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東響の川崎定期も再開! 田部京子の圧巻のピアノ@ミューザ川崎シンフォニーホール 2020.6.28

一昨日は実に3か月ぶりにコンサートでしたが、聴き逃がせない迫真のコンサートでした。今日は場所をサントリーホールからミューザ川崎シンフォニーホールに変えて、まったく同じコンサートを聴きます。田部京子と東響のコンビで聴けるコンサートがコロナのお陰で実現したんですから、絶対に聴き逃がせません。何度でも聴きたいコンサートです。

今日はいずれの曲もサントリーホールでの演奏を上回る精度と熱気です。

最初はベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲。東響の弦楽アンサンブルは見事に輝きを取り戻りました。冒頭の和音から素晴らしいアンサンブルの響きです。そして、主部に入ってからの細かい動きになると、さらに弦楽アンサンブルが高い精度の音楽を展開します。完璧とも思える演奏でした。指揮の飯守泰次郎の音楽作りも文句なしです。

次はベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番。田部京子は今日も好調。さらに繊細さを極めたピアノです。第1楽章はディテールをよい感覚で磨き上げていきます。ほっそりした白い指が鍵盤を動き回る様に見とれてしまいます。東響の弦楽アンサンブルとの心地よい響きに魅了されます。長大な楽章ですが、田部京子のピアノの響き、律動的な進行に心がとろけそうです。カデンツァでの名技は素晴らしく華麗で、これぞ、ピアノ協奏曲の極みです。第2楽章はピアノのソロで心の独白が語られます。ベートーヴェンの内なる魂の声を田部京子が代演しているかのごとくです。孤高の精神が深い思索にふけっています。やがて、オーケストラの演奏が加わり、その思索はウィーンの美しい自然の中を散策しながらのものであることを悟ります。自然を感じながら、沈潜した思いは次第に解き放たれていきます。自然と自己が一体化して、心が高揚していきます。オーケストラに自然を奏でさせ、独奏ピアノで己の心の奥底を語っていくという卓抜なベートーヴェンの音楽に心を打たれます。田部京子のピアノの表現力と東響の美しいアンサンブルでこそ、このベートーヴェンの音楽の本質が描き尽くされます。素晴らしくて、深い表現の音楽に共感するだけです。初めて、この協奏曲の本質の一端に触れることができました。第3楽章は一転して、きびきびした音楽が展開されます。今日も東響の女性陣の木管アンサンブルが見事な演奏を聴かせてくれます。とりわけ、クラリネットとファゴットの深い響きに感銘を覚えます。やがて、短いカデンツァを経て、田部京子のピアノが主導して急速なテンポアップ。圧巻のコーダに心が浮き立ちます。素晴らしい演奏でした。一昨日に続いての演奏ですが、何度も聴きたいと念じてしまうような最高の演奏でした。

休憩後、メンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」。東響の弦楽器アンサンブルが最高に近い出来でその響きの美しさに聴き惚れます。木管の4人の女性奏者の見事な演奏も華を添えます。すべての楽章が素晴らしい演奏で、メンデルスゾーンの音楽の美しさや郷愁に満ちた響きを堪能しました。こういう音楽は細かい感想は不要に思えます。ただただ、音楽の素晴らしさに興じるのみです。指揮者の飯守泰次郎の音楽作りが成功したのでしょう。生涯で聴いた最高の「スコットランド」でした。今日も指揮者コールになりましたが、それも当然でしょう。

こういう素晴らしい音楽を聴かせてくれた東響、そして、田部京子に感謝するのみです。音楽なしの人生はあり得ません。


今日のプログラムは以下です。サントリーホール定期演奏会と同じです。

  指揮:飯守泰次郎
  ピアノ:田部京子
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:水谷晃

  ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37

《アンコール》 メンデルスゾーン:無言歌集 第2集から「ベネツィアの小舟 第2」嬰ヘ短調 Op.30-6

   《休憩》

  メンデルスゾーン:交響曲 第3番 イ短調 op.56「スコットランド」


最後に予習について、まとめておきます(前回と同じです)。

1曲目のベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 1968年11月 ウィーン、ムジークフェライン大ホール ライヴ録音


2曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番は以下のCDを聴きました。

 内田光子、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル 2010年2月10日 ベルリン、フィルハーモニール ライヴ録音
 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団 1979年、TV放送のために催された特別公開演奏会でのライヴ録音
 
内田光子はクルト・ザンデルリンクとの力演も記憶に残りますが、このCDもその強靭でかつ繊細なスタイルの演奏で見事な演奏です。ミケランジェリとジュリーニはもう何も言うことのない歴史に残る名演です。


3曲目のメンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」は以下のCDを聴きました。

 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 1960年1月22,25,27,28日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ セッション録音
 
クレンペラーということで荘重な演奏を予想していたら、なんとなんと瑞々しくて軽やかな演奏。メンデルスゾーンの本質を突く素晴らしい演奏です。巨匠の凄さを再認識しました。決定盤のひとつでしょう。



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       田部京子,  

東響のサントリー定期、再開! コンサートのない日常は非日常だったことを痛感! 愛する東響よ、頑張れ!@サントリーホール 2020.6.26

実に3か月ぶりにコンサート。もはや、コンサートのない日常に慣れつつありました。でもそれは本当は非日常だったんです。マスクをかけたコンマスの水谷晃が現れて、大きな拍手が起きると、saraiの胸がジーンとなりました。ああ、この場所、サントリーホールこそ、saraiがいるべき場所でした。ここで音楽を聴いていないsaraiは人生を生きていない抜け殻のような存在です。それに東響が自分にとって、実にかけがいのない存在であることを実感しました。既に多額の寄付をしましたが、さらに追加の寄付をして、応援をしないといけないと自覚しました。

久しぶりに再開したサントリーホールに行くと、エントランスはスタッフの方が大勢いて、ものものしい感じ。まずは手のアルコール消毒を促されます。次いで、平積みになっているプログラムを自分自身で手に取ります。チケットは半券を自分で切って、箱に投入。これでやっとホールに入場します。
自分の席にいくと、左右の隣席と前後の席は空席。ホール全体がこの状況。要するに定員の半数の席になっているということです。開演になるころにはその状態でほぼ全体が埋まっていて、それほど、空席が目立つ感じではありません。いつもよりゆったりという感じで、これならいつもこれでいいかなって思います。オーケストラの経営がこれでは立ち行かないことはもちろんですけどね。

オーケストラは管楽器奏者以外はみんなマスク着用。指揮者もそしてピアノの田部京子もマスク着用。聴いているこちらもマスク着用していると息苦しくなりますが、実際に演奏するかたは酸欠状態にならないのか、心配ですが、やはり、そこはプロ。何事もなかったように音楽を奏でていきます。

最初はベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲。東響はブランクを感じさせない素晴らしいアンサンブル。弦楽器パートはさすがにいつもの最高のレベルではありませんでしたが、十分、満足しました。女性奏者が中心の木管パートが今日の白眉でした。主部のリズミカルな部分の演奏が見事でした。

次はベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番。田部京子のベートーヴェンは古典主義の様式感にのっとりつつも、美音と切れの良いタッチ、それにいつもの詩情にあふれた素晴らしい演奏でした。第1楽章はスケール感よりも繊細で粒立ちのよいタッチが印象的な演奏です。東響のアンサンブルともバランスよく、まろやかな響きで、古典主義の王道をいくような音楽です。第2楽章のピアノのソロが始まると、その美しい響きに聴き惚れるのみです。まさに田部京子の独壇場。抒情に満ちた音楽は天国的です。第3楽章はロンドの軽やかな音楽が続きますが、終盤に至り、高潮していきます。圧倒的なコーダで音楽を閉じます。
3か月振りのコンサートがこの田部京子と東響という最高のコンビで聴けたことにただただ感謝したくなるような素晴らしい演奏でした。完全に満足しました。これ以上の音楽は聴けません。来月に聴く筈だった田部京子のリサイタルは残念ながら、中止になりましたが、代わりにこんなものが聴けるとはね。

休憩後、メンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」。東響の弦楽器パートもだんだん、本領を発揮して、響きが研ぎ澄まされていきます。哀愁に満ちた旋律美の底にメンデルスゾーンの古典回帰とも思える端正な音楽が潜んでいることを明確に表現するような演奏です。つまり、表面的な美しさは表出していますが、メンデルスゾーンの音楽はそれだけではなく、どこか、古典的な哀しみにあふれていることもあわせて表現するような深い演奏です。ここでも木管パートの素晴らしさが際立ちます。とりわけ、クラリネットは最高! この曲を聴き終えて、saraiはメンデルスゾーンの最高傑作であると断じたい気持ちになりました。メンデルスゾーンの再評価が進む中、素晴らしい演奏に出会えました。

やはり、実演に優る音楽はありませんね。音楽の世界も我々の下に戻ってくれつつあることを喜びたい気持ちでいっぱいです。
もちろん、2日後の川崎定期にも駆けつけますよ。同じプログラムですが、それがいいんです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:飯守泰次郎
  ピアノ:田部京子
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:水谷晃

  ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37

《アンコール》 メンデルスゾーン:無言歌集 第2集から「ベネツィアの小舟」

   《休憩》

  メンデルスゾーン:交響曲 第3番 イ短調 op.56「スコットランド」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル 1968年11月 ウィーン、ムジークフェライン大ホール ライヴ録音


2曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番は以下のCDを聴きました。

 内田光子、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル 2010年2月10日 ベルリン、フィルハーモニール ライヴ録音
 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団 1979年、TV放送のために催された特別公開演奏会でのライヴ録音
 
内田光子はクルト・ザンデルリンクとの力演も記憶に残りますが、このCDもその強靭でかつ繊細なスタイルの演奏で見事な演奏です。ミケランジェリとジュリーニはもう何も言うことのない歴史に残る名演です。


3曲目のメンデルスゾーンの交響曲 第3番「スコットランド」は以下のCDを聴きました。

 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 1960年1月22,25,27,28日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ セッション録音
 
クレンペラーということで荘重な演奏を予想していたら、なんとなんと瑞々しくて軽やかな演奏。メンデルスゾーンの本質を突く素晴らしい演奏です。巨匠の凄さを再認識しました。決定盤のひとつでしょう。



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       田部京子,  

自然なモーツァルトに衝撃! 上原彩子ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2020.3.25

上原彩子にはまっていたsaraiもここ3年半ほど、彼女の演奏から遠ざかっていました。それは彼女の演奏がラフマニノフ、チャイコフスキーなどのロシアものがあれほど素晴らしいのに、モーツァルト、ベートーヴェンなどのドイツ・オーストリアなどの古典音楽~ロマン派があまりにも不満だらけで、それを聴くのが怖くなって、コンサートに行ってなかったんです。まさか、久しぶりに聴くコンサートがウイルスが蔓延する異常な状況下で開かれるとは・・・絶句です。今日のコンサートは、期待というよりも不安だらけというのが正直なところです。

