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キャー!突然のキャンセル_ポリーニ・ピアノ・リサイタル@ウィーン楽友協会 2014.6.16

楽友協会に着き、今日のプログラムを買おうとすると、やたら薄い紙を渡されて、お金はいらないとのこと。ラッキー!と思い、席に着き、やおら、プログラムを見ると、何と、ポリーニの名前がなく、知らない人がベートーヴェンのソナタを弾くということになっています。よく見ると、ポリーニは体調不良のため、キャンセルということです。愕然!!、

今日のプログラムは以下でした。

  ピアノ:Igor Levit


  Ludwig van Beethoven
   Sonate fur Klavier As-Dur, op. 110
   Sonate fur Klavier c-Moll, op. 111

   
 

魅惑の響き_シューベルト、レーガー、モーツァルト:バレンボイム+ウィーン・フィル@楽友協会 2014.6.15

昨日に続き、ウィーン・フィルの演奏会。不思議なことにレーガー以外は曲目が変わっています。連日聴く立場からは、色んな曲が楽しめて嬉しいことです。今日の席はCERCLE2列という席。ウィーン楽友協会に行ったかたはお分かりでしょうが、前からCERCLEの3列があり、その後ろにParterreが31列続くのがウィーン楽友協会の平土間席です。ところが今日は合唱団がはいる関係でステージが前に出ていて、何と最前列はCERCLE3列です。つまり、チケットを予約したCERCLE2列は存在しません。もしや、ウィーン楽友協会のミスで存在しない席のチケットを買ってしまったのかと焦ります。ところが会場案内のスタッフに訊いてみると、この席だよと指差されたのは、何とParterre10列目の後ろに追加された列。10列目と11列目の間は広い通路になっているために、ここに前のCERCLE2列を移動したようです。妙な決着に驚くやら、不思議に思うやら・・・。まあ、コンサートが聴ければいいんですが、saraiとしては前方の席を確保したつもりだったんです。
ちょっとしたトラブルはありましたが、無事にコンサートは始まります。
この日はともかく、ホールに満ちてくるウィーン・フィルの素晴らしいサウンドに体を包み込まれて、幸せな時間を持てました。本当に心が解放されて、贅沢な一時でした。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:ダニエル・バレンボイム
  メゾソプラノ:ベルナルダ・フィンク
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団
  管弦楽:ウィーン・フィル


  シューベルト:水上の精霊の歌 D.714
  レーガー:レクイエム Op.144b

   《休憩》

  モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551《ジュピター》

最初のシューベルトの《水上の精霊の歌》は変則的な構成の弦楽オーケストラと男声合唱で演奏されます。弦楽オーケストラは弦楽器が低弦が多い変わった編成で、ヴィオラとチェロとコントラバスです。男声合唱と相まって、低い音の響きが印象的な曲です。シューベルトの後期の作品で、深い精神性の充実したロマンあふれる曲です。ただ、こういう変わった曲ですから、聴く機会が多い曲ではありませんね。暗い抒情をたたえた演奏でした。
なお、この曲の歌詞はゲーテがスイスのラウタ―ブルンネンの近くの300m程の断崖から落下するシュタウプバッハの滝を見て詩作したそうです。初演時はテノール4、バス4、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバスの男声八重唱で演奏されたそうです。今日のように男声合唱と弦楽オーケストラで演奏されることもあるようです。

次はレーガーのレクイエム。フリードリヒ・ヘッベルのドイツ語の詩によるものです。通常のラテン語のレクイエムとは異なり、レクイエムらしくない声楽曲です。独唱はメゾソプラノのベルナルダ・フィンク。大編成のオーケストラと合唱団で演奏されます。フィンクの美しい声の響きに敬虔な印象を受けますが、合唱は凄まじく燃え上がります。幻想的なイメージをたたえ、暗い深遠をのぞき込むような曲です。昨日から2度目の演奏で少し慣れましたが、把握の難しそうな曲です。合唱団のパワーに驚嘆しました。

休憩後はモーツァルトの傑作《ジュピター》です。いやはや、素晴らしいモーツァルトの響きが楽友協会の大ホールに満ちていきます。ただ、それだけで贅沢な気持ちになります。これ以上、何が必要でしょう。
不意にワルターのモーツァルトのレコードのことを思い出します。古くはワルターの指揮したウィーン・フィルの《ジュピター》の録音も残っていますが、普通はステレオ録音のコロンビア交響楽団のレコードを聴くことが多いです。コロンビア交響楽団はワルターの録音を残すために編成された特別なオーケストラ。ワルターはこのコロンビア交響楽団をウィーン・フィルの響きに近づけたかったように思われてなりません。しかし、ウィーン・フィルまでの響きまでには届かなかったように感じます。今日のウィーン・フィルの演奏を聴いていると、晩年のワルターにウィーン・フィルで録音してもらいたかったという感を強くします。それもこの楽友協会のホールで。
それほど、この響きはモーツァルトにぴったり。今日の指揮のバレンボイムはどう転んでもウィーン・フィルの響きの上でのモーツァルトですから、悪くなるはずはありません。たとえ、今日のテンポが著しく速かったからと言っても、ウィーン・フィルは驚異的なアンサンブル力で完璧に演奏します。これはこれで面白いです。素晴らしいモーツァルトが聴けました。まあ、もうちょっとテンポを落とし、バレンボイムの指揮が熱くなり過ぎなければ、最高でしたけどね。





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       ウィーン・フィル,  

夢のひととき!《ナクソス島のアリアドネ》2回目@ウィーン国立歌劇場 2014.6.15

4日前に引き続き、2回目の《ナクソス島のアリアドネ》です。
文字通り、絢爛豪華なオペラに浸り切り、夢見心地になります。いつかは覚める夢ですが、こういう夢を見られるウィーンのオペラ、やめられません。今年のウィーンのオペラはこの2回で打ち止めですが、十分に満足しました。昨年の《カプリッチョ》に続き、ウィーンで見るR・シュトラウスのオペラの素晴らしいこと。ほめたたえようもありません。
一分の隙もない素晴らしいキャスト、見事な演出と豪華な舞台、そして、最高のオーケストラ。やはり、ここを置いて、オペラの殿堂と呼べる場所は世界中、どこを探してもないと思ってしまいます。

今日は前回、ぎこちなく思えたフォークトもこちらの耳が慣れたのか、あるいは彼のバッカスの歌唱レベルがあがったのか、次第によく響き渡る声の迫力に満足を覚えます。また、ファリーのツェルビネッタも耳慣れして、そのレベルで折り合いがつくようになります。もちろん、一般的には素晴らしい歌唱なんです、グルベローヴァを知らなければね。
作曲家役のケート・リンゼイは今日も絶好調。その真摯な歌声に大満足。そして、今日も最高に素晴らしいのはアリアドネ役のエミリー・マギー。オーバーな身振りはワーグナーのステレオタイプを演じていますが、その歌唱は本物。柔らかく美しい、無理のない声の響きには感動するのみです。
脇役の執事長役のペーター・マティックの演技の見事さ、音楽教師役のヨッヘン・シュメッケンベッヒャーの深い響きの歌声、3人の侍女のきらびやかな歌唱と演技、ツェルビネッタ一座の男性たちの個性的な歌と演技等、どれをとっても満足です。
さらには、ホーネックとシュトイデのダブルコンマスのウィーン国立歌劇場管弦楽団の素晴らしい響きは前回以上です。特にホーネックは昨夜と今日のお昼のウィーン・フィルのコンサートに引き続くお出まし、ご苦労様です。現在、日本に出かけているキュッヒルになりかわっての大活躍です。(ところでダナイローヴァは見ませんが彼女もどこかに出かけているのでしょうか。)

今日のキャストは前回と同じですが、以下の通りです。

  演出:スヴェン・エリック・ベヒトルフ
  指揮:フランツ・ヴェルザー・メスト
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団(コンサートマスター:ホーネック)

  執事長:ペーター・マティック
  音楽教師:ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー
  作曲家:ケート・リンゼイ
  テノール、バッカス:クラウス・フローリアン・フォークト
  ダンス教師:ノルベルト・エルンスト
  ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリー
  プリマドンナ、アリアドネ:エミリー・マギー

また、来年もウィーンでR・シュトラウスのオペラを見られることを夢見ましょう。





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奇跡の響き_ブルックナー4番(第3稿):バレンボイム+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2014.6.14

