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言葉も出ないブルックナー7番byプレートル+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2011.10.30

待ちに待ったプレートル指揮ウィーン・フィルのウィーン楽友協会でのソワレ公演は長かった旅の最終日。この日に向けたヨーロッパを旅してきた感があります。
そして、その演奏したブルックナーの交響曲第7番はもう言葉も出なくなるような素晴らしいものでした。確かにCDで聴く亡きオイゲン・ヨッフムの演奏はコンセルトヘボウもベルリン・フィルもシュターツカペレ・ドレスデンもこれ以上はない出来栄えですが、生で聴ける演奏ではありません。楽友協会の素晴らしい響きで聴くウィーン・フィルの美しい演奏、そして、我が敬愛する巨匠ジョルジュ・プレートルの活き活きして硬軟とりまぜた自在な表現はヨッフムにも負けず劣らず、今後決して聴くことのできないものでした。

今日のプログラムは以下です。

 指揮:ジョルジュ・プレートル
 管弦楽:ウィーン・フィル

 シューベルト:交響曲第7番《未完成》

  《休憩》

 ブルックナー:交響曲第7番

5日前に聴いたゲネプロともちろん同じです。違いと言えば、コンサートマスターのホーネックの隣に座っているのがシュトイデからダナイローヴァに変わったくらい。

まずはシューベルト。もともとゲネプロでも完成された演奏でしたが、今日はさらに磨きのかかった演奏。破たんのないのが寂しいくらいの完璧な演奏。プレートルも特に変わったことをするわけではありません。実にオーソドックスです。ゲネプロでちょっと物足りなかった第1楽章も悲劇的な感じがよく出ていて、満足です。秀逸だったのは第2楽章のフィナーレで第1ヴァイオリンがピアノッシモで繰り返し演奏する部分の緊張感です。フォルッティシモで演奏する以上の心に強く響く演奏。こんなのは初めて聴きました。これでこそ、未完成も第2楽章で完結できると初めて納得できました。プレートル渾身のフィナーレでしょう。生で聴く演奏会ならではの感動です。

休憩後は最高に期待していたブルックナーです。事前に9枚ものCDを予習して臨んだ、真剣勝負。ちなみに9枚はヨッフム3枚、ヴァント2枚、ハイティンク2枚、ジュリーニ、クナッパーツブッシュです。そのsaraiの意気込みは裏切られませんでした。言葉で表現するもどかしさを覚えますが、できるだけ書いてみましょう。
第1楽章は弦の漣から、低弦の美しいメロディーが朗々と流れます。実に美しいブルックナーです。弦も木管も金管もすべて楽友協会のホールに美しく響き、盛り上がりが凄まじく耳を襲います。これがウィーン・フィルのブルックナーです。美しい響きはsaraiの生まれる前のクナッパーツブッシュの時代から変わりません。強烈なフィナーレで第1楽章は終わります。ふーっ・・・
第2楽章、ゲネプロでは幾分速めに感じられたテンポも今日は普通のテンポで美しく、丁寧な開始です。しみじみとした演奏が続き、徐々に盛り上がり、シンバルの強烈な一撃。この楽章の聴きどころ、第1ヴァイオリンがうねるような上昇音形から下降音形に移る最高の盛り上がりの素晴らしさ、ホールがブルックナーの音で満たされます。最長の楽章もいつまでも続いてほしいくらい終わるのも残念に感じる熱演です。
普通はここまでがこの曲の山場ですが、さらに第3楽章は激しく襲いかかってきます。何という迫力でしょう。中間部で少し静まりますが、再度、激しく迫ってきます。凄まじいばかり。
第4楽章は幾分テンポアップして、軽快で美しい高弦の響きです。音楽は流れ、朗々たるユニゾンが繰り返され、ゲネプトではなかった溜めが何とも言えない心地よさです。その後は・・・もう意識が飛んで、フィナーレの強烈なコーダだけが頭に残ります。何たる感動、圧倒的です。語る言葉を失ってしまいました。しばらくは無言状態。茫然自失です。

旅の最後にプレートルはそのご老体を駆使して、最高のプレゼントを贈ってくれました。彼の音楽を味わえた喜びで満たされたsaraiは楽友協会をふらふらと歩み出ました。外で待っていてくれたはっぱさんの明るい笑顔でやっと我に返りました。常に行動を共にし、一緒に旅に出てくれた配偶者に最大の感謝を送らなければならないでしょう。今日の感動はすべて、みなさんのお蔭です。感謝!感謝!の最後のコンサートでした。


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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2011/11/03 21:57
saraiさん、無事にお帰りなさい!

ウイーンでのブル7、随分と素晴らしかったようですね。
どこまでがプレートルの魅力か、ウイーンフィルの魅力か、はたまた楽友協会ホールの魅力か判りませんが、いずれにしても貴重な体験をされて羨ましいです。
私もそのうち定年を迎えたら、ヨーロッパの音楽ツアーに是非行ってみたいものです。

2, saraiさん 2011/11/03 23:22
ハルくんさん、ありがとうございます。

ブルックナーの7番、もともと好きな曲ですが、こんなに終始引き込まれたことはありませんでした。
おっしゃる通りなんです。プレートル、ウィーン・フィル、楽友協会グローサーザールのすべてが揃って、初めて成り立つ演奏でした。まあ、このうち、プレートルでブルックナーを聴くのは今後難しいかもしれませんから、プレートルを聴きに無理して行ったのが正解だったと思っています。

ハルくんさんの輝かしい未来(それって定年・・・)をお祈りします。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

《メリー・ウィドウ》@フォルクスオーパー 2011.10.29

今回、フォルクスオーパーで聴くオペレッタは新演出のオペレッタ、レハールの《メリー・ウィドウ》です。同じく新演出の《ウィーン気質》も聴きたかったのですが、ちょっとだけスケジュールが合わず断念。次回の楽しみにとっておきましょう。
開演前にこの日に直行便で日本から駆け付けたブログのお友達のsteppkeさんに初対面。オペレッタにはあまり縁のなかったsaraiに以前からいろいろなアドバイスをしていただいた師匠みたいなかたです。何だか初めてお目にかかるような気がしません。

さて、今日のキャストは以下です。

   指揮:アルフレッド・エシュヴェ
   演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
   ツェータ男爵:アンドレアス・ダオム
   ヴァラシエンヌ:マラ・マスタリ
   ハンナ・グラヴァリ:アレクサンドラ・ラインプレヒト
   ダニロ:ダニエル・シュムッツハルド
   カミーユ:ヴィンセント・シルマッヒャー
   ニエグシュ:ロベルト・マイヤー

幕が開くと、えらく舞台の奥行きが狭くてびっくりしますが、これは可動式の仕切りでその奥に広い空間がありました。この仕切りは回転式のドアにもなっていて、この仕切りを有効に活用することで舞台の変化を付けています。うまいことを考えましたね。
オペレッタはニエグシュ役のロベルト・マイヤーが狂言回しのようになって、八面六臂の大活躍です。とぼけた演技で出しゃばっても憎めません。肝心のハンナ役のラインプレヒトですが、歌も演技も、そして容姿も合格点。なかなか難しい役どころをよくこなしていました。ヴィリアの歌は筋の展開に直接関係する歌ではありませんが、これを下手に歌われるとぶち壊しになりかねませんが、高い声もしっかり出せていて立派なものです。一方、相手役ダニロを歌うのシュムッツハルドです。これまで見た中ではダニロの雰囲気を一番出せていた歌手です。男振りもなかなかで声もよく出ています。この2人の絡みはとてもロマンチックなでうっとりです。昔のパリ・オペラ座でのカリタ・マッティラとボー・スコウフスの素晴らしい演技を思い起こせます。かなり肉薄していますが、逆にあの演出をコピーしているような気もします。まあ、いいものをお手本にすることは我々聴衆にとっても悪いことじゃありません。ヴァラシェンヌ役のマスタリはとても綺麗で歌も演技もよし。ついでにダンスもうまい。ついでにいうと今回の《メリー・ウィドウ》は女性陣が美人で容姿の良い人ばかりでsaraiは満足。男爵夫人とか何とか夫人っていうのでぶくぶく太った見栄えの悪い人が出ることが多いですから、今回のキャストは大変結構です。決して差別発言ではなく、やはり舞台は美しくあってほしいという願いを表明しただけです。カミーユ役のシルマッヒャーはそのアジア系の容姿はともかく抜群に声が出ていて、聴き映えがしました。男性ですから見栄えには目をつむりましょう。
こんなふうにキャストは粒が揃っていて、大変満足です。
今回の新演出では専門のダンサーが多数出演し、レベルの高いダンスをいくつも披露してくれたのが舞台の華やかさを盛り上げていました。これも大変、結構です。フレンチカンカンの踊りはなかなか見応えがありました。オッフェンバックの曲はありませんでしたが問題ないでしょう。
ただ、ひとつだけ、苦言を呈しなくてはならないのはリフレインがまったくないことです。最近の《チャルダッシュの女王》でもリフレインが1回だけで不満に思っています。リフレインは演奏者と聴衆の共同作業で両者が一体化する大切な要素でオペラになくて、オペレッタをオペレッタとしてならしめる最重要なものです。リフレインをちょっとやっただけでそんなに上演時間が延びる訳でもないでしょう。是非、関係者は再考していただきたいと俄かオペレッタファンのsaraiは強く思います。

ともあれ、舞台は盛り上がり、聴衆の手拍子のなか、楽しくフィナーレになります。カーテンコール時に期待していたロベルト・マイヤーの指揮台への乱入もちゃんとありました。彼の指揮のもと、またまた、聴衆の手拍子も加わり、楽しく《メリー・ウィドウ》は終了。

また、オペレッタ(オペラでもミュージカルでもなく)を楽しみにフォルクスオーパーに戻ってきましょう。この旅で残すは明日のプレートルとウィーン・フィルのコンサートだけになりました。何てウィーンの音楽文化は素晴らしいんでしょう!


