッハ/池辺晋一郎:幻想曲とフーガ ト短調 BWV542より「幻想曲」(映画『劔岳 点の記』)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64より第3楽章 ヴァイオリン:荒井里桜
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54より第1楽章 ピアノ:田部京子
ヴェルディ:『仮面舞踏会』より「永久に君を失えば」 テノール:城 宏憲
マルチェッロ:オーボエ協奏曲ニ短調より第2楽章、第3楽章 オーボエ:浅間信慶
L.モーツァルト:カッサシオン『おもちゃの交響曲』ト長調より第1楽章
マーラー:交響曲第4番より第4楽章 ソプラノ:中嶋彰子

《休憩》

《第2部》

イベール:フルート協奏曲より第3楽章 フルート:上野由恵
ヴィエルヌ:ウェストミンスターの鐘 オルガン:浅井美紀
プッチーニ:歌劇『トスカ』より「星は光りぬ」 テノール:城 宏憲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61より第3楽章 ヴァイオリン:徳永二男
【カウントダウン曲】チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64より第4楽章
バーンスタイン:ミュージカル『ウェスト・サイド・ストーリー』より「トゥナイト」 ソプラノ:中嶋彰子 テノール:城 宏憲
スッペ:喜歌劇『ボッカチオ』より「恋はやさし野辺の花よ」 ソプラノ:中嶋彰子
スッペ:喜歌劇『詩人と農夫』序曲
ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲

【出 演】

音楽監督:池辺晋一郎、飯森範親(Cond)、徳永二男(エグゼクティブ・ディレクター/Vn)、朝岡聡(MC)
横浜みなとみらいホール ジルヴェスターオーケストラ(コンサートマスター:会田莉凡、犬伏亜里、扇谷泰朋、神谷未穂、藤原浜雄)
ピアノ:田部京子
ヴァイオリン:荒井里桜
フルート:上野由恵
ソプラノ:中嶋彰子
テノール:城 宏憲
オーボエ:浅間信慶
オルガン:浅井美紀

今回のジルヴェスターコンサートは昨年同様、最前列の中央の席で聴きました。とってもよく響く最高の席でした。オーケストラが後方の席でどれほど響いていたかはよく分かりません。
ジルヴェスターコンサートはお祭りのようなガラコンサートですが、簡単に印象をまとめておきましょう。

まずはお祭りの雰囲気からは一人隔絶した感のある演奏を聴かせてくれた田部京子への賛称です。今年、彼女の演奏を聴くのは4回目。すべてのコンサートで素晴らしいシューマンを聴かせてくれましたが、今回も例外ではありませんでした。シューマンのピアノ協奏曲の第1楽章、冒頭はちょっと固い印象もありましたが、次第にピアノの鍵盤から詩情が漂ってきます。とりわけ、経過部でのクラリネットと絡む部分でのしみじみとしたロマンの香りに深い感動を覚えました。第1楽章だけの演奏ではありましたが、初めて聴く田部京子のシューマンのピアノ協奏曲は深い味わいに満ちていて、素晴らしい演奏でした。これが聴けただけでも今日のジルヴェスターコンサートに足を運んだ甲斐がありました。

さて、コンサートの冒頭に戻りましょう。
みなとみらいホール館長の池辺晋一郎によって、このジルヴェスターコンサートのために書かれたヨコハマ・ファンファーレで華やかに開幕。耳慣れしてきたこのファンファーレも耳に心地よく響きます。金管奏者たちの演奏も見事に響き渡りました。

続いて、同じく池辺晋一郎がオーケストラ曲に編曲したバッハのオルガン曲です。バッハの幻想曲らしく、豪快な響きですが、やはり、オーケストラの演奏は少々違和感があります。

次はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。若手のヴァイオリニストが元気よく弾くのを聴くのは気分がよいものです。これからの活躍を期待しましょう。
 予習 アンネ・ゾフィー・ムター、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル 1980年 セッション録音

次は前述の田部京子のシューマンのピアノ協奏曲。繰り返しますが、素晴らしい演奏でした。
 予習 マリア・ジョアン・ピリス、クラウディオ・アバド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 1997年9月、ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

