梅雨の時期の京都の旅、4日目です。
今日も晴れています。雨を覚悟の旅だったのに有り難いことです。やはり雨は歩きづらいものね。
京都らしく、リゾートマンションの庭も綺麗な和風庭園で茶室まで付属しています。

今日は近場の南禅寺で、インクラインを見ましょう。配偶者が気になってしょうがないようですから。南禅寺は、リゾートマンションからすぐそこです。
今夜は新幹線に付いてきたおまけのホテルに移動するので、荷物を片付けチェックアウトします。南禅寺に向かう途中に、山形有朋の別荘の無鄰菴(むりんあん)があります。ちょっと寄ってみましょう。

無鄰菴の詳しい説明がありました。山形有朋が地元の長州に建てた草庵が隣家のない閑静な地にあったことから、この名が付けられたそうです。もちろん、無鄰菴の名のついた別荘は長州にあった草庵でしたが、山形有朋はその名が気に入ったのか、彼は別荘にその名前を付け、ここにある無鄰菴は正式には第3無鄰菴です。しかし、今では無鄰菴と言えば、この第3無鄰菴のことを指すようです。
庭は平安神宮の庭を作庭した小川治兵衛が手掛けたそうですから、期待できそうですね。

その期待どおり、入ってビックリ素晴らしいお庭です。お寺の庭園とはどこか雰囲気が違います。

庭の中央には水の流れがあり、とても綺麗です。

その庭園にぴったりの木造の2階建ての日本家屋も立派です。

この日本家屋に寄り添う青もみじが美しい彩りになっています。

庭はなかなか広く、ゆっくりと散策が楽しめます。在りし日の山形有朋もこうして庭を巡ったのでしょう。

庭の奥の方から見ると、日本家屋の美しさが分かります。

庭は水を中心に石と緑をたくみに組み合わせた作りになっていて、水辺を気持ちよく歩くことができます。動きながら、風景の変化を楽しむ趣向になっているようです。

それにしてもこの庭には豊富な水とそのまわりの開放的な芝生があります。お寺の庭との大きな違いです。同じ池泉回遊式庭園といってもこちらは広々とした空間に広がる浅い池が特徴となっており、近代的な日本庭園です。

その水の流れの源にたどり着きました。滝のように水が流れ落ちています。琵琶湖疏水の水を引き込んでいるようです。やはり、明治の元勲たる山形有朋の権勢の大きさを感じます。

敷地の片隅には白壁の洋館もあります。ちょっと寄ってみましょう。

中に入って、2階への綺麗な階段を上ります。

2階には豪壮な狩野派の壁画に飾られた立派な洋間があり、古びた応接セットが置いてあります。ここで日露戦争前夜の外交方針を決めた無鄰菴会議が行われたそうです。メンバーは山形有朋のほか、伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎の4人という錚々たるお歴々です。ここに日本の歴史のひとこまがあったんですね。

1階に下りると、そこは重い扉のある蔵になっていました。

純然たる和風庭園と洋館の組み合わせ、まさに和洋折衷ですが、saraiの目から見ると、この洋館は歴史的な価値はさておき、美的センスでは今一つでした。
洋館を出て、庭に馴染んで立っている石灯篭の見事さに惹かれました。この無鄰菴はあくまでも日本的な美の世界です。

ところで、この無鄰菴の細い路地を隔てたお向かいには、なんと京懐石の有名店瓢亭の本店との暖簾がでてます。が、崩れ落ちそうな古い平屋の建物で、古々しい土間の台所で大勢の男の人が忙しそうに動いています。どこで食事をするのかも想像出来ません。ちょっと外に出てきた若い職人風の人に訊いてみると、間違いなくここが瓢亭本店で、隣りに続く別館でお食事を頂くそうです。是非どうぞと言われましたが、敷居が高過ぎるとお断りしました。

この後、南禅寺のほうに歩きますが、それは次回で。
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