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何故か、ひそやかに・・・京都探訪

コロナ禍の長期化する中、いかに生きるか・・・なんて言う難しい話ではなく、あえて旅に出ました。
でも、やはり、コロナを警戒して、密にならないように配慮します。外国人観光客の激減したという京都を選びます。
新幹線の車両はsaraiと配偶者のほかにはたった一人だけの乗客。宿は会員制のリゾートマンションで他の宿泊者とは出会いません。京都の街中も海外からの観光客は一人も見かけません。明日からも密を避けて、行動する予定です。

お昼過ぎに京都駅に着き、隣の奈良線のホームに移動し、一駅隣の東福寺駅に行きます。東福寺に行くわけではありません。駅前にある京寿司のお店、いづ松に行きます。

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このお店の絶品の鯖寿司を食べるのが、この旅の目的の一つなんです。お店のご主人に配偶者がその旨を話すと、とても喜んでくれます。
早速、鯖寿司と京寿司を注文し、持ち帰りの竹皮包みの鯖寿司も合わせて注文。
やがて、絶品の鯖寿司が運ばれてきます。ふっくらした鯖と酢の強いごはんの絶妙なバランスの最高の美味しさです。

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京寿司にはひとつだけ鯖寿司がはいっています。以前、これを食べて、鯖寿司のとりこになってしまったんです。

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お店は終始、貸し切り状態。客は我々二人だけです。京都は本当に観光客が激減しています。コロナ恐るべし!

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旅の目的の一つを達成し、お店のご主人に見送られて、お店を出ます。また、京都駅にとんぼ返り。
駅の観光案内所で明日からの行動の相談と交通チケットを購入。いつもは大混雑の観光案内所も相談者は我々だけで、ガラガラです。こんな京都の夏は2度とないでしょう。駅のデパ地下で明日からの食材を調達し、重い食材を抱えて、バス乗り場へ。いつもは超混雑の人気路線の100番のバス乗り場も誰もバス待ちをしていません。列の先頭でバスを待っていると、数人が列を作りますが、バスはガラガラのまま、出発します。驚いたことに道も空いており、スイスイと平安神宮前のバス停に到着。少し雨がぱらつく中をリゾートマンションに到着。ゆっくりと腰を落ち着けます。
しばらくすると、外は驟雨で平安神宮の赤い鳥居も煙っています。やがて、うそのように雨が上がり、空は晴れ上がります。

夕刻の散策に出かけましょう。
南禅寺前の参道は人影も少なく、風情があります。

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南禅寺の中門に到着。

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三門の横に出ますが、ここも誰もいません。滅多にないことです。

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正面から見ます。どこにも人影すらありません。絶景かな~。

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西日を浴びる境内は森閑としています。

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有名な南禅寺の湯豆腐の店、奥丹の前に出ます。

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臨時休業中です。このお店はsaraiが学生時代に初めて、京都の湯豆腐を食べたお店。その頃も超満員で列をなしていました。コロナ恐るべし!

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鹿ヶ谷通りを歩き、永観堂の前に出ると、この時間は既に閉門。コロナ警戒の札だけが目立っています。

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そろそろ戻りましょう。途中、素敵な路地を見つけます。路地歩きが大好きなsaraiですから、歩かずにはいられません。

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路地沿いの溝には清々しい水が流れています。疎水ゆかりの水とみました。路地が終わり、また、道なりに歩いていると、綺麗なお庭の横に出ます。

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思わず、そのお庭の正面に周ると、これは私邸のようです。ただの私邸ではなく、野村碧雲荘とのこと。地図で見ると、広大な敷地です。

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ここは日本の実業家である二代目野村徳七(のむらとくしち)が、大正時代から昭和時代にかけて築造した数寄屋造りの別邸。南禅寺界隈別荘の一つだそうです。二代目野村徳七は野村財閥の創設者だそうで、この別邸も野村證券が所有しているそうです。隣には野村美術館もあります。富の偏在にびっくりです。
碧雲荘の前の道を進むと、疎水道にぶつかります。疎水沿いの道があります。

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この疎水道は驚いたことに舗装されていない立派な道です。興味に駆られて、この疎水道を歩きます。

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この道の両側には立派な邸宅が続きます。ますます、富の偏在に驚かされます。でも、素晴らしい通りです。路地歩きの好きなsaraiにはたまりません。

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やがて、疎水は暗渠の中に消えます。

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暗渠には別の方向からの疎水も流れ込んでいます。

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やがて、暗渠の先にある建物にぶつかります。琵琶湖疏水記念館です。それは道理ですね。

