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梅雨の時期に行く京都の旅:美しき日本庭園の無鄰菴

2012年6月27日水曜日@京都/1回目

梅雨の時期の京都の旅、4日目です。
今日も晴れています。雨を覚悟の旅だったのに有り難いことです。やはり雨は歩きづらいものね。
京都らしく、リゾートマンションの庭も綺麗な和風庭園で茶室まで付属しています。


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今日は近場の南禅寺で、インクラインを見ましょう。配偶者が気になってしょうがないようですから。南禅寺は、リゾートマンションからすぐそこです。
今夜は新幹線に付いてきたおまけのホテルに移動するので、荷物を片付けチェックアウトします。南禅寺に向かう途中に、山形有朋の別荘の無鄰菴(むりんあん)があります。ちょっと寄ってみましょう。


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無鄰菴の詳しい説明がありました。山形有朋が地元の長州に建てた草庵が隣家のない閑静な地にあったことから、この名が付けられたそうです。もちろん、無鄰菴の名のついた別荘は長州にあった草庵でしたが、山形有朋はその名が気に入ったのか、彼は別荘にその名前を付け、ここにある無鄰菴は正式には第3無鄰菴です。しかし、今では無鄰菴と言えば、この第3無鄰菴のことを指すようです。
庭は平安神宮の庭を作庭した小川治兵衛が手掛けたそうですから、期待できそうですね。


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その期待どおり、入ってビックリ素晴らしいお庭です。お寺の庭園とはどこか雰囲気が違います。


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庭の中央には水の流れがあり、とても綺麗です。


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その庭園にぴったりの木造の2階建ての日本家屋も立派です。


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この日本家屋に寄り添う青もみじが美しい彩りになっています。


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庭はなかなか広く、ゆっくりと散策が楽しめます。在りし日の山形有朋もこうして庭を巡ったのでしょう。


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庭の奥の方から見ると、日本家屋の美しさが分かります。


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庭は水を中心に石と緑をたくみに組み合わせた作りになっていて、水辺を気持ちよく歩くことができます。動きながら、風景の変化を楽しむ趣向になっているようです。


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それにしてもこの庭には豊富な水とそのまわりの開放的な芝生があります。お寺の庭との大きな違いです。同じ池泉回遊式庭園といってもこちらは広々とした空間に広がる浅い池が特徴となっており、近代的な日本庭園です。


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その水の流れの源にたどり着きました。滝のように水が流れ落ちています。琵琶湖疏水の水を引き込んでいるようです。やはり、明治の元勲たる山形有朋の権勢の大きさを感じます。


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敷地の片隅には白壁の洋館もあります。ちょっと寄ってみましょう。


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中に入って、2階への綺麗な階段を上ります。


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2階には豪壮な狩野派の壁画に飾られた立派な洋間があり、古びた応接セットが置いてあります。ここで日露戦争前夜の外交方針を決めた無鄰菴会議が行われたそうです。メンバーは山形有朋のほか、伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎の4人という錚々たるお歴々です。ここに日本の歴史のひとこまがあったんですね。


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1階に下りると、そこは重い扉のある蔵になっていました。


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純然たる和風庭園と洋館の組み合わせ、まさに和洋折衷ですが、saraiの目から見ると、この洋館は歴史的な価値はさておき、美的センスでは今一つでした。
洋館を出て、庭に馴染んで立っている石灯篭の見事さに惹かれました。この無鄰菴はあくまでも日本的な美の世界です。


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ところで、この無鄰菴の細い路地を隔てたお向かいには、なんと京懐石の有名店瓢亭の本店との暖簾がでてます。が、崩れ落ちそうな古い平屋の建物で、古々しい土間の台所で大勢の男の人が忙しそうに動いています。どこで食事をするのかも想像出来ません。ちょっと外に出てきた若い職人風の人に訊いてみると、間違いなくここが瓢亭本店で、隣りに続く別館でお食事を頂くそうです。是非どうぞと言われましたが、敷居が高過ぎるとお断りしました。


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この後、南禅寺のほうに歩きますが、それは次回で。


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梅雨の時期に行く京都の旅:金地院の特別拝観で出会った長谷川等伯の襖絵に感銘

