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田部京子のベートーヴェンは熱いパトスの奔流@すみだトリフォニーホール 2020.7.17

コンサートがなかなか聴けない日々が続きますが、その中で、田部京子のベートーヴェンを聴く機会があるのは僥倖としか言えません。先月は東響とのコンビでのベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番でしたが、今日は新日フィルとのベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。いずれも彼女のCDも出ていない作品で絶対に聴き逃がせません。今回は昨日になって、ぎりぎりのタイミングで追加チケットが売り出されて、慌ててゲット。実際に会場に行ってみると、かなり空席が目立ちます。もちろん、席は前後左右は空けた配置ですが、その配置でもかなりの空席。何故に追加チケットの販売がぎりぎりになったのか、謎です。それにしてもこれでは、コンサートはかなりの赤字でしょう。某大物政治家の3密の3000人規模のパーティーが許されるのなら、整然と行われるオーケストラコンサートが定員半分以下の1000人に制限する理由は判然としません。政治資金が必要な以上にオーケストラの維持費用は死活問題です。制限するのなら、オーケストラへの資金援助は必須でしょう。せっかく日本のオーケストラが欧米のオーケストラの水準まで向上したのに、この音楽文化が後退することになるのは国としての損失です。そういうことを思わせるような素晴らしいオーケストラの演奏でした。頑張れ!新日フィル。

さて、本題に戻りましょう。前半は田部京子が独奏ピアノを弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。実はこの曲、最近のsaraiのお気に入りの作品の一つです。昨年のアンドラーシュ・シフの演奏は最高でした。
今日の演奏ですが、まず、長いオーケストラの主題提示部が続きますが、オーケストラのピュアーで美しい響きに魅了されます。ほとんど、この新日フィルは聴いていませんし、指揮者の太田弦は多分、初聴きですが、彼らの演奏の見事さに聴き惚れます。そして、田部京子のピアノが満を持して入ってきます。中盤まではエンジンがかからずに彼女のいつもの切れがありません。高域の響きも少し繊細さを欠きます。何せマスク着用での演奏なので、集中力のある演奏が困難なのかしら。しかし、第1楽章の後半あたりから、だんだん、全開モード。集中力のある演奏で切れも響きもよくなります。とりわけ、カデンツァでは、華麗なピアニズム・・・使い古された表現ですが、熱いパトスがほとばしる素晴らしい演奏にぐっと惹き付けられます。第2楽章は何というか、気高い精神の音楽表現でベートーヴェンの本質を突いた最高の音楽が展開されます。ベートーヴェンが作り上げた高邁で深い精神世界を田部京子の詩情あふれるピアノが歌い上げて、太田弦指揮の新日フィルが美しい響きでしっかりと支えます。人間でありながら、神の領域に上り詰めたベートーヴェンの音楽の素晴らしさを現代の日本の音楽家たちが忠実に再現していきます。何か不思議な感覚です。ウィーンの自然の中を散策しながら深い思索にふけるベートーヴェンの姿が現出したような思いに駆られます。音楽は人間が作り上げた最高の文化であることを実感しつつ、また、こうして、生の音楽が聴けることに感謝しながら、演奏家たちと思いを一つにして、最高の音楽を味わいます。第3楽章は音楽の祝祭であり、突進する勢いで終始、奏でられます。高揚する気持ちでフィナーレを迎えます。素晴らしい演奏でした。ただ、田部京子はまだまだ余力を残した演奏。これ以上の演奏ができるだろうと思います。いつか、最高の演奏を聴かせてもらいましょう。もしかしたら、明日のコンサートではもっと弾けるかもしれません。残念ながら、明日は東響のコンサートがあるので、今日と同じ内容のこのコンサートが聴けず、残念です。

