ライン川を遡っての旅も遂に、その源流のようなボーデン湖を訪れます。実際にはボーデン湖にライン川の上流が流れ込み、その源はアルプスまで達するようですが、何となく、それは感性に合わないので、sarai的には、ライン川の源流はボーデン湖ということで、旅のしめくくりをしたいと勝手に思っています。
ボーデン湖はドイツ、オーストリア、スイスの国境に位置する湖で、今回はスイスのチューリッヒから、電車に乗って、1時間半ほどでドイツの国境を越えて、コンスタンツの街に到着です。ここから、クルーズ船に乗って、花の島、マイナウ島に向かいます。この数日で一気に春になったので、軽装でも寒くありません。さすがに船のオープンな甲板は航行中は風が吹き抜けるので、次々に乗客が下のデッキの船室に退却しますが、saraiと配偶者は平気で(やせ我慢)、耐え抜きました。湖の向こう端の方には、雄大なアルプスが雪を抱いて、美しい姿を見せています。これもまた、絶景です。

メールブルグを経由して、1時間ほどの船旅でマイナウ島に到着。島はお城を中心に公園のように整備されています。春の花々が綺麗に咲き乱れる中を気持のよい散策です。メーヴェンピックのアイスクリームを売っていたので、買い求めましたが、思わず、スイスフランを出そうとして、間違いに気が付きました。こういう国境近くは通貨がややこしいですね。スイスもユーロに統一してくれれば、観光は楽です。
さて、また、船でコンスタンツに戻ります。コンスタンツの船着き場に近くなると、ライン川の河口が見えてきました。ボーデン湖の豊富な水がここからライン川に流れ込んでいます。sarai的にライン川の始まりです。ロッテルダムの河口から遡って、遂にここまでやってきました。今日は逆にボーデン湖からライン川を下流に進みます。まず、シャフハウゼンに向かいますが、ここで急に心変わりして、シュタイン・アム・ラインの街で途中下車。これが大当たり、ライン川にかかる橋の周りの街の美しいこと、素晴らしいです。街の名前の“ラインの石(宝石)”というのも肯ける美しさです。美しいこの街を見ずして、ライン川は語れません。

コンスタンツからはクロイツリンゲンで乗り換えて、30分ほどでした。なお、この街はライン川のドイツ領側に張り出していますが、れっきとしたスイスの街で、有効な通貨はスイスフランです。
さらにシュタイン・アム・ラインの街から30分ほどでシャフハウゼンです。ここでも急いでライン川を見て、鉄道でラインの滝に向かいます。本当は鉄道で2つ目の駅ですが、慌てて、1つ目の駅で間違えて下車。この駅名にもRheinfallの名前が付いていたからです。しかし、結果的にこれが大正解。ここからライン川沿いの道を徒歩で歩きましたが、その散策路の美しいこと、とっても気持ちのよい散策になりました。

30分近く歩くと、ラインの滝に到着です。いったん、滝の手前にかかる橋を渡って、丘の上のラオフェン城に上ります。そこから石段を下りながら、ラインの滝に近づきます。落差はそれほどでもありませんが、巨大な水の奔流が目の前を通り過ぎ、その自然の驚異に魂が震撼します。川辺に滝見台のようなものが張り出していて、そこから、まともに自分にめがけて、ラインの豊富な水が迫ってくる様は思わず、自然の迫力にひれ伏しそうになりますが、それではいかんと虚勢を張り、この圧力に立ち向かおうと両手を挙げて、雄叫びを上げます。

自然と人間、人類の創生以来、自然との闘いに挑んできた闘争心がsaraiの原初的な本能を目覚めさせ、新たな自分を発見しました。
配偶者も興奮し、このラインの滝こそ、ラインの源流に相応しいと無茶なことを言いだしました。それもいいでしょう。saraiと配偶者のライン川の旅は、このラインの滝で終焉を迎えます。ライン川旅をしめくくるのに最高の場所に到達しました。
明日はヴィンタートゥールの美術館を訪れ、再度、バーゼルのライン川を見て、ライン川の見納めです。また、ライン川の渡しに乗ってみましょうか。バーゼルでは、もちろん、sarai最愛の絵画、オスカー・ココシュカの最高傑作《風の花嫁》と対峙します。夜はバーゼル歌劇場でモーツァルトのオペラを見て、スイスの旅も完了です。その後はいつものオーストリア編です。友人達との再会も嬉しい旅になりそうです。
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テーマ : ヨーロッパ
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