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一生に一度の邂逅!《グレの歌》@ウィーン・コンツェルトハウス 2013.6.22

いやはや、どこから書き始めれば、いいのか、迷ってしまうほど、実に多彩で凄すぎるコンサートでした。
シェーンベルクの《グレの歌》は無調音楽以前の後期ロマン派の絶頂をなす大曲で、ワーグナーはもちろんのこと、師匠のツェムリンスキー、さらにはマーラーの影響も受けつつ、シェーンベルクの濃厚なロマンの味わいを主軸にしています。曲は前半の第1部、及び後半の第2部、第3部からなりますが、前半と後半では、まったくと言っていいほどに、味わい・構成が異なり、聴く者にとって、受け止めかた・好みが分かれます。

saraiにとっては、どちらも衝撃的で素晴らしいのですが、大好きなのは前半の第1部です。第1部はヴァルデマール王とその愛人のトーヴェが交互に歌を交わしていく形式になっています。《トリスタンとイゾルデ》のように濃厚な愛を語り合うのではなく、もっとあっさりとした愛の歌です。あっさりと言っても、もちろん、ワーグナーに比べるとというだけで、深い情念を秘めた歌です。最初のオーケストラの前奏曲に続き、ジェイ・ハンター・モリスがヴァルデマール王の「いま黄昏がおとずれて」を低く、深い響きの声で歌い始めます。音域はバリトン。この人は本当にテノールなのっていう感じの響きです。しみじみとした歌に聴き惚れます。さすがに最近、ブレークしているワーグナー歌いのヘルデン・テノールです。柔らかい響きではなく、男らしい力を秘めた響きですが、表現はとても叙情的です。こういう響きと表現の組み合わせは、これまで聴いたことがありません。とても感銘を受けます。それにsaraiの席は2列目の中央、すぐそばでジェイ・ハンター・モリスとデノケが歌うので、ホールの響きではなく、声が直接耳に入ってきます。
次は待ちに待ったデノケがトーヴェの「おお月光が静かに滑るように輝き」を歌い始めます。このあたりは余裕の笑みさえ浮かべながらの歌唱。まだまだ、デノケらしいピュアーな高音のパートではありませんが、実に丁寧で美しい歌唱です。
次はまたジェイ・ハンター・モリスが「馬よ 我が馬よ」を激しく、ヘルデン・テノールらしく、大迫力で歌います。これは凄い。バリトンの声域からテノールの声域まで同じ力強く、輝かしい響きです。しかも深みのある響きでもあります。トリスタンを歌わせたい感じです。
次はまたデノケが「星が歓呼し 輝く海は」を初々しく、感性豊かにロマンチックに歌い、だんだん高揚してきます。でも、まだ、デノケの本領はこれからです。
ここでヴァルデマール王はトーヴェのいるグレの城に到着し、いよいよ愛の密会のシーンが始まります。このあたり、オペラにしたいくらいです。
ジェイ・ハンター・モリスが「神の王座の前で舞う天使たちの踊りも」で、すべての天使と引き換えにしても、このグレの城の宝、すなわち、トーヴェを決して手放さないと情熱的な愛の歌を歌います。リリックさも雄々しさも兼ね備えたスーパーテノールです。その底知れぬ実力を間近に聴き、鳥肌が立ちます。
デノケは「今私はあなたにはじめて申します」とヴァルデマール王への真実の愛の告白を歌います。見事な抑制された歌唱で胸に迫るものがあります。デノケらしい、素晴らしい響きが聴こえ始めました。こんな間近に完璧な歌唱を聴かされると、たまりません。
ジェイ・ハンター・モリスが「真夜中だ」と愛の喜びに燃えつつも、逆にいつか訪れる愛の終わり、すなわち、死へ不安を歌います。圧倒的な迫力、そして、暗い音楽です。
デノケの歌も最後の歌になります。もう、これで聴けなくなると思うと、とてつもない寂しさに襲われます。「あなたは私に愛のまなざしを送り」とヴァルデマール王を力づけるような、優しい愛の歌を歌いあげます。saraiがこの《グレの歌》でもっとも好きな歌です。デノケは見事な音程で感動的な歌・・・これはたまりません。今日のデノケは決して絶好調というわけではなく、特に超高音域の声がいまひとつ出ていませんが、それも素晴らしくカバーして、胸に迫る歌を聴かせてくれました。静かにデノケの歌は終わりました。ジーンときました。オペラなら、ここで拍手・・・それも盛大な拍手です。
ジェイ・ハンター・モリスが「不思議な娘トーヴェよ」を歌い、トーヴェの優しい歌でたましいに平安を得られたことを切々と歌います。
オーケストラの間奏がはいります。ヴァルデマール王の王妃ヘルヴィッヒの激怒でトーヴェは殺害されます。
最後にオーケストラ後方に立つ藤村実穂子が森鳩の声で「グレの鳩たちよ」を実にアーティスチックに歌いあげます。低く、そして、時として、ダイナミックに、素晴らしい声の響きです。それに恐ろしいくらいの感情表現。見事な歌唱でトーヴェの死を歌いあげます。素晴らしかったデノケを食ってしまいそうな勢いの歌唱です。この日は彼女の気魄がすべてに優っていたかもしれません。森鳩を藤村実穂子以上に歌える歌手はいないでしょう。

ここで、前半の第一部は終了。
もう、これ以上、何が聴けるのかという感じです。2人の愛は不倫の愛ですが、死をも超越するような純粋な愛。その愛は第1部で完璧に成就します。2人の見事な歌唱、さらに藤村美穂子が決めてくれました。そして、ナガノがうまくオーケストラをコントロールして、最高の出来。

休憩後の後半、第2部と第3部は、もう、デノケも藤村実穂子も登場しません。そのかわり、遂に総勢、200人以上の大合唱団が満を持して、登場。後半についてはもう詳しく書きませんが、フィナーレの大管弦楽と大合唱の大迫力は凄く、コンツェルトハウスのグローサーザールに轟きわたりました。この凄まじい音量に感動できない人はいないでしょう。そう、マーラーの交響曲第2番《復活》と同様です。ケント・ナガノのコントロール能力、音楽性も刮目するものがありました。そうそう、語り手の女優ズニー・メレスの《グレの歌》に没入した、彼岸にでも魂が飛ばされたような見事な語りも堪能しました。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ケント・ナガノ
  管弦楽:ウィーン交響楽団
  合唱:Wiener Singakademie、Orfeo Catala、Cor de Cambra del Palau de la Musica Catalana、Herren des Chores des Slowakischen Nationaltheaters

  ヴァルデマール:ジェイ・ハンター・モリス
  トーヴェ:アンゲラ・デノケ
  森鳩:藤村実穂子
  農民:アルバート・ドーメン
  道化:クルト・アゼスベルガー
  語り手:ズニー・メレス

今回の旅で、各都市で素晴らしいオペラ・オペレッタ・コンサートを聴きましたが、それらの集大成として聴くのにふさわしい超大曲《グレの歌》でした。きっと、saraiの1生で1度の音楽体験になるに、相違ありません。



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驚異的な新人デビュー!《ロメオとジュリエット 》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.21

今夜はウィーン最後のオペラ。最後の最後にとんでもない隠し玉というか、サプライズが待っていました。

発端はウィーン国立歌劇場の入り口に着いた時。妙にチケット売りの人が多い! 妙な胸騒ぎがして、張り出してある今日のポスターを見に行きます。ゲゲッ!!! 何と、主役のジュリエットを歌うニーノ・マチャイゼの名がなく、何だか、まったく知らない名前が記載されています。それも何と何と、ウィーン国立歌劇場に今夜、デビューする新人です。ここで一気にテンションがダウンします。ニーノ・マチャイゼはネトレプコの代役でジュリエットを歌い、大成功した若手です。ヴィデオでも、ヴェローナ野外音楽祭の素晴らしい歌唱を聴いて、大いに期待していたんです。

テンションダウンして、すっかりリラックスムードでオペラを聴き始めます。それに今日のウィーン国立歌劇場は観光客でいっぱいです。タイトルが《ロメオとジュリエット》なので分かりやすかったのか、ドミンゴが指揮をするので、客が集まったのか、定かではありませんが、決して、いい雰囲気ではありません。昨日の《カプリッチョ》とは様変わりです。白けながら聴き始めましたが、さすがにウィーン国立歌劇場のオーケストラは素晴らしい響きでグノーの甘美な旋律を奏でます。そうそう、今日はコンサートマスターがキュッヒルさんです。相変わらず、早くからピットにはいり、練習に励んでいます。前に寄って、会釈すると、きちんと会釈してくれました。真面目なかたです。

ともあれ、まったく期待外のジュリエットの登場。冷やかに聴き始めました。んん・・・!! これはっ・・・!! まずは大変な声量に度肝を抜かれます。ウィーン・デビューでの気負いもあるのでしょう。声量も声の響きも凄いのですが、コントロールがもうひとつのようにも感じます。ですが、とてつもないソプラノのような予感です。ウィーン初登場、いきなりの主役抜擢ですから、もちろん、単なる新人ではない筈です。それに指揮がドミンゴなので、そんな変なソプラノが出てくるはずもありません。名前はソーニャ・ヨンチェヴァ(レイネさんのご指摘で日本語表記が分かりました。原語はSonya Yoncheva)でブルガリア出身の32歳です。
第1幕でいきなり有名なアリア「私は夢に生きたい」は大変な負担でしょう。ネトレプコの澄み切った声の響きではなく、玉を転がすような声の輝きがあります。こういうソプラノは初めて聴きました。とても耳に心地よく響きます。ネトレプコとどちらがいいかと言われると、それぞれの持ち味があるとしか、言えませんが、ソーニャは若さと瑞々しさという武器があり、新鮮さに満ちています。デビューしたてのネトレプコの勢いも感じます。
第2幕以降のロメオとの2重唱では、ソーニャもすっかり落ち着き、声の響きのピュアーさも増してきました。高音域での輝かしい声の響きは素晴らしく、段々と惹きこまれていきます。ソーニャの声が聴けるのが、唯一の楽しみになってきて、彼女の出番が待ち遠しくなってきます。もちろん、ロメオを歌うベチャーラも期待通りの熱唱で、彼がこんなに歌がうまいとは驚きです。どちらかというと、実直に熱い心情を魂を込めて歌うテノールでテクニックは今ひとつと感じていましたが、彼もキャリアを重ねて、大変なテノールに成長しましたね。その素晴らしいベチャーラの歌唱にも支えれて、ソーニャの歌声はますます、素晴らしく響きます。特に婚礼の夜のデュエットには、すっかり参りました。なんと美しく、チャーミングなんでしょう。容姿も若々しい肢体にものを言わせて、セクシーです。ちょっと太めですが、今のネトレプコとは比べものになりません。そして、圧巻だったのは最後のデスシーンのデュエット・・・ちゃんとピアノッシモの美しい高音が聴けました。
ロメオとジュリエット以外の配役については、この作品の場合、亡霊1、亡霊2、・・・という感じにさせてください。最高のラブストーリーですから、恋人2人に絞りたいsaraiの心境・我儘です。幾分なりとも、ロメオとジュリエットにsaraiと配偶者を重ね合わせた一途な心境・・・馬鹿な奴だと分かってやってください。

今夜のオペラは不思議に感動はなく、興奮だけが残りました。グノーの甘美すぎる音楽のせいかもしれません。今度はソーニャのプッチーニあたりを聴いてみたいと思いながら、帰途につきました。ニーノ・マチャイゼには縁がなかったんですね。

