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さすがにバレエの殿堂:バレエ《ラ・フィーユ・マル・ガルデ》@パリ・オペラ座(ガルニエ) 2015.7.8

さすがにパリ・オペラ座のバレエです。実に完成度の高い舞台を見せてくれました。まさにバレエの殿堂にふさわしいものです。とは言え、このバレエ《ラ・フィーユ・マル・ガルデ》自体はフランス生まれのバレエですが、このバレエ振付はフレデリック・アシュトンが英国ロイヤル・バレエで1960年に行ったものをそっくり、そのまま、2007年にパリ・オペラ座に持ってきたものです。そういう意味では、ロイヤル・バレエが作り上げたバレエをパリ・オペラ座のバレエ・ダンサーたちが演じているもので、両者を融合したバレエと言えます。舞台装置も含めて、ロイヤル・バレエと全く同じものです。舞台で踊っているダンサーの後ろにいるダンサーたちの小芝居の仕草までロイヤル・バレエを思わせるものです。

主役のリーズを踊ったレティツィア・ガロニの小気味よい踊りが光りました。驚くことに彼女はまだコリフェ(パリ・オペラ座のランクではエトワール、プルミエール・ダンスーズ、スジェに続く4番目のランク)なんですね。エトワールが踊る役柄に抜擢されたのですから、余程、将来を嘱望されているんでしょう。試されていると言ってもいいのかもしれません。まだ、23歳くらいのようです。第3幕でのタンバリンの踊りの見事さには、目を奪われました。試験としては合格かも知れませんが、年末の昇格試験をパスしないと上には上がれないそうです。頑張ってほしいですね。
コーラスを踊ったマチアス・エイマンはエトワール。見事な踊りに客席が沸きました。日本公演ではバジルを踊った人ですね。

パリ・オペラ座で見るバレエの楽しさは格別でした。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:Philip Ellis
  振付:フレデリック・アシュトンFREDERICK ASHTON
  管弦楽:パリ・オペラ座管弦楽団

  バレエ《ラ・フィーユ・マル・ガルデ》LA FILLE MAL GARDÉE 音楽:フェルディナン・エロール 編曲:ジョン・ランチベリー

  リーズ:レティツィア・ガロニLetizia Galloni
  コーラス:マチアス・エイマンMathias Heymann
  未亡人シモーヌ:Yann Saïz


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ミンコフスキによる素晴らしきグルックのオペラ《アルチェステ》@パリ・オペラ座(ガルニエ) 2015.7.7

何と言っても、ミンコフスキ指揮のグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊のしっかりした低音部をベースにした繊細かつ華麗なアンサンブルの美しさに音楽を聴く喜びを触発され尽くしました。グルックの音楽、オペラがこんなに美しいものだとは思ってもみませんでした。特にひそやかな抒情を歌う場面での音楽ときたら、うっとりするのみです。ミンコフスキがオーケストラの響きを極限まで抑え、タイトルロールのアルチェスト役のヴェロニク・ゲンスが抒情の限りを尽くして歌うシーンでの感動といったら、オペラ好きのかたならば、状況をお察しくださると思います。オーケストラだけが美しい音楽を奏でるところも素晴らしさの限りです。
コリフェ4人(合唱隊の先導役)の素晴らしい歌唱も見事でした。特に若いソプラノの見事な歌唱にはほれぼれ。合唱も素晴らしく、合唱とコリフェが交互に歌うシーンは舞台上の位置をよく考えてあり、素晴らしい効果を生んでいました。
演出は白墨で黒板にリアルタイムに絵を描いていくのが骨子になっていました。演奏開始前からのそういう演技と言い、最近の流行のようですね。まあ、これは可もなし不可もなしと言う感じです。おっと驚いたのが幕間休憩後の第3幕で、それまでピットにいたオーケストラが舞台に上がり、舞台の前面と一番奥、そして、ピット内で歌手たちが演技・歌唱したことです。視覚面では効果がありましたが、これって、演奏会形式のオペラみたいだし、その上、ピットの分、音楽が後ろに引いてしまったみたいで、音楽面では確実にマイナスになっていました。特にそれまで美しく響いていたオーケストラの音が遠くなり、今回の公演で一番素晴らしかったオーケストラの良さを減じてしまった格好です。saraiの個人的な思いでは、演出はあくまでも音楽を美しく聴かせることを最優先にすべきだと感じていますが、残念ながら、最近はしばしば、音楽を軽んじた結果になる演出も見受けられます。今回は音楽が素晴らしかっただけにもったいないことだったと思います。演出のオリヴィエ・ピィはアヴィニョン演劇祭のディレクターをしていた人だそうです。

ところでこのグルックのオペラは最初、イタリア語版で作られて、ウィーンで初演されたものです。グルックの有名なオペラ《オルフェオとエウリディーチェ》と同様にフランスで再演するにあたって、フランス語版に書き変えて、フランス好みに音楽の追加・変更を行い、パリ版としたものが今日公演されたものです。グルックはドイツに生まれ、オーストリアで活躍し、その後、音楽教師として仕えていたマリー・アントワネットに従って、フランスに渡りました。生涯でドイツ語のオペラを一つも作らず仕舞でした。そんな時代だったのでしょう。まるでイタリアの作曲家かフランスの作曲家と誤認してしまいそうですが、最後はウィーンで亡くなったれっきとしたドイツ・オーストリア系の作曲家です。しかし、今日のオペラを聴いていると、いい意味でフランスのバロックの音楽家と思えてしまいます。このオペラはウィーンでは今でもウィーン版(イタリア語版)で上演されているんでしょうか。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:マルク・ミンコフスキMarc Minkowsk
  演出:オリヴィエ・ピィOlivier Py
  管弦楽・合唱:グルノーブル・ルーヴル宮音楽隊Chorus and Orchestra of Les musiciens du Louvre Grenoble.