1曲目はモーツァルトのキラキラ星変奏曲・・・いきなり、モーツァルトです。大丈夫でしょうか。えっ、これって、ちゃんとモーツァルトの響き、音楽になっています。こんな上原彩子、ここ10年以上、聴いてきましたが、初めてです。今まで響かせ過ぎだった演奏はすっかり、スタイルが変わって、saraiが理想とするモーツァルトの音楽になっています。ピュアーな響きも美しいし、音階もスムーズです。肩の力が抜けたというか、無理のない自然なモーツァルトです。だからと言って、くぐもった響きではなく、ピーンと立った響きが明快に聴こえてきます。単調な演奏ではなく、活き活きとした音楽が適度な緊張感のもとで聴こえてきます。この3年半の間に何か劇的な変化があったようです。鍵盤の上を走る手を見ても無理のない運指が見てとれます。手はほとんど鍵盤に張り付いたままで10本の指だけがハンマーのように鍵盤を叩いて、美しく純粋な音色を奏でています。その響きは品格の高さすら感じます。この曲は結構長いのですが、終始、楽しく、心躍らせながら、聴き入りました。素晴らしい演奏でした。遂に上原彩子がモーツァルトを弾きこなしました。クララ・ハスキルの気品の高い演奏とまではいかないにしても、モーツァルト弾きのピアニストと言っても過言ではありません。上原彩子のファンとしては嬉しいばかりです。

2曲目はチャイコフスキーの創作主題と変奏。ぱっとモーツァルトとは弾き方を変えます。上原彩子のお得意のチャイコフスキーですから、安心して聴けます。ダイナミックな素晴らしい演奏です。遂に上原彩子は作曲家によって、スタイルを変えて、弾き分けるようになったんですね。さらに次のチャイコフスキーの「四季」からの2曲はテクニックではなく、音楽性で聴かせてくれます。ロシアの憂鬱感を表出した素晴らしい演奏です。特に 3月「ひばりの歌」の暗い情感に魅了されました。

前半最後はまた、モーツァルト。これも問題ありません。すっかりとモーツァルトの様式感をマスターしたようです。非凡と言ってもよい素晴らしい演奏です。何と言っても、その響きの美しさが最高です。緩徐楽章での抒情味あふれる演奏も素晴らしいし、終楽章の素早いパッセージの技巧も見事。モーツァルトらしさを表出しただけでなく、やはり、上原彩子が弾く音楽としての輝きも感じる演奏です。もう、完全にモーツァルトを征服したようです。どの曲を弾かせても素晴らしい演奏をすることは予想できます。

後半のプログラムのモーツァルトも万全の演奏でした。ですが、圧巻だったのは最後のチャイコフスキーのグランド・ソナタ。この難曲、大曲を熱く燃え上がるようにバリバリと歌い上げました。素晴らしかったのは両端楽章です。超絶的な演奏で圧倒されるのみ。これ以上の演奏は望めないというレベルです。モーツァルトもよかったけど、やっぱり、上原彩子の弾くチャイコフスキーは凄過ぎ!

また、saraiが大好きだった上原彩子がレベルアップして、戻ってきてくれました。また、これからは安心して、聴きまくります。


今日のプログラムは以下です。

  モーツァルト:キラキラ星変奏曲 ハ長調 K. 265
  チャイコフスキー:創作主題と変奏 ヘ長調 Op. 19-6
  チャイコフスキー:「四季」 Op. 37bisより 3月「ひばりの歌」、6月「舟歌」
  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調 K. 332 

   《休憩》

  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K. 282
  チャイコフスキー:グランド・ソナタ ト長調 Op. 37

   《アンコール》

    チャイコフスキー/上原彩子編曲:6つの歌曲Op.6より第5曲「なぜ」
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番 イ長調K.331「トルコ行進曲つき」第1楽章
    チャイコフスキー:18の小品 Op.72より第14曲「悲しい歌」


最後に予習について、まとめておきます。以下のCDを聴きました。

まず、モーツァルトはアンドラーシュ・シフの21枚組のモーツァルト・アルバムを聴きました。

 アンドラーシュ・シフ/モーツァルト録音集(21CD) 1980-94年

シフの若い頃の録音ですが、素晴らしく美しい響きです。どの曲も手抜きのない丁寧な演奏で魅了されます。このレベルの演奏ならば、再録音の必要はありません。

チャイコフスキーは以下の超ど級アルバムです。

 ヴァレンティーナ・リシッツァ チャイコフスキー・ソロ・ピアノ作品全集(10CD) 2017年12月~2018年4月 ウィーン

若くてめきめきと頭角を現してきたウクライナ出身の女性ピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァが何とも驚くべきアルバムを作り上げました。その超絶的なテクニックと音楽性で、チャイコフスキーのピアノ作品を網羅してくれました。チャイコフスキー好きにはたまらないアルバムです。グランド・ソナタは何とも凄まじい演奏です。



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       上原彩子,  

飯森範親&東京交響楽団、会心のラヴェル@東京オペラシティコンサートホール 2020.3.21

ドイツの現代のレアもので新境地を開いている飯森範親が今度は何と、オール・ラヴェルのプログラムに挑戦。ラヴェルのような純粋なフランスものはフランス人指揮者、さらにはフランスのオーケストラに限るというのがsaraiの偏見です。日本人指揮者が日本のオーケストラでというのは余りに敷居が高過ぎると思うのですが・・・。特にドイツものを得意にしていると思われる飯森範親にとってはとてもリスキーだと思われます。ところがです! まず、1曲目のラ・ヴァルスが出色の出来です。冒頭の低弦の暗雲の到来を告げるようなピアニッシモの音からゾクゾクします。次いで、明快なウィンナーワルツの響きがストレートに表現されて、実に魅惑的です。いわゆるフランスのエスプリは感じられませんが、もしかして、ラヴェルの音楽にはそういうことはそう重要ではないのかもしれないと思わせるような、すっきりした演奏です。この曲、ラ・ヴァルスはヨハン・シュトラウスへのオマージュがもととなっているので、ラヴェルの音楽も単純にフランス音楽と区切るべきではないのかもしれません。実に説得力のある音楽が最後まで展開されます。美しいウィンナーワルツの調べとおどろおどろしい低弦の暗い響きが交錯する見事な演奏でした。日本人指揮者がここまでのレベルのラヴェルを演奏するのは初めて聴きました。飯森範親はラヴェルを攻略したのでしょうか。実は残りのラヴェルもすべて、高次元の演奏でした。もちろん、東響の素晴らしいアンサンブルがあってのことです。ジョナサン・ノットのもとで東響は飛躍を続けていますが、飯森範親も東響から素晴らしい響きを引き出すことができるのを聴いて、東響はもう次の段階に進みつつあることを確信しました。
最後に演奏されたボレロですが、聴いていて、先日亡くなった母のことを思い出しました。大阪の中之島のフェスティバルホールだったと思うのですが、多分、20年ほど前、母と配偶者と一緒にパリ管を聴いた折、このボレロが演奏されました。パリ管の管楽器の響きにいたく感銘を受けました。演奏内容に関係ありませんが、小太鼓奏者がどこで演奏していたのか、3人ともよく分からなかったと後で話題になりました。今日もそうですが、小太鼓はいつもの打楽器の場所ではなく、弦楽器パートの中に埋没して演奏していたんです。ともあれ、今日のボレロの終盤の物凄い音圧の高さに仰天しました。終盤は熱い演奏でした。パリ管の演奏にも匹敵する素晴らしい演奏でした。東響は弦楽パートだけでなく、木管セクションも素晴らしく充実してきました。飯森範親と東響で《展覧会の絵》を演奏すると凄いことになりそうです。

そうそう、ラヴェル以外に異色ピアニストのファジル・サイの新作が新倉 瞳のチェロで初演されました。初演とは思えない新倉 瞳の見事な演奏でした。曲自体もトルコの音楽の旋律を織り交ぜた親しみやすく、楽しめました。私見ながら、ファジル・サイはピアニストよりも作曲家としての才能のほうに恵まれているような気がします。ファジル・サイのピアノのファンの方にはゴメンナサイ。
新倉 瞳のチェロも初めて聴きましたが、なかなか、やるものですね。音楽には関係ありませんが、白と黒の大胆な配色で背中が大きく見えるドレスも素晴らしかったです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:飯森範親
  チェロ:新倉 瞳
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ラヴェル:ラ・ヴァルス
  ファジル・サイ:「11月の夜想曲」チェロと管弦楽のために (新倉瞳による委嘱作品)

   《休憩》

  ラヴェル:道化師の朝の歌(ピアノ曲集《鏡》第4曲のラヴェル自身の管弦楽編曲)
  ラヴェル:スペイン狂詩曲
  ラヴェル:ボレロ


最後に予習について、まとめておきます。

 シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団 1968年9~10月
   ボレロ、スペイン狂詩曲

 ピエール・ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィル 1973,74年録音
   ラ・ヴァルス
   
 ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団 1969,70年録音
   道化師の朝の歌

 アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団 1961~62年録音
   ボレロ、スペイン狂詩曲、ラ・ヴァルス

ミュンシュのボレロの終盤の熱い高まりに感銘を受けました。最後のテンポアップも凄まじい! クリュイタンスは流石ですね。素晴らしいラヴェルです。ブーレーズはアメリカのオーケストラのせいか、もう一つ、心に迫りません。結論としては、ミュンシュは別格として、クリュイタンスが最高です。



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ブラームスの晩年の名作、至高の演奏 アンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2020.3.19

シフのブラームスを聴くというsaraiの夢がまさか叶うとは思ってもいなかったんです。それがコロナ・ウィルス騒ぎの真っ最中の先週と今日で実現するとは何という僥倖でしょう。前回は晩年のブラームスのOp.116の素晴らしい演奏を聴きました。今日はOp.117の3つの間奏曲のうっとりとするような演奏をシフの美しいピアノの響きで聴き、そして、いよいよ、名作、Op.118の6つの小品です。第1曲から素晴らしい演奏です。圧倒的だったのは最後の第6曲。間奏曲というよりも幻想曲という風情のファンタジーに満ちた魅惑の演奏です。途中からはラプソディーの雰囲気に変わり、激しく燃え上がります。最後はまた幻想的な雰囲気で静謐に終わります。何て素晴らしい演奏なんでしょう。
しかし、最高に素晴らしかったのはブラームスの晩年の名作の最後を飾るOp.119の4つの小品です。最初の2曲はアイロニーに満ちた哀切極まりない演奏です。ブラームスがこの分野でいかに高みに達したかを示してくれる素晴らしい演奏に聴き惚れます。そして、最後の第4曲。ラプソディーが高らかに歌われます。魂の高揚・・・何というレベルの演奏でしょう。
saraiが夢に思い描いていた通りの素晴らしい演奏でした。CDにも録音していないので、まさにシフのブラームスの晩年の名作は初聴きだったんです。以前、Op.117の第1曲の間奏曲をアンコールで聴いて以来、シフがこういうレベルの演奏をするだろうと期待していましたが、その通りの演奏でした。ただただ、満足です。

