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《火の鳥》でカウントダウン:ジルヴェスターコンサート@みなとみらいホール 2010/12/31

昨日の大晦日は恒例のジルヴェスターコンサート@みなとみらいホールでした。

開演は午後9時からなので、一緒に聴く配偶者と長女夫婦の4人で大晦日の記念のディナーをその前にいただきます。
今夜のディナーはみなとみらいのランドマークタワーにあるイタリアンレストラン《VENTO》の海の見えるテーブル席を予約してあります。
コース料理とスパークリングワインをいただき、全員満腹。

食事が終わると、ちょうど開館時間になったので、みなとみらいホールに向かいます。
ホールではもうロビーコンサートをやっていましたが、人が多いので、これは回避。席に早めに着席してプログラムのチェックです。

今年のキャスト・出演者は以下です。

音楽監督:池辺晋一郎、指揮:飯森範親、司会:朝岡聡
Vn:徳永二男、漆原啓子、漆原朝子、Vc:遠藤真理、Sax:須川展也、Pf:三舩優子
管弦楽:横浜みなとみらいホール・ジルヴェスターオーケストラ

また今年のプログラムは以下です。

 池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
 シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
 ラヴェル:マ・メール・ロワ
  1.眠りの森の美女のパヴァーヌ 
  3.女王の陶器人形レドロネット 
  5.妖精の園
 イベール:アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲  第2楽章、第3楽章
   サクスフォン:須川展也
 ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 Op.3-10 ~「調和の霊感」より~
   ヴァイオリン:藤原浜雄、三浦章宏、扇谷泰朋、石田泰尚
 リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調  第3,4楽章
   ピアノ:三舩優子

 《休憩》  

 フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調  第4楽章
   ヴァイオリン:漆原朝子 ピアノ:林絵里
 ヴィエニャフスキ:モスクワの思い出
   ヴァイオリン:漆原啓子 ピアノ:林絵里
 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104  第3楽章
   チェロ:遠藤真理
 パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 二長調 Op.6  第1楽章
   ヴァイオリン:徳永二男
 ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
  5.カスチェイの凶暴な踊り 
  6.子守唄 
  7.終曲
 ドヴォルザーク:スラブ舞曲集 Op.46-1
 ニーノ・ロータ:ジェルソミーナのテーマ  ~映画『道』より~
   トランペット:高橋敦
 ヨハン・シュトラウス(父):ラデッキー行進曲

前半はフランス系の音楽が続き、少し地味な感じです。イベールはフルート協奏曲くらいしか聴いたことがありませんが、この日の曲も後半のアップテンポな部分はいかにもイベールらしい切れのあるエスプリに満ちた曲が展開されました。サックスもこういうクラシック音楽ではジャズとは違い抑えた吹き方をするんですね。
ヴィヴァルディは久しぶりに聴きましたがイタリアの明るい音楽で気持ちがよくなります。たまにはヴィヴァルディの曲でも聴きたいものです。
リストの有名なピアノ協奏曲はピアノのタッチのクリアーさがいま一つの感でちょっと不満が残りますが、フィナーレの盛り上がりは流石に血が騒ぎます。

休憩後のヴァイオリンとピアノの室内楽はヴァイオリンの響きが気持ちよく響きます。ピアノももう少しばーんとやってくれればもっとよかったかもしれません。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲はチェロの遠藤真理さんがなかなかスケール感のある演奏をきっちりやってくれたので満足です。全曲聴きたかったくらいです。いずれ機会があれば聴いてみましょう。
パガニーニは徳永二男さんが意外に素直な美しい演奏をしてくれたのでよかったと思います。
で、いよいよ12時が近づき、今年のカウントダウン曲の《火の鳥》です。終曲が終了するとともにちょうど新年になるという趣向です。
指揮の飯盛範親さんのダイナミックな振りのもと、見事に1秒も違えずにフィーナーレとともにカウントダウン完了です。
真っ暗になった館内はやんやの歓声でいっぱいです。
これで昨年のコンサートはすべて終了。数えてみれば、52回のコンサート・リサイタル・オペラでした。
で、すぐに今年初めてのコンサート開始。
《スラヴ舞曲》が華やかに演奏されます。
で、最後は映画音楽の《ジェルソミーナ》が哀愁にみちたトランペットのソロで始まり、華やかにコンサートを締めくくります。

で、ここからはお約束の《ラデッキー行進曲》です。楽しく手拍子をたたきながら、お開きになりました。

最後になりましたが、みなさん、あけましておめでとうございます。
今年も旅と音楽をテーマにブログを書き続けますので、よろしく応援してくださいね。



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今年の音楽総決算:オーケストラ・声楽曲編

さて、今年の音楽の総決算も最後になりました。
今年最後のブログ記事でもあります。
また、今年も当ブログにお付き合い願い大変ありがとうございました。

今回はオーケストラ・声楽曲編です。
このジャンルは今年は素晴らしいコンサートが多く、今思っても感動と幸福でいっぱいです。リタイアの年をスタートするにあたり、よい音楽体験ができたなあと感慨深いものがあります。

で、今年は以下をベスト10に選びました。

1位 《ベートーヴェン:英雄》プレートル+ウィーン・フィル@宮崎芸術劇場 11/7
2位 《ハイドン:天地創造》アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス@サントリーホール 10/29
3位 《マーラー:交響曲第9番》ゲルギエフ+ロンドン交響楽団@サントリーホール 12/1
4位 《チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲》ヒラリー・ハーン+サロネン+フィルハーモニア管弦楽団@サントリーホール 6/2
5位 《マーラー:交響曲第3番》ヤンソンス+ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団@サントリーホール 11/22
6位 《バッハ:ロ短調ミサ曲》アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス@サントリーホール 10/26
7位 《チャイコフスキー:ピアノ協奏曲》上原彩子+バシュメット+国立ノーヴァヤロシア交響楽団@東京オペラシティ 5/14
8位 《ブラームス:ヴァイオリン協奏曲》パク・ヘユン+ノリントン+シュトゥットガルト放送交響楽団@みなとみらいホール 5/12
9位 《チェコ音楽》フルシャ+東京都交響楽団@サントリーホール 12/14
10位 《マーラー:復活》インバル+東京都交響楽団@サントリーホール 6/19


次点 《ブラームス:交響曲第4番》イヴァン・フィッシャー+ブダペスト祝祭管弦楽団@東京オペラシティ 6/21
次点 《マーラー:巨人》ミョンフン+東京フィル@オーチャードホール 1/31
次点 《バッハ:マタイ受難曲》ドレスデン聖十字架合唱団+ドレスデン・フィル@みなとみらいホール 12/5
次点 《モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番/第27番》内田光子+クリーブランド管弦楽団@サントリーホール 11/16

プレートル+ウィーン・フィルはプレートルおじいちゃんが仙人でウィーン・フィルが達人集団でそれが真剣勝負という感じの凄い演奏でした。特に《英雄》はめったに聴けないベートーヴェンで、生涯に何度出会えるか分からない素晴らしいコンサートでした。一生忘れられない体験です。ふいに昔クライバーの《薔薇の騎士》を思い出しました。あれも忘れられないオペラでした。

アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの《天地創造》もまた生涯に何度出会えるか分からない素晴らしいコンサートでした。ハイドンで初めて感動しました。アーノルト・シェーンベルク合唱団の素晴らしい合唱、ベッシュ、シャーデの男声ソロの素晴らしさ、そして、ソプラノのレッシュマンの美声と芯のしっかりした歌唱には何も言うことはありません。そして、アーノンクールのパーフェクトな曲作り・コントロールは別次元のものでした。

ゲルギエフ+ロンドン交響楽団のマーラーの9番はまさに頭が狂乱の渦になるほどインパクトのある演奏で生涯最高のマーラーでした。今回3位にしましたが心情的には1位にしたいくらいです。ですが、これはまた聴く機会があるかもしれないので3位ということで、ほとんど1位から3位は差がありません。いずれも物凄い快演奏でした。ゲルギエフがこれほどのマーラーを聴かせてくれるなんて想像していませんでした。それにロンドン交響楽団は初聴きですが素晴らしいオーケストラでした。

ヒラリー・ハーンのコンサートは今回2回行きましたが、2回目のサントリーホールでのチャイコフスキーのヴァイオリンのピュアーな響きはもう天上の音楽としか言えないもの。もうメロメロになってしまったコンサートでした。来年のヴァイオリン・リサイタルも2回ともチケット購入済です。いつも期待を裏切らない素晴らしいヴァイオリニストです。ますます高みに上る成長ぶりが楽しみです。

ヤンソンス+ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のマーラーの3番、これも素晴らしいマーラーでした。特に最後の第6楽章の絶頂感は宗教的にも思えるほどでした。ヤンソンスを見直した一夜でした。3番のファンにもなりました。

アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのバッハのロ短調ミサ曲は本格的なバッハの声楽曲を初めて生で聴いた体験でした。これが西洋音楽の最高峰というものなのかということが実感できたコンサートでsaraiにとって意義深いものがありました。宗教音楽ですが、人間的共感に満ちた演奏でもありました。saraiの今後に向けて、ひとつのスタートとなるでしょう。

上原彩子のチャイコフスキーのピアノ協奏曲はただただ上原彩子の壮大でクリアーなピアノの響きに圧倒されたコンサートでした。オーケストラとはレベルが違ったのがなんですが、そんなことは関係なく、彼女はばりばりと弾くだけ。本当に凄いピアニストです。あまり人気が沸騰しないのが寂しいですが、お蔭でチケットの入手も楽で国内で聴けるのも利点です。日本フィルと共演したプロコフィエフの3番も素晴らしい演奏でしたが、ランクではあえてこのコンサートに絞りました。来年はラヴェルやベートーヴェンの協奏曲も聴けるのでますます楽しみです。今や上原彩子とヒラリー・ハーンが一番のお気に入りです。

パク・ヘユン+ノリントン+シュトゥットガルト放送交響楽団のブラームスのヴァイオリン協奏曲ですがこれはパク・ヘユンという新しい才能に出会った記念すべきコンサートになりました。彼女の弾くブラームスの素晴らしさは驚嘆すべきレベルにありました。来年は彼女の日本での初リサイタルを聴きますがおそらく素晴らしいリサイタルになるでしょう。ノリントン+シュトゥットガルト放送交響楽団のノンヴィブラート奏法もなかなかのものではありました。

フルシャ指揮の東京都交響楽団のコンサートは今年の定期演奏会中での最高のものでした。まずは選曲がよかったです。まず、ドヴォルザークで一撃をくらい、スメタナ、マルティヌー、そして、ヤナーチェクの素晴らしいグラゴル・ミサ。チェコ音楽の真髄に触れた思いです。指揮のフルシャの並々ならぬ才能も感じました。今後が楽しみです。

インバル+東京都交響楽団のマーラーの《復活》はsaraiのリタイア後の初コンサート。まさにsaraiの復活を祝ってくれるような涙ウルウルの素晴らしいマーラーでした。インバルのマーラーを生で初めて聴いたコンサートでもありました。インバルのマーラーは再来年の《大地の歌》までお預けで待ち遠しいですね。

以上がベスト10でいずれも今思い出しても感動うるうるの素晴らしいものばかりです。次点の4つは涙を飲んでランクから外したものですが、いずれも素晴らしいコンサートでした。特に初めて生で聴いた《マタイ受難曲》はドレスデン聖十字架合唱団の少年合唱によるコラールの美しさは尋常のものではありませんでした。

最後に収穫の多かった今年のコンサート・オペラ・リサイタルのなかで最も素晴らしかったのは何といっても80歳を過ぎたプレートルとウィーン・フィルのコンサートでした。これはまったく音楽的事件とでも言うべきもので日本にいながら、こんな凄いものが聴けたのは奇跡とも言うものでした。

また、来年はどんな感動が待っているだろう!!!



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/12/31 16:37
saraiさん、こんにちは。

本当に同行の士との交流は楽しいものですね。
今年は会場こそ異なれどもプレートル/ウイーンフィルや、全く同じ会場でのドレスデン十字架合唱団などの素晴らしいコンサートの感想を語り合えたことを大変嬉しく思います。願わくば来年は同じコンサートでご一緒でもできたらいいでしょうね。

それでは来年も変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願い致します。よいお正月を過ごされますように。

2, saraiさん 2011/01/01 16:07
あけましておめでとうございます。
本年もお互いに音楽を楽しみ、熱く語り合いましょう。

そして、いつの日かコンサートホールでお会いしましょう。
マーラーかバッハか、はたまたブラームスでしょうか。

では。

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今年の音楽総決算:オペラ・オペレッタ編

さて、前回に引き続き、今年の音楽の総決算です。

今回はオペラ・オペレッタ編です。
今年は海外でオペラ・オペレッタを聴く機会があったので、国内でのオペラとあわせての総括になります。

で、今年は以下をベスト5に選びました。

1位 《マノン》byロイヤル・オペラ、ネトレプコ@東京文化会館 9/17
2位 《カルメン》byチューリッヒ歌劇場、カサロヴァ@チューリッヒ歌劇場 7/8
3位 《フィガロの結婚》byバイエルン国立歌劇場、フリットリ@バイエルン国立歌劇場 7/14
4位 《ウィーン気質》byバーデン歌劇場@バーデン夏劇場 7/16
5位 《ラ・ボエーム》byトリノ歌劇場、フリットリ@東京文化会館 7/29

次点 《椿姫》byトリノ歌劇場、デッセイ@東京文化会館 7/28

ネトレプコの《マノン》は圧倒的に素晴らしかったです。パッパーノ指揮のオーケストラもとてもよく、ロイヤル・オペラの実力を堪能できました。ま、これが最後のロイヤル・オペラになろうとは予想だにしませんでしたが・・・

チューリッヒ歌劇場の《カルメン》は最高の《カルメン》でした。カサロヴァの歌唱力がすべてでしたが、テノールのジョルダーノもとてもよかったと思います。猛暑で暑さに耐えながら聴いたのが忘れられません(笑い)。

バイエルン国立歌劇場の《フィガロの結婚》は流石にこのオペラハウスの実力を思い知らされる出来でした。フリットリの伯爵夫人はほぼ期待通りでしたが、アルマヴィーヴァ伯爵のクヴィエチェンの張りのある歌唱は一番の収穫。そして、フィナーレのフリットリの透明な声の素晴らしかったこと。

バーデン夏劇場のオペレッタ《ウィーン気質》は歌手陣の充実していたことが忘れられません。今回もっと上位にランクしてもよかったほどです。このキャストでほかのオペレッタも聴きたいと今でも思っています。楽しくて楽しくてたまらなかったオペレッタでした。

フリットリのミミはよかったのですが、やはりフレーニには及ばなかったというのが率直なところ。ですが、それなりに聴き映えのした《ラ・ボエーム》ではありました。フリットリは来年の《ドン・カルロ》に期待しましょう。

次点のデッセイのヴィオレッタも彼女らしい勢いのある歌唱ではありました。特に高音部には文句のつけようはありませんでした。トータルには一部不満ありという感じですが、それも高いレベルで言えばっていう感じで次点というのももったいないとは思います。それにトリノ歌劇場のオーケストラも意外によかったし・・・

総合的にはネトレプコの《マノン》がダントツで、カサロヴァの《カルメン》も最高によかったというのが今年のオペラ鑑賞の結果でした。
ランクにははいりませんでしたが、アン・デア・ウィーン劇場の《こうもり》も素晴らしい音楽を聴かせてくれました。オーケストラを担当したウィーン放送交響楽団の出来が素晴らしかったと思います。チューリッヒ歌劇場の《薔薇の騎士》はフレミングの元帥夫人は流石の歌唱・演技力でうならせられました。
オペラには満足の1年となりました。

次回はオーケストラ・声楽曲編です。



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今年の音楽総決算:ピアノ・室内楽編

いよいよ、今年も押し迫りました。

今年は6月に長年働いた会社をリタイアし、後半は今までになく音楽会に通いました。
今回から3回のシリーズで今年生で聴いた音楽のベストを選んで、今年の音楽の総決算としたいと思います。
今回はピアノ・リサイタルと室内楽編です。
残念ながら、今年はあまりこのジャンルの音楽に触れる機会が少なかったと思います。来年はもっと積極的に聴きたいと思います。

で、今年は以下をベスト5に選びました。

1位 上原彩子ピアノ・リサイタル@サントリーホール 1/23
2位 庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタル@彩の国さいたま芸術劇場 10/31
3位 荘村清&小林美恵デュオリサイタル@上大岡ひまわりの郷 9/23
4位 長岡純子ピアノ・リサイタル@上大岡ひまわりの郷 11/28
5位 ウィーン弦楽四重奏団@リリスホール 11/23

次点 小川典子ピアノ・リサイタル@トッパンホール 12/9

上原彩子ピアノ・リサイタルはベートーヴェンのソナタ30番が素晴らしく、さらにリストの「ペトラルカのソネット」には痺れました。このサントリーホールでのリサイタルに比べると鎌倉芸術館でのリサイタルはもう一つでしたが、彼女も芸術家としての幅を拡げつつあり、ますます今後が楽しみです。文句なしの1位です。

庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタルはオール・ベートーヴェンプログラムで後半の《クロイツェル・ソナタ》は出色の出来の演奏でオーソドックスなスタイルながらヴァイオリンの素晴らしい響きに満足しました。CDでも同じ《クロイツェル・ソナタ》が発売されましたが少しデリケート過ぎる演奏で、この日の思い切った演奏のほうが好ましく感じました。

荘村清&小林美恵デュオリサイタルは何といっても後半のピアソラに尽きます。ピアソラの素晴らしさと自在な音楽の楽しみに酔いしれました。ピアソラ開眼ということで高い順位を付けさせてもらいました。

長岡純子ピアノ・リサイタルは本当に音楽の奥深さを感じたリサイタルでした。80を過ぎたら、こんな音楽が演奏できるのかと驚嘆しました。極端にテンポの遅い「子供の情景」を最後まで弾ききり、最後はもう途切れ途切れ。こんな音楽もあるという超個性的な演奏。一方、「ワルトシュタイン」はダイナミックで精神性の高い演奏。いい音楽を聴かせてもらって感謝です。

