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ウィーンで音楽三昧:リング通りを散策し、カフェ・ツェントラルへ

2012年4月20日金曜日@ウィーン/1回目

旅の15日目です。もう、ウィーンWienも余すところ2日半になりました。

今朝は2人ともぐっすり朝寝坊しました。9時過ぎに起きると、この旅最高の上天気で、とても暖かそう。もうコートは不要で、春らしい服装で出かけられそうです。配偶者のトゥルンTullnの駅で転んだ捻挫も大したことはなく、なんとか歩けそうで一安心です。
今日こそ、朝ご飯は省略してランチカフェを楽しみましょう。ランチをカフェ・ツェントラルCafé Centralでいただくことにします。
5つ星ホテルでの朝食は高価ですからね。ホテルのレストランを素通りして、外に出ます。


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ホテルの前からトラムに乗って、ブルクガルテンBurggartenの前の停留所ブルクリンクBurgringで下ります。天気がよいので、ここからリング通りRingstraßeの散策を楽しみます。またまた、モーツァルトとご対面です。当ブログのイメージキャラクターです。


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モーツァルトを見に来た日本からのツアーの人達とすれ違います。我々をツアーの仲間と間違えたのか、違う方向に行く我々を不思議そうに眺め、人数のチェックをしています。要らぬ心配をかけてごめんなさいね。


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ギリシャ風の建物が国会議事堂Parlamentです。


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4月のリング通りは本当に緑が綺麗です。散策も気持ちがいいですね。


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緑の向こうに、市庁舎Rathausの尖塔の先が見えてきます。


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目の前にブルク劇場Burgtheaterの真っ白い建物が登場。


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シェークスピアの劇などを上演している劇場ですが、《ロビンソン・クルーソー》という面白そうな劇もやっているようです。


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このブルク劇場から右に折れて行くと、カフェ・ツェントラルのあるフェルステル宮殿Palais Ferstelにぶつかります。この狭い一方通行の通りの左手に見える大きな建物がフェルステル宮殿です。


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カフェ・ツェントラルの入口に到着。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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中に入ると、お茶目なおじさんがお出迎えです。おじさんの手元のテーブルに置かれた紙片を見ると、「どうか、触らないでね」って書いてあります。はいはい。


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カフェ・ツェントラルの内部は見事なアーチが連なった特上の空間になっています。天井も高いですね。


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すぐにテーブルに案内されました。少々早いですが、ランチをいただきましょう。でも、ちょっと問題発生!


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ウィーンで音楽三昧:カフェ・ツェントラルで美味しいランチ

2012年4月20日金曜日@ウィーン/2回目

ランチを食べるために、カフェ・ツェントラルCafé Centralに到着したのは11時20分頃です。最初に朝食メニューが出てきます。周りで食べているのも朝食のセットメニューのようで、ウィーンの定番の内容です。ランチのメニューをお願いすると、ランチは11時半からなので、ランチならば10分待てと言われてしまいます。それでもさらにお願いすると、とりあえずメニューを持ってきてくれます。いいですよ、メニューの内容を検討しながら待ちましょう。


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メニューを持ってきてくれたウェーターはさっさと戻っていきます。


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美しい内部空間を眺めながら、メニューを検討します。ランチのセットメニューは、スープと1品料理です。1品料理は2種類あるので、2人でそれぞれをオーダーしましょう。


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待った甲斐があります。スープは、saraiはそれほどでもないのですが、配偶者は大満足の様子です。これは黄色いパプリカのクリームスープです。結局、11時半少し前にスープは出してくれたんです。なかなか融通がききますね。


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メインの1品はアスパラガスのリゾット、パルメザンチーズと香草サラダ添えです。なかなか、お洒落な料理です。


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メインのもう1品は、脂ののったカジキマグロの美味しいこと。海に囲まれた日本でも食べたことがない美味しさです。ウィーンは海がないのにね。レモンのリゾットの上にカジキマグロがのせられています。


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大満足のランチをいただきました。

この辺りはあまり来たことがありません。近くのミノリテン教会Wiener Minoritenkircheを覗いてみましょう。ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》がモザイクで作られているらしいのです。外見はとても重厚なゴシック建築です。建物の周りの緑も綺麗です。


