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ウィーンからアムステルダムへひとっとび

2015年6月25日木曜日@ウィーン~アムステルダム/1回目

旅の7日目です。

今日からは、ウィーンに別れを告げて、オランダ編の開始です。オランダのアムステルダムで今日と3日後の2回、ベルクの遺作のオペラ《ルル》を聴くのが主たる目的で、4日間滞在します。その4日間を最大限に活用して、大いに楽しむ予定です。その後はベルギーに向かいます。
今回の旅の移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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今日はこのルートの中での、ウィーンからアムステルダムへの空路での移動です。


ウィーン最後の朝は、雲ひとつない青空です。ようやく好天になったのにウィーンを離れるのはちょっと残念な気分です。が、こんな青空だと暑くなるでしょう。ウィーン滞在中は曇り空で涼しく、雨にも降られなかったのだから良しとしましょう。

ちゃんと早起きして、シュヴェヒャート空港Flughafen Wien-Schwechatに向かいます。ホテル近くのレンヴェーク駅Wien RennwegからSバーンの電車1本で空港まで行けます。なんとも便利なホテルでした。
空港は混んでいます。既にwebチェックインは済ませ、ホテルで搭乗券もプリントしてあります。搭乗手続きは不要です。

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しかし、せっかくwebチェックインしてあったのに、荷物を預けるのにかなり並ばされます。荷物を預けた後、どうしてこんなに歩かせるのかしらと腹立たしくなるほど歩きに歩いて搭乗口に到着です。お土産物として買うものもなく、これでよかったのかな・・・と思いながら搭乗を待ちます。

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窓辺に寄ると、搭乗予定の飛行機が見えそうです。

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窓に張り付くと、出発準備中の飛行機が見えます。

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飛行機の全体を眺めるために別の窓に移動します。今度は頭が見えませんが、その後ろは全部見えます。尾翼のKLMのマークが印象的です。

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搭乗が始まり、ボーディングブリッジの中を歩きます。モニターカメラでとらえた飛行機周辺の映像を、ここでチェック中です。準備状況をチェックしているんですね。

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主翼後方の席に座ります。もちろん、配偶者は大好きな窓際の席です。彼女はここから外を眺めるのが趣味なんです。

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今日は絶好のフライト日和です。ほとんど雲も見えませんね。

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KLM機はほぼ満席で飛び立ちます。オーストリアの美しい緑の田園がぱーっと目に入ってきます。ああ、これで今年のウィーンともお別れだなと感慨が胸によぎります。

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眼下に広がる風景は美しく冴え渡り、ますます心に沁みてきます。

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麦秋と緑の畑のパッチワークが綺麗です。さらば、ウィーン・・・この美しい風景は心の中にしまい、再び訪れる日を楽しみに待ちましょう。

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快晴のフライトは順調に続き、眼下の景色は遠く靄っていきます。

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やがて、ドナウ川が見えてきます。ドナウ川にもお別れです。

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蛇行するドナウ川が見えています。どうやら、今回の旅の最初の日に訪れたヴァッハウ渓谷の辺りですね。川辺の町はクレムスKremsのようです。

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深く蛇行するヴァッハウ渓谷がよく見えます。蛇行の始まるあたりがデュルンシュタインの町のようですが、小さな町の姿はなかなかとらえられません。

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スナック菓子と飲み物のサービスの後はぐっすりお休み。だいぶんお疲れです。今日は早く起きたしね。

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目が覚めると、眼下にはオランダらしい運河の町が見えています。

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飛行機は高度を下げて、間もなく着陸のようです。

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快晴のスキポール空港Luchthaven Schipholに到着です。空港はものすごく混んでいます。そろそろ夏休みなのかな。空港の中には、いかにもオランダらしいチューリップの球根のお店があります。

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預けた荷物を無事にゲットして、空港のショップの間を歩いて外に向かいます。

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バスに乗ってアムステルダム市内に向かいますが、その前に難関のOVチップカールト(プリペイドカード)へのチャージを済ませないといけません。


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アムステルダムで美術三昧:ホテルへ到着・・・早速、シーフードランチ

