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シフの骨太で優雅でもあるブラームスのピアノ協奏曲第2番、熱い共感で支えるペトレンコ指揮のベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー 2022年2月12日

旅のブログを終了して、音楽のブログのみに専念したため、これまでのように毎日欠かさず、ブログをアップすることがなくなり、ずい分、楽になりましたが、反面、saraiは怠惰になっています。少し、記事を増やすことを考えています。音楽関連では、生のコンサート以外に、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの映像から、気に入ったコンサートを視聴して、生のコンサート同様に感想をアップしていきます。PCで視聴するのではなく、OPPO DigitalのユニバーサルメディアプレーヤーBDP-103JPを50インチの4Kテレビとオーディオシステムに接続して、高画質、高音質で聴いています。生で聴くのと同様とまではいきませんが、驚くほどの臨場感で聴けます。それにドイツからネット配信しているとは思えない素晴らしい響きに驚愕しています。サブスク契約で毎月、それなりの費用は払いますが、生のコンサート1回にも満たない額で素晴らしい指揮者やソロ奏者の演奏を聴き放題です。飽きるまでは聴きましょう。ちなみに旅のブログも2007年の南仏・ウィーンの旅を書き始める予定で準備中です。古い旅で恐縮ですが、持ちネタは16年前に遡らないともう、ありませんので、ご了承ください。

さて、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの記念すべき第1回目はハイティンクのマーラーと思い、交響曲第2番《復活》を聴きました。しかし、これは1990年代の古い画像で実はsaraiも所有しているものでした。1990年代のハイティンクがベルリン・フィルを振ったマーラーは第1番から第7番まであり、映像が残されているのは、第5番と第6番を除いたものです。演奏は素晴らしいのですが、いかにもベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールにふさわしいものではなく、それに既聴のものばかりです。2000年以降は第7番と第9番があります。今後、それを聴くことにします。

ということで、聴き直したのは、今秋、来日予定のキリル・ペトレンコ指揮で、やはり、9月末から10月初めに来日するアンドラーシュ・シフのピアノでブラームスのピアノ協奏曲第2番という豪華プログラムです。
冒頭、シュテファン・ドールのホルンとシフのピアノが協奏しながら、輝かしいブラームスが奏でられます。そして、シフの意外にも骨太で熱く突っ込んだピアノ独奏が繰り広げられます。そして、それを引き継いだキリル・ペトレンコ指揮のベルリン・フィルがシフのピアノ以上に熱く燃え上がるような素晴らしい演奏です。実質、ペトレンコの指揮は初聴きですが、ベルリン・フィルを完全に掌握して、完璧なアンサンブルで密度の濃いブラームスを展開します。そして、何と言ってもペトレンコの顔の表情がいいです。完全に音楽に入り込んでいます。ベルリン・フィルは素晴らしい指揮者を獲得しましたね。秋の来日公演が待ち遠しくなります。
以降、シフとペトレンコが互いにインスパイアしながら、素晴らしいブラームスを演奏していきます。圧巻だったのは第3楽章。ソロのチェロとオーケストラがロマンあふれる演奏を展開し、シフのピアノも加わって、究極のロマンを表現していきます。
そして、決然としたピアノが主導して、第4楽章が始まり、音楽はどんどん高潮していきます。最後はヴィルトゥオーゾ的にピアノがコーダを奏でながら、フィナーレ。
感銘を受けながら、聴き入っていました。シフのピアノはもちろん、素晴らしかったのですが、それ以上にペトレンコ指揮のベルリン・フィルの恐るべき合奏力が見事でした。秋は生でブラームスの交響曲第4番が聴けるのが楽しみです。


この日のプログラムは以下です。

  2022年2月12日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  ピアノ:アンドラーシュ・シフ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
  
   《アンコール》ブラームス:3つの間奏曲 Op.117 より第1曲 アンダンテ・モデラート 変ホ長調

なお、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)

  ヨゼフ・スーク:管弦楽と女性合唱のための交響詩《人生の実り》



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       シフ,        キリル・ペトレンコ,  

ペトレンコの個性的で陰影濃いマーラーの交響曲第6番 ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー 2020年1月25日

キリル・ペトレンコはこのコンサートのあった2019/2020年シーズンからベルリン・フィルの首席指揮者に就任しました。直後、コロナ禍に襲われるという波乱の幕開けになりましたが、着々と実績を積み重ねています。このマーラーの交響曲第6番でも、個性的かつ感銘に満ちた演奏で聴くものを魅了しています。決して、ロシアものだけではないレパートリーの広さを見せ始めている時期の演奏です。
当ブログのベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの第2回目の鑑賞記です。

