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無事到着!デュッセルドルフはシューマンの街

成田をちょっと遅れて離陸した飛行機は何とスターウォーズ仕様のB787です。機内の照明をカラフルに点滅するデモンストレーションで乗客を驚かせます。ANAもようやく庶民にもスパークリングワインをふるまうようになったのが大進歩です。この7月からの限定サービスとのことですが、もちろん、今後も続けますよね。→ANA殿 それと機内でWIFI接続してみると、インターネット接続は有料です。国内線も無料なのだから、国際線も是非、無料にしてね。いかに格安料金としても、それなりの料金を払っていますからね。
スパークリングワインで朦朧としているうちにすぐにヨーロッパです。デュッセルドルフは小雨模様ですが、そのスターウォーズ仕様の機体を雨粒の付いた窓越しにパチリ。STARはちゃんと見えていますが、その下のWARSは隠れて見えていません。

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デュッセルドルフ空港は初めてなので、市内への鉄道での移動はかなり、手こずりましたが、何とか中央駅の駅前のホテルにチェックイン。早速、街に繰り出します。目的はロベルト・シューマンとクララ・シューマンが最後に暮らした家を見ることです。地下鉄で旧市街の中心に出て、ハインリッヒ・ハイネの家、デュッセルドルフの名物のマスタードのお店に寄って、そして、遂にシューマン・ハウスを探し当てます。3階建ての大きな家です。

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晩年のシューマンは病に冒されて、悲惨でしたが、裕福な暮らしをしていたのですね。シューマンの死後はこの家の維持ができずにクララはデュッセルドルフのもっと小さな家に移転したそうです。この大きな家だから、シューマンを訪ねてきた若きブラームスを1か月も居候させることができたことがよく分かります。
さて、このシューマン・ハウスを見ながら、PCを開いて、ロマン派を代表する傑作、シューマンのピアノ協奏曲をヘッドフォンで聴きます。もっとも、この曲はドレスデン時代の作曲でしたよね。まあ、ロベルトが作曲して、クララが演奏した名曲ですから、この二人が最後に暮らした家の前で聴くのもよいでしょう。クララ・ハスキルの素敵なピアノにオッテルロー指揮ハーグ・フィルが熱いオーケストラ演奏をした実にロマン濃厚な演奏を聴きました。

シューマンはこの家から近くのライン川にカーニバルの日の雑踏の中を歩き、投身自殺を図りました。未遂に終わりましたが、その後、精神病院に入り、その一生を終えました。最後にライン川も見ておきましょう。このライン川のボートを並べた橋の真ん中から身を投げたそうです。ハスキルのピアノ協奏曲の演奏はまだ続いています。いたわしくて、涙が出そうになりますが、その音楽の素晴らしさにも圧倒されます。

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旧市街に戻り、ハイネ・ハウスのお隣のビアハウスのテラス席で冷たくなった夜風に吹かれながら、ドイツ料理と美味しいビールをいただきました。

思い出に残るデュッセルドルフになりました。

明日はデュッセルドルフのK20州立美術館を駆け足で見て、遠路、ザルツブルクまで鉄道移動します。



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ドイツ人の良心の証し:K20州立美術館 in デュッセルドルフ

あくまでもザルツブルクへ行くためのトランジットとして降り立ったデュッセルドルフですが、今日は早、二日目。念願のK20州立美術館に行きます。朝10時に開館ですから、結構、ゆっくりした朝になります。ヨーロッパ到着の昨日は長い1日でしたから、朝ゆっくりというのは助かります。昨夜、早くから寝ていた配偶者は朝の4時過ぎに起きて、後に書くブログ詳細編の元ネタ書きにいそしんでいたそうです。ホテルの充実した朝食を摂って、いざ出陣。昨日の旧市街散策と同じルートですから、勝手知ったるところで、ちゃっちゃとUバーンの最寄り駅、ハイネ大通り駅に到着。歩いてすぐ、K20州立美術館のモダンな建物があります。開館20分前に到着。美術館の前は緑の鬱蒼とした公園があります。ホーフガルテンです。ひとしきり、野鳥の多い公園を散策。メンデルスゾーンやシューマンの銅像がありました。メンデルスゾーンも一時、このデュッセルドルフの音楽監督をやっていたんですね。
美術館の開館と同時に入館。レセプションのスタッフの女性に確認すると、1階は特別展、2階が常設展です。もちろん、まっしぐらに2階に上がります。はいったエントランスロビーで真っ先に目に飛びこんできたのはパウル・クレーの作品です。展示室に入ると、クレーの膨大なコレクションに圧倒されます。それもクレーの中でも選りすぐりの作品群です。ベックマン、キルヒナー、マルク、カンディンスキーなどの、ナチスご指定の退廃芸術作品もずらっと並んでいます。これは敗戦後のドイツ人の良心の証しとして、再収集された作品だそうです。ドイツは戦後、色んな意味でみそぎをしてきました。同じ敗戦国として、ドイツを見習うべきことが多いと思っていますが、必ずしも日本がそういう方向に向かっているように思えないのはとても残念だと常々、感じています。
ともあれ、この美術館にはsaraiと配偶者には、とても美味しい作品ばかりが並んでいます。これほど質の高い作品を所蔵する美術館を見たのはアムステルダムの市立美術館以来です。大変、感銘を受ける作品ばかりでした。その中でもこの1枚と言える作品をご紹介しましょう。
saraiのこの1枚はこれ。クレーです。クレーの底知れぬ才能が発揮された1枚です。

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配偶者のこの1枚はこれ。やはり、クレーです。どうやって描いたのか、分からないというのが配偶者の弁。確かに見たことのない路線のクレー作品です。