ブラームス以外も素晴らしい演奏でした。シューマンの最後のピアノ曲はある意味、痛々しい音楽ではあります。幻想曲やクライスレリアーナ、交響的練習曲などの晴れやかなピアノ曲とはまったく雰囲気を異にします。シューマンが最後の力を振り絞って、歌い上げた白鳥の歌とでも表現しましょうか。それをシフは実に誠実に演奏しました。シューマンを愛するシフでなければ、こうは演奏できなかったでしょう。音楽とはかくも人間的なものなのですね。ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスの晩年の作品とは様相が異なりますが、シフは大作曲家の晩年の作品に焦点を合わせたような演奏活動をしていますが、このシューマンは異色なものです。シフは我々にこのシューマンの最後の作品はいかに価値あるものかを問いかけるものです。saraiもこれから、じっくりとこの作品に向かい合っていきましょう。

モーツァルトのロンド イ短調 K.511は素晴らしく美しい作品です。シフが今日の演奏で教えてくれました。幻想曲 ニ短調 k.397、幻想曲 ハ短調 k.475と同様に座右に置いておきたい名曲ですね。これもシフが我々にこの名曲を忘れてはいませんかと問いかけてきたようなものです。

バッハの平均律は安定した見事な演奏。何も言うことはありません。うっとりと聴いただけです。プレリュードの美しさ、フーガがだんだんと音の密度を濃くして楽興に至る素晴らしさには参りました。シフにとって、バッハは音楽の原点なのでしょう。いつでもその最高の音楽を取り出すことができますね。

最後に弾いたベートーヴェンの告別ソナタもベートーヴェンの音楽の本質を描き出すものでした。これ以上のベートーヴェンを聴くことはできません。中期のピアノ・ソナタの高揚から後期のソナタの晦渋に至る、すべてがここに語り尽くされています。ああ、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を聴きたくなりました。それを思わせる力のある演奏でした。何と魅力的な演奏だったか!

アンコールはまた、ゴルトベルク変奏曲のアリア。これは酷ですよ。絶対に全曲を次の来日で聴かせてくださいね。待てないので、とりあえず、YOUTUBEにあるBBCのゴルトベルク変奏曲の演奏でも聴きますか。
ブラームスのアルバムの小品という短くて美しい作品は最近になって新発見の作品なんですね。シフがBBCで放送初演したそうです。これもYOUTUBEで聴けます。
シューマンのアラベスクは素晴らしい演奏。これぞ、最盛期のシューマンのピアノ曲です。
最後はとびっきり美しいシューベルトの即興曲。憧れに満ちた楽想がこれでもか、これでもかと続きます。次の来日ではシューベルトの後期作品のチクルスを絶対に聴かせてください。→関係者殿

最後にコンサート欠乏症の我々に素晴らしい音楽をプレゼントしてくれたシフとカジモトに多大の感謝を捧げます。


今日のプログラムは以下です。(今日のリサイタルはペーター・シュライヤーとピーター・ゼルキンに捧げるそうです。二人ともつい最近亡くなりました。合掌!)

 シューマン: 精霊の主題による変奏曲 WoO24
 ブラームス: 3つの間奏曲 Op.117
 モーツァルト: ロンド イ短調 K.511
 ブラームス: 6つのピアノ小品 Op.118

   《休憩》

 J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第1巻から
      「プレリュードとフーガ」第24番 ロ短調 BWV869
 ブラームス: 4つのピアノ小品 Op.119
 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 Op.81a「告別」


   《アンコール》

    J.S.バッハ: ゴルトベルク変奏曲 BWV988から アリア
    モーツァルト: ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 K.545から 第1楽章
    ブラームス: アルバムの小品
    シューマン: アラベスク Op.18
    シューマン: 「子供のためのアルバム」Op.68から 楽しき農夫
    シューベルト: 即興曲 変ト長調 D899-3

最後に今回の予習についてですが、ブラームスを中心に聴きました。なお、ブラームス以外はシフの演奏を聴きました。

 田部京子 Op.117、Op.118、Op.119 2011年8月 上野学園 石橋メモリアルホール
 ジュリアス・カッチェン Op.76、Op.116、Op.117、Op.118、Op.119 1962年5月 ロンドン
 ペーター・レーゼル Op.76、Op.116、Op.117、Op.118、Op.119 1972-74年
 アンナ・ヴィニツカヤ Op.76、Op.116 2015年9月7-10日 Reitstadel, ノイマルクト、ドイツ
 ヴィルヘルム・ケンプ Op.76、Op.116、Op.117、Op.118、Op.119 1963年12月 ハノーファー、ドイツ
 エレーヌ・グリモー Op.116、Op.117、Op.118、Op.119 1995年11月 ノイマルクト、ドイツ

まずは規範となるのはジュリアス・カッチェン。この人のブラームスは別格です。ブラームスを弾くために生まれてきたとしか思えない天才ピアニストです。次いで、ペーター・レーゼルも負けていません。現代の巨匠と言えば、この人。そう言えば、最近、来日しませんね。巨匠と言えば、ヴィルヘルム・ケンプも忘れてはいけません。見事な軽みに至った演奏です。そして、美女3人のブラームスも最高です。田部京子、アンナ・ヴィニツカヤ、エレーヌ・グリモーは彼女たちの持ち味を十二分に発揮した名演です。今や、ブラームスのピアノ曲も演奏に恵まれる時代になったようです。



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       シフ,  

最高のブラームス、そして、奇跡のバッハ アンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2020.3.12

母の逝去、コロナウィリス・・・2月の中旬から3月20日までのコンサートは12回の内、10回が中止になり、唯一残ったのが今日と来週のアンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタルです。9年前の大震災のときは9分の1のコンサートでしたが、今回は今のところ、12分の2のコンサートです。12分の2であるシフのコンサートが一番聴きたかったコンサートだったというのは僥倖です。しかし、ほぼ、50年ぶりに聴く予定だったアルゲリッチが聴けないのは運命でしょうか。以前、チケットを買ったのにころっと忘れていて、行きそびれたトラウマがあるのがアルゲリッチ。しょせん、縁がないのでしょう。デビューしたてのアルゲリッチを胸の底にしまっていけというご託宣かもしれません。ともかく、シフのピアノ・リサイタルは1年以上も前から楽しみにしていたものでした。それというのも、シフのピアノでブラームスの晩年の名作を聴くのが以前からのsaraiの夢だったんです。まさか、それが実現するとは思ってもいなかったんです。何せ、シフはほとんどブラームスの作品をCD化していないんです。しかし、CDで聴けるブラームスの《ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ》ではシフが素晴らしい演奏を聴かせてくれています。これを聴いて、saraiの夢がふくらんでいたんです。

で、今日、実際に聴いたブラームスの《7つの幻想曲集 Op.116》は期待を上回る素晴らしい演奏。3曲のカプリッチョの暗い情念は深い響きのピアノで心に迫りましたし、4曲のインテルメッツォはインティメットな心の呟きが美しい響きのピアノで優しく語りかけてきました。これ以上、何も求めることはできないでしょう。今日から、saraiにとってのブラームスはピアノ独奏曲が最高のジャンルになりました。交響曲でも協奏曲でも室内楽でもなく、ピアノ独奏曲こそ、ブラームスが作り上げた最高の世界です。若きブラームスがデュッセルドルフのシューマン宅を訪れたときにピアノ・ソナタを聴いてもらって、ブラームスの音楽人生が実質的に始まり、晩年にバート・イシュルで書いたのが今日の《7つの幻想曲集 Op.116》。ブラームスは常にピアノ演奏家としてもピアノの独奏曲を書き続けていました。来週のリサイタルでは晩年の残りの独奏曲集のOp.117、Op.118、Op.119が聴けます。アンドラーシュ・シフにとって、バッハに始まるドイツ・オーストリア音楽こそ、もっとも音楽的な基盤とするところです。3年前にハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの最後の2つのソナタを聴かせてもらいましたが、ドイツ・オーストリア音楽はシューマン、ブラームスを聴かないとその輪を閉じることができません。シューマンはザルツブルク音楽祭で幻想曲やピアノ・ソナタなどを聴きました。今回、ブラームスの晩年の作品を聴くことで一応の完結に達します。

しかし、バッハこそはシフのベースとなる音楽です。saraiがシフを初めて認めたのは彼の弾くバッハのフランス組曲を聴いたときのことでした。その頃はシフはバッハ弾きだと思っていました。これまでも素晴らしいバッハの演奏を聴かせてもらいました。ザルツブルク音楽祭で聴いた平均律クラヴィーア曲集第2巻はその頂点に立つ演奏でした。今日は初めて、シフの弾くイギリス組曲を聴きました。第6番だけですが、まさに神が降臨したような奇跡の名演でした。早めのテンポで弾き始めたプレリュードはフーガに入ると、超絶的な高速演奏。あり得ないレベルのバッハです。アルマンドも早めの演奏で聴き惚れるだけです。クーラントも高速演奏。サラバンドは噛みしめるような演奏で、中間の美しさは光り輝きます。有名なガヴォットは楽しく聴き惚れます。そして、圧巻のジーグは究極のフーガ。圧倒的な高みに達して終わります。凄い演奏でした。実はCDで彼の演奏を聴いていましたが、全然、こんな演奏ではありませんでした。シフはあり得ないほどに進化したことに気が付き、愕然としました。

ともかく、後半に弾いたブラームスとバッハは素晴らしかったんです。前半のメンデルスゾーン、ベートーヴェン、ブラームスもよかったのですが、後半に比べると、音の輝きも粒立ちもそこまでのものではありませんでした。シフにしては美しい音の響きが足りないとさえ思っていましたが、後半になり、まるで別人。後半に向けて、ためていたのでしょうか。

アンコールはいつものシフのように第3部のプログラムが始まったみたいです。イタリア協奏曲は今回でアンコール3度目。よほど、お好きなようです。ベートーヴェンの葬送は何とも厳かな演奏でベートーヴェンの真髄を聴くような感じでした。ブラームスは晩年の作品群の中で一番、有名とも思えるインテルメッツォ。素晴らしい演奏にただただ、聴き惚れるのみ。来週、もう一度聴けるのが嬉しいですね。最後にシューベルトの珍しい曲が聴けて満足。

