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ウフィツィ美術館、あわや・・・

2009年5月2日土曜日@フィレンツェ

今日は旅の2日目。と言っても昨日は飛行機に乗っているだけでしたから、実質的には初日。フィレンツェFirenzeの2日目です。

ぐっすり眠り、機嫌よく起床。気温は低そうだけど、快晴。ぐんぐん気温も上がり暑いほどの一日になりそうな予感がします。

フィレンツェは三回目の訪問。どうしても見たいというものは新たにはありません。でも、ウフィツィ美術館Galleria degli Uffiziは何度でも行きたい美術館です。まずは行っておこうということで、朝一番の9時に予約してあります。さっさと身支度して、朝食に向かいます。
ま、普通のハム・ソーセージ・卵という珍しくもないメニュー。飲み物はコーヒーか紅茶かと訊かれて、配偶者はすかさず「チョコレートはある?」と訊き、もちろんとのことなので、配偶者はチョコレートをお願いします。配偶者はいつもはチョコレートが特に好きということはないですけど、ヨーロッパのホテルは、チョコレートをお願いするとほとんどの場合用意してくれるのが楽しくて、必ず注文することにしているとのことです。特別に持ってきてくれたこのホテルのチョコレートはドロッとしていて、スプーンですくって飲むようなもの。この濃さが、ホテルによっていろいろあるのがまた楽しいらしい。saraiはたいていカプチーノをお願いします。
ゆっくりと朝食を楽しみます。

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朝食をいただいていると、saraiは突如、ウフィツィ美術館の予約時間を誤って認識していたことに気付き、「えっ、予約が8時15分になってる!」と大騒ぎしてします。どこで9時と思い込んだのかなんて自分を責めている場合ではありません。ほとんど朝食は終わりかけていましたが、時は8時ちょっと前。

慌ててホテルを飛び出し、タクシーをひろってウフィツィ美術館へ直行。もう入り口には長い行列が出来ていますが、それは予約なしの人たちの行列。sarai達は予約済みの窓口へ向かいます。が、ここもそこそこの行列ができています。今まではこんなことはなかったのに、ますますウフィツィ美術館を観るのは大変になっているようです。

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でも、30分ほどで館内に入ることができます。が、入館のとき、空港のような荷物検査があります。美術館テロ対策でしょうね。その必要があるほどの名品が一杯ですからね。
まずは、一目散にお目当てのボッティチェリの部屋に直行。まだそんなに込み合っていなかったので、ゆっくり、ここでしか見られない傑作を堪能。やっぱり凄く美しいですね。どうしてこんな作品を描けたのでしょうか。ルネッサンスという時代と天才がかみ合った結果なんでしょうね。「ビーナスの誕生」、「春」、「マニフィカートの聖母」などなど、文字通り、2人で穴があくほど、近くから、遠くから、眺め続ける至福の時間です。

「ビーナスの誕生」(部分)

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「春」(部分)

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「マニフィカートの聖母」、saraiと配偶者の一番のお気に入りです。自宅のトイレに複製画が飾ってあります(笑い)。

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次に前回、展示されていなかったフィリッポ・リッピの「聖母子」を探しに行きます。ありました、ありました。今回はいつもの場所にちゃんと展示されてます。でも、なぜか、すごい人だかり。まずは人だかりをかき分けて、人と人の隙間から観賞。こんなに人気があるのかな? しばらくして、この人だかりも解消し、ゆっくりとご対面。聖母マリアの繊細な美しさはほかに比べようもありません。モデルはリッピの奥さんだとのこと。さぞや綺麗な方だったんでしょう。僧侶画家のリッピと尼僧だった彼女の許されない筈の恋も、何故そうまでして結婚を成就したのか、この美しさがすべてを物語っていますね。

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お目当てを観賞し、saraiはすっかり満足。もう、このまま美術館を出ても後悔はありません。でも、配偶者から、「待った」。ちゃんと最初から、全部見て回りましょうとのこと。それはそうです。ほかにも、名品の山。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ等々、有名な芸術家の作品が揃っています。

ミケランジェロの「聖家族」

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ラファエロの「ひわの聖母」

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ティツィアーノの「ウルビーノのビーナス」(部分)

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途中の回廊では、アルノ川Arnoが見渡せる窓があります。ベッキオ橋Ponte Vecchioがよく見えます。

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そして、最後はルネッサンスとは関係ないレンブラントやエル・グレコの名品まであるのは、あり過ぎの印象ですね。
作品群の観賞が終わり、出口に向かっていると、カフェの表示があるので、行ってみると、屋外テラスにカフェができています。その横からは、ヴェッキオ宮殿Palazzo Vecchioやサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂Cattedrale di Santa Maria del Fioreのクーポラがよく見えます。このような景色は2人は初体験です。