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アンスネス、ネルソンズ、ウィーン交響楽団@ウィーン楽友協会 2011.10.28

今日のコンサートでの主役は指揮者のネルソンズ。昨年のウィーン・フィルの来日公演の指揮者交代劇は悲喜こもごもでしたが、運よく?、saraiは巨匠プレートルを聴けて、大感激。それもあって、今回のプレートル詣での旅になったわけです。で、来日公演に参加したネルソンズを聴いた人は貧乏くじを引いたような恰好になったわけですが、その後、彼の評判はうなぎのぼり。恥ずかしげもなく、saraiも彼の指揮ぶりを聴いてみようと思い、今日のコンサートに相成ったわけです。
今日聴いてみて、どうだったかと言えば、やりたい放題やられて、感動というのとはちょっと違いますが、すっかり興奮しまくったという次第。それについては後述します。また、ピアノ独奏のアンスネスはと言えば、出だし、しっくりとこないところもありましたが、途中からは詩情あふれるリリシズムと小気味よい軽快なタッチでベートーヴェンを楽しませてくれました。

今日のプログラムは以下です。

 指揮:アンドリス・ネルソンズ
 ピアノ独奏:レイフ・オヴェ・アンスネス
 管弦楽:ウィーン交響楽団

 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15

  《アンコール》
   ショパン:プレリュード第17番 変イ長調Op.28-17

  《休憩》

 マーラー:交響曲第1番ニ長調《巨人》

ロジェの最前列の席で見通しも音響もよく、快適に演奏を楽しむことができました。
まずはアンスネスのピアノ独奏でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番です。ネルソンズ指揮のウィーン交響楽団はのっけからベートーヴェンらしく堂々として、凛とした演奏で気持ち良くかっちりした響きを展開します。楽友協会のホールにも小編成ながら響きが満ちていることが分かります。座席にも低音の響きが体に直接伝わってきて、心地よい感じです。アインザッツがびしびし決まり、これぞベートーヴェンって感じです。独奏ピアノがはいってきます。アンスネスは北欧の響き、暗く沈んだ響きで明快なオーケストラの響きとは乖離があります。ピアノだけ、孤独に沈んだ感じ。ベートーヴェンとは異質の世界。もどかしい感じです。このまま、第1楽章は終了。
第2楽章は抒情的な独奏ピアノから開始します。ん、これはロマンチックな感じです。ピアノが詩情豊かにメロディーを歌い上げ、オーケストラも綺麗にからんでいきます。うっとりと聞き惚れます。ベートーヴェンの少し武骨な抒情とは異なるような気もしますが、こういう美しい演奏も新鮮ですがすがしく感じます。第2楽章はとても素晴らしい演奏でした。第3楽章はまた第1楽章のようにピアノが暗く沈むのかと思いきや、軽快で颯爽とした演奏です。ネルソンズの好サポートもあり、メリハリの利いた楽想が流れていきます。フィナーレはオーケストラとピアノが融合して雄渾なコーダ。終わりよければすべてよしってことで、素晴らしいベートーヴェンでした。
アンスネスのアンコール曲はショパン。なんだか場にそぐわない感じもありましたが、美しい演奏ではありました。因みにこのアンコール曲は先月の東京でのリサイタルでもアンコール曲でした。

休憩後、マーラーです。大編成のオーケストラがステージに並びます。
ここからはネルソンズの独壇場。完全にオーケストラをコントロールして自在な演奏。よっぽどリハーサルをやったか、それとも、ウィーン交響楽団の指揮者の指示への即応能力がよっぽど高いか、きっと、両方なんでしょう。
ネルソンズがやりたい放題の実に彫りの深い演奏が続きます。やり過ぎと言ったら、やり過ぎですが、聴いているものも面白くて演奏に引き込まれます。ネルソンズは初めて聴きますが、とても音楽性の高い音楽を展開します。相当に譜面を読み込まなければ、こういう指揮は不可能でしょう。才能に恵まれ、努力も怠らないタイプと見ました。ただ、この曲の性格もありますが、暑い血潮のたぎりは感じますが、深い精神性とは程遠い演奏ではあります。これはこの曲だけでは評価は難しいですね。それでも、フィナーレの盛り上がりはホール全体を揺るがすほどの響きで、1点の曇りもない完璧な演奏で思わずsaraiも興奮状態。感動ではありませんよ。マーラーの第2番以降も聴いてみたくなるような演奏でした。
こんなに面白く、聴けそして熱く聴けた《巨人》は初めて。なかなか、面白い指揮者がでてきました。師匠のヤンソンスよりも今後は要注意かもしれません。



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《フィデリオ》@ウィーン国立歌劇場 2011.10.27

ベートーヴェン唯一の歌劇《フィデリオ》はウィーン国立歌劇場にとって、記念すべき作品の一つです。それは1945年、第2次世界大戦で崩壊したこのオペラハウスが10年後の1955年に再建し、再開を記念して演奏されたのがカール・べーム指揮のこの《フィデリオ》でした。ちょうど終幕の合唱の歓喜の歌声がウィーンの戦後の再生の祝賀に聴こえて、ウィーンの市民は感無量だったことでしょう。

その《フィデリオ》の公演を56年後に聴くことができ、saraiも感無量です。
今日のキャストは以下です。

   指揮:ベルトランド・ド・ビリー
   演出:オットー・シェンク
   フロレスタン:ロバート・ディーン・スミス
   レオノーレ:ヴァルトラウト・マイヤー
   ドン・ピツァッロ:アルバート・ドーメン
   ドン・フェルナンド:マルクス・マルカルト 
   ロッコ:ラルス・ヴォルト
   マルツェリーネ:アニタ・ハルティッヒ
   ヤキーノ:ベンジャミン・ブルンス

オーケストラ・ピットを見るとコンサートマスターはキュッヒルさんです。昔昔お宅にお邪魔したことを思い出し、ご挨拶しました。キュッヒルさんは人のよさそうな笑顔で何やらもごもぐ言われていました。今日は彼の横にシュトイデです。てっきり彼もミニヨーロッパツアーに参加したと思っていたのでびっくり。先日のウィーン・フィル定期と同じ顔触れです。

実はsaraiはこのオペラは少し苦手。アリアらしいアリアがなく、盛り上がりに欠けるからです。そういう意味では、このオペラはオペラというジャンルを離れたベートーヴェン特有のものだと思います。
ただ、この日の演奏は歌手は全員好調で、主役のマイヤーはもとより、フロレスタン役のディーン・スミスは素晴らしいテノールの響き、ロッコ役のヴォルトはバリトンの豊かな響き、マルツェリーネのハルティッヒの澄んで伸びやかなソプラノと粒揃いです。オーケストラはもちろん素晴らしい。
それでも、第1幕は個別にはマイヤーとハルティッヒの重唱の部分とかよいところもありましたが、オペラとしての盛り上がりに欠けたことも事実。

第2幕でフロレスタン役のディーン・スミスが登場し、ベートーヴェンらしい滋味深いアリアを歌うあたりから、ぐっとオペラらしくなり、聴きごたえが出てきました。そして、やはり山場は第2幕第1場が終わったところで演奏される「レオノーレ序曲第3番」。オペラの流れとしては無理があるかも知れませんが、実質ウィーン・フィルの演奏は素晴らしいこと、この上なしです。フィナーレへの美しい弦の響きからの部分はもうオペラを忘れてしまいそうです。これはコンサートです。
この後、第2場からフィナーレへは合唱が素晴らしく、まるで交響曲第9番のフィナーレを聴くが如くです。フィナーレの合唱はまさに人生、人間の讃歌です。ベートーヴェンの主題ですね。人間は自由で平等で正義を貫くっていう感じで思わず感動の嵐に巻き込まれます。これがウィーンの《フィデリオ》なんですね。