この時期に日本を訪れて、リサイタルを開いたというのはシフにも並々ならぬ思いがあったようです。アンコールではこれまで聴いたことのない彼の日本語の片言を聴きました。コロナ・ウィリスに負けずに希望を抱いてほしいというメッセージを日本人に伝えたかったのでしょう。ただただ、感謝の気持ちに浸るのみです。


今日のプログラムは以下です。

 メンデルスゾーン:幻想曲 嬰ヘ短調 Op.28《スコットランド・ソナタ》
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 Op.78《テレーゼ》
 ブラームス:8つのピアノ小品 Op.76

   《休憩》

 ブラームス:7つの幻想曲集 Op.116
 J.S.バッハ:イギリス組曲第6番 ニ短調 BWV811


   《アンコール》

    J.S.バッハ: イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971
    ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 Op.26「葬送」から 第1楽章
    メンデルスゾーン:無言歌第1集 Op.19bから 「甘い思い出」
             無言歌集第6巻 Op.67から 「紡ぎ歌」
    ブラームス: インテルメッツォ イ長調 Op.118-2
    シューベルト: ハンガリー風のメロディ D817

最後に今回の予習についてですが、ブラームスを中心に聴きました。内容は次回のリサイタルで書きましょう。ブラームス以外はシフの演奏を中心に聴きました。



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       シフ,  

無観客コンサート 東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2020.3.8

生ニコニコ動画でライヴ視聴しました。ネット中継としては、画像の遅延や音声も2~3回、途切れるという課題もありましたが、なかなかの見ごたえでした。演奏者たちも慣れないことながら、懸命の熱演でした。全体としては楽しめました。

東響は実演では弦パート、とりわけ、ヴァイオリンの美音が聴きものですが、このネット中継ではマイク配置のバランスもあったのか、女性の木管奏者の素晴らしい響きが突出していました。1曲目のドビュッシーの牧神の午後への前奏曲では彼女らの美しい響きに魅惑されました。

2曲目のラヴェルのピアノ協奏曲は初聴きの黒沼香恋のピアノのタッチの冴えと抒情的な表現力が見事で、生で聴けたら、さぞかし素晴らしかっただろうと思いました。特に第2楽章の美しい響きの高い音楽性、第3楽章のテクニックの冴えにほれぼれとしました。パーフェクトな演奏ではなかったでしょうか。バリバリと弾くタイプではありませんが、その繊細で鋭いピアニズムは彼女の将来性を期待させるものでした。彼女のピアノと絡む東響の木管と弦の素晴らしさも特筆ものでした。

3曲目のサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は冒頭からのヴァイオリン群の素晴らしい演奏にぐっと惹き付けられます。パイプオルガンと協奏しながらの厳かな雰囲気の演奏は素晴らしかったです。これは生で聴いたら、感動ものだったでしょう。

次回の3月14日、午前11時からのモーツアルト・マチネーはチケットを持っているコンサート。今日以上に改善したネット中継を期待します。頑張れ! 東響。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:大友直人
  ピアノ:黒沼香恋(ミューザ・ソリスト・オーディション2017合格者)
  オルガン=大木麻理(ミューザ川崎シンフォニーホールオルガニスト)
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
  ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調

   《休憩》

  サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」


予習はもちろん、なし。



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久々のコンサート、スタンバイOK! ただし、無観客コンサート@ミューザ川崎シンフォニーホール

ずっと、コンサートなしの状態で禁断症状気味。東響が無観客コンサートという快挙をやってくれます。30分後にネット生中継が始まるので、PCとオーディオシステムを接続して、準備OK。

「名曲全集 第155回 ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団」のniconicoでの生中継で以下の内容です。

【公演概要】
■曲目
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

■出演
   指揮=大友直人 ピアノ=黒沼香恋(ミューザ・ソリスト・オーディション2017合格者)
   オルガン=大木麻理(ミューザ川崎シンフォニーホールオルガニスト)
   管弦楽=東京交響楽団

以下のサイトで視聴できます。

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324588340

感想は後でアップします。



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古楽の愉悦:バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル 2020.2.16

バッハ・コレギウム・ジャパンのバッハを聴いて、満足しないことはありません。今日のように初聴きの曲ばかりだったとしても、その素晴らしい響きは器楽はもちろん、声楽も最上級です。

前半はまず、鈴木優人のパイプオルガンでコラール風の曲が2曲。安定した響きで心が癒されます。ファンタジアはコラール風の主題がフーガで折り重なって、妙なる音楽を形成します。激することも熱くなることもありませんが、その真摯な演奏に深い安寧を覚えます。続くコラールは短い曲ですが、祈りに満ちた音楽をしみじみと聴き入るのみです。オルガンで演奏されるコラールは今日のコンサートの幕開けにふさわしい雰囲気を醸し出します。

次はペルゴレージのスターバト・マーテルをバッハが編曲したもので、ドイツ語の歌詞で歌われます。ソプラノとアルト(カウンターテナー)の二人の歌手と小規模な室内オーケストラ(ヴァイオリン4人とヴィオラ1人、チェンバロと通奏低音)での演奏です。実はsaraiは原曲とこのバッハの編曲版の違いがあまり分からないんですが、いずれにせよ、その密やかで静謐さに満ちた演奏は心を優しく包み込みます。歌手2人の出来が素晴らしく、ソプラノの松井亜希がこんなに素晴らしいとは初めて気が付いた思いです。力みのないピュアーな高音はとても心地よく響きます。音楽的な表現も見事です。カウンターテナー(CT)のベンノ・シャハトナーは初めて聴きますが、ともかく、その声の透き通った美しさに魅了されます。sarai好みのCTです。正直言って、一声聴いて、ほっとします。意外にsarai好みの透き通った声のCTはなかなかいないので、がっかりすることも多いですからね。2人の美しい声の独唱、重唱が続き、何とも言えない心地になります。BCJの古楽アンサンブルも2人の独唱者と同様に美しい響きの演奏です。古楽の楽しみ、極めれりという心境です。最後のアーメンでこの美しい古楽は静謐に終わります。鈴木雅明の音楽構成・解釈・表現の見事さが際立っていました。

後半は鈴木雅明がマイクを持って、舞台に現れて、簡明な講義があります。後半のモテットというのは“言葉”という意味であり、カンタータ以上に合唱に重点があるそうです。19世紀には、器楽なしで合唱のみでの演奏も流行したそうですが、バッハの時代には器楽と共に演奏されたので、BCJでは器楽付きで演奏するそうです。また、本来、モテットはお葬式に演奏するためのもので、晴れやかな音楽であったとしても、それは死者が天国に迎い入れられるためということ。しかしながら、今日演奏するモテットは難しい対位法の技法を用いているので、お葬式前に急に演奏の準備をするのは難しかろうという点も指摘されました。

後ろに合唱隊がずらりと並びます。最初はどういう並び方か、分かりませんでしたが、よくよく聴いて分かりました。左右に混成四部の2つの合唱隊が分かれて並び、それぞれはソプラノ3人、アルト(CT含む)3人、テノール2人、バス2人という構成です。計20名で、その中に独唱者4人も含まれています。室内オーケストラは先ほどの構成にオーボエ3人(オーボエ・ダ・モーレ(もしくはバロックオーボエ)1人とオーボエ・ダ・カッチャ二人)とファゴット1人を加えたもので、曲によっては通奏低音のみになります。
まず、器楽のみで、カンタータ《わが片足すでに墓穴に入りぬ》BWV 156より〈シンフォニア〉が演奏されます。有名な旋律がオーボエの三宮正満によって吹かれますが、いつもの名人ぶりに比べると、少し響きに精彩がありません。オーボエは繊細な楽器なので、いつも絶好調とはいかないのですね。ともあれ、美しい旋律に心が和みます。
続いて、モテットのBWV 226、BWV 229、BWV 225。それぞれ、3曲、2曲、3曲から構成される小規模な合唱曲です。たしかに複雑な対位法の合唱が左右の合唱隊が入れ替わり歌いながら進行します。素晴らしい声楽の響きにうっとりと聴き入ります。コラールが歌われると、心が洗い清められる思いです。バッハのコラールの合唱の美しさは素晴らしいです。BCJの合唱はそれを見事に表現します。お葬式でこういう美しいコラールが歌われる胸がジーンと熱くなるでしょう。

今日は珍しくアンコール曲があります。今回のコンサートは今シーズンの定期演奏会の最後なので、シーズン全体のアンコールだそうです。また、今日のCTはヨーロッパで活躍している人でBCJに初登場なので、アルトのアリア1曲だけのカンタータ BWV53をやるとのこと。もっともこの曲はバッハの真作ではないことが分かっているそうです。ともあれ、CTのベンノ・シャハトナーは美しい歌声を聴かせてくれました。


今日のプログラムは以下です。


  指揮・チェンバロ:鈴木雅明
  ソプラノ:松井 亜希
  アルト:ベンノ・シャハトナー
  テノール:櫻田 亮
  バス:ドミニク・ヴェルナー
  オルガン独奏:鈴木 優人
  オーボエ:三宮正満、荒井豪、森綾香
  ヴァイオリン:若松夏美、高田あずみ
  ヴィオラ:秋葉美佳
  チェロ:山本徹
  ヴィオローネ:西澤誠治
  ファゴット:堂阪清高
  合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン


J. S. バッハ

ファンタジア ハ短調 BWV 562
《われらの悩みの極みにありて》BWV 641

詩編51編《消してください、いと高き主よ、私の罪を》BWV 1083
      〜ペルゴレージ《スターバト・マーテル》による〜

 《休憩》

カンタータ《わが片足すでに墓穴に入りぬ》BWV 156より〈シンフォニア〉
モテット《み霊はわれらの弱きを助けたもう》BWV 226
モテット《来ませ、イエスよ、来ませ》 BWV 229
モテット《主に向かいて新しき歌をうたえ》BWV 225

 《アンコール》

カンタータ《いざ打てかし、願わしき時の鐘よ》BWV 53(偽作、ゲオルク・メルヒオル・ホフマン作?)