  グルック:オペラ《アルチェステ》(パリ版:フランス語版)初演1776年4月23日、パリ/Paris,王立音楽アカデミー/Opera national de Paris(パリ・オペラ座)

  アルセスト/Alcesteテッサリア地方ペライの王女(S)
    ヴェロニク・ゲンスVéronique Gens
  アドメート/Admeteテッサリア地方ペライの王(T)
    スタニスラス・ド・バルベイラクStanislas de Barbeyrac
  祭司長/High Priest アポロ神殿の祭司長(Br)、エルキュール/Herculesギリシャの英雄ヘラクレス、アドメート王の友人(Br)
    ステファーヌ・デグーStéphane Degout
  エヴァンドロ/Evandreアドメート王の信頼篤き廷臣(T)、コリフェcoryphée alto
    Manuel Nuñez Camelino
  コリフェCoryphée soprano
    Chiara Skerath
  アボローン/Apollonアポロの神(Br)、伝令官/Herald アドメート王の廷臣(B)、コリフェCoryphée basse
    Tomislav Lavoie
  コリフェCoryphée ténor
    Kevin Amiel
  託宣者/Oracle神のお告げを伝える者(B)、地獄の神/Thanatos死の神(B)
    François Lis


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音楽も演出も極上:オペラ《フィガロの結婚》@フランダース・オペラ 2015.6.30

ベルギーで音楽を何も聴かないのも何だと、お友達に教えられたゲントのフランダース・オペラ(フラームス・オペラ?)の公演です。今日はブリュッセルのモネ劇場でもラフマニノフのオペラをやっていますが、両方を秤にかけて、指揮者がバロックの名手マクリーシュだということに魅力を感じて、このオペラを選択。結果は大当たり。素晴らしいフィガロが聴けました。

まず、あの有名な序曲が快速で始まり、若干のアンサンブルの乱れがあり、あれっと思いましたが、さほどのことはありません。それよりもピリオド奏法のオーケストラだったことにびっくり。でも、よく考えてみれば、指揮がマクリーシュなので当たり前ですね。一昨年、バーゼルでフィガロを聴いたときもピリオド奏法でした。ヨーロッパのオペラハウスではモーツァルトのオペラもピリオド奏法がおおはやりなんですね。バーゼルのオーケストラは若いメンバーでしたが、このフランダース・オペラはベテラン揃い。オーケストラの演奏はそこそこですが、マクリーシュの職人肌の指揮が見事です。去年、都響を指揮したときと比べて、まさにホームグラウンドでいきいきと目配りの利いた指揮ぶりです。

歌手は全員、よく声が出ていて、よかったんですが、特に演技が素晴らしい。なかでもレシタティーボを歌うときの表情付けが全員、見事です。やり過ぎの感もなくはないのですが、まあ、喜劇仕立てのオペラ(オペラ・ブッファ)ですから、これでいいと思います。スザンナ役のウェステンドルプは若くて綺麗でオーバーアクションが似合っていました。これほどの演技を引き出したのは演出家の功績でしょう。オーソドックスながら、素晴らしい演出でした。舞台装置も温室のような感じの綺麗なものを幕ごとに舞台奥に拡張していくという見事なもの。意外に奥行のある舞台に感心していたら、目の錯覚をうまく利用したものでした。これもバロック風ですね。

歌唱では何といって、伯爵夫人を歌ったユリア・クライターの豊かな声の響きに魅了されました。第3幕のアリアの美しいこと、こんな美しいアリアは聴いたこと、ありません。あのフリットリだって、これほどは歌えませんでしたからね。

終幕の伯爵が夫人に許しを請う素晴らしい音楽。saraiの大好きなシーンですが、マクリーシュはここで長いパウゼを入れ、思い入れたっぷりに伯爵に歌わせます。まさに音楽のピーク。伯爵夫人の優しい許しの歌は感動なしには聴けません。そして、見事なテンポの切り換えで最後の音楽に突入。これぞ、音楽の楽しみの極みです。高揚感たっぷりにフィナーレ。圧巻のフィガロでした。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:ポール・マクリーシュPaul McCreesh
  演出:Guy Joosten
  管弦楽:フランダース・オペラ管弦楽団Symfonisch Orkest Opera Vlaanderen

  モーツァルト:オペラ《フィガロの結婚》

  アルマヴィーヴァ伯爵:Levente Molnár
  伯爵夫人:ユリア・クライターJulia Kleiter
  フィガロ:David Bizic
  スザンナ:Julia Westendorp
  ケルビーノ:Renata Pokupić
  バルトロ:Peter Kalman
  マルチェリーナ:Kathleen Wilkinson
  ドン・バジリオ:Adam Smith
  アントニオ:Piet Vansichen
  バルバリーナ:Aylin Sezer


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究極のベルク、そして、美しきエルトマン:オペラ《ルル》@ネーデルランド・オペラ 2015.6.28

2回目のベルクのオペラ《ルル》を聴きました。無理して、スケジュール調整して2度も聴いた甲斐がありました。まあ、お蔭でウィーンからの飛行機のチケットを間違って予約し、その変更に多大な手数料(一人1万5千円)も支払うというおまけもありましたが、それも吹っ飛ぶ会心の演奏でした。

正直言って、ネーデルランド・オペラ(DNO)がこんなに素晴らしいとは思ってもみませんでした。オーケストラピットにロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団がはいったということも大きかったのでしょう。

今日も終幕の素晴らしさに大変な感銘を受けました。第3幕は補筆版ですが、終幕部分はベルク自身のフルスコアが残されていたので、真正なベルクの音楽です。エルトマンのルル、ロイターの切り裂きジャック、ラルモアのゲシュヴィッツ伯爵令嬢の迫真の歌と演技、そして、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の鮮烈な響きによって、衝撃的なベルクの音楽が見事に生き返りました。3幕補筆版がブーレーズ指揮でパリ・オペラ座で初演されてから50年近く経ちますが、真打ちとも言っていい演奏が登場しました。

今日の公演は今シーズンの最終公演。プレミエが6月1日で、計8回の公演があり、saraiは最後の2回を聴いたことになります。今後はこのケントリッジ演出がメトロポリタン・オペラでも公演されるでしょうが、演出が素晴らしいのではなく、今回のキャスト(特にエルトマン)とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏という音楽自体が素晴らしかったんです。お友達の話では、今回の公演は既にオランダ放送協会が録画収録済だそうです。早く、DVD(BD)の発売が望まれます。

今日は第1幕から、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の素晴らしい響きと歌手陣の絡まりあいが素晴らしく、見事なバランスの演奏。特にコンサートマスターのヴァイオリン独奏とエルトマンのぴたっと合ったアンサンブルは驚異的でした。ベルクの複雑な音列を2人の演奏者が離れた場所であんなにしっかりと合わせるとは神業としか思えません。エルトマンはしっかりと声が出ていて、特にスーパー高音での歌唱はパーフェクト。DVDで聴いたベルリン国立歌劇場の公演での歌唱を凌駕していました。メトロポリタン・オペラも彼女をルルに起用すればいいのにね・・・。