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/2回目

スキポール空港Luchthaven Schipholに到着しましたが、まずは足の確保です。アムステルダムAmsterdamとオランダ国内の移動はすべて、プリペイドカードのOVチップカールトを使います。一昨年来たときに作ったOVチップカールトを、しっかり持ってきました。これにお金をチャージして使います。そのために空港内の鉄道駅近くにやってきました。空港内は人であふれかえっています。

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自動チケット販売機の前も長蛇の列です。OVチップカールトにチャージする機械を見つけられず、インフォメーションで教えてもらいます。OVチップカールトにチャージする機械の前はそれほど混んでいないので、少し並んで待ちましょう。

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それなりに列は進み、もうすぐsaraiの番です。

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saraiの番になりますが、案の定苦労します。なかなかチャージできません。

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後ろに並んでいたお姉さんが痺れを切らして、助けに入ります。おかげで無事にチャージ完了。ご迷惑をおかけしました。ごめんなさい。
さて、中心部のホテルに向かいましょう。空港内のバスターミナルに移動。一昨年も経験しているので、それなりに様子が分かります。

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十分な金額をチャージしたOVチップカールトを持って、バスを待ちます。

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前回利用した197番のバスを利用します。乗り換えなしで行けるので、大荷物を持っているときは便利なんです。バスの到着予定表示板を見ると、もうすぐ197番のバスがやってくるようです。

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待ち行列のほぼ先頭に立って、バスを待ちます。

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到着した197番のバスに乗り込みます。まずは忘れずにOVチップカールトでチェックインします。バスは、乗客が乗り込むとすぐに発車。座席は十分空いています。空港周辺の道路を走っていきます。

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広大な空港の周りをしばらく走ります。

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滑走路の飛行機が見えます。

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なかなか空港から離れられませんね。しばらくは空港関連のバス停を巡るようです。

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空港内の大駐車場の前にやってきます。おびただしい数の車が駐車しています。

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駐車場前のバス停に停車。KLMのキャビンアテンダントのお姉さんは、逆向きの空港に向かうバスを利用するようですね。空港関係者もここに車を停めて、バスを利用するようです。

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バスはようやく空港から抜け出して、下に見える高速道路に向かうようです。

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ところが高速道路に乗らずに一般道路を走り続けます。それでも一般道路にはしっかりバスレーンがあるので、バスは順調にビュンビュン飛ばせます。

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電車の線路と並行してアムステルダム市内に向かって走ります。

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やがて、アムステルダムの市内に近づきます。

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市内の住宅地を抜けていきます。

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低層の建物の間の並木道をバスは進みます。

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ようやく、ゴッホ美術館Van Gogh Museumや国立美術館Rijks Museumのあるミュージアム広場Museumpleinのバス停に到着です。saraiの降りるバス停はもうすぐです。

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ミュージアム広場の前をバスは走ります。広場の奥には国立美術館の建物も見えています。後で訪問する予定です。

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広場の前の通り、ファン・バールレ通りVan Baerlestraatを挟んだ向かいには、世界を代表するコンサートホールであるコンセルトヘボウHet Concertgebouwの建物も見えています。今回はここでのコンサートが聴けないのが残念です。

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最寄りのバス停(国立美術館前Rijksmuseum)に到着です。しっかりとOVチップカールトでチェックアウトしてバスを降車します。
バス停付近は、高層ではない3階建てくらいの可愛い街並みです。もちろん、ここオランダでは自転車がガンガン走っています。並木は美しいです。でも、路地に散らかるゴミが気になります。スペインの街の清潔さとは対照的ですね。少し歩いて、緑豊かなフォンデル公園Vondelpark前の環境のよいホテルに到着です。今日から4泊するホテル ピート ヘインHotel Piet Heinです。アムステルダムの建物は、入り口が階段を数段上ったところにあります。これがなかなか大変です。エレベーターもないしね。荷物を持ちあげて、よっこらしょとホテルのロビーに入ります。お洒落なバーカウンターが目に入ります。

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レセプションのお姉さんは、なかなかきびきびした愛想のよい人で、楽しいおしゃべりをしながらチェックイン完了です。

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宿泊する部屋はやや狭いですが、窓からは寛ぎの中庭が見え、なかなかよい感じです。ベッドも広くて気持ちよく寝られそうです。