お馴染みのブルックナーの交響曲4番ですが、今日の演奏は第3稿によるものです。最近、第3稿が再び評価されるようになっているようですが、これまでは圧倒的に第2稿による演奏がほとんどで、第3稿が聴けるのは千載一遇のチャンス。それもウィーン・フィルで聴けるのですから、垂涎のコンサートと言えます。そもそも、このブルックナーの交響曲4番は第2稿も第3稿もハンス・リヒター指揮のウィーン・フィルが初演したといういわく付きのものです。第3稿で初演後はウィーン・フィルも第3稿で演奏していた筈ですが、国際ブルックナー協会から第2稿の楽譜が原典版として出版され、最近ではウィーン・フィルももっぱら第2稿で演奏しています。今回は久々にウィーン・フィルが第3稿に回帰するという歴史的な演奏会です。
バレンボイム指揮のウィーン・フィルの第3稿の演奏は、一言で言えば、実に自然な演奏で、これまでの第3稿が改竄版であるという認識を吹っ飛ばすような演奏でした。そして、何と言っても、楽友協会グローサーザールに流れるウィーン・フィルの響きの柔らかさ・まろやかさは奇跡の響きといっても過言ではないでしょう。これはウィーン・フィルと楽友協会グローサーザールの組み合わせでないと実現しないであろう素晴らしい響き。これがブルックナーなのですね。ホルンを初めとした金管の咆哮はまろやかでうるささとは程遠いもので、もちろん、迫力十分。弦と木管の美しさは今更、何も言う言葉は不要でしょう。弱音から最強音まで、ホールに満たされた響きを聴いているだけで、幸福な時間が過ぎていきました。何と美しいブルックナーなんでしょう! 今日だけは、細かいことに言及するのはやめましょう。ここには素晴らしい音楽、それがあるだけでした。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:ダニエル・バレンボイム
  メゾソプラノ:ベルナルダ・フィンク
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団
  管弦楽:ウィーン・フィル


  レーガー:レクイエム Op.144b

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(第3稿)

最初のレーガーのレクイエム(Hebbel)はフィンクの素晴らしい歌唱が聴けました。フィンクの充実ぶりには目を見張るものがあります。演奏については明日も同じものを聴く予定なので、明日のコンサートで取り上げることにして、ここでは省略します。

休憩後のブルックナーについては前述した通りで、それ以上、語る言葉はありません。

素晴らしいコンサート。そして、世界の頂点に立つオーケストラの実力をまたまた感じさせられました。





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       ウィーン・フィル,  

シマノフスキー、エロイカ(マーラー版):カヴァコス+ユロフスキ+ウィーン交響楽団@ウィーン楽友協会 2014.6.14

カヴァコスのヴァイオリンでシマノフスキーのヴァイオリン協奏曲第2番。民俗色豊かな曲を野性味あふれる演奏。シマノフスキーがバルトークと比べられることが多いのもよく納得できます。こうなるとカヴァコスのヴァイオリンでバルトークも聴いてみたくなりますね。

休憩後はユロフスキお得意のマーラー版のベートーヴェン交響曲第3番《エロイカ》。マーラーがアレンジメントしたベートーヴェンの交響曲では第9番がホルン8本という構成の面白さのせいか、演奏頻度も多く、CDも出ていますが、エロイカのCDは入手できませんでした。最近はユロフスキがよく演奏しているようです。気になって、ホルンの数を数えてみると6本でした。通常は3本ですから、倍増していますね。第3楽章のトリオのホルン3重奏が充実した響きになっているようにも感じましたが、そのほかはマーラー版だから、どうのっていう印象は特に感じませんでした。それよりも、テンポがゆったりで、最近はやりの高速演奏とは一線を画し、重厚な演奏になっていました。また、ウィーン交響楽団の響きが充実し、ちょっとしたアンサンブルの乱れを別にすると、往年のベルリン・フィルの切れ込み鋭い演奏を思い出しました。往年のベルリン・フィルの響きというのは、フルトヴェングラーが指揮をしたベルリン・フィルのことで、これは最大の賛辞を送っているんです。もちろん、ユロフスキの演奏スタイルがフルトヴェングラーに似ていると言っているわけではありません。ユロフスキは独自のスタイルでロマン的な演奏を聴かせてくれました。最近はティーレマンなど、重厚なスタイルで、最近のすっきりしたスタイリッシュな演奏の逆を行く演奏もありますが、ユロフスキもティーレマンとはスタイルは異なりますが、ある意味、古いタイプの演奏スタイルです。まあ、聴いていて、中身がある演奏で、充実した響きに魅了されました。ユロフスキのベートーヴェンもこれから注目です。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:ウラディーミル・ユロフスキ
  ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス
  管弦楽:ウィーン交響楽団


  ベートーヴェン:コリオラン序曲 ハ短調 Op.62
  シマノフスキー:ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.61
   《アンコール》バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番より「ガボット」

   《休憩》

  ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55《エロイカ》

最初のコリオラン序曲から、ウィーン交響楽団の響きが切れ味鋭い美しさで好調であることが分かります。久々にこの曲を聴いたような気がしますが、なかなか、素晴らしい演奏にじっと聴き入りました。メロディーラインの美しさが光る演奏でした。

次はシマノフスキーのヴァイオリン協奏曲第2番です。第1番の幽玄さに比べると、もっと民俗的な色合いが強く感じます。カヴァコスのヴァイオリンは単音ではそれほど美しさを感じませんが、重音のはいる部分では野性味あふれる演奏で迫力を増します。響きの美しさではなく、突っ込んだ表現で音楽を演奏するタイプ。saraiとしては、ヒラリー・ハーンや庄司紗矢香などの透明感のある響きのヴァイオリンのほうが好きというのが本音です。それを実感させてくれたのが、アンコール曲のバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータです。ヒラリーのヴァイオリンで何度もこの曲を聴いていますが、好みはやはり、ヒラリーです。あのピュアーな響きはたまりません。誤解のないように言うと、カヴァコスも素晴らしい演奏だったんですが、高いレベルでの好みの問題なんです。

休憩後のエロイカについては前述した通りです。まるでベルリン・フィルの演奏を聴いたような感じ。凄く満足した演奏でした。ウィーン・フィルの柔らかい響きとは対極にあるような響き。同じ街で、こういうタイプの異なる高い水準のオーケストラがあるのは幸せでしょうね。





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シューマン、ベルク、ストラヴィンスキー、ブラームス:ウィーン放送交響楽団@ウィーン楽友協会 2014.6.13

楽趣極まれりの感に浸ったコンサートでした。1曲ごとについ口から出てくる言葉は「うーん、いいねえ!」。
ウィーン放送交響楽団は来日コンサートでは必ず名曲コンサートをやりますが、お膝元のウィーンでは、実に凝った内容のプログラムです。こんなに多彩な曲をやってもいいのって感じで、音楽ファンにとってとても嬉しい内容が詰まっています。しかも素晴らしく高い水準の演奏を聴かせてくれました。特にベルクのヴァイオリン協奏曲では際立った演奏技術で魅了してくれました。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:コルネリウス・マイスター
  ソプラノ:Jelena Widmann
  ソプラノ:Melissa Petit
  メゾソプラノ:Katrin Wundsam
  メゾソプラノ:Dorottya Lang
  テノール:Andrew Staples
  バリトン:Michael Nagy
  ヴァイオリン:ルノー・カプソン
  ピアノ:Barbara Moser
  ピアノ:Kit Armstrong
  ピアノ:Ingrid Marsoner
  ピアノ:Andrej Kasik
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団
  管弦楽:ウィーン放送交響楽団


  シューマン:ミニヨンのためのレクイエム
  ベルク:ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》
   《アンコール》グルック:精霊の踊り 「オルフェオとエウリディーチェ」から(ヴァイオリン独奏版)

   《休憩》

  ストラヴィンスキー:バレエ・カンタータ《結婚》
  ブラームス:愛の歌 Op.52から、1,2,4,6,5,11,8,9 Op.65から、9

最初のシューマンの《ミニヨンのためのレクイエム》はソプラノ2人、メゾソプラノ(アルト)2人、バリトンの5人の独唱とオーケストラ、合唱という規模の大きな曲です。題名はレクイエムとなっていますが、宗教曲のレクイエムではなく、ゲーテの《ヴィルヘルム・マイスターの修行時代》の中で少女ミニヨンが死に、その葬式で歌われる歌の歌詞をテキストにした歌曲です。当然、歌詞はドイツ語。シューマン晩年の作品ですが、シューマンらしい詩情にあふれた美しい曲。シューマン好きにはたまらない音楽を見事な演奏で聴かせてくれました。もちろん、生では初聴きです。聴いていると、これこそシューマンの最高傑作であると思わせられます。それほど、シューマンの音楽の美しさを表出した傑出した演奏でした。若手の独唱陣の初々しい歌唱がシューマンらしさを醸し出していたとも言えます。永遠の青年、シューマンを彷彿とさせる演奏に惜しみない拍手を送りました。