第1楽章は穏当な表現で開始されます。強力なベルリン・フィルのアンサンブルが明快な行進曲を刻み、ほぼ、楽譜通り、そして、オーケストラの自発性に任せた演奏で、ペトレンコはこのまま、曲を進行するのかと思い、先行きが見えない展開が続きます。ペトレンコの意図はまったく見えません。展開部あたりから、徐々にではありますが、少しずつ暗い色調も見えてきます。

中間楽章はアンダンテ、スケルツォの順に演奏されます。
その第2楽章のアンダンテは美しさよりも陰影濃い表現に驚かされます。ロシア的な暗さが次第に主調になっていきます。気持ちは高揚せず、暗く沈み込んでいきます。こういう演奏を聴いたのは初めてです。ベルリン・フィルのメンバーも超絶的な演奏を繰り広げます。この曲はこんなに難しい曲だったでしょうか。そう言えば、マケラが都響を振ったときもマケラの要求水準の高さに都響のメンバーも100パーセント、応えられなかったと感じました。ベルリン・フィルは完璧な演奏水準での演奏です。しかし、気持ちが滅入るくらいに暗過ぎる。

第3楽章のスケルツォも暗い気分を続けていきます。トリオに入って、ますます暗くなります。しかし、ベルリン・フィルの演奏の上手いことには恐れ入ります。人間業には思えません。不安な感情のまま、沈み込みます。

第4楽章は圧巻の演奏。序奏は凄い! オーケストラ演奏の粋のようです。主部に入ると、それまでの暗さを振り切るような劇的な行進曲が強い調子で演奏されます。ここに至って、ペトレンコの指揮がベルリン・フィルを鼓舞して、ドラマチックで、それでいて、陰影の幅の大きな圧巻の演奏を繰り広げます。何度も頂点を作り上げ、2度のハンマーも打ち下ろされます。そして、劇的な再現部を経て、コーダに入ります。3度目のハンマーは打たれません。苦悩に沈むように暗い表現が回帰して、イ短調の強烈な和音の後、ティンパニがリズムを刻んで、暗い、暗い穴の奥に沈み込みます。

実に個性的な演奏。ペトレンコの音楽芸術とベルリン・フィルの名人芸がマッチアップした印象深いマーラーです。この後に来る第7番の交響曲が予感されるような演奏で、しかも、この第6番の交響曲がそれまでの5曲の交響曲の総決算であることを実感するような凄い演奏でした。とともに、ペトレンコはいい意味でも悪い意味でも、決して、マーラー指揮者ではありませんね。これでは、マーラー信者は増えないでしょう。むしろ、マーラー信者が、マーラーとは何かということを己に問うような深い味わいの演奏です。

さて、次はベルリン・フィルのデジタル・コンサートホール、何を聴こうかな・・・


この日のプログラムは以下です。

  2020年1月25日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  グスタフ・マーラー:交響曲第6番イ短調《悲劇的》
  


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       キリル・ペトレンコ,  

ガーディナーの熱い共感のメンデルスゾーンの交響曲第2番《讃歌》 ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2022年3月19日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの第3回目の鑑賞記です。
東響のサントリー定期(鈴木優人指揮)の予習も兼ねて、ベルリン・フィルのメンデルスゾーンを聴きます。
このメンデルスゾーンの交響曲第2番《讃歌》はsaraiの人生の中でまったくの初聴きになります。考えてみれば、saraiはメンデルスゾーンのよい聴き手ではなかったような気がします。まあ、一般にメンデルスゾーンはその業績に比べて、特に日本では正当な評価を受けてこなかった作曲家の一人ですね。今日、この大作を聴いて、メンデルスゾーンの天才ぶり、何よりも音楽への深い情熱を感じ取ることができました。

メンデルスゾーンの交響曲第2番《讃歌》は前半は純器楽作品、後半は声楽を伴う大宗教曲で、全体は70分を超える大作です。こういう構成の作品としては、過去にはベートーヴェンの交響曲第9番、その後にはマーラーの交響曲群があり、それらは現在、よく演奏されますが、この曲はあまり演奏されません。宗教性が強過ぎるのかもしれません。ドイツではそれなりに演奏されるようです。
メンデルスゾーンのこの曲はスペシャリストと言えるような指揮者がいて、アバド、シャイーなどですが、これから聴くジョン・エリオット・ガーディナーもその一人です。それでも、彼がベルリン・フィルを振って、メンデルスゾーンを演奏するのは珍しい感じがしてしまいます。基本的にオリジナル演奏の指揮者ですからね。無論、ベルリン・フィルがオリジナル演奏をするとは思えません。

