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謹賀新年~みなとみらいホール:ジルヴェスターコンサート

あけましておめでとうございます。
本年も当ブログで旅の楽しみを中心に、一緒に感動を共有しましょう。

さて、昨夜は恒例のみなとみらいホール:ジルヴェスターコンサートでした。
大晦日のディナーを横浜・日本大通りにあるイタリアンレストラン《シルク》で楽しみ、いざ、ホールへ。
この日はなんとかぶりつきの最前列。娘夫婦とsarai夫婦の4人がずらり。少し、先ほどディナーで飲んだスプマンテが残っていて、頭がぽーっとしていますが、これは寝るわけにはいきませんね。

さて、着飾った色とりどりのドレスに身を包んだこの日のための特別編成のオーケストラが入場し、開会。指揮はお馴染みの飯森範親。
この日はこの年・翌年が記念の年になる作曲家の作品を中心に以下のプログラムが演奏されました。

池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ(当ジルヴェスターコンサートのためのオリジナル作品)
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ≪Vn:三浦文彰≫
R.シュトラウス/オーボエ協奏曲 ニ長調 より 第2楽章、第3楽章≪Ob:池田昭子≫
マーラー/「リュッケルトの詩による5つの歌曲」より“私はこの世に忘れられて”≪Sop:中丸三千繪≫
プッチーニ/“私のお父さん”≪Sop:中丸三千繪≫
ヴェルディ/オペラ「シチリア島の夕べの祈り」より“ありがとう、愛する友よ”≪Sop:中丸三千繪≫
ショパン/ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 より 第3楽章≪Pf:河村尚子
メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 より 第1楽章≪Pf:河村尚子、Vn:藤原浜雄、Vc:堀了介≫
シュポア/2つのヴァイオリンのための二重奏曲 作品67-3≪Vn:漆原啓子、漆原朝子≫
J.S.バッハ(Arr.池辺晋一郎)/幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542 より 幻想曲
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 より 第1楽章≪Vn:徳永二男≫
マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調 より 第4楽章、第5楽章
コープランド/組曲「ロデオ」 より カウボーイの休日
〈アンコール〉ヨハン・シュトラウスI世/ラデツキー行進曲

サンサーンスを演奏した三浦文彰は16歳の新鋭。昨年10月にドイツで行われたハノーファー国際ヴァイオリン・コンクールにて史上最年少での優勝、あわせて音楽評論家賞、聴衆賞も受賞した期待の星だそうです。この日もコンサートマスターとして演奏した東フィルの三浦彰広のお子さんだそうです。
テクニックはもちろん素晴らしく、この曲で断ずるのは難しいですが、音楽センスもよさそうです。順調に育ってほしいものです。

R・シュトラウスのオーボエを吹いた池田昭子はなかなか才能のある人です。この曲は80歳を過ぎたR・シュトラウスの作品で、《ばらの騎士》でウィーンの前衛から古典回帰を果たした彼が新古典を明確に打ち出したもの。心の底流では、モーツァルトの名曲《オーボエ協奏曲》とつながっていたことを想起させられます。このあたりをもっと明確に打ち出した演奏であればと惜しまれます。第2楽章はもっと美しく歌わせ、第3楽章はもっと軽やかに飛翔してほしかった。が、それよりもまず、R・シュトラウスは演奏家の曲に対する愛情が見せてほしいですね。ルネ・フレミングが涙を浮かべながら、R・シュトラウスの歌曲《あすの朝》を歌っていたことを思い出します。それだけの価値のある作品です。

中丸三千繪のマーラーは心を打たれました。今更ながら、彼女を生で聴くのは初めてですが、テクニックも声もいまひとつですが、マーラーに感情移入した魂の歌でした。こんなのはとても好きです。彼女も真に成熟したのでしょう。

さて、マーラーの第5番ですが、第5楽章のフィナーレでちょうど年明けを目指すアクロバット的な演奏。
マーラーの第5番を聴くのも久しぶりなので、当日、事前に自宅で、CDの聴きおさめにこの曲を聴きました。さあ、どのCDを聴こうかな。
まずは、バーンスタイン+VPOですが、1楽章の途中で何か、気分が合わないのでチェンジ。
次は、ベルティーニ+VSO。本命かなと思いましたが、やはり1楽章の途中でベルティーニらしさが十分でないと思い、チェンジ。
次は、クーベリック+バイエルン放送響。そんなに期待せずに聴き始めましたが、なかなかよい。第5番の派手さはほどほどで、繊細な人間味のある暖かい演奏です。アダージェットでは、本当にしみじみしてしまいます。映画「ヴェニスに死す」の美しさの極み的な解釈ではなく、もっと、ほのぼのと救われる感じ。クーベリックって、こんなによい指揮者であったことを認識できました。
さて、本番ですが、演奏はまあ、なかなかでしたが、それよりも、カウントダウンが成功するか、はらはらしながら、聴きました。
で、見事、成功!!
ジャーン、あけましておめでとうございますってことになり、昨年の聴きおさめ。続いて、聴き始め。

今年も楽しみなコンサート・オペラが目白押し。
当ブログでも、旅のレポートと併せて、ご紹介させていただきます。

まずはニューイヤーコンサートが3日、6日。

では、本年もよろしくお付き合いくださいね。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/01/03 10:31
saraiさん、新年おめでとうございます。

年の締めくくりにジルベスターコンサートをすっかり楽しまれたようで良かったですね。
今年も旅とオペラと音楽と色々な記事を楽しみにしています。どうぞ宜しくお願い致します。
僕のほうは新年は「新世界より」三昧です。

2, saraiさん 2010/01/03 10:51
ハルくんさん、あけましておめでとうございます。

ハルくんさんの記事はいつも楽しませていただいてます。
また、お邪魔してコメントします。
マーラーはこちらも思いがいろいろあり、逆にコメントがしずらいですね。そんなものですね。

今年もよろしくおつきあいくださいね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       河村尚子,  

年末・・・ワイル「7つの大罪」

年末はとりためた音楽番組やCDを聴くのが楽しみです。
ずいぶん前に録画した今年の宮崎国際音楽祭もやっと視聴しました。

演奏は
 シャルル・デュトワ指揮:宮崎国際音楽祭管弦楽団
  ソプラノ:中嶋彰子

曲目は

 モーツァルト:フィガロの結婚序曲
 ワイル:7つの大罪
 マーラー:交響曲第1番「巨人」

もちろん、注目したのはワイル。ワイルといえば、あまりに「3文オペラ」が有名だが、saraiはオペラ「マハゴニー市の興亡」をビデオで見ただけ。
今回の「7つの大罪」は本来、歌入りバレエとのことですが、今回はバレエなしです。内容はアメリカのルイジアナ出身の貧しい姉妹(といっても2人のアンナが実際は1人の分身です)がアメリカのサンフランシスコなどの7つの都市を巡りながら、女を武器にしながら、しっかり生き抜き、最後は故郷に家を持つという話で、資本主義社会を鋭くえぐった作品になっています。
初めて、中嶋彰子を聴きましたが、ドイツ語のテキストをなんなく歌いこなし、素晴らしい表現力です。あとで調べたら、それもその筈。彼女はウィーンのフォルクスオーパの歌姫なんですね。
オーケストラの響き、デュトワの指揮、中嶋彰子のソプラノ、男性4人のコーラス、すべてがぴたっとはまって、秀逸な演奏でした。
日本、それも地方の音楽祭でこの音楽の水準は驚嘆すべきものです。こういう音楽祭はこれからも頑張ってほしいものです。
きっと、ウィーンでしか、こういう音楽は聴けませんものね。