最後に予習について、まとめておきます。

最初のファンタジア ハ短調 BWV 562は当初のプログラムで予告されていなかったので予習なし。《われらの悩みの極みにありて》BWV 641は以下のCDで予習をしました。

 アンジェラ・ヒューイット(ピアノ版) 2001年頃までに録音
 ロベルト・ケプラー(ジルバーマン・オルガン) 1966年頃の録音 フライブルク大聖堂
 マリー=クレール・アラン 1990年9月、アルクマール(オランダ)、聖ラウレント教会

本来はオルガンで弾かれるべきでしょうが、アンジェラ・ヒューイットのピアノの抒情的な思い入れには痺れます。


詩編51 BWV 1083は以下のCDで予習をしました。

 エマ・カークビー(ソプラノ)、ダニエル・テイラー(カウンターテノール)、シアター・オブ・アーリー・ミュージック 2006年2月 Chapelle Notre-Dame-de-Bon Secours, モントリオール, カナダ

古楽の名手、エマ・カークビーのソプラノが際立っています。なお、カークビーはペルゴレージの原曲も2度も録音しています。

追加でペルゴレージの原曲《スターバト・マーテル》も以下のCDで聴きました。

 バーバラ・ボニー、ショル、ルセ指揮ル・タラン・リリーク 1999年録音

バーバラ・ボニーの美しいソプラノが聴きものです。アンドレアス・ショルのカウンターテノールももちろん、美しいです。


カンタータ《わが片足すでに墓穴に入りぬ》BWV 156の〈シンフォニア〉は以下のCDで予習をしました。

 バティアシヴィリ、バイエルン放送室内管弦楽団 2013年12月 グリューンヴァルト、アウグスト・エファーディング・ホール

ヴァイオリンが旋律を奏でる編曲版です。バティアシヴィリの美しいヴァイオリンの音を堪能できます。


モテットのBWV 226、BWV 229、BWV 225は以下のCDで予習をしました。

 野々下由香里、松井亜希(ソプラノ)
 ダミアン・ギヨン(アルト)
 水越啓(テノール)
 ドミニク・ヴェルナー(バス)
 鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン 2009年6月 神戸松蔭チャペル

何の不足もない演奏です。



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       バッハ・コレギウム・ジャパン,  

瑞々しい感性の音楽に感銘:クァルテット・ベルリン=トウキョウ@鶴見サルビアホール 2020.2.13

クァルテット・ベルリン=トウキョウの演奏は2年前からこのホールで毎年、この時期に聴いていて、今回が3度目になります。ヴィオラが前回からグレゴール・フラーバルに代わりましたが、今回は前回と同じメンバーです。ヴィオラ以外の残りの3人は創設メンバーです。

彼らの演奏は2回聴いただけですが、すっかり、本格ファンになりました。彼らはベートーヴェンとシューベルトとハイドンというウィーンを軸にした音楽を聴かせてくれますが、そのどれもが1級品。第1ヴァイオリンの守屋剛志とチェロの松本瑠衣子の外声部がしっかりとした演奏で聴き応えがあります。今日のプログラムもハイドンから始まりますが、彼らのハイドンは素晴らしく、その活き活きとした表現は聴く者の心を躍らせてくれます。いっそのこと、ハイドンの全曲チクルスを聴かせてもらいたいくらいです。まあ無理ですが・・・。それにしても、今日のハイドンの弦楽四重奏曲 第30番Op.33-2 「冗談」は見事な演奏で、その演奏レベルが高いからこそ、この曲のユーモアが楽しめました。この曲はハイドンの《ロシア四重奏曲》という作品33の6曲の中の一つですが、素晴らしい傑作です。彼らの素晴らしい演奏のお蔭でハイドンの音楽の上質さを再認識させられました。2曲目のヴォルフの《イタリアのセレナード》も美しい演奏でした。

3曲目はシューベルトの弦楽四重奏曲 第12番「四重奏断章」です。前回弾いた第15番も素晴らしい演奏でしたが、今日の演奏も見事なシューベルトです。シュトルツ・ウント・ドランクを思わせる颯爽とした演奏で、さらにシューベルトの歌謡性もたっぷりと味わわせてくれる盤石の演奏です。シューベルトの全曲チクルスも聴きたくなります。彼らの表現する瑞々しいロマンは魅力的です。

後半のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第14番はベートーヴェンの全作品の中で、弦楽四重奏曲 第13番と並んで最高傑作であるとsaraiは常々思っています。そういう特別な曲ですが、クァルテット・ベルリン=トウキョウは何の不満もない立派な演奏で応えてくれました。とりわけ、第1楽章の抒情的で繊細さに満ちた演奏、第7楽章(終楽章)の雄々しくて、精神性の深い演奏は圧巻でした。彼らはさらなる上を目指してもらいたいものです。もっともっと弾ける筈です。次のコンサートでは第13番と大フーガに挑戦してくれるのでしょうか。

今日も室内楽を聴く喜びを味わわせてもらいました。クァルテット・ベルリン=トウキョウに感謝です。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・ベルリン=トウキョウ
   守屋剛志(vn) モティ・パヴロフ(vn) グレゴール・フラーバル(va) 松本瑠衣子(vc)

   ハイドン:弦楽四重奏曲 第30番 変ホ長調 Op.33-2 「冗談」
   ヴォルフ:イタリアのセレナード ト長調
   シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 D.703「四重奏断章」

   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131

   《アンコール》
    クルターク:ミハーイ・アンドラーシュへのオマージュ「弦楽四重奏のための12のミクロリュード」Op.13 より、第5番 Lontano, calmo, appena sentito
    ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調Op.18-3 より、第4楽章 Presto

最後に予習について触れておきます。
1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲 第30番Op.33-2 「冗談」は以下のCDを聴きました。

 ヴェラー弦楽四重奏団 1965~67年録音

1960年代のウィーン・フィルのコンサートマスターだったワルター・ヴェラーを中心にしたウィーン・フィル団員のカルテットが演奏したものです。非の打ち所がない見事なハイドンです。


2曲目のヴォルフの《イタリアのセレナード》は以下のCDを聴きました。

 ハーゲン・カルテット 1988年録音

ヤナーチェクのアルバムに一緒に録音されたものです。


3曲目のシューベルトの弦楽四重奏曲 第12番「四重奏断章」は以下のCDを聴きました。

 エマーソン・カルテット 1996年録音
 リンゼイ弦楽四重奏団(リンゼイズ) 1988年12月12日-15日 キャッスルトン・パリッシュ教会、シェフィールド、英国

いずれもそれぞれの四重奏団の特徴を生かした素晴らしい演奏。


4曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第14番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ弦楽四重奏団(リンゼイズ) 2001年6月25日-27日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国
 ブッシュ四重奏団 1936年

ステレオなら、このリンゼイズ、モノラルなら、ブッシュ四重奏団がこの曲の最高の演奏だとsaraiは確信しています。その深い味わいには感銘を覚えるのみです。



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フランソワ=グザヴィエ・ロト・・・鮮やかな手腕で趣味のよさが光る天才的な指揮 東京都交響楽団@東京文化会館大ホール 2020.2.3

都響の東京文化会館定期演奏会は次々と超一流の指揮者が登場。アラン・ギルバートも素晴らしかったですが、今回のフランソワ=グザヴィエ・ロトはその天才ぶりが光ります。都響には2回目の出演ですが、前回の初登場では、ポスト・ピリオド時代の旗手として、強烈な印象を残してくれました。ある意味、クルレンツィスと共にsaraiが最も注目している指揮者です。手兵のレ・シエクルを引き連れてきた来日公演でのストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》は凄まじい迫力の音楽でした。で、今回のコンサートですが、saraiの期待を裏切らない素晴らしい演奏でした。前半のフレンチ・バロックの精度の高い音楽、そして、圧倒的だったのは後半のラヴェルの《ダフニスとクロエ》です。1時間近い全曲を高い緊張感を保ちつつ、ラヴェルらしいピュアーな音色で魅了してくれました。saraiは初めて、この曲の魅力が分かりました。普通はこういう曲は寝落ちしますが、その演奏の魅力に惹き込まれて、集中して聴くことができました。都響もノンビブラートの美しいアンサンブルでパーフェクトに思える演奏でしたし、何より、彼ら自身が楽しんで演奏していることが伝わってきました。弦楽セクションと木管セクションの演奏は見事でした。フルートの柳原祐介の演奏には痺れました。聴きどころは満載で、書き切れませんが、《ダフニスとクロエ》第3部の何とも美しい演奏には感動しました。もちろん、終結部のまるでダッタン人の踊りを思わせる部分の大迫力は誰もが感銘を受けたことでしょう。合唱の栗友会合唱団の健闘も称えたいと思います。いやはや、素晴らしかった!!

フランソワ=グザヴィエ・ロトはこれで3回聴いたことになりますが、今年は4月末のウィーンでも聴く予定です。ウィーン交響楽団に客演して、ウェーベルン/ベルク/シェーンベルクを聴かせてくれます。絶対に素晴らしい演奏になることを確信しています。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:フランソワ=グザヴィエ・ロト
  合唱:栗友会合唱団
  管弦楽:東京都交響楽団  コンサートマスター:矢部達哉

  ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』組曲
   第1曲 ヘーベーとその一行の登場
   第2曲 第1&第2リゴードン
   第3曲 第1&第2タンブーラン
   第4曲 未開人たちの踊り
   第5曲 シャコンヌ

  ルベル:バレエ音楽《四大元素》
   第1曲 カオス         
   第2曲 第1ルール「土と水」   
   第3曲 シャコンヌ「火」    
   第4曲 さえずり「空気」    
   第5曲 夜うぐいす       
   第6曲 第2ルール「狩り」
   第7曲 第1&第2タンブーラン
   第8曲 シシリエンヌ
   第9曲 ロンド―「愛の妖精のための歌」
   第10曲 カプリス


   《休憩》

  ラヴェル:バレエ音楽《ダフニスとクロエ》(全曲:第1部、第2部、第3部)


1曲目のラモーの『優雅なインドの国々』組曲を予習したCDは以下です。

 フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮ラ・シャペル・ロワイヤル  1983年6月 セッション録音

素晴らしいとまでは言えませんが、水準以上の演奏です。

 
2曲目のルベルのバレエ音楽《四大元素》を予習したCDは以下です。

 ジョルディ・サヴァール指揮ル・コンセール・デ・ナシオン 2015年7月19日、ナルボンヌ(フランス)、フォントフロイド修道院 ライブ録音
 
これは素晴らしい演奏です。


3曲目のラヴェルのバレエ音楽《ダフニスとクロエ》(全曲)を予習したCDは以下です。

 フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮ル・シエクル、アンサンブル・エデス(合唱) 2016年録音
 ピエール・モントゥー指揮ロンドン交響楽団 1959年録音

ロト指揮ル・シエクルのCDはこの曲の世界初のピリオド楽器録音ですが、あまり、そういうことは感じさせない演奏で素晴らしい音楽を展開しています。モントゥーはこの曲の初演を行った指揮者ですが、さすがに手の内にはいった演奏は素晴らしいです。初演後、47年後の録音でオーケストラも異なりますが、新鮮な演奏で深くスコアを読み込んだことが感じられます。