2012年6月27日水曜日@京都/2回目

思いがけず無鄰菴の美しい日本庭園に出会えて、またまた京都の奥深さを知ることになりました。次は南禅寺の方に向かいます。
無鄰菴の塀に沿って歩きますが、その塀のどこまでも続くことにびっくりです。あの広い庭園がこの塀の中にあるのですから、当然といえば当然ですね。


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途中、琵琶湖疏水の流れを通り過ぎます。その疏水に沿って、打ち捨てられたような線路が伸びています。もしや、これはこれからめざしているインクラインの一部でしょうか。半信半疑のままその場を通り過ぎます。後で、これがやはりインクラインだったということを知ることになります。


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やがて、先の方に南禅寺の入口が見えてきました。左手は大駐車場になっています。今日は車はがらがらです。


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南禅寺に行く前に、南禅寺の塔頭の金地院にも立ち寄ってみましょう。道を右に折れて進みます。綺麗な通りが続いています。


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金地院の手前に特別拝観中の立て看板がありました。おっ! 何と長谷川等伯の襖絵が見られるようですね。京都で一番見たかった長谷川等伯の襖絵が見られるとは、何とラッキーなんでしょう。思いがけない情報で小躍りしながら金地院をめざします。


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金地院の門をくぐりますが、金地院の入口はこの通りの先です。


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金地院の塀垣に沿って、進みます。


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金地院の入口の門に着きました。早速、受付に向かいます。


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見られるなんて期待もしていなかった長谷川等伯の襖絵の特別拝観です。受付で再度確認すると、今から特別拝観の案内が始まり、そこではやっぱり長谷川等伯の襖絵も見れるとのこと。京都のお寺にはさりげなくとんでもないものがありますね。慌てて特別拝観料を払い中に入ります。客は少なく、sarai達2人を含めてたったの4人。方丈の奥の書院に通してもらい、丁寧な説明を受けながら見てまわりますが、どれも素晴らしいです。特に長谷川等伯の襖絵の「猿候促月図」、「老松」は見ごたえのある作品でした。「老松」は2年前の東京国立博物館での長谷川等伯没後400年の大回顧展にも出品されていたとのことで、saraiも見た筈ですが、あの大回顧展は膨大な作品群に圧倒されたので明確な記憶がありません。というよりも「松林図」を見た衝撃が強過ぎて、ほかの作品はすべて忘れ去ったというのが真相なんです。そのときの記事はここです。「猿候促月図」は初めて見る作品ですが、長谷川等伯のお猿さんの水墨画は見ているので、初めて見た感じはしませんでした。もちろん、素晴らしい作品です。いずれも内部での撮影は禁止なので、肉眼だけで脳裏にしっかりと刻みつけました。
特別拝観の最後に小堀遠州作の茶室「八窓席」を見ました。京都三名席のひとつだそうです。色々な講釈を聞きましたが、はっきり言って、茶道の心得のない無粋なsaraiには茶室の良し悪しはあまり分かりません。日本文化の粋だということで、素直に受け入れました。
最後に通常拝観ルートに戻り、小堀遠州作の枯山水の庭園です。鶴亀の庭です。何と豪壮でスケール感に満ちた石庭なんでしょう。非常に感銘を受けました。


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方丈の広間から濡れ縁に出て、全体の庭園を鑑賞しました。とても広大なので、1枚の写真に収めることが困難です。まずは正面の真ん中部分を撮影しました。


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これでは左右が切れて、庭園の広大なスケール感がなくなってしまいます。ちょっと工夫をして、濡れ縁の右側に移動して、そこから斜めに庭園の全体を撮影するようにしてみました。かなりこの庭園のイメージが表現できたように思われます。


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ついでに今度は濡れ縁の左側に移動して、やはり斜めに撮影してみました。


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特別拝観の案内の後は、通常公開されている金地院の境内を見て回ります。それは次回で。


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梅雨の時期に行く京都の旅:金地院の境内散策

2012年6月27日水曜日@京都/3回目

金地院の特別拝観の後は、お庭全体を見て回りましょう。まず、弁天池を見ます。


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池には蓮の花が開き、何と半夏生の花が咲いています。今日は、この後で、目下特別公開中の建仁寺の両足院に半夏生を見に行く予定なのですが、ここで見れちゃいましたね。