聴きどころ満載で何を書いたらよいか分かりませんが、第1幕第2場のシェーン博士が画家ワルターを精神的に追い詰めていくシーンの高揚感、そうそう、その前のルルとシゴルヒの絡まりあいも素晴らしいです。第1幕第3場のルルがシェーン博士を翻弄していくシーンのマゾ的な迫力は凄まじく、第1幕のフィナーレはルルに喝采を送りたいほど会心の歌唱です。
第2幕第1場のルルがシェーン博士を撃ち殺すまでの高まり、第2幕第2場でルルが脱走に成功した後、アルヴァを籠絡するシーンのリアルな歌唱は忘れられないシーンです。
もちろん、場の転換でのオーケストラの間奏はどれも最高の演奏をロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が聴かせてくれて、ベルクのオーケストラ曲の最高の魅力を感じさせてくれました。厚みがあって、切れ味も鋭い弦楽パート、名人芸の木管、同じく金管にはうっとりするばかり。短いパッセージですが、サックスを吹くおばさんの乗りに乗った演奏も見事。指揮のローター・ツァグロセクも素晴らしい指揮でした。当初予定されていたファビオ・ルイージよりもよかったかも。指揮者のすぐ後ろのかぶりつきで見ていたので、指揮者の的確な棒がよく分かりました。

衝撃的な幕切れ・・・圧倒されて、息もできないほどです。これがベルクの最高傑作の真の姿なんですね。いつまでも前衛として、その新鮮な魅力は消えることはなさそうです。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:ローター・ツァグロセクLothar Zagrosek
  演出:ウィリアム・ケントリッジWilliam Kentridge
  管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

  ベルク:オペラ《ルル》

  ルル:モイツァ・エルトマンMojca Erdmann
  ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:ジェニファー・ラルモアJennifer Larmore
  衣装係/ギムナジウムの学生:レベッカ・ジョー・ローブRebecca Jo Loeb
  ワルター(画家)/黒人:ウィリアム・バーデンWilliam Burden
  シェーン博士/切り裂きジャック:ヨハン・ロイターJohan Reuter
  アルヴァ:ダニエル・ブレンナDaniel Brenna
  力業師:ヴェルナー・ファン・メッヘレンWerner Van Mechelen
  シゴルヒ:フランツ・グルンドヘーバーFranz Grundheber
  公爵/使用人:Gerhard Siegel
  劇場支配人/銀行家:Julian Close
  ゴル博士(医事顧問)/教授:Aus Greidanus

終演後、エルトマンとラルモアのサイン会がありました。saraiはもちろん、参加。日本ではありえないことですが、閑散としたサイン会。エルトマンのサインもいただき、2ショットで写真も撮らせてもらいました。お話では秋に鈴木さんと日本で公演しますということで、はてな? よく聴くと、バッハ・コレギウム・ジャパンの鈴木雅明さんのことでした。チケットがまだあれば、行かなくっちゃね。


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ユトレヒト室内音楽祭 ハイドン:十字架上のキリストの7つの最後の言葉@ユトレヒト・ゲールテ教会 2015.6.27

今日はユトレヒト室内音楽祭でダブルのコンサート。これは2回目。1回目は別稿でアップ済です。

午後5時からのコンサート。これも自由席なので、今度こそ早めに行き、色々ありましたが、かぶりつきの席をゲット。
朝と同じく、黒いドレスに身を包んだジャニーヌ・ヤンセンが仲間とともに優雅に登場。

今度も教会ですが、先ほどのドム教会と違って、建物内部が小さくて、室内楽のホールみたいな感じ。残響もなく、クリアーな音色です。ヤンセン率いる弦楽四重奏団は手堅い演奏ですが、贅沢を言うと伸びやかさがもうひとつに感じます。重唱の4人は美しいアンサンブルです。個別に活躍するところがないので、誰がどうだと言えませんが、リーダー格のバリトンのペーター・コーイの渋い声が全体を引き締めている感じ。
第2ソナタはもっと美しく歌わせてほしいところですが、第3ソナタあたりは満足する出来栄えです。第4ソナタにはいると、ぐっと演奏の質が上がって、うっとりです。ヤンセンのヴァイオリンの突っ込みも素晴らしいです。最後の地震はヤンセンがばりばりと弾きまくり、抜群の迫力。
最後よければ、すべてよしって感じの終わり方でした。

弦楽四重奏と重唱という珍しい構成の演奏を聴けて、なかなかの収穫でした。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセンJanine Jansen
  ヴァイオリン:Gregory Ahss
  ヴィオラ:Nimrod Guez
  チェロ:Nicolas Altstaedt
  ソプラノ:Sibylla Rubens(代役に変更、変更後の氏名不詳)
  メゾ・ソプラノ:Margot Oitzinger
  テノール:ヤン・コボウJan Kobow
  バリトン:ペーター・コーイPeter Kooij

  ハイドン:十字架上のキリストの7つの最後の言葉(弦楽四重奏と重唱)



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ユトレヒト室内音楽祭 バロック・コンサート@ユトレヒト・ドム教会 2015.6.27

今日はユトレヒト室内音楽祭でダブルのコンサート。これは1回目。2回目は別稿でアップします。

朝10時半からのコンサート。ユトレヒトのドム教会前は既に長蛇の行列になっていました。自由席なので、遅れをとってはいけなかったのですが、仕方ありません。それでもそんなに後ろでもない席に座れて、一安心。
早速、黒いドレスに身を包んだスタイル抜群のジャニーヌ・ヤンセンが仲間を引き連れて、登場。初めて、生で拝見しますが、美人ですね。

最初のBWV.1027の演奏が始まりますが、教会の長い残響で各楽器の音がクリアーに聴き取れません。音楽自体はバッハらしい響きです。バッハの時代にも教会での演奏はこんな具合に弦楽器もオルガンみたいに残響つきのもやもやで聴かれていたのでしょう。だんだん慣れてくると、ヤンセンのヴァイオリンの響きも聴き取れます。彼女らしい、艶があって、エネルギー感に満ちた演奏です。

2曲目のBWV.528はヤンセンは登場せず、オーボエとオルガンの演奏。ハインツ・ホリガーのCDで予習したのと同じ雰囲気ですが、やはり、残響で鮮明な響きにはなりません。

3曲目のBWV.529は原曲が有名なこともあり、一番楽しめた演奏です。残響は気になりますが、バッハの活き活きとした音楽が教会の中に響きます。もっとも外からドム教会の鐘楼のカリオンの音がかすかに聴こえてくるのには参ります。今日は土曜日なので、カリオンの演奏をしているのでしょうが、教会内でヤンセンがヴァイオリンを弾いていることは知らないのでしょうか。

正直、もっとクリアーな響きで聴きたかったところですが、まあ、ユトレヒトのドム教会でジャニーヌ・ヤンセンのヴァイオリンを聴けたというのは貴重な体験になりました。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセンJanine Jansen
  ヴィオラ:Nimrod Guez
  チェロ:Nicolas Altstaedt
  チェロ:Daniel Blendulf
  オーボエ:Ramón Ortega Quero
  オルガン:Jan Jansen

  バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番 BWV.1027(ヴァイオリン、2台のチェロ、オルガンの編曲版)
  バッハ:トリオ・ソナタ第4番ホ短調 BWV.528(原曲はオルガン曲、オーボエとオルガンの編曲版)
  バッハ:トリオ・ソナタ第5番ハ長調 BWV.529(原曲はオルガン曲、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、オルガンの編曲版)


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身震いする凄絶さ・・・最高のアンサンブル:オペラ《ルル》@ネーデルランド・オペラ 2015.6.25

いやはや、凄いオペラでした。正直、ウィーンからの移動とお昼のアムステルダム国立美術館で体力を使い切ったことで、長丁場のオペラは疲れましたが、終幕部分で切り裂きジャックとルルの高揚した掛け合い、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の凄まじい演奏、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢のぎりぎりの歌唱にとてつもなく感動してしまいました。あー、凄かった!!