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       ロト,  

庄司紗矢香の空前絶後のショスタコーヴィチに驚愕! サロネン&フィルハーモニア管弦楽団@東京芸術劇場 2020.1.28

物凄い演奏! 終始、緊張感高い演奏に集中させられました。庄司紗矢香の表現する魂の声にただただ、共感するのみです。第1楽章は暗く重い表現かと思いきや、幽玄たる夜の歌です。庄司紗矢香は己の心の中に入り込んで、その魂の声を探るような雰囲気ですが、その心を我々聴衆にも開いてくれます。ショスタコーヴィチのこの音楽がこれほどの深さを持って奏でられたことがあるでしょうか。彼女とともに深い感動を味わいます。第2楽章は一変して、激しい突っ込みの音楽ですが、単なる心地よい音楽ではなく、そこにはある種の感動があります。強い気持ちで邁進していく音楽に途轍もない感動を覚えて、涙が滲みます。音楽的に頂点を形作ったのは第3楽章です。オーケストラの宗教的なコラール風のフレーズに続いて、庄司紗矢香のヴァイオリンが奏でるのは祈りの音楽です。どこか哀しみのある祈りは一体、何に対するものでしょう。祈りであり、哀歌でもあります。その音楽が高潮していくと、祈りをも超越したスケールの大きな魂の高揚に至ります。ショスタコーヴィチはこんなに凄い音楽を書いていたことに初めて気づかされます。そして、この楽章は長いカデンツァでしめくくられます。ショスタコーヴィチの魂の声、庄司紗矢香の魂の声、saraiの魂も共鳴します。バッハの無伴奏、バルトークの無伴奏にも匹敵する無明の音楽ですが、この音楽にはわずかな色が感じられます。庄司紗矢香の完璧なヴァイオリン独奏はカデンツァ終盤で頂点に上り詰めて、そのまま、第4楽章に突入します。再び、何かと戦うように突進が始まります。凄まじい気魄で庄司紗矢香のヴァイオリンは突き進みます。大変な感動の中、圧巻のフィナーレ。
これほどの感動、そして、緊張感の高い音楽を聴いたのは、生涯でも数度の経験です。もはや庄司紗矢香は世界の音楽界の頂点に君臨すると言っても過言ではないでしょう。彼女のヴァイオリンは長く聴き続けていますが、これほどの逸材に上り詰めるとは想像もできませんでした。天才が血の滲むような努力の末の結果でしょう。彼女のこういう姿を生きているうちに聴くことができて、満足感と幸福感に酔い痴れています。

それにしても、庄司紗矢香はいつもよりもふっくらした顔で、これまでの可愛らしさをかなぐり捨てた、物凄い形相でヴァイオリンを奏でました。ある意味、かってのチョン・キョンファを思い出します。見かけの美しさは悪魔にでも売って、すべてを音楽に捧げ尽くすといった究極の演奏家の姿です。彼女はこれから、どれほどの音楽的な高みを目指すのでしょう。空恐ろしいほどの予感に目が眩む思いです。

と、ここまでは帰りの電車の中で書きました。究極の演奏が心に留まっているうちにその高揚感を書き綴っておきたかったからです。少々、表現が上滑り気味ですが、ご容赦ください。

今年でフィルハーモニア管弦楽団の音楽監督を完了するサロネンについても少し触れておきましょう。凄過ぎる庄司紗矢香のヴァイオリンにふさわしい指揮をサロネンは披露してくれました。オーケストラを抑え気味に庄司紗矢香のヴァイオリンを引き立てながらも、ショスタコーヴィチのオーケストラパートも申し分のないドライブで見事な指揮でした。さすがです。

1曲目のシベリウスはまるで交響曲の第1楽章を聴いたような素晴らしい演奏。サロネンのシベリウスはいつも最高です。

プログラム後半のストラヴィンスキーのバレエ音楽『火の鳥』は組曲版ではなく、1910年原典版で全曲が演奏されました。さすがに長いし、バレエももちろん、ありませんが、サロネンの指揮は素晴らしく、フィルハーモニア管弦楽団の能力以上のものを引き出していました。特に後半にかけての迫力ある演奏は素晴らしいものがありました。言い古された表現ながら、色彩感あふれる演奏とはこのような演奏を表現するものでしょう。客席にいたバンダの演奏効果は見事でした。これでトゥッティのアンサンブルがピタッとはまっていれば完璧でしたが、まあ、そこまではね。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:エサ=ペッカ・サロネン
  ヴァイオリン:庄司紗矢香
  管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団

  シベリウス:交響詩『大洋の女神』Op. 73
  ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op. 77
   《アンコール》シベリウス:水滴

   《休憩》

  ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』全曲 1910年原典版

   《アンコール》
    ラヴェル:《マ・メール・ロワ》より、《妖精の園》


最後に予習について、まとめておきます。

シベリウスの交響詩『大洋の女神』を予習したCDは以下です。

  パーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団 1972年 セッション録音

シベリウスはやはり、ベルグルンドが最高です。新鮮で瑞々しい演奏です。


ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を予習したCDは以下です。

  リサ・バティアシュヴィリ、エサ=ペッカ・サロネン指揮バイエルン放送交響楽団 2010年5月 ミュンヘン、ヘルクレスザール セッション録音
  ヒラリー・ハーン、マレク・ヤノフスキ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 2002年、オスロ セッション録音

バティアシュヴィリの美しい響きの演奏は完璧に思えました。しかし、22歳のヒラリー・ハーンの演奏を聴くと絶句します。そのクールな演奏はこの曲の真髄の迫るものに思えました。ヒラリーの青春の残像です。しかし、この2つの素晴らしい演奏に対して、今日の庄司紗矢香の演奏は遥かに凌駕するものでした。初演したオイストラフと比べてみたくなります。後で聴いてみましょう。


ストラヴィンスキーのバレエ音楽『火の鳥』を予習したCDは以下です。

  フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2010年10月2日,パリ,シテ・ド・ラ・ミュジーク、10月9日,ラン大聖堂 ライヴ録音

ピリオド楽器で演奏された驚きの録音ですが、今や、この演奏が決定盤と言っても差し支えないでしょう。素晴らしい演奏、響きです。



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       庄司紗矢香,  

「ダントンの死」の3重の意味に共感 飯森範親&東京交響楽団@サントリーホール 2020.1.25

飯森範親の東響での指揮及びプログラムはいつも超挑戦的です。今回も前半のプログラムは日本初演2曲と準日本初演1曲という凄い選曲。準日本初演になったのは、1曲目のラッヘンマンのマルシェ・ファタールですが、これは昨年の11月30日、広島交響楽団がアンコール曲として日本初演したばかりです。そのときの指揮は2018年1月1日(つまり、ニューイヤーコンサート)に世界初演したカンブルランだったそうです。ですから、本編、あるいは東京での初演は今日の演奏だということになります。
また、前回、飯森範親の指揮で東響のコンサートを聴いたのは1年半前ですが、そのときはウド・ツィンマーマンの歌劇「白いバラ」の日本初演でした。その演奏のとても素晴らしい出来に大変な感銘を受けました。そのときのソプラノは今日も登場する角田祐子です。飯森範親と角田祐子のコンビはドイツ系の野心作にいつも挑戦してくれます。それもとびっきりのレベルでね。

さて、前置きはそのくらいにして、今日の演奏内容に触れてみましょう。最初のラッヘンマンのマルシェ・ファタールですが、ラッヘンマンと言えば、難解な現代音楽の作曲家。以前、アルディッティ・カルテットの演奏で弦楽四重奏曲を聴いたときはsaraiはまったく分からなくて、手も足も出ずに完敗したという苦い記憶があります。曲名のマルシェ・ファタールですが、連想するのはファム・ファタール(運命の女)。運命の行進曲って何?と思いますが、どうやら、命がけの行進曲とか、命取りのマーチとか訳すようです。それでも意味不明です。実際の音楽を聴くと、一見、調性のあるフツーの行進曲に聴こえます。ラッヘンマンもポストモダン風に変節したのかと思いますが、さすがに色々な仕掛けがあります。実はsaraiと配偶者の席の横2席が空席だったのですが、開演前にスタッフが来て、その席をおろして座れる状態にしていきました。その謎の状況に首を捻っていたんです。何か理由があるなら、我々に一言断ってくれてもいんじゃないかと思っていました。その理由が判明したのはこのマルシェ・ファタールの演奏中のことです。指揮していた飯森範親が突如、指揮をやめて、ステージから降りてきます。その意味はプログラムの解説で分かっていました。レコードの針が飛んで、同じ個所を何度も繰り返すように、この曲も部分的に永久ループに陥るところがあって、指揮者はそのときに持ち場を離れるということです。飯森範親はつかつかと我々の席に近づいてきます。そうなんだ・・・彼が横の空席に座るんだと思った瞬間、彼は何とそこに座らずに一つ後ろの席の座面をおろして座ります。彼は座る席を間違えたんです。→ 飯森範親殿、あなたはミスしましたよ!
しばらくして、彼はご丁寧に席の座面を上げて、舞台に戻っていき、永久ループを解きました。何とね・・・。
この曲はその後、予告通り、リストの《愛の夢第3番》のテーマ、そして、ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》の愛の動機を奏でて、終わります・・・いや、終わっていない・・・飯森範親が変なおもちゃの笛を吹いて、こんな行進曲は茶番だったことを宣言して、最終完了。難解なラッヘンマンが妙に分かりやすい曲を書いてくれたのはよいのですが、複雑な思いです。ラッヘンマンは変わってしまったのでしょうか。ところでこの曲名の意味は、ナチスが戦意高揚に用いた行進曲を作曲家が命がけの思いで、ちゃんとした聴ける音楽に書き変えて、行進曲としての本来の価値をなしくずしにしたということのようです。再び、世界中に聞こえてきた戦争の足音へのアンチテーゼなのでしょうか。飯森範親がこの曲を取り上げた意味は、前回の歌劇「白いバラ」と同様に、我が日本の昨今の政治状況やナショナリズムの台頭への警鐘なのでしょうか。