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次は金地院の中にある東照宮の方に向かいます。金地院はもともと室町時代に北山に開かれましたが、慶長年間に有名な金地院崇伝がこの南禅寺塔頭に移しました。金地院崇伝というと、怪僧ラスプーチンを連想してしまうくらい政治に深く関わった僧侶で徳川家康に近く交わりました。そういう関係でしょうか、家康の遺髪と念持仏を祭った東照宮を造営したようです。お庭を辿る径は苔の間を抜ける美しいものです。


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簡素な門を抜けると、石を敷き詰めた広い路に出ます。


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石畳の路の両側は緑にあふれ、今は季節の花のアジサイが綺麗です。


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この路をまっすぐ進むと鳥居が見えてきました。東照宮への入口でしょう。


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東照宮への門の前に出ました。東照宮は金地院の庭の奥まった森閑としたところに鎮座しています。観光客も見当たりません。


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東照宮の拝殿です。実に古びています。金箔の跡が残っていますから、日光東照宮のようにさぞやピカピカ光り輝く建物だったんでしょう。建物の造りはもちろん権現造り様式で京都で残る唯一の権現造り様式の建物だそうです。


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拝殿の中を覗き込むと、天井に素晴らしい龍の図があります。この鳴龍は加納探幽の筆によるとのこと、さすがに名人の筆です。


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東照宮はお寺の境内とは思えないほどの深い緑に囲まれています。


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東照宮を出て、さらに境内を巡ります。実に広大な敷地です。


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開山堂の建物がありました。これは以心崇伝の塔所(たっしょ)です。塔所というのは、簡単に言えば住職の墓所のことです。


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開山堂の先に進むと、また方丈に戻ってきました。方丈の建物の外側から枯山水の鶴亀の庭を眺めてみました。側面から眺めても見事なお庭です。


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お庭の方から方丈の中を覗いてみました。建物も豪壮です。


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方丈の入口前に出ました。ここから特別拝観が始まったところで、奥の書院に通じる廊下の手前には立ち入り禁止の札が立っています。


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方丈の横手に回りこみました。ここは書院のあたりでしょう。もちろん障子戸がしっかり閉まっていて、中はまったく見えません。この中に長谷川等伯の素晴らしい襖絵があったんですね。


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そろそろ、金地院を出ましょう。方丈から少し離れたところで方丈の全景を撮影しました。この方丈は重要文化財です。


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方丈の前には明智門があります。これは明智光秀が母親の菩提を弔うために大徳寺に建立した門ですが、明治初年に金地院に移設されました。


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いよいよ南禅寺に向かいます。それは次回で。



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梅雨の時期に行く京都の旅:南禅寺の水路閣、そして、インクラインって?

2012年6月27日水曜日@京都/4回目

すぐに南禅寺に着きました。金地院はそもそも南禅寺の塔頭ですから、南禅寺の境内みたいなもので、すぐ近くでした。そういう意味では、今朝最初に行った無鄰菴だって廃仏毀釈の前は南禅寺の境内だったそうで、南禅寺はとんでもなく大きく立派なんですね。南禅寺の入口の門はそういう大きな寺にしてはこじんまりとしています。


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境内にはいるとすぐに有名な三門の堂々たる姿が目に入ります。


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正面に回ってみます。実に巨大な建造物です。


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三門の下をくぐります。三門の先には広大で緑にあふれた境内が見通せます。


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三門をくぐった後に三門のほうを見ると、三門参拝の入口があります。三門の上に上れるようです。三門の上には仏像も置いてありますが、それは公開していないでしょう。今回は南禅寺よりもインクラインがお目当てなので、参拝はパスします。


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南禅寺の境内は苔むした立派なお庭になっています。


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それにこの時期は緑の美しいこと、素晴らしい限りです。


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南禅寺の法堂です。これまた立派な建物です。


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南禅寺そのものはこれくらいで切り上げて、一番奥の疏水路に向かいます。いきなりお寺の境内に現れる疏水路。すごい建造物ですね。


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まるでローマ時代の水道橋みたいです。あちらからもこちらからも眺めてはパチリ。


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これは正確には水路閣というんだそうです。


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この水路閣の上がどうなっているのかとても気になり、高台に上って眺めてみようと坂道を上がります。かなり上部が見てきましたが、まだまだ。


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水路閣の横の坂道をずっと上っていくと、最上部に達することができそうです。


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やっと水路閣の上を覗きこむことができました。運河のような水路になっています。