今日のキャストは以下です。

  演出:ユルゲン・フリム
  指揮:プラシード・ドミンゴ
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

ジュリエット:Sonya Yoncheva
  ロメオ:Piotr Beczala
  キャピュレット卿:Il Hong
  ローレンス神父(ローラン神父):Dan Paul Dumitrescu
  メルキューシュ:Gabriel Bermudez
  ティボルト(ティボー):Dimitrios Flemotomos
  ステファーノ:Juliette Mars
  ジェルトリュード:Ulrike Helzel
  グレゴリオ:Marcus Pelz
  パリス:Mihail Dogotari
  ベンヴォーリオ:Martin Muller
  公爵:Alexandru Moisiu
  
やっぱり、オペラはいいですね。人間の声の魔力にとりつかれてしまいます。今日は新人ソプラノの驚異の歌声に我を忘れてしまうほどでした。明日はオペラではありませんが、一番好きなソプラノの一人、デノケの声が聴けます。楽しみは尽きません。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2013/06/22 17:43
ソニア・ヨンチェヴァ(日本語表示は多分これ)は、数年前リールとヴェルサイユでの『ジュリオ・チェーザレ』(ひいきのCT、クリストフ・デュモーのタイトル・デビュー)でクレオパトラ役だったので注目してます。(実演には接してません) そして今年のリールでの『ポッペアの戴冠』(応援しているCTたち、マックス・エマニュエル・チェンチッチとティム・ミード出演)でのビッチなポッペア役が仲間内で話題になりました。(Arteか MezzoのサイトかYoutubeで全編観れます)この1,2年各地で売り出し中・活躍中です。
そして、来年5月、アムスのDNOの『ファウスト』(ミンコフスキー指揮、アレックス・オレ演出!)のマルグリット役が決定してるので、見に(聴きに)行くつもりです。
パワーあふれる声の美人だし役どころが広いから、今後も期待できますね!

2, saraiさん 2013/06/23 16:32
レイネさん、詳しいコメント、ありがとうございました。

バロックを歌っていた人だったんですね。これでブレークすると、バロックから遠ざかってしまうかも・・・。
来年5月のマルグリット、僕も聴きたい!!!
続報があれば、また、教えてください。

今日、ウィーンを発ち、帰国です。しばらく、ヨーロッパの予定はありません(財政破綻!)。

3, レイネさん 2013/06/30 22:19
ヨンチェヴァは、来シーズン2回聴けるはず、と思ってたんですが、もう一回はDNOではなくてモネ。10月公演、トマの『アムレット』でオフェリア役です。ステファヌ・ドゥグーのタイトル・ロールは絶賛されてるし、こちらもミンコさん指揮、ピイ演出で見逃せません。(ミンコさん好みのソプラノってことかしら)楽しみ、楽しみ。

4, レイネさん 2013/06/30 22:22
先ほどのコメントの間違いを訂正します。モネ劇場の『アムレット』は12月公演です。チケットばら売り開始が10月から。

5, saraiさん 2013/07/01 00:08
レイネさん、続報ありがとうございます。
トマのハムレットとは、なかなか渋い演目ですね。確かにミンコフスキに見込まれたのかも。注目しておかないと、今年、来年はどこに出ても不思議ではなさそうですね。それにしても、レイネさんのテリトリでの出演が多いのも不思議。
来年の予定はこれからですが、DNOのチケット売り出しって、いつ頃からですか。

6, レイネさん 2013/07/01 02:30
DNOのバラうりチケットは公演開始日の3か月前発売からです。『ファウスト』のオンライン・チケット発売開始は2月10日の12時からです。公演は5月10,13,15,18,21,23, 25,27日で、18日と25日がマチネで13時30分、それ以外の日は19時開演です。
5月ってオランダではやたらと祝日が多いので、家族旅その他が入りそうなのでコンサートやオペラの予定が立てにくい。。。でも、気候的には通常好天が多いので、Saraiさんご夫妻のヨーロッパ遠征にはよろしいのでは。他の都市で目をつけてらっしゃる演目は、何かしら?
(ところで、6月の里帰りは実現しませんでした。急を要する用事がなくなったので。次回帰国は早くて今年の秋、遅くとも来年の春になります。)

7, レイネさん 2013/07/02 06:59
しつこくコメント続投で失礼します。ヨンチェヴァ情報です。
ミュンヘンの来シーズンスケジュールを見てたら、4月の『椿姫』に彼女がヴィオレッタ役で主演するのを発見。アルフレードはヴィリャゾン、パパ・ジェルモンはレオ・ヌッチで、4月15日、19日、25日の公演です。
ミュンヘンは、オーストリアやクロアチアに行くとき通り過ぎるだけで、停まったことも泊まったこともまだないんです。追っかけ歌手が登場しないから。。。

8, saraiさん 2013/07/02 10:36
レイネさん、凄い情報収集力ですね。

4月ミュンヘンですか。それに5月のDNO、そそられますね。4月はウィーンでガランチャ、シュヴァネヴィルムスの《ばらの騎士》もあるし、ウィーン→ミュンヘン→アムステルダムという日程ができあがりそう・・・
どうしよう??

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ウィーンでしか聴けない!《カプリッチョ》@ウィーン国立歌劇場 2013.6.20

いやはや、さすがにウィーンとしか言いようがありません。まったく、一分の隙もないキャストにウィーン国立歌劇場のオーケストラの素晴らしい響き、そして、エッシェンバッハの何ともロマンティックな音楽作り。R・シュトラウスの最後にして、畢生の楽劇《カプリッチョ》を堪能しました。

マドレーヌを歌わせたら、この人しかいないルネ・フレミングの歌唱。彼女のオペラもずい分聴きましたが、これほど、ぴったりするものは他にはありません。彼女のR・シュトラウスへのひたむきとも思える思いが結実しています。それに、クルト・リドルのラ・ロッシュ、ウィーンでは初披露だそうですが、オックス男爵に匹敵する名歌唱です。この人は今や、絶頂にあるのではないかと思わせられます。ミヒャエル・シャーデのフラマン、やっぱり、素晴らしいですね。少し、線が細いのかなと思っていましたが、明るく軽い声で、作曲家のひたむきな心情を歌いあげてくれました。特にソネットをマドレーヌに歌う場面、見事としか、言いようがありません。彼の歌に続くフレミングの歌唱と合わせて、これこそ、愛の2重唱で、感動してしまいました。オリヴィエ役のマルクス・アイフェの歌唱も予想外?の見事さ。ボー・スコウフスは実力通りの歌唱。そして、久しぶりに聴くキルヒシュラーガー、体型は少し変わりましたが、相変わらずの美貌。フレミングの歌唱を聴いていると、メトロポリタン・オペラを聴いているような錯覚も覚えますが、キルヒシュラーガーが登場すると、やはり、ここはウィーンだと納得。彼女を聴いた中ではベストの歌唱で、メゾ・ソプラノの美しい響きにうっとりしました。

オーケストラは最初の弦楽6重奏の美しいこと、オペラで最高の室内楽を聴けて、幸せです。しかし、これは室内楽ではないことをはっきり認識もしました。エッシェンバッハがしっかりと指揮していたんです。名人揃いのオーケストラメンバーに任せないで、エッシェンバッハの積極的な音楽作りが目立ちました。R・シュトラウスの擬古典主義の実に耽美的なロマンティシズムを余すことなく、見事に表現しきった指揮に大いに感服し、堪能させてもらいました。これなら、《ばらの騎士》を振っても素晴らしそうですね。あと、もちろん、《月光の音楽》も美しい響き、メロディアスな抒情、何も言うことはありません。

この《カプリッチョ》、R・シュトラウスが戦時中のナチス政権下でどんな思いで作り上げたのか、窺い知ることはできませんが、極限状況のなかで、芸術論のみに徹し切ったオペラを完成させた意気込みたるや、想像に余るものがあります。R・シュトラウスが最後のオペラとして、オペラそのものを題材として、言葉と音楽のいずれが重要かを論じ、結論として、その2つの融合こそがオペラの本質だとしたことは、オペラファンとしては納得できます。最後のオペラ=楽劇として、素晴らしいものを我々に残してくれたものです。このオペラは普遍の価値がありますが、やはり、ウィーンでの公演は格別です。オーケストラの素晴らしさ、劇場の素晴らしさ、そして、それにふさわしい華麗な舞台装置と衣装・・・このオペラはこうでないといけません。オペラの素晴らしさをオペラ自身でも公演自体でも描き尽くした決定版だと思いました。

《カプリッチョ》はやっぱり、ウィーンで聴かなくっちゃね!!!

今日のキャストは以下です。

  演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
  指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  伯爵夫人(令嬢):ルネ・フレミング
  伯爵:ボー・スコウフス
  フラマン:ミヒャエル・シャーデ
  オリヴィエ:マルクス・アイフェ
  ラ・ロッシュ:クルト・リドル 
  クレロン:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
  ムッシュー・タウペ:ミシェル・ロイダー
  イタリア人ソプラノ歌手:イリーデ・マルティネス
  イタリア人テノール歌手:ベンジャミン・ブルンズ
  
もう、こんな素晴らしいオペラを見たら、今回の旅を切り上げても悔いは残りませんが、明日もこのウィーン国立歌劇場で《ロミオとジュリエット》を楽しみます。


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オペレッタ《ルーナ夫人》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.6.19

フォルクスオーパーの新演出のオペレッタ《ルーナ夫人》・・・フォルクスオーパーはおろか、市内の至る所で大々的に宣伝しています。よほど、力を入れているようです。saraiとしては、オペレッタの師匠、FeriさんとSteppkeさんのお勧めもあり、さすがにプルミエの日はご遠慮し(その日はコンツェルトハウスでウィーン交響楽団のツェムリンスキー《人魚姫》を聴きました)、今日、出かけました。お蔭で、平土間最前列の中央という最高の席でかぶりついて鑑賞。

このオペレッタの内容は演出によって、大きく変わり、歌われる曲までも変わってしまうそうです。詳細な内容は既に師匠のFeriさんのブログに詳しいので、そちらをご参照ください。
一部、重なるところもありますが、saraiの印象を書き連ねてみます。

まずは、とてもショーアップされた内容でオペレッタというよりもミュージカルかと思ってしまいますが、これがベルリン・オペレッタというものなのかもしれません。もちろん、歌を聴けば、明らかにオペレッタです。ショーアップされた内容は映像を駆使して、月、地球をズームアップしたり、プリンス・シュテルンシュヌッペ(流星王子)の宇宙自動車を飛ばしたりとか、実に多彩な内容です。一番こっているのは、衣装とメイクアップ、それにかぶりものです。ハリウッド映画の宇宙ものと張り合うようなド派手なもので、見事というよりほかはありません。オペレッタでここまでやるんですね。舞台装置は月旅行のバルーンを吊り上げたり、プリンス・シュテルンシュヌッペ(流星王子)の宇宙自動車を吊り上げたり、これまた、派手な内容です。そういう大衆向けの楽しい内容のせいか、観客席には、親に連れられた子供の姿が目立ちます。これまでのオペレッタではなかったことです。将来のオペレッタファン獲得につながればいいですね。子供も着飾り、ママも着飾っています。