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デスクもしっかりしていてPCでの作業もはかどりそうです。もちろん、無線LANもばっちりつながります。

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バスルームは綺麗でバスタブもちゃんとあります。

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荷物を部屋に放り込んで、すぐにお昼を食べに行きます。お隣が、シーフードのお店なんです。ホテルの受付のお姉さんも美味しさに太鼓判です。シーフードレストランSeafood Barです。本当に真っ白で明るい店内は今風で、大いに賑わっています。何とか席を確保できました。

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店内は奥に細長く続いており、その広い店内にぎっしりとお客さんがつめかけています。評判のお店のようです。期待できますね。

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お店のスタッフのお兄さんお勧めのシーフードの盛り合わせを、贅沢にもお願いします。
まずは白ワインを飲みながら料理を待ちます。

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だんだんとお腹が空いてきて、料理が待ち遠しいなあ。


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アムステルダムで美術三昧:美味しいシーフードランチを食べて、いざ、国立美術館へ

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/3回目

シーフードレストランSeafood Barでランチをいただこうとしているところです。白ワインを飲みながら料理を待っていると、まず美味しいフランスパンが出てきます。白ワインにとっても合いますね。ところでこのフランスパンはお洒落に袋に入れて出されました。余ったパンはそのまま持ち帰れますね。実際、ホテルに持ち帰りました。

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とっても豪華なシーフードの盛り合わせが運ばれてきます。蟹や海老が満載でとても美味しいです。

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かなり高価なランチになりましたが、シーフードを満喫できました。人気のレストランであることも納得です。
お店を出る際に、食材が並べられている冷蔵ケースを覗きます。いかにも新鮮そうなシーフードがいっぱいです。

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シーフードレストランSeafood Barの入口です。入店の際は急いでいたので写真を撮り逃していました。

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お店の前はファン・バールレ通りVan Baerlestraat。トラムの線路もあります。通りの両側に見えている緑の木々はフォンデル公園Vondelparkです。フォンデル公園は、このファン・バールレ通りを挟んで両側に広がっています。

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ファン・バールレ通り沿いには小さなお店が並んでいます。建物は低層のものが多いですね。これはアムステルダムの街の特徴でもあります。

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ちょっと所用のためにホテルに寄っていきます。これがホテル ピート ヘインHotel Piet Heinの正面の全景です。美しいファサードですね。

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ホテルの前にはファシウス通りVossiusstraatが続いています。通りの両側にはびっしりと車が駐車しています。まるで駐車場みたいですが、これはヨーロッパのどの街でもお馴染みの風景です。

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この駐車場もどきのファシウス通りは、緑濃いフォンデル公園に沿った通りです。公園は柵で隔てられているので、直接入れないのが不便ではあります。

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これはホテルの入口。通りから高い階段を上って入ります。

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部屋の窓から下を見下ろすと、中庭にはソファが並べられています。寛ぐのによさそうですね。中庭の先にあるガラス屋根の建物が、先程のシーフードレストランSeafood Barかな?

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いよいよ3度目の正直で、フェルメールやレンブラントを観賞しに国立美術館Rijks Museumに向かいます。並木の綺麗な裏通りを歩きます。裏通りも両側に車が駐車しています。

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表通りに出ると、通りの先に国立美術館の建物が見えてきます。

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ミュージアム広場Museumpleinに入ると、広場の向こうに国立美術館の建物が威容を誇っています。

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広場は多くの人たちで賑わっています。お疲れモードでベンチで休んでいる人もいますね。

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国立美術館の建物に近づいてきましたが、この大きな建物はその全容を写真に収めきれません。

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国立美術館の建物の真ん前まできました。煉瓦で装飾された壁面、柱に埋め込まれたような芸術家の彫像、アーチの連なる入口空間・・・さすがに歴史ある建造物です。

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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。

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建物の入口を入ると、美術館ロビーが下に見下ろせます。吹き抜け構造の明るい空間です。

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上を見上げると、ドームのような屋根がガラス張りになっていて、燦々と光が降り注いでいます。

