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ブルージュ散策:ゲントを発って、ブルージュへ

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/1回目

旅の13日目です。

ゲント3日目ですが、今日はゲントGentを出発して、ブルージュBruggeに向かいます。
ボートハウスホテルで朝食を頂き、すぐにチェックアウトをします。居合わせた若者は、日本に2ヶ月ほどいたことがあるとのこと。オーナーは、日本に行きたいけど何月に行くのが良いかと聞いてきます。4月か10月に是非と勧めます。結構日本は人気がありますね。
ボートハウスホテルを出て、最後にボートハウスと辺りの景色を頭の中にしまいます。

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荷物を引っ張って、最寄りのゲント・ダンポールト駅Gent-Dampoortまで歩きます。ほんの10分ほどです。
エレーベーターでホームに出ます。荷物用と思われる大きくて無骨なエレベーターです。このエレベーターは、取っ手を横に引いて手で開けるんですよ。待っていても乗れません。これに気づいたsaraiはエライ!と配偶者が持ち上げてくれます。

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駅は海水浴に向かう子供たちで大騒ぎです。いよいよ夏の行楽シーズン突入ですね。

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いやはや、大変な人数です。ぞろぞろ歩いてきます。

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ホームから見下ろした駅前の街並みです。ゲントの街の玄関口の駅はここではないので、駅前の賑やかさはありません。

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IC(インターシティ)の入線を待っていると、やってきたのは何と貨物列車。

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今度こそICがやってきたと思うと、またしても貨物列車。ベルギーは貨物列車が多いようです。

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貨物列車が轟轟とした音を残して走り去っていきます。海水浴へ行く子供たちはホームに座り込んでいますね。

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すぐにまた電車がやってきます。今度こそはICが入ってきます。

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我々はファーストクラスなので余裕かと思ったら、車内はかなり混んでいます。相席しか見つかりません。と、4人掛けの席を自転車が占拠してます。これってひどいよね。持ち主は誰?と言う感じで仁王立ちしていると・・・ここに座りたいのかい?と近くの2人席に座っていた人が言ってきます。もちろん! 別の2人席の方に自転車を移動させてもらい、ようやく座れました。

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ところで、ここはファーストクラスです。かなり高額なのです。なのに、座っているのは、ほとんど若者です。何か特別なサービスがあるのかしらね。
これがネットで購入したチケット(自宅でプリント)です。

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走り出したICはすぐにゲントの玄関口のセント・ピータース駅Station Gent Sint-Pietersに到着。本来はこの駅で乗り降りするところですが、たまたまsaraiが宿泊したボートハウスのホテルがゲント・ダンポールト駅に近かったので、そちらを利用することになりました。

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車内の様子はこんな感じ。ファーストクラスなのにとても混み合っています。

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セント・ピータース駅を出たICは、ゲントの街並みを駆け抜けて緑の中に入っていきます。

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やがて、レイエ川(あるいは運河?)を越えていきます。

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車窓には広い牧草地が広がります。オランダで見た風景と同じですね。

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今度は畑地です。

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長閑な風景がどこまでも続きます。

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おや、ここも牧場ですが、数頭の馬が草を食べています。牛や羊はいないようです。珍しいですね。

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ゲントとブルージュの中間あたりで小さな街を通り過ぎます。

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再び、緑の美しい大地の中をブルージュに向かって走っていきます。

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35分でブルージュBruggeに到着です。

ゲントからブルージュまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。

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今日からブルージュに2泊して、運河の街で美術や街歩きを楽しみます。



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ブルージュ散策:ブルージュ観光は運河クルーズから

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/2回目

ブルージュBruggeに到着しました。まずは、ブルージュの駅構内にあるツーリストインフォメーションで、ブルージュのシティ・カード3日券と公共交通機関3日乗り放題チケットを購入します。窓口は空いています。

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これがブルージュのシティ・カード3日券です。プラスティックのしっかりしたカードです。

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これで主要な美術館や博物館にタダで入場できます。1人45ユーロと結構高額ですが、いくつかの美術館に入れば、すぐ元は取れるでしょう。ブルージュのシティ・カードが有効な施設の案内が記載されたパンフレットもいただきます。

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これが公共交通機関3日乗り放題チケットです。アントワープで購入した回数券と表面はまったく同じデザインですが、裏面に3日間有効なパスとプリントされて、有効な期日もプリントされています。1人10ユーロですから、お得なチケットです。実はアントワープで購入した回数券もまだ使い切っていませんが、それでもこの3日乗り放題チケットは安くて、お得です。

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この乗り放題チケットを使って、駅前から11番のバスで旧市街の中心地マルクト広場Grote Marktの先のバス停ウォレ通りBrugge Wollestraatまで移動します。バスの車内では行き先の表示がありません。が、Google Mapで予習済みのsaraiは、しっかりホテルの最寄りのこのバス停で下車です。そこから、運河に面するホテルはすぐそこです。事前にGoogle Mapのストリートビューで何度もホテルのレセプションまでの移動イメージをチェックしていたので、初めての場所とは思えないほど頭にしっかりと画像が焼き付いています。今日から宿泊するホテル ブールゴンシュ ホフHotel Bourgoensch Hofは、運河沿いの可愛いホテルです。通りから路地に入るとホテルの入口があります。そこからはブルージュの運河が見渡せます。ブルージュと言えば運河ですから、運河の眺めを楽しむためにこのホテルを選んだんです。