さて、肝心の音楽的な内容ですが、耳になじみやすい曲が次々に歌われ、これぞ、オペレッタというものに仕上がっていました。歌手はみなマイクを付けて歌っていましたので、実際の声量とかは分かりませんが、ごく自然に聴こえ、オペレッタとしては、十分、評価できるレベルです。歌・演技ともに楽しめたのは、なんと言っても、プーゼバッハ夫人役のIsabel Weickenです。彼女のいかにもオペレッタというオーバーな歌・演技には、すっかり堪能しました。ルーナ夫人のJulia Kociは歌はそこそこですが、容姿がとても素晴らしい。魅力的でした。マリーのJohanna Arrouasはなかなかの歌唱力。容姿もマリー役として、生真面目風がよくはまっていました。プリンス・シュテルンシュヌッペ(流星王子)のThomas Paulは体も大きく、少し、立派過ぎるのが難点ですが、歌はなかなかのもの。テオフィルのBoris Ederは、もうひとつ、個性がバーンと前面に出てこない感じで、もどかしく感じました。ロベルト・マイヤーなら、とぼけた演技、声の響きなど、観客を沸かせたことでしょう。シュテップケ役のDaniel Prohaskaもよい演技でした。明るく元気な好青年という雰囲気があまりに出過ぎのような感はありました。もうちょっと一途な感じもあってよかったのでは・・・。
オーケストラはずい分、リハーサルを重ねたのでしょう。よい演奏でした。

全幕、楽しい音楽が流れましたが、何といっても休憩前を締めくくったBerliner Luft(ベルリンの風)の楽しさといっては、もうたまりませんね。こういうのがあるから、オペレッタをつい聴いてみることになってしまいます。当然、最後のフィナーレもこのBerliner Luft(ベルリンの風)でしめくくられるものと思っていたら、空振り。残念です! と思っていたら、カーテンコールで突如、のBerliner Luft(ベルリンの風)をオーケストラが演奏し始め、舞台上の歌手たちも合わせて、歌い始めました。これで大満足!!

今日のキャストは以下です。

  演出:Peter Lund
  指揮:Gerrit Priessnitz
  管弦楽:フォルクスオーパー管弦楽団

  ルーナ夫人:Julia Koci
  プリンス・シュテルンシュヌッペ:Thomas Paul
  ステラ:Regula Rosin
  テオフィル:Boris Eder
  プーゼバッハ夫人:Isabel Weicken 
  マリー:Johanna Arrouas
  フリッツ・シュテップケ:Daniel Prohaska
  レマーマイヤー:Andreas Daum
  パンネッケ:Carlo Hartmann
  ヴェヌス:Martina Dorak
  マルス:Stefan Tanzer
  
明日はウィーン国立歌劇場で楽劇《カプリッチョ》。楽しみです。


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《フィガロの結婚》を聴くなら、ここでしょ!@エステート劇場 2013.6.18

モーツァルトの数ある作品でも、これこそ最高傑作と言えるのはこのオペラ《フィガロの結婚》に留めをさすと思っています。オペラ史上、最高のロマンチックコメディーです。これに対抗できるのは、モーツァルト回帰したR・シュトラウスがこの《フィガロの結婚》を目指して作曲したと思われる楽劇《薔薇の騎士》だけでしょう。

《フィガロの結婚》は1786年5月1日にウィーン・ブルク劇場で初演されましたが、不人気ですぐに上演中止。同年12月にプラハのこのエステート劇場で再演され、プラハで大変な人気になります。即座にモーツァルトにお呼びがかかり、翌年1月にはモーツァルトがこのエステート劇場の指揮台に上がり、《フィガロの結婚》を演奏しました。モーツァルトはこの《フィガロの結婚》の演奏に先立ち、名作、交響曲第38番《プラハ》を1月に初演しています。このプラハでの成功をきっかけにエステート劇場から依頼のあったオペラ《ドン・ジョヴァンニ》を同じ年にエステート劇場でモーツァルト自身の指揮で初演しています。また、レオポルド2世のボヘミア王戴冠を記念して、ボヘミア政府から依頼のあったオペラ《皇帝ティトの慈悲》を1791年にモーツァルト自身の指揮でエステート劇場で初演しています。レオポルド2世の臨席のもとでした。これは国王夫妻には不評だったようですが、プラハ市民の間では大変な人気だったそうです。モーツァルトはこの年に亡くなります。モーツァルトは死ぬ前の5年間、プラハ、特にこのエステート劇場と大変強いつながりを持っていたんです。

前置きが長くなりましたが、モーツァルト好き、それも《フィガロの結婚》の大好きなsaraiにとって、このエステート劇場で《フィガロの結婚》を聴くことは、もうそれだけでも、うるうるものなんです。

今日は珍しく、平土間ではなく、ロジェ・バルコンで聴きます。実はネットでの販売がなかなか始まらず、いざ、始まったら、既に平土間の良い席は埋まっていました。それでLINKS3番のロジェのシートを予約しました。ロジェは基本1室2席なので、saraiと配偶者だけの密室。ゆったりと平土間を見下ろしながら、俄か貴族気分になれます。乗り出さないと舞台の3分の1ほどが見えませんが、そんなに気になりません。配偶者は靴を脱いで、椅子の上に正座して聴いています。お行儀がいいのか、悪いのか、よく、分かりませんが、リラックスできて、楽しかったようです。オーケストラの演奏もすべて視界におさめることができます。

あのわくわく感たっぷりの序曲が始まりました。オーケストラのアンサンブルは・・・はっきり言って、不揃いです。しかし、何か、ほのぼの感もあり、昔日の演奏を聴いて、懐かしさも感じるような演奏です。切れ味鋭い演奏とは程遠く、昔の電蓄でレコードを聴いているような感覚です。暖かさにあふれた演奏です。緊張感もなく、楽しみながらの演奏です。単にへたくそと決めつけることはできません。こういう音楽もありでしょう。

第1幕、最初のシーンでフィガロとスザンナが登場しますが、スザンナ役のKaterina Knezikova(以降、カテリーナと呼びます)が実にキュートで気に入ります。声の響きもクリアで新鮮で活き活きしており、一気に惹きつけられます。《フィガロの結婚》では、各配役に美しいアリアがありますが、何故かスザンナだけは、あまり、素敵なアリアがありません。それでもやはり、この《フィガロの結婚》の真の主役はスザンナです。アリアを補って、余りある、レシタティーボや重唱での活躍があります。そのスザンナを歌うカテリーナが素晴らしいので、今日のオペラは素晴らしくなる予感がします。カテリーナは歌だけなく、容姿も若くて、清潔で美しく、演技もとてもキュートでスザンナにぴったりです。重量級のネトレプコよりも好みです。声も透き通っていて、ホールによく響きます。エステート劇場は客席数600名とこぶりな劇場でモーツァルトのオペラも室内オペラのような感じで、歌手の声がよく響きます。モーツァルトはこういうホールを意識してオペラを作ったのかと納得しました。

あとはもう、嬉しくて、にこにこしながら、アリア、重唱、合唱、オーケストラを楽しむのみです。隅々まで知り尽くしたオペラですが、場面、場面でオーケストラの演奏楽器が巧みに使い分けられていることに初めて気が付き、モーツァルトの天才ぶりの感嘆します。木管のオーボエを中心にフルート、クラリネットを使い分け、通常は、オーボエとファゴットとホルンで演奏し、ここぞというところで、トランペットとティンパニが参入します。それが舞台上の歌、筋書と如何にマッチしているか、恐ろしいほどです。

第3幕の伯爵夫人のアリアが素晴らしく、その表現力に瞠目するばかりです。続く《そよ風に寄せるカンツォネッタ》は伯爵夫人を中心にカテリーナのスザンナも素晴らしく、うっとりと聴き入ります。このあたりから、オペラは佳境を迎えていきます。
第4幕の素晴らしいこと、saraiの聴いたなかでは最高です。重唱が多いのですが、その美しさ・迫力。最後は伯爵が許しを請い、伯爵夫人が優しく許してくれる最高の場面。もう、涙するしかありません。だって、他人事ではありません。何かと罪を犯し続けるsaraiのことを配偶者が優しく許してくれるという勝手な妄想を描いてしまうからです。昨日のオペラ《ペレアスとメリザンド》では、ゴローに救いはありませんでした。ここには、大きな救いがテーマとして描かれています。無論、saraiは許しを得て、人生を全うしたいんです。だから、《フィガロの結婚》は大好き。
フィナーレは許しの音楽のしっとりしたところから一転して、活き活きとした全員の重唱で圧巻の幕です。感動!! 単純だと言われようが、ここには人生、人間への愛が満ちています。それらを享受してこその音楽って、最高だとは思いませんか?

今日のキャストは以下です。

  演出:Josef Prudek
  指揮:Jan Chalupecky
  管弦楽:プラハ国民劇場管弦楽団

フィガロ:Frantisek Zahradnicek
  スザンナ:Katerina Knezikova
アルマヴィーヴァ伯爵:Jiri Bruckler
  伯爵夫人:Marie Fajtova
ケルビーノ:Stanislava Jirku
  バルトロ:Ludek Vele
  アントニオ:Ales Hendrych
  マルチェリーナ:Lenka Smidova
  バジリオ:Vladimir Dolezal
  バルバリーナ:Erika Jarkovska
  ドン・クルツィオ:Vaclav Lemberk
  
明日からはウィーンに戻って、オペレッタ、オペラ2回、大声楽曲を4夜連続で聴いて、今回の旅は完了です。明日からの音楽体験も是非、共有してくださいね。


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ボヘミアの霧の中・・・ペレアスとメリザンド@プラハ国民劇場 2013.6.17

色々と考えさせられるオペラ《ペレアスとメリザンド》でした。深い解釈のもと、作品の真髄に迫った素晴らしい演出と音楽であったと思います。

このオペラはもともと、茫洋とした雰囲気のオペラではあると思っていました。今日の公演で、このオペラは夢の中でのできごと、あるいは妄想が、現実と交錯して、できあがった複雑な世界を描いたことが納得できました。それも、登場人物それぞれの思いが複雑に絡まりあって、複合した夢の世界です。
その中でも、肥大化した自我を持つゴローの存在が一番大きく、半分以上は彼の脳内で作り上げた妄想・夢の産物に思えます。そういう意味では、か弱い自我のメリザンド、ペレアスは、肥大化したゴローの自我に組み入れられた存在だと感じます。もちろん、精神のバランスを欠くゴローの妄想は現実との狭間で揺れ動いていて、どこまでが現実なのかは判然としません。現実世界のメリザンド、ペレアスも顔をのぞかせますが、あくまでもひ弱な現実です。

ゴローは救われるのか・・・それがテーマのようにも思えます。神がいない時代に人がどう救われるのか。女の愛によって、救われるのは、ワーグナーの楽劇までです。ゴローのように、愛するメリザンドの愛を信じきれない人間は、決して、女の愛では救われません。現代の愛の不毛とも言えます。結局、ゴローは救われない人間として、地獄の奈落の底に落ち込んでいくしかないのでしょう。
ドビュッシーが描き出そうとした世界は実に残酷で恐ろしい世界です。夢のような甘いとさえ感じる音楽の中に、時として、強烈な叫びが上がります。今日のオペラの主役はオーケストラです。ボヘミアの霧を感じさせるような独特のアンサンブルは、最初は少し薄っぺらく感じましたが、徐々に存在感を増していって、ドビュッシーの響きのなかに、ヤナーチェクの匂い・・・チェコの語法を感じました。ヤナーチェクの描く現代の人間の根源的な不幸を感じさせる響きです。

演出家、指揮者が周到に考え抜いた卓抜なオペラ《ペレアスとメリザンド》です。過去の甘い響きのオペラの世界はもう、ここにはありません。ワーグナー、R・シュトラウスでさえも、甘い存在に追いやってしまうのが、このオペラ《ペレアスとメリザンド》だと、痛切に印象付けられてしまいました。

はっきり言って、saraiはこんなオペラは嫌いです! でも、どうにも逃げられない自分も感じます。
テクニックや声の美しさを超えて、音楽芸術をここまで極めたプラハ国民劇場の底深さに敬意を表します。
音楽は最終的には、どこまで、人間の本質に迫れるかということがその目標であることを如実に感じさせられた公演でした。

今日のキャストは以下です。

  演出:Rocc
  指揮:David Sovec
  管弦楽:プラハ国民劇場管弦楽団

  ペレアス:Philippe Do
  メリザンド:Veronika Hajnova
  ゴロー:Jiri Sulzenko
  アルケル:Frantisek Zahradnicek
  ジュヌヴィエーヴ:Yvona Skvarova

明日はモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》の初演で知られるエステート劇場でオペラ《フィガロの結婚》を見ます。


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チェコ国立バレエ:Americana III@プラハ国立歌劇場 2013.6.16

プラハ国立歌劇場でオペラを見る予定で《ラ・ボエーム》のチケットを購入済みでしたが、急に公演がキャンセルになり、仕方がないので、バレエ公演に切り換えました。モダン・バレエ3作品です。3作品に共通したテーマはアメリカ人振付家による作品であることです。その中の一人は偶然にも、3日前にドレスデンで見たウィリアム・フォーサイスです。

最初の作品《Theme and Variations》。ジョージ・バランシンがチャイコフスキーの組曲第3番 ト長調 作品55の最終楽章(第4楽章)の音楽に振付けたものです。メインの男女2人のダンサーを中心に華やかな舞台です。衣装も古典的な感じ。これが《眠りの森の美女》の1シーンだと言われても、ああそうかって感じです。それならそうで、見事に踊ってくれれば、文句はありませんが、メインのダンサー2人の不安定なバレエを見ていると、うっとりなんて、感じはありません。モダン・バレエとは思えない作品ですが、クラシックバレエとして、しっかり踊ってほしかったものです。のっけから、これでは、このバレエ団の実力を疑ってしまいます。

休憩後、次の作品《In the Middle Somewhat Elevated》。ドレスデンで見たフォーサイスとThom Willemsのコンビの《Enemy in the Figure》ほど、衝撃的な作品ではありませんが、実にかっこいいノリで踊ってくれて、このバレエ団の評価が一転して上昇しました。キャストも素晴らしかったようです。プリンシパルのNikola Marovaを始め、ソロイストが揃っていましたし、特に女性ダンサーが目立った素晴らしい踊りを披露してくれました。超1流のファッションショーを見ている感覚に陥りました。踊りにはいる動きがスムーズでかっこいいんです。

休憩後、最後の作品《Fancy Free》。曲だけなら、聴いたことがあります。これはモダン・バレエといっても、まるでミュージカルのように筋立てがはっきりしていて、とても面白い。さすがにバーンスタインの名曲です。ジェローム・ロビンスの振付も見事です。主なマドンナ役の女性が2人登場しますが、2番目に登場したMarta Drastikova(だと思う)のチャーミングな踊り、演技、容姿にすっかり惹きつけられました。いつか、もう一度見てみたいものです。ウィーンの国立バレエに来るといいなあって、心底、思いました。筋は簡単で、バーに立ち寄った3人の水兵さんが、近くに来た女性2名(3人目はちょっとだけ)にすっかり、のぼせ上りますが、お決まりの結末で、振られてしまうというものです。たわいのないストーリーですが、見事なバレエに仕立てあがっていました。

今日のプログラムは以下です。

Theme and Variations

  振付:ジョージ・バランシン
  音楽: チャイコフスキー
  指揮:David Sovec
  管弦楽:プラハ国立歌劇場管弦楽団

In the Middle Somewhat Elevated

  振付:ウィリアム・フォーサイス
  音楽: Thom Willems

Fancy Free

  振付:ジェローム・ロビンス
  音楽: バーンスタイン
  指揮:David Sovec
  管弦楽:プラハ国立歌劇場管弦楽団

今日のキャストは以下です。

Theme and Variations

  Alina Nanu, Ondrej Vinklat, Magdalena Matejkova

In the Middle Somewhat Elevated

  Nikola Marova, Rebecca King, Zuzana Simakova, Pavla Hrubesova, Monika Hejdukova, Ivanna Illyenko, Michal Stipa, Petr Strnad, Gianvito Attimonelli

Fancy Free

  Pavla Hrubesova, Marta Drastikova, Michaela Wenzelova, Matej Sust, Ondrej Vinklat, Viktor Konvalinka, Oleksandr Kysil



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カール・ミレッカ《ガスパローネ》@シュターツ・オペレッテ・ドレスデン 2013.6.14

ドレスデンでティーレマン、ガランチャの《ばらの騎士》を見たついでと言っては何ですが、オペレッタのお友達Steppkeさんにお誘いを受けて、あまり見る機会のないオペレッタを見ました。オペレッタ《乞食学生》で有名なカール・ミレッカのオペレッタ《ガスパローネ》です。
あらすじは、大盗賊ガスパローネの襲来を警戒するシチリアの街シラクーサで、正体不明のよそ者がやってきて、ガスパローネ騒ぎのどさくさ紛れで、居酒屋の主人ベノッツィオと彼のいとこのマザッチョが密輸をしていることをつきとめます、ベノッツィオは市の司法長官ナゾーニによそ者こそがガスパローネだと告げ口し、報奨金を2人で山分けしようとします。一方、お金持ちで美貌の未亡人カルロッタは、司法長官ナゾーニの策謀で彼の息子シンドルフォとの結婚をお金目当てで進められています。しかし、カルロッタはよそ者に次第に惹かれていきます、よそ者は司法長官ナゾーニの策謀をあばくために一計を案じ、ガスパローネの犯行に見せかけ、カルロッタの全財産を奪います。司法長官ナゾーニは財産を失ったカルロッタとの婚約は破棄します。最後に司法長官ナゾーニが催す裁判の場で、よそ者は国王の代理人(総督)であることを明かし、不正を働いた者を処罰し、居酒屋の主人ベノッツィオは妻ソラに免じて許され、いとこのマザッチョは牢獄送り、司法長官ナゾーニはカルロッタの家政婦ゼノビアとの結婚を条件に許されます。そして、よそ者はカルロッタとめでたく結ばれて幕となります。

ミレッカのウィーン風のオペレッタの親しみやすい曲が歌われますが、なんといってもカルロッタ役のJana Buchnerの歌唱が光りました。狭いホールとは言え、美しい響きの声でオペレッタの醍醐味を感じさせてくれました。相手役のよそものを歌ったChristian Grygasは決して張りのある響きのテノールではありませんが、優しい愛の歌を実にソフトに歌って、これも及第点。あとのメンバーも無難に歌って、音楽的にとても充実した内容でした。また、狭いホールを縦横に駆使した演出も感銘を受けました。気楽に安い料金で楽しめる大衆娯楽としては最高です。こういうものを聴くことのできるドレスデン市民が羨ましいばかりです。ただ、ひとつ、物足りなかったのは、オペレッタにつきものの楽しいダンスがほとんどなかったことです。芝居と歌が中心になっているようですね。そのせいか、オペレッタ的な盛り上がりに欠けたことも事実です。

今日のキャストは以下です。

  演出:Matthias Oldag
  指揮:Christoph Linchdi
  管弦楽:シュターツ・オペレッテ・ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

  カルロッタ:Jana Buchner
  ゼノビア:Sofi Lorentzen
  司法長官ナゾーニ:Frank Blees
  彼の息子シンドルフォ:Christoph Simon
  よそ者、実はエルミニオ侯爵:Christian Grygas
  居酒屋の主人ベノッツィオ:Frank Ernst
  彼の妻ソラ:Isabell Schmitt
  ベノッツィオの従弟マザッチョ:Andre Eckert

とても珍しい演目が聴け、また、初めての劇場を体験でき、なかなかできない体験で、価値ある一夜になりました。


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フォーサイスのバレエの夕べ@ドレスデン・ゼンパーオーパー 2013.6.13

ドレスデンで一度、バレエを見るのもいいかなと思って、たまたま、そのときにやっていたバレエを鑑賞しました。バレエは門外漢なので、何をどう書いていいやら、分かりませんが、素人なりの印象を書いてみます。

この日はアメリカの振付家ウィリアム・フォーサイスの作品、3本立てです。フォーサイスのバレエの夕べ:Ein William Forsythe Ballettabendというタイトルでした。
フォーサイスはフランクフルトのバレエカンパニーを主宰していて、今日の作品は一部を除いて、1980年代から1990年代にフランクフルトで作った作品です。モダン・バレエの作品でクラシックバレエのように筋立てはなく、音楽とそれにあわせた振付のダンスだけです。saraiにとっては、抽象絵画の作品のようなものです。

最初の作品《Artifact Suite》は2部構成で、前半はバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のシャコンヌ(ナタン・ミルシティンの録音)に合わせて、踊られます。ラヴェルのボレロのバレエのように、ぐるりと群舞のダンサーが半円形に舞台いっぱいに取り囲む中を、パ・ドゥ・ドゥー2組が順番に、あるいは同時に踊り、群舞の動きは最小限です。全体の指揮者のような女性ダンサー:The Other Womanが舞台の中央に観客に背を向け、彼女の動きに合わせて、群舞のダンサーが手振り中心の動きをします。バッハのシャコンヌの美しい音楽に合わせたバレエということで、美しいバレエを期待しましたが、ダンスがごちゃごちゃした感じで、バッハの音楽を活かしたバレエには思えず、これは不満。後半はEva Crossman-Hechtという作曲家のピアノ独奏曲に合わせたバレエ。現代の作曲家でしょうが、無調音楽ではありません。これは群舞中心でしたが、やはり、ごちゃごちゃ感はぬぐえず、あまり、面白くありません。

休憩後、次の作品《Neue Suite》。これはパ・ドゥ・ドゥーのシリーズもので、5人の作曲家の作品に合わせて、踊られます。まずはヘンデルのコンチェルト・グロッソ第6番(カラヤン指揮ベルリン・フィルの録音)ですが、これは音楽もダンスも美しく、うっとりと見ていました。楽章ごとにダンサーが交代しますが、どちらかといえば、スローなテンポの曲に合わせたダンスが素晴らしく感じました。ダンスは派手な動きやリフトは少なく、古典的な感じのバレエです。次はバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番のアルマンドです。同じバッハでも、先ほどのシャコンヌよりも美しいバレエですが、動きが早いので、優雅さが今ひとつという感です。残りはベリオ、 Gavin Bryars, Thom Willemsです。曲を知らないこともあり、馴染みにくい感じでした。

休憩後、最後の作品《Enemy in the Figure》。これはこの日の演目で一番、面白く見ることができました。オランダの作曲家Thom Willemsはバレエ作品を中心に手掛けている人で、この作品は重低音のずしりとくる音をベースに旋律線のあまりないゆったりしたリズムのバレエ音楽です。舞台は巨大な木の壁(衝立?)がひとつ立っているだけのシンプルなもので、照明が落とされ、真っ暗です。舞台上に移動可能なスポットライト照明装置を据えて、その光を浴びたダンサーの動きだけが見えます。フォーサイスによると、空間は固定的なものではなく、動的に変化するもので、舞台上のスポットライトの変化で空間があたかも変容するようになるということです。ダンサーの激しい動きと光の移動で、実に斬新なバレエシーンが表現されました。とても刺激的です。こういうものを見ると、普通のバレエが生ぬるく感じられそうです。ダンサーの肉体表現も見慣れているクラシックバレエの動きとは本質的に異なり、新しさを感じます。見事なバレエでした。

今日のプログラムは以下です。

Artifact Suite

  振付:William Forsythe
  音楽: Eva Crossman-Hecht, Johann Sebastian Bach

Neue Suite

  振付:William Forsythe
  音楽: Georg Friedrich Handel, Johann Sebastian Bach, Luciano Berio, Gavin Bryars, Thom Willems

Enemy in the Figure

  振付:William Forsythe
  音楽: Thom Willems

今日のキャストは以下です。

Artifact Suite

  The Other Woman: Vanja Vitman
  1. Pas de Deux: Duosi Zhu, Laurent Guilbaud
  2. Pas de Deux: Courtney Richardson, Raphael Coumes-Marquet

Neue Suite

 Handel

  1. Pas de Deux: Duosi Zhu, Saverio Pescucci
  2. Pas de Deux: Sarah Hay, Francesco Pio Ricci
  3. Pas de Deux: Alice Mariani, Laurent Guilbaud

 Berio

  1. Pas de Deux: Mo'nica Tarda'guila, Michael Tucker
  2. Pas de Deux: Courtney Richardson, Fabien Voranger
  3. Pas de Deux: Duosi Zhu, Pavel Moskvito

 Bach

  Julia Weiss, Raphael Coumes-Marquet

Enemy in the Figure

  Sarah Hay, Sangeun Lee, Vanja Vitman, Anna Merkulova, Carmen Piqueras, Julia Weiss
  Claudio Cangialosi, Laurent Guilbaud, Francesco Pio Ricci, Jon Vallejo, Fabien Voranger


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感動するしかない!ばらの騎士byティーレマン+ガランチャ+シュヴァネヴィルムス@ドレスデン国立歌劇場 2013.6.12

いやあ、凄い《ばらの騎士》でした。このところ、毎年、ヨーロッパの色んな歌劇場で《ばらの騎士》を聴き続けていますが、最高の《ばらの騎士》でした。というよりも、saraiに人生でクライバーの来日公演にほぼ並ぶレベルの素晴らしさでした。

まず、シュヴァネヴィルムスの元帥夫人、一昨年のミラノ・スカラ座での素晴らしい歌唱がまだ耳に残っていますが、今日はさらに素晴らしい歌唱でした。第1幕のモノノーグからオクタヴィアンとの絡みの世の無常を歌う深い味わい、ここまで歌えるのは、現在はデノケくらいでしょうか。いずれにせよ、これまでに聴いた最高のモノローグでした。感動のあまり、涙が滲みました。第3幕の3重唱も素晴らしい歌唱、最後のフォルテでは思いっきり、感動! 見事です。

もちろん、ガランチャのオクタヴィアンは、昨年のウィーン国立歌劇場を上回る出来・・・ということは、saraiの聴いたベストのオクタヴィアンです。美しい歌声と最高の演技、容姿の美しさ、3拍子揃ったものです。第1幕のフィナーレの元帥夫人との絡みが最高でした。マリアンデルの可愛さは昨年のウィーンのほうが上でしたが、第3幕のナイン、ナインって歌うのはとても可愛い!

元帥夫人とオクタヴィアンが素晴らしいのですから、《ばらの騎士》はいいに決まっていますが、R・シュトラウスの楽劇ですから、オーケストラの演奏も重要です。やはり、ティーレマンの指揮は素晴らしいものでした。意外に柔らかい音楽がベースになっていましたが、オペラ指揮者としての経験上のもので、うまく歌手を引き立てての指揮でした。しかし、ここぞというところでは立ち上がって、剛速球を投げ込んでくるような剛直さを感じさせるような、ぞくぞくするような凄みがありました。カルロス・クライバー亡き後、遂に真打ち登場を感じました。まだ、クライバーの輝くような演奏とは比較になりませんが、クライバーにない剛速球という強みもあるので、総合的にクライバーの域に達するのも時間の問題でしょう。

ペーター・ローズのオックス男爵も一昨年にミラノ・スカラ座で聴きましたが、今夜はもっともっといい出来でした。及第点以上でしょう。あと望むべきは男の色気くらいでしょうか。

ダニエラ・ファリーは予想したよりも、よい歌唱だったと思います。演出のせいかも知れませんが、スープレット的過ぎる歌唱だったのが残念です。昨年のウィーン国立歌劇場でのミア・パーションの素晴らしかった歌唱と比較すると、まだまだです。それでも、高音が十分に出せていたので、十分に及第点です。

繰り返しになりますが、第1幕のフィナーレと第3幕の3重唱は涙なしには聴けない、最高のオペラでした。トータルにクライバーに肉薄する《ばらの騎士》に感動しました。

今日のキャストは以下です。

  演出:ウーヴェ・エリック・ラウフェンベルク
  指揮:クリスティアン・ティーレマン
  管弦楽:ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

  元帥夫人:アンヌ・シュヴァネヴィルムス
  オックス男爵:ペーター・ローズ
  オクタヴィアン:エリーナ・ガランチャ
  ファーニナル:マルティン・ガントナー
  ゾフィー:ダニエラ・ファリー

明日は趣きを変えて、このドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオーパー)のバレエを見ます。


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       ティーレマン,  

ウーン?シモン・ボッカネグラ@バイエルン国立歌劇場 2013.6.9

1週間ちょっと前にハンガリー国立歌劇場で聴いたシモン・ボッカネグラを今度はバイエルン国立歌劇場で聴きました。当然、ハンガリー国立歌劇場は今回の予習のつもりで聴いたんです。ところが、あまりにハンガリー国立歌劇場の出来の素晴らしさに、はっきり言って、今日の公演はかすんでしまいました。
まず、何と言っても、バス、バリトン陣はハンガリー国立歌劇場が素晴らしく、今日はせいぜい後半のルチッチの健闘が光るくらいで、プロローグは全員、不満の出来でした。このオペラはやはり、ジェノヴァの男たちの葛藤が聴きもので、重要なのはバス、バリトンです。
そして、一番の不満はアメリアを歌ったクリスティーネ・オポライスです。声は出るし、雰囲気もいいのですが、コントロールとか抑制のきかない高音には閉口しました。まったく、平板な歌い方です。せっかく、これだけ声が出るのならば、抑えて歌えば、もっともっと美しい響きの声も出るかもしれません。男たちのドラマを大きく不安定な声でかき乱した感があります。当初のメンバーのストヤノフならば、悔やまれます。
次に演出。ここの演出にしては、まだまだ、おとなしいくらいで好感さえも持てますが、シモンの対立軸として設定してある筈のフィエスコを精細ない男に仕立てたのは、ヴェルディを理解していないとしか思えません。また、プロローグでかっこよく車を舞台に上げたのは構いませんが、お蔭で冒頭のシーンの渋い男たちの歌がほとんど台無しです。

それでも、さすがにドゥ・ビリー指揮のバイエルン国立歌劇場管弦楽団の素晴らしい響きにはうっとりしました。やはり、ウィーン国立歌劇場のオーケストラに対抗できるのはここだけですね。
また、合唱の素晴らしいこと! このオペラにこんなに合唱が活躍するとは、これまで、あまり感じていませんでしたが、これは聴きものでした。
歌手では、当初発表されていたヴァルガスに代わって歌ったセッコが一人、気を吐いていました。このオペラは本来、テノールが活躍するイメージはありませんが、テノールが目立った公演になりました。

こんなに批判めいたことばかり、書きましたが、フィナーレだけは、ルチッチも美声で繊細な表現を極め、クリスティーネ・オポライスも抑えた美しい表情の歌で、もちろん、セッコは好調。最後に気分が高まりました。でも、それなら、第1幕のシモンとアメリアが実の親子だと分かる感動的なシーン、もっと、何とかならなかったのかと残念です。フィナーレと同じ感じで歌ってくれればよかったのにと思います。

いやはや、どこまでいっても愚痴になります。オペラハウスの聴衆は大いに盛り上がっていたので、saraiの耳がおかしかったんでしょう。ハンガリー国立歌劇場の素晴らしさが際立つ結果になってしまいました。

今日のキャストは以下です。

  演出:ドミトリー・チェルニャコフ
  指揮:ベルトラン・ドゥ・ビリー
  管弦楽:バイエルン国立歌劇場管弦楽団

シモン・ボッカネグラ:ジェリコ・ルチッチ
  アメリア:クリスティーネ・オポライス
フィエスコ:ヴィターリ・コワリョフ
  パオロ:レヴェンテ・モルナール
ガブリエーレ:ステファーノ・セッコ
  ピエトロ:ゴラン・ジュリエ

次は2日置いて、いよいよ、ドレスデンでティーレマン、ガランチャ、シュヴァネヴィルムスの《ばらの騎士》です。


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ツェムリンスキー《人魚姫》byウィーン交響楽団@ウィーンコンツェルトハウス 2013.6.8

当初、指揮者はジェームズ・コンロンになっていて、彼の得意とするツェムリンスキーが聴けるので楽しみにしていました。ウィーンに着いて、コンツェルトハウスのポスターを見ると、誰か知らない指揮者に代わっているのでガッカリ。

今日の最初の曲はドヴォルザークのチェロ協奏曲。本来、聴き映えのするする名曲です。で、出来栄えは、もうノーコメントというしかありません。ひさびさにこんな演奏を聴きました。ひとえにチェリストの問題ですが、オーケストラもちょっと・・・
まあ、論外の演奏なので、これ以上触れないし、その必要もないでしょう。

休憩後、気分も新たにツェムリンスキーの交響詩《人魚姫》です。この曲は初演後、楽譜が出版されることもなく、80年間、楽譜が行方不明でしたが、1984年に歴史的な再演が行われたという曲です。初演の際、一緒に演奏された弟子のシェーンブルグの交響詩《ペレアスとメリザンド》が注目され、ツェムリンスキーが落胆したという話が残っています。
最近では、抒情交響曲とともに演奏機会も増えているようですが、saraiはまったくの初聴き・・・恥ずかしながら、作品名も知りませんでした。
内容はアンデルセンの童話《人魚姫》に基づく、後期ロマン派の作品です。
ウィーン交響楽団はコンツェルトハウスのホールいっぱいに素晴らしい響きを轟かせての熱演です。その音響ばかりが頭に残ったという印象です。曲自体は後期ロマン派の触れなば落ちんという風情ではなく、ハリウッド映画ばりのダイナミックな描写音楽。ひとつ間違えれば、B級音楽になってしまう瀬戸際です。全体に物悲しいトーンなので、世紀末の雰囲気があるわけではないのに、何故か、聴くものの心に不安感を残します。まあ、奇妙な音楽だとも言えますが、ウィーン交響楽団は好演でした。
それにしても、やはり、ベルリン・フィル、ウィーン・フィルの響きが頭に残っていて、それらと比べてしまうのは酷というものです。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:マルクス・ポシュナー
  チェロ:アリサ・ワイラースタイン
  管弦楽:ウィーン交響楽団

  ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 Op.104

   《アンコール》バッハ:無伴奏チェロ組曲より

   《休憩》

  ツェムリンスキー:交響詩《人魚姫》

また、10日後にウィーンに戻ってきて、最後にウィーン交響楽団でシェーンベルクの《グレの歌》を聴きます。今夜はその前哨戦で師匠格のツェムリンスキーを聴いたということに意義があります。


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笑ってしまうほど凄い!《幻想交響曲》byソキエフ+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2013.6.7

昨日のベルリン・フィルのマーラー:交響曲第2番《復活》では、感動して、涙でしたが、今日のウィーン・フィルのベルリオーズ:幻想交響曲では、あまりの素晴らしさに唖然として、思わず、高笑いしながらのフィナーレでした。いずれも凄いオーケストラで甲乙つけるようなものではありません。ベルリン・フィルの切れ味鋭い先鋭的とも言える響きに対して、ウィーン・フィルのどこまでもまろやかで柔らかい響き、どちらも究極の美しさに達している最高峰のオーケストラ。まあ、それで言えば、4月に聴いたロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の高弦・低弦のバランスのとれた響きも忘れられません。このあたりのレベルになると、良し悪しよりも聴く者の好みによって変わってくるかもしれませんね。それに指揮者が加わってくると、簡単に評価できるものではありません。今年の現在までの評価で言えば、ハイティンクの指揮という要素の加わったロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のブルックナー:交響曲第8番が最高ランクですが、ウィーン・フィルは今秋のティーレマン指揮のベートーヴェン交響曲チクルスと言う大物が控えているだけに、まだ、今年のランキングがどうなるかは予断を許しません。それにしても、今年の日本の秋はそれらの3大オーケストラが集結するのが凄いことです。指揮者も粒ぞろいだしね。

話を今日のコンサートに戻します。
まず、最初はブラームスの《ヴァイオリンとチェロのための2重協奏曲》です。ヴァイオリンはウィーン・フィルのコンサートマスターのシュトイデ、チェロはウィーン・フィルの首席チェリストだと思っていましたが、ウィーン・フィルのメンバー表にないソモダリです。あれっと思い、調べてみたら、ウィーン国立歌劇場管弦楽団のソロ・チェリストとして、昨年、入団したばかりで、まだ、ウィーン・フィルには登用されていないようです。道理で顔はウィーン国立歌劇場でお目にかかっていました。実質的には、ウィーン・フィルの首席チェリストの一人だと言ってもいいのではないかと思います。昨年、首席チェリストだったフランツ・バルトロメイが定年退職したので、その代わりになるのでしょう。
ソモダリについて、長々と書いたのは、彼のチェロがあまりに素晴らしかったからなんです。先輩格のシュトイデを完全に食っていて、大変、美しいチェロの響きにうっとりとしてしまったのが、ブラームスの2重協奏曲の印象です。
もちろん、楽友協会のグローサーザールに渋く響くブラームスには、大変な感銘を受けました。ウィーン・フィルのいつものブラームスのような美しい響きというよりも、まるでドイツのオーケストラのような落ち着いた渋い響きだったのには驚きました。交響曲ではなく、協奏曲だったので、抑えた響きになったのでしょうか。心にじわじわと沁みこんでくるようなブラームスの響きが、この楽友協会の美しいホールで聴けて、大変な幸福感を味わいました。ただ、不満だったのは、木管の出来がよくないことです。当然、名人技を期待していただけに、響きがよくないことにがっかりです。後半のベルリオーズは木管が重要なので、とても心配です。

長い休憩後、ベルリオーズの幻想交響曲です。先ほど、ヴァイオリンのソロを弾いたシュトイデがコンサートマスター席に付き、その横にダナイローヴァがシフト。万全の体制ですね。ウィーン・フィルの団員でないソモダリは下がったようです。
ベルリオーズの幻想交響曲と言えば、どうしても、パリ管弦楽団の十八番のように思ってしまいますが、実はウィーン・フィルも昔から素晴らしい演奏をしていることを、今回、予習して、初めて知りました。ハイティンクがウィーン・フィルの客演に招かれるようになった頃、両者で録音したCDをヨーロッパに向かう機内で聴きました。ウィーン・フィルの美しい響き、そして、意外なほど、思い切った表現を付けたハイティンクの指揮によって、ミュンシュ+パリ管弦楽団と同レベルの素晴らしい演奏でした。残念ながら、この素晴らしいCDはカタログから消えていて、入手困難な状況にあります。もったいないことです。
そして、今夜のウィーン・フィルの演奏もありえないような美しさに満ちた演奏でした。第1楽章出だしの艶やかな高弦の響きはまるで夢のような世界。そして、圧巻だったのは第3楽章のアダージョです。弦のユニゾンの美しいこと! そして、木管の各パートの名人技、ブラームスとはうって違った出来です。コールアングレの深い響き、クラリネットの多彩な響き、素晴らしいってもんではありません。
第2楽章のワルツも流麗で気品に満ちていましたし、第4楽章の《断頭台への行進》はそれは迫力満点。第3楽章終盤から第4楽章にかけてのティンパニ奏者たちの神経質なほどの気合の入れようにも感銘を受けました。
そして、第5楽章の悪夢に狂奔する音楽の素晴らしさときたら、もう笑ってしまうほどです。実際、フィナーレの強烈なアンサンブルには、大口を開いて、声だけは出さずに笑っていました。凄い! 凄過ぎる!

そうそう、指揮のソヒエフ(ソキエフとも表記するいうです)はロシア出身の若手ですが、幻想交響曲、見事な指揮でした。ウィーン・フィルの自発性と自分の個性をうまく織り交ぜた巧みな指揮ぶりでした。今後、楽しみな指揮者です。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:トゥガン・ソヒエフ
  ヴァイオリン:フォルクハルト・シュトイデ
  チェロ:ペーター・ソモダリ
  管弦楽:ウィーン・フィル

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための2重協奏曲イ短調 Op.102

   《休憩》

ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14

今回の旅で楽友協会もウィーン・フィルもこの1回だけでしたが、十分に満足したコンサートでした。



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2回目の感動!マーラー2番byオッター、ラトル+ベルリン・フィル@コンツェルトハウス 2013.6.6

昨夜と同じく、感動の涙! 素晴らしいマーラーでした。

フォン・オッターの素晴らしい歌唱、ラトルの素晴らしい指揮、それらは昨夜、語り尽くしました。今夜は演奏の流れに沿って、ふりかえってみます。

第1楽章、高弦のさざ波のようなトレモロに乗って、低弦が力強い主題を奏でます。ベルリン・フィルの強力な地響きのようなアンサンブルです。ラトルの指揮はとても柔らかく、自然です。次第に熱を帯びて、音楽は進行していきます。強烈なフォルテでは、ベルリン・フィルのアンサンブルの極限までラトルの棒は要求し、とても緊張感の高い演奏が繰り広げられます。これがラトル、そして、ベルリン・フィルのマーラーです。来日公演で聴いたマーラーの交響曲第9番の演奏がデジャヴのように思い出されます。曲が変わっても、彼らのマーラー演奏は基本軸が固まっており、演奏の極限を極めることのように思えます。並みのオーケストラならば、とっくにアンサンブルが崩壊してしまうようなぎりぎりの演奏で、決して、何も恐れずにマーラーの音楽の本質に果敢に挑戦していきます。
マーラーの音楽は多面性を帯びていますが、それ故の曲想の目まぐるしい変化をどう表現していくかが演奏の難しさになります。ラトルは思いっ切り、ベルリン・フィルをドライブし、緩急、強弱を変化させ、オーケストラの合奏力にすべてを委ねます。こんなに切り込んだ高いレベルの演奏は聴いたことがありません。ここまでやっていいのかとも思えますが、明瞭でメリハリの利いた演奏は説得力があることは確かです。ラトルはよほど譜面を読み込んだようです。ラトルの美点はその努力が音楽演奏の精密さだけに留まらないことです。部分、部分の精密さというよりも、音楽の大きな流れ・構造のなかにきっちりと崩壊寸前まで切り込んだ表現を展開していることです。その結果、マーラー音楽の本質である多面性が見事に表現されました。第1楽章はまさにその典型で、この楽章だけで、独立した音楽叙事詩を聴いた思いになりました。もともと、第1楽章はマーラーが交響詩《葬礼》として作曲したものですが、ラトルはその意図に沿って、この交響曲第2番の序章として、この第1楽章を演奏したようです。実際、この第1楽章の後だけに長い休憩を入れていました。

第2楽章、ここから第4楽章まではアッター湖畔の作曲小屋で作曲されましたが、美しい自然、変わりやすい自然、そういったものを肌に感じられる音楽です。ラトルは序章に続き、この第2楽章からを交響曲の始まりのように演奏します。ちょうど、交響曲第4番のような感じです。そのように演奏されると、これまで聴いてきた第2番とかなり、趣きが変わって聴こえてきます。弦楽合奏の舞曲風の旋律もアッター湖畔の自然のなかの響きに感じられます。時折、天候が崩れたりもしますが、自然のなかのおおらかな響きに満ちて、この楽章は終始します。ベルリン・フィルの美しい合奏力ならではの音楽です。珠玉のような演奏と言って、差し支えないでしょう。

第3楽章、グロテスクな自然、それでも美しい自然を感じさせる音楽です。この楽章は次の第4楽章と同様に、『子供の不思議な角笛』と強い関わりを持ち、自然の魔力に満ちています。ラトルは多彩な表情をつけながら、次第に熱を帯びた終盤に向かいます。ここでソロ歌手の入場です。舞台の上方にあるオルガンの張り出しの上に歌手が立ちます。フォン・オッターは昨日と同じ赤いドレス姿で座って、第4楽章を待ちます。

第4楽章、第3楽章が終わると同時に、フォン・オッターが「赤い小さな薔薇よ」と歌い始めます。繊細な響きで、感動的な歌声です。もう、うるうるするしかありません。オーケストラの演奏が少し続き、デル・メンシュ(人間は)・・・という決然としていながら、哀感に満ちた歌が始まります。もう、たまりません・・・。哀感あふれる木管の響きもたまりません・・・。もう、ここで最初の涙・・・・。この《原光》が聴きたくて、2度もこのコンツェルトハウスに足を運びましたが、それは十分に報われました。静かな、本当に静かな感動で胸がいっぱいになりました。フォン・オッター、最高です。

第5楽章、静かな第4楽章が終わるや、即、オーケストラの強烈な響きです。長大な楽章の幕開きです。前半はオーケストラの演奏ですが、最初の山場は復活のテーマの提示です。管楽器のスローな演奏で、インパクトの強い楽想が提示されます。展開部にはいり、行進曲風な音楽がベルリン・フィルの見事な合奏で演奏されると、ぐっと気持ちが高ぶっていきます。そして、合唱が低い歌声で復活賛歌を歌い始めます。「よみがえる、・・・」です。合唱やソロなどで次第に音楽は頂点をめざします。彼岸を思わせるバンタのアンサンブルも実に見事です。バンタの響きは素晴らしく効果的で、演奏場所を変えながらの演奏です。このあたりにもベルリン・フィルの底知れぬ実力が垣間見えます。
そして、最後の大合唱、「・・・神のもとへとおまえを運んでいくだろう!」。もう、涙が流れて、感動して、どうしようもありません。ベルリン・フィルのアンサンブルの響きも最高ですが、やはり、人間の声に勝るものはありません。大合唱がsaraiの体を貫いていきます。最後の管弦楽の後奏はカタルシスのように、優しく感じられるくらいでした。演奏が終わってもラトルの棒が下されるまでは静寂が続きます。感動の静寂です。本当にこの静寂が神のもとに自分を運んでくれるように感じます。これは聴衆も参加した音楽でした。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。昨日とまったく同じです。

  指揮:サイモン・ラトル
  ソプラノ:サラ・フォックス
  メゾ・ソプラノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
  管弦楽:ベルリン・フィル
  合唱:ウィーン・シングアカデミー

マーラー:交響曲第2番ハ短調《復活》

この2日間の《復活》を聴いただけでも、今回の旅は価値あるものでした。ウィーンという街、コンツェルトハウスという途轍もない音楽ホール、ウィーンに培われた合唱団、そして、ラトルとベルリン・フィル、マーラー歌手フォン・オッター、それらがひとつになってこその素晴らしいコンサートでした。それにしても、ラトルという指揮者、これまでsaraiが読み違えしていたようです。今後、注目して、聴きこんでいかねばと痛感させられました。ラトルありきのベルリン・フィルも恐ろしいレベルの演奏が期待できそうです。


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薄明~熱い情熱!マーラー2番《復活》byフォン・オッター、ラトル+ベルリン・フィル@コンツェルトハウス 2013.6.5

音楽にこれ以上、何が望めるでしょう。音楽に真摯に魂を捧げる演奏者、それを享受する聴衆、そして、何よりもその全存在をかけて、芸術を作り上げた作曲家マーラー。それらが一体になって、ウィーン・コンツェルトハウスのグローサーザールに輝かしい感動を巻き起こしました。

それにしても、フォン・オッターの絶唱とも言える歌唱はマーラーを愛する心が呼び起こした奇跡のような音楽です。第4楽章の《原光》は期待通りの深い味わいの歌でした。感動の涙をおさえることは不可能です。フォン・オッターの歌声を最後に聴いたのは、かれこれ20年前のクライバー指揮の伝説のオペラ《薔薇の騎士》のオクタヴィアンです。こんなマーラー歌いになるなんて、想像もしていませんでした。彼女も歳を重ね、今や、マーラーを歌わせたら、右に出るものがいない存在になりました。そんなに声量があるわけではなく、メゾ・ソプラノとしては線の細い声の響きですが、マーラーの音楽へのシンパシーが聴く者の魂を揺り動かします。やっと、彼女がマーラーを歌う生の声を耳にして、それだけでsaraiは感激です。今年の4月には、この《復活》が作曲されたアッター湖畔のマーラーの作曲小屋を訪問しましたが、そのときにIPODで聴いたのがフォン・オッターの《原光》(ただし、角笛の中の1曲)でした。そのときの思い出も脳裏をよぎり、感動は倍化しました。今日の彼女の真っ赤なドレスから、淡い光が差しているような感じもありました。まさに薄明の音楽です。

ラトルのマーラーは実に誠実なものです。第一に彼のテンポ感の素晴らしさ、そして、絶妙のバランス感覚に基づいて、マーラーの音楽が妙な粘っこさなしに美しく表現されます。時として、ダイナミックな爆発もありますが、決して、恣意的なものではなく、マーラーの意図に沿っての演奏に感じられます。もちろん、だからと言って、無味乾燥な音楽に陥っているのではなく、確かな熱情、あるいは曲に対する愛情と言ってもいいと思える人間的な気持ちのこもった表現になっています。
その発露が第2楽章でした。これも薄明の音楽です。第1楽章がアッター湖の日の出の音楽だとすれば、第2楽章は朝のアッター湖の静かなさざ波を思わせる音楽です。それを実に精妙に再現するのがラトルの誠実な音楽です。それでも、マーラーの自然の穏やかな情景に包まれた平静な音楽は内面に持つ自身の生の情熱に揺り動かされ、熱いほとばしりを禁じ得ません。ラトルはそのあたりの葛藤を的確に描き分けていきます。あくまでもマーラーの音楽の再現の範囲内での誠実な表現です。
第4楽章の《原光》を経て、第5楽章はマーラーの内面の熱い情熱の開放です。ラトルもともに自己を開放し、熱い演奏を展開します。復活のテーマが輝かしく、何度も繰り返され、それは大合唱に引き継がれます。「よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう」・・・合唱が厳かに始まります。生あるものは必ず滅びるが、滅びたものは必ず復活する。それはマーラーの終生のテーマ、死への恐れと生への憧憬、そのものです。自己の内面をあらわに表現することでマーラーは現代の聴衆の共感を得ることになりました。ラトルはマーラーと気持ちを一つにするかのように、熱い生への賛歌を歌い上げました。フィナーレへの狂奔する高ぶりに心穏やかでいられる聴衆はいないでしょう。saraiも熱い涙が流れるままです。合唱は高らかに「私は生きるために死のう!よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう」としめくくります。音楽を聴くことは、人間の愛と死を魂で感じ取ることだと思います。そして、ここには、それがありました。偉大な音楽にまた接することができて、感動で胸がいっぱいになりました。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:サイモン・ラトル
  ソプラノ:サラ・フォックス
  メゾ・ソプラノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
  管弦楽:ベルリン・フィル
  合唱:ウィーン・シングアカデミー

マーラー:交響曲第2番ハ短調《復活》

ベルリン・フィルはこの《復活》をマーラー自身の指揮で初演したオーケストラです。そのオーケストラがマーラーの聖地とも言えるウィーンで凄まじい演奏を聴かせてくれました。明日もまた、フォン・オッターの魂の歌、そして、ラトルの誠実な指揮で再度、この人間味あふれる大曲を聴きます。音楽は人間の根源的な何かを感じさせてくれる、素晴らしいものですね。


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最高のラブコメ!《メリー・ウィドウ》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.6.4

作曲したレハールは屈指のメロディー・メーカーです。美しい歌が次々に流れ、聴き惚れます。それにとてもロマンチックな台本で、今でいうラブコメの元祖のようなものです。
今や、《こうもり》と並ぶオペレッタの定番中の定番をオペレッタの殿堂フォルクスオーパーが公演するのですから、聴いていて、見ていて、楽しいこと、この上ありません。この公演は2011年5月に新演出されたもので、もう2年経って、すっかり、熟成した感があります。saraiもこの新演出を1年半前に聴いています。そのときの記事はここです。

まず、今日のキャストは以下です。

  演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
  指揮:ローレンツ・C・アイヒナー
  管弦楽:ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団

ツェータ男爵:クルト・シュライプマイアー
  ヴァラシエンヌ:マーラ・マスタリ
ハンナ:エリザベート・フレッヒル
  ダニロ:ケイ・シュティーフェルマン
  カミーユ:ヴィンセント・シルマッヒャー
  ニエグシュ:ロベルト・マイアー

演出内容は前回とほぼ同じなので、前回の記事をご参照くださいね。

前回聴いたときと半数は同じキャストです。ヴァラシエンヌとカミーユとニエグシュが同じ。感想も似たようなものです。
ヴァラシエンヌ役のマスタリはますます、容姿が美しくなりました。声もまあまあでダンスはうまく、はまり役でしょう。
カミーユ役のシルマッヒャーは相変わらず、よく声が出ていました。
ニエグシュ役のロベルト・マイアーはこのフォルクスオーパーの総裁でもありますが、この人なしでは、この《メリー・ウィドウ》は寂しくなるでしょうね。それほどの存在感です。それに「マキシム」の歌がなかなか、お上手なことにびっくりです。

前回と違うキャストはツェータ男爵、ハンナ、ダニロです。
ツェータ男爵はベテランのお馴染みシュライプマイアーです。いぶし銀の歌や演技には満足です。
ハンナ役のフレッヒルは容姿もよく、高音も綺麗に出ていました。意外に難しい「ヴィリヤの歌」もしっかりと歌っていました。以前、《こうもり》のロザリンデ役で聴いたときに比べて、歌は抜群の出来に感じました。
ダニロ役のシュティーフェルマンは歌のしっかりしたバリトンで、これは及第点でしょう。ハンナ役のフレッヒルにも言えますが、2人がしっとりとダンスを踊るシーン。もう少し、色気があると、ラブコメ好きのsaraiの評価はグーンとあがるんですけどね。これが今後の課題です。

今日のオーケストラは美しいアンサンブルでした。特にヴァイオリン・ソロを弾いたコンサート・ミストレスの美しく、甘い音色には、しびれました。

今日、一番、盛り上がったのは第3幕のダンス・シーン・・・これは最高に乗りました。オペレッタの醍醐味を味わえた最高のシーン。美しさを増したマスタリに魅せられました。

今回も満足したフォルクスオーパーのオペレッタ。今年の公演は快調です。もっともっと、オペレッタに注力してくれることを望みます。

明日はまた一転して、ベルリン・フィルのマーラーです。クラシック音楽も幅広い!


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快演!ブルックナー7番byラトル+ベルリン・フィル@ウィーン・コンツェルトハウス 2013.6.3

そもそも、ウィーンで聴きたかったのは、ガランチャのカルメンであり、ちょうど、スケジュール的に、フォン・オッターのマーラーの《復活》が聴けるということから、合わせて、ベルリン・フィルも聴くことになり、そのついでに、このブルックナーも聴いておこうという軽いノリで、このコンサートに足を運ぶことになりました。

そして、超ド級とも言っていいブルックナーを聴くことになりました。音楽との出会いはそういうものでしょう。
実はsaraiは結構、ベルリン・フィルを低く評価し過ぎているきらいがあって、実際に自分の耳で生演奏に接してみて、驚いてみたりします。マーラーの交響曲第9番もそうでした。やはり、ベルリン・フィルは恐るべきオーケストラです。ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管と肩を並べるアンサンブル力を持っています。
また、ラトルについても同じことが言えます。ラトルは日本では評価のあまり高くない指揮者ですが、ハイティンクと同様に大変な実力を持った指揮者です。日本では、正統的な指揮、すなわち、楽譜に忠実な指揮をする指揮者は好まれないように感じます。カリスマ的な指揮もsaraiは好きですが、あまり恣意的な演奏はせずに、その音楽の果実は聴衆の心・魂に委ねるタイプの指揮もsaraiは好きです。歳を重ねるとともに後者のタイプの指揮者に傾倒するようになってきました。ラトルの誠実な指揮もこれから注目していきましょう。

コンサート前半のブーレーズ、もちろん、ノン・トナールの音楽ですが、映画音楽でもノン・トナールの氾濫する今、素直に耳にはいってくる美しく、繊細な音楽です。また、こういう曲はベルリン・フィルが実力を発揮して、見事に演奏します。ノタシオンは12曲からなるピアノ曲集だそうですが、そのなかから、5曲が組曲のようにオーケストラ曲になっています。全部で15分くらいの短い曲ですが、それぞれ、個性を持った曲から構成されます。最初のノタシオンⅠは音響の空間を形成するような色彩を帯びた曲で、武満にも通じる雰囲気を感じます。武満の空間の広がりに対して、凝縮感のある味わいです。ベルリン・フィルの冴え渡る響きにうっとりとしてしまいます。次のノタシオンⅦは捉えどころがなく、もうひとつ。saraiの感性には響いてきません。ノタシオンⅣはリズムのノリのよい曲です。ノン・トナールとなると抽象絵画を思わせるところもありますが、リズムは具象絵画の世界で、聴きやすい感じです。指揮のラトルの棒さばきも普通にリズムを刻んでいるように見えます。ノタシオンⅢは、ウーン・・・頭に残っていません。どんな曲だったんでしょうね? 最後のノタシオンⅡは激しいリズムと大音響でド派手な曲で、とても面白い。今や、トナーリティがなくたって、それもひとつのトナールのように聴けなくもない感じです。無調音楽の古典化ですね。ブーレーズの音楽を初めて、ちゃんと聴きましたが、なかなか面白く、心に響いてきます。これから、コンサートで聴ける機会も増えていくでしょう。

後半はトナール音楽の代表のような、後期ロマン派のブルックナーです。交響曲第7番はある意味、ブルックナーの音楽の頂点を極めたような音楽です。第8番、第9番はもう彼岸の音楽でしょう。
この第7番をこれ以上、美しく演奏できないほどに見事に演奏してくれました。何と言っても、響きの厚みが凄い。ずっしりと重低音がハーモニーの底で響いてきます。また、ラトルのテンポ感の自然なことも素晴らしい。まさに早過ぎず、遅過ぎず、このテンポしか、ありえないという感じです。だからと言って、退屈な演奏ではありません。細部まで磨き上げられた光沢に満ちた演奏、そして、全体の骨組みのきっちりした演奏。
このところ、この交響曲第7番は素晴らしい演奏を聴き続けています。まずは一昨年のプレートル指揮ウィーン・フィル。そして、昨年のティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン。いずれも圧倒的な演奏でしたが、今夜の演奏もそれらに匹敵する素晴らしい演奏でした。
音響的に言えば、今夜の演奏が最高でしょう。完璧な響きです。コンツェルトハウスの大ホールがベルリン・フィルの凄まじい大音響をしっかりと受け止めたことも大きいと感じます。

最後に、今日のプログラムをまとめておきます。

  指揮:サイモン・ラトル
  管弦楽:ベルリン・フィル

ブーレーズ:ノタシオン(オーケストラのための)
         ノタシオンⅠ
         ノタシオンⅦ
         ノタシオンⅣ
         ノタシオンⅢ
         ノタシオンⅡ

   《休憩》

  ブルックナー:交響曲第7番ホ長調

今秋のベルリン・フィルの来日公演では、このプログラムが予定されています。必聴です! サントリー・ホールでどう響くのでしょうか?



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ガランチャの美し過ぎる?カルメン@ウィーン国立歌劇場 2013.6.2

ガランチャがまたまたキャンセルするんじゃないかとハラハラ、ドキドキしたカルメンですが、当日のプログラムにちゃんと名前が載っていたので、一安心。ガランチャがメトロポリタン歌劇場でカルメンを歌うと聞いたときには、何か、イメージが違うなあと思いましたが、やはり、当代一のメゾソプラノのガランチャですから、大変な評判を呼びました。そして、遂にウィーン歌劇場に登場です。期待するなというほうが無理でしょう。でも、心の奥底では、一抹の不安もあります。それはどうしても拭えないガランチャとカルメンのイメージの乖離です。メトロポリタン歌劇場のカルメンはヴィデオで見ましたが、素晴らしいと思う反面、何か違うという感覚も残りました。

そして、ガランチャのカルメンを聴き終えた今、素直な感想は、あらゆる意味でガランチャは美し過ぎるということに尽きます。素晴らしい美声、美しい容姿、何の不満とて、ありません。しかし、美し過ぎるカルメンには、毒がありません。もちろん、ガランチャは蓮っ葉さやエロチックさを表現していましたが、せいぜい、やんちゃな美女という感じです。その点、容姿も若さも劣り、美声でも張り合うことが難しいカサロヴァのカルメンのほうが1枚も2枚も上に思えます。saraiにとって、最高のカルメンは、チューリッヒ歌劇場で聴いたカサロヴァのカルメンです。その時の記事はここです。

カルメンの出来の評価は別にして、やはり、ガランチャ自体は素晴らしく、かなり、出産前の状態に戻ってきていると感じました。4月に聴いたシャルロッテは最高でしたし、昨年のオクタヴィアンも素晴らしかった。
こうなると、来週、ドレスデンで聴くオクタヴィアンにさらなる期待を持ってしまいます。指揮はティーレマンだしね。

ところで、オーケストラですが、手慣れたドゥ・ビリーの指揮にもかかわらず、出だしから、アンサンブルが揃っていなくて、少し、雑な演奏。次第にアンサンブルが揃ってくるのはいつものことですが、出だしからばしっと決めてほしいものです。まあ、ソロ・パートのうまさは抜群ですけどね。間奏曲のハープとフルートはさすがの演奏でした。

アラーニャは4月のウェルテルのときほどは声が出ていませんでしたが、感情移入した歌には慄然とさせられます。まさにドン・ホセ、女に捨てられて必死にすがろうとする純情な男を演じきっていました。今後のアラーニャには期待できそうです。

ミカエラを歌ったハルティッヒはそのリリカルな歌に心が揺さぶられました。ガランチャのカルメンも食ってしまいそうな勢いです。第1幕のドン・ホセとの愛の2重唱では、思わず、ほろりときてしまいました。実はsaraiはカルメンでは、あの場面が一番好きなんです。そのまま、ドン・ホセとミカエラの純愛で幕を閉じてしまってほしいくらいです。

マッシモ・カヴァレッティはチューリッヒ歌劇場でもエスカミーリョを歌いましたが、今回はより満足できる歌唱でした。この役もなかなか難しいですが、好演でした。

最後になりましたが、今日のキャストは以下です。

  演出:フランコ・ゼッフィレッリ
  指揮:ベルトラン・ドゥ・ビリー
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

  カルメン:エリーナ・ガランチャ
  ドン・ホセ:ロベルト・アラーニャ
  エスカミーリョ:マッシモ・カヴァレッティ
  ミカエラ:アニータ・ハルティッヒ

明日は一転して、ベルリン・フィルでブルックナーを聴きます。ウィーンでは連日、凄いものを聴けます。


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この記事へのコメント

1, Steppkeさん 2013/06/04 08:24
sarai さん、こんにちは。Steppke です。

Garanca、歌いましたね。
良かったですねぇ。うらやましい。(やっぱり行けば良かった..)
Kammersängerin(宮廷歌手)に奉られた時点で、今回は余程のことがない限り歌うだろうと、予想がついてました。

こうなると、1週間後のドレスデンが不安になって来ます。
それに洪水の被害がひろがっているようで、Feri さんの情報では、鉄道での移動に支障が出ているそうです。
ドレスデンは10年くらい前に Semperoper も水に浸かったし、心配です。
早く引いてくれると良いのですが..

2, saraiさん 2013/06/04 21:33
Steppkeさん、こんにちは。saraiです。

そうです。ガランチャ出ました。惜しいこと、しましたね。ウィーンでカルメン見るのは、アグネス・バルツァ以来ですが、若くて綺麗なカルメンでした。バルツァはあの、その・・・

次はドレスデンの心配ですね。とりあえず、ウィーンにおいでになるのをお待ちしています。

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これぞヴェルディ!シモン・ボッカネグラ@ハンガリー国立歌劇場 2013.5.31

今年はヴェルディ・イヤー。今年初めて聴くヴェルディは、初見参のハンガリー国立歌劇場です。今回の旅では、世界的にメジャーではない歌劇場にも足を運ぶことにしました。その第一弾がこのハンガリー国立歌劇場です。
いやあ、やっぱり、音楽は自分の耳で聴いてみないと分からないものです。とても素晴らしいオペラ公演に感動してしまいました。ヴェルディの1,2を争う傑作オペラの黒光りするような音楽美にしびれてしまいました。何と言っても、バス、バリトン陣の好演が光ります。冒頭のパオロとピエトロの登場からの2人の歌でこのオペラが素晴らしくなりそうな予感を抱かせられます。ヴェルディ渾身の男のオペラです。華やかさとは縁遠い男たちの葛藤のドラマです。そして、シモン役のKalmandiの登場。一段と声がよく響きます。シモン役としては、少し明るい声のバリトンですが、心理表現の深さはなかなかです。彼は理想と苦悩、そして、愛を熱演。素晴らしいシモンでした。続いて、フィエスコ役のPrestiaです。長身の体の奥から、ずしんと響いてくるバスは圧巻です。フィエスコは、表の主役シモンに対して、裏の主役のような重要な役どころです。このオペラはフィエスコ役がしっかりと歌わないと成り立たないオペラです。それは《ドン・カルロ》の国王と相通じるものがあります。今回のオペラで最高の歌唱はこのPrestiaでした。終幕で彼が『シモンは死んだ』と最終宣言するところは身震いするような歌唱でした。
さて、この男のオペラでの紅一点、アメリアですが、この役を歌ったBorossは少なくともsaraiの耳を十分に楽しませてくれました。欠点と言えば、細く高い声で響きが濁るところですが、あとは繊細な歌いまわしから、激しく叫ぶところまで、女声を一人で担う責務を期待以上にこなしてくれました。第1幕のシモンとアメリアが実の親子であることが判明するシーン、これはこのオペラ最大の山場でもありますが、2人の美しく、そして、深い感情表現には、最高の感動を味わいました。
ガブリエーレ役のテノールAdorjanは決してスケールの大きな歌手ではありませんが、テノールとしての役どころを十分にこなしていたと思います。目立ち過ぎず、それでいて、男声の高音部を一人で担って、アンサンブルとしてもよかったと思います。

シモンとフィエスコの憎しみから始まり、彼らの和解と愛情に至る男のドラマの骨組みがしっかりと押さえられた素晴らしい公演でした。アメリアの濁りのない声で純真さが彩られたのもよかったしね。

そうそう、演出が少し面白かったんです。海の男シモンのバックボーンなのか、男たちの欲望・野望を表現するのか、海の怪獣と思しき4匹が舞台を蠢くんです。それに対して、アメリアのシーンでは、人魚たちも登場。これは純真さの象徴でしょうか。いずれにせよ、オペラの本筋とは関係ありませんが、リグリア海を舞台に表現するための演出です。その是非はさておき、意欲的な演出には敬意を表します。

今日のキャストは以下です。

  演出:Ivan Stefanutti
  指揮:Vashegyi Gyorgy
  管弦楽:ハンガリー国立歌劇場管弦楽団

シモン・ボッカネグラ:Kalmandi Mihaly
  アメリア:Boross Csilla
フィエスコ:Giacomo Prestia
  パオロ:Alik Abdukayumov
ガブリエーレ:Pataki Adorjan
  ピエトロ:Bakonyi Marcell

今回の旅の皮切りとしては、上々の滑り出し。1日おいて、ウィーンで超弩級のオペラ、ガランチャとアラーニャの《カルメン》です。やはり、オペラはいいです。
《シモン・ボッカネグラ》は今回の旅で1週間後にミュンヘンのバイエルン国立歌劇場でも見ます。よっぽど頑張ってもらわないと、ハンガリー国立歌劇場の公演にひけを取ってしまいますよ!
ヴェルディの主要なオペラでは、この《シモン・ボッカネグラ》と《シチリア島の夕べの祈り》の2つだけが生では未聴でした。これで残りは《シチリア島の夕べの祈り》です。いつ、巡り合えるでしょうね。楽しみは尽きません。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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