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先の尖っていない尖塔も立派です。


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教会の傍らには、明るい紫色のライラックの花が綺麗です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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建物の中にはいってみます。アーチを形作る柱が見事です。


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《最後の晩餐》は教会の左壁面にあります。実物大と思われる大きさです。ナポレオンの命で作られたそうです。


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ミラノにあるオリジナルの《最後の晩餐》は、教会の食堂の壁に描かれており、ちょうどキリストの足の部分は食堂の入り口のドアの部分で、キリストの足は描かれていません。が、ここのは1枚の絵として描かれているので、キリストの足が描かれています。創作したんですね。上部の天井も省略されています。当然のことながら、迫力もなく本物とは全く違います。上手に模倣されているのですが、どこが違うのでしょうね。
ミラノにあるオリジナルの《最後の晩餐》の写真も置いてあります。


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《最後の晩餐》を見たところで気持ちが落ち着いたので、あとはゆっくりと教会内部を見てみましょう。


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ウィーンで音楽三昧:ミノリテン教会からホーフブルグを抜けて、ムゼウムシュクヴァルティアーへ

2012年4月20日金曜日@ウィーン/3回目

ミノリテン教会Wiener Minoritenkircheで《最後の晩餐》を見た後、教会内部を眺めます。パイプオルガンの奥に美しいステンドグラスが見えます。


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祭壇画は珍しい構図です。祭壇画の中に聖母子の額付きの絵画が描き込まれています。


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この教会はアーチを支える柱が巨大です。形状も美しいですね。


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ミノリテン教会を出ると、目の前にはフォルクスガルテンVolksgartenの緑が広がっています。


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この後は、またまたクリムト展を見るためにムゼウムシュクヴァルティアーMuseumsquartierに向かいます。フォルクスガルテンの柵に沿って、ホーフブルグHofburgの方にレーヴェル通りLöwelstraßeを歩いていきます。やがて、ホーフブルグが見えてきます。


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いつもとは違う方向からのホーフブルグを眺めながら、横を抜けていきます。フォルクスガルテンの柵の中ではライラックのうす紫の花が咲き誇っています。


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リング通りRingstraßeに出ます。横断歩道に向かいます。


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自然史博物館Naturhistorisches Museum Wienの手前でリング通りを横断。


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自然史博物館の横のベラリア通りBellariastraßeを歩いて行くと、ムゼウムシュクヴァルティアーの右端に到着。

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この交差点はフォルクステアターVolkstheaterです。斜め向かいには、フォルクス劇場Volkstheaterの建物が見えています。


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ムゼウム通りMuseumstraßeを渡って、ムゼウムシュクヴァルティアーの中庭にはいります。


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中庭の右手には、近代美術館MUMOKの特徴的な外観の建物が見えています。ここは近現代美術をテーマにしています。saraiは、まだ入館したことはありません。一度くらいは訪問してみてもいいかもしれません。ただし、今回の目的はここではありません。


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左手に見えているのがレオポルド美術館Leopold Museum。今回はここで開催されているクリムト展がお目当てです。ところで、中庭にあるオブジェのようなベンチで皆さん、思い思いに寛いでいますね。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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これからレオポルド美術館に入ります。


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ウィーンで音楽三昧:レオポルド美術館のクリムト展・・・何とそこにあったのは驚きの展示!

2012年4月20日金曜日@ウィーン/4回目

クリムト展を目指して、いざ、レオポルド美術館Leopold Museumに向かいます。
今、ウィーンはクリムト生誕150年でクリムト一色の感があります。今回の旅で3つ目のクリムト展はこのレオポルド美術館です。


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まずはチケットを購入しましょう。窓口は空いていますね。


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これが購入したチケット。このレオポルド美術館では、クリムトとシーレが2大スターです。


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今回のクリムト展の展示の目玉は以下の3つです。なお、クリムト展のフロアでは写真撮影禁止なので、写真ではご紹介できません。残念ですが、ご了解ください。

 ・ウィーン大学の天井画の『哲学』、『医学』、『法学』のモノクロ復元図の展示。
  特に『医学』は女神ヒギュエイアの部分だけは色づけされています。『医学』の下絵(色付き)も一緒に展示されています。
  大変、興味深い展示です。