2曲目と3曲目はいずれも「ダントンの死」にまつわるオペラ作品から取り出した音楽で、続けて演奏されます。ジョルジュ・ダントンはフランス大革命の立役者の一人ですが、同じくフランス大革命の立役者のロベスピエールが宿敵となり、ギロチンの露と消えてしまいます。そのダントンの死を扱った文学作品は多く、19世紀のドイツの革命詩人ゲオルク・ビュヒナーが書いた戯曲『ダントンの死』もその一つです。オーストリアの20世紀の作曲家ゴットフリート・フォン・アイネムが第2次世界大戦後、すぐにオペラ化して、1947年のザルツブルク音楽祭で初演して、大成功を収めました。ナチスの扇動で洗脳された社会の恐怖をフランス大革命時の恐怖政治と重ね合わせたオペラはその時、実にリアルだったようです。時は移り、21世紀は決してバラ色の世界とは言えない状況です。ドイツ新時代の作曲家ヴォルフガング・リームは再び、ビュヒナーの戯曲『ダントンの死』の最終場面をテキストとして、ソプラノとオーケストラのための情景《道、リュシール》を書き上げました。ダントンの同僚カミーユ・デムーランもギロチンにかけられますが、夫の死刑を目の当たりにした妻リュシール・デュプレシが狂気にかられていく様が描かれています。その凄まじい音楽は現在を生きる我々も限界状況にあって、扇動と恐怖によって、滅びの道を歩んでいることを告発しているかの如くです。飯森範親の卓抜なプログラムの設定によって、フランス大革命の狂気、ナチスの犯罪的な戦争と恐怖、現代の滅びの道に至る扇動やナショナリズムの狂気が3重の意味を持って、我々、聴衆に迫ってきます。ギロチン台を前にしたリュシールが最後に放つ言葉は《Es Lebe der König:国王万歳!》 革命に身を投じていたリュシールは革命に異議を唱えたのではなく、革命の持つ狂気にアンチテーゼを放ったものです。リュシール役の角田祐子はこの言葉をピアニッシモではなく、かと言ってフォルッティシモでもなく、微妙にピアニッシモのニュアンスを含んだフォルッティシモで投げかけることで戦慄を覚えさせることに成功しました。飯森範親がこの2曲で表現したかったのは、ラッヘンマンのマルシェ・ファタールと同じく、我が日本への憂慮であったことは明白です。彼の強い気持ちを汲み取りつつ、音楽のチカラが何かを変えられることを信じましょう。

このままで終われない飯森範親は後半のプログラムにR.シュトラウスの家庭交響曲を持ってきました。R.シュトラウスの晩年の名作、オペラ《ダナエの愛》を思わせる情感を感じさせるものがこの作品に芽生えていることに気づかされました。殺伐とした時代への救いは、家庭へのほのぼのとした情愛であることを飯森範親は語りたかったのでしょうか。実際、そういう音楽作りを目指しているように思えました。それにしても、日本のオーケストラもこの難しいR.シュトラウスのオーケストラ曲を見事に演奏してくれます。東響のアンサンブル力の飛躍には目をみはるものがあります。コンマスのニキティンのソロも素晴らしかったです。先の見えない社会状況ですが、少なくとも、日本の音楽力のジャンプアップだけは信じられる未来です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:飯森範親
  ソプラノ:角田祐子
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ラッヘンマン:マルシェ・ファタール
  アイネム:「ダントンの死」管弦楽組曲 Op.6a(日本初演)
  リーム:道、リュシール(日本初演)

   《休憩》

  R.シュトラウス:家庭交響曲 Op.53


予習ですが、ラッヘンマンとアイネムは以下のYOUTUBEで聴きました。リームは音源が見つからず、予習なし。

 ラッヘンマン https://www.youtube.com/watch?v=u-gI9u-bjHo カンブルラン指揮シュトゥットガルト州立管弦楽団(世界初演)
 アイネム https://www.youtube.com/watch?v=iDbTr6u5wis マイスター指揮ウィーン放送交響楽団


R.シュトラウスの家庭交響曲を予習したCDは以下です。

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1944年1月12日、旧フィルハーモニー・ホール爆撃前最後のコンサートのライヴ録音 フルトヴェングラー 帝国放送局 (RRG) アーカイヴ 1939-45
 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1964年 セッション録音
 ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン 1972年 セッション録音 R.シュトラウス:交響曲・管弦楽曲・協奏曲全集

 
フルトヴェングラーの凄まじくロマン濃い演奏に圧倒されます。2018年末に出た帝国放送局 (RRG) アーカイヴのハイレゾの音質は驚異的です。ついでに聴いたブラームスの交響曲第4番はsaraiが生涯で聴いた最高の演奏です。その素晴らしさに嗚咽してしまいました。このアーカイヴは既に聴いたものも多いのですが、ハイレゾの最高の音ですべて聴き直しましょう。
セルもケンペもそれぞれ素晴らしい演奏です。何の文句もありません。



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自然なモーツァルトの響きにほのぼの・・・佐藤俊介&東京交響楽団:モーツァルト・マチネ 第39回@ミューザ川崎シンフォニーホール 2020.1.18

今日は朝11時からのミューザ川崎でのモーツァルト・マチネ。朝が弱いsaraiには結構きつい時間帯のコンサートです。でも、今日のモーツァルト・マチネは海外で活躍中の佐藤俊介の自然なスタイルの指揮とヴァイオリンにほっこりしました。一部、寝落ちしましたが、それほど心地よかったということです。

モーツァルト・マチネと言いながら、今日の前半のプログラムはモーツァルトと親交のあった作曲家の作品です。

まず、C. P. E. バッハのシンフォニアです。C. P. E. バッハと言えば、つい最近まで当ブログで書いていたハンブルク散策の中で訪れた聖ミヒャエル教会の地下に埋葬されている大バッハの次男ですね。彼の作品はほとんど聴いたことがありません。父親の大バッハとはまるで傾向の違う作品を書いていたんですね。北ドイツのハンブルクで書かれた作品とは言え、随分、イタリア風のテーストが感じられました。力強いパートと繊細で優しいパートが交互に入れかわるという感じの音楽を丁寧に、それでいて、さらっと演奏してくれました。

次はトーマス=リンリーJr.のヴァイオリン協奏曲です。佐藤俊介のさりげないヴァイオリンの演奏がバロック風の典雅な雰囲気を心地よく感じさせてくれました。短い第2楽章のしみじみとした抒情が印象的でした。

後半は10代のモーツァルトが作曲した作品です。前の2曲とほぼ同時代に作曲されたものですが、時代をリードしていくモーツァルトの天才ぶりがうかがえて、とても興味深いです。

まず、交響曲 第26番です。イタリア旅行の直後に書かれたものでイタリア風の作風になっていますが、既にモーツァルトの才が光っています。この曲を実演で聴くのは初めてです。コンパクトな作品が軽妙に演奏されました。

最後は、ヴァイオリン協奏曲 第1番です。これはとても颯爽とした美しい演奏でした。佐藤俊介のヴァイオリンの演奏が光りましたが、決して、古典の枠からは外れない節操のある自然な演奏が印象的でした。

現代はモーツァルトの作品の表現の幅が広く、色んなスタイルの演奏が楽しめます。今日の演奏はピリオド的な表現スタイルでしかも地味とも思える演奏でしたが、その丁寧で誠実な演奏は好感を持てるものでした。オランダ・バッハ協会の音楽監督として、活躍する佐藤俊介の実力が十分に発揮されたものでした。なお、彼の演奏を聴くのは今日が初めてです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮/ヴァイオリン:佐藤俊介
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:田尻順

  C. P. E. バッハ:シンフォニア 変ホ長調 Wq. 183/2, H. 664
  トーマス=リンリーJr.:ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調
  モーツァルト:交響曲 第26番 変ホ長調 K. 184/161a
  モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第1番 変ロ長調 K. 207

   休憩なし


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のC. P. E. バッハのシンフォニアを予習したCDは以下です。

 カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1969年7月、ミュンヘン、ヘラクレスザール セッション録音

手堅い演奏。文句なし。


2曲目のトーマス=リンリーJr.のヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

 エリザベス・ウォルフィッシュ、ピーター・ホルマン指揮パーリー・オブ・インストゥルメンツ

なかなかの好演です。特にエリザベス・ウォルフィッシュのヴァイオリンが素晴らしく美しい演奏です。


3曲目のモーツァルトの交響曲 第26番を予習したCDは以下です。

 ジェイムズ・レヴァイン指揮ウィーン・フィル 1984-1990年 ウィーン、ムジークフェラインザール セッション録音

レヴァインがウィーン・フィル初のモーツァルト交響曲全集として取り組んだもの。もちろん、とても美しい演奏です。


4曲目のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲 第1番を予習したCDは以下です。

 アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリンと指揮)ロンドン・フィル 2005年7月、ロンドン、アビーロード第1スタジオ セッション録音

ムターのモーツァルトの演奏はひそかに愛好していますが、この曲はちょっと合わなかったかもしれません。



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どこか温もりを感させるヴィルサラーゼのピアノを堪能@浜離宮朝日ホール 2020.1.17

たった1台のピアノで奏でる音楽が好きです。ピアノ・リサイタルを開くピアニストは誰でも素晴らしい音楽を聴かせてくれます。超一流のピアニストだけでなく、広く聴きたいと思いますが、まあ、そうもいきません。膨大な数のピアノ・リサイタルが日々、開かれています。今日はロシアを代表するピアニストの一人、エリソ・ヴィルサラーゼのピアノ・リサイタルに足を運びました。前から気になっていたピアニストですが、これが初聴きになります。もっともCDではシューマンなどを聴いていました。

会場はほぼ満席。sarai同様、ピアノのファンは多いですね。熟年のヴィルサラーゼが黒づくめのいでたちで登場。黒髪の彼女はピアノも含めて、漆黒の舞台を作り上げます。椅子に座ると、間を置かないで、鍵盤を叩き始めます。

プログラム前半はロシアもの。まず、チャイコフスキーの四季です。てっきり、全12曲弾くのかと思っていたら、1月から8月までの8曲だけに絞るそうです。プログラム全体の長さを考慮したのでしょう。有名な6月《舟歌》はちゃんと弾かれるのでいいでしょう。10月《秋の歌》が聴けないのがちょっと残念です。
安定した響きの演奏です。指慣らし程度の演奏かと思っていたら、きちんと熱の入った本格的な演奏です。あまり、ロシアを前面に出したような演奏ではなく、ピュアーなピアノで真摯な音楽を奏でていきます。どこか人間の温かみを感じさせる演奏にぐっと惹き入れられます。やはり、有名な6月《舟歌》は見事な演奏でチャイコフスキーの美しい旋律美を堪能させられます。全12曲でないのは残念ですが、素晴らしい8曲の演奏に満足。

次はプロコフィエフ。サルカズム5曲とトッカータが続けて演奏されます。同じロシアものと言ってもチャイコフスキーとプロコフィエフはまったく別物です。ロマンの香りのするチャイコフスキーに対して、プロコフィエフはモダンで先鋭的です。激しいリズムで超絶技巧の作品をヴィルサラーゼはなんなく弾きこなします。超絶的な演奏ではありますが、テクニシャンが陥りやすい無機的で音楽的内容に乏しい演奏とは一線を隔して、ここでも、どこか温もりのある音楽を聴かせてくれます。それでも、迫力のあるピアニズムはさすがネイガウス門下であることを思い起こさせます。カミソリのような切れ味鋭いピアノではなくて、たっぷりとしたピアノの響きを聴かせながらも怒涛のダイナミズムのピアノの演奏でした。うーん、素晴らしいプロコフィエフです。