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結局、1時間ほどで見終えました。重要な作品はすべて写真に収めたので、いずれ、当ブログで大公開します。多分、まだ、日本語のサイトでこの美術館の詳細な紹介はされていない筈ですから、20世紀ヨーロッパ美術に関心のある方はご期待ください。まさに選りすぐりの作品ばかりです。

とってかえして、デュッセルドルフ中央駅からミュンヘン中央駅行のICEに乗ります。これはANAの鉄道乗り継ぎですから、無料です。ただし、座席予約だけは有料。二人で9ユーロ。ケルン・メッセ駅、フランクフルト空港駅、フランクフルト中央駅、ヴュルツブルク中央駅、ニュルンベルク中央駅を経由して、ミュンヘン中央駅に到着。ここまで約5時間。ICEは少し遅れてミュンヘンに到着しましたが、勝手知ったるミュンヘン中央駅ですから、さっとザルツブルクに向かうレールジェットに無事に乗り換えて、ザルツブルクには定刻で到着。合計7時間の長い鉄道の旅でした。

明日からはザルツブルク音楽祭を楽しみます。その前に明日、一緒に公演を聴く大学時代の友人夫婦と合流し、シュティフツケラー・ザンクト・ペーターのレストランで旧交を温めつつ、美味しい食事とワインを共にしました。彼らはちょうどヨーロッパの旅に同じ時期に来ることを聞いたので、音楽祭をご一緒するのを誘ったところ、saraiの提案に乗ってくれたんです。夜も更けてきたところでお別れして、明日の音楽祭への気持ちを高めあいました。

saraiは明日は午前、午後、夜と3つの公演を聴くという強行軍です。ムーティ指揮ウィーン・フィル演奏会、オペラ《ポッペアの戴冠》、そして、今回の超目玉、クルレンツィス指揮ムジカ・エテルナのベートーヴェンの交響曲第9番という豪華ラインアップです。

さあ、早く寝て、明日に備えましょう。



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ザルツブルクを離れて

昨日までの怒涛のような4日間のザルツブルク音楽祭を終えて、ザルツブルク中央駅から、ミュンヘン行きのレールジェットに乗ったところです。車窓に流れる景色はほんの5日前に見たばかりのものです。車窓を眺めるのが趣味の配偶者も今はPCの画面を見つめています。これから、ミュンヘン中央駅でドイツ国鉄のハンブルク行きのICEに乗り換えて、ハンブルクからはさらにリューベックまで、合計9時間の長距離移動です。ザルツブルク中央駅では、ファーストクラスの乗客の特権でオーストリア国鉄のラウンジで朝ご飯(超簡素)をいただきながら、レールジェットの発車時間を待ちました。ドイツ国鉄も同様のラウンジが主要駅にあるようですが、ほとんどは現在改修中で使えません。今や素晴らしかったドイツ国鉄のサービスはオーストリア国鉄のサービスよりも劣っている感じですね。

これから、最終的にフランクフルト空港から帰国するまではドイツ国内の旅を続けます。今日はリューベック到着後、とりあえず、旧市街散策を敢行する予定です。



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ミュンヘンでICEに乗り換えて、ハンブルクへ

無事にレールジェットはミュンヘン中央駅に到着。ここでハンブルク行きのICEに乗り換えです。ハンブルク行きのICE588はブレーメン行きのICEと連結しており、ホームを1編成分、歩かされて、ようやく、予約車両に到着。何故か予約席には予約のマークが点灯していません。どうやら、先日の遅延お知らせと関係しているようで、遅延区間を含む予約はすべてキャンセルされたようです。さらに新規予約も受け付け中止のようです。幸い、我々が予約していた席はオープン席になっていて、先に座っている人もいません。予約のときは窓際2席が取れなかったので、むしろ、ラッキーです。ICEはミュンヘンを出ると、アウグスブルクに停車後、ロマンチック街道沿いにヴュルツブルクまで2時間も無停車です。すると、配偶者がもぞもぞと何か言い出します。何と、早くもランチが食べたいとのことです。ファーストクラスの特権として、注文した料理は席まで運んでくれます。リースリンクの白ワイン、カリーヴルスト、グーラッシュ(スープなし)を注文して、車窓の眺めを楽しみながらの早目のランチです。

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食後のカプチーノを追加注文して寛いでいるうちにヴュルツブルクが近づきます。マイン川の河岸の広大なワイン畑が見えてきました。saraiの大好きなフランケンワインの生産地です。



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リューベックの夕景の中の散策

ミュンヘンを出発したICEは順調に走りましたが、ハンブルクの直前でスピードダウン。結局、20分遅れの到着でリューベックへの乗り継ぎ予定電車には乗れず。次の電車はコペンハーゲン行きのEC(ユーロシティ)です。混雑が予告されていた電車です。ホームに行くと確かに大勢の乗客が電車のドアが開くのを待っています。どうやら、ハンブルク始発の電車ですね。比較的、人が少ない車両の前で待つと、ドアが開き、どっと乗客が乗り込みます。saraiたちも乗ります。席は結構空いているのですが、予約の表示ランプがついている席がほとんどです。何とか、予約なしの席を確保。少し遅れて発車した電車は快調に走り、当初の予定到着時間の30分遅れくらいでリューベック中央駅に到着。何とも威厳のある駅舎を眺めながら、旧市街のあるトラヴェ川の中洲に歩きます。思ったよりも歩くと結構、距離があります。有名なホルステン門を通り過ぎて、トラヴェ川を渡ると、そこに今日のホテルがあります。ホテルの女将いわく、あなたのために4階のリバービューで眺めがよく、バスタブ付きの部屋を用意しといたわよってことです。パーフェクトと言うと、にこっと笑った顔が何とも愛嬌がありました。
荷物を部屋に置くとすぐにリューベックの旧市街散策を開始です。夕刻になり、日中の暑さはありません。トラヴェ川を皮切りに町歩き開始。綺麗な路地の向こうに聖ペトリ教会の尖塔が聳えています。

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大聖堂の2本の尖塔も印象的です。

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聖エギディエン教会、ヒュシシュトラーセのウィンドウショッピング、カタリーネン教会、ウィリー・ブラント・ハウス、ヤコビ教会、聖霊養老院を見て歩きます。立派な教会の建物が多いのに驚きます。いかにハンザ同盟の中心地として、この地が栄えた証しなのでしょう。ここで配偶者のご推奨のレストラン、カルトトッフェルケラーで夕食にします。名前の通り、ジャガイモ料理が美味しい店です。配偶者はドイツのジャガイモが大の好物なんです。ラインガウの白ワインとスイス風のパンに盛った料理を美味しく、いただきました。
夕食後は薄暗い町の中を船員組合の家「シッファーゲゼルシャフト」を見て、その横の路地を下りていきます。趣のある通り抜け(ドゥルヒガング)、ベッカーガングを歩きます。宵闇に包まれた幻想的な空間です。

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リューベックの宵闇の空に輝く半月もマリエン教会の尖塔とともに美しい光景を形作っていました。

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暗い川面のトラヴェ川沿いにホテルに戻ります。町の門、ホルステン門が暗い闇に浮かび上がっています。

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明日はまた、リューベックを散策し、聖ペトリ教会の塔からの旧市街の眺望、それにトラヴェ川・運河のクルーズを楽しむ予定です。一段落したら、ハンブルクに移動して、軽く町歩きしましょう。



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リューベック散策~ハンブルクの港

昨夕に引き続き、リューベックの旧市街の散策を続けます。朝はゆったりとホテルの朝食をいただき、チェックアウトして、レセプションで荷物を預かってもらいます。ホテルを出ると、目の前はトラヴェ川です。早速、トラヴェ川クルーズ船乗り場へ直行して、朝10時の第1便に乗り込みます。昨夕散策した風景を船の上から復習します。クルーズ船はやがて、中洲にある旧市街を離れて、トラヴェ川を下っていきます。橋にぶつかったところでUターンして、また、旧市街方向に戻ります。中洲までやってきたところでトラヴェ川を戻っていくのではなく、トラヴェ運河に入っていきます。先ほどのトラヴェ川とは逆サイドから中洲の旧市街を眺めながら、クルーズ船は進みます。かなり狭くなった運河をぎりぎりに抜けていきます。大聖堂を間近に見るあたりで、急に日が差してきます。

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朝方はどんよりと曇っていたんです。最初の乗船場所のあたりは聖ペトリ教会の尖塔、マリエン教会の2本の尖塔が見えて、美しい風景が広がっています。リバークルーズを終えて、聖ペトリ教会の尖塔に上ります。エレベーターで昇れるので楽ちんです。塔の上からのリューベックの絶景に歓声を上げます。すべてが視界に収められます。赤い三角屋根の家々の連なりはとても美しいです。

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次はマルクト広場に行きます。特有の色彩の市庁舎の建物に感嘆します。ここで一服。市庁舎の1階にあるカフェでマジパン入りのトルテをいただきます。アーモンドの粉を練りあげたマジパンはこのリューベックの名物です。とても美味しいので、向かいにあるマジパン専門店でお土産にマジパン各種を購入。さあ、散策を再開します。次は町一番の教会、マリエン教会です。ゴシック様式の美しい教会です。saraiはこの教会のパイプオルガンを弾くブクステフーデに感銘を受けて、毎日、バッハが通い詰めたという昔話が気になります。きっと教会のショップでこの教会のオルガンのCDがあるだろうと期待していたら、膨大に置いてあります。ブクステフーデのオルガン全集は7枚シリーズです。決して安くはないので、記念にその中の1枚をゲット。満足です。教会を出て、次の通りにあるトーマス・マンゆかりのブッデンブロークハウスを外から拝見。この通りにはファサードの美しい建物が並んでいます。次に向かったのはカタリーネン教会です。ここは今日は休館でした。ティントレットの絵を見られずに残念。昨日見つからなかったギュンター・グラス・ハウスは発見しますが、これも外から拝見しただけ。このリューベックはトーマス・マンとギュンター・グラスという二人のノーベル文学賞受賞者を輩出しています。最後はホルステン門を間近に見て、リューベック散策は終了。

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直ちにハンブルクに移動して、中央駅前のホテルにチェックイン。今日はとりあえず、ハンブルク港見物に出かけます。ハンブルク港の遊覧船でハンブルクの港の凄さをたっぷりと拝見。最近できたエルプ・フィル(旧北ドイツ放送交響楽団)の本拠地、エルプ・フィルハーモニーの超モダンな建物を遊覧船から見て、ビックリです。

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その後、ハンブルク港の地下トンネルを見学。対岸の埠頭までエルベ川の下を歩けますが、途中で切り上げて、戻ります。ここが切り上げたトンネルの真ん中のあたりです。

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最後は港に展示してある旧ソ連のタイフーン級の潜水艦の内部を探索。艦尾から艦首まで内部を歩きました。大きいのに通路は狭いですね。

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小説の中で読んだことを思い出します。saraiには凄い体験になりました。

明日はいよいよ、リューネブルガーハイデにエリカの花を見に行きます。



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北ドイツのエリカ街道~メルヘン街道を1日周遊

怖いくらい、旅が順調です。と思っていたら、つい、鉄道チケットの自動販売機で間違ったチケットを買ってしまって、ちょっとした損害。まあ、これくらいは旅の税金みたいなものと割り切ります。