実際、第1部が始まると、弦はガット弦ではなく、普通にヴィブラートをかけています。初めて聴くにもかかわらず、どこかで聴いたような懐かしいメロディーが奏でられます。そして、ベルリン・フィルはとても美しいアンサンブルの演奏です。コンサートマスターは大柄なアジア系の女性。見たことのない人です。ガーディナーが臨時に連れてきた人でしょうか。時として、ガーディナーは情熱的な指揮をします。この曲への思い入れは半端ではない印象です。第1部は序奏と3つの楽章から成りますが、やがて、第2楽章に休みなく移行します。アレグレットで穏やかな主題が奏されます。そして、中間部では序奏で提示されたモットー動機を含む印象的なコラールが奏でられます。うっとりとしますね。休みなく第3楽章に入ります。雰囲気は第2楽章を引き継ぎます。宗教的な民謡が奏でられます。メンデルスゾーンらしい音楽が横溢します。この優しく穏やかな音楽が時として高潮しますが、だんだんと静まっていきます。
そのまま、第2部です。ここからは声楽が入るカンタータです。また、モットー動機から始まり、ガーディナーが激しい勢いで合唱を鼓舞して、第2曲を演奏します。ところで、序奏から登場するモットー動機は再三、各所で演奏される印象的な旋律です。一緒に聴いていた配偶者が急に笑いながら、唱和します。何と、《箱根の山は天下の嶮 函谷關も ものならず》。瀧 廉太郎の歌曲『箱根八里』です。まあ、そう言えば、否定できませんね。無論、メンデルスゾーンが『箱根八里』のメロディーを取り込んだわけではなく、瀧 廉太郎がこの曲から旋律を取り、『箱根八里』を作ったのでしょう。saraiが初めて聴いたのに、どこかで聴いたような気がしたのは瀧 廉太郎の歌曲『箱根八里』に似ていたからですね。
話を戻し、モンテヴェルディ合唱団の素晴らしい合唱に感銘を受けます。そして、途中から、ルーシー・クロウの澄み切ったソプラノ独唱が入ってきて、素晴らしい音楽が展開されていきます。

第3曲はテノール独唱がレシタティーボを歌います。まるで福音史家みたいな雰囲気です。でも、バッハのような音楽ではなく、あくまでもメンデルスゾーンの世界です。ヴェルナー・ギューラは見事な美声を聴かせてくれます。
このテノール独唱がそのまま、合唱に歌い継がれて、第4曲が進みます。

第5曲はソプラノとメゾソプラノの掛け合いのデュエット。このデュエットが素晴らしく、聴き惚れます。音楽もよし、歌手もよし。この曲のひとつの頂点です。

第6曲はテノール独唱で闇の恐怖が劇的に歌われて、《師よ、夜は間もなく明けますか?》と何度も歌われて、最後にステージの後方の上段からソプラノが《夜は過ぎ去れり!》と返答します。そして、そのまま、第7曲で合唱が《夜は過ぎ去れり》と晴れやかに連呼します。

第8曲はアカペラの合唱が祝典的なコラールを歌います。モンテヴェルディ合唱団、素晴らしい! 途中からオーケストラも加わり、晴れやかに高潮します。

第9曲はテノール独唱とソプラノ独唱の掛け合いですが、清らかなソプラノに心が洗われる思いです。

最後の第10曲はフーガ合唱に始まり、《すべての者は主に感謝せよ!》という感動の大合唱。そして、また、フーガ合唱。最後はモットー動機、すなわち、《箱根の山は天下の嶮》で締め括られます。

あっという間の70分でした。懐かしいモットー動機もあり、全然、退屈せずに楽しく聴けました。ガーディナーの熱い思い、そして、ベルリン・フィルの素晴らしいアンサンブルで、メンデルスゾーンの隠れた傑作を深く味わうことができました。

ベルリン・フィルのメンデルスゾーンに感銘を受けて、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールでほかのメンデルスゾーンの作品も聴きたくなりました。もちろん、ありました。それもキリル・ペトレンコの指揮したメンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》。メンデルスゾーンの作曲した最後の交響曲ですね。次はこれを聴きましょう。


この日のプログラムは以下です。

  2022年3月19日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:サー・ジョン・エリオット・ガーディナー
  ルーシー・クロウ(ソプラノ)
  アン・ハレンベリ(メゾソプラノ)
  ヴェルナー・ギューラ(テノール)
  モンテヴェルディ合唱団
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  フェリックス・メンデルスゾーン:交響曲第2番変ロ長調 Op. 52《讃歌》
  
なお、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)
  