次はテノールの城 宏憲によるヴェルディのアリア。誠実な歌唱に好感を持ちました。

次はマルチェッロのオーボエ協奏曲。小編成のオーケストラをバックに心地よいオーボエの響きが流れます。ロマンティックなバロックの精華です。
 予習 ハインツ・ホリガー、イ・ムジチ合奏団 1986年 セッション録音

次は『おもちゃの交響曲』。今日の独奏者たちがおもちゃの楽器を持って、楽しい演奏。一流の音楽家はおもちゃの楽器さえ自在に演奏します。

第1部の最後はマーラーの交響曲第4番。第4楽章のオーケストラ伴奏歌曲「天上の生活」です。ソプラノの中嶋彰子の独唱ですが、ちょっと彼女の声質とは合わない感じです。よい歌唱ではあったんですが・・・。

 予習 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団、エリーザベト・シュヴァルツコップ 1961年 セッション録音


ここで休憩です。

休憩が終わり、第2部がスタートします。
イベールのフルート協奏曲です。フルート独奏の上野由恵はこの超難曲を見事に弾きこなし、大変な好演でした。

 予習 エマニュエル・パユ、デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 2002年 セッション録音

次はヴィエルヌの「ウェストミンスターの鐘」。オルガン独奏です。ウェストミンスター寺院の時計台『ビッグ・ベン』の午後1時の時報の鐘の音がもとになった曲です。学校で始業のチャイムがこの「ウェストミンスターの鐘」をもとにしていたとは知りませんでした。

次はテノールの城 宏憲によるプッチーニの有名アリア。素晴らしい歌唱でした。

次はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲です。第3楽章が徳永二男のヴァイオリンで演奏されます。さすがにこの曲はちょっと演奏が難しかった印象です。
 予習 アンネ・ゾフィー・ムター、クルト・マズア指揮ニューヨーク・フィル 2002年5月 セッション録音

いよいよ、カウントダウン曲のチャイコフスキーの交響曲第5番の第4楽章です。今年もカウントダウンはきっちり見事に成功!! 最後のバンという響きとともにぴったり新年を迎えました。いやはや、飯森範親の指揮は見事の一語。こんなに失敗なしにカウントダウンできることは驚異的です。やんやの喝采とともにハッピー・ニュー・イヤー!
 予習 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル 1988年 ライブ録音

新年に聴く最初の音楽はバーンスタインのミュージカル『ウェスト・サイド・ストーリー』より「トゥナイト」です。熱いラブソングで気持ちが高揚しました。

次はスッペの喜歌劇『ボッカチオ』より「恋はやさし野辺の花よ」です。ソプラノの中嶋彰子の日本語歌詞での美しい歌唱にうっとりしました。ウィーンのフォルクスオーパーの専属歌手で活躍した実力を遺憾なく発揮してくれました。

最後はスッペの喜歌劇『詩人と農夫』序曲です。華やかな演奏で締めます。

最後のおまけは例年通り、ラデツキー行進曲を手拍子してコンサート完了。

今年も音楽で新年が始まりました。また、音楽聴きまくりの1年になりそうです。


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       田部京子,  

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートから帰ってきたところです。今年も年越しのコンサートは楽しみました。みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは今回で21回目。saraiと配偶者は全21回欠かさずに通い続けています。欠かさずに通っているのは稀有な存在かなとちょっと自慢です。でも、いくらこっちが頑張っても今年はみなとみらいホールが改修工事に入るので、ジルヴェスターコンサート自体が開催不可能になりそうです。今年末のジルヴェスターコンサートはミューザ川崎に乗り換えようかとも思っています。東響の演奏なので、演奏レベルは確実にアップしそうです。

