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雨の上がったお昼に眺めの良いベルヴィル公園へ

2019年9月25日水曜日@パリ

旅の22日目、この旅2度目のパリの2日目です。

雨です。しっかり降っています。休養の1日としましょう。
配偶者はゆっくり9時頃に起きだし、パンの買い出しに行きます。ホテルの目の前がデュ・パン・エ・デジデDu Pain et des Idéesという有名なパン屋さんです。この頃には、細かい雨になっていたので、ウィンドブレカーを羽織っただけで出かけます。雨にもめげず、既にパン屋さんには大勢のお客さんが来ています。しかも、お店の前のベンチや軒先で、買ったばかりのパンを美味しそう食べています。バゲットとクロワッサンをお買い上げ。お向かいのスーパーでオレンジ100%のジュースとハムとヨーグルトを買って、ホテルの部屋に戻ります。しばらくすると、saraiもようやく起きだします。バゲットを1本抱え込んで、ムシャムシャと丸かじり完食です。最高に美味しいです。

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廊下では、ガタガタとお掃除の音がしています。お部屋は散らかっているし、ゆっくりしたいので、お掃除はなしにしましょう。ごみ箱のごみを持って廊下に出て、お掃除のおばさんにそのことを伝えます。これで、ますますゆっくりできます。
そのころには、雨も止みます。ならば、散歩くらいはしてこないとね。
絵葉書も出してきましょう。近くに郵便局があります。入り口を入ると、おじさんが寄ってきます。絵葉書を見せて、切手の場所を示すと、「ジャパンね。こんにちは」と言ってくれます。フレンドリーですね。そして、カウンターに案内され、切手を売ってくれました。フランスは安いですね。そして、近くのポストまで案内してくれます。投函する写真を撮ろうとするのをニコニコしながら見ています。メルシー!

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近くに、ベルヴィル公園Parc de Bellevilleというのがあり、パリ暮らしの人の本にパリで1番見晴らしがよいと書かれていたので、そこに出かけます。まずはメトロに乗るためにレピュブリック広場Place de la Républiqueに歩いていきます。10分もかからずに到着。

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広場の中央には立派な銅像があります。フランスの象徴としたマリアンヌ像(自由の女神)Monument à la Républiqueです。下にはライオン像が睨みをきかせています。

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広場の前の大通りは多くの車が行き交っています。

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さてと、メトロの駅の入口を探しましょう。

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すぐ見つかったレピュブリック駅Métro Républiqueからメトロ11号線に乗って、ベルヴィル公園の最寄り駅、ピレネー駅Pyrénéesに移動。地上に出ると、とっても賑やかでマクドナルドも目立ちますね。アレ、ビルの間からエッフェル塔が見えています。意外なところから見えるものですね。

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エッフェル塔はとっても遠くに小さく見えているので、ちょっとズームアップしてみます。分かりますか?

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ベルヴィル公園に向かって、大通りから路地に入ります。

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でも、この路地は行き止まりです。ちゃんとしたルートを歩きましょう。ちょっと公園の方にはいると、ぐっと静かになります。ベルヴィル公園の上に出ます。パリの町が眼下に見えます。

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しばらく、このベルヴィル公園からの眺めを楽しみましょう。



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パリで1番の眺め?ベルヴィル公園からの眺め

2019年9月25日水曜日@パリ/2回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。パリで1番見晴らしがよいと書かれていたベルヴィル公園Parc de Bellevilleにやってきています。
丘の上の公園からは緑の樹木越しにパリの市街地の街並みが見渡せます。

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ビルの間から頭を出している尖塔はどうやらサンジョセフ・デ・ナシオン教会 Église Saint-Joseph-des-Nationsのようです。パリに多くある教会の一つです。

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今、景色を眺めているのは丘の上の展望台です。このあたりは町の一角にある広場の雰囲気です。

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ベルヴィル公園はこの丘の上から丘の斜面に沿って下っている形になっています。真ん中に階段が丘の下まで続いています。

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ちょっと眺める場所を変えてみると、エッフェル塔Tour Eiffelがはっきりと見えます。