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まわりの人達同様に夢中でカメラのシャッターを切り続けます。やはり、最近はヨーロッパは文化財のリノベーションブームで、一度行ったところでも、しばらく経つとすっかりと変わったりしています。だから、何度でも通いたくなりますね。

次はフィレンツェの街を抜け出して、郊外のフィエーゾレFiesoleの丘に向かいます。



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フィエーゾレの丘からの素晴らしい眺め

2009年5月2日土曜日@フィレンツェ/2回目

ウフィツィ美術館Galleria degli Uffiziをまさに満喫して、シニョリーア広場Piazza della Signoriaに出ます。ここのロッジア・ディ・ランツィLoggia dei Lanziの屋外彫刻もなかなか見ものです。

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広場の中ほどには、コジモ1世の騎馬像もあります。

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このあとに予定しているのは、郊外のフィエーゾレFiesoleの丘からフィレンツェの街を眺めたいなあと思っていたこと。お天気も最高なので、バスの出るフィレンツェ中央駅Stazione Centraleの方にブラブラと向かいます。途中の通りもフィレンツェらしく、狭いけれどもいかにもフィレンツェを感じさせる通りが続きます。

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路地から振り返ると、建物の隙間からヴェッキオ宮殿Palazzo Vecchioの塔が顔を出しています。

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路地から東のほうを見ると、ダン・ブラウンのラングドン教授シリーズの4作目の 小説『インフェルノ』の冒頭の場面で有名になったバディア フィオレンティーナ教会Badia Fiorentinaが見えています。(もっともこの時(2009年)には小説『インフェルノ』はまだ出版されていませんでしたけどね。2013年の出版です。)

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路地に果物屋さんがあります。艶やかで美味しそうな果物が並んでいます。

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狭い路地を歩いていきます。古き良きフィレンツェを感じます。

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懐かしいサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂Cattedrale di Santa Maria del Fioreの前に出ます。クーポラが美しいですね。

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傍らに立つジョットの鐘楼Campanile di Giottoを見上げます。

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サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の向かいの建物にクーポラを作り上げた建築の天才フィリッポ・ブルネレスキの彫像Statua di Filippo Brunelleschiがあり、クーポラを見上げています。

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近くに寄って、ブルネレスキさんとご対面。

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このサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の前は相当な人出でごったがえしています。クーポラに登る行列もあきれるほどの長さです。驚いたことに、大聖堂の中に入るのも制限があるようで、これも長い行列になっています。教会って「常に開かれている」はずですよね。ハ~、フィレンツェ人気は凄いですね。
大聖堂を過ぎて、駅に向かって行くと、向こうから、どんどんものすごい量の人がやってきます。ヒェ~!

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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駅前のバス停からフィエーゾレの丘行きのバスに乗り込みます。ごったがえす旧市街地を抜け、郊外へ。やがて徐々に登り始め、美しい木々の間には別荘が建ち並んでいます。そして、30分ほどもバスに揺られると、なんとも言葉にならない美しい景色が広がります。
終点のフィエーゾレのドゥオーモCattedrale di San Romolo前の広場でバスを降ります。ここから、サン・フランチェスコ通りVia S. Francescoの坂を上ります。少し上ったところで、振り返って見下ろすと、バス停のある広場が見えます。

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もう少しサン・フランチェスコ通りの坂道を登っていきます。

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すると、サン・フランチェスコ通りの展望台Panorama dalla Strada per S. Francescoに出て、素晴らしいパノラマが広がります。

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眼下に赤い瓦屋根のフィレンツェ街並みが広がり、その真ん中にサンタ・マリア・デル・フィオーレのクーポラが・・・。その街並みを取り囲むように丘が広がります。その美しさに呆然とし、ベンチに腰掛けてうっとりしてしまいます。先程までのごったがえす人の喧騒がうそのように静かに穏やかに時がながれます。
フィレンツェの町をズームアップすると、遠くにサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラが見えます。

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この丘の少し下にはメディチ家のヴィッラVilla Mediciがある筈です。昔日に偉大なるロレンツォを中心にプラトン・アカデミーの集まりで優雅な時間が流れた場所です。ロレンツォの庇護の下、ボッティチェリもここで名画の着想を得たのでしょう。

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メディチ家のヴィッラからもここと同じような眺望でフィレンツェの町が眺められたようです。ルネッサンスの栄光の時に思いを馳せます。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ここでしばし眺めを楽しみ、その後、フィエーゾレの丘をもう少し散策します。



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フィエーゾレの丘を散策し、いざ、フィレンツェで買い物

2009年5月2日土曜日@フィレンツェ/3回目

フィエーゾレFiesoleの丘からの素晴らしい眺めを楽しみながら、しばしの静かな時を過ごし、再び、坂道を上って、サン・フランチェスコ修道院Convento San Francescoに向かいます。

