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椿姫:トリノ王立歌劇場@文化会館 2010.7.29

さて、トリノ王立歌劇場の前日の「ラ・ボエーム」に引き続き、ヴェルディの「椿姫」を聴きました。

この「椿姫」では、ナタリー・デッセイが初めてヴィオレッタを歌うのが話題になっています。コロラトゥーラソプラノのデッセイが今までヴィオレッタを歌っていなかったんですね。
彼女はあまり日本に来ていないので、生で聴く機会も少ない人です。
saraiもデッセイのツェルビネッタを聴きたくて、7年ほど前にパリ・オペラ座まで出かけたことがあります。そのときは期待が大き過ぎて?、もう一つ、その歌唱に満足できなかった覚えがあります。
まあ、その前に聴いたグルベローヴァのツェルビネッタがあまりにも凄かったせいもあり、満足できなかったのかも知れませんね。ルチアやツェルビネッタを歌うグルベローヴァは素晴らしいというよりも恐ろしいくらい凄いですからね。

ともあれ、デッセイは現代を代表するソプラノの一人だし、何といっても、歌だけでなく、演技力、それも体当たり的な迫力には一目も二目もおかなければならないでしょう。
特に最近のMETでの活躍には、目を見張るものもあります。ルチアや「夢遊病の女」です。

で、そこそこ、デッセイのヴィオレッタはどうなるか、期待しつつ、上野の文化会館に出かけました。

予習ですが、これもさすがにパスしました。あまりにも有名なオペラで、これまでも、ずい分、聴きました。
それに昨年、ウィーンで聴いたネトレプコの「椿姫」の素晴らしかったこと。彼女のヴィオレッタの素晴らしい歌唱はまだ耳に残っています。

さて、今回の公演のキャストは以下。

 トリノ王立歌劇場(管弦楽団・合唱団)
 指揮:ジャナンドレア・ノセダ
 演出:ローラン・ペリ
 ヴィオレッタ:ナタリー・デッセイ
 アルフレード:マシュー・ポレンザーニ
 ジェルモン:ローラン・ナウリ
 フローラ:ガブリエッラ・スボルジ
 アンニーナ:バルバラ・バルニェージ
 ガストン子爵:エンリーコ・イヴィリア
 ドゥフォール男爵:ドナート・ディ・ジョイア
 ドビニー侯爵:マリオ・ベッラノーヴァ
 グランヴィル:マッティア・デンティ

まずは前奏曲がピアノシモで抑えに抑えて、始まります。
でも、saraiは抑えすぎに感じました。ピアノシモにしても、もっとクリアな響きがほしいところ。あの悲しくも美しい旋律はくっきりと表現したいものです。

が、そんなことを思っている間もなく、ヴィオレッタのテーマが始まると、早くも待ちかねたようにデッセイが登場。それも元気よく、奇声をあげたりします。
まだ、前奏曲ですよ!
はて、これは「椿姫」なのか?
デッセイはいつもの彼女らしく身の軽い仕草でステージを動き回ります。
これがデッセイのヴィオレッタですね。紛れもありません。
デッセイはデッセイであって、ヴィオレッタも一つの素材。
まあ、これもありかと納得し、思わず、笑ってしまいました。
「椿姫」以外の別のオペラを見ているような気分にもなりますが、面白いことには違いありません。
実に個性的なヴィオレッタですが、デッセイにしかできない表現でもあります。

そうこう思っているうちに早くも「乾杯の歌」。
アルフレード役のポレンザーニですが、声は出ていますが、声の質が軽く明るい感じで少し、この役には違和感があります。もう少し、重量感がほしいと感じました。
で、次はデッセイ。さすがに歌も演技もうまい。

一幕目後半になり、いよいよ、ヴィオレッタが一人になり、「ああ、そは彼の人か」、そして、続いて「花から花へ」。コロラトゥーラの聴かせどころ。
これもデッセイは奇麗な高音を聴かせてくれます。コロラトゥーラの節回しも素晴らしい。
ただ、中音域での声の透明感に欠けるのが惜しい。
このヴィオレッタ役は実に広い音域をカバーしなければならないことに今さらながら気がつきました。大変難しい役ですね。
まあ、トータルには、演技力も含めて、立派なヴィオレッタでした。

二幕目はジェルモンの活躍する場面が多いわけですが、ナウリは声量もあり、なかなかな歌唱。もう一つ、聴衆の心を鷲づかみする魅力がありませんが、まあ、十分といえば十分といえるのではないでしょうか。
デッセイはカジュアルな衣装でステージを駆け巡り、アルフレードに飛びついたり、まさに演技では彼女の独壇場。
こういうのはsaraiも嫌いじゃありません。
なかなかコケティッシュでいいかも・・・・

三幕目、ヴィオレッタが病で最期を迎えるクライマックスです。
二幕目の終りのパーティーのシーンから、そのまま移行します。
なかなか見事な場面転換です。
ヴィオレッタは女性たちに囲まれて、ステージ上でドレスから寝間着に着替えます。
そしてまた、この幕は今回の演出で一番こだわったところだと思われます。
それは、ヴィオレッタは誰にも見捨てられて、一人で死んでいくというものです。
実際はアルフレードもジェルモンもヴィオレッタのもとに駆けつけるわけですが、それはヴィオレッタの幻想だったという解釈の演出になっています。
で、ヴィオレッタの最期で、アルフレードとジェルモンがすっとステージから消えることで、それを強調しています。
この演出の意図はこのオペラの趣旨:過ちを一度おかした女は決して救われないということの延長線上で、そんなに無理があるとも思えませんが、ただ、今回の舞台を見た感じでは、そんなに成功しているとも思えません。
何故かというと、やはり、ヴィオレッタ一人の幻想ではなく、実際にアルフレードとジェルモンがヴィオレッタのもとに駆け付けたように見えるからです。
それにそんなにヴィオレッタを痛みつけなくてもいいのではとsaraiは優しく考えてしまいます。最期に死ぬ時くらいは救われてもいいのでは?

演出はどうであれ、ヴェルディの音楽の力は強烈でクライマックスの音楽的な迫力はいつも通り、泣かされます。

エンディング後、ステージに一人残ったデッセイは今回の演出に沿って、しおらしくカーテンコールを受けますが、えっと驚くサプライズ。
何と急に走り出して、ステージを元気よく去って行きました。
それって、一人幻想だけで見捨てられたヴィオレッタの役柄と違うんじゃないのって、びっくり。

まあ、いろいろありますが、結局は小柄でかわいいデッセイの個性的な表現のヴィオレッタに尽きてしまう「椿姫」で、面白かったことは間違いありません。

ですが、ネトレプコのヴィオレッタを「聴いて」しまうと、その素晴らしく美しい声の魅力には、デッセイの総合力をもってしても、対抗することが難しかったというのが正直な感想でした。

「椿姫」も多分、ネトレプコで封印かも知れません・・・

今回のオペラで、7月はオペラ・オペレッタの10回目の鑑賞となりました。
これくらい聴けば、満足です。
しばらくはオペラもコンサートも夏枯れでお休みです。
次の音楽会は9月初めの室内楽となります。
オペラは9月のロイヤルオペラの来日公演が楽しみ。
ネトレプコのマノンですからね。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/08/03 08:05
saraiさん、お帰りなさい。

ヨーロッパでオペラ三昧、帰国されてもオペラ鑑賞、まさにオペラづけですね。実に羨ましいです。

ネトレプコの「椿姫」は自分もDVDを持っていますよ。
歌もいいですが、何しろ色気が最高ですね。
美脚があらわになったりするとドキドキします。
おじさんには刺激的です。(笑)

2, saraiさん 2010/08/03 08:27
ハルくんさん、saraiです。

コンサートもいいですが、やはり、オペラは最高です。

ネトレプコの「椿姫」、ザルツブルグと違って、ウィーンは正統的?な演出で美脚はあらわになりませんよ(笑い)。あくまでも歌で勝負です。まあ、それでも姿や顔は美しいですけどね。
saraiも普通のおじさんですけど、ネトレプコはその美声に参っています。

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「ラ・ボエーム」トリノ王立歌劇場@文化会館 2010.7.28

スイス・オーストリアの旅から帰国し、1週間。

帰国直後から、3日間猛勉強し、日曜に電気工事士2級の試験を受け(まあまあの出来でした。大丈夫だと思いますが、結果はさてどうでしょう?)、その次の日から、上京した母と勝浦に1泊2日のドライブ旅行。

翌日から、来日したトリノ王立歌劇場の「ラ・ボエーム」と「椿姫」とばたばたした日程だったのと、時差ボケか旅行疲れか判然としませんが、特に夕方になると異常な眠気に襲われ、なんだか、落ち着かない毎日でした。

昨日、母を空港で見送り、今日はやっと余裕の1日。
リタイア後、ようやく、リタイアした実感がありますが、といっても、今日は土曜日。リタイアしてなくても休日なんですね。

ということで、やっと、3日前のトリノ王立歌劇場のプッチーニ「ラ・ボエーム」についての記事を書けます。

ミュンヘンの「フィガロの結婚」で聴いたばかりのバルバラ・フリットリをまた聴ける喜びで一杯でしたが、何せ、おかしな体調で、頭が茫然とした状態で夢の中で聴いたようなフリットリのミミでした。

さて、まずは予習ですが、このオペラはさすがに予習不要。というか、頭のなかにしっかりとミレッラ・フレーニのミミが住み着いています。生オペラで3回も聴いたし、ビデオやCDでも飽きるほど聴きました。
もっとも、もう生では聴けませんが・・・
もともと、フレーニのミミを聴くためにオペラにのめり込んだようなsaraiです。
ですから、飽きるほど聴いたといっても、今でも、ビデオ・CDで第1幕の愛の2重唱でフレーニの透き通った高音がテノールの声に重なってくるところでは、もう、うるうるになってしまいます。まるで、パブロフの犬ですね。
ということで、予習して感動にひたるのもよかったのですが、暇がなかったのと、またまた、フレーニのイメージが強くなりすぎるのもどうかと思ったので、予習を回避したわけです。
もちろん、フレーニ以外で聴く気はしないし・・・
(ネトレプコのミミだって、やっぱり、受け付けられませんでしたからね)

今回は大好きなフリットリが、既にフレーニで封印した「ラ・ボエーム」をどこまでこじ開けて、新たな見方を提供してくれるか、それだけが関心事だったわけです。

さて、今回のキャストは以下。

 トリノ王立歌劇場(管弦楽団・合唱団)、杉並児童合唱団
 指揮:ジャナンドレア・ノセダ
 演出:ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ
 ミミ:バルバラ・フリットリ
 ロドルフォ:マルセロ・アルバレス
 ムゼッタ:森麻季
 マルチェッロ:ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ
 ショナール:ナターレ・デ・カローリス
 コッリーネ:ニコラ・ウリヴィエーリ
 ベノワ/アルチンドーロ:マッテオ・ペイローネ

さて、いよいよ、第1幕です。
意外に?オーケストラはよく鳴っています。
指揮のノセダもおおきなてぶりで振っています。振りすぎくらいですが、オーケストラや歌手には分かりやすいかも知れませんね。ウィーンなんかでは、みんな自律的に合わせてしまうかもしれませんが、普通のオペラハウスはこれくらいクリアな棒さばきも必要かもしれません。
耳になじんだ旋律が流れ、もうプッチーニの世界です。
このあたりの雰囲気はなかなかいいですね。
最初登場するロドルフォとマルチェッロ。声量はもう一つですが、表現は上々。
ショナールとコッリーネも登場し、だんだんと雰囲気は盛り上がってきます。
べノワの登場も終わり、ステージには、ロドルフォだけ。

遂にフリットリ扮するミミの登場。地味な衣装をまとっていますが、なかなか美しい。最初の2人のやりとりでは、フリットリらしく、抑えた表現。
まずはアルバレスのアリアです。
なかなかリリックな歌声で好感が持てます。残念ながら、一番高音を張り上げる聴かせどころは空振り。まあ、仕方ないですね。今まで、生で満足した経験はないし、ビデオ・CDでも、満足したのは、パヴァロッティとライモンディだけ。

で、次にいよいよ「私の名はミミ」・・・
いつも最初は抑え気味なフリットリですが、ここは結構声が出ています。
うん、なかなかいい・・・!
でも、アリアの後半、もっと、声を響かせてほしかった。
まあまあの出だしでした。
1幕目いきなりのアリアはなかなか難しいですね。

第2幕はムゼッタに注目です。
ムゼッタは森麻季。ドレスデンの「薔薇の騎士」のソフィーでもなかなかの好演でしたので、期待できますが、ムゼッタは声量が必要なので、どうでしょう。
で、「ムゼッタのワルツ」は声量もあり、よい歌唱でした。森麻季はいいオペラ歌手になりましたね。これは今回の収穫でした。

第3幕、ここからが本当の聴かせどころ。
「ミミの別れ」、フリットリも全開モード。
いつもの素晴らしく透明な声です。
それに何といっても、この幕のフリットリはとても美しい。フリットリって、こんなに奇麗だったんだろうか・・・・
で、だんだん朦朧としてきた頭のなかでフリットリの声だけが響きます。
フリットリのミミはこのあたりになってくると、聖女ミミって感じで聴こえます。まさに清純無垢。
表現上、それがいいのかどうかは問題ではなく、これがフリットリの世界。
満足です。
結果的にこの幕が一番よかった。

第4幕、死にゆくミミ。
フリットリは表現上、その状況に合わせて、かなり抑えた歌唱でした。
でも、saraiとしては、状況は無視しても、もっと歌いあげてほしかった。
まあ、悪くはありませんでしたが、若干、オペラを聴く立場としては欲求不満気味。
それでも、ミミの死はロドルフォだけでなく、saraiも悲しかった。
悲しい感動で幕。

期待したフリットリのミミでしたが、期待以上だったかと言われると、そこまでではありません。
ですが、フレーニ以外のミミでは、ここまで歌えた人はいなかったのも事実。
まあ、やはり、「ラ・ボエーム」はフレーニで封印ということに相成りましたが、フリットリだからこそ、ここまで歌えたなとも思いました。
頭がかなりふらふらしながら聴いていたので、それも残念でした。もしかしたら、フリットリはもっと良かったかもしれません。聴く側のsaraiの問題も大きかったのは事実です。
オペラは長い緊張状態を強いられるので、体調管理が大事です。

来年のMETの来日公演では超豪華キャストで「ドン・カルロ」。また、フリットリはそのときに聴きなおしましょう。エリザベッタをフリットリ以上に歌える人はいないのだから、これは期待しても期待を裏切られることはないでしょう。
十分に体調を整えて、臨むことにします。



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上原彩子ピアノ・リサイタル@鎌倉芸術館 2010.6.27

今日は上原彩子のピアノ・リサイタル。
先月のチャイコフスキーのピアノ協奏曲は鮮烈でした。
さて、今日はどうか。

今日のプログラムは以下。

 シューベルト:3つのドイツ舞曲 D.973
 シューベルト:12のエコセーズ D.299
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番 Op.2-3

  -休憩-

 ショパン:ノクターン第8番 Op.27-2
 ショパン:ワルツ第6番 Op.64-1「小犬」
 ショパン:ワルツ第7番 OP.64-2
 ショパン:12の練習曲 Op.25

  <アンコール>
 チャイコフスキー:四季-12の性格的描写より「6月 舟歌」op.37-6
 チャイコフスキー:18の小品より「5拍子のワルツ」op.72-16

さて、プログラムを見ると、何となく、上原彩子らしくないプログラムに思えます。近現代の曲が1曲もありませんね。
最近の上原彩子はバッハやベートーヴェンなどに古典回帰しているようです。
彼女のファンとしては、彼女の軌跡を一緒に追いかけていくだけです。

ところが、こういうプログラムのお蔭かも分かりませんが、思いがけないプレゼントもありました。
それは彼女としては珍しく、ピアノがスタインウェイだったんです。
saraiはヤマハ以外のピアノは初めて聴きます。
興味津々です。

まずは軽くシューベルトです。
これらのシューベルトって、演奏会でもCDでも結構珍しい曲目でsaraiも初聴きです。
まあ、曲も演奏もそう感じるところはありませんでしたが、ピアノの響きの深さだけが印象的です。ピアノッシモでも会場に響きます。
彼女はこれからシューベルトの本格的な曲に取り組むのでしょうか。きっと、そうでしょうね。即興曲あたりはどんな演奏になるでしょう。

次にベートーヴェン。初期のソナタです。前回のリサイタルでは、後期の30番の見事な演奏が思い出されます。
第1楽章、出だしは実に深い響きのタッチです。これこそ、スタインウェイですね。YAHAMAのほうが先鋭的でクリアな響きでしたが、古典的な曲はこういう深くて、しかも色彩豊かな響きのほうがぴったりの感じです。
第2楽章は本当に心を込めた演奏で、心に響いてきます。特にピアノとフォルテのダイナミズムでせつせつとした演奏です。ピアノの部分に課題はありますが、大いなる可能性も感じました。
初期のソナタも弾きこなし、次は中期のソナタでしょうか。
いずれにせよ、彼女がベートーヴェンを順次次々と弾いていくのを聴き続けられるのは幸福です。
その過程と到達点が楽しみです。

後半は珍しくオールショパン。
最初のノクターンは当日発表の曲目でした。
この有名なノクターン、実に美しい、うっとりするような演奏でした。ある意味、上原彩子らしくなかったのですが、それでもよかった。
次のワルツ2曲、あまりに名曲で、楽しめはしましたが、まあ、それ以上には感じませんでした。

で、多分、今日のメインの曲、練習曲です。
前半は短めの軽い曲ですが、後半がとても素晴らしい演奏でした。
特に第11曲の「木枯らし」の素晴らしいこと、この曲を弾くには、確かに響きの深さ・多彩さからスタインウェイでなければなりませんでしたね。
そして、息も継がせずにそのまま最終の第12曲。
勢いを持続したまま、テンションの高い演奏で一気にフィニッシュ。
若干、聴衆の拍手がフライング気味でしたが、まあ、その気持ちは理解できるので許してあげましょう。

上原彩子がスタインウェイを弾く利点も課題も見えたリサイタルでしたが、逆にますます彼女のこれからの進化を確信したリサイタルでもありました。

ところで、演奏終了後に思わぬサプライズ!!