ということで、音楽三昧の年末ですが、今晩は横浜みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートで年越しです。1回目からずっと聴いていて、もう10年以上になります。家族4人で9時から年明けまで過ごします。
来年はマーラーイヤーなのでマーラーの5番(第5楽章)とか、プログラムは今年最後の楽しみがいっぱいのようです。

今年も本ブログにお越しいただき、ありがとうございました。
また、来年もブログを頑張って続けますので、よろしくね!!



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年末も・・・ネトレプコ

思いがけず、年末にNHKからビッグプレゼント。
よく内容の分からないまま録画してみれば、なんと!

オペラ・ガラ・コンサート in バーデン・バーデン祝祭劇場
 2007年7月28、31日、8月3日

で、出演は超豪華な

アンナ・ネトレプコ
エリーナ・ガランチャ
ラモン・ヴァルガス
リュドヴィク・テジエ

特に人気・実力最高のソプラノのネトレプコは言うに及ばず、メゾ・ソプラノで一番の注目株のガランチャが出演とは! 彼女たちの初共演だったそうです。来年のゴールデンウィークのウィーンでは、カルメンで彼女たちの共演がオペラファンの間での最大の話題といっても過言ではありませんが、こんなかたちで実現していたのですね。
ところで、この放送を見逃されたかたは既にDVDが出ていますから、ご安心を。

当日の曲目は

・ベッリーニ:『ノルマ』より「清らかな女神よ」
  ネトレプコ
・サン=サーンス:『サムソンとデリラ』より「あなたの声にわが心は開く
  ガランチャ
・ドリーブ:『ラクメ』より「花の二重唱」
  ネトレプコ、ガランチャ
・ドニゼッティ:『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」
  ヴァルガス
・ビゼー:『カルメン』より「闘牛士の歌」
  テジエ
・ビゼー:『真珠とり』より「聖なる神殿の奥深く」
  ヴァルガス、テジエ
・ベッリーニ:『ノルマ』より
 聞いて、ノルマ
  ネトレプコ、ガランチャ
・ベッリーニ:『清教徒』より「お前を失ってしまった」
  テジエ
・ロッシーニ:『チェネレントラ』より「不安と涙のうちに生まれ」
  ガランチャ
・ヴェルディ:『ドン・カルロ』より「共に生き、共に死ぬ」
  ヴァルガス、テジエ
・ヴェルディ:『ルイザ・ミラー』より「静かな薄明かりの夕べに」
  ヴァルガス
・ヴェルディ:『ドン・カルロ』より「終わりの日は来た」
  テジエ
・プッチーニ:『ラ・ボエーム』より「ああ、麗しの乙女」
  ネトレプコ、ヴァルガス
・ヴェルディ:『リゴレット』より「愛する美しい乙女よ」
  ネトレプコ、ガランチャ、ヴァルガス、テジエ
・レハール:『ジュディッタ』より「私のくちびるは熱いキスを・・・」
  ネトレプコ
・ロッシーニ:「踊り」
  ヴァルガス
・ヴェルディ:『椿姫』より「乾杯の歌」
  ネトレプコ、ガランチャ、ヴァルガス、テジエ

なかなか、曲目も素晴らしいでしょう。しかしながら、テレビでは以下の曲目は省略されてしまい、少し、残念!

・カタラーニ:『ワリー』より「さようなら、ふるさとの家よ」
  ネトレプコ
・マスネ:『ル・シッド』より「統べたまえ、裁きたもう御父よ」
  ヴァルガス
・チャピ:『セベデオの娘』より「私が愛を捧げたの」
  ガランチャ

なお、DVDでも「ワリー」は省略されているようですし、「踊り」も収録されていないようです。

で、内容についてですが、ネトレプコは普通の出来ですが、まだまだ、出産前の時期で実に美しい(歌とは関係ありませんね)。ラ・ボエームの愛の二重唱はsaraiがもっとも好きな歌で、ヴァルガスの歌に続いて、ネトレプコのターラターラターララーと高音のメロディが入ってくると、パブロフの犬並みにウルウルです。
また、ガランチャとの「花の二重唱」の美しいこと、この上なしです。
アンコール前の最後の曲、『リゴレット』ですが、豪華な4人の共演にしびれます。こんなリゴレットなら、是非、全編聴きたいものです。ただ、マッダレーナ役を今をときめくガランチャがやるなんてことはあり得ませんね。でも、こんな役でもガランチャの素晴らしいこと。
ガランチャといえば、『チェネレントラ』が絶品でした。これこそ、いつか、全編を聴かなくっちゃね! もちろん、生で。バルトリも素晴らしいですが、saraiはガランチャを聴きたいモードです。

アンコールでは、ネトレプコが例によって、お得意の『ジュディッタ』をノリノリで踊ってました。あまり、ノリ過ぎて、途中で歌がストップというハプニングもまあネトレプコのファンとしては、かえって嬉しいくらい。

思いがけず、年末にネトレプコとガランチャが聴けて、幸せなsaraiでした。



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クラシック音楽BEST3、ネトレプコ、ハイティンク、フリットリ

さて、少し気が早いですが、今年聴いたコンサート・オペラの総決算です。saraiの感動したコンサート・オペラのベスト3を紹介します。
あくまでもsaraiの思い込みですから、そのつもりで読んでくださいね。

まず、第1位はネトレプコの「椿姫」。

 5月7日 ウィーン国立歌劇場
     ヴェルディ:歌劇「椿姫」
     指揮:アルミリアート 演出:シェンク
     ヴィオレッタ:ネトレプコ
     アルフレード:カレヤ
     ジェルモン:ストヤノフ

 これは当ブログでもご紹介済みですが、何せ、チケットの入手ではらはらしたこともありますが、ネトレプコの素晴らしかったこと、この上なし。もう、一生、「椿姫」を聴かなくても満足っていう感じ。文句なしの1位です!