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この国立美術館は本当に長い間、改装のために閉館してたのです。それで、これまでに2回訪問しましたが、その度にに入れませんでした。今日は意外にそんなに人が多くはないようです。

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混み合っているだろうと思いネットでチケットを購入してありますが・・・空いてる! チケット売り場には1人も並んでいません。館内はそれなりに賑わっていますけどね。システムがよいのかしら。

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これがネットで購入したEチケットです。

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インフォメーションカウンターで館内の案内ガイドをもらって入場します。案内ガイドは日本語版があります。

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さて、入口はどっちでしょう。いくつかの入口があるようです。


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アムステルダムで美術三昧:国立美術館の傑作はフェルメールとレンブラントのこの5点

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/4回目

いよいよ国立美術館Rijks Museumに入りますが、入口を見定めます。こっちかな。

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Eチケットを見せて入口を抜けます。まず見たのはこれ。これって作品? 時間は合っているので、時計の役割もはたしています。

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多くのいろんな作品がありますがそれらは後回しにして、まずはお目当ての作品を鑑賞しましょう。
お目当てのフェルメールとレンブラントは2階にあります。直行です。すぐに発見できて十分に余裕を持って鑑賞することが出来ます。美術館内は写真撮影OK。さすがに太っ腹ですね。

これは誰でも知っているレンブラントの《夜警》です。美術館のスタッフが腕を組んで見張っています。お陰で絵の大きさがよく分かります。

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今度はスタッフを外して、絵に焦点を合わせてちゃんと撮影。遂に本物を見ました! 今更、絵の内容がどうのこうのとコメントする必要はありませんね。レンブラントが人生の絶頂期に描いた集団肖像画の傑作です。レンブラントは36歳。この絵が描かれた1642年はアムステルダムも繁栄の絶頂期を迎えていました。色んな意味で記念碑的な作品です。ところで本物の絵を見ればはっきりと分かりますが、題名の《夜警》という名称に反して、この絵はお昼の場面が描かれたものです。大がかりな洗浄作業が行われる前は煤で表面のニスが汚れていたために、夜の場面と誤解されていました。

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レンブラントの次は、もちろんフェルメール。本来は先にフェルメールを見るのがsaraiの趣味ですが、巨大な《夜警》の絵が先に目に入ってしまったこととフェルメールの絵は既に日本で鑑賞済だったためです。

これはフェルメールの最高傑作の《牛乳を注ぐ女》。saraiの大好きな絵です。フェルメールの絵では、《デルフトの風景》と並んでsaraiの一番のお気に入り。見るのは2度目ですが、日本で見たときと違ってゆっくりと観賞することができます。永遠の時を切り取ったような超名作です。静止画にもかかわらず、まるで動画のように注がれる牛乳の流れは動きを感じます。それでいて画面の静謐さはどうでしょう。静と動・・・あらゆる美がびっしりと詰められた最高の絵画です。じっくりと見入ってしまいました。この1枚を見るだけでも、この美術館に足を運ぶ価値があります。

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この美術館にはフェルメールはもっともっとあります。これは《恋文》です。フェルメールの絵画で手紙は定番です。当時は郵便制度が整備されたこともあって、絵画の重要なテーマになりました。それにしても、したり顔の召使女を描かせたら、フェルメールの右に出る人はいませんね。絵画の中にドラマを感じさせるのもフェルメールならではの手法です。

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フェルメールは続きます。これも素晴らしい風景画の《デルフトの小路》です。デルフトの街でこの絵が描かれた場所を探し回ったことを思い出します。この辺りという所には行きましたが、結局は《ここ》という確信は得られませんでした。きっと、絵の中にすべてがあるんでしょう。

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もう1枚、フェルメールがあるはずです。《手紙を読む青衣の女》です。美術館のスタッフにも聞きましたが何故か「ないよ」というすげないお答えです。残念ですね。

これでもう、この美術館に来た目的は果たしたようなものです。
あっ、もう1点、絶対に見逃せない作品がありました。
レンブラントの《ユダヤの花嫁》です。レンブラント晩年の名作です。saraiの趣味では《夜警》よりもずっと好きな作品です。2人の情愛あふれる姿が静謐に描き出されています。こういう優しい愛の形はとてもいいですね。

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アムステルダム国立美術館の最高の5枚をご紹介しました。今回はここまでにしておきましょう。ゆっくりとこの5点の名画を味わってください。


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アムステルダムで美術三昧:国立美術館はレンブラントだらけ!!

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/5回目

アムステルダム国立美術館Rijks Museumの至宝、フェルメールとレンブラントの5作品を鑑賞しました。これでこの美術館に来た目的は果たせたようなものですが、それ以外の作品も見てまわりましょう。
まずはレンブラントの残りの作品を見ましょう。

レンブラントの《トビトとアンナ》です。1626年、レンブラント20歳頃に描かれた作品です。若きレンブラントが最も初期に描いた作品の一つです。旧約聖書外典≪トビト記≫から題材を取って描いた見事な作品です。老人が己の猜疑心を悔やんでいる様子が迫真のタッチで表現されています。こういう素晴らしい作品を見るにつけ、やはり、レンブラントは天才だったと感嘆してしまいます。

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レンブラントの《自画像》です。1629年、レンブラント23歳頃に描かれた作品です。同時期に同一構図で描かれた作品がミュンヘンのアルテ・ピナコテークにも所蔵されています。よほど気に入った作品、あるいは自信作だったのでしょうか。若きレンブラントの強い眼差しが印象的です。この時期、何も恐れるものはないという意思が見てとれます。

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レンブラントの《幻想的な衣装の若い女性(サスキア)》です。1633年、レンブラント27歳頃に描かれた作品です。これも厳格な肖像画ではなく、妻サスキアを描いたトロニーです。レンブラントの愛情あふれると感じてしまうのは皮相的な印象でしょうか。

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レンブラントの《ヨハネス・ウエンボールトの肖像》です。1633年、レンブラント27歳頃に描かれた作品です。実にうまいとしか言えません。

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レンブラントの《肖像(Haesje Jacobsdr. van Cleyburg)》です。1634年、レンブラント28歳頃に描かれた作品です。しっかりと描かれてはいますが、晩年の内面性に比べると外面的な美しさが目立つように感じます。

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レンブラントの《オリエント風に装った男》です。1635年、レンブラント29歳頃に描かれた作品です。注文されて描かれた肖像画ではなく、モデルを雇って描いた「トロニー(顔)」と呼ばれるものです。いわば、自分の実力を誇示するための宣伝用の絵画みたいなもののようです。実際、自信に満ちた素晴らしい作品ではありませんか。それでも一時、この作品は真作ではないと疑われるほど、レンブラントは贋作や工房作品や他人の作品が紛れ込むことが多い画家です。それほど作品数も膨大なんですね。

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レンブラントの《マリア・トリップの肖像》です。1639年、レンブラント33歳頃に描かれた作品です。20歳の商人の娘を描いたものです。レンブラントが描いた女性の中では最も美しいのではないでしょうか。光り輝くようです。結構、sarai好みの絵画です。

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レンブラントの《修道士に扮するティトゥス》です。1660年、レンブラント晩年の54歳頃に描かれた作品です。モデルのティトゥスはレンブラントの息子です。愛妻サスキアが残した最後の子供です。ここでも晩年のレンブラントの冴えた筆が修道士の精神性を見事に描き出します。

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レンブラントの《アムステルダムの織物商組合の見本調査官たち》です。1661年、レンブラント晩年の55歳頃に描かれた作品です。レンブラントが描いた最後の集団肖像画です。《夜警》を描いてから約20年経っています。《夜警》の外面的な革新性に比べると、表現はおとなしくなっているものの、人物の内面に踏み込みつつ、画面の緊張感を盛り上げる大人の革新的表現が見事に感じられます。

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レンブラントの《聖パウロに扮した自画像》です。1661年、レンブラント晩年の55歳頃に描かれた作品です。生涯に渡って描き続けた自画像でも内面的な表現がより深まってきています。そういう意味の芸術性が高まることと反比例するように世間からの人気・評判は凋落の一途だったのは皮肉なことです。これはすべての先進的な芸術家の宿命でもありますね。

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レンブラントの歴史画《クラウディウス・キウィリウスの謀議》です。1662年、レンブラント晩年の56歳頃に描かれた作品です。ストックホルム国立美術館の所蔵品ですが、2014年3月21日から一時的に借り受けて、展示しているそうです。この歴史画はアムステルダムの新市庁舎を飾るために注文を受けた大作でした。しかし、ダム広場の新市庁舎に短期間展示されただけで画家に突っ返されます。その内面的な表現が理解されなかったと言われています。報酬も支払われなかったそうです。この作品が結局はスウェーデンに渡ってしまった経緯は謎のようです。晩年のレンブラントの不遇を象徴するような話ですが、遂にここアムステルダムに一時的にせよ、この絵が戻ってきたのはレンブラントの面目躍如ですね。

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既にご紹介した2作品を加え、ここに紹介しただけでレンブラントは13作品もこの国立美術館にあります。凄いですね。それも傑作揃いです。
次回はレンブラント以外の作品をご紹介して、国立美術館の鑑賞を終えます。


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アムステルダムで美術三昧:国立美術館って、作品はこれだけ? 夜はオペラ《ルル》

2015年6月25日木曜日@アムステルダム/6回目

アムステルダム国立美術館Rijks Museumの作品群を見ていきます。ここまで、フェルメールとレンブラントを見てきました。ここからはそれ以外の作品を見ていきます。

フランス・ハルスとピーテル・コッデの《痩せた警備隊(分隊長レイニール・レアルと副官コルネリス・ミヒースルゾーン・ブラーウの部下たち)》です。 1633-37年頃、ハルス51歳~55歳頃に描かれました。もっともハルスはほぼ左半分だけを描き、残りの右半分はコッデが完成させました。ハルスはハーレム以外の地では絵の注文を受けず、例外的にこの絵だけがアムステルダムからの注文でした。絵の注文主はアムステルダムで絵を完成させるようにハルスに求めましたが、ハルスが拒否したため、最後はコッデが絵を完成させたということになりました。いずれにせよ、これぞ集団肖像画という作品ですね。

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バルトロメウス・ファン・デル・ヘルストの《ルロフ・ビッケル隊長とヤン・ミヒールスゾーン・ブラエーウ副官とその士官達》です。 1639年頃、ヘルスト26歳頃に描かれました。ヘルストはレンブラントと同時期にアムステルダムで活躍した画家です。特にレンブラントの人気凋落期には流行の肖像画家としての地位を獲得していきました。ヴァン・ダイク風のスタイルが人気を博したようです。とても大きな作品です。《夜警》の近くには集団肖像画が並んでいますが、ひときわ目立ちます。

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ハルスの《陽気な酒飲み》です。1628-1630年頃、ハルス46歳~48歳頃に描かれた作品です。いかにもハルスらしい作品で、彼の代表作の中の1枚です。ハルスは明日、彼の地元であるハーレムを訪れて、フランス・ハルス美術館で彼の作品をたっぷりと鑑賞する予定です。

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ヘダ・ウィレム・クラースの《鍍金した酒杯のある静物》です。1635年頃、ヘダ41歳頃に描かれた作品です。ヘダは、17世紀オランダ絵画黄金期において流行したモノクローム・バンケッチェ(モノクローム風の晩餐図)の画家です。恐ろしいくらい緻密に描かれています。

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国立美術館は建物自体も見事です。美しいステンドグラスにも見とれてしまいます。

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美術館にも壁画があるんですね。これって、美術作品なんでしょうか。

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アンソニー・ヴァン・ダイクの《王子ウィレム2世と メアリー・スチュアート》です。1641年、ヴァン・ダイク42歳頃に描かれた作品です。英国王室の宮廷画家ヴァン・ダイクによって、オランダ総督のオラニエ家の王子ウィレム2世(15歳)と英国王チャールズ1世の長女メアリー・スチュアート(10歳)の結婚を記念して描かれた作品です。オラニエ家からの注文によるもので、オラニエ家としては英王室との結婚を喧伝する意図があったようです。しかし、この夫妻は若くして(ともに20代)亡くなったそうです。その長男はウィリアム3世として、英国王になりました。さすがにヴァン・ダイクの筆は冴え渡っていますね。