ロビーに出ると、「本日、急遽、サイン会を開催すことになりました」と大声で叫んでいました。

えっ、そりゃ、どうしようって思う暇もなく、配偶者に肩を押されていました。
配偶者がさっと列に並び、saraiは急いで、CDを購入に。
で、前から欲しかった「プロコフィエフ作品集」を迷わず、手にとっていました。

すぐに上原さんがロビーに顔を出し、みんなで拍手。
列の前のほうにいたsaraiはほどなくサインをいただきました。

で、saraiもおじさんですね。
何か一言って思い、
「なかなかスタインウェイよかったですよ!」
上原さんはえって顔をしながら、小さな声で
「そうですか、どうも」

サインしていただいたCDをご紹介しましょう。


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とても嬉しいリサイタルになりました。
ヒラリー・ハーンのサインに続いて上原さんのサイン。
あとは庄司さんのサインをもらえば完全です。
何が完全かなんて、野暮なことは言わないでね。



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       上原彩子,  

イヴァン・フィッシャー+ブダペスト祝祭管@東京オペラシティ 2010.6.21

音楽は感動以外に喜びも与えてくれる。
そういうことを思い起こさせてくれるコンサートでした。

今夜は東京オペラシティでのイヴァン・フィッシャー指揮のブダペスト祝祭管弦楽団のコンサートに出かけてきました。
バルトークの作品集のCDでお馴染みだったの(なかなか水準の高い演奏がロープライスでゲットできます)と、例の英国グラモフォン誌での世界のベストオーケストラで堂々9位にランクされていたので、ちょっと、ミーハー気分で聴くことにしました。

本日のプログラムはオール・ブラームスで以下のとおりです。

ブラームス:ハンガリー舞曲 第7番 ( I.フィッシャー編曲)
ブラームス:ハンガリー舞曲 第10番
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 (ヴァイオリン: ヨーゼフ・レンドヴァイ)
 <アンコール>
  パガニーニ:パイジェッロ「水車屋の娘」の“わが心もはやうつろになりて”による変奏曲

 -休憩-  

ブラームス:交響曲第4番
 <アンコール>
  ロッシーニ:クラリネットの序奏を伴う変奏曲
  バルトーク:ルーマニア民俗舞曲より“第6曲“

予習したCDは以下のとおりで少しサボり気味です。いかんですね!

 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
  ヒラリー・ハーン、マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団
   何度聴いても現代的な演奏で素晴らしい。
   でも、今のヒラリーならさらに充実した演奏をするだろう。
   また、ライブで聴きたいものです。
 ブラームス:交響曲第4番
  予習なし。
  予定では久しぶりにワルター+コロンビア響を聴くつもりでしたが聴く時間的余裕なし。 

このコンサートは直前に割引の得チケが出ていたので、随分、観客席ががらがらかと思っていたら、ホールがほぼ満員状態。
で、まず、オーケストラの入場。ここもコンサートミストレス。最近のヨーロッパのオーケストラも女性の進出が急ですね。

で、いよいよ、イヴァン・フィッシャーの登場。にこやかで人のよさそうな柔和な表情のかたです。saraiは生で見るのは初めて。
ところで、なぜ、わざわざイヴァン・フィッシャーとファーストネーム付きで書いているかと言えば、やはり指揮者で有名なお兄さんのアダム・フィッシャーと区別するためです。

出てきたと思ったら、さっとすぐに最初の曲目、ハンガリー舞曲を始めます。
クラリネットが活躍するハンガリーっぽい軽妙な曲。
演奏もいい意味で、場末のワイン酒場での演奏みたいで、度肝を抜かれます。
これがハンガリーのオーケストラかって感じで、他のオーケストラとまるで違います。
次もハンガリー舞曲で同じようなノリです。
まあ、正直、あっけにとられました。
そりゃ、天下のウィーン・フィルだって、軽いウィンナーワルツをやるんだから、同じといえば、同じですが・・・
一体、この先、どうなるんだろうと興味津々で不安が少し。

で、次はヴァイオリン協奏曲。
ヴァイオリンはレンドヴァイ。
まったく知らない人です。
髪もじゃもじゃの音楽家っぽくない感じです。

しかし、まあ、人は見かけによらないものですね。
第1楽章こそ、少し、荒っぽい演奏でしたが、
第2楽章の素晴らしい木管(特にオーボエ)の演奏に続き、素晴らしくロマンチックなヴァイオリンを聴かせてくれました。
また、第3楽章も少し、荒っぽい演奏でしたが・・・
やはり、男性はロマンチストが多いのかしら?
まるで、オペラの「愛の妙薬」のネモリーノ(パヴァロッティが演じる)を彷彿とさせる感じで、見かけとうらはらなロマンチストという感じです。

でも、彼のアンコール曲は圧巻でした。曲芸的な技巧と美音で満場の観客をすっかりと魅了しました。何故か、この曲の中間部には「さくらさくら」が挿入されており、大喝采!

この後、休憩をはさんで、ブラームスの第4番です。
異色のブラームスではありますが、大変に素晴らしい快演です。
ドイツ系のオーケストラだと、木漏れ日のなか、静かに悔悟を込めて人生を振り返るという感じの渋い演奏になりますが、このオーケストラはまったく違います。
イタリアの明るい陽光の下、トスカーナ平原を丘の上から見下ろしながら、自分の人生を懐かしく思い出すという感じで美しくも明るい演奏です。
それでいて、しっかり、ブラームスになっています。
木管が素晴らしいので、それもアンサンブルに花を添えます。
この曲でフルートにこんなに注目して聴いたのは初めてです。

また、イヴァン・フィッシャーの指揮もリズミックで、テンポの動かし方も絶妙。
もちろん、強弱のダイナミズムも強烈で、美しさも激しさも兼ね備えた曲に仕立て上げており、これはこれで見事な演奏でした。

うるうるくる演奏ではありませんが、聴いていて、音楽の喜びで体中がいっぱいになりました。幸福感につつまれるのもコンサートの楽しみのひとつですね。

やんやの喝采のあと、アンコール。
ロッシーニの曲、知らない曲ですが、まさにロッシーニのオペラを彷彿とさせる節回しの曲で、オーケストラのメンバーが次々と独奏するのも楽しく、先程、協奏曲で登場したレンドヴァイまで再登場したのはご愛嬌。
それにしても、クラリネットのうまいこと。
本当にこのオーケストラは木管、そしてホルンが上手い。
管の上手いオーケストラは超1流オーケストラですね。
もちろん、弦は素晴らしく上手かった。一人一人の個人能力が高く、アンサンブルもその上に素晴らしい。
何をやらせても素晴らしく弾きこなす能力を持ったオーケストラです。

で、最後にバルトーク。
そうです、saraiはこれが聴きたかったんです。
どうして、saraiの希望が分かったんだろう。
もう、これは何もいうことのない演奏。
満足以外の何者でもありません。
今日1番のプレゼント、サプライズでした。

だって、オール・ブラームス・プログラムだから、当然、アンコールもブラームスでしょう。
そう、思っていました。
でも、バルトークが聴きたかったんです!!



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この記事へのコメント

1, かまたひろたかさん 2010/06/22 12:22
大見得きって、派手で、起伏の激しいブラームスでしたね。こういうのもたまにはいいと思います。いつもエキサイティングで個性的なサウンドを聴かせてくれるオケで、来日を楽しみにしています。

やはり最後のバルトークかな。2000年の時はオケコンをやってくれたんですが。メインでバルトークを聴きたいです。

2, saraiさん 2010/06/23 00:04
かまたひろたかさん、初めまして。

コメントありがとうございます。
かまたさんのブログものぞかせてもらいました。
随分、このコンビを聴き込まれているのですね。
かまたさんの感想に全面的に同意です。

バルトーク聴きたいですね、メインで。
何でもいいですが、とりわけ、「弦と打とチェレスタのための音楽」が聴きたいものです。

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庄司紗矢香+東響@ミューザ川崎 2010.6.20

今日は久しぶりの庄司紗矢香のコンサートで、楽しみにしていました。

彼女は東響交響楽団の定期公演のソリストとしての登場です。
ホールはミューザ川崎。以前はこのホールの会員でしたが、このところ、ご無沙汰でした。

で、まごまごしながら自分の席につきましたが、3階席中央の席で、ステージは遠い。
このホールはご存じの方はお分かりでしょうが、本格的なワインヤード型で、しかも客席の傾斜がかなりあるので、3階席ともなると、ずっと下のステージを見下ろす感じになります。

で、本日のプログラムは以下のとおりです。

 ワーグナー:楽劇「パルジファル」第1幕への前奏曲
 プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63
  <アンコール>
    J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第1番から<アルマンド>
 ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 作品73

演奏は

 指揮:マーク・ウィグルスワース
 ヴァイオリン:庄司紗矢香
 オーケストラ:東京交響楽団

予習したCDは

 プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番
  スターン、メータ、NYフィル
   あんまりスターンに向いた曲ではありませんが、さすがに美音。
   第2楽章はそもそもあまりプロコフィエフっぽくないので、
   かえってスターンの綺麗な演奏が活きます。

 ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 作品73
  ヴァント、北ドイツ放送交響楽団
   立派な演奏ですが、ヴァントだということで期待すると
   もうひとつ面白みに欠けるという感じです。 

で、ホールがほぼ満員になったところで、まずは最初の曲目、パルジファル前奏曲。
いかにもワーグナーらしい響きが3階席まで満ちてきます。なかなか音響の優れたホールですね。
徹頭徹尾、厳かさに満ちた響きに包まれ、音楽の世界に導かれます。

で、次はいよいよお目当ての庄司紗矢香
今日は真紅のロングドレスに身を包み、颯爽と登場です。
ただ、3階席だと遠くてあまり顔の表情がつかめないのが残念です。

曲はまずヴァイオリンのソロから始まります。
低音から高音までバランスがよく、深い響きです。
今使っているストラディヴァリウス”Recamier”の特徴でもありますが、
どうやら、以前に比べて、すっかり、このヴァイオリンを弾きこなすようになった印象です。
以前は少し高音に不満がありましたが、今は高音もよく響き、文句なし。

第2楽章にはいると、オーケストラをバックに独奏ヴァイオリンが実に美しい旋律を奏でていきます。
うっとりとするところ。全曲中の白眉ともいえますが、これがプロコフィエフとはとても思えないのも事実。
でも、まあ、いいでしょう。美しくて悪いわけありませんね。
庄司紗矢香もこんなフレーズも素晴らしく、弾きこなすようになりましたね。
高音の響きがよくなったことも一因でしょう。

第3楽章は後半にはいると、俄然、プロコフィエフっぽく、細かいリズムのフレーズでばりばりと突き進んでいきます。
このあたりは庄司紗矢香の真骨頂でしょう。大変、切れのある演奏です。
そして、そのまま、フィナーレ。

大満足といいたいところですが、なにせ3階席からだと、ヴァイオリンの響きはとらえられるものの、とても細かい演奏のニュアンスまでは分かりません。
もっと、ステージ近くで微細な演奏の機微を聴きたかったところ。
というところで、庄司紗矢香の今については次のリサイタルまで評価は持ち越しにしましょう。

次の機会はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタのリサイタル。
CDも久しぶりに出るそうで、期待は大です。

そうそう、アンコールのバッハの無伴奏はとても個性的でよかったと思います。
やはり、彼女には、持って生まれた音楽の感性があるようです。
ファンとしては、技術ももちろんですが、この音楽性が一番の魅力です。
ヒラリー・ハーンのパーフェクトなバッハとまた違って、心のこもった魂の音楽を感じます。

休憩後はブラームスの2番。
よく響いて、期待以上のブラームスでした。
特に弦楽セクション、特に高音(ヴァイオリン)の響きが美しく、木管もなかなかでした。
フィナーレは結構しびれました。
まあ、難をいえば、いろいろありますが、楽しめたブラームスでした。

で、また、明日のコンサートはオール・ブラームス。
頭の中がブラームス1色になりそうです。


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1, ユノチさん 2010/06/21 08:29
saraiさん、おはようございます。
昨夜も素敵な時間を過ごされたようですね。

庄司紗矢香さんは、私も好きなヴァイオリニストです。
昨年?一昨年?のサンクトベテルブルグとのチャイコフスキーは
本当に感動的な演奏でした。
プロコ聴いてみたいです。

今日もブラームスなんてとっても贅沢ですね!

先日名古屋で聴いたウイーン響のブラームスも素晴らしかったです。

これからsaraiさんの過去ウイーンブログを参考に
おいしいものや美術館巡りなどの計画をしようと思っております。

リタイアされたこれからの時間を
ますます素敵にお過ごしなさってくださいね!

2, saraiさん 2010/06/22 01:32
ユノチさん、こんばんは。

たびたびのコメントありがとうございます。
そうです。テミルカーノフとのチャイコフスキーは彼女の成長を感じさせられたよい演奏でした。

ルイージ+ウィーン響は聴きたかったんですが、残念ながら、ヒラリー・ハーンと重なり、断念しました。次の機会には聴きたいですね。

当ブログを参考にしてもらえば、こちらも励みになりますよ。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       庄司紗矢香,  

マーラー「復活」 by インバル&東京都響@サントリーホール 2010.6.19

saraiのリタイア後のコンサート第1弾は東京都響の定期演奏会@サントリーホールです。

それも楽しみにしていたインバル指揮のマーラーの交響曲です。
マーラーのなかでも好きな第2番「復活」です。

今日は土曜日だし(もう平日でも同じことですが・・・)、早めにサントリーホールのあるアークヒルズに向かい、早めに夕食。3階のカレー屋さん。これで3階のレストランもほとんど食べました。結構、ユニークなレストランが多いですね。

ともあれ、サントリーホールに入館。いつものステージに向かって左手の前方の席につきます。

今日はさすがにステージにあふれんばかりの大編成オーケストラ。
それにステージ裏の客席が合唱団席のようです。

今日のコンサートマスターはソロコンサートマスターの矢部達哉。ヴァイオリンソロがはいりますから、彼の登場は期待できます。

で、いよいよマエストロ、インバルの登場です。初めて生で聴きます。
巨体をゆすらせながら、貫祿です。

「復活」は5楽章構成。
独唱は
 ソプラノ:ノエミ・ナーデルマン
 メゾソプラノ:イリス・フェルミリオン
合唱は
 2期会合唱団

第1楽章、ものものしい低弦の出だしが印象的ですが、やはり、都響のストリングセクションは今日も素晴らしい響きに満ちています。ちょうど、席が第1ヴァイオリンのど真ん前のせいもありますが、第1ヴァイオリンの演奏の充実していることがこの曲の劇的さを引き出しています。ただ、以前、この都響の「復活」を故ベルティーニ指揮で聴いたときに比べると、細部の磨き上げという点では少し物足りない感じはあります。これは指揮者の個性でしょう。
ただ、さすがに曲の構成力はきっちりしており、なかなか感動的な演奏です。

第2楽章はやはり弦セクションの活躍で美しい響きが気持ちよく聴けます。

この楽章の終わったところで、指揮者がいったん退場し、合唱団がステージ裏の客席に並びます。
そして、最後に最前列の席に2人の女声独唱がつきました。てっきり、ステージの一番前で歌うと思っていたので、遠くて、大丈夫かなって思いました。

で、再び、インバルが登場し、第3楽章から再開。
まずは穏やかな弦の合奏から始まり、指揮者も弦の奏者も軽く笑みを浮かべ、なごんだ感じでリスナーも気持ちの落ち着くところです。
最後は厳しい楽想になって、すぐに次楽章に突入。

