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センセーショナルなバルトーク演奏!!ヤンソンス+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2013.4.24

この日はウィーン国立歌劇場でガランチャの歌うオペラ《ウェルテル》もやっていました。もう既に1回聴きましたが、何度でも聴きたい内容です。しかし、ウィーンに来て、やはり1度はウィーン・フィルを聴きたい気持ちが強く、ウィーン楽友協会に足を運びました。この公演は楽友協会主催の公演で、同一のプログラムで、この後の土曜・日曜のウィーン・フィル定期でも演奏される予定です。saraiは楽友協会のネクタイを締め、気持ちも引き締めて、コンサートに臨みました。その結果は・・・

この日のプログラムは以下の内容です。

 指揮:マリス・ヤンソンス
 管弦楽:ウィーン・フィル

 ハイドン:交響曲第94番ト長調《驚愕》
 リスト:交響詩《レ・プレリュード》

  《休憩》

 ハイドン:交響曲第88番ト長調《V字》
 バルトーク:演奏会用組曲《中国の不思議な役人》

まず、有名なハイドンの交響曲《驚愕》です。オーケストラは対向配置で、コンパクトな編成。第1楽章は弱い響きの弦の響きは心地よく聴こえますが、フォルテになると響き過ぎに感じてしまいます。もっとシャープで繊細な響きを期待していましたが、不満な演奏です。ヤンソンスの曲のまとめかたも不満。しかし、標題の《驚愕》という名前の元になった第2楽章は弦の実に繊細な合奏で期待通りの素晴らしい響き。フォルテは上品な響きですが、それでも集中して聴いていたら、思わず、ビクッとしてしまい、これがハイドンの仕掛けた《驚愕》であることを初めて実感しました。ハイドン、ウィーン・フィル、ヤンソンスの3者の見事な仕掛けに脱帽です。この第2楽章の素晴らしさがすべてでした。全体としては、実に普通の演奏で何も言うべきことはありません。ヤンソンスももっと、何かやれなかったかなあと思いますし、ウィーン・フィルももっと磨き上げた響きが出せなかったかなあと思いました。後半もハイドンの交響曲が演奏されますが、何とかならないかなあという思いです。

この普通でおとなしいハイドンの後は、リストの交響詩です。一転して、実に華々しい演奏です。古典派からロマン派にいかに音楽が変遷していったのかを実感します。そういう効果を狙ってのプログラムと演奏なのかとも思いますが、いかがなものでしょう。確かにリストの曲は華麗に響きますが、派手に演奏し過ぎとも思えます。面白くは聴けましたけどね。まあ、リストの《レ・プレリュード》が名曲であることも感じた演奏ではありました。

ここまでが前半で休憩にはいります。ここまではあまり、ぴんとこない演奏で、後半に期待しましょう。

後半はまた、ハイドンの交響曲で始まります。今度は第1楽章から素晴らしい響きです。フォルテも《驚愕》と同様にホールに強く響きますが、決して、うるさい感じではなく、心地よく感じます。管の編成がさらに小さくなったせいもあるかもしれませんが、演奏の精度があがっている感じに思えます。これこそ、古典派の音楽という感じで気持ちよく聴けます。第4楽章が終わるまで、見事な演奏が続きました。とても満足です。これでこそ、ウィーン・フィルの演奏するハイドン、期待通りの演奏でした。

続くはバルトークです。このところ、《中国の不思議な役人》の演奏が多いような気がします。これも流行でしょうか。この日のウィーン・フィルのバルトークは、バルトーク好きにとっては、たまらない演奏で、本当に興奮してしまいました。決して、これがバルトークの正統的な演奏には思えませんが、実にセンセーショナルな演奏です。ウィーン・フィルという世界でも最高の美音のオーケストラが恥じらいを投げ捨てて、本音の響きを披露したという風に聴こえてしまいます。そのウィーン・フィルの響きを受け止める楽友協会のホールもさらに響きを増幅させて、ホール全体がセンセーショナルな響きに満たされます。こんな響きは公序良俗に反するのではないかと思ってしまいますが、sarai自身は楽しく、嬉しく、興奮していくのみです。古典派の上品なハイドンの後に、こういう強烈なバルトークを持ってきたヤンソンスに尊敬の念を禁じ得ません。ヤンソンスものりのりの指揮です。しかし、100年近くも前に作曲された曲が今でもセンセーショナルに響くとは、バルトークの才能の凄さを再認識します。特に初期のバルトークの先鋭さは群を抜いています。晩年の名曲群も素晴らしいですが、ある意味、今後はこの《中国の不思議な役人》こそ、バルトークの代表作になるのではないかと予感させるような素晴らしい演奏です。ウィーン・フィルがこういうバルトークを演奏できるのも驚きだし、ヤンソンスがバルトークを見事に指揮したのにもびっくり。多分、イヴァン・フィッシャー指揮のブダペスト祝祭管弦楽団も面白い演奏をするだろうし、過去にブーレーズも見事な指揮をしていましたが、それらを凌駕するかもしれない演奏です。聴衆も立派。演奏が終わるとやんやの拍手と声援。この場面をバルトークに見せてあげたいと思いました。あまりに先鋭的で強烈な音楽は作曲当時は不謹慎(特に台本)だと批判され、演奏の機会が少なかったと聞いています。今や世界の頂点のひとつであるウィーン楽友協会のウィーン・フィルのコンサートで聴衆に広く受け入れられるようになったんですからね。それも、たんたんとした演奏ではなく、物凄く踏み込んだ内容の演奏ですから、バルトークとしては本望でしょう。ここまでやるのなら、演奏会用組曲ではなく、全曲を演奏してもらいたいものです。演奏会用組曲は終盤のさらに強烈な音楽をカットしたものですから、全曲ならば、気絶しそうな響きになったことでしょう。

ハイドン、リストというハンガリー系の作曲家とハンガリーそのものというバルトークを組み合わせたコンサートでしたが、結局、バルトークがいかに偉大な音楽的な進化を果たしたのかということを思い知らされたコンサートになりました。前半、少し、不満もありましたが、終わってみれば、さすがにウィーン・フィル、さすがにヤンソンスという大満足のコンサートでした。このコンサートを聴くために旅の日程を無理して延ばしましたが、その無理は十分に報われました。


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ガランチャ、アラーニャ絶唱!!オペラ《ウェルテル》@ウィーン国立歌劇場 2013.4.20

オペラは人生そのものです。人生の縮図でも何でもなく、人生のすべてがあります。愛と死、それ以上、何があるというでしょう。ゲーテが芸術として昇華させた《若きウェルテルの悩み》。saraiも思春期に読んで、やるせなく、心が震えたことを、老境の今、思い出しました。マスネは実に見事に原作から、その心情をくみ取って、音楽という別の形の芸術に移し替えることに成功しました。
今日のオペラは、シャルロッテを歌ったガランチャ、ウェルテルを歌ったアラーニャ、そして、ドゥ・ビリー指揮のウィーン国立歌劇場管弦楽団の3者のテクニックを超えた熱い思いが結実した結果、とても言葉では言い表しようのない感動がそこにありました。今年、最高のオペラになりそうだし、一生、忘れられないオペラになりそうです。