ところで、このオペラを聴いていて、ふと、1990年の壁の崩壊劇を思い出しました。まるでこの《フィデリオ》とかぶってみえます。ベートーヴェンが目指したのは単なるオペラではなく、人類の愛と自由と正義のドラマの具現化だったのかもしれません。いつまでも変わらぬ永遠のテーマです。偉大なベートーヴェンは人類の将来を見通していたようにも思えます。

今回はこれでウィーン国立歌劇場もオペラもおしまい。後はオペレッタとコンサート2回と残り少なくなりました。



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バレエ《ラ・シルフィード》プレミエ@ウィーン国立歌劇場 2011.10.26

saraiの生バレエの初体験です。
ずうずうしくもウィーン国立歌劇場の《ラ・シルフィード》のプレミエ公演を平土間前方で見ようというのですから、自分でも呆れるばかり。

現在、ウィーン国立歌劇場およびフォルクスオーパーのバレエは統合されて、バレエ総監督はパリオペラ座の看板だったマニュエル・ルグリが引退後に就任したばかりです。彼が次々と新企画を打ち出しているもののひとつがこの《ラ・シルフィード》をパリオペラ座演出のものを持ってくることです。演出はピエール・ラコットで今回の演出も手掛けています。といっても、パリオペラ座版と今回の公演は瓜二つです。
目玉はパリでもジェイムズ役を踊ったルグリと同じくシルフィードを踊ったエリザベス・プラテルが直接指導にあたったことです。

では、今回のキャストを見てみましょう。

   振付:ピエール・ラコット
   指揮:ペーター・エルンスト・ラッセン
   管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
   ラ・シルフィード:イリーナ・ツィンバル
   ジェームズ:ロマン・ラツィク
   エフィー:ニナ・ポラコヴァ
   グエン:カミル・パヴェルカ
   マッジ:アンドレイ・カイダノフスキ
   アンナ:エヴァ・ポラチェック
   パ・ドゥ・ドゥ:マリア・アラティ
           ミハイル・ソスノフスキ

まず、前奏が演奏されます。実質ウィーン・フィル、しかも第1コンサートマスターのキュッヒルが率いるオーケストラ。とても美しい響きです。バレエにはもったいないくらいとsaraiが言うと、バレエは少し先輩の配偶者にたしなめられました。それほど贅沢なサウンドです。
最初からシルフィード役のツィンバルの登場ですが、愛らしくて可憐で何と可愛いんでしょう。ステップも軽やかで妖精そのものです。コンサートマスターのキュッヒルの独奏ヴァイオリンでのダンスの素晴らしいこと。ステージから去る際の小刻みのバックステップも見事でまるで妖精。人間業には思えません。第1幕の最初からsaraiの心を魅了したツィンバルはその後も軽やかで重力を感じさせない見事なダンスでステージを縦横微塵に駆け巡りました。他のダンサーも見事な踊りを披露してくれたし、特に第2幕のシルフィード達の群舞は膨大なダンサーが入れ替わり立ち代わりで圧倒的でした。ウィーン国立歌劇場のバレエの素晴らしを満喫できました。
ただ、ツィンバルのあまりの可愛らしさがこのプレミエの成功の大きな要因であったことは間違いないでしょう。パリ・オペラ座のプラテルの指導も大きかったようです。ツィンバルの動きはパリ・オペラ座の動き、そのものでしたからね。フィナーレでのツィンバルの死ぬ場面の動きの優雅さも特筆ものでした。

また、次回もオペラだけでなく、バレエも見たくなりました。特にツィンバルのバレエをまた見たくなったsaraiでした。



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素晴らしきバロックオペラ《セルセ》@アン・デア・ウィーン劇場 2011.10.25

今日はダブルヘッダーで聴きます。プレートル+ウィーン・フィルのゲネプロの後はアン・デア・ウィーン劇場でヘンデルのオペラ《セルセ》です。

連日で恥ずかしいのですが、今日も感動してしまいました。素晴らしい公演でした。歌手、演出、舞台装置、合唱、オーケストラ、指揮すべてが素晴らしく、今年聴いたオペラでは1位は一昨日の《サロメ》で確定ですが、今日のオペラは5位以内は確実です。頭を冷やして、2位~5位の間のどこに入るか、検討しましょう。

まずはキャストです。

   指揮:ジャン・クリストフ・スピノージ
   管弦楽:アンサンブル・マテウス
   合唱:アルノルト・シェーンベルク合唱団
   演出:アドリアン・ノーブル
   セルセ:マレーナ・エルンマン
   アルサメーネ:ベジュン・メータ
   アマストレ:ルチアーナ・マンシーニ
   ロミルダ:アドリアーナ・クセロヴァ
   アタランタ:ダニエッレ・ド・ニーセ
   アリオダーテ:アントン・シャリンガー
   エルヴィーロ:アンドレアス・ヴォルフ

まずはバロックアンサンブルの前奏から始まりますが、繊細な音量で室内楽的な緻密な演奏です。音色は明るいです。ヘンデルの美しい旋律に心地よくなります。指揮のスピノージの切れの良い指揮にも感心します。
で、マレーネお姉さまの登場。タカラジェンヌのようなかっこよさです。ほれぼれします。アリアの1つ目は「懐かしき木陰(オン・ブラ・マイフ)」です。あんまり有名過ぎて、もうひとつピンときません。その後、各配役が次々とアリアを繰り出しますが、どれもこれもヘンデルのメロディーも美しいし、歌手も粒ぞろいで素晴らしい歌を披露してくれます。うっとりして聴くしかありません。あまりにアリアが多過ぎて、一つ一つ紹介できないのが残念です。セルセ役のマレーネお姉さまの最後のアリアには絶句です。いわゆる超絶技巧でバロックのこぶしの回し方の巧みなこと、唖然とします。
マレーネお姉さまはダンスのステップも巧みでまさに宝塚の男役トップスターって雰囲気です。女性ファンはキャーって言いそうですね。
ロミルダ役のクセロヴァはスロヴァキア出身の歌手だそうですが、容姿が素晴らしく、妖精みたい。もちろん、歌も素晴らしい。マレーネお姉さま同様に俄かファンになってしまいそう。ともかく、バロックオペラは歌手がほとんど女性なのがsarai向きです。他の歌手も一人残らず素晴らしかったです。個別の紹介はやめときましょう。

大団円は王様のセルセも反省し、愛と赦しのハッピーエンド。まるでモーツァルトの《フィガロの結婚》とそっくりです。モーツァルトもこれを参考にしたんでしょうか。ともかく、フィナーレの合唱は素晴らしく、ここに至り、感動の極致です。ここで感動するのもフィガロとそっくり。このオペラは途中は楽しくて、まるでオペレッタみたいですが、最後は感動。最高です。

盛大に拍手していたら、ステージにあがった指揮者のスピノージが聴衆に静かにするようにとのジェスチャーです。何かメッセージでもあるのかと思っていたら、何とステージから指揮棒を振り始めました。楽団員は立ったままで演奏を始めました。あの感動的なフィナーレの合唱です。ステージ上の合唱団、そして歌手たちも再び感動の合唱。こんな満足ってありません。

明日はウィーン国立歌劇場でバレエ《ラ・シルフィード》を見ます。



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この記事へのコメント

1, レイネさん 2011/11/02 21:01
コメントありがとうございました。
『セルセ』を観賞というより、マレーナ様目当てだったのですが、事前に予習をあまりしなかったこと、字幕が読みにくい位置だったこと、そして1回しか観賞しなかったことが悔やまれます。
saraiさんや happaさんのブログを拝見しますと、他の日がもっとよさそうだったのと、2回目には細かい点にも目や耳が届くので楽しみが倍以上になる、ということに遅まきながら気が付いたのです。
(今晩も、ケルンでマレーナ様がソリストのコンサートがあるのに、やはり予習なしで臨もうというよくない態度です、、、)

ネットで感動を分かち合えるというのは、とても楽しいですね。
これからも、よろしくお願いします。

2, saraiさん 2011/11/02 21:42
レイネさん、こちらにもお越しくださり、恐縮です。

《セルセ》はとてつもなく面白いオペラでした。予習したDVDとは演出が異なり、よりコケティッシュな仕上がりで、楽しいこと、この上なし。アタランタの扱いが大変うまく、ダニエッレ・ド・ニーセの熱演も素晴しかったですね。終演後の聴衆の盛り上がりは物凄く、それも納得できる快演でした。もちろん、一番の立役者はマレーナお姉さんでした。
バロックオペラの情報をレイネさんのページで参考にさせてもらいます。
それにしても昨年のバルトリが聴きたかったなあ・・・

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プレートル+ウィーン・フィルのゲネプロ@ウィーン楽友協会 2011.10.25