 ・クリムトのアトリエが再現されて、ホフマンの作成したインテリアも展示されています。
  これも興味深い展示です。

 ・クリムトから恋人エミーリエ・フレーゲに宛てた数百枚の絵葉書が展示されています。
  絵や写真の上に走り書きしたもので、ドイツ語での内容とその英語訳が展示されています。なかなか見ることのできないものですね。
  クリムトは相当に筆まめだったようです。
  クリムトとは直接関係ないですが、あまりの絵葉書の種類の多さにビックリ。
  当時、絵葉書が1つの文化として確立していたことが感じられます。

ところで、鑑賞の途中でトイレに行ったのですが、トイレは美術館にはなく、同じ建物にあるレストランに併設されています。だから、トイレに行くには一旦美術館を出ることになるので、再入館のためにチケットが必要になります。チケットを管理しているsaraiが先だったので、配偶者は立ち往生せずに済みました。よかったね・・・。

以上の他、レオポルド美術館所蔵のクリムトの名画やよそからの特別貸し出しの作品も展示されており、なかなかの内容です。写真が撮れなかったのが本当に残念です。もっとも、レオポルド美術館所蔵のクリムトの絵画は既に前回の訪問時に撮影済みではあります。既にここでご紹介もしました。

クリムト展のフロアから一般展示のフロアに移動します。ここからは写真撮影OKです。このフロアの一角にクリムトの展示を見つけました。
ボート乗り場を模した木製のデッキと実写の大きな白黒写真を壁面に貼り付けたものです。


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***突然ですが、ここからはこの詳細編を書いている今日の話です。

この写真を見て、saraiが「これはクリムトとエミリア・フレーゲがアッター湖Atterseeでボートに乗るところだね」って言うと、配偶者が「アッター湖とは限らないでしょう?」って、何故か反論します。saraiが重ねて「これはアッター湖に決まっているよ」と言っても配偶者は納得しません。仕方がないので他の写真を探すと、この写真の説明らしきものが見つかりました。そして、そこには、はっきりとアッター湖と明記されており(saraiは満足!)、さらに、何と・・・絶句!!
このボート乗り場はLitzlberger Keller (リッツルベルガー ケラー)の近くと書いてあります。


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このリッツルベルガー ケラーは、saraiの2か月後の旅のためにアッター湖の湖畔で予約しているホテルなんです。実は、単にリーズナブルな料金のホテルということで予約したのですが、予約後に、このホテルにクリムトが滞在し、このホテルを描いた作品があることが分かりました。まさか、レオポルド美術館の展示にも登場しているとは驚きです。2か月後の旅がますます楽しみになります。これもsaraiを刺激して、調査を促した配偶者のお蔭です。

2か月後の旅では、アッター湖のクリムトゆかりの地やマーラーゆかりのシュタインバッハSteinbachの作曲小屋(交響曲第2番、第3番を作曲)を訪れることになりそうです。マーラーゆかりの地のシュタインバッハのホテルにも宿泊しようと試みましたが、残念ながら4月末までホテルはクローズということでダメでした。そのかわりに、偶然クリムトゆかりのホテルに宿泊できるのは僥倖と言ってもいいでしょう。

こうしてブログを書くと、色々なことが見えてきます。それもブログの楽しみです。

話が横道にそれましたが、レオポルド美術館の展示の紹介は続きます。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/02/03 00:59
クリムトが泊まって絵も描いたというホテルに偶然宿泊することになり、それを展覧会の写真から発見するという経緯にはどきどきしました。さぞかしクリムトとの縁を感じられたことでしょう。ブログ記事にするために、ちょっと疑問に思ったことを調べているうちに思いがけない事実を発見して、それが自分に返ってくるということをわたしもしばしば経験していますが、今回は正にその典型ですね。興味の対象が連鎖して、思わぬ方向に繋がるというのが不思議かつ楽しいですね。

