2019年9月24日火曜日@モン・サン=ミシェル~パリ/13回目
モン・サン=ミシェルMont Saint-Michelからパリに戻り、下町情緒にあふれるサン・マルタン運河Canal Saint-Martinの界隈の中級ホテルを宿に定めました。ホテルの近所の散策し、サン・マルタン運河の美しさを堪能しました。
ホテルに戻り、一寝入り。体力を回復して、コンサートに出かけます。フィルハーモニー・ド・パリ(Philharmonie de Paris)に初見参です。
ホテルを出て、最寄りのメトロ5号線のジャック・ボンセルジャン駅Jacques Bonsergentから、乗り換えなしでポルト・ド・パンタン駅Porte de Pantinに移動。もちろん、この移動の便利さは偶然ではありません。この交通の便を考えて、ホテルを選んだんです。
メトロの駅から地上に出ると、目の前にラ・ヴィレット公園La Villetteがあります。その公園の中にシテ・ドゥ・ラ・ミュージックCité de la Musiqueという複合音楽施設があります。そちらに向かって歩いていきます。もう、夜の8時前で薄暮です。

広場の中央にライオンの噴水la Fontaine-aux-Lionsがあり、そのまわりにコンベンションセンターのヴィレット・グランド・ホールGrande Halle de la Villetteなどの施設が立ち並びます。

パリ国立高等音楽・舞踊学校Conservatoire National Supérieur de Musique et de Danse de Parisの大きな建物も見えています。一大文化拠点なんですね。

それらの建物の中をフィルハーモニー・ド・パリに向かいます。

シテ・ドゥ・ラ・ミュージックの側面に沿って、フィルハーモニー・ド・パリに向かいます。

すぐにフィルハーモニー・ド・パリの正面に出ます。実に奇抜なデザインの建物です。

この建物には2階のテラスのようなものがあり、そこに上がります。そこから眺めると、このテラスに向かって、広い斜路が上ってきています。この斜路を上ってくる人たちがいます。この斜路が正しいアプローチのようです。もう向こうには明るい光がちかちかと輝いて、素晴らしい夜景になっています。

斜路の前に立ちます。三々五々に聴衆がやってきます。今、8時で開演30分前です。

このテラスからはさらに斜路が左に右にと折れて、フィルハーモニー・ド・パリの入口に続いています。階段のないユニバーサルデザインになっているんですね。

しばらく、この異様なデザインに見入ります。フィルハーモニー・ド・パリは2015年に開館したばかりのパリの最新のコンサートホールです。パリ管弦楽団も以前のサル・プレイエルから、ここを本拠地に定めました。今回も本当はパリ管を聴きたかったんですが、日程が合いませんでした。

一方、テラスから自分たちが歩いてきた道を見下ろすと、公園の入口までの道がシテ・ドゥ・ラ・ミュージックの建物に沿って続いています。こちらからやってくる聴衆もいますね。

斜路を上って、入り口前に上がります。

早速、ホールに入りましょう。これがチケット。今日の会場は大ホールのグランド・サル・ピエール・ブーレーズです。

入り口でプログラムをゲット。今日の演奏はフランスのヴァイオリニスト、ダヴィド・グリマルDAVID GRIMALが主宰する室内アンサンブル、レ・ディソナンスLES DISSONANCESの演奏です。
曲目は以下。
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲とイゾルデの愛の死(器楽版)
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲
シェーンベルク:交響詩《ペレアスとメリザンド》

コンサートホールの中に入ります。素晴らしくお洒落で音響的にもよさそうなホール(実際、素晴らしい音響でした)です。オーケストラのコンサートには大き過ぎず、ちょうどよいサイズですね。サル・プレイエルの古ぼけたホールとは隔世の感です。

天井の反響板もお洒落なデザイン。

何とも美しいデザインに驚嘆しながら、ホールをきょろきょろ見回します。

曲線のカーブが美しいですね。これで客席数は2400もあるそうです。サントリーホールは2000席ですから、それよりも多いのですが、もっとこぶりな印象です。

さすがにパリと思っていたら、何と音響設計は、日本の永田音響設計だそうです。
今日は室内アンサンブル、レ・ディソナンスLES DISSONANCESの演奏のつもりでした。しかし、実際にはこの室内アンサンブルを核に拡大した大編成のオーケストラの演奏でした。それでも指揮者なし。こんな大編成のオーケストラで指揮者のいない演奏は初めて聴きました。感想はいいところも悪いところもありました。今や世の中はクルレンツィスのようなカリスマ指揮者が台頭する時代に逆戻りですが、その一方、こういう指揮者なしの試みもあるのが、ヨーロッパの底深い文化的土壌なのかと思ってしまいました。
このコンサートについての記事は
ここに書きました。
お疲れで、配偶者はぐっすりお休みでしたが、なかなかよいコンサートでした。ところで今日の聴衆は結構、若い人が多かったのが印象的です。日本ではこんなに若い人たちはあまりコンサートホールでは見かけません。パリでは聴衆の若返りが進んでいるようです。
明日はパリ・オペラ座(ガルニエ)でバレエ鑑賞です。今日からまた、音楽三昧の日々です。
↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね
いいね!
テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報