fc2ブログ
 
  

辻彩奈の瑞々しいブラームス、ロマンティックなプロコフィエフ@ミューザ川崎シンフォニーホール 2021.5.3

このところ、辻彩奈のヴァイオリンを聴き続けていますが、今日は大失策。開演時間を30分間違えて、1曲目のベートーヴェンは聴き損ねました。ショック・・・
ようやく、ベートーヴェンが終わったところで、スタッフの方に先導されて、席に着きました。初体験です。

それで始まったブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」は辻彩奈の伸びのある、しなやかなヴァイオリンの響きでうっとりするような演奏。ともかく、ヴァイオリンの響きが素晴らしいです。これが彼女のこの曲の初披露とは驚きました。ピアノの江口玲の演奏もとてもよくて、気持ちのよいブラームスです。1曲目を聴き逃がしたショックからもこの演奏で立ち直れました。まあ、今日、1番、楽しみにしていた曲だったので、満足です。それにしても、このブラームスの作品は、シューベルト~シューマンというロマン派の王道の流れの1曲であることを強く感じさせられました。ブラームスはこの曲をヴェルター湖畔のペルチャッハで作曲しましたが、同時期にこの地では交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲というロマン派を代表する名曲も書かれました。ブラームスがロマンの極みに到達した時期の1曲です。辻彩奈はこのロマンの香り高い名曲を瑞々しく、清新に描き出しました。こうなると、次はシューマンやシューベルトも聴かせてもらいたいものです。

休憩後、今度はモダニズムの代表のようなプロコフィエフです。この曲はsaraiは最初はフルート・ソナタで聴きましたが、今はすっかり、ヴァイオリン・ソナタで違和感なく聴けるようになりました。しかし、辻彩奈のヴァイオリンは今まで聴いてきた演奏と異なり、まるでロマン派の名曲を聴くかごとくの演奏です。最初は少し、驚きましたが、しばらく聴いていると、実にその爽やかなロマンが心地よくなります。辻彩奈の伸びやかでありながら、抑え気味に弾くヴァイオリンの響きが新しいプロコフィエフ像を描き出します。無機的でクールな雰囲気のプロコフィエフも好きですが、こういう温かみのあるロマンに満ちたプロコフィエフもいいですね。それに辻彩奈のヴァイオリンはロマン派に向いているような気がします。ロマン派を起点にモダニズムや古典派にその演奏の幅を広げていくのがいいのかもしれません。

今日の3曲はすべて、辻彩奈の初レパートリーだったそうです。今後、協奏曲だけでなく、こういう室内楽にもどんどんチャレンジしていってもらいたいものです。次は都響と共演するサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を聴く予定です。彼女に向いた曲なので、好演が期待できそうです。その次には日本フィルと共演するシベリウスもあります。聴く機会が多くて、楽しみです。


今日のプログラムは以下です。

 辻 彩奈 ヴァイオリン・リサイタル

  ヴァイオリン:辻彩奈
  ピアノ:江口玲

  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
  ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」 ト長調 Op.78

   《休憩》

  プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94bis
 
   《アンコール》
     マリア・テレジア・フォン・パラディス:シチリアーノ

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1993年12月、モントルー セッション録音
 
このコンビは素晴らしいヴァイオリン・ソナタ全集を聴かせてくれますが、これは彼らとしてはフツーの出来です。


2曲目のブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」は以下のCDを聴きました。

 アンネ=ゾフィー・ムター、ランバート・オーキス 2009年11月-12月 ポリング ライヴ録音
 
ムターの余裕の演奏。大胆にして、細心とはこのことでしょうか。


3曲目のプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1991年3月、4月 リュッセル Maison De La Radio Bri/Rib Studio 4 セッション録音

このコンビの会心の演奏。これ以上の演奏は望むべくもありません。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       辻彩奈,  

北村朋幹のバルトークは終盤が見事な盛り上がり!大植英次&東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2021.5.16

緊急事態宣言でこれまで東京の公演は全滅でしたが、今日から聴けるようになりました。で、今日から1週間で6回のコンサートに足を運びます。もちろん、来週以降もコンサートが目白押しです。

今日は本来、楽しみにしていたジョナサン・ノットの指揮の筈でしたが、現在、彼は来日中であるものの2週間の待機期間中ということで、来週後半の特別コンサートまで、お預けです。今日は代演の大植英次の指揮で、これがジョナサン・ノットの指揮だったら、どういう演奏だったんだろうと想像しながら、聴いていました。大植英次さんには失礼な聴き方になってしまいました。全般に東響のアンサンブルがノットのときに比べて、若干、精度が落ちている気がします。ノットが来日できなくなった昨年から、ずっと、そんな感じです。今月の後半もきっとリハーサル不足で以前のアンサンブルの輝きを取り戻すためにはそれなりの期間を要するのではないかと恐れています。

それでも、最初の武満作品は爛熟した音響美を味わうことができました。とても美しい演奏でした。現代作品を得意にするノットなら、どう表現したんでしょう。

バルトークのピアノ協奏曲第1番は名曲でありながら、意外に演奏機会が少なく、第2番、第3番と違って、実演では初聴きのような気がします。このところ、注目している若手のピアニスト、北村朋幹に期待して、聴きます。まあ、期待通りと言える演奏ですが、バルトークにしては、少々、おとなしい感じかな。彼はバリバリと弾くタイプではないので、繊細なリリシズムは見事です。第1楽章はパシュート的な音楽ですが、打楽器と掛け合いのパートのリズムののりは流石です。第2楽章は一転して、夜の音楽です。こういうところでの繊細なピアノの響きは聴き応えがあります。途中から、打楽器と呼応して、旋律なしでダッ、ダッ、ダッ・・・と一定間隔で打撃のみを刻み始めます。バルトーク特有の打楽器としてのピアノ奏法です。ピアノの機能性の多様なことに思い至ります。今日のピアノはベーゼンドルファーです。ピアノの響きで足りないところは打楽器群、特に小太鼓が補完します。楽譜では、ピアノの脇に打楽器を配置せよとのことですが、今日は、ステージ最前面の右端に4人に打楽器奏者が配置されています。ちょっと距離がありますが、ピアノと打楽器は見事にコンタクトをとって、連携した完璧なリズムを刻みます。そこに旋律楽器として、管楽器のソロがのってきます。ストラヴィンスキーの影響と言われているパートですが、ピアノと打楽器の律動的なリズムと管楽器のファンタスティックな響きが相俟った、素晴らしい音響に魅せられます。やがて、打楽器が強烈な響きをあげて、第3楽章に突入します。バルトークらしい強烈なリズムでピアノも打楽器的に躍動していきます。めくるめき世界の出現です。途中から、ピアノがギアを上げます。ここからの北村朋幹のノリノリの演奏が素晴らしいです。完璧なタッチで狂おしく驀進していきます。いったん、ペースを落とした後、再び、テンポを急速に上げて、コーダを盛り上げて、高潮した頂点で曲を終えます。この終盤の北村朋幹の演奏に大変、魅了されました。違うスタイルのカリスマ的な演奏もあるでしょうが、この北村朋幹のピュアーなピアニズムも大変、魅力的でした。以前も書いたように、アンデルシェフスキーの演奏を想起させます。
今週は北村朋幹のピアノ・リサイタルも聴きに行く予定です。どういう演奏を聴かせてくれるか、楽しみです。

後半のブラームスは満足して聴けました。正直に言うと、第2楽章の途中で少し集中力を欠きましたが(聴いているsaraiがです)、その後は再び、曲に聴き入りました。もう少し、ふわーっとした響きで演奏してくれたほうがよかったのですが、緊張感の高い演奏ではありました。予習で聴いたフルトヴェングラーが凄過ぎたので、それと比較してはいけませんね。ノットの表現はどうだったんだろうと想像すると、多分、もっと美しいアンサンブルでまとめてきたんじゃないかと思います。磨きあげた響きのブラームスですね。いずれ、聴かせてもらいましょう。今月の特別演奏会では、マーラーの第1番と第4番ですが、響きを美しく磨きあげてくれると期待しています。繊細な音楽表現も聴けるはずです。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:大植英次
  ピアノ:北村朋幹
  管弦楽:東京交響楽団  コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  武満徹:鳥は星形の庭に降りる
  バルトーク:ピアノ協奏曲 第1番 Sz.83 BB91

   《アンコール》バルトーク:3つのチーク地方の民謡 Sz.35a BB45b

   《休憩》

  ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 op.73


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目の武満徹の《鳥は星形の庭に降りる》は以下のCDを聴きました。

 小澤征爾指揮ボストン交響楽団 1978年12月 ボストン、シンフォニー・ホール セッション録音

結構、昔の録音ですが、美しい録音で文句ない演奏です。


2曲目のバルトークのピアノ協奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 マウリツィオ・ポリーニ、クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団 1977年2月 セッション録音

ある意味、ポリーニが絶頂だった頃に素晴らしい組み合わせで凄い演奏を聴かせてくれたという思い出の録音です。考えてみれば、アンドラーシュ・シフを聴くという選択もありましたね。


3曲目のブラームスの交響曲 第2番は以下のCDを聴きました。

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル 1952年5月7日、ミュンヘン、ドイツ博物館コングレスザール ライヴ録音

フルトヴェングラーはベートーヴェンも凄いですが、ブラームスもどの録音も凄い! まだ、全録音を聴いていませんが、この演奏は最初から最後まで、どこの部分も凄い演奏です。
やはり、ロマンチストたるフルトヴェングラーはシューベルト、シューマン、ブラームスの系譜でその素晴らしさが分かります。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

コロナ禍を吹っ飛ばすような辻彩奈の美麗なサン・サーンス、都響の豊麗な《オルガン付》@東京芸術劇場コンサートホール 2021.5.18

冒頭の面白過ぎるサティのバレエ音楽《パラード》は指揮者の井上道義の怪人ぶりが遺憾なく発揮されました。特にフラックソノール(水をはじく音)でびしょ濡れになった打楽器奏者に拍手。ブテイヨフォンというワインボトルをぶらさげて、並べた珍しい楽器にも驚きました。

次は期待のサン・サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番、辻彩奈は冒頭から素晴らしいヴァイオリンの響きを聴かせてくれます。都響のサポートも見事です。素晴らしいアンサンブルがピタっと決まります。その都響の美しい響きに乗って、辻彩奈のヴァイオリンが冴え渡ります。うーん、素晴らし過ぎる! 第2楽章は有名な美しいメロディーが繰り返し弾かれて、うっとり。しかし、本当に凄かったのは第3楽章。辻彩奈は抒情的な演奏からダイナミックな演奏まで、すべてを完璧に余裕で弾きこなしていきます。彼女は突如、音楽界に現れた逸材中の逸材であることを実感させられます。最後は辻彩奈の独奏ヴァイオリンが凄まじい輝きを放ちながら、全曲を締めくくります。本当にスカッとするような会心の演奏にコロナ禍の鬱々たる気持ちも晴れ渡る思いです。

一方、都響も負けていません。後半のプログラム、サン=サーンスの交響曲第3番《オルガン付》で最高のアンサンブルを聴かせてくれます。主役は弦楽アンサンブル。響き渡るパイプオルガンとともにスケールの大きな音楽を聴かせてくれます。教会音楽とは違いますが、聖堂に響く音楽の雰囲気が醸成されていきます。第2楽章の後半ではコンサートホールに響きわたる美しい音響に心を持っていかれます。都響が実力を発揮すると凄い音楽が現出します。圧倒的な楽の音がホールの隅々までを満たして、素晴らしい音楽が終わります。これも間違いなく、コロナ禍を吹っ飛ばしました。音楽って、何と素晴らしいのでしょう。これがある限り、人類は何ものにも負けることはありません。

今週はこれが2回目のコンサート。今週はまだ4回もコンサートを聴きます。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:井上道義
  ヴァイオリン:辻 彩奈
  オルガン:石丸由佳
  管弦楽:東京都交響楽団  コンサートマスター:矢部達哉

  サティ:バレエ音楽《パラード》
  サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 Op.61
   《アンコール》権代敦彦:Post Festum-ソロ・ヴァイオリンのための Op.172 より「Ⅱ」

   《休憩》

  サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 Op.78《オルガン付》


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のサティのバレエ音楽《パラード》は以下のCDを聴きました。

 ミシェル・プラッソン指揮トゥールーズ・キャピトール管弦楽団 1988年6月 セッション録音

お洒落な演奏です。


2曲目のサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番は以下のCDを聴きました。

 チョン・キョンファ、ローレンス・フォスター指揮ロンドン交響楽団 1975年5月 ロンドン セッション録音
 
これを録音した頃のチョン・キョンファのヴァイオリンは凄い。音楽性も高く、その情熱は伝わってきます。


3曲目のサン=サーンスの交響曲第3番《オルガン付》は以下のCDを聴きました。

 シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団、ベルイ・ザムコヒアン 1959年 セッション録音
 
音質も演奏も最高に素晴らしい決定盤。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       辻彩奈,  

伊藤恵&小菅優の見事なモーツァルト with 秋山和慶&新日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2021.5.20

前半のプログラムは若きモーツァルトの傑作、2台のピアノのための協奏曲です。極め付きのピアノの達人、伊藤恵と小菅優が弾くのですから、素晴らしいに決まっています。とりわけ、微笑みを浮かべながら、余裕でピアノを弾く伊藤恵の名技には魅了されずにはいられません。2台のピアノは交互にほぼ同じようなパッセージを弾いていきますが、小菅優も伊藤恵のピアノの完全コピーのような素晴らしい演奏です。多分、目をつぶっていたら、どちらが弾いているか、分からないかもしれません。モーツァルトも、自身と姉ナンネルでこのような完璧なデュオを弾こうと思って、作曲したんでしょう。そういえば、この曲の決定的な演奏はクララ・ハスキルとゲザ・アンダの二人の演奏でしたが、ハスキルの格調高いピアノに呼応したアンダのピアノの響きが次第にハスキルのピアノと同質化したことを思い出します。現代の達人の二人は最初から同質化したピアノの響きを聴かせてくれました。実は細部の演奏についてはよく思い出せません。二人のピアノの演奏に完全に聴き入っていたので、その瞬間・瞬間の美しい音楽に入り込み、全体を鳥瞰する余裕がなかったんです。ある意味、一瞬で終わった感じの演奏でした。残ったのは至福感のみ・・・これこそが音楽の極致かな。オーケストラはピアノが鳴っていないときのみ聴いただけですが、弦の美しい響きがなんとも素晴らしかった印象です。
不満だったのは、二人の達人がいたのにアンコールでピアノのデュオを聴かせてくれなかったこと。期待したんですけどね。モーツァルトの2台のピアノのためのソナタなんて、なかなか聴けないでしょう・・・。お二人なら、そんなに練習しなくても簡単に弾けるでしょうに。

後半のプログラムはR.シュトラウスのアルプス交響曲。R.シュトラウスが作曲した最後の交響詩です。もっとも交響詩と題されている作品では、その17年前に書かれた英雄の生涯が最後のものではあります。この作品を書いた時点、1915年には、既にオペラ作品は、サロメ、エレクトラ、薔薇の騎士、ナクソス島のアリアドネという代表的ともいえるものが作曲されており、アルプス交響曲以降は、ほぼ、オペラの作曲に専念することになります。ということで、アルプス交響曲はR.シュトラウスの管弦楽作品でとても重要な作品です。規模も大きく、バンダを除いても、ホルン8、トランペット4など金管の構成も大きく、演奏時間も50分を要します。
今日の演奏はまさに新日フィルが死力を尽くしたと言っても過言でない壮絶なものでした。音楽の頂点を極める『山頂にて』と『ヴィジョン』は実に激しく壮大に演奏されました。秋山和慶の指揮もこの大規模な作品を冷静にまとめあげた手腕が評価できます。音楽的に素晴らしかったのは終結部の『日没』、『余韻』、『夜』で、しみじみと人生を俯瞰するような思いに駆られるような表現です。R.シュトラウスの晩年の名作群(4つの最後の歌、ダナエの愛、カプリッチョ)を予感させます。素晴らしい演奏でしたが、惜しむらくは、冒頭と終盤で静寂の美を感じさせてくれなかったことでしょうか。
 
なお、今日はお昼に神奈川県立音楽堂で北村朋幹ピアノ・リサイタルも聴きましたが、これは後日、記事を書きます。素晴らしいドビュッシーのプレリュードを聴きました。

今日のプログラムは以下です。

  指揮:秋山和慶
  ピアノ:伊藤恵、小菅優
  管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:崔文洙

  モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K. 365

   《休憩》

  R.シュトラウス:アルプス交響曲 op. 64, TrV 233


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲は以下のCDを聴きました。

 フリードリヒ・グルダ、チック・コリア、ニコラウス・アーノンクール指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1983年6月、アムステルダム、コンセルトヘボウ セッション録音
 
