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空前絶後の辻彩奈のシベリウスに衝撃!@サントリーホール 2021.5.28

どう言えばよいか、本当に分かりません。ただ、今日の辻彩奈のヴァイオリンはsaraiの心に響いたんです。よい演奏とか、テクニックが凄いとか、そういうことではなくて、本当に心がその音楽に同調したとしか言えません。今日の辻彩奈は最高に素晴らしかった・・・saraiが期待していた音楽のレベルに達したと思います。これまで、才能はあるとは思っていましたが、気魄がもうひとつ足りませんでしたが、今日の辻彩奈の音楽にかける気魄は凄かったと思います。今日の辻彩奈の演奏が凄かったので、saraiはちょっと混乱しています。
第1楽章の途中から、辻彩奈のヴァイオリンが燃え上がり、saraiの心も高潮していきます。それ以降はすっかり音楽の中に浸り込みます。長大な第1楽章の何と甘美なことか・・・まるで夢の中にいるようです。とともに辻彩奈のヴァイオリンを聴きながら、こちらもぐっと力が入ります。こういう経験は稀なことです。辻彩奈とともに一緒に音楽を作り上げてる気持ちでのめり込みます。第2楽章にはいって、さらに辻彩奈の気魄は高まっていき、saraiの気持ちもさらに前のめりになります。音楽は他人事のように醒めた気持ちで聴くものではなく、主観的に体験するものだということを実感します。したがって、評論家的にその音楽を言葉で表すことが困難になります。ただただ、音楽とともにある自分を実感するだけです。第3楽章にはいると、実に爽快な音楽を辻彩奈は奏で上げます。ここで、ようやく、少し、音楽を前のめりででゃなくて、楽しめるようになります。心が舞い上がるような飛翔感を味わいながら、次第に感動に至ります。圧倒的な高揚感で全曲を聴き終わります。現在、こんなにsaraiをインスパイアしてくれるヴァイオリニストはそうはいません。思いつくのは庄司紗矢香だけです。今日の辻彩奈の演奏も決して傷がないわけではありませんでしたが、確実に高いレベルに達しつつあることを思わせてくれるものでした。

後半のシベリウスの交響曲第6番は鈴木優人の鮮やかな手腕が印象的でした。バロックだけでなく、近代音楽までも視野に入れられる大器になりつつありますね。鈴木優人がコントロールした日フィルも比類のないアンサンブルを聴かせてくれました。とりわけ、弦楽セクションの美しい響きに驚きました。いやはや、在京オーケストラの実力は凄いものです。ベルグルンドが振ったシベリウスは聴き逃がしましたが、さぞや素晴らしかったのでしょうね。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:鈴木優人
  ヴァイオリン:辻 彩奈
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:木部雅之

  ステンハンマル:序曲《エクセルシオール!》
  シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
   《アンコール》シベリウス:水滴 Vnソロ辻 彩奈 & Vcソロ菊地 知也

   《休憩》

  シベリウス:交響曲第6番 ニ短調 Op.104


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のステンハンマルの序曲《エクセルシオール!》は以下のCDを聴きました。

 ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団 1992年12月 セッション録音

お国ものの演奏ですね。素晴らしい演奏です。


2曲目のシベリウスのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 庄司紗矢香、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団 2017年10月 サンクト・ペテルブルク ライヴ録音
 
庄司紗矢香の熱い演奏です。聴き応え十分!