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その端は山の中のトンネルにはいっていきます。


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ここで大きな疑問が頭に渦巻きました。saraiの理解では、これはインクラインの一部で琵琶湖と京都の間を船が行き交う水運の運河になっている筈です。あの狭いトンネルをどうやって船が通れるのか不思議です。これは徹底的に解明しないと気持ちが悪いです。
次回はその答えを求めて、インクラインを巡る大冒険の巻です。


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梅雨の時期に行く京都の旅:水路閣の先に見つけた巨大な水力発電所

2012年6月27日水曜日@京都/5回目

南禅寺の水路閣を見ているうちに、琵琶湖疏水とインクラインについての調査に対する気持ちがふつふつと沸いてきました。いったん水路閣の下に戻り、水路閣の素晴らしいアーチを眺めていると、ますますその気持ちが強まってきました。


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先ほど上った水路閣とは逆の方に上って、上流の方の水路閣の上に出ることができました。この水路の両側は狭い通路になっており、水路に沿って歩くことができそうです。


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水路に沿った通路をどんどん歩いて行くと、周りは山になってきました。


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水路の中の水の流れはなかなか豊かです。


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さらに水路に沿って進んでいきます。


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この水路は高台を流れているので、下に岡崎から京都の街の中心の方が眺め渡せます。


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一番はずれの行き止まりのところまでやってきました。そこにあるトンネルを眺めていると、ではその先は?とついつい気になりますが、水路の山側を歩いていたのでこれ以上は進めません。でも、水路の崖側の通路に渡ると右側の方に回り込めそうです。水路は結構幅が広いので、跳び越えることは不可能です。


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一瞬あきらめかけましたが、ここでインクラインの謎(この水路をどうやって船を通すんでしょう?)をうやむやにしたくありません。水路の途中まで戻り、水路を渡れる橋から崖側に出ることにしました。
崖側の通路に迂回して、この行き止まりを回り込むと、何と水路は行き止まりと思った地点から直角に曲がる水路が続いていました。この直角に曲がる水路は絶対に船は通行できません。一体、どういうことでしょう?


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頭の中は疑問符いっぱいでこの水路をさらに進むと、びっくり!! 水路の先に何か巨大な施設があります。


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これは、表示を見ると水力発電所です。疏水とインクラインと水力発電所・・・ますます、訳が分からなくなりました。


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水力発電所の巨大なパイプが伸びています。


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大きなチェーンを巻きあげながら、動いているものもあります。水力発電所の設備の一部でしょうか。


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水力発電所の横を通り過ぎました。


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水力発電所の先は公園になっていて、そこにsaraiには謎に思えたことに対する答えの一部が書かれた石碑が建っていました。


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そもそも琵琶湖疏水は、明治の初めに若き技術者であった田辺朔朗の努力で人力による土木工事でトンネルを掘り、大工事を完成させたそうです。そして、その疏水の水を使った我が国最初の水力発電所をこの蹴上の地に作り上げたそうです。なんと、米国アスペンの水力発電所を参考にした世界で2番目の水力発電所ですっ。これらを外国人技術者の指導なしに、学校を出たての20代の青年技術者の田辺がすべてをなしとげたとのことです。同時に我が国初の路面電車も走らせたそうですから恐れ入ります。その田辺博士の像も建っていました。


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saraiも同じ技術者として、日本の土木技術を開拓した先駆者に敬意を抱くとともに、その努力と素晴らしい実績に大いなる感動を抑えきれませんでした。

ところでインクラインはどうなったのか・・・これについてはsaraiがひどい誤解をしていたのですが、それについては次回で。


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梅雨の時期に行く京都の旅:すべて氷解したインクラインの謎

2012年6月27日水曜日@京都/6回目

インクラインって何なのか・・・これは次に見つけた琵琶湖疏水の説明板に詳しく書かれていました。


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ここ蹴上の船溜りと南禅寺の船溜りの間の傾斜に線路を作り、その線路の上に船を乗せた台車を巻き上げたのがインクラインだということです。このインクラインを挟んで、琵琶湖と蹴上の間の水路と、南禅寺の船溜り(水路閣とは別のところ)から鴨川の間の運河を船が航行したということですね。ですから、南禅寺の水路閣はあくまでも琵琶湖疏水のひとつの水路であって、インクラインとはつながっていなかったんです。また、インクラインで台車をワイヤーで引き上げる動力にも水力発電で得た電気が使われたそうです。素晴らしいシステムだったんですね。大きな導水管も展示してありました。