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ズームアップして、エッフェル塔の美しい姿を見てみましょう。

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展望台の下に下りてみます。トンネル状になった階段が丘の下のほうまで続いています。

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緑の原っぱには綺麗な花が咲いています。なかなか、いい雰囲気です。

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展望台の真下の広場の前には大きなスタンドがあります。広場でのパフォーマンスでも眺めるためのスタンドなんでしょうか。今日は人っ気がなくて、2羽の鳥がスタンドを占領しています。

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階段を少し下りたところで振り返ります。階段の向こうに見える大きな建造物は展望台の基礎部分です。

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雨上がりの公園はしっとりとしています。チラホラ散歩している人がいます。もっとお天気の良い日は賑わうのでしょうね。

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落ち葉の積もった公園は既に秋の装いです。

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このベルヴィル公園からはエッフェル塔やアンバリッドなどのパリの名所がよく見えました。でも、期待していたほどの眺望ではありません。それがちょっと残念でしたが、しばらくはお天気も崩れそうにないので、次はロダン美術館に行きましょう。たいていの美術館には行ったのですが、ここだけはまだ行っていません。ベルヴィル公園の階段を下りて、最寄りのメトロの駅、クロンヌ駅Couronnesに向かいます。



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初見参のロダン美術館の庭園

2019年9月25日水曜日@パリ/3回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。パリで1番見晴らしがよいと書かれていたベルヴィル公園Parc de Bellevilleで眺めを楽しんだ後、次はこれまで行き損ねていたロダン美術館Musée Rodinに行ってみることにします。まずはメトロの駅、クロンヌ駅Couronnesに向かいます。クロンヌ駅はアール・ヌーヴォー様式の美しい出入口になっています。現在、パリのメトロの出入口のうち、このアール・ヌーヴォー様式のものは90ほど残っているそうです。最盛期は166もあったようですが、費用がかかり過ぎるという理由で現在は減ったそうです。建築家エクトール・ギマールが作ったオリジナルのアール・ヌーヴォー様式の出入口はポルト・ドフィーヌ(Porte Dauphine)駅にありますが、残りはほぼレプリカなのだそうです。残念ですね。

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メトロに乗って、ロダン美術館の最寄り駅、ヴァレンヌVarenneに向かいます。途中、サン・ラザール駅Gare Saint-Lazareで乗り換えです。

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大都会パリもそんなに大きくはありませんね。地下鉄を1回乗り換えて、ロダン美術館の最寄り駅、ヴァレンヌ駅に到着。駅のホームには、ロダンの代表作、バルザック像のレプリカが飾ってあります。

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駅から少し歩くとロダン美術館に到着。エントランスで入場チケットを求めます。一人12ユーロです。

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まずは静かな木立の並ぶ庭園を歩きます。木立の先すぐに金色に輝くアンヴァリッドInvalidesが見えますね。

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木立の間には秋バラが咲いています。

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少しバラを鑑賞します。

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再び、黄金色のアンヴァリッドがよく見えます。そう言えば、こんなに何度もパリを訪れているのに一度もアンヴァリッドに行ってませんね。まあ、いいか・・・。

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おお、木立の先に《考える人》が見えます。

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日本でもよく見かける《考える人》ですが、やはり、ここが本場なんでしょう。一番よさそうな角度で撮影します。

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正面の下からも一枚。

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庭園に点在するロダンの彫刻を見て回ります。



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ロダン美術館の庭園に点在する名作群

2019年9月25日水曜日@パリ/4回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。パリで1番見晴らしがよいと書かれていたベルヴィル公園Parc de Bellevilleからロダン美術館Musée Rodinに来ています。美術館の庭園をぶらぶらしながら、ロダンの彫刻を眺めています。
《考える人》の次は《バルザック像》です。最寄りのメトロ駅にも置いてあったロダンの代表作の一つですね。

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ぐるりと周りを周って、《バルザック像》を眺めます。

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このあたりの角度が一番よさそうです。

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これはあまり見ない彫刻です。《アフロディーテ》です。あどけない少女像に見えます。