待ちに待ったプレートル指揮ウィーン・フィルのソワレ公演を5日後に控えて、今日はそのゲネプロをウィーン楽友協会で聴きます。ところでその5日後の本番のチケットもとても良い席がとれました。ウィーン・フィルの定期演奏会のチケットは1週間前でないととれるかどうか分からないので、駄目だったらあきらめるつもりで旅に出発したんです。これで今回の旅で予定していたオペラ・コンサートはこれですべて聴けそうです。

ゲネプロは初めて聴きますが、演奏は通しでやるので、本番さながらです。ただ、楽団員や指揮者が平服で聴衆もドレスアップしないことと、前方の座席は開放しないことが違いと言えば、違いです。今日は最初のシューベルトの未完成のときだけ、前方シートに青少年たちが座っていました。教育的配慮でしょう。まあ、分かりやすい名曲ですからね。

今日と言うか、ソワレ定期演奏会のプログラムは以下です。

 シューベルト:交響曲第8番《未完成》

  《休憩》

 ブルックナー:交響曲第7番

このゲネプロは明日からのヨーロッパツアーの準備です。ツアーの最後を飾るのが楽友協会でのソワレ公演です。ですから、今日のゲネプロの後、各地で本番を重ね、より精度をあげた演奏が5日後に聴ける筈です。
今日のコンサートマスターはホーネック。横にはにダナイローヴァが座っているようです。一昨日の定期演奏会とはコンサートマスターが総入れ替えです。多分、ジャパンツアーと今回のミニヨーロッパツアーでメンバーを入れ替えたんですね。明日からのウィーン国立歌劇場はキュッヒルとシュトイデが担当するんでしょう。

前半のシューベルトは名曲中の名曲ですが、今日の演奏も実にオーソドックスなもので、誰かがいった天国的(第9番について言った言葉ですが・・・)そのものです。実際の演奏時間以上に長く感じられます。隅から隅まで知り尽くした曲で、記憶を確かめながら聴いている感じ。音の響きはゴージャスそのもの。テンポも普通でインテンポです。昨年、このコンビの日本公演でシューベルトを聴きましたが、ほぼ同じようなスタイルです。多分、本番でもそう大きなテンポの揺れとかはないでしょうね。第2楽章のほうが悲劇的な感じが出ていて、よい出来に感じます。本番までには、第1楽章も精度をあげてもらいたいですね。

休憩後、後半は期待のブルックナーです。さすがにこちらは最初から力の入り具合が違います。弦の美しい響きで魅了されます。まさにウィーン・フィルのブルックナーです。予習したジュリーニ指揮のCDと似たイメージです。ただ、強弱の対比、テンポの対比、すべてがプレートル流に感じます。今回はあまり大きなテンポの揺れはありません。本番に期待です。第1楽章は弦、木管、金管、すべての響きがパーフェクトです。第2楽章は少し、速めのテンポでの入りです。往年のヨッフムに比べたら、随分、速いでしょう。モダンなすっきりした演奏と言えるかもしれません。終始、弦の美しさが光ります。ウィーン・フィルの面目躍如といったところ。中間の強奏でシンバルの一撃あたりの盛り上がりも最高です。第2楽章の後半はsaraiの最も好きな部分ですが、これはもう少し、バランスというか、アンサンブルの精度をあげてもらいたい感じです。もっとも、この部分で今まで満足できたのはヨッフムの一連のCDだけですから、無理な注文かもしれません。第3楽章は有名な主題で始まりますが、演奏も雄渾で大変満足です。言うことなし。後はスリリングな演奏に期待したいところ。第4楽章は大変軽快に演奏開始。特に変な溜めのない自然な演奏です。これはこれで好感が持てます。コーダにつながるフィナーレの盛り上がりはさすがにプレートルの指揮の素晴らしさがあふれます。
今回はゲネプロなのでプレートルの指揮に注目しましたが、思ったよりも体を使った明快な指揮を続けており、本番に向けての準備であることを感じました。本番ではきっと、ある程度、ウィーン・フィルのメンバーの自発性に任せ、ここぞというところで、テンポの揺れや緊張感の高まりを作り出すメリハリのきいた指揮が予想されます。
演奏終了後、コンサートマスターのホーネックと入念な打ち合わせが続いていました。演奏中は1回くらいしか、声を出さなかったので、指揮者・オーケストラ両方の意思の確認が必要なんでしょう。


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本番はどう変わっていくのか、本番に強いプレートル、ウィーン・フィルですから、ますます楽しみです。

今夜はこれから、アン・デア・ウィーン劇場のオペラ《セルセ》を聴きに行きます。バロックの響きが楽しみです。もちろん、冒頭の有名なアリア《オンブラマイフ》もね。



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マーラー&ベートーヴェン:ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 2011.10.23

念願のウィーン楽友協会でのウィーン・フィルを初めて体験。期待通りの素晴らしい響きに身も心も甘く溶けてしまいそうです。それもマーラーとベートーヴェンですから、なおさらです。
昨日もウィーン国立歌劇場で実質ウィーン・フィルの素晴らしいオーケストラの響きに感動しましたが、楽友協会の響きはまた違って素晴らしいものです。よく響くこのホールの特性を知り尽くしたウィーン・フィルの艶やかな響きはここでしか体験できません。ホール全体が音の波で満たされていることが体感できます。鳴らし過ぎず、ちょうど微妙なコントロールで音を響かせています。

今日の演奏者とプログラムは以下です。

 指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
 バリトン:マティアス・ゲルネ
 管弦楽:ウィーン・フィル

 マーラー:子供の不思議な角笛
  1.番兵の夜の歌
  2.ラインの小伝説
  3.トランペットが美しく鳴り響くところ
  4.この世の生活
  5.原光
  6.塔の中の囚人の歌
  7.無駄な骨折り
  8.魚に説教するパドヴァの聖アントニウス
  9.高き知性への賛歌
  10.死んだ鼓手(レヴェルデ)
  11.少年鼓手

 《休憩》
 ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調Op.98

何か不可思議な組み合わせのプログラムに思えます。前半は前半、後半は後半と割り切って聴けばいいのかも知れません。
今日のウィーン・フィルの顔ぶれはコンサートマスターはキュッヒル、そして、昨日コンサートマスターを務めたシュトイデも横に並んでいます。連日の演奏、御苦労様ですね。昨日のメンバーは若手や女性奏者も多かったのですが、今日はベテランで固めているようです。フルートのヴォルフガング・シュルツ、クラリネットのペーター・シュミードル(よくは見えなかったので違うかも知れません。彼は引退したので見間違えかも)もいます。やはり、ウィーン・フィルの定期演奏会ともなるとメンバーを固めてくるのでしょう。

バリトンのゲルネ、指揮のエッシェンバッハが登場して、マーラーの歌曲が始まります。ぐっと抑えた演奏ですが、ホールが優しく滋味深いマーラーの響きで満たされます。激情の荒れ狂うことのないマーラーです。懐かしい響きに心が癒されていきます。ゲルネも優しい歌声でオーケストラと歩調を合わせます。指揮のエッシェンバッハも演奏者にすべてを委ねたような振りかたで無理なドライブは一切なし。自然に自然に音楽は流れていきます。第3曲の「トランペットが美しく鳴り響くところ」は文字通り、美しい響きでマーラーの真骨頂が味わえました。そして、大好きな第5曲の「原光」はとても心に沁みる響きが続き、しみじみとします。ただ、この曲はやはり女性の声で聴きたかったのが本音ではあります。贅沢なことを言っていますね。全11曲、あっという間でした。

休憩をはさみ、後半はベートーヴェン。交響曲第8番といえば、ベートーヴェンの中でも一番地味な存在かもしれません。ところが、楽友協会で聴くウィーン・フィルは先ほどのマーラーの抑えた響きとは一変して、くっきりと明快な響きで古典派の交響曲を響き渡らせます。今まで聴いてきたような8番とは別の曲のような感じです。このリズミックな曲をインテンポながら、ためを作りながら、新鮮な響きで聴かせてくれます。指揮のエッシェンバッハを見ると別に特別な振りかたはしていないので、ウィーン・フィルが自在な演奏を展開しているようです。第2楽章は意外にゆったりしたテンポでの演奏ですが、完璧に美しい演奏です。第3楽章は実に典雅な響き。第4楽章は一気にテンポを上げますが、微妙にアンサンブルに乱れを感じるのもご愛嬌。日本ツアーから帰ったばかりでお疲れモードかも知れません。そして、実に古典的なコーダのフィナーレ。今まで、こんな甘い響きでベートーヴェンを味わったことがありません。耳に大変美味しいご馳走をいただきました。まさか、第8番でこんなに気持ち良くなるとはね。

やはり、楽友協会でのウィーン・フィルは一味もふた味も違いました。
明日は1日お休みで、明後日はこの楽友協会でプレートル指揮のウィーン・フィルのゲネプロを聴き、夜はアン・デア・ウィーン劇場でヘンデルのオペラ《セルセ》を聴きます。ウィーン音楽三昧は続きます。