ウィーン弦楽四重奏団は極上の席でウィーンの音楽を美しい演奏で楽しませてもらい、まったくもって贅沢な時間でした。室内楽を聴く喜びをまざまざと思い出せていただき、これも感謝です。

次点の小川典子ピアノ・リサイタルはモーツァルトはともかく、プロコフィエフのソナタの力強く爽快なこと、この上なしです。上原彩子のシャープな切れ味のプロコフィエフも好きですが、小川典子のプロコフィエフもまた聴きたくなる演奏です。ランクインでもよかったリサイタルでした。

番外としては上大岡ひまわりの郷で聴いたロータス・カルテットのシューベルトの「ロザムンデ」も心に残る演奏でした。

次回はオペラ・オペレッタ編です。



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チェコ音楽の魂:フルシャ+東京都響@サントリーホール 2010.12.14

今日は今年最後の東京都交響楽団のサントリーホール定期演奏会です。
また、実質、saraiの今年最後のコンサートでもあります。無論、大晦日のジルヴェスターコンサートはありますが・・・

指揮者は新たに都響のプリンシパル・ゲスト・コンダクターに就任した29歳の俊英ヤクブ・フルシャ、チェコ人の指揮者です。

今夜のプログラムはこのチェコ人指揮者にふさわしくチェコ音楽三昧です。

 ドヴォルザーク:序曲《フス教徒》Op.67
 スメタナ:交響詩《ブラニーク》
 マルティヌー:リディツェへの追悼
  《休憩》
 ヤナーチェク:グラゴル・ミサ

グラゴル・ミサの演奏は以下のとおり、声楽ソロは本場のチェコ、スロヴァキアから歌手です。

 ソプラノ:アドリアナ・コフートコヴァー
 アルト:ヤナ・シーコロヴァー
 テノール:リハルト・サメク
 バス:マルティン・グーバル
 オルガン:小林英之
 合唱:晋友会合唱団
 合唱指揮:清水敬一

まず、指揮者登場。ちょっと見ると、シューベルトみたい。感じのよさそうな青年です。
盛大な拍手を受け、まずドヴォルザークです。
いやあ、なかなか熱い曲、熱い演奏です。チェコを愛する思いが込められています。分かっていながら、こちらもうるっときます。音楽を超えて、人の思いが伝わってくる演奏です。熱いだけではなく、きっちりと美しい演奏です。余程、リハーサルをみっちりとやったのでしょう。初めて聴くとはとても思えないほど、saraiものめりこんでしまう演奏でした。フィナーレでは熱い感動がありました。

次はスメタナの有名な《わが祖国》からの終曲です。先程のドヴォルザークと共通のフス教徒の賛美歌が主題になっています。これも思いの熱い演奏です。静かな部分も多いのですが、それだけに盛り上がりもすさまじい。冷静さと熱さの同居する素晴らしい演奏です。これもフィナーレでは思わず熱い感動を覚えます。

続いてマルティヌーです。この曲はナチスに大虐殺されたチェコのリディツェの村への追悼の曲です。基本的には激しい思いを静かな抒情に満ちた音楽に押し込めたという感じの曲で聴く側もそれなりの思いで向かい合わないといけない気持ちになります。ピカソのゲルニカ同様、やり場のない戦争への怒り・悲しみで頭がいっぱいになります。名曲です。そして、よい演奏です。静かな感動を覚えます。無調的な響きがなんともこの主題にあっています。

これで前半が終了ですが、今年一番の都響の演奏ではなかったでしょうか。選曲もよいし、演奏の質が最高です。チェコのオーケストラと比べてみないと分かりませんが、チェコ音楽の本質に迫ったと思われます。
そして、この演奏をなし遂げた若手の指揮者フルシャの並々ならぬ音楽性には驚きを禁じ得ません。今後、注目していかなければいけない音楽家がまた一人増えました。

休憩後はヤナーチェクのミサ曲です。ヤナーチェクの音楽はなかなかとっつきにくい印象があります。これは例え、管弦楽のみの曲でも、曲にチェコ語のイントネーションがはいっているからという話があります。素直な美しいメロディー(自分で予想する)からは離れやすいからです。逆にそこに何か新しい独自なものも見いだせるということもあるわけですが・・・
ともあれ、今日のミサ曲は声楽曲でテキストもグラゴル文字(古代教会スラヴ語)によっているので、まさにヤナーチェクの独特の語法による音楽です。
実際にそうなのですが、こちらがそう身構えているせいか、意外にスタンダードな曲にも聴こえて、普通に聴けます。
流石にソロ歌手たちは見事な歌唱です。オーケストラもフルシャの統率のもと、繊細な響きを聴かせます。まさにヤナーチェクの世界です。ひとつ注文をつけると合唱の響きがもうひとつ。合唱も本場の合唱団ならパーフェクトだったでしょう。
ところで次のヨーロッパ旅行ではパリでヤナーチェクのオペラを見ます。今後、ヤナーチェクの音楽に触れる機会も増えそうで、その先駆けでよい曲・よい演奏が思わぬところで聴けて感謝です。

前述したように、今年の都響の演奏会では、インバルやクレーもよかったものの今夜が最高のコンサートでした。新星フルシャに大注目しましょう!!



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爽快!小川典子ピアノ・リサイタル@トッパンホール 2010.12.9

今夜は初めてのトッパンホールに出かけます。
小川典子の本格的なピアノ・リサイタルも初めてです。
どんなホールでどんな演奏が聴けるか楽しみです。

トッパンホールは飯田橋、江戸川橋からかなり歩いたところにあります。
土地勘もないので、早めに行って、ホール付属のレストランで夕食にします。
銀座から有楽町線で江戸川橋に移動し、そこから神田川沿いに飯田橋方面に歩きます。
かなり歩いたところで配偶者があれがそうじゃないのって指さします。
円形の大きなビルです。その1階にトッパンホールがありました。
2階にレストランとカフェがあります。
そのレストランでコンサート用の定食をいただきました。メインはトンポーローでボリュームもたっぷり。

で、ちょうど時間になったので1階のホールにはいります。
第1印象はすごく新しく綺麗なことです。
室内楽向けの小ホールを予想していましたが、結構広くて中ホールって感じです。
まあ、席は前から7列目の中央だったので、ホールの広さに関係なく快適に聴けそうです。

今夜のプログラムは以下です。

 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第9番ニ長調k.311
  《休憩》
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番ニ短調Op.14
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83
  《アンコール》
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330~第2楽章

前半のモーツァルトはもっと歯切れのよい演奏を期待していましたが、意外に響きがクリアーでなく残念です。また、8番のソナタは短調の曲でそれなりに悲哀・憂愁を感じたいところですが、あっさりした演奏でぐんぐん突き進むという感じです。駄目な演奏というわけではありませんが、少しsaraiの感性と異なります。
むしろ、9番のソナタのほうが音色が明るく、タッチも8番よりも明快で好感の持てる演奏です。これはまあ満足できました。これがこのピアニストの個性かも知れません。

休憩後、まず、プロコフィエフの2番のソナタですが、これはまったく素晴らしい演奏です。タッチの明快さ、打鍵の力強さは素晴らしく、圧倒的なプロコフィエフです。実に爽快な演奏です。
で、次の7番のソナタ。戦争ソナタの1曲ですが、まあ、何と表現しましょう。のりのりの激しいタッチでばりばりの演奏で素晴らしいのって何のって、生命感に満ち溢れています。もう第3楽章は先に先に推進するのみ。何もすべて世の中の憂さを晴らして、すっきりという感じ。圧倒的な迫力です。本来の曲の意味と違う部分もあるかもしれませんが、そんなことは些細なことと吹き飛ばす勢いのある演奏です。ピアノの演奏を聴いて、こんなに興奮して、気持ちよくなったのは久しぶりかもしれません。昔聴いたキーシンの《展覧会の絵》もこんな感じだったかもしれません。

意外だったのはアンコールです。てっきり、プロコフィエフを弾くと思って、気構えていたら、なんとモーツァルト・・・
これが激しいプロコフィエフの後ではとても優しく聴こえて、素晴らしい演奏でした。むしろ、前半に弾いたモーツァルトよりもよかったくらい。K.310からの4つのソナタはどれも充実していることもありますね。第2楽章の美しい調べというのもよい選択でした。でも、これなら、モーツァルトの曲の選択もK.310以降の曲にすればよかったかなという思いも残りました。

いずれにせよ、素晴らしいプロコフィエフを聴いて、大満足で家路につきました。

あ、そうそう、トッパンホールについてですが、そんなに小さなホールではないのに、小川典子のピアノの大音響が轟きわたっていました。ピアノッシモの音も鮮明に聴きとれます。実に響きのよいホールです。室内楽の繊細な響きもよさそうです。今度は弦楽四重奏でも聴きにきましょう。それにしても小川典子の力強い大音響はこのホールにはおさまらないほどでした。サントリーホールなどの大ホールでも十分満足して聴けるようなスケールの大きなピアニストです。



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この記事へのコメント

1, 女神さん 2012/03/25 18:18
シャーフベルグ登山鉄道の旅を探していて偶然こちらに来ました。
小川典子さんは私と同じ門下生の先輩です!なんだか嬉しいです。
直近で聴いたのはラフマニノフの2番でしたが、安定した技術は聴いていても心地よく聴いていられました。

中欧への日程で四苦八苦してます。質問などあった時はよろしくお願いします。

2, saraiさん 2012/03/26 03:24
女神さん、コメントありがとうございました。

小川典子さんと同じ門下生のかたなんですね。小川典子さんは日本人としても、女性としても、近代の曲をスケール感があり、それでいてシャープに演奏できる才能豊かなピアニストだと思っています。ラフマニノフもよさそうですね。でも、2番ではなく、3番を聴いてみたいものです。上原彩子さんも同じ得意分野ですが、それぞれ、ダイナミックな小川さんとクリアーな透明感のある上原さんに分かれるので、これから楽しみです。

オーストリアについてのご質問は大歓迎です。また、コメントをお寄せください。

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マタイ受難曲:ドレスデン聖十字架合唱団+ドレスデン・フィル@みなとみらいホール 2010.12.5

今年はアーノンクールのロ短調ミサ曲に続いて、マタイ受難曲というバッハの双璧ともいうべき大作を聴くことになりました。

今日はみなとみらいホールで演奏は以下です。

 クロイツカントール(音楽監督・指揮):ローデリッヒ・クライレ
 合唱:ドレスデン聖十字架合唱団
 管弦楽:ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
 福音史家(テノール):アンドレアス・ウェラー
 バス:クラウス・メルテンス
 バス:ヘンリク・ベーム
 ソプラノ:ユッタ・ベーネルト
 アルト:マルグリエット・フォン・ライゼン

マタイ受難曲をライブで聴くのは初体験です。
大変、長大な作品で20分の休憩を入れて、4時間弱もかかります。実際、こんなに長時間集中して聴くのは困難です。前半の第1部は少し集中できずに聴いていました。
それでも、福音史家のウェラーの美声で繊細な表現は素晴らしく、また何といってもドレスデン聖十字架合唱団の少年合唱団の歌声の素晴らしい響きは驚くべきもので、特にコラールの美しさは感動的でした。

マタイ受難曲はキリストが最後の晩餐から、捕らえられ、審問にかけられ、そして、十字架にかけられて、死を迎え、墓に埋葬されるまでの受難の物語を描いた純然たる宗教曲です。
saraiは無宗教でキリスト教信者ではありません。こういう宗教曲をどういうスタンスで聴くかは微妙に難しいところです。まあ、美術でも宗教絵画をどう鑑賞するかという問題と同様ですね。美術の場合は極端に言えば、美しければそれでいいという感じで鑑賞しています。宗教音楽も声楽なしならば、同様に美しければそれでいいというスタンスで聴けます。
が、声楽付きとなるとどうしても歌詞と音楽は不可分となります。人間キリストの苦しみや悩み、それに崇高さを宗教と切り離して、自己と同一化するというスタンスで聴くことにしましょう。

で、休憩後の第2部が物語、音楽のより重要な部分となり、ここは集中して音楽に耳を傾けます。後半自体も長いのですが、バッハの音楽の総決算がぎゅっと詰まっていて、息が抜けません。
後半も少年合唱団のコラールは心を洗われる思いです。バッハの書いた慰めの音楽の優しさが体にしみ通ってくるような純粋な響きです。何度も繰り返し現れる受難のコラールの素晴らしさはなんという深さでしょう。2回繰り返される部分の2回目の少し声を落とした響きの純粋さには心が打たれます。完璧な歌声です。
教会の聖歌隊が少年合唱団なのに納得がいきました。先日のアーノルト・シェーンベルク合唱団の大人の歌声にも優るとも劣らないと感じました。
第2部はソロのアリアも素晴らしいものばかりです。
ああ、その前に福音史家の美しいテノールの歌唱に触れないといけませんね。レシタティーヴォは語りですからメロディアスではないので面白い部分ではない筈ですが、この日の歌唱は美声で語り口がうまく聴き惚れてしまいました。重要なところでのドラマチックな語りも決まっていました。キリストの死のところは思わず、襟を正す気持ちになります。
ソロは特に男声陣がよく、イエスはイエスらしい崇高で気高い歌唱で美しい。柔らかい歌い方にも好感です。もう一人のバスはこれは柔らかい美声。最後のアリアの清々しさはなんとも言えず素晴らしい。
男声3人はこれ以上何も求められないくらいのベストの歌唱でした。
一方、女声陣ですが、ソプラノは純粋で清らかな歌唱でまあ及第点です。
問題はアルト。このマタイ受難曲はミサ曲ロ短調と同様に素晴らしいアルトのアリアがたくさんあります。これが楽しみで聴きに行ったという面も大きいのですが、残念ながら、この日のアルトのライゼンはどうも喉が不調のようで声の滑らかさに欠けます。表現はよかったので、好調な喉だったらと悔やまれます。
ドレスデン・フィルはまあまあですが、弦セクションがドイツのオーケストラとしてはもうひとつでした。これはホールの聴く位置によっても違っていたかもしれません。

総合的には、やはり、マタイ受難曲の肝である合唱の素晴らしさでとても聴き映えのする美しい演奏であったと思います。

今年はバッハの代表作のミサ曲ロ短調、マタイ受難曲の素晴らしい演奏に出会えて、エポックメーキングな年になりました。saraiにとってはバッハイヤーとも言えるほどです。これから、バッハの声楽曲にのめりこみそうな予感がします。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/12/09 21:56
拙ブログへのコメントをありがとうございました。
いやいや、saraiさんもいらしていたとは知りませんでした。
こちらの記事も読ませていただいて、おおよそ同じ感想だったことが分かりました。やはり少年合唱と福音史家の素晴らしさに尽きますよね。本当に至福のひと時でした。

2, saraiさん 2010/12/10 00:37
当ブログへもコメントありがとうございます。

お互いたまたまご一緒していたコンサートが出来の素晴らしいものでよかったですね。
感想がほぼ同じというのもなんだか嬉しいような、恥ずかしいような。

それにしてもドイツの音楽界のレベルの高さには驚かされます。
来春もミュンヘンで音楽を楽しむ予定を立てているところです。

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シューマン・チクルス2日目:パーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマー・フィル@東京オペラシティ 2010.12.4

今日は昨日に引き続き、東京オペラシティでシューマン・チクルスです。
パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団のコンビでの演奏です。
昨日の交響曲第1番《春》は素晴らしい演奏だったので、今日も期待しましょう。

まず、今日のプログラムは以下です。

 シューマン:マンフレッド序曲 Op.115
 シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op.61
  《休憩》
 シューマン:交響曲第3番変ホ長調 Op.97《ライン》
  《アンコール》
    ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
    シベリウス:悲しきワルツ

まず最初はマンフレッド序曲です。非常にロマンの香りの高い曲です。
昨日同様きっちりと整然とした演奏ですが、シューマンらしいロマン性は出ていて、結構よい演奏でした。

次は交響曲第2番。これはあまり馴染みのない曲です。
なんだかぼーっと聴いていましたが、第3楽章にはいると美しい響きに耳を奪われます。続く第4楽章はうって変ってシューマンらしい響きの華やかさに心が躍ります。こういう明朗快活な部分ではこの指揮者とオーケストラの面目躍如って感じです。フィナーレも気持ちよく終わり、満足です。

休憩を挟んで、最後は交響曲第3番「ライン」です。
これはやはりシューマンの代表的な名曲です。実際、この交響曲は事実上最後の交響曲で管弦楽作品の総決算と言ってもいい作品です。
演奏が始まると気分が高揚していきます。でも、演奏は意外におとなしく、これまでの演奏に比べて、より重厚な響きを目指しているようです。思いっきりストレートな《春》のときのような演奏のほうがよさそうにも感じましたが、やはり、シューマン後期のこの曲ではブラームスを意識したような演奏スタイルでの表現を考えたのかもしれませんね。
で、若干、不完全燃焼気味でしたが、それでも第4楽章は圧巻でした。その響きの悲しげで厳かな感じは何とも言えず、本当に素晴らしい。よくぞ、この響きを実現できたものです。
続く最終楽章はこのチクルスの最終を飾るにふさわしい晴れやかなシューマンそのものの演奏です。
そして、感動のフィナーレ。

いろいろ思うところはあるにしても、シューマンイヤーの最後を飾るにふさわしい素晴らしいチクルスでした。
とりわけ、《ライン》の第4楽章の響きの素晴らしさはこのチクルスの白眉でした。手放しによかったのは《春》でした。幸せに満ちた祝祭的な響きの素晴らしかったことは忘れられません。
またまた、作曲家と演奏家のみなさんに感謝あるのみです。



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シューマン・チクルス1日目:パーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマー・フィル@東京オペラシティ 2010.12.3

今日と明日は東京オペラシティでシューマン・チクルスです。
パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団のコンビでの演奏です。
今年はシューマン生誕200年の記念の年。それにふさわしい企画です。
あまり、シューマンの管弦楽作品はこれまで聴いてこなかったので、これを機にしっかりと聴いてみましょう。
もともとシューマン自体はショパンよりも好きなくらいですが、どうしてもピアノ曲や歌曲を中心に聴いてしまいます。
それにこれまで聴いたシューマンの管弦楽作品は何か大時代的な演奏が多く、しっくりこなかったこともあります。
最近聴いたクーベリック+バイエルン放送交響楽団のCDはそんな感覚を払拭してくれる爽やかな名演奏で、それもあって今回のチクルスへの期待が膨らみます。