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これもあまり見ない作品です。《壺をもつカリアティード》です。カリアティードというのは、古代ギリシアの神殿や中世ヨーロッパの寺院建築で梁を支える柱の変わりに用いられた、衣服を付けた女性の像のことです。

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庭園を巡って、ロダン美術館の本館の奥に広がる庭園に出ます。

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振り返ると、美術館の本館が堂々とした姿で建っています。

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奥の庭園は緑の芝生が綺麗ですね。

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一番奥まで進むと、小さな池があり、池の真ん中に彫刻が置いてあります。《ウゴリーノとその息子たち》です。ウゴリーノ・デッラ・ゲラルデスカは、中世イタリアの貴族で、ピサの名家であり、ギベリン(皇帝派)のゲラルデスカ家の当主で、海軍提督を務めました。ダンテ作『神曲』地獄篇に登場する人物としても知られており、息子2人、孫2人と投獄されて、飢餓の中で死んでいく際、息子たちが自分たちが死んだあと、父が自分たちを食べるように懇願します。限界状況の中でのカルバニズムの凄惨な様がロダンの劇的表現によって、描き出されています。恐ろしい作品です。美しい庭園の中で眺めるようなものではありません。ブルブルッ・・・。

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池の横には《瞑想》があります。これは《考える人》と同様に《地獄門》の中にあります。《考える人》のような主役ではありませんが・・・。そうそう、先ほどの《ウゴリーノとその息子たち》も《地獄門》の中に組み込まれています。《地獄門》そのものは後で見にいきます。

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しかし、恐ろしく難しい形で体をよじっています。実に複雑です。どの角度から見ても真似のできないような姿勢です。こんな姿で瞑想できるのかな?

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彫刻を見ながらの庭園散策は続きます。



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ロダン美術館:庭園の彫刻は名作揃い

2019年9月25日水曜日@パリ/5回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。パリで1番見晴らしがよいと書かれていたベルヴィル公園Parc de Bellevilleからロダン美術館Musée Rodinに来ています。美術館の庭園をぶらぶらしながら、ロダンの彫刻を眺めています。
《考える人》や《バルザック像》を見ながら、美術館の奥にある庭園の端までやってきました。庭園端の池の近くには彫刻が並んでいます。これは《クロード・ロラン》です。クロード・ロランはフランス・ロレーヌ地方出身の風景画家で、古いイタリア建築を描いた風景はロマンティックでとても人気があります。この彫刻はいかにも風景画家らしい姿で表現されています。制作を委嘱したナンシー市に彫刻を設置する際には、公園に4m近い台座を作り、その上に日の出が見える方向に彫刻を置いたそうです。クロード・ロランが太陽の光と深く関わった画家だったからです。このロダン美術館でも朝日のほうに向けて置かれているようですね。

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次の彫刻は、《永遠の休息の精》です。この彫刻は同時代の画家ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの記念碑の一部となる予定でした。結局、未完の記念碑の一部となりました。そのために支えられる筈だった右手は宙に浮き、あやういバランスになっています。かえって、それがこの彫刻に魅力を与えているようです。

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池の先に周り込んで、池、庭園、美術館本館と続く美しい風景を眺めます。池の中の彫刻は既にご紹介した《ウゴリーノとその息子たち》です。

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次の彫刻は《影》です。ロダンは「地獄の門」の門の両脇に置く彫刻として,等身大の「アダム」と「イヴ」を制作しました。さらに、「アダム」の左腕の位置を変え全体の大きさを半分程度に縮めた「影」という作品を作りました。それがこの彫刻です。この「影」を三体、角度を変えて組み合わせて、「地獄の門」頂上の「三つの影」が作られることになります。

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落ち葉を敷き詰めた庭園の樹木の間を歩きながら、次の彫刻に向かいます。