ジャズも弾くグルダと真正のジャズ・ピアニストのチック・コリアが共演する演奏なので、さぞや、ぶっ飛んだ演奏かと思いきや、至って、真面目な(笑い)演奏にかえって、びっくり。きちんとしたモーツァルトが聴けます。


2曲目のR.シュトラウスのアルプス交響曲は以下のCDを聴きました。

 ベルナルド・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団 2008年6月8,10日 ロンドン、バービカン・センター ライヴ録音
 
静寂から音が沸き起こり、頂点で音響が爆発し、最後にまた、静寂に戻る。そういう素晴らしい音楽体験を実感させてくれる圧倒的な演奏です。以前、ハイティンク指揮シカゴ響の実演で聴いた英雄の生涯の物凄い演奏を思い出しました。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       伊藤恵,  

藤田真央の個性的なモーツァルトの協奏曲はまるでピアノ・ソナタのごとき演奏、下野竜也&読響の素晴らしいマルティヌー@サントリーホール 2021.5.21

遂に若手ピアニストの注目株、藤田真央のピアノを聴くことができました。彼のあどけない少年のような面影に驚きつつ、その実に個性的なピアノの実力にもさらに驚かされました。
そのピアノの一音を聴いて、えっと思います。音量が小さく、くぐもっているように一瞬感じたからです。しかし、そのピアノの響きは実に粒立ちがよくて、ピュアーな響きです。まるでフォルテピアノを聴いている感覚です。もちろん、弾いているのはスタインウェイです。早めのテンポで軽やかに弾き進めるのを聴いていると、またも、フォルテピアノを聴いている錯覚に陥ります。どうして、こんな響きが引き出せるのかと驚くようなピュアーな響きがどんどん研ぎ澄まされていきます。音量は小さい筈なのにオーケストラに埋没することはありません。読響の弦も素晴らしく、見事なサポートです。とりわけ、ヴィオラの響きの素晴らしさに耳をそばだててしまいます。そして、第1楽章の終盤でカデンツァに入ります。まあ、聴いたこともないようなカデンツァです。誰の作なんでしょう。それまでのフォルテピアノのような抑えた響きを脱して、実にダイナミックに歌い上げます。その対比の妙に魅せられます。実に個性的でいながら、それでいて、モーツァルトらしい響きの演奏にうっとりと聴き入ってしまいました。
第2楽章はあの有名な美しいメロディーが流れます。そして、藤田真央の独特の響きの美しさといったら、もう、聴き惚れるしかありませんね。全編、美しさの限りを尽くしたような。ありえないような演奏でした。第3楽章はまるで飛び跳ねるような自在な演奏です。大変、テンポが早くて、指の回りの滑らかなことに驚愕します。あっという間にカデンツァに入ります。また、ここでも、激しくダイナミックな派手な演奏で、それまでの演奏との対比に驚かされます。そして、勢いよく、コーダに突入し、圧巻のフィナーレ。いやはや、恐れ入りました。その外見から、アンファン・テリブルと名づけたくなるような新時代の旗手ですね。その演奏スタイルはまるでピアノ・ソナタを弾いている風情でした。こんなモーツァルトのピアノ協奏曲は聴いたことがありません。是非、全曲チクルスが聴きたいものです。そう言えば、彼のモーツァルトのピアノ・ソナタのチクルスが進行中ですね。まず、それに途中から参入せねばなりません。もっとも、チケットの入手がとても困難なようです。アンコールで弾いたモーツァルトのソナチネの見事さにはびっくり。これほど弾けるピアニストは世界でもほとんどいませんね。

後半のプログラムはマルティヌーの交響曲第3番。マルティヌーのミステリアスな音響世界を下野竜也は見事に表現してくれました。それにしても、読響の演奏は上手過ぎる!! ここでもヴィオラの響きが冴え渡ります。素晴らしい弦の上に木管のソロが乗るところの素晴らしさにうっとりとなります。細部には触れませんが、まったくもって、素晴らしい演奏でした。マルティヌーの交響曲と言えば、フルシャ&都響で聴いて以来です。しかもフルシャ&都響で唯一聴き逃がしたのがこの第3番でした。これでsaraiとしては、マルティヌーの全交響曲を聴き終えたことになります。第3番はジャズのテイストもボヘミアのテイストもないまぜになったような奇妙な魅力のある作品でした。全交響曲の〆にふさわしい素晴らしい演奏でした。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:下野竜也
  ピアノ:藤田真央
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:林悠介

  マルティヌー:過ぎ去った夢 H.124
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K. 467

   《アンコール》モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第16(15)番 ハ長調 K. 545 より 第1楽章

   《休憩》

  マルティヌー:交響曲第3番 H.299


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のマルティヌーの過ぎ去った夢は予習なし。音源がありませんでした。


2曲目のモーツァルトのピアノ協奏曲第21番は以下のCDを聴きました。

 田部京子、下野竜也指揮紀尾井シンフォニエッタ東京 2012年3月14日-15日 上野学園 石橋メモリアルホール セッション録音
 
田部京子なら、これくらいは弾くだろうという素晴らしい演奏。とりわけ、第3楽章の切れのよさが光ります。


3曲目のマルティヌーの交響曲第3番は以下のCDを聴きました。

 イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団  2003年9月8-11日 プラハ、ルドフィヌム セッション録音

ビエロフラーヴェクは素晴らしい指揮者でしたね。チェコ・フィルも見事なアンサンブルを聴かせてくれます。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       藤田真央,  

ジョナサン・ノット讃、感動のマーラー4番 東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2021.5.22

前回、リアルのジョナサン・ノットの指揮を聴いたのは、昨年末のベートーヴェンの交響曲第9番でした。その前はそのちょうど1年前のベートーヴェンの交響曲第9番でした。今回も来日直前にトラブルがあって、ほぼ、来日は無理だと思っていました。しかもsaraiのミスで予約したチケットの購入を期日までに行わず、チケットなし状態。公演が本決まりになった後、慌てて、チケットを購入し直して、大事には至りませんでした。今日の演奏を聴き逃がしたら、一生、悔み続けることになったでしょう。やはり、ジョナサン・ノットの振る東響は最高でした。

東京オペラシティコンサートホールにはジョナサン・ノットのコアなファンが集結していました。残念ながら、緊急事態宣言下で席数は半数に制限されていたので、聴き逃がした方も多かったでしょう。今日のチケットは完売でした。

ステージにマスク姿のノットが登場すると、異例なほどの盛大な拍手が沸き起こります。ノットはにこやかな表情でしょうが、マスクで顔が見えません。

まず、最初はジョン・アダムスのザ・チェアマン・ダンスです。やはり、ジョナサン・ノットが指揮すると、明らかに東響のアンサンブルの精度が上がります。1週間前のコンサートとは見違えるほどです。ゲーム・ミュージックのようなミニマリズム的な音楽が小気味よく響きます。しかし、細部まで極めつくすような恐ろしいほどの丁寧さで音楽が仕上がっています。一見、単調なダンス音楽ですが、実にニュアンス豊かに磨き上げられています。ポストモダンの音楽もジョナサン・ノットの手にかかると、とても見通しのよい音楽になります。ただし、トゥッティで音が濁りがちのところもあります。これは以前にはなかったことです。ジョナサン・ノットにとっても東響にとっても、この1年半ほどのコロナ禍の空白期間のダメージを感じざるを得ません。中間の緩徐パートでの若干の弛緩を感じました。しかし、快調にリズムを刻むパート、小音量での繊細な表現などは見事としか言えない充実した演奏でした。現代音楽を指揮させたら、ノットの右に出るものはいないでしょう。

次はドビュッシーの舞踊詩《遊戯》です。ジョナサン・ノットでフランスものを聴いた記憶がありません。考えてみると、現在、ノットはスイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督ですから、フランスものは多く手掛けているんでしょう。実際、見事なドビュッシーを聴かせてくれました。晩年のドビュッシーの音楽の真価を知らしめてくれるような素晴らしい演奏になりました。この曲は3年前にロト&レ・シエクルの演奏をこの同じホールで聴きましたが、あの素晴らしかった演奏をも凌ぐようなレベルの演奏です。指揮は同等、オーケストラは東響が上回るというのがsaraiの見立てです。今後、ドビュッシーやラヴェルの音楽をノット&東響で聴く楽しみができました。ボレロ、ラ・ヴァルス、展覧会の絵、交響詩《海》などもよさそうですね。まあ、コロナ禍が収まらないことにはどうしようもありませんけどね。

こういう風に前半のプログラムを書いていますが、後半のマーラーが凄過ぎて、印象が薄れてしまっているんです。マーラーの交響曲第4番は感動の素晴らしさでした。
前半のプログラムは楽譜を置いての指揮でしたが、マーラーは暗譜での指揮です。ノットのマーラーは弱音を効果的に使い、細部まで磨き上げた表現です。ここまで繊細に指揮するのはまさにマーラー指揮者の証しともいえるでしょう。ガリー・ベルティーニの細部にこだわった指揮を久しぶりに思い出します。インバルもハイティンクも相当に細部を磨き上げていましたが、ノットはベルティーニ並みのこだわりようです。一音、一音にこだわって、スコアに忠実に演奏していきます。じわじわとsaraiの心に沁み渡ってきます。第1楽章終盤では感極まってしまいます。第2楽章のレントラーではさらに細部が丁寧に表現されていきます。コンサートマスターのニキティンが2つのヴァイオリンを交換しながら、独奏部を弾いています。2つのヴァイオリンのどこが違うんでしょう。もしかしたら、ガット弦でも使っているんでしょうか。(⇒読者の方からの指摘がありました。交換用のヴァイオリンは長2度上げて調弦しているそうです。)このレントラーがこんなに繊細に演奏されたのは初めてです。そして、一番の聴きものである第3楽章。静謐さを全面に活かした感動の音楽です。ただただ、その最高の音楽に聴き入るのみです。激しく燃え上がることはあっても静謐さがこの第3楽章を支配します。己の魂を揺り動かされる思いでじっと聴き入りました。第4楽章には触れません。ハイティンクのときのアンナ・ルチア・リヒターのようなソプラノでないと、この第4楽章は乗り切れません。今日のマーラーは第3楽章で完結したようなものです。完璧とも思える演奏でした。saraiの人生で最高のマーラーだったハイティンク&ロンドン響の演奏に肉薄するレベルでした。これでジョナサン・ノットのマーラーは第10番のアダージョ、第7番に続いて、この第4番を聴き、来週のミューザ川崎では第1番を聴きます。
ジョナサン・ノットは在任中にマーラーの全交響曲を演奏すると言っているそうです。楽しみですが、交響曲第2,3,8,9番は既に演奏されたそうです。saraiは聴き逃がしています。残念! 交響曲第2,3,8,9番はすべて大物揃いですね。再演をお願いしたいです!!! 今後は第5番と第6番ですね。うーん、第3番と第9番は是非、聴きたい! これは提案ですが、ジョナサン・ノットが退任するときには、退任記念に是非、マーラー・チクルスをやってほしいものです。そして、それをライヴCDのマーラー全集にしたら、どうでしょう。ジョナサン・ノット、東響、マーラーを愛するsaraiの密やかな願いです。これは今後もしつこくブログに書き続けます。うるさいかもしれませんが、みなさんも賛同してほしいものです。えっ、もう、交響曲第2,3,8,9番は既に聴いたからいいって言う人がいますか? そんなことは言わないでね。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ソプラノ:森麻季
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  J.アダムス:ザ・チェアマン・ダンス(歌劇「中国のニクソン」による)
  ドビュッシー:舞踊詩《遊戯》

  《休憩》

  マーラー:交響曲 第4番 ト長調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のJ.アダムスのザ・チェアマン・ダンスは以下のCDを聴きました。

  クリスチャン・ヤルヴィ指揮ノルランド・オペラ交響楽団 2001年5月 ノルランド・オペラ、ウメオ、スウェーデン セッション録音

クリスチャン・ヤルヴィが思いっ切りのよい演奏をしています。


2曲目のドビュッシーの舞踊詩《遊戯》は以下のCDを聴きました。

 フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル 2018年1月 フィルハーモニー・ド・パリ セッション録音
 
ロト&レ・シエクルの話題になったCDです。saraiも来日公演で聴きました。今や、決定盤でしょう。


3曲目のマーラーの交響曲 第4番は以下のCDを聴きました。

 ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団、ユリアーネ・バンゼ  1998年4月 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム セッション録音

ブーレーズらしい精緻な演奏が成功しています。ただ、この曲をあまり聴き込んでいない人は消化不良に陥るかもしれません。あくまでも冷静な演奏で、悪く言えば無機的とも思えます。ブーレーズのマーラーに興味が湧きました。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,  

北村朋幹 ピアノ・リサイタル@神奈川県立音楽堂 2021.5.20

今、注目の若手ピアニスト、北村朋幹(きたむら ともき)のピアノ・リサイタルを聴きに神奈川県立音楽堂に出かけました。神奈川県立音楽堂といえば、横浜・桜木町から歩いてすぐのところですが、紅葉坂の急な坂道を上らないといけないので、高齢者には優しくないホールです。今回は幸い予約すれば、シャトルバスに乗せてもらえたので、らくちんで訪れることができました。

なお、このリサイタルは三日前に聴いたものですが、別のコンサートが重なって、記事を書くのが遅くなりました。

さて、北村朋幹のピアノ独奏を聴くのは初めてです。それがいきなり、ドビュッシーの前奏曲集 第2巻だとはね。どう弾くのかと思っていたら、例によって、北村朋幹らしいリリックなピアノ表現です。いささか、線が細い感じですが、かえって、瑞々しい雰囲気でいい感じです。ドビュッシーらしい音の響きを十分、楽しみます。とりわけ、《月の光が降り注ぐテラス》が素晴らしいです。彼は独特の感性でこの印象派の名曲のそこはかとした雰囲気を醸し出してくれました。ここまでがプログラム前半です。

休憩後、バルトークの4つの挽歌。初めて聴く曲です。こういう珍しい曲を弾くとは、かなり、バルトークに思い入れがあるのでしょう。題名通り、深く沈んだ曲調です。バルトークとしてはハンガリー民謡をベースにしている以外は聴いたことのない感じ。でも、珍しいものを聴けて、バルトークファンとしては嬉しいところです。
次はベルクの名作、ピアノ・ソナタ。この曲は12音技法の曲ではありませんが、半音を多用することで無調っぽい響きの作品です。北村朋幹は素晴らしいテクニックを駆使して、すっきりとしたテーストでこの難曲を弾きこなします。耳に心地よく響きます。saraiの趣味では、もっとねっとりとした情感も感じさせてほしいところではあります。
最後はラフマニノフの《音の絵》Op. 39からの3曲です。抒情味はよく表出された演奏ですが、スケール感に乏しいのが残念なところです。ラフマニノフはあまり彼には合わない感じです。もっとロシアの大地にねづいたやるせなさを表現してもらいものです。テクニックは見事ですけどね。

アンコールは東響とのバルトークのピアノ協奏曲第1番のときのアンコールと同じバルトーク。これはとても素晴らしい演奏。文句なしです。よほど、弾き込んでいるんですね。実にチャーミングな演奏でした。

今度はもっと彼の美点のリリックさが全面に出るプログラムで聴いてみたいものです。今日のプログラムはとてもマニアックな組み立てでした。


今日のプログラムは以下です。

  北村朋幹 ピアノ・リサイタル

  ピアノ:北村朋幹
 
  ドビュッシー:前奏曲集 第2巻
   霧
   枯葉
   ヴィーノの門
   妖精たちはあでやかな踊り子
   ヒース
   奇人ラヴィーヌ将軍
   月の光が降り注ぐテラス
   水の精
   ピクウィック殿をたたえて
   カノープ
   交代する三度
   花火

  《休憩》

   バルトーク: 4つの挽歌 Op.9a BB58 Sz45

  ベルク: ピアノ・ソナタ Op.1

  ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》Op. 39より
   第2曲 イ短調
   第5曲 変ホ短調
   第9曲 ニ長調