ジルヴェスターコンサートの詳細は明日以降にアップします。ひとつだけは書いておきますが、今回は何と田部京子が参加し、シューマンのピアノ協奏曲を演奏してくれました。かぶりつきでその演奏を聴きましたが、右手の指からは魔法のように詩情にあふれるロマンが立ち上りました。彼女のシューベルトは最高ですが、シューマンも同様に田部京子ならではの味わいに満ちています。今年のシューベルトプラス・コンサートシリーズでは、いよいよ、待望のクラスレリアーナが聴けます。CDにも未録音なので、聴いたことがありません。きっと素晴らしい演奏になることを信じて疑いません。

さて、年が明けて、人気ブログランキングをチェックすると、今年は23位からのスタートです。昨年の目標は25位内キープでしたから、順調です。今後とも応援をよろしくお願いします。最終的に再び、10位以内を目指したいと思います。ぽちっとクリックを毎日よろしくお願いします。

旅ブログ記事は中断していたハンブルク散策を早々に開始します。ハンブルク市立美術館を出て、運河沿いの赤レンガ倉庫まで足を伸ばし、そこでお茶するところからの再開です。

では、今年も当ブログによろしくお付き合いくださいね。



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       田部京子,  

鍵盤からそこはかとなく漂う詩情 田部京子@浜離宮朝日ホール 2019.12.12

この田部京子のシューベルト・プラスなるコンサートシリーズも今回で第6回となり、既にシューベルトの遺作ソナタ3曲も弾き終わり、晩年の作品は今日のD.915のアレグレットとこれから最後に弾かれるであろうD.946の3つの即興曲(3つの小品)を残すのみ。シリーズのメインもシューベルトからシューマンにシフトして、今回の《子供の情景》、次回のクライスレリアーナ(遂に聴ける!)など、シューマンの名品がピログラムに並びます。加えて、今日は若き日のブラームスの大曲、ピアノ・ソナタ第3番まで登場し、ブラームスへのシフトも視野にはいってきました。ブラームスの晩年の名作、Op.116からOp.119も是非すべて弾いてもらいたいものです(4つの小品 Op.119は既に弾きましたから、残りは3つ)。

で、今日のコンサートですが、何とも夢のような時間がゆっくりと過ぎ、田部京子の素晴らしいピアノの響きによるポエムに心を奪われました。CDでは決して体験できない贅沢な時間です。今日の田部京子は最高の状態での演奏で、弾いたすべての曲がアンコール曲も含めて最上の出来でした。田部京子も人間ですから、正直、いつも最上の演奏を聴かせてくれるわけではありませんが、今日は彼女のベストの演奏を聴かせてくれました。どんな曲にも味わい深い詩情が漂ってきます。これが田部京子だけの美質なんです。

まずはシューベルトの晩年の名作、アレグレットです。シューベルトのしみじみとした思いが込められた演奏です。こういう作品には田部京子の詩情に満ちた演奏が不可欠です。こんな素晴らしい演奏が聴ける幸せ感でいっぱいになりました。まだ、彼女はこの曲を録音していませんが、これだけはCDで聴こうとは思いません。多分、我が生涯でこれだけの演奏を聴くのはこれが最後になるでしょうが、もうこれで十分です。

次はシューマンの《子供の情景》。彼女のCDと同様に少しスローなテンポの演奏ですが、最初の《見知らぬ国》の優しい温もりの演奏で心をつかまれ、第7曲のトロイメライで魅了され、第12曲の《子供は眠る》の美しい演奏で夢の国に誘われて、終曲の《詩人は語る》のかみしめるような演奏で感動の極に達します。終曲の魂の演奏は途中、止まりそうなパウゼが何度も入り、その儚げな美しさの極みに強い共感を覚えずにはいられませんでした。最後の1音が消えて、静寂に包まれるときの感動は言葉では表せません。最高のシューマンでした。

前半の最後はグリーグのペール・ギュント 第1組曲の4曲です。これは田部京子の持ち曲みたいなもので、ほかの人の演奏は聴いたことがありません。これは楽しく聴けました。ただ、このシリーズで聴くのはなんだか物足りないような気もします。グリーグであれば、「抒情小曲集」の何曲かのほうが聴き甲斐があるかな。まあ、見事な演奏ではありましたし、こういう曲ですら、詩情を感じさせるのは凄いです。