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次の彫刻は《ヴィクトル・ユゴーのモニュメント》です。フランスの大文豪ヴィクトル・ユゴーの死に際して、政府はその記念像をパンテオンに建立する計画が立てられ、ロダンにこの制作を依頼しました。ロダンはユゴーの生涯を顧みて、ユゴーが亡命していたガーンジー島の岩場に座りその背後から2つの精霊がインスピレーションを吹きかけるという彫刻を制作しました。この彫刻は最終的にパンテオンではなく、パリ16区のヴィクトル・ユゴー通りに設置されています。

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次の彫刻は《ジャック・ド・ヴィッサン》です。群像彫刻《カレーの市民》の中の一体です。当初、《カレーの市民》は5体で構成されていましたが、構成上、隙間を埋めるためにこの《ジャック・ド・ヴィッサン》が追加されて、《カレーの市民》は6体で構成されるようになりました。そのため、この《ジャック・ド・ヴィッサン》は他の人物像から主要な部分が再構成されています。もっとも、この人物、ジャックは町の資産家であり、手には町の門の鍵を持つという重要人物ではあります。弟のピエールもこの群像の中の一人です。

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次の彫刻は《バスティアン=ルパージュ》です。バスティアン=ルパージュはロダンと交流のあった自然主義の画家で36歳の若さで亡くなりました。《カレーの市民》の制作と並行して作られました。ロダン40代後半の力作です。

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次の彫刻は《ジャン・ド・フィエンヌ裸像》です。群像彫刻《カレーの市民》の中では着衣の姿で登場しています。何故というように手を広げたポーズはまったく同じです。ロダンは《カレーの市民》を制作するにあたり、多くの習作を作成しています。一つの作品を産み出すための芸術家の大変な労苦が分かります。

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次の彫刻は《ピエール・ド・ヴィッサン》です。群像彫刻《カレーの市民》の中に登場する1体の習作です。さきほどのジャック・ド・ヴィッサンの弟がこのピエール・ド・ヴィッサンです。この彫刻は体を不自然なまでに捻り、顔も逸らせています。ロダンがこだわって作成したことが見てとれます。完成した群像では左肩から太い縄を垂らしています。

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次の彫刻は《ピエール・ド・ヴィッサン》です。前の彫刻との違いは左肩から太い縄を垂らしていることです。これが群像彫刻《カレーの市民》の中に登場する完成形です。もちろん、着衣です。

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さて、次はいよいよ、巨大な地獄門、それに群像彫刻《カレーの市民》です。



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ロダン美術館:庭園の彫刻の締めは地獄門とカレーの市民の傑作2点

2019年9月25日水曜日@パリ/6回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。ロダン美術館Musée Rodinの庭園をぶらぶらしながら、ロダンの彫刻を眺めています。
美術館の庭園中を巡りながら彫刻を見て回りました。中でも地獄門や群像彫刻《カレーの市民》の習作や単体彫刻が印象的です。
そして、庭園散策の果てに遂に地獄門の前に立ちます。その左右には、アダムとエヴァ。緑の樹木を背景に堂々たる姿です。

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地獄門に近づいて、全体像を眺めます。高さ6m20cm、重さは約7トン。大変な労作です。ブロンズ製のこの地獄門には、有名な≪考える人≫をはじめ200人以上もの人物の像がはめ込まれています。ロダンは1880年、フランス政府から新たに建設する装飾美術館の門扉を3年以内で作るように依頼され、ダンテの『神曲』の「地獄篇」を中心に構想を練り、悩みや苦しみを抱えて生きる様々な人物像を生々しく描き出しました。装飾美術館の建設が中止になったため、ロダンの生前にブロンズに鋳造されることもありませんでした。それでも、ロダンは1917年に亡くなるまで手を加え続け、その間にいくつもの独立した作品にして発表しました。そして、ブロンズの地獄門は1920年代になって漸く鋳造が実現しました。日本(上野の西洋美術館、静岡県立美術館)を含めて、世界で7つ鋳造されています。saraiはこれで日本で見た2つに続いて、これが3つ目を見たことになります。

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膨大で複雑な詳細を観察することは容易ではありません。やはり、地獄門のタンパンの中心にいる主役の《考える人》を注視します。この《考える人》の周りだけでも20人ほどの人物像が見えます。実に様々なフォルムの人物です。