  ヨハネス・ブラームス:《運命の歌》Op. 54
  


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キリル・ペトレンコの明朗快活なメンデルスゾーンの交響曲第3番《スコットランド》 ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2021年10月29日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの第4回目の鑑賞記です。
ガーディナーの熱い共感のメンデルスゾーンの交響曲第2番《讃歌》を聴いて、ベルリン・フィルのほかのメンデルスゾーンにも俄然、興味が出てきて。ペトレンコのメンデルスゾーンのアーカイブがあることが分かり、即、聴くことにしました。交響曲第1番と第3番の演奏記録があり、とりあえず、第3番を聴きます。

キリル・ペトレンコは肩の力の抜けた見事な指揮でこの名曲を奏でます。第1楽章の有名な序奏は何度聴いても心がほっこりします。タイトルのスコットランドの名前の通り、メンデルスゾーンがスコットランドのエディンバラにあるホリールード宮殿Palace of Holyroodを訪れた際、隣にあるホリールード寺院Holyrood Abbeyの廃墟を眺めて、日本風に言えば、世の無常を感じて、このメロディーが頭に浮かんだそうです。ついでに言えば、saraiのオーディオシステムのスピーカーは英国のタンノイTANNOY社製のエディンバラなので、このスピーカーから響いてくる懐かしいメロディーにも何となく親近感を覚えます。それにメンデルスゾーンの交響曲第2番《讃歌》で滝廉太郎の箱根八里のメロディーが登場したのと同様に、序奏の静かな旋律は滝廉太郎の荒城の月を連想します。
第1楽章は懐かしい雰囲気のまま、素晴らしいアンサンブルの演奏が続いていきます。この曲はさほどに名人芸を要するようなものではありませんが、ペトレンコが指揮するとベルリン・フィルは凄技を繰り出した演奏を聴かせてくれます。役者も揃っています。コンサートマスターは我が樫本大進、フルートはエマニュエル・パユ、クラリネットはヴェンツェル・フックス、オーボエはアルブレヒト・マイヤー、ホルンはシュテファン・ドール・・・。1970年代のベルリン・フィルのスタープレイヤー揃いだった頃に比べても(コンサートマスターのミシェル・シュヴァルベ、フルートのゴールウェイ、クラリネットのライスター、オーボエのローター・コッホ、ホルンのザイフェルト)、現在も負けず劣らずですね。彼らが素晴らしい技術・音楽性を競い合っての演奏には度肝を抜かれそうになります。ペトレンコは軽く合わせるような指揮で自然な表現ですが、顔の表情から、音楽への愛を感じます。一見、オーケストラの自発性に任せたような指揮にも思えますが、どっこい、押さえるところは押さえた指揮で、瑞々しい音楽を表現していきます。
第2楽章のヴィヴァーチェ・ノン・トロッポは活き活きとした表情の音楽がそよ風のように吹き抜けます。
第3楽章のアダージョはまず、樫本大進を中心とした第1ヴァイオリンが抒情的な演奏で魅了した後、管楽器の首席奏者たちが静謐な音楽を奏でます。ペトレンコとベルリン・フィルの息はぴったりと合っています。
第4楽章はアレグロの勢いのよい音楽が進行し、いったん、静まり、コーダで第1楽章の序奏の動機を回想した後、壮大に高まって、明るく曲を閉じます。

キリル・ペトレンコの新たな一面を見たようなメンデルスゾーンの交響曲第3番でした。ただ美しいだけの演奏ではなく、本物の音楽がそこには息づいていました。オーケストラも個人それぞれの個性を活かしつつ、きっちりアンサンブルが整った理想に近い演奏を聴かせてくれました。キリル・ペトレンコとベルリン・フィルの行き着くところはどういう世界になるのでしょう。


この日のプログラムは以下です。

  2021年10月29日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  フェリックス・メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調 Op. 56《スコットランド》
  
なお、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)
  
  ディミトリ・ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調 Op. 93
  


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       キリル・ペトレンコ,  

ベルリン・フィルの新シーズンがまもなく開幕!

何かと忙しく、忙しさとsaraiの怠慢にかまけて、ブログの更新を怠っていました。saraiは至って、元気です!