ちなみにこの《ウェルテル》は昨年もこのウィーン国立歌劇場でカサロヴァ、テジエ(バリトン版でした)で聴きました。そのときの記事はここです。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ベルラント・ドゥ・ビリー
  管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
  演出・振付:アンドレイ・セルバン

  ウェルテル:ロベルト・アラーニャ
  アルベール:ター=ヨーン・ヤン
  大法官:アンドレアス・ヘルル
  シャルロッテ:エリーナ・ガランチャ
  ソフィー:ダニエラ・ファリー
  シュミット:トーマス・エーベンシュタイン
  ヨハン:ハンス・ペーター・カンマラー

冒頭の序曲でオーケストラが少し不揃いであれっと思いましたが、さすがにすぐに修正して、あとはオーケストラは素晴らしい響きで、《ウェルテル》のリリックな心情を余すところなく表現していました。やはり、ここのオーケストラは別次元の響きを出します。弦楽器の独奏や少人数での演奏も多いのですが、実に見事な演奏です。いい意味でオーケストラ奏者とは信じられません。マスネの抒情的な音楽が2倍も3倍も美しく響きます。

ガランチャは何て素晴らしいんでしょう。昨年聴いたカサロヴァも素晴らしかったのですが、美しい声の響きだけでなく、迫真の演技、恐ろしいほどです。後ろによろけるシーンなどは怪我をするんじゃないかというくらい思い切った動きです。そして、全編、顔の表情だけでも、緊張感を与えられます。そして、何と美しい! こんなに美しいシャルロッテならば、ウェルテルならずとも、底知れない深い深い恋に落ちてしまうでしょう。後半の第3幕、第4幕では、涙なしに聴けません。昨年聴いたオクタヴィアンも素晴らしいですが、シャルロッテは彼女のために書かれた音楽に聴こえます。今、思い出しても、その素晴らしさにため息が出ます。ヴィデオで聴いた彼女のシャルロッテよりも、一段と熟成していると感じました。

アラーニャ・・・こんな素晴らしい彼の歌唱はいまだかって、聴いた覚えがありません。声もよく出ていましたし、何と言っても、ウェルテルの純粋な愛を貫く青年の思いには、魂を揺すぶられます。やはり、彼は傑出したテノールです。

もう、これ以上、書く必要はないでしょう。オペラ好きなら、誰しも感涙してしまいます。ウィーンでは、こういうものが聴けるから、ウィーン詣ではやめられなくなるんです。

4月のウィーンでの音楽鑑賞も残り一つ。楽友協会でのウィーン・フィルのコンサートだけになってしまいました。


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この記事へのコメント

1, Steppkeさん 2013/05/03 17:21
sarai さん、こんにちは。Steppke です。

オフ会では、1年振りにお会いできて、愉快でした。
(時間が短かったので、1ヶ月ちょっとでまたお会いできるのが楽しみです)

もうご存知だとは思いますが、Garanča は、27日(と30日も)の公演をキャンセルしました。
27日は、かぶりつきだったのに..(涙)
前日夜にチケットが急に数十枚も出て来たので怪しんでいたところ、当日昼過ぎにネットで配役表を見たら名前が変わっていました。朝は大丈夫でしたが、夜のうちに内部情報が洩れていたのでょうね。

2, Steppkeさん 2013/05/03 17:24
(続き)
しかも、代役はよりによって Kasarova ..
自分のチケットは売って Theater an der Wien にでも行こうかと考えましたが、24日の Alagna が良かったので、一応行くことにはしました。
開演前の入口付近には売っている人が大勢おり、ダフ屋も売れずにあせってましたね。席は、一番前なのであまり分かりませんが、ポツポツ空いていたみたいです。

残念ながら、Alagna の歌には涙がありませんでした。声は 24日より出ていたようですが、歌ではなく声を聞かせているといった感じです。まあ、こちらが醒めていたからかも知れませんが..

3, Steppkeさん 2013/05/03 17:25
(続き)
Kasarova は、歌も演技もやはり比べものになりませんね。急な代役(プログラムの配役表も印刷が間に合わず、紙が挟んでありました)で、昨年演じているとは言え、きちんとは覚えていないでしょう(結構抜けがありました)し、Alagna とも初めてなので、仕方はないですが。
それより、終演後、カーテンコールで最初に出て来た時から異様にはしゃいでいたのが気色悪かった。Garanča は、一緒の Alagna も、死のシーンの直後で表情が固く、徐々にほぐれていく感じなのに。もう少し役に入ってくれないと、しらけてしまいます。

まあ、1度だけでも聴けて、良かったと思わねばなりません。
もともとの予定では、27日に行って 30日を聴いてから帰ることにしていたので、あぶないところでした。

4, saraiさん 2013/05/04 02:00
Steppkeさん、こんばんは。
無事に帰国されたようでなによりです。

ガランチャの公演キャンセル、かなり、がっかりされていると思っていましたが、予想以上のようですね。言葉もありません。ガランチャの代役は誰にも務まらないでしょう。

6月のオクタヴィアンを楽しみにしましょう。ドレスデンでの再会、楽しみにしています。オペレッタ劇場へのご案内もよろしくお願いします。

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バレエ《真夏の夜の夢》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.4.19

ウィーンで見るのも定番になりつつあるバレエ。今回はウィーン国立歌劇場ではなく、フォルクスオーパーで見ます。いずれにせよ、ウィーン国立バレエです。ただし、オーケストラがフォルクスオーパー管弦楽団になるのがちょっと残念なところです。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ローレンツ・C.アイヒナー
  管弦楽:ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団
  演出・振付:ヨルマ・エロ

  オベロン:ロマン・ラツィク
  ティターニア:オルガ・エシナ
  パック:ミハイル・ソスノヴィッチ
  テセウス:ライアン・ブート
  ヒッポリタ:アレーナ・クロチコヴァ
  ハーミア:プリスカ・ツァイゼル
  ライサンダー:グライク・マシューズ
  ヘレナ:ルイ・タマイ(玉井るい)
  ディミトリウス:ドゥミトル・タラン
  イージウス:アンドレイ・カイダノフスキー

音楽はメンデルスゾーンの劇音楽《真夏の夜の夢》と序曲ですが、バレエ全体の長さに不足するので、第1幕に同じくメンデルスゾーンの《ライ・ブラス序曲》と交響曲第4番《イタリア》、第2幕に《ヴァイオリン協奏曲ホ短調》の第2~3楽章が追加されています。
ほかの振付でも、やはり、同様に長さを補うためにメンデルスゾーンの序曲などが付加されていますが、曲は振付によって、異なります。