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おおっ!! 素晴らしい風景を発見します。木立の向こうにある《考える人》越しにエッフェル塔がすっくと立っています。意外にエッフェル塔が近いんですね。

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次はロダンの傑作、群像彫刻《カレーの市民》です。イギリス国王が1347年に英仏海峡を越えてカレー市を包囲した際、地位の高いカレー市民が人質としてイギリス国王の陣営に赴き、カレー市と市民の生命を救ったことを記念して、カレー市がロダンに委嘱した作品です。委嘱したカレー市は英雄的な人物像を期待しましたが、ロダンが作成したのは絶望と苦悩に満ちた生々しい6体の人物像でした。ロダンの芸術的な作品を理解できなかったカレー市が除幕式を行ったのは実に完成後7年経ってからだったそうです。

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この立体的な作品は一方向からだと、6体すべてを見ることが難しいですね。周りを周りながら、鑑賞します。

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ロダンの芸術的な構想力と人物の内面に迫る描写力に驚嘆します。この作品も日本でも鑑賞しましたが、このロダンゆかりのロダン美術館で鑑賞すると感動が違います。

これで庭園での鑑賞は完了。庭園からまた、金色に輝くアンヴァリッドInvalidesが見えます。

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アンヴァリッドを眺めながら、いよいよ、ロダン美術館の本館に入りましょう。

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この本館はもともと、ロダンが晩年を過ごした邸宅兼アトリエでした。現在は美術館として、ロダンの彫刻作品を中心に彼の弟子で恋人でもあったクローデルの彫刻作品、さらにはロダンが収集したゴッホやルノワールの作品も展示されています。さあ、存分にロダンの芸術を楽しみましょう。



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ロダン美術館:本館の中の彫刻群

2019年9月25日水曜日@パリ/7回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。ロダン美術館Musée Rodinの庭園でロダンの彫刻を眺めた後、いよいよ、ロダン美術館の本館(ビロン館)に入ります。この本館はもともと、ロダンが晩年を過ごした邸宅兼アトリエでした。現在は美術館として、ロダンの彫刻作品を中心に彼の弟子で恋人でもあったカミーユ・クローデルの彫刻作品、さらにはロダンが収集したゴッホやルノワールの作品も展示されています。
早速、展示作品を見ていきましょう。

ロダン像です。ロダンの弟子だったアントワーヌ・ブールデルが作成しました。

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ロダンの《花飾り帽子の女の子》です。一見、ロダンの作品とは分からないような可憐な少女像です。モデルはずっと内縁の妻だったローズ・ブーレと言われています。美少女ですね。

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ロダンの《マダム・クルーシェ》です。上記の作品の10年後、1877年の作品です。同様な傾向の作品ですね。

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ロダンの《ベローナ》です。古代ローマの戦いの神ベローナです。男性的ですね。これもモデルは内縁の妻ローズ・ブーレと言われています。

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ロダンの《永遠の春》です。主題は内縁の妻がいながら、美貌の弟子カミーユ・クローデルとの燃え上がった愛です。現実のモラルはともかく、凄まじい芸術の極致ですね。

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ロダンの《ロミオとジュリエット》です。文学作品から主題をとった珍しい作品です。ただ、男女の恋愛を主題にしているのはカミーユ・クローデルとの恋愛を想起させます。

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ロダンの《接吻》です。ロダンの代表作のひとつです。ダンテの神曲から、パオロとフランチェスカの悲恋を描いたものです。「地獄の門」を装飾するために作られました。当初は「フランチェスカ・ダ・リミニ」のタイトルでした。最終的には「地獄の門」からは外されて独立した作品となりました。あまりにリアルでエロティックだという批判もありましたが、愛を芸術的に昇華させた素晴らしい作品です。。

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思わず近寄って、もう1枚。saraiのお気に入りの作品です。

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ここにも《考える人》がありますね。

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これは《カレーの市民》の石膏の試作のようです。最終的なブロンズ像とはかなり違う構成ですね。ロダンが石膏像で試作を重ねた様子がうかがえます。

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これは《カレーの市民》から、単体の《ジャン・デール》です。降伏の印としてイギリス国王に渡す城の門の大きな鍵を持って立っています。

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ロダンの《エヴァ(イブ)》です。「地獄の門」の右手に置かれるために作られました。左手にはアダムが置かれます。

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次は2階に上がりましょう。ロダンが収集した絵画がある筈です。中でもゴッホが楽しみです。



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ロダン美術館:本館2階のゴッホ、フリッツ・タウロウ、モネ、ルノワール

2019年9月25日水曜日@パリ/8回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。ロダン美術館Musée Rodinの庭園でロダンの彫刻を眺めた後、ロダン美術館の本館(ビロン館)に入り、ロダンの彫刻作品を鑑賞しています。1階の展示作品を一通り見た後、2階に上がります。ここにはロダンが収集した貴重な絵画作品が展示されています

ゴッホの《タンギー爺さん》です。あまりに有名な作品ですね。1887年夏頃に描かれました。「タンギー爺さん(ペール・タンギー)」の愛称で親しまれていたジュリアン・フランソワ・タンギーはパリで画材屋兼画商を営んでおり、ゴッホも彼の店に出入りしていました。この作品の背景には日本の浮世絵が描かれています。ウィキペディアによると、以下の作品だそうです。ゴッホ自身が持っていたものがほとんどのようですね。

 渓斎英泉 「雲龍打掛の花魁」(千葉市美術館蔵)
 歌川国貞(三代目歌川豊国) 「三世岩井粂三郎の三浦屋高尾」(山口県立萩美術館、ファン・ゴッホ美術館蔵)
 歌川広重 「五十三次名所図会 四十五 石薬師 義経さくら範頼の祠」(山口県立萩美術館、ファン・ゴッホ美術館蔵)
 歌川広重 「富士三十六景 さがみ川」(山口県立萩美術館、ファン・ゴッホ美術館蔵)
 作者不詳「東京名所 いり屋」(山口県立萩美術館蔵)

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ゴッホの《収穫者》です。1888年の6月下旬から7月下旬にかけて、アルルで描かれました。黄金の麦畑の刈り入れ風景の先には煙を上げて走る蒸気機関車が描かれています。同じアルルでは、《黄色い家》でも蒸気機関車が描かれています。頻繁に登場する蒸気機関車はゴッホの気持ちの奥にパリとのつながりを感じさせるものがあったのでしょうか。それとも当時の産業近代化への関心があったのか。いずれにせよ、同時代のモネと同様に鉄道への関心があったようですね。ちなみにゴッホ美術館所蔵の《黄色い家》は近く、東京都美術館で開催されるゴッホ展で来日するようですね。

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ゴッホの《アルル駅近くのプラタナス並木道》です。1888年にアルルで描かれました。プラタナスの並木道越しに、ここでも陸橋の上を走る青い蒸気機関車が描かれています。主役はもしかしたら蒸気機関車のほうかもしれません。saraiの知る限り、アルルで描かれた3つ目の蒸気機関車です。と思って調べてみたら、アルルかどうか分かりませんが、もう一枚、《馬車と蒸気機関車》という作品もあります。さらに《貨物列車》という作品もあります。

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ノルウェーの画家、フリッツ・タウロウFrits Thaulowの《小さな町の広場》です。1896年、フランスのディエップ(ノルマンディー地方の海岸沿いの町)あたりで描かれた作品のようです。

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モネの《ベル=イル=アン=メールBelle-Île-en-Mer》です。1886年にブルターニュの沖合15Kmに浮かぶ島ベル=イルで描かれました。この島に10週間滞在したモネは39枚の作品を描きました。ベル・イルでの作品は美術商ジョルジュ・プティの画廊でオーギュスト・ロダンとの共催で行った1989年の展覧会で展示されています。ロダンとモネは親交が深かったことから、ベル・イルで描いた作品の一つをロダンの作品と交換しています。それがこの作品のようです。

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ルノワールの《裸婦》です。1880年に描かれました。まさにルノワールの一連の裸婦、そのものですね。肌の温もりのある描き方が素晴らしいです。

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ロダンが収集した絵画はここまで。ここからはまた、彫刻作品が続きます。遂にロダンがかつて愛したカミーユ・クローデルの作品が展示される部屋に入ります。カミーユ・クローデルの悲恋物語を思わずには見られない作品ばかりに心が痛みます。



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ロダン美術館の締めは悲恋のカミーユ・クローデルの作品、そして、夜はオペラ座でお洒落なバレエ

2019年9月25日水曜日@パリ/9回目

雨上がりのパリ、ちょっとお出かけです。ロダン美術館Musée Rodinの庭園でロダンの彫刻を眺めた後、ロダン美術館の本館(ビロン館)に入り、ロダンの彫刻作品を鑑賞しています。1階の展示作品を一通り見た後、2階でロダンが収集した貴重な絵画作品を鑑賞しました。次はロダンがかつて愛したカミーユ・クローデルの作品が展示されている部屋です。ロダンの遺言でこのロダンの邸宅の一角にはクローデルの作品を展示することになったそうです。ロダンは別れたとはいえ、死ぬまでカミーユのことを忘れなかったようです。

クローデルの部屋には、一際、目を惹く作品があります。
《分別盛り》です。明らかにロダンとロダンの内妻ローズ、そして、カミーユ自身が劇的に表現されています。老婆に背後から何やら囁かれて、無言で立ち去ろうとする老人。その老人に必死で手を差し伸べようとする女性の哀れな姿。3人の愛情のもつれた関係が生々しく表現されて、しかも芸術的に昇華しています。全体のフォルムは左側に向かう流れとエネルギーからなっており、その動きのある構成は素晴らしいです。これをロダンの作品のコピーとは言えないでしょう。カミーユ自身の素晴らしい才能が炸裂した名作です。

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クローデルの《ロダン像》です。冷静にロダンの内面を捉えたような作品ですが、カミーユはどういう思いでこの作品を作り上げたのでしょう。単なる愛情だけではないでしょう。

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クローデルの《ワルツ(La Valse)》です。流れるようにワルツを踊る男女は愛し合っている頃のロダンとカミーユでしょう。ここから、《分別盛り》に至るのですから、カミーユに哀れを感じて、心が痛みます。

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次の展示室に移ります。「ロダンと古代美術」というテーマの展示室です。インスピレーションの源として、ロダンは古代彫刻を集めていました。部屋の中央にロダンの《歩く人》があります。

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おっ、これは絵画に描かれた《考える人》ですね。描いたのは、《叫び》で知られるエドヴァルド・ムンクです。

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これでロダン美術館の鑑賞は完了。美しい階段を下ります。

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ロダン美術館を出ると、目の前にはアンヴァリッドが黄金色に輝いています。

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アンヴァリッド通りBd des Invalidesを進むと、ロダン美術館の角に出ます。

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やはり、ポスターの題材は《考える人》です。各国語で考える人と書かれていて、一番下が日本語。うーん、いいね。

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もう、夕方4時近くになりました。結局、パリの休日と言いながら、1万歩以上も歩き、また、疲れ果てます。ホテルに戻って、仮眠をとって、パリ・オペラ座にバレエを見に出かけます。パリ・オペラ座でバレエを見るのは久しぶりです。ここでのバレエはお洒落で大好きです。
これが今日のバレエのチケット。

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今日の公演は鷹の井戸At the Hawk’s Wellという演目で、何と日本人アーティストの杉本博司の演出です。素晴らしいバレエに感銘を覚えました。
このバレエについての記事はここに書きました。

バレエ公演後、細かい雨にしっぽり濡れながらホテルに帰りました。これがパリの最後の夜です。ゆっくりできたような、できないような1日になりました。
明日は再び、ウィーンに戻って、早速、内田光子のピアノでモーツァルトのピアノ協奏曲を聴きます。また、音楽三昧の日々です。



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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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