2013年4月24日水曜日@アッター湖~ウィーン/7回目
昨日、アットナンク-プフハイムAttnang-Puchheimで何故間違った電車に乗り込むことになってしまったのか・・・その謎を今日こそ解き明かしましょう。
そわそわして待っていると、来ました、来ました。昨日私達が何の疑いもなく乗り込んだオンボロ電車がしょぼいホームに入ってきました。

この電車は、隣のフェックラブルック駅Vöcklabruckが終点の電車のようです。だから、乗客がいなかったんですね。昨日と同様にこの電車はホームをすぐに出ていきました。ホームは空っぽです。今日は電車を待つ乗客もいません。

10分ほど経つと、本来我々が乗るはずだった2両連結の綺麗な電車がホームに入ってきました。

電車には誰も乗客は乗っていません。この電車はこの駅が始発のようです。

なんだかタイムマシーンで、昨日の出来事を再現しているみたいです。
ホームに張ってあった時刻表で確認してみました。すると、アッター湖畔のカンマー・シェルフリンク駅Kammer-Schörflingに行く電車は1日に4本しかなく、そのうちのたった1本がこのアットナンク-プフハイム駅始発で、残りの3本は隣のフェックラブルック駅発のようです。

この時刻表を昨日しっかりと見ていれば慌てることにはならなかったというお話でした。
アットナンク-プフハイム~フェックラブルック~カンマー・シェルフリンクの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。

それにしても負け惜しみになりますが、カンマー・シェルフリンク駅行きの電車は4本すべてがフェックラブルック駅発でいいのにね。
それに、このアットナンク-プフハイム駅が大工事中だったのも一因でした。工事中の様子を見てください。

この工事のせいで、あのしょぼいホームが使われたのでしょう。しょぼいホームには時刻表はおろか、出発電車の表示板もありませんでしたから、初めて訪れた異国の旅人には正しい電車を選択することは困難でした。
そうこう考えているうちに我々がこの駅で本来乗るべきだった電車が出発していきました。これも今となっては、楽しい思い出です。
以上、昨日の失敗の反省会は終わり。
アットナンク-プフハイムからウィーンへは、初めて乗るヴェストバーンWestbahnという私鉄を利用します。私鉄と言っても、実際はウィーンとザルツブルグ間のオーストリア国鉄(ÖBB)の線路を走ります。料金が安く設定されているのが魅力です。ネットで事前にウィーン西駅Wien Westbahnhofまでのチケットを購入しておきました。

始発のザルツブルグ駅からではなく、途中駅のこのアットナンク-プフハイム駅から乗車するので、念のため座席指定チケットも合わせて購入しておきました。

この座席指定チケットには100号車の2階席としか表示されていないので、座席指定のシステムがよく分かりません。ともかく、ヴェストバーンの電車の到着をホームで待ちます。

やがて、初めて乗車することになるヴェストバーンの電車が定刻にホームに滑り込んできました。

到着した電車の100号車に乗り込みます。ピカピカの車両ですね。

100号車の2階席に上がると、結構混み合っていて空いた座席はあまりありません。よくよく探すと、4人席がぽっかり空いているところがあります。その座席を見ると、テーブルに予約席Reserviertという布が巻かれています。カフェやレストランのテーブルに予約席と表示されているのと同じです。どうやら、これが我々の指定席のようです。

座席は革張り風のシートでなかなか豪華です。

そこに座っていると、発車してすぐに若い女性の車掌さんがやってきて、検札です。

検札といっても、乗車券はチェックせずに指定券のみのチェックです。指定席券を渡すとチェックOK。この席でよさそうです。それに2人分の指定で4人分の席を確保して構わないようです。これはお得ですね。1人分の指定料は5ユーロでした。
紅茶とサンドイッチを頂きながら、快適な鉄道の旅を楽しみます。紅茶とサンドイッチは車内でゲットしました。

2時間ほどでウィーン西駅に到着です。

ヴェストバーンは車両も綺麗だし、接客も丁寧で気に入りました。また利用しましょう。

ただし、オーストリア国鉄の線路を借りているせいか線路利用の優先度が低そうで、ウィーン近くでかなり速度が落ちて到着時刻は少し遅れました。まあ、オーストリア国鉄のレールジェットもよく遅れるので、同じことかも知れません。
ウィーン西駅に降り立ちましたが、澄み切った青空と、穏やかな湖面と、白い頂の峰と、小鳥のさえずりと、目にまぶしいどこまでも広がる緑の草原と、美味しい空気のアッター湖にすぐさま舞い戻りたくなりました。そんな思いを振り払いながら、ホームを歩いていきます。

西駅のご贔屓のお店で夕食用に、お寿司を購入して(しかし、マグロがひどくて評価が大暴落)、ウィーンの定宿に向かいます。24時間チケットを購入して、地下鉄利用です。

今夜はこの旅で最後のコンサート。
ホテルで正装に着替えて、マリス・ヤンソンス指揮のウィーン・フィルのコンサートを楽友協会で聴きました。

プログラム後半のハイドンの《V字》とバルトークの《中国の不思議な役人》は素晴らしい演奏でした。このコンサートの感想は
ここです。
コンサートの後は、1年ぶりのウィーン音楽愛好会のオフ会です。楽友協会、国立歌劇場、フォルクスオーパーで、それぞれ音楽を楽しんだ5人がカフェ・ムゼウムに集まって気炎を上げました。主要メンバーの一人が所用で参加できなかったのはとても残念でしたが、大いに盛り上がり、閉店時間で追い出されるまで楽しく過ごしました。
次のオフ会は6月(2013年)に場所をドレスデンに変えて開催することを決定。いやはや、皆さん音楽にのめり込んでいますね。何故ドレスデンなのかと言うと、ティーレマン指揮でガランチャがオクタヴィアンを歌う楽劇《薔薇の騎士》の公演に皆が駆けつけるからです。
かくして、長かった4月の旅もこれで実質的におしまい。いよいよ明日の夜の便で帰国です。実り多い旅でした。旅物語はまだ明日に続きます。
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