第4楽章はメゾソプラノの独唱からはじまりますが、フェルミリオンは豊かな声量でホールに美声が響きます。もう少し、強弱をつけて、哀感があればとも思いますが、感情のこもった歌唱で好感を持ちました。
この短い楽章に続いて、最後の楽章です。

第5楽章はいつ聴いても、この「復活」はこの楽章がすべてだと思ってしまいます。それまでの4つの楽章はこの第5楽章への序奏に過ぎないという感が否めません。それほど、この楽章は圧倒的です。

オーケストラだけで徐々に盛り上げ、途中からは、狂ったように走り出します。
そして、金管で吹かれ始める復活のテーマは印象的で感動的でさえあり、その先の素晴らしい展開を予感させます。
で、合唱団が立ち上がり、いよいよクライマックスが近づきます。
まず、低い音量の歌唱が始まりますが、潜在的な熱情・パワーは十分伝わります。
合唱部とオーケストラ部が繰り返されながら、最後はそれらが一体となり、パイプオルガンも加わり、復活のテーマが大音量でホール全体を包み込みます。

まさにマーラーワールド。この圧倒的な音楽の力に誰しも感動なしにはいられません。

saraiの目からも熱いものが溢れ出てきます。頭は真っ白です、

そして、フィナーレ。

もう少し、静寂を味わいたかった。みんな頭が真っ白になるほど感銘を受けたのなら、静かに余韻を楽しもうよ!! 拍手も不要な素晴らしい演奏だったじゃないか。

インバルの冷静に曲を構築する力と都響の弦楽セクションをベースとした卓越した演奏力に脱帽のコンサートでした。

saraiの期待を上回る演奏で、退職後初の記念すべきコンサートは涙・涙で幕を閉じました。

明日は大好きな庄司紗矢香のプロコフィエフ。楽しみはつきません。


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ヒラリー・ハーン+サロネン2回目@サントリーホール 2010.6.2

ヒラリー・ハーン、恐るべき凄いヴァイオリニストです。
5月30日の東京芸術劇場のあのパーフェクトだった演奏を遥かに上回る演奏をサントリーホールで聴かせてくれました。

何が違ったのか、考えましたが、気品の高い演奏に加えて、人の温かみを感じさせてくれる演奏でした。天上の音楽ではなく、血の通った人間の音楽です。
また、荒々しいところは少しもない優しげな演奏で、激しいパートも十分抑制が効いて、美しさが崩れることは決してありません。

ともあれ、演奏は最初の1フレーズを聴いただけでグッときてしまいました。もう、あとはうるうる状態。上記のような分析的な聴き方はまったく不要で、ただただ、彼女の美しい響きに身を委ねて、陶然としていました。
それにしても何という響きの美しさ!
1音1音が光り輝く滴のように、saraiの耳だけでなく、全身にふりかかってきます。

これはチャイコフスキーなのか、何なのか、もう判然としなくなります。
ただそこにあるのは、ヒラリーの奏でる美しい響きだけ・・・

第1楽章の後半のカデンツァにはいると、やっと、これは間違いなく、チャイコフスキーだと思い至ります。
なんと美しい響きでしょう。saraiは終始、緊張状態を強いられていましたが、ヒラリーは集中しつつもリラックスした演奏のようです。
会場はみな固唾をのむ緊張状態で、まるでそこに人が存在しないかのごとく、シーンと静まりかえっています、
「時間よ止まれ」状態で活動しているのはヒラリーだけ。
それにしても、サントリーホールの聴衆は日本最高の聴衆ですね。あんな聴き方を全員一致でできるのは凄いことです。

この金縛り状態のカデンツァから、いよいよ、第1楽章の終結部へと進みます。
ヒラリーはナチュラルにテンポをすっとあげていきます。
なんと見事な演奏でしょう。
saraiはもう気絶寸前です。
そして、完璧なフィニッシュ!

また、第2楽章はゆるやかなメロディーを美しい響きで奏でていきます。
とりわけ、ピアノッシモの見事なこと、言葉もありません。
夢のようにこの楽章も終わり、第3楽章へ。

小気味良いテンポの演奏はヒラリーの真骨頂。
ただ、このあたりまでくると、もうsaraiが持ちません。
あまりの緊張感の持続に耐えかねて、集中力が切れかかります。
フィナーレの高揚感とともに、茫然自失状態。

アンコールの2曲が少し高揚感を静めてくれました。

 イザイ:メランコリア
  とても静かで美しい曲です。それを完璧な演奏で飾ってくれました。

 バッハ:ジーグ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータより)
  美しくも楽しい曲です。やはり、ヒラリーのバッハは最高。
  無伴奏の全曲リサイタルをやってくれないかなあ。

ヒラリーは今日も東京芸術劇場と同じく真っ赤なドレスでした。
サイン会にも惹かれましたが、もう既にもらっているので、アンコール2曲のプレゼントのほうがずっと嬉しいなと思いながら、パスしました。

そうそう、サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団にも触れないといけませんね。

1曲目はサロネン作曲のへリックス。
さすがに2回目なので、やっと、曲がつかめてきました。
短いフレーズとリズムを繰り返しながら、古典的な展開とか変奏ではなく、複雑な響きの変化をしていく曲です。多彩な響きの変容が見事です。
似たようなコンセプトの曲では、ラベルのボレロがありますが、あんな単調さはないので、sarai好みかもしれません。
今日は面白く聴けました。
サロネンは音楽性の高い人ですね。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を挟んで、最後はシベリウスの交響曲第2番です。
大変な熱演でした。
ただ、saraiはもうヒラリーの演奏で精力を使い切ったので、ただ、ぼーっとして聴いていました。

ゴメンナサイ!!

少しだけ、印象を言うと、サロネンの指揮が静寂音から大音響まで、ダイナミックに音楽を表現しようとしていて、その意図はよいと思いますが、それについていけるオーケストラは抜群の大合奏力を誇るシカゴ響か、美しい響きの極致を演奏できるウィーンフィルなど、ほんのわずかの超1流オーケストラに限られるという感を抱きました。

で、サロネンが振るウィーンフィルのマーラー9番はどうなるでしょう。
音楽ファンとしては、ますます興味津津になりました。

あっ、それとヒラリー・ハーンの次の来日コンサートは来年の3月にあるようですね。また、楽しみになりました。



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1, ハルくんさん 2010/06/05 08:37
おはようございます。

ヒラリー良かったみたいですね。このコンサートも聴きたかったのですが、平日なので断念しました。
サロネンも数年前にLAの本拠地でロスフィルとのマーラー7番を聴いてとても良かった記憶が有ります。でもやはり9番はウイーンフィルで聴きたいですよね。チケットGET頑張りましょう!

2, saraiさん 2010/06/05 14:35
コメントありがとうございます。

ヒラリーはますます進化しています。
CD以上にライブは最高です。
マーラーの9番はウィーンフィルの美音で聴きたいですね。
でもチケット高いですね。破産です。

3, ひろし@杉並さん 2010/07/06 22:48
はじめまして。ヒラリー・ハーンを検索していたら、たまたま遭遇しました。6月2日のサントリー、私も行きました。私的には今シーズン、もっとも感動したコンサートでした。マーラーの9番、ロンドン、サントリー、両方行くつもりです。財布はピンチですが…。

4, ひろし@杉並さん 2010/07/06 22:49
はじめまして。ヒラリー・ハーンを検索していたら、たまたま遭遇しました。6月2日のサントリー、私も行きました。私的には今シーズン、もっとも感動したコンサートでした。マーラーの9番、ロンドン、サントリー、両方行くつもりです。財布はピンチですが…。

5, saraiさん 2010/07/07 13:52
はじめまして、はじめまして、saraiです。
コメントありがとうございます。

ヒラリー、感動でしたね。来年の3月も行きましょう。
いま、チューリッヒでオペラ見てます。
昨夜は「魔弾の射手」、今日は「ばらの騎士」、さすがに高いレベルの公演です。

ではまた。

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       ヒラリー・ハーン,  

ヒラリー・ハーン+サロネン@東京芸術劇場  2010.5.30

今日は待ちに待った久しぶりのヒラリー・ハーンのコンサート。
初めて聴くヒラリーのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
一体、どんなチャイコフスキーになるんだろうといろいろと想像していました。

で、それは伯爵令嬢の弾くチャイコフスキーでした!!

落ち着いて気品の漂う演奏、ある意味、天上の世界の音楽でした。

もっと熱気に満ちた熱情的なチャイコフスキーもあるでしょうが、これがヒラリー・ハーンのチャイコフスキーでした。
普通の演奏であるようで、でも、やはり、彼女にしか表現できない世界。
ずっと、彼女の演奏を聴いてきたsaraiには、納得できるチャイコフスキーでした。

ただ、これは今のヒラリー・ハーンの表現したチャイコフスキー、彼女は今後、さらに高みに向かってもっともっと飛翔してくれるでしょう。

さて、今日のコンサートは今回の来日公演の1回目のコンサートで、池袋の東京芸術劇場で開催されました。
共演はペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団。
サロネンはシベリウスのヴァイオリン協奏曲のCDでヒラリー・ハーンと共演しており、よいコンビで期待できます。
また、秋に予定されているウィーン・フィルの来日公演でも、降板した小澤征爾に代わって、このサロネンが指揮することになっており、話題の人です。

今日のプログラムは以下のとおりです。

 サロネン:ヘリックス
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
  (アンコール)
    バッハ:サラバンド(無伴奏ヴァイオリン・パルティータより)
 --休憩--
 シベリウス:交響曲第2番
  (アンコール)
    シベリウス:組曲「ペレアスとメリザンド」より「メリザンドの死」
    シベリウス:組曲「カレリア」より「行進曲調で」
    シベリウス:「悲しきワルツ」

予習したCDは以下のとおりです。

 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
  オイストラフ、ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ・フィル
   これはライブ録音で、オイストラフの熱気にあふれた会心の演奏です。
 シベリウス:交響曲第2番
  ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
   これはネットで無料で提供されているCDですが、なかなかの聴きごたえです。

で、コンサートの話に移りましょう。
まず、1曲目は指揮者自身の作曲した曲で、自作自演。
もちろん、初めて聴きました。
ゆったりとした打楽器の響きで始まり、低弦の上にピッコロの北欧風のメロディーが重なり、次第に楽器が加わり、大音響のクライマックスに至る現代の音楽としては明快な曲です。
この1曲だけでは、saraiとしても、どう理解するかは困難で評価は今後にペンディングですね。

次がいよいよヒラリー・ハーンのチャイコフスキー。
珍しく真っ赤なドレスのヒラリーです。
演奏はいつものようにパーフェクト。彼女にとって、これくらいの曲は技術的には何も問題ないでしょう。
音楽表現ですが、ロシア的な要素は切り捨て、純粋に普遍的な音楽のエッセンスだけに向かい合って、それを究極まで磨き上げることで、ヒラリー・ハーンの解釈したチャイコフスキーが生まれているようです。
一体、音楽芸術とは何かという問いが頭のなかを渦巻きます。
オイストラフのように鋭く切り込んで、熱い演奏を繰り広げるのはもう文句なしに感動の世界です。
でも、音楽の切り口は広く、色々なアプローチがあります。
ヒラリー・ハーンの演奏を聴く度に、saraiは「この曲にはこんな演奏もあり得たのか」と驚かせられます。
今回のチャイコフスキーは実に端正で気品の高い演奏でした。
芸術に対して、聴衆も襟を正さずして、向かい合わざるを得ない気持ちに高めてくれるような演奏だともいえます。
この潔癖過ぎるほどの演奏でsaraiの心も洗われました。
これがヒラリー・ハーンの世界ですね、

アンコールのバッハ・・・・
何もいうことなし。天上の音楽でした。

最後はシベリウスの2番。
すべては終楽章の美しい主題に収れんしていくかの音楽です。
オーケストラの響きにもう少し透明さ・ピュアな響きがあれば、いうことなしですが、構成力に満ちた演奏でした。
特筆すべきはアンコールのシベリウスの3曲。
とても美しい表現でした。
サロネンの実力はなかなかのもの。
秋のウィーン・フィルのマーラーの交響曲第9番も期待できるかもしれませんね。

実はsaraiは今回のコンサートへの期待が大きく、6月2日のサントリーホールのチケットも購入済。
まったく同じプログラムですが、サントリーホールではどう聴こえるか、楽しみにしています。
2回目のレポートも楽しみに待っていてくださいね。




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1, stephさん 2010/06/01 22:57
はじめまして。この公演、私も参りました。天上の世界の音楽・・・分かる気がしました。6/2のレポートも楽しみにしております。

2, saraiさん 2010/06/01 23:13
stephさん、初めまして。
コメント、ありがとうございます。

いよいよ、明日、また、ヒラリーの美しい音楽が聴けます。
楽しみでいっぱいです。
じっくり聴いて、早々にレポートします。

3, ambさん 2010/06/02 08:59
はじめまして。通りすがりですがカキコさせて頂きます。私も今日6/2の演奏を聴きに行きます。初めての生ヒラリーハーンの音なので楽しみで楽しみでよく眠れてませんが、コーヒー飲んでしっかり脳みそに音を記憶させたいです。
saraiさんもどこかにいらっしゃるんだと思いながら楽しもうと思います。^^

4, saraiさん 2010/06/02 09:19
初めまして、ambさん、saraiです。
コメントありがとうございました。

昨晩はぐっすり眠って、今日のコンサートに備えました。
もっとも、寝不足でも、ヒラリーのヴァイオリンを聴いていれば、緊張感と高揚感で眠くなんかありませんけどね。

初の生ヒラリーとのこと、繊細でパーフェクトな美しい響きはライブでしか味わえません。一緒に楽しみましょう!

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       ヒラリー・ハーン,  

快調!大野和士+東京都響@サントリーホール  2010.5.20

今日は東京都響の2回目のサントリーホール定期演奏会でした。

指揮は大野和士。ヨーロッパのオペラハウスでも実績を積み重ねているそうです。方向性はいいですね。

で、今日のコンサートのテーマはマンフレッド。イギリスの詩人バイロンのロマン的な詩劇「マンフレッド」にもとづいた複数の作曲家の作品をまとめて演奏するという珍しい構成のコンサートでした。なぜか、この詩劇は作曲家の心をとらえたんですね。
その作曲家はシューマンとチャイコフスキー。
シューマンの「マンフレッド」序曲はそれなりに聴く機会がありますが、チャイコフスキーの交響曲「マンフレッド」はまったく聴いたことありません。演奏機会も少ないと思います。

今日のプログラムです。

 シューマン:「マンフレッド」序曲
 細川俊夫:打楽器とオーケストラのための協奏曲 旅人
  打楽器ソロ:中村功
 --休憩--
 チャイコフスキー:交響曲「マンフレッド」
           (バイロンの劇的詩による4つの音画の交響曲)

で、事前に予習したCDがこれ。

 シューマン:「マンフレッド」序曲
  クーベリック+バイエルン放送交響楽団
   シューマンの交響曲第3番、第4番とのカップリング。
   特に3番「ライン」の演奏が素晴らしい。
   シューマンを妙に重く演奏していないところがよい。
 チャイコフスキー:交響曲「マンフレッド」
  スヴェトラーノフ+ソヴィエト国立交響楽団
   今回予習用に購入したCD。
   初めて聴いた曲なので、比較評価はできないが、
   古い録音というハンディをものともせず、立派な演奏。
 細川俊夫:打楽器とオーケストラのための協奏曲 旅人
  さすがに予習なしです。未知の曲。

コンサートですが、はっと目をあげると、今日はコンサートミストレスです。
四方恭子さんです。でもそのお隣には矢部達哉さんも座っています。
お二人のソロ・コンサートマスターという豪華さで、今日も力のはいったコンサートかなと期待が膨らみます。

まずは、シューマンです。
大野和士さんの棒で始まりましたが、最初のフレーズからシューマンワールドです。これはよい演奏です。
ロマンに満ちたシューマンの世界を描きながら、情熱にあふれた音楽が湧き出してきます。いつものようにこのオーケストラの素晴らしい弦楽セクションが繊細でかつ熱い演奏で、魅了します。
終始、シューマンの魅力が散りばめられたまま、演奏が終了。久々に満足できたシューマンのオーケストラ曲でした。

次は様々な打楽器のセッティングが大変で演奏までずい分時間がかかりましたが、ようやくステージにメンバーが並び、演奏が始まります。
打楽器のソロでスタート。打楽器の弱音がホールに木霊します。このホールの残響時間がはっきりと分かりました。
この作品は細川俊夫さんの2000年の作品。いわゆる現代音楽です。
この方面に疎いsaraiにはほとんど理解できませんでした。
これまで聴いた曲では武満の曲が雰囲気近いですが、もっと情熱的でダイナミック。それ以上は分かりません。もっと、現代音楽も聴かないといけませんね。
演奏後、会場は沸いていました。saraiもまだまだですね。

休憩後、チャイコフスキー。
フルオーケストラでの演奏です。
両端の第1、第4楽章が劇的な曲想が続き、秀逸です。
シューマン同様、弦楽アンサンブルの素晴らしいこと、この上なし。
大野和士の指揮もダイナミックでこの情熱的な曲をうまく表現していました。
ところで、以前、小澤征爾さんがインタビューでチャイコフスキーのオペラ(スペードの女王)は交響曲だといっていたのが印象深かったですが、逆にこの交響曲はオペラ的な要素が多いと感じました。
標題音楽であることのためでしょうか。まるで「エウゲニ・オネーギン」でも聴いているような部分もあり、ロシア語の歌が聴こえてきてもおかしくないような雰囲気で、それはとても好感が持てました。

あまり、コンサートで聴かない曲ばかりでしたが、なかなかの好演で満足して帰途につきました。

いよいよ次回の定期演奏会はインバル指揮でマーラーの「復活」です。
とても楽しみです。



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のだめカンタービレ最終楽章(後篇)@上大岡

これって、クラシック音楽ネタかって、言われるかもしれませんが、所詮、saraiのレベルはその程度なので、お許しを!! 

で、観客も減ったに違いないと思い、楽しみにしていたのだめカンタービレ最終楽章の後篇を昨日、見てきました。

若い優秀な音楽家が成長する姿を見守るのはsaraiも大好きです。
saraiもシュトレーゼマンの心境ですね。
実際、現実世界でも、自分の子供よりも若い世代のヒラリー・ハーン、庄司紗矢香、先日のパク・ソユン、上原彩子など、成長が楽しみな逸材が次々に登場し、活きのいい演奏をしてくれるのは、凄い楽しみになっています。
彼らがどう変貌し、熟成していくかをこれからも見届けていくつもりですが、これってとても贅沢な楽しみ以外の何者でもありませんね。

この映画もそういう現実と重ね合わせて観ていると、胸が熱くなりました。

ただ、音楽的には、正直、前篇のほうがよかったですね。前編はどちらかというと千秋のオーケストラ指揮が中心でしたが、今回はノダメのピアノ中心。

コミックスで読んで、思わず感動したノダメのシュトレーゼマン+ロンドン交響楽団とのデビューコンサートが後篇の山場だと期待していましたが、やはり、恐れていたようにラン・ランの演奏がイメージとあまりにも異なっていました。

コミックスでは、長大なオーケストラの前奏に続いてはいってくるピアノソロが異常に遅いテンポで、それでいながら、凄く音楽的な表現になっているということです。
これって、是非とも、saraiが聴いてみたい演奏そのものじゃないですか。
一体、どんな演奏なんだろう。型破りの個性的な演奏でいながら、音楽の本質をついているという、まさにsarai好みですね。

で、映画でそのシーンを楽しみにしていたら、まあ、ラン・ランらしい個性的な演奏ではありますが、ピアノの音のタッチの素晴らしさは認めるものの、音楽的に感動させてくれる演奏とは程遠いと感じました(ラン・ランのファンのかたにはごめんなさいね)。もちろん、テンポも普通だしね。
まあ、悪く言えば、元気のいいだけのショパンですね(ああ、言いきっちゃった・・・)。

先週の金曜日に聴いた上原彩子がピアノ表現を超えて、音楽表現を追求していた姿勢だったのが、saraiには、本当に音楽を愛するものにとって大切なことだと思います。ピアノは音楽を表現する手段であって、ピアノそのものが最終目的ではないと思うからです。

最後の盛り上がりになるはずのモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」も、ショパンのコンチェルトと同じように聴こえます。これもラン・ラン節。元気がよくて、跳ねまわるのが悪いとも思いませんが、やはり、モーツァルトの本質からは外してほしくないというのが、モーツァルトファンとしての気持です。

勝手なことを言わせてもらえば、この映画はピアノの部分だけを上原彩子の演奏に差し替えてもらえば、saraiはきっと、大感動するでしょう!!

ショパンでいえば、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでのベレゾフスキーの演奏のほうが個性的だが音楽的でずっとよかったと思います。

少し、書き過ぎですが、素人の勝手な偏向した意見と思い、お許しください。

なお、今回、4月に新しくできた上大岡のTOHOシネマズに初めて行きました。なかなか立派な設備で感心しました。
それに同じビルにヤマダ電機のLABI(横浜唯一)がはいっていて、便利です。
この日、オープン4日目でした。
思わず、新しい携帯を買ってしまうというオマケつきでした。




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上原彩子+バシュメット@東京オペラシティ  2010.5.14

何と凄い演奏だったのでしょう!
上原彩子のすさまじいまでの音楽への集中力にただただ圧倒されました。
最初から最後まで、こちらも緊張しっぱなしの演奏でした。

さて、今日は前回のみなとみらいホールでのコンサートに引き続いて、バシュメット指揮、国立ノーヴァヤロシア交響楽団のコンサートです。
ホールは代わって、今度は東京オペラシティコンサートホールです。
そして、何といっても、ピアノ独奏が上原彩子。絶対に聴き逃せません。

6時半頃に初台に着き、急いで下のレストラン街で食事です。いつも平日のコンサートは食事が大変です。
ステーキハウスTEXASの前を通りかかると、コンサートセットの文字が目にはいってきました。これはきっと特急で食べられそうですね。
早速、それをsaraiと配偶者の2人前注文。700円と価格もリーズナブル。
おろしハンバーグのセットでボリュームもたっぷりでした。

で、開演7時の15分前には会場にはいり、ゆったりと席に着きました。
今日は6列目の真ん中でほぼかぶりつき状態。すでにステージには、でーんとピアノ(やっぱり、今日もYAMAHAだった。)が置かれています。
すごくピアノが近く見えます。上原彩子のピアノをこんなに間近に聴くのは初めてだねと配偶者と会話。

さて、今夜のプログラムは以下。

 チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
  ピアノ独奏:上原彩子
    《休憩》
 チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調
    《アンコール》
 ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
 アブレウ:ティコティコ

何といっても注目は上原彩子のチャイコフスキーですが、まずは「ロミオとジュリエット」です。
前回のコンサートからいって、あまり期待しないで聴いていましたが、今回はずい分、アンサンブルがよくなりました。今日で来日後6回目のコンサートなので、かなり修正されたようです。前回のみなとみらいのコンサートは来日後1回目のコンサートだったので、まだまだ調子もでていなかったのでしょうか。
今回は気持ちよく聴けました。

で、いよいよ上原彩子の登場。
いつものようににっこりしながら挨拶。
しかしながら、ピアノに向かうと表情が一変。
大変集中力を高めているのが見て取れます。

オーケストラが有名な主題を奏でるのを圧倒するかの如く、上原彩子の強烈なピアノが鳴り響きます。素晴らしい響きです。
続いて、ピアノが主題のメロディーを弾き始めました。スケールが壮大で音楽が光り輝くかの如くです。
ぐんぐん心が引き寄せられていきます。
テンポの早いパッセージは切れ味の鋭いクリアーなタッチで音の魅力に耳が酔ってしまいそう。
緊張感の高い演奏がずっと持続し、また、上原彩子が音楽そのものに没頭して、こちらもインスパイアーされます。緊張感が聴衆にまで伝染し、ぼーっとして聴けるものではありません。
saraiも音楽に集中して、まったく雑念のない状態で、身じろぎもできません。
天才音楽家が音楽に真正面から向かい合っている姿を見て、saraiの心も音楽に純化していくかのようです。

大変な演奏に出会ってしまいました。言い古された表現ですが、まさに鬼気迫る演奏でした。

曲を弾き終えると、また、上原彩子はけろっとして、にっこりと挨拶をしています。この人は一体何なんでしょう。
あれだけの演奏をすれば、疲れて、ぐったりの筈ですが・・・

ところで、上原彩子の天才的なひらめきのピアノに対して、オーケストラが十分についていけなかったのは一つだけ、残念でした。
ただ、あれに反応できるのは超一流オーケストラだけでしょう。
シュトレーゼマン指揮のロンドン交響楽団とかね・・・

そうそう、今回の予習CDをご紹介しときましょう。

 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
  ピアノ独奏:上原彩子、デ・ブルゴス指揮ロンドン交響楽団
   上原彩子らしいシャープなタッチのピアノとさすがにオケのうまいこと。
   ただ、ライブの緊張感には欠けるかも。
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」
 チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 
  バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル
   これは新番のほうです。久しぶりに聴きましたが、さすがに聴かせる演奏。

休憩後はチャイコフスキーの5番のシンフォニー。
上原彩子の演奏がまだ頭に残った状態で、シンフォニーの間にピアノの音が脳裏によみがえります。
そんな状態で聴きましたが、今夜の演奏は前回の《悲愴》と違い、水準以上の立派な演奏でした。
少し、このオーケストラを見直しました。

いただけなかったのはアンコール。それって、前にやったのと同じでしょう。もう少し、レパートリーはないの?

ともあれ、一昨夜に続き、今日も素晴らしい演奏に出会えて、音楽好きとしてはこの上もない幸せです。



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この記事へのコメント

1, カンパさん 2010/05/15 01:43
はじめまして。
私もTOCでの公演行きました。

上原さんにはいつも驚かされます。
本当に素晴らしいピアニストですね。

チャイ5には不満若干不満でしたが、
なかなかの公演だと思います。
オケも若く通常のロシアのノリとは違って面白かったです。

アンコールの件は勘弁してあげてくださいww
オケの場合はなかなか融通がきかないですし、
(アンコール要員でオケメンバー連れてきてたりしてますし)
特に外来はレパートリー固まってしまうもんですので。。。

2, Dさん 2010/05/15 17:16
はじめまして。同じコンサートを聞きました。座った席が悪かったからか、ピアノの音が時々聞こえにくく、ちょっと印象が違いました。次回、上原さんのリサイタルで再確認したいです。オーケストラについては、弦が分厚くてアンサンブルも非常によく、感激しました。

3, saraiさん 2010/05/16 19:04
カンパさん、saraiです。
初めまして、コメントありがとうございました。

所用で出かけていたので、お返事が遅れ、ごめんなさい。

上原さんはいつもsaraiの耳を楽しませてくれる数少ないピアニストの一人です。というか、追っかけに近い聴き方をしている唯一のピアニストです。

チャイコフスキーの第5番ははっきり言うと、《悲愴》とは雲泥の差でなかなかでした。まあ、超一流のオーケストラとは比べないことにしましょう。

アンコールは事情は分からないでもありませんが、せめて、プログラムごとにそれに合わせたアンコール曲の構成は考えてほしいなあと思います。カンパさんのせっかくのお言葉ですから、水に流すことにしましょう。

また、音楽ネタへのコメントお願いします。

4, saraiさん 2010/05/16 19:47
Dさん、saraiです。
初めまして、コメントありがとうございました。

確かに席によっても印象が変わることってありますね。ホールは場所によって響きが変わりますものね。ただ、saraiの席でも、おっしゃるようにピアノの特にパッセージのなかでピアノッシモの音が聴こえない、あるいはタッチミスしているかもしれないのは十分、感じていました。それでも、それはピアノ演奏の完全さよりも音楽表現を優先させた結果と解釈しました。以前の上原さんの演奏と違い、今年のサンリーホールのリサイタルあたりから、さらなるステップアップ目指して、新しいスタイルを模索していると感じています。ピアニストというより音楽家として、一回り大きくなっていくような予感がします。

5, saraiさん 2010/05/16 19:49
Dさん、お返事の続きです。

今回のコンサートはそれが成功しつつあると思い、大絶賛のエールを送りました。

次回の鎌倉芸術館のリサイタルでも多いに楽しませてくれるものと信じています。

でも、まあ、演奏の受け止め方は人それぞれなので、saraiの意見は単に参考レベルに聞き流してくださいね。

6, Dさん 2010/05/16 23:34
sarai様、ありがとうございます。上原さん、今年は国内での演奏が続くようですね。ジャパンアーツのサイトでスケジュールが確認できます。今回の上原さんの演奏で少し気になったのは、オケとの呼吸の若干のズレがなかったか、ということでした。途中で上原さんが身を乗り出してオケの音を聞こうとしていたのも、なんとなくオケとのズレが気になっていらっしゃったかなあと、これは単純な空想です。今回のオケは、おそらく独奏者のテンポの揺らぎや癖などに瞬時に反応するだけの余裕がないのではないでしょうか。同時に、上原さんも、コンチェルトの際にテンポを保つことから少し逸脱気味なのかもしれませんね。今晩の長野の演奏はどうだったでしょうか?それにしてもテクニックは素晴らしい。また、こちらの記述も理解に非常に助けになります。おかげで、気になるソロイストがまた一人、増えました。

7, saraiさん 2010/05/17 00:40
Dさん、saraiです。
再度のコメント、ありがとうございます。

上原さんはもう今回、何度もこのオーケストラとやってきて、きっと、このオーケストラとの折り合いを自分の中でつけたのではと想像しています。
すなわち、オーケストラのことはあまり気にしないで、自分の音楽を構築するということです。
オーケストラがついてこないのに、自分の音楽のレベルを下げて、合わせるといのは芸術家にとって、あるまじき行為ではないでしょうか。
逆に、このために、上原さんはいつも以上に自由に演奏できたのではないでしょうか。あの自由闊達な演奏は実際、素晴らしかったですからね。

たとえば、ベルリン・フィルあたりと真正面からぶつかり合う演奏だったらと想像すると、楽しくてたまりませんが、本当に実現してほしいものです。

ピアノ・リサイタルはその面、安心できます。

8, たんばさきさん 2012/05/29 14:01
素人の意見です。右脳の活性のためにクラッシックを聞いています。上原さん上手いのですが、右脳に響きません。手さばきは上手いが脳に響かない…。素直な感想です。

9, saraiさん 2012/05/29 21:16
たんばさきさん、saraiです。コメントありがとうございます。

音楽に素人も何もないでしょう。ただ、みなさん、色々な感じ方ですね。saraiはこの演奏にただただ感動しました。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,  

ノリントン+シュトゥットガルト放送響、そしてパク・ヘユン!@みなとみらいホール 2010.5.12

今日は興奮のコンサートでした。
何といっても、若手ヴァイオリニストのパク・ヘユンとの出会いです。
またまた、saraiのお気に入りが増えました。
ヴァイオリンでは、ヒラリー・ハーン、庄司紗矢香に今日、まったくの無名(少なくともsaraiにとっては)の韓国出身の18歳の女の子が仲間入り。
saraiの今後の生涯、ヴァイオリンには満ち足りた人生が約束されたようです。
それにしても、最初のフレーズを聴いただけで、胸が熱くなり、涙が滲みました。音楽の世界にも一目ぼれ(一耳ぼれ?)ってあるんですね、初恋みたいです。
ブラームスの最初の激しく重音をかき鳴らすフレーズの何と情熱的なことか! これがブラームスですね。

さて、ともあれ、今日のコンサートの話を始めましょう。
サー・ロジャー・ノリントン指揮のコンサートが聴けるのでそれなりに期待していたコンサートでした。
オーケストラはシュトゥットガルト放送交響楽団。まったく聴いたことありませんが、ドイツのそれも放送オーケストラはどれも素晴らしい音楽を聴かせてくれますから、安心?して、期待できます。
チケットは売り出し当日にゲットしたので、最上の席。残念ながら、数日前にネットで半額チケットが販売されましたが、それもなんのそのです。
演奏会場はいつもの横浜みなとみらいホールです。

今日のプログラムです。

 ハイドン:交響曲第1番ニ長調
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
  ヴァイオリン独奏:パク・ヘユン
  《アンコール》イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番から第1楽章
 --休憩--
 ドヴォルザーク:交響曲第7番二短調
  《アンコール》ワ-グナー:「ローエングリン」第3幕への前奏曲

で、事前に予習したCDがこれ。

 ハイドン:交響曲第1番ニ長調
  A.フィッシャー+アウストロ・ハンガリアン・ハイドン管弦楽団
   33枚組みの全集です。今や定番です。
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
  ヒラリー・ハーン+マリナー+アカデミー室内管弦楽団
   最近のCDではピカ1でしょう。今を感じさせる演奏です。
 ドヴォルザーク:交響曲第7番二短調
  ノイマン+チェコフィル
   ご当地もののCDですが、普遍的な名演です。

コンサートですが、まずは、オーケストラメンバーが入場する前に異様なステージセッティングに仰天。ステージの全面には椅子も何も置いてありません。それどころか、指揮台はないし、指揮者用のような譜面台が何個も立っています。
オーケストラメンバーがはいってきましたが、超少ない!
ハイドンの初期も初期、1番ですから少ないとは思いましたが、これほどとはね。
しかもヴァイオリンやヴィオラの奏者は椅子に座らず立ったまま。あの指揮者用と思った譜面台は彼らの立奏用だったんです。
ヴァイオリンとヴィオラで7人。チェロ、コントラバス、管楽器で7人。計14人です。まさに室内オーケストラです。

ノリントンが登場し、彼は譜面台なし。暗譜ですね。
いやあ、こんなハイドン、初めてです。バロック風の演奏です。
まるでバロックオペラを聴いている感じでなかなかの雰囲気です。
第2楽章にはいり、ますますエンジンがかかり、美しい緩徐楽章を奏でます。
あまり、この手の演奏に触れていないので、とても新鮮に響きます。
第3楽章もあまり走らず、ゆったりとした演奏で典雅な響きです。
すっかり、魅了されました。
このオーケストラでバロックオペラを聴くといいだろうなあ。
あまり演奏されないハイドンの初期の交響曲でsaraiも生聴きでは初めてでしたが、満足!満足!