次はベルクのヴァイオリン協奏曲。特に好きな曲です。副題(本当は献辞)のある天使とはアルマ・マーラーの娘マノン。19歳の若さで亡くなったマノンに捧げた曲です。昨年、アルマとマノンのお墓の前で、この曲を聴いたことを思い出します。また、この曲はベルクが完成させた最後の曲でもありますが、初演されたのはベルクの死後で、この曲を委嘱したヴァイオリニストのルイス・クラスナーが演奏しました。その約20日後に英国で初演されますが、やはり、クラスナーのヴァイオリンで指揮はベルクの盟友ウェーベルンでした。このときのライヴ録音はCD化されており、ピアニストの内田光子が対談でおおいに評価しています。非常に興味をそそられて、先日、このCDを入手し、聴いてみましたが、初演当時の雰囲気と素晴らしいヴァイオリンの響きに驚嘆しました。そして、今日の演奏ですが、初演当時の瑞々しさも感じられる素晴らしい演奏。カプソンのヴァイオリンの美しい響きと熱演には感動しました。そして、それ以上にウィーン放送交響楽団の素晴らしい演奏に感銘を受けました。開演前から、コンサートマスターが繰り返し、ドッペルゲンガーの部分を練習していましたが、その部分も美しい演奏。全体として、ベルクらしい抒情はもちろん、熱く迫力にも満ちた演奏は、この曲が20世紀を代表する名曲であることを認識させてくれました。
カプソンのアンコール曲は《精霊の踊り》。単純明快な曲ですが、実に美しい響きで完璧な演奏。恐れ入りました。

ストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ《結婚》はCDで聴くと、同じ旋律の繰り返しが続き、とりとめのないようにも感じますが、実演では、独唱の4人が難しいアクロバット的な歌唱でスリリングな演奏。スポーツのような爽快感さえ感じさせてくれて、退屈するところのない音楽であることが分かります。見事な演奏でした。

最後はブラームスの《愛の歌》。これまでの3曲で興奮した神経を静めてくれる美しいワルツでした。

しかし、よくもまあ、こんなに合唱や独唱などを交えた大変な曲をプログラムに並べ、しかも素晴らしい出来での演奏、ウィーンならではですね。指揮のマイスターはますます腕を上げたようです。
今日もまた大満足のコンサートでした。

明日からの土曜、日曜はダブルヘッダーでウィーン・フィルなどを聴きます。楽しみ!!





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バレエ《巨匠たちの署名Meistersingnaturen》@ウィーン国立歌劇場 2014.6.12

ウィーンで見るバレエです。《巨匠たちの署名》と題されたバレエですがドイツ語ではMeistersingnaturenであり、まるでマイスタジンガーのようにも誤認しそうで、ワーグナーの音楽とも思ってしまいそう(それって、自分だけか?)。実際は4人の振付家の作品を取り上げ、その作品に各振付家の署名のような特徴を見いだせるかという趣向の公演です。したがって、当然、振付家の芸術を味わうのが本道ですが、何せ、バレエ初心者であるsaraiにとっては、音楽のほうも気になってしまいます。特に後半はウィーン国立歌劇場管弦楽団も登場し、美しい音楽が流れ始めると、目と耳が互いに争い始め、鑑賞能力の主体が目に行ったり、耳にいったりします。で、最後の4つ目の演目の音楽がR・シュトラウスの名作《4つの最後の歌》ともなると、完全に耳が勝利し、オーケストラとソプラノの融合した素晴らしい音楽にうっとりとしてしまい、目でバレエを追っていくのが困難になります。《4つの最後の歌》にはもともと思い入れがあります。素晴らしい音楽であることはもちろん、これがR・シュトラウスのほぼ最後の作品であることもあります。そして、極めつけはこの作品がR・シュトラウスの死の前年、1948年に作曲されて、初演されたのは彼の死後、1950年5月22日であることです。自分の年齢を明かすことになりますが、saraiが生まれたのはまさにこの1950年5月なんです。しかも初演したのはフルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団。独唱はかの名ソプラノ、フラグスタートです。最近、そのライヴ演奏がCD化されていることを知り、今年2月に入手したばかりです。音質は最悪ですが、自分にとっては何にも代えがたい記念碑的CDです。
過去の名ソプラノが競って録音してきた作品で、saraiも色々聴いてきました。不思議なことにオーケストラがウィーン・フィルのものは聴いた覚えがありません。調べてみると、古くはベーム指揮、デラ・カーザとか、その後もショルティ指揮、テ・カナワ、プレヴィン指揮、オジェーとか、あるようです。聴かなくてはいけませんね。ともあれ、今回が初めて、実質ウィーン・フィルで聴くことになりました。独唱ソプラノのオルガ・ベツメルトナは昨日の《ナクソス島のアリアドネ》のエコー役で聴いたばかりですが、少し硬い歌唱ではあるものの、よく声は出ており(逆に響かせ過ぎのきらいもありますが)、そこそこ、良く歌っていました。何せ好きな曲なので、良いほうにイメージを持っていって、うっとりしながら聴いていました。第3曲の《眠りにつくとき》のヴァイオリン独奏のはいるあたりからはオーケストラも素晴らしい表情。独奏ヴァイオリンのホーネックの音の響きも素晴らしい! それにつられたように、ソプラノの歌唱も抑え気味に気持ちののったものに変容していきます。そして、第4曲の《夕映えの中で》の素晴らしいこと。過去の名ソプラノに伍すことは無理ですが、ソプラノとオーケストラの融合した響きは本物です。肝心のバレエのほうは第3曲の終盤あたりからは目でも追えるような余裕ができ、ロマン・ラツィクのバレエもよく、第4曲では、ケテヴァン・パパヴァ(オルガ・エシナは直前でキャンセル)の美しい容姿と優雅なバレエにも目を奪われます。エノ・ペシの切れのあるバレエも見事です。ただ、こういうR・シュトラウスの最晩年のしみじみとした音楽、84歳まで生きてきて、喜びも苦しみも味わい尽くして、自己の死への諦念も乗り越えたような音楽、こういう音楽に振付けるバレエって、ありうるんだろうかとも感じてしまいます。そういう意味ではこのバレエは本質ではないような気もしますが、ケテヴァンの美しいバレエだけは目に焼き付きました。

今日のプログラム・キャストは以下です。

  巨匠たちの署Meistersignaturen

ル・スフル・ドゥ・レスプリLe Souffle de l'esprit ~魂のため息~
 振付:イリ・ブベニチェクJiri Bubenicek
   音楽:バッハ(管弦楽組曲第3番第2曲エアー、いわゆるG線上のアリア)
      バッハ(幻想曲とフーガ ト短調BWV542)
      ホフシュテッター(弦楽四重奏曲ヘ長調Op3-5第2楽章、いわゆる、ハイドンのセレナード)
      パッヘルベル(カノン ニ長調)
      ほか
   演奏:テープ

Emilia Baranowicz | Solistin 1
Reina Sawai | Solistin 2
Kirill Kourlaev | Solist 1
Dumitru Taran | Solist 2
Denys Cherevychko | Solist 3


ヴァスラフVaslaw
 振付:ジョン・ノイマイヤーJohn Neumeier
   音楽:バッハ(平均律クラヴィア曲集第1巻より)
      バッハ(フランス組曲より)
      バッハ(組曲ヘ短調 サラバンド)
   ピアノ:イゴール・ザプラフディン

Masayu Kimoto | Vaslaw
Natascha Mair | 1. Pas de deux
Andrej Teterin | 1. Pas de deux
Anita Manolova | 2. Pas de deux
Marcin Dempc | 2. Pas de deux
Alice Firenze | 3. Pas de deux
Dumitru Taran | 3. Pas de deux
Greig Matthews | Solo
Ketevan Papava | Pas de trois
Ryan Booth | Pas de trois
Masayu Kimoto | Pas de trois


アレグロ・ブリランテAllegro Brillante
 振付:ジョージ・バランシンGeorge Balanchine
   音楽:チャイコフスキー(ピアノ協奏曲第3番 第1楽章アレグロ・ブリランテ)
  指揮:Vello Pahn
   ピアノ:滝澤志野
   管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

Liudmila Konovalova | Solistin
Robert Gabdullin | Solist


4つの最後の歌Vier letzte Lieder
 振付:ルディ・ファン・ダンツィヒRudi van Dantzig
   音楽:R・シュトラウス(4つの最後の歌)
  指揮:Vello Pahn
   ソプラノ:オルガ・ベツメルトナOlga Bezsmertna
   管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

Kiyoka Hashimoto | Solistin 1
Mihail Sosnovschi | Solist 1
Ioanna Avraam | Solistin 2
Masayu Kimoto | Solist 2
Alice Firenze | Solistin 3
Roman Lazik | Solist 3
Olga Esina | Solistin 4
Kirill Kourlaev | Solist 4
Eno Peci | Solist 5

1番目のル・スフル・ドゥ・レスプリ~魂のため息~はポピュラーな曲を題材に、音楽をバレエとして可視化したような分かりやすいバレエ。特にフーガを可視化すると、なるほど、こんな風になるのかと感心します。