あらすじは、ほぼシェークスピアの原作通りです。複雑なストーリー展開ですが、結局は他愛無いロマンチックコメディーです。それを芸術に昇華させたのは天才シェークスピアの類まれなる筆の力です。

このエロ振付では、特にパックの役割が大きく、狂言回しを飛び越して、まさに主役です。それを踊ったミハイルの素晴らしさには、脱帽です。上半身裸で、身のこなしがおどけているようで、実に美しく、舞台を端から端まで駆け巡ります。場面転換で幕が下りると、必ず、幕の前に立ち、奇妙な動作で魅了します。そして、その彼の周りには、決まって、電飾で光っている小妖精(子供)たちが取り囲みます。これは原作にはありませんね。ともかく、仕草、顔の表情、ステップ、ジャンプ、すべてが見事でパーフェクトなダンスでした。

次いで、男女の妖精たちの群舞も美しいものでした。特に第1幕、《ライ・ブラス序曲》と交響曲第4番《イタリア》の第2~4楽章までは、舞台があまりピリッとした感じがありませんでしたが、《真夏の夜の夢》序曲が始まると、見事な群舞で実に華やかなシーンが展開されます。これこそ、バレエの醍醐味って感じです。第2幕の結婚行進曲のシーンでの群舞も見事でした。

さて、このバレエでは、ティターニアの踊りも楽しみなところ。今日はオルガ・エシナが踊ります。長身の彼女はスタイル抜群で、美人。立っているだけでも、絵になりますが、ステップ、ターン、すべてが美しく、群舞の間にはいっても、ひときわ、目立ちます。妖精の女王の貫禄も感じられますが、妖精の可愛らしさという面では、イリーナ・ツィンバルに軍配があがるそうです。はっぱさんのお話では、イリーナのティターニアは可愛らしく、妖艶だったそうですから、それも見てみたいものです。まあ、大人の女性の美しさを十分見せてくれたオルガにも満足でした。

ヘレナを踊った日本人バレリーナの玉井るいさんはコケティッシュな仕草と切れのよい踊りで、ヘレナ役を役割以上に魅力的に見せていました。今後の検討を祈りましょう。
ハーミア役のプリスカ・ツァイゼルは、まだ17歳だそうで、踊りもまだ未完成な部分が見られましたが、容姿の美しさは抜群です。彼女も今後が楽しみですね。

シェークスピアの名作をベースに楽しく、美しいバレエに堪能した一夜でした。


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極め付き!オペレッタ《こうもり》@ウィーン・フォルクスオーパー 2013.4.18

ウィーンと言えば、オペレッタ。ほぼ、1年ぶりに聴くオペレッタです。昨年は同じフォルクスオーパーでネメットさんの記念公演でカールマンの《チャルダッシュの女王》を聴きました。今回はヨハン・シュトラウスのオペレッタ《こうもり》です。この2つは所謂、3大オペレッタですね。3大オペレッタのもうひとつの作品、レハールの《メリー・ウィドウ》は6月のウィーン訪問時に聴く予定にしています。

さて、フォルクスオーパーで《こうもり》を聴くのは、一昨年の4月以来です。そのときの感想はここに書きました。今回はそのときとほぼ同じ演出ですが、細部は磨き上げられている印象です。
今回の公演は音楽が素晴らしく、特に歌手が粒揃いでした。不満の残る歌手は一人もいないのはフォルクスオーパーでは、初めてのことかもしれません。したがって、今回の《こうもり》はsaraiの聴いたなかで、最高のものでした。最初から最後まで、大変、満足して聴けました。のりのりで体が揺れるほどです。と言っても、周りに迷惑はかけていませんよ。今日はロジェバルコンで聴きましたからね。

今日のキャストは以下です。

  指揮:ニコラス・ミルトン
  管弦楽:ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団
  演出:ハインツ・ツェドニック

  アイゼンシュタイン:セバスティアン・ラインターラー
  ロザリンデ:クリスティーネ・カイザー
  アデーレ:ベアーテ・リッター
  イーダ:ヨハンナ・アロウアス
  ファルケ:ジュリアン・オーリシャウゼン
  オルロフスキー:アネリー・ペーボ
  アルフレード:メーアザッド・モンタゼッリ
  フランク:クルト・シュライブマイヤー
  フロッシュ:ゲルハルト・エルンスト
  ブリント:ジェフリー・トレガンツァ

一昨年の歌手陣で今日も出演したのは、フロッシュ役のエルンストとブリント役のトレガンツァの2人のみで後は一新されたメンバーです。ラインターラーとシュライブマイヤーはお馴染みの歌手で演技も歌も安心して聴けることが予想できました。また、オルロフスキー役のアネリー・ペーボは昨年の《チャルダッシュの女王》でシルヴァ役を好演しましたが、オルロフスキーとは意外な役どころです。ロザリンデ役のクリスティーネ・カイザーとアデーレ役のベアーテ・リッターは初めて聴くので、少し心配です。

これらの事前予想・心配をすべて払拭する歌手陣の素晴らしい出来でした。ラインターラーとシュライブマイヤーは問題なしの素晴らしい出来だし、フロッシュ役のエルンストは前回以上のおとぼけぶりで笑わされます。それに彼の歌声も聴けたしね。そうそう、歌声と言えば、この演出では、イーダの歌声も聴けます。イーダはずっこけた踊りも披露するし、大活躍です。目立たないセリフだけの役の演出がほとんどなのに、この演出では結構重要な役どころです。
最高だったのは、アデーレ役のベアーテ・リッターです。素晴らしいスープレットです。今までは、アデーレ役はスープレットでは物足りない感じもありましたが、彼女の場合は違います。高域の澄み切った声の魅力に参ってしまいました。第1幕冒頭のアリアから惹き込まれましたが、とりわけ、第3幕のアリアの素晴らしさには、うっとりと聴き惚れ、感動させも覚えました。このアリアはとても難しいと思いますが、彼女は楽々と余裕を持った歌唱でした。オペレッタのもならず、将来が実に楽しみなソプラノです。モーツァルトあたりも聴いてみたいと思いました。
ロザリンデ役のクリスティーネ・カイザーもとても綺麗な響きのソプラノで、素晴らしいロザリンデでした。今まで、ロザリンデとアデーレの両方に満足できたことはありませんでしたが、今回はこの2人が好調な上にベテランの男声陣がしっかりと支えましたから、音楽的に最高のものになりました。
演技に関してはフォルクスオーパーですから、何も注文することはない出来栄えです。

こんなに音楽が充実したものが聴けるとは思いませんでした。フォルクスオーパーはお芝居だけでなく、音楽についても再認識させられました。

明日もフォルクスオーパーですが、一転して、バレエ《真夏の夜の夢》を見ます。これも楽しみです。


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見事な演出と音楽!オペラ:ベルリオーズ《ベアトリスとベネディクト》@アン・デア・ウィーン劇場 2013.4.17