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もと来た道に戻ります。インクライン跡の先に噴水が見えます。あれは疎水記念館の前でしょう。

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無鄰菴の前の閑静な道です。

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その先には、高級懐石料理の瓢亭があります。一生、saraiには縁がありません。というか、手が出ません。

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この先には、南禅寺 総門があります。ここら一帯は南禅寺の境内だったんですね。今は高級住宅地です。

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今日の散策はこれでお終い。歩いたところはすべて、南禅寺の旧境内の中だった次第です。

明日は涼しい筈の三尾(さんび)を歩きます。



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京都探訪:三尾を歩く

今日も密を避けて、高雄、槇尾、栂尾の三尾(さんび)を歩きます。5番、8番の市バスを乗り継いで、延々と2時間ほどかけて、高雄のバス停に到着。
バス停から山道を歩いて、神護寺に向かいます。確かに市内よりも5度ほど涼しい感じです。

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山道を下って、清滝川に架かる高雄橋の上に立ちます。清滝川の清流が涼やかです。

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しかし、ここから、地獄の石段が立ちはだかります。5分も歩けば、もう、心臓がばくばく。すぐ、閉店中の茶屋の前のベンチで息を整えます。

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また、石段を登り始めますが、すぐにダウン。冷房の効いた茶屋に逃げ込みます。

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かき氷とエアコンで体をクールダウン。

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息を吹き返して、地獄の石段を踏破。石段の上に工事中の楼門が見えてきます。

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神護寺の境内を巡ります。五大堂と毘沙門堂の美しい甍が並びます。

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その奥には、ひっそりと大師堂が佇んでいます。神護寺では、弘法大師が唐から帰朝した後、14年もここで密教の教えを授けて、真言宗の基礎を築きました。

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また、急な石段を登って、金堂に赴きます。

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金堂には国宝の薬師如来像があり、間近に拝観できます。写真撮影はもちろん不可です。

神護寺の石段を下りて、高雄橋から清滝川の渓流に沿って、槇尾に向かいます。すぐに清滝川を渡る橋に着き、いったんは渡って、西明寺に向かおうとしますが、何か変です。石段がないんです。山道の裏参道でした。すぐに戻って、確認します。まだ、橋を渡らずに清滝川沿いを歩くようです。

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清滝川の清流を見下ろしながら、歩きます。

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やがて、清流の先に赤い橋が見えてきます。

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指月橋の前に到着。

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橋を渡って、また、急な石段を登ります。

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ここは地獄の石段ではなく、すぐに西明寺の門に辿り着きます。

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西明寺は本堂だけをお参りして、すぐに辞去します。

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次は栂尾、高山寺を目指します。

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その途中で、休息がてら、川床料理をいただきましょう。ところがお目当ての錦水亭は休業しています。ならば、栂尾のとが乃茶屋に目標変更。休業していなければいいのですが・・・。
ここは営業中です。やったね。招き入れられて、清滝川を見下ろす川床のお座敷に入ります。

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川床のお座敷からは清滝川の清流と清々しい水音が楽しめます。

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季節限定の定食をいただきます。鮎の塩焼きが美味で、京野菜やお豆腐など盛沢山で川床料理を堪能しました。

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さて、元気が出たところで高山寺の石段に挑みます。

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高山寺の境内に入ります。入り口の小屋には見慣れた絵が描かれています。鳥獣戯画のキャラクターですね。

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その鳥獣戯画絵巻の模写が展示されている石水院の門をくぐります。

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石水院に入り、廊下を歩き、美しいお庭を拝見。

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その先に鳥獣戯画絵巻の第1巻の模写の一部が展示されています。さらさらっと描いたタッチの優しさが印象的です。日本の漫画のルーツなんでしょうか。謎のような題材の作品です。

石水院を出て、ここに明恵上人が開いたという日本最古の茶園を覗きます。ここから宇治茶が始まったとか。

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裏参道の石段を下りて、栂尾のバス停に向かいます。

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栂尾のバス停からJR西日本のバスで高雄に移動し、そこからは市バスで市内に戻ります。今日は市バス・地下鉄の1日乗車券を活用しました。

暑くて、そして、石段登りでばてて、リゾートマンションでエアコンを効かせて、休養に努めました。
鱧や湯葉、だし巻き玉子を肴にスパークリングワインで美味しい夕食。

明日は比叡山に登りましょう。



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京都探訪:比叡山を歩く

今日も密を避けて、そして、涼を求めて、比叡山を歩きます。交通チケット、拝観券を込みにした周遊チケットを購入済です。
まずは地下鉄の駅に向けて、白川沿いの気持ちのよい道を歩きます。