休憩後の後半は今日のメイン、ブラームスのピアノ・ソナタ第3番です。ピアノ・ソナタ第1番/第2番と同じ頃、すなわち、20歳頃のブラームスがデュッセルドルフのシューマン夫妻宅を訪れて、長期滞在した直後に作曲され、シューマンに講評を求めて譜面を送った最後の作品です。若さゆえの情熱とロマンに満ちた大作です。田部京子の演奏は恐ろしいほど凄いもので、saraiがそのすべてを受けとめられたとは言えません。saraiの許容力を超えたすさまじい演奏でした。長大な第1楽章で聴く力を使い果たした感もあります。力強いけれども、そのロマンに満ちあふれた音楽の素晴らしさと言ったら・・・ブラームスの本質を見事に表現し尽くしていました。でも、最高に素晴らしかったのは第2楽章のアンダンテです。これまた長大な楽章ですが、静謐でありながらも芯のある音楽が熱を込めて弾かれ、saraiはすっかり心を奪われます。そして、終盤の熱い魂の盛り上がり。何という素晴らしさでしょう。最後の回想するようなパッセージを息を呑んで聴き入りました。終楽章までレベルの高い演奏が続き、saraiはついていくのがやっとという感じです。最後の壮大な頂点を聴き終え、ただただ、圧倒されました。若き日のブラームスの素晴らしさを初めて実感できましたが、決して十分に聴きとれ切れなかった自分が情けない感じです。

アンコールはそうしたsaraiの思いを優しく慰撫してくれるようなブラームスの晩年の名作です。これは文句なしに夢のような演奏で、saraiも耳馴染んだ名曲の世界で感銘の極みでした。2曲目は田部京子のファンならば、定番ともいえるシューベルトのアヴェマリア。右手の美しいタッチに感銘を覚えました。


今日のプログラムは以下です。

  田部京子シューベルト・プラス 第6回

  ピアノ:田部京子
 
  シューベルト:アレグレット ハ短調 D.915
  シューマン:子供の情景 Op.15
  グリーグ:ペール・ギュント 第1組曲 Op.46

  《休憩》

  ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 へ短調 Op.5

  《アンコール》
   ブラームス:『ピアノのための6つの小品』Op.118から、第2曲 間奏曲 イ長調 アンダンテ・テネラメンテ
   シューベルト:「アヴェ・マリア」(編曲:田部京子、吉松隆)


最後に予習について、まとめておきます。

シューベルトのアレグレットを予習したCDは以下です。

 マリア・ジョアン・ピリス 1996年6月、7月 ミュンヘン&ハンブルク セッション録音

ピリスの最高のシューベルト演奏です。


シューマンの子供の情景を予習したCDは以下です。

 田部京子 1999年8月10-13日 群馬 笠懸野文化ホール セッション録音


グリーグのペール・ギュント 第1組曲を予習したCDは以下です。

 田部京子 2018年4月12-13日 埼玉・富士見市民文化会館キラリふじみ セッション録音


ブラームスのピアノ・ソナタ第3番を予習したCDは以下です。

 ジュリアス・カッチェン 1962年6月 ウエスト・ハムステッド セッション録音

カッチェンの不朽の名演奏のブラームス全集の中から聴きました。これほど完成度の高いブラームスはないでしょう。



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       田部京子,  

飛翔する詩情、シューマンの幻想曲 田部京子@浜離宮朝日ホール 2019.7.26

この田部京子のシューベルト・プラスというコンサートシリーズも今回で第5回となり、既にシューベルトの遺作ソナタ3曲も弾き終わり、田部京子の演奏もシューベルトからシューマンへシフトしている感があります。シューマンの謝肉祭は素晴らしい演奏でしたし、前回の交響的練習曲はもう一つの出来ではありましたが、遺作変奏曲は素晴らしく美しい演奏でした。そして、今日はいよいよ期待の幻想曲です。いつか、幻想曲とクライスレリアーナを聴きたいと念願していたら、早くも今日、幻想曲が聴けます。田部京子がCDもまだ出していない作品です。