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大きな修道院ではありませんが、僧房を伴う不思議に安らぎのある修道院です。修道院の前には小さな緑の広場があります。

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修道院にはいると、中庭への扉も開かれています。ふらっと入ってみると、とても小さな庭ですが、中央に井戸があり、草花が咲き、美しく、心落ち着く場所です。

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中庭の周りにはちょっとしたイタリア式回廊があり、印象的なフレスコ画が飾られています。

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この中庭でしばしの時を過ごします。

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今度は裏道を通って、ドゥオーモCattedrale di San Romoloの方に戻ります。

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草原には可愛い白い花がひっそりと咲いています。

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このフィエーゾレの丘は、ローマ人が来る前にエトルリア人が街を築いたそうです。その遺跡や、ローマ人の作った劇場跡などがある遺跡保護地区にもなっています。裏道からは遠くに遺跡らしきものが見えます。

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石を積み上げた石塀が続く道があります。古い歴史を感じさせる地区です。

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ドゥオーモ近くに戻ると遺跡地区への入口があります。入ってみましょう。遺跡の中心はローマ劇場跡Teatro Romanoです。

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ローマ劇場のまわりには美しい公園が広がっています。広大な遺跡保護地区です。

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とりあえず、saraiはこのローマ劇場を下りていき、下からバンザイ! 綺麗な自然の中ではしゃいでます。

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配偶者はローマ劇場の観客席の上方でゆっくりと休んでいます。

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遺跡の中には春を待っていたように小さなかわいい草花が咲き乱れています。

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saraiはローマ劇場の奥まで進んで、そこから振り返ると、ローマ劇場の観客席の全貌が見渡せます。

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遺跡の周りは素敵な散歩道になっています。

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汗ばむような陽気の中、小鳥の鳴き声や教会の打ち鳴らす鐘の音を聞きながらそぞろ歩きます。

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古代遺跡は綺麗に整備されて、気持ちのよい空間が広がります。

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遺跡の奥のほうはそのまま緑の丘に続いていきます。ローマのフォロロマーノとは比較もできませんが、人も少なく、静かな自然に囲まれて、古代ローマ時代を偲ぶことができます。

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再び、ローマ劇場の上に戻ってきました。十分に古代遺跡を鑑賞しました。

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ところで、このローマ遺跡のなかにフィエーゾレ博物館Musei di Fiesoleがあり、過去の遺物が展示されており、一応、見てまわりますが、一番奥まで行くと、何故か、そこでは、ドイツの文豪へルマン・ヘッセの描いた水彩画の展示会をやっています。珍しいところで、珍しいものを鑑賞してしまいました。

ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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さあ、街に戻りましょう。また、ドゥオーモ前の広場でバスに乗り、フィレンツェ中央駅Stazione Centrale前のバス停まで30分ほどです。
いったんホテル(駅の近く)に戻ります。今日は朝早くからの行動でしたから、まだ、午後1時過ぎです。黄色い外観が綺麗なホテル・アルバーニです。

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部屋に戻って、お目当てのシーフードが美味しいと評判のアルノ川河畔のレストランに夕食の予約を入れます。ヨーロッパのレストランは事前のテーブル予約が基本です。名前と人数と時間を伝えるだけなので、ちょっとした英語で十分通じます。フィエーゾレでは、ずい分、歩き回りまったので、ホテルの部屋で少し一息ついて、また元気よくフィレンツェの町の散策に出かけます。まだ、午後早い時間です。

フィレンツェには、グッチとフェラガモの本店があります。やはり無視は出来ませんよね。ブランドショップ通りに向かう途中で、カフェの有名店でパスタを頂いて、いざ出陣。ウフフ・・・買いました!

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買い物をすませ、さて夕食までの時間をどう過ごそうかと考えていると、saraiは少し具合が悪くなります。歩いているとお腹がシクシク痛みます。極端に歩みがのろくなります。困ったね。ウロウロしていても仕方がないので、配偶者の提案でいったんホテルに帰ることにします。といっても歩いて帰るわけにはいきません。近くにバス停があるので、バスを待つことしばし。バスはたいてい駅行きなので、こんなときは駅近くのホテルは便利。ホテルに戻り、少し横になります。痛みはひどくはないのですが、旅はまだ始まったばかり。大事をとって、レストランの予約をキャンセルして、ホテルで休息することにします。配偶者はいたって元気。で、ルームサービスで夕食を済ませることにします。ルームサービスのある立派なホテルでよかった!

明日からは、アッシジへの旅に出るので、早く寝ることにします。お休みなさい。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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