2番目のヴァスラフはノイマイヤーらしいバレエ。バッハのフランス組曲は舞曲であり、いかにも典雅なバレエに仕上がっています。もちろん、モダンなバレエがベースではあります。バレエはよいのですが、ピアノは何と言えばよいか・・・。これが大好きなフランス組曲にはとても聴こえません。しかし、お蔭でバレエに集中できたのはよかったかな。木本全優のソロとほかのメンバーが対照的な動きをしていたのが面白いです。木本全優のスケール感のあるバレエが印象的。ケテヴァン・パパヴァの美しさも秀でていました。

3番目のアレグロ・ブリランテはロシア系アメリカ人振付家のジョージ・バランシンの振付ですが、いかにもチャイコフスキーのバレエらしい古典的な感じにも思えるバレエ。はっと思える出来事もありましたが、全般的に美しいバレエでした。

最後の《4つの最後の歌》は前述した通り、いろんな意味で一番、感銘を受けた作品です。バレエのむずかしさ、限界も感じました。なお、資料によると、この作品は1977年の初演の2年後には、早速このウィーン国立バレエで取り上げられています。R・シュトラウスの音楽だからでしょうか。そのときの独唱ソプラノはグンドラ・ヤノヴィッツ。今でも彼女とカラヤン指揮ベルリン・フィルのCDは名盤と言われています。ウィーンとヤノヴィッツのコンビの《4つの最後の歌》はさぞや素晴らしかったでしょう。





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感動!《ナクソス島のアリアドネ》@ウィーン国立歌劇場 2014.6.11

ウィーンで聴くR・シュトラウスはいつも素晴らしいですが、今夜の《ナクソス島のアリアドネ》はR・シュトラウス生誕150年という節目の年の、それも誕生日で正真正銘の生誕150年の公演。実に素晴らしい内容でこの記念の日を飾りました。
やはり、真の主役はウィーン国立歌劇場管弦楽団です。その演奏の甘美さは身がとろけそうになります。
前半のVorspielsでは、作曲家役のケート・リンゼイの素晴らしい歌唱に驚かされます。こんなに素晴らしい作曲家役はトロヤノス以来とも思えるほどです。
しかし、後半のOperでは、さらにアリアドネ役のエミリー・マギーの素晴らしい歌唱に感動で身が震えます。アリアドネでこんなに感動したのは初めての経験です。もちろん、グルベローヴァがツェルビネッタを歌ったときはその素晴らしさ・凄さに大変な感銘を受けましたが、オペラ全体の感動とは別物。やはり、タイトルロールのアリアドネが重要な役であることを再認識したました。アリアドネの相手役となるバッカスは、このヨーロッパ遠征で2度目となるフォークトが歌いました。バッカス役としてはリリック過ぎる声の響きと少し平板に感じる歌唱に違和感を覚えましたが、終盤では大きく盛り上げる歌唱。さすがに人気と実力を兼ね備えた人です。ツェルビネッタ役のファリーは、予想以上の好演ではありましたが、どうしても、グルベローヴァの素晴らしい歌唱が耳から離れません。ここはもっと繊細にとか、ここの節回しはもっと思い切ってとか、ついつい感じてしまいます。比べるレベルにないことは分かっていますが、どうしてもね・・・。

作曲家、アリアドネとバッカスが中心の公演。不世出のグルベローヴァのツェルビネッタが聴けなくなった現在、アリアドネを軸とした公演がこれからの傾向になるでしょう。そういう意味で素晴らしい公演でした。なお、舞台演出はザルツブルグ音楽祭での公演を基にしたものです。ザルツブルグ音楽祭はホフマンスタールが登場するオリジナル版でしたが、このウィーン国立歌劇場は通常版です。通常版ですが、その内容、舞台装置はほぼザルツブルグ音楽祭と同様です。タイトルロールのアリアドネ役もマギーが共通して歌い、どちらも感動的な歌唱です。

今日のキャストは以下です。

  演出:スヴェン・エリック・ベヒトルフ
  指揮:フランツ・ヴェルザー・メスト
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団(コンサートマスター:シュトイデ)

  執事長:ペーター・マティック
  音楽教師:ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー
  作曲家:ケート・リンゼイ
  テノール、バッカス:クラウス・フローリアン・フォークト
  ダンス教師:ノルベルト・エルンスト
  ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリー
  プリマドンナ、アリアドネ:エミリー・マギー

この《ナクソス島のアリアドネ》は4日後にまた聴きます。素晴らしいオペラがまた聴ける幸せ感に包まれています。繰り返しになりますが、ウィーンのR・シュトラウスは絶対に期待を裏切ることはありません。今回の《ナクソス島のアリアドネ》は以前、このウィーン歌劇場で聴いた最高のR・シュトラウスの楽劇《サロメ》を上回るかもしれないレベルの最高のR・シュトラウスのオペラでした。




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ロマンティックさ抜群!《メリー・ウィドウ》@ウィーン・フォルクスオーパー 2014.6.10

フォルクスオーパーの顔とも言えるレハールの名作オペレッタ《メリー・ウィドウ》。フォルクスオーパーでこのオペレッタを見るのも今回で4回目になります。新演出になってからも3回目です。最初に聴いたのは、2009年のルドルフ・ビーブルさんの80歳記念公演でした。そのときにハンナ役だったのが、今回のハンナ役のウルズラ・プフィッツナーです。そのときは初めてフォルクスオーパーでこのオペレッタを聴いたせいか、あまり、ウルズラ・プフィッツナーの印象は残っていませんが、今夜の彼女は歌も演技も光っており、このロマンティックなオペレッタにふさわしいものです。相手役のダニロを歌ったマルコ・ディ・サピアは初めて聴きましたが、彼もまことにこの役にはまっており、ハンナとダニロのワルツを踊るシーンのロマンティックさにはもう、うっとりするのみ。フォルクスオーパーで見た《メリー・ウィドウ》では最高にロマンティックでした。
ツェータ男爵のクルト・シュライプマイアーは大ベテラン。文句のつけようのない歌と演技。ヴァラシエンヌ役のユリア・コッチーは来日公演のメンバーでヴィデオでは見ていましたが、踊りの素晴らしさは合格点。声量が今一つですが、美しい響きの声です。カミーユ役のトーマス・パウルは声量はありますが、惹き込まれるような歌のレベルには達していないのが残念なところ。見栄えはよくなくてもこれまで聴いてきたシルマッヒャーの歌がうまかったことに今更ながら気が付きました。ニエグシュ役のボリス・エダーですが、これまではすべて大名人ロベルト・マイヤーで見てきたので、物足りないというか、違和感があるというか、そういう感じ方がするのは致し方ないところです。

ということで、今夜は主役の二人にうっとりしたということで満足です。

今日のキャストは以下です。

  演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
  指揮:クリスティーナ・ポスカ
  管弦楽:ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団

  ツェータ男爵:クルト・シュライプマイアー
  ヴァラシエンヌ:ユリア・コッチー
  ハンナ:ウルズラ・プフィッツナー
  ダニロ:マルコ・ディ・サピア
  カミーユ:トーマス・パウル
  ニエグシュ:ボリス・エダー

演出内容などは、これまでの以下の記事をご参照くださいね。

2009年の旧演出のルドルフ・ビーブルさんの80歳記念公演はここ

2011年の新演出はここ

2013年はここ

これでフォルクスオーパーでオペレッタを見るのも11回目。大分、オペレッタが体に定着しつつあります。フォルクスオーパーも今後もどんどんオペレッタを取り上げていってほしいと思います。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

我らがチェチーリア:ロッシーニ《オテロ》@ザルツブルグ祝祭大劇場 2014.6.9

チェチーリア・バルトリに魅了されっぱなしの5日間。ザルツブルグ精霊降臨音楽祭も今日が最終日。最後の公演、ロッシーニの歌劇《オテロ》もその中心にいたのは我らがチェチーリアでした。ロッシーニの歌劇《チェネレントラ》ではコミカルな役柄、今日はシリアスな役柄、何でもパーフェクトに歌いきるチェチーリア。今や不世出の歌手の一人に仲間入りしたと言っても過言ではないでしょう。

ロッシーニの歌劇《オテロ》は恥ずかしながら、今までまったく知りませんでした。歌劇《オテロ》と言えば、ヴェルディしか知らず、今回の公演も最初、ヴェルディと誤認して戸惑ったほどです。今回のザルツブルグ精霊降臨音楽祭の公演はチューリッヒ歌劇場との共同制作(シャンゼリゼ劇場とも)で、そのチューリッヒ歌劇場のヴィデオを見て、今日の公演のチケットを購入することを決断しました。キャストもカマレーナが出ないこと以外はすべて同じ。オーケストラだけは異なりますが、同じ演出の同じ舞台装置です。

生で聴くとますます魅力にあふれたオペラです。今までヴェルディの陰に隠れていたことが信じられません。ヴェルディのものとはかなり、あらすじが違っていますが、柳の歌から後のフィナーレまでの盛り上がり方は同様です。特にチェチーリアの歌う柳の歌は最高に素晴らしいものでした。この1曲を聴くだけでもこのオペラを聴く価値がありました。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ジャン=クリストフ・スピノジ
  演出:パトリス・コーリエ&モッシュ・ライザー
  管弦楽:アンサンブル・マテウス
  