うーん、田部京子のシューマン、最高! 第1楽章、第2楽章と素晴らしく輝きに満ちたロマンティックなシューマンの演奏が続きます。しかし、本当に素晴らしかったのは、第3楽章です。深い、深い詩情に満ちた、その演奏を聴いていると、心が自由になり、高く飛翔してしまいそうです。終盤はさらに精度も純度も高まって、シューマンの若き心の感動が伝わってきます。最高の幻想曲を聴きました。次回のシューベルト・プラスのコンサートでは、シューマンの《子供の情景》が聴けます。これは田部京子が既に録音していますね。既に録音したものでは、アラベスクとパピヨンが残っている筈ですが、是非、このシリーズで愛するクライスレリアーナも弾いてほしいものです。
ところで田部京子の幻想曲が最高と書きましたが、ザルツブルク音楽祭で聴いたアンドラーシュ・シフの幻想曲も素晴らしかったんです。シフの幻想曲の第3楽章では、《愛》を感じました。それぞれの個性です。

前半のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番《悲愴》はしっかりした演奏でしたが、田部京子だったら、もっと弾けるでしょうという感じ。saraiの集中力も欠けていましたけどね。シューベルトのピアノ・ソナタ第13番はさすがの演奏。田部京子のシューベルトは素晴らしいの一語。シューベルトの人懐こい優しさにあふれた演奏です。こういうシューベルトも好きです。シューベルトもこの何年か後には遺作ソナタの深い世界に入るということが信じられない感じではあります。

今日も田部京子は音楽の神に選ばれた天才ピアニストぶりを遺憾なく発揮し、シューベルトと同じ最高のレベルでシューマンを聴かせてくれました。日本には最高のシューマン弾きが二人もいて、日本人のsaraiは幸運を感じています。その二人とは、田部京子と伊藤恵です。これからも彼女たちのシューマンをたくさん聴かせてもらいましょう。


今日のプログラムは以下です。

  田部京子シューベルト・プラス 第5回

  ピアノ:田部京子
 
  べートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ長調 Op.13
  シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番イ長調 Op.120 D664

  《休憩》

  シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17

  《アンコール》
   グリーグ:抒情小曲集より、ノクターン Op.54-4
   シューマン:『子供の情景』Op.15より、第7曲『トロイメライ』


次回はシューベルトの晩年の傑作、アレグレットが登場します。聴き逃がせませんね。残す晩年の作品はいよいよ、3つの即興曲だけですね。シューマンの《子供の情景》も演奏されます。これも待ちに待ったものです。saraiが大好きな作品です。若きブラームスの書いたピアノ・ソナタ第3番は田部京子がまだ録音していない筈です。この熱くロマンティックな作品を田部京子がどう弾くのかも楽しみです。
   

最後に予習について、まとめておきます。

べートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番を予習したCDは以下です。

 エミール・ギレリス 1980年9月 ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

ギレリスのセッション録音のベートーヴェンはすべて、素晴らしい演奏です。この《悲愴》ソナタも同曲演奏の録音の中ではピカ一です。


シューベルトのピアノ・ソナタ第13番を予習したCDは以下です。

 田部京子 1999年3月30日~4月2日 豊田市コンサートホール

もう20年ほど前の録音ですが、今日の演奏と同様に郷愁に満ちた満足できる演奏です。


シューマンの幻想曲ハ長調を予習したCDは以下です。

 スヴャトスラフ・リヒテル 1980年 ブダペスト ライブ録音

音質は今一つですが、リヒテルらしくスケールの大きな演奏です。それにじっくりと落ち着いた演奏です。



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       田部京子,  

極上のシューマン 田部京子@杜のホールはしもと 2019.3.23

このリサイタルのチケット入手が遅くなってしまったため、2階席で聴く羽目になりました。それでも、田部京子のピアノは美しく響いてきました。でも、ちょっと迫力には欠けます。やはり、もっと前の方の席で聴きたかったところです。

演奏はすべての曲が素晴らしく、とても感銘を受けました。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」だけはもっとレベルの高い演奏を聴かせてもらいたかったです。よい演奏ではありましたが、もっと感動させてほしいんです。彼女の演奏には今や、高いハードルを設けて聴いています。

一番素晴らしかったのはやはり、最後に弾いたシューマン。昨年も極上の演奏を聴かせてくれた謝肉祭です。特に《キアリーヌ》以降の後半の曲の演奏には魅了され尽くしました。終曲の盛り上がり、迫力には感動です。昨年のように前方に席で聴けたら、さらに感動一入だったでしょう。本当にこれほどシューマンを弾ける人はほかには知りません。今年の7月にはシューマンの幻想曲を聴けるのが今から楽しみです。いつか、クライスレリアーナも聴かせてほしいです。

アンコールは2曲。どちらも既に過去のリサイタルのアンコール曲で聴かせてもらいました。とりわけ、グリーグの《君を愛す》は最高の演奏。たまたま、予習でぶち当てました。もしかしたら、グリーグのアンコール曲で弾くかなと思って、予習しておきました。

もっともっと感想を書きたいところですが、なんだか、とっても満足したので、それ以上のことを書く気になれません。そうそう、吉松隆のプレイアデス舞曲集では、最後に弾いた《真夜中のノエル》が超絶的に美しい演奏でした。

今日のプログラムは以下です。

  田部京子 ピアノ・リサイタル (シリーズ杜の響きvol.40)

  ピアノ:田部京子
 
  吉松隆:プレイアデス舞曲集より
       前奏曲の映像
       線形のロマンス
       鳥のいる間奏曲
       真夜中のノエル
  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」
  グリーグ:ペールギュント第1組曲 Op.46 (作曲家自身によるピアノ・ソロ編曲版)
       朝
       オーゼの死
       アニトラの踊り
       山の魔王の宮殿にて

  《休憩》

  メンデルスゾーン:無言歌集 より
       甘い思い出
       ベニスのゴンドラの歌 第2番
       春の歌
  シューマン:謝肉祭 Op.9

  《アンコール》

   シューマン:『子供の情景』Op.15より、第7曲『トロイメライ』
   グリーグ:君を愛すop.41-3 (オリジナルは歌曲Op.5-3)


最後に予習について、まとめておきます。

吉松隆のプレイアデス舞曲集を予習したCDは以下です。

 田部京子 1996年1月16~18日 秩父ミューズ・パーク セッション録音

もちろん、素晴らしい演奏です。響きもタッチも音楽性もこれ以上はありません。


ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」を予習したCDは以下です。

 イーヴ・ナット 1951年、パリ、サル・アディアール
 ソロモン 1951年6月22日
 エミール・ギレリス 1968年12月23日 モスクワ音楽院大ホール ライヴ録音
 エミール・ギレリス 1980年9月 ベルリン セッション録音
 クラウディオ・アラウ 1963年9月 アムステルダム、コンセルトヘボウ セッション録音
 クラウディオ・アラウ 1986年3月 スイス セッション録音
 マウリツィオ・ポリーニ 2003年6月 ミュンヘン、ヘルクレスザール セッション録音
 アンドラーシュ・シフ 2004年11月28日 チューリヒ、トーンハレ ライヴ録音

saraiの愛聴盤はヴィルヘルム・ケンプですが、これは今更、予習する必要がないくらい熟知した演奏です。子供の頃から聴き続けているので、この演奏が一番しっくりきます。今回はそれ以外の演奏を色々聴いてみました。まず、驚いたのは、エミール・ギレリス。これは間違えて、ライヴ録音を聴いてしまったからです。第1楽章から凄い迫力の演奏ですが、逆に言えば、前のめりの爆演。あの精度の高いギレリスとは思えません。決して悪くはありませんが、かと言って、彼の他のベートーヴェン演奏と比較するとちょっとね。それで改めて、全集盤(正確には5曲欠けています)を聴き直します。これは素晴らしい演奏です。聴き慣れたケンプ盤から乗り換えてもいいかなと思うほどの演奏です。次いで、大好きなアラウの新旧盤を聴いてみます。新盤(1986)はその響きの透明感に惹かれますが、やはり、明らかに技巧面での問題もあります。ちなみにsaraiはピアノが弾けませんが、この曲が技巧的に簡単だと言う人の意見には反対です。シンプルさゆえの難しさがあり、意外にきちんと弾きこなせるピアニストは多くないと思います。アラウは旧盤(1963)では完璧に演奏しています。アラウを聴くなら、この曲は旧盤かなと思います。さらに天才ポリーニの演奏を聴きますが、これはよくも悪くもなく、普通の演奏です。わざわざ聴くほどの演奏ではないということです。で、アンドラーシュ・シフですが、これは素晴らしい演奏です。ギレリスを凌ぐかもしれません。録音も良いので、総合力は1番ですね。調子に乗って、古い演奏も聴きます。イーヴ・ナットです。後期ソナタでは素晴らしい演奏でしたが、アパッショナータでは期待を裏切られました。で、この曲ですが、あり得ないぐらいの素晴らしい演奏です。モノラルではありますが、音質は上々。そして、演奏は古今東西、最高です。ソロモンはどうでしょう。これも素晴らしい演奏です。イーヴ・ナットにこそ及びませんが、ギレリス、アラウ、シフに並ぶ演奏です。と言うことで、やはり、イーヴ・ナットで全ソナタを聴き通さないといけませんね。


グリーグのペールギュント第1組曲を予習したCDは以下です。

 田部京子 2018年4月12-13日 埼玉・富士見市民文化会館キラリふじみ セッション録音

これはとても美しい演奏です。聴き惚れてしまい、ついでにソルヴェイグの歌、君を愛す まで聴いてしまいました。素晴らしいグリーグです。


メンデルスゾーンの無言歌集を予習したCDは以下です。

 田部京子 1993年4月13~15日 スイス、ラ・ショー・ド・フォン、ムジカ・テアトル セッション録音

田部京子のCDデビューの年に録音された演奏です。しかし、素晴らしい演奏です。でも、今ならもっと違った演奏になるでしょう。2009年に一部の曲は再録音したようですが、それは聴いていません。無言歌集をまとめて再録音してほしいですね。


シューマンの謝肉祭を予習したCDは以下です。

 田部京子 2007年12月5日 浜離宮朝日ホール ライヴ録音

これはパーフェクトに最高の演奏です。この曲のCDではベストだと思います。昨年、彼女のリサイタルでその演奏に接して、そのあまりの素晴らしさに感動して、このCDをゲットしました。そして、それは大正解でした。



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sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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お役に立てて、なによりです。我が家では今でもメインのCDプレーヤーとして活躍しています。ただ、最近はCDはいったんリッピングしてHDDに格納し、USBオーディオでオーディ

01/18 15:18 sarai

父からアンプとセットで譲り受けたもののトレイが動かず困っていましたが、
ブログを見て自分で購入・修理することができました。
利益目的でもなくまた素人でも分かる記事

01/18 13:50 hisa

のりしんさん

saraiです。コメントお寄せいただき、ありがとうございました。
同じ追っかけ仲間、今後ともよろしくお願いいたします。
彼女の声は素晴らしいですね。

12/01 12:07 sarai

私も中村さんの追っかけやっております。昨日の演奏も圧倒的でしたね。中村さんの歌を聴いていると、なぜか涙腺が緩んで来ます。

12/01 09:39 のりしん

Steppkeさん

saraiです。ティーレマン信奉者にとって、《あまり好きでない》=《嫌い》に思えてしまうのです。まあ、夜道でうんぬんはいかにティーレマン信奉者でもやりま

11/15 10:39 sarai

sarai さん。
そんな..Thielemann が「嫌い」などと、夜道で後ろから刺されるようなことは言わないで下さい。
別に「嫌い」ということはないですよ。
今年は既に4回も聴

11/15 09:39 Steppke

Steppkeさん

saraiです。最前列で聴いたので、ほとんど弦セクションの音が響きました。それが狙いなので、満足しました。本文にも書きましたが、ウィーン・フィルのブルッ

11/14 13:15 sarai
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