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地下鉄東西線の東山駅に到着。

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一駅移動し、三条京阪から出町柳に移動。叡山電車の八瀬行の電車に乗ります。

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八瀬比叡山口に到着。ここでケーブルカーに乗り換えます。ケーブルカー乗り場に向かって、高野川を渡ります。高野川も清流ですね。

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叡山ケーブルのケーブル八瀬駅に到着。

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早速、ケーブルカーの車両に乗り込みます。

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美しい緑の木々に囲まれた急斜面を登っていきます。

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このときは青空が見えていますが・・・。

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中間点で下りの車両とすれ違います。

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ケーブル比叡駅に到着し、次はロープウェイに乗り換えて、比叡山の山頂を目指します。叡山ロープウェイのロープ比叡駅で待機中のゴンドラに一番乗りします。と言っても、我々二人のほかの乗客は二人だけです。本当に京都は観光客が激減しています。

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ゴンドラからは素晴らしい景色が眺められます。

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途中で下りのゴンドラとすれ違います。

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比叡山山頂に到着。

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山頂駅からの眺めです。

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比叡山からは琵琶湖も眺められます。

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山頂から比叡山内シャトルバスに乗ります。

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バスで横川(よかわ)地域に移動し、横川中堂の前に出ます。横川の本堂です。遣唐使船をモデルに設計され、石垣の上に建てられた朱塗りの建造物は遠くから見ると船が浮かんでいるように見えます。

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横川中堂の正面に出て、内部をお参りします。

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横川の境内を巡り、元三大師堂(がんざんだいしどう)をお参り。

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境内は高い杉木立の中、森閑としています。さすがに修行の地ですね。

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再び、横川中堂に戻ってきます。さっきとは反対側からの眺めです。

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また、シャトルバスに乗り、峰道レストランに移動し、展望レストランからの琵琶湖の風景を楽しみます。

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近江牛の乗ったつけ麺などをランチにいただきます。

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実はシャトルバスは30分間隔で運行しているので、食事も大急ぎで食べ、バス停に急行。ところがこの時間帯に限って、1時間間隔でがっくり。近くの伝教大師、最澄の像を見たりして、次のバスを待ちます。

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ようやく来たバスで西塔地区に移動し、弁慶が担いだという伝説のにない堂を眺めます。

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その先の釈迦堂をお参り。本尊は伝教大師ご自作の釈迦如来です。

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これで西塔地区の参拝を終え、また、30分後のシャトルバスで東塔地区に移動。大講堂の前にある鐘楼は平和の鐘(開運の鐘)と呼ばれ、《ゆく年くる年》に9回も登場した有名な鐘です。

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この鐘は誰でも1回50円で突くことができます。saraiは100円で2回突かせてもらい、その深い響きを全身で受け止めます。

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さて、比叡山延暦寺の中心、根本中堂が見えてきます。現在、平成の大修理中ですっぽり、工事用の囲いの建物に覆われています。

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その改修中の根本中堂に入り、1200年以上も灯り続ける《不滅の法灯》を見学。

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中を一巡りした後、今でないと見られない修復工事中の様子も見学します。途中、大型モニターで修復工事のドキュメンタリーや修行(大阿闍梨)の様子の番組に見入ってしまいます。その間、その音声が聞き取りにくくなるほどの修復囲いの建物の屋根を打つ驟雨の轟音に驚きます。その雨音が止んだ頃を見計らって、外に出ると、まだ、雨がそぼ降っています。そろそろ、比叡山を辞去しましょう。根本中堂前の急な石段を登って、正面入り口にあたる文殊楼の前に出ます。

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帰りは坂本ケーブルで琵琶湖側の坂本に出ます。売店で道を訊くと、駅までは10分ほど歩くそうです。次の発車までにちょっと時間があるので、この売店で葛餅とゴマ団子をいただきます。比叡山の名物のようです。一息ついて、ケーブル延暦寺駅の前に出ます。

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ここでもケーブルカーに一番乗り。と言っても乗客はほとんどいません。

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パノラマの景色が見られる先頭座席に座りますが、前は視界がほとんどありません。来るときは絶好のお天気だったのにね。

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それでも高度を下げていくと、視界がよくなり、琵琶湖も見えてきます。比叡山の上だけが悪天候だったのですね。