後半はシューベルトの交響曲第8番 「グレイト」。第1楽章冒頭のホルンで、テンポがかなり早いので、ちょっと違和感を覚えます。もう少し、ゆったりと重厚なテンポでないとしっくりきません。しかし、これが若き指揮者の太田弦の表現のようです。saraiは今まで、この曲はシューベルトの遺作で最後の交響曲という意識で聴いてきました。ですから、それらしい音楽を期待してしまいます。まあ、考えてみれば、シューベルト自身、この曲が最後の交響曲という意識はなかったでしょう。そうだとすれば、この曲は本来はシューベルトの中期を飾る交響曲で、シューベルトの本当の音楽的熟成はこの後に作曲されるだろう、4曲ほどの交響曲の先にあったはずでしょう。今日の若い指揮者はそのあたりを考えて、ベートーヴェンであれば、第3番《英雄》あたりの位置づけで、このシューベルトの交響曲を演奏しているのではないかと思いながら、saraiもそういう意識を持って、演奏に聴き入ります。うんうん、少し違和感はあるものの若きシューベルトの意欲に燃えた作品として、なかなか素晴らしい演奏ではあります。それに新日フィルのオーケストラの澄み切った響きも素晴らしいです。第1楽章のテンポに慣れたせいか、第2楽章、第3楽章はこれまで聴いてきた演奏とさほど差異は感じられません。ただ、清新な演奏ではあります。そして、第4楽章の晴れやかな音楽は若きシューベルトがこれから、新しい音楽を切り開いていく気概に満ちた宣言のようにも感じられます。その伸びやかな高揚感にあふれた音楽にsaraiも同調して、気分が高揚します。これがシューベルトの中期の音楽だとすれば、シューベルトの音楽的才能はモーツァルトやベートーヴェンを超えるかもしれないと驚愕します。あの遺作の3曲のピアノ・ソナタも中期の作品(ベートーヴェンで言えば、アパッショナータやワルトシュタイン)とすれば、後期のピアノ・ソナタはどんな高みに上り詰めたんでしょうか。太田弦が提示した音楽はある意味、衝撃的でした。もっとも、音楽表現自体はよく練れた穏当なものではありました。これからはシューベルトの晩年の作品の聴き方が変わるかもしれません。やはり、生で聴く音楽は色々と感じるところがあります。早く、音楽が普通に聴ける状況になることを切に願います。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:太田弦
  ピアノ:田部京子
  管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:崔文洙

  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op. 15

   《休憩》

  シューベルト:交響曲第8番 ハ長調 D944 「グレイト」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 内田光子、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル 2010年2月4日 ベルリン、フィルハーモニール ライヴ録音
 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団 1979年、TV放送のために催された特別公開演奏会でのライヴ録音
 
何といっても、ジュリーニの指揮での分厚い響きの素晴らしさとミケランジェリの切れ味鋭いピアノの演奏は最高の音楽を聴かせてくれます。ミケランジェリの録音の中でも最高の1枚です。一方、ラトルはモダンな表現でこの曲の別の一面を聴かせてくれ、内田光子のピアノも素晴らしいタッチの響きを聴かせてくれ、ミケランジェリ盤に肉薄します。


2曲目のシューベルトの交響曲第8番 「グレイト」は以下のCDを聴きました。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年、セッション録音
 
ゆったりしたテンポのスケール感のある演奏ですが、それでいて活き活きとした見事な演奏です。これはセルの最後の録音のうちの一つ。ハイレゾでの音質も素晴らしいです。



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       田部京子,  

東響の川崎定期も再開! 田部京子の圧巻のピアノ@ミューザ川崎シンフォニーホール 2020.6.28

一昨日は実に3か月ぶりにコンサートでしたが、聴き逃がせない迫真のコンサートでした。今日は場所をサントリーホールからミューザ川崎シンフォニーホールに変えて、まったく同じコンサートを聴きます。田部京子と東響のコンビで聴けるコンサートがコロナのお陰で実現したんですから、絶対に聴き逃がせません。何度でも聴きたいコンサートです。