  《アンコール》
   バルトーク:チーク地方の3つのハンガリー民謡 Sz35a BB45b


最後に予習について、まとめておきます。

ドビュッシーの前奏曲集 第2巻を予習したCDは以下です。

 クリスティアン・ツィマーマン 1991年8月、ドイツ セッション録音

ツィマーマンはどのアルバムも完成度が高いですが、彼の唯一のドビュッシーのこのアルバムの出来も素晴らしいです。何と言っても音楽性が尋常ではありません。


バルトークの4つの挽歌は直前のプログラム変更で入った曲なので予習していません。実は聴いたこともない曲です。


ベルクのピアノ・ソナタを予習したCDは以下です。

 エレーヌ・グリモー 2010年8月 ベルリン セッション録音

グリモーの演奏はちょうど10年前にこの神奈川県立音楽堂で生演奏を聴きました。CDよりも素晴らしいベルクでした。


ラフマニノフの絵画的練習曲《音の絵》Op. 39を予習したCDは以下です。

 ニコライ・ルガンスキー 1992年、モスクワ セッション録音

ルガンスキーはsaraiが注目しているピアニストです。音が綺麗で音楽性も高い演奏を聴かせてくれます。このラフマニノフは期待したほどではありませんでした。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ジョナサン・ノット&東響の感動のマーラー1番@ミューザ川崎シンフォニーホール 2021.5.27

先週に引き続き、リアルのジョナサン・ノットの指揮を聴きました。もう、それだけで十分。大変、満足しました。やはり、ジョナサン・ノットの振る東響は最高です。今日もジョナサン・ノットのコアなファンが集結し、終演後の盛り上がりは感動的でした。

まず、最初はベルクの室内協奏曲。演奏が素晴らしかったのは分かりますが、saraiの聴き込み不足で曲の内容は掴み損ねました。もっと、しっかりと予習を積むべきでした。反省・・・ 児玉麻里のピアノはかっこよかったです。

後半はマーラーの交響曲 第1番「巨人」。出だしはあまりアンサンブルも整っていなくて、先週の交響曲第4番ほどの素晴らしさは感じられません。saraiの集中力も欠如し、第2楽章まではもうひとつの印象です。第3楽章の葬送の行進は弱音を見事に使い、一気に演奏の質が上がります。そして、すべては第4楽章に収斂します。強烈に燃え上がる開始から、ぐっと心が惹き付けられます。そして、嵐のような音楽から、一転して、静謐で美しい音楽が弦パートを中心として奏でられると、心が揺さぶられる思いです。saraiの集中力も一気に上がります。再び、金管が主導して、嵐のような激しい音楽に変わると、強い感動に襲われます。音楽も頂点を極めます。さらに勝利を奏でる金管の怒涛の高揚が続き、東響のアンサンブル力も高みに達します。いったん、音楽は静まり、第1楽章の序奏部が回帰しますが、東響のアンサンブルは見違えるように素晴らしくなっています。あるいはそう感じるような展開になったのかもしれません。再び、嵐のような音楽が高まった後、ヴィオラが素晴らしいフレーズを奏でます。ここからがこの日の聴きどころでした。再現部で盛り上がった後、圧巻のコーダに突入します。ベルアップした木管の演奏を皮切りに最後はホルン奏者たちが起立して、物凄く高潮した音楽がホールに響きわたります。ジョナサン・ノットも渾身の力でオーケストラを鼓舞し、そして、我々、聴衆も鼓舞されます。これで感動しなければ、マーラーの音楽を聴く意味はないでしょう。圧倒的なコーダでした。満場、興奮のるつぼと化します。ブラボー禁止の中、皆が手を高く上げて拍手する様は感動的です。ジョナサン・ノットを中心に東響のメンバーもすべての聴衆も心を一つに結ばれました。感動のマーラーでした。

終演後の拍手は長く続き、それ自体が感動的なイベントになりました。ジョナサン・ノットが持ち出してきた“I'm home”の帯にみなが納得。しばらくの別れになりますが、次の機会を待ちましょう。この場所こそがジョナサン・ノットの居場所です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ピアノ:児玉麻里
  ヴァイオリン:グレブ・ニキティン(東京交響楽団コンサートマスター)
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  ベルク:室内協奏曲-ピアノ、ヴァイオリンと13管楽器のための

  《休憩》

  マーラー:交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベルクの室内協奏曲は以下のCDを聴きました。

  内田光子、クリスティアン・テツラフ、ピエール・ブーレーズ指揮アンサンブル・アンテルコンタンポラン 2008年3月19-21日、パリ、IRCAM セッション録音

ほかと比較していませんが、この豪華メンバーで悪かろう筈がありません。


2曲目のマーラーの交響曲 第1番「巨人」は以下のCDを聴きました。

 ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団 1961年 セッション録音
 
久しぶりに聴いてみましたが、さすがに古い感じが否めません。最近のロトとかの演奏を聴いたほうがよかったかもしれません。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,  

空前絶後の辻彩奈のシベリウスに衝撃!@サントリーホール 2021.5.28

どう言えばよいか、本当に分かりません。ただ、今日の辻彩奈のヴァイオリンはsaraiの心に響いたんです。よい演奏とか、テクニックが凄いとか、そういうことではなくて、本当に心がその音楽に同調したとしか言えません。今日の辻彩奈は最高に素晴らしかった・・・saraiが期待していた音楽のレベルに達したと思います。これまで、才能はあるとは思っていましたが、気魄がもうひとつ足りませんでしたが、今日の辻彩奈の音楽にかける気魄は凄かったと思います。今日の辻彩奈の演奏が凄かったので、saraiはちょっと混乱しています。
第1楽章の途中から、辻彩奈のヴァイオリンが燃え上がり、saraiの心も高潮していきます。それ以降はすっかり音楽の中に浸り込みます。長大な第1楽章の何と甘美なことか・・・まるで夢の中にいるようです。とともに辻彩奈のヴァイオリンを聴きながら、こちらもぐっと力が入ります。こういう経験は稀なことです。辻彩奈とともに一緒に音楽を作り上げてる気持ちでのめり込みます。第2楽章にはいって、さらに辻彩奈の気魄は高まっていき、saraiの気持ちもさらに前のめりになります。音楽は他人事のように醒めた気持ちで聴くものではなく、主観的に体験するものだということを実感します。したがって、評論家的にその音楽を言葉で表すことが困難になります。ただただ、音楽とともにある自分を実感するだけです。第3楽章にはいると、実に爽快な音楽を辻彩奈は奏で上げます。ここで、ようやく、少し、音楽を前のめりででゃなくて、楽しめるようになります。心が舞い上がるような飛翔感を味わいながら、次第に感動に至ります。圧倒的な高揚感で全曲を聴き終わります。現在、こんなにsaraiをインスパイアしてくれるヴァイオリニストはそうはいません。思いつくのは庄司紗矢香だけです。今日の辻彩奈の演奏も決して傷がないわけではありませんでしたが、確実に高いレベルに達しつつあることを思わせてくれるものでした。

後半のシベリウスの交響曲第6番は鈴木優人の鮮やかな手腕が印象的でした。バロックだけでなく、近代音楽までも視野に入れられる大器になりつつありますね。鈴木優人がコントロールした日フィルも比類のないアンサンブルを聴かせてくれました。とりわけ、弦楽セクションの美しい響きに驚きました。いやはや、在京オーケストラの実力は凄いものです。ベルグルンドが振ったシベリウスは聴き逃がしましたが、さぞや素晴らしかったのでしょうね。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:鈴木優人
  ヴァイオリン:辻 彩奈
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:木部雅之

  ステンハンマル:序曲《エクセルシオール!》
  シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
   《アンコール》シベリウス:水滴 Vnソロ辻 彩奈 & Vcソロ菊地 知也

   《休憩》

  シベリウス:交響曲第6番 ニ短調 Op.104


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のステンハンマルの序曲《エクセルシオール!》は以下のCDを聴きました。

 ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団 1992年12月 セッション録音

お国ものの演奏ですね。素晴らしい演奏です。


2曲目のシベリウスのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 庄司紗矢香、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団 2017年10月 サンクト・ペテルブルク ライヴ録音
 
庄司紗矢香の熱い演奏です。聴き応え十分!


3曲目のシベリウスの交響曲第6番は以下のCDを聴きました。

 パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 1995年9月 コロシアム、ワトフォード、ロンドン セッション録音
 
saraiが最も愛好するシベリウスの全集盤の1枚です。その美しさは最高です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       辻彩奈,  

神尾真由子、圧巻のヴァイオリンに深い感銘!@上大岡 ひまわりの郷 2021.5.30

実に久々に神尾真由子のヴァイオリンを聴きましたが、あまりの素晴らしさに大変な感銘を覚えました。彼女のヴァイオリンを聴いたのは実に10年ぶりのことです。こんなに長期間聴かなかったのは何故かと言うと、10年前の演奏も素晴らしくて、文句のつけようがなかったのですが、プログラムの選曲がsarai好みではなくて、演奏のよさに比べて、感銘の度合いが低かったというだけのことです。ある意味、saraiの音楽受容力のレベルが低かっただけのことで、彼女のヴァイオリンから遠ざかっていただけのことかもしれません。あるいは神尾真由子のヴァイオリンが長足の進歩を遂げたのか・・・どちらかは分かりかねますが、現在、日本人のヴァイオリニストの中でも抜きんでた存在であることは今日の演奏で明確に実感しました。これからは積極的に聴くことにしましょう。

1曲目はベートーヴェンのロマンス 第2番。まあ、軽い曲で名曲アワーの感じで聴き始めますが、神尾真由子のヴァイオリンの弱音のあまりの美しさに絶句します。そして、音楽表現のニュアンスの味わいの深さに魅了されます。あの有名なメロディーが繰り返されるたびにうっとりとします。普通はもっと音量の大きな明確な音で、これぞ名曲という感じで演奏されますが、神尾真由子のヴァイオリンは抑えた音量で気品のある美しさに満ちています。芸術的なレベルが数段も高いような素晴らしい演奏です。

次はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ 第5番 「春」。このベートーヴェンの傑作はさらに素晴らしい演奏。やはり、品格のある弱音の美しさを軸に魅力的な演奏です。ストラディバリウスのヴァイオリンの響きの素晴らしさも再認識させてくれます。最近はガルネリ・デル・ジェスの響きのほうが素晴らしいと感じていましたが、弾く人が弾けば、ストラディバリウスは凄い音がしますね。最高のヴァイオリンの響きと合わせて、音楽表現の見事さでうっとりとしながら、ベートーヴェンの傑作ソナタに耳を傾けました。それにしても、気品のある音楽というのは天才演奏家だけに備わる美質です。

休憩後はクライスラーの小品群。 愛の悲しみ、美しきロスマリンのとりわけ美しい演奏は魅了されるだけです。気品がないと、単に名曲アワーの下品な演奏になりますが、神尾真由子のヴァイオリンは天上の音楽に聴こえます。

最後は滅多に演奏されないサン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ 第1番。これが今日の演奏の中で最高でした。後で調べると、この曲はフランスの最高の文学とも言われる『失われた時を求めて』の作者、マルセル・プルーストが愛好してやまなかったものだそうです。彼の畢生の大作『失われた時を求めて』に登場する音楽家ヴァントゥイユのソナタはこの曲に着想しているといわれています。プルーストの死から100年を迎える2022年は来年です。よいときによいものを聴かせてもらいました。saraiも一念発起して、『失われた時を求めて』に挑戦しようかなという気になりました。現在、『失われた時を求めて』は文庫本しか出ていなくて、単行本は廃刊状態です。この機に単行本がまた再刊されないかな・・・。
話が逸れましたが、神尾真由子のヴァイオリンは美しい弱音だけでなく、フォルテも見事なものでした。第4楽章は大変、高潮して感動のフィナーレを迎えました。フランクのヴァイオリン・ソナタにも比肩するような素晴らしい音楽に出会った思いです。神尾真由子のヴァイオリンは素晴らしい!

アンコール曲は超絶技巧の凄い演奏でしたが、saraiはもっと彼女の気品ある弱音を活かした曲が聴きたかった・・・


今日のプログラムは以下です。

 神尾真由子 ヴァイオリン・リサイタル

  ヴァイオリン:神尾 真由子
  ピアノ:田村 響

  ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調 Op.50
  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24「春」

   《休憩》

  クライスラー: 愛の喜び / 愛の悲しみ
          美しきロスマリン / 中国の太鼓
  サン=サーンス: ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.75
 
   《アンコール》
     バッジーニ:幻想的スケルツォ『妖精の踊り』クアジ・プレスト ホ短調 Op.25 

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンのロマンス 第2番は以下のCDを聴きました。

 アンネ=ゾフィー・ムター、クルト・マズア指揮ニューヨーク・フィルハーモニック 2002年5月、ニューヨーク ライヴ録音
 
ムターは艶やかな演奏を聴かせてくれます。


2曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ 第5番 「春」は以下のCDを聴きました。

 アンネ=ゾフィー・ムター、ランバート・オーキス 1998年8月 ヴィースバーデン、フリードリヒ・フォン・ティールシュ・ザール ライヴ録音
 
ムターの美しいヴァイオリンの響きが心に沁みます。


3~6曲目のクライスラーの名曲群は以下のCDを聴きました。

 ヘンリク・シェリング、チェールズ・ライナー 1963年1月 ニューヨーク、ファイン・レコーディング・スタジオA セッション録音

こういう名曲集には向かない感じのシェリングですが、実に見事な演奏を聴かせてくれます。


7曲目のサン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ 第1番は以下のCDを聴きました。

 ルノー・カプソン、ベルトラン・シャマユ 2020年7月2-4日 フランス、ソアソン、Studio, Cite de la musique et de la danse, Soissons セッション録音
 
カプソンのヴァイオリンはサン・サーンスのあまり演奏されない曲を素晴らしく奏でています。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

フォーレのレクイエム、中村恵理のソプラノと新国合唱団のソプラノは素晴らしきかな! 小泉和裕&東京都交響楽団@サントリーホール 2021.6.1

中村恵理が名曲のピエ・イエスを歌うというので、駆けつけましたが、その期待は裏切られませんでした。実にピュアーで清廉な歌唱を聴かせてくれました。指揮の小泉和裕との呼吸も合ったのでしょう。中村恵理はオペラのアリアを歌う時のドラマティックな歌唱ではなく、宗教曲に寄り添った素朴とも思える歌唱に切り換えていました。今後、そういう宗教曲での歌唱も楽しみです。
新国立劇場合唱団のソプラノ合唱もとても美しいものでした。第1曲のイントロイトゥス(入祭唱)の後半で甘美なソプラノ合唱が歌われるところでは、文字通り、心が洗われるような思いになりました。第3曲のサンクトゥス(聖なるかな)でも清澄なソプラノ合唱に聴き惚れます。そして、第4曲のピエ・イエス(慈悲深きイエスよ)で中村恵理の清らかな独唱にうっとりと心を委ねます。ここが全曲のちょうど、真ん中で、きっとフォーレも一番心を注いだ部分です。オルガン伴奏に加えて、抑えたオーケストラの演奏も好感を持てます。第5曲のアニュス・デイ(神の子羊)の中間部でもソプラノ合唱の美しさに心を打たれます。第6曲のリベラ・メ(私を解き放って下さい)はバリトンの加耒 徹の清々しい独唱が聴けました。音楽的にも合唱も含めて、訴求力の高いリベラ・メです。素晴らしい演奏に魅了されました。終曲のイン・パラディスム(楽園に)でもソプラノ合唱が素晴らしく、まさに楽園に心を持っていかれる感覚になりました。
中村恵理のソプラノ独唱が素晴らしかったのですが、全体を清らかにまとめあげた小泉和裕の指揮の手腕はさすがと言えます。新国立劇場合唱団の素晴らしい合唱とそれを支えた都響の低弦を中心としたアンサンブルも見事でした。

プログラム前半のオネゲルの交響曲第3番《典礼風》は激しく刻むリズムが炸裂し、小泉和裕の的確なコントロールの下、都響の最高のアンサンブルが聴けました。中心はやはり、都響の誇る弦楽アンサンブルです。いつもの素晴らしい高弦はもとより、低弦も素晴らしい響きを聴かせてくれました。この曲は第2次世界大戦の終結直後に書かれた戦争交響曲と言われますが、その力強い音楽は阿鼻叫喚にも聴こえます。聴きようによってはパシフィック231のような爽快さも感じます。あまり、歴史的背景にこだわらずに推進力のみなぎる音楽を楽しめばよいのかもしれません。ストラヴィンスキーの《春の祭典》にも通じるような人間の根源的な力(野性的な)を感じました。いずれにせよ、見事な指揮、見事なアンサンブルでした。

ところで、今日はこの都響のコンサートに先立って、鶴見サルビアホールでクァルテット・インテグラの演奏で素晴らしいベルクの弦楽四重奏曲も聴きましたが、それは明日、アップします。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:小泉和裕
  ソプラノ:中村恵理
  バリトン:加耒 徹
  合唱:新国立劇場合唱団 合唱指揮:富平恭平
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉

  オネゲル:交響曲第3番《典礼風》

   《休憩》

  フォーレ:レクイエム Op.48
   第1曲 イントロイトゥス(入祭唱)とキリエ
   第2曲 オッフェルトリウム(奉献唱)
   第3曲 サンクトゥス(聖なるかな)
   第4曲 ピエ・イエス(慈悲深きイエスよ)
   第5曲 アニュス・デイ(神の子羊)
   第6曲 リベラ・メ(私を解き放って下さい)
   第7曲 イン・パラディスム(楽園に)

最後に予習について、まとめておきます。

オネゲルの交響曲第3番《典礼風》を予習したCDは以下です。

  シャルル・デュトワ指揮バイエルン放送交響楽団 1982年、85年 ミュンヘン、ヘラクレス・ザール ライヴ録音

会心の演奏です。交響曲全集なので、ほかの曲も聴いてみたくなります。パシフィック231もよさそうですね。


フォーレのレクイエムを予習したCDは以下です。

  ロランス・エキルベイ指揮アクサンチェス合唱団、フランス国立管弦楽団のメンバー
    サンドリーヌ・ピオー(S)、ステファン・デグー(Br)、パリ聖歌隊(少年合唱) 2008年1月、聖クロティルド教会 セッション録音

第2稿のネクトゥー&ドゥラージュ版の演奏です。合唱もソプラノ独唱のサンドリーヌ・ピオーも素晴らしいです。昔は第3稿のフルオーケストラ版のクリュイタンス盤を聴いていたものですが、第2稿の小編成オーケストラ版は合唱がピュアーに聴けていいですね。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       中村恵理,  

高度なテクニックで圧巻のベルクの弦楽四重奏曲、クァルテット・インテグラ@鶴見サルビアホール 2021.6.1

この日も、弦楽四重奏の殿堂である鶴見サルビアホール(音楽ホール)はコロナ禍の影響で、若手の日本人のカルテットを聴けました。ベルク、シューマン、そして、ベートーヴェンの最高傑作のOp.131という実に挑戦的なプログラムです。恐れ知らずの若者たちですね。結果はそのキャリアの短さを感じさせない見事なテクニック、豊かな響きで室内楽の醍醐味を十分に感じさせてくれ、また、別の作曲家の作品を聴いてみたいと思わせてくれました。桐朋出身の弦楽器奏者のレベルの高さを痛感させられました。日本人カルテットの層も厚くなり、嬉しい限りです。

今日の一番の聴きものは最初に演奏されたベルクの弦楽四重奏曲です。最初の1音から、おっと思わせられます。豊かで美しい響きでベルクの音楽の本質を突いてきます。狂おしいウィーンの夜のねっとりした熱さを感じさせる素晴らしい演奏。無調でありながら、後期ロマン派の流れの先にある表現主義的などぎつさを最高に表出した演奏を夢中になって聴き入ります。まったくもって、素晴らしいベルクでした。予習で聴いた世評に高いアルバン・ベルク・カルテットを音楽的にはるかに上回る演奏に深い感銘を覚えました。4人の個性が自由にぶつかりあいながらも、しっかりとアンサンブルを作っているところ、そして、確かな技術に裏打ちされた攻撃的とも思える瑞々しい音楽表現に感嘆しました。

次はシューマン:弦楽四重奏曲 第1番。ロマンの香り高い美しい演奏が第1楽章から繰り広げられます。テクニックと響きは最高です。音楽的にもそれほど不足はありません。シューマンワールドをしっかりと楽しませてもらいました。及第点の演奏です。

休憩後、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番。ベートーヴェンの最高傑作と目される作品です。若手には音楽表現が難しいとも思えるものですが、彼らは果敢に挑戦します。ここでもテクニックと響きは見事です。しかし、どこかしら、ベートーヴェンがこの曲に込めた人生の旅路の果てという風情がもうひとつ聴こえてきません。音楽というものはかくも難しいものです。演奏は完璧ですが、その演奏の先にある音楽を超えた何かが表現しきれていないように感じます。しかし、それでも終盤、第6楽章あたりから、奇跡的にベートーヴェンの後期四重奏曲らしい音楽性が立ち上がってきます。終楽章はなかなかの聴きものでした。もう一歩でこの難曲を攻略するところまで来ているようです。これからの彼らの成長を聴いてみたくなりました。

来月、再来月の彼らのコンサートに急遽、駆けつけることにしました。どんな演奏を聴かせてくれるか、楽しみです。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ
   三澤響果 vn   菊野凜太郎 vn   山本一輝 va   築地杏里 vc

   ベルク:弦楽四重奏曲 Op.3
   シューマン:弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 Op.41-1

   《休憩》

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op.131

   《アンコール》
    チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.11 より、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」

最後に予習について触れておきます。

1曲目のベルクの弦楽四重奏曲は以下のCDを聴きました。

 アルバン・ベルク四重奏団 1991-1992年 セッション録音

素晴らしい技術でバリバリ弾き込んでいます。少しドライ過ぎるきらいはあります。ベルクらしい、ねっとりとした熱情がほしいところです。


2曲目のシューマンの弦楽四重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 ロータス・ストリング・カルテット 2003年1月29,30日 横浜,リリスホール(横浜市栄区民文化センター) ライヴ録音
 
素晴らしいロータス・カルテットのシューマン。この録音では第2ヴァイオリンが現在のマティアス・ノインドルフではなく、藤森彩です。2代目のメンバーです。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番は以下のCDを聴きました。

 ザ・リンジーズ(リンゼイ弦楽四重奏団) 2001年6月25日-27日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 
これまでリンゼイ四重奏団のベートーヴェンは旧録音を聴いていましたが、そのあまりの素晴らしさに、現在、入手困難の新録音の全集を苦労して、収集しました。この新録音も基本スタイルは旧録音と同じで、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。ブッシュ四重奏団、ブダペスト四重奏団と並んで、saraiが最も愛好するベートーヴェンの弦楽四重奏曲の演奏です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

若手ながら安定したアンサンブル、ほのカルテット@鶴見サルビアホール 2021.6.4

今日も、弦楽四重奏の殿堂である鶴見サルビアホール(音楽ホール)で若手の日本人のカルテットを聴けました。ほのカルテットは結成後、わずか3年ほどの芸大出身の若手4人のカルテットです。第1ヴァイオリンの岸本萌乃加は1ヵ月前に読響の次席第1ヴァイオリン奏者として、入団した期待のホープです。彼女のヴァイオリンは素晴らしく安定していたのは当然としても、他のメンバーも負けず劣らずの実力です。チェロの蟹江慶行は東響のチェロ奏者です。厚みのある響きは素晴らしく、既に熟成したカルテットに思えます。

今日は最初に弾いたハイドンが一番、見事な演奏でした。安定した響きでハイドンの確立した弦楽四重奏曲の古典的な美しさを余すことなく表出してくれました。この作品は6曲からなるロシア四重奏曲の1曲ですが、この作品群でハイドンが弦楽四重奏曲の基盤を築きあげて、古典派の弦楽四重奏曲の源流となったものです。モーツァルトがこのロシア四重奏曲に刺激を受けて、ハイドン・セットの名作群を完成したのもむべなるかなと思わせてくれるような今日の素晴らしい演奏でした。

2曲目はボロディンの弦楽四重奏曲 第2番。有名な第3楽章のノクターンはよくアンコール曲として演奏されますが、全曲を聴くのは久しぶり。第1楽章の美しさが耳に心地よく響きます。第3楽章は有名なメロディーがチェロ、ヴァイオリンと引き継がれ、うっとりです。

休憩後、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番。ベートーヴェンの後期四重奏曲の最初の曲。その次に作曲されたのは第15番ですから、ここから、ベートーヴェンの傑作群が始まります。演奏はまあまあと言ったところでしょうか。前回のクァルテット・インテグラもそうでしたが、後期四重奏曲はテクニックだけでは表現できない何かがあります。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:ほのカルテット
   岸本萌乃加 vn  林 周雅 vn  長田健志 va  蟹江慶行 vc

   ハイドン:弦楽四重奏曲 第41番(第29番) ト長調 Op.33-5 Hob.III: 41「ご機嫌いかが」
   ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調

   《休憩》

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調 Op.127

   《アンコール》
    なし

最後に予習について触れておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲 第41番(第29番)Op.33-5 「ご機嫌いかが」は以下のCDを聴きました。

 ザ・リンジーズ(リンゼイ弦楽四重奏団) 1995年3月 聖トリニティ教会,ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音

ベートーヴェンの後期作品で素晴らしい演奏を聴かせてくれたリンゼイ弦楽四重奏団はハイドンでも見事に美しい演奏を聴かせてくれます。


2曲目のボロディンの弦楽四重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

 ボロディン四重奏団 1962年 セッション録音
 
とっても美しい演奏です。さすが、ボロディン四重奏団。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番は以下のCDを聴きました。

 ザ・リンジーズ(リンゼイ弦楽四重奏団) 2001年6月25日-27日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 
リンゼイ四重奏団のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集の新録音を聴いています。第14番ほどの出来ではありませんが、見事な演奏ではあります。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

コバケンのチャイコフスキーも無事、交響曲全6曲、完結・・・ 小林研一郎80歳記念チャイコフスキー交響曲チクルス@東京芸術劇場コンサートホール 2021.6.6

小林研一郎80歳(傘寿)記念&チャイコフスキー生誕180周年記念チャイコフスキー交響曲全曲チクルスの3回目です。

2021040701.jpg



このコンサートは昨年から、コロナ禍で2度延期され、会場をサントリーホールから東京芸術劇場コンサートホールに移し、苦難を乗り越えて、実現したものです。しめとなる演奏がチャイコフスキーの『悲愴』というのは何か因縁めいた話ですね。

今日演奏された2曲もこれまでの2回のコンサート同様、とても素晴らしい会心の演奏でした。80歳を超えた小林研一郎の健在ぶりを実感させてくれるものですし、この程度の演奏は当然、期待できていたレベルのものです。実はチャイコフスキーの交響曲全曲のチクルスを聴くのは初めてでしたが、コバケンの節目のコンサートで聴けたのは幸運なことでした。全6曲、ライヴでこのレベルの演奏とは嬉しい限りです。まあ、欲を言えば、失礼ながら、日フィルのアンサンブル能力がもっと高ければとも思いますが、コバケンの情熱と見識に応えた日フィルの健闘ぶりも讃えられます。

まず、最初の交響曲第3番『ポーランド』ですが、民俗色に彩られた作品がほのぼのと演奏されました。こういうメロディアスな曲はコバケンの得意とするところ。くっきりとメロディーラインが浮き立ちます。実に満足できる演奏でした。まあ、それにしても5楽章の長大な作品です。

最後の交響曲第6番『悲愴』は素晴らしい演奏でした。第1楽章は冒頭から仄暗い色彩に覆われていますが、美しい演奏です。終盤は悶え苦しみますが、きっちりと収まるところに収まるという風情の演奏です。情熱と節度のバランスのとれた演奏といえるでしょう。第2楽章のワルツは見事に美しいメロディーが歌われます。コバケンの自家薬籠中の物ですね。第3楽章は後半の怒涛のマーチが大迫力です。もう少し、オーケストラの能力があればとも思いますが、音楽的には最高です。あまりの迫力に一部の聴衆から拍手が飛び出したのもうなづけます。ただ、第4楽章に入る間がどういう感じか、注目していたので、水をさされました。多分、ほとんど間を置かずに第4楽章に突入するつもりだったのでしょう。もっとも、その余計な拍手を左手1本で制止して、右手でオーケストラにキューを出して、第4楽章を開始したコバケンの絶妙な捌き方はまさに巨匠ならではの見事な手際です。コバケンは緊張感を欠くこともなく、哀調に満ちた音楽を奏でていきます。その音楽作りはいい意味でオーソドックスなものです。妙な思い入れはなく、音楽的に美しさの限りを尽くしていきます。そして、ラストもあくまでも音楽の美しさを残しながら、ほどほどの絶望感を表出します。まあ、これでいいのでしょう。とても満足できた演奏でした。

小林研一郎の80歳のチャイコフスキー交響曲チクルスは期待以上の素晴らしさで完了しましたが、まだ、おまけの協奏曲シリーズが続きます。上原彩子のピアノ、神尾真由子のヴァイオリンと言えば、チャイコフスキーコンクールの優勝者たちですね。素晴らしい演奏を聴かせてくれるでしょう。感動間違いなしでしょう。このチクルスはライブCDが作成されているので、協奏曲シリーズもライヴCDになるのであれば、これは楽しみです。saraiにとって、決定盤のCDになるかもしれません。


今日のプログラムは以下です。

  小林研一郎80歳(傘寿)記念&チャイコフスキー生誕180周年記念チャイコフスキー交響曲全曲チクルス

  指揮:小林研一郎
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:木野 雅之

  チャイコフスキー:交響曲第3番 ニ長調 Op.29『ポーランド』

   《休憩》

  チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 Op.74『悲愴』

   《アンコール》
    チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』 から 第4楽章の終結部分(銅鑼がなるところから)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のチャイコフスキーの交響曲第3番『ポーランド』は以下のCDを聴きました。

 エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団 1990年 サントリーホール ライヴ録音

スヴェトラーノフのいわゆる東京ライブです。録音もよく、演奏も最高です。やはり、こういうロシアものはロシア人たちの演奏に限ります。特にこの曲のように民俗色豊かなものはなおさらです。


2曲目のチャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』は以下のCDを聴きました。

 レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル 1986年 セッション録音
 
これは物凄い演奏です。バーンスタインが晩年に残したもので、生命の火を燃やし尽くしたように思えます。とりわけ、第4楽章は極端なスローテンポで壮絶な美しさに満ちています。マーラーの交響曲第9番を想起します。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

猫のようなきらめく瞳の松田華音の弾くプロコフィエフは如何に・・・ 井上道義&東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2021.6.12

松田華音という名のピアニストのことは知っていましたが、今日が初聴き。それもコロナ禍でヴォロディンの代役で聴くことになりました。元々のプログラムは同じプロコフィエフでも最難曲のピアノ協奏曲 第2番でしたが、第3番に変更になりました。どちらかと言うと、第2番が聴きたかったので、ちょっと残念。何故か、プロコフィエフを得意にするピアニストでも、第2番を弾く人と第3番しか弾かない人がいるのは奇妙です。CDなどではピアノ協奏曲を5曲まとめて全集で録音するピアニストもいるので、ピアニストによる好みの問題でしょうか。今回は直前に代役になったので、しっかりと頭に入っていたのは第3番だったのでしょうか。ともあれ、第3番も好きな曲なので、松田華音というピアニストがどういうプロコフィエフを聴かせてくれるのか、期待します。今日はかぶりつきの席。ピアニストに一番近いと思われる席で聴きます。松田華音が赤いドレスで登場。写真で見た通りの美人です。それにとてもスリムでスタイルもいいですが、まあ、音楽には関係ないですね。それにしても最近は美人の音楽家が多いことに驚きます。しかし、松田華音は美人であることよりも、その瞳の輝きがとても印象的です。猫を連想させます。そういう見た目のことを感じているうちに演奏が始まります。まずはオーケストラの序奏。極めて美しい響きに耳をそばだてます。ピアノが入ってきます。とても切れのよい演奏ですが、響きがオーケストラに呑み込まれて、音量も小さくて、豪快さとは程遠い印象です。演奏自体には不足はないので、気持ちよく聴けます。でも、この程度の演奏では、また、このピアニストを聴いてみたいとは思いませんね。ほどほどの印象で第1楽章が終わります。
第2楽章も同じ印象で優雅なガヴォットを奏でていきます。ここで急速にテンポアップ。切れのよいタッチのピアノです。あっ・・・何か違う! 急にピアノの響きがクリアーになって、素晴らしい音色になります。急速なテンポだと響きが透明になるのねって感心します。しかし、また、テンポが変わり、緩徐なパートになっても響きの美しさが持続されています。特に音量が大きくなったわけではありませんが、もうオーケストラの響きにピアノが埋没することはありません。まるで体がヒートアップして、本来のピアノの響きを取り戻したかのようです。ここからは切れと言い、響きのクリアーさと言い、最高の音楽が展開されていきます。音楽的にも熱く燃え上がっていきます。第1楽章とはまるで別人のようです。見事なピアノに聴き惚れているうちに第2楽章が終了。第3楽章に入ると、もう、完璧なピアノが響きわたります。やがて、弦が低弦から順に甘美な旋律を奏でて、ピアノは分散和音的な高速演奏を始めます。素晴らしい! saraiはここが一番好きなところですが、最高の演奏に感極まります。松田華音のピアノが冴え渡ります。そして、東響の弦楽アンサンブルの美しいこと。このまま、音楽は頂点を極めます。そして、コーダは松田華音の熱く、そして、美しいピアノの響きに魅了されながら、圧巻の演奏に大満足。大変、感銘を覚えました。