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究極美に陶酔!サロメ@ウィーン国立歌劇場 2011.10.22

今夜のウィーン国立歌劇場のR・シュトラウスの楽劇《サロメ》は今年聴いたオペラで最高でした。6月のメトロポリタン・オペラの来日公演も素晴らしかったし、ましてや、4月に同じウィーン国立歌劇場で聴いたネトレプコとガランチャの夢の共演のプラチナオペラ《アンナ・ボレーナ》はとりわけ素晴らしく、今年のオペラの第1位に輝くことが決定したかに思っていました、今日までは。

ところが、今日の《サロメ》はあまりに凄かった。まず、開演前にオーケストラの顔ぶれを見て、びっくり。コンサートマスター席にシュトイデが座ったのは当たり前だとしても、その後、隣にダナイローヴァが座りました。いわゆるダブルコンマスです。20年ほど前に同じウィーン国立歌劇場でR・シュトラウスの《エレクトラ》を聴いたときに故ヘッツェルとキュッヒルがダブルコンマスで座ったことを思い出します。あのときも凄く気合の入った演奏でした。今日は若手のコンマス2人とは言え、期待できそうです。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  R・シュトラウス:楽劇《サロメ》
   指揮:ペーター・シュナイダー
   演出:ボレスラヴ・バルロック
   ヘロデス:ミシェル・ロイダー⇒ヴォルフガング・シュミット
   ヘロディアス:ジャニーナ・ビークル
   サロメ:カミラ・ニュルンド
   ヨカナーン:ユナ・ウーシタロ⇒マルクス・マルカルト
   ナラボ-ト:ヘルベルト・リッペルト⇒イエルク・シュナイダー

矢印のあるのは当初のキャストが変更になったところです。とりわけ、ヨカナーン役のウーシタロは楽しみにしていたので残念です。

指揮者のシュナイダーが棒を振り下ろすと同時に幕が開きます。オーケストラはあまりアンサンブルが揃っていません。ばらつきのある演奏です。舞台はクリムト風の文様のデザインで舞台装置も衣装も統一されています。美しい舞台です。
何かばたついていた演奏もサロメ役のニュルンドが登場すると、美しい響きに変わっていきます。そして、ヨカナーンが井戸から出されてきた瞬間、劇的に響きは究極美に大変身。これはオペラなのか、何なのか、よく分からなくなります。オーケストラの艶やかな美しい響きのなかにヨカナーンやサロメの歌声が交じり合い、何という贅沢な音響でしょう。純粋に音楽、音響に身も心も包み込まれ、思わず、涙が滲みます。R・シュトラウスの作り出した素晴らしい音の響きにずっと感動していました。サロメとヨカナーンの絡みの素晴らしいこと、また、ヘロデ王のサロメへの求愛の場面の音の響き、山場の7つのヴェールの踊りの素晴らしさ、ヨカナーンの首を断固要求するサロメとヘロデ王の絡みの素晴らしさ、そして、身震いするほどショッキングなサロメの凄惨で狂乱した歌唱とオーケストラの美の極致、そして、究極美の高みに達したフィナーレ、最後まで感涙し続けたオペラを超えたオペラでした。
第1に素晴らしかったのはオーケストラ。若きコンサートマスター2人で今後ともウィーンサウンドは将来も不変の美しさを保つこと、間違いなし。シュトイデの独奏もとても美しい響きでした。
第2にカミラ・ニュルンドがここまでサロメを歌いきるとは想像もしていませんでした。透き通った高音の響きは自然でオーケストラと美しく響きあいます。絶叫さえも美しく響きます。そして、おまけに容姿も素晴らしく、サロメの美を十分に表出させています。7つのヴェールの踊りも力演でなかなか魅せました。
第3にヘロデ王役のシュミットの声の響きの豊かさ、後半部分を支えたのは彼の力に負うところが大きかったです。
第4にヨカナーン役のマルカルトもなかなかの好演でした。ワーグナーものを思わせる力のある歌唱。聖人の高貴さを十分に表現していました。ウーシタロともいい勝負だったでしょう。

やはり、ウィーンのR・シュトラウスの凄さをちょっとなめていました。恐ろしいほどの美しさ、美し過ぎて、官能美を通り越して、終末の滅びを予感して身震いするような響きでした。こんな演奏が聴きたくて、わざわざウィーンまで来ちゃうんです。一緒に付き合って、感動を共有してくれる配偶者に心の底から感謝です。



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R・シュトラウス:楽劇《エレクトラ》@ローマ歌劇場 2011.10.8

昨夜のミラノ・スカラ座に引き続いてのR・シュトラウスのオペラを今度はローマ歌劇場で聴きます。前回のローマ歌劇場は10年ほど前になるでしょうか、亡くなる少し前のシノーポリの指揮でコンサート形式のワーグナーの楽劇《ワルキューレ》でした。今でも最後に見たシノーポリの優雅な指揮ぶりが目に焼き付いており、コンサート形式とはいえ、素晴らしい公演でした。今回もまたしてもドイツ・オペラ、何かの因縁かもしれません。

今夜のオペラは《エレクトラ》です。最初に結果から報告すると、素晴らしい公演でした。20年ほど前にウィーン国立歌劇場で聴いた公演に負けず劣らずの素晴らしい演奏でした。20年前はまだウィーン・フィルの第1コンサートマスターのヘッツェルさんがご存命で、そのヘッツェルさんと現在の第1コンサートマスターで当時は第2コンサートマスターだったキュッヒルさんとダブルコンマスでの演奏でした。ウィーン国立歌劇場のオーケストラもかなりの意気込みでの力のはいった演奏でした。エレクトラを歌ったベーレンスも油が乗り切ったころで圧倒的な演奏でした。

今夜のオペラは当初、ファビオ・ルイージ指揮ということでR・シュトラウスに入れ込んでいるルイージの力演に期待して予約した公演でした。ところがローマ歌劇場に着き、ポスターを見て、愕然。お目当てのルイージの名前がありません。指揮者はステファン・ゾルテスというsaraiの知らない指揮者です。頭の中で暗雲が立ち込めました。きっと若い指揮者に交代したんだろうと思ったからです。ところがさに非ず、ベテランの指揮者が登場し、オペラ指揮者として、実に老練で的確な指揮です。そして、このオペラの今でも先鋭的な響きを引き出し、素晴らしい演奏です。ウィーン以外でこれだけの演奏は聴いたことがありません。昨夜のスカラ座もよかったのですが、1段も2段も上の演奏。これには参りました。R・シュトラウスの古典回帰以前の前衛の音楽に聞き惚れるのみです。昨夜の《薔薇の騎士》は大好きなオペラだと吐露してしまいましたが、今夜の《エレクトラ》を聴いてしまうと、いかにも甘ったる過ぎるようにも思えてしまうほどです。

そうそう、この日のキャストは以下のとおりです。

   指揮:ファビオ・ルイージから変更で、ステファン・ゾルテス
   演出:ニコラウス・レーンホフ
   クリテムネストラ:フェリシティ・パルマー
   エレクトラ:エヴァ・ヨハンソン
   クリソテミス:メラニー・ディーナー
   エギスト:ヴォルフガング・シュミット
   オレスト:アレジャンドロ・マルコ=ブールメスター

演出のレーンホフでピンとくるかも知れませんが、今夜の公演の演出はザルツブルグ音楽祭での演出をそのまま踏襲したものです。R・シュトラウスの先鋭的な音楽とマッチしたやはり先鋭的な演出。こういう演出も今や古典的に感じます。

で、この1幕のオペラではエレクトラ役のエヴァ・ヨハンソンが終始、出ずっぱり。しかもがんがん力強く歌いまくります。その迫力たるや、圧倒されるのみです。超高音の抑えた響きは少々苦しそうでしたが、その弱点が気にならないほど、中高域の響きの豊かさ、そして、攻撃的な歌唱がsaraiの心を揺さぶります。最後まで息切れしない歌唱はとてもベテランの歌手とは思えません。saraiが聴くのは初めてですが、この人のワーグナーあたりも素晴らしそうです。どうして今まで評判にならなかったのか不思議ですが、saraiが知らなかっただけでしょう。世の中にはまだまだ凄い歌手がいるものです。

もう一人挙げると、クリソテミス役のメラニー・ディーナーもなかなかの好演です。エヴァ・ヨハンソンとも声の質が合っていて、2人の熱唱は聴きものでした。

ということで、《エレクトラ》のベストとも言える公演がまさかローマで聴けるとは思っていなかったので、この公演が聴けたのは望外の幸せです。冒頭のアガメームノン~の歌唱が今でも耳の中で鳴っています。そして、フィナーレでこの同一の旋律がオーケストラで繰り返されたとき、身震いを覚えた感覚も忘れられません。まさに感動のR・シュトラウス渾身のオペラでした。やはり、R・シュトラウスのオペラは最高です。