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坂道に敷設されたインクラインの線路も残っていました。


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インクラインの説明板もあり、すべての疑問が氷解しました。


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南禅寺の水路閣やインクラインについて、まったく誤解していました。というか、先人の偉大な業績をまったく理解していませんでした。己の無知を恥じるばかりです。
インクラインを通行した台車も船を乗せた姿で展示されていました。


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この木造船は復元したものだということです。


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木造船を乗せた台車は真横から見たほうが様子が分かりやすいです。これがインクラインの正体だったんですね。


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インクラインの線路につながる疏水の水路を跨ぐ橋がちょうどいいところにありました。この橋の上からインクラインの様子がよく見えるでしょう。


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橋の上から見た水路とインクラインの眺めです。水路からインクラインの線路が伸びているのがよく分かります。こうやって、水路を航行してきた木造船が台車に乗せられて、この蹴上と南禅寺の低地との間を行き来していたんです。昔の姿が偲ばれます。


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橋から水路の逆の方向を眺めてみます。


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水路はトンネルの中に消えていきます。こうやって、船は琵琶湖方面に進んでいけるようです。


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南禅寺にインクラインを見るために出かけて、そこでは水路閣を見て、さらに導かれるように疏水の水路沿いを歩き、蹴上に辿り着き、水力発電所の存在に驚き、その先でインクラインの真実を知ることになりました。
琵琶湖疏水はトータルなシステムとして作り上げられていて、この蹴上まで琵琶湖から水を引いてきて運搬に利用し、その後は発電や疏水として利用したんですね。南禅寺の疏水を始め、哲学の道の疏水や鴨川に流れ込む疏水など京都の街中のあちこちでその色々な姿に出会うことになるようです。

面白いものを眺めて随分遠くまで歩いてきてしまいましたが、いったいここはどこなのでしょう。地図を調べると、幸いにも近くに地下鉄の蹴上駅があるようですから、そこから地下鉄で三条京阪まで出ましょう。疏水を跨ぐ橋に別れを告げ、橋から続く坂道を下っていきます。振り返って、最後に橋を眺めました。疏水・インクラインを巡る旅はおしまいです。


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坂道の先に大きな道路が見えてきました。この道路の下に地下鉄が走っているんでしょう。


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広くて立派な道に出ましたが、地下鉄の駅がどこにあるのか分かりません。結果的に逆の方に歩いてしまいました。


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そこにあった広大な施設は蹴上の浄水場でした。配偶者がここの警備員の方に駅の場所を訊きにいってくれました。


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駅に向かう途中、浄水場の中の浄水設備の一部が見えました。


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やっと蹴上の駅に着きました。ほっ・・・疲れた!


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ここでまた、びっくり。通りの反対側に目をやると、インクラインの高架線と思われる煉瓦造りのものが見えました。


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地下鉄東山線に乗って、三条京阪に向かいます。この後も京都散策は続きますが、それは次回で。



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梅雨の時期に行く京都の旅:両足院の半夏生の花をめざすものの・・・トホホ

2012年6月27日水曜日@京都/7回目

インクライン巡りの果てに地下鉄東山線の蹴上駅に辿り着き、そこから地下鉄に乗って三条京阪駅に着きました。なんだかんだ言っても、またまた三条京阪に来てしまいました。何度ここを通ったことでしょう。地上に出ると、昨日も利用したレストランエリアです。saraiの目がラーメン屋の山頭火から離れません。京都に来てまで・・・と思いつつも、ラーメン好きは吸い寄せられるように暖簾をくぐって店内へ。美味しく旭川ラーメンを頂いてしまいました。
saraiは味噌ラーメンです。首都圏で山頭火に行くときはいつも食べる味噌ラーメン。まさか、京都で食べることになるとはね。


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配偶者は塩ラーメンです。


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さて、今日のお目当ての建仁寺両足院に向かいましょう。両足院では半夏生の花が綺麗に咲いているとの情報です。ここからはブラブラ祇園を抜けていけば良さそうです。それも京都らしくていいですね。大和通りを抜けていきます。この辺りでは大和通りは縄手通りという名前になっています。