こうなると、また、松田華音のピアノが聴きたくなりますね。アンコールはラフマニノフの静かで穏やかな曲でこれも美しい演奏でした。さすがにロシアでキャリアを積んだだけのことはあり、ロシアものは得意なようです。プロコフィエフやラフマニノフ、チャイコフスキーあたりをリサイタルで聴かせてもらいたいものです。また、注目すべき日本人ピアニストに出会えました。


後半はプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲。井上道義指揮の東京交響楽団が見事な演奏を聴かせてくれて、満足しました。詳細には触れませんが、バレエで聴くときには、ダンサーのほうに目がいってしまいますが、こうして、組曲を聴くと、管弦楽作品としての魅力を再認識します。東響のアンサンブルの素晴らしさに魅了されました。

次はサントリーホールに移動して、エルサレム弦楽四重奏団×カルテット・アマービレの室内楽コンサートを聴きます。それは別途の記事でアップします。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:井上道義
  ピアノ:松田華音
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26
  《アンコール》ラフマニノフ:楽興の時 第5番 アダージョ・ソステヌート 変ニ長調 Op.16-5

  《休憩》

  プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲より
    モンターギュ家とキャピュレット家、朝の踊り、ロメオとジュリエット、
    情景、メヌエット、朝のセレナーデ、アンティル諸島の娘たちの踊り、
    タイボルトの死、ジュリエットの墓前のロメオ


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のプロコフィエフのピアノ協奏曲 第3番を予習したCDは以下です。

  マルタ・アルゲリッチ、クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1967年5月、6月 ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

昔から聴き馴染んでいる演奏です。この頃のアルゲリッチは最高でした。


2曲目のプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲を予習したCDは以下です。

  クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1996年 セッション録音

ピアノ協奏曲の30年後のアバドの円熟した演奏。ベルリン・フィルの響きも素晴らしいです。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

メンデルスゾーンの八重奏曲の室内楽的アプローチの緻密な演奏 エルサレム弦楽四重奏団×カルテット・アマービレ@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.12

この日、2回目のコンサートです。オペラシティからサントリーホールは丸の内線、南北線を乗り継げば、意外に近いですね。

円熟のエルサレム弦楽四重奏団と日本の若手4人組のカルテット・アマービレによるメンデルスゾーンの八重奏曲が聴きたくて、このコンサートに足を運びました。

前半はそれぞれの弦楽四重奏団が個別の演奏を聴かせてくれます。最初はカルテット・アマービレと思っていたら、あれっ・・・エルサレム弦楽四重奏団の登場です。プログラム変更でしょうか。先にヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」を弾くようです。しかし、これはsaraiの勘違い。演奏が始まると、モーツァルトの弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K. 575「プロイセン王第1番」です。てっきり、カルテット・アマービレがモーツァルト、エルサレム弦楽四重奏団がヤナーチェクだと思っていましたが、逆でした。わざわざ、エルサレム弦楽四重奏団でヤナーチェクの予習までしたのにね。
気を取り直して、演奏を聴きます。うーん、なかなか、円熟味のあるモーツァルトです。安定した演奏できっちりとモーツァルトの後期の弦楽四重奏曲を奏でます。実はエルサレム弦楽四重奏団は初めて聴きますが、こんな演奏をするのだったら、前日まで続いていたベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲のチクルスを聴けばよかったと後悔します。きっと、いい演奏だったんでしょうね。

次はカルテット・アマービレの登場です。彼らの演奏を聴くのは2回目です。前回はシューベルトとブラームスでした。あの癖のあるヤナーチェクをどう演奏するんでしょう。固唾を飲んで、聴きます。うーん、なかなかの力演です。若さ漲る思い切った表現で好感を持てます。ヤナーチェクの音楽が完璧に表現できているかと言えば、少し違和感も感じますが、土台、モラヴィアのチェコ語法に基づくヤナーチェクの音楽はチェコ語を解さないと表現が難しいようです。そういうローカル性を除くと、モラヴィア音楽をインターナショナルに展開させた彼らの演奏は普遍性のあるものでしょう。実際、彼らの思い切った踏み込みの演奏は痛快であり、かつ、音楽性にも満ちており、極めて、集中して音楽にのめり込んでしまいました。とても素晴らしい演奏でしたし、やはり、ヤナーチェクの音楽はいいですね。

休憩後、エルサレム弦楽四重奏団×カルテット・アマービレがステージの左右に並びます。とても室内楽とは思えない大人数です。エルサレム弦楽四重奏団が中心になり、カルテット・アマービレがサポートするという感じの演奏が進んでいきます。とりわけ、エルサレム弦楽四重奏団の第1ヴァイオリンのアレクサンダー・パヴロフスキーが中心になって、音楽をリードしていきます。その後も色んなメンバーの組み合わせでの合奏が聴けるのも面白さのポイントのひとつです。音楽が高揚したのは第4楽章のフーガです。実に聴き応えがありました。若干16歳のメンデルスゾーンがこういう対位法の複雑な音楽を書けたというのが信じられません。ともかく、このあまり演奏されない曲を2つの弦楽四重奏団が一体になって、緻密な演奏を聴かせてくれたのは素晴らしいことでした。以前、聴いたのはライナー・キュッヒル率いるウィーン・フィルのメンバーとミュシャ・マイスキーや日本人奏者が混合したチームでのシンフォニックな演奏でしたから、室内楽的アプローチの演奏はこうなるのねっていう感じで面白く聴けました。
満場、大拍手でしたから、アンコールで第4楽章をもう一度、弾いてくれるともっと嬉しいところだったのですが。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:エルサレム弦楽四重奏団
   ヴァイオリン:アレクサンダー・パヴロフスキー
   ヴァイオリン:セルゲイ・ブレスラー
   ヴィオラ:オリ・カム
   チェロ:キリル・ズロトニコフ

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   ヴァイオリン:篠原悠那
   ヴァイオリン:北田千尋
   ヴィオラ:中恵菜
   チェロ:笹沼樹


   モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K. 575「プロイセン王第1番」
   ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」

    《休憩》

   メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20

    《アンコール》
    なし


最後に予習について触れておきます。
1曲目のモーツァルトの弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K. 575「プロイセン王第1番」は以下のLPレコードを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1969年 ベルリン セッション録音

アマデウス弦楽四重奏団を集中的に聴いています。この演奏は彼らにしてはもうひとつという感じです。


2曲目のヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」は以下のCDを聴きました。

 エルサレム弦楽四重奏団 2013年5月、7月録音、ベルリン セッション録音

意外と言っては失礼かもしれませんが、とても素晴らしい演奏に聴き惚れました。


3曲目のメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲は以下のCDを聴きました。

 スメタナ四重奏団+ヤナーチェク四重奏団 1968年 プラハ、スプラフォン・ドモヴィナ・スタジオ セッション録音

一世を風靡した両カルテットの演奏は見事です。第4楽章のフーガの素晴らしさに感銘を受けました。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       カルテット・アマービレ,  

ヴァイグレ、渾身のブラームス 読売日本交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2021.6.14

また、ドイツからヴァイグレがやってきました。14日間の隔離期間もものともせずにきっちりと日本にやってきてくれるのに感謝です。しかも今回も滞在期間を延長してくれるそうです。頭が下がります。ということで急遽、このコンサートにも駆けつけました。

冒頭はお馴染みのヴェルディの歌劇「運命の力」序曲。オペラ指揮者らしく、安定した演奏です。もうひとつオーケストラが響いてきませんが、耳馴染んだ旋律は十分に楽しめました。

次はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリンのアラベラ・美歩・シュタインバッハーは実は初聴きです。今日の演奏はきっちりした演奏ではあるものの、あまり、個性が感じられない残念な演奏。こういう超有名曲は少し、やり過ぎでもいいから、思い切った演奏を聴かせてもらいたいところです。それにこのホールでは、独奏ヴァイオリンはオーケストラの音量に埋没してしまいます。第2楽章の後半からはちょっと楽しめましたけどね。ところで驚いたことに、アンコール曲のバッハの無伴奏はホールに美しい音が沁み渡って、最高でした。もしかしたら、彼女は協奏曲向きではないのかしら。

後半のプログラムはブラームスの交響曲第1番。曲の冒頭からオーケストラの響きがよくなり、ホールに音が満ちます。読響の響きは明るくて、ドイツ的な重心の低い響きではありませんが、ドイツ的な指揮者のヴァイグレとの相性は悪くないのが不思議なところ。ヴァイグレのドイツ的な硬質の指揮で読響の明るい響きのブラームスが何故か、バランスがとれています。長大な第4楽章が一番、聴き応えがありました。コーダでの音楽的高潮は素晴らしく、圧倒されました。第2楽章でのコンマスの林悠介のソロ演奏も見事でした。そうそう、木管のソロも素晴らしく、中でもオーボエの金子亜未の演奏には聴き惚れました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
  ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:林悠介

  ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
  メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64

   《アンコール》J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番より 第3楽章 ラルゴ

   《休憩》

  ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヴェルディの歌劇「運命の力」序曲は以下のCDを聴きました。

 ジョルジュ・プレートル指揮スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 2016年2月22日 ミラノ、スカラ座 ライヴ録音 ~ラスト・コンサート

敬愛する巨匠プレートルの最後のコンサートの録音です。最後まで素晴らしい演奏を聴かせてくれました。ちなみにsaraiがプレートルの演奏を最後に聴いたのは、2011年にウィーン楽友協会でウィーン・フィルを振ったブルックナーの交響曲第7番でした。もちろん、もう言葉も出なくなるような素晴らしいものでした。あれは10年前のことでした。その1年前にはウィーン・フィルとの来日演奏で信じられないような物凄いベートーヴェンの交響曲第3番“英雄”


2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は以下のCDを聴きました。

 ヒラリー・ハーン、ヒュー・ウルフ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 2002年、オスロ セッション録音
 
若き日のヒラリー・ハーンの颯爽とした演奏。ハイレゾ化されていますが、さほど音質はよくないのは残念。


3曲目のブラームスの交響曲第1番は以下のCDを聴きました。

 カール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1959年 セッション録音

久しぶりにベームの演奏を聴いてみました。ベームらしい硬質の演奏もさることながら、この時代のベルリン・フィルにはまだ、フルトヴェングラーの面影も残っています。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

武満とメシアン、2人の天才を見事に表現した究極の室内楽 小菅優・金川真弓・ベネディクト・クレックナー・吉田誠@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.15

今年のサントリーホール チェンバーミュージック・ガーデンの白眉とも思えるコンサートを聴きました。

知的なアプローチをもとに、感性で訴えかける演奏をするときに魂を震わせる音楽の感動が生まれる。そう分かっていてもそんな演奏は滅多にありません。今日のコンサートは最初からステージ上の演奏者も熱心に詰め掛けた聴衆もピンと張り詰めた空気が漂っていました。2人の天才作曲家、武満とメシアンの傑作を名人たちがその技量の限りを尽くして、熱い魂の演奏を繰り広げました。物凄い演奏でした。

今日のコンサートをプロデュースしたのはピアニストの小菅優。彼女の知性と思いが結実した感のある演奏でした。テーマは「愛・希望・祈り」。戦争を知らない世代が現代の危険とも思える世界情勢の中で、音楽で何が実現できるかの問いを込めて、メシアンが第2次世界大戦時に捕虜収容所で作曲・初演した希代の名作『世の終わりのための四重奏曲』を中心としたプログラムに挑むというものです。我々、聴衆もほとんどが戦争を体験していない世代ですが、その音楽家たちの思いを受け止めてみましょう。

冒頭は4人が舞台に登場しますが、まずは、小菅優が極めて美しいタッチのピアノ・ソロで武満徹の『2つのメロディ』より 第1曲「アンダンテ」を奏でます。武満とは思えないようなメロディアスで優しい抒情に満ちた作品です。ほのぼのとした郷愁すら感じます。この短い曲を序奏のようにして、次の『カトレーンⅡ』に入っていきます。これはなかなか難解な曲です。よく分からないうちに曲の中途に差し掛かります。いったん、間があり、クラリネットのソロで単音で長いクレッシェンドがあります。ここで初めて、彼らが演奏する曲にsaraiの心がつながります。そして、ヴァイオリンとチェロの合奏が加わりますが、何故か、すべての音が心に直接、響いてきます。シンパシー、共感を覚えます。ピアノの優しい響きも心の襞にはいってきます。音楽が分かったのではなく、心に感じたんです。音の響きに魂が勝手に反応して深く感銘を覚えます。4人の演奏者の心の奥底からのメッセージがsaraiの心に伝わってくる感じです。共感は次第に深まっていき、曲を閉じるころには深い感動を覚えます。正直言って、武満の音楽をこんなに深い感銘を受けながら聴いたのは初めてです。やはり、武満は天才だったんですね。それを実感させてくれた4人の素晴らしい音楽へのアプローチでした。冒頭に書いた、知性と感性で音楽を描きあげて、魂を震わせる演奏でした。休憩中も何か、しびれるような感覚が続いていました。

休憩後は、メシアンが捕虜収容所で作曲・初演した希代の名作『世の終わりのための四重奏曲』です。8曲からなる大曲です。四重奏曲ではあるものの、曲によっては独奏曲や2重奏曲など、いろいろな組み合わせの楽曲に変化します。メシアンらしい哲学的、宗教的な瞑想が中心ですが、4人の演奏者の緊張感あふれる演奏は音楽を超えて、魂をむき出しでぶつけてくるような熱いメッセージです。これが室内楽の本質でしょうが、お互いの音を聴き合いながらも、それに自分の感性を乗せて、次のパッセージにつなげていくという連鎖反応的な音の連なりに、聴衆である自分もその演奏に参加しているような錯覚を覚えます。鳥の声も聴こえましたし、魂の瞑想も感じましたし、神への信仰の心も感じました。長大な音楽に魂が揺さぶられているうちに最後の8曲目の《イエスの不滅性への賛歌》、ヴァイオリンとピアノの2重奏曲に至ります。この静謐な音楽は魂のカタルシスです。この曲で魂を浄化するためにここまでの音楽が紡がれてきたのだということを悟ります。金川真弓のヴァイオリンがこれ以上、美しくは弾けないという風情で素晴らしい響きで歌い上げます。魂の賛歌であり、レクイエムでもあります。静謐な音楽はいつしか、天上に昇りつめて、我々を神の国に連れ去ります。あまりの感動に心が真っ白になります。音楽を聴いたというよりも、音楽を通じて、何か聖なる体験をしたという感覚です。普通の意味で拍手をするというものではありません。初演では捕虜収容所で400人の捕虜がこの稀有な音楽を耳にしたそうですが、限界状況の中で、この音楽は彼らの心にどう響いたのでしょう。想像で自分を重ね合わせてみると、ただ、沈黙して、涙するしかなかったでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:小菅優
  ヴァイオリン:金川真弓
  チェロ:ベネディクト・クレックナー
  クラリネット:吉田誠


   武満徹:『2つのメロディ』より 第1曲「アンダンテ」(ピアノ・ソロ)
   武満徹:『カトレーンⅡ』

    《休憩》

   メシアン:『世の終わりのための四重奏曲』

    《アンコール》
    なし


最後に予習について触れておきます。
1曲目の武満徹の『2つのメロディ』はてっきり、4重奏版があるものと思って、音源を探したので、ある筈もなく、予習できず(ピアノ・ソロ版の音源はあったのに・・・)。


2曲目の武満徹の『カトレーンⅡ』は以下のCDを聴きました。

 タッシ 1978年10月16-18日 ニューヨーク RCAスタジオA セッション録音

ちゃんと評価できませんが、何か素晴らしそうな演奏です。


3曲目のメシアンの『世の終わりのための四重奏曲』は以下のCDを聴きました。

  タッシ 1975年9月8,9日、千葉県柏市民会館、12月19日、ニューヨーク、RCAスタジオA セッション録音
  ミシェル・ベロフ(ピアノ)、エリック・グリュエンバーグ(ヴァイオリン)、ド・ペイエ(クラリネット)、ウィリアム・プリース(チェロ)
       1968年10月14-16日、 No. 1 スタジオ、アビーロード、ロンドン セッション録音

この曲を演奏するために結成されたタッシならでは見事な演奏。ミシェル・ベロフたちも音楽の本質に迫る名演。




↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       金川真弓,  

鬼神のごとき、上原彩子のパガニーニ狂詩曲は音楽の極致! 尾高忠明&東京フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2021.6.18

上原彩子の物凄い演奏に圧倒されました。こういうピアノ演奏を聴いてしまうと、もう誰の演奏を聴いても満足できなくなりそうです。それにラフマニノフは上原彩子に似合います。