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この記事へのコメント

1, レイネさん 2011/12/06 16:00
ローマで素晴らしい『エレクトラ」を観賞できたなんて、ラッキーですね。
10月にアムス歌劇場で「エレクトラ」が上演されたんですが、ウィーン遠征や仕事などで日程的に合わずに行けませんでした。
指揮のショルテスは、今年始め頃、二期会の『サロメ」(コンビチュニー演出で話題になった)を振った人ですね。二年前のアムスでも彼とコンビチュニーのコンビで、おどろおどろしい仕上がりでした。また、ウィーンのフォルクスオーパーでのこの秋の「サロメ」もショルテスの指揮だったようです。オランダ人ソプラノのアンヌマリー・クレーマーが主役だったので聴きに行きたかったんですが。来年も彼女は「サロメ」@フォルクスオーパーで主演するし、指揮も同じ人かもしれません。日程的に合うようでしたら、ぜひ。

2, saraiさん 2011/12/06 18:29
レイネさん、いつもコメントありがとうございます。

まず、指揮者はゾルテスではなく、ショルテスと発音するんですね。二期会のサイトなどでは、ゾルテスという表記になっていました。実に的確な指揮ぶりに感心しました。アムスでも彼が指揮したんですね。それは聴き逃して残念でした。

《サロメ》ですが、この10月にシュターツオーパーでも上演しており、このローマの素晴しかった《エレクトラ》を凌ぐ物凄い演奏に感動したんです。同時期にフォルクスオーパーでも同じ演目をやっているのが変な感じでした。指揮はショルテスだったんですね。

ところで、私が《サロメ》を聴いた日はレイネさん達は『怒れるオルランド』を聴かれた日でしたね。

また、色々と情報を教えてください。

3, レイネさん 2011/12/06 21:12
訂正です。この秋のウィーン・フォルクスオパーでの『サロメ」指揮者はショルテス(またはゾルテス)ではなく、Roland Boer(oにウムラウト)でした。(<-これ、はっぱさんがご覧になってますね)
アンヌマリー・クレーマーは、ウィーンの「サロメ」の前後にエッセンのアールト劇場で「蝶々夫人」の主演だったのですが、その指揮がショルテスでした。勘違いしてました。失礼しました。

日本語では、ショルテスとゾルテス、両方の表記になってますね。名前の発音は、本人に直接確かめるのがいいかも。。。

4, saraiさん 2011/12/06 23:42
レイネさん、わざわざ訂正のコメントまでいただき、ありがとうございます。

ショルテスとゾルテス、了解です。本人に確かめてみましょう(笑い)。

5, Steppkeさん 2011/12/09 20:55
レイネさん、はじめまして。Steppkeです。
(saraiさん、横からすみません)

私が行った11月4日は、Gerrit Prießnitzが振りました。
Volksoperは、一つの演目を決まった一人が振ることもあります(例えば、Die Csárdásfürstinは最近Rudolf Biblさんに任せているようです)が、ある期間、一人が幾つかの演目を続けて振ることも多いように思われます。
Prießnitzは、10月31日のWiener Blut、11月5日のDie Zauberflöteと、傾向の違う3演目を聴きましたが、いずれもなかなかのものでした。

Stefan Solteszは、ハンガリー人なので、ステファン・ショルテスという発音のようですね。
WienのStaatsoperで何度が聴いたことがあります。

6, レイネさん 2011/12/11 02:50
Steppkeさん、横レスありがとうございます。(saraiさん、失礼します)

なるほど、一人の指揮者が違う演目を続けて振ってたんですね。。。
フォルクスオパーには、ぜひ一度行きたいと思っていますが、次回ウィーン遠征予定は8月なので、
何もやってません。。。アン・デア・ウィーン劇場以外で8月に何かコンサートかオペラをウィーン
近辺でやってるのをご存知でしたら、ぜひご教示くださいませ。

ショルテスは、エッセンで活躍の様子。家からはそれほど遠くないので、前から行きたい行きたいと
思いつつ実現していません。何年か前、ドイツのオペラハウス・オブ・ジ・イヤーに選ばれ、なか
なか演目も刺激的なんです。アールト設計の劇場自体にも興味あります。

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《薔薇の騎士》@ミラノ・スカラ座 2011.10.7

2度目のミラノ・スカラ座です。前回はまだオペラ初心者のようなもので天井桟敷とは言いませんが、上のほうのギャラリー席で、ステージからも遠い席でした。それに入口も中央の入口からは入れてもらえませんでした。脇のほうの入口からしか入れてもらえませんでした。今回は平土間。やっと堂々の中央の入口からの入場です。
まずはスカラ座の外観をご紹介しましょう。


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次は内部です。席は前から5番目の中央。とてもよい席です。席につくと、液晶モニターがついています。ウィーン国立歌劇場と同様です。後で確認できましたが、イタリア語のほかに英語の字幕も出ます。便利になりましたね。
席からは豪華なスカラ座のギャラリー席が素晴らしい。


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さて、今日は大好きなR・シュトラウスの楽劇《薔薇の騎士》です。モーツァルトのフィガロ、プッチーニのラ・ボエームと並んでsaraiの3大オペラです。昨年もチューリッヒ歌劇場でルネ・フレミングの元帥夫人で聴きました。来年4月のウィーンのガランチャがオクタヴィアンで出演する公演も何とか聴きたいと思っています。

今晩のキャスト以下です。

 指揮:フィリップ・ヨルダン
 演出:アレジャンドロ・スタッドラー(元演出:ヘルベルト・ヴェルニッケ))
 元帥夫人:アンネ・シュヴァンネヴィルムス
 オックス男爵:ピーター・ローズ
 オクタヴィアン:ジョイス・ディドナート
 ファーニナル:ハンス・ヨアヒム・ケテルセン
 ゾフィー:ジェーン・アーチバルド
 歌手:マルセロ・アルバレス

なかなかの配役です。特に元帥夫人役のシュヴァンネヴィルムスとオクタヴィアン役のディドナートが期待です。また、歌手役がアルバレスというのも贅沢です。

指揮のヨルダンは多分、生で聴くのは初めて。なかなかいい男。前奏から切れのよい、丁寧な指揮ぶりです。スカラ座のオーケストラも弦といい、冒頭の金管といい、素晴らしい響きです。これだけの演奏はウィーンくらいでないと聴けないレベル。さすがです。
ところでヨルダンの指揮はなかなか派手ですが、第2幕のフィナーレあたりはカルロス・クライバーの指揮姿を彷彿とさせるというか、右手を後ろのしきりに置いて、左手だけで指揮する姿はクライバーのパクリともいえる感じ。鳴っている音楽はかなり違っていますが、ヨルダンの造形も分かりやすい音楽の作りになっていて、これはこれで結構です。時には芯のしっかりした骨太であったり、繊細さの極みであったり、室内楽的なピュアーな響きであったり、実にR・シュトラウスらしい多彩な響きを瞬時に切り替えていく指揮は今後の彼の指揮者としての将来を期待させるものです。

歌手のほうですが、シュヴァンネヴィルムスの第1幕後半の人生・愛の無常観を歌い上げる優雅でしっとりした歌唱は彼女の容姿と相まって、うーんとうならせられます。これだけ元帥夫人を歌えるのは素晴らしい。前回聴いたときは確かドレスデンのゼンパーオーパーの来日公演で代役だった記憶があり、そのため、最初から残念な気持ちで聴いていたので彼女の真価をはかり損ねていた気がします。
ディドナートですが、及第点ではあるもののちょっと物足りない感じです。もっと声が通ると印象が変わるかも知れません。時に声を張り上げるところはなかなか聴かせるんですけどね。
オックス男爵のピーター・ローズですが、開演前にイタリア語のアナウンスがあり、ピーター・ローズが何とかって言っていたので、もしかしたら代役だったかも知れません。彼を今まで見たことがないのでご本人だったかどうか、判断できません。ともあれ、まあまあの歌唱と演技でした。それほどアクの強い感じではなかったです。
ゾフィーですが、若いソプラノでまだまだこれからっていう感じで今一つ。時にいい面もあったんですが、満足っていう感じではないですね。
ところで出色だったのが歌手役のアルバレス。わざとオーバーなテノール歌手を演じますが、それが様になっているのが素晴らしい。さすがです。6月にメトロポリタンオペラの来日公演でフリットリのミミの相手役ロドルフォで聴いたばかりですが、ある意味、今夜のほうがよかったくらい。最初、アルバレスだと気が付かず、えらく凄いテノールだと思ったら、何の何のアルバレスだった次第。こんな役を歌わせるのももったいないですが、それがオペラ公演の水準を上げますね。