次はさすがにフルオーケストラのブラームスですから、ステージのセッティングに時間がかかります。
ブラームスはさすがにバロック風の演奏は無理だけど、どんな演奏なんだろうと待ち構えます。
オーケストラのメンバーが揃ったところで、若いどこにでもいるようなかわいい女の子がヴァイオリンを持って入ってきました。今日まで、名前も知らないヴァイオリニストでまったく期待してはいませんでした。
まずは長大なオーケストラの前奏が続きます。その音色、響きに驚嘆!
すべての楽器がノン・ヴィブラートで演奏しています。こんなブラームス初めてです。楽器自体は古楽器ではなく、普通のモダン楽器ですが、奏法が古楽器風。
まるでオーケストラ全体がオルガンになったように感じます。
また、ヴィブラートがないせいか、非常にピュアーな響きです。特に弦楽器のピュアーさが感じられます。

そして、冒頭に書いたとおり、パク・ソユンの衝撃的なヴァイオリンソロがはいってきます。もちろん、彼女はヴィブラート(控えめですが)をかけており、オーケストラとの対比で華麗にも響きます。
第1楽章の最後までsaraiは感動のあまり、涙うるうる・・・
反則ですが、第1楽章の終ったところであえて軽く拍手してしまいました。お恥ずかしい。
そして、第2楽章の何と美しいこと!!
第3楽章はまた激しく情熱的に歯切れのいい真のブラームスの響き。メリハリを利かせて、ピアノの部分ではうっとりする美音。
何と素晴らしいヴァイオリニストが登場したんでしょう。
saraiがこれまで聴いたブラームスのコンチェルトでも、最高の演奏でした。

大拍手の後、アンコールで弾いたイザイがまた素晴らしい。実に音楽的な情熱に満ちた演奏です。昨年聴いたヒラリー・ハーンのイザイも完璧なテクニックで高い音楽性の素晴らしい演奏でしたが、このような情熱的な演奏にも心を打たれます。

休憩の時間、高ぶった気持ちがなかなか静まりませんでした。

休憩後はドヴォルザークの第7番。一体、どんな演奏になるのか、予想もつきません。
で、とてもとても、バランスのとれたアンサンブルの素晴らしい演奏でした。
表現は難しいですが、8番でも9番でもなく、7番というのがとてもよかった。
演奏機会が比較的少ない手垢のついていない7番を、有機的に一体化したオーケストラがピュアーな響きを最弱音から最強音まで、美しきホールに響かせていました。
ボヘミヤの民俗的な演奏ではありませんが、美しい響きは何者にも代え難く、インターナショナルに感動を覚える演奏です。平明ともいえる演奏でした。
ドヴォルザークの第7番の素晴らしさを再認識したのも事実です。

アンコールのワーグナーはスーパーオーケストラの定番ですが、この手の曲も金管が吠え、贅沢なサウンドを響かせていました。さすがですね。

今年1番のコンサートでした。
これだから、音楽はやめられない。



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諏訪内晶子+バシュメット@みなとみらいホール  2010.5.8

久しぶりに諏訪内晶子さんの演奏を聴いてみることにしました。
一時期、よく聴いたこともありましたが、あまり心に響かないコンサートが続いたこともあり、すっかり、足が遠のいていました。

で、今回、バシュメットと国立ノーヴァヤロシア交響楽団の来日コンサートで別の日に上原彩子さんが共演するので、これは是非聴かねばと思い、その一環で、この諏訪内晶子さんの共演するコンサートも聴いてみる気になりました(諏訪内晶子さん、ごめんなさいね)。

諏訪内晶子さんといえば、リサイタルで聴いたバルトークのソナタ第1番は今でも記憶に残る快演でした。どうも彼女は20世紀ものの演奏が向いているような気がいしており、今回のショスタコーヴィチの演奏にも期待したわけです。

コンサートはsaraiのホームグラウンドのみなとみらいホールで5月7日(金)7時開演。
プログラムは以下のとおりです。

 ショスタコーヴィチ:祝典序曲
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
 チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》
  [アンコール]
 ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
 アブレウ:ティコティコ

最初の祝典序曲は最近、コンサートでよく取り上げられるそうですが、saraiは初聴きです。ブラスバンドでも定番の曲みたいで、金管が大活躍する曲です。
ロシアのオーケストラらしく、エネルギーに満ちた金管のパワーが炸裂します。
アンサンブルはまだ発展途上といった印象です。

さて、この短い序曲に続き、いよいよ、諏訪内晶子さんの登場です。
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番では、最初の第1楽章が音楽的に充実し、ショスタコーヴィチらしさが出ていて、好きな部分です。
諏訪内晶子さんはとても丁寧にきれいな音色で演奏していました。が、ここにこめられた沈痛な心が響いてこなかったのはとても残念です。表面ではきれいな旋律が流れ、底流ではショスタコーヴィチ特有の沈痛さが心を打つという演奏がsaraiは好きなんです。
この日の演奏の白眉は思いがけず、第3楽章。ゆったりとした印象的なメロディーを淡々と演奏しましたが、それが何ともいえず、心地よい。美しいとさえ、言っていいかもしれません。虚飾のない演奏というのか、素直に聴ける音楽です。

ところで、この日はさすがに諏訪内晶子さんのファンの方々が詰めかけていたようで、必ずしもそうでないsaraiは何か、いたたまれない思いではありました。
結果的に彼女とsaraiはあまり相性がよくないようです。

休憩をはさんで演奏されたチャイコフスキーの悲愴は、このオーケストラの今後の成長は予感できるものの、指揮のバシュメット含めて、もっとアンサンブルを磨き、よい響きを欲しいということを強く感じました。

次の上原彩子さんとの共演に期待したいものです。



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イギリス音楽尽くし by 東京都響@サントリーホール 2010.4.15

今日は東京都交響楽団の2010年度の1回目のサントリーホールの定期演奏会に足を運びました。

今年、来年はマーラーイヤーで世界中でマーラーのコンサートが盛んですが、マーラーといえば、この東京都交響楽団が今は亡きガリー・ベルティーニの指揮の下、5年間にわたって、横浜・埼玉で10回のマーラー・チクルスを続けたことを思い出します。saraiもみなとみらいホールで全10回を聴きとおし、素晴らしい思い出になっています。実はマーラー・チクルスに先立って、前年にみなとみらいホールでマーラーの5番のコンサートも聴いているので、11回のシリーズだったともいえます。そして、この11回で最高の演奏は最初の番外の5番と最後の9番だったというのは、何とも不思議なような、そして必然だったような気もします。最後の9番は結果的にベルティーニの日本でのラストコンサートになりました。もともと、ベルティーニの音楽監督最後のコンサートではありましたので、東京都交響楽団も聴衆も感無量で聴いていたわけですが、それがマーラーの9番とくれば、すべて舞台は整っていたわけで、伝説の感動のコンサートになったわけです。今でも、時折、このときのライブCDを聴いて、しみじみとしています。ベルティーニは本当に素晴らしいマーラー指揮者でした。そして、その指揮に十分、応えていた東京都交響楽団も素晴らしいオーケストラでした。saraiも日本のオーケストラをこのマーラー・チクルスで再認識しました。

前置きが長くなりましたが、それから、大分、時間が経ちましたが、今年、マーラーイヤーということで、東京都交響楽団にやはりマーラーを得意にするインバルが音楽監督になったことを契機に、再び、このオーケストラでマーラーを聴いてみようということで、今年から、定期演奏会の会員になりました。

で、今日がその1回目のコンサート。
まだ、お目当てのインバルのマーラーは6月の第2番「復活」までお預け。
今日は何故か、イギリス音楽のスペシャリスト?のジェームズ・ジャッドの指揮でイギリス音楽の特集です。
プログラムは以下のとおりです。

ヴォーン・ウィリアムス:アリストファネス風組曲「すずめばち」から序曲
ウォルトン:ヴィオラ協奏曲
 ヴィオラ:今井信子
 アンコール ヘンデル:歌劇「リナルド」よりアルミレーナのアリア
        「私を泣かせてください」(ヴィオラ独奏版:細川俊夫編曲)
エルガー:交響曲第1番

最初の「すずめばち」序曲ですが、たまたま、ヴォーン・ウィリアムスのオーケストラ曲全集のCDで聴いてはいましたが、ほとんど、記憶に残っていません。演奏される機会は珍しいですね。
この曲は最初、すすめばちの羽音を模した弦楽だけでの合奏で始りますが、久しぶりに聴く東京都響の弦楽セクションの響きは流石に素晴らしい。多分、日本のオーケストラでは最高のレベルではないでしょうか。続く主部は、ギリシャの作家アリストファネスの喜劇「すずめばち」の劇音楽の序曲ということで、ウィットに富んだ感じの曲が展開します。それでも、イギリスの作曲家の面目躍如、イギリスの田園風景を思わせる曲想で心がなごまされます。このあたりは、指揮者ジャッドの的確な曲作りを感じます。それにしても、マーラーで感銘を受けた東京都響の響きはイギリス音楽でも、十分、その美質を発揮しています。

続いて、ウォルトンのヴィオラ協奏曲ですが、この曲自体以前に、まだ、ウォルトンの曲は何も聴いたことがありません。もちろん、作曲家の名前自体は知っているし、ヴァイオリン協奏曲などのCDがあるのは知っていますが、その程度。あわてて、CDを入手して、俄か勉強。CDはプレヴィン指揮のロンドン交響楽団でヴィオラがバシュメットというなかなかの組み合わせ。このCDはよい演奏でした。繊細な肌触りを思わせるデリカシーに富んだ演奏です。
で、この日は日本を代表するヴィオラ奏者の今井信子さん。生で聴くのは、初めてです。
意外にあっさりした表現での演奏で始ります。ある意味、無機的とも感じます。
流石に繊細で美しい響きではあります。意識的に、情に流されないように演奏しているのかなと感じます。
情感を内に秘めて、淡々としずやかにこの曲をまとめあげたという印象。1920年代に作曲されたこの曲をロマン性を極力排除した演奏でしょうか。
終楽章でヴィオラのソロの重音が静かに消え去るようにして曲を閉じて、何か心に深いものが残ります。
もう一度、聴いてみたい曲です。
こういう演奏に過大な拍手・喝采は似合いませんね。静かに、静かに、拍手したいものです。
ともあれ、何度も、ステージに呼び戻されて、今井信子さんがアンコール。
テレビでもおなじみのヘンデルの名曲です。
何と、しみじみとした曲・演奏でしょう!!
何も言うことはありません。じっと目を閉じて、心に音楽を沁み渡らせます。

最後は休憩を挟んで、エルガーです。
エルガーといえば、「威風堂々」とか「愛の挨拶」があまりにも有名ですが、それを別にすると、今日の交響曲第1番や第2番、それにチェロ協奏曲あたりはよくコンサートでも演奏される曲になっています。
この交響曲第1番の第1楽章の始めの部分と第4楽章の最後の部分は、「威風堂々」を思わせる大英帝国の栄光を表現したようなゆっくりした行進曲風のメロディーラインで実に分かりやすく、人々を鼓舞すること間違いなしといったところです。これを実に指揮者がうまく展開します。まるで、毎年夏にイギリスで開催されるプロムス音楽祭、その最後を飾るロイヤル・アルバート・ホールでのラスト・プロムスみたいだなって、思っちゃいました。この会場にイギリス人がいれば、きっと興奮するんじゃないでしょうか。
でも、saraiが一番、感銘を受けたのは、第3楽章の美しい響きです。弦楽器を主体にしたとても美しい曲に包まれて、幸福感に浸ることができました。
ちょうど、座席がステージに向かって左側で、真正面が第1ヴァイオリンのセクションです。それも前から4列目で、もろに第1ヴァイオリンの美しい響きが耳にはいってきます。
第3楽章はその第1ヴァイオリンに魅了されたといってもいいと思います。このオーケストラの第1ヴァイオリンは後列の奏者まで、素晴らしく、きっちりと弾いていることが分かりました。そして、みんなうまい!
これから、1年間、この席で聴けるのは何よりです。きっと、マーラーも素晴らしいでしょう。

イギリス音楽は、そんなにドイツ音楽ほど、演奏される機会はないので、たまには、こういうプログラムはsaraiにとってもありがたいですね。

またしても、上機嫌でサントリーホールを後にしました。
今日はとても満足できるコンサートでした。



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歌劇「ウィリアム・テル」 by ゼッダ+東フィル 2010.3.7

前日のウィーン放送交響楽団のコンサートに引き続き、本日はオーチャードホールで東フィルの定期演奏会を聴きます。色んな思いがあり、東フィルの演奏会はこれでしばらく打ち止め。2010年度は東京都交響楽団のサントリーホール定期演奏会の会員になりました。しばらく、インバルの指揮を聴いてみます。

東フィル最後のプログラムは

 ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」(コンサート形式)

この歌劇はロッシーニ最後のオペラで4時間の大作。ワーグナー並みの長さですね。もともとフランスで書いたオペラでオリジナルはフランス語版。今回は原作に忠実にということで、フランス語で公演。で、題名もフランス語の題名「ギヨーム・テル」というのが、今回の上演の正式な題名になります。また、長大なオペラなので、今回は抜粋版でコンサート形式。

それでも、なかなか公演の機会が少なく、また、オリジナルのフランス語版ということで貴重な上演です。ロッシーニの権威であるゼッダが指揮するのも注目です。
特別な抜粋版で出演者も3名に絞っています。

 指揮:アルベルト・ゼッダ
 マティルド(ソプラノ):イアーノ・タマー
 アルノール(テノール):石 倚浩
 ギヨーム・テル(バス):牧野 正人
 合唱:新国立劇場合唱団

なお、当初、マティルド役はマリーナ・レベカの予定でしたが、急病のため、交代になっています。

聴きどころは、有名な序曲、マティルドのアリア《暗い森》、アルノールのアリア《涙誘う無人の家》あたりでしょうか。

ソロを歌った3人の歌手はそれぞれの持ち味を活かした歌唱で好演というべきでしょう。
特にソプラノのタマーは容姿も美しい上に、なかなかの美声でテクニックも上々。少し、音程に甘さがありますが、十分、魅力的でした。
テノールの石は少し線が細いですが、張りのある高音で会場を沸かせていました。
ゼッダの指揮はつぼを押さえた指揮で安心して聴いていられる演奏で、ロッシーニらしい音楽の流れを作っていたといえるでしょう。
ただ、抜粋版ということで、オペラの構成上、曲と曲の間の有機的な流れがとぎれるのは仕方のないところかもしれません。もう少し、省略を減らして、音楽の強い流れが欲しかったところではありました。

ともあれ、DVDでも、1988年のミラノ・スカラ座(ムーティ指揮)のイタリア語版しか、めぼしいものが無いなかで、日本でこういうものが聴けたのは誰にとっても貴重な経験だったでしょう。saraiもこの公演に先立って、上記のDVDで予習したことも含め、よいロッシーニ体験になりました。




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ウィーン放送交響楽団@オペラシティ 2010/3/6

いろんな経緯があり、3月6日(土)にドゥ・ビリー指揮のウィーン放送交響楽団のコンサートを東京オペラシティに聴きに行きました。

当初、ウィーン放送交響楽団の来日コンサートはパスするつもりでした。
というのも、みなとみらいホールでのコンサートは、ベートーヴェンの運命と田園というプログラム。いくらなんでも、こんな名曲コンサートはご勘弁をという感じでパス。

ところが、ウィーン在住のはっぱさんの強力なご推奨があり、かなり、心が揺れました。
そして、そこにタイミングよく、Eプラスから、50%割引の得チケのメール。
しかもプログラムを見ると、みなとみらいホールのプログラムとは異なり、はっぱさんがウィーンのチャリティコンサートで聴いたプログラムと同じ。
こりゃ、行くしかないでしょうって思い、チケットを購入した次第。

ちなみに東京オペラシティでは翌日もコンサートがあり、この日のプログラムはsaraiが敬遠した運命と田園です! なんだかね・・・

ともあれ、saraiが聴いたのは次のプログラム。

 ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第2組曲
 ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(ハープ版)
  ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ
 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 ドビュッシー:交響詩「海」

スペイン・フランス系の曲目で、名曲揃いではありますが、ドイツ系好みのsaraiには少し、苦手なものもあります。
とりあえずは、事前の予習ですが、なんと、「三角帽子」のCDがない。
あせって、ネットで購入。あまり、最近のCDにはよさそうなものがなく、相当に古い往年の名演奏、アンセルメ+スイス・ロマンド管弦楽団のCDを選択。
ところがこのCDは素晴らしかった。やはり、よく昔聴いていたこのコンビの演奏は歯切れがよく、バレエ音楽、スペイン系の曲にぴったり。しかも、1960年頃の録音にもかかわらず、見事な96ビットによるデジタル化が成功し、素晴らしい音質。
久々に聴いた「三角帽子」はすっかり楽しめました。
アランフェス協奏曲はもちろん、ギター演奏のCDしか持っていないので、定番のイエペス盤で予習。