上原彩子の弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は何度か聴いて、その素晴らしさに感動しました。そして、いずれの日か、きっと、《パガニーニの主題による狂詩曲》を聴かせてもらいたいと願っていました。今日、その夢が叶いました。期待を裏切らない、それどころか、こんな演奏は想像すらできないような圧倒的な演奏でした。ピアノはテクニックや音楽性も重要ですが、それ以上に一番大事なのは、魂の燃焼であることをまざまざと教えられました。こんなに凄い気魄で、恐ろしいほどに集中して演奏するピアニストはほかに知りません。彼女のどこから、こんなに凄いエネルギーが湧き出すのでしょう。彼女の弾く《パガニーニの主題による狂詩曲》はどのフレーズをとってみても実に新鮮で、まさに一期一会を思わせるような、今日、一度だけの演奏で、2度は聴けないと感じさせる即興性に満ちたものでした。すべてが魅惑的でしたが、やはり、第18変奏の美しさといったら、卒倒してしまいそうな美の極致です。ラフマニノフ自身でさえも、こんなに弾けたんでしょうか(古い録音を再度、チェックしてみましょう)。メロディーがオーケストラに移っても、上原彩子の弾くピアノの分散和音だけが耳に入ってきます。強烈に叩き上げるピアノの音の迫力に感動します。最後にもう一度、ピアノでメロディーを回帰して、第18変奏を終えます。ふーっと息が抜ける思いです。ここからはさらに上原彩子はギアーを上げて、超絶技巧を連発しますが、そのピアノの響きの凄さを上回るような彼女の気魄のほうに圧倒され、感動します。オーケストラと完璧にシンクロしていますが、聴こえるのはピアノの響きのみ。強烈に音楽が高潮していき、それは留まるところがありません。その頂点で、さっと、音楽が終わります。ここ数年で最高の音楽を聴きました。聴いたのは音楽だったのか、上原彩子の魂の燃焼と気魄だったのか、さだかではありません。音楽というのは音の響きを通じて、人間の魂の叫びを感じ、心と心がつながるものだということを深く心に刻みました。なんとも凄い演奏でした。

そうそう、アンコールはもちろん、ラフマニノフ。それもプレリュードです。最高に美しい音楽を聴かせてくれました。上原彩子のラフマニノフはきらきら光る宝石のように輝きます。これ以上の音楽はありません。

こういう演奏を聴いてしまうと、後半のラフマニノフの交響曲第2番の素晴らしい演奏を聴いても、どこか物足りなさを感じてしまいます。今日の東フィルのアンサンブルは尾高忠明が見事に磨き上げていましたが、音楽以上の何かを聴いてしまった後では、もうひとつにしか感じませんでした。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:尾高忠明
  ピアノ:上原彩子
  管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:近藤薫

  ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43

   《アンコール》 ラフマニノフ:《10の前奏曲》Op.23より 第4番

   《休憩》

  ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 Op.27


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラフマニノフの《パガニーニの主題による狂詩曲》を予習したCDは以下です。

 ヴァレンティーナ・リシッツァ、マイケル・フランシス指揮ロンドン交響楽団 2010年3月8日 ロンドン、アビー・ロード・スタジオ、スタジオ1 セッション録音

ヴァレンティーナ・リシッツァの驚異的なラフマニノフ全集(ピアノとオーケストラ)は凄いとしか言えません。チャイコフスキー全集ともども、素晴らしいものです。日本でも聴かせてもらいたいものです。ヒラリー・ハーンの伴奏で来日したときには、こんな凄いピアニストとは認識できませんでした。


2曲目のラフマニノフの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

 アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団 1973年1月 セッション録音

プレヴィンはこの曲を得意にしていて、これは2回目の録音です。素晴らしい演奏です。その美しさにうっとりしてしまいます。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,  

ウィーンがやってきた! ハイドン尽くしのキュッヒル・クァルテット@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.24

今日から3日間、キュッヒル・クァルテットでハイドン尽くしです。今さらながら、ハイドンの音楽を再評価したい気持ちで一杯です。

それにしても、キュッヒル・クァルテットは過去及び現役のウィーン・フィルのメンバーで構成され、中心は45年間もコンサートマスターを続けてきたライナー・キュッヒルです。今日もウィーン・フィルの響きを満喫しました。覚えている読者の方もいるでしょうが、昨年の5月はsaraiの渡欧30周年を記念して、ウィーンで個人的なパーティを開くつもりでした。あえなく、コロナ禍で中止にしましたが、そのパーティの中心はウィーン・フィルのメンバーによる弦楽四重奏でした。図らずもサントリーホールに別のメンバーがやってきて、別の形でウィーン・フィルのメンバーによる弦楽四重奏を聴くことができて、留飲を収めた気持ちです。かぶりつきの席で聴きましたから、自分のためにだけ演奏してくれていると錯覚することも可能でした。

今日は、そして、明日も明後日もハイドン尽くし。そんな経験はこれまで皆無です。なかなか、ハイドンのチクルスなどはないので、これからも経験できそうにありません。このところ、この3日間に向けて、ハイドンの弦楽四重奏曲ばかりを聴いていますが、こんなにハイドンをきちんと聴いたことはありません。これも今さらながら、ハイドンの素晴らしさを再認識しました。バロックから出発して、古典派のスタイルを確立し、さらにその先に上り詰めた音楽です。
ということで、ちょっと肩に力がはいった感じで今日の演奏に臨みましたが、ある意味、違う方向の感触に至ります。それはハイドンこそはウィーンの音楽そのものだということです。ウィーンと言えば、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトに始まり、ブルックナーやマーラー、さらにはシェーンベルク、ベルク、ウェーベルン。軽いところでは、ヨハン・シュトラウスなど多士済々。しかし、今日のようにハイドン尽くしをウィーン・フィルのメンバーで聴かされると、ウィーン=ハイドンと思えてしまいます。もっとも古き良きウィーンですけどね。本編での3曲とアンコール曲でこれだけハイドンを聴くと、まさにウィーンの街にいるような錯覚を覚えます。ああ、ウィーンの街が懐かしい!!

今日の演奏は個々に触れても仕方がありませんが、簡単に概観しておきましょう。バロック的な第32番 Op.20-2は彼らが弾くと、美しいウィーン・フィル風の演奏になります。第60番 Op.55-1は古典派としてスタイルが確立した後で、さらに洗練された作品ですから、とってもウィーン・フィル風の演奏が似合います。第79番 「ラルゴ」Op.76-5はハイドン後期の傑作です。まさにキュッヒル・クァルテットの実力がフルに活かされる作品で、圧巻の演奏。スキのない完璧な演奏でした。3曲通して、ハイドンの音楽を大回顧しているようなものです。おまけに次々と繰り出してくるアンコール曲。明日と明後日の予習ですね。気が付いてみれば、結局、第38番「冗談」 Op.33-2 を全曲、演奏してしまいました。これは明後日の本編で聴く曲です。『ロシア四重奏曲』6曲の中の1曲ですが、『ロシア四重奏曲』はハイドンが古典派の弦楽四重奏曲を確立した作品で、モーツァルトがこれにインスパイアされて、ハイドン・セット6曲を書いたのは有名な話です。やはり、それだけのことはある傑作です。キュッヒル・カルテットが見事に演奏してくれました。明後日も楽しみです。

何かと楽しいコンサートでした。明日も明後日も充実した演奏が聴けそうです。ハイドン!ハイドン! そして、ウィーン!ウィーン!


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:キュッヒル・クァルテット
    ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル
    ヴァイオリン:ダニエル・フロシャウアー
    ヴィオラ:ハインリヒ・コル
    チェロ:シュテファン・ガルトマイヤー

   ハイドン:弦楽四重奏曲
    第32番(第25番)ハ長調 Hob. Ⅲ:32 Op.20-2
    第60番(第45番)イ長調 Hob. Ⅲ:60 Op.55-1

    《休憩》

    第79番(第64番)ニ長調 Hob. Ⅲ:79「ラルゴ」Op.76-5 

    《アンコール》
    ハイドン:弦楽四重奏曲第57番(第42番)ト長調 Hob. III:58 Op.54-1 より 第2楽章
    ハイドン:弦楽四重奏曲第38番(第30番)変ホ長調 Hob. III:38「冗談」 Op.33-2 より 第4楽章、第2楽章、第3楽章、第1楽章


最後に予習について触れておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第32番 Op.20-2は以下のCDを聴きました。

 キアロスクーロ弦楽四重奏団 2014年2月 ブレーメン、センデザール セッション録音
 モザイク弦楽四重奏団 1990-92年 セッション録音

キアロスクーロ弦楽四重奏団は響きが素晴らしく、ハイドンの録音がこれから揃っていくのが楽しみです。一方、モザイク弦楽四重奏団はまるでバロックの響き。これまた素晴らしい演奏です。


2曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第60番 Op.55-1は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1972年 ミュンヘン セッション録音 LPレコード
 リンゼイ弦楽四重奏団 1994年 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 モザイク弦楽四重奏団 1990-92年 セッション録音

いずれも素晴らしく、甲乙つけがたしの感です。強いて言えば、リンゼイ弦楽四重奏団が頭ひとつ出ているかなあ。


3曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第79番 「ラルゴ」Op.76-5は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1970年 ベルリン セッション録音 LPレコード
 モザイク弦楽四重奏団 1998-2000年 セッション録音
 エルサレム弦楽四重奏団 2008年9月 セッション録音

アマデウス弦楽四重奏団とモザイク弦楽四重奏団が素晴らしい演奏を聴かせてくれます。エルサレム弦楽四重奏団の演奏も高い水準のものです。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       キュッヒル,  

ハイドンは疾走する キュッヒル・クァルテット@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.25

昨日から3日間、キュッヒル・クァルテットでハイドン尽くしを楽しんでいます。

今日も昨日と同様にハイドンの作品を年代順に演奏しましたが、演奏自体も昨日のように尻上がりに演奏精度が高まります。スロースターターというのは、ウィーン・フィルと同様で困ったものです。
1曲目の第30番 Op.17-6はハイドンのシュトルム・ウント・ドラング期の作品です。そのせいかどうか分かりませんが、ちょっとホンキートーク的とも思える、よく言えば、熱情的な演奏、悪く言えば、大雑把な演奏です。昨日の1曲目の第32番 Op.20-2もシュトルム・ウント・ドラング期の作品ですが、その演奏も同様な雰囲気でした。どうやら、あえて、そんな演奏をしていたのかなあと頭を傾げます。そんなつもりで演奏するのなら、Op.33以降の作品に絞って演奏すればよかったのに思います。

2曲目の第57番 Op.54-1になると、冒頭から、人の変わったように精度の高い演奏を聴かせてくれます。素晴らしい演奏にうっとりとなって聴き入ります。休憩時にも第4楽章の旋律を口ずさんでしまうほど、魅惑的な演奏でした。

休憩後、第74番「騎手」Op.74-3です。作品自体も傑作でsaraiも大好きな曲ですが、今日の演奏の素晴らしいこと! 一心になって、演奏に集中します。第2楽章の味わいの深さ、そして、第4楽章の軽快な疾走感は推進力さえ感じさせられます。まるで人生を強い決意で駆け抜けるかのようです。すっかり、魅了されました。

今日もまた、次々と繰り出してくるアンコール曲。明日の予習ですね。気が付いてみれば、結局、第67番「ひばり」Op.64-5を全曲、演奏してしまいました。この曲はおそらく、「皇帝」と並んで、ハイドンの弦楽四重奏曲のなかで最も有名な作品でしょう。とても美しい演奏でした。明日、もう一度、聴けるのが嬉しいですね。それに普通に楽章順に聴けるほうがよいものです。

今日も楽しいコンサートでした。明日も楽しみです。もう、頭の中がハイドン、そして、ウィーンでいっぱいになっています。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:キュッヒル・クァルテット
    ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル
    ヴァイオリン:ダニエル・フロシャウアー
    ヴィオラ:ハインリヒ・コル
    チェロ:シュテファン・ガルトマイヤー

   ハイドン:弦楽四重奏曲
    第30番(第20番)ニ長調 Hob. Ⅲ:30 Op.17-6
    第57番(第42番)ト長調 Hob. Ⅲ:58 Op.54-1

    《休憩》

    第74番(第59番)ト短調 Hob. Ⅲ:74「騎手」 Op.74-3

    《アンコール》
    ハイドン:弦楽四重奏曲第67番(第53番)ニ長調 Hob. III:63「ひばり」Op.64-5 より 第2楽章、第4楽章、第1楽章、第3楽章


最後に予習について触れておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第30番 Op.17-6は以下のCDを聴きました。

 ロンドン・ハイドン弦楽四重奏団 2008年8月 St George's, Brandon Hill、英国 セッション録音

若手の奏者たちによるガット弦とバロック弓による演奏ですが、聴きやすい演奏です。


2曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第57番 Op.54-1は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1971年 ミュンヘン セッション録音 LPレコード
 エマーソン弦楽四重奏団 2000~2001年 セッション録音
 リンゼイ弦楽四重奏団 1987年1月 キルクリースホール、西ヨークシャー、英国 セッション録音

いずれも最高級の演奏です。とりわけ、エマーソン弦楽四重奏団の響きの美しさが際立ちます。


3曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第74番「騎手」Op.74-3は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1978年 ミュンヘン セッション録音 LPレコード
 エマーソン弦楽四重奏団 2000~2001年 セッション録音
 リンゼイ弦楽四重奏団 2003年1月21-23日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音

これまた、三者三様の素晴らしい演奏です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       キュッヒル,  

ハイドン老は健在なり キュッヒル・クァルテット@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.26

一昨日から3日間、キュッヒル・クァルテットのハイドン尽くしを楽しんできました。

今日も昨日と同様にハイドンの作品を年代順に演奏しましたが、前半の演奏はまだエンジンがかかりきれていない感じで、後半は見違えるように素晴らしい演奏。3日間通して、同じパターンですね。とりわけ、アンコールは連日、素晴らしい演奏でした。これが実演の難しさであり、面白さでもあります。書き洩らしていましたが、何故か、このコンサートシリーズは立奏でした。もう高齢のキュッヒル氏のお元気なことに驚きます。saraiと同い年なんです。立奏にもかかわらず、疲れるどころか、後半に演奏レベルを上げてくるなんて、どういうことでしょう。

今日は最終日ということで最後に演奏したのはハイドンの完成作としては最後の弦楽四重奏曲第82番「雲がゆくまで待とう」Op.77-2です。ハイドンの老年の傑作です。齢67歳でした。モーツァルトは既に8年前に他界し、ベートーヴェンは28歳で最初の弦楽四重奏曲の作品18にとりかかっていました。ウィーンでは古典派の弦楽四重奏曲が熟成の時を迎えていました。ハイドン老は熟達の筆で軽み(かろみ)の中に対位法的な重層構造も忍ばせた素晴らしい作品でこのカテゴリーを完結していたんですね。この作品を実演で全楽章を聴いたのは初めてのことです。その前に演奏された有名な「ひばり」に比べると、いかに芸術的なレベルが高くなっていたかがよく分かりました。キュッヒル・クァルテットが今回のハイドン尽くしの中で極めて素晴らしい演奏でこの最後の作品を演奏してくれたのが大きな収穫となりました。とりわけ、第3楽章の変奏曲は美しいのはもちろんですが、ハイドン老の滋味深さを表現した素晴らしい演奏でした。ウィーンの団体ならではシンパシーに満ちた演奏でした。

後半の充実度に比べると、もう一つだった前半も「冗談」と「ひばり」という有名作品を実に楽しく聴かせてくれました。

三日間通して、ハイドンの弦楽四重奏曲に没入して、ハイドンの一見、シンプルで美しいだけのような作品の奥深さを再認識もしました。とりわけ、作品54以降の音楽的な充実度の高さに驚かされました。予習で聴いたアマデウス弦楽四重奏団、エマーソン弦楽四重奏団、リンゼイ弦楽四重奏団、モザイク弦楽四重奏団の素晴らしい録音にも魅了されました。今後は若手のキアロスクーロ弦楽四重奏団の録音が進行することも楽しみですが、キュッヒル・クァルテットも作品54以降の録音に取り組んでもらいたいところです。

素晴らしいハイドン尽くしの三日間でしたし、ウィーンに思いを馳せることのできた三日間でした。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:キュッヒル・クァルテット
    ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル
    ヴァイオリン:ダニエル・フロシャウアー
    ヴィオラ:ハインリヒ・コル
    チェロ:シュテファン・ガルトマイヤー

   ハイドン:弦楽四重奏曲
    第38番(第30番)変ホ長調 Hob. Ⅲ:38「冗談」Op.33-2
    第67番(第53番)ニ長調 Hob. Ⅲ:63「ひばり」Op.64-5

