旅の9日目です。
今日もまたまた晴れです。日中は暑くなるのでしょうが、朝はひんやりしています。
今日は一番長い時間電車に乗って、いよいよアルプスを越えてオーストリアÖsterreichに入ります。それなりに寒いだろうということで、レギンスを履きすっかりアルプスモードです。
まずはこのホテルで一度きりの朝食。朝食のレストランも真っ白な内装で、通りに面していて、朝の光がさしこみ明るくて、とっても素敵です。

食事の内容は普通です。飲み物もすべてセルフサービスです。毎日の豪華ディナーですっかり胃がお疲れなので、朝食は薄いトースト半切れと暖かい飲み物とリンゴを半分程度にします。

食器はすべてお揃いのデザインで、なかなかかわいですよ。

写真の後姿の初老の男性は・・・なんと食堂のお世話係です。ボーイさんと呼べばよいのでしょうか。おじいさんは初めてです。そろりそろりと優雅に歩き回り、食器の後片付けをしています。家族経営ということなので、ご家族のかたなのでしょうね。

パルマParmaは昨日効率よく観光をしたので、今朝は国立美術館に行く程度にします。時間も1時間くらいしかありませんからね。パルマの街は実にコンパクトにまとまっているので、ホテルから5分ほどで名所・旧跡のあるところへ行けます。朝の通りは清々しい感じで清潔です。

昨日はドゥオーモ広場Piazza del Duomo周辺に行きましたが、今日はやはりその近くにあるピロッタ宮殿Palazzo della Pilottaに向かいます。宮殿の前はだだっ広い芝生の広場で、宮殿自体は特別に美しくはありませんが実に巨大な建物です。
ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。

このピロッタ宮殿の中に、いろんな美術館・博物館などがはいっています。そのひとつが国立美術館Galleria nazionale di Parmaです。もうひとつ、ファルネーゼ劇場Teatro Farnese di Parmaというヨーロッパ最古の劇場のひとつがあります。この劇場は、ヴィツェンツァVicenzaにあるオリンピコ劇場Teatro Olimpico a Vicenzaをモデルにしています。以前、ヴィツェンツァで閉館時間を過ぎてしまいオリンピコ劇場を見逃した苦い経験を払拭するためにも、我々には必見の劇場です。この美術館と劇場は2階(日本風では3階)にあり、まとめて見学できます。宮殿内のだだっぴろい回廊から、立派な広い階段を上ります。

入館すると、いきなりファルネーゼ劇場の内部です。正面に舞台があります。舞台へは見学者用の斜路が取り付けてあるので、後で上ってみましょう。

舞台を囲んで、ぐるりと階段状の急な観客席が半円形に設けられています。観客席の上は2重アーチの柱が立っています。装飾的ですね。

側面の観客席の上のアーチには装飾画が飾られており、舞台近くには彫刻装飾もあり、華麗な劇場が偲ばれます。

舞台に上がってみましたが、今は舞台セットが奥の方に片付けられているので、舞台の作りは実感できません。が、きっとオリンピコ劇場と同様に、何枚もの背景板を重ねて遠近感を作り出す仕組みなのでしょう。
舞台の上から、観客席全体が見渡せます。

舞台裏には、舞台の道具が無造作に置かれています。

こういう絵画のパネルも壁に立てかけてあります。舞台装置の一部か、劇場の装飾画でしょうね。

舞台の奥からは美術館への通路が続いています。お目当ては、パルマの2大芸術家のコレッジョとパルミジャニーノです。しかしながら、展示作は彼らにしてはまあまあというレベルの作品です。そして、またもやこの美術館の目玉のパルミジャニーノの「トルコの女奴隷」は、小さな写真だけが貼ってあって、ゴメンナサイです。どうして、目玉作品ばかり修復中なんでしょう・・・。
見学時間30分ほどで美術館を出て、長い階段を下りて回廊に出ます。

ピロッタ宮殿の巨大な建物から堅牢なアーチをくぐって、外の明るい陽光に向かいます。

外から見たピロッタ宮殿のほんの一部です。

昨日見たピロッタ宮殿前の芝生の広場は薄暮で薄暗かったですが、朝の芝生は明るくて気持ちよさそうです。ちょっと座ってみますが、のんびり寛いでいる時間がないのが残念です。

これで、パルマ観光は終了。ホテルをチェックアウトし、ガラガラ荷物を引っ張って駅に向かいます。現在、パルマの駅は大改装工事中で移動が大変です。完成図が紹介されていますが、近代的な美しい駅になるようです。その時には荷物が運べるエレベーターは付くのでしょうね。確認しに来ることはないと思いますが・・・。
短い滞在でしたが、パルマのグルメは評判通りで、大満足です。それにクラテッロとパルミジャーノ・レッジャーノのお土産は買ってあるので、帰国後もパルマを懐かしみながらワイングラスを傾けられそうです。
この後、電車でオーストリアÖsterreichのインスブルックInnsbruckに向かいます。それにしても、イタリアは僅か2日間でしたが、やはり居心地のよい国です。それにイタリアも、地方ではホテルも安くて綺麗で大満足です。次の機会にはもっと長期間楽しみましょう。
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