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ただ、祇園といってもこの通りは至って普通の通りです。


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少し歩くと祇園新橋の通りです。この通りは祇園の風情がありますね。


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少し先には祇園の花街のある白川南通りがあります。水路沿いの緑も綺麗です。


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この辺りからお店が多くなり、鰻と京料理のお店の梅の井もありました。残念ながら、もうお昼はラーメンをいただいたのでパスです。


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やがて四条通りに到着しました。目の前には舞妓さんがいます。後ろ姿を拝ませてもらいました。


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建仁寺が近くになったかなと思う頃、突然人が増えました。この人たちに付いて行けば間違いなく目的地に着けそうな気がしますが、イヤな予感もします。途中で人の流れと離れて、横手から建仁寺に向かいます。建仁寺の境内の中の通りです。


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建仁寺もとても立派で大きなお寺で、境内はとてつもなく広いです。大きな法堂の前に出ました。


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この建仁寺の境内の中に両足院はあるのですが、場所がよく分かりません。しかし、人の流れを観察すると、その流れに付いて行けば迷うことなく着けそうです。やはり、到着できました。


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早速、受付に向かいましょう。着物を着たご婦人がぞろぞろと歩いています。これは少しやばいかな・・・。


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やはり受付では文化を訪ねる会とか何とかの団体客でごった返していて、大騒ぎです。入口近くからお庭の様子を窺いますが、花はチラホラの感じ。


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既に金地院で半夏生の花とは出会えたし、もうそれで十分ですね。この騒々しさの中で味わうものはなさそうな気がしました。引き返しましょう。京都のこんな有名なお寺の庭を静かに自分達だけで楽しみたいというのはわがままでしょう。今回の旅で、今まで美しいお庭を静かに味わえたのは梅雨の時期だからこそのことで、今までが幸運だったのかもしれませんね。それでも両足院の入口をちらっと恨めしそうに眺めながらの撤退です。


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広大な建仁寺の境内を歩き、建仁寺の門を出ました。


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いったんリゾートマンショに戻ることにします。この後は次回で。




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梅雨の時期に行く京都の旅:ハートンホテルでいただいた京懐石・・・食べ過ぎかも!

2012年6月27日水曜日@京都/8回目

両足院では半夏生の花を見ることもなく、すごすごと撤退し、また、四条通りまで戻ってきました。南座の建物が見えます。一度はここで歌舞伎を見てみたいものです。学生時代は高根の花で歌舞伎など見る余裕はありませんでしたからね。


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四条大橋までやってくると、またまた、舞妓さんの姿を見かけました。これぞ、京都ですね。


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さあ、四条大橋を渡って、河原町に向かいましょう。四条大橋を渡るのも40年ぶりです。


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四条大橋からの鴨川の眺めです。


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四条河原町のバス停から昨日も乗った平安神宮行きのバスでリゾートマンションに戻ります。途中、疏水の流れで可愛いカモを見かけました。


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リゾートマンションで預けておいた荷物を受取り、地下鉄で今夜のホテルに移動です。ホテルは三条御池にあるハートンホテルです。思ったよりも立派なホテルでびっくりです。
チェックインして部屋に入りましたが、旅も4日目。毎日結構な距離を歩きまわり、かなり疲れがたまってきました。というわけで、saraiはお昼寝です。その間、配偶者が頑張ってブログの記事を書いてくれています。
頃合いの時間になって、saraiも起き出して、夕食の検討です。なかなか、いい案がなく、配偶者の提案で、手軽にホテル内の京料理のレストランに行くことにしました。これがなかなか、正解でした。そこそこの料金で京懐石をいただくことができます。
まず、先付けの湯葉をいただきます。ウニとワサビがのっていて、大変美味しいです。


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次は2段重ねの料理に驚かされます。


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上の段は色々な料理の京のおばんざいです。これは見ても食べても楽しいです。


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下の段はお造りです。新鮮な魚に舌鼓です。


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てんぷらも運ばれてきました。


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煮物です。


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ごはんはじゃこごはんでした。


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最後にデザートで〆。


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満腹でまた肥満が心配になりますね。食後、ホテルの周りの夜の通りを歩いて腹ごなしをしました。お疲れモードなので、早々にホテルに引き揚げました。


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明日はいよいよ京都の最終日。どこに行こうかな。



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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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