fc2ブログ
 
  

金川真弓、透き通るような音色で魅了するメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 小泉和裕&東京都交響楽団@東京芸術劇場 2023.4.26

金川真弓のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴きたくて、足を運びました。平日のお昼のコンサートです。聴衆が多いのに驚きました。sarai同様に老後を優雅にすごしている人も多いのですね(笑い)。

そのお目当ての金川真弓ですが、こんな超有名曲の演奏は危惧しましたが、彼女の透き通って突き抜けるようなヴァイオリンの響きがこのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲に相性抜群で素晴らしい演奏を聴かせてくれました。これまで聴いた彼女の演奏で最高の演奏に思えます。第1楽章冒頭のあの有名な第1主題で早くもsaraiの心を魅了する響きの演奏です。天に突き抜けるような美しい響きであの有名な旋律が奏でられます。以降、第2楽章の緩徐で美しい旋律も、第3楽章のきびきびした演奏も素晴らしい音色で心をとろけさせてくれるような演奏です。小泉和裕指揮の都響も素晴らしいサポートです。実に満足した演奏でした。こんなに隅々まで知っている曲はよほどの演奏でないと満足できませんが、超満足でした。

冒頭のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲も小泉和裕の見事な指揮、都響の素晴らしいアンサンブルで聴き応えがありました。やはり、弦の弱音の響きが素晴らしいですね。これも名曲中の名曲。満足させる演奏は難しいと思いますが、すっかり、満足しました。

休憩後、メンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》も超名曲。これも素晴らしいアンサンブルで耳を楽しませてくれます。しかし、さすがにsaraiの集中力も落ちてきて、きちんと聴きとれませんでした。前半の金川真弓の演奏に集中し過ぎて、少し、エネルギー不足。美しい演奏だったのに、その真髄は聴き取れませんでした。聴けた範囲では、スコットランドの古城に佇む郷愁に満ちた雰囲気は最高でした。そうそう、第1楽章まではそこそこ集中できていました。都響の弦のアンサンブルはやはり最高です。


この後、サントリーホールに移動して、N響のコンサートです。これは別の記事で明日書きますが、あまり期待していなかったコンサートがとても素晴らしかったんです。パーヴォ・ヤルヴィの指揮、そして、若手のピアニスト、マリー・アンジュ・グッチの演奏が最高でした。当たりの1日になりました。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:小泉和裕
  ヴァイオリン:金川真弓
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉

  ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
  メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
  
  《休憩》
  
  メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 Op.56《スコットランド》


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲は以下のCDで予習しました。

  ジョルジュ・プレートル指揮スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 2016年2月22日 ミラノ、スカラ座 ライヴ録音

プレートルは高齢になった後、思い出に残る数々の演奏を聴かせてくれました。ベートーヴェン、ヴェルディ、オッフェンバックとラヴェルの作品のプログラムで聴衆と演奏者を魅了し大成功を収めたこの2016年2月22日のミラノ・スカラ座でのコンサートが最後のコンサートとなりました。この『運命の力』序曲はラストコンサートとは思えぬ、勢いに満ちた、いかにもプレートルらしい素晴らしい演奏です。


2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は以下のCDで予習しました。

  ヤッシャ・ハイフェッツ、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団 1959年 セッション録音

世評に高い録音なので、聴いてみました。期待したほどの演奏には思えませんでした。やはり、録音が古いことは否めません。


3曲目のメンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》は以下のCDで予習しました。

  ペーター・マーク指揮ロンドン交響楽団 1960年 セッション録音

これも世評に高い録音なので、聴いてみました。これは期待以上の素晴らしい演奏。郷愁に満ちたパートはうっとりとさせられます。リマスタリングも良好で聴きやすい音質です(DECCA LEGENDS)。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       金川真弓,  

金川真弓がコルンゴルトを実に美しく演奏 リオ・クオクマン&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.3.25

今日は金川真弓がコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を演奏するというので、足を運びました。
コルンゴルトは金川真弓に向いていると直感した通り、期待に違わぬ素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
第1楽章のメローな主題を美しく歌い上げます。特に高音域の響きが美しく響き渡ります。単に美しいだけでなく、格調高く、音楽的な内容に満ちた演奏です。音楽が高潮するときの盛り上がりに心が震えます。金川真弓はこういうアメリカ的な音楽の演奏に秀でています。第2楽章に移っても、その演奏の質の高さは変わらず、すっかり、惹き付けられます。第3楽章の勢いのある演奏も冴え渡り、その演奏に魅了されたまま、フィナーレ。コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲で100パーセント、満足できる演奏に初めて、接することができました。東響のサポートも万全で音楽が大いに盛り上がりました。