まず、今夜は次のプログラムです。

 シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレ Op.52
 シューマン:交響曲第4番ニ短調 Op.120
  《休憩》
 シューマン:交響曲第1番変ロ長調 Op.38《春》
  《アンコール》
    ブラームス:ハンガリー舞曲第6番

ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団はその名の通り、規模の大きくないオーケストラです。ブレーメンが本拠地とのことです。ドイツのオーケストラですから、実力は期待できます。以前1度聴いた筈ですが、あまり記憶にないので、新たな気持ちで聴かせてもらいましょう。

最初の曲はいわば3楽章の小交響曲といえます。ただ、saraiはこれがCDも含めても初聴きなんです。初聴きって、めったにないことですが、新雪を踏みしめる感じで楽しませてもらいます。
悩ましい感じの動機で開始しますが、すぐに快活な調子に変わり、最後まで、明朗な音楽が続きます。演奏は素晴らしく歯切れがよく、明快な響きです。
初聴きなので何ともいえませんが、シューマンらしいよい曲です。そのうちにライブラリーに加えましょう。20分ほどの曲でした。

次は交響曲第4番。これは結構聴きこんだ曲です。
序奏に続き、テンポの早い軽快な演奏です。
パーヴォ・ヤルヴィへのインタビューによると、「この曲はシンプルで、特に論理的なところが一昔前のマエストロたちに好まれたところ」とのこと。
彼はそのマエストロたちの演奏のアンチテーゼか、きびきびとモダンな演奏です。ドライといってもいいくらい。saraiもこの傾向は前述のとおり、大歓迎と言いたいところですが少しやり過ぎかなと思うくらいです。よい演奏ではありましたが、何か違和感も残る演奏でした。もう少し、ロマン的、あるいは幻想的なところもあったっていいんじゃないかと思ってしまいました。

休憩を挟んで、最後は交響曲第1番「春」です。
これは曲自体もこの日の演奏もシンプルかつ明快でまさに春の祝祭という感じで素晴らしく文句なし。これぞ、シューマンです。
シューマンもクララとの新婚時代でまさに我が世の春という気持ちで明るい晴れやかな曲を書いたのですね。で、それをパーヴォは完全に引き出して、これは名演です。
saraiの気持ちまで晴れやかになりました。こういう音楽もいいものです。
もう、フィナーレなんか、スカッという感じで何の衒いもなし。

パーヴォの指揮は明快かつストレート。オーケストラは小規模なこともあり、完璧にドライブしていました。確信に満ちた指揮でした。それはそれでいいのですが、今後、オーケストラの自発性をどう引き出していくか、興味のあるところです。

ドイツ・カンマー・フィルは実に機能性の高いオーケストラです。ピリオド奏法ではありませんが、同一線上にあるモダン奏法と言えるのではないかと思います。こういうオーケストラは指揮者によって様々な色がつきます。いろんな指揮者で聴いてみたいオーケストラです。
今日はオーケストラの配置は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置でした。明快な響きのオーケストラには合っているかもしれません。

今日演奏した3曲はシューマンが本格的に管弦楽作品を作曲し始めた頃に書いた同時期の作品です。第4番は初稿がこの時期に書かれ、この日の演奏は第2稿でしたが、ベースは同じなんでしょう。
明日はもっと後の時期の作品でよりロマン的な傾向が強い作品です。さて、パーヴォはどう料理するか、想像はできませんが楽しみです。
名曲の交響曲第3番「ライン」は圧倒的な演奏になるでしょうか?



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生の炎:マーラー9番 ゲルギエフ+ロンドン交響楽団@サントリーホール 2010.12.1

マーラーの9番は私にとって特別な曲です。

この表現は実はハイティンクの言っていたことのパクリですが、ハイティンクは音楽演奏家として、ブルックナーの9番やベートーヴェンの9番やマーラーの9番は特別な曲でそうやたらに演奏するものではないという意味の発言をブルックナーの9番を演奏するにあたってしていました。

saraiもマーラーの9番は特別思い入れがあり、とてもいつも聴ける曲ではありません。そして、やはりこの日もそうでした。saraiの全存在が揺さぶられる思いでした。

第1楽章冒頭は弦楽器のため息にも感じられるフレーズで始まります。人生の深いため息です。そして、それはすぐに生の炎の熱い燃焼に変わっていきます。この楽章は炎が燃え上がったり、少しおさまったりしながら、進行していきます。

第2楽章はいったん諧謔的になり、聴いているこちらの心もいったんおさまります。が、また曲が進行していくとまた生の炎が燃え盛ります。

第3楽章はもう最初から激しく炎が燃え上がり、おさまることはありません。後半にはいるともう狂おしいばかりです。まさに狂乱。こちらの精神も狂ってしまうばかりです。そして、行き着く先の甘美な死も垣間見えてきます。しかし、音楽は美しいこと、この上なしで狂おしく身悶えするか如くです。

そして、あの第4楽章が始まります。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが美しい響きを奏でます。生の静かな燃焼に移ります。ただ美しいのではなく、実に分厚い響きで胸を揺さぶります。この静かでかつ熱く、哀しく、つらいという複合的な感情が交錯する奥深く複雑な音楽が進行し、胸がしめつけられそうです。目頭を熱くせずには聴けない曲です。そしてまた炎が燃え上がり、人生の最後の熱い感情が爆発します。
そして、響きが縮小し、甘美な死に向かいます。短いチェロの独奏の美しいことに感動します。ふいにトリスタンとイゾルデの愛の死が脳裏をよぎります。
音楽は何度も休止し、まるで甘美な死をためらっているかのようです。
そして、遂に響きが途絶えます。甘美な死が成就します。
でも、まだ音楽はまだ終わったわけではありません。
それはそれは深い静寂。この静寂はサントリーホールの観客が作り出したものです。マーラーの9番は観客が深い静寂を作り出すことで完結する音楽です。
この静寂によって、甘美だった筈の死は寂寞としたものに変容します。
そうです。これがマーラーが作り出した救いのない人生の寂寥感です。

この9番は実に奥深い名曲です。saraiの感じたままを書き連ねましたが、もちろん、ほかの感じ方も許容できる懐の広さを持っています。
マーラーの人生観、演奏家の人生観、聴衆の人生観がアウフヘーベンされて、それぞれの味わいに達するというところでしょうか。

今日の演奏は以下。

 指揮:ゲルギエフ
 管弦楽:ロンドン交響楽団

ゲルギエフのマーラーは実に堅苦しいものになるのかと身構えていましたが、彼のロシアの風土の根ざした暗い情念とマーラーのうら哀しい人生観が精神の奥のところでつながって、人生の狂おしい熱情や不条理感を表出させた聴き応えのある名演でした。

ロンドン交響楽団は美しくも激しいアプローチでゲルギエフの指揮に応え、胸にずっしりと響く音で魅了してくれました。弦の素晴らしさはもちろんですが、木管・金管の響きの素晴らしさにただただ脱帽。なかでもフルートの気合のこもった演奏には参りました。

曲、指揮、オーケストラ、聴衆と4拍子が超1流で超弩級のコンサートで、saraiは帰りの電車でもずっと目頭が熱くなったまま。こんなことはそうあることではありません。
今年のコンサートでも、アーノンクールのハイドン《天地創造》、プレートルの《エロイカ》と並ぶ感動の公演になりました。

saraiにとって、音楽は単なる楽しみではなく、生きる価値、人生そのものであることをしみじみと感じています。
作曲家・演奏家のみなさんには感謝あるのみです。

最後にこれでウィーン・フィルでマーラーの9番が聴けなかったことは完全に払拭されました。もちろん、ウィーン・フィルはまた別の形の演奏を聴かせてくれたことでしょうが、どちらにせよ、それはとても高いレベルでの違いにしか過ぎないと思うからです。いろんなマーラーがあるでしょうが、最高のマーラーの一つと出会えた感動で今は満足です。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/12/05 09:46
こんにちは。

ゲルギエフは素晴らしかったようですね。
マーラーの9番は自分にとっても特別の曲です。ですのでこの秋はウイ-ンフィルで聴くつもりだったのですが・・・
ゲルギエフは10年近く前にキーロフ管との「復活」を聴きましたが、今一つの印象でした。あれから随分進化したのかもしれませんね。聴きに行きたかったですが、財政的に仕分け対象となりました。

2, saraiさん 2010/12/05 11:35
ハルくんさん、こんにちは。

今年最後の高価チケットのコンサートでした。
ゲルギエフのマーラーということで不安もありましたが、LSOのマーラーを聴きたかったので、仕分け対象外になりました。

演奏自体でいえば、あのベルティーニの最終公演も上回る圧巻の演奏でした。やはり、LSOの力が大きかったのと、ゲルギエフも大変素晴らしい指揮者になりましたね。

来年の5月はコンセルトヘボウでハイティンクがこのマーラーの9番をやるので、現地のサイトでチケットをチェックしたら、4公演すべて完売でした。

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ブルックナー6番:インバル+都響@サントリーホール 2010.11.30

今日は東京都交響楽団の定期演奏会でサントリーホールに行きました。
大御所インバルの登場で期待の公演です。

今日の演奏は以下。

 指揮:インバル
 ヴァイオリン:四方恭子
 管弦楽:東京都交響楽団(コンサートマスター:矢部達哉)

今日のプログラムは以下。

 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
  《休憩》
 ブルックナー:交響曲第6番イ長調

まずはモーツァルト。
この曲はモーツァルト19歳の作品で彼らしい爽やかさに満ちた美しい曲です。
オーケストラの編成も小さく、東京都交響楽団の強力な弦セクションが遺憾なく、その実力を示し、素晴らしく澄みきった響きを聴かせてくれます。
ヴァイオリンの四方恭子は昨年から東京都交響楽団のコンサートミストレスです。以前はケルン放送交響楽団の第1コンサートマスターを長く努めた逸材です。
芯のしっかりした音でヴァイオリンを響かせます。
第1楽章では少し緊張したのかいくつかのミスや乱れもありましたが、後半はしっかりとした演奏できっちりとモーツァルトを表現していました。
大御所インバルのサポートということでの緊張感だったのでしょうか。
まあ、全体としては及第点の気持ちのよいモーツァルトでした。
saraiとしては満足の演奏でした。

休憩後は大編成の東京都交響楽団がステージ上に並び、壮観です。
このあたりの対比を狙ったプログラムでしょう。
およそ100年をおいてウィーンで作曲された音楽です。
100年で何という違いでしょう。
ウィーンの音楽の底深さも感じます。
ブルックナーの6番はあまり聴き込んでいないので、細かい感想は書けそうにありません。
それでもインバルのブルックナーのCDの全集は以前聴いていたので、初めてライブで聴き、感慨深いものがあります。
彼のブルックナーは実にストレートでスケールの大きな演奏です。もっと細かい表情が欲しいという気もしますがドイツ的な重厚さに満ちて良い演奏です。
東京都交響楽団も美しい弦、力感のある金管でレベルの高い演奏です。
ただ、このあたりの曲になるとドイツのオーケストラでインバルを聴くと印象も違うだろうと思ったのも正直なところ。
まあ、東京都交響楽団もドイツのレベルに達するのもあと少しと感じるくらい高いレベルでした。さらなる上を目指してほしいオーケストラの筆頭です。
やはりインバルが振って、よいブルックナーが聴けました。十分、満足しました。

明日は引き続き、サントリーホールでゲルギエフ+LSOのマーラー9番です。大曲が続きますが、saraiとしてはただただ嬉しい悲鳴です。



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長岡純子ピアノリサイタル@ひまわりの郷 2010.11.28

今日のリサイタルは横浜・上大岡ひまわりの郷でのコンサートシリーズです。

演奏は以下です。

 ピアノ:長岡純子(すみこ)

プログラムは以下です。

 バッハ(ブゾーニ編曲):シャコンヌ
 シューマン:子供の情景Op.15
  《休憩》
 ベートーヴェン:ピアノソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」

ピアノ演奏の長岡純子はオランダ在住の82歳の大家です。
失礼ながら、このリサイタルまで、このピアニストの存在を知りませんでした。
軽い気持ちでホールに行きましたが、その高い音楽性に驚きを禁じ得ませんでした。

ご高齢でそんなに体を動かさない演奏ですが、強弱、テンポ、タッチの多彩さなど感銘を受ける演奏でした。
もちろん、若手の高い技巧を持ったピアニストに比べると、幾分ミスタッチや指が回らないところもありましたが、それを補って余る音楽的表現、特に丁寧に1音1音ピアノを奏でる真摯さは音楽の原点を見る思いがしました。

最初のシャコンヌはもちろん原曲は独奏ヴァイオリンのための曲で、saraiは原曲が好きなのですが、美しい響きのピアノでの演奏に思わず、引き込まれる部分も多々ありました。バッハ好きにはなかなか感銘を受ける演奏でした。ともすれば、この曲は派手に弾かれることも多いわけですが、彼女はあくまでも真摯で美しいバッハの響きで好感を持てました。

驚いたのは2曲目の「子供の情景」です。
いきなり、凄くスローなテンポで「見知らぬ国で」が始まり、びっくり。こんなテンポの演奏って聴いたことがありません。
お蔭で1音1音しっかりとしたタッチの演奏でかなり幻想的な演奏になります。音楽表現の自由度が高くなり、心を込めて、独自の節回しですが、それが過剰に至らないのが節度ですね。
まあ、こんなシューマンも楽しいものです。
結局、最後まで、このスローなテンポを一貫して維持。
終曲はもともとスローな曲なので、どうなるかと思っていたら、これがさらにスローなテンポでの演奏。もう最後は音が続かないとおもうほどですが、これが間延びではなく、心を込めた感じというのが凄い。
多分、2度と聴けないシューマンでした。

最後の「ワルトシュタイン」。
これはベートーヴェン中期の傑作ですが、かなりダイナミックな曲です。
先程、シューマンを聴いた感覚では、むしろ、30番・31番・32番あたりのほうがスローテンポでゆったりと弾けてよいかなとも思っていました。
ところがまた驚き!
この曲はほとんどスタンダードなテンポで、早いパッセージは早く、そして、ゆっくり聴かせるところはゆっくりというテンポのチェンジを大きくした変化のある演奏でした。そのため、スローな部分の美しい響きが際立って心にしみ入る感じでまるでそのあたりは後期の精神性の高いソナタを聴いている思いです。
丁寧に音に心を込めた演奏で抒情性の高いベートーヴェンを聴き、やはり、音楽はテクニックも必要だけれども一番大事なのは精神性だと思いました。

80歳を過ぎて、こんな素晴らしい音楽を作り出せるのはとても嬉しいことです。
saraiも長生きして、さらに聴く者としての音楽の感受性を高めたいと切に思いました。
それにしても今年はアーノンクール、プレートルと80歳を過ぎた演奏家の音楽に接し、長い人生でたどり着いた高い音楽的境地に感動する年になりました。
指揮者とピアニストは80歳を過ぎないと駄目なのかなと配偶者に言ったら、無言で笑われました。saraiは結構本気なんですが・・・

ちなみに今saraiが夢中で聴き続けているCDは晩年のクラウディオ・アラウのバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、リスト、ブラームス、ドビュッシー、それに素晴らしいシューベルト。テクニックは明らかに衰えていますが、魂の音楽です。

やはり、音楽家は80歳を過ぎると、野心もなく、失うものもなく、本物の音楽だけに集中できるのではないかと思いますが、いかがでしょう?