さて、コンサートですが、まずはその「三角帽子」。
アンセルメの演奏と同様に歯切れのよい演奏。特に弦のシャープな響きがこの曲にぴったりです。管楽器も弦との調和がよく、バランスのよいアンサンブル。
ウィーン・フィルのように美の極致に酔わせるとか、名人芸を披露するというのではなく、素直にすっきりした美しい響きで調和のとれた演奏という感じで好感が持てます。
この日の曲目はスペイン・フランス系ということもありましたが、音色も明るく、目をつぶって聴いていると、ウィーンのオーケストラというより、まるでパリ管弦楽団の演奏を聴いている錯覚にとらわれる感じです。
往年の絶頂期のアンセルメ+スイス・ロマンド管弦楽団に優るとも劣らないという演奏でした。

次はハンサムなメストレがハープ独奏のアランフェス協奏曲。ハープ版のアランフェス協奏曲を聴くのはもちろん初体験。
第1楽章はハープ独奏から始まります。興味駸々で聴き始めましたが、さすがに違和感があります。意外に音量が小さく、ギターと同程度。音色もギターのような響きではありません。特にギターの左手がフレットを擦るシュッという雑音がないのが何故か寂しい。当たり前ですが、これはギター協奏曲ではなく、ハープ協奏曲ですね。
そう思いながら、第1楽章が終わり、いよいよあの超有名な第2楽章。別名、「恋のアランフェス」なんて言いますね。
これはなかなか聴かせました。楽章全体を哀調を込めた響きが包み込みます。ハープ演奏も第1楽章の感じとがらっと変わり、よく弾き込んでいます。特筆すべきは大活躍するコールアングレです。ぐっと抑えた渋いとも言える演奏で、逆に聴衆を引き込みます。
弦楽器を中心としたアンサンブルもすっきりした透明感で曲を盛り上げます。
第3楽章はまた、よくも悪くもハープ協奏曲。
第2楽章の感じで第1・第3楽章もいければ、ハープ版もなかなかよいのですが、これはハープ独奏者の問題。オーケストラは十分にアランフェスの世界を表現していたと思います。

ここで、ハープのアンコールが2曲。

 ファリャ:歌劇《はかなき人生》より ...「スペイン舞曲」第1番
 タレガ:アルハンブラ宮殿の思い出

ギターつながりでのアンコール曲ですね。基本的にギター曲って、ハープで弾けるんですね。妙な感心。

ここで休憩にはいり、休憩後はドビュッシー。
まず、牧神の午後への前奏曲。
始めのフルートの独奏、よく響いていました。このオーケストラ、なかなか木管がうまい。続いて、オーケストラですが、全体を通して、あまり、けだるい感じにはならず、すっきりした表現。これはこれで納得のいく演奏です。思いのほか、あっという間に曲が終わったと思いました。これはいい意味でこの有名な曲を新鮮に聴かせたということです。なかなかの好演です。

最後は交響詩「海」。よい曲だとは思いますが、聴くたびに結構、その単調さ故に退屈し、眠くなることも暫しというのも事実。
この日も演奏も少し、その気配もありましたが、響きの美しさと正確な演奏でかなり救われました。実演ではこれまでで一番、聴けました。

全体を通して、このコンビはバーンと何かインパクトのあるものを聴衆に押し出してくるのではなく、聴衆自身がその演奏のなかにあるものを主体的にくみ取るというスタイルなのかなと感じました。実際、演奏のレベルは高く、中身も十分にあるので、あとは聴衆自身の感性と素養の問題でしょう。

そんなことを考えながら、このコンビはベルリオーズはどう演奏するのか、さらにはR・シュトラウスはどうなんだと興味は尽きないところ。
とか何とか、拍手が続く中、アンコールが2曲。

 ビゼー:カルメン前奏曲
 ヨハン・シュトラウス:ポルカ「雷鳴と電光」

いやはや、カルメンは「海」のような微妙なニュアンスの揺れ動く曲とは異なって、明快なメロディーが思いっきり、前面に飛び出してきます。このような名曲アワーのような曲の演奏が実にうまい。心の底から、楽しめる演奏です。
で、最後はやっぱり、ウィーンかって感じですね。自由奔放に弾きまくりました。これを聴くと、やっぱり、ウィーンのオーケストラですね。

saraiは7月にウィーンに行き、アン・デア・ウィーン劇場でオペレッタ「こうもり」を聴きますが、はっぱさん情報では、オーケストラはこのウィーン放送交響楽団だそうです。「こうもり」では舞踏会の場面でよくこのポルカ「雷鳴と電光」を演奏しますが、また、これを聴くことになるのでしょうか?

ウィーン・フィルとはまた一味も二味も違った別物のウィーンのオーケストラを聴きました。うーん、ウィーンの音楽文化は深く、そして広い。



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この記事へのコメント

1, Njegusさん 2010/03/07 15:00
saraiさま
私も「はっぱ」さんのブログを見てあわてて2月22日東京文化会館でのRSOの公演(saraiさまが聴かれたのと同じプログラム)の切符を買って聴きに行った口です。スペインとフランスの作曲家の作品だけのプログラムも良かったですが、ハープでのアランフェス協奏曲、素敵でしたね。7月15日のTheater an der Wien「こうもり」でのビリー+RSOの演奏が楽しみになりました。
ところで、バイエルンのフェストシュピーレの7月10日の「トスカ」立見券と12日の「悪魔たちの悲劇」の切符を申込んでいるのですが、まだなんの返事も来ませんが、取れることを期待しています。
7月9日Essen Aalto Theaterでの「チャールダシュの女王」の切符は来週くらいには発売されるようで待っているところです。

2, saraiさん 2010/03/07 23:14
Njegusさん、たびたびのコメントありがとうございます。

どうも、Njegusさんとは聴くものがかぶりますね。好みが似ているんでしょうね。
アン・デア・ウィーン劇場の「こうもり」楽しく聴けそうですね。

バイエルンですが、「フィガロ」でさえ、予約がおかしく、メールを送っていますが、反応が悪くて困っています。とりあえず、「フィガロ」のそこそこの席を確保したという連絡だけでももらったので、よしとすべき状況かもしれません。
あんまり、毎日オペラを見るなという神のお告げかも???

Njegusさんも頑張って、チケットを予約できることをお祈りします。

3, はっぱさん 2010/03/08 10:14
Sarai さま、
Njegus さま、

バタバタしていて御礼を書くのが遅くなってごめんなさい。
強力に推した手前、「何だ、この!」とか怒っていらしたら、と
心配していましたが(ほら、音楽って、主観の問題ですし)
お気に召していただけたようでホッとしています。

アンコール、やっぱりやりましたか (^^)v
ウィーンでも、カルメンとポルカを演奏したので
あ、これ、日本公演のアンコール曲だな、と
一人、ニヤニヤしておりました。

すっきりした音で、ヘンな思いこみのない誠実なオーケストラですが
ポルカを弾かせると、やっぱりウィーンの音を出すんですよね(笑)

このオーケストラが本領を発揮するのは現代曲の初演だったりするのですが、これを聴けるのは、まぁ、ウィーンにいる特権という事で f(^^;)

4, saraiさん 2010/03/08 10:56
はっぱさん、saraiです。

当ブログ、初登場、ありがとうございます。
これから、ご報告を書こうと思っていた矢先でした。
こちらこそ、色々な情報へのお礼が遅れて、ごめんなさい。
こちらも昨日の東フィル定期演奏会とかばたばたしていました。

アンコールですが、配偶者の感想はカルメンはともかく、ポルカは何て荒っぽい演奏なのって驚いていました。
それまでの精妙な演奏が吹き飛び、まあ、乗りまくりの演奏でウィーン丸出し。
確かに唖然としましたが、楽しかったですよ。ウィーンでもあんな演奏をして、ウィーンっ子は驚かなかったんですか?

現代音楽の初演はさすがに東京でも客が集まらないでしょう。それはウィーンにお任せ。はっぱさんにお任せってことで・・・

5, Njegusさん 2010/03/09 16:10
saraiさま
昨夜から今日にかけ、Essenの「チャールダシュの女王」の切符が取れたのと、バイエルン・オペラフェストシュピール事務局から「トスカ」立見席券と「悪魔の悲劇」の券を郵送してきまして、これで、7月の旅行で予定しているオペレッタ5本、オペラ2本はとりあえず見れることになりました。(立見席があまりにもひどいようならRegensburgの「ジプシー男爵」も考えてみますがどんなものでしょうか?)途中13,14両日はザルツブルクからGrossglocknerとHalstattあたりに日帰りで足をのばしてみる予定です。なにしろ、年寄りの一人旅なのでこのあたりが精いっぱいというところです。
自分のことばかり書きまして大変失礼いたしました。

6, saraiさん 2010/03/09 21:33
Njegusさん、saraiです。

チケット揃って、よかったですね。バイエルンの立見席って、どんなのでしょう。ウィーンみたいでは? とりあえず、途中まで見て、疲れたら、帰るつもりでいいんじゃないでしょうか。帰れないほど、いい公演なら、それで結構だし。
こちらはまだバイエルンは2晩(フィガロ、トスカ)とも未決着です。
事務局の反応が鈍くて困ります。
ザルツブルグはニアミスですね。こちらはミュンヘンに向かう途中。Njegusさんはウィーンに向かう途中ですね。
お互い、楽しみですね。

7, ハルくんさん 2010/03/12 07:25
saraiさん、こんにちは。ご無沙汰して失礼しました。

自分もビリー/ウィーン放送交響楽団はパスしましたが、面白そうでしたね。聴けば良かったな。でも僕ならやはり「運命」「田園」ですね。(笑)

バイエルン歌劇場は3年前に行って「神々の黄昏」を聴きました。本場の劇場に毎年行けるsaraiさんが実に羨ましいですよ。今年の夏も現地レポートを楽しみにしていますね。

8, saraiさん 2010/03/12 09:32
ハルくんさん、saraiです。

こちらこそ、ご無沙汰しています。
マーラーの4/5/6番はどれも好きな曲で、あんまり思いがありすぎで、うかつなことを口走りそうで、コメントを自粛していました。
それにマーラーって、やっぱり、実演で聴くのが楽しいです。
また、お邪魔させていただくので、よろしくお願いします。

「運命」「田園」は、プログラムを見て、日本人の聴衆を舐めてるんか!って、怒り狂ったのですが、考え過ぎですかね。
それにそもそも、saraiは「運命」は子供の頃にクラシックの世界に誘った記念碑的曲はともかく、「田園」は生ぬるくて、とても相性が悪い。

7月の現地レポートはお楽しみに。オペラ・オペレッタのみですが。

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サロメ@METビューイング

NHKがBSハイビジョンで恒例になっているメトロポリタン歌劇場のLIVE VIEWINGを続けて5本放送しました。

なかでも、saraiが注目したのは、R・シュトラウスの楽劇「サロメ」です。
今、録画を見終わって、感動という言葉では正しくないと思い、言葉を探しました。
実に圧倒されたというのが一番、近い表現かなと思います。
これまでも「サロメ」は生でこそ見ていませんが、ビデオでは見てきました。そして、今回の「サロメ」は久しぶりに見た「サロメ」でした。
期待はしていましたが、正直、この作品がこれほどとは考えていませんでした。
R・シュトラウスの楽劇といえば、「ばらの騎士」、「ナクソス島のアリアドネ」が大好きで繰り返し、生でもビデオでも見てきました。

が、「サロメ」の真髄を今日、初めて知りました。R・シュトラウスの楽劇でも先ほどの2作と並んで素晴らしい傑作です。

今回の公演は以下の顔ぶれです。

サロメ (ヘロディアスの娘):カリタ・マッティラ
ヨカナーン (預言者):ユーハ・ウーシタロ
ヘロデ (ユダヤの領主):キム・ベグリー
ヘロディアス (領主の妻):イルディコ・コムロージ
ナラボート (若いシリア人、護衛隊長):ジョゼフ・カイザー
管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
指揮:パトリック・サマーズ
演出:ユルゲン・フリム

以上の顔ぶれで2008年10月11日にメトロポリタン歌劇場での公演でした。
1年少し前ですね。

前半はサロメとヨカナーンの一方的な(サロメの)愛の歌です。
マッティラとウーシタロの歌唱が素晴らしい。息つぐ暇がないほど、切迫感に満ちています。メロドラマといえば、メロドラマ。
求愛するサロメ。頑なに拒絶するヨカナーン。
R・シュトラウスの気品に満ちた美しい音楽に乗って、切実なドラマが進行し、見る者をぐいぐい惹きつけます。
マッティラの歌唱は声の美しさというよりも、人間の肉声に気迫がこもり、直接、こちらの感情を揺さぶるかごとくです。

中間部は有名なサロメの7つのヴェールの踊りがあり、マッティラも思い切った演技。ここでも彼女の気迫を感じます。後半につながる重要な場面ですが、どんどん盛り上がります。

そして、いよいよ、後半。ヨカナーンの首を銀皿にのせて、錯乱するサロメ。
これはまるで、R・シュトラウスが描いた狂乱の場です。
マッティラが狂ったように歌い、叫びます。
最初に書いたように、こちらはひたすら圧倒され続けます。
マッティラがサロメか、サロメがマッティラか、人間が生の感情を肉声にのせて、聴く者に迫ってきます。聴く者も正面から向き合わないととても聴いていられません。

そして、いきなり、じゃじゃじゃーん、じゃじゃじゃーん、じゃじゃじゃーん・・・でジ・エンド。

はっと我に返り、思わず、saraiも椅子を立ち、液晶スクリーンに向かい、スタンディングオベーション。
だって、これだけ、全身全霊を傾けた歌唱に対しては、たとえ、画面越しとはいえ、十分な敬意を払わなければ、オペラファンとは言えませんものね。

カリタ・マッティラ、恐るべきソプラノです。
そして、作曲したR・シュトラウス、これも恐るべき作曲家。
もちろん、原作を書いたオスカー・ワイルドも恐るべし。

でも、正直、こちらも疲れました!!



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マーラー「巨人」 by チョン・ミョンフン&東フィル@オーチャードホール 2010.1.31

今日は東京フィルのオーチャードホール定期。

今年度最後のチョン・ミョンフン指揮ですが、来年度からは彼はほとんど東フィルを振らなくなるので、ある意味、親密な関係にあったチョン・ミョンフン&東フィルの最終コンサートとも言えますね。
前回のサントリーホールで行われたブラームス・チクルスの2回目が素晴らしかったので、saraiも既に満足し、本日のコンサートには正直、多大な期待は抱いていませんでした。

チョン・ミョンフンが離れることもあり、東フィルのコンサートは次回、3月の定期を最後にし、saraiは来年度からは東京都交響楽団のサントリーホール定期会員に移動することにしました。インバルのマーラー、ブルックナーをじっくりと聴くことにしたわけです。

で、ともあれ、今回がサヨナラコンサートの気分で、気持ちよく、終わりたいなあと思っていました。

本日のプログラムは以下。

 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
  ピアノ:キム・ソヌク
 マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」

まずはモーツァルト。ピアノは初めて聴く韓国の若手ピアニスト。
力みない軽いモーツァルトで好感の持てる演奏です。
インパクトがないと言えば、その通りですが、妙に力のはいった演奏よりはずっといいです。
まあ、ピアニストの評価としては、この曲だけでは何とも言えませんね。
アンコールは
 シューベルト:即興曲Op.90-2
これは特に高音部の粒立ちのよいタッチの流麗な演奏で、演奏スタイルが新鮮に感じられ、とてもよい演奏でした。
少し、線が細く、ダイナミックさには欠けるものの、演奏する曲を絞り、小ホールで聴けば、とてもよいかも知れません。シューマン、シューベルトあたりを中心に置いたプログラムなどはよさそうです。
今後に期待したいピアニストです。
東フィルですが、この曲では、もう少し、クラリネットの存在感を打ち出してもらいたいところでした。

さて、休憩後は本日のメインディッシュじゃなくて、メインプログラムのマーラーです。
久々にマーラーに感動しました。
「巨人」はマーラーの交響曲のなかでは、あまりお好みの曲ではないのですが、この日の演奏はCD、コンサートを通じても、最高の演奏でした。
「巨人」という曲がこんなに素晴らしいとは、saraiの認識不足でした。
なんといっても、チョン・ミョンフンの指揮、曲作りがとても立派。
彼のマーラーがこんなにいいとも思ってもみませんでした。
まず、最弱音で曲が始まった途端、即、saraiの周波数とピタリと一致。幾分、遅めのテンポですが、実に内省的な演奏です。この弦楽器のハーモニクスの部分の表現が実によい。一転して、主要主題が始まると、テンポは一般的なテンポになりますが、先ほどの遅めのテンポとの対比がきいて、きびきびと聴こえます。そして、アインザッツがぴたりと決まり、今日のアンサンブルは素晴らしい。ずいぶん、練り上げられた演奏です。第1楽章は一気に終わります。ここで拍手したいくらい、素晴らしい。
第2楽章のスケルツォは、低音弦の素晴らしい音色で始まり、中間部を経て、輝かしく終わります。素晴らしい演奏が持続します。
第3楽章の葬送行進曲は静かに終わり、すぐに第4楽章に突入。
この輝かしい楽章はいつもは派手派手しく感じ、もうひとつ好きになれませんでしたが、この日の演奏はまったく別物。
まったく感動的です。アインザッツもぴたりぴたり決まり、もう、マーラーの世界に没入。どこがどうとかではなく、すべてが素晴らしい。思わず、saraiも手も握り締め、力が入ります。最後の金管奏者が立ち上がるところからはもうなんだか頭が混乱するくらい、分けが分からない状態。
そして、最後のじゃ、じゃん。ブラヴォー!!!