さて、オランダ、デン・ハーグの市立美術館で『カイユボット展』が始まりました。saraiさんご夫妻もこの美術館は訪問されますよね。
また、ハーレムのフランス・ハルス美術館でも、記念イヤーということでベルリンやルーブルなどからハルスの絵が何点か来ます。ハーレムはアムスからICで15分ほどの美しい町ですので、お時間があれぜひ行かれるよう、お勧めします。

2, saraiさん 2013/02/03 03:40
やっぱり、こういう話に最初に反応してくれるのはレイネさんですね。ありがとうございます。こういう発見があるので、ブログは楽しいですね。

『カイユボット展』いいですね。印象派の収集家でオルセーの基礎を築いた人ですね。彼の画風も独特・・・まとめて見たことはありません。しっかり、鑑賞します。

ハルスですか・・・ハーレム遠征きついですが、検討します。アムステルダム国立美術館も見られないので、それもいいかもしれませんね。

色んな情報ありがとうございます。

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ウィーンで音楽三昧:レオポルド美術館はクリムトだけじゃない

2012年4月20日金曜日@ウィーン/5回目

レオポルド美術館Leopold Museumのクリムト展を堪能し、今回のウィーンWienでのクリムト三昧は完了。面白いものを色々と見せてもらいました。さすがにウィーンは凄い。

せっかくレオポルド美術館に入館したからには、他の展示も楽しみましょう。窓からのウィーンの街の眺めも楽しみます。


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ウィーンの街といえば、こんな写真も展示されています。奥の方に分離派会館Wiener Secessionが見え、その手前に見えているのは昔のナッシュマルクトNaschmarktでしょう。この頃は分離派会館の見通しがよく、分離派会館の存在感がありましたね。


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レオポルド美術館の展示は前回の訪問時にかなりの量の絵画作品をご紹介済みです(記事はここにアップ済み)。今回は、まだ未紹介のなかで、saraiが気になるものをご紹介しましょう。

レオポルド美術館と言えば、まずこの人に登場してもらわないといけないでしょう。エゴン・シーレです。レオポルド美術館はシーレ美術館と改称してもおかしくないほど、世界最大のシーレ・コレクションを所蔵しています。それに今回の旅では、遂にシーレが生誕し青少年期を過ごしたトゥルンTullnにまで遠征しましたしね。
彼の気取ったポーズの写真も大目に見ましょう。彼は根っからのナルシストですね。


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まだ見ていない作品を発見しました。シーレ25歳、つまり死の前年に描いた《ラヴメーキング》です。日本語には翻訳し難いです。この絵は、紙の上に鉛筆とグワッシュ(水彩絵の具の1種)で描いたものです。


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次の絵は、既にご紹介済の「ヴルタヴァ川に面したクルマウ(チェスキー・クルムロフ)」です。23~4歳頃の作品です。クルマウ(Krumau)というのはチェスキー・クルムロフČeský Krumlov(チェコ語)のドイツ語での表記です。


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何故この作品を再度ご紹介したかというと、この絵の横にチェスキー・クルムロフの写真が展示してあったからです。この写真に似た風景ということなのでしょう。


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この写真は明らかにチェスキー・クルムロフのお城の塔の上からの写真です。そして、橋の右手の建物は昨年saraiが泊まったホテルなんです。最上階の建物の角のバルコニーのある部屋が、その時宿泊した部屋です。偶然この光景を発見して驚きます(チェスキー・クルムロフ訪問時の記事はここ)。

クリムト、シーレとくれば、次はココシュカの登場です。
これは《自画像》です。


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ここで忘れてはならないのが、「トレクロッチ峠-ドロミテの風景」です。イタリアのアルプスに当時の恋人アルマ・マーラーと旅したときの作品です。この翌年には彼らは破局を迎え、感動的な傑作「風の花嫁」が生まれます。


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saraiはスイスのバーゼルまでわざわざその「風の花嫁」を見に出かけ、とても感動しました。その「風の花嫁」の背景に描き込まれているのが、この「トレクロッチ峠-ドロミテの風景」の山岳です。


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saraiは今でも「風の花嫁」を見たときの感動が忘れ難く、2か月後の旅でスイスのバーゼルを再訪することにしています。「風の花嫁」との再会がとても楽しみです。