あと1時間足らずでベルリン・フィルの新シーズンがベルリンのフィルハーモニーで開幕します。初めてライヴ配信でその演奏を視聴します。日本時間では真夜中の2時なので、いかに防音室とは言え、大型スピーカーで聴くのは非常識なので、ヘッドフォンで聴こうと思いましたが、そのヘッドフォンが見つかりません。家中、家探ししましたが、何ともなりません。困ったので、モバイル用のヘッドフォンで代用することにしましたが、何とこれも見つかりません。うーん、困った。Bluetoothのイヤフォンも見つかりません。
冷静になって、カバンをひっくり返すとモバイル用のヘッドフォンを発見。ほっ・・・。

オーディオシステムで聴こうとしますが、どこにもヘッドフォンジャックがありません。テレビの裏に何とか見つけて、早速接続して、聴きますが、少し音量不足。あきらめて、PCで聴くことにします。PCはアンプ付きのスピーカーを接続しているので、そのスピーカーのヘッドフォンジャックに繋ぐと十分過ぎる音量で聴けます。ペトレンコ指揮のベルリン・フィルのハフナー交響曲を聴いてみると素晴らしい音質で音楽が聴けます。これで準備完了。

今日のシーズン開幕コンサートは今秋の日本公演でも聴ける以下のプログラムです。指揮はもちろん、キリル・ペトレンコ

 マックス・レーガー
   モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ op. 132
 リヒャルト・シュトラウス
   交響詩《英雄の生涯》op. 40


そろそろ、30分前です。聴く準備にはります。ではこれで。
  


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       キリル・ペトレンコ,  

ベルリン・フィルの新シーズンは首席指揮者、キリル・ペトレンコの指揮で開幕:夢見心地で聴く《英雄の生涯》@ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ配信) 2023年8月25日19時(ベルリン時間) 26日2時/20時(日本時間、ライヴ配信/再配信)

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの第5回目の鑑賞記です。
今回は初のライヴ鑑賞。ベルリン時間で19時のコンサートですから、日本時間では真夜中の2時。いつものように防音室でオーディオシステムの大型スピーカーで聴くわけにはいかず、PCにヘッドフォンを繋いで聴きます。しかし、どんな形で聴こうとも、素晴らしい音楽は心に響くものです。

今日のベルリン・フィルの2023/2024年新シーズン開幕コンサートでは首席指揮者キリル・ペトレンコ指揮でR.シュトラウスの交響詩の最高傑作《英雄の生涯》が演奏されます。キリル・ペトレンコは、2019/20年のシーズンからベルリン・フィルの首席指揮者兼芸術監督に就任していますから、今シーズンは5シーズン目になります。ペトレンコとベルリン・フィルの息もぴったりと合って、蜜月状態になってくる頃です。R.シュトラウスの素晴らしい演奏が楽しみです。

夜中のコンサートは聴いたことがないせいか、夜更かしはお手の物のsaraiですが、少し、頭がぼーっとしています。
1曲目はレーガーの《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》です。最初に主題がオーボエで奏でられます。懐かしい旋律です。あれっ、これ、何だろう? 徐々に脳裏にその旋律が定着して、雰囲気を探り始めます。そして、その懐かしい旋律が何かが分かります。何と、ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K. 331の第1楽章の変奏曲の主題です。ピアノ独奏曲から管弦楽曲の主題をとったんですね。オーボエで主題を演奏しているのは、アルブレヒト・マイヤー。名人ですね。そして、変奏が始まりますが、第2変奏あたりで仰天します。頭が混乱するような響きです。明快で美しい響きですが、まるで無調のような調子外れの響きで頭がおかしくなりそうです。しかし、変奏が進むにつれて、その奇妙な響きに慣れてきて、美しく感じ始めます。第8変奏は素晴らしい演奏です。そして、圧巻だったのはフーガです。弦楽器が軽快に受け継いでいくフーガは素晴らしい響き。管楽器も加わって、音楽が高潮していきます。最後は全楽器で主題が壮大に歌い上げられます。見事な演奏でした。

20分ほどの休憩があり、いよいよ、リヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》です。冒頭から、低弦とホルンの素晴らしい響きで英雄の主題。もう、この時点で心が持っていかれます。もう、あとは何も語る言葉がありません。キリル・ペトレンコ率いる強大なベルリン・フィルの凄まじい響きを夢見心地で聴き入るのみです。大編成のオーケストラの隙のない完璧な演奏。saraiの生涯でこれに並ぶ演奏はベルナルト・ハイティンク指揮のシカゴ交響楽団の圧倒的な演奏をみなとみらいホールで聴いただけです。一生、これを超える演奏は聴けないと思っていましたが、今日の演奏も凄い! 無論、翌日の夜の8時からの再配信も聴いてしまいました。恐れ入るような演奏です。完璧を通り超したようなスーパーな演奏であることを再確認しました。これが11月に本当のライヴでサントリーホールで聴けるとは・・・。英雄のテーマでは何度も心が震えました。何と言う素晴らしい音楽でしょう。


この日のプログラムは以下です。

  2023年8月25日19時(ベルリン時間)、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 マックス・レーガー
   モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ op. 132
   
 《休憩》
 
 リヒャルト・シュトラウス
   交響詩《英雄の生涯》op. 40

  