これまで聴いたチョン・ミョンフンの最高の演奏でした。
そして、しばらく、さようなら、チョン・ミョンフン・・・

決して、ウィーン風とは思えない演奏。日本人のオーケストラ。韓国人の指揮者。ウィーン・フィルだったら、きっと超絶に美しいウィーン風の演奏をするかも知れませんが、この日の彼らの「巨人」も最高に素晴らしい「巨人」でした。



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またまた、のだめカンタービレ

またまたです。

「のだめカンタービレ」もTVドラマ、アニメ、映画ときて、はたと漫画の原作を読んでいないことに気が付きました。
一昨年の旅では、プラハで千秋の指揮者コンクールの舞台となった市民会館まで覗き、WIIのゲーム「のだめカンタービレ」まで買い込んだsaraiです。
ここまでくれば、ファンとしてはちゃんと締めくくらないといけません(何が???)
 
で、ここは大人買いで漫画の全巻セットをゲットするぞと意気込み、ネットでチェック。意外に相場は高いですが、さすがにヤフオクにはずい分、出品があります。一つ目の入札ではゲット失敗しましたが、2つ目の入札で何とかゲット。

で、23巻セットが無事届いて、読み始めたところ。音は鳴りませんが、自分の頭の中で音楽をイメージすればOK。

こうなれば、映画の後編で完結かと思いましたが、何と、漫画で「オペラ編」が既に開始されたんですね。オペラと聴くと、saraiもまたまた興味津々。パリ・オペラ座(それもガルニエ)での椿姫から始まるそうです。なかなかですねえ。

で、一体、いつまで続くんだー!!!

話は変わって、年末に録画したクラシック音楽ハイライトを見ました。
ウィーン・フィル来日公演でズービン・メータが振ったベートーベンの交響曲第7番の第1楽章と第4楽章を聴きました。映画「のだめ」で聴いたばかりだったので、ウィーン・フィルではどう聴こえるか、興味を持って聴きました。テレビでは、やはり、あの繊細で美しいウィーン・フィルの響きを完全に聴き取ることは不可能ですが、第4楽章のかっちりとリズムを隈取った演奏のフォルムの美しさは抜群。メータも幾分、早めのテンポでぐんぐんフィナーレに向けて、盛り上げていきます。やはり、メータもなかなかの名指揮者ですね。映画「のだめ」のベートーベンの7番もよかったが、やはり、ウィーン・フィルは凄かったということです。

で、問題というか、何というか、のだめちゃんのピアノ演奏を受け持ったランランをこのハイライトでじっくりと聴いてみました。
一言でいうと、唖然・・・
saraiの大好きなバルトークのピアノ・ソナタ。難曲だと思いますが、エネルギッシュに自由奔放にのりにのって、パーフェクトに弾ききりました。終始、笑みをたたえて、余裕の演奏。まさにのだめちゃんが弾くバルトークそのもののイメージ。ある面では、究極のバルトークでしょう。
それでも、何故か、saraiには、何か違和感が残ります。リズム感は抜群だし、生き生きとした音楽作り、美しいタッチ、マジャールの血に満ちたメロディーラインもしっかりと表出、これ以上、一体、何があるんだ?
そうです。それこそがsaraiのイメージと違うんです。出来過ぎなんです。これでは、まさにバルトークももう古典だねって感じ。まるでリストの難曲を弾ききったのと同じ。
バルトークは第2次世界大戦前のヨーロッパのぎりぎりの限界状況を一身に受け止め、鋭く、ある意味、悲痛な叫びの音楽を表現したと思っています。人間として、とても共感できる作曲家です。
にこやかにそして美しいピアノの響きで気持ちよく演奏するだけの曲ではないんじゃないかというのが正直なところ。
反面、これからのバルトークの演奏はこれが規範ではないかという恐れも実はあります。
色んな感情が渦巻いて、saraiはとてもショックを受けました。
ランランは良い意味でも、悪い意味でも、恐ろしい新時代のピアニストです。彼は今や、ウィーンでも寵児だとのことで、彼のコンサートのチケットの入手も難しいそうです。彼の向かう方向によっては、音楽界にとてつもないリスクもあるかも知れないとさえ思います。
で、バルトークを弾き終わった彼はすぐにまた椅子に座って、何とショパンの英雄ポロネーズを弾き始めました。また、ショック。なんだか、バルトークと一緒に聴こえます。バルトークもショパンも一緒かあ?
生き生きとしたショパン、きっちりとしたテンポに支えられた安定感、ダイナミックなエネルギー、文句のつけようのない演奏です。
もう、まるで訳がわかりません!
一度、生で聴いてみる必要はあるでしょう。でも、彼のエネルギーに翻弄されるかも知れません。

この彼の弾くショパンのピアノ協奏曲第1番が映画「のだめ」の後編に流れるわけです。完璧でエネルギッシュで自由奔放なショパン。まさにのだめを体現するわけでしょう。でも、あのショパンの少し憂鬱さや陰の部分はどうなってしまうんだろう。
恐れと期待に満ちた後編はいかなることになるか。
saraiの趣味と異なる演奏だったトルコ行進曲のようでなければいいけれど・・・




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この記事へのコメント

1, まいくまさん 2010/01/25 22:21
saraiさま:

またおじゃましました。
「のだめ」原作はもう3回くらい読みました。
私くらいの中途半端だと、半分くらいは知らない曲で、随分刺激になりまし。た

あとクラッシックハイライトもみました。
そもそもベト7自体、あまり聴いておらず、ほぼ「のだめ」で知ったのですが、メータの指揮を見て、あ、やっぱ千秋はねっとりタイプに描かれていたんだとわかりました。

ランランも見ました。
あの演奏がウイーンでうけるとは、ちょっと信じられません。およそヨーロッパタイプとは思えないので。

バルトークはともかく、ショパンは私にはちときつかったです。

2, saraiさん 2010/01/25 23:25
まいくまさん、saraiです。

またまた、いらっしゃい。ありがとうございます。こちらはまだやっと今#9を読んでいます。

クラシックハイライト見られたんですね。ウィーン・フィルの7番は特別ですね。まったく、美しさの極致です。

ランランですが、ウィーンは文化の幅も深さも考えられないほどです。それにウィーンっ子だけでなく、よそからの観光客も多く、様々です。ですから、文化の受容力も想像以上だと思います。

saraiはバルトークファンなので、バルトークがむしろきつかったです。ショパンはいずれにせよ、いろんな演奏するピアニストがたくさんいますからね。
ウィーン在住の音楽通のかたから、ランランは何を弾いても、ランラン節だと聴いて、少し納得して、今はショックが和らいでいます。

3, まいくまさん 2010/01/25 23:55
saraiさん、相当深そうですね。
しかも本場を知っていらっしゃる。
相当刺激になりそうです。

近現代ものは苦手なのでバルトークも親しんでおらず。
ただ、今ピアノのレッスンでミクロコスモスを最初からさらっています。

バッハで挫折したら、先生からやるように言われたので。

これからもちょくちょく寄らせていただくかもしれません。よろしくお願いします。

4, saraiさん 2010/01/26 09:41
まいくまさん、saraiです。

またまたコメントありがとうございます。
残念ながら、本場を知ってるといっても、今年の7月にウィーンに行く予定なので、それでやっと7回目ということになります。それも基本的に音楽はオペラオンリー。まいくまさんのお好きなピアノは国内でしか聴いていませんよ。
ただ、ウィーンは世界中で1番好きな街なので、ネットなどの各種メディアでウォッチしてはいます。

ピアノをレッスンしているんですね。ミクロコスモスといえば、最初の部分は子供のレッスン用の簡単な練習曲で途中から急に難しくなりますね。昔昔、まだ結婚前の配偶者にアドバイス(半ば強制?)して、ミクロコスモスをレッスン用教材に練習してもらったことを思い出します。もちろん、簡単なやつです。まいくまさんは難しい方ですか?

音楽ネタもアップしますので、是非、お立ち寄りくださいね。

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上原彩子ピアノ・リサイタル@サントリーホール 2010/01/23

今年前半で一番楽しみにしていた上原彩子のピアノ・リサイタル。
今日、サントリーホールで聴きました。
結論を先にいえば、まったく素晴らしいリサイタルで大満足でした。

14時からの開演なので、途中、汐留のスペイン料理店でランチを食べ、開場の10分以上前にサントリーホールに到着。なんとホール前の広場では、朝市が開かれていました。少し、お店をひやかして、配偶者は花鉢をゲット。そうこうするうちに開場。

席は1階の9列目のど真ん中。席も良し。期待でいっぱいです。
今日のプログラムは以下。

 J.S.バッハ:『平均律クラヴィア曲集 第1巻』から第1番 ハ長調、
                         第7番 変ホ長調、
                         第8番 変ホ短調
 タネーエフ:プレリュードとフーガ
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
    ***休憩***
 リスト: J.S.バッハのカンタータ「泣き、悲しみ、悩み、おののき」の通奏低音と
       ロ短調ミサの「クルチフィクス」による変奏曲
 西村朗:『神秘の鐘』から 1.薄明光
 リスト:ラ・カンパネラ
    :『巡礼の年 第2年 イタリア』から「ペトラルカのソネット第47番」、
                      「ペトラルカのソネット第104番」
    :ハンガリー狂詩曲第2番 嬰ハ短調

前半はバッハとベートーヴェン、後半はリストが中心のピアノの王道を行くようなプログラムですね。なかなか、魅力的なプログラムだと思います。
なんといっても、saraiがまったく知らない曲が3曲もあるのが凄い(タネーエフ、西村朗、リストの最初の曲)。しかも結構マイナーな曲なので、予習も断念。本番でじっくりと鑑賞します。

いよいよ、上原彩子がステージに登場です。黒のロングドレスに身をつつみ、すっきりした様子。そうです。前回までのコンサートは妊娠中でしたからね。
ピアノはもちろん、YAMAHA。一度でいいから、スタインウェイを弾く上原彩子を聴いてみたいものですね。一回り、スケールが大きくなるのではと期待しますが、見果てぬ夢でしょうね。

さて、まずはバッハです。ホール内が異常にシーンと静まり返り、上原彩子もsaraiも集中力がぐーっと高まります。上原彩子がまさに鍵盤に手を置こうとしたその瞬間、動作が凍りつきます。何やら、ほんの小さな音ですが、かすかにメロディーが聞こえます。携帯か何かでしょうか。しばらくするとその音は消えましたが、一気に上原彩子もsaraiも集中力が低下。ホール内がシーンと静まるなか、再び、集中力を高めますが、困ったものです。
出鼻をくじかれた形ですが、非常に抑えた音量で実に静謐なバッハが始まりました。新しいスタイルのチャレンジですね。いつものダイナミックな演奏ではなく、抑えに抑えた演奏です。ただ、まだ、このスタイルがしっくりとくる感じではなく、第1番は正直、物足りない。第7番のフーガあたりはsaraiもかなり満足できるレベル。第8番はますます静謐な演奏ですが、胸に沁みる演奏です。プレリュードもフーガも気持ちよく響いてきます。
ただし、saraiの勝手な感想では、彼女は同じバッハを弾くのだったら、パルティータのほうが気持ちよく、聴けただろう。フランス組曲かイギリス組曲でもよかったかも知れない。平均律からの3曲はまだ将来でよかったかなと感じてしまった。平均律クラヴィーア曲集に真っ向から取り組む意図は分かるのだが・・・

次のタネーエフは曲の形式がバッハの平均律と同じプレリュードもフーガということでプログラムに組み込まれたようだが、まったく響きは異なる。いつもの上原彩子が戻ってきた。ダイナミックな美しい響きがホールに満ち、なんだか、ほっとして、saraiも聴き入りました。

前半の最後はベートーヴェンの30番のソナタ。第3楽章の変奏曲にフーガが出てくるので、フーガつながりの選曲でしょうか。
後期の3ソナタの一つでベートーヴェンの芸術の一つの到達点ともいえる作品。素晴らしいタッチで、しかも高い音楽性の表現で、心が洗われます。特に長大な第3楽章はなんと美しい! saraiも納得のベートーヴェンです。何もいうことなしです。きっと、今後のリサイタルで演奏されるであろう31番、32番が楽しみです。気が早いですけどね。

休憩後、バッハの主題に基づいたリストの変奏曲。まったく聴いたことのない曲です。最初、大きな音量で曲が始まり、あれっ、これってバッハと関係あるのと思っていたら、静かな音でバッハの旋律が流れ始めました。なかなか雰囲気がよい。フィナーレではぐっと盛り上がり、再び、バッハの世界で終わります。作曲家のリストも演奏の上原彩子も、そして、saraiもバッハが大好きで、大好きな仲間が集まって、バッハを中心にコミュニティを作ったという感じで、なぜか、胸が熱くなります。リストの曲ではありますが、バッハって本当にいいなあと思わせる曲と演奏でした。1昨年、ライプツィヒの聖トーマス教会の日曜ミサでのバッハ体験が懐かしく思い出されます。

次は西村朗の作品です。これは楽譜を見ての演奏でした。曲そのものの評価はこれだけでは判断がつかないので保留ですが、演奏はクリアーな響きで鍵盤全体を駆け巡り、耳に心地よく聴けました(これって、曲が良かったっていうことかな?)

次は超有名な「ラ・カンパネッラ」。先ほどの西村朗の作品とは「鐘」つながりとのこと。まあ、上原彩子としては、これくらいの演奏は当然って感じでした。気持ちよく、楽しませてもらいました。

で、次は「巡礼の年」の2曲。「ペトラルカのソネット」です。これはまさに感動の演奏でした。ロマンチックで歌っています。リスト演奏の大御所ボレットのCDも素晴らしい演奏でしたが、もっともっと素晴らしい演奏。ここまでのリストが聴けるとは思っていませんでした。特に2曲目の104番は終始、うっとりとして夢の世界。もう1回アンコール演奏してほしかったくらい、素晴らしかった!

最後はこれも定番のハンガリー狂詩曲第2番。まあ、これも何もいうことなしの演奏。ただ、なぜ、この曲でリサイタルをしめくくったのか、よく分からない。「ペトラルカのソネット」で終わって欲しかった感じです。

本当に期待通りのリサイタルで心から満足できました。上原彩子は素晴らしいピアニストですね。本物です。

アンコールはショパンの「別れの曲」とカプースチンの「8つの演奏会用エチュード」からプレリュード の2曲。
ショパンは繊細な表現というより、少し重厚な安定した演奏。これはこれでいいでしょう。カプースチンって、まったく知りませんが、プロコフィエフっぽい感じの曲で上原彩子だったらお手の物って演奏でした。

既に5月のチャイコフスキーのピアノ協奏曲と来年2月のラヴェルのピアノ協奏曲のチケットを入手済で、上原彩子が素晴らしい演奏を聴かせてくれることを信じています。



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この記事へのコメント

1, まいくまさん 2010/01/24 00:40
始めまして

上原彩子さん、初めて聴いたものです。
いつもヤマハなのですか。
きっとヤマハの音の路線でいきたいのでしょうね。

チャイコン優勝者なんで、もっとガツガツのテクニシャンを想像していたのですが、エレガント系だったのでびっくりしています。
リストのペトラルカのソネットは最近やっと聴きだしたのですが、良い曲ですね。

私も感想書いたのでよろしかったらどうぞ

2, saraiさん 2010/01/24 01:27
まいくまさん、初めまして、saraiです。
早速のコメント、ありがとうございます。

かなり、上原彩子さんにはまっています。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を最初に聴きましたが、正直なところ、日本人でこんなにラフマニノフを弾けるのか、驚嘆し、それから、プロコフィエフとか、いつも期待を裏切らない演奏ばかりです。

ヤマハは彼女の経歴でお分かりでしょうが、ヤマハ音楽スクールの出身なのでヤマハしか弾かないようです。是非、スタインウェイにも挑戦してもらいたいと願っています。

いえいえ、彼女はとてもテクニックが優れていますよ。その上、音楽性にも恵まれ、素晴らしい逸材だと評価しています。今日はかなり意識的に抑えた演奏でした。プロコフィエフなどはバリバリです。

ブログ読ませていただきました。内田光子は単身ヨーロッパで名声を確立した人。確かにあのレベルを是非目指してもらいたいものですね。

3, wolverinesさん 2010/01/29 12:25
初めまして。
上原さんのピアノ単純に大好きです。
今回も大阪のリサイタルにいきましたが前回と同じくピアノはスタンウェイでした。
会場のいずみホールの横はヤマハピアノのショウルームなのですがね(笑)

4, saraiさん 2010/01/29 16:28
wolverinesさん、初めまして、saraiです。

コメントありがとうございます。
上原さん大好き仲間ですね。

スタインウェイ弾いているとは知りませんでした。
少なくとも、saraiはまだ未経験です。
音の響きのスケールが大きいのではと想像します。
タッチの美しさは同じでしょうが。
一度、聴いてみたい!