後半の2曲は東響の響きはよかったのですが、ウィーンの音楽の奥深さはもうひとつの感。エネルギーに満ちた表現は悪くはないのですが、うっとりと魅了されるという感じに持っていってほしかったところ。若い指揮者の今後に期待しましょう。


今日のプログラムは以下です。

  ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第185回

  指揮:リオ・クオクマン
  ヴァイオリン:金川真弓
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレグ・ニキティン

  コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 35
  《アンコール》 ハイフェッツ編:黒人霊歌 深い河Deep River

  《休憩》

  R. シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲 Op. 59, TrV 227
  ラヴェル:ラ・ヴァルス


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

 ギル・シャハム、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団 1993年6月 ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール セッション録音
アンドレ・プレヴィンは3回もこの曲を録音しているので、かなり、思い入れがあるようです。このシャハムがソロを弾いているのは2回目の録音。そして、3回目が本命盤のムターがソロを弾いているものです。いつもムター盤ばかり聴いているので、今回はシャハムを聴いてみました。これも素晴らしいヴァイオリンの響きの演奏です。


2曲目のR. シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」組曲を予習したCDは以下です。

 クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 2000年10月 ウィーン、楽友協会大ホール ライヴ録音

ティーレマンがウィーン・フィルの定期演奏会に初登場した時のライヴ録音です。若きティーレマンがウィーン・フィルの美しい響きを見事にドライブした演奏です。


3曲目のラヴェルのラ・ヴァルスを予習したCDは以下です。

 ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィル 1996年1月 ウィーン、楽友協会大ホール ライヴ録音

ウィーン・フィルがウィンナー・ワルツ的な音楽をどう演奏するかが興味深い録音。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       金川真弓,  

金川真弓の曇り後晴れの会心のブラームス、そして、ヴァイグレの見事なシューマン  ヴァイグレ&読売日本交響楽団@サントリーホール 2023.2.17

金川真弓が遂にブラームスのヴァイオリン協奏曲に挑むというので、これは聴き逃がせません。saraiにとって、この曲はヴァイオリニストの力量を計る試金石だと思っています。失礼ながら、幾多のヴァイオリニストをこの曲で評価してきて、合格した人と不合格の人を選り分けています。最高点で合格したのは、庄司紗矢香やヒラリー・ハーンなどです。さて、今日の金川真弓は第1楽章が合格ラインすれすれ、第2楽章以降は最高レベルで合格です。第1楽章はどうやら極度の緊張感で力が入り過ぎて、高域の響きはよかったのですが、低域の響きが全然だめ。音楽表現も固いもので音楽への没入感に乏しく、saraiははらはらしながら聴いていました。事実、彼女自身も第1楽章の後、体をリラックスするしぐさをしていました。頑張れと声援を飛ばしたくなるような状況でした。第2楽章は冒頭、オーケストラの前奏でオーボエの美しい独奏が続きます。この読響の美しい演奏に触発されたのか、金川真弓は柔和な表情で美しいヴァイオリンを奏で始めます。第1楽章とはまったく次元の異なる素晴らしい演奏です。美しい高域の響きだけでなく、低域の響きも実にリッチです。そして、何よりもブラームスの描いたロマンの世界が素晴らしく表現されています。saraiはすっかり安心して、ブラームスの美しい音楽に没入し、うっとりと魅了されます。実に素晴らしい第2楽章でした。そして、一気に第3楽章に突入していきます。金川真弓の勢いあるヴァイオリンはもうゾーンにはいったかのごとく、会心の出来栄えです。彼女を先頭にして、ヴァイグレ指揮読響も続いていきます。圧巻のフィナーレでした。いやー、よかった、よかった。金川真弓の応援団のような気分のsaraiはすっかり上機嫌です。

順番は逆になりますが、冒頭で演奏されたベートーヴェンの「コリオラン」 序曲は最初のトゥッティの素晴らしい響きに始まり、ヴァイグレの素晴らしい指揮で古典派のきっちりした音楽を存分に味わわせてくれました。何とも 構築力に満ちて、アンサンブルも最高のベートーヴェンでした。