第1幕ののっけから、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の素晴らしい響きに心を奪われます。歌手陣もよく歌っていましたが、オーケストラのあまりの素晴らしさにそちらに耳が奪われます。歌とお芝居付きの交響詩といった風情です。ベルクが人生の最後の到達した素晴らしい音楽を満喫します。ウィーンはマーラーだけでなく、ノントナールでとても美しい音楽を作り上げたベルクもいました。後期ロマン派のマーラー、R・シュトラウスも素晴らしいですが、ベルクの存在は格別です。今の時代になっても、響きが新鮮に感じます。演出はメトロポリタン・オペラと共同制作ということで、美しい舞台を期待しましたが、ドイツ表現主義を思わせる、少し、えげつない美術です。ドイツのベルリンやミュンヘンのような訳の分からない演出ではありませんので、可もなし、不可もなしっというところです。背景がプロジェクションマッピング仕立てのところが新規な感じではありました。動きが激しいのでがちゃがちゃした感じなので、それを避けて、オーケストラと歌手の音楽に集中できます。

第2幕はオーケストラと歌手のバランスも素晴らしく、見事なアンサンブルに聴き惚れます。あまり、オペラの筋も気にならなくなり、音楽そのものに集中できます。R・シュトラウスの素晴らしいオペラを聴くときと同様の感じです。なんて素晴らしい音楽なんでしょう。ウィーンでも滅多に聴けない素晴らしい演奏です。

第3幕はベルクがアルマの娘マノンの若過ぎる死を悼んで、《ルル》の作曲を中断して、遺作のヴァイオリン協奏曲を作曲し、その直後、ベルクも死に至ってしまったため、残念ながら、未完に終わってしまいました。しかしながら、ベルクの簡略版とフルスコアの4分の1ほどは残されていたため、チェルハによって、補筆完成されました。そのためにやはり、これまでにDVDなどで聴くと、何か違和感がありましたが、今日の演奏は完璧にベルクの作品そのもの。第2幕からのオーケストラと歌手陣のアンサンブルが素晴らしく、前述したように終幕部分での盛り上がりは尋常ならざるものでした。なお、終幕部分はベルク自身が《ルル》組曲として、オーケストラの完成スコアが残していたので、まあ、本物のベルク真作なのですね。

音楽的にこんな凄い《ルル》は予習したDVDでは聴けないものでした。DVD化が望まれます。メトロポリタン・オペラでは同じ演出のものがライブ録画・放送されるでしょうが、オーケストラもキャストも異なるので、このレベルの演奏は難しそうです。

歌手の出来栄えですが、ルルを歌ったモイツァ・エルトマンはベルリン国立歌劇場で歌ったときよりも力の抜けた柔らかい歌唱で小悪魔的な魅力が全開。超高音の見事な歌唱も素晴らしく、期待通り。ゲシュヴィッツ伯爵令嬢を歌ったジェニファー・ラルモアは終幕で「ドイツに帰って、大学に入り、女性の権利について学ぼう」という歌がなんとも素晴らしかった。切り裂きジャックを歌ったヨハン・ロイターも終幕の迫力が凄くて、圧倒的な歌唱。シゴルヒを歌ったフランツ・グルンドヘーバーの存在感と声の響きの素晴らしさ、この人はベルクのオペラには欠かせませんね。残りの歌手陣も十分に聴かせてくれました。

なお、予習したDVDは以下です。

   パリ・オペラ座 ブーレーズ指揮、シェロー演出、ストラータス 1979年
   グラインドボーン音楽祭 アンドリュー・デイヴィス指揮ロンドン・フィル、ヴィック演出、シェーファー 1996年
   ザルツブルク音楽祭 アルブレヒト指揮ウィーン・フィル、ネミロヴァ演出、プティボン 2010年
   ベルリン国立歌劇場(シラー劇場) バレンボイム指揮、ブレート演出、エルトマン 2012年

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:Lothar Zagrosek
  演出:ウィリアム・ケントリッジWilliam Kentridge
  管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

  ベルク:オペラ《ルル》

  ルル:モイツァ・エルトマンMojca Erdmann
  ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:ジェニファー・ラルモアJennifer Larmore
  衣装係/ギムナジウムの学生:Rebecca Jo Loeb
  ワルター(画家)/黒人:William Burden
  シェーン博士/切り裂きジャック:ヨハン・ロイターJohan Reuter
  アルヴァ:Daniel Brenna
  力業師:Werner Van Mechelen
  シゴルヒ:フランツ・グルンドヘーバーFranz Grundheber
  公爵/使用人:Gerhard Siegel
  劇場支配人/銀行家:Julian Close
  ゴル博士(医事顧問)/教授:Aus Greidanus

もう1回聴く公演が楽しみです。これは今シーズン最後の公演になります。


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ゴージャスで見応え十分:オペレッタ《伯爵夫人マリッツァ》@ウィーン・フォルクスオーパー 2015.6.24

今日はウィーンで最後の音楽を聴きます。フォルクスオーパーでオペレッタの名作、カールマンの《伯爵夫人マリッツァ》です。

途中、1回の休憩を含んで、3時間ほどの長い公演。オペレッタらしく、歌あり、踊りあり、お芝居あり、なんでもありのぎっしりした内容。舞台装置も美しく、回り舞台を使ったきびきびした進行で無駄は何もなしという立派な公演です。