  オテロ: ジョン・オズボーン
  デズデモナ: チェチーリア・バルトリ
  ロドリーゴ: エドガルド・ロッカ
  イアーゴ: バリー・バンクス
  エルミーロ: ペーター・カルマン
  エミーリア: リリアナ・ニキテアヌ
  ドージェ: ニコラ・パミオ

まず、今回の演出ですが、カラフルな演出で知られるパトリス・コーリエ&モッシュ・ライザーがあえて、シェークスピアの劇作を意識したのか、落ち着いたトーンの舞台で堅実とも言える演出。黒を基調に悲劇性を強調したんでしょうか。もっともソファや椅子はカラフルだったようなので、中庸を狙ったとも言えます。もちろん、ザルツブルグですから、ヴェネチアらしさは抑えて、現代風の装いになっています。まあ、シンプルで簡素な舞台でした。評価としては可もなく不可もないという感じです。

一方、音楽面では、スピノジも遊びの少ない厳格な演奏。舞台の動きと同期をとった演奏は《チェネレントラ》同様ですが、それほど明確なものではありません。2回目の《チェネレントラ》でブーイングも出たそうですから、少し、抑え気味の指揮だったかもしれません。《チェネレントラ》のときのような楽しそうな雰囲気の指揮とはかけ離れていました。

歌手はチューリッヒ歌劇場以来、ずっとほとんど同じメンバーで安定しています。中でもチェチーリアの存在感は抜群ですが、オテロ役のジョン・オズボーン、ロドリーゴ役のエドガルド・ロッカは素晴らしい歌唱。イアーゴ役のバリー・バンクスは見栄えはともかく、なかなか好演。ベテランのリリアナ・ニキテアヌも美しい歌唱で脇役としての役割をしっかりと果たします。エルミーロ役のペーター・カルマンはこのオペラの主役級では唯一のバリトンで渋く深い響きで重唱を支えていました。そうです。このオペラは珍しく、主役級のオテロ、ロドリーゴ、イアーゴの3人は強い響きのテノールです。このテノール3人の出来がオペラの成否を握っています。激しく戦いあうテノール歌手たちの素晴らしい歌唱で舞台は盛り上がりました。
そして、最後はチェチーリアの綿々たる柳の歌とそれに続くオズボーンとの緊張感の高い歌の掛け合いで最高の盛り上がり。デズデモナが殺されるシーンは衝撃的でもありますが、カルメン同様、死を覚悟した女性の強さが表現されます。
それにしても、チェチーリアのアジリタの見事さはこのオペラでも遺憾なく発揮されました。その素晴らしさは讃えようがないほどです。

こう書いてきて、ふと、こういう悲劇性の高いオペラのしては、強い感動がなかったことに思い当りました。素晴らしい歌唱に感銘はありましたけどね。ヴェルディの《オテロ》に比べると、ロッシーニはあえてシリアスさを少し抑えたのかもしれません。どちらがいいとも悪いとも言えませんが、それが作曲家の個性なんでしょうね。

幕引き後のカーテンコールは音楽祭のフィナーレを讃える聴衆の歓呼の嵐。チェチーリアはまだ48歳。これからは彼女の時代が続くことになる強い予感が脳裏を駆け巡りました。ビヴァ! チェチーリア!




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ザルツブルグ精霊降臨音楽祭:ロッシーニ_スターバト・マーテル@ザルツブルグ祝祭大劇場 2014.6.8

使い古された表現ではありますが、今日のコンサートは心が洗われるような清冽な演奏。オーケストラ、合唱、独唱すべてが充実した、大満足のコンサートでした。なかでも指揮のパッパーノの熟達して、熱のこもった音楽作りが一番、光っていました。
コンサート前は、4人の独唱者のうち、ガランチャ、ストヤノワ、ベチャワの3人がキャンセルし、演奏の質の低下が心配でしたが、結果として、ガランチャの穴が大きかったのは事実ですが、全体として、高いレベルの演奏に満足しました。
なかでも、唯一のオリジナルキャストだったアーウィン・シュロットが絶好調で素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。また、代役にたったソプラノのマリア・アグレスタという人は名前すら知らない人でしたが、自分の耳を疑うほどの美しい声の響きと表現力ですっかり魅了してくれました。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  ジュゼッペ・ヴェルディ: リベラ・メLibera me(我を救い給え)
         「ロッシーニのためのレクイエム」のオリジナル版

  ジョアキーノ・ロッシーニ: スターバト・マーテルStabat Mater


  指揮:アントニオ・パッパーノ
  管弦楽:サンタ・チェチーリア音楽院管弦楽団
  
  ソプラノ: マリア・アグレスタ
  メゾソプラノ: ソニア・ガナッシ
  テノール: ローレンス・ブラウンリー
  バリトン: アーウィン・シュロット

今日はロッシーニのスターバト・マーテル1曲のみのコンサートとばかり思っていたので、最初のヴェルディのリベラ・メであれっという感じ。しかし、それよりも、ソプラノのマリア・アグレスタのあまりにも素晴らしい歌唱に度肝を抜かれました。独唱者の顔の見えない席だったので、誰か凄い歌手が歌っているのかと想像するほどの際立って清冽な歌唱。もともと大好きなリベラ・メでもあり、いろんな大歌手のCDを聴いてきましたし、生でもルネ・フレミングの素晴らしい歌唱も聴きましたが、それらを上回るレベルの歌唱でした。感動の前に驚愕しました。今後、このマリア・アグレスタはマークしていく必要があります。後で経歴を調べると、2007年まではメゾ・ソプラノの歌手で、それからソプラノに転向し、1昨年あたりから、ブレークしてきている人です。道理で中音域が充実しているわけです。その上、高音域の澄み切った声の響きまで獲得しているのですから、オールマイティなソプラノ歌手として、期待されますね。
ところで、こののリベラ・メはヴェルディのレクイエムのなかの1曲ですが、実はロッシーニが1868年に亡くなったときにヴェルディが仲間の作曲家と協力して追悼のために作曲しようとした「ロッシーニのためのレクイエム」のヴェルディ担当分の曲がこのリベラ・メだったんです。結局、「ロッシーニのためのレクイエム」作曲は頓挫したので、後年、ヴェルディが作曲したレクイエムにこのリベラ・メを転用しました。今日演奏されたのは、当初の「ロッシーニのためのレクイエム」のために作曲されたリベラ・メのオリジナル版ということです。いつものレクイエムのリベラ・メとまったく同じように感じましたが、どこかに相違点があったのでしょう。今回のザルツブルグ精霊降臨音楽祭はロッシーニをテーマにしているので、あえて、このオリジナル版を演奏した模様です。

2曲目がようやく、ロッシーニのスターバト・マーテル。この曲は前述したように実に充実した内容でした。ヴェルディもリベラ・メの作曲にあたり、このスターバト・マーテルの影響を受けたのではないかと思うほど、曲想が近い感じです。
残念だったのはやはり、ガランチャが参加していれば、今日の演奏は完璧だっただろうと思ったことです。ソニア・ガナッシも名を知られた実力のある歌手ですが、安定した深い響きの声を聴くことはできませんでした。ローレンス・ブラウンリーはロッシーニに定評のあるテノールですが、線の細さは否めず、ベチャワならもっと迫力のある表現だったのではないだろうかと想像しました。しかし、それらを穴埋めするマリア・アグレスタとアーウィン・シュロットの歌唱があったので、全体としてはとても素晴らしい演奏だったと思います。




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ザルツブルグ精霊降臨音楽祭:ロッシーニ・ガラ・コンサート@ザルツブルグ祝祭大劇場 2014.6.8

まあ、驚くほどの有名歌手が勢ぞろいするコンサートに引き寄せられて、チケットを購入しました。今回のザルツブルグ精霊降臨音楽祭のお祭り気分が最高潮に達するコンサートです。実際、ふたを開けると、降板した歌手が続出しましたが、それでもスーパースター揃いのコンサートです。降板した歌手は以下。

 ベルガンサ、カバリエ、シュロット、ダルカンジェロ、マルティ、ヌッチ

通常はこれだけの歌手が抜けると大打撃でしょうが、今回は残った歌手だけでも豪華な顔ぶれでした。
何と言っても、音楽祭の音楽監督でもあるバルトリの活躍、そして、恐ろしいほどの歌唱力が光りました。ロッシーニ・ガラというよりも、チェチーリア・バルトリとその仲間たちと言う感じのコンサートでした。彼女の責任感と情熱で降板した歌手の穴を埋めて、盛り上げたのでしょう。彼女は昨夜は《チェネレントラ》を歌い、明日は《オテロ》を歌うので、今夜、こんなに歌って大丈夫?って思いますが、ずっと歌姫だった彼女は歌うことは、日常のすべてなのかもしれませんね。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  オール・ジョアキーノ・ロッシーニのプログラム