休憩後、シューマンの交響曲第2番。詳しくは述べませんが、精神的に苦しかったシューマンが渾身の力で創造した傑作をヴァイグレの見事な指揮、読響の素晴らしいアンサンブルで描き尽くしたという感でした。とりわけ、第3楽章の抒情に満ちた演奏は今日の白眉とも言えるものでした。演奏機会の少ないシューマンの名作を素晴らしい演奏で聴けて、シューマニアーナのsaraiは大満足でした。
それにしても、読響はいつ聴いても最高の演奏をしてくれます。凄いオーケストラだと感服するのみです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
  ヴァイオリン:金川真弓
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:長原幸太(ダブルコンマス、林悠介)

  ベートーヴェン:「コリオラン」 序曲 Op.62
  ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

   《休憩》

  シューマン:交響曲第2番 ハ長調 Op.61

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの「コリオラン」 序曲は以下のCDを聴きました。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1966年10月29日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール セッション録音

実に見事な演奏です。


2曲目のブラームスのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 リサ・バティアシュヴィリ、クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン 2012年6月 ドレスデン セッション録音
 
バティアシュヴィリの最高のヴァイオリン、そして、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンの見事なサポート。しかし、2013年4月にゼンパーオーパーで映像収録された演奏はまったく同じメンバーながら、バティアシュヴィリがさらに素晴らしい入神の演奏を聴かせてくれました。それ以来、saraiはバティアシヴィリにはまっています。


3曲目のシューマンの交響曲第2番は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1985年11月 ウィーン、ムジークフェラインザール ライヴ録音

バーンスタインがウィーン・フィルの豊かな響きで描き出したシューマンの濃厚な世界です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       金川真弓,  

期待の若手、金川真弓のヴァイオリン・リサイタル@東京文化会館小ホール 2022.10.20

若手の新鋭ヴァイオリニスト、金川真弓の演奏に期待して、足を運びました。今日も超美麗なヴァイオリンの響きに酔い痴れましたが、課題もありました。

今日の演奏ですが、最初のJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番はさすがに素晴らしい響きの演奏です。音楽性も豊かですが、何か、もうひとつ、気魄というか、厳しさというか、これが金川真弓のバッハの無伴奏だという主張がほしいところです。何と言っても、ヴァイオリン音楽の聖典とも言えるものですから、聴き方も注文が厳しくなります。素晴らしい演奏ではあったんです。だけど、彼女ならもっと精進してほしいと願いたいところです。

次の武満徹の妖精の距離は圧巻の素晴らしい演奏。短い曲ですが、彼女の美点がすべて出ていました。冒頭の伸びやかなヴァイオリンの響きを聴いただけで、ぐっと魅了されました。武満徹の音楽がこんなに素敵に演奏されるなんて・・・もう、うっとりして聴き入りました。

次のドビュッシーのヴァイオリン・ソナタは武満徹の妖精の距離と引き続いて演奏されます。それはsaraiも納得です。常々、この両者は音楽性に親近さがあると思っていたので、セットで演奏するのもいいでしょう。で、ドビュッシーも武満と同様に素晴らしい演奏で始まりますが、さすがに武満のように高いレベルの演奏というわけにはいきませんでした。フランス音楽のエスプリという得体のしれないものがもう一つ表現しきれていなかったようです。もっと思い切り踏み込んだ演奏をしてほしかったところです。

後半のベートーヴェンのクロイツェルは一番課題の残った演奏になりました。超有名曲の宿命として、よほどの演奏、それも個性的な演奏をしないとなかなか満足できません。ベートーヴェンのピアノ・ソナタでも、悲愴とか熱情とかの有名曲でもよくあるケースですが、聴衆はずい分、聴き込んでいますから、こういう曲を取り上げることはかなりの準備をしておく必要がありますし、そもそもプログラムにのせること自体、危険です。今日の演奏ももちろん、テクニック的には完璧な演奏でしたが、もっとベートーヴェンらしい颯爽として風格のある演奏が望まれたところです。辛口な言い方になり過ぎたかもしれません。よい演奏ではあり、高い精度でもありました。しかし、もう一歩の努力を期待しています。

プログラム的には、プロコフィエフとかバルトークなどを組み入れたおいたほうが均整がとれたような気がします。期待の新鋭ですから、これからも注目して聴きたいと思っています。