後半はヴィルサラーゼの得意とするシューマンです。
まずはノヴェレッテンの第8曲。なかなかの大曲です。複雑な作品ですが、旋律線を明確にして、よく整理された演奏です。素晴らしいシューマンです。満足、満足。

最後はシューマンの傑作中の傑作、幻想曲。第1楽章が出色の出来でした。ともかく、ここでも明確な旋律線。シューマンでここまで明確に弾き切るのは至難の業でしょう。と言っても、シューマンらしいロマンと展開の意外性が損なわれているわけではありません。ヴィルサラーゼならではのシューマンがここでは聴かれます。ちょっと不満があったのは第3楽章です。よいところはここでも明確さですが、鳴らし過ぎの感は否めません。このあたりは趣味の問題かもしれませんが、saraiとしてはこの第3楽章は密やかに静謐に音楽を奏でてもらいたいんです。ホールの後方の席で聴けば、また、印象が違ったかもしれません。昨年聴いた田部京子やザルツブルク音楽祭で聴いたアンドラーシュ・シフの素晴らしい第3楽章のイメージが忘れられません。

と言うことで、シューマンの幻想曲の第3楽章を除けば、チャイコフスキーもプロコフィエフもシューマンも第1級の出来でした。アンコール曲は本編と関係なしに何とショパン。特に最後の華麗なる大円舞曲が素晴らしい演奏。あまりショパン好きではありませんが、思わず聴き惚れてしまいました。


今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:エリソ・ヴィルサラーゼ
 
  チャイコフスキー:四季 Op. 37bより 1月~8月
  プロコフィエフ:風刺(サルカズム) Op.17
   ニ短調 Op.11

  《休憩》

  シューマン:8つのノヴェレッテ Op.21より第8番嬰へ短調
  シューマン:幻想曲 Op. 17

  《アンコール》
   ショパン:マズルカ 第45番(遺作) Op.67-4 イ短調
   ショパン :華麗なる大円舞曲 第2番 Op.34-1 変イ長調


最後に予習について、まとめておきます。

チャイコフスキーの四季を予習したCDは以下です。

 ミハイル・プレトニョフ 1994年1月 アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン セッション録音

あんまり、プレトニョフのピアノは聴いていませんが、刮目するような演奏です。一度、実演を聴いてみたくなります。


プロコフィエフの風刺(サルカズム)を予習したCDは以下です。

 ヴァレリー・アファナシエフ 2017年7月3-5日 フェストハレ、フィアゼン、ドイツ セッション録音

アファナシエフの『テスタメント(遺言)』と題された6枚組の超弩級のボックス・セットに含まれた録音です。2017年にハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンという独墺音楽のほか、ビゼー、フランク、ドビュッシーというフランス音楽、そして、プロコフィエフが録音されました。凄い演奏です。アファナシエフも縁がなく、聴き逃がしているピアニストです。一度はチケットを買いましたがヨーロッパ遠征のスケジュールと重なったため、聴けませんでした。早々に実演に駆け付けましょう。


プロコフィエフのトッカータを予習したCDは以下です。

 マルタ・アルゲリッチ 1960年7月 ハノーファー セッション録音

アルゲリッチのデビュー・アルバムの中の1曲。何と颯爽としているんでしょう。


シューマンの8つのノヴェレッテを予習したCDは以下です。

 伊藤恵 シューマニアーナ6 1995年5月 埼玉アーツシアター セッション録音

伊藤恵の重厚でしっかりしたシューマンは聴き応え十分。


シューマンの幻想曲を予習したCDは以下です。

 伊藤恵 シューマニアーナ5 1993年9月 田園ホール・エローラ(松伏町中央公民館)、埼玉県北葛飾郡 セッション録音
 アンドラーシュ・シフ 2010年6月20日-22日 コンツェルトザール、ノイマルクト、ドイツ セッション録音

伊藤恵の素晴らしいシューマン! そして、それ以上に素晴らしいシフのシューマン! もちろん、今回は聴きませんでしたが、リヒテルの名演も忘れてはいけません。田部京子も是非、録音してほしいものです。



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新年は意欲的なプログラムでスタート 下野竜也&読売日本交響楽団@サントリーホール 2020.1.15

今年初めてのコンサートはやっぱりサントリーホール。昨年最後のコンサートもサントリーホールでした(みなとみらいホールのジルヴェスターコンサートは除いて)。昨年はサントリーホールに23回通いました。ほぼ月2回のペースですね。

ともあれ、今日のコンサートは実に意欲的なプログラム。ショスタコーヴィチを除けば、あまり、コンサートで取り上げられない作曲家、ジョン・アダムズ、モートン・フェルドマン、ソフィア・グバイドゥーリナという面々です。にもかかわらず、サントリーホールがそうガラガラというわけではないのが、東京のクラシックファン人口の層の厚さです。

最初のショスタコーヴィチのエレジーは、歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の第1幕でタイトルロールのカテリーナが歌うアリアをもとに弦楽四重奏用の作品にしたものです。実に哀愁あふれる作品です。今日はそれが弦楽合奏で演奏されました。2017年のザルツブルク音楽祭でこの歌劇を聴いた記憶が鮮明に蘇ります。昨年末に亡くなったヤンソンスの素晴らしい指揮でした。今日の演奏はしっとりと抑えた演奏で静謐な雰囲気が醸し出され、オペラとはまた違った感銘を与えてくれました。終盤の第2ヴァイオリン、チェロ、ビオラの首席のソロの3重奏は美しく、印象的なものでした。コンミスの日下紗矢子がリードした第1ヴァイオリンの密やかな合奏も見事で魅了されました。下野竜也の丁寧でよく考えられた音楽作りが光った一品です。

次はポスト・ミニマルの旗手であるアメリカの作曲家ジョン・アダムズのサクソフォン協奏曲。人気の若手サクソフォン奏者、上野耕平の登場です。ポスト・ミニマルの音楽は音型の厳密な反復のミニマル音楽を自由なロマン的要素を加えたものですが、この曲はミニマル音楽とサクソフォンのジャズ的な要素をかけ合わせた斬新なものです。上野耕平の見事なサックスが炸裂した素晴らしい演奏でしたが、それを認めた上で、もっとフリージャズ的な奔放さも聴きたかったというのが正直な感想です。終盤の熱い盛り上がりには興奮させられましたけどね。

休憩後の後半の2曲はいずれも日本初演という意欲的なプログラム。
まずはアメリカの作曲家、モートン・フェルドマンのOn Time and the Instrumental Factor。先ほどのポスト・ミニマルや最近のロマン的傾向の調性を感じさせる現代音楽とは一線を隔する厳しい音楽です。調性どころか、無調の音列的な要素も排除し、ただただ、音の響きと無音を繰り返し、スタティックな音場を現出させるのみ。これを退屈と見るか、修行の道と思うか、難しいところです。甘い傾向に流れがちの最近の現代音楽へのアンチ・テーゼとしては、刺激的ではあります。演奏自体は読響の優秀なアンサンブルの美しい響きが素晴らしいものでした。ただ、下野竜也のきっちり拍を刻む指揮は視覚的にはちょっと面白くない感じ。演奏上は必要なんでしょうが、どうにかならないものかな。まあ、見なければいいんですけどね。

最後は近年、その名を聞くことが多くなったロシアの作曲家ソフィア・グバイドゥーリナの《ペスト流行時の酒宴》の日本初演です。実はグバイドゥーリナの音楽を聴くのは初体験なんです。今日の演奏にはいたく刺激を受けました。冒頭の金管のモティーフが全曲に渡り、登場しますが、その変幻自在ぶりに次第に心を惹かれていきます。終盤の高潮とあっけない結末に心躍るものがありました。これまで聴いた経験のない方向性の音楽に強い興味を感じさせられました。ところで曲の後半に電子音楽(テープ音楽)がオーケストラの響きに重なってきます。とても短いフレーズが何度も流れます。指を折って、カウントしましたが、プログラムの解説通り、16回登場しました。このテープ音が違和感なく、オーケストラの響きに和しているのに驚きます。サイモン・ラトルやヤンソンスがこの曲を何度も取り上げているのが何となく理解できました。今後、世界のオーケストラの定番曲のひとつになるかもしれませんね。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:下野竜也
  アルトサクソフォン:上野耕平
  管弦楽:読売日本交響楽団 日下紗矢子(コンサートミストレス)

  ショスタコーヴィチ:エレジー(シコルスキ編の弦楽合奏版)
  ジョン・アダムズ:サクソフォン協奏曲
   《アンコール》テュドール:クウォーター・トーン・ワルツ

   《休憩》

  フェルドマン:On Time and the Instrumental Factor(日本初演)
  グバイドゥーリナ:ペスト流行時の酒宴(日本初演)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のショスタコーヴィチのエレジーを予習したCDは以下です。

 アレクセイ・ウトキン指揮(およびオーボエ) エルミタージュ室内管弦楽団  2004年10月 2005年2月 モスクワ演劇学校、ロシア放送局第5スタジオ、モスクワ セッション録音

独奏オーボエと弦楽合奏のための編曲版です。オーボエが歌うように演奏しています。美しい演奏です。


2曲目のジョン・アダムズのサクソフォン協奏曲を予習したCDは以下です。

 ティモシー・マカリスター(Sax)、デイヴィッド・ロバートソン指揮セント・ルイス交響楽団 2013年10月5-6日 パウウェル・ホール、セント・ルイス
 
作曲された年に早くも録音されたものです。ジャズっぽいサクソフォンの演奏が光っています。


3曲目のフェルドマンのOn Time and the Instrumental Factorを予習したCDは以下です。

 ブラッド・ラブマン指揮ベルリン・ドイツ交響楽団 2009/10年録音

この曲の初録音盤です。演奏の良し悪しは判断できません。


4曲目のグバイドゥーリナのペスト流行時の酒宴を予習したCDは以下です。

 マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団 2011年10月21日 アムステルダム、コンセルトヘボウ ライヴ録音
 
昨年末に亡くなったヤンソンスのコンセルトヘボウ管 首席指揮者勇退記念リリースのライヴ放送録音集1990-2014(CD13枚、DVD1枚)の中から、聴きました。ショスタコーヴィチを始め、ロシアものの演奏は見事でしたが、この演奏もそのひとつ。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico
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