昨年はアップ記事数374。今年は昨年を上回る記事数、記事内容をめざします。ご期待ください。
年跨ぎは我が家恒例の横浜みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートです。昨年同様、娘夫婦と4人です。コンサートの前にはいつもちゃんとしたディナーをいただくことにしています。今回はちょっと足を伸ばし、中華街の有名店、聘珍樓本店でいただきました。オードブルから最後の杏仁豆腐までとても美味しいコースでした。まだまだ、時間がたっぷりあったので、中華街からみなとみらいホールまで山下公園沿いに歩いていくことにしました。腹ごなしにちょうどいいでしょう。大桟橋、赤煉瓦倉庫と過ぎます。赤煉瓦倉庫では特設リンクでアイススケートを楽しむ人達がいます。なかなかロマンチックな雰囲気です。コスモワールドの大観覧車もライトアップしてとても綺麗。橋を渡ると、みなとみらいホールです。もう、8時半くらいで既に開場しています。コートを預けて、ホールに入ります。今日は前から3列目に陣取ります。
このジルヴェスターコンサートは第1回以来、1回も休むことなく、もう10年以上も聴いています。
今回のキャストは以下です。
音楽監督:池辺晋一郎
指揮:飯森範親
司会:朝岡聡
ヴァイオリン:徳永二男、漆原啓子、漆原朝子
ピアノ:菊池洋子
ソプラノ:安藤赴美子
テノール:小原啓楼
管弦楽:横浜みなとみらいホール・ジルヴェスターオーケストラ
コンサートマスター:三浦章宏(東フィル)、扇谷泰明(日フィル)、藤原浜雄(読フィル)、石田泰尚(神奈フィル)、高木和弘(東響)、神谷未穂(仙台フィル)
かなり、ヴァイオリンの布陣が強力ですね。
今回のプログラムは以下です。
◆池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
◆ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
◆バルトーク:管弦楽のための協奏曲より 第2楽章
◆マスネ:タイスの瞑想曲
◆ヴェルディ:「運命の力」序曲
◆ヴェルディ:オペラアリア
「リゴレット」より、《女心の歌》
「椿姫」より、《ああそはかの人か》、《花から花へ》、《パリを離れて》、《乾杯の歌》
《休憩》
◆リスト:ラ・カンパネラ
◆アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 op.32 より 第3楽章、第4楽章
◆モーツァルト:2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190 より 第1楽章
◆ピアソラ :ブエノスアイレスの四季より “春”“秋”
◆チャイコフスキー:祝典序曲「1812年」Op.49
◆マックス・スタイナー:「風とともに去りぬ」より “タラのテーマ”(キャンベル・ワトソン編曲)
◆ベートーヴェン:交響曲第8番より 第Ⅰ楽章
◆J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲
プログラムで気になるところは、アレンスキーって誰でしょう。知りません。カウントダウン曲はチャイコフスキーの《1812年》です。どうしてでしょう? 子供の頃はよく聴きましたが、ずい分長い間聴いていません。また、何故、「風とともに去りぬ」が演奏されるんでしょう。色々と謎の多いプログラムです。
いつもの通り、現在はこのホールの館長をしている池辺晋一郎がこのジルヴェスターコンサートのために作曲したファンファーレからコンサート開始です。ドビュッシー、バルトークと進み、お馴染みの《タイスの瞑想曲》です。ヴァイオリンのソロは東京交響楽団のコンサートマスター高木和弘ですが、実に美しい響き。耳慣れたメロディーですがなかなかいいものです。続いて《運命の力》序曲です。久しく、オペラ《運命の力》を見ていないので、オペラのシーンを思い浮かべ、無性に見たくなります。続いて、ヴェルディのアリアです。テノールの小原啓楼は初めて聴きますが、明るい声でイタリア人のテノールのような響きで好感を持てます。これで高音が安定すれば、文句なしです。ソプラノの安藤赴美子も初めて聴きますが、日本人離れした声量でなかなかの逸材です。saraiとしてはソプラノの声に透明感を求めるので、そのあたりが残念なところ。また、もう少し、声をコントロールして、平板な歌にならないようにしてくれればとも思いました。いずれにせよ、大変な潜在能力を持った歌手なので、順調に育ってほしいものです。
休憩後はリストの超名曲からです。ピアノは菊地洋子で、この人も初めて聴きます。音のタッチはクリアーでsarai好みの音です。好演に感じました。もっとも配偶者は厳しく、予習したCDの美しい演奏には及ばないとのことですが、それもその筈、リストの大御所ボレットのCDですからね。続いてはアレンスキーです。ロシア人の作曲家とのことですが、ロシアではチャイコフスキーのピアノ3重奏曲《ある芸術家の思い出》が発表されて以降、ピアノ3重奏曲は故人へ捧げられる伝統があるそうで、この曲もそうした曲だそうです。今回選曲したのはこの曲を大震災の被害者の追悼にあてるためだそうです。そして、この曲も演奏もこの日最高のものでした。室内楽らしく、実にインティメットな曲・演奏で初聴きながら、感動しました。なかでもピアノの菊地洋子が全体のベースとなって演奏を支えていたことに強い印象を受けました。本当に音楽的な感性を持ったピアニストです。彼女はモーツァルトのスペシャリストとのことですから、リサイタルを是非聴こうと思いました。彼女からも紀尾井ホールでのモーツァルト・リサイタルの紹介があったので、早速、チケットを購入しました。2月のリサイタルが楽しみです。
続いて、モーツァルト、ピアソラと進み、いよいよ、カウントダウンにはいります。チャイコフスキーです。「1812年」を選曲したのは、200を足すと2012年になるからだそうです。なるほどね。飯森範親のまことに見事な指揮で、「1812年」は1秒と違わずにぴったり12時ちょうどに完了。会場はおおいに盛り上がりました。それに「1812年」は大砲の音がはいりますが、今どきですから、飯森範親の所有するサンプリング音源で凄いサウンドがスピーカーから流れ、同時にそのスピーカー(3カ所)のまわりに配置したライトがピカピカと光りました。「1812年」はこれくらい派手にやらなくっちゃあね。うん、納得!
新年にはいり、最初の曲は「風とともに去りぬ」です。これは日本で映画公開されたのが1952年で公開60周年だそうです。saraiとほぼ同じ年輪を刻んでいます。この曲を聴きながら、名文句「Tomorrow is another day」を思い出しました。色々あった1年ですが、明日に希望を持ちたいものです。続いて、ベートーヴェンの交響曲第8番です。10月にウィーン楽友協会でウィーン・フィルの演奏で感銘を受けたばかりです。この曲は1812年に作曲されたそうです。ちょうど200年前です。
最後は恒例のラデツキー行進曲で幕。
2011年最後のコンサートで2012年最初のコンサートでした。
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