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恒例行事の中間地点でのすれ違いです。

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琵琶湖がはっきりと見えてきます。

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このあたりの杉木立も素晴らしいです。

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ケーブル坂本駅に到着。

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これがケーブル坂本駅の駅舎です。

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ここからバスで京阪電車の坂本比叡山口に移動し、待っていた京阪電車に乗車。

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琵琶湖の眺めを楽しみながら、琵琶湖浜大津に行き、そこで京都市内行の電車に乗り換えて、朝、最初に乗車した地下鉄東西線東山駅で下車。これで比叡山をぐるりと周遊しました。
地上に上がると、何やら、古そうな商店街があります。この古川町商店街を歩いてみましょう。

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結果、めぼしいものはありませんでしたが、商店街を抜けると、素敵な川があります。何とこれは白川です。美しい通りを散策します。

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白川に沿って歩くと、また、朝歩いた白川沿いの道に戻ります。白川沿いにあるフランス料理の総菜のお店、オ・タン・ペルデュAu Temps Perduでお買い物。ところでお店の名前の意味は《失われた時》。プルーストの名作、失われた時を求めて À la recherche du temps perduを想起します。死ぬまでに読みたい本の一つです。

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たくさんの総菜の中から、リヨン風クネル、ロレーヌ風キッシュを選びます。鴨のバロッティーヌも相当気になりました。

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本格的なフランス料理が手軽に楽しめますね。もう、15年も前からやっているそうです。気が付きませんでした。これから贔屓にしましょう。

夕食はそのほかに鱧のマリネやトマトの丸ごと煮など、美味しいものが並びました。飲み物はカヴァです。

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明日の夕方、京都を離れます。無事に日程を終えそうです。



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京都探訪:市立美術館~琵琶湖疏水記念館~三十三間堂

今日は京都探訪の最終日。昨日までで当初の予定は完了。さて、今日はどう過ごしましょうか。
まずは今年の3月にリニューアルオープンした京都市美術館に行ってみましょう。名称は京都市京セラ美術館に改称したそうです。
コロナ禍の中、密を避けるために、予約者のみが入館できるそうです。昨日の締め切り時間、18時ぎりぎりに電話して、予約は済ませてあります。
滞在しているリゾートマンションから美術館へは歩いて10分もかかりません。
リニューアルした京都市京セラ美術館は正面の外観はこれまでの外観を踏襲していますが、地下にメインエントランスが新設されて、ゆるやかなスロープを下って、その地下エントランスに入館するようになっています。

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入館時の手順はお決まりのコロナ対策、手のアルコール消毒と体温測定を行います。で、予約確認後、ようやく、入館できます。窓口でチケットを購入し、入館です。今日はコレクションルームだけを鑑賞します。要するに常設展です。
季節ごとに展示作品を入れ替えて、日本画を中心とした展示を行っていくとのこと。写真撮影は基本不許可ですが、上村松園の作品の一部だけは撮影できるのだそうです。

上村松園の《初夏の夕》です。1949年、松園、74歳頃の作品です。さすがの筆さばきで美しく描かれています。

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上村松園の《晴日》です。1941年、松園、66歳頃の作品です。たすきがけで着物の洗い張りをしている女性の何気ない姿が描かれています。彼女の母の面影を描いたのでしょうか。

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上村松園の《待月》です。1926年、松園、51歳頃の作品です。うら若い女性の後姿が抒情深く描かれています。

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上村松園の《人生の花》です。1899年、松園、24歳頃の作品です。婚礼の席に向かう花嫁とその母の姿です。

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いずれも上村松園の代表作ですが、もうひとつ、saraiの心には響いてきません。

このほか、日本画を中心とした作品が展示されていましたが、何か華がありません。いずれも日本人画家の作品ですが、一部を除いて、個性に乏しい感じです。明らかに欧米の有名画家に影響を受けた作品もありましたが、そのほうがかえって、感じるところも多かったような気がします。

美術館を出て、仁王門通りを歩いて琵琶湖疏水記念館に向かいます。

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インクラインの線路を渡って、記念館への通路に上がります。

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疏水の水がさわさわと流れています。

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初日に散策したコースで疏水の水が暗渠に消えた先がここです。暗渠から勢いよく水が流れ出ています。この隣に記念館があります。

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記念館前から岡崎の疏水を眺めます。右手に動物園、美術館が並びます。

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記念館の中には興味深い展示が並びます。入館無料とは思えない充実度です。これは琵琶湖疏水のジオラマで、スイッチを押すと、ランプが付き、説明のアナウンスが流れます。今、第1疏水の説明を聞いているところです。