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ヘンドリック・アーフェルカンプの《スケートをする冬の風景》です。1608年、アーフェルカンプ23歳頃に描かれた作品です。アーフェルカンプは17世紀のオランダ画派最初の風景画家の1人であり、当時流行した冬景色を得意とした画家たちの1人です。この作品もまさしく、そういう作品の代表的なもの。ちょっと見るとブリューゲルっぽいですが、よく見ると比べるべくもありません。

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ここにもゴッホがあるのでびっくりです。ゴッホは後日、ゴッホ美術館でたっぷりと鑑賞する予定です。

ゴッホの《下生え》です。1887年、ゴッホ34歳頃に描かれた作品です。この年の夏に暑いパリを離れて、ピサロやシニャックとともにパリの北西のセーヌ川近くで描いたものです。

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ゴッホの《カラフェとレモンの乗った皿》です。1887年、ゴッホ34歳頃に描かれた作品です。パリ時代、印象派やジャポニズムを吸収していたころの静物画。

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ゴッホの《自画像》です。1887年、ゴッホ34歳頃に描かれた作品です。パリ時代、既に彼の画風は確立しつつありましたが、この自画像の完成度は素晴らしいですね。

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ゴヤの《ドン・ラモン・サトゥの肖像》です。1823年、ゴヤ76歳頃に描かれた作品です。モデルは友人だった裁判官です。2011年にこの絵画がニュースになりました。X線で調べたところ、この絵の下に別の未完成の絵が隠されていたということです。政治的な理由でゴヤはその未完成の絵を隠したと言われています。絵に描かれていたのはジョーゼフ・ボナパルト、ナポレオン・ボナパルトの兄で1808年から1813年までスペインの王でした。ナポレオン没落後、ゴヤはフランスと距離を置こうしたそうです。絵画にも色んな物語があるものですね。

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最後にとても素晴らしい絵画が待っていました。

カルロ・クリヴェッリの《マグダラのマリア》です。1475年頃、クリヴェッリ45歳頃に描かれた作品です。クリヴェッリはイタリアのルネサンス初期の画家です。この作品はクリヴェッリの代表作で、金箔を施した黄金地のパネルに石膏地の浮彫や打刻文様などの工芸的な技法で、精緻を極めた表現によって、宗教画にもかかわらずエロティシズムに満ちた作品になっています。クラナッハを思い起させるとも言えますし、さらには数百年後のクリムトの出現も予感させるような素晴らしい絵画作品です。もっと喧伝されて然るべき傑作です。

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これにて鑑賞を終了。絵画は意外に少なくて装飾品が多いです。それに、ルートがわかりづらく大変です。でも、作品は少なくても珠玉の傑作があり、楽しめました。

美術館を出るときにチケット売り場を見ると、がらがらに空いています。明日、ハーレムのフランス・ハルス美術館で購入予定だったMuseumkaartをここでゲットしましょう。

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Museumkaartは1人59.90ユーロで、1年間多くの美術館が無料入館可能になります。それもアムステルダム市内だけでなく、オランダ国内すべて有効です。美術館以外の施設にも使え、とてもお得なカードなんです。カードはこういう封筒に入っています。

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ガイドマップもいただけます。

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つい時間を忘れて、絵に見入ってしまいました。お蔭でホテルでほとんど休む間もなく、夜のオペラ《ルル》に出かける羽目に。
これがネーデルランドオペラの本拠地ミュージックシアターMuziektheaterです。現代的な建物です。

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もうぞろぞろと入場中です。

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今日の演目はベルクの遺作オペラ《ルル》。扇情的とも思える画像での宣伝ですが、これは実際の内容とはまったく関係なし。一体、何でこういう無関係な画像を流すんでしょう。

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チケットはネットで購入して、自宅プリンターで印刷したものです。かぶりつきの最前列です。

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今日朝早くウィーンから移動して、休みなしで若干頭がぼーっとした状態ではありますが、それでも長時間のオペラは素晴らしいオーケストラと歌手のアンサンブルで感動しました。このオペラ《ルル》の詳細記事はここです。

まだまだ音楽三昧は続きます。おやすみなさい。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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