さて、第2位はハイティンク+シカゴ交響楽団の来日コンサート。

 1月31日 横浜みなとみらいホール
      シカゴ交響楽団 指揮:ハイティンク
      モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」
      R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」

 まず、最初のジュピターですが、小編成のオーケストラで素晴らしいアンサンブルでまさに一糸の乱れもなく、ハイティンクのつぼをおさえた的確な指揮で魅了されました。そして、終楽章の彫の深い演奏には感動しました。クラシックを聴き始めたときから長い間、聴いてきた曲ですが、最高の演奏でした。
 次に「英雄の生涯」は打って変わって、ステージからあふれて、こぼれおちてしまうほどの大編成のオーケストラ。この凄い超弩級のオーケストラをハイティンクは完全にコントロールして、あり得ないような音楽を描き出していました。”完璧”とはこんな演奏のことでしょうか。オーケストラでこんな凄い音楽を聴いたのは初めての経験でした。
 今や、ハイティンクが世界最高の指揮者であることをまざまざと実感したコンサートでした。そういう意味では、こちらも第1位と同格ですね。

次に、第3位はフリットリのミラノ・スカラ座来日公演の「ドン・カルロ」。

 9月8日 東京文化会館
     ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」
     指揮:ガッティ 演出:ブラウンシュヴァイク
     エリザベッタ:フリットリ
     ドン・カルロ:ヴァルガス
     フィリッポ二世:パーペ
     ロドリーゴ:イェニス
     宗教裁判長:コチェルガ
     エボリ公女:ザージック

 これも当ブログで紹介しました。何といっても終幕でのフリットリの歌声っていったら、何度も言いますが、”天使”です。最近のニュースによると、再来年のメトロポリタン歌劇場の来日公演でまたフリットリの「ドン・カルロ」が聴けるようです。それにエボリ公女はボロディナ。これって、最高の組み合わせです。待ち遠しい! おっと、その前に来年はトリノ歌劇場でフリットリの「ラ・ボエーム」です。これはチケット購入済みです。

以上がベスト3ですが、次の2つも番外にするにはもったいないので、ベスト3相当にしときます。

まずは、ヒラリー・ハーンの来日「ヴァイオリン・リサイタル」。

 1月9日 横浜みなとみらいホール
     イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタから
     アイブス:ヴァイオリン・ソナタから
     バルトーク:ルーマニア民俗舞曲から
     ほか

 saraiは熱狂的なヒラリ-ファンです。でも、最近のヒラリ-は聴く度に演奏の精度を上げ、さらに期待を上回る演奏で感動させてくれます。特に研ぎ澄まされたヴァイオリンの音色はヒラリーにしか出せないもので、その音色で完璧な技巧のもとに彼女独自の解釈した音楽を繰り広げてくれるのですから、まったく脱帽です。
 イザイの曲は技巧的にも難しい曲ですが、なんなく弾きこなし、感銘を受けました。アイブスは今回初めて聴く曲で事前にCDで予習しましたが、これまた、素晴らしい演奏。バルトークはお馴染みの曲で、彼女がどんな風に弾くのか興味がありましたが、意外にバルトークそのものって感じという演奏。
 全体として、非常に充実したリサイタルでヴァイオリンの魅力に満ちており、割に耳慣れない曲が多かったのですが、聴覚が喜ばされる感覚で満足!満足!
 既に来年来日予定のサローネン+フィルハーモニア管とのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のコンサートのチケットを入手し、待ち遠しく思っています。

最後は、ウィーン・フィルの来日コンサート。

 9月20日 サントリーホール
      ウィーン・フィル 指揮:メータ
      ウェーベルン:オーケストラのためのパッサカリア
      ウェーベルン:オーケストラのための6つの小品
      ウェーベルン:9つの楽器のための協奏曲
      ブラームス:交響曲第4番
      アンコール ヨハン・シュトラウス:レモンの花咲くころ

 このコンサートは当ブログでも詳細にレポートしたとおり。付け加えて言うことは何もありません。ただただ、ウィーン・フィルの美しい響きに酔いしれたコンサートでした。

この5つのコンサート・オペラ以外にも、庄司紗矢香、神尾真由子やゲルギエフ、シュターツカペレ・ドレスデン、フォルクスオーパのオペレッタなど、良かったものもいくつもあり、大変充実した1年で、音楽文化に貢献してきた音楽家・音楽愛好家の皆さんに心からの感謝を贈りたいと思います。

やっぱり、音楽はやめられない!!




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ショスタコーヴィチ BY ゲルギエフ・マリインスキー管@サントリーホール 2009.12.1

現在、ゲルギエフがマリインスキー劇場を引き連れて、バレエとオーケストラコンサートの来日公演中です。
オーケストラコンサートはオール・ロシアン・プログラムとして、
 ・ムソルグスキー
 ・チャイコフスキー
 ・ショスタコーヴィチ
 ・ストラヴィンスキー
それぞれに絞った4回のコンサートプログラムになっています。
昨夜はそのうち、オール・ショスタコーヴィチの曲目のコンサートがサントリーホールであり、聴きに行ってきました。
実はこのコンサートはsaraiの予定にはなかったのですが、ピアニストのブロンフマンが新型インフルエンザで公演中止になったための振り替えで聴きに行くことになりました。
で、この公演でsaraiは今年のコンサート納めです。大晦日の恒例のみなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは除いてですが。

このゲルギエフとマリインスキー劇場オーケストラによるショスタコーヴィチは以前、ミューザ川崎で有名な5番の交響曲を聴いて、正直なところ、期待を裏切られ、がっかりした覚えがあります。一言でいえば、なんとも、地味で退屈な演奏に思えたからです。
そもそも、CDを聴いてもゲルギエフの指揮は世間で評判になっているほど、感動したことがありません。
今回は振り替えがゲルギエフしかなかったので、とりあえず、ショスタコーヴィチを選んだってことで、そんなに期待しての公演ではなかったのです。

ところがです。
昨夜の演奏はこれぞショスタコーヴィチっていう素晴らしい演奏で、まさに本年を締めくくるのにふさわしいコンサートでした。
演奏曲目は以下です。
 1.歌劇「鼻」より
 2.交響曲第1番
 3.ピアノ協奏曲第1番
 (アンコール:ピアノソロ)シチェドリン:ユモレスク
 4.交響曲第10番

最初の曲は打楽器だけの短くコンパクトな曲でコンサートの始まりにふさわしい感じ。なかなかいい。
続いて、交響曲第1番ですが、管楽器で新古典主義風で颯爽とした演奏が始まります。CDではよく聴きますが、ライブで聴くのは初めて。曲といい、演奏といい、非常に完成度が高く、思わず、聴き入ってしまいます。30分ほどの全4楽章、ショスタコーヴィチワールドにすっかり浸ってしまいました。特に第3楽章のうねるような旋律が弦楽器を中心に次第に高まって、また静まっていくのは一番の聴きどころでした。これはもっと演奏会で今後、ポピュラーな演目として、取り上げられるべきだなと感じました。オーケストラは特に弱音の弦楽器パートの美しさにうっとりとしました。金管の響きがもうひとつだったかも知れません。