3曲目のシベリウスの交響曲第6番は以下のCDを聴きました。

 パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 1995年9月 コロシアム、ワトフォード、ロンドン セッション録音
 
saraiが最も愛好するシベリウスの全集盤の1枚です。その美しさは最高です。



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       辻彩奈,  

コロナ禍を吹っ飛ばすような辻彩奈の美麗なサン・サーンス、都響の豊麗な《オルガン付》@東京芸術劇場コンサートホール 2021.5.18

冒頭の面白過ぎるサティのバレエ音楽《パラード》は指揮者の井上道義の怪人ぶりが遺憾なく発揮されました。特にフラックソノール(水をはじく音)でびしょ濡れになった打楽器奏者に拍手。ブテイヨフォンというワインボトルをぶらさげて、並べた珍しい楽器にも驚きました。

次は期待のサン・サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番、辻彩奈は冒頭から素晴らしいヴァイオリンの響きを聴かせてくれます。都響のサポートも見事です。素晴らしいアンサンブルがピタっと決まります。その都響の美しい響きに乗って、辻彩奈のヴァイオリンが冴え渡ります。うーん、素晴らし過ぎる! 第2楽章は有名な美しいメロディーが繰り返し弾かれて、うっとり。しかし、本当に凄かったのは第3楽章。辻彩奈は抒情的な演奏からダイナミックな演奏まで、すべてを完璧に余裕で弾きこなしていきます。彼女は突如、音楽界に現れた逸材中の逸材であることを実感させられます。最後は辻彩奈の独奏ヴァイオリンが凄まじい輝きを放ちながら、全曲を締めくくります。本当にスカッとするような会心の演奏にコロナ禍の鬱々たる気持ちも晴れ渡る思いです。

一方、都響も負けていません。後半のプログラム、サン=サーンスの交響曲第3番《オルガン付》で最高のアンサンブルを聴かせてくれます。主役は弦楽アンサンブル。響き渡るパイプオルガンとともにスケールの大きな音楽を聴かせてくれます。教会音楽とは違いますが、聖堂に響く音楽の雰囲気が醸成されていきます。第2楽章の後半ではコンサートホールに響きわたる美しい音響に心を持っていかれます。都響が実力を発揮すると凄い音楽が現出します。圧倒的な楽の音がホールの隅々までを満たして、素晴らしい音楽が終わります。これも間違いなく、コロナ禍を吹っ飛ばしました。音楽って、何と素晴らしいのでしょう。これがある限り、人類は何ものにも負けることはありません。

今週はこれが2回目のコンサート。今週はまだ4回もコンサートを聴きます。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:井上道義
  ヴァイオリン:辻 彩奈
  オルガン:石丸由佳
  管弦楽:東京都交響楽団  コンサートマスター:矢部達哉

  サティ:バレエ音楽《パラード》
  サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 Op.61
   《アンコール》権代敦彦:Post Festum-ソロ・ヴァイオリンのための Op.172 より「Ⅱ」

   《休憩》

  サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 Op.78《オルガン付》


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のサティのバレエ音楽《パラード》は以下のCDを聴きました。

 ミシェル・プラッソン指揮トゥールーズ・キャピトール管弦楽団 1988年6月 セッション録音

お洒落な演奏です。


2曲目のサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番は以下のCDを聴きました。

 チョン・キョンファ、ローレンス・フォスター指揮ロンドン交響楽団 1975年5月 ロンドン セッション録音
 
これを録音した頃のチョン・キョンファのヴァイオリンは凄い。音楽性も高く、その情熱は伝わってきます。


3曲目のサン=サーンスの交響曲第3番《オルガン付》は以下のCDを聴きました。

 シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団、ベルイ・ザムコヒアン 1959年 セッション録音
 
音質も演奏も最高に素晴らしい決定盤。



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       辻彩奈,  

辻彩奈の瑞々しいブラームス、ロマンティックなプロコフィエフ@ミューザ川崎シンフォニーホール 2021.5.3

このところ、辻彩奈のヴァイオリンを聴き続けていますが、今日は大失策。開演時間を30分間違えて、1曲目のベートーヴェンは聴き損ねました。ショック・・・
ようやく、ベートーヴェンが終わったところで、スタッフの方に先導されて、席に着きました。初体験です。