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駅からホテルまでの移動ルートを地図で確認しておきましょう。

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ホテルに足を踏み入れると、運河沿いのスペースに気持ちのよさそうなレストランがあります。明日からの朝食はここで運河の眺めを楽しめそうです。そのためにあえて、朝食付きのプランを予約してあります。

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廊下を奥に進むと、誰もいないレセプションがあります。まだ午前中ですから、チェックインする客もいませんからね。

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予想通りチェックインは出来ませんが、チェックインの書類に記入は済ませて荷物を預かってもらいます。

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ホテルの廊下には、いかにもフランドル地方らしい絵が飾ってあるのが印象的です。

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廊下の壁に張ってある古地図は、ブルージュの街の地図のようですね。

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ホテルの出口に向かうと、陽光にあふれた路地がガラス窓から見えます。

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さあ、ブルージュの街歩きを始めましょう。ホテルの路地から表通りに出ます。ウォレ通りWollestraatです。通りの先に見えている尖塔は高さ83mを誇る鐘楼Belfortです。マルクト広場に面する建物です。

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その鐘楼の方へは後で行くことにして、反対方向に歩いて、まずは運河を見物しましょう。すぐに運河に架かる橋の前に出ます。

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橋の上から運河を見下ろします。ダイフェル運河Dijverです。

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運河沿いのローゼンフートカーイ通りRozenhoedkaaiを歩いていると、運河クルーズの観光船が目に入ります。

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次々と観光船がやってきます。

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運河を走る観光船を見たsaraiは、もう我慢できません。近くにある筈の観光船乗り場に一目散です。このハイデンフェッテルス広場Huidenvetterspleinの先に乗り場がある筈です。

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再び、運河の前に出ます。

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観光船乗り場に到着です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ところで、運河クルーズはシティカードがあるので無料なんです。運河の街ブルージュの街歩きは運河クルーズで開始します。歩かなくて済むので楽ちんです。



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ブルージュ散策:運河クルーズで巡る美しい風景

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/3回目

ブルージュBrugge観光は運河クルーズで始めます。これがブルージュのシティ・カードで無料でゲットした観光船のチケットですが、何故か有料チケットを渡されます。

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これが観光船の出発を待っている面々です。一隻分の人数が集まったところで船が出るようです。

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観光船乗り場は運河の橋から階段を降りたところにある木製の桟橋上にあります。

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観光船乗り場の対岸には煉瓦造りの古めかしい建物が建っています。いかにもフランドル地方らしい美しい建物です。

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よく見ると、この煉瓦の壁を建物に固定する鉄製のアンカーで数字が描かれています。1614年というのがこの建物が造られた年のようです。ちょうど400年前です。

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この建物を改めて見直します。素晴らしい建物ですね。どうやら、この建物は市庁舎Stadhuisの裏側のようです。市庁舎自体は1376年に造られたようですから、この運河沿いの建物は増設部分なんでしょうか。

ようやく、人が集まり、運河クルーズが始まります。気持ちのよい川風を受けながら、ブルージュの街を一巡りです。

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観光船が最初の橋をくぐると、左手にまた、市庁舎と同じような煉瓦造りの建物があります。こちらは1608年の建物のようです。さっきの建物と同じ頃の建物ですね。もしかしたら、これも市庁舎の一部かも。

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おや、次に我々の運河クルーズを出迎えてくれるのは2階の窓から顔を出している犬君です。もっとも、こちらに関心はなさそうですけどね。

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石橋の下をくぐり抜けます。ぎりぎりです。この橋はメーストラート橋Meestraat Bridgeです。

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運河沿いには煉瓦造りの建物が続きます。煉瓦の壁を緑の蔦が覆って、綺麗です。

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美しい景色が続きます。

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どこまでも美しい運河がまっすぐに続きます。

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運河沿いに見える建物は13世紀に造られた古い病院を改装したノートルダム・ド・ラ・ポッテリー博物館Musée Notre Dame de la Potterieのようです。

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ここで運河が2方向に分かれています。こちらは右方向の運河です。運河沿いにテラス席が並んでいます。

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観光船はそちらではなく、左方向に舵を取り、ホーフ通りHoogstraatの橋をくぐって、先に進んでいきます。

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後ろを振り返ってみると、今くぐってきた橋が見えています。

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またまた、美しい煉瓦造りの切妻屋根の建物が並んでいます。

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美しい建物を眺めながら、運河クルーズはどんどん進んでいきます。

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スピノラライ通りSpinolareiの橋に差し掛かります。

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橋の先には運河に張り出したウッドデッキのようなものがあり、その上に水着姿の若い男女の姿があります。まさか運河で水泳でもないでしょうから、日光浴でも楽しんでいるんでしょうね。

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ここで観光船は舵を左に取り、ランゲライLangereiの運河に進んでいきます。

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やがて、運河の突き当りにやってきます。大きな塔も見えます。

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この突き当りはヤン・ファン・エイク広場Jan van Eyckpleinです。偉大なフランドルの画家ヤン・ファン・エイクの銅像が立っています。昨日、彼の最高傑作の《神秘の子羊》を見たばかりです。ヤン・ファン・エイクはブルージュで活躍した画家だったんです。もっとも、この銅像は運河からは後ろ向きです。また、陸のほうから訪れてみましょう。大きな塔の建物は《ポールテルス・ロッジ》と呼ばれる15世紀の建物で市民の集会所として使われていました。現在は国立古文書館です。