ここでピアノを運び込んで、ステージの準備作業。オケの団員も邪魔になる人はいったん退場。
ピアノや椅子のセッティングも終わり、また、団員が入場。
えっ! 弦楽器奏者しかいないよ。
そうです。ピアノ協奏曲第1番はオケは弦楽器だけだったんですね。CDで聴いているときには全然気にならなかったのにね。
と、ピアノのデニス・マツーエフが拍手に迎えられて、はいってきました。
でも、指揮のゲルギエフのほかにもう一人います。手にトランペットを2本持っています。
この曲はピアノとトランペットと弦楽器のための協奏曲だったんですね。迂闊でした。

いよいよ、アップテンポでのりのよい感じで演奏が始まりました。第2楽章にはいり、静かなスローテンポの弦楽器の調べとそれに続くピアノ、まったく、素晴らしく美しい演奏です。まるで現代のショパンのピアノコンチェルトみたいなんて、変な感想を思ってしまうくらい凄く美しい。そして、終楽章はオケとピアノが激しいリズムで終局に突き進みます。まさにスリリングな演奏。ゲルギエフも例の指先をひらひらさせるような独特のしぐさでステージ上で踊っています。
会場はやんやの声援。これはめったにない超名演奏です。
この演奏だけでも今日、聴きにきてよかったという納得の演奏。
マツーエフというピアニストはsaraiの不明ながら、今日初めて名前を聴くピアニストでしたが、チャイコフスキーコンクールで優勝した人だったようです。大変な実力のピアニストでした。

ここで休憩。休憩後は今日のメインの交響曲第10番です。
沈痛な旋律で静かに演奏が始まります。この沈痛さは最後の4楽章まで続きます。胸の熱くなるような曲ではありません。ただ、不思議に心は揺さぶられます。次第に自分のなかで納得していきます。これがショスタコーヴィチであり、ショスタコーヴィチは自分の生きる時代をこのように感じ、それを表現したんでしょう。ああ、我々の生きる時代はこんな沈痛な時代だったのかと痛切に迫ってくるものがあります。12音技法も電子音楽も使っていませんが、ショスタコーヴィチはまぎれもなく、現代音楽の作曲家なんだと今更ながら感じました。
沈痛な曲も盛り上がっていきますが、その盛り上がりは悲痛さの極致みたいなものです。まさにこの沈痛な時代をそれでも生き抜いていかないといけない人間の定めを表現したかのようです。何かしら、力強さも感じ取れるのはある意味、救われる思いではありますね。大変、感銘を受ける演奏でした。
この曲は5番や7番ほど有名ではありませんが、間違いなく、彼の最高の作品と言えるでしょう。

恥ずかしながら、初めて、ゲルギエフの真価を感じ取ることができました。
ショスタコーヴィチだけでこれだけのコンサートを行えるとは、やはり、凄い指揮者です。

頭のなかで10番の終局部の響きが鳴りやまぬ中、帰途につきました。



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ゲルハルト・オピッツ・ピアノリサイタル@みなとみらいホール 2009.11.27

昨夜は体調悪いなか(新型インフルエンザではない!)、ドイツの中堅ピアニストのゲルハルト・オピッツのベートーベンのピアノ・ソナタのリサイタルを我がホームホールであるみなとみらいホールに聴きに行きました。

演奏曲目は
 1.ベートーベン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調「悲愴」
 2.ベートーベン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」
 3.ベートーベン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調「テンペスト」
 4.ベートーベン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調「熱情」
ということで、いわゆる通俗名曲の部類にはいるんでしょうか。
でも、saraiはベートーベンのピアノ・ソナタは32曲ともすべて好きですよ。

最初の「悲愴」は中学生時代に初めてベートーベンのピアノ・ソナタを聴いて、熱中していた曲です。それもこのオピッツの師というウィルヘルム・ケンプのレコードでした。で、このリサイタルに先立ち、久しぶりにケンプのCDを聴きました。やはり、気持ちにしっくりくる演奏です。
期待しながら、彼の演奏を待ちます。まず、序奏ですが、若い?だけに、エネルギーに満ちた重厚なタッチです。ケンプとは少し違うかも知れませんが、まあ、ドイツ的でいいでしょう。
で、問題はここからです。早いパッセージが始まります。うっ、早過ぎる!
右手の高音部のメロディーラインが滑り気味。もっと、きっちり、明確なタッチで弾いて欲しい。先生のケンプはこのあたりは美しいタッチでメロディーを聴かせてくれました。
第2楽章にはいり、スローなテンポのところでは、明快なタッチでしっかりした演奏でなかなか聴かせてくれます。
また、第3楽章では急ぎ過ぎる印象で、上滑り気味の演奏。

結局、残りの3曲も全体として、同じような感じ。
でも、最後の2曲、「テンペスト」と「熱情」はまあよかったと思います。特に「熱情」の終楽章は結構、落ち着いた演奏であまり上滑り的なところも気にならなかった。
ほかの曲もこんな風に弾いてくれれば、もっと満足感もあったかもしれませんね。

まだまだ、若さで力のはいった演奏ですね。見かけは結構お年にみえますが、演奏ももっと枯れて、力が抜けて、メリハリのきいたケンプのような演奏を目指してほしいと思いながら、帰途につきました。

少し、辛口になってしまいました。
以前に聴いた上原彩子のベートーベンは素晴らしかったので、ベートーベンといえども、必ずしも、ドイツ人の演奏という時代ではないのかなあ。

なお、本来なら、明日はサントリーホールでブロンフマンのピアノ・リサイタルの予定でしたが、彼が新型インフルエンザのため、急遽、来日中止。
残念ながら、明日は自宅で静養でしょう・・・



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ブラームス・チクルス by チョン・ミョンフン+東フィル 2009.11.10

ある意味、驚きのコンサートでした。

さて、今夜のコンサートは東フィルのオペラシティ定期演奏会。
指揮はチョン・ミョンフンで曲目は
 ブラームス:交響曲第3番
 ブラームス:交響曲第4番
今年の定期で既にブラームスの第1番、第2番は聴きました。今夜でブラームスの全交響曲のチクルスが完になります。

実は昨年は夫婦で東フィルの定期演奏会の会員で、1年間聴き通し、それなりの判断で、今年は《選べるチケット》会員になり、チョン・ミョンフンの演奏会だけを追っかけ!
今回の演奏会の後、残りは来年1月のマーラーの交響曲第1番《巨人》だけとなります。

やっと、去年から2年間、東フィルを聴き続けた甲斐がありました。心から、納得のいく演奏でした。アンサンブルの乱れたところも一部ありましたが、楽団員一丸となり、大変、凝集力のある演奏でした。
前回の第1番、第2番はなんだか面白くない演奏で、こんなものかとがっかり。今回も期待はありましたが、そこそこだろうという予想。

実際、第3番の第1楽章~第2楽章はよく言って、そこそこの出来。
第3楽章は有名な曲です。フランソワーズ・サガンの《ブラームスはお好き》で流れる曲。実は原本は読んでいないので、本での取り上げ方は知らないのですが、映画化されたときに、ラジオから、この第3楽章が流れます。そのせいか、よく知られた通俗曲になっています。まず、ヴィオラで美しいメロディーが始まり、第1ヴァイオリン、・・・とつながれていきます。この美しいメロディーが流れる中、徐々にアンサンブルの響きが嘘のように美しくなっていきます。第3楽章の終わりあたりではばっちりの演奏。盛り上がった演奏はそのままの勢いで第4楽章の最後まで続きます。
万雷の拍手。
このあとの第4番への期待が膨らみます。