今日からはウィーンです。まずはマレーネお姉さま(マレーネ・エルンマン)に惹かれて、アン・デア・ウィーン劇場でベルリオーズのオペラ《ベアトリスとベネディクト》です。オペラとしては、結構珍しい演目で、まだ、DVDも出ていない作品です。対訳付きのCDで予習して、臨みました。
今夜はアン・デア・ウィーン劇場の新演出の初日、プレミエ公演です。2列目のど真ん中という最高の席で見ることができました。

演出はアン・デア・ウィーン劇場らしく、新しいスタイルの演出ですが、決して、奇をてらっただけのものではなく、ベルリオーズのロマン主義の音楽を際立たせるための演出の工夫が随所にみられ、大変、質の高いものでした。例えば、第1幕終盤の夜想曲の美しい2重唱では、ソプラノを舞台前方に立たせ、メゾソプラノを対角の後方に立たせ、ソプラノの声を前面に出して、美しいハーモニーの響きを醸し出していました。第2幕目の冒頭の楽長ソマローネのアリアの終盤で、彼が酔っぱらってしまって、ちゃんと歌えなくなるシーンでは、ソマローネを椅子の上に立たせて、バランスをくずしそうになる、危なっかしさで、このシーンを表現し、自然な感じに見せていました。
舞台の作りも凝っていて、舞台全体がオペラ劇場の観客席を模したスタイルになっています。これは以前見た《こうもり》でも、同様だったので、その舞台を流用したのでしょう。楽長ソマローネが指揮する場面では、この舞台がうまく活かされていました。ちょうど、オーケストラ・ピットをはさんで、舞台上の観客席と実際の観客席が向かい合わせになるので、舞台上から楽長ソマローネがこの場面に限り、ドイツ語で指揮者のフセインに話しかけるというオペレッタ仕立ての展開になり、聴衆もどっと沸いていました。ちなみに公演自体は原語のフランス語でした。言わずもがなですが、このオペラは原作がシェークスピアの《恋の空騒ぎ》で、ベルリオーズ自身がオペラ用に翻案したもので、その際に英語からフランス語に変えられています。
舞台は回り舞台になっていて、中央に映像を表示する大きなパネルが上下するようになっていて、舞台を2分するようになっていて、実に凝った映像が流れます。おしゃれな演出です。

衣装は20世紀初頭といった感じのちょっと古めいたレトロな感じで、これもなかなかお洒落です。大勢の紳士、淑女が登場する場面は大変、華やかなもので、オペラを見る楽しみも倍化します。

さて、肝心の音楽ですが、これが素晴らしい。序曲の冒頭は演奏が固い感じも受けましたが、これもウィーン放送交響楽団のかっちりした演奏とも言えます。オーケストラは大変引き締まった演奏ですが、フランス音楽の、それもロマン派の音楽を十分に満喫させてくれるものです。このオーケストラはドゥ・ビリーが音楽監督の時代から、フランス音楽も得意にしていましたからね。とはいえ、やはり、ウィーンのオーケストラ、ウィーン風の音楽に聴こえる箇所も多く、それはそれで、大変、好もしい感じです。この土台のしっかりした管弦楽に乗って、粒揃いの歌手たちが素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。あっと、その前に、このオペラはフランス語のセリフの場面が多いのですが、そのシーンでの演技のうまさは特筆するものがあります。大筋、ラブコメディみたいなものですから、オペレッタを感じさせますが、節度のある範囲内での演技で、上品でもあります。
歌についてですが、やはり、タイトルロールのベアトリスとベネディクト役の2人は抜群の出来です。期待のマレーネお姉さまは、演技力、容姿が素晴らしく、舞台の中心であり続けます。歌唱はメゾソプラノとは言え、高音の伸びが素晴らしく、ピュアーな響きがホールが広がります。第2幕のアリアでのリリックな歌唱もアリア終盤のダイナミックな歌唱も胸にじんじん来ます。一方、ベネディクト役のベルナルド・リヒターも張りのある声で素晴らしい歌唱。
(写真はプログラムから拝借)


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しかしながら、このオペラで最高に素晴らしかったのは、第1幕終盤の女声重唱(エロー、ユルシュール)の夜想曲《静けき清らかに澄んだ夜よ》と、それをさらに上回った第2幕前半での女声3重唱(ベアトリス、エロー、ユルシュール)の《私は、心が愛に満たされて》です。夢見るような美しい歌唱に心がとろけてしまいそうです。エロー役のクリスティアーネ・カルクの美しいソプラノ、ユルシュール役のアン-べス・ソルヴァンクのメゾソプラノの美しいハーモニー、そして、マレーネお姉さまのメゾソプラノならではの美しい高音、これらが調和して、ベルリオーズが到達したロマン派の神髄を表現しきってくれました。幻想交響曲だけがベルリオーズではなかったことに、いまさらながら、気づかされました。
そうそう、合唱はアルノルト・シェーンベルク合唱団ですから、実力通りの素晴らしい響きを聴かせてくれました。

今日のキャストは以下です。

  指揮:レオ・フセイン
  管弦楽:ウィーン放送交響楽団
  合唱:アルノルド・シェーンベルク合唱団
  演出:カスパー・ホルテン

  ベアトリス:マレーネ・エルンマン
  ベネディクト:ベルナルド・リヒター
  エロー:クリスティアーネ・カルク
  ユルシュール:アン-べス・ソルヴァンク
  ドン・ペドロ:マルティン・シュネル
  楽長ソマローネ:ミクローシュ・セバスティアン
  レオナート:トーマス・エンゲル


素晴らしいプロダクションの初日が聴けて、改めて、ウィーンの音楽文化のレベルの高さに舌を巻きました。うっとりとした感動・・・それがベルリオーズのロマン派の音楽でした。


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清新な演奏!オペラ《イドメネオ》@バーゼル歌劇場(シアター・バーゼル) 2013.4.16

今日はバーゼル歌劇場。もうすぐ、初来日するオペラハウスです。シアター・バーゼルという新しいホールを拠点にしています。
オーケストラは若くて綺麗な女性が多いのにびっくり。どこにもいる日本人あるいは東洋人はまったくいません。このオーケストラもピリオド楽器でノン・ヴィブラートのピリオド奏法のバロックオーケストラです。スイスには、バロックオーケストラが多いのかな?
このオーケストラの演奏は生硬とも言えますが、むしろ、清新と表現するのがふさわしいかも知れません。ティンパニのお兄さんのノリノリの演奏が素晴らしい。コンサート・ミストレスのお姉さんは若くて綺麗ですが、まとめ役として、演奏前のチューニングは各パートを周って、自分のヴァイオリンの音程に合わせさせていたのが印象的です。演奏中にも常に笑みを浮かべて、音楽を楽しんでいる様子がほほえましい感じでした。
歌手はアンサンブルオペラのように、誰かが突出するわけでなく、バランスがよく、とても聴き映えがします。イドメネオ役のテノール、スティーヴ・ダヴィスリムはなかなかの美声。モーツァルトにはぴったりです。イダマンテ役はメゾ・ソプラノだったのでびっくり。このイダマンテ役のソレン・ラヴァナント-リンケも綺麗な声で熱演です。一番、気にいったのは、イリア役のソプラノ、ローレンス・ギヨーです。若くて、容姿も美しく、声も尻上がりに透明さを増し、今後、期待できるソプラノです。パミーナとか、モーツァルトのソプラノの役はどれでも、よさそうな感じです。一番の収穫でした。今後、saraiの贔屓にしたいな!
エレクトラ役のシモーネ・シュナイダーはベテランのようですが、難しい役を熱演して、声量もあり、力のこもった歌唱はなかなかでした。