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観光船はここで折り返します。ここまでの運河クルーズのルートを地図で確認しておきましょう。

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運河クルーズはこの後、同じルートを戻って、観光船乗り場の反対方向の運河を巡ります。



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ブルージュ散策:運河クルーズで見る美しい聖母教会

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/4回目

ブルージュBruggeで運河クルーズを楽しんでいます。観光船はヤン・ファン・エイク広場Jan van Eyckpleinまで走り、そこからいったん、同じ航路を最初出発した観光船乗り場まで戻ります。
今、後ろにまだヤン・ファン・エイク広場の《ポールテルス・ロッジ》の塔が見えています。

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やがて、ランゲライLangereiの運河の突き当りのあたりまで戻ります。この先、右に曲がって、元来た運河を進みます。

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先ほども通った美しい煉瓦造りの切妻屋根の建物の前を過ぎます。

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運河の分岐ポイントのホーフ通りHoogstraatが近づいてきます。そこで右に舵を取ると、出発点は間近です。

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分岐ポイントを曲がって、市庁舎Stadhuisが近づいてきます。その手前の運河沿いの緑の広場には寝そべった銅像が見えます。

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市庁舎に続く1608年の建物の前を過ぎます。

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観光船乗り場の前を通過します。ここからは新たなルートです。

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正面に見えているのがsaraiが宿泊するホテル ブールゴンシュ ホフHotel Bourgoensch Hofです。カナルビューの部屋を予約しているので、このどれかの窓がsaraiの宿泊する部屋になる筈です。眺めがよさそうです。

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ホテルの前で観光船は左に舵を取ります。

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ホテルの入口前では老夫婦が記念撮影中です。

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この先、ダイフェル運河Dijverのクランクのように折れ曲がった運河を抜けると、先ほど歩いて渡ったウォレ通りWollestraatのネポムク橋Nepomucenusbrugが見えてきます。その先には聖母教会Onze-Lieve-Vrouwekerk Bruggeの高い塔が見えます。塔の街ブルージュを代表する高さ122mを誇る塔です。

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橋の下をくぐり抜けて、観光船は聖母教会を目指して走ります。

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運河の傍らでは、観光客を満載したボートが出発準備中です。ここにも観光船乗り場があるようです。

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運河沿いのダイフェル通りDe Dijverはまるで公園のようになっていて、美しい緑の並木が続きます。その並木の上に聖母教会の塔が頭を出しています。

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聖母教会が真正面に見えてきます。何とも美しい塔ですね。

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塔が間近です。周りでは皆、カメラのシャッターを切っています。絶景です。

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ダイフェル通りの並木の向かい側の建物を眺めると、人形がずらりと窓に並んでいます。何かの博物館でしょうか。

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聖母教会前に架かる小さな石橋、ボニファティウス橋Bonifaciusbrugに差し掛かります。こちらは聖母教会の反対側です。この辺りは観光客の多いところですから、運河を覗き込む人たちがたくさんいます。

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ボニファティウス橋をくぐり抜けると、右手に聖母教会が見えてきます。

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左手にはホテル・ボニファティウスHotel Bonifaciusの古めかしい建物が見えます。

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ここまでの運河クルーズのルートを地図で確認しておきましょう。

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運河クルーズはもう少し続きます。



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ブルージュ散策:運河クルーズを満喫

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/5回目

ブルージュBruggeの運河クルーズも終盤にさしかかります。美しい聖母教会Onze-Lieve-Vrouwekerkを過ぎて、マリア通りMariastraatにあるマリア橋Mariabrugをくぐり抜けると、聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaalの古色蒼然とした建物が右手に鎮座しています。この聖ヨハネ施療院内の一部はメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janになっており、メムリンクの傑作が展示されています。ブルージュに来た目的はヤン・ファン・エイクの作品を見ることと同じくらいメムリンクの作品を見ることが楽しみなんです。後でここを訪れる予定です。

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運河が左に湾曲していきます。左に見える建物には白い花が美しく壁を覆って咲き誇っています。

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後ろを振り返ると、その白い花の建物の向こうに聖母教会が見えています。

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やがて、運河クルーズの終着点、ベギン会修道院Begijnhuisjeにやってきます。観光船を白鳥が出迎えてくれます。美しい一画です。

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白鳥と別れを告げて、元来たルートを戻ります。

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白鳥は水面だけでなく、水辺でも遊んでいます。ベギン会修道院と言えば、白鳥なんですね。もっとも隣にある愛の湖公園Minnewaterparkから遊びに来ているだけかもしれません。

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ベギン会修道院橋Begijnhofbrugに戻ってきました。このあたりは観光客で凄く混み合っています。

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ベギン会修道院橋をくぐり抜けました。この橋は名前の通り、ベギン会修道院の入口に通じています。

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また、白い花が満開の美しい庭を持つ建物の前を過ぎていきます。

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聖ヨハネ施療院の先に聖母教会が見えてきます。

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ダイフェル通りDe Dijverの美しい並木の前を過ぎていきます。木陰のベンチにはカップルが座っています。絵になりますね。

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やがて、出発地点近くまで戻ってきました。ローゼンフートカーイRozenhoedkaaiのあたりです。運河はクランクのように折れ曲がっていますが、ちょうど正面にマルクト広場Grote Marktに立つ鐘楼Belfortが見えています。昔は運河がマルクト広場近くまで延びていたそうですが、現在はここで途切れています。

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左手の我らがホテル(ホテル ブールゴンシュ ホフHotel Bourgoensch Hof)の横を通り過ぎます。

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これで運河クルーズは終了。30分ほどでブルージュの町のほとんどを体験しました。
ここまでの運河クルーズのルートを地図で確認しておきましょう。

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観光船乗り場からハイデンフェッテルス広場Huidenvetterspleinに出ると、いかにも美味しそうなお菓子がショーウィンドウに並んでいます。ベルギーもスイーツの美味しいところのようです。

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しかし暑い。ガンガン気温が上がっています。ひとまず美術館に行きましょう。グルーニング美術館Groeningemuseumです。運河沿いのダイフェル通りDijverを歩いていきますが、建物の日陰を選んで歩きます。しばらく歩くと旗の立っているところが見えてきます。グルーニング美術館のようです。

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入り口こっちという案内に従い、庭園の中に足を踏み入れます。

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花の美しい庭園を抜けていきます。

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アジサイが咲いています。

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煉瓦塀に綺麗な入口があります。

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緑が目に沁みます。こんなに庭が美しい美術館も珍しいですね。

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ようやく美術館の建物に到着。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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これから楽しみにしていたヤン・ファン・エイクの傑作を鑑賞します。



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ブルージュ散策:グルーニング美術館のヤン・ファン・エイクの名画

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/6回目

ブルージュBruggeで一番楽しみにしていたグルーニング美術館Groeningemuseumに入館します。今回の旅のメインテーマはフランドル絵画、なかんずく、ヤン・ファン・エイクの作品を見ることです。
まずはブルージュのシティ・カードを提示して、無料チケットをゲット。

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館内マップもいただきます。2番の展示室にヤン・ファン・エイクとメムリンクがあるようです。

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ヤン・ファン・エイクの絵に急行しますが、その前に何とボッシュの絵に目が留まります。これは見逃せません。そう言えば、ボッシュもフランドルの画家のひとりですね。

これがヒエロニムス・ボッシュの《ヨブ トリプティーク(3連祭壇画)》です。画題になっているのは旧約聖書のヨブ記です。ヨブは裕福で家族にも恵まれ、神への忠誠も厚かった人物でした。しかし、その忠誠心が神の使いのサタンによって試されます。財産と家族を失い、さらに悪性の皮膚病を患います。それでも忠誠心を失わなかったヨブは再び、神によって、2倍の財産とよき家族を与えられて、140歳の幸福な一生を過ごしたというものです。この作品は一見して、そのヨブ記が描かれていることは分かりません。ボッシュが深い含意を込めて描いたのでしょうか。作品自体もボッシュらしさはあまり感じられませんね。もしかしたら、工房の作品でしょうか。

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ちょっと寄り道をしてしまいましたが、ヤン・ファン・エイクの名画《ファン・デル・パーレの聖母子》と対面。昨日の《神秘の子羊》と同様に実に細密な表現に驚かされます。この作品はブルージュの聖職者ヨリス・ファン・デル・パーレがヤン・ファン・エイクに依頼して制作されたものです。オーク板に油彩で描かれています。中央に聖母子を配し、その右側に依頼主のファン・デル・パーレが跪き、その彼を守護聖人の聖ゲオリギウスが聖母に紹介するようなポーズをとっています。聖ゲオリギウスは聖母に敬意を表して、兜を上げています。聖母の左側には、ブルージュ聖堂参事会の守護聖人である聖ドナトゥスが描かれています。何といっても、画面全体に人物も衣装も背景も緻密に描かれていることが素晴らしいです。そして、あまりの緻密さ故か、立体的にも感じてしまいます。恐ろしいほどの完成度を誇る作品です。

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この絵にしばらく見入ります。その間、何人もの鑑賞客が通り過ぎていきます。誰もいなくなったとき、真正面から、この絵を独り占めします。素晴らしいですね。ヤン・ファン・エイクの宗教画の特徴でもありますが、この作品も精神性に満ちた表現になっています。ファン・デル・パーレは手に祈祷書を持ち、メガネを外して、聖母子を凝視するかのようです。それまで祈りを捧げていたファン・デル・パーレの心の中に奇跡のように聖母と聖人たちが現れてきたんでしょう。ヤン・ファン・エイクはファン・デル・パーレの心の中の風景を描き出しました。そして、その風景が何と美しいのでしょう。これこそヤン・ファン・エイクが描き出した奇跡です。

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写真では光が反射して見づらいので、この作品の綺麗な画像をご覧ください。

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続いて、2枚目のヤン・ファン・エイクの作品を見ましょう。《マルガレーテ・ファン・エイクの肖像》です。ヤン・ファン・エイクの妻の肖像です。当時、妻のマルガレーテは33歳だったそうです。それにしてはずいぶん、老けて見えますね。画家の冷徹な目は例え、相手が妻であったとしても曇ることはないのでしょう。絵画表現は見事の一言です。

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それにしても、ヤン・ファン・エイクの作品を2枚も持っている美術館って凄いですね。もっとも以前訪れたベルリン絵画館には3枚もありましたけどね。

次はハンス・メムリンクの《モレール三連祭壇画》です。

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中央のパネルに注目します。聖クリストフォロスが幼子イエスを肩に乗せて川を渡る場面が描かれています。以前、クラナッハの作品でこの物語の内容を説明したことがありますが、もう一度ご説明しましょう。クリストフォロスはキリストの教えに帰依するために隠者の勧めによって、急な流れの川を渡る人たちを無償で助けていました。ある日、小さな子供を背負って、川を渡ります。ところが背負った子供がどんどんと重くなってきます。この子供は実はイエス・キリストで、この重さはキリストが人類の罪を背負っているための重さでした。何とか川を渡り終えたクリストフォロスはキリストに祝福されて、手に持つ木の杖を地面に差すように言われます。すると、その杖は大木に育ったそうです。この話がその地の王に伝わり、クリストフォロスは拷問の末に惨殺されました。キリスト教は認められていませんでしたからね。クリストフォロスの名はキリストを背負うものという意味だそうです。このメムリンクの作品ではクリストフォロスは軽々と幼子イエスを背負っているように見えますね。

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次はロヒール・ファン・デル・ウェイデンの《聖母子を描く聖ルカ》です。これも素晴らしい作品です。残念ながら、これはオリジナルではなく複製だそうですが、美しいものは美しいことに変わりはありません。ファン・デル・ウェイデンはヤン・ファン・エイクにも並ぶほどの画力を持っていると感じます。

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ズームアップして、この精緻な表現を見てみましょう。素晴らしいですね。

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次もロヒール・ファン・デル・ウェイデンの《フィリップ善良公の肖像》です。これもオリジナルではなく複製だそうです。

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ここでフランドル絵画はお終いです。ベルギー絵画に移ります。この美術館にはさりげなくデルヴォーやマグリットがあり、ベルギーに来たという実感がします。

ポール・デルヴォーの《Serenity(静寂?)》です。デルヴォーらしい作品です。実は明日は北海沿岸の小さな町にあるポール・デルヴォー美術館を訪ねる予定なんです。その前祝いのような作品に出会えました。

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もう一枚、ポール・デルヴォーの《日の出?(Le Lever)》です。デルヴォーには珍しい普通?の裸婦像です。

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次はルネ・マグリットの《The Assault(暴行?)》です。マグリットのトレードマークのような青空が描かれています。マグリットもこの後、ブリュッセルで堪能する予定です。

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おや、フェルナン・クノップフもありますね。《秘密-反射》です。これはパステル画です。クノップフもブリュッセルで楽しむことにしています。

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これでグルーニング美術館の鑑賞は終了ですが、最後にあの絵をもう一度見ておきましょう。いやはや、素晴らしい!!

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この2日間、ヤン・ファン・エイクの代表作を見ることができて、saraiの心は満足感と幸福感で満たされました。永年の夢が実現できましたからね。

さて、次はメムリンク美術館に行きましょう。


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ブルージュ散策:メムリンク美術館って、聖ヨハネ施療院のことなの?

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/7回目

グルーニング美術館Groeningemuseumでヤン・ファン・エイクの名作を堪能して、外に出ます。庭園の塀越しに聖母教会Onze-Lieve-Vrouwekerkの塔が見えています。

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次はメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janに行きますが、その前に、あまりの暑さに、昼食と言うより冷たいものを求めてチョコレートカフェに行くことにします。メムリンク美術館の近くにある筈です。運河沿いのダイフェル通りDijverを歩いて運河を渡ると、グルウザセ通りGruuthusestraatに入ります。聖母教会の前でマリア通りMariastraatにぶつかります。右の方を見ると、建物越しに救世主教会の塔が見えています。ブルージュは塔の街の異名があります。

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左に折れてマリア通りを進みます。聖母教会を過ぎて聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaalの前に来ると、通りの向かいにチョコレート屋さんがあります。さすがにベルギーはチョコレート屋さんが多いですね。

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マリア通りを進み運河に架かるマリア橋Mariabrugを渡ると、すぐに通りの右側にチョコレートカフェのデ・プルーヴェリーDe Proeverieがあります。ショーウィンドウの綺麗なカップケーキを見ながら、店内に入ります。店内のガラスケースの中に美味しそうなケーキが並んでいます。

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店内はまだ空席があります。テーブルに着き周りを見渡すと、意外にシックな内装のカフェです。

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カウンターの奥は食器が清潔に片づけられています。

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カップケーキが可愛いお店ですので、配偶者はちょっと迷った挙句にカップケーキを注文。カップケーキは併設したアトリエで作っているようで、様々なデザインのものが揃っています。その中からチョイスしたのがこれです。

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saraiは定番のチョコレートケーキです。もちろん、ホイップクリームを添えてもらいます。

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飲み物はミルクセーキをいただきます。

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かなり甘さにも慣れてきましたが、やはり水は必須です。カフェの店内は依然として空いているので、お茶の時間を楽しみながらゆったりと過ごします。

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一息ついたので、美術館を周りましょう。これが窓際に並べられているカップケーキの数々です。可愛いデザインですね。

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聖ヨハネ施療院にあるメムリンク美術館に行きます。マリア通りを戻ると、目の前には聖母教会の塔が聳えています。この聖母教会の向かい側の手前に、聖ヨハネ施療院の入口があります。

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聖ヨハネ施療院の入口です。我々を出迎えてくれるのは何とも優し気な聖母子像です。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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さて、ここでもブルージュのシティ・カードを提示して、無料チケットをゲット。

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入館の際に聖ヨハネ施療院の英語版パンフレットをいただきますが、説明は聖ヨハネ施療院のことだけでメムリンク美術館にはまったく触れていません。不思議です。

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ともあれ、聖ヨハネ施療院に足を踏み入れます。うーん、これは普通の意味での美術館ではありませんね。最初はここはメムリンク美術館ではないのかとも思いますが、聖ヨハネ施療院の広い館内にぽつぽつと美術品が展示されているようです。聖ヨハネ施療院は12世紀に創立された病院と宗教施設の複合体のようなもので、20世紀後半までは機能していたようです。その病院施設の建物および関連資料の公開とメムリンクの美術作品の展示のハイブリッド型施設が、現在の聖ヨハネ施療院の姿です。なかなかユニークですね。その館内でsaraiが探すのは、もちろんメムリンクの作品群です。計6点が展示されているようなので、うろうろしながら探します。一番見たいのは《聖ウルスラの聖遺物箱》です。
ようやく見つけました。これが、ベルギー7大秘宝の一つとされる素晴らしい美術品です。

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 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) File:Saint-ursula-shrine-2037.jpg


じっくりと鑑賞しましょう。



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ブルージュ散策:メムリンクの傑作《聖ウルスラの聖遺物箱》

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/8回目

聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaal内のメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janでメムリンクの最高傑作の《聖ウルスラの聖遺物箱》に対面します。この聖遺物箱はこの聖ヨハネ施療院の依頼で作成されたものです。まずはその豪華な意匠に惹き付けられます。ゴシック様式の聖堂を模した形になっており、その側面にメムリンクが手掛けた絵が配置されています。前後側面に2枚、左右側面にそれぞれ3枚ずつが配置されて、聖女≪聖ウルスラ≫の伝説が展開されています。

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 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) File:Saint-ursula-shrine-2037.jpg


細部を見ていきましょう。
まず、前面には『聖母子と女性寄進者ヨコザ・ヴァン・ドゥゼーレとアンナ・ヴァン・デン・モールテレ』が描かれています。とても小さい絵ですが、メムリンクらしい楚々としたマリアが印象的です。

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後面には『聖女ウルスラと聖女たち』が描かれています。聖女ウルスラと聖女たちの大きさのバランスが極端に違い、聖女ウルスラに重きがあることを明確にしています。聖女ウルスラもマリア同様、楚々とした女性に描かれています。

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右側面には、≪聖ウルスラ伝≫から、5世紀の英国王の娘、聖女ウルスラがローマ巡礼に行くところまでが描かれています。

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左の絵から順に見ていきましょう。
これは『ケルン上陸』の場面です。船でライン川を遡るのですね。

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次は『バーゼル上陸』の場面です。さらにライン川を遡ります。

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次は『ローマ教皇キリアクスとの対面』の場面です。ローマ巡礼が果たせました。

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左側面には、≪聖ウルスラ伝≫から、聖女ウルスラのローマ巡礼からの帰途が描かれています。この帰途にケルンのフン族の襲撃に遭い、巡礼に同行した1万1000人の処女と共に殉教することになります。なお、同行した処女は11人とする説もあるようです。

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左の絵から順に見ていきましょう。
これは『バーゼルからの帰途』の場面です。ここで船に乗船してライン川を下るのですね。

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これは『ケルンでのフン族の襲撃』の場面です。ここでフン族の襲撃に合います。

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これは『聖ウルスラの殉教』の場面です。ここに聖女≪聖ウルスラ≫の伝説が生まれることになります。ケルン、ライン川地方、ネーデルランド、ヴェネツィアなどでは聖ウルスラは信仰を集めることになりました。

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一枚一枚の絵はごく小さいので、それほどインパクトはありませんが、立体的な聖堂に組み上げられた途端に、素晴らしい美に昇華することになりました。特異な美の世界です。

すぐそばに古い聖遺物箱も展示されています。素朴さが魅力ですね。

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前面、後面にはキリストの象徴である羊が描かれています。

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次はメムリンクの絵画を見ましょう。途中、十字架のキリストの彫刻に目が留まります。こういうものがさりげなく配置されています。

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これは《ヤン・フロレインスの三連画 》です。素晴らしい作品です。

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これが中央のパネルです。東方三博士の礼拝が描かれています。中央にゆるぎない姿で座るマリアの楚々としていながら、凛とした美しさはメムリンクならではのものです。その大いなる優しさには誰でもひれ伏してしまいそうです。

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左翼のパネルは降臨をテーマにしています。

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右翼のパネルは神殿への奉献をテーマにしています。

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ともかく、聖母マリアの魅力が満載です。

次は《アドリアーン・レインズの三連画》です。中央のパネルには、ピエタが描かれています。聖母マリアの後ろにはマグダラのマリアが控えめに立ちすくんでいます。哀しみに満ちた表現が印象的です。左右のパネルには寄進者が描かれています。

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まだまだ、メムリンクの作品の鑑賞は続きます。


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ブルージュ散策:メムリンクの傑作《聖ヨハネ祭壇画》

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/9回目

聖ヨハネ施療院Sint-Janshospitaal内のメムリンク美術館Hospitaalmuseum Memling in Sint Janでメムリンクの最高傑作の《聖ウルスラの聖遺物箱》を始め、メムリンクの名品の数々と対面しています。

次は《聖ヨハネ祭壇画》(聖カタリナの神秘の結婚)です。これは礼拝堂のようにしつらえられた一画に展示されています。これもメムリンクの最高傑作のひとつでしょう。素晴らしい作品です。

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これが中央のパネルです。聖母マリアに抱かれた幼子イエスによって、聖カタリナの指に指輪がはめられています。聖カタリナのモデルになったのはブルゴーニュ公国の美しき姫君マリー・ド・ブルゴーニュだという説があるそうです。マリー・ド・ブルゴーニュはハプスブルグ家出身の神聖ローマ帝国皇帝マキシミリアン1世と結婚しますが、若くして落馬事故でこの世を去ることになります。彼女はブルゴーニュ公国の最後の君主で民衆から絶大な人気があったそうです。ですから、ここでも聖カタリナのモデルになったんでしょう。ちなみにハプスブルグ家はこの結婚で大きく領土を広げることになりました。絵の話に戻りましょう。エジプト・アレキサンドリアの知事コンストゥスの娘だった聖カタリナは名声、富、容姿と知性に恵まれていましたが、キリスト教の隠者から「その方(キリスト)の美は太陽の輝きよりも勝り、知性は万物を治める。富は世界の隅々にまで広がっている」と諭されて、自分の結婚相手にふさわしい人物はキリストということを自覚するようになります。そして、彼女は幻想のなかで天国に行き、キリストと婚約することになります。この中央のパネルはその場面を描いたものです。したがって、この祭壇画には『聖カタリナの神秘の結婚』という副題が付けられています。それにしても、この天国のシーンでの女性たちがみな美しいですね。メムリンクの素晴らしい筆さばきです。

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左翼のパネルには洗礼者聖ヨハネが斬首された場面が描かれています。

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右翼のパネルには福音書記者聖ヨハネが流刑先のパトモス島で黙示録を書き終えた後、天国を見に行った様子が描かれています。そこには神を讃える4つの生き物と24人の長老がいたそうです。

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左翼のパネルの裏面は閉扉時に見られるものですが、ここには聖ヒエロニムスとパドヴァの聖アントニウス、2人の寄進者アントニオ・セーヘルスとヤコプ・デ・ケウニンクが描かれています。

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右翼のパネルの裏面も同様に閉扉時に見られるものですが、ここには聖アグネスと聖クララ、2人の女性寄進者アグネス・カセンブロードとクララ・ヴァン・フルセン(聖ヨハネ施療院の看護人と婦長)が描かれています。

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聖ヨハネ施療院のシンボルとしてメムリンクに委嘱した絵画ですが、本当に素晴らしい出来栄えの作品です。この作品を見ずして、メムリンクは語れません。

次は《マールテン・ニューエンホーフェの二連画》です。左翼にはとびっきり美しい聖母マリアが描かれています。マリアはイエスにリンゴを渡そうとしています。リンゴは人類の救済、すなわち受難の象徴だそうです。イエスが新たなアダムとしての役割を担って、自らを犠牲にして原罪を消し去るということです。右翼にはこの二連画の寄進者マールテンが描かれています。右の窓のステンドグラスには聖マルティヌスが描かれています。聖マルティヌスはマールテンの守護聖人です。
この二連画はのちにブリュージュ市長となったマールテン・ファン・ニューエンホーフェが23歳のとき、信仰の証しとして寄進したものです。なお、背景に描かれているのはブルージュの愛の湖Minnewaterだということです。まさにこのブルージュゆかりの作品です。

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次は《若い女性の肖像》です。女性は両手を額縁に置いているように見えますね。だまし絵の技法です。

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これでメムリンクの6作品すべてを見ることができました。メムリンクの素晴らしさを堪能しました。なかでもベルギー7大秘宝の一つとされる《聖ウルスラの聖遺物箱》、それに《聖ヨハネ祭壇画》の素晴らしさはどうでしょう。大変、素晴らしい作品を楽しめました。

いやぁ、半端じゃない暑さです。ホテルで休憩しましょう。市街の中心にあるホテルは助かります。もうチェックインの時間です。ホテルのレセプションでは先客がいますが、すぐにチェックインできます。

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早速、部屋に入ります。カナルビューの部屋を予約しておきました。運河に面した素敵な部屋です。窓からは運河が見下ろせます。

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使いやすそうなデスクです。壁には雰囲気のよい絵が架かっています。

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ベッドの上から窓を通した外の風景が楽しめそうです。

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2つの窓から風景を楽しめます。

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水回りもチェック。依頼しておいた通り、ちゃんとバスタブがあります。

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窓の外、左のほうには、市庁舎の裏の建物が見えています。

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運河を見下ろします。右手前には運河クルーズの乗り場が見えます。先ほど観光船に乗ったところです。

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部屋にいながら、ブルージュの景色が楽しめます。窓を全開し、小さな扇風機を最強にしてベッドに横になっていたら、眠り込んでしまいました。気持ちのよい午睡です。部屋の窓から運河を見おろしながら、惰眠をむさぼります。じっとり汗ばんで目覚めました。本当に暑いです。
配偶者は、とりあえずお洗濯、saraiはせっせとブログ書き。
夕方を過ぎても一向に暑さは尋常ではありませんが、夜7時半ころになったので、食事にでかけることにします。



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ブルージュ散策:今日も飽きずにムール貝とベルギービール

2015年7月1日水曜日@ブルージュ/10回目

ブルージュで最初の夕食に出かけます。ガイドブックで色んなレストランにあたりを付けていましたが、ホテルから遠くに出かけるのも面倒なので、近くのレストランに行くことにします。先ほど運河クルーズのために観光船乗り場に行きましたが、そのときに目を付けていたレストランです。ハイデンフェッテルス広場Huidenvetterspleinにあるブラッセリー・モーツァルトハウスBrasserie Mozarthuysという海鮮料理店。あたりはまだまだ明るい日差しです。すぐ近くに魚市場があります。市庁舎Stadhuisのあるブルグ広場Burgからは運河の橋を渡るとすぐのところです。地図でブラッセリー・モーツァルトハウスの場所を確認しておきましょう。

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レストランのテラス席に腰を落ち着けて、まずはベルギー・ビール。これが癖になっています。美味しいですからね。ヨーロッパの他の国ではsaraiは白ワインしか飲みません。

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広場の向かいには煉瓦造りのオテル デュ ドゥ ブルゴーニュHotel Duc De Bourgogneが建っています。

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広場にはテラス席がずらっと並んでおり、多くの人達で賑わっています。

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レストランの窓にはモーツァルトの顔のロゴマークが見えます。実は、このレストランはその昔はホテルだったそうで、モーツァルトが7歳のときに始めた3年にわたる演奏旅行でのロンドンからの帰途、このブルージュで泊まったホテルです。この旅行はモーツァルト一家の旅でした。旅の目的はモーツァルトの演奏を各地で披露することでした。天才少年モーツァルトの評判は大変なものだったようです。先週訪れたオランダのハーレムHaarlemの聖バフォ教会Grote of Sint-Bavokerkで10歳のモーツァルトがパイプオルガンを弾いたのもこの旅の途中でした。

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昨日のゲントのレストランでの美味しさが忘れられず、今日の料理もまたまたムール貝にします。2つかい?と聞かれ、いやいや2人で1つと言うと、日本語で「分けるの?」と言われびっくりです。こんにちは、さようなら、ありがとうなどは、もう世界中で知られている気がしますが、分けるという言葉も教えられたのですね。これはありがたいです。どう考えても、日本人には量が多すぎます。周りでは、皆さん1人で1つの鍋と向かい合っていますけどね。

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やがて、鍋にいっぱいのムール貝と添え物のポテトが運ばれてきます。

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この店のスタッフはお勘定という言葉も知っていました。彼の話では、このブルージュを訪れる日本人の観光客はとっても多く、写真を撮りまくっているそうです。でも、今日は日本人は我々以外に1組だけです。日本の観光シーズンは終わったのかな。ところで、今回はブルージュ・ビール蒸しにしてみました。苦味がありこれまた美味しいのですが、スープはナチュラルのバター味が美味しいです。

大満足でホテルに戻りますが、まだまだ暑い! 後で聴いたところでは、ヨーロッパ中が暑かったそうで、パリはこの夏最高の気温39度を記録したそうです。そのパリも、1週間後に訪れる頃には気温が20度に下がるのですから天候は分からないものです。
ホテルへの途中、運河越しにマルクト広場Grote Marktに立つ鐘楼Belfortが見えます。夕暮れの運河の水面には周りの建物が映り込んで綺麗です。

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ウォレ通りWollestraatを歩いてホテルに向かいますが、通りの先には鐘楼が見えています。

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通り沿いのカフェの壁には、ベルギーワッフルの看板飾りのようなものがぶら下がっています。

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これがホテルへの路地の入口です。分かりにくいんです。一応、小さな案内板はあります。

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これがホテルへの路地です。

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路地の一番奥の左側の切妻屋根の建物がホテルです。

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路地の奥は運河にぶつかります。そこからの運河の眺めです。正面の建物はオテル デュ ドゥ ブルゴーニュです。その裏がレストランのあったハイデンフェッテルス広場です。鏡のように建物が映り込む水面の美しさに思わず、息を呑み込みます。

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運河の美しい眺めに目を奪われます。

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こちらは市庁舎の建物に沿った運河です。

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部屋に戻り、ひとっ風呂浴びてさっぱりします。ブログを書いているうちに、ようやく陽が沈みます。ちょっとライトアップされた街並みを見てきましょう。まだまだ暑いですね。通りに出るとライトアップされた鐘楼が見えます。マルクト広場に行ってみましょう。

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マルクト広場に出ます。州庁Provinciaal Hofの建物が明るく輝いています。

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鐘楼も明るく輝いています。

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広場の周りには、切妻屋根のギルドハウス風の建物が並びます。広場の中央の銅像のまわりには、涼を求めて夜景を楽しむ人たちが座り込んでいます。

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州庁の明るく輝く建物を見ながらマルクト広場を後にします。

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ホテルに戻り、入口の前から運河の夜景を眺めます。運河もライトアップされて美しいです。

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部屋の窓からも運河の夜景を楽しみます。暗い水面に運河沿いの建物が映り込んでいます。幻想的な風景に魅了されます。

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さあ、今日もよく遊びました。でも、休養にもなったかな。おやすみなさい。

明日は北海に面したオステンドOostendeの近くの小さな町にあるポール・デルヴォー美術館を訪ねます。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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