休憩後、第4番が始まります。おやっ、なかなかデリケートな入り方です。途中まで、微妙な感じで続きますが、第1楽章の後半では、大変、素晴らしい響きで胸の熱くなる演奏です。第2楽章も大変よい出来で、オケの素晴らしい響きにうっとりします。第3楽章もよい勢いで進み、いよいよ、第4楽章のパッサカリア。いやあ、参りました! 日本のオケでこれだけのブラームスが演奏できるなんて。まさに入神の演奏で幕を閉じました。

この前のウィーン・フィルの素晴らしい演奏はまた別格としても、素晴らしいブラームスでした。saraiの今年のオケのコンサートは今夜で最後。それがこんな形で終わるとは、予想外の喜びでした。

カーテンコールが何度も続き、最後はチョン・ミョンフンがコンサートマスターの三浦さんに肩に手をかけて、退場。万雷の拍手で見送りました。

ところがそれで終わらない。聴衆の拍手が鳴りやまず、いったん、退場した楽団員たちをうながして、チョン・ミュンフンが再び、舞台に。
残っていた熱心な聴衆はまだ数多く、舞台の上と客席が一体感に包まれます。こんな奇跡のような場面はsaraiも初めてでした。
チョン・ミョンフンは舞台の端に寄って、詰めかけた聴衆と握手・握手・握手・・・・

素晴らしい演奏、そして、その演奏に感動する聴衆。
コンサートのあるべき姿です。
その中心にいたチョン・ミョンフンと彼の指揮に応えた東フィルの渾身の演奏に脱帽の夢のような一夜でした。



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庄司紗矢香+シンシナティ響@サントリーホール 2009.11.1

今日はコンサート。庄司紗矢香のコンサートというと、どうしても聴きにいきたくなります。今日のコンサートはパーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団との共演です。
今日の曲目は
 1.キャンディード序曲(バーンスタイン)
 2.ヴァイオリン協奏曲(シベリウス)
 3.交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク)
会場はサントリーホール。自宅の横浜からは少し遠いですが、開演の2時の15分くらい前に到着。
最初のキャンディード序曲は4分くらいの短い曲。バーンスタインらしいノリのいい曲ですが、なんだか演奏は少し音響がぴたっとはまらず、あまり音の響きを楽しめない感じです。
で、次はいよいよ、今日、一番楽しみにしていた庄司紗矢香の登場です。今日はなんだか、ごてっとしたドレスで印象が違います。髪型も随分変わっています。もっと、清楚な感じがsaraiの好みですが、まあ、音楽を聴きにきたのだからいいでしょう。
いよいよ、冒頭のヴァイオリンソロが始まります。
えっ!! 静かな音で始まりますが、アタックで小さなミス。ここはきっちり、慎重に決めて欲しかった。この日は特に弱音でのボーイングミスが目立ちました。いくら、音楽の熱さで聴かせる彼女の演奏とはいえ、いったい、どうしたんだろう。最近、ヴァイオリンを変えたようだから、まだ、馴染まないのかしら? ファンとしては、今日の演奏は少し戸惑ってしまいました。もちろん、全体としては、なかなか聴かせてくれる演奏だったので、残念でした。新しいヴァイオリンは低弦から高弦まで、バランスよく響くので、よくなった印象ではあります。前のヴァイオリンは低弦はたっぷりと鳴りましたが、高弦の響きが今一つという感じがありました。
最近聴いたシベリウスはヒラリー・ハーンでしたが、それはそれは精度の高い素晴らしい演奏でした。庄司紗矢香にも、もうひとつ頑張ってほしいなって思いました。
アンコールのバッハの無伴奏はなかなかよかったですよ。もうちょっと、シベリウスも弾き込んでほしいなあ!!

このあとの休憩時間もこの演奏を引きずっていたsaraiでした。

休憩後はドヴォルザークの「新世界より」です。この有名な曲もコンサートで聴くには久しぶり。ふつうは8番を聴くことが多かったのかなあ。
まあ、分かりやすい演奏で気楽に楽しめました。テンポを動かし、強弱のメリハリをつけ、丁寧な指揮でした。あまり、ボヘミアの郷愁は感じる演奏ではありませんが、まあ、インターナショナルな演奏で結構ではないでしょうか。この曲に関しては、難しいことはいいっこなし!!

アンコールはブラームスの「ハンガリー舞曲5番、6番」。スラブ舞曲を聴いているような演奏でドヴォルザークとの違和感もなし。そして、最後はシベリウスの「悲しいワルツ」。これも北欧の響きはあるものの、舞曲の延長って感じでした。
そういえば、昨年のヤルヴィのフランクフルト放送響のブラームス・チクリスでも、アンコールはハンガリー舞曲だったような記憶が・・・
日本の聴衆にヨーロッパとアメリカのオーケストラで同じ曲を聴かせ、違いを聴かせようってことかな? ドイツのオケの渋い響きとアメリカのオケの明るい響きは感じ取れましたが、曲が曲だけに、どうってことはありませんね。

シンシナティは初めて聴きましたが、深みには欠けますが、まあ、楽しめるオケではありました。前回聴いたウィーン・フィルの究極の美と比べるものではないでしょう。

でも、庄司紗矢香が心配です。いったい、どの方向をめざそうとして、苦しんでいるんだろう・・・




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この記事へのコメント

1, haruさん 2009/11/02 07:18
私もそれに行っていました。
風も気持ち良く、コンサートを出ると雨になっていて
秋らしい、平和な一日でした。

感じた事が重なるところがあったので
コメントしてみました。

シャープにキリッとした恰好がとても活きる
方ですよね。近くで見ると良かったですが、
離れて見ると、誰だかわからない雰囲気でした。
バシッと決まると、理屈無しにみんなを
釘づけにする方ですから、今後の変化が
楽しみです。


2, saraiさん 2009/11/02 13:52
haruさん、初めまして。
いろいろ感じたコンサートでしたが、
今後も彼女の変化・成長を見守るのが
私の楽しみでもあることは間違いありません。

この前のザンクト・ペテルブルグ・フィルとのチャイコフスキーでは、彼女の成長の証しも見られましたし・・・

音楽関係の記事もアップしますので、また、当ブログにもお越しくださいね。

3, haruさん 2009/11/08 00:18
ありがとうございます。

ブログの内容がとても含蓄深いです。

私の世間はとても狭いので、
為になります。

これからも楽しみにさせていただきます。

4, saraiさん 2009/11/08 22:35
haruさん、こんばんは。
もったいないお言葉ですね。また、それをエネルギーに変えて、
ブログを書き続けたいと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       庄司紗矢香,  