オーケストラもしっかりした演奏で、歌手陣も歌はもちろん、演技もしっかりしていて、よく練れています。
マリッツァを歌ったケスラーは初めて聴きましたが、容姿もよく、肝心の声も高音がよく出ていて、よい出来でした。欲を言えば、もう少し、伯爵夫人らしい気品が感じられればと思いましたが、それは望みすぎかもしれません。《チャルダッシュの女王》ならば、文句なしでしたね。
タシロ伯爵を歌ったプロハスカは雰囲気は最高で歌も及第点。
大御所シュライプマイヤーは場を引き締めていましたが、さすがの彼もかなり声が出なくなりましたね。
男爵コロマン・ジュパンを歌ったエダーは見事な踊りと演技でした。
三幕目で登場したのがパポウシェックとフォルクスオーパー総裁のロベルト・マイヤー。この2人の名演技にホール中が盛り上がりました。saraiはドイツ語が分からないのが残念です。特にマイヤーが出るとは思っていなかったのでびっくり。この人の存在感は特別です。日本で言えば、人間国宝みたいなものですね。

見たい、見たいと思いながら、これまで日程が合わず、なかなか見られなかった《伯爵夫人マリッツァ》は期待以上の公演でした。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:Johannes Pell
  演出:Thomas Enzinger
  管弦楽:ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団

  カールマン:オペレッタ《伯爵夫人マリッツァ》

  Gräfin Mariza:Astrid Kessler
  Fürst Populescu:Kurt Schreibmayer
  Baron Koloman Zsupan:Boris Eder
  Graf Tassilo Endrödy-Wittemburg:Daniel Prohaska
  Lisa, seine Schwester:Johanna Arrouas
  Karl Stephan Liebenberg:Nicolaus Hagg
  Fürstin Bozena Cuddenstein zu Chlumetz:Helga Papouschek
  Penizek, ihr Kammerdiener:Robert Meyer
  Tschekko, Diener Marizas:Michael Gempart
  Manja, Zigeunerin:Annely Peebo
  Primas:Gregory Rogers
  Ein Mädchen:Paloma Siblik

明日はアムステルダムに場所を変えて、ベルクの未完成の最後の名作、《ルル》を聴きます。オーケストラはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団ですから、またまた、贅沢なサウンドを聴けそうです。


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入魂のマーラー3番にただただ感涙:ヤンソンス+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2015.6.23

今日の演奏を聴くまではマーラーの何たるかのひとかけらも分かっていなかった自分を感じます。マーラーの素晴らしさ、本当の凄さの本質を知ることのできた凄絶な演奏でした。

ヤンソンス指揮ウィーン・フィルのマーラーの交響曲第3番を聴くのも一昨日に続いて、今日で3回目。毎回、ウィーン楽友協会の違う位置で聴いていますが、今日はかぶりつきの中央。指揮者の足元で聴く感じです。指揮者目線ならぬ、指揮者聴覚で聴く感じです。マーラーが楽譜にオーケストラの細部にわたる指示を書き込んでいることは知識としては分かっていましたが、こういう場所でウィーン・フィルの演奏を聴くと、まざまざとその意味合いが体感できます。特に弦楽器セクションを細分化して、複雑な構成で演奏することによる音楽表現の素晴らしさは初めて体感できました。まさにこうであらねばならぬという音楽表現になっています。ここまで精密な楽譜を仕上げることのできたマーラーの音楽への没入は大変なものだったのでしょう。天才作曲家が全身全霊を傾けることによってのみ、可能になった奇跡とも思えます。それにしても、このマーラーの完璧な音楽表現を実際の音にすることのできるウィーン・フィルの最高の技術と音楽への奉仕はかくも素晴らしいものとは・・・絶句するような演奏です。絵画の世界では、素晴らしい画家の細密画はどこまで近づいて見ても、その細密表現は底知れぬものがあります。音楽の世界でも、そういうものがありうるとは・・・奇跡のようなウィーン・フィルの精密さです。指揮者とほぼ同じ位置で聴いても、まったく破綻のない完璧な合奏力に驚嘆するのみです。100人を超える大オーケストラがまるで一つの有機体のように機能しています。それは単に音響に留まるものではありません。間近で聴くと、ひたひたと演奏者たちの気魄が伝わってきます。音楽は人の作るもの。単なる音ではなく、人間の意思の力でもあります。100人を超える人間の強い意思や気魄が聴く者をインスパイアします。

この交響曲第3番は若きマーラーのひとつの到達点であったことを実感しました。この高みから別の高みへは交響曲第9番や《大地の歌》への長い道のりを待つことになります。
交響曲第3番は自然との調和、そして、第9番へはアルマへの永遠の愛と死の恐れ・甘い誘惑がテーマになります。
自然との調和というテーマはベートーヴェンの田園を頂点とする古典音楽とは意味合いを異にします。ザルツカンマーグートのアッター湖畔のシュタインバッハの自然をマーラーという受容体がいったん受け止めて、フィルターを通して、楽譜に射影する。これは自然をマーラーがメタファーする行為になります。単なる自然の描写ではなく、あくまでもマーラーという人間がその内なる感性で描きなおした自然です。誤解を恐れずに、別の言い方をすると、自然と人間の一体化です。この自然との融合というテーマで、マーラーはこの作品で頂点を極めたと思います。それが如実に感じられた演奏でした。

第1楽章は多彩な表現で、あらゆる自然の形態を描き出します。そこにはマーラーの主観がはいるので、一見、自然とはかけ離れて見える音楽表現もありますが、前述したように、これはすべて、マーラーの内なる自然です。我々はマーラーの感覚を通して、シュタインバッハの自然を堪能できます。ウィーン・フィルの演奏がそれを完璧に描き出します。微細な演奏から、強烈な響きまで、実に自在な演奏が繰り広げられます。指揮のヤンソンスは無理なく、それを誘導する導師の役割を果たします。saraiはこのシュタインバッハの自然の素晴らしさにとてつもない感動を味わい、涙がこぼれ落ちます。

第2楽章はシュタインバッハの美しい自然が描かれます。ウィーン・フィルの演奏はますます素晴らしいです。

第3楽章は第2楽章と同様に美しい自然が描かれますが、そこには人間の営みも感じられます。バンダとして演奏されるポストホルンが自然と人間の共生を象徴しています。ポストホルンの音量のバランスが絶妙。楽章最後の盛り上がりの素晴らしさにまた感動。

第4楽章はメゾソプラノのフィンクの絶唱に大変な感動を味わいました。すぐ目の前で歌っているので、フィンク自身の感動が伝わってきます。ボリューム感のある声の響きも素晴らしいですが、マーラーの音楽への傾倒が分かります。彼女とマーラーの音楽の素晴らしさを共感して、ここでも涙が頬を伝います。