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1, ハルさん 2010/11/30 21:40
こんばんは。

音楽家というのは己の芸の道を長い年月をかけて一歩づつ進んでいると思うのです。当然肉体的には衰えてきますが、決してスポーツ選手ではありませんから、円熟の芸や精神面で充分カバーした演奏が可能ですよね。むしろそのほうが心を打たれることも多いと思います。歌舞伎、茶道、花道、陶芸、どれもみな本物の芸の精進には途方もない時間がかかるものじゃないでしょうか。
ですので「80歳を過ぎると、野心もなく、失うものもなく、本物の音楽だけに集中できるのではないか」というご意見に全面的に賛同します。

2, saraiさん 2010/12/01 00:16
ハルくんさん、こんばんは。

思いを同じくするコメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
まさにそのようなご意見をお待ちしていました。
saraiも80を過ぎたら、本当の音楽が見えてくるかもしれませんね。それまで音楽修行を続けたいと思います。
年を重ねる楽しみっていうのもあるもんですね。漫然とした日を送っていなければ・・・

3, たらこ爺さん 2011/01/23 09:16
はじめまして
msnの長岡純子さんの検索で表示されていたものでつい見てしまいました。
NHKの放送をビデオで撮ったものを日曜に見ながら読みましたので、そのとおり!とうなづきました。
惜しい人をなくしたものです。
ワルトシュタインは、ふつう自己主張が入るものがほとんどですが
長岡先生の演奏は、個人的なものはそぎ落としたあとに残った
まさしく「純」粋な響き、「こころ」の歌とでもいう感慨を
感じます。
階段を、アクロバティックに駆け下りたりかけ登ったりも、目を見張る演奏が多い中、先生の演奏は、そういったエキサイト要素がなくても何回聞いても飽きない演奏です。
草津音楽祭でのジャン・クロード・ペネティエ氏と同様
年齢が熟すことで、音楽となにかが結合して、昇華した美に
いたるという吉田秀和さんの音楽礼賛の境地に皆さんが
いるのでしょうか?
純粋な、美しさへの狂おしさとでもいうのでしょうか。胸になにかこみあげるものがあります。

4, saraiさん 2011/01/23 12:03
たらこ爺さん様、コメントありがとうございます。

長岡純子さんが亡くなられたこと知りませんでした。
結果的に最晩年の素晴らしい演奏を生で聴けて感慨深いものがあります。

80歳を超えて、あそこまでの境地に達した演奏は日本人演奏家では聴いたことがありません。ステージではおぼつかない足どりでしたがいったんピアノを弾き始めると芯のしっかりした精神性の高い音楽表現でした。あの高い芸術性に驚嘆したことがまざまざと思い出されます。

ご冥福をお祈りするばかりです。

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贅沢な時間:ウィーン弦楽四重奏団@リリスホール 2010.11.23

今日は室内楽のコンサート。

初めて行く根岸線の本郷台駅すぐ近くのリリスホールでのコンサートです。
本郷台駅前の通りは紅葉真っ盛りで晩秋を感じさせられます。


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今年は特に紅葉が綺麗だと配偶者が喜んでいます。
我が家の近くでも桜が真っ赤で黄金色の銀杏との組み合わせがとても美しく輝いています。
こんな時にはコンサートが似合いますね。それも室内楽はとてもよく似合います。

リリスホールは銀杏の木の向こうの階段の上に見えます。


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広い階段を上るととてもモダンな建物が見えてきます。


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左の塔は地下駐車場からのエレベータのようです。
正面の建物がリリスホールを含む複合施設です。
建物をはいると大きなロビーがあり、その向こうにリリスホールのエントランスがあります。


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入館時間まで、まだ時間があったので、エントランス前の情報コーナーでインターネットで暇つぶし。ここは無線LANの無料サービスがあり、便利です。いつもsaraiはカバンにモバイルPCを入れているので、こんなときには役立ちます。

開場時間になり、ホールにはいります。
お決まりのCD販売コーナーがありますが、今日はCDを買えば、サイン会があるようです。CDをチェックすると、シューベルトの8重奏曲のCDがあります。ウィーン・フィルの腕利き奏者達の演奏ですから悪かろう筈がありませんね。価格もリーズナブル。思わず、手にとって、「これ、下さい!」。

さて、客席に向かいます。すごい急傾斜の座席の先がステージです。


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これではどの席でも室内楽の響きをよく聴けそうです。
でも、今回、このホールで聴くことにしたのは、いわば穴場狙い。
昨日と明日は浜離宮朝日ホールでこのウィーン弦楽四重奏団のコンサートがあります。きっとそちらが混むだろうと思い、このホールでのコンサートを選びました。
で、その結果、今日の席は2列目のど真ん中です。
その席からはステージはこんな具合です。


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どうです。真ん前での演奏です。まるでsarai達のためにコンサートを開いてくれるみたいです。

今日のコンサートについて紹介します。

まず、演奏は以下です。

 ウィーン弦楽四重奏団
  第1ヴァイオリン:ウェルナー・ヒンク(元ウィーン・フィルコンサート マスター)
  第2ヴァイオリン:フーベルト・クロイザマー(ウィーン・フィル 第1ヴァイオリン首席奏者)
  ヴィオラ:ハンス・ペーター・オクセンホファー(ウィーン・フィル ヴィオラ奏者)
  チェロ:フリッツ・ドレシャル(ウィーン・フィル チェロ首席奏者)

まあ、ウィーン・フィルそのものといってもいいメンバーです。また、伝説的なウィーン・コンチェルトハウス弦楽四重奏団を継承している団体なので、よい演奏が期待できます。

プログラムは以下です。

 ハイドン:弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番ヘ長調Op.96「アメリカ」
  《休憩》
 モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」
  《アンコール》
    モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩」より第3楽章

良くも悪くも名曲コンサートです。楽しければ、それでいいでしょう。

まずは「皇帝」です。
ど真ん前から弦の音がばんばん響きます。
これは贅沢です。
演奏者の顔のしわまで見えるほどです。
よく知っている曲ですから、メロディーラインを弾く奏者に予測しながら目を転じながら聴くという感じです。
有名な第2楽章。主題提示が終わり、第1変奏はヴァイオリンのデュオという変わった構成です。主題を第2ヴァイオリンのクロイザマーが奏で、第1ヴァイオリンのヒンクが高音の分散和音で修飾しますが、この演奏の美しいこと、うっとりです。その後、ヴィオラのオクセンホファーが主題を奏で、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが伴奏する部分もヴィオラがよく響き、これもうっとり。
晩年のハイドンの見事な作品をミニのウィーン・フィルが演奏するという感じで素晴らしい出来でした。ウィーン・フィルの艶やかで流麗な弦の響きそのもので期待どおりの演奏でした。

次は「アメリカ」です。
先程のハイドンから一転して、これは力のはいった演奏です。特に第1ヴァイオリンのヒンクの熱っぽさが伝わってきます。
すみずみまで熟知している曲ですが、実演ならではの感銘があります。
昔聴いたスメタナ弦楽四重奏団とはかなり違った演奏ですが、とても流麗で美しい演奏でこれはこれでなかなか楽しめます。
満足のうちにフィナーレ。大拍手です。

休憩後は「不協和音」です。
モーツァルトとしては、そんなにメロディアスではない曲でポリフォニーの響きが目立つ曲ですが、これも美しい響きで、saraiはその響きのなかにゆったりと心を委ねて漂う感じです。
何もいうことはありません。
ウィーンの響きでのモーツァルト。それがすべて。

アンコールの「狩」。これもさらに美しいウィーンの響き。陶然とします。

今年はハーゲン弦楽四重奏団がスケジュールやなにやかやで聴けなくて残念でしたが、このウィーン弦楽四重奏団が聴けて満足です。
ハーゲン弦楽四重奏団はアクセントの強い独特な演奏スタイルで大好きですが、このウィーン弦楽四重奏団はスタンダードな演奏スタイルながらもウィーン・フィルと同じ傾向の弦の響きの美しさで魅了してくれました。

コンサート終了後はもちろんサイン会でみなさんのサインをいただきました。
「グリュス・ゴット!」って言って、握手までしていただき、「ダンケ・シェーン」。

晩秋の1日を音楽で楽しみ、今日も幸せでした。



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音楽の聖化:マーラー3番 by ヤンソンス+ロイヤル・コンセルトヘボウ管@サントリーホール 2010.11.22

マーラーは宗教音楽ではありませんが、まさに神聖な音楽に触れた思いで一杯です。

今、サントリーホールからの帰りの電車の中で今夜のコンサートに思いを馳せながら、このブログを書いています。
今年はウィーン・フィルのマーラーは聴けませんでいたが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の言葉では表現できない美しいマーラーに出会えてこんなに幸せなことはありません。

正直、、マーラーの第3番は2番、5番、9番あたりに比べると、今まで馴染みも少ない曲でしたが今夜の演奏でそれらを上回るといっても過言でないほど、頭に深く刻み込まれました。
マーラーの第3番の交響曲はともかく長大な曲が多いマーラーの中でも1,2を争う長大な曲です。とても全体に触れることはできません。
終楽章(第6楽章)だけに焦点を合わせましょう。

声楽付の第4楽章、第5楽章から一転して、弦楽器だけの静かな合奏が始まります。
ロイヤル・コンセルトヘボウの弱音の美しい演奏は見事としか言いようがありません。
ウィーン・フィルの弦の高音の美しさに対して、ロイヤル・コンセルトヘボウの弦の低音の美しさの素晴らしさはどちらも最高です。
何しろ、この終楽章だけでも30分弱ですから、この楽章だけ聴いても満足できるくらいの音楽の充実度。第9番の終楽章と比肩できるほど素晴らしい音楽です。
弦楽器に時折、管楽器が絡みながら、静かに音楽は進み、徐々に高みに飛翔していきます。
高く上り詰めた感動的な音楽。これは宗教的ではない人間的な神聖な音楽と言えるでしょう。
しかし、フィナーレはまだ先です。いったん、また静かな合奏になり、再び、圧倒的な高みに舞い上がります。何という絶頂でしょう。どこまでもどこまでもこの絶頂が続きます。永遠に続くかと思われた絶頂もやがてフィナーレ。一瞬の静寂。
怒号のような叫びと拍手。
これがマーラーですね。
熱い演奏ではありますが、熱狂的ではなく、宗教的な浄化と言えるようなあたたかい温もりに満ちた音楽です。
ここまでのマーラーを聴くのも久々です。
マーラー生誕150年の節目の年にこのような演奏が聴けて人生の喜びを感じています。
saraiも強い拍手を送りましたが、熱狂的ではなく、しみじみとした気持ちを込めての拍手でした。今夜の演奏家の皆さんに敬意と共感を拍手に込めました。

今日のコンサートについてまとめておきましょう。
プログラムは以下です。

 マーラー:交響曲第3番

演奏は以下です。

 指揮:マリス・ヤンソンス
 管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 アルト:アンナ・ラーソン
 合唱:新国立劇場合唱団
    TOKYO FM少年合唱団

アルトのアンナ・ラーソンはその大柄な体を活かした深い声で素晴らしい歌唱でした。ほかのマーラーも聴いてみたいものです。
指揮のヤンソンスは世評の割には、いつもsaraiの心を動かすことがありませんでした。今夜も前半までは立派な完璧な演奏ですが、面白みに欠けます。ところが終楽章の素晴らしさは前述のとおりで脱帽です。素晴らしい指揮でした。

さて、今年はまだゲルギエフとロンドン交響楽団のマーラーの第9番のコンサートが残っています。どんな演奏が聴けるか楽しみです。



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モーツァルト《ピアノ協奏曲第20番・27番》内田光子+クリーブランド管弦楽団@サントリーホール 2010.11.16

今、サントリーホールからの帰りの電車の中です。通勤帰りの人たちで超満員。
今日のコンサートは大満足でした。
正直、1昨日は後半はともかく前半の23番で期待外れで完全燃焼できないモヤモヤが残り、そのため、今日も不安な気持ちで演奏を待ちました。

が、今日は最初の20番ニ短調のピアノの最初の一音から違いました。美しいピアノの響きです。また、このニ短調のピアノ協奏曲はよくデモーニッシュと表現されますが、この日の演奏は短調の曲らしい荘重さはありますが、全体としては暗さをあまり感じさせない流麗な演奏です。しかし、決して、モーツァルトの本質を見失っていない演奏です。ピアノが全体を支配し、それにオーケストラを融合し、繊細に美しく歌わせるというスタイルを内田光子が見事に作り上げています。
また、このニ短調の協奏曲で特筆すべきはカデンツァです。大きな強弱をつけた深い表現、間をとるための静寂によるより深い表現、精神性の実に高い表現はピアニズムの神髄ともいうべきものです。第1楽章のカデンツァはそれだけを聴くだけでも今日のコンサートに来る価値があるといっても決して過言ではありません。第3楽章のカデンツァも同様に身震いするほどの演奏でした。即興性を感じさせる演奏でもありました。いくら賞賛してもしきれない素晴らしいカデンツァでした。

そして、休憩後の27番の協奏曲は見事だった前半の20番をさらに超越した素晴らしい演奏です。
ピアノが主導し、オーケストラを歌わせる第1楽章。
繊細で美しさの極みの第2楽章。
明るく、ドラマチックな第3楽章。
ピアノが自在にテンポを変え、美しいメロディーを歌わせていき、オーケストラもそれにぴったりと合わせる。これこそ、弾き振りの醍醐味です。
それにピアノの音の響きの美しいこと、まったく素晴らしい!!
今日は指揮者、ピアニスト、まさに二人分の内田光子が存在しました。
クリーブランド管弦楽団の演奏も見事で、特にフルートの見事な音色にはため息の出るほどです。
これ以上、saraiの筆力では表現ができないのがもどかしいほどの素晴らしい演奏でした。

今日のコンサートの紹介をしておきましょうね。
プログラムは以下です。

 モーツァルト:ディベルティメント ニ長調 K.136
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
  《休憩》
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
  《アンコール》
    なし

演奏は以下です。

 ピアノ&指揮:内田光子
 管弦楽:クリーブランド管弦楽団

最初のディベルティメントは1昨日と違い、弦楽の響きはピュアー。
少し、抑揚に欠ける面はありますが美しい演奏。

続く2曲のピアノ協奏曲は全く言うことなし。満足です
内田光子はアラビア風の衣装がよく似合い、大きな手振りもチャーミングでやはり、日本人演奏家という枠を超えた名ピアニストだと感じました。
また、内田光子はピアノだけのリサイタルも聴いてみたいものです。
来年もサントリーホールで演奏するようですが、リサイタルがあれば是非行きたいと思っています。モーツァルトでもベートーヴェンでもシューベルトでもすべてOKです。



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モーツァルト《ピアノ協奏曲第23番・24番》内田光子+クリーブランド管弦楽団@サントリーホール 2010.11.14

今、サントリーホールの客席でモーツァルトのピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488を聴き終え、休憩時間中です。
楽しみにしていた内田光子のモーツァルトは期待以上半分、期待以下半分という感じです。
期待以上だったのは、彼女の指揮です。今夜の公演は弾き振りなんですが、はっきり言って、指揮には期待していなくて、彼女のピアノだけがお目当てでした。
ところが、彼女の指揮でクリーブランド管弦楽団が何と活き活きと活気のあるモーツァルトを演奏することか、とても気持ちよく聴けます。彼女のやや大袈裟ともいえる身振りでこんなに気持ちのよいモーツァルトになるなんて想像できません。こんな小編成のオーケストラでモーツァルトといえば、指揮はそんなに重要でないとも思えますが、やはり指揮一つで活気のある演奏になるものですね。
一方、肝心のピアノの方ですが、内田光子の弾むようなクリアーなタッチの演奏を期待していましたが、こちらはもうひとつ。スタインウェイとは思えないようなボワーンとした古風な感じの音でクリアーなタッチではありません。流石に第3楽章にはいると、タッチはともかくとして、ピアノ表現は弾むようなノリノリの感じで気持ち良く、聴けます。
内田光子はCDで聴いていたのとピアノのタッチが随分違っていますが、これが内田光子の響きなのかなと思いながら、休憩時間を過ごしました。

今、コンサートが終了し、帰路の電車です。
休憩後はモーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491でしたが、休憩前とは見違えるような演奏でやっと期待に応えてくれました。
第1楽章はもう完璧なオーケストラの響き。まさにモーツァルトが2曲しか書かなかった短調のピアノ協奏曲だということをまざまざと感じさせてくれるような深く堂々とした演奏です。休憩前には不満の残ったピアノの響きも随分よくなってきました。
そして、一転して第2楽章は美しいピアノのメロディー、オーケストラの木管部の美しい響き、これぞモーツァルトです。
そして、第3楽章。ピアノのクリアーな響きがやっと聴こえてきました。モーツァルト特有の短調の哀愁のある曲にのって、ピアノとオーケストラが素晴らしい響きを聴かせてくれます。これが内田光子のモーツァルトの世界ですね。
オペラでは、スロースターターの歌手も多いですが、まさか、ピアノでも最後に美しい響きで盛り上げてくるとは、まるでピアノも歌声と一緒みたいですね。
確かに、一晩のコンサートで2曲のピアノ協奏曲を演奏するのは、もう決して若くないピアニストにとっては厳しいことかも知れません。
で、前半の23番では、体力を温存し、後半の24番にすべてをかけ、最後の第3楽章で完全燃焼って感じです。
最後がパーフェクトに終われば、saraiもおおいに満足ですが、それでも、すべて、パーフェクトならという感もなくはありません。

そうそう、今日のコンサートの紹介が抜けていました。
プログラムは以下です。

 モーツァルト:ディベルティメント ヘ長調 K.138
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
  《休憩》
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
  《アンコール》
    なし

演奏は以下です。

 ピアノ&指揮:内田光子
 管弦楽:クリーブランド管弦楽団

最初のディベルティメントは弦楽の立奏で指揮者なし。
少し、メンバーの数が多いせいか、モーツァルトらしい歯切れとピュアーさが欠けていました。
で、ピアノ協奏曲が始まると、内田光子の指揮で颯爽としてモーツァルトになりました。やはり、一流のピアニストは一流の音楽家でもあるわけで、指揮者としての才能もなかなかです。それにモーツァルトのディベルティメントといえども、指揮者は必要だと感じました。いっそのこと、内田光子が指揮すれば、素晴らしい響きになったかも知れません。
それにしても、内田光子といえども、弾き振り、それも一夜に2曲だと負担が大きかったようです。負担の軽いピアニストとしての内田光子を満喫してみたいものです。
一番いいのは、指揮者としての内田光子とピアニストとしての内田光子の二人の内田光子が共演するのがベストですが、CDではある程度可能だとしても、実演では不可能ですね。

妙な感想になってしまいました。
が、聴衆の歓喜に応える内田光子は世界一流の音楽家を感じさせ、素晴らしいパフォーマンスで、演奏がどうであれ、尊敬できるアーチストでした。

さて、明後日も内田光子を聴きますが、今度はどうでしょうね。



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超演!プレートル+ウィーン・フィル@宮崎芸術劇場 2010.11.7

信じられない!
何という高次元の演奏でしょう。
プレートルはにこやかな86歳のお爺ちゃんですが、やはり、只者ではありませんでした。
いたずら好きのお爺ちゃん(プレートル)に贅沢なおもちゃ(ウィーン・フィル)を渡したら、とんでもないことをしでかした・・・そんな感じです。しかもそのお爺ちゃんは音楽を知り尽くしており、それ以上に音楽の楽しみを知っていたとなると大変です。

今回の日本でのプレートルとウィーン・フィルのコンサートは日本音楽界の一大事件だと言っても決して大袈裟ではないでしょう。
あと残り1回の11月10日のサントリーホールで聴くかたは楽しみにしていてください。絶対に感動できることをお約束できます。

シューベルトは贅沢なサウンドでまるでレベルの違う第2番を満喫。こんな贅沢な2番を聴いて、いいのかって感じです。
そして、ベートーヴェンは緊張感の高く、凝集力のある演奏をウィーン・フィルの美しく艶のある、それでいて、分厚く深い響きで堪能。
究極のベートーヴェンです。saraiの生涯で聴いた最高のベートーヴェンです。

さて、順を追って書いて行きましょう。
南九州の実家に里帰りしたのは、宮崎芸術劇場(アイザックスターンホール)でウィーン・フィルを聴くのも大きな目的です。いわば、穴場狙いで良い席のチケットの確保を目論んだわけです。
で、チケット購入は目論み通りで、8列目の中央という極上の席をゲットしました。それも並びの3席。母と配偶者の3人で聴きます。高価なプラチナチケットではありますが、きっと、その代償に、大きな満足・感動が得られることを期待の上のことです。
で、この時点では、サロネン指揮のマーラーの9番。正直、指揮者は不安でしたが、きっとウィーン・フィルはやってくれることを期待していました。