今日のプログラムは以下です。

  金川真弓 ヴァイオリン・リサイタル

  ヴァイオリン:金川真弓
  ピアノ:ジュゼッペ・グァレーラ
 
  J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番ハ長調 BWV1005
  武満徹:妖精の距離
  ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調

  《休憩》

  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番イ長調 Op.47 「クロイツェル」

  《アンコール》

  バッジーニ:妖精の踊り?
  ガーシュウィン/ハイフェッツ編:『ポーギーとベス』より


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番を予習したCDは以下です。

 チョン・キョンファ 2016年2月24-26日、4月3-5日、5月30-6月1日、セント・ジョージ教会(ブランドン・ヒル、ブリストル)、英国 セッション録音

復活したチョン・キョンファの演奏です。何とも素晴らしいバッハの無伴奏ソナタ・パルティータ全曲です。


2曲目の武満徹の妖精の距離を予習したCDは以下です。

 デュオ・ガッツァーナ 2011年3月、 スイス・イタリア語放送オーディトリオ、ルガーノ、スイス セッション録音

姉妹デュオ、ナターシャとラファエラ・ガッツァーナによる見事な演奏。


3曲目のドビュッシーのヴァイオリン・ソナタを予習したCDは以下です。

 オーギュスタン・デュメイ、マリア・ジョアン・ピリス 1993年9、10月、 ミュンヘン セッション録音

デュメイの名演。


4曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ 第9番「クロイツェル」を予習したCDは以下です。

 ヴォルフガング・シュナイダーハン、カール・ゼーマン 1959年5月11-28日、ウィーン、ウィーン楽友協会、ブラームス・ホール  セッション録音

決定盤です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       金川真弓,  

若手ヴァイオリニスト、金川真弓の素晴らしさを堪能 アンドリュー・リットン&東京都交響楽団@サントリーホール 2022.5.31

15日連続コンサートの12日目です。残りわずかですが、素晴らしいコンサートが続きます。

若手の新鋭ヴァイオリニスト、金川真弓の演奏に期待しましたが、期待以上の超美しい演奏に魅了されました。バーンスタインの作品からロマンの香りとモダニズムの両面を表出する見事な演奏に驚嘆しました。アンドリュー・リットン指揮の都響もさすがのサポート。これほどの演奏を聴かせてくれると満足です。今日はこれを聴いただけで十分でした。そうそう、アンコールのバッハの無伴奏にも聴き惚れました。

今日はアメリカ音楽尽くし。冒頭のシンディ・マクティーのタイムピースは現代曲ですが、すっきりした音の響きで聴きやすい曲で、都響の素晴らしいアンサンブルを満喫しました。

後半はコープランドの交響曲第3番。長大で雄大な音楽です。アメリカの雄大な風景を描き出したような音楽をリットンは見事に表現し、都響の美しい弦の響きがホールに満ち溢れます。よい意味で綺麗な映画音楽を聴いている気分になります。こういう作品に精神性を求めるわけにはいきませんが、そういう面でちょっと物足りなさを感じたのも事実です。

やはり、都響のサウンドは素晴らしいですね。それを実感させられるコンサートでした。そして、saraiがこのところ評価してやまない若手ヴァイオリニスト、金川真弓の素晴らしさを堪能したコンサートでもありました。彼女はまるで若い頃のヒラリー・ハーンの演奏を聴いているようで、わくわくさせられます。今後のさらなる成長を見守りましょう。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:アンドリュー・リットン
  ヴァイオリン:金川真弓
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:四方恭子

  シンディ・マクティー:タイムピース(2000)
  バーンスタイン:セレナード(プラトン『饗宴』による)
   《アンコール》バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005より 第4楽章 アレグロ・アッサイ

   《休憩》

  コープランド:交響曲第3番


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシンディ・マクティーのタイムピースは音源が見当たらず、予習なし。


2曲目のバーンスタインのセレナードを予習したCDは以下です。

  イツァーク・パールマン、小澤征爾指揮ボストン交響楽団 1994年10月 セッション録音

この曲はクレーメル&バーンスタイン、ヒラリー・ハーンという2つの素晴らしい演奏がありますが、それは既に聴いたので、別の録音を探しました。パールマンのヴァイオリンはさすがに美音で素晴らしいものでした。


3曲目のコープランドの交響曲第3番を予習したCDは以下です。

  マイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団 2018年3月15-17日 ルイス・M・デイビス・シンフォニーホール、サンフランシスコ ライヴ録音

素晴らしく雄大な演奏です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       金川真弓,
人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR