そのお目当ての金川真弓ですが、こんな超有名曲の演奏は危惧しましたが、彼女の透き通って突き抜けるようなヴァイオリンの響きがこのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲に相性抜群で素晴らしい演奏を聴かせてくれました。これまで聴いた彼女の演奏で最高の演奏に思えます。第1楽章冒頭のあの有名な第1主題で早くもsaraiの心を魅了する響きの演奏です。天に突き抜けるような美しい響きであの有名な旋律が奏でられます。以降、第2楽章の緩徐で美しい旋律も、第3楽章のきびきびした演奏も素晴らしい音色で心をとろけさせてくれるような演奏です。小泉和裕指揮の都響も素晴らしいサポートです。実に満足した演奏でした。こんなに隅々まで知っている曲はよほどの演奏でないと満足できませんが、超満足でした。
冒頭のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲も小泉和裕の見事な指揮、都響の素晴らしいアンサンブルで聴き応えがありました。やはり、弦の弱音の響きが素晴らしいですね。これも名曲中の名曲。満足させる演奏は難しいと思いますが、すっかり、満足しました。
休憩後、メンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》も超名曲。これも素晴らしいアンサンブルで耳を楽しませてくれます。しかし、さすがにsaraiの集中力も落ちてきて、きちんと聴きとれませんでした。前半の金川真弓の演奏に集中し過ぎて、少し、エネルギー不足。美しい演奏だったのに、その真髄は聴き取れませんでした。聴けた範囲では、スコットランドの古城に佇む郷愁に満ちた雰囲気は最高でした。そうそう、第1楽章まではそこそこ集中できていました。都響の弦のアンサンブルはやはり最高です。
この後、サントリーホールに移動して、N響のコンサートです。これは別の記事で明日書きますが、あまり期待していなかったコンサートがとても素晴らしかったんです。パーヴォ・ヤルヴィの指揮、そして、若手のピアニスト、マリー・アンジュ・グッチの演奏が最高でした。当たりの1日になりました。
今日のプログラムは以下のとおりです。
指揮:小泉和裕
ヴァイオリン:金川真弓
管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉
ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
《休憩》
メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 Op.56《スコットランド》
最後に予習について、まとめておきます。
1曲目のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲は以下のCDで予習しました。
ジョルジュ・プレートル指揮スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 2016年2月22日 ミラノ、スカラ座 ライヴ録音
プレートルは高齢になった後、思い出に残る数々の演奏を聴かせてくれました。ベートーヴェン、ヴェルディ、オッフェンバックとラヴェルの作品のプログラムで聴衆と演奏者を魅了し大成功を収めたこの2016年2月22日のミラノ・スカラ座でのコンサートが最後のコンサートとなりました。この『運命の力』序曲はラストコンサートとは思えぬ、勢いに満ちた、いかにもプレートルらしい素晴らしい演奏です。
2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は以下のCDで予習しました。
ヤッシャ・ハイフェッツ、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団 1959年 セッション録音
世評に高い録音なので、聴いてみました。期待したほどの演奏には思えませんでした。やはり、録音が古いことは否めません。
3曲目のメンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》は以下のCDで予習しました。
ペーター・マーク指揮ロンドン交響楽団 1960年 セッション録音
これも世評に高い録音なので、聴いてみました。これは期待以上の素晴らしい演奏。郷愁に満ちたパートはうっとりとさせられます。リマスタリングも良好で聴きやすい音質です(DECCA LEGENDS)。
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