今日はいずれの曲もサントリーホールでの演奏を上回る精度と熱気です。

最初はベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲。東響の弦楽アンサンブルは見事に輝きを取り戻りました。冒頭の和音から素晴らしいアンサンブルの響きです。そして、主部に入ってからの細かい動きになると、さらに弦楽アンサンブルが高い精度の音楽を展開します。完璧とも思える演奏でした。指揮の飯守泰次郎の音楽作りも文句なしです。

次はベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番。田部京子は今日も好調。さらに繊細さを極めたピアノです。第1楽章はディテールをよい感覚で磨き上げていきます。ほっそりした白い指が鍵盤を動き回る様に見とれてしまいます。東響の弦楽アンサンブルとの心地よい響きに魅了されます。長大な楽章ですが、田部京子のピアノの響き、律動的な進行に心がとろけそうです。カデンツァでの名技は素晴らしく華麗で、これぞ、ピアノ協奏曲の極みです。第2楽章はピアノのソロで心の独白が語られます。ベートーヴェンの内なる魂の声を田部京子が代演しているかのごとくです。孤高の精神が深い思索にふけっています。やがて、オーケストラの演奏が加わり、その思索はウィーンの美しい自然の中を散策しながらのものであることを悟ります。自然を感じながら、沈潜した思いは次第に解き放たれていきます。自然と自己が一体化して、心が高揚していきます。オーケストラに自然を奏でさせ、独奏ピアノで己の心の奥底を語っていくという卓抜なベートーヴェンの音楽に心を打たれます。田部京子のピアノの表現力と東響の美しいアンサンブルでこそ、このベートーヴェンの音楽の本質が描き尽くされます。素晴らしくて、深い表現の音楽に共感するだけです。初めて、この協奏曲の本質の一端に触れることができました。第3楽章は一転して、きびきびした音楽が展開されます。今日も東響の女性陣の木管アンサンブルが見事な演奏を聴かせてくれます。とりわけ、クラリネットとファゴットの深い響きに感銘を覚えます。やがて、短いカデンツァを経て、田部京子のピアノが主導して急速なテンポアップ。圧巻のコーダに心が浮き立ちます。素晴らしい演奏でした。一昨日に続いての演奏ですが、何度も聴きたいと念じてしまうような最高の演奏でした。

休憩後、メンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」。東響の弦楽器アンサンブルが最高に近い出来でその響きの美しさに聴き惚れます。木管の4人の女性奏者の見事な演奏も華を添えます。すべての楽章が素晴らしい演奏で、メンデルスゾーンの音楽の美しさや郷愁に満ちた響きを堪能しました。こういう音楽は細かい感想は不要に思えます。ただただ、音楽の素晴らしさに興じるのみです。指揮者の飯守泰次郎の音楽作りが成功したのでしょう。生涯で聴いた最高の「スコットランド」でした。今日も指揮者コールになりましたが、それも当然でしょう。

こういう素晴らしい音楽を聴かせてくれた東響、そして、田部京子に感謝するのみです。音楽なしの人生はあり得ません。


今日のプログラムは以下です。サントリーホール定期演奏会と同じです。

  指揮:飯守泰次郎
  ピアノ:田部京子
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:水谷晃

  ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37

《アンコール》 メンデルスゾーン:無言歌集 第2集から「ベネツィアの小舟 第2」嬰ヘ短調 Op.30-6

   《休憩》

  メンデルスゾーン:交響曲 第3番 イ短調 op.56「スコットランド」


最後に予習について、まとめておきます(前回と同じです)。

1曲目のベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 1968年11月 ウィーン、ムジークフェライン大ホール ライヴ録音


2曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番は以下のCDを聴きました。

 内田光子、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル 2010年2月10日 ベルリン、フィルハーモニール ライヴ録音
 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団 1979年、TV放送のために催された特別公開演奏会でのライヴ録音
 