それで始まったブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」は辻彩奈の伸びのある、しなやかなヴァイオリンの響きでうっとりするような演奏。ともかく、ヴァイオリンの響きが素晴らしいです。これが彼女のこの曲の初披露とは驚きました。ピアノの江口玲の演奏もとてもよくて、気持ちのよいブラームスです。1曲目を聴き逃がしたショックからもこの演奏で立ち直れました。まあ、今日、1番、楽しみにしていた曲だったので、満足です。それにしても、このブラームスの作品は、シューベルト~シューマンというロマン派の王道の流れの1曲であることを強く感じさせられました。ブラームスはこの曲をヴェルター湖畔のペルチャッハで作曲しましたが、同時期にこの地では交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲というロマン派を代表する名曲も書かれました。ブラームスがロマンの極みに到達した時期の1曲です。辻彩奈はこのロマンの香り高い名曲を瑞々しく、清新に描き出しました。こうなると、次はシューマンやシューベルトも聴かせてもらいたいものです。

休憩後、今度はモダニズムの代表のようなプロコフィエフです。この曲はsaraiは最初はフルート・ソナタで聴きましたが、今はすっかり、ヴァイオリン・ソナタで違和感なく聴けるようになりました。しかし、辻彩奈のヴァイオリンは今まで聴いてきた演奏と異なり、まるでロマン派の名曲を聴くかごとくの演奏です。最初は少し、驚きましたが、しばらく聴いていると、実にその爽やかなロマンが心地よくなります。辻彩奈の伸びやかでありながら、抑え気味に弾くヴァイオリンの響きが新しいプロコフィエフ像を描き出します。無機的でクールな雰囲気のプロコフィエフも好きですが、こういう温かみのあるロマンに満ちたプロコフィエフもいいですね。それに辻彩奈のヴァイオリンはロマン派に向いているような気がします。ロマン派を起点にモダニズムや古典派にその演奏の幅を広げていくのがいいのかもしれません。

今日の3曲はすべて、辻彩奈の初レパートリーだったそうです。今後、協奏曲だけでなく、こういう室内楽にもどんどんチャレンジしていってもらいたいものです。次は都響と共演するサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を聴く予定です。彼女に向いた曲なので、好演が期待できそうです。その次には日本フィルと共演するシベリウスもあります。聴く機会が多くて、楽しみです。


今日のプログラムは以下です。

 辻 彩奈 ヴァイオリン・リサイタル

  ヴァイオリン:辻彩奈
  ピアノ:江口玲

  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
  ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」 ト長調 Op.78

   《休憩》

  プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94bis
 
   《アンコール》
     マリア・テレジア・フォン・パラディス:シチリアーノ

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1993年12月、モントルー セッション録音
 
このコンビは素晴らしいヴァイオリン・ソナタ全集を聴かせてくれますが、これは彼らとしてはフツーの出来です。


2曲目のブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」は以下のCDを聴きました。

 アンネ=ゾフィー・ムター、ランバート・オーキス 2009年11月-12月 ポリング ライヴ録音
 
ムターの余裕の演奏。大胆にして、細心とはこのことでしょうか。


3曲目のプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1991年3月、4月 リュッセル Maison De La Radio Bri/Rib Studio 4 セッション録音

このコンビの会心の演奏。これ以上の演奏は望むべくもありません。



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       辻彩奈,  

辻彩奈の美麗な響きのヴァイオリンで聴くフランクの名作@紀尾井ホール 2021.3.12

またまた、新鋭ヴァイオリニスト、辻彩奈のコンサートを聴きました。ピアノとのデュオは初めて聴きます。全編、彼女のヴァイオリンの美しい響きに魅了されました。オーケストラと渡り合う演奏に比べると、よい意味で力が抜けて、弱音を中心にヴァイオリンの響きがとても美しいです。以前、ヴァイオリンをストラディバリウスに替えて響きを磨き上げて欲しいと書きましたが、その必要を感じないないような美音が低域から高域まで冴え渡りました。モーツァルトやベートーヴェンもよかったのですが、そこにはもっと気魄とか精神性を望みたいところも課題としてありました。この日、最高に素晴らしかったのは意外にフランクのヴァイオリン・ソナタです。辻彩奈の美麗な響きのヴァイオリンはとても明るい音色であることに気が付きました。こういうフランス系の音楽にしっくりと合います。それに彼女ものりのりの様子で音楽を美しく歌い上げます。前述したように脱力した感のヴァイオリンの響きは弱音でもホールによく響きます。とても自然な表現ながら、魅惑的な音楽に昇華しています。細かいニュアンスも素晴らしく、うっとりと聴き惚れました。とりわけ、第4楽章の見事な演奏にはわくわくし、終盤の音楽の盛り上がりに心を奪われました。
今日、気が付きましたが、辻彩奈のヴァイオリンのスタイルは諸所で庄司紗矢香を思わせるところがあります。庄司紗矢香のレベルを目指して、精進してくれることを願います。いずれにせよ、今、目を離せない音楽家の一人です。


今日のプログラムは以下です。

 辻 彩奈 ヴァイオリン・リサイタル 2021

  ヴァイオリン:辻彩奈
  ピアノ:阪田知樹

  モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.380
  ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 Op.30-2

   《休憩》

  権代敦彦: Post Festum ~ ソロヴァイオリンのための Op.172(辻彩奈 委嘱作品)
  フランク: ヴァイオリン・ソナタ イ長調
 
   《アンコール》
     エリック・サティ: 「右と左に見える物(眼鏡なしで)」(Choses Vues a Droite et a Gauche (sans Lunettes) )から 第1曲 『偽善的なコラール』(Choral hypocrite)
     マリア・テレジア・フォン・パラディス:シチリアーノ

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.380は以下のCDを聴きました。

 アルトゥール・グリュミオー、ワルター・クリーン 1982年9月20日~29日 ラ・ショー=ド=フォン、スイス セッション録音
 
グリュミオーと言えば、ハスキルと組んだモーツァルトとベートーヴェンのソナタ集が最高の演奏ですが、残念ながら、このK.380は録音していません。20年以上後に再び、ワルター・クリーンとのモーツァルトのソナタ集を録音したのがこのCDです。クリーンの明快なタッチのピアノはハスキル以上とも思えますが、天才ハスキルは天から与えられた気品と詩情にあふれていました。このCDはよい演奏ではありますが、天才的とは言えません。


2曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ 第7番は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1993年12月、モントルー セッション録音
 
期待した以上の素晴らしい熱演に感動しました。ヴァイオリン・ソナタ全集を聴いてみなくてはね。


3曲目の権代敦彦の作品は音源がなくて、予習していません。


4曲目のフランクのヴァイオリン・ソナタは以下のCDを聴きました。

 アリーナ・イブラギモヴァ、セドリック・ティベルギアン 2018年1月11-13日、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール セッション録音

イブラギモヴァの素晴らしい響きの演奏が聴けます。落ち着いた安定感の演奏です。ティベルギアンのピアノも見事です。



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       辻彩奈,  

辻彩奈のオーラを発散するような香り高いチャイコフスキー、そして、シューリヒトの見事なブラームス 読売日本交響楽団@サントリーホール 2021.2.25

このところ、新鋭ヴァイオリニスト、辻彩奈の登場するコンサートが目白押しで俄かファンのsaraiとしては嬉しいところです。今日は遂にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲という大演目なので、聴き逃がせません。慌ててチケットを何とかゲットして会場に駆けつけました。
辻彩奈はもう既に堂々たる姿でオーケストラの前に立ち、実に落ち着いた演奏を聴かせてくれます。有名曲のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲だからと言って、意気込むこともなく、自然体での演奏です。彼女の魅力は実におおらかでスケールの大きい演奏スタイルです。ささいな問題もありますが、それよりもオーラを放つ魅力のほうが優っています。チャイコフスキー的かと言われるとそうでもないような気がしますが、どんな曲を弾いても辻彩奈は自分のスタイルを貫いているところが魅力ではあります。若いのだから、それでいいでしょう。
第1楽章、真っ白な紙に爽やかな書を書き込むようにくせのない表現で音楽を表現していきます。聴いていて、気持ちの良い音楽が流れます。勢いのよいところではバリバリと弾き、それでいて、やり過ぎにはなりません。素直な音楽表現ですが、どことなくスケールの大きさを感じます。長いカデンツァも落ち着いた印象で見事なソロを弾き切ります。コーダでは大変な盛り上がりでこの楽章を締めくくります。圧巻の演奏に誰か、禁断の拍手でも出るような気がしますが、ここは上品なサントリーホールですから、そんなことは起こり得ません。
第2楽章、弱音器を付けて、抒情的なメロディーを奏でていきます。終盤に入り、木管と絡み合うあうパートの美しいことに胸がぞくぞくします。そのまま、美しい抒情を秘めて、この楽章を閉じて、そのまま、オーケストラは切れ目なしに次の楽章に入っていきます。
第3楽章、激しく高揚したヴァイオリンを聴かせてくれます。ここに至り、オーケストラの前に仁王立ちして、独壇場の雰囲気で辻彩奈が音楽を支配するかごとくです。天賦の才に恵まれたミューズがその力をすべて発揮して、オーケストラをインスパイアしながら、突き進みます。素晴らしいフィナーレでした。
素晴らしい演奏でしたが、辻彩奈はまだまだ、余力を残しています。さらに響きを磨き上げて、白熱の音楽を披露してくれる日がくるでしょう。さらなる精進を見届けましょう。

シューリヒト、こと松本宗利音は今回が読響に初登場。かなり、粗削りながら、よい音楽を聴かせてくれました。冒頭のウェーバーの歌劇「オベロン」序曲は読響の美しい弦楽アンサンブルを活かした演奏で真正のドイツ音楽の妙を味わわせてくれました。
後半のブラームスの交響曲第2番はブラームスらしいブラームスをたっぷり聴かせてくれました。日本人指揮者が日本のオーケストラを振って、ブラームスの真髄に迫るのは稀有なことです。彼はブラームスの音楽の何たるかをきっちりと把握しています。ヴェルター湖の明るい日差し、仄暗い情念、憧れに満ちたロマン、ゆるぎなく強烈な感情の爆発、すべてが表現されていました。第1楽章、第2楽章の冒頭の低弦をたっぷり歌わせる指揮も見事なものでした。全体に厚みのある低弦をベースに抑え気味の高弦を加えるバランス感のよさが印象的でした。魅力にあふれるブラームスをたっぷりと味わわせてもらいました。だてに“シューリヒト”の名前をもらっていませんね。ドイツ・オーストリア音楽の本流、ベートーヴェンやブルックナーもいつか聴かせてもらいましょう。

辻彩奈にシューリヒト、素晴らしいコンサートを堪能しました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:松本宗利音(シューリヒト)
  ヴァイオリン:辻彩奈
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:小森谷巧

  ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
  チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35

   《休憩》

  ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のウェーバーの歌劇「オベロン」序曲は以下のCDを聴きました。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1970年5月22日 東京文化会館大ホール ライヴ録音
 
もちろん、素晴らしい演奏です。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団は大阪万博のために唯一の来日を果たしましたが、この後、セルは急逝しました。


2曲目のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 アンネ・ゾフィー・ムター、アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル 2003年9月、ムジークフェライン ライヴ録音
 
ムターの見事な演奏です。ただ、弱音器を付けた第2楽章の響きがちょっと変なのが残念です。


3曲目のブラームスの交響曲第2番は以下のCDを聴きました。

 ベルナルド・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団 2003年5月17&18日、ロンドン、バービカン・センター ライヴ録音

ハイティンク指揮のロンドン交響楽団のブラームス交響曲全集はそれほど世評に高くはありませんが、saraiにとってはベストの演奏です。実演では第1番しか聴いていませんが、素晴らしい演奏でした。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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