第5楽章は合唱(女声、児童)が素晴らしく響きますが、フィンクの歌唱が圧倒的です。フィンクは素晴らしいマーラー歌いです。

第6楽章は第5楽章から切れ目なく演奏されます。弦の微細な表現が間近に聴き取れ、いつの間にか、感涙している自分に気が付きます。コンサートマスターのホーネックの主導する美しい歌にウィーン・フィル全体が呼応します。何と素晴らしい音楽でしょう。これも西欧文化のひとつの到達点なのですね。次第に音楽は頂点をめざし、長大なコーダで自然と一体化を果たします。圧倒的な感動で人格崩壊してしまいます。

フィナーレの後、しばし静寂が流れ、そして盛大な拍手と喝采。saraiはしばらく拍手もできませんでした。ヤンソンス、ウィーン・フィル、フィンクはなんというマーラーの演奏を成し遂げたのでしょう。まさに空前絶後のマーラーでした。

今日のプログラムとキャストは3回とも同様ですが、以下です。

  指揮:マリス・ヤンソンス
  メゾソプラノ:ベルナルダ・フィンク
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団(女声合唱)
     ウィーン少年合唱団
  管弦楽:ウィーン・フィル

  マーラー:交響曲第3番ニ短調

つたない感想でしたが、この素晴らしいマーラーの一端でもお伝えできたでしょうか。このマーラーを目指して、この旅を準備してきたことが想像と期待以上に報われました。今秋のハイティンク指揮ロンドン交響楽団の来日公演でマーラーの交響曲第4番を聴きますが、自然をテーマにしたマーラーの音楽表現で新たな感興が味わえるのでしょうか。


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いろんな思いが交錯:オペラ《カルディヤック》@ウィーン国立歌劇場 2015.6.22

今日からは昨日までのダブルのコンサートとオペラは終了し、素直にオペラ1回だけです。

今日のオペラは手放しで絶賛するわけにはいきません。とは言え、演出も音楽も実に意欲的ではあったんです。ですが、いい意味でもう少し、力を抜いて上演してほしかったというのがsaraiの本音です。きっと、この公演は賛否両論あるのではないかと思います。実はこの公演を聴くために予習したDVDがあります。

 パリ・オペラ座公演
 指揮:ケント・ナガノ
 演出:エンゲル
 カルディヤック:ヘルド
 娘:デノケ
 将校:ヴェントリス
 貴婦人:ミヌティッロ

これが素晴らしい出来なんです。何といっても、ヒンデミットの音楽の美しさに心を奪われます。そうです。このオペラは20世紀のドイツ現代音楽を牽引した作曲家ヒンデミットの作品なんです。ヒンデミットと言えば、ユダヤ人でもないのにナチスに退廃芸術の烙印を押されて、スイスへの亡命を余儀なくされた作曲家です。ヒットラーに嫌われるほど、当時の前衛音楽を固守した人です。パリ・オペラ座の公演はそういう過去を捨て去り、古典作品のひとつとして、音楽の純粋な美しさを引き出した素晴らしいものです。演出もパリが舞台ということで実にお洒落。新古典風の音楽を前面に出したファンタスティックな内容にヒンデミットの音楽の素晴らしさを教えられました。

で、今日の公演ですが、18世紀のオペラ風の表現をベースに表現主義的とも思える演出です。舞台はパリですが、どう見ても第一次世界大戦後のベルリンをイメージさせられます。実際、このオペラはパリを舞台としているもののヒットラーが台頭してきたベルリンの状況を描いたと言われているので、おかしな演出ではありませんが、表現主義的と言い、ベルリンを想起させることと言い、あまりに教条主義的な演出に辟易してしまいました。パリ・オペラ座の自由な演出に1票というのがsaraiの意見です。これでは、ヒンデミットの素晴らしさが現代に蘇りようがありません。まあ、このヒンデミットの作品も幅の広い表現が可能なんだなと思えば、今日のような公演もありなのかも・・・。

音楽も演出に引きずられたのか、表現主義的な演奏。ヒンデミットの音楽はそんなものだと言われれば、それは仕方がありませんが、もはや、古典としての演奏であっていいのではないかというのがsaraiの意見です。

それでも、娘役のデノケは期待通りの素晴らしい歌唱。第2幕のカルディヤックと一緒に歌う場面の美しさには心を打たれました。それまでの新古典風の音楽が一変して、無調的な音楽に転じ、まるでベルクの音楽を聴いているような風情です。もっとも、ヒンデミットはシェーンベルクの12音技法に批判的でしたので、これは調性の拡大なんでしょうが、素人のsaraiが聴けば、立派なノントナールの音楽にしか聴こえません。ともあれ、デノケの歌唱と実質ウィーン・フィルのオーケストラが奏でる音楽の美しさにはうっとりとしてしまいます。また、第3幕の終幕でのデノケと将校役のリッパートが繰り返しの無限旋律のように歌う音楽の美しさは彼岸の輝きがありました。実質ウィーン・フィルの室内オーケストラ編成の弦の美しさもその輝きに一役かっていました。そうそう、今日のコンサートマスターだったのはシュトイデ。彼の独奏も見事でした。

バロック以前の音楽を基盤に新しい音楽を作り出したヒンデミットの前衛性はヒットラーにとっては許しがたいものだったのでしょうが、その時代の《退廃芸術》の多くの芸術作品と同様に現代ではもう古典の芸術です。今となっては、これが何故、理解しがたい《退廃芸術》だったのか、ヒットラーに問い質したいものです。ヒンデミットの作品群が再評価されることを願い、saraiも積極的にヒンデミットを聴いていきたいと思います。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:Michael Boder
  演出:Sven-Eric Bechtolf
  合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  パウル・ヒンデミット:オペラ《カルディヤック》

  カルディヤック:Tomasz Konieczny
  娘:アンゲラ・デノケ
  将校:Herbert Lippert
  貴婦人:Olga Bezsmertna
  騎士:Matthias Klink
  金商人:Wolfgang Bankl

明日は3回目のヤンソンス指揮ウィーン・フィルのマーラーを聴きます。ウィーンの楽しみは尽きません。


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       デノケ,  

現代のオペラの旗手アデス:オペラ《テンペスト》@ウィーン国立歌劇場 2015.6.21

今日もダブルのコンサートとオペラ。これは2回目のオペラ。1回目のコンサートは別稿でアップ済です。

表題の《現代のオペラの旗手アデス》は、正確には、トーマス・アデスは現代のオペラの旗手たりうるかと言い換えたほうがいいかもしれません。saraiの個人的な感想はyesです。これまでの西欧文化、オペラの伝統を継承して、かつ、それを新しい音楽基盤の上に打ち立てていると感じました。新しさだけでは駄目、だからと言って、伝統に縛られ過ぎていても駄目というのがオペラの辿ってきた道です。R・シュトラウスのオペラが典型的です。トーマス・アデスはR・シュトラウスの再来になってほしいものです。オペラ文化の継承性に基づく新しさの構築が理想です。

このオペラ《テンペスト》はシェークスピアの最後の戯曲作品に基づいています。ほぼ、原作に忠実ですが、最後のシーンが大きく異なります。これはオペラだから、お芝居のような終わり方は難しいからでしょう。

今回の演出はメトロポリタン・オペラとの共同制作で、演出のロベール・ルパージュはシルク・ド・ソレーユを手掛ける人。日本国内ではWOWOWでメトロポリタン・オペラ公演の模様が放送されたので、ご覧になった人も少なくないでしょう。今回のウィーン国立歌劇場の公演もほぼ同じ内容ですが、舞台の違いで若干の相違はあります。指揮者は作曲家アデス自身というのは、どちらも同じです。キャストはアリエル役のオードリー・ルーナだけが共通しています。聴いたかたはお分かりでしょうが、オードリー・ルーナの超高音(金切声とも?)と柔らかい手足の演技は誰にも真似ができないと思われます。もっとも、主役のプロスペロー役もメトロポリタン・オペラで歌ったサイモン・キーンリサイド以外には歌うのは不可能だと思いましたが、エレードがまるでキーンリサイドが乗り移ったような歌唱と演技をしたのには驚愕しました。

演出はルパージュがメトロポリタン・オペラでニーベルングの指輪4部作を演出したからなのでしょうが、それをパロディった演出になっています。プロスペローが魔力を持った長い槍を持つところはまるで指輪のウォータンみたいです。また、島に住む怪獣キャリバンは地下世界を蠢き、これも指輪のパロディ。冒頭でアリエルがアクロバットのような演技をするのはシルク・ド・ソレーユもどきです。

アデスが書いた音楽はノントナールを基本としていますが、クリアーで分かりやすい音楽です。ここぞというところはこだわりなしに調性のあるメロディアスなものになります。まあ、12音技法の開拓者だったシェーンベルクだって、晩年はそういう音楽を書いていましたから、これも伝統的な現代音楽なのでしょう。

聴きどころは第2幕の終幕のミランダ(プロスペローの娘)とフェルディナンド(ナポリ王子)が恋に落ち、結ばれるシーンの愛のメロディーと第3幕の終盤でのプロスペローが自分を陥れた人たちに許しを与えるシーンの感動的な音楽です。特に許しのシーンはフィガロの結婚の最終シーンの許しの音楽を思い起こさせます。R・シュトラウスがモーツァルト回帰したように、アデスもモーツァルトを音楽の原点にしているのでしょうか。

ファンタスティックな魅力に満ちた素晴らしい音楽と演出のオペラでした。まだまだ、書き足りませんが、ウィーンの夜も更けてきたので、このあたりで幕としましょう。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:トーマス・アデス
  演出:ロベール・ルパージュ
  合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  トーマス・アデス:オペラ《テンペスト》

  プロスペロー:アドリアン・エレード
  アリエル:オードリー・ルーナ
  ミランダ:Stephanie Houtzeel
  トリンキュロー:デイヴィッド・ダニエルズ
  カリバン:Thomas Ebenstein
  フェルディナンド:Pavel Kolgatin
  ナポリ王:Herbert Lippert
  アントーニオ:Jason Bridges
  ステファノ:Dan Paul Dumitrescu
  セバスチャン:David Pershall
  ゴンザーロ:Sorin Coliban

今日は21世紀オペラ作品でしたが、明日は20世紀のオペラ作品、ヒンデミットの《カリディヤック》を聴きます。


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夢の時間はマーラー3番:ヤンソンス+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2015.6.21

今日もダブルのコンサートとオペラ。これは1回目。2回目のオペラは別稿でアップします。

昨日に続いてヤンソンス指揮ウィーン・フィルによるマーラー。そして、演奏会場はウィーン楽友協会。
昨日はパルテッレ(平土間)の中央で聴きましたが、今日はいいチケットが取れずにバルコン・ロジェ(2階席)の一番前方。ということはオーケストラの後ろから見下ろす感じで、しかもオーケストラの3分の1くらいしか見えません。指揮者も立ち上らないと見えません。今日は耳に集中して演奏に臨みましょう。
ところがこの席はオーケストラの音の響きが素晴らしいのです。表現はおかしいですが、超高級オーディオで最優秀録音のCDを聴いている以上の音響です。まあ、ライブ演奏なので、音響がよいのは当たり前ですが、それにしても凄い音響に驚きます。これがウィーン・フィルの楽友協会の本当のサウンドの素晴らしさなのかしら。横っちょなのでまるでステレオ感はありませんが、オーケトラの音が融合されて、別の意味で立体音響で耳を喜ばせてくれます。楽友協会大ホールの響きの本当の素晴らしさを知りました。しかし、逆効果として、音響の良さに意識が向かい過ぎて、音楽の中身自体の鑑賞がおろそかになります。オーディオマニアの陥りやすい主客転倒と同様です。音響の良いことを前提に音楽そのものに集中しないとね。

音楽そのものは昨日の感想と同じですが、より表現が細やかに深化した感じです。第3楽章までは昨日よりも感銘深い演奏です。特に第1楽章の多様性には感服するばかり。ウィーン・フィルとしても、最高の演奏ではないでしょうか。マゼール、ブーレーズあたりも素晴らしかったのですが、これはそれ以上。世評の高いアバードよりはずっと音楽性に優れた演奏です。
第4楽章はメゾソプラノのフィンクの歌声は後姿で聴く感じなので、昨日よりはさすがに響いてきませんが、表現はずっと繊細さを増した感じです。第5楽章はオルガン席に並んだウィーン少年合唱団が間近で歌い、ビム、ボム・・・がよく聴こえること。ウィーン少年合唱団の歌声も満喫しました。下から聴こえてくる女声合唱も綺麗に聴こえ、昨日以上に合唱を楽しみました。第6楽章のコラールの響きはとても素晴らしく、じっと目を閉じたままで(もちろん、居眠りなしで)聴き入りました。大いなる自然と一体化して、その自然に包み込まれていく様が体に沁み渡ってきました。死ぬときに聴きたい音楽はこれか、第9番のアダージョか、迷うところです。自然に包み込まれていく自分を感じたければ、第3番。愛の絶対を信じながら、愛に包み込まれていきたければ、第9番。天(自然)への飛翔感、高揚を味わいたければ、第3番。永遠の愛に沈み込んでいきたければ、第9番。
特別の名曲、マーラーの第9番と比肩できるくらい、第3番の素晴らしさが身に沁みる名演奏でした。

今日のプログラムとキャストは昨日と同様ですが、以下です。

  指揮:マリス・ヤンソンス
  メゾソプラノ:ベルナルダ・フィンク
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団(女声合唱)
     ウィーン少年合唱団
  管弦楽:ウィーン・フィル

  マーラー:交響曲第3番ニ短調

まだ、このプログラムは明後日にも聴きます。何度で聴いても聴き足りないほどの充実した内容の音楽です。


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最高のニールセン:ブロムシュテット+ウィーン交響楽団@ウィーン楽友協会 2015.6.20

今日はダブルのコンサート。これは2回目。1回目は別稿でアップ済です。

今日はお昼のウィーン・フィルのコンサートに続いて、夜はウィーン交響楽団のコンサートを聴きます。我ながら、贅沢ですね。

指揮は巨匠ブロムシュテット。御年87歳のご高齢です。saraiが唱える《指揮者は80歳からが勝負》にあてはまりますね。
弱弱しいお体ながら、熱っぽい指揮ぶりです。
最初のプログラムはベートーヴェンの交響曲第4番。指揮のブロムシュテット、オーケストラのウィーン響ともにお手の物の曲です。軽快でありながら、なかなか熱のこもった演奏。特に両端の楽章の充実ぶりが光りました。ブロムシュテットがノンタクトで振るのに初めて気が付きました。その指揮はこの曲を振るのが楽しくて仕方がないという雰囲気です。思わず、こちらも引き込まれてしまいます。ウィーン響の響きもまろやかで美しいですが、少しアンサンブルに乱れがあるのが気になりました。こういう実力なのでしょうか。先ほど、ウィーン・フィルの強力なアンサンブルを聴いたばかりなので、余計、気になります。アンサンブルはともかく、楽しくて、熱い素晴らしい演奏でした。

休憩後、ニールセンの交響曲第5番です。有名な第4番と並び、ニールセンの代表曲です。これは素晴らしい演奏でした。ブロムシュテットはこのニールセンを得意にしていて、2回も全交響曲を録音しています。2回目のサンフランシスコ交響楽団との演奏は評価の高いものです。しかし、1回目のデンマーク放送交響楽団との熱い演奏とは異なり、とても美しい演奏ながら、熱が足りない感じでした。
今日の演奏はサンフランシスコ交響楽団との演奏を超える美しさで、しかも熱のこもった演奏でブロムシュテットの集大成とも思えるものでした。今日の演奏がライブCDになれば、間違いなく、ニールセンの決定盤のCDになるでしょう。弦のアンサンブルの演奏の静かで美しいことはこの上もないもので、強奏部分の迫力は最高です。ニールセンの魅力全開の圧倒的な演奏でした。ベートーヴェンではアンサンブルの乱れも気になっていたウィーン響も完璧なアンサンブルです。こんなに素晴らしいオーケストラだったでしょうか。邪推すると、ブロムシュテットはニールセンの練習だけに集中し、ベートーヴェンは一発本番だったような気もします。これだけ素晴らしい演奏を聴かされると、それもありかなと思ってしまいます。今更、ベートーヴェンの完璧な演奏よりもニールセンの完璧な演奏のほうが価値がありそうに感じます。ブロムシュテットのニールセンへの偏愛に1票です。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
  管弦楽:ウィーン交響楽団

  ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調Op.60

   《休憩》

  ニールセン:交響曲第5番Op.50


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会心のマーラー3番:ヤンソンス+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2015.6.20

今日はダブルのコンサート。これは1回目。2回目は別稿でアップします。

ウィーン・フィルによるマーラー。そして、演奏会場はウィーン楽友協会とくれば、もう、これ以上はありませんね。そして、マーラーの中でも交響曲第3番はこの組み合わせで聴きたい曲のトップ3には入ります。そして、指揮は以前、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とこの曲の素晴らしい演奏を聴かせてくれたヤンソンスとくれば、演奏に期待するなと言うのが無理になります。そして、やはり、会心の演奏でした。冒頭のホルンの響きが楽友協会大ホールに満ちて、まさに真正のマーラーを思わせます。第1楽章は金管が主導する重々しい行進曲。長大な楽章ですが、マーラーの音楽を堪能できます。ヤンソンスはメリハリの利いた音楽作りでこの曲を手の内に収めていることを感じさせる指揮です。第1楽章が終わっただけで、もう、普通の曲なら全曲を聴き終わったようなものですが、これはまだ序章です。第2楽章、第3楽章はウィーン・フィルならではと感じさせる演奏。木管、弦の素晴らしい響きに聞き惚れるばかりです。ザルツカンマーグートのアッター湖の美しい自然を描き出すのは、このウィーン・フィルのサウンドが最高です。なお、第3楽章で奏されるポストホルンの響きのバランスは絶妙。こうであらねばならぬという感じに思えます。第4楽章はメゾソプラノのフィンクの歌声が朗々と響きます。表現力はまあ普通でしょうか。コンサートマスターのホーネックの独奏ヴァイオリンが美しくフィンクの歌声に絡みます。第5楽章は合唱が主役。オルガン席に並んだウィーン少年合唱団とオーケストラの後ろに並んだ楽友協会女声合唱団が上下2段に重なるのはヴィジュアル的にも美しいですし、素晴らしい歌声です。マーラー自身がこういう演奏をしたのかどうかは知りませんが、決定版にも思える形態です。そして、第5楽章の終了と間をおかずにマーラーが書いた音楽の中でも最高の音楽、第6楽章のコラールが静かに静かに開始されます。もう、耳をそばだてて聴き入るのみです。目は自然と閉じてしまいます。感覚が聴覚のみに集約されます。人間の切なさ、哀愁、愛がこの音楽にこめられていて、ヤンソンスとウィーン・フィルは大事に大事に一音一音を紡ぎだしていきます。音楽を聴きながら、思わず、音楽に合わせて呼吸している自分に気が付きます。人の思いや感覚を曲の中に閉じ込めているからでしょう。音楽は次第に熱を帯び、感動に誘っていきます。終結部は長い感動の頂点です。ヤンソンスは最後の和音を思いっきり、長く引き延ばします。まるで、人生の最終章のようでもあります。永久に終わらせたくない・・・そんな気持ちを感じさせます。ヤンソンスのこの曲への強い思いを見た感じがしましたし、それはsaraiの思いも同じです。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:マリス・ヤンソンス
  メゾソプラノ:ベルナルダ・フィンク
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団(女声合唱)
     ウィーン少年合唱団
  管弦楽:ウィーン・フィル

  マーラー:交響曲第3番ニ短調

まだ、このプログラムは明日、そして、1日置いて、火曜日にも聴きます。何度でも聴きたい音楽です。


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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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