ところが、先日のサロネン降板劇になり、結果、大御所プレートルの登場という嬉しい大ハプニング。
今日の今日まで、本当に高齢のプレートルが来るのか、不安でしたが、前日の兵庫公演に登場したことを知り、多分大丈夫だろうとほっと胸をなでおろしました。

開演の大分前に余裕を持って、いざ、宮崎芸術劇場へ。
このホールは2回目。前回は宮崎音楽祭でチョン・キョンファのヴァイオリンでブラームスの協奏曲を聴くためにわざわざ駆けつけました。
まず、ホールの外観をご紹介しましょう。


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大きな階段を上ると、ホール入口。東京のコンサート以上に着飾った男女が集まっています。着物の女性が目立ちます。


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今日のチケットはこれ。


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しっかりとサロネン指揮とプリントされています。
ホールに入ると、チケットのチェックする関所の横の柱には、プレートルの名前がでかでかと書いたポスターが貼ってあります。いかにも、お間違えのないようにということでしょうか。開演前まではチケットの払い戻しが可能だそうです。


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やはり、プレートル指揮に変更ないようです。
まるで夢のようです。いやがうえにも期待が高まります。
ホールの内部はこのようになっていて、ウィーンの楽友協会をお手本にした構造だとのことです。


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音響はどうでしょう。評判はいいそうです。saraiの前回の記憶は霞んで思い出せません。

本日のプログラムは以下。

 シューベルト:交響曲第2番
  《休憩》
 ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》
 《アンコール》
 ブラームス:ハンガリー・舞曲第1番
 ヨハン・シュトラウス:トリッチ・トラッチ・ポルカ
 
演奏は以下。

 指揮:ジョルジュ・プレートル
 管弦楽:ウィーン・フィル
      コンサート・マスター:ライナー・キュッヒル

で、予習したのは以下のCD。

  シューベルト:交響曲第2番
   ギュンター・ヴァント指揮ケルン放送交響楽団
    録音もよく、会心の演奏です。文句なしに聴けます。

  ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》
   ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団
    これまた録音もよく、ドイツらしく分厚い響きで歯切れのよい演奏です。久々に気持ち良く聴けたエロイカです。。

さて、ウィーン・フィルのメンバーがコンサートマスターのキュッヒルを先頭に拍手のなか、席に着きます。チューニングもすぐに終わり、意外なほど早くプレートルがにこやかに登場。聴衆も大拍手で迎えます。

まず1曲目はシューベルトの第2番、コンサートではめったに演奏されない曲ですが、親しみのあるシューベルトの旋律に満ちたロマンチックな曲です。
第1楽章、冒頭の序奏から分厚い響きでちょっと驚きです。こんな骨太のドイツ風の響きは予想外でした。第1主題はギヤを入れ換えて、軽快で颯爽とした演奏。プレートルはこのように対比のきいた自在な演奏スタイルのようです。楽章全体は分厚い響き、美しい響きの連続で贅沢なサウンドです。意外に細かいテンポの揺れはあまりありません。素晴らしく響きのよいシューベルトを堪能という感じです。
第2楽章、プレートルはタクトを置きます。ノンタクトです。
そうそう、彼は暗譜で指揮しています。しっかり、曲を把握しています。
愛らしい旋律が美しく響きます。ウィーンの宮廷舞踏会で貴族の子弟がカドリールを踊っているイメージを連想します。そこにフランス貴族の姿も垣間見れます。中間での強い響きの合奏はアクセントになっており、これも対比の妙を感じさせられます。
第3楽章、短い楽章ですが、ますます、分厚く深い響きが胸を揺さぶります。もう、到底、第2番の枠組みは超えた演奏です。例えようもない素晴らしさに鳥肌のたつ思いです。
第4楽章、弦楽の美しい響きに圧倒されます。テンポは快速。音楽が疾駆していきます。やはり、途中、対比の妙に魅了されながら、フィナーレ。
こんな贅沢なシューベルトを聴くと、もうメインディッシュを食べ終えた満足感すら感じます。

で、休憩を挟んで、次はお待ちかね、エロイカ。
昨年、ウィーンでもこのコンビで演奏したそうですから、十分に準備できているでしょう。かなり、思い切った演奏が期待できそうです。

第1楽章、いきなりのアインザッツ2発、すごく早いテンポです。オーケストラに緊張感が漂うのが感じられます。ベートーヴェンの真髄、凝集力に満ちた演奏がいきなり始まります。聴衆も緊張した状態で聴き入ります。
一瞬たりとも気の抜けない演奏が続きます。展開部あたりの盛り上がりからは次第に感動の波に襲われます。不覚にも涙が滲みます。何という活力に満ちた音楽でしょう。これこそ、ベートーヴェン。コーダへ上り詰めていく音楽の活き活きしていること、神業です。
第2楽章、葬送行進曲。ここでもプレートルはタクトを置き、細心の表現。抑えた演奏ですが、弦も管も響きの美しいこと。
そして、やはり、対比の妙、中間部では弦楽合奏で低弦から第1ヴァイオリンが加わるあたりの音楽の高まり、さらに管楽器も加わっての頂点への上り詰め、何という高揚感でしょう。
感動のあまり、涙があふれます。
そして、また、葬送の抑えた美しい響き。
あまりにも素晴らし過ぎる!
第3楽章、放心したsaraiの耳をアレグロ・ヴィヴァーチェの軽快な音楽が颯爽と通り過ぎていきます。
第4楽章、前楽章からすぐに怒涛のように音楽が押し寄せます。
プレートルは巧みにテンポを揺らし、ウィーン・フィルも必死でこれにこたえます。若干のアンサンブルの乱れはありますが、見事です。これぞ、音楽の達人の世界です。自在なリズムで時折、高音域の響きの美しさ。もう、音楽を超えて、音の響きの饗宴に身を委ねます。
そして、簡潔なフィナーレに上り詰めます。

こんなベートーヴェンは聴いたことがありません。コンサートホールの実演でのみ有り得る体験です。CDに記録するのはきっと不可能です。
是非、11月10日のサントリーホールに足を運ぶことをお勧めします。
ちなみに宮崎芸術劇場の響きはサントリーホールの柔らかい響きとは違いますが、負けず劣らず、素晴らしい響きでした。この響きを引き出したウィーン・フィルも素晴らしいですね。

この日は何と言ってもプレートルの凄さに感嘆しました。無駄な動作はなく、時折、オーケストラに揺らぎを与え、緊張感を高め、ウィーン・フィルの能力を極限まで引き出す。音楽表現はオーソドックスながら、対比を巧みに表現し、活力のある音楽を作り出す。でも、彼の基本はあくまでも音楽を楽しむことにあるようです。聴いている聴衆も音楽に酔いながら、心から音楽を楽しめます。

アンコールの2曲も巧みにテンポを揺らし、それ以外はオーケストラの自律性に任せるというスタイルで活き活きとした音楽を作り出し、聴衆を魅了してくれました。

プレートル恐るべしのコンサートでした。先日のアーノンクールのハイドンと甲乙つけがたし。今年のコンサートの双璧になりました。配偶者は分かりやすさでプレートルに1票だそうです。saraiには正直、どちらも素晴らしく、順位を付けるのは神をも恐れぬ仕業っていう心境です。



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この記事へのコメント

1, さとぼう。さん 2010/11/08 11:59
はじめまして!
私も昨晩、プレートルおじいちゃま+ウィーンフィルの演奏に感動した一人です!!
こちらの記事を読んで、昨夜の感動がふたたび…♪
齢35ですが、これまでで最高に楽しい!すばらしい!と思えた演奏会でした。
本当にすばらしかったですね!!

2, saraiさん 2010/11/08 18:54
さとぼう。さん、初めまして、saraiです。
初コメントありがとうございました。

昨日の興奮、忘れられないですね。
さとぼう。さんよりも25年も長く生きていますが、あんなベートーヴェンは初めてでした。こんなコンサートに行けたのはラッキーですね。

今度の日曜は楽しみにしていた内田光子をサントリーホールで聴きます。ワクワク・・・

3, ハルくんさん 2010/11/08 21:55
こんばんは。

プレートル/ウイーンPOは良かったようですね。
サロネンのマーラーは以前LAで7番を聴いたことが有り、とても素晴らしかったので、いまだにマーラー9番を聴けなかったことが残念に思われます。けれどもsaraiさんのレポートでエロイカも非常に期待が持てそうなので、10日はしっかり聴いてきます。ありがとうございました。

4, saraiさん 2010/11/08 23:40
ハルくんさん、こんばんは。

マーラーを聴きたかった気持ちは同じですが、多分、2度と聴けないかも知れないプレートルです。昔はプレートルといえば、《動物の謝肉祭》などのフランス音楽だけの人と思っていましたが、今や、ハイティンクと並ぶ巨匠だということを再認識しました。

エロイカを特集したハルくんさんがどのような感想を持たれるか、興味津々で楽しみにしています。予断を持たずにお聴き下さいね。

5, ヤクルトファンさん 2010/11/11 09:33
素晴らしい演奏でした。美しい英雄でした!また来日して欲しいです。プレートルに感謝です。

6, saraiさん 2010/11/12 12:21
ヤクルトファンさん、saraiです。
コメントありがとうございます。

プレートルは素晴らしい指揮者でしたね。
もう1度聴きたいものです。
ウィーンに行かないと難しいかも。

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庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタル@彩の国さいたま芸術劇場 2010.10.31

今日は庄司紗矢香のヴァイオリン・リサイタルです。

この秋、彼女が久々に出すCD:ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集のCDのリリースにあわせて、リサイタルのシリーズが予定されています。
saraiもこれは聴き逃せないと思い、サントリーホールでの公演の日程を調べると、残念ながら、長期のドライブ旅行中で行けそうにありません。
ほかのホールでの予定もどうも合いそうになく、これは聴けない、残念と思っていた矢先、今日の公演を発見。
saraiの住む横浜からは少々遠いですが、同じ首都圏、行けなくはありません。そのホールが彩の国さいたま芸術劇場です。
もちろん、初見参です。埼京線の与野本町が最寄駅ですね。
延々と電車を乗り継いで、駆けつけました。

本日のプログラムは以下のオール・ベートーヴェン。

 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番《春》
  《休憩》
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番《クロイツェル》
 《アンコール》
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番より第3楽章
 
演奏は以下。

 ヴァイオリン:庄司紗矢香
 ピアノ:ジャンルカ・カシオーリ

で、予習したのは以下のCD。

 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番《春》
  クレーメル、アルゲリッチ
   録音もよく、よい演奏です。少し、ピアノのアルゲリッチの存在感が強いかな。

 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番《クロイツェル》
  オイストラフ、オボーリン
   かなり古くなってしまいましたが、やはり、これは名演奏です。
   オイストラフの鋭く気迫に満ち、それでいて美しいヴァイオリンの魅力には何度聴いても感動します。特にクロイツェルは若い頃から何度聴いたことか、昔はLPレコードだったので、盤がすりきれるほど聴いた演奏です。残念ながら、CDにはあのLPのような艶やかな音がありませんが、それでも素晴らしい。

さて、まず1曲目は第8番、割と地味な曲です。
第1楽章、変な表現ですが、庄司紗矢香のヴァイオリンはベートーヴェンの音色になっています。ベートーヴェンを弾いているので当たり前ですが、ちゃんとベートーヴェンらしい雰囲気を醸し出すのは意外に難しいと思います。彼女はそれがしっかりとできています。
変なことに感心しているうちに第2楽章。これは弱音をうまく使って、繊細な表現で弾いています。彼女の音楽の世界に引き込まれていきます。この曲はこんなによかったのか記憶にありません。心のこもった音楽です。

次はスプリング・ソナタ。あまりにも有名な名曲中の名曲。
出だしのメロディーが特に有名ですね。
でも、意外になかなか気に入った演奏に出会いません。
この日の庄司紗矢香の演奏はsaraiの理想の演奏に限りなく近いものでした。実に爽やかでロマンの香りがたっぷりです。
不満はピアノとのバランスが少し悪いこと。ピアノが少し音を出し過ぎって感じです。ここは庄司紗矢香にあわせて、繊細な表現をお願いしたいところでした。
第2楽章もデリケートな表現です。なかなかいい感じ。この日は特に緩徐楽章の繊細な表現に惹かれます。庄司紗矢香のさらなる進歩でしょう。

で、休憩を挟んで、3曲目はお待ちかね、クロイツェル・ソナタ。
一体、庄司紗矢香がどう弾くのか、楽しみです。
最初の序奏のヴァイオリン独奏の素晴らしい響きに感嘆です。
最近の彼女のヴァイオリンは高域から低域まで実にバランスの取れた美しい響きを聴かせてくれるようになりました。完全に新しいストラディバリウス《レカミエ》を自由自在に弾きこなすようになりましたね。昔はボリュームのあるたっぷりした低音に比べて、高音の美しさがもう一つって感じでしたね。
このクロイツェルはCD録音のために相当弾きこんだようで、思いっきりの演奏で気持ちよく聴けます。ヴァイオリンの響きの美しさが素晴らしい!
演奏スタイルはオーソドックスですが、個性的な演奏はこれからの楽しみにしましょう。
そうそう、この曲ではピアノのバランスもよくなってきました。やはり、弾き込みが重要ですね。

今夜のリサイタルは大変満足でした。アンコール曲は以前も全曲聴いて感銘を受けましたが、今日の演奏も満足。
満足の拍手を送りながら、リサイタルは終了。

で、最後のお楽しみ。
今日は庄司紗矢香のサイン会があります。
目の前で彼女の新しいベートーヴェンのソナタのCDにサインをいただきました。彼女の初サインです。自分の娘よりも若い彼女のサインをもらってルンルンしているsaraiを見ながら、配偶者は呆れ顔。いいもん!!

この記事は帰りの電車の中で書いて、電車の中からWIMAXで速攻でアップしました。

次の音楽ネタはいよいよこれも待ちに待ったウィーン・フィルの来日公演です。指揮者交代劇はすったもんだでしたが、結論としてはsaraiの望み通りのジョルジュ・プレートル。本当に聴けるのでしょうか。きっと、ウィーンはsaraiを失望させることはないでしょう。プレートルはどんな演奏でsaraiを魅了してくれるか、正直、期待と不安ないまぜです。



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       庄司紗矢香,  

感動のハイドン《天地創造》byアーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス@サントリーホール 2010.10.29

筆舌尽くしがたしという言葉がありますが、真に素晴らしい音楽は言葉で表現のしようがないものです。まさに今日のコンサートはそれにふさわしいものでした。

ウィーンからの贈り物。それもとっておきの感動をともなったものでした。
今夜はアーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの来日コンサートで2度目に聴くコンサートです。ウィーンからの演奏家がウィーンの大作曲家ハイドンの名曲を演奏し、サントリーホールがウィーン音楽に満たされました。ウィーン好きのsaraiにとって、それだけでも幸福なことです。

それにしてもハイドンでこんなにウルウルになるほどの感動が味わえるとは思ってもみませんでした。もちろん、今年、最大級で期待していたコンサートではありましたが、ハイドンがこんな素晴らしい作曲家だとは恥ずかしながら、saraiには少しも分かっていませんでした。
で、今夜のハイドンのコンサートが火曜日にサントリーホールで聴いた同じアーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのバッハのロ短調ミサ曲をはるかに凌駕するコンサートになろうとは予想だにしませんでした。無論、今年1番のコンサートでしたし、生涯、何度聴けるか分からないほどの素晴らしい超名演でした。
一生、saraiの頭の中に今日の響きが残っていくでしょう。

さて、そろそろ、今夜のコンサートのおさらいにはいりましょう。
3日前は大変人間的なぬくもりに満ちたバッハのロ短調ミサ曲でしたが、今夜はハイドンの最高傑作といわれるオラトリオ《天地創造》です。

演奏はバッハとほとんど同じ、以下のメンバーです。
 
 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
 指揮:ニコラウス・アーノンクール
 ソプラノ:ドロテア・レッシュマン
 テノール:ミヒャエル・シャーデ
 バリトン:フローリアン・ベッシュ
 合唱:アーノルト・シェーンベルク合唱団


予習したCDはほとんど同じメンバーのCDでバリトンだけがゲルハーヘルです。このCDはお得なアーノンクール宗教作品BOXに含まれており、このBOXには、ハイドンのオラトリオで双璧をなす《四季》やヘンデルの《メサイア》やモーツァルトの《レクィエム》などが集められています。バッハのロ短調ミサ曲は録音がかなり古いので、このBOXには含めれていません。今回の来日メンバーを主体とした再録音が待望されます。

今夜のハイドンのオラトリオ《天地創造》は日本でこれだけのメンバーで聴ける稀有の機会と言えるでしょう。絶対に聴き逃せないと思い、無理してチケットを購入しました。
で、繰り返し、CDで聴き、頭の中にイメージを作り上げていました。
が、やはり、音楽ホールで聴く生演奏はCDとは比較になりません。

バッハのロ短調ミサ曲の演奏について、古楽器のことにについてずい分触れましたが、今夜の演奏はオーケストラの規模が大きく、多分、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのフルメンバーということもあり、冒頭から古楽器を感じさせない自然な響き。saraiの耳も慣れたのかしら?
ロ短調ミサ曲では鍵盤楽器はオルガンでしたが、今夜は珍しいフォルテピアノ。ちゃんと聴くのはおそらく初めてです。
ときどき、ホルンの節回しがきれいに演奏できていないところでピリオド楽器だということを思い出す程度です。
ともあれ、素晴らしい響きで弱音の効果を最大に活かし、最強音との対比が見事です。アーノンクールの音楽作りの丁寧さが随所に光ります。