他の画家の作品で気に入ったものをピックアップしてみましょう。

ハンス・マカルトの「ベスタの処女」です。色使いの綺麗な美しい作品です。このマカルトの美しい色使いは「色の魔術師」とも呼ばれ、クリムトが最初に影響を受けたと言われています。ハンス・マカルトはオーストリア19世紀の画家で、ウィーンの宮廷で活躍し、歴史画の大作を数多く描いたアカデミック美術を代表する画家です。


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ヨゼフ・マリア・アオヘンタラーの「小川の妖精」です。とても美しい絵です。アオヘンタラーはウィーン分離派の主要なアーティストの一人です。


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次はコロマン・モーザーの作品をいくつかピックアップします。コロマン・モーザーは19世紀末から20世紀始めにウィーンで活躍したデザイナーで、ウィーン分離派の一人。愛称はコーロ(Kolo)で、コーロ・モーザーとも呼ばれました。 実際、ここでの展示でも、両方の呼称が使われていました。

これは第13回分離派展のポスターです。実にモダンですね。


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これは「高い水平線のヴォルフガング湖」です。彼はデザイナーですが、画家でもありました。クリムトがアッター湖の風景を描いたように、彼は同じザルツカンマーグートのヴォルフガング湖の風景をよく描いています。しかも、クリムトが風景画を正方形のキャンバスに描いたことに影響されているようです。


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これは「洞窟のヴィーナス」です。人物画もよく描いています。


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これは「恋人達」です。少しシーレの影響が感じられます。


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次はリヒャルト・ゲルストルの作品を3枚ピックアップします。リヒャルト・ゲルストルは19世紀末から20世紀始めのごく短い期間に象徴主義の画家としての人生を燃焼させました。作曲家シェーンベルクの妻マティルデと深い仲になり、作曲家は苦悩し、画家は若干25歳で首吊り自殺してしまいました。

これは「ヘンリカ・コーンの肖像」です。死の年に描かれました。病的な作品ですね。


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これは「庭のマティルデ・シェーンベルク」です。問題の愛人ですね。これも自殺した年に描かれたものです。画家はどんな気持ちでこの絵を描いたんでしょうか・・・。
ちなみにマティルデ・シェーンベルクの旧姓はツェムリンスキーです。そうです。あの作曲家ツェムリンスキーの妹なんです。


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これは「グムンデン近くの湖畔の道」です。死の前年に描かれました。アッター湖の近くのグムンデンでの作品です。これもクリムト風に真四角な風景画です。
グムンデンも2か月後の旅で訪れる予定の街です。


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ゲルストルについては、もう少し取り上げてもいいかなとも思います。そのうちに気が向いたら、またご紹介しましょう。なお、シェーンベルクがこの時期に「弦楽四重奏曲第2番」を書いています。ソプラノ独唱付きの変わった楽曲です。シェーンベルクが妻の不倫に心を乱されて、エモーショナルになって作曲したと言われています。興味のあるかたは、ラサール弦楽四重奏団の素晴らしいCDが出ていますので、聴かれてみてはいかがでしょう。

  新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集:ラサール四重奏団(4CD)

十分にレオポルド美術館の鑑賞を終え、ムゼウムシュクヴァルティアーの中庭に出ます。相変わらず、若者達で賑わっています。美術館の中では、ココシュカとアルマの愛の苦悩、ゲルストルとマティルデの愛の苦悩が渦巻いていましたが、若者達は青春を謳歌しているようです。


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次の目的地に向かいます。


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ウィーンで音楽三昧:楽友協会のステージ上で聴くティーレマン指揮ウィーン・フィル

2012年4月20日金曜日@ウィーン/6回目

またまた、レオポルド美術館Leopold Museumで思いっきり楽しみました。
次は、ウィーン・フィルの事務局に再度向かいます。どうしてもsaraiはウィーン・フィルのネクタイが欲しいんです。昨日は1人で買いに行ったのに、既に閉店していましたからね。今日は営業しています。でも、ネクタイは陳列ケースには並んでいません。係の人にネクタイは?と聞くと、ありません!と無情なお返事。Hさんは、あると言ったのに・・・すごすごと退散です。(その後、ウィーン・フィルの来日ツアーのとき、来日記念グッズのなかにネクタイを発見し、購入。ウィーンでは買えなくても東京では買えます!)