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       キリル・ペトレンコ,  

イザベル・ファウストの心に沁みる内省的なベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 ベルナルト・ハイティンク&ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2015年3月6日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの久々の鑑賞記です。
近く、都響でヴァイオリンのネマニャ・ラドゥロヴィチでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴くので、予習も兼ねて、聴くことにしました。
無論、巨匠ベルナルト・ハイティンク、ドイツを代表するヴァイオリニストのイザベル・ファウストの共演ということに心を惹かれたこともあります。

まず、8年前はハイティンクはこんなに元気だったことに驚きます。すたすたとファウストと連れ立って、ステージに歩いてきます。すっと立って、彼らしい自然な棒さばきでベルリン・フィルを指揮します。当時、86歳という高齢だったとは思えないお元気な姿です。もっとも、この年の秋、ロンドン交響楽団を引き連れて、来日公演したハイティンクもたっぷりと聴いています。さらにはその2年後、わざわざ、ザルツブルクまで遠征して、ザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィル公演でマーラーの交響曲第9番を2回も聴きました。88歳の巨匠の告別の音楽を聴いたのがハイティンクとのお別れでした。その2年後、ハイティンクは引退し、さらに2年後、死去。2年前のことです。そういう感傷の念に駆られながら、映像を眺めます。冒頭は自然で抑制気味の演奏です。
そして、当時42歳の気鋭のヴァイオリニストだったファウストが独奏ヴァイオリンを弾き始めます。あまりの自然な表現に虚を突かれる思いです。巨匠ハイティンクが指揮するベルリン・フィルに対して、気負うこともなく、美しいヴァイオリンの響きで切々と音楽を奏でていきます。それは実に内省的な音楽を志向するものです。ベートーヴェンのこの協奏曲でこういう演奏を予期していなかったので、半ば唖然としてしまいます。しかし、よく考えてみれば、この曲はそういう音楽なのかもしれません。ベートーヴェンが晩年に達することになる孤高の境地、辛くさびしい諦念の音楽へ続く道です。そして、それこそが、ドイツ音楽の本流であろうと信じて疑いません。ファウストこそがドイツ本流の音楽の継承者として、こういう内省的な音楽(saraiは女々しい音楽と思っています。無論、いい意味です。)を奏でることのできる音楽家であり、それは、シューマン、ブラームスでも発揮されます。対して、ハイティンクは時折、オーケストラパートで重厚な響きに満ちたヒロイックな音楽を奏でます。ファウストの内的な表現と対比して、音楽の妙を感じます。第1楽章の終盤はカデンツァをファウストが弾き始めます。聴き慣れないカデンツァです。これはベートーヴェン自身によるピアノ協奏曲版のカデンツァをヴァイオリン用に移し替えたもので、クリスティアン・テツラフが編曲したものです。カデンツァの後半ではティンパニとの協奏になるという面白い趣向です。
第2楽章にはいると、ベルリン・フィルも情緒に満ちた表現の音楽を奏で、ファウストのさらなる内的な表現と絡み合っていきます。もう、うっとりとその精神性に満ちた音楽に耳を傾けるのみです。カデンツァの後、ファウストとハイティンクが目を合わせて、呼吸を合わせて、第3楽章のロンドの軽やかな音楽にはいっていきます。さすがにここでは内省よりも軽やかなステップの流れに乗っていきます。最後はまた弱音で内省的な音楽を極めた後、一気に音楽を終えます。
巨匠ハイティンクの古典に根差した安定した音楽表現と気鋭のファウストの個性的でかつ、ドイツ本流を思わせる内省的な音楽表現がマッチした素晴らしいベートーヴェンの協奏曲に深く心の感銘を受けました。

なお、アンコールのクルタークのヴァイオリン独奏曲は現代的な作品ですが、内省的な音楽ということで、今日のベートーヴェンの音楽と共通項を持ったものでした。ファウストがしばしばアンコールで好んで取り上げる作品ですね。


この日のプログラムは以下です。

  2015年3月6日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:ベルナルト・ハイティンク
  ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
  
  《アンコール》ジェルジ・クルターグ:穏やかに、夢見ながら(シュテファン・ローマスカヌの思い出に)
  
  
なお、この日のコンサートでは、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)
  
  ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68《田園》
  


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       ハイティンク,        ファウスト,  

ブルックナーの交響曲第4番《ロマンティック》の圧巻の名演 ベルナルト・ハイティンク&ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2014年3月15日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの鑑賞記です。
近く、読響でマリオ・ヴェンツァーゴ指揮でブルックナーの交響曲第4番を聴くので、予習も兼ねて、聴くことにしました。
無論、巨匠ベルナルト・ハイティンクが振るブルックナーは過去の映像とは言え、聴き逃がせません。ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールでは、ハイティンク指揮によるブルックナーの交響曲第5番・第7番・第9番も聴くことができます。マーラーの作品と同様に順次、聴いていくことにしましょう。