舞台ですが、後方に大きな鏡をずらっと並べ、時折、その面の角度を変えることで場面の印象を変えるというお洒落で斬新なもの。考えましたね。
第2幕の薔薇の騎士の登場する場面は大きな階段が中央奥からせりだして、その階段の上段にオクタヴィアンが立っているというこれまた新機軸。ただ、これは見た目はよいのですが、不安定な階段の上でオクタヴィアンとゾフィーが歌うので、何か歌が散漫になった感じです。二人の愛の2重唱は一番の見せ場なので、音楽的には残念なところです。

演出で目立ったところは元帥夫人の身の回りの世話をする子供が、この演出では子供ではなく、イタリアらしく、仮面をつけたおどけ者、何といいましたっけ、イタリアのコメディでは伝統的なキャラクターですが、第1幕冒頭に幕を引っ張り開けるところから顔を出します。終幕のフィナーレ、普通はオクタヴィアンとゾフィーの2人は退場しますが、この演出では2人は寝転んで手の先に銀の薔薇を差し上げます。そこに登場したおどけ者が赤い薔薇に持たせ代えて幕。2人の恋が実ったという暗示なのでしょうか。まあ、これはよくも悪くもありませんね。ただ、このオペラは単なるラブストーリーではないので、ちょっと短絡的な印象もあります。しかし、素人の誤解かも知れません。

全体として、オペラの出来は第1幕は最高に素晴らしく、第2幕以降はまあまあってところでしょうか。特に期待した第3幕フィナーレの3重唱はもうひとつだったのが残念です。もちろん、まだ、時差で頭がおかしく、saraiの集中力も第1幕で切れたことも確かなので、そうでなかったら、印象も変わったかもしれません。

夜7時半に始まったオペラも終わってみれば、ほぼ深夜12時。疲れました。


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この記事へのコメント

1, レイネさん 2011/12/03 18:35
5月にアムステルダム歌劇場でシュヴァンネヴィルムスが元帥夫人役の『ばらの騎士』を観賞しました。
夏にミュンヘンでも確かハルテロスの代役で歌ったようだし、DVDになっているドレスデンのも
彼女だし、優雅さと寛容さを兼ね備えた理想の大人の女である元帥夫人役にぴったりだと思います。
オクタヴィアン役はマグダレーナ・コジェナーのはずだったのが降板になり、指揮はラトルだったので夫婦共演が実現しないのが残念でした。けれども、気を取り直して観賞すると、代役でも満足できました。
アムスでの演出は、ヴィリー・デッカーのコンセプトに基づいてブリギッテ・ファスベンダーが担当したのですが、ここでも鏡が効果的・暗示的に使われていました。元帥夫人の心を映すもので、いくら磨いても曇ったままなのです。最後に夫人が去ると、鏡も舞台を横切って外されました。

2, saraiさん 2011/12/04 01:03
レイネさん、コメントありがとうございます。

シュヴァンネヴィルムスがここまで元帥夫人を歌えるとは驚きでした。レイネさんも今年聴かれたのですね。コジェナーのオクタヴィアンもなかなかユニークそうですね。降板は残念でしたね。
アムスでの演出も鏡が重要な要素だったとは面白いですね。スカラ座の鏡の使い方と違っているのも興味深いです。
いずれにせよ、通常の演出とは異なる演出が増えてきているんですね。それはそれで楽しみです。
次は来年4月のウィーンの『ばらの騎士』を観ますが、果たして、ガランチャが降板しないで出てくれるでしょうか・・・
もう、チケットは購入済みです。
因みに元帥夫人はニーナ・シュテンメです。

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オペラもオペレッタもバレエもコンサートも音楽はウィーンで・・・

さて、前回書いたとおり、10月のヨーロッパの旅では、まず、R・シュトラウスの代表的なオペラを3つ聴きます。

その後もウィーンで音楽三昧。
ウィーン・フィルとウィーン交響楽団の計4回のコンサートについては既に前々回触れました。

で、ウィーン国立歌劇場では、あとオペラとバレエを見ます。

 ウィーン国立歌劇場
  ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》
   指揮:ベルトランド・ド・ビリー
   演出:オットー・シェンク
   フロレスタン:ロバート・ディーン・スミス
   レオノーレ:ヴァルトラウト・マイヤー
   ドン・ピツァッロ:アルバート・ドーメン

 ウィーン国立歌劇場
  バレエ《ラ・シルフィード》
   振付:ピエール・ラコット
   ラ・シルフィード:イリーナ・ツィンバル
   ジェームズ:ロマン・ラツィク

ウィーン国立歌劇場のチケットはすべて良席が入手できました。
フィデリオはド・ビリーの指揮とマイヤーのレオノーレに期待しましょう。
ラ・シルフィードはラコット振付ですから、パリ・オペラ座版ですね。バレエは配偶者は最近ときどき見ていますが、実はsaraiは初体験になります。ビデオではそれなりに見ているので、楽しみましょう。

もちろん、ウィーンではフォルクスオーパーのオペレッタも聴かずにはいられません。
新演出(saraiにとって)のメリー・ウィドウを聴きます。

 フォルクスオーパー
  レハール:オペレッタ《メリー・ウィドウ》
   指揮:アルフレッド・エシュヴェ
   演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
   ツェータ男爵:アンドレアス・ダオム
   ヴァラシエンヌ:マラ・マスタリ
   ハンナ・グラヴァリ:アレクサンドラ・ラインプレヒト
   ダニロ:ダニエル・シュムッツハルド
   カミーユ:ヴィンセント・シルマッヒャー
   ニエグシュ:ロベルト・マイヤー

これはラインプレヒトのハンナとそれにロベルト・マイヤー演ずるニエグシュが楽しみです。

そして、最後に見付けたのがアン・デア・ウィーン劇場のバロックオペラです。

 アン・デア・ウィーン劇場
  ヘンデル:歌劇《セルセ》
   指揮:ジャン・クリストフ・スピノージ
   管弦楽:アンサンブル・マテウス
   合唱:アルノルト・シェーンベルク合唱団
   演出:アドリアン・ノーブル
   セルセ:マレーナ・エルンマン
   アルサメーネ:ベジュン・メータ
   アマストレ:ルチアーナ・マンシーニ
   ロミルダ:アドリアーナ・クセロヴァ
   アタランタ:ダニエッレ・ド・ニーセ
   アリオダーテ:アントン・シャリンガー
   エルヴィーロ:アンドレアス・ヴォルフ

これは聴き逃せません。アン・デア・ウィーン劇場というので、ちょっと演出が心配ですが、音楽的には聴きものでしょう。セルセは冒頭に有名なアリア「懐かしき木陰」があります。saraiも高校生の頃、この歌が好きでよく歌っていました、日本語でね。セルセを歌うマレーナ・エルンマンに期待です。
アン・デア・ウィーン劇場のヘンデルといえば、昨年はオペラ仕立てのオラトリオ《セメレ》がありました。これは本当に聴きたかったオペラでした。ウィリアム・クリスティー指揮、ロバート・カーセン演出で、セメレをバルトリが超絶技巧で歌うという3拍子揃ったバロックオペラ。
今年こそはアン・デア・ウィーン劇場の素晴らしいバロックオペラを聴くぞという意気込みです。
これも既にチケット発売済でしたが、まだまだ良い席が入手できました。日本ではあり得ないことです。

10日ほどの滞在でこれだけの音楽を楽しめるウィーンの底深さって、凄いですね。やっぱり、ウィーンだなあ。これでもう9回目のウィーン訪問になるのかな。まだまだ、ウィーン詣では続きそうです。


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オペラはR・シュトラウスで・・・

さて、前回はウィーンの楽友協会でのコンサートについて、saraiの思いを語りました。

でも、やっぱり、ヨーロッパではオペラが楽しみです。特に今回はイタリアに出かけるので、カラバッジョ巡礼の合間にオペラを見たい!
まずはローマ歌劇場です。ローマ滞在が3泊ほどあるので、何かやっていないかチェックです。
ありました、ありました!
でも、びっくりです。ローマと言えば、イタリアオペラだと思っていましたが、何とR・シュトラウスです。

 ローマ歌劇場
  R・シュトラウス:楽劇《エレクトラ》
   指揮:ファビオ・ルイージ
   演出:ニコラウス・レーンホフ
   クリテムネストラ:フェリシティ・パルマー
   エレクトラ:エヴァ・ヨハンソン
   クリソテミス:メラニー・ディーナー
   エギスト:ヴォルフガング・シュミット
   オレスト:アレジャンドロ・マルコ=ブールメスター

イタリアでR・シュトラウスもなんですが、R・シュトラウス得意のルイージ指揮に期待して、チケット購入。
そういえば、前にこのローマ歌劇場で聴いたのもドイツオペラ(ワーグナーのワルキューレ)。イタリア人はドイツオペラが好きなんでしょうか。

次は旅の計画を変更してカラバッジョ巡礼をローマからではなく、ミラノから始めることにしたので、もちろん、ミラノ・スカラ座に行きたいですね。ただ、2泊しかしないので、ちょうど公演があるかどうか心配。まずは10月のプログラムをチェックすると、何とこれもR・シュトラウスです。イタリア中、R・シュトラウスにフィーバーしているんでしょうか。で、公演日もチェックすると、ちょうど、saraiの予定にぴったり。決まりですね。

 ミラノ・スカラ座
  R・シュトラウス:楽劇《薔薇の騎士》
   指揮:フィリップ・ヨルダン
   演出:アレジャンドロ・スタディア
   元帥婦人:アンネ・シュヴァネスヴィルムス
   オックス男爵:ペーター・ローズ
   オクタヴィアン:ジョイス・ディドナート
   ファーニナル:オラフ・ベア
   ゾフィー:ジェーン・アーチボルド
   歌手:マルセロ・アルバレス

これはチケットの販売はこれからですから、何とか入手しましょう。キャストもまあまあです。

ということで、イタリアの主要オペラハウスでR・シュトラウスのオペラを聴くなら、ウィーンでも当然、R・シュトラウスを聴かなくちゃあね。
で、ウィーン国立歌劇場でもR・シュトラウスのオペラです。これは本場中の本場ですね。

 ウィーン国立歌劇場
  R・シュトラウス:楽劇《サロメ》
   指揮:ペーター・シュナイダー
   演出:ボレスラヴ・バルロック
   ヘロデス:ミシェル・ロイダー
   ヘロディアス:ジャニーナ・ビークル
   サロメ:カミラ・ニュルンド
   ヨカナーン:ユナ・ウーシタロ

これはメトロポリタンオペラでのヨカナーンを好演したウーシタロにサロメ役のニュルンドがどう絡むか、とても楽しみです。2人とも生で聴くのは初めてです。チケットは入手済です。

これでR・シュトラウスの代表的なオペラを3つも聴くことになりました。R・シュトラウスのオペラ好きとしては満足です。

ウィーンでは、このほか、オペラ、バレエ、オペレッタも見ますが、それは次回で紹介します。
またまた、盛り沢山の音楽に浸れそうです。


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ブルックナーはウィーン・フィルで・・・

いやはや、本日のタイトルはもう昨日の「マーラーはベルリン・フィルで・・・」をパクッたようなものでスミマセン・・・

でも、実際に聴くつもりですから仕方ありません。
昨年のウィーン・フィルはすったもんだの指揮者交代劇で結局は落ち着くところに落ち着きました。そのときにヴェルザー=メストが指揮したのがブルックナーの交響曲第9番。saraiはこれは聴いていません。ブルックナーの9番もマーラーの9番同様に特別な曲ではありますが、saraiにはマーラーほどの思い入れは今のところ、ありません。

しかしながら、ブルックナーと言えば、saraiには交響曲第7番も9番同様に特別な曲なんです。ドイツ・オーストリアの深い精神性、そして、その人間を育んだ広大な自然・大地、それらがあいまって聴く我々が大自然に震撼するようなスケールの大きな音楽です。
この曲を大御所プレートルがウィーン・フィルと楽友協会で演奏するとなるといてもたってもいられません。きっとブルックナーの音楽がとてもスリリングな演奏になるのではないかと非常に期待しています。

そもそも、今年の秋の旅行を10月頃に計画すべく、ウィーンの音楽スケジュールを調べ始めたところからこのことが始まります。最初は国立歌劇場やフォルクスオーパーのスケジュールを調べ、10月前半あたりに狙いを絞っていました。で、次は楽友協会、ウィーン・フィルのスケジュールをその10月前半あたりでチェック。一通り、調べたので、ついでにウィーン・フィルの年間スケジュールを見ていました。すると、ツアーコンサートにプレートルが登場するのを発見。10月26日から連続で、レーゲンスブルク(ドイツ)、ローマ(イタリア)、ヴェローナ(イタリア)でミニツアーです。で、演奏曲目が

 シューベルト:交響曲第7番(8番)「未完成」
 ブルックナー:交響曲第7番

ああ、聴きたい!! そう思いました。昨年の来日公演でのこのコンビを聴いたときの高揚感はまだ体の芯に残っています。もう1度、叶うならば、プレートルを聴きたい、そう思ったことがまざまざと脳裏を横切ります。でも、外国ツアーじゃあねえ・・・・

ところが1日、休みを置いて、10月30日に同じ演奏曲目でウィーン楽友協会でコンサートがあるじゃありませんか!
夢は叶うもの、叶わせるもの。ウィーン・フィルを楽友協会でプレートルかハイティンクの指揮で聴くこと。それもできたら、なるべく、彼らにふさわしい曲でと念願してきました。これは何としても行きたい。

実は11月初めからの国内のコンサートのチケットを買い込んでいます。したがって、この日程って、結構無理なんです。でも、無理を承知で、夢に向かって、ただ、驀進あるのみ。幸い、10月30日のウィーン楽友協会のコンサートはソワレで朝11時からです。コンサートを聴いて、その足でその日のうちにウィーンを発てばいいでしょう。ただ、成田への直通便(オーストリア航空)は時間的に無理。であれば、フランクフルトまわりでANAの成田便に乗ればいいのではないか。早速調べると、まだ空席があります。
これですべてのストーリーが一貫性を持って完結できそうです。

まずはこのプレートルのコンサートのチケットを入手する段取りですが、これが難しい。一般発売がありません。会員のキャンセルしたチケットを入手するしか手だてがありません。コンサートの直前にしか、チケットが手にはいるかどうか、分からないそうです。もうリスク覚悟で進むしかありませんね。だめだったら、ウィーンのホイリゲでシュトルムを寂しく飲んでいるしかありません。幸運を信じましょう。

最悪の場合も想定して、10月26日からのツアーに先立って、楽友協会で行われるゲネプロのチケットも手配しています。運がよければ、ゲネプロとツアーで熟成された最終結果のコンサートを楽友協会で聴くことになります。ああ・・・

ところで、今年もウィーン・フィルの来日公演が10月にエッシェンバッハ指揮で予定されています。これはsaraiはもうヨーロッパに出かけるので入れ違いで聴けません。というか、今年はもともと聴く気がありませんでした。saraiがカラバッジョを尋ねてイタリアとマルタを訪問し、マルタからウィーンに向かう頃、ウィーン・フィルは長いツアーから帰ってくるようです。そうであれば、通常の定期演奏会も聴いておこうというのはもう自然な流れですね。やっぱり、エッシェンバッハがそのまま、タクトをとって、22日、23日と定期演奏会があります。プログラムは

 マーラー:歌曲集「少年の不思議な角笛」(バリトン:ゲルネ)
 ベートーヴェン:交響曲第8番

ベートーヴェンはさることながら、ゲルネのマーラーは聴きたいもの。年末にはゲルネも来日してマーラーの歌曲を歌うようですが、楽友協会でウィーン・フィルと一緒に演奏するのを聴きたいです。これもリスク承知のチケット手配。

これじゃ、

 マーラーもウィーン・フィルで・・・

ですね。

また、この際ですから、昨年、ウィーン・フィルと来日したネルソンズも聴いておきましょう。これはやはり楽友協会ですが、オーケストラはウィーン交響楽団です。プログラムは

 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(ピアノ:アンスネス)
 マーラー:交響曲第1番「巨人」

またまた、マーラーです。マーラーは楽友協会にふさわしい作曲家です。ピアノのアンスネスはちょうど9月の来日リサイタルを聴くので、縁があります。

ということで、ブルックナーをウィーン・フィルで聴ければいいなあという気持ちを書かせてもらいました。みなさんも是非、応援してくださいね。応援の気持ちは下のアイコンをクリックしてみてください。きっと、大きな後押しになるでしょう!



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この記事へのコメント

1, margareteさん 2011/07/07 04:15
こんばんは(そちらは、おはようございます)

ウィーン・フィルのスケジュールで 10/26ドイツの前日は
ウィーンにいます。

10/25 10h00 Musikferein (Großer Saal)
Wiener Philharmoniker
Georges Prêtre
チケットは当然買えないのですが
チケット取り扱いは Jeunesse Wien Kartenbüro

あと sarai さんが予定している10/30
10/30 11h00 Musikferein (Großer Saal)
Wiener Philharmoniker
Georges Prêtre
チケット取り扱いは Wiener Philharmoniker Karten- und Ballbüro
順番待ちリストに登録できるとは書かれていますが。。
だれでもほしいわけで。。。。

10/25 10/30ともに 連絡先は公開されています。

2, saraiさん 2011/07/07 08:01
margareteさん、おはようございます。

そうですね。だれでもほしいところでしょうね・・・(汗)

一応、チケット入手の手だてはしています。詳細な情報、ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
そして、saraiの幸運も願ってください。

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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