今日のキャストは以下です。

  指揮:アンドレア・マルコン
  管弦楽:ラ・チェトラ・バロックオーケストラ・バーゼル
  演出:デイヴィッド・ベッシュ

  イドメネオ:スティーヴ・ダヴィスリム
  イダマンテ:ソレン・ラヴァナント-リンケ
  エレクトラ:シモーネ・シュナイダー
  イリア:ローレンス・ギヨー
  アルバーチェ:カール-ハインツ・ブラント
  ラ・ヴォーチェ:アレクセイビルクス

1幕目はぼーっとして聴いていましたが、2幕目のアリアの連続はどれも素晴らしく、聴き惚れました。第3幕冒頭のイリアのアリア《そよ風に私の愛の告白を運んで》はローレンス・ギヨーのピュアーな歌声に心が洗われる思い・・・素晴らしい歌唱です。終幕の大合唱も素晴らしい迫力で、モーツァルトのオペラを堪能した今宵でした。


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オペラ《リナルド》@チューリッヒ歌劇場 2013.4.14

素晴らしいバロック・オペラを聴き、とても満足です。チューリッヒ歌劇場のかぶりつきの中央の席で指揮者が邪魔になるほどの良い席です。視覚はともかく、音楽の響きは最高の席でした。
のっけの序曲から、あのヘンデルの美しいメロディ、一転してのダイナミックな早いパッセージに身も心もうっとり、のりのりになります。指揮のボルトンの優雅なタクトさばきも見事ですが、古楽アンサンブルの響きといったら、素晴らしい!の一言です。チューリッヒ歌劇場のオーケストラよりもずっと優秀に聴こえます。特にコンサート・ミストレスのおばさまの見事な演奏には惚れ惚れです。ヴァイオリン協奏曲もどきもあるんです。ともかく、コンチェルト・グロッソから室内楽、チェンバロ独奏まで、ヘンデルの器楽曲のほとんどのレパートリーが楽しめる、お得で嬉しいオペラがこの《リナルド》です。
歌手はリナルド役のソニア・プリーナが素晴らしいの一語。グラインドボーン音楽祭の《リナルド》公演のヴィデオで聴いたときよりも数段、上の歌唱です。力強さが増しています。リリックなところも聴かせます。存在感では、チューリッヒ歌劇場の花、マリン・ハルテリウスのアルミーダ役が突出しています。本来、敵役のアルミーダなので、ハルテリウスはアルミレーナ役を想像しますが、実際に聴いてみると、アルミーダ役にぴったりとはまっています。美しい彼女にこそ、アルミーダははまり役です。彼女が主役かと思ってしまうほどです。それに彼女がこんなにヘンデルのころころが歌えるとはビックリです。あとの歌手もみな及第点でした。特にアルガンテ役のルーベン・ドロールは声量も声の質も抜群です。アルミレーナ役のジェーン・アーチボルトもそれなりの歌唱で、有名なアリア《私を泣かせてください》は胸にジーンときました。もっとも、伴奏のオーケストラの演奏に半分以上、ジーンときたんですけどね。

今日のキャストは以下です。

  指揮:アイヴァー・ボルトン
  管弦楽:チューリヒ歌劇場“ラ・シンティラ”管弦楽団
  演出:ジェンス-ダニエル・ヘルツォーク

  リナルド:ソニア・プリーナ
  アルミーダ:マリン・ハルテリウス
  ゴッフレード:ローレンス・ザッツォ
  アルミレーナ:ジェーン・アーチボルト
  エウスタツィオ:アンナ・ゴリャチョーヴァ
  アルガンテ:ルーベン・ドロール

こんな素晴らしいバロック・オペラが聴けるのは、やはり、ヨーロッパならではです。だから、ヨーロッパ詣ではやめられません。


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人生の厳しい冬、壮麗な死・・・ハイティンク+RSOのブルックナー:交響曲第8番@コンセルトヘボウ 2013.4.7

一昨日聴いたのと同じプログラム、今日はマチネー公演です。今日は一昨日と違って、sarai自身の問題で第3楽章までは集中力を欠きました。一昨日の究極の演奏で、自分がふぬけになってしまったようです。それでも、第4楽章の凄まじい音楽でよみがえり、自分と演奏者が同調するようになり、一昨日同様、あるいはそれ以上の高揚感を味わいました。

今日のプログラムは一昨日と同じく以下です。

  指揮:ベルナルト・ハイティンク
  管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

  ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版)

言い訳になりますが、座席が一昨日よりもかなり前のほうになったため、オーケストラの響きがよくなり、逆に聴き方が甘くなり、散漫な状態で聴いてしまいました。演奏の出来は隣の配偶者によると、ずい分、よかったとの意見です。多分、そうなんでしょう。第3楽章の後半くらいから、侘しさを感じ始めましたが、本当に目が覚めたのは、第4楽章冒頭の激しく、熱い大強奏からです。本当に凄まじい第4楽章でした。めくるめく・・・というのが感じた一言です。強く熱いメッセージ、一転して、美しく、やるせない抒情、贖罪の心の痛み、天上からふりそそぐ明るい光・・・ここには、人生の冬に向かう人間の深い思いのすべてが包み込まれています。一節、一節がこころに突き刺さります。人生の心の痛みに耐えかねる自分、そして、すべてを優しく許される自分、究極の死はマーラーの甘美な死ではなく、天に昇華する壮麗な死です。素晴らしいメッセージをもらい、歓喜の涙にくれるのみです。
今日も聴衆総立ちのスタンディングオベーション・・・もう、これ以上のブルックナーは聴けないかも知れませんが、その寂しさはsaraiにはありません。このブルックナーを胸に抱きつつ、生きていける幸福感に喜びだけがあります。感謝の拍手を送るのみです。


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       ハイティンク,  

人生の最終ゴール・・・ハイティンク+RCOのブルックナー第8番@コンセルトヘボウ 2013.4.5

思えば、長い間、クラシック音楽を聴いてきました。そして、今日はその音楽人生の到達点とも言えるコンサートに出会いました。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:ベルナルト・ハイティンク
  管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

  ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版))