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これが若干23歳で疏水の技術面をリードした田邊朔朗です。技術者として、実に尊敬できる偉業を果たした人物です。彼なしに琵琶湖疏水の事業はなしえなかったでしょう。下に見えているのが、工部大学校(現在の東大)の卒論で書いた琵琶湖疏水の草稿です。

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琵琶湖疏水記念館の感慨深い展示を見て、動物園の裏手のほうに歩くと、何やら、立派なお屋敷があります。白河院庭園です。

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白河天皇のゆかりの庭園だそうです。ちょっと中を拝見しましょう。綺麗な池の周りに庭園があり、その先に瀟洒な2階建ての建物があります。

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緑の庭園と池は素晴らしい景色を作っています。

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何気ないところにこういうものがあるのが京都の魅力ですね。

さて、お昼時ですから、バスで四条河原町のあたりに移動して、うどんでもいただきましょう。四条の鴨川沿いには川床のお店が並んでいますがあまりお客さんがいませんね。

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四条大橋を渡ると、南座が見えます。

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そのお隣に鰊そばで有名なお店、松葉があります。ここでお昼をいただきます。

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狙いは1点、たぬきうどんです。京都ではあんかけのきつねうどんのことをたぬきうどんと言います。あやうく間違えて、きつねうどんを注文しそうになりますが、配偶者がちゃんと確認して、たぬきうどんを注文。絶品の美味しさです。

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たぬきうどんに舌鼓を打った後、京都の街中を散策しながら、三十三間堂に向かいます。ちゃんと三十三間堂の千体の千手観音像を見ていないような気がするからです。
祇園の花見小路に出ます。こんなに人がいない花見小路は初めてです。本当に観光客が激減しています。もちろん、外国人観光客はまったく見ません。

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これは京料理の豆寅。祇園で3階建ての建物は珍しいですね。

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そのまま、建仁寺の境内を抜けていきましょう。

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驚くべきことに建仁寺の境内にも人影が見えません。

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法堂もひっそりと佇んでいます。

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両足院の前には栄西禅師ゆかりの茶碑があります。栄西が宋から茶を持ち帰って、高山寺の明恵上人がその種を譲り受け、茶園を開きました。栄西が茶を日本に広めた功績を記念して、この茶碑が建てられています。

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さて、建仁寺の境内を南の端まで歩くと、一見、どん詰まりになっています。無理に禅居庵の門内に入ります。

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すると、横手の門に抜けられます。

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ゆずりあいの道という抜け道です。

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抜け道の先には摩利支尊天堂があります。ここのご厚意で抜け道があるそうです。

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抜け道の先には、大和大路通りがあります。

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この大和大路通りをまっすぐに五条通りを突き抜けていくと、やがて、三十三間堂の前に出ます。

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途中、豊国神社や京都国立博物館の大きな建物もあります。

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三十三間堂の大きな拝観受付の建物の前に出ます。ここで拝観券を求めます。

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受付の先に蓮華王院 三十三間堂の巨大な本殿が奥に伸びています。

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本殿の中に入ると、有名な通し矢の行われた長い回廊があります。その回廊の裏手に周ると、千手観音立像が並びます。夥しい数の千手観音立像です。その数、千体です。国宝です。
その千手観音立像の手前には、両端に雷神と風神像。これも国宝。凄い迫力です。その雷神と風神に挟まれて、前列に28体の仏像が並びます。これもすべて、国宝。その表情の異なる仏像はとても印象的です。
そして、中央には大きな千手観音像(中尊)が鎮座しています。もちろん、国宝です。大仏師湛慶(運慶の長男)82歳の作で、湛慶はこの千手観音像を完成させて、この世を去ります。
この頭上に11の顔、両側に40の手を持つ11面千手千眼観世音はとても優しく、こちらを見守ります。譬えは変ですが、西欧のマリアに比肩するかのようです。すべてをゆだねて、許されたいと感じます。
ちなみに本殿の建物自体も国宝です。

建物も仏像もすべて国宝というのにふさわしく、素晴らしい美の世界を満喫しました。

本殿の中を出て、本殿のまわりを巡ります。本殿の中央の正面です。

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本殿を奥の方から眺めます。

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奥の塀は豊臣秀吉が寄進した太閤塀です。

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これで今回の京都探訪はお終い。コロナ禍で、異常な状態の京都でしたが、実りのある旅になりました。



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sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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