今日はリューネブルガー・ハイデにエリカの大群落を見に出かけます。まずはハンブルク中央駅からトシュテット駅までREで30分ほど移動。トシュテット駅前で無料のハイデ・シャトルバスを何とか見つけ、乗り込みます。RING2というルートでウンデローを目指しますが、乗客はsaraiと配偶者の二人だけ。おいおい、大丈夫かと思っていたら、途中の鉄道駅から団体が乗り込んできて、バスはいきなり、満員! ウンデローに到着すると、その団体もどっと降ります。また、バスはほぼ空っぽ状態で走り去ります。バス停のすぐ横に馬車屋さんがあり、ヴィルゼーデまで13ユーロと書かれています。ちょっと悩みつつ、通じない英語で交渉しますが、そう問題はなかろうということが分かり、2頭立ての大型馬車に乗り込みます。これも先客は二人だけと思っていたら、すぐに団体客の貸し切りバスが到着し、我々の馬車(23人乗り)はおろか、もう一台の馬車も満員になります。どうやら、我々は予約なしの最後の2席を割り当てられたようです。馬車は村の中の舗装道路から、すぐに石畳と砂地が平行する道路にはいり、ゆらゆらと揺れます。馬車から転げ落ちないようにしながら、ヴィルゼーデを目指します。

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途中、エリカ(ドイツ語ではハイデHeide)の群落を見ながら進みますが、まあまあ、ピンク色に染まっています。ヴィルゼーデに到着し、自由行動。御者と珍妙なやりとりで、自由時間が40分と短いことが判明。置いていかれると、歩いて帰るか、別の馬車を探すか、しないといけません。本当はヴィルゼーダベルグの丘の上まで歩こうと思っていましたが、今年はその周辺のエリカの開花状況はもうひとつという情報があったこともあり、時間的に行くことは無理だと判断して、トーテングルンドのほうに向かうことにします。何とか20分ほどで絶景スポットからの見渡す限りのエリカを見ることができて、大満足。

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馬車のウンデローへの出発にも間に合いました。馬車は帰る途中で脇道に入ります。あれっと思っていたら、エリカが満開の大群落の前に出ます。大サービスですね。

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ウンデローには12時過ぎに帰着。自由時間も入れて、往復2時間ほどでした。楽ちんのエリカ見物でした。ウンデローからは2時過ぎのハイデ・シャトルバスに乗るので、それまではウンデローのエリカ散策をしましょう。ホテル&レストランのハイデローゼHeiderose前から始まる7.2㎞と4.8㎞のエリカ探索路を歩きます。ここは無理をせず、短いほうの4.8㎞を歩くことにしますが、途中まではコースは重複しており、短いコースは途中でショートカットするようになっています。歩いて見るエリカはまた趣が違います。広大なエリカの野原に驚きながらの散策でした。

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今年は猛暑と乾燥で枯れたエリカも多いそうですが、結構、咲いていました。例年の様子は分かりませんが、咲き具合はともかく、これほどのエリカの群落がどこまでも、どこまでも広がっていることに驚愕します。ドイツっていう国はまだまだ未知の部分が多いですね。短いほうのコースを選んだにもかかわらず、散策を終えたのはシャトルバスの発車時間の間際。お茶する時間もなく、バス停近くのパン屋さんで甘いパンとオレンジジュースを仕入れるだけに留まります。バスを待っているとインドネシアのおばさんに声をかけられます。そういえば、ここではアジア系の人はまったく見当たりませんでした。アジアの人間同士のよしみで声をかけてきたようです。シャトルバスに乗ると、もう一人、アジア系の女性がいます。彼女は上海から来たそうです。何となく、アジアの連携ってあるんですね。
さて、ルートRING3のシャトルバスで今度はブッフホルツ駅で下車。バスターミナルが線路を挟んで、反対側でちょっと離れていたので、戸惑いつつ、途中で現地の人に確認しながら、無事に駅に到着。駅で正しいチケットを買い直します。ニーダーザクセンチケットというバイエルンチケットのようなものです。間違って買ったチケットは払い戻しできないそうで残念。最初から、この駅でチケットを買うことにしていればよかったと臍を噛みます。さて、ここからはハンブルクとは逆方向のブレーメンに向かいます。40分ほどで到着。凄く立派な駅なのでびっくり。駅構内にあるツーリストインフォメーションでERLEBNISカード(ブレーメンカードのようなもの)を購入し、旧市街までのトラムでの行き方を教えてもらいます。4番か6番のトラムでドームシャイデDomsheideの停留所で降りればいいそうです。駅前から6番のトラムに乗ったら、逆方向に進むので、慌てて最初の停留所で飛び降りて、逆方向のトラムに乗り直し、問題なく、旧市街の中心に到着。ちょっと歩くとマルクト広場に出ます。えらく古びた市庁舎とリープフラウエン教会を見て、驚愕。凄い建物ですね。さらにちょっと周り込むと聖ペトリ教会の高い塔が見えます。このファサードも凄く古びています。中世にタイムスリップしたような空間が広がっています。リューベックとはまた違う形で見る価値のある町ですね。そこから、ベットヒャー通りに入ります。中世を模して造られた100mほどの路地ですが、驚くような空間が広がっています。その路地の先にこの路地を造ったコーヒー商人ロゼリウスの家があります。これが最初の目的地。内部は美術館のようになっていて、数点のクラナッハの作品と作者不詳の古い絵が飾られています。ちゃっちゃっと鑑賞して、外に出ると、人だかりがしていて、みな上のほうを眺めています。上を眺めると・・・なーんにもありません。えっと思っていると、配偶者が上のほうを指さして、マイセンの鐘よって言います。ドレスデンのマイセンの鐘のようなものが屋根と屋根の間に取り付けられています。

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ちなみにこの家はツーリストインフォメーションです。駅だけでなく、ここにもあるんです。ちょうど5時なので、そのマイセンの鐘(グロッケンシュピール)の演奏が始まります。ずい分、長い間、色んな曲が流れます。本当にあの鐘が鳴っているのかしら。まるでスピーカーで再生した音を流しているみたいです。さて、もう一度、マルクト広場に戻って、ちゃんと周りの建物や広場の銅像を鑑賞します。左が市庁舎、右が聖ペトリ教会です。

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まだ、聖ペトリ教会が開いているので内部を見学しましょう。3廊式のゴシック様式の素晴らしい空間です。ステンドグラスが新しくなっているのだけが残念です。戦争で破壊されたのでしょうか。後で調べてみましょう。塔にも上れるようですが、エレベーターがないようなので、上るのは止めます。市庁舎の建物の一角にはブレーメンの音楽隊の銅像がひっそりと建っています。観光客のフォトスポットとして大人気です。

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さて、一通り、マルクト広場を見回ったところで、最終コースは食い気です。評判のレストラン、市庁舎の地下にあるブレーマー・ラーツケラーで食事です。はいってみるとまだ時間が早いのか、ガラガラです。ワインが売り物だけあって、メニューにはワインリストが豊富です。ラインガウのリースリンクの白ワインを選びます。これは美味しい。北海の舌平目のバターソテーは高いけど、美味でぺろっといただきます。配偶者の鱈のサフランソースも大変美味しく、このレストランは当たり!と言うことで意見が一致です。さあ、ハンブルクに帰りましょう。ゼーゲ通りのブタ飼いの銅像を探しまくって、何とか見つけ、そこからトラムで駅に直行。ハンブルクまでの1時間強はワインがはいっていたのでぐっすりです。今日も一日、充実していました。

明日は1日、ゆっくりとハンブルク観光です。市立美術館さえ見れば、あとはこだわりはありません。



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ハンブルクの1日

今朝はゆっくりと起き出して、日本から持参したアマノの味噌汁を朝食代わりにいただきます。軽くて美味しくて手軽で旅のお供に最適です。雲一つない快晴の中、中央駅の横にあるハンブルク市立美術館にぶらぶらと歩いていきます。荷物をコインロッカーに預けて、カメラ一つの手軽さで鑑賞開始。まず、地下の特別展示室を覗きますが、何故か、フリードリヒが数点あっただけ。東北大震災の津波の惨状の写真が数点あったのが印象的でした。
2階が常設展示室です。この美術館の目玉はパウル・クレーの《金色の魚》。本当にクレーの才能に満ちた作品です。暗めに抑えられた色彩感が素晴らしいです。誰も人がたかっていないのも凄いです。

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今回の旅はクレーに縁のある旅になりました。
カンディンスキー、マルク、マッケ、ヤウレンスキーなどの青騎士の作品、ブーダン、モネ、マネ、シスレー、ルノワール、ドガ、ゴーギャンなどの印象派やセザンヌ、コロー、クールベ、ミレー、テオドール・ルソーなどのフランス絵画、リーバーマンのドイツ印象派作品、マグリット、デルヴォー、クノップフなどのベルギーの作品、レンブラント、ルーベンスを始めとするオランダ・フランドル絵画、ミレイ、ロセッティなどのラファエル前派やバーン・ジョーンズ、ムンク、クラナッハ、ベックマンやキルヒナーやノルデのコレクションも充実、配偶者の大好きなボッシュも1点、ホドラー、アンリ・ルソー、ドニ、ルドン、ドーミエ、ドラン、ピカソ、ロートレック、ダリ、ヴラマンク、ヴァン・ダイク、ベックリンなど錚々たる画家たちの作品が並んでいました。これだけ並べると、ちょっと展示がごたついていたのも仕方がないのかもしれません。
フリードリヒの『雲海の上の旅人』がベルリンに貸し出し中だったのは残念。とても楽しみにしていた作品でした。やはり、フリードリヒはベルリンで見ろというご託宣でしょうか。
これだけを2時間ほどで見て回り、くたくたになりました。いずれ、ハンブルク市立美術館の詳細な記事をアップする予定です。

さて、疲れたのでお茶しましょう。美術館のカフェでは寂しいので、運河沿いの赤レンガ倉庫の一角にあるヴァッサーシュロス(水の城)という紅茶専門カフェに行きます。ハンブルクの赤レンガ倉庫を見ると、我が横浜の赤レンガ倉庫が貧弱に思えてしまいます。

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ダージリンとアッサムのほか、軽いランチをいただき、満足。疲れも取れました。聖ミヒャエル教会に行くと、ちょうど、巨大なパイプオルガンでベートーヴェンの交響曲を演奏中。美しいバロック様式の教会内部を見ながら、演奏を楽しみます。

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演奏が終わったので、エレベーターで塔に昇ります。100m以上の高さからのハンブルクの絶景を楽しみます。内・外アルスター湖やハンブルク港の景色が素晴らしいです。一昨日、間近に見たエルプ・フィルハーモニーの超モダンな建物、先ほど見た赤レンガ倉庫群がすべて見渡せます。エルベ川、運河の景色も素晴らしいです。

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市庁舎の塔も見えます。教会を出て、市庁舎に行き、そのネオ・ルネッサンス様式の建物を堪能。強い夕日を背後から浴びながらの雄姿です。

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そこから、レストランに予約を入れます。一昨日、行ってみたら臨時休店していたお魚料理のお店に再挑戦。今日は大丈夫。窓から運河の風景が眺められるお店のテーブルで食べた、ハンブルク名物のラブスカウス(コーンビーフとマッシュポテトを練り合わせたもの)、新鮮なニシンの酢漬け、それに半ダースの生牡蠣は絶品でした。フランケンのリースリンクの白ワインも美味しかったしね。
余裕の1日を過ごしました。ハンブルクは一昨日の港探訪を合わせて、十分に満足しました。

明日はまた、1日、鉄道でバイロイトに移動します。音楽三昧の第2幕の開演です。ティーレマンの《トリスタンとイゾルデ》、ビシュコフの《パルジファル》はsaraiのワーグナー体験の頂点となるでしょう。



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バイロイトで早速、ワグナーのお墓参り

ハンブルクから出発するICEの発車時刻が30分以上も早まるというドイツ国鉄からのEメールが来て、朝、急いで中央駅に行くと、そのICEが電子掲示板の一覧に見つかりません。ホームをすべて見回ってもそれらしいものがありません。よくよくチケットを見ると、出発時間を1時間も誤認していました。結局、当初の予定よりも1時間半以上も早く来てしまいました。旅も日を重ねるにつれて、だんだんミスが増えてきます。気を引き締めないとね。1時間も余裕ができたので、駅構内のレストランで朝食をいただきます。ゆっくりと朝食を済ませ、もう一度、電子掲示板を見にいくと、今度はちゃんと乗るべきICEの表示があります。
今日は鉄道で6時間半かけて、 バイロイトに大移動です。まずはICEで5時間半、ニュルンベルクまで行きます。ハンブルク始発でファーストクラスですが、念のため、席の指定もいれておきました。と言ってもファーストクラスは席の指定料金は無料ですけどね。しかし、ICEは混みに混んでいます。指定を入れておいたお陰で窓際の向かい合わせの2席が確保できました。やはり、夏のバカンスシーズンは鉄道も混むんですね。日本のお盆の帰省列車のようです。インターネットは無料で快適に使えます。ICEの地図上での位置確認もできます。鉄道も飛行機並みのサービスですね。ICEは常に遅れ気味で走ります。一時は15分以上も遅れて、ニュルンベルクでの乗り換え時間をオーバーします。しかし、結局は最後に5分早くニュルンベルクに到着。余裕の乗り換えになりました。ここからはREで1時間でバイロイトです。予定通りの到着です。駅前からバスに乗って、バイロイトの旧市街近くのホテルに無事到着。なお、駅前でバスを待つとき、小高い丘の上にバイロイト祝祭劇場の姿が見えました。心躍るものがあります。
ホテルは夏季料金で馬鹿高いことを除けば、実に快適なホテルです。そうそう、旅している途中で、ホテルと祝祭劇場の往復の足が気になって、ホテルを変更したんです。このホテルは祝祭劇場との無料送迎シャトルサービスがあるんです。出かける前にお祝いのシャンパンも飲ませてくれるんだとか・・・。でも、超高い。このホテルはシーズンオフは激安の筈です。
ともあれ、無事にホテルにチェックイン。早速、初めてのバイロイトの町に繰り出します。まず、お目当ては今年、内部の改装が終わって、オープンしたばかりの辺境伯歌劇場です。建物が目立たずに町並みに溶け込んでいるので、ちょっと探してしまいました。内部の豪華さと言ったら、saraiの知る限り、ヨーロッパ随一です。

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ワーグナーも気に入って、自分の楽劇をここでやろうとしたくらいです。しかし、あまりの狭さに現在の祝祭劇場を自前で建てましたが、その建物の価値は変わりません。もちろん、この歌劇場は世界遺産に登録されています。ここでバロックオペラを見ると素晴らしいでしょうね。
次はワグナーのお墓参りです。明日からの祝祭劇場での楽劇の前に是非、お墓参りを済ませておきたかったんです。リヒャルト・ワグナー通りを歩いていくと、旗が立つ一画があります。かってのワグナーの住居であったヴァーンフリート荘です。並木道の奥にその建物は見えます。ヴァーンフリート荘の前に立ちます。銅像はワグナーのパトロンだったルードヴィヒ2世です。偉大な文化愛好家でした。

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建物の裏に周ると、噴水があがる小さな池があります。池越しにヴァーンフリート荘の裏側を眺めます。

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裏庭の奥にワグナーとその妻コジマのお墓がありました。お墓を周り込んで、お墓と二人が暮らしたヴァーンフリート荘を眺めます。

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妙に心にこみあげるものはありません。saraiが真のワグネリアンでないのでしょうか。ワグナー作品には無類の感動を覚えるんですが、ワグナーに対する感傷めいたものは持ち合わせません。ワグナーは決してマーラーとは異なります。今日のお墓参りに際して、お墓の前で音楽を聴くという準備もありません。ワグナーに対しては作曲家への偏愛は持たずに、作品の巨大性でのみ対峙すべきというのがsaraiの感覚です。ワグナー詣では明日と明後日の《トリスタンとイゾルデ》と《パルジファル》を聴くのが本筋と信じています。感傷のないお墓詣りを済ませて、後はバイロイト音楽祭にのみ、集中しましょう。



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ハイデルベルクはフルトヴェングラーの眠る町:聖霊教会

バイロイトでの素晴らしいワグナー体験で今回のヨーロッパ遠征も山を越えました。あとはゆっくりとヨーロッパの文化を味わいます。バイロイトから鉄道で、ニュルンベルク、シュトゥットガルトで列車を乗り換えて、4時間ほどでハイデルベルクに到着します。
ハイデルベルクと言えば、ドイツ最古の大学であるハイデルベルク大学やプファルツ選帝侯の居城であったハイデルベルク城などで知られています。もちろん、それらも今回の訪問の目的ですが、saraiにとっては世紀の大巨匠フルトヴェングラーが眠る町としてのハイデルベルク訪問が大きな目的です。お墓参りは明日の朝にして、今日は1954年11月30日にバーデン・バーデンで亡くなったフルトヴェングラーの葬儀が12月4日に行われた聖霊教会に真っ先に向かいます。聖霊教会は旧市街の中心のマルクト広場にあります。外観はゴシック様式の素晴らしい建物ですが、内部はゴシック様式を基本としつつも、元のカトリックから現在はプロテスタントの教会になったためか、あっさりした装飾になっています。saraiは主祭壇近くの席に座って、フルトヴェングラーの葬儀に思いを馳せます。PCにヘッドフォンをつなぎ、葬儀の際にオイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィルが演奏したモーツァルトの「フリーメイソンの葬送の音楽」を聴きます。演奏は葬儀で指揮したオイゲン・ヨッフムが指揮するウィーン・フィルです。ウィーン・フィルはベルリン・フィルと並んでフルトヴェングラーと深く関わったオーケストラです。深い味わいの音楽を聴きながら、フルトヴェングラーの霊に祈りを捧げました。

今日はここまでで十分なのですが、一応、ハイデルベルクの名所も周っておきましょう。カール・テオドール橋(アルテ・ブリュッケ)の上からのネッカー川やハイデルベルク城の絶景を眺めます。

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次にハイデルベルク大学の有名な学生牢を見学。壁に乱雑に描かれた文字や絵はデザイン的とも見えます。

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次にケーブルカーでハイデルベルク城に上ります。30年戦争やプファルツ継承戦争で廃墟のようになっていますが、その鄙びた姿がかえって素晴らしく感じられます。

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お城の展望台からの町の眺めも格別です。

最後にまたネッカー川にかかるカール・テオドール橋を渡って、シュランゲン小道の急坂を上って、哲学者の道に上がります。ここから眺める夕景は見事なものです。

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これでほぼハイデルベルクは見尽くしました。残りは一番大事なフルトヴェングラーが眠る墓地ベルクフリートホフだけです。



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ハイデルベルクはフルトヴェングラーの眠る町:ベルクフリートホフにお墓参り

フルトヴェングラーが眠る町、ハイデルベルク訪問にやってきて、昨日は葬儀が行われた聖霊教会に行きました。今朝は時折、小雨がぱらつく中、フルトヴェングラーが眠る墓地ベルクフリートホフBergfriedhofを訪れます。ビスマルクプラッツBismarkplatzで39番のバスに乗り継いで、アロイス・リンク・プラッツAlois-Link-Platzで降車。ここでまるで違う方向の道にはいってしまいましたが、地元の人に道を訊き訊きして、ようやく、墓地の通用門に到着。墓地内でもちょっと道に迷いますが、何とか、フルトヴェングラーのお墓に辿り着きます。お墓の隣には水道の蛇口とジョウロがあったので、まずはお墓を水で洗い流して、綺麗にします。そして、綺麗になったお墓の写真撮影。

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墓石の周りに刻まれている墓碑銘はNUN ABER BLEIBT GLAUBE,HOFFNUNG,LIEBE,DIESE DREI.(さあ、しかし、信仰・希望・愛の3つが残っていきます。)ABER DIE LIEBE IST DIE GROSSTE UNTER IHNEN.(しかし、愛がこれらの中で最も偉大なものです。) キリスト教の「コリント人への第一の手紙」の一節だそうです。いかにもロマンチストのフルトヴェングラーにふさわしい言葉ですね。

右隣の小さな墓石は5年前に亡くなったエリーザベト夫人のものです。

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左隣は母親と妹の墓石です。

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愛する女性たちに囲まれて、フルトヴェングラーも幸せですね。

何故か、お墓の前の通路を挟んだ向かいにはベンチがあります。このベンチに腰かけて、PCでフルトヴェングラーを偲ぶ音楽を聴きましょう。聴いたのは以下の録音です。

ワグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》から前奏曲と愛の死(全曲盤から編集しました)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管、キルステン・フラグスタート
1952年6月録音

愛と死をテーマにした音楽ですし、録音嫌いだったフルトヴェングラーが初めて、レコード録音の価値を認めた演奏なので、これを選びました。《トリスタンとイゾルデ》はバイロイト音楽祭で聴いたばかりだしね。
うねるような演奏はロマンの香りが高く、音楽の密度がどんどん濃くなっていきます。森閑とした墓地にその響きがしみ渡っていきます。ここに眠るフルトヴェングラーにも日本人のファンの気持ちが伝わったでしょうか。

これでお墓に別れを告げます。配偶者によれば、saraiは極度の興奮状態にあったそうです。そうかもしれません。

これでハイデルベルクでやるべきことは終えました。今度は迷うことなくアロイス・リンク・プラッツのバス停に戻り、39番のバスでビスマルクプラッツに行き、そこからはハウプト通りを散策しながら、ホテルに戻ります。しかし、まだ、時間が早いので、配偶者の提案でネッカー川のクルーズに出かけることにします。古城のあるネッカーシュタイナッハNeckarsteinachまで往復3時間のクルーズです。船首のベンチに陣取って、楽ちんで楽しいクルーズでした。ネッカーシュタイナッハでは頑張って、4つの古城を1枚の画面に撮影することに成功。パノラマモードを駆使しました。フォアデァブルク城、ミッテルブルク城、ヒンターブルク城、シャーデック城の4つの古城です。こんなに密集した古城の撮影はライン川の古城巡りでもできなかったことです。

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明日は旅の最終日。朝はできれば早起きして、ハイデルベルクを散策し、その後、マンハイムに移動して、マンハイム散策を楽しみます。旅の初めはライン川のほとりの町デュッセルドルフでしたが、旅の終わりもライン川のほとりの町マンハイムです。



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旅の終わりはモーツァルトで@マンハイム

ハイデルベルクの早朝散歩を敢行。その後、行きそびれていたハイデルベルク大学の博物館とアルテ・アウラ(大学旧館の2階にある大講堂)も見学。一昨日、学生牢を訪れた際に何故か、日本語のちゃんとしたパンフレットが渡されて、急にその内容に興味を惹かれての再訪問でした。今日、改めて調べたところ、疑問が解消しました。学生牢を訪れたときに京都大学の名前が目につき、おかしいなと思っていましたが、2014年に京都大学は欧州拠点をハイデルベルク大学に設けたそうです。その場所が学生牢のある建物なのだそうです。その縁で京都大学の協力でこの日本語のパンフレットが作成されたようです。日本とドイツの意外なつながりに気持ちが温かくなりました。ちなみにハイデルベルク大学の日本オフィスも京都大学にあるそうです。
これが今日訪れたアルテ・アウラの美しい装飾です。

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ハイデルベルク訪問は十分に満足し、ハイデルベルクを後にして、マンハイムに移動します。Sバーンでたった20分ほどの移動ですが、Sバーンの車内は混雑していて、立ちっ放しです。
マンハイムに着き、まずは有名な給水塔のあるフリードリヒ広場に面したホテルにチェックイン。すぐに隣にあるマンハイム美術館を訪れます。収蔵作品数はそんなに多くなく、有名画家の作品はほとんどは1点ずつですが、それほど有名でない画家の作品も含めて、質の高い作品が揃っています。学芸員の審美眼の高さが感じられます。その中で今日の一枚はこれです。
オスカー・ココシュカのSonia Dungyersky Ⅱ(ソニア・ドゥジエルスキって読むのかな? ハンガリーの人名?)です。アルマと交際が始まった1912年の作品です。少女の可愛さが実に見事に描き出されています。

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美術館を出て、ライン川近くの選帝侯宮殿に向かいます。今はマンハイム大学の建物として使われていますが、ブファルツ選帝侯カール・テオドールがバイエルン選帝侯も兼ねることになり、ミュンヘンに赴く前は栄華を極めていました。ヨーロッパ随一との評判だったマンハイム宮廷楽団も活躍していました。その頃、21歳から22歳のモーツァルトが宮廷音楽家としての求職活動をしていました。アロイジア・ウェーバーへの恋の花も咲かせていました。青春まっしぐらのモーツァルトでした。その若き日のモーツァルトに思いを馳せながら、宮殿前の広場のベンチに腰かけて、ここでモーツァルトが作曲した名曲を聴きます。

 ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304 ハスキル&グリュミオー


素晴らしい音楽、素晴らしい演奏です。時空を超えて、モーツァルトに会えた思いになりました。
旅の最後にふさわしい締めくくりになりました。さらにちょっと足を延ばして、ライン川の美しい川岸でお茶を楽しみます。ライン川の夕景は心に残りそうです。

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旅って、いいですね。でも、今回の旅はこれでおしまい。明日はフランクフルト空港から帰国します。
一緒に旅ブログに付き合ってくれた皆さん、ありがとうございました。




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最後のヨーロッパ便り

今朝はホテルのビジネスセンターでANAのボーディングパスとドイツ国鉄のRail&Flyの無料鉄道チケットをプリントアウトして、最後の準備も完了。マンハイム中央駅からフランクフルト空港駅までたった30分の移動で空港に到着。手続きはすべて順調でしたが、最後の出国手続きが長蛇の行列。ドイツの効率主義も今は昔の印象です。ドイツ国鉄も時間厳守ではなく、遅くなったり、早まったりですしね。今はANAの搭乗口で搭乗待ち。数分で搭乗開始です。でも、まずはお金持ちからですね。周りからは日本語が飛び交っています。既に日本に帰国したようなものです。次は帰国にブログ再開です。では・・・



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羽田空港に着いたら、まず、ラーメン(何でだろう?)

フランクフルト空港からANAのB777は定刻に飛び立って、いったん、西のほうに上昇していきます。しばらくすると眼下にマイン川が見えてきます。そして、すぐにマイン川の先にライン川が見えてきます。

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マイン川がライン川に合流するポイントに向かっていきます。そして、合流ポイントの町マインツが見えてきます。ライン川の対岸に見えているのがマインツの新市街です。ライン川の手前、写真の右端からヴィースバーデンの町が始まっています。

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今回のヨーロッパ遠征はライン川のほとりの町デュッセルドルフに始まり、ライン川のほとりの町マンハイムで終わりましたが、何と機上から、ライン川のほとりの町マインツを眺めさせてもらいました。ライン川を眺めたところでB777は180度、機首を転回し、一路、日本に向かいます。まるでわざわざ寄ってくれたみたいですね。日本に到着する1時間前には機上で雲海からの美しい日の出を拝ませてもらいました。

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フランクフルト空港から10時間飛んで、羽田空港に無事、到着。まだ、早朝の6時ですが空港は到着客で混み合っています。荷物をピックアップして、真っ先に向かったのはラーメン屋。ANAの機内でドキュメンタリー映画のラーメンヘッドを見たおかげで、無性にラーメンが食べたくなったんです。いつもは普通の和食の蕎麦、寿司、天ぷらを食べたくなりますが、今や日本人の国民食はラーメンですね。ただ、こんな早朝にラーメン屋が開いているのか、不安でしたが、さすが、羽田空港。有名店のせたが屋が24Hオープンです。行ってみると店内は混み合っています。saraiと同じような感性の人がいっぱいいるんですね。saraiの入店後は満席になってしまいました。全部入りのせたが屋ラーメンを食べて、満足。やっぱり、日本は美味しいものがあります。これで旅は完璧に完了です。

それにしても日本の夏は暑い!! 涼しかったヨーロッパが恋しい・・・



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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