過大な期待はしていました。しかし、まさにその期待した以上の演奏に接し、これが人生最後に聴く音楽であっても、悔いはないという思いです。
第1楽章から、素晴らしい演奏です。コンセルトヘボウ管の透き通った響きが体を貫いていきます。低弦の素晴らしい響き! 高音弦の透き通った響きと同質の透明感のある響きです。想像を絶する響きでした。高音弦の美しさでは、ウィーン・フィルが1枚上かも知れませんが、高音から低音までバランスのとれた響きでは、コンセルトヘボウ管は無敵だと感じます。管ももちろん、パーフェクトな響き。ホルンに若干の乱れはあるものの、これもブルックナーでここまで吹けるオーケストラはないでしょう。
そして、何と言っても、この素晴らしいオーケストラを完璧にコントロールするハイティンクの指揮、そして、彼のブルックナー解釈の素晴らしさ。saraiにとっては、もう、これ以上のブルックナーはありえないと断言できる内容の深さです。
第2楽章の迫力、そして、中間部の美しさ。感動は深まる一方です。
そして、第3楽章。長大な楽章ですが、音楽のあらゆる要素・・・美、迫力、滋味、等々がすべて、表現され尽くした感動的な演奏です。ブルックナー演奏の頂点、そして、クラシック音楽の頂点を極めたものと感じました。曲の隅々まで、丁寧に表現され、それでいて、全体の構成感もゆるがせにしないという趣です。この第3楽章までで、音楽は完成しています。が、さらに第4楽章でさらなる感動の世界に飛翔します。
ここまで、大音量の迫力あるパートも、あくまでも透明感のある繊細な響きの上に構築されて、自然で奥行きの深い世界を繰り広げてきました。第4楽章の冒頭の咆哮もその音楽の延長線上で、決して、気品を失うことはありませんが、迫力感は凄まじいまでです。そして、また、自然で美しい音楽が始まります。何度も、何度も、感動に酔いしれながら、フィナーレへ。上昇旋律が繰り返されながら、天上への飛翔感を味わい、最後に爆発的なコーダへ突き進みます。最後のジャジャジャンがホールに残響を残し、ハイティンクのタクトが静かに下されます。ホールはしばしの静寂に包まれます。素晴らしい聴衆は音楽の余韻を味わっています。そして、満場の拍手と歓声! すぐに聴衆が立ち上がり始め、saraiもスタンディングオベーションの輪に加わります。気が付くと、ホール全体でスタンディングオベーションです。

凄い演奏を聴きました。この日のコンサートに邂逅するために自分の人生があったんだという思いに駆られます。
前に当ブログで書きましたが、チェリビダッケのリスボン・ライブのCDに収められた演奏がブルックナーの交響曲第8番の最高の演奏、さらに言えば、クラシック演奏の規範とも感じていましたが、今日の演奏はそのチェリビダッケの演奏を凌駕するものでした。
ハイティンクのブルックナーは先月、第9番の最高の演奏を聴いたばかりでしたが、今日の演奏は遥かなる高みに達した極限の演奏でした。
明後日も同じコンビで同じくブルックナー8番を聴きますが、到底、今日以上の演奏は想像もできません。ですが、それでも、まだ、楽しみは続きます。


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       ハイティンク,  

ハイティンクのブルックナー:交響曲第8番の名盤を聴く(その2)・・・行き着く先は“美”を超えて

アムステルダムのコンセルトヘボウで、ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団でブルックナーの交響曲第8番を聴くのも、いよいよ今週末の金曜日と日曜日に迫りました。ヨーロッパの長旅の準備もありますが、やはり、このコンサートは我が音楽人生の頂点になるのではないかという予感がしています。しっかりとできるだけの準備はして、コンサートに備えましょう。

前回の記事でハイティンクのブルックナーの交響曲第8番のCDを特集しました。それはここに書きました。その記事で取り上げたCDの一覧は以下です。

1.1969.9.1-3.  コンセルトヘボウ管(全集)      ハース版
2.1981.5.25-26. コンセルトヘボウ管(デジタル録音)  ハース版
3.1989.08.22.  ECユース管              ハース版、非正規盤
4.1995.1.    ウィーン・フィル           ハース版
5.2002.12.03.  シュターツカペレ・ドレスデン(ライブ)ハース版
6.2005.2.18,20. コンセルトヘボウ管(ライブ)     ハース版
7.2007.08.24.  コンセルトヘボウ管(proms、ライブ)  ノヴァーク版、非正規盤

既には正規盤5枚(1、2、4~6)は聴きました。

2.の1981年のコンセルトヘボウ管でハイティンクのブルックナーは完成の域に達し、4.の1995年のウィーン・フィル、5.の2002年のシュターツカペレ・ドレスデンと、どの演奏も同様のスタイルで高いレベルの演奏です。6.の2005年のコンセルトヘボウ管は、もう一つの印象でした。これらから一つ選ぶなら、僅差ですが、5.の2002年のシュターツカペレ・ドレスデンでしょう。

その後、再度、2.の1981年のコンセルトヘボウ管と5.の2002年のシュターツカペレ・ドレスデンを聴き直してみましたが、ますます、その演奏に惹かれます。

そして、最後に、7.の2007年のpromsでコンセルトヘボウ管と演奏したライブの非正規盤を聴いてみました。唯一、ノヴァーク版の演奏で最近のハイティンクの演奏スタイルを知るために、どうしても聴きたかったCDです。ただ、あまりの音質の悪さ(BBCの放送を録音したもののようです)に今まで聴くことをしり込みしていましたが、もう、今日が最後の機会です。
第1楽章、第2楽章は音質の悪さに我慢して聴いていました。それが一変したのは、第3楽章です。音質の悪さは変わりありませんが、何という演奏でしょう。表現は難しいのですが、実にしみじみとした滋味にあふれる演奏です。チェリビダッケによる究極の“美”がこれまでの理想の演奏でしたが、その“美”を超える最高の演奏に感じます。ハイティンク78歳にして、到達した境地です。ブルックナーの最終稿にハース版で付け加えられたものをすべて取り除いたノヴァーク版を採用したことも寄与しているかもしれません。陶酔するような演奏ではなく、言わば、人生の秋か冬を感じ、癒しを受けるような演奏です。勢いのある第4楽章になっても、基本的なスタイルはしみじみ感です。こういう演奏は万人に受け入れられる演奏ではないかもしれませんが、saraiにとっては、最高の演奏です。

この演奏から6年近く経った今、一体、ハイティンクはどんなブルックナーを聴かせてくれるでしょう。先日のみなとみらいホールでの究極の第9番を上回る演奏を期待して、心もそぞろです。


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       ハイティンク,  

ハイティンクのブルックナー:交響曲第8番の名盤を聴く・・・4月のロイヤル・コンセルトヘボウのコンサートに向けて

先週聴いたハイティンク指揮ロンドン交響楽団のブルックナー:交響曲第9番は最高のブルックナーでした。鮮烈な記憶を刻み、まだ、その余韻に耽っています。しかし、来月の5日、7日はアムステルダムのコンセルトヘボウで、ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団でブルックナーのもう一つの大曲の交響曲第8番を聴く予定です。交響曲第9番の余韻も消えませんが、今度は交響曲第8番をまとめて、予習することにします。

交響曲第8番と言えば、チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルの3大ライブ(ミュンヘン、東京、リスボン)が強烈な印象です。それについては、ここに書きました。その記事のなかで、チェリビダッケ以外の気に入った演奏のCDについても触れています。それは以下のものです。

 ヨッフム、シュターツカペレ・ドレスデン
 ジュリーニ、ウィーン・フィル
 ヴァント、ケルン放送交響楽団
 ハイティンク、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 クナッパーツブシュ、ミュンヘン・フィル(1962)
 ヨッフム、ベルリン・フィル(シュターツカペレ・ドレスデンと同程度に評価)
 ヴァント、ベルリン・フィル(ケルン放送交響楽団と同程度に評価、北ドイツ放送交響楽団は今一つ)

これ以外も名盤と世評に高いものは、ほぼ聴いてきました。例えば、シューリヒト指揮ウィーン・フィルとか、ヴァント指揮ミュンヘン・フィルとかです。

その上で、ハイティンクのブルックナー:交響曲第8番のCDをまとめて聴いてみます。ハイティンクの交響曲第9番は正規盤はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の2枚しか出ていませんが、交響曲第8番は正規盤だけで5枚も出ています。以下に一覧を示します。3と7は非正規盤です。

1.1969.9.1-3.  コンセルトヘボウ管(全集)      73:31 13:57,13:33,25:17,20:44
2.1981.5.25-26. コンセルトヘボウ管(デジタル録音) 84:56 15:59,16:00,29:08,23:49
3.1989.08.22.  ECユース管               88:15 17:15,15:21,30:09,25:17
4.1995.01.    ウィーン・フィル             83:16 16:48,15:04,27:26,23:47
5.2002.12.03.  シュターツカペレ・ドレスデン(ライブ) 84:30 16:23,15:15,27:49,24:47
6.2005.2.18,20. コンセルトヘボウ管(ライブ)      85:45 16:40,16:05,28:01,24:31
7.2007.08.24.  コンセルトヘボウ管(proms、ライブ)  82:38 15:59,15:05,26:34,24:37

右の数字は演奏時間で、合計時間と各楽章(第1楽章~第4楽章)の演奏時間です。
また、ブルックナーの場合、どの版で演奏したかが問題になります。特に交響曲第8番は版によって、著しい違いが生じます。ハイティンクはずっと、ハース版を用いていました。ハース版はブルックナーの最終稿をもとに、それ以前の版から、多くの部分を補足したものです。それがブルックナーの意向に最も沿ったものであると判断したのではないかと思われます。ヴァントも一貫して、ハース版を用いていました。
しかし、ハイティンクは突如、2007年以降、ノヴァーク版(第2稿)に変更しました。正規盤では、まだ、このノヴァーク版による演奏は出ていません。上記のリストでは、7の非正規盤がノヴァーク版です。多分、来月のコンサートもノヴァーク版になると思われます。ノヴァーク版はハース版で補足された部分を削除して、ブルックナーの最終稿をそのまま採用したものです。版の違いが多いのは第3楽章と第4楽章です。第3楽章はハース版が301小節に対して、ノヴァーク版が291小節と10小節少なくなっています。第4楽章はハース版が747小節に対して、ノヴァーク版が709小節と38小節少なくなっています。基本的には、ノヴァーク版はすっきりスリムになっています。チェリビダッケはノヴァーク版を用いていました。

今回、聴いたのは正規盤5枚(1、2、4~6)です。7のノヴァーク版も入手済みなので、聴いてみた後に本記事に感想を追加します。

まず、1のコンセルトヘボウ管です。これはハイティンクが1963年から1972年にかけて完成させたブルックナー交響曲全集の中の1枚です。実は日本語説明書には、交響曲第8番は1960年録音と明確に記されていますが、各種情報によると、これは誤りで1969年録音が正しいようです。ハイティンクが40歳でコンセルトヘボウ管の音楽監督になって、5年ほどのときです。基本的には、以前書いた交響曲第9番(1965年)と同様に非常に若々しい勢いのある演奏です。演奏時間をみると、とても速い演奏なのが分かりますが、実際、第2楽章と第4楽章は快速です。一番、快速だったシューリヒトに比べると、第3楽章が少し遅いですが、それ以外は同等の速さです。交響曲第9番(1965年)に比べると、完成度の高い演奏で、十分、納得のいく演奏です。演奏の魅力で言えば、より若々しい演奏だった交響曲第9番(1965年)に軍配が上がります。

次に、2のコンセルトヘボウ管です。全集完成後の第7番~第9番の再録音の1枚(実際はCD2枚)です。タワーレコード限定の4枚組CDに含まれています。廃盤になっていたCDです。これは堂々たる演奏で、素晴らしい演奏です。最初の録音から12年経ち、ハイティンク52歳、脂の乗り切った時期で、既に巨匠の風格をただよわせる名演です。演奏時間も10分以上長くなり、スケールが大きく、ディテールまで磨き上げたもので感銘を受けました。同年に録音した第9番も名演でした。このときにはハイティンクはブルックナー演奏の大家になっていました。

次に、4のウィーン・フィルです。前回の録音から14年経ち、ハイティンク65歳。コンセルトヘボウ管の音楽監督を辞任し、フリーのような立場になっていました。前回からずい分、時が過ぎましたが、これも基本的には、2のコンセルトヘボウ管と同様のスタイルの演奏です。既にハイティンクの交響曲第8番は完成の域に達していました。違いと言えば、オーケストラとホールです。この演奏はウィーン楽友協会の響きも相まって、ウィーン・フィルならではの柔らかい響きに魅了されます。第3楽章の美しさは格別です。ザンクト・フローリアンの丘の美しい草原に花々が咲いているかの如くに感じます。

次に、5のシュターツカペレ・ドレスデンです。ウィーン・フィルとの録音から7年、ハイティンク73歳。シノーポリの急死を受け、ハイティンクはシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者(音楽監督は固辞)を引き受けていました。つまり、当時、シュターツカペレ・ドレスデンは彼の手兵だったわけです。この演奏も1981年のコンセルトヘボウ管で確立したスタイルと同様の演奏ですが、見事なライブ録音です。ゼンパー・オパーの長い残響を感じながら、シュターツカペレ・ドレスデンの重心の低い重厚なドイツのオーケストラの響きに引き込まれてしまいます。特に、第4楽章は迫力は圧倒的です。ザンクト・フローリアンの森の自然の中にいるかの如くに感じ入ります。このCDがハイティンクのベストCDです。チェリビダッケの強烈な個性は大好きですが、それを別とすれば、このCDが交響曲第8番のベストです。

最後に、6のコンセルトヘボウ管です。実に3回目になるコンセルトヘボウ管との録音です。前回のコンセルトヘボウ管からは24年経ち、ハイティンクも75歳。押しも押されぬ巨匠です。大変、期待しました。しかし、演奏自体は素晴らしいのですが、何故か、心に響いてきません。生まれ育った古巣のコンセルトヘボウ管とは言え、客演の立場。そんなことも関係するんでしょうか。

ブルックナー:交響曲第8番のCDをまとめ聴きして、ハイティンクのブルックナーの自然で実直な演奏の素晴らしさをさらに感じました。生で聴くのがますます楽しみになってきました。


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       ハイティンク,  

来シーズンのヨーロッパの注目公演・・・巨匠ハイティンクは聴き逃せない!