    《休憩》

    第82番(第67番)ヘ長調 Hob. Ⅲ:82「雲がゆくまで待とう」Op.77-2

    《アンコール》
    ハイドン:弦楽四重奏曲第79番(第64番)ニ長調 Hob. Ⅲ:79「ラルゴ」Op.76-5 より 第2楽章、第4楽章
    ハイドン:弦楽四重奏曲第60番(第45番)イ長調 Hob. Ⅲ:60 Op.55-1 より 第3楽章、第4楽章、第2楽章


最後に予習について触れておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第38番「冗談」Op.33-2は以下のCDを聴きました。

 エマーソン弦楽四重奏団 2000~2001年 セッション録音
 リンゼイ弦楽四重奏団 1994年10月10-12日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 モザイク弦楽四重奏団 1995-96年 セッション録音

厚みのある豊かな響きで圧倒的なテクニックのエマーソン弦楽四重奏団、深みのある響きで内面の充実したリンゼイ弦楽四重奏団、ゆったりとした余裕の響きでオリジナル演奏を体感させてくれるモザイク弦楽四重奏団、いずれも聴き応え十分です。


2曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第67番「ひばり」Op.64-5は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1974年 ミュンヘン セッション録音 LPレコード
 エマーソン弦楽四重奏団 2000~2001年 セッション録音
 リンゼイ弦楽四重奏団 1999年4月28日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音

名曲だけに評価する以前にどの演奏も聴き惚れてしまいました。素晴らしい演奏揃いです。


3曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第82番「雲がゆくまで待とう」Op.77-2は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1965年 ハノーファー セッション録音 LPレコード
 モザイク弦楽四重奏団 1989年 セッション録音

どちらもよい演奏ですが、特にモザイク弦楽四重奏団の音楽表現に惹かれました。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       キュッヒル,  

ブルックナーの7番、聖なる美しさ・・・ 飯守泰次郎&東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール 2021.6.27

前半のライネッケは予想よりもなかなか、いい曲、いい演奏でしたが、saraiの集中力も上がらずにぼーっと聴いていました。吉野直子のハープは見事でした。

後半はブルックナーの交響曲第7番。前半とは違って、気合を入れて聴きます。この曲は久しぶりです。コロナ禍でマーラーやブルックナーは全滅でしたからね。もっとも、ハイティンクのラスト公演もこのブルックナーの交響曲第7番でした。本当のラストはウィーン・フィルとの演奏でしたが、それに先立って、ベルリン・フィルとも公演を行いました。2年前の2019年のことです。高価なLPレコードがベルリン・フィルから限定盤で売り出されて、saraiはもちろん、大枚をはたいて買いました。ですから、実演ではありませんが、この曲はコロナ禍の下、我が家のリスニングルームでは、盛大に鳴り響きました。残念ながら、実演ほどの感動はありませんでしたけどね。それにしても、この曲はこれまで実演で素晴らしい演奏を聴いてきました。ハイティンク指揮ロンドン交響楽団の来日公演、ラトル指揮ベルリン・フィルのウィーン公演、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンの来日公演、プレートル指揮ウィーン・フィルのウィーン楽友協会での公演・・・いずれも優劣付け兼ねる素晴らしい演奏でした。感動の深さで言えば、プレートル指揮ウィーン・フィルが最高だったかもしれません。プレートルとハイティンクは彼らが指揮したブルックナーをsaraiが最後に聴いた公演で感慨深いものがあります。高齢の指揮者が最後に振るブルックナーは第7番ですね。

今日も高齢の飯守泰次郎がブルックナーを振ります。彼はまだ、第8番、第9番を振ることもあるでしょうけどね。今日の演奏は徹頭徹尾、自然に美しく、ブルックナーが鳴らされます。ブルックナーはやはり、こうでなくてはね。低弦の響きでは心の痛みを感じ、高弦の響きでは聖なる浄化を感じます。ブルックナーの音楽は神への奉仕と言われますが、それにふさわしい聖なる美しさに満ちた音楽が響き渡りました。第1楽章だけでも十分に満足できるブルックナーでした。しかし、第2楽章こそはこの交響曲の根幹。ゆったりと美しい音楽が続き、最後に次第に高揚していきます。高弦のうねりながら上昇する音型の繰り返しはエル・グレコの絵画の強烈なマリアの天上への上昇を連想させます。美の極致です。頂点でシンバルの一撃。素晴らしい演奏です。第3楽章は一転して、勇壮な突進。凄い迫力です。第4楽章は幾分テンポアップして、軽快で美しい高弦の響きに魅了されます。音楽は流れ、朗々たるユニゾンが繰り返され、高潮して、頂点に達します。圧倒的なブルックナーでしたが、あくまでも聖なる美しさに満ちていました。
久々にブルックナーの第7番を聴いて、深い満足感に浸りました。第8番、第9番も聴きたくなります。ブルックナーはいいなあ・・。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:飯守泰次郎
  ハープ:吉野直子
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  ライネッケ:ハープ協奏曲 ホ短調 Op.182
  《アンコール》アッセルマン:泉

  《休憩》

  ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 〈ノーヴァク版(1954年版)〉


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のライネッケのハープ協奏曲を予習したYoutubeは以下です。

  ニカノール・サバレタ、エルンスト・メルツェンドルファー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1963年 セッション録音

曲自体、初聴きです。ああ、こんな曲なのねって感じです。ロマン派のスケール感のある管弦楽にはハープはちょっと違和感がありますね。


2曲目のブルックナーの交響曲第7番を予習したCDは以下です。

  朝比奈隆指揮大阪フィル 1975年10月12日、聖フロリアン教会マルモア・ザール(大理石の間) ライヴ録音 ハース版

伝説的な演奏。初めて聴きましたが、やはり、素晴らしい。こんなに昔、日本人が見事にブルックナーを演奏していたことに驚愕しました。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ヴァイグレによる、激しく燃え上がるフランツ・シュミットの奇想の音響世界 読売日本交響楽団@サントリーホール 2021.6.29

ヴァイグレが素晴らしい音楽を放ち続けています。
今日、前半は読響の素晴らしいアンサンブルと美しい響き、とりわけ、弦のゴージャスな響きに耳を奪われます。ヴァイグレの堂々たる指揮姿も見事です。音楽の内容そのものよりも、余りの音響美に驚嘆しました。

後半のプログラムは注目のフランツ・シュミットです。何とも奇妙な演奏の展開が始まります。冒頭から金管が実に不安定。つられて、弦のアンサンブルもあまり、よくありません。しかし、次第に音楽の質が上がってきます。そして、第1部の後半では音楽が目くるめく魅惑的に響いてきます。素晴らしい弦楽アンサンブルの響きです。後期ロマン派的なんでしょうが、濃厚なロマンというのではなく、熱狂の底に不安感が見え隠れしているような音楽です。ファンタスティックと言えば言えなくもありませんが、どこか、翳のある美しさです。その本質が明確に現れてくるのは第2部です。チェロの美しい独奏に先導されるように始まった音楽は弦楽アンサンブルに引き継がれて、魅惑的な頂点に達します。葬送行進曲の哀調のある美しさは独特の感覚で聴くものを魅惑します。思わしくない金管ですが、ヴァイグレは美しい弦楽を引っ張って、フランツ・シュミットの奇想の音楽の本質に切り込んでいきます。フランツ・シュミットの音楽はとても音楽表現が難しそうですが、ヴァイグレは見事にフランツ・シュミットの何たるかを提示してくれます。頭に浮かぶ言葉は“奇想”しかありません。音響美は凄まじいのですが、妙にねじ曲がったところがこの音楽の魅力です。まるで綱渡りのような音楽表現を示してくれるヴァイグレの手腕に脱帽です。そのしなやかな剛腕で、フランツ・シュミットの奇想美を十分に味わわせてくれました。これまで、CDや実演でも何となく分からなかったフランツ・シュミットの音楽を体感させてくれたヴァイグレの実力に驚嘆しました。いやはや、凄い演奏でした。読響の弦の圧倒的な力にも恐れ入りました。それにしても、新ウィーン楽派と同時代に生きたフランツ・シュミットの音楽は、ウェーベルンの極限まで切り詰めたような音楽とは何と対極にあるような音楽なのでしょう。ある意味、フランツ・シュミットは孤高の存在(あるいは孤立した存在)だったのですね。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
  管弦楽:読売日本交響楽団  コンサートマスター:長原幸太

  グルック(ワーグナー編):歌劇「オーリードのイフィジェニー」序曲
  フランツ・シュミット:歌劇「ノートル・ダム」から間奏曲と謝肉祭の音楽

   《休憩》

  フランツ・シュミット:交響曲第4番


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のグルック(ワーグナー編)の歌劇「オーリードのイフィジェニー」序曲は以下のCDを聴きました。

 オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 1960年9月 セッション録音

迫力があり、スケールの大きな演奏です。


2曲目のフランツ・シュミットの歌劇「ノートル・ダム」からの間奏曲と謝肉祭の音楽は以下のCDを聴きました。

 ヤコフ・クライツベルク指揮ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団 2002年8月29-30日、アムステルダム セッション録音
 
美しい演奏です。


3曲目のフランツ・シュミットの交響曲第4番は以下のCDを聴きました。

 パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団 2018年4月26、27日 フランクフルト セッション録音

無理のない美しい演奏です。父親のネーメ・ヤルヴィと父子2代でフランツ・シュミットの交響曲全集の録音を完成しているのは凄いですね。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

若き外村理紗の瑞々しいヴァイオリンの美しさ・・・ 鈴木優人&東京交響楽団@東京オペラシティコンサートホール 2021.7.10

前半の冒頭、ムソルグスキーの歌劇『ホヴァンシチナ』前奏曲「モスクワ河の夜明け」は静かな美しさが光る演奏でした。初聴きの曲です。東響のアンサンブル力が素晴らしいです。

次はお馴染み、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。若き俊英、外村理紗のヴァイオリンの演奏を初めて聴きます。彼女がステージに登場し、その若々しい姿に驚かされます。そして、調弦を始めたときのヴァイオリンの響きのよさにほれぼれとします。まず、東響の素晴らしい響きで第1楽章が始まります。そして、独奏ヴァイオリンが素晴らしい響きで入ってきます。その響きの素晴らしさと切れのよい演奏にうっとりと聴き入ります。さほど個性的な演奏ではありませんが、オーソドックスな演奏スタイルでも力のあるヴァイオリンの響きに聴き惚れます。自らの表現力はこれから磨いていけばいいでしょう。なにせ彼女はまだ20歳になったかどうかくらいの若さですからね。今、大活躍中の辻彩奈に継ぐ大器の片鱗を見ました。第2楽章も美しい演奏でしたが、もっと惹き付けられるような表現力がほしいところでした。第3楽章は若さにあふれる勢いのある演奏で気持ちよく聴けます。コーダの高潮ぶりには感銘を受けました。まずは素晴らしいチャイコフスキーでした。このヴァイオリンの響きを聴いて、次は是非、ブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴かせてほしいところです。どれほどの演奏ができるか、楽しみです。ともかく、コロナ禍で、日本人のヴァイオリニストの若手から中堅まで、初めて聴いた人が多く、そのほとんどが才能にあふれていたことに驚かされました。なかでも、今日の外村理紗は将来が期待される逸材です。

後半はこれもお馴染みのムソルグスキー(ラヴェル編)の《展覧会の絵》。これは思ったほど、東響の精密なアンサンブルが聴けませんでした。トゥッティの響きは迫力がありましたが、弱音の精度の高いアンサンブルが聴きたかったところです。代役の鈴木優人も得意ジャンルではなさそうな曲だけに準備期間が不足したのかもしれません。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:鈴木優人
  ヴァイオリン:外村理紗
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ムソルグスキー:歌劇『ホヴァンシチナ』前奏曲「モスクワ河の夜明け」
  チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
  《アンコール》パガニーニ:24のカプリース より 第2番 ロ短調

  《休憩》

  ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のムソルグスキーの歌劇『ホヴァンシチナ』前奏曲「モスクワ河の夜明け」を予習したCDは以下です。

  ワレリー・ゲルギエフ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 2000年12月 ウィーン、ムジークフェラインザール セッション録音

『展覧会の絵』と共に収録されたアルバムです。無論、素晴らしい演奏です。


2曲目のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  ヤッシャ・ハイフェッツ、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 1957年 セッション録音

アウアーの弟子だったハイフェッツの直伝の演奏。師アウアーの改変による版での演奏です。まさにパーフェクトとも思える演奏です。妙な思い入れはない痛快な演奏です。ハイレゾで音質も素晴らしいものです。


3曲目のムソルグスキー(ラヴェル編)の《展覧会の絵》を予習したCDは以下です。

  セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル 1986年9月23日 ベルリン ライブ録音

レーベルはAUDIORの伝説的なCDです。最後のキエフの大門でチェリビダッケの気合を入れるような声が響き渡り、ぞくぞくってします。中古盤を大枚をはたいて入手した宝物です。チェリビダッケのファンならば、このCDとブルックナーの交響曲第8番のリスボンライブは必聴です。いずれもレーベルはAUDIORで高価な海賊盤の中古盤を購入することになりますが・・・報われることはsaraiが保証します。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

梅雨に聴くブラームスの室内楽の晩秋の響き、磯村和英&石井楓子&クァルテット・インテグラ@ヤマハ銀座コンサートサロン 2021.7.11

先日、弦楽四重奏の殿堂である鶴見サルビアホール(音楽ホール)で、若手の日本人のカルテットであるクァルテット・インテグラを聴き、大いに興味が湧き、わざわざ、日本ブラームス協会の例会にお邪魔して、ブラームスの室内楽の傑作、2作品を聴かせてもらいました。今回も桐朋出身の弦楽器奏者のレベルの高さを痛感させられるとともにある意味、彼らの現状での課題にも気づかされました。そのキャリアの短さ故のこともありますが、見事なテクニック、豊かな響きで室内楽の醍醐味を十分に表出するものの、ちょっと突っ込み過ぎの音響はブラームスの演奏には欠かせない柔らかさが明らかに不足しています。音楽表現は素晴らしかっただけにこれからの精進を期待したいところです。もっとも、演奏曲目がブラームスではなくて、ベルクなどの新ウィーン楽派やバルトークを表現主義的に演奏するのなら、彼らのスタイルでもさほど問題はありませんが、シューマンやブラームスなどのロマン派、あるいは古典派を弾いていく上ではウィーン風な柔らかな音の響きを是非、獲得していってもらいたいものです。ただし、今日の会場の音響の悪さを差し引けば、saraiの思い過ごしかもしれません。実際、先日の鶴見サルビアホールではさほど音響的な問題は気になりませんでしたからね。それでも、ホールの特性を把握した演奏も必要でしょう。これは批判的な意味ではなく、期待を込めたもので、これからも彼らの演奏活動を見守っていきたいと思っています。明日聴く予定のクァルテット・アマービレとともに大いに期待しています。

今日の最初に演奏されたブラームスのピアノ五重奏曲は強い音響が響き過ぎの問題を看過すれば、なかなか素晴らしいブラームスでした。ブラームス30歳の若き日の傑作の音楽の本質を突くような演奏で、晩年の傑作、クラリネット五重奏曲を予感させるような音楽を歌い上げてくれました。ブラームスらしい憂愁もそこかしこに聴くことができて、梅雨時を忘れさせてくれて、晩秋の思いに駆られました。

次に演奏されたブラームスの弦楽五重奏曲 第2番は名人の磯村和英氏が加わったこともあって、素晴らしく充実したものでした。第1楽章のシンフォニックな表現と濃密な和声の響きはまるで、来るべきR.シュトラウスを思わせます。第2楽章と第3楽章の哀愁に満ちた音楽はまさに晩秋の風情で、ブラームス好きにはたまりません。第4楽章の勢いに満ちた音楽の熱さにも感銘を受けました。

東京カルテットの創設メンバーの磯村 和英氏のお話も興味深く、聴き入りました。ジュリアード音楽院でのヴィオラの先生はワルター・トランプラーだったのですね。ブダペスト四重奏団と共演したブラームスの弦楽五重奏曲はsaraiのお気に入りです。そのワルター・トランプラー直伝のような演奏を今日、聴けたんですね。うーん・・・。


今日のプログラムは以下です。

  日本ブラームス協会例会

  弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ
   三澤響果 vn   菊野凜太郎 vn   山本一輝 va   築地杏里 vc
  ピアノ:石井楓子
  ヴィオラ:磯村和英

   ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34
   ブラームス:弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 Op.111

   《休憩》

   「東京クヮルテットとともに44年」
      お話し 磯村 和英
      解説・司会 西原 稔 (日本ブラームス協会顧問 桐朋学園大学教授)