内田光子はクルト・ザンデルリンクとの力演も記憶に残りますが、このCDもその強靭でかつ繊細なスタイルの演奏で見事な演奏です。ミケランジェリとジュリーニはもう何も言うことのない歴史に残る名演です。


3曲目のメンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」は以下のCDを聴きました。

 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 1960年1月22,25,27,28日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ セッション録音
 
クレンペラーということで荘重な演奏を予想していたら、なんとなんと瑞々しくて軽やかな演奏。メンデルスゾーンの本質を突く素晴らしい演奏です。巨匠の凄さを再認識しました。決定盤のひとつでしょう。



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       田部京子,  

東響のサントリー定期、再開! コンサートのない日常は非日常だったことを痛感! 愛する東響よ、頑張れ!@サントリーホール 2020.6.26

実に3か月ぶりにコンサート。もはや、コンサートのない日常に慣れつつありました。でもそれは本当は非日常だったんです。マスクをかけたコンマスの水谷晃が現れて、大きな拍手が起きると、saraiの胸がジーンとなりました。ああ、この場所、サントリーホールこそ、saraiがいるべき場所でした。ここで音楽を聴いていないsaraiは人生を生きていない抜け殻のような存在です。それに東響が自分にとって、実にかけがいのない存在であることを実感しました。既に多額の寄付をしましたが、さらに追加の寄付をして、応援をしないといけないと自覚しました。

久しぶりに再開したサントリーホールに行くと、エントランスはスタッフの方が大勢いて、ものものしい感じ。まずは手のアルコール消毒を促されます。次いで、平積みになっているプログラムを自分自身で手に取ります。チケットは半券を自分で切って、箱に投入。これでやっとホールに入場します。
自分の席にいくと、左右の隣席と前後の席は空席。ホール全体がこの状況。要するに定員の半数の席になっているということです。開演になるころにはその状態でほぼ全体が埋まっていて、それほど、空席が目立つ感じではありません。いつもよりゆったりという感じで、これならいつもこれでいいかなって思います。オーケストラの経営がこれでは立ち行かないことはもちろんですけどね。

オーケストラは管楽器奏者以外はみんなマスク着用。指揮者もそしてピアノの田部京子もマスク着用。聴いているこちらもマスク着用していると息苦しくなりますが、実際に演奏するかたは酸欠状態にならないのか、心配ですが、やはり、そこはプロ。何事もなかったように音楽を奏でていきます。

最初はベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲。東響はブランクを感じさせない素晴らしいアンサンブル。弦楽器パートはさすがにいつもの最高のレベルではありませんでしたが、十分、満足しました。女性奏者が中心の木管パートが今日の白眉でした。主部のリズミカルな部分の演奏が見事でした。

次はベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番。田部京子のベートーヴェンは古典主義の様式感にのっとりつつも、美音と切れの良いタッチ、それにいつもの詩情にあふれた素晴らしい演奏でした。第1楽章はスケール感よりも繊細で粒立ちのよいタッチが印象的な演奏です。東響のアンサンブルともバランスよく、まろやかな響きで、古典主義の王道をいくような音楽です。第2楽章のピアノのソロが始まると、その美しい響きに聴き惚れるのみです。まさに田部京子の独壇場。抒情に満ちた音楽は天国的です。第3楽章はロンドの軽やかな音楽が続きますが、終盤に至り、高潮していきます。圧倒的なコーダで音楽を閉じます。
3か月振りのコンサートがこの田部京子と東響という最高のコンビで聴けたことにただただ感謝したくなるような素晴らしい演奏でした。完全に満足しました。これ以上の音楽は聴けません。来月に聴く筈だった田部京子のリサイタルは残念ながら、中止になりましたが、代わりにこんなものが聴けるとはね。

休憩後、メンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」。東響の弦楽器パートもだんだん、本領を発揮して、響きが研ぎ澄まされていきます。哀愁に満ちた旋律美の底にメンデルスゾーンの古典回帰とも思える端正な音楽が潜んでいることを明確に表現するような演奏です。つまり、表面的な美しさは表出していますが、メンデルスゾーンの音楽はそれだけではなく、どこか、古典的な哀しみにあふれていることもあわせて表現するような深い演奏です。ここでも木管パートの素晴らしさが際立ちます。とりわけ、クラリネットは最高! この曲を聴き終えて、saraiはメンデルスゾーンの最高傑作であると断じたい気持ちになりました。メンデルスゾーンの再評価が進む中、素晴らしい演奏に出会えました。

やはり、実演に優る音楽はありませんね。音楽の世界も我々の下に戻ってくれつつあることを喜びたい気持ちでいっぱいです。
もちろん、2日後の川崎定期にも駆けつけますよ。同じプログラムですが、それがいいんです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:飯守泰次郎
  ピアノ:田部京子
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:水谷晃

  ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37

《アンコール》 メンデルスゾーン:無言歌集 第2集から「ベネツィアの小舟」

   《休憩》

  メンデルスゾーン:交響曲 第3番 イ短調 op.56「スコットランド」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 1968年11月 ウィーン、ムジークフェライン大ホール ライヴ録音


2曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番は以下のCDを聴きました。

 内田光子、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル 2010年2月10日 ベルリン、フィルハーモニール ライヴ録音
 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団 1979年、TV放送のために催された特別公開演奏会でのライヴ録音
 
内田光子はクルト・ザンデルリンクとの力演も記憶に残りますが、このCDもその強靭でかつ繊細なスタイルの演奏で見事な演奏です。ミケランジェリとジュリーニはもう何も言うことのない歴史に残る名演です。


3曲目のメンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」は以下のCDを聴きました。

 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 1960年1月22,25,27,28日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ セッション録音
 
クレンペラーということで荘重な演奏を予想していたら、なんとなんと瑞々しくて軽やかな演奏。メンデルスゾーンの本質を突く素晴らしい演奏です。巨匠の凄さを再認識しました。決定盤のひとつでしょう。



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       田部京子,  

田部京子の心に沁みるシューマン!!ジルヴェスターコンサート@横浜みなとみらいホール 2019.12.31

大晦日は恒例のジルヴェスターコンサート@みなとみらいホールで年越しです。saraiと配偶者、娘夫婦の4人です。
イタリアン・レストランでグルメなディナーをいただいた後、みなとみらいホールに移動。
みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは今年で第21回目。そして、saraiがジルヴェスターコンサートに通うのもこれで21回。全部聴いてます。

今回のプログラムは以下です。

《第1部》

池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
J. S. バッハ/池辺晋一郎:幻想曲とフーガ ト短調 BWV542より「幻想曲」(映画『劔岳 点の記』)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64より第3楽章 ヴァイオリン:荒井里桜
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54より第1楽章 ピアノ:田部京子
ヴェルディ:『仮面舞踏会』より「永久に君を失えば」 テノール:城 宏憲
マルチェッロ:オーボエ協奏曲ニ短調より第2楽章、第3楽章 オーボエ:浅間信慶
L.モーツァルト:カッサシオン『おもちゃの交響曲』ト長調より第1楽章
マーラー:交響曲第4番より第4楽章 ソプラノ:中嶋彰子

《休憩》

《第2部》

イベール:フルート協奏曲より第3楽章 フルート:上野由恵
ヴィエルヌ:ウェストミンスターの鐘 オルガン:浅井美紀
プッチーニ:歌劇『トスカ』より「星は光りぬ」 テノール:城 宏憲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61より第3楽章 ヴァイオリン:徳永二男
【カウントダウン曲】チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64より第4楽章
バーンスタイン:ミュージカル『ウェスト・サイド・ストーリー』より「トゥナイト」 ソプラノ:中嶋彰子 テノール:城 宏憲
スッペ:喜歌劇『ボッカチオ』より「恋はやさし野辺の花よ」 ソプラノ:中嶋彰子
スッペ:喜歌劇『詩人と農夫』序曲
ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲

【出 演】

音楽監督:池辺晋一郎、飯森範親(Cond)、徳永二男(エグゼクティブ・ディレクター/Vn)、朝岡聡(MC)
横浜みなとみらいホール ジルヴェスターオーケストラ(コンサートマスター:会田莉凡、犬伏亜里、扇谷泰朋、神谷未穂、藤原浜雄)
ピアノ:田部京子
ヴァイオリン:荒井里桜
フルート:上野由恵
ソプラノ:中嶋彰子
テノール:城 宏憲
オーボエ:浅間信慶
オルガン:浅井美紀

今回のジルヴェスターコンサートは昨年同様、最前列の中央の席で聴きました。とってもよく響く最高の席でした。オーケストラが後方の席でどれほど響いていたかはよく分かりません。
ジルヴェスターコンサートはお祭りのようなガラコンサートですが、簡単に印象をまとめておきましょう。

まずはお祭りの雰囲気からは一人隔絶した感のある演奏を聴かせてくれた田部京子への賛称です。今年、彼女の演奏を聴くのは4回目。すべてのコンサートで素晴らしいシューマンを聴かせてくれましたが、今回も例外ではありませんでした。シューマンのピアノ協奏曲の第1楽章、冒頭はちょっと固い印象もありましたが、次第にピアノの鍵盤から詩情が漂ってきます。とりわけ、経過部でのクラリネットと絡む部分でのしみじみとしたロマンの香りに深い感動を覚えました。第1楽章だけの演奏ではありましたが、初めて聴く田部京子のシューマンのピアノ協奏曲は深い味わいに満ちていて、素晴らしい演奏でした。これが聴けただけでも今日のジルヴェスターコンサートに足を運んだ甲斐がありました。

さて、コンサートの冒頭に戻りましょう。
みなとみらいホール館長の池辺晋一郎によって、このジルヴェスターコンサートのために書かれたヨコハマ・ファンファーレで華やかに開幕。耳慣れしてきたこのファンファーレも耳に心地よく響きます。金管奏者たちの演奏も見事に響き渡りました。

続いて、同じく池辺晋一郎がオーケストラ曲に編曲したバッハのオルガン曲です。バッハの幻想曲らしく、豪快な響きですが、やはり、オーケストラの演奏は少々違和感があります。

次はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。若手のヴァイオリニストが元気よく弾くのを聴くのは気分がよいものです。これからの活躍を期待しましょう。
 予習 アンネ・ゾフィー・ムター、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル 1980年 セッション録音

次は前述の田部京子のシューマンのピアノ協奏曲。繰り返しますが、素晴らしい演奏でした。
 予習 マリア・ジョアン・ピリス、クラウディオ・アバド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 1997年9月、ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

次はテノールの城 宏憲によるヴェルディのアリア。誠実な歌唱に好感を持ちました。

次はマルチェッロのオーボエ協奏曲。小編成のオーケストラをバックに心地よいオーボエの響きが流れます。ロマンティックなバロックの精華です。
 予習 ハインツ・ホリガー、イ・ムジチ合奏団 1986年 セッション録音

次は『おもちゃの交響曲』。今日の独奏者たちがおもちゃの楽器を持って、楽しい演奏。一流の音楽家はおもちゃの楽器さえ自在に演奏します。

第1部の最後はマーラーの交響曲第4番。第4楽章のオーケストラ伴奏歌曲「天上の生活」です。ソプラノの中嶋彰子の独唱ですが、ちょっと彼女の声質とは合わない感じです。よい歌唱ではあったんですが・・・。

 予習 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団、エリーザベト・シュヴァルツコップ 1961年 セッション録音


ここで休憩です。

休憩が終わり、第2部がスタートします。
イベールのフルート協奏曲です。フルート独奏の上野由恵はこの超難曲を見事に弾きこなし、大変な好演でした。

 予習 エマニュエル・パユ、デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 2002年 セッション録音

次はヴィエルヌの「ウェストミンスターの鐘」。オルガン独奏です。ウェストミンスター寺院の時計台『ビッグ・ベン』の午後1時の時報の鐘の音がもとになった曲です。学校で始業のチャイムがこの「ウェストミンスターの鐘」をもとにしていたとは知りませんでした。

次はテノールの城 宏憲によるプッチーニの有名アリア。素晴らしい歌唱でした。

次はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲です。第3楽章が徳永二男のヴァイオリンで演奏されます。さすがにこの曲はちょっと演奏が難しかった印象です。
 予習 アンネ・ゾフィー・ムター、クルト・マズア指揮ニューヨーク・フィル 2002年5月 セッション録音

いよいよ、カウントダウン曲のチャイコフスキーの交響曲第5番の第4楽章です。今年もカウントダウンはきっちり見事に成功!! 最後のバンという響きとともにぴったり新年を迎えました。いやはや、飯森範親の指揮は見事の一語。こんなに失敗なしにカウントダウンできることは驚異的です。やんやの喝采とともにハッピー・ニュー・イヤー!
 予習 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル 1988年 ライブ録音

新年に聴く最初の音楽はバーンスタインのミュージカル『ウェスト・サイド・ストーリー』より「トゥナイト」です。熱いラブソングで気持ちが高揚しました。

次はスッペの喜歌劇『ボッカチオ』より「恋はやさし野辺の花よ」です。ソプラノの中嶋彰子の日本語歌詞での美しい歌唱にうっとりしました。ウィーンのフォルクスオーパーの専属歌手で活躍した実力を遺憾なく発揮してくれました。

最後はスッペの喜歌劇『詩人と農夫』序曲です。華やかな演奏で締めます。

最後のおまけは例年通り、ラデツキー行進曲を手拍子してコンサート完了。

今年も音楽で新年が始まりました。また、音楽聴きまくりの1年になりそうです。


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       田部京子,  

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートから帰ってきたところです。今年も年越しのコンサートは楽しみました。みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは今回で21回目。saraiと配偶者は全21回欠かさずに通い続けています。欠かさずに通っているのは稀有な存在かなとちょっと自慢です。でも、いくらこっちが頑張っても今年はみなとみらいホールが改修工事に入るので、ジルヴェスターコンサート自体が開催不可能になりそうです。今年末のジルヴェスターコンサートはミューザ川崎に乗り換えようかとも思っています。東響の演奏なので、演奏レベルは確実にアップしそうです。

ジルヴェスターコンサートの詳細は明日以降にアップします。ひとつだけは書いておきますが、今回は何と田部京子が参加し、シューマンのピアノ協奏曲を演奏してくれました。かぶりつきでその演奏を聴きましたが、右手の指からは魔法のように詩情にあふれるロマンが立ち上りました。彼女のシューベルトは最高ですが、シューマンも同様に田部京子ならではの味わいに満ちています。今年のシューベルトプラス・コンサートシリーズでは、いよいよ、待望のクラスレリアーナが聴けます。CDにも未録音なので、聴いたことがありません。きっと素晴らしい演奏になることを信じて疑いません。

さて、年が明けて、人気ブログランキングをチェックすると、今年は23位からのスタートです。昨年の目標は25位内キープでしたから、順調です。今後とも応援をよろしくお願いします。最終的に再び、10位以内を目指したいと思います。ぽちっとクリックを毎日よろしくお願いします。

旅ブログ記事は中断していたハンブルク散策を早々に開始します。ハンブルク市立美術館を出て、運河沿いの赤レンガ倉庫まで足を伸ばし、そこでお茶するところからの再開です。

では、今年も当ブログによろしくお付き合いくださいね。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai
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