来シーズンのヨーロッパの注目公演の検討を続けます。
ベルリン国立歌劇場は格別に気になる公演はありません。それにまだシラー劇場での代替公演なので、劇場の改修が終わるまでは待ちましょう。
バイエルン国立歌劇場はヴェルディ・イヤーに焦点を合わせた公演もありますが、saraiとしては魅力的なものはありません。
パリ・オペラ座はガルニエでの公演を中心にチェックしましたが、これも食指をそそられるものがありません。
パリ・オペラ座のバレエ公演で気になるのは、2013年4月に予定されているジョン・ノイマイヤーの《グスタフ・マーラーの第3交響曲》というものですが、これはどういったものでしょう。公開されている短いビデオクリップを見ると、群舞のようで、パリ・オペラ座の大量のダンサーを活かした作品のようです。ニコラ・ル・リッシュも出るみたいです。・・・(ネットで調べたところ、2009年にプルミエがあり、ニコラ・ル・リッシュが踊ったとのこと。マーラーの第3番と沈黙のダンス、合わせて、休憩なしで2時間の大作です。見ごたえありそうです。)
イタリアの歌劇場はとりあえず検討外。チューリッヒ歌劇場もとりあえず検討外です。

というところで、オペラは2013年の4月、6月のウィーン国立歌劇場で決まりっていう方向です。
後はウィーンのコンサートを絡めるというあたりで考えたいと思っています。
とりあえず、ウィーン楽友協会をチェックすると、気になるコンサートは以下です。

 2012年11月 プレートル指揮ウィーン交響楽団
        ベートーヴェン:交響曲第4番、R・シュトラウス:《薔薇の騎士》組曲、ラヴェル:ラ・ヴァルス
 
これは聴きたいですが、日程が合わないのでパス。あとは今後発表されるウィーン・フィルのコンサートに期待します。

それよりも、コンセルトヘボウのスケジュールをチェックすると、魅力的な公演を発見しました。

 2013年4月(5日、7日) ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
              ブルックナー:交響曲第8番

これは是非、聴きたいです。ハイティンクのお歳を考えると、この曲をコンセルトヘボウで聴けるラスト・チャンスかも知れません。
4月のウィーンと組み合わせましょう。
すると、4月はアムステルダム、パリ、ウィーンというルートになりますね。まあ、いいかな。
6月はまだ、ウィーンのみです。

このあたりを軸に日程を固めていきましょう。



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来シーズンのヨーロッパの注目公演:ウィーン国立歌劇場

旅には終わりがない。旅を終えたら、次の旅をどうしようかと考えます。saraiの旅は音楽と切り離すことができない旅。

ということで、これからのオペラ・コンサートのチェックをしましょう。
既に来シーズンのヨーロッパのオペラやコンサートのスケジュールはほとんど発表されています。
saraiが注目しているオペラ、コンサートについて、まとめてみましょう。
ウィーン国立歌劇場でsaraiが厳選したオペラは以下です。

2012年9月 《エレクトラ》ヤング指揮、バルツァ、ポラスキ、デノケ、ローズ、アンガー
 これは凄いキャストですね。エレクトラ役のポラスキが叫びまくれば、感動的でしょう。デノケがクリソテミスを歌うのも贅沢だし、バルツァのクリテムネストラも余裕の配役。

2013年1月 《薔薇の騎士》テイト指揮、デノケ、ローズ、ホウトツェール、シュヴァルツ
 今月聴いたばかりの《薔薇の騎士》はガランチャのオクタヴィアンはカッコよさ、可愛さ、そして、もちろん美声と3拍子?揃った最高のものでしたが、来年はデノケの元帥夫人が聴きもの。第1幕最後のモノローグでは、ピュアーな高音でしみじみとした歌唱が聴けるでしょう。テイトの指揮がどうであれ、モノローグは彼女の一人舞台ですからね。

2013年1月 《シモン・ボッカネグラ》ピド指揮、ドミンゴ、フリットリ
 ドミンゴはともかく、フリットリが聴きたいですね。ヴェルディ・イヤーにふさわしい歌唱が聴けるでしょう。

2013年4月 《エウゲニ・オネーギン》ネルソンズ指揮、ネトレプコ、ホロストフスキー、コルチャク
 ネトレプコのタチアーナは聴き逃せませんね。手紙の場だけでなく、終幕もよさそうです。ホロストフスキーのオネーギンも適役。問題はネトレプコがキャンセルしないかどうかだけ・・・

2013年4月 《ウェルテル》ドゥ・ビリー指揮、アラーニャ、ガランチャ
 これも今月聴いたばかりですが、カサロヴァのシャルロッテは期待以上の好演だったものの、やっぱり、ガランチャが聴きたい! それにウェルテルがバリトン版だったので、ちゃんと?、テノールで聴きたいし、アラーニャが歌うのなら文句はありません。これも聴き逃せません。これも問題はガランチャがキャンセルしないかどうか・・・

2013年5月 《カルメン》ドゥ・ビリー指揮、アラーニャ、ガランチャ、テジエ
 このガランチャのカルメンも聴きたいですね! そんなに毎月、ガランチャがウィーンで本当に歌うのかな・・・
 
2013年6月 《カプリッチョ》エッシェンバッハ指揮、フレミング、スコウフス、シャーデ、リドル、キルヒシュラーガー
 これも凄いキャストですね。これで満足できない筈がない。オーケストラだけだって素晴らしいのだから。絶対に聴き逃せません。

残念ながら、これらを全部聴くわけにはいきません。財布と相談しながら、絞り込む必要があります。
すると、来年4月の《エウゲニ・オネーギン》と《ウェルテル》をまとめて聴くのが第1の選択。
そして、来年6月の《カルメン》(最終公演は6月2日)と《カプリッチョ》を何とか、つなげて聴くのが第2の選択になりそうです。
来年1月の《薔薇の騎士》と《シモン・ボッカネグラ》にも気をそそられますが、ウィーンの冬の寒さを恐れているsaraiです。

ということは今年の旅はもう、なしってことかな~??

ほかのオペラハウスやコンサートも来年の4月、6月のあたりで検討するしかなさそうです。それは明日、検討してみましょう。

ポチっとクリックするアイコンはいつまでも桜では時期外れなので、今度はチューリップにしてみました。試しにクリックしてみてくださいね。



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sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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