5, wolverinesさん 2010/02/01 11:58
>タッチの美しさは同じでしょうが。
美しい音色でした。
僕のように楽器ができない聴くだけの音楽好きにとってはここが重要なんです。
先日、NHKのBSで昨年の国際ピアノコンクールで優勝して話題になった日本人の方の演奏を見たのですが
僕敵には全然駄目で途中で見るのをやめましたから。

6, saraiさん 2010/02/01 13:09
またまた、コメントありがとうございます。

その通りですね。
特にピアノの場合、美しいタッチ・音色は何物にも代えがたいものです。
上原さんはその上、ダイナミックさと高い音楽性を兼ね備えている逸材だと思っています。

みんなで彼女の成長を見守っていきましょう!

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,  

音楽ファン必見! のだめカンタービレ@みなとみらい

さて、前回、久々に映画を見に行くことになった経緯を書きましたが、最近、映画に行っていないので、どうも状況が分りません。
で、ネットで調べてみると、「のだめ」を上映している横浜の映画館はみなとみらいにあるらしい。ワーナーマイカルシネマズです。
モバイル会員になると、映画料金が1200円になるので、早速、saraiと配偶者の携帯に会員情報をセット。

で、当日は土曜日ですが、多分、空いていると思われる朝一番の10時からの上映分を目指します。近くに住んでいる娘のマンションの外来駐車場を予約してもらって、車で出かけました。
結局、映画館に着いたのはぎりぎりの時間でしたが、少し、窓口に並んで、モバイル会員料金で無事、チケット購入。そんなに混んでないみたい。

ここはシネマコンプレックス(そう言うんだっけ?)で、廊下の両脇にずらっと各映画館の入口が並んでいます。こういうのは初めてなんです。時代は変わっているんですね。目的の入口をはいると、もう上映間近なのにがらがら空いています。お正月映画だったので、もう盛りは過ぎたんですね。席は中ほどのまあまあの席。映画館自体は小ぶりなので、スクリーンの大きさや音響が心配です。

ようやく、館内が暗くなり、スクリーンに映像が映り始めましたが、予告編が延々と続きます。
で、ようやく、「のだめカンタービレ」の上映開始。
冒頭でベートーベンの交響曲第7番の第1楽章の序奏の部分が流れます。元々、大好きなこの曲。自宅でも、そして、コンサートホールでも考えられないような大音響で鳴り響き、何だか、妙に胸にぐっときます。
そして、千秋のジョギングシーンが流れます。場所は、そうです・・・あのウィーン。次々と懐かしい音楽関係のスポット、モーツァルト像、ヨハン・シュトラウス像、シュターツオーパー、そして、ベートーベン像。
助走としてはもう十分。
遂にムジークフェライン(ウィーン楽友協会)で、千秋がオーケストラを振っています。
空中からクレーンで撮影したムジークフェラインの映像はもう大迫力。
ベートーベンの交響曲第7番のフィナーレが大音量で響き渡ります。もう、演奏が素晴らしいとか、そういう問題ではなく、その響きにすべて体を預けて、至福の境地!
理屈も何もなく、ただただ、音楽の素晴らしさに酔いしれます。
普通にコンサートで素晴らしい演奏に感動することとは、まったく別物ですが、音楽好きが音楽に没頭して、感動の喜びに浸る気持ちであることには間違いありません。

ああ、自分の人生に音楽があって、本当によかった。素直にそう思える瞬間でした。

音楽に限って言えば、千秋がパリのオーケストラを振って、演奏したチャイコフスキーの序曲「1812年」もなかなか聴き物でした。saraiはこの曲は中学生・高校生で卒業したはずの曲ですが、久々に聴いて、少年・青春時代が頭をよぎり、懐かしさとともに新鮮さすら感じました。分りやすい曲ですが、やはり、名曲なんですね。

のだめちゃんのピアノが少ないのが残念でした。モーツァルトのトルコ行進曲くらいでしたね。まあ、よかったのですが、妙にテンポが速くて、違和感があります。saraiの趣味としては、むしろ、極端にでもテンポを落として、完璧なタッチの演奏ってのがいいんです。
あとで配偶者から聴いた情報では、あの演奏はランランの演奏で、高速演奏に上野樹里が手を合わせるのも大変だったようです。どうりでね。
内田光子あたりが演奏してくれれば、saraiはさらなる感動だったのに・・・。
最近人気沸騰のランランですから、映画興行的には仕方がないか。

最後は映画「のだめカンタービレ」の後編の予告で終了。
何と、シュトレーゼマンとのだめちゃんでショパンのピアノ協奏曲をやるんですね。これもランランでしょうが、それはそれなりに楽しみです。4月に上映とのことで、また、行かなくっちゃ!

映画館を出て、saraiは配偶者に「ありがとう」って一言。

音楽が好きなかたは、これは映画館で見ないとダメです。大きなスクリーンと大音響のスピーカー。そして、暗く静まりかえった館内で音楽に没頭する時間。これは音楽ファンの贅沢そのものです。

音楽って、やめられない・・・・



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のだめカンタービレ@みなとみらい

本当に音楽が好きでよかったと実感しました。
映画「のだめカンタービレ」はそう感じさせてくれる映画でした。

さて、お正月前にはテレビで連日、映画「のだめカンタービレ」の宣伝攻勢。
saraiもTVドラマシリーズの「のだめカンタービレ」を見て、すっかり、ファンになっていたので、またまた、ヨーロッパ編のTVドラマの再放送を見ました。意外にも、少し、内容が付け加えられていたので、得をした感じ。やはり、「のだめ」は何度見ても面白い!
で、年末にさらにアニメ版「のだめ」が一挙17時間、再放送されることを知り、もちろん、一括録画。お正月のいい楽しみになり、配偶者と連日、飽きずに17時間分見てました。
アニメ作成の舞台裏はまったく知りませんが、ストーリーに合わせたオリジナルと思われる音楽(音源)が流れてくるにびっくり。なかなか、手間暇かけたアニメですね。ストーリーはTVドラマともちろん同じですが、流れる音楽が異なるので、見ていて飽きることはありません。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の連弾版など、聴いていて、わくわくです。
千秋のオーケストラ指揮で流れる音楽も楽しいし、それ以上にのだめが演奏するピアノがまさにキャラクターにぴったりの演奏で素晴らしい!
少し、はちゃめちゃな演奏ながら、音楽を愛するもののみが奏でられる演奏でもあります。こういう生き生きした音楽こそ、すべての音楽好きが理想とするものといったら、言い過ぎでしょうか。
のだめちゃんがフランスのお城で演奏するモーツァルトのピアノ・ソナタ17番はいつもはそんなに聴かない曲ですが、あんなにいい曲だったのかと今更ながら感じました。
で、これはもう一度ちゃんと聴いてみようと内田光子の全集から、この曲を通勤時の電車でIPODを使って聴きました。いいです。再認識しました。
なお、愛用のIPOD CLASSICには、内田光子のモーツァルトのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲の全集を入れてあり、よく聴いています。最近ではもっとも気に入ったCDなんです。

あんまり、映画館には出かけないsaraiと配偶者ですが、お正月のアニメの「のだめ」にどっぷりと浸かりこんだこともあり、配偶者が音楽好きのsaraiの気分を察してくれて、「のだめの映画を見に行こうか?」って、優しく声をかけてくれたんです。それが映画「のだめカンタービレ」に行くことになった経緯です。

映画については次回で報告しますが、本当に幸福な時間を持てて、配偶者に感謝です。



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ウィーン・リング・アンサンブル@サントリーホール 2010..1.6

3日のみなとみらいホールでのニューイヤーコンサートに続き、今度はサントリーホールのニューイヤーコンサート。

いやあ、サントリーホールがウィーンと化したかのようでした。
バーンスタインではないですが、
「これはあなたがたの音楽です」って感じで、
まさに自在で闊達な演奏が繰り広げられました。

演奏はウィーン・リング・アンサンブルです。前にも聴いたことがあり、その素晴らしい響きが忘れられませんでした。この団体はウィーン・フィルのトップ奏者で編成されており、素晴らしいのも当り前です。コンサートマスターはウィーン・フィルの第1コンサートマスターのライナー・キュッヒル。20年近く前にひょんなことで、ウィーンのお宅でお茶をいただいたことがあり、いつも気になる存在です。実は彼はsaraiと同い年でもあります。彼が活躍しているのを見ているとsaraiもまだまだ頑張らねばとは思いますが、こちらは一音楽愛好家でまあ音楽を楽しめばいいだけで気楽な立場で、それもいいかな・・・
他のメンバーは

エクハルト・ザイフェルト (ヴァイオリン)
ハインリヒ・コル (ヴィオラ)
ゲアハルト・イーベラー (チェロ)
アロイス・ポッシュ (コントラバス)
ヴォルフガング・シュルツ (フルート)
ペーター・シュミードル (クラリネット)
ヨハン・ヒントラー (クラリネット)
ギュンター・ヘーグナー (ホルン)

まあ、いずれも名人揃いですね。
特にフルートのシュルツの素晴らしい響きと彼のお茶目ぶりが最高でした。
もちろん、クラリネットのシュミードルのいぶし銀の音色も健在。
これにキュッヒルさんのヴァイオリンの美しい音色が加わるのですから、文句ない素晴らしさ。それにしてもキュッヒルさんのヴァイオリンの音色はウィーン・フィルの響きと同じであることを再認識しました。
1人でもウィーン・フィル、100人でもウィーン・フィルって感じです。
それにしても、ウィーン・フィルのフルオーケストラでもいつも一糸乱れず当意即妙という演奏ですが、そこからトッププレーヤー9人で編成したアンサンブルはテンポの変化、強弱、リズム、すべてが完璧に機能し、それでいながら、決してメカニカルではなく、自然な音楽に仕立てあがっているという音楽の究極の形を体現していました。

まあ、演奏曲目がブラームスとかマーラーのような、いわばメインディッシュではなく、ウィンナーワルツとかオペレッタといった、いわばデザートメニューのようなものでしたから、真摯な音楽に向き合うというよりもサブカルチャー的な音楽をエンターテインメント的に楽しむというスタイルではありましたが、それだけに彼らの音楽文化の底深さを見せつけられたといっても過言ではありませんでした。

当日の演奏曲目は以下の内容でした。

J.シュトラウスⅡ:オペレッタ『ジプシー男爵』序曲
        :ワルツ「レモンの花咲くところ」
        :エジプト行進曲
ショパン:夜想曲Op.27-2~「小犬のワルツ」(編曲版)
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「ウィーン気質」 op.354
        :ポルカ・シュネル「ハンガリー万歳!」 op.332
        :オペレッタ『ヴェネツィアの一夜』序曲
        :ワルツ「ウィーンの森の物語」 op.325
        :トリッチ・トラッチ・ポルカ op.214
ランナー:マリアのワルツ
レハール:オペレッタ『メリー・ウィドウ』から
          「唇は黙していても」~ワルツ・メドレー
          「女の研究はむずかしい」

で、アンコールはもちろん、

J.シュトラウスⅡ:ポルカ「狩り」
        :ワルツ「美しき青きドナウ」
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲

最初の『ジプシー男爵』序曲でいきなり、ウィーンに連れ込まれ、次の「レモンの花咲くところ」では陶然としてしまい、それなりに長いこの曲がいつまでも鳴り響いてほしいと感じるほどです。エジプト行進曲で我に返り、元気な曲で覚醒。ここで小休止。

次は今年がショパン年なので、珍しいショパンの編曲版の演奏。まるでウィーンにやってきたショパンっていう感じです。ショパンもパリではなく、ウィーンに居れば、きっとこんな風な作風になったのかなあと妙な思いが脳裏を横切ります。それにしても、キュッヒル、シュルツ、シュミードルの掛け合いが素晴らしい!
次はいよいよ「ウィーン気質」です。この曲が一番、ウィーンを感じさせられ、我が愛するウィーンを想起してしまいます。R・シュトラウスの「ばらの騎士」の楽想にも使われていますよね。まあ、うっとりとして聴き入ってしまいます。次の「ハンガリー万歳!」をテンポよく演奏したところで休憩です。

休憩後は『ヴェネツィアの一夜』です。あまり聴きなれない曲ですが、流石の演奏。じっくりと聴き入ってしまいます。次はお馴染み、「ウィーンの森の物語」。何もいうことなし。ただただ、キュッヒルさんのヴァイオリンの素晴らしいこと!! 次はやはりお馴染み「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を颯爽と演奏。次のランナーの曲はヴァイオリン2、ヴィオラ、コントラバスの弦4人だけでしっとりとロマンチックに演奏。こんな綺麗な曲があったんですね。
で、最後は『メリー・ウィドウ』です。いずれも耳慣れたメロディーが続き、うきうきです。残念だったのは、「女、女、女」で終わったのにリフレインがなかったこと。この曲でリフレインを最低1回はやってほしかった。若干、欲求不満です。次は頼みますよ、キュッヒルさん!

アンコールはお馴染みの3曲。「美しき青きドナウ」はやはり素晴らしい。これぞ、ウィーンっていう曲を、これぞウィーンっていうアンサンブルが演奏する。文句なしです。
ラデツキー行進曲はサントリーホールの聴衆の自主的?な手拍子が見事だった。演奏者からのキューのない手拍子でも一糸乱れず。これは聴衆に脱帽。ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでも、昔のウィリー・ボスコフスキーの時代には、やはり、聴衆の自主的な手拍子だったらしい。本場も昔に戻したら?

これでsaraiのお正月もおしまい。もちろん、既に仕事は始めていますが、気分的にってことです。

なお、当日のサントリーホールのチラシで11月に内田光子がクリーブランド管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏することを知りました。なんとしても聴きたいものです。指揮はなんとウェルザー・メストだということ。

ところで、後でよく調べてみたら、R・シュトラウスの「ばらの騎士」のオックス男爵のワルツの楽想のもとになっているのはこの「ウィーン気質」ではなく、ヨハン・シュトラウス2世の弟ヨ-ゼフ・シュトラウスのワルツ『ディナミーデン』のようです。実は聴いたことがないので、一度、聴いてみたいものです。
でも、「ウィーン気質」も似ているなあ(・・・しつこい)。



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この記事へのコメント

1, saraiさん 2010/01/08 17:51
自己レスです。
R・シュトラウスの「ばらの騎士」のオックス男爵のワルツの楽想のもとになっているのはこの「ウィーン気質」ではなく、ヨハン・シュトラウス2世の弟ヨ-ゼフ・シュトラウスのワルツ『ディナミーデン』のようです。実は聴いたことがないので、一度、聴いてみたいものです。
でも、「ウィーン気質」も似ているなあ(・・・しつこい)。

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       キュッヒル,  

みなとみらいホールでニューイヤーコンサート 2010.1.3

今日は今年の初コンサート。
みなとみらいホールでニューイヤーコンサートです。

演奏はウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団で
曲目はウィンナーワルツの名曲。

皇帝円舞曲、ウィーンの森の物語、美しき青きドナウ・・・

まあ、通俗名曲ですが、お正月気分で難しいことはなしで
楽しみました。
それにウィーンの香りはしましたしね。

配偶者と2人で珍しく着物を着て出かけました。これもお正月気分。

7月はウィーンに出かけるので、少しずつ気持ちを盛り上げていきましょう。

年末には、今年の5月以降のコンサートのチケットを入手しました。なかなか楽しみなコンサートばかりです。

5月7日 バシュメット指揮ノーヴァヤ・ロシア交響楽団/諏訪内晶子
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
5月14日 バシュメット指揮ノーヴァヤ・ロシア交響楽団/上原彩子
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
 チャイコフスキー:交響曲第5番
5月30日 サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団/ヒラリー・ハーン
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
 シベリウス:交響曲第2番
6月2日 同上
6月21日 イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
 ブラームス:交響曲第4番

で、7月からはチューリッヒでオペラです。
ということで、今年も音楽と旅の記事をアップします。よろしくお願いします。



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ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

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