最後に予習について触れておきます。

1曲目のブラームスのピアノ五重奏曲は以下のCDを聴きました。

 クリストフ・エッシェンバッハ、アマデウス弦楽四重奏団 1968年 セッション録音

アマデウス弦楽四重奏団の抒情に満ちたブラームスは何ものにも代えがたい風情があります。


2曲目のブラームスの弦楽五重奏曲 第2番は以下のCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団、C.アロノヴィッツ(Va) 1967-68年 セッション録音
 
ここでも素晴らしいアマデウス弦楽四重奏団のブラームスが聴けます。アマデウス弦楽四重奏団のブラームスはすべて素晴らしい演奏です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







230

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

圧巻のベートーヴェン(Op18-1)、白熱のピアソラ(ブエノスアイレスの四季) カルテット・アマービレ@鶴見サルビアホール 2021.7.12

サントリーホール ブルーローズ(小ホール)でヤナーチェクの力演を聴かせてくれたばかりのカルテット・アマービレです。昨日聴いたカルテット・インテグラと同じ桐朋学園出身の4人組の若手カルテットです。どちらも同じく磯村和英氏の指導を受けています。しかし、このカルテット・アマービレのほうがキャリアでも実力でも一歩先を行っている感じです。今後、どちらも前途有望な感じで切磋琢磨して、未来を切り開いていってもらいたいものです。

今日は最初に弾いたベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第1番の見事な演奏に大変な感銘を受けました。長大に思える第1楽章の後半の激しい盛り上がりは圧巻でしたし、第2楽章のまるで後期の作品を聴くような深い表現にすっかり心を捉われました。そう言えば、彼らは王子ホールで今年から、ベートーヴェンの全曲演奏会シリーズを手がけていますね。今年の第1回は聴き逃がしましたが、来年からは聴いてみようかな。

2曲目はドヴォルザークの弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」。迫力もあり、抒情味にもあふれた素晴らしい演奏でした。ただ、ヤナーチェクの演奏のような突っ込みがあれば、もっと面白かったかもしれません。十分なレベルですが、もっと弾ける筈です。

休憩後、ピアソラの《ブエノスアイレスの四季》。saraiはピアソラのよい聴き手とは言えませんが、カルテット・アマービレの分厚い響きに魅了されました。とりわけ、《冬》の物憂げな表情がとびっきり美しくて、ピアソラの素晴らしさの一端に触れた思いです。頭がクラクラするほど、その魅力にはまってしまいました。さらに続く最後の《春》もたっぷり魅力的な演奏で、頭の中でタンゴを踊るカップルがイメージできました。どこかのバレエ団と組んで演奏すると素晴らしいことになりそうです。そして、〆はお馴染み、ピアソラのリベルタンゴです。これも魅力たっぷりの演奏でした。それに山中惇史の編曲がとてもお洒落ですね。ピアソラはカルテット・アマービレの看板曲になりそうですが、あまり、それにのめり込み過ぎないで、王道を行くプログラムにも精進していってほしいものです。ところで、東京カルテットの創設メンバーの磯村氏が指導しているカルテット・アマービレとカルテット・インテグラには、是非、バルトークを弾いてもらいたいものです。バルトークは東京カルテットのお得意のプログラムでした。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   篠原悠那 vn  北田千尋 vn  中 恵菜 va  笹沼 樹 vc

   ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 Op.18-1
   ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 Op.96「アメリカ」

   《休憩》

   ピアソラ(山中惇史編):ブエノスアイレスの四季

   《アンコール》
    ピアソラ(山中惇史編):リベルタンゴ


最後に予習について触れておきます。

1曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第1番は以下のCDを聴きました。

 ザ・リンジーズ(リンゼイ弦楽四重奏団) 2000年3月6-7日 聖トリニティ教会,ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音

リンゼイ弦楽四重奏団はベートーヴェンの後期作品で素晴らしい演奏を聴かせてくれますが、このベートーヴェンの初期作品の演奏の美しさには度肝を抜かれました。この録音は2回目のベートーヴェン全集のなかの1枚です。


2曲目のドヴォルザークの弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」は以下のCDを聴きました。

 パヴェル・ハース四重奏団 2010年6月3、6、29&30日 ルドルフィヌム、プラハ セッション録音
 
さすが、パヴェル・ハース四重奏団という冴えた演奏。


3曲目のピアソラの《ブエノスアイレスの四季》は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル&クレメラータ・バルティカ 1998年 セッション録音
 
独奏ヴァイオリンと弦楽合奏のよる演奏。《エイト・シーズンズ》と名づけられたヴィヴァルディの四季と組み合わせたアルバムからピアソラだけを抜き出して聴きました。なお、弦楽四重奏版の演奏の音源は見つかりませんでした。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       カルテット・アマービレ,  

天才、上原彩子の爆演、コバケンのロマンあふれるマンフレッド交響曲・・・ 小林研一郎80歳記念チャイコフスキー交響曲チクルス@サントリーホール 2021.7.13

小林研一郎80歳(傘寿)記念&チャイコフスキー生誕180周年記念チャイコフスキー交響曲全曲チクルスの4回目です。

2021040701.jpg



このコンサートはようやくコロナ禍を乗り越えて、交響曲全6曲の演奏は前回終えて、今回はピアノ協奏曲とマンフレッド交響曲。エピローグ編のようなものですね。

最初のピアノ協奏曲第1番はロシアものが大得意な上原彩子が物凄い熱演。熱演というよりも爆演ですね。ここまでやるかといういう演奏です。少々のミスタッチは気にせずにどこまで思い切った踏み込みができるというチャレンジャブルな演奏でした。いいとか悪いとかの冷静な評価は意味がないでしょう。日本人演奏家でここまで気魄を前面に出せるのは彼女だけです。ライブ演奏ならでは迫力を楽しめました。
それにしても上原彩子はずい分、弾き込んできたのでしょう。あんな演奏は聴いたことがありません。まるで若い頃のリヒテルみたいです。このレベルでムソルグスキーの《展覧会の絵》の豪快な演奏を聴いてみたいものです。もちろん、この演奏に対して、否定的な意見もあるでしょうが、それは演奏者自身も織り込み済みの上での確信犯的な演奏だったのですから、それは彼女の思う壺です。きっと、小林研一郎80歳(傘寿)記念の贈り物だったのでしょう。アンコールの瞑想曲は極めて美しい演奏。ピアノ協奏曲の対極にあるような演奏でした。天才、上原彩子の懐の深さが窺い知れます。

後半のマンフレッド交響曲はこれこそチャイコフスキーを得意とするコバケンならではの演奏。日フィルの弦楽パートの素晴らしいアンサンブルを使って、壮大なロマンの世界を表現しました。こんな演奏は滅多に聴けません。ここまで情緒あふれるロマンはやり過ぎかもしれませんが、80歳を超えた巨匠なら許されるでしょう。何度も情感あふれる弦楽アンサンブルのパートが繰り返されて、その高潮の果てにパイプオルガンの響きによる救済がもたらされます。圧倒的なフィナーレでした。そして、また、ご丁寧にもその終結部分がアンコールされました。実に行き届いた(過剰な?)サービスでした。

小林研一郎の80歳のチャイコフスキー交響曲チクルスはライブCDが作成されているので、おまけの協奏曲シリーズもライヴCDになるのであれば、これは楽しみです。是非、今日の上原彩子の爆演をCD化してもらいたいものです。もう一度、我が家のリスニングルームでその演奏の詳細を冷静に聴き直してみたいですね。


今日のプログラムは以下です。

  小林研一郎80歳(傘寿)記念&チャイコフスキー生誕180周年記念チャイコフスキー交響曲全曲チクルス

  指揮:小林研一郎 
  ピアノ:上原彩子
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:木野 雅之

  チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
   《アンコール》チャイコフスキー:瞑想曲 Op.72-5

   《休憩》

  チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 Op.58

   《アンコール》
    チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 から 第4楽章の終結部分(パイプオルガンが奏でられるところから)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は以下のCDを聴きました。

 ニコライ・ルガンスキー、ケント・ナガノ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団 2003年2月 セッション録音

若きルガンスキーの熱演。


2曲目のチャイコフスキーのマンフレッド交響曲は以下のCDを聴きました。

 セミョン・ビシュコフ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 2017年4月24-27日 プラハ、ルドルフィヌム セッション録音
 
セミョン・ビシュコフは2016年からのチャイコフスキー・プロジェクトの1枚です。高水準の演奏と言えます。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!










テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,  

シューマンを聴きながら・・・瞑想 日下紗矢子&日下知奈@王子ホール 2021.7.25

素晴らしいシューマンの世界に浸ることができました。日下紗矢子のヴァイオリン、これまで以上にたっぷりと鳴りました。期待を大きく上回る演奏に非常に満足しました。
シューマンのヴァイオリン・ソナタ 第3番以外は今年1月にイザベル・ファウストとアレクサンドル・メルニコフのコンビの演奏をこの王子ホールで聴いたばかりですが、その名演奏とは趣きを異にして、自然で瑞々しい表現のシューマンを聴くことができました。もちろん、これらのヴァイオリン・ソナタはシューマンの晩年とも言えるデュッセルドルフ時代に書かれた苦しく、厳しい時代の産物ですが、今日の演奏でシューマンは永遠の夢見る青年であったことを実感することができました。やはり、シューマンのロマンの世界は何ものにも代えがたい魅力に満ちています。日下紗矢子のシューマンへの愛が感じ取れる素晴らしい演奏でした。ここまで仕上げるには想像できないような努力があったのでしょう。

最初に演奏されたシューマンのヴァイオリン・ソナタ第1番は暗い表情がヴァイオリンのロマンティックな響きの奥に隠されて、瑞々しく歌い上げられます。狂気に苛まれ始めたシューマンが美しいロマンの中にどこか苦しそうな感情を秘めたような音楽を書いている筈なのですが、日下紗矢子はそういうところを微塵も感じさせないような自然で率直な音楽を奏でます。普通はそういう演奏は物足りない筈ですが、日下紗矢子のヴァイオリンの美しい響きと素晴らしいアーティキュレーションは魅惑的にシューマンの世界を描きあげます。素晴らしいシューマンに魅了されました。

続いて、シューマンの最晩年の作品、ヴァイオリン・ソナタ 第3番です。この作品はディートリヒ、ブラームスと共作したFAEソナタをもとにした作品で、これまではむしろFAEソナタのほうが演奏機会が多かったかもしれません。決して評価が高いとは言えない作品です。実はsaraiも実演で聴くのは初めてです。今日の演奏で作品の真価が分かったと言えば、嘘になりますが、日下紗矢子の無心の演奏で理解の端緒は得られました。FAEソナタに含まれているインテルメッツォとフィナーレの演奏の質の高さに加えて、第1楽章の複雑とも思える音楽の奥深さも感じさせられる見事な演奏で、さらに聴き込んでいけば、シューマンの音楽の真髄に達することができるのではないかという予感が得られました。傑作のクライスレリアーナだって、saraiは最初は理解不可能でしたからね。しかし、この難曲をさらっと演奏しのけた日下紗矢子の実力には驚きました。相当に読譜し、弾き込んだとみえます。こういう演奏者の努力のもとに我々、聴衆のレベルも引き上げられると思います。感謝しないといけませんね。

休憩後、3つのロマンスの深い情感にあふれた演奏には強い感銘を覚えました。特に第1曲と第2曲の抒情的なメロディーの魅惑的な響きは最高のシューマンの音楽を聴かせてくれました。ピアノの日下知奈とのアンサンブルもぴたっと決まっていました。短い曲にこそ、シューマンの魅力がぎっしりと詰まっていることを実感しました。

最後は一番、楽しみにしていたシューマンのヴァイオリン・ソナタ第2番です。3つのロマンスの美しい演奏で気持ちが盛り上がって、saraiの集中力も高まります。この曲の演奏でも、冒頭で演奏された第1番と同様に暗い情感は隠れ、健康的なロマンの香りが充満します。シューマンのライン川での自殺未遂事件の頃の作品ですけどね。そういうシューマンの狂気や苦しみが秘められている筈ですが、音楽そのものが持つ自然な美しさがすべてを覆い隠します。この作品の聴きどころである第3楽章で哀しい調べのコラールも純音楽的な美しさが奏で上げます。それでいいのかもしれないという説得力があります。音楽の中にドラマを持ち込み過ぎるのはある意味、音楽の絶対性を歪め兼ねません。第4楽章は祝典的にも思える音楽で、圧巻のフィナーレに高潮しました。妙な思い入れの感動はなく、清々しいロマンの爽やかさが残る気持ちのよいコンサートでした。

アンコールで演奏されたクララ・シューマンの美しいロマンス、うっとりと聴きました。コパチンスカヤやファウストの演奏でも聴きましたが、とても素晴らしい曲ですね。アンコールにロベルト自身ではなく、クララの作品を演奏する女流ヴァイオリニストが多いのはなぜかしら・・・。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ヴァイオリン:日下紗矢子
  ピアノ:日下知奈

  シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 Op.105
  シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 WoO.27

   《休憩》

  シューマン:3つのロマンス Op.94
  シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.121

   《アンコール》
     クララ・シューマン :ピアノとヴァイオリンのための3つのロマンス Op.22より 第1楽章
 


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目、2曲目、4曲目のシューマンの3つのヴァイオリン・ソナタを予習したCDは以下です。

  イザベル・ファウスト、ジルケ・アーヴェンハウス 1999年 セッション録音

ファウストはここ王子ホールで今年聴いたばかり。実演もCDも素晴らしいです。


3曲目のシューマンの3つのロマンスを予習したCDは以下です。

  イザベル・ファウスト、アレクサンドル・メルニコフ 2014年9月 セッション録音

これもここ王子ホールでファウストとメルニコフのコンビでの演奏を今年聴いたばかり。とても美しい演奏です。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

R.シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」、実に精妙な演奏・・・ ジョナサン・ノット&東京交響楽団@サントリーホール 2021.7.17

今回も無事、ジョナサン・ノットが来日できて、その指揮する演奏を聴けて、それだけで大変嬉しいです。関係者各位のご尽力に感謝するものです。

ジョナサン・ノットとR.シュトラウス、実に相性がいいですね。ノットの丁寧な指揮でR.シュトラウスの精妙な音楽が鮮やかに表現されます。ただ、少しだけ、ノットの指揮と東響の演奏にぎこちない感じが残るのはコロナ禍で両者の演奏が滞ってきたからでしょうか。以前の完璧な演奏が100%だとすると、今は70%から80%の感じでしょうか。今後、両者の緊密さが元通りになれば、100%以上の演奏も期待できます。何とか、コロナ禍に打ち克ってもらいたいものです。
ともあれ、チェロの伊藤文嗣もヴィオラの青木篤子もオーケストラと融けあって、それでいて美しい響きを醸し出して、上々の出来でした。R.シュトラウスの交響詩の後期作品の素晴らしさを感じ取れた演奏に満足しました。詳細については明日の川崎公演を聴いてから書きましょう。きっと今日以上の演奏になるでしょうからね。

後半のシベリウスの交響曲第5番もノットの丁寧な指揮と東響のアンサンブルの美しさで北欧の自然を描き出したシベリウスの音楽美を堪能しました。3楽章とも終盤の盛り上がりが見事でした。

今回のジョナサン・ノットの来日公演は明日の同じプログラムとフェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021のオープニングコンサートを聴きます。楽しみです。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ジョナサン・ノット
  チェロ:伊藤文嗣
  ヴィオラ:青木篤子
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」 Op.35

  《休憩》

  シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 Op.82 〈1919年改訂版〉


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のR.シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」を予習したCDは以下です。

  ピエール・フルニエ、ジュスト・カッポーネ、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1965年 セッション録音
  ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ、ウルリヒ・コッホ、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1975年1月3-8日 セッション録音

カラヤン、R.シュトラウスはさすがにいずれの盤も見事な演奏です。とりわけ、ロストロポーヴィチとの演奏は録音もよく際立った演奏に心躍ります。


2曲目のシベリウスの交響曲第5番を予習したCDは以下です。

  パーヴォ・ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィル 1986年 セッション録音

パーヴォ・ベルグルンドの指揮はよいのですが、やはり、ヨーロッパ室内管(1996年録音/FINLANDIA盤)を指揮した演奏の澄み切った響きが忘れられません。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!









テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,
人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

ミケランジェロさん、saraiです。

遅レスで申し訳けありません。敬愛するジョナサン・ノットをご評価いただき、ありがとうございます。

相変わらず、独自の音楽探求を続

06/23 23:50 sarai

こんにちは。

ジョナサン・ノット氏の公演鑑賞を拝読したく参りました。毎回とても沢山の公演記録を私達に届けて下さり、ありがとうございます。

マエストロは数年前のイ

06/14 08:27 michelangelo

えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR