今日は旅も4日目です。カラヴァッジョ巡礼もカラヴァッジョの聖地と言ってもいいローマで本格化します。
今朝はよいお天気です。急いで支度して、美術館巡りです。
まずは朝食を食べようとレストランの場所を聞くと、このホテルは朝食はついていないよって言われ、ショック!!
予約の際に朝食がついていなかったような気もしていました。予約の紙を調べたら、やっぱり、朝食なしになっていました。そもそも、このホテルにはレストラン自体なさそうです。食事なしで出発ですが、これはこれでいいかも。いつも朝食を食べ過ぎてしまいますからね。結局、3日間朝食抜きになりましたが、我々の年齢では何も問題ありませんでした。これからは朝食なしのホテルを利用することを考えてもいいかもしれませんね。
朝食はともかくとして、ホテルの近くは駅前なので、レストランはいっぱいありとても便利です。毎日、いろんなレストランで美味しい夕食をいただきました。
朝食の問題はありましたが、立地は最高に便利で、駅前の治安もよさそうなので、コストパフォーマンスは最高です。部屋が狭いのは我慢しましょう。このホテルは女性の一人旅以外だったら、お勧めのホテルです。
気持ちを取り直して、まず、スタートはテルミニ駅Termini前のバス停からです。そのバス停は、ホテルから歩いてほんの5分ほど。でも、駅前にはバス停がずらっと並んでいて、ボルゲーゼ美術館行きの910番のバス停を見つけるのがなかなかです。それでも何とか見つけ出し、バスを待ちます。ところがなかなかバスがやってきません。他の路線のバスはどんどん来ているんですけどね。

今日は日曜日なので、バスの本数が少ないようです。しかも日本と違い、バスの時刻表は平日分のみで休日分は表示されていないので、いつ来るか皆目見当もつきません。美術館の予約の時間も迫り、だんだんと落ち着かなくなります。美術館の予約時間は9時ですが、30分前にはチケットを購入せよとのことで、もう8時20分を過ぎました。バスはローマパスを買ってあるので3日間乗り放題ですが、意を決してタクシーで行くことにします。タクシー乗り場に歩き出すと、それを見透かしたように910番のバスがやって来ました。これは乗らないわけにはいきませんね。ところが乗ったはいいのですが、なかなか出発しません。いらいらしているとやっと出発。まずはローマパスの使い始めなので、打刻を忘れずにしましょう。

道は空いていて、すいすい進みます。スムーズに最寄りのバス停に着き、急いでボルゲーゼ公園Villa Borghese内の美術館に行きます。結局、8時40分ちょっと前に到着。
ホテルからボルゲーゼ美術館までのルートを地図で確認しておきましょう。

ボルゲーゼ美術館Museo Borgheseは白亜の美しい建物です。もともとはボルゲーゼ家の別荘だったそうです。

チケット売り場に行くと行列ができていましたが、すぐに順番が来てローマパスと予約番号でチケットを無事ゲットできました。ほっ・・・!!
ローマパスがあるので、ここは無料でチケットがもらえます。ゲットしたチケットはこれです。やはり、カラヴァッジョとベルニーニの作品が絵柄になっています。

パンフレットはこれです。これはベルニーニですね。日本語版は残念ながらありません。これは英語版です。

ボルゲーゼ美術館には、1階のフロアに彫刻作品があり、4点のベルニーニの傑作を鑑賞。大理石彫刻とは思えない柔らかい質感に驚嘆しました。そして、何よりも美しい。配偶者は題材が男性が力ずくで女性を略奪するものなので、少々男性不信の感があるようです。しかし、これは芸術作品なんです。
代表的な2つの傑作をご紹介します。
これが《プロセルピナの略奪》です。冥界の王プルトンの手が女神の娘プロセルピナの柔肌にくいこんでいるのは、大理石彫刻とは思えません。とても美しい作品です。ベルニーニ23歳の作です。早熟の天才です。

これが《アポロンとダフネ》です。アポロンに追いつかれたダフネの体が月桂樹に変身していく瞬間が、見事に大理石で表現されています。凄いですね。ベルニーニ25歳の作です。ところでダフネと言えば、R・シュトラウスのオペラ《ダフネ》を思い出します。美術と音楽は同一の題材を、まったく異なる手法で表現していて面白いです。

1階の最後の部屋に、お目当てのカラヴァッジョが文字通りずらり。何とここには6点ものカラヴァッジョがあります。多分、世界最大のコレクションでしょう。ところが残念ながら、そのうち1点はカナダのバンクーバーに貸出中(バッカスとしての自画像)。
これが貸し出し中だった《バッカスとしての自画像》です。カラヴァッジョ初の自画像です。

これは以前に東京で催されたカラヴァッジョ展で見たので、よしとしましょう。
展示中の5点のうち、《蛇の聖母》の素晴らしさには心を打たれました。まさに絵が目に焼き付きます。聖母マリアの清楚な美しさと全