まだ3時ですが、ホテルに戻り休養しましょう。今日の席は、なんとオーケストラと同じ舞台の上なんです。そんな所まで観客席にするのかと驚きですが、楽友協会Wiener Musikvereinではいつもそうなんです。誰も見ていないとは思うけど、普通の観客とは相対するわけで、配偶者は居眠りも出来ないと緊張しています。そのため、たっぷりお昼寝をしてから出かけようというわけです。

ホテルに戻り、部屋に行く前に、習慣となっているビジネスサービスセンターにちょっと寄り道します。


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このガラス戸を開けて中に入ります。最初はちょっとどきどきしながら入りましたが、今や勝手知ったるところで、堂々と入ります。


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中には数台のPCが整然と置かれ、レーザープリンターも利用できます。ここでのインターネットでの調べものやちょっとしたプリントがsaraiの日課です。


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ビジネスサービスセンターでの日課を終え、ロビーを抜けて部屋に戻ります。5つ星ホテルは、ビジネスサービスセンターもロビーも空いていて快適です。


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さて、部屋では、お湯を沸かしてサービスされているコーヒーを淹れ、お菓子の残りを片付けましょう。旅も残り少なくなり、もう食べる機会もなさそうですからね。


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そうそう、このホテルは冷蔵庫の中に入っている飲み物は無料で飲み放題です。毎朝しっかり補充してくれます。太っ腹なホテルに、感謝!
ホテルで、配偶者はしっかりお昼寝、saraiはブログ書きの後お昼寝です。と、激しい雷の音で目が覚めます。まさに夏の夕立です。ウィーンは、冬の寒さから春を飛び越えて夏の気配ですね。突然の雨に窓の外を眺めていて、大発見です。窓から見下ろす市民公園Stadtparkの中にキラキラ光るものが・・・ヨハン・シュトラウスの像です。木立の中に見えていたのですね。


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よく見えないでしょうから、ズームアップしてみましょう。


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右手の方には、シュタットパルクの緑の先の建物群の向こうに、これから出かけるウィーン楽友協会があります。


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左手の方には、工事中のウィーン・ミッテ駅Wien Mitteも見渡せます。


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さあ、お昼寝で頭もすっきりしたところで、ウィーン楽友協会に出かけましょう。止みかけの小雨の中を、傘をさして出かけます。なんだかんだ言っても、この旅ではじめて傘を広げます。
楽友協会のグローサーザールに入り、恐る恐るステージ上に上がります。そこが今日の座席ですからね。本当にすぐ横では、ウィーン・フィルの楽団員が練習をしています。こんなところで聴いて、いいんですね。


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観客席を眺めると、まるでこちらが演奏者になったみたいで、変な感じです。


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このステージ上の席で、ティーレマン指揮ウィーン・フィルでシューマン尽くしのコンサートを聴きました。大変素晴らしいシューマンで、心の底から音楽の悦びを感じました。今や、ティーレマンとウィーン・フィルのコンビは音楽的に最高の水準に達しているという実感です。楽友協会のホールと相まって、素晴らしい音楽です。これ以上の音楽を聴くことはできないと思えるほどです。このコンサートについての記事はここにアップ済みです。

配偶者のお隣は、大阪から1人で来られた女性です。年に1度、音楽を楽しみに出かけてきているとのこと。皆さん、趣味とは言えよく頑張りますね。この方とは明日もご一緒です。(その後、彼女とはすっかりよいお友達になりました。)

コンサート後、既に雨の上がった中をHさんやほかのお友達とカフェ・ムゼウムCafé Museumに移動し、おおいに盛り上がります。ここにも、シュパーゲルがメニューに並んでいて、シュパーゲルも堪能します。

まず、サラダ。


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それから、スープ。


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これはフライ。シュパーゲル尽くしです。


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明日もティーレマンとウィーン・フィルを楽友協会で聴きます。もちろん、今日と同じプログラムです。夜はフィルクスオーパーVolksoperでオペレッタ《チャルダッシュの女王》です。ヨイ・ママンで盛り上がりそうな予感です。

今日の歩数は11,887歩でした。それほどは歩きませんでしたね。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

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