冒頭、弦のトレモロの中、シュテファン・ドールのホルンのソロが響きます。続いて、その旋律を木管が引き継ぎます。フルートはエマニュエル・パユ、クラリネットはヴェンツェル・フックス、オーボエはアルブレヒト・マイヤーという鉄壁の布陣です。そして、トゥッティでこの第1主題が刻まれ、いきなり、高潮します。その後、いくつもの山や谷を形成しながら、長大な第1楽章は圧巻の展開を見せます。ハイティンクの堂々たるブルックナーが提示されます。
第2楽章は一転して、静謐で美しい音楽が展開されて、うっとりと魅了されます。ハイティンクの表現力の冴えが際立ちます。ベルリン・フィルの弦楽、木管、金管、すべてが最高に機能して、素晴らしい響きです。この楽章も長大ですが、ぐっと惹き付けられるような演奏です。
第3楽章は狩りの音楽を思わせるスケルツォ。シュテファン・ドール率いるホルン奏者たちの重奏が勇壮に響きます。次いで、金管すべてが咆哮します。トリオののんびりした音楽の後、また、ホルン、そして、金管が響き、比較的、短い楽章が終わります。
第4楽章は最も長大な楽章です。ここでもシュテファン・ドールのホルン、そして、木管トライアングルの名手たちの活躍が目立ちます。山も谷もあるブルックナー節が全編を覆い、ベルリン・フィルの強力なアンサンブルをハイティンクが導きながら、フィナーレに向かいます。コーダではトロンボーンの奏でるコラールが高揚し、最後はまた、シュテファン・ドールのホルンが締めくくります。そして、全楽器が怒涛の響きをあげて、圧巻のフィナーレ。ハイティンクの素晴らしいブルックナーでした。

ハイティンクとベルリン・フィルによる2010年以降のブルックナーとマーラーのいくつかの作品が聴けるだけでも、このベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールは価値が大きいと言えます。大半はCDになっていないので、ここでしか聴けません。


この日のプログラムは以下です。

  2014年3月15日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:ベルナルト・ハイティンク
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》
  
  
なお、この日のコンサートでは、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)
  
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K. 271《ジュノム》
  ピアノ:エマニュエル・アックス
  


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シューベルトの交響曲第7番《未完成》、自然体で深い味わいの名演 ベルナルト・ハイティンク&ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2016年10月8日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの鑑賞記です。
明日、鈴木雅明指揮のバッハ・コレギウム・ジャパンでシューベルトの交響曲第7番《未完成》を聴くので、予習も兼ねて、聴くことにしました。
内田光子の語るところでは、この曲は死を間近にした指揮者が振ると名演になるのだそうです。
巨匠ベルナルト・ハイティンクはこの時、亡くなるまで、まだ、5年もあったので、それにはあたらないでしょうが、87歳という高齢だったので、あるいは基準にあてはまるのかもしれません。
ところで、saraiはこれまでハイティンクのシューベルトを聴いた覚えがありません。多分、これが初めての経験になります。なお、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールには、このほか、交響曲第5番の演奏も残されています。《ザ・グレイト》の演奏が聴きたいものです。(ということで、saraiの未聴のCDライブラリを調べてみると、何と1975年録音のコンセルトヘボウ管弦楽団との《未完成》と《ザ・グレイト》が見つかりました!)

冒頭、コントラバスが極めて小さな音で奏されて、静かな開始。ハイティンクはいつものようにほとんど大きな動作はせずに自然体の演奏です。ポイントポイントでは、軽く指揮棒で指示して、鋭い視線を送ります。実に静寂な弱音を中心に味わい深いシューベルトの音楽を聴かせてくれます。弱音でもベルリン・フィルのアンサンブルは超絶的に揃っていることに驚愕します。ロマンというよりも暗い翳を帯びた悲哀を感じる音楽です。それだけにトゥッティで強く高潮するときは凄まじい響きを感じます。管のソロもホルンはシュテファン・ドール、フルートはエマニュエル・パユ、クラリネットはアンドレアス・オッテンザマー、オーボエはアルブレヒト・マイヤーという達人たちが素晴らしい演奏を聴かせてくれます。とりわけ、アルブレヒト・マイヤーのオーボエの味わい深い響きに魅了されます。第1楽章は提示部の繰り返しも入れて、ゆったりとした演奏を聴かせてくれました。ほぼ16分という長さは最長レベルでしょう。第2楽章は穏やかなアンダンテが情感豊かに、しかし、静謐に奏されて、悲哀に満ちた味わいがますます深くなります。コーダではそっとそっと静かに音楽を閉じます。ハイティンクのシューベルトは初めて聴きますが、感動するような素晴らしい演奏でした。ハイティンクがシューベルトを好んで取り上げなかったのが不思議です。シューベルト交響曲全集を録音していなかったのが残念です。
ハイティンクの描き出した未完成交響曲は決して未完成には感じない充足した音楽でした。