MET@東劇《ランメルモールのルチア》

さて、東劇でのメトロポリタン・オペラ鑑賞の続きです。
弁当を購入し、近くの夕闇の公園のベンチでちゃちゃっと簡単に夕食を済ませ、再び、東劇へ。

次の2番目の演目が実は最もお目当てのオペラです。何せ、ネトレプコの出る≪ルチア≫ですからね。ネトレプコは最近はウィーンで≪椿姫≫を見ましたが、何と素晴らしかったことか!
この≪ルチア≫が19時から上映されます。

≪ルチア≫はウォルター・スコットの原作にドニゼッティがオペラを作曲したものです。筋立ては簡単に言えば、≪ロミオとジュリエット≫みたいなもので、愛し合う2人が対立する家同士の板挟みにあって、最後は2人とも死んでしまうというものです。特に第3幕で、無理に嫌な男と結婚させられたルチアがその男を刺し殺し、狂気に陥ったシーンが「狂乱の場」として、ソプラノが長時間、持てる力を出し尽くして歌い続ける、感動的な見せ場になっています。当ブログでも紹介済みですが、ドレスデンで見たエディッタ・グルヴェローヴァのルチアは感涙もので、これを超えるルチアはないと思っていました。

で、今回のメトの配役は以下のとおりです。

 アンナ・ネトレプコ:ルチア
 ピョートル・ベチャワ:エドガルド
 マリューシュ・クヴィエチェン:エンリーコ
 イルダール・アブドラザゴス:ライモンド

本来は相手役エドガルドのテノールはロランド・ビリャソンだったのですが、病気のため、急遽、代役のベチャワに変更。構いませんよ、私は・・・ネトレプコさえ出ればね。

いよいよ、時間になり、幕が開きます。1幕の第2場になると、遂にネトレプコ登場。メトの観客は彼女が出てきただけで早々と拍手を送っています。いやはや、スーパースターですね。
む、ネトレプコはまだ相当に太目。この公演は2009年2月7日のもので、出産後の復帰直後なので仕方ないですね(5月にウィーンで見たときもまだ太目でしたが・・・)。それはさておき、オペラは歌です。ネトレプコが歌い始めました。うーん、なんだか、調子出ないなあ。彼女本来の歌声からは程遠い。まあ、ウィーンの≪椿姫≫でもスロースターターだったから、調子が上がってくるのを待ちましょう。
この後、エドガルド役のベチャワも登場。2人の2重唱が始まります。前半の見せ場です。ネトレプコはこのあたりから、高音あたりが大分、良くなってきましたが、まだまだです。ベチャワも声は出ていますが、表現力がビリャソンに比べると、今一つ。
不満を残しつつ、第1幕が終わり、幕間の休憩です。

さて、気を入れなおして、第2幕です。
結婚を強いる兄の部屋にルチアがはいってきます。はあ、美しい! ネトレプコも気分が乗ってきたのでしょうか。 顔を見ただけで、1幕目と大違い。兄におどし、すかされ、その上、恋人の嘘の手紙まで見せられ、怒り、苦悩するルチア。ネトレプコは素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。第2幕はいやいやながらの結婚と急遽駆け付けた恋人のエドガルドの悲痛な非難でルチアが苦悶するなかで盛り上がりながら終わります。すごい迫力です。

でも、それまでの第2幕までがすべての序章に過ぎなかったと思わされたのが第3幕です。あまりの感動に感想を書くのもままなりません。ネトレプコの「狂乱の場」の素晴らしさは文字通り、感涙ものです。彼女もまさに天使の歌声! 我を忘れて、ただただ聴きほれるのみ。
ルチアの退場後、オペラは続きますが、いつもはつけたしだと思っていました。これがなかなかです。エドガルド役のベチャワもネトレプコに触発されたか、素晴らしく感情のこもった歌で、もう十分に涙腺のゆるんだsaraiに追い打ちをかけます。ルチアが狂死したことを知り、自身も自害するエドガルドの心情を歌い切り、きっと、暗い映画館の観客皆が泣かされたと思います。
映画が終わっても、誰一人、声も立てません。感動を胸に深夜の地下鉄で家路につきました。

体力を使いきり、次の日までぼーっとしていましたが、やっぱり、オペラはやめられません。



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MET@東劇《夢遊病の女》

東銀座にある東劇にメトロポリタン歌劇場のオペラを見に行きました。
オペラを映画館で見るのは初体験です。
NYのメトロポリタン歌劇場のLIVE VIEWINGと称する、全世界にほぼリアルタイム(時差の関係で少し時間を調整)でオペラを配信するサービスはずい分前に始まりましたが、日本では歌舞伎座で上映とのことで、何となく、気乗りがせずに今まで、足を運んではいませんでした。
今回、今年の上演分の再上映とのことで、あまりの演目と配役の良さで、やっとその気になったわけです。
10月3日の土曜日、まずは15時からの上映を見ます。全席指定でsaraiは事前に松竹のサイトからネットでチケットは購入済み。3000円という価格は高いか、安いか判然としませんが、まずは物は試しですね。
演目は
 ベッリーニ作曲の《夢遊病の女》
です。
33歳の若さで世を去った天才作曲家ベッリーニの傑作のひとつです。saraiは生でまだ見たことのないオペラでもあります。
あらすじは単純で、結婚を間近にした村1番の美貌の娘アミーナが「夢遊病」のために我知らずにロドルフォ伯爵の滞在したホテルのベッドで1夜を明かしますが、伯爵は指一つ触れることはありません(文字どおりでいえば、指一つは触れるかも?)。このことを村人たち、そして恋人のエルヴィーノは誤解し、てんやわんや。
最後は誤解も解け、めでたし、めでたしというものです。

さて、今回の配役は以下の超豪華キャスト。
 ナタリー・デッセイ:アミーナ
 フアン・フローレス:エルヴィーノ
 ミケーレ・ペルトゥージ:ロドルフォ伯爵
 メアリ・ジマーマン:演出
この公演は本年の3月21日に行われたものですが、特に3大テノールの後の最有力テノールであるフローレスに注目です。次元の異なる超高音でどう聴かせるか、昨年はウィーンでもこの「夢遊病の女」で評判だったようです。もちろん、タイトルロールを歌うデッセイはいつも熱演で素晴らしい歌唱を聴かせるまだまだ旬なソプラノで期待できます。

さて、幕が上がると(映画ですが、舞台公演をそのまま収録しているので)、何とそこはオペラの練習中のスタジオになっています。本来はスイスの緑多き村が登場する筈ですが、そのオペラを練習しているという設定で訳のわからない演出になっています。工夫したのは結構ですが、余程、このオペラを熟知していないと意味が分からないでしょう。見ている観客からは、色んな矛盾を感じる筋立てになっています。