また、合唱の素晴らしさ、パーフェクトなのはバッハのときと同様。ただ、横に大きく広がった配置で声の広がり、響きが尋常ではなく、美しく、圧倒的です。
バッハよりも出番は少ないものの、それだけに珠玉の合唱といっても過言でありません。第2部の最後のハレルヤ、そして、第3部の終曲であるアーメン、涙なしには聴けません。第3部の終曲であるアーメンの対位法的な歌唱のバランス・響きはなんという素晴らしさ。

歌手陣では、みんな好調で聴き映えがします。ロ短調ミサ曲では幻滅したバリトンのベッシュも柔らかい声のアリアから力強い表現まで自由自在。テノールのシャーデは相変わらず好調。明るいハイトーンが伸びやかさは、誰にも真似できないでしょう。
で、今日一番はソプラノのレッシュマン。この曲はそもそもソプラノの出番が多いのですが、すべては素晴らしい美声で、完璧に歌いきり、もう、saraiは満足以上の何者でもありません。どのアリアもうっとり。持ち前のよく澄んだ美声に加え、芯のある強い声はもう無敵です。彼女の歌うフィガロの伯爵夫人も立派ですが、今夜の歌唱はそういうレベルではありません。これだけ歌えるソプラノはこの曲に関する限り、誰もいないでしょう。素晴らしいソプラノです。

アーノンクールについては、これから聴くことがあるとすれば、ウィーン訪問でたまたまスケジュールがあったときになりますね。もしかしたら、ラストコンサートかもしれません。最後に最高のアーノンクールを聴けて幸運でした。
この日のアーノンクールはすべてを掌中に収め、完璧なコントロール。当たり前のことでしょうが、強弱のつけかたが素晴らしい。また、ハイドン特有の節回しを丁寧に丁寧に表現していたのが印象的でした。これでハイドンの素晴らしさが如何に引き出されたか、何度も何度も感じました。

アーノンクールが何故、地味とも思えるハイドンを最後の演目に選んだのか。
とてもよく分かるコンサートでした。
少なくともsaraiはハイドンを不当に評価していました。
この曲の公開の場での初演はウィーンのブルク劇場でフォルテピアノはサリエリ、指揮はハイドンで180名の大演奏陣で、ベートーヴェンも聴衆の一人として駆けつけたそうです。モーツァルトは既に亡くなっていましたね。
このハイドンの大傑作を最後の日本公演でウィーンからの贈り物にしてくれたんですね。日本の聴衆の一人として、確かにこの贈り物、受け取りました。心に残る贈り物です。明日の聴衆も同様に贈り物をもらえるでしょう。あれ以上の演奏は難しいでしょうが、あれ以下の演奏も考えられません。

アーメンという歌声とともに演奏は終了。いつまでも聴いていたかったのですが、流石の大曲もあっというまに時間が過ぎ、フィナーレ。聴衆の拍手が始まり、アーノンクールが歌手たちをステージの中央で迎えます。そのときのアーノンクールの優しそうな笑顔、初めてみました。レッシュマンを温かく見つめながら、手を取り合い、ねぎらいの言葉。これもひとつのドラマ。こちらの心も熱くなります。

バッハのとき以上の会場の盛り上がり、演奏者たちも嬉しそうで、こちらも嬉しくなりました。
今日のサントリーホールは前回のバッハと違って、結構、空席も目立っていました。それだけに今日詰めかけた聴衆は本当に今日のコンサートを楽しみにしていた人達ばかりでしょう。ハイドンの傑作とは言え、日本では演奏機会も比較的少ない作品なので、余程好きな人達でしょう。
事実、コンサートの冒頭のしーんと静まり返ったホールの様子はただならぬもので、きっと、演奏者にもその期待感は届いたと信じます。
コンサートは昔の作曲家の作品を足掛かりに演奏家と聴衆が作り上げるものだと思っています。それらが1体になったとき、今日のような奇跡のようなコンサートが生まれるものだと経験上、考えています。
そういう場に居合わせたことは何者にも代えがたい幸せです。

サントリーホールから家に帰る電車の中で、コンサートのこと、人生について、深く思いを巡らせていたsaraiでした。
人生の中でこういう時間を持てるのは何と贅沢なことでしょう。



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クレー+東京都響@サントリーホール 2010.10.25

今日は東京都交響楽団の秋の定期演奏会の第2弾。

ドイツの指揮者ベルンハルト・クレーによるエルガーとブルックナーという面白い組み合わせのプログラムです。

本日のプログラムは以下。

 エルガー:チェロ協奏曲
  チェロ:ボリス・アンドリアノフ
  《休憩》
 ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》

で、予習したのは以下のCD。

 エルガー:チェロ協奏曲
  これはやはりこれしかないでしょう。
  デュ・プレのチェロ、バルビローリ指揮ロンドン交響楽団
   名盤CDです。
   久しぶりに聴きましたが、素晴らしい演奏です。文句なし。

 ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》
  ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・フィル
   いつもはヨッフム盤を聴いていますが、今回はこれ。
   ベルリン・フィルは機能性が高く、演奏力はありますが、ドイツ的な重厚さに欠けるのが惜しい。ヴァントの指揮はドイツ的で手堅い印象です。

さて、1曲目はエルガーの有名なチェロ協奏曲。
冒頭からエルガーのメロディアスな曲が流れ、気持ちよく聴けます。
ただ、チェロのアンドリアノフは気合の入った演奏で上手いのですが、この曲はもっと自然流で演奏してもらいたいものです。秘めた熱情、あるいは抑制された熱情って感じのほうがsaraiの好みです。ステージに近い席で聴いていたので、彼の鼻息まで聴こえてきたので、さらに興冷めしますね。
オーケストラはやはり都響らしく弦の響きが美しい。時々、アンサンブルが乱れますが、響きが美しいので許せます。
トータルには、よいエルガーの演奏で十分楽しめました。

で、休憩を挟んで、2曲目はブルックナーの第4番。
まあ、大曲ですね。後期の7番、8番、9番に比べると深みがもう一つの感はありますが、その分、聴きやすさはあります。
最初のあたりの演奏はやはりドイツ系のオーケストラに比べると、重厚さ、深さがまだまだという感じでしたが、第4楽章あたりになると、響きがよくなっていき、満足できるレベルです。
なかなか破壊力に満ちた演奏です。荒っぽいというのではなく、ダイナミックな迫力でブルックナーらしさが十分出ていました。それでいて、都響の特徴の強力な弦セクションの流麗さに満ちた面もなかなかのものです。
この曲も一部アンサンブルが乱れるところもありましたが、響きのよさで救われました。
クレーの指揮はダイナミズムをあおるような指揮ではなく、音楽の流麗な流れを作るという方向のようで好感が持てます。要するに上品な指揮です。
ただ、彼もそれなりのご高齢で3楽章、4楽章あたりでは、息があがって、苦しそうでした。もう、ヴァントのようにあまり棒を動かさない指揮を目指したほうがいいかも知れません。ブルックナーは大曲過ぎますからね。

今夜のコンサートは大感動とまではいきませんでしたが、エルガーはエルガーなりに、ブルックナーはブルックナーなりにそれなりによい演奏で楽しい時間が持て、満足でした。

明日はまたサントリーホールでアーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスでバッハのロ短調ミサ曲を聴きます。西洋音楽の最高峰の一つとも言われる超名曲を現在最もふさわしい最高のメンバーでの演奏で聴けるという幸せ。期待するなといっても期待しちゃいますね。
ウィーン・フィルのコンサートに先駆けて、ウィーンの音楽の精菓のひとつを味わい尽くしたいと思います。



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バッハ《ロ短調ミサ曲》byアーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス@サントリーホール 2010.10.26

感動というのではなく、共感したと言えばいいのか、表現は難しいのですが、音楽を聴いた幸せが体中に満ちた大変充実したコンサートでした。

昨日はこのサントリーホールにブルックナーの管弦楽の炸裂が轟きわたっていましたが、今日は打って変わって、古楽器のアンサンブルでバッハです。モダン楽器のリッチな響きはなく、最初はホールが響かない感じで若干拍子抜け。古楽器の響きに慣れないsaraiの感覚とホールトーンをまだつかみきれていなかった演奏者側の手さぐりの両面があったと思います。しかし、しばらくすると、耳慣れしたことと明らかにホールの特性を感知した演奏でホールに典雅というか、素朴というか、誠実で無理のない響きが満ちてきました。
saraiの脳裏にかすめたのは何故か、アッシジの聖フランチェスコ。先程、パンフレットでのアーノンクールのインタビュー記事で彼が聖フランチェスコを敬愛しているらしいことが書いてあったからかもしれませんが、この古楽器の素朴な響きが聖フランチェスコの清貧と結びついて連想してしまいました。古楽器の響きはモダン楽器に比べて、ある意味、プアーな響きかもしれませんが、逆に音楽への誠実さを感じさせ、音楽の原点を思い起こさせる響きにも感じます。
バッハやハイドン、モーツァルトあたりはこれで十分ではないのか、モダン楽器の贅沢な響きは必要なのかと心に問いかけてしまいそうです。

さて、まずは今日はコンサートの概要について、まとめておきましょう。
このコンサートはこの秋の高額コンサート、いや違った、著名な海外演奏家のコンサートの皮切りです。チケット代で破産状態ですが、やめられないですね。

ともあれ、演奏は以下のメンバーです。
 
 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
 指揮:ニコラウス・アーノンクール
 ソプラノ:ドロテア・レッシュマン
 メゾ・ソプラノ:エリーザベト・フォン・マグヌス
 メゾ・ソプラノ:ベルナルダ・フィンク
 テノール:ミヒャエル・シャーデ
 バリトン:フローリアン・ベッシュ
 合唱:アーノルト・シェーンベルク合唱団

特に80歳を過ぎたアーノンクールは今回が最後の来日と言っており、今後はウィーンでのみ活動するとのことです。最後の海外公演が日本だということで、我々にとってはとてもありがたいことです。もちろん、海外とはいうほどではないオーストリア近隣ではまだ演奏活動はあるのかもしれませんが、いずれにせよ、日本人にとって、聴き逃せない機会です。
特にバッハは今夜がサントリーホールでの唯一のコンサート。
今年、日本での最も貴重なコンサートのひとつでしょう。
あと、サントリーホールでは、ハイドンのオラトリオ《天地創造》が今週末に2回予定されており、これも絶対に聴き逃せないコンサートです。
アーノンクールが手兵ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスと盟友アーノルト・シェーンベルク合唱団を引き連れ、さらに彼のお気に入りの旬な歌手たちを同道し、ある意味、アーノンクールの集大成を聴ける最後の機会かもしれません。

で、今夜のプログラムはマタイ受難曲とともにバッハの音楽の最高峰とも言われる大曲です。

 バッハ:ロ短調ミサ曲

全4部が1部と2部の間に休憩をはさみ、演奏されます。
 
予習は有名なリヒター盤でしたが、近年、バッハも古楽器ブームでずいぶん演奏スタイルがかわりました。その火付け役が今夜のアーノンクールです。でも、バッハの音楽の本質が変わったわけじゃありません。

で、演奏については冒頭で古楽器については触れましたが、この大曲全体を詳細にレポートする力はsaraiのような素人にはとても無理そうです。断片的な印象を述べるに留めさせてください。

ともかく、特筆すべきは合唱の素晴らしさ、パーフェクトではないでしょうか。力強い響きから、美しく透明な響き、対位法的な部分のバランスも素晴らしい歌唱です。この曲自体、半分以上は合唱曲ですから、その響きに身を委ねるだけで陶然とした思いになります。とりわけ、第2部の「エト・インカルナートゥス・エスト」からの部分は、アーノンクールがはっきりと声を抑えさせたこともあり、消え入るような声で神秘に満ちた曲を美しく、そして、深く、演奏し、心に強い共鳴をもたらされました。

歌手では、テノールのシャーデが好調。オペラよりもずっと良いですね。明るいハイトーンが伸び伸びとしており、フルートと掛け合いの「ベネディクトゥス」の難曲を軽々と歌っていました。
ソプラノのレッシュマンは相変わらずの美声ですが、オペラよりは自制した表現です。テノールのシャーデとの2重唱「ドミネ・デウス」は2人とも伸びやかな歌唱で素晴らしい出来です。

で、この曲では、一番、目立つのはメゾ・ソプラノ(アルト)です。アリアの2曲はフィンクが歌いましたが、非常に感銘を受けました。表現力に優れた人ですね。特に終盤の「アニュス・デイ」はオブリガート・ヴァイオリンの響きとともに心に染み渡ります。いつまでも歌っていてほしいと思うくらいです。

アーノンクールについては、この演奏を全部、マネージメントしているわけで、何もいうことはありません。ここまで準備してきたことがすべてでしょう。彼の80年の人生がここに込められています。あとは、ポイントだけを押さえればいいわけです。

最後はぐっと盛り上がったところで、すーっと引いて、静かな終わりです。
これがバッハですね。

しばらくすると、おずおずと聴衆の拍手が始まり、あとは熱狂の渦でした。
ただ、オペラのようにドラマチックな感動があったのではなく、また、大多数の人は宗教的な感動があったのでもなく、バッハの音楽への人間的な共感がアーノンクールの演奏を通じて沸き上がったのだと思います。少なくともsaraiはそうでした。カーテンコールの最後では、ほぼ全員がスタンディングオベーション。
その価値のあるコンサートでした。もう2度と聴けないバッハかもしれません。

サントリーホールの外に出ると、もう秋風が冷たく、興奮でほてった頬が気持ちよく感じられました。音楽は本当に人生を豊かにしてくれます。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/10/27 08:03
こんにちは。

アーノンクールのバッハへ行かれたのですね。
一時代を築いた人ですが、どちらかというと好きではないので見合わせました。でも「ロ短調」ならやはり聴いてみたかったという気持ちは有ります。詳しいレポートありがとうございました。

2, saraiさん 2010/10/27 14:00
ハルくんさん、saraiです。
コメントありがとうございます。

実は私もあまりアーノンクールのよい聴き手ではありません。
でも、バッハは奥が深く、これだけのメンバーで演奏されると、悪いわけがありません。年齢とともにバッハに傾倒していくsaraiです。

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サプライズ!ウィーン・フィル指揮者交代劇

遅ればせながら、11月のウィーン・フィルの来日公演の指揮者が交代したことをまわりから教えられました。

saraiがチケットを確保していたのは、穴場とも言える宮崎公演。
予定では、サロネン指揮でマーラーの9番でした。

もともと、ウィーンの楽友協会でのマーラーの9番の公演をサロネンがキャンセルしたことは知っていましたから、当然、交代も考えられましたが、何故か、今回はあまり気にしていませんでした。実はサロネンには悪いのですが、指揮者よりも、マーラーを聴くことのほうが楽しみだったので、例え、指揮者が交代しても、それほどのことはなかったというのが本音です。

で、今日知ったのは、何と何と、指揮者がジョルジュ・プレートルに交代になったということです。高齢のプレートルですから、日本で少なくとも、ウィーン・フィルを指揮するのはこれが最後かもしれません。
今や、巨匠といっても過言でないプレートル。
彼の指揮するウィーン・フィルが聴けるなんて、嬉しいこと、この上なしですね。

ロイヤル・オペラでは実に後味の悪いヴィオレッタの交代劇でしたが、今回の交代劇は天にも上る気持ちと言えば、言い過ぎかな・・・

今日はずっと上機嫌のsaraiでした。

そうそう、当然、プログラムも変更になりました。プレートルでマーラーってことはないですね。
シューベルトの交響曲第2番(なかなかマニアックな曲目ですね)とベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(これはまた名曲ですね)の2曲です。
マーラーの9番が聴けなくなったのは残念ですが、プレートルが聴けるんなら、構いませんよ。
それにマーラーの9番はゲルギエフ指揮のロンドン交響楽団で聴くので、それでいいでしょう。
なお、プレートルは昨年10月にウィーン・フィルで「英雄」を振ったばかりだそうです。シューベルトの2番は2001年ですから、ずいぶん前のことですが、きっと大丈夫でしょう。
宮崎公演はプレートルの3公演のうち、2回目ですから、きっと、それなりの演奏になることを大いに期待しています。
それにアンコールは今年と一昨年にニューイヤーコンサートを指揮しているので、ばっちり、ウィンナーワルツが聴けそうですね。

それにしても、プレートルが来れるんだったら、最初から、そうしておけばよかったのにね。
もちろん、宮崎以外もマーラーの9番を演奏する予定だったサントリーホールも西宮もプレートルが指揮するようです。ただ、川崎はネルソンスのようで、しかもプログラムが「新世界」。同じ9番でもドヴォルザークとマーラーでは大きな違い。川崎のチケットを買ったかたは残念でしょう。

ところで、サロネンが指揮する予定だったブルックナーのプログラムについては、ウィーンでも代役で指揮したウェルザー・メストが指揮するとのことです。
つまり、予定通りのネルソンズとあわせて、3人も指揮者を連れてくるようです。
流石に天下のウィーン・フィルですね。

そのなかでも、プレートルの指揮は光りますね。(手前贔屓かも)
ウルウル・・・・




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ロータス・カルテット@上大岡・ひまわりの郷 2010.10.11

今日、上大岡・ひまわりの郷の秋のコンサートシリーズ第2弾のロータス・カルテットのコンサートに行きました。

ロータス・カルテットはこのコンサートで初めて知りましたが、日本人女性4人で当初結成されたシュトゥットガルト在住の弦楽四重奏団です。メロス弦楽四重奏団に師事していたそうです。現在、第2ヴァイオリンだけはドイツ人?男性に交代しています。結成が1992年ですから、18年のキャリアですね。

メロス弦楽四重奏団と聞くと、saraiはシューベルトを連想してしまいます。直接、実演に接したことはありませんが、シューベルトの全集のCDは素晴らしい演奏です。
今日のコンサートでもシューベルトがプログラムにはいっているので、それが楽しみでした。
で、実際、それはそれは素晴らしいシューベルトの演奏でした。そのロマンの香りにうっとりとしたコンサートで、大満足。

今回の来日公演は今日も含めて、たった3回。もったいないですね。残りの2回は札幌と名古屋でシューマンの弦楽四重奏曲全曲演奏会。シューマンもいいですが、シューベルトが聴きたかったので、今日のコンサートで幸運でした。

さて、今日のプログラムは以下。

 モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番
 ドビュッシー:弦楽四重奏曲
 シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」

なかなかよいプログラムですが、ドビュッシーというのが異色ですね。
で、予習したCDは以下。

 モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番
  アルバン・ベルク弦楽四重奏団
   最近のCDではお馴染みのCDです。安心して聴けるモーツァルトです。
 ドビュッシー:弦楽四重奏曲
  アルバン・ベルク弦楽四重奏団
   これも定評あるCDではありますが、ドビュッシーの本質はなかなか分かりづらいですね。
 シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」
  メロス弦楽四重奏団
   もちろん、これはこのメロス弦楽四重奏団で聴かないといけないでしょう。ロマンの香り高い清新な演奏で名盤です。

まず、コンサートはモーツァルトからです。この曲はハイドン・セットの1曲目でモーツァルトの弦楽四重奏曲はこの曲以降が有名です。実際、saraiもこの曲以降の弦楽四重奏曲しか聴いたことがありません。
どんな演奏かを期待していると、最初の第1音から、モーツァルトの響きです。
流麗で爽やかというよりも、ドイツ的な分厚い響きですが、紛れもなくモーツァルトの響きです。最後まで気持ちよく聴けました。
出だしとしては上々です。

次はドビュッシーです。これは正直、面食らいました。まさにドイツ的な重厚な分厚い響きのドビュッシーです。これは本当にあのドビュッシーの曲かと疑うばかり。誤解のないように言うと、決して悪い演奏というわけではありません。もし、ドビュッシーがドイツ人かオーストリア人だとすれば、素晴らしい演奏でしょう。ただ、saraiの先入観でこの曲はもっとフランス的なエスプリのある曲だと思っていたので違和感があっただけかも知れません。
しかしながら、第3楽章にはいると、様相ががらっと変わります。ここからは非常に繊細な演奏になり、非常にデリケートで美しい演奏に変わります。それまでの男性的で力強いスタイルから変わったわけではありませんが、この楽章の性格から音の響きが違って聴こえてきます。こんな素晴らしいドビュッシーは聴いたことがありません。
結局、第4楽章では元に戻って、また違和感を感じましたが、この第3楽章を聴けるのであれば、こういうスタイルの演奏も悪くありませんね。

最後はいよいよお目当てのシューベルトです。
第1楽章で第2ヴァイオリンのうねるような分散和音に続き、第1ヴァイオリンが第1主題のメロディーを奏で始めます。なんとロマンの香りの高い響きでしょう。
シューベルトって、最初はなにか不器用な感じで取っつき難い印象がありますが、いったん、その世界にはいるとそのロマンチックな感傷にはまってしまいます。この第1主題のメロディーも一瞬聴いただけで感傷的になってしまいます。
シューベルトのよい演奏はみなそう感じますが、今日の演奏もその典型で、素晴らしい演奏です。第1楽章は繰り返し繰り返し、この第1主題でうるうるになります。
第2楽章は有名なロザムンデの主題の楽章で、これは楽しい名曲って感じで、なかなかいいです。
第4楽章まで大満足の演奏で、大いに拍手を送りました。
できれば、このロータス・カルテットの演奏で「死と乙女」も聴きたいものです。

久々の弦楽四重奏団のコンサートでしたが、やはり、室内楽もいいですね。
また、室内楽も聴きましょう。



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       ロータス・カルテット,  

ロシア音楽尽くし・・・東京都響@サントリーホール 2010.9.24

今日から、東京都交響楽団の秋の定期演奏会がスタート。

その第1弾はロシアのベテラン指揮者アレクサンドル・ドミトリエフによるオール・ロシア・プログラム。ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲を作曲家と同名の若手ヴァイオリニストのセルゲイ・ハチャトゥリアンが演奏するのも面白いですね。なお、名前が同じだけで血縁関係はないとのことです。

本日のプログラムは以下。

 シチェドリン:管弦楽のための協奏曲第1番「お茶目なチャストゥーシュカ」
 ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
  《アンコール》
    コミタス:アプリコット・ツリー(ヴァイオリンソロ)

  《休憩》

 ショスタコーヴィチ:交響曲第1番

で、予習したのは以下のCD。

 シチェドリン:管弦楽のための協奏曲第1番「お茶目なチャストゥーシュカ」
  残念ながら、CD所有せず。予習不可。

 ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
  ランパル(フルート)、コンセール・ラムルー管弦楽団
   昔からこの曲はランパル演奏のフルート協奏曲として聴いており、
   CDもオリジナルのヴァイオリン協奏曲は所有せず、
   今回もフルート協奏曲で予習。
   ランパルのフルートの技巧が光るが、
   やはり、この曲は本来のヴァイオリンがよさそう。

 ショスタコーヴィチ:交響曲第1番
  バーンスタイン指揮 シカゴ交響楽団
   役者は揃っているが、今聴くと、いま一つの感あり。
   新古典としての演奏はよいが、ロシア的抒情が感じられない。

さて、1曲目のシチェドリンは初聴き。
新古典の雰囲気で軽やかな管楽器の演奏でスタートし、耳に心地よく感じられます。9分ほどの短い曲ですが、時として、大音響でうるさく感じることもありますが、スリムでモダンな曲です。言わば、ロシア版のバーンスタインといって感じです。
ドミトリエフの指揮は初めて聴きますが、上述したとおり、時として、大音響で鳴らし過ぎるのがうるさく感じられますが、それ以外は手堅く、ロシアものをまとめているというところです。ゲルギエフの緻密で知的な演奏は重苦しくも感じますが、逆にドミトリエフは無骨に元気過ぎの感じです。

2曲目はハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲。えらく若いヴァイオリニストが登場し、びっくりですが、彼は1985年生まれというから25歳くらいですね。
演奏はまさにハチャトゥリアンといった感じで、威勢がよかったり、民俗的抒情があったりで、曲の表情をうまくつかんだ演奏です。さすがに作曲家と同名だけのことはあります。
ただ、この曲自体が芸術的高みにあるというよりも、演奏効果を狙ったような曲なので、いま一つ、彼の芸術性は評価できません。楽器は日本音楽財団から貸与されたストラディヴァリウスだそうですが、響きも今ひとつの感じです。
今後の成長を楽しみにしましょう。

3曲目が今夜のメイン。ショスタコーヴィチの交響曲第1番です。
以前、ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団でも聴きました。
新古典の雰囲気で始まりますが、それで終わらないのがショスタコーヴィチの天才たるゆえんです。
一番好きなのは第3楽章のうねるような動きを繰り返し、盛り上がっていくところです。
今日、その第3楽章の冒頭を聴いて、ワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》の愛の動機を連想しました。どちらも無限旋律を生かした曲です。
ショスタコーヴィチはワーグナーと違って、個人的な「愛と死」をさらに発展させて、もっと人類共通の普遍の地平を目指しているように感じます。
この路線でもっと大きな曲に仕立て上げても面白かったでしょう。

この曲全体の演奏は都響の音の響きはなかなかよかったのですが、指揮者の特性でしょうが、時として、大袈裟な表現になってしまったところが残念でした。
ゲルギエフが指揮していたら、もっと精密で内容の濃い演奏になったでしょう。オーケストラの潜在能力の高さは感じました。
音楽は難しいですね。

今夜のコンサートは昨日のように感動とまではいきませんでしたが、それなりに楽しい時間が持て、そこそこ満足でした。




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ピアソラ再発見!荘村清志+小林美恵@ひまわりの郷(上大岡) 2010.9.23

横浜上大岡のコンサートホール《ひまわりの郷》のコンサートシリーズに行ってみることにしました。定員380人の手頃な大きさのホールで結構魅力的な室内楽のコンサートが行われます。

本日のコンサートは昔から高名なギタリスト荘村清志とヴァイオリニスト小林美恵のデュオ・リサイタル。珍しい組み合わせのリサイタルです。

プログラムは以下でした。

 コレルリ:ヴァイオリン・ソナタ第12番ニ短調《ラ・フォリオ》
 ソル:《魔笛》の主題による変奏曲
 チャイコフスキー:感傷的なワルツ
 武満徹:ワルツ(映画「他人の顔」から)
 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
  《休憩》
 イベール:間奏曲
 ファリャ:スペイン民謡組曲(6曲)
 ピアソラ:タンゴの歴史
  《アンコール》
 ピアソラ:言葉のないミロンガ
 ピアソラ:リベルタンゴ

ご覧の通り、どなたかの表現を借りると、まさに名曲アワー。特に前半は耳なじみのある名曲が続きます。
荘村清志の端正で安定した演奏が光ります。小林美恵は美しい音色ではありますが、大胆でダイナミックな演奏。ヴァイオリンの音が響き過ぎ、少し、バランスを欠く感じはあります。
まあ、全体としては、名曲を美しい響きでゆったりと楽しむという感じで少し、ぼーっとしながら聴いていました。

しかし、それが一変したのは最後のピアソラの《タンゴの歴史》。あまり、ピアソラに目を向けてこなかったsaraiにとっては初めて聴く曲です。
突如、2人の演奏が変わります。とても名曲アワーなんてものじゃありません。
まさに本物の音楽が始まりました。
素晴らしいヴァイオリンとギターの表現、バランスもばっちり。
眠気も吹っ飛び、頭がしゃんとします。
次第に胸の内に感動を覚えます。
4曲からなる組曲ですが、ピアソラらしいところも、あまりピアソラを感じさせないところも、どこをとっても素晴らしい。
特に第2曲《カフェ》は全体に静かな曲ですが、中身のぎっしり詰まった演奏に驚愕さえ覚えます。
第3曲、第4曲と盛り上がりを見せて、緊張感とゆとりがほどよくミックスされた演奏が終わりました。
会場も大いに沸き立ちました。
saraiも初めて、ピアソラが何故世界的なブームになっているのかを理解できましたし、それだけでなく、音楽の原点に立ち返った音楽を聴く喜びを覚えました。
昨日から音楽について悲しい思いをしてきたので、なおさらです。
今日演奏したお二人には感謝の思いと、これだけの演奏をしたことへの尊敬の念を感じざるを得ません。

アンコールの《言葉のないミロンガ》もさらに美しい演奏で感動が高まりました。

やはり、音楽は楽しく、感動的ですね。



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ロイヤルオペラとNBSに激怒!!

今頃はちょうどロイヤルオペラ《椿姫》@NHKホールもネトレプコが素晴らしい歌を披露しているところでしょう。

でも、これって、saraiも含めた観客への裏切りにほかなりません。
今回のロイヤルオペラ《椿姫》は計4回の公演が予定されていましたが、ヴィオレッタを演じる予定だったゲオルギウが降板したことで、代役になりました。当初、代役は無名のヤオになることが発表されていました。これ自体はオペラではよくあることで仕方のないことです。saraiも何度も経験済です。
パヴァロッティが公演キャンセルして代役になったこともあります。
でも、その場合、一応、オペラハウスがそれなりの代役を立てることになっており、そのオペラハウスの識見を信じるしかありませんね。
で、今回も無名であれ、ヤオはそれなりの歌手だと思うしかありません。

実際に聴いた結果は既に記事にしたとおり、到底、許容できるレベルではないと感じました。

saraiが聴いたのは2回目でしたが、1回目と3回目はヤオが途中降板し、さらに別の代役になったそうです。2回目はヤオが最後まで歌いました。

そして、問題の今夜の4回目(最終)は噂はありましたが、突如、ネトレプコがヴィオレッタを歌うことになったそうです。彼女のヴィオレッタはそれは素晴らしいものです。saraiは昨年、ウィーンで聴いて、感動しました。

代役の立て方がこんなに不公平になったのは、ロイヤルオペラとNBSが観客を無視しているからだと思います。
本当に怒っています。

聞くところ、今日の公演はNHKのカメラがはいっているとのことですが、最終日にネトレプコを出演させることで、一体、彼らは何を狙ったんでしょう?
最後よければ、すべてよしでしょうか?
3回目までの観客への配慮はまったく感じられません。

このブログでいくら言ってみても犬の遠吠えですが、個人的に次のことを宣言します。

1.今後、NBSの公演には絶対行かない。
  来年のバイエルン国立歌劇場のグルヴェローヴァは是非聴きたいと思っていましたが、断念します。もちろん、フィレンツェ歌劇場も行かない。
  昔はオペラフェスティバルの会員だったこともありますが、このような音楽ファンの気持ちを分からないところとは付き合えない。

2.ロイヤルオペラには絶対行かない。
  いつか、本場のロイヤルオペラを聴きに行きたいと思っていましたが、こんな観客無視のオペラハウスには今後とも行きません。

あくまでも個人的なボイコット宣言です。組織的なものではないし、みなさんを扇動しているわけではありませんので、念の為。

望みたいのは他の音楽関係者がこのような日本音楽史上前代未聞の恥ずべきことを決して繰り返さないことです。

心安らかに音楽を楽しみたいものです。



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この記事へのコメント

1, tamaさん 2010/09/23 01:10
はじめまして。
私は19日に観劇しました。とても残念な観劇でした。
ゲオルギューだから家族でチケットをとったのです。4人なのでそれなりの額です。
本当は主役変更の時点で払い戻して欲しかったです。
それが無理でも、もうちょっと何とかならなかったのかと、かなり不満の残る観劇になりました。

最終日はカメラが入ったのですか?だからこういう配役に?
信じられません。

私も、もうNBSと英国ロイヤルは行きません。

2, saraiさん 2010/09/23 21:55
tamaさん、はじめまして、saraiです。

本来楽しむべき音楽でこのようなことがあるのは悲しいですね。
お互い、気持ちを新たにして、また、楽しい音楽にしましょう。

3, Feriさん 2010/09/26 23:04
Saraiさま、Feriです。

前の公演をご覧になった方のお怒りは大変よくわかります。エルモネラ・ヤオさんの不調は予想外だったのだと思います。

では、代役の代役、アイリーン・ペレスさんで押し通すべきだったのかどうか、これは難しいところでしょうね。

なお、NBSさんは、比較的良心的な団体ですから、直接、お手紙を出してファンの気持ちを伝えるというのもよろしいかと思います。

もっともsaraiさまでしたら、現地でお聴きになった方が満足度も高いと思います。

4, saraiさん 2010/09/27 11:00
Feriさん、コメントありがとうございます。

ファンとしての公平感としては、代役ヤオで難しければ、代役の代役ペレスで最終日を乗り切るべきだったと思います。それが事前の発表とも合致します。もし、当初から最終日にネトレプコを検討しているのであれば、事前の発表時に公表すべきだったと思います。

ただ、Feriさんを始め、最終日のお客さんはたまたまラッキーだったわけで、お客さんには何ら、恨みがましい気持ちはなく、ひたすら、NBSとロイヤルオペラの対応がアンフェアだったと思っています。

Feriさんのご忠告のように、Feriさんとご同様に、今後は現地で見るものかなあとも思っています。配偶者にも今回のことでそのように言われてしまいました。まあ、それを言ってしまったらお終いなので、記事には書きませんでしたが(苦笑)・・・
来年のMETは既にチケット手配中なので、それで打ち止めかな・・・

5, Kayesさん 2011/01/17 23:30
このブログを友人が教えてくれました。そもそも、こんなことがあっても、メディアが騒ぎもしない国ってなんなのかと思いました。私もたいまいはたいて見に行って、ネトレプコが歌えばいいのにと冗談で言っていたら、本当に歌った。このギャップに、人生ってこんなもの。オペラとはそんなもの・・・・・・としらーとしている国民性に腹がたちますね。

6, saraiさん 2011/01/18 01:16
Kayesさん、初めまして。

こんな形でコメントをいただくのはお互い不本意ですね。
一時の怒りは鎮静化しましたが、NBSとロイヤルオペラのアンフェアーな行為は断じて許すつもりはありません。この国のオペラに対する感性を疑うばかりです。よって、個人的なボイコットは今後とも実施します。
国内でオペラを聴くことも消極的にならざるを得ません。
今後はオペラはヨーロッパに軸足を置いて聴きたいと思っています(お金が余っているわけではありません。信念の問題です。)。
オペラを作り上げるのは聴衆の参加も重要な要素だと考えています。

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ネトレプコ最高!ロイヤル・オペラ「マノン」@東京文化会館 2010.9.17

昨日に引き続き、今日もロイヤル・オペラ。
いよいよ待ちに待ったネトレプコの《マノン》です。

期待通り、いや、それ以上の感動のオペラ公演でした。これだから、オペラはやめられない。
まずはネトレプコが素晴らしい出来でした。《マノン》はまさに彼女のためにあるようなオペラです。
ロイヤル・オペラのプロダクションも素晴らしい。お洒落なセット、美しい衣装、どこをとっても不足なし。
パッパーノの指揮も切れがよく、それに応えたロイヤル・オペラハウス管弦楽団の演奏も美しく立派。
パッパーノは今後世界のオペラ界の頂点に上りつめる予感もします。

今回の公演に備えて予習したのは以下。

 マスネ:歌劇「マノン」
  マノン・レスコー:ネトレプコ
  デ・グリュー:ビリャソン
  伯爵デ・グリュー:フィッシェッサー
  レスコー:ダザ
  ギヨー・ド・モルフォンテーヌ:コラッツァ
  ブレティニー:カターヤ
  プセット:アラッター
  ジャヴォット:ジェームズ
  ロゼット:デ・ラ・ムエラ
  宿屋の主人:ヴィーヴェグ
  指揮:バレンボイム
  演出:パターソン
  ベルリン国立歌劇場管弦楽団
   ネトレプコとビリャソンのゴールデンコンビがすべてです。
   特にサン・シュルピス教会以降の盛り上がりが素晴らしい。

今回のキャスト・スタッフは以下。

  マノン・レスコー:ネトレプコ
  デ・グリュー:ポレンザーニ
  伯爵デ・グリュー:クルシャル
  レスコー:ブラウン
  ギヨー・ド・モルフォンテーヌ:モルターニュ
  ブレティニー:シメル
  プセット:ミハイ
  ジャヴォット:イネス
  ロゼット:リューテル
  宿屋の主人:ブラック
  指揮:パッパーノ
  演出:ペリー
  ロイヤル・オペラ合唱団
  ロイヤル・オペラハウス管弦楽団

まず、第1幕。
パッパーノはオーケストラを自在にドライブし、めりはりの効いた歯切れのいい演奏で盛り立てます。
ネトレプコは最初から存在感充分。
確かに太っていますが、そんなことは音楽では問題ではありません。
いつもに比べて、最初から、よく声も出ており、舞台も彼女の登場で華やぎます。
いくつかのアリアも彼女なら当然の高いレベル。

第2幕。
むき出しの階段の上にむき出しのマノンとデ・グリューの寝室。
お洒落ですねー・・・
有名な「さようなら、小さなテーブル」のアリアはネトレプコなら、もっと美しく歌ってほしかったところ。

第3幕。
第1場から、いよいよネトレプコの美しい声の純度が上がってきて、聴いているこちらも気持ちが高揚していきます。
ネトレプコ、絶好調です。
第2場のサン・シュルピス教会での2人の愛の2重唱の素晴らしいこと。フィナーレではsaraiは感動また感動!!!
ネトレプコの美声に酔いしれます。

第4幕。
ネトレプコの好調さは続きます。

第5幕。
これは泣けます。
静かに息をひそめて、ただただ、ネトレプコの絶唱を聴きいるばかり。
フィナーレで深く感動しました。

やはり、ネトレプコは世界最高のソプラノ。
その実力を堪能した1夜になりました。

相手役のポレンザーニは7月のトリノ歌劇場でのアルフレードでは重量感に欠けましたが、この日はデ・グリューの軽さ・真摯さというところがぴったりでした。
ネトレプコという太陽のような存在に触発された部分を大きいと思います。

全体の音楽を作り上げたパッパーノの存在の大きさも特筆するべきでしょう。

saraiの今年聴いた一番のオペラになるでしょう。
大満足のオペラでした。

それにしても、昨日とは打って変わった出来。一人の歌手の存在の大きさですね。



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この記事へのコメント

1, zuikouさん 2010/09/18 10:57
こんにちは

確かに、素晴らしいものでしたね。
個人的にはパッパーノは「マノン」の方が努力しているのがわかったせいか、良かったと思いました。

トリノのノセダも私はこれから伸びていく指揮者だと思います。

トリノの感想も読ませていただきましたが、
個人的にはトリノのオペラは大好きでした。「ラ・ボエーム」での
あの森さんの楽しそうな顔、忘れられません。あんなの、ほかでは見られません。笑い

しかし「マノン」私も書きましたが、あの演奏、あの出来でお客様のテンション低くはなかったではないですか?

2, saraiさん 2010/09/18 22:33
zuikouさん、またまたコメントありがとうございます。

《マノン》のブログ読ませていただきました。
的確な表現、素晴らしいですね。
私と同じように《マノン》に感動されて、嬉しく思いました。

さて、観客の反応ですが、色々と思いもありますが、人それぞれ、感じ方も違うので、基本的に仕方のないことですね。
ただ、ウィーンやベルリンだと、まったく違う反応でしょうね。

これからも同好の士として、よろしくお付き合い願います。

3, zuikouさん 2010/09/19 10:08
こんにちは

 また、たまにお邪魔しますので、
海外の話とかお聞かせください。

今回あまりにも、ロイヤルオペラを馬鹿にしたコメントを目にしたので、まともな評価をした投稿をさがしてここにたどり着きました。

今後ともよろしくお願いいたします。

4, saraiさん 2010/09/21 00:27
zuikouさん、たびたびのコメントありがとうございます。

海外ネタは音楽関係は出し尽くし、現在、7月のヨーロッパ旅行の詳細編がしばらく続きます。

ロイヤルオペラはさすがでしたね。「椿姫」はヴィオレッタが問題でしたが、最初から分かっていたこと。仕方ないです。

こちらこそ、よろしくお願いします。

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ロイヤル・オペラ「椿姫」@NHKホール 2010.9.16

あまり期待していなかった公演だったが、結果もほぼその通り。残念なことです。

もともと今日見る予定のネトレプコの《マノン》を確実によい席で見たいために、ゲオルギューの《椿姫》と抱き合わせのセット券を購入しました。
ですから、あまり突然でもないゲオルギューのキャンセルを聞いても全然、ショックはなし。代役になったから駄目ということはありませんでした。
そもそも、ずいぶん前に録画で見たゲオルギューの《椿姫》は彼女の姿形は問題なく素晴らしかったのですが、歌唱が全然気に入らない。どちらかと言えば、音楽としてのオペラが好きなsarai好みではありません。
以前、生で聴いたゲオルギューも声量に乏しく、がっかりした覚えがあります。
だから、むしろ、代役でも構わなかったのですが、でも、期待できるものでもありませんね。

また、《椿姫》といえば、昨年、ウィーンで聴いたネトレプコの完璧なヴィオレッタ、今年のトリノ歌劇場の溌剌としたナタリー・デッセイのヴィオレッタと素晴らしい公演を聴いているので、それ以上は無理でしょう。

ともあれ、まずは予習ですが、これは当然パス。不要です。

今回のキャストは以下。

指揮:アントニオ・パッパーノ[英国ロイヤル・オペラ音楽監督]
演出:リチャード・エア
ヴィオレッタ:エルモネラ・ヤオ
アルフレード・ジェルモン:ジェームズ・ヴァレンティ
ジョルジョ・ジェルモン:サイモン・キーンリサイド
ドゥフォール男爵:エイドリアン・クラーク
医師グランヴィル:リチャード・ウィーゴールド
フローラ・ベルヴォワ:カイ・リューテル
ドビニー侯爵:リン・チャンガン
ガストン子爵:パク・ジミン
アンニーナ:サラ・プリング
ロイヤル・オペラ合唱団
ロイヤル・オペラハウス管弦楽団

第1幕、これは駄目でした。特に後半のヴィオレッタの聴かせどころで、代役のヤオの歌唱に多少なりとも期待はしたのですが、妙なヴィブラートの声でまったくsaraiの趣味にあいません。こんなひどいのを聴くのも久しぶりです。(酷評してごめんなさい。あくまでもsaraiの感想です。)
以前、この人がネトレプコの代役でヴィオレッタを歌い、コヴェントガーデンで絶賛されたというのが信じられない。ネトレプコと比較できるものではありません。もしかしたら、今回は不調なのかしらね。

第2幕、第3幕はそれでも普通か、それ以上の出来だったので、この第1幕が残念です。

よかったのは、やはり、ジェルモン役のキーンリサイド。さすがの歌唱で、第2幕目を引き締めていました。

そして、この日の一番の救いはパッパーノ指揮のロイヤル・オペラハウス管弦楽団。
第1幕の前奏曲はうっとりと聴きいりました。
そして、圧巻は第3幕。前奏曲は悲哀に満ち、それでいて、歯切れのいいヴェルディのメロディーを素晴らしい完璧な合奏。
パッパーノの指揮も見事です。

第3幕でやや満足した公演でしたが、このオペラはやはりヴィオレッタが素晴らしくないと満足できませんね。

《マノン》でネトレプコも来日中だから、無理は承知で是非、彼女に歌ってほしかったというのが、saraiの正直な感想でした。



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この記事へのコメント

1, zuikouさん 2010/09/17 13:44
はじめまして
昨日のロイヤルオペラの「椿姫」の感想を拝見いたしました。

私は
下記のような評価をいたしましたが
甘いのでしょうか?

http://ameblo.jp/ariel-fortune-office/

ヤオ、が悪すぎる、と言うままでは仕方ないし
おっしゃるように
ゲオルギューに期待していなかったので
今のロイヤルオペラが出せる精一杯の「椿姫」ではないでしょうか?
ただし、最終日に特別サプライズがあるかもという
都市伝説は流れておりますね。
しかし第二幕2場はロイヤルの演出はいまだに
迫力を感じます。私は感想を書いたように
パッパーノに最大の評価をしたいと思います。

2, saraiさん 2010/09/17 14:38
zuikouさん、初めまして。

ブログ読ませていただきました。
おっしゃるとおりです。まったく同意します。

ですが、あの第一幕で白けきった気持ちを最後まで立て直せなかったことも事実です。sarai個人の問題ですが・・・

ウィーンのネトレプコも実は第1幕の頭では不調で、1幕目の後半から調子を上げ、ウィーンのオーケストラの素晴らしさも相まって、2・3幕はパーフェクト。比較するなといっても、まだ昨年5月に聴いたばかりで、どうしてもインパクトが強過ぎます。

パッパーノはもう一度今日聴いて評価したいと思います。

その都市伝説は勘弁してほしいですね。あまりに不公平!!!

3, zuikouさん 2010/09/22 09:27
こんにちは

都市伝説が
現実になってしまいましたね。

私は行けないのですが、対応がすごくおかしいものです。
しかし
本日は最高の「椿姫」になるでしょうね。

4, saraiさん 2010/09/22 22:10
zuikouさん、こんばんは。

激怒し、悲しんでもいます。
NHKに配慮したのでしょうか、それとも彼らの自己満足?

ブログの記事を書きました。残念です!

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上原彩子+日本フィル@サントリーホール 2010.9.10

いやはや、上原彩子のプロコフィエフ、何とも物凄い快演でした!!

今日はサントリーホールで上原彩子をソリストに迎えて、日本フィルの定期演奏会。
いよいよ、秋の音楽シーズンが本格的に開幕。嬉しいですね。

今日のプログラムは以下。

 チャイコフスキー:バレエ組曲《白鳥の湖》より4曲
 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26
  《休憩》
 プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調作品100

予習したCDは以下。
 チャイコフスキー:バレエ組曲《白鳥の湖》
  アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団
   往年の定番ですが、今聴いても立派な演奏です。

 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26
  アルゲリッチ、デュトワ指揮モントリオール交響楽団
   アルゲリッチは得意のプロコフィエフ。アバードとの旧盤のいいですが、
   少し録音が古く、音質がもうひとつ。このデュトワとの共演も
   豪壮といってもいいピアノのタッチと研ぎ澄まされた芸術性に感服です。

 プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調作品100
  小澤指揮ベルリン・フィル
   悪くはないのですが、もうひとつ、プロコフィエフらしさがほしいところ。

まずは《白鳥の湖》です。
指揮は日本フィルの首席指揮者のアレキサンドル・ラザレフ。
この人の指揮は初めて聴きます。
出だしの超有名な白鳥の主題からなかなか聴かせます。
素直にこの名曲をいかにもチャイコフスキーらしく??、演奏します。
こちらも素直に楽しみましょう。
指揮はいかにも大袈裟ですが、きっちりとリハーサルを積んでいるようですね。
大袈裟な指揮とは裏腹に、流麗に音楽が流れます。
決めのところが少し、うるさい感はありますが、全体としては美しい演奏。

次は今夜のお目当ての上原彩子の出番です。
彼女の最も得意とするプロコフィエフですから、これは期待するしかないですね。
おっ、今日もピアノはスタインウェイ。
やっぱり、このプロコフィエフの3番はスタインウェイがいいですね。
いつものように上原彩子はにこにこしながら、登場。
今日のsaraiの座席は4列目の左の方なので、ピアノに向かう姿を後ろから見ることになります。
でも、きっと、ピアノの前に座ったとたんに彼女の表情は一変して、集中モードにスイッチしたと思われます。その気配が背中に感じられます。
オーケストラがいい感じでクラリネットの序奏を始めます。
ぐっと気分が盛り上がります。
いよいよピアノがはいってきます。
まことに小気味のよいタッチで鮮やかにパッセージを弾き、のりにのった演奏です。
一瞬でsaraiも引き込まれ、思わず、力がはいってしまいます。
スタインウェイらしい硬質で張りのあるタッチで、まさに快走していくピアノの素晴らしいこと。
今日の座席からは彼女の指の動きが背後からよく見えます。
なんという美しく無駄のない動きでしょう。見るだけでも楽しい!!
高い緊張感をもって、一気に第1楽章を完璧に弾き終えました。
ここでブラボーコールをしたいくらい。
本当に天才ピアニストです。

第2楽章は緩急が交互に入れ代わりますが、緩徐部でも高い緊張感が感じられます。変幻自在の感のある素晴らしい演奏です。

第3楽章にはいると、流石に途中から少し緊張感が落ちたかなと思う部分もありますが、これだけの演奏ですから、仕方のないところでしょうか。
ただ、終盤にはいると、まあ、あきれるくらい猛烈な演奏で、驀進していくのみの素晴らしい演奏。
saraiはこの終盤の演奏にしびれてしまいました。なんというプロコフィエフでしょう。

実に会心の出来の演奏でした。これまで聴いた上原彩子の演奏の中でもトップクラスの演奏。これ以上、何を望めるでしょう。
最高の技術に裏打ちされた高い音楽性としか、表現のしようがないのが残念です。

でも、聴衆は欲深い。
saraiはこのプロコフィエフのピアノ協奏曲を聴くと、次は当然、ラヴェルのピアノ協奏曲を聴きたくなります。何故でしょうね。同じ感性の曲のような気がします。
実を言えば、来年2月の上原彩子のラヴェルのピアノ協奏曲のチケットは購入済。
また、来年の2月が楽しみになりました。

最後のプロコフィエフの交響曲第5番もつぼをよく押さえたよい演奏でした。
日本フィルもなかなかよいオーケストラですね。

で、最後にアンコール。
綺麗なロマンチックな曲ですが、saraiの聴いたことのない曲。

 プロコフィエフ:歌劇《戦争と平和》よりワルツ

この秋の音楽シーズンも上々のスタート。

で、来週はロイヤル・オペラの来日公演。
ゲオルギューの予想された降板はありましたが、楽しみにしていたのはネトレプコのマノンです。
ネトレプコのキャンセルのないことを祈っているところです。



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       上原彩子,  

秋の音楽シーズン、スタート@みなとみらいホール 2010.9.2

まだまだ、猛暑が続いていますが、9月にはいり、芸術の秋、音楽の秋の季節にはいりました。

とりあえずは、saraiのホームグラウンドである横浜みなとみらいホールで軽めのコンサートを聴くことにしました。
《みなとみらいクラシック・クルーズ》というコンサートです。
お昼の部40分間(ランチタイム・クルーズ)と午後の部40分間(ティータイム・クルーズ)に分かれていて、合わせて、1400円という低価格で聴くことができます。

今回のコンサートは東京フィルの弦楽器セクションのトップ奏者5人による弦楽五重奏の演奏です。
が、室内楽のコンサートというような堅苦しい?ものではありません。
演奏者は次の5人。
 荒井英治(ヴァイオリン)
 戸上眞理(ヴァイオリン)
 須田祥子(ヴィオラ)
 服部誠(チェロ)
 黒木岩寿(コントラバス)

実はこの《みなとみらいクラシック・クルーズ》というコンサートは月1回のペースで開催されており、今回で18回目。
でも、saraiは初めて、このコンサートを聴きます。
何故か。
それは、平日の昼間のコンサートだからです。

saraiは6月にリタイアしたので、こういう平日の昼間のコンサートにも行けるようになったんです!!

さて、今日のプログラムです。
まずは前半のランチタイム・クルーズ。
ウィーンがテーマだそうです。

 モーツァルト:『フィガロの結婚』序曲
 ランナー:ロマンティックな人々
 フランセ:モーツァルト・ニュー・ルック
 モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
 [アンコール曲]ヨーゼフ・シュトラウス: ポルカ "飛んで"

まず、フィガロの序曲は如何せん、弦楽五重奏では何か、物足りない感じが付きまといました。終盤の盛り上がりはなかなかよくて、わくわく感はありましたので、まあ、全体としてはよかったのですが、やはり、楽器が足りないかな。
2つめのランナーのウィンナーワルツは生まれて初めて聴く曲です。何か悲しげなメロディーが続き、ウィンナーワルツらしくないと思っていたら、途中から、それらしい感じに変わり、納得。
3つめは現代作曲家の作品で、これも初めて。コントラバスのソロがモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』のアリアでドン・ジョバンニが女性に愛を語り、その愛を語られる相手がバックの弦楽三重奏(オリジナルは木管十重奏)で演奏されるカルメン(ビゼーの『カルメン』のアリア)で、カルメンも男を誘惑します。お互いにドン・ジョバンニとカルメンが誘惑しあうのをアリア主題をもとに巧みに変容したモダンな曲想(新古典みたいで、決してそうでないところが面白い)で表現しており、なかなか楽しめました。
4つめはモーツァルトの超有名曲ですが、もともと弦楽合奏曲なので、これは自然に聴けます。少し、テンポの早い今風な演奏でした。saraiの好みではもう少しゆったりとしたテンポで演奏して欲しかったところ。
アンコールは再び、ウィンナーワルツ。気持ちよく聴けました。

ここで後半のプログラムまで一時間半の休憩。
ランドマークタワーにランチを食べに行きました。
五階の和食の『吉祥』です。
食べたのは、たまご麺の和風だし汁とじゃこご飯です。


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1300円ですから、まあまあの価格ですね。
それに窓辺のテーブル席からのみなとみらいの展望がよいので、おすすめです。


B_8OyTV_XB62c2.jpg



昼食も終えて、また、コンサート。
次は後半のティータイム・クルーズ。
テーマは郷愁のある音楽だそうです。

 ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第1番
 ドヴォルザーク:弦楽五重奏 第2番 第1楽章
 ドヴォルザーク:テルツェット 第3番
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏 第12番「アメリカ」 第2楽章
 ブリッジ:ロンドンデリーの歌
 スメタナ:歌劇「売られた花嫁」より “道化師の踊り”
 [アンコール曲]エルガー:エニグマ変奏曲 より "ニムロッド"

ドヴォルザークはやはり、「アメリカ」の第2楽章がしっとりと美しくて、大変、結構でした。これは全曲聴きたかったところ。
ブリッジの曲は変奏曲の逆のような曲で、途中にロンドンデリーの歌の楽想が少しずつ現れ、最後にテーマが提示されるというもの。これも初めて聴きました。
スメタナは郷愁というより、ずいぶん元気のよい曲で最後にふさわしいかも。
アンコールのエルガーも有名な曲ですが、これもしっとりと演奏されて、この日1番の演奏ではなかったでしょうか。

低価格で気楽に聴けて、秋のシーズンのスタートとしては満足でした。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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