この日のプログラムは以下です。

  2016年10月8日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:ベルナルト・ハイティンク
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  フランツ・シューベルト:交響曲第7番ロ短調 D 759《未完成》
  
  
なお、この日のコンサートでは、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)
  
  グスタフ・マーラー:《大地の歌》
    クリスティアン・エルスナー(テノール)
    クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)
  


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ベルリン・フィルの来日公演プログラム キリル・ペトレンコの素晴らし過ぎる指揮で聴くブラームスの交響曲第4番@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2023年11月3日

ベルリン・フィルの来日公演に先立って、ベルリンで来日公演プログラムが11月3日に演奏されました。モーツァルト、ベルク、ブラームスという多彩なプログラムです。早速、デジタル・コンサートホールでもその公演が配信されたので、鑑賞してみました。
もっとも、本来はライヴ配信もされたので、それを聴くべきだったのですが、今月は東京でのコンサートがたてこんでいて、とても日程的に聴けなかったという事情があります。

来日公演は2つのプログラムが用意されていて、R.シュトラウスの交響詩の最高傑作《英雄の生涯》を含むプログラムは既にベルリン・フィルの2023/2024年新シーズン開幕コンサートをライヴで視聴済です。首席指揮者キリル・ペトレンコの実力を遺憾なく発揮した超素晴らしい演奏でした。

で、今回のもう一つのプログラムはというと、これまた、モーツァルトもベルクもブラームスもあり得ないほどの最高レベルの演奏ですっかり感動して聴き入ってしまいました。もう、来日公演を聴く必要がないほど、感銘を受ける演奏でした(笑い)。
とりわけ、ブラームスの交響曲第4番はsaraiの最も愛する作品のひとつなので、これまで、CDなどで古今の名演の数々を聴き込んでいます。saraiは頭の中で理想とするイメージを持っていますが、それとほぼ同じ演奏が繰り広げられて、ここはこう演奏してほしいと思う気持ちが満足されて、こんなに気持ちよく、この曲を聴けたことはありません。言い過ぎを承知で言えば、この演奏を超えるのはフルトヴェングラーの神のような演奏しかありません。詳細は来日演奏を聴いた後に書きましょう。

モーツァルトの交響曲第29番も笑ってしまうほど、素晴らしい演奏。ペトレンコのモーツァルトの交響曲は第35番「ハフナー」も聴きましたが、それも同様に素晴らしい演奏。ペトレンコによるモーツァルト交響曲全集の録音が望まれるほどです。せめて、第25番以降の主要作品の録音が聴きたい!

ベルクの管弦楽のための3つの小品 Op.6ですが、この曲は実は初聴きです。しかし、初めてとは言え、この演奏がベルクの音楽の真髄を抉り出す会心の演奏であることは明確です。とても小品とは言えない完成度の高い類稀な演奏に圧倒されました。以前、ペトレンコが指揮したオペラ「ルル」のBlu-rayディスクを猛烈に聴きたくなりました。あのオペラのオーケストラの間奏曲的なパートを連想したからです。


この日のプログラムは以下です。

  2023年11月3日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:キリル・ペトレンコ
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
   交響曲第29番イ長調 K.201
   
 アルバン・ベルク
   管弦楽のための3つの小品 Op.6(1929年改訂版)  
   
 《休憩》
 
 ヨハネス・ブラームス
   交響曲第4番ホ短調 Op.98
   
   
明日から、saraiの黄金の週間が始まります。ウィーン・フィルもベルリン・フィルも聴きます。ワクワク!!!

 11月 17日 (金曜日) ノット&東響
 11月 18日 (土曜日) 新国立劇場 オペラ《シモン・ボッカネグラ》
 11月 19日 (日曜日) ソヒエフ&ウィーン・フィル
 11月 20日 (月曜日) キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル
 11月 21日 (火曜日) キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル
 11月 22日 (水曜日) お休み
 11月 23日 (木曜日) 庄司紗矢香、イスラエル・フィル ⇒中止
 11月 24日 (金曜日) バルナタン、都響
 11月 25日 (土曜日) キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル
 11月 26日 (日曜日) クリスティ指揮 レザール・フロリサン 《ヨハネ受難曲》
  


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

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