  《ウィリアム・テル》序曲

  《セヴィリアの理髪師》からフィガロのアリア「ラ、ラン、ラ、レーラ…町のなんでも屋に」Largo al factotum della citta`
    バリトン:マッシモ・カヴァレッティ

  《セヴィリアの理髪師》からバジリオのアリア「中傷とはそよ風です」La Calunnia e` un venticello
    バリトン:ルッジェロ・ライモンディ

  《ラ・チェネレントラ》からドン・マニフィコのアリア「どちらの娘でも」Sia qualunque delle figlie
    バリトン:カルロス・ショーソン

  《ラ・チェネレントラ》からドン・ラミロとチェネレントラのレシタティーボとデュエット
    テノール:フアン・ディエゴ・フローレス
    メゾソプラノ:チェチーリア・バルトリ

  《泥棒かささぎ》から代官のカヴァティーナ「用意はできた」Il mio piano e preparato
    バリトン:ミケーレ・ペルトゥージ

  《セヴィリアの理髪師》から第1幕のフィナーレ
    メゾソプラノ:チェチーリア・バルトリ、ヴェッセリーナ・カサロヴァ
    テノール:ハヴィエル・カマレーナ
    バリトン:マッシモ・カヴァレッティ、カルロス・ショーソン、ルッジェロ・ライモンディ

    《休憩》

  《セミラーミデ》序曲

  《セミラーミデ》からアルサーチェのレシタティーボとカヴァティーナ「とうとうバビロニアに帰ってきた 」Eccomi alfine in Babilonia
    メゾソプラノ:ヴェッセリーナ・カサロヴァ

  メゾソプラノのための歌曲から
    メゾソプラノ:チェチーリア・バルトリ

  《ラ・チェネレントラ》からドン・ラミロのアリア「きっと捜し出してみせる」Si, ritrovarla io giuro
    テノール:ハヴィエル・カマレーナ

  《イタリアのトルコ人》からフィオリッラとドン・ジェローニオのデュエット「ご婦人に気に入られるには」Per piacere alla signora
    バリトン:アレッサンドロ・コルベッリ
    メゾソプラノ:チェチーリア・バルトリ

  《試金石》からジョコンドGiocondoのレシタティーボとカヴァティーナ「ああ衝撃的な暗い雲よ~あの生き生きした瞳は」Oh come il fosco impetuoso nembo
    テノール:ホセ・カレーラス

  《セヴィリアの理髪師》から第2幕のフィナーレ
    メゾソプラノ:チェチーリア・バルトリ、ヴェッセリーナ・カサロヴァ
    テノール:ハヴィエル・カマレーナ、フアン・ディエゴ・フローレス
    バリトン:アレッサンドロ・コルベッリ、マッシモ・カヴァレッティ、カルロス・ショーソン、ルッジェロ・ライモンディ、ミケーレ・ペルトゥージ

  指揮:アダム・フィッシャー
  管弦楽:ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団

前半はカルロス・ショーソンの歌う《ラ・チェネレントラ》からのドン・マニフィコのアリアが見事。2脚の椅子を使ったコミカルな演技とボリューム感のある歌唱に感銘。次にフローレスとバルトリのデュエットは聴き応え十分。しかし、バルトリの凄さだけが目立ってしまい、フローレスはどうしたのでしょう。前半最後のフルメンバーの重唱はもちろん、素晴らしいです。

後半、まず、カサロヴァが存在感を示し、続いて、バルトリがピアノ伴奏で歌曲を歌い、ガラコンサートも熱を帯びてきます。そして、今日一番の出来だったのはカマレーナ。見事な《ラ・チェネレントラ》のドン・ラミロのアリアにホール中が湧きに湧きます。怒涛の声援に応えて、アンコール。さすがにアンコールではもう声が出ないほど、アリアの熱唱でした。もっとも、この素晴らしい歌唱は初日の《ラ・チェネレントラ》で聴かせてもらい、既に当ブログでも絶賛しました。フローレスに優るとも劣らない素晴らしいテノールの出現です。さらにお次は、コルベッリとバルトリの素晴らしいデュエット。これは凄い絶唱でした。ロッシーニのオペラにこれ以上の歌唱は望めないでしょう。そして、大御所カレーラスの登場。いつの間にか、ずい分、お年を召されましたが、その歌唱は絶頂期を思い起こさせるほどの見事さ。老練さを加え、無理に張り上げないのが却って、素晴らしさを増したかもしれません。そして、〆は全員で《セヴィリアの理髪師》のフィナーレ。豪華な終幕になりました。

実に楽しいロッシーニ・ガラ。気持ちよく、満足のコンサートでした。



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この記事へのコメント

1, Bonnjourさん 2014/06/09 22:31
当初の予定ではすごい顔ぶれのガラでしたが、やはり全員登場というわけにはいきませんでしたか!でも降板歌手の穴を埋めて余りあるバルトリの音楽監督としての働きはたいしたものですね。バルトリと仲間たち!その熱気と祝祭ムードを伝える録音が、どこかで放送されればいいのですが。

ザルツブルクに居残って聴きたかったです・・・。とはいえ一応、現役世代なので、今日からまた平日モードで在宅勤務してます。お金かかる趣味をもった宿命(笑)。

2, saraiさん 2014/06/10 03:47
Bonnjourさん

バルトリの活躍、凄いです。来年のセメーレ(コンサート形式ですが)聴きたくなりました。シュトゥッツマン指揮のジャルスキーのリサイタルもよさそうですね。

そうそう、現役世代はしっかり働いて、優雅な老後を目指してください(笑い)。

3, やぎさん 2014/06/13 16:47
ザルツでお会いしたやぎさんです。帰国後早速ブログを拝見しました。それにしてもバルトリの活躍は凄かったですね!八面六臂とはこの事でしょう。尤も昨年も大車輪の活躍でした・・・・・。 ガラコンも楽しかったです。お書きになった大物の欠場の穴を 全く感じさせませんでした。一つ一つの印象はほぼsaraiさんと同じです。カレラスも感動的でした。ただお書きになった曲目は ああ衝撃的な暗い雲よ~あの生き生きした瞳は、と訳された方が分かり易いと思います。早速来年の予約を入れました。 私は早速来年の予約を入れました。返信待ちの状態です。 今後とも宜しくお願い致します。 
(実名だけを変更して再UPさせてもらいしました:sarai) 

4, saraiさん 2014/06/13 17:35
やぎさん、saraiです。

その節(ザルツブルグのオテロ)は楽しいおしゃべり、ありがとうございました。早速のコメントもありがとうございました。来年の予約入れられたんですね。速攻ですね。こちらは帰国してから検討します。
カレラスの歌った《試金石》のカヴァティーナの日本語訳、ありがとうございます。早速、修正します。バルトリの歌った歌曲の曲名は帰国後に入れるつもりです。プログラムの内容が変わったため、まだ未完成ですみません。
ではまた、コメントお待ちしますね。
 

ザルツブルグ精霊降臨音楽祭:フランコ・ファジョーリ・リサイタル@ザルツブルグ・モーツァルテウム大ホール 2014.6.6

今日はザルツブルグ精霊降臨音楽祭の2日目。カウンター・テナーの若手の代表格、フランコ・ファジョーリのリサイタル。
今日のリサイタルはカストラートをテーマにしています。カストラートは19世紀に活躍したGiambattista Vellutiが最後の代表的なカストラートで、その後、カストラートは禁止になりました。今夜のファジョーリのリサイタルは最後のカストラート、Vellutiをテーマにしています。
このVellutiのために書かれたマイヤベーアとロッシーニのオペラからのレシタティーボとアリアが歌われます。

今日のキャストとプログラムは以下です。

  カウンター・テナー:フランコ・ファジョーリ
  指揮:ディエゴ・ファソリス
  クラリネット:コラド・ジュッフレディ
  管弦楽:イ・バロッキスティ
  

  マイヤベーア:エジプトの十字軍
   ARMANDOのレシタティーボとアリア(第1幕第6場)
   ARMANDOのレシタティーボ、アリア、レシタティーボとカバレッタ(第2幕第4場)

   《休憩》

  ロッシーニ:パルミラのアウレリアーノ
   ARSACEのシーン、アリアとカバレッタ(第2幕第6場)
  ロッシーニ:セミラーミデ
   ARSACEのレシタティーボとカバレッタ(第1幕第5場)

   《アンコール》
  ロッシーニ:セミラーミデ
   ARSACEのアリア(第2幕) ???(確信はありません)
  モーツァルト:フィガロの結婚 K492
   第1幕、ケルビーノのアリア「自分で自分がわからない」

なお、管弦楽でロッシーニの序曲、管弦楽曲も演奏されましたが、それは本題ではないので、省略。

前半はマイヤベーアのオペラ《エジプトの十字軍》からのARMANDOの歌です。最初はヴィデオで聴いていたファジョーリの印象と異なるので、あれっと戸惑います。ベル・カントでばりばりと歌うと思っていたら、そうではなくて、美しい声の響きです。ジャルスキーよりも太目の声ではありますが、同傾向の美声に思えます。馴染みのないマイヤベーアの曲にためでしょうか。一応、フェニーチェ劇場の公演ヴィデオで予習はしましたが、ファジョーリはこのように歌うのかという感じです。しかし、第2幕のカバレッタに至って、ファジョーリの本領発揮。男バルトリの異名通り、ばりばりとアジリタ。カウンター・テナーでここまで歌うのはさすがです。

後半はロッシーニ。ロッシーニのオペラ《パルミラのアウレリアーノ》のARSACE(カストラートのVellutiが初演)のアリアとカバレッタが実に美しく歌われます。こうなるとアジリタも不要。見事な歌唱。繊細で心のこもった歌唱にうっとりと聴き入ります。これはsarai好みですが、派手さがないせいか、聴衆にはそれほど受けなかったようです。
次はロッシーニのオペラ《セミラーミデ》から、ARSACEのカバレッタです。これはカストラートのために書かれたのではなく、コントラルトのための曲です。これは派手にアジリタがはいります。見事ですが、saraiはさきほどの曲のほうがよかった印象。しかし、聴衆にはバカ受けです。ファジョーリは実力もさることながら、大変な人気。凄まじい拍手と声援が飛びます。

アンコールはまた、ロッシーニ。これまた派手な歌唱。大受けします。さすがの歌唱です。
アンコール2曲目はオーケストラ伴奏が始まってもなかなかファジョーリが歌いだしません。歌いだしたのはなんとケルビーノのアリア。これは見事というか、実に楽しく聴けました。実際のオペラでもファジョーリのケルビーノ役を聴いてみたいものです。

ちょっぴり残念だったのは、今回のモーツァルテウム大ホールが響き過ぎたこと。ファジョーリの生を聴いたのに、クリアに聴けませんでした。やはり、オペラハウスで歌う本格的なバロックオペラを聴きたいものです。




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この記事へのコメント

1, Bonnjourさん 2014/06/08 08:21
早速の記事執筆、素晴らしいです。おかげ様で、この記事を見ながら昨夜の公演の思い出を反芻することができます。

自分のブログの当公演の記事は、まだ半完成品でございます(笑)。写真だけ先にアップしました。旅先に持ってきたタブレットでは機能に限りがあってなかなか作業が進みません。

2, saraiさん 2014/06/08 09:07
まあ、1素人のたわごと。軽く流してください。CTファンのかたに読まれると恐ろしい!!(笑い)
 

ザルツブルグ精霊降臨音楽祭で大いなる感動:チェネレントラ@ザルツブルグ・モーツァルト劇場 2014.6.5

人生で何度も聴けない素晴らしいオペラでした。これまで聴いてきた中で間違いなく、BEST5にははいるでしょう。もしかしたらBEST3に入るかもしれません。気が早いですが、少なくとも今年末のsaraiの音楽BEST10でトップになるのは間違いなしです。
ロッシーニの音楽の真髄に初めて触れた思いです。不世出のロッシーニ歌手、チェチーリア・バルトリがいればこそです。

実はsaraiは今回がザルツブルグ初デビューです。その初めての機会にこれほどのオペラが聴けて大変幸福でした。今回のヨーロッパ遠征はこのオペラが聴きたくて、このオペラに合わせてスケジュールを決めましたが、その期待を上回る大変な出来のオペラ公演でした。

今日はザルツブルグ精霊降臨音楽祭の初日。オープニングを飾るのがロッシーニの歌劇《チェネレントラ》。モーツァルト劇場での公演です。今年のザルツブルグ精霊降臨音楽祭はロッシーニがメインテーマで今日を皮切りに5日間開催されます。最後のフィナーレ、ロッシーニの歌劇《オテロ》まで聴きます。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ジャン=クリストフ・スピノジ
  演出:ダミアーノ・ミキエレット
  管弦楽:アンサンブル・マテウス
  
  アンジェリーナ(チェネレントラ): チェチーリア・バルトリ
  ドン・ラミロ: ハヴィエル・カマレーナ
  ドン・マグニフィコ: エンツォ・カプアーノ
  ダンディーニ: ニコラ・アライモ
  アリドーロ: ウゴ・ガリアード
  クロリンダ: ライネッテ・タピア
  ティスベ: ヒラリー・サマーズ

まず、今回の演出について触れておきましょう。演出のダミアーノ・ミキエレットはイタリアの若手で、ひっぱりだこの人気だそうです。記憶に新しいところでは、ザルツブルグ音楽祭でネトレプコがミミを歌った《ラ・ボエーム》が彼の演出。
アリドーロが狂言回しであるのは、どの演出でもそうですが、今回は彼は徹頭徹尾、天使を演じ、舞台にでずっぱり。天使が人間世界に数々の教訓を示していくという設定です。真面目で性格もよく、健気に生きてゆくアンジェリーナに幸福をもたらすというのがオペラの軸になっていますが、特に面白かったのは最後の結婚式の場面。花婿ドン・ラミロ王子と花嫁アンジェリーナから皆への結婚のお祝いは、ゴム手袋とバケツ。日頃、額に汗して働いていたアンジェリーナの象徴です。勤勉なものは幸福になれる。幸福を得るためには勤勉が大切。そういうメッセージが読み取れます。単純明快なテーマですが、ヨーロッパでもこれが今日的なテーマなのでしょう。

音楽面では、指揮のスピノジの貢献が光ります。実に丁寧で明快、そして、熱く指揮。音楽を楽しみ、愛する気持ちが全面に出ていました。もちろん、古楽アンサンブルの演奏という要素はありますが、それは今では当たり前とも言える演奏スタイル。やはり、音楽は楽しく、美しくなければいけませんね。それを示してくれたスピノジでした。
そして、もちろん、このオペラのタイトルロールを歌ったバルトリの素晴らしさは大変なものです。若いころから、この役を得意にしてきた彼女の集大成が聴けたように思います。声域の広さは驚異的で、低域から高域までアジリタは超絶的です。タイプは異なりますが、こういう声の響きの素晴らしさと超絶技巧を聴かせてくれたのは、バルトリ以外にはグルベローヴァを知るのみです。終始、素晴らしい歌唱を聴かせてくれましたが、終盤の盛り上がりは、超絶技巧だけでなく、音楽的内容の高みに駆け上がり、もう感動するしかありませんでした。繊細さ、劇的な迫力、美しい声の響き、超絶的なアジリタ、どれをとっても凄まじいものばかりで、オペラ界の至宝とも思えます。期待以上のものでした。
ラミロ王子役のハヴィエル・カマレーナも初聴きでしたが、その張りのある声の響きには驚かされます。フローレスのファンの方からは叱責されるかもしれませんが、フローレスを超える資質にも思えます。高音のよく出るところは両者とも同じですが、フローレスの声質が少し細過ぎるところを完璧にした感じのカマレーナの声の響き。素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。
あと素晴らしかったのはダンディーニ役のニコラ・アライモ。その巨体から出るボリュームのある声の響きとテクニック。演技力も抜群でパスタを食べるシーンでは死ぬほど笑わせてくれました。
ロッシーニのオペラではアンサンブルも重要ですが、5人、6人の重唱の見事なこと。これぞ、ロッシーニとうならせてくれました。

見どころ、聴きどころが満載で書き切れません。演出のミキエレット、指揮のスピノジ、そして、音楽祭の総監督でもあるバルトリへ限りない賛辞を送ることで感想をしめくくります。

フィナーレでは感涙にむせぶばかり。オペラを聴いてきて、本当によかった。カーテンコールでは、さらに感涙にむせびます。突如、指揮のスピノジが聴衆の拍手を制し、舞台上からオーケストラを指揮し始めました。なんとアンコールかと思えば、聴こえてきたのは・・・Happy Birthday。 この主役もバルトリでしした。昨日が彼女の48歳の誕生日だったんです。これまた、感動のHappy Birthday。聴衆も一緒になって、この素晴らしいオペラを贈ってくれたバルトリに惜しみないお祝いを送りました。



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ワルキューレ@バルセロナ・リセウ劇場 2014.6.3

何と24年ぶりのバルセロナ・リセウ劇場です。バルセロナでワーグナーというのも妙なものですが、カーセンの演出でスーパーキャストとなれば、聴きたくもなります。実際、とても聴き応えのあるワルキューレでした。これまで聴いたワルキューレの中でもトップを競う出来栄えでした。主役級の6人のスーパースターはみな絶好調とも言える歌唱。若干、オーケストラが弱く感じますが、ワーグナーの重厚さではなく、ロマンチックさを目指す演奏でうまくカバーした感もあります。指揮者ポンスの音楽性がオーケストラをうまくコントロールしたとも言えます。そのロマンチック路線で一番、成功したのは、フォークトとカンペが歌ったジークムントとジークリンデの純愛コンビ。ワーグナーとは思えない重厚さを排した軽めの歌唱がとても好感を持てました。初聴きの売れっ子フォークトはヘルデン・テノールかと思っていましたが、クリアな高域の響きは重厚さはありませんが、素晴らしい響き。ちょっとびっくりでしたが、女性ファンの多いのもうなづけます。そして、一番の収穫はカンペです。とても美しい響きのソプラノ。ベルベットのように柔らかく、それでいて芯のしっかりした声に魅了されます。第3幕冒頭の悲運を嘆き、かつ、子供を産むことへの希望を叫ぶところでは強い感銘を受けました。これから目を離せない歌手の一人です。
一方、期待したカーセンの舞台作りは今一つに思えます。ロマンチック路線の美しさに欠けていたのが残念です。saraiの思い込みかもしれませんが、カーセンと言えば、どうしても美しい舞台を期待してしまいます。美しい指輪というのもいいかなと勝手に思っていましたが、今どきのワーグナーらしく、シンプルで簡素な舞台。これって、えらく普通のワーグナーに思えます。予算の関係もあるのかもしれませんが、saraiをうならせるような舞台にしてほしかったというのが正直な感想。
歌手に話を戻すと、ヒロイン役であるブリュンヒルデを歌ったテオリンは実に素晴らしい。これだけのブリュンヒルデを聴くのは久々です。見栄えもいいので、現在、最強のブリュンヒルデかもしれません。何と言っても、強靭な声の声の響きが素晴らしいです。彼女が登場すると、舞台はロマンチック路線から飛翔し、深く重厚なワーグナーに一変します。
女声陣では、一番素晴らしいのは藤村実穂子。この人の歌うフリッカは今まで聴いた中で最高です。声の響きは強く、深く、パーフェクト。損な役回りのフリッカですが、主役を食ってしまいそう。昨年、ウィーンで聴いた《グレの歌》のときと同様に彼女はオペラ人生で最高のときを迎えているようです。それに舞台全体を支配してしまう貫禄というか、オーラが凄いですね。いい意味で日本人とは思えません。
ウォータン役のドーメンはさすがの歌唱。この人も現在、最強のウォータンの一人ですね。低域の響きは何とも言えず、素晴らしいです。文句の付けどころなしです。人間(神?)の強さ・弱さをすべて自然に具現化してくれます。
最後はフンディング役のハルフヴァルソン。まさにフンディングを歌うために生まれてきたような人ですね。これまた文句なし。
こう書くと、少なくとも歌手は世界最高水準であることになります。実際、そういうオペラ公演でした。ただ、最高のワルキューレかと言われると、やはり、オーケストラの弱さがあります。ウィーンやバイエルン国立歌劇場でこれだけの歌手が揃えば、文句なしに最高のワルキューレだったでしょう。ただ、それは贅沢を言ってみただけで、大満足のワルキューレではありました。

最後に、今日のキャストは以下です。

  指揮:ジョゼップ・ポンス
  演出:ロバート・カーセン、パトリック・キンモント
  管弦楽:リセウ大劇場管弦楽団
  
  ジークムント: クラウス・フローリアン・フォークト
  ジークリンデ: アーニャ・カンペ
  フンディング: エリック・ハルフヴァルソン
  ウォータン: アルベルト・ドーメン
  ブリュンヒルデ: イレーネ・テオリン
  フリッカ: 藤村実穂子



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ホフマン物語@マドリッド・レアル劇場 2014.5.28

マドリッド・レアル劇場へ初見参です。何となく、このオペラハウスはバロックオペラという印象がありますが、今回はフランスもの。それもオッフェンバックのある意味、難解なオペラ、《ホフマン物語》です。そもそも、オッフェンバックはオペレッタの作曲家。オペレッタを111曲も作った人です。その彼が人生の最後にオペラに挑んだのは、どんな気持ちだったんでしょう。そのあたりの屈折と完成前にオッフェンバックが死去したことで、このオペラは難しくなったような気がします。
今回の上演はレアル劇場版とのことですが、基本的にエーザー版をもとにした5幕物です。エピローグ、第1幕《オランピア》、第2幕《アントニア》、第3幕《ジュリエッタ》、エピローグの順で、第1幕の後、第2幕の後に25分ずつの休憩が入ります。必然的に長くなり、全体は休憩を入れて、4時間を超えます。
ある意味、演出上も下世話的にな興味も集中するのは最初の休憩前までになります。設定が居酒屋ではなく、美術学校になっています。舞台のバックで画家たちのデッサンが行われ、そのデッサンのモデルとして、入れ代り、立ち代り、美しく若い女性が文字通り、フルヌードで美しい肢体を見せます。最初はその姿は後ろ向きですが、2番目の女性からは前向きに立ちます。これは日本では上演不能でしょう。また、舞台の一番前には、最初は動かないので彫像かと思いましたが、裸身を白く塗った女性が横たわっています。つまり、舞台の前面と後面に2人のヌードの女性がずっと存在している中でオペラが進行します。フォン・オッターの美しい歌声にうっとりしながらも、目線はヌードの女性に向いてしまい、どうしても散漫になってしまいます。まあ、いいような、悪いようなというところです。そう言えば、このオペラ自体も芸術の美の世界と魔的な悪の世界の対立構造を主題としていることを想起します。すべて、2面的な世界。それをどう克服していくか・・・これは西洋文化の一つの潮流ですね。ヘーゲルは止揚:アウフヘーベンということで一つの答えを出しましたが、それは哲学や政治の世界の話。芸術となるとそうは簡単には事が片付きません。唐突ですが、画家のカラヴァッジョのことを想起します。彼も深遠な美術と現世的な暴力の2極の間でせめぎ合って、それが昇華したのが彼の芸術の根源だったでしょう。悪、魔、暴力という負の世界は芸術上は美を追求する上で切り捨てられないものでもあります。このホフマン物語も明らかにそういったファウスト的な世界を描いています。そうすると、演出上、こんなにヌードを多用したのは、芸術上の多面性を示すためとも考えられます。そもそも芸術は現実にはありえないような様々な美を追求するという大目的がありますが、人間が作り出すものである以上、現実世界からのリンクも必要です。その一つが女性のヌードではないでしょうか。フォン・オッターが歌うミューズは形而上の美の世界、現実世界の女性ヌードは形而下の美と言ったら言い過ぎかもしれませんが、芸術は最終的に形而上の美の世界を目指すというのがこのホフマン物語の演出のテーマではないかと思った次第です。事実、女性ヌードは最初の休憩までで、第2幕以降は一切、登場しないというのは、演出がその方向性を指し示すためだと思ってしまうわけです。ある意味、最初はどぎつく始まった、このオペラもそういう方向性を示すものだとすれば、納得性もあるかもしれません。
こういう演出を可能にするためには、ミューズ役がとても重要になります。あえて、フォン・オッターを起用したのは、彼女の歌唱がミューズ的な天上の世界の響きを持つからにほかならないでしょう。実際、このオペラはフォン・オッターの美しい歌で始まり、しみじみとした歌で幕を閉じます。また、ミューズ役はニクラウスに扮するために最初と最後以外はズボン姿になるのが通例ですが、フォン・オッターはズボンを履こうとして、止めてしまい、結局、スカート姿で通します。これはミューズとしての意味合いを強めるための演出なんでしょう。しかし、姿・形がどうであれ、フォン・オッターの抒情性を極め尽くす歌唱の見事さと言ったら、もう、うっとりどころの話ではありません。マーラー、コルンゴルトを歌う彼女の素晴らしさは今更述べるものではありませんが、同様な美がここでも開花していました。しみじみと抒情性のある歌唱では、メゾソプラノで最強と言ってもいいでしょう。今回の旅はメゾソプラノを聴く旅でもあります。この後、チェチーリア・バルトリ、そして、ガランチャを聴いて、現在のメゾ3強が聴ける筈でした。既にガランチャがキャンセルしたために一角は崩れましたが、フォン・オッターとバルトリがそれを埋めてくれることでしょう。

あまり、オペラ全体の感想にはなりませんが、これがsaraiの偏った見方・聴き方です。ご容赦ください。そうそう、肝心のタイトルロールを歌ったエリック・カトラー、全くの初聴きでしたが、彼も見事な歌唱でした。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ティル・ドレマン
  演出:クリストフ・マルターラー
  管弦楽:レアル劇場管弦楽団
  
  ホフマン: エリック・カトラー
  ニクラウス/ミューズ: アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
  リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット: ヴィト・プリアンテ
  ステッラ: アルテア・ガリッド
  オランピア: アナ・ドゥルロフスキ
  アントニア/ジュリエッタ: ミーシャ・ブリューゲルゴスマン

今回のヨーロッパ遠征の最初のオペラですが、本当にフォン・オッターを聴けて良かった! 幸先よいスタートです。




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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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