ともあれ、主役2人の歌の素晴らしさがその演出の奇妙さを吹き飛ばします。特に2人の高音がとても素晴らしく、画像が不必要なくらいです。
また、ベッリーニの作曲した旋律美に酔わされます。次から次に美しい旋律が歌われ、オペラの楽しさ満喫です。
かって、このオペラはマリア・カラスが得意にしていましたが、残念ながら、saraiはまだ聴いていません。で、比較はできませんが、演出を除き、なかなか完成度の高い公演で大満足の3時間弱でした。

それにおまけもあります。途中、幕間で特典映像が流れ、今をときめく若手メゾ・ソプラノのエリーナ・ガランチャがロッシーニ:ラ・チェネレントラのアンジェリーナを歌います。実は映像でガランチャの歌うのを見るのは初めてです。まあ、凄いのなんのって、最近、ウィーンで人気沸騰というのも当然ですね。早く、生で聴いてみたいものです。

終わって、東劇の外に出ると、もう夕暮れです。でも、おなかに何か入れて、もう一勝負。19時から、もう一つ、オペラを見ます。
とんだ体力勝負ですが、その報告は次回で。



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行ってきました、メータ/ウィーン・フィル・・・まるで夢のよう!@サントリーホール 2009.9.20

まるで時空を超えて、夢の街、ウィーンにジャンプしてきたような2時間でした。今日はサントリーホールでのウィーン・フィルのコンサート。久しぶりのウィーン・フィルでしたが、期待以上の演奏でした。

今日の演奏会の曲目は前半がウェーベルンの3曲、後半がブラームス。5日前に行われた今回の来日演奏会の1回目はオールR・シュトラウスのプログラムであったことを考えると、いつもウィーン・フィルのメンバーが熱意を持って臨むR・シュトラウスが全体のコンサートのプログラムの中核にあることは想像に難くはないでしょう。つまり、今日のプログラムは演奏されなかったR・シュトラウスの後に続くウェーベルンと、R・シュトラウスの前の時代に活躍したブラームスでR・シュトラウスを挟み込むという巧妙な仕掛けになっていると思われます。いずれの作曲家もウィーンで活躍した作曲家で、ウィーン・フィルの自家薬籠中の作品だといえます。

入口で渡された膨大なパンフレットを整理していると、もう、ウィーン・フィルのメンバーがステージに登場です。チューニングが終わると、おなじみのマエストロ、ズービン・メータの登場です。

最初の曲、ウェーベルンの《オーケストラのためのパッサカリア》が始まります。この曲は1908年にウィーンのムジークフェラインで初演された、ウェーベルンの初期の作品。作品番号も1です。シェーンベルク、ベルク等とともに新ウィーン楽派の一人であったウェーベルンもこの作品では、まだ調性音楽に踏みとどまり、12音技法を厳格な適用しているわけではありませんが、今、聴いても響きがとても新鮮で新しく感じられます。ちょうど、この頃、R・シュトラウスは時代の前衛的な作風から古典回帰し、保守的な作風に転換し、オペラ《薔薇の騎士》を1910年に発表します。まるで、ウィーンの前衛をウェーベルンが引き継いだかの如くです。
ウィーン・フィルの奏でる音楽はまさにウィーン風。静かに始まった音楽も終盤に向けて、一気に盛り上がっていきます。ポストR・シュトラウスとも感じられる曲も激しさを加え、後のバルトークをも思い起こさせるほどです。これがウィーン・フィルのウェーベルンなのですね。思わず、背中に戦慄が走るほど、強い感動が湧き上がります。たった10分ほどの作品ですが、内容はぎっしりと詰まっていました。

実は生でウェーベルンを聴くのは初めて。これまでは昔の定番カラヤンのCDや最近の定番ブーレーズのCDで聴いていました。これらのCDの演奏はいずれもベルリン・フィル。ウェーベルンもこの手の曲を得意とする彼らの独壇場だと思っていました。しかし、ウィーン・フィルの演奏は素直にウィーンの音楽の系譜の延長戦上にあり、もはや、ウェーベルンも古典。ベルリン・フィルのように新しい音楽として演奏するのではなく、ウェーベルンもR・シュトラウスを聴くのと何ら変わりなく聴くことができました。

2曲目は翌年の1909年に同じくウィーンのムジークフェラインで初演された《オーケストラのための6つの小品》です。これはたった1年後とはいえ、すっかり調性が破壊され、12音技法が適用された作品。なかなか、とっつきにくい作品ですが、ウィーン・フィルの名人たちの響きに素直に耳を傾けるのみです。

3曲目はオーケストラのメンバーが引き上げ、9人の精鋭たちで演奏する《9つの楽器のための協奏曲》。ある意味、ウェーベルンの到達点を示す作品でもあります。楽器もぎりぎりまで絞り、曲も凝縮させ、1つの楽器には続けて2~3音のみだけの音を発せさせ、音をリレー的につなぎ合わせるというまるでモザイク画のような音楽。禁欲的というか、エコというか、これでよく音楽が成り立つもんだと感心するような曲ですが、ウィーン・フィルの各パートの首席奏者だけで演奏する響きはそれはもう究極のウェーベルンワールド。これは1935年に初演されましたが、出版されたのはウェーベルンの死後の1948年。ウェーベルンは終戦後の1945年に疎開先のザルツブルグ郊外の娘の家のベランダで夜、煙草を吸いに出ていたところを米兵に誤って狙撃され、無念の死を迎えました。しかし、彼の音楽は既に完成点に達していたと今日の演奏で強く感じました。
これで前半のプログラムは完了ですが、ウィーン・フィルの演奏でウェーベルンの世界の一端を感じ取ることができました。これから、少し、新ウィーン楽派も聴きこんでいきたいと思います。
ところで3曲目では、楽器の1つとして、ピアノも登場。もちろん、ウィーンのピアノ、ベーゼンドルファーです。この曲はもともとピアノ協奏曲として構想されていた曲で、今日の演奏では少しピアノの自己主張が不足していたところが残念。そうそうたる弦・管のメンバーが居並ぶところで遠慮したのでしょうか?

後半はR・シュトラウスに先立つ後期ロマン派の巨匠ブラームスの最後の交響曲第4番。いわゆるブラ4ですね。
メータが指揮台に立つなり、こちらの気持ちの準備もできていないところで、さっと曲を開始。
うっ、美しい!! あの有名な憂いを帯びた旋律が美しい弱音で流れ始めます。何度、この曲を聴いたか分からないほど聴きましたが、こんなに美しく始まったのは初めての経験です。第1楽章はさらに後半部にはいり、さらに美しく盛り上がっていきます。これがウィーン・フィルのブラームスなのですね。あくまでも美しく、その洗練された美の極致は留まることがありません。よく言われるブラームスの渋さなど、どこにもありませんが、こんな美しいブラームスならすべてを許せます。夢の世界で感動している自分を感じます。
さらに第4楽章に進み、中間部では、長いフルートのソロに続く管楽器と低音弦でまさに秋の日の木漏れ陽を感じさせられているうちに、フィナーレに突入していきます。ここでも大音量とはいえ、決してうるさくなく、ただただ美しさのみを感じます。こんな美しいブラームスがあっていいのかと思うほど、夢のような演奏です。陶然としているうちにコーダ。
まったく、しびれてしまいました。きっと、ブラームスにはもっと違った演奏もあるでしょう。でも、こんなに美しいブラームスもあったんですね。
多分、ハイティンクとロイヤル・コンセルトヘボウはもっと低音弦を響かせた熟成したブラ4を演奏するでしょう。それが1つの本質としても、今日のブラームスのような美の極致のような演奏の価値を減ずるものではないと確信します。

最後のアンコールはヨハン・シュトラウスの《レモンの花咲くころ》。あまり知らない曲ですが、十分、美味しいデザートでした。特に第2ヴァイオリンとヴィオラの刻むウィーン風変則ワルツのリズムがたまりませんね。

今日のコンサート全体でいえば、最初、ウェーベルンの初期の作品の《パッサカリア》で始まり、最後、ブラームスの最後のシンフォニーの終楽章の《パッサカリア》で締めくくったのは、プログラムの妙でした。因みにパッサカリアとは、古代風の舞曲形式の1つです。ですから、古典の形式を借りて、それぞれのウィーンの作曲家がその自分の生きた時代で新しく表現してみせたわけでしょう。

最後に、マエストロ、ズービン・メータは数年振りに聴きましたが、相変わらず、無理のない指揮ながら、しっかりと表現すべきものを表現しているという感じでした。数十年前に、彼の指揮するロス・フィルでブラームスを聴きましたが、基本的には、表現は変わっていません。ただ、年輪を重ねた彼は、もっとオケのメンバーの表現力に任せるところは任せるという器量の大きさが加わったようにも思います。それにダイナミックさよりも響きの美しさに力点が変わってきているようにも感じました。

ハプスブルグ家以来続いてきたウィーン文化の底深さをあらためて感じた夢のような2時間でした。



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       ウィーン・フィル,  

行ってきました。ミラノ・スカラ座。

昨夜、ミラノ・スカラ座に行ってきました。といっても、東京文化会館での来日公演。
本場のミラノでのオペラ公演は1か月に1演目で、初日がフルキャストで、段々、キャストが落ちていくという方式で、日本から見に行くには大変、具合の悪い方式です。ウィーン、ミュンヘン、ロンドン、チューリッヒなどのオペラハウスはレパートリー方式で毎日日替わりで演目が変わり、1週間くらいで1回転するというもので、短期滞在の訪問客にとっては都合がよい方式です。
で、ミラノ・スカラ座は本場よりも来日公演のほうが見やすいですね。価格が高いのが難点ですが、これは他のオペラハウスの来日公演も同じなので、仕方ありませんね。
さて、昨夜の公演はヴェルディの傑作オペラ「ドン・カルロ」。「椿姫」や「アイーダ」ほど有名ではありませんが、内容的には、管弦楽・合唱の充実ぶり、音楽の劇的な進行、感銘深いアリアなど、ヴェルディの代表作の一つです。saraiも大好きなオペラです。
6時に幕が開き、早速、スカラ座のオケの素晴らしさに耳を奪われます。非常にメリハリがきいていて、なおかつアンサンブルがぴたっと決まっているダイナミックな演奏です。演出はなかなかモダンな舞台セットですっきりしたものです。歌手は当初、エンジンのかかりが遅い印象でしたが、2幕目になると、スカラ座の強力な合唱が響き渡り、歌手たちもだんだん力がはいってきます。まさにヴェルディの世界です。圧巻は最後の第4幕です。今やイタリア最高のディーヴァであるフリットリの素晴らしい歌唱です。有名なアリア「世のむなしさを知る神」は美しい声で歌い切り、拍手が鳴りやみません。しかし、彼女の真骨頂はこれから。この後の愛の二重唱での彼女の澄み切った美声、まるで天上の世界からの響き、天使の歌声に感じられます。saraiも随分オペラを聴きましたが、こんな美しい歌唱は聴いたことがありませんでした。
今や、グルヴェローヴァを別格とすると、ネトレプコとこのフリットリが最高のソプラノだとsaraiは思います。これからも彼女たちのオペラを追い求めていきたいと強く思いました。

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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2009/09/10 06:08
saraiさん、こんにちは。

「ドン・カルロ」行かれたのですね。実は僕は運が良いことに土曜日にゲネプロを観ることが出来ました。見事な舞台でしたね。本公演の素晴らしさが充分想像されます。
歌の素晴らしさはもちろんのことですが、ガッティの繊細な音造りには大いに感心しました。

2, saraiさん 2009/09/10 12:03
ハルくんさん、こんにちは。
ゲネプロって行ったことありません。羨ましいですね。ガッティがどうオペラ作りしているか、興味のあるところです。
本番での様子では、オケ半分、ステージ上の歌手達半分の気配りで指示を出しているようで、かなりオペラ指揮者として熟達しているようでした。オケの力もあり、これぞヴェルディって感じの迫力十分の管弦楽・合唱でした。

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ラ・ボエームはやっぱり封印

12月23日はNHKのハイビジョン放送で『まるごとプッチーニ』がほぼ1日放送されました。オペラファンのsaraiとしては、最後の夜9時過ぎからの『ラ・ボエーム』が大注目でした。というのも、今、一番人気のソプラノのアンナ・ネトレプコがミミを歌うからです。
来年のウィーン旅行では、彼女の出演する『椿姫』のチケット予約を申し込み済です。saraiも大のネトレプコのファンです。
ところで、『ラ・ボエーム』といえば、saraiの一番好きなオペラで、最初に買ったレーザーディスクもこのオペラ。で、そのレーザーディスクでミミを歌っていたのが最愛のミレッラ・フレーニ。彼女の住む北イタリアのモデナで途中下車したのは当ブログでもご紹介しましたね。
1992年のウィーン旅行では、シュターツオーパーでフレーニがミミを歌う『ラ・ボエーム』を初体験。第一幕でフレーニが左手の方から最初に出てくるところでsaraiはジーンと感激してしまいました。まだ、一声も発する前ですよ。ウィーンの観客もファンが多いらしく、sarai同様、姿を見ただけで大拍手!ずい分、オペラを見ましたが、登場するだけで拍手が出たのは、このときだけです。このときの感銘が今でも忘れられません。そして、実演、ビデオ、CDなどで、何回、フレーニのミミを聴いたか分りませんが、そのたびに感動するsaraiです。特に第一幕の愛の2重唱は聴くだびに身震いし、涙が出そうになります。
そういうわけで、saraiの中では、『ラ・ボエーム』はフレーニ以外は聴かないぞと勝手に封印していました。
その封印を破ったのが、ネトレプコだったんです。
23日の日は録画しながら、第一幕まで見てました。愛の2重唱はよかったんですが、ネトレプコは清純可憐なミミ役には向いていませんでした。
結局、一生、saraiにとって、『ラ・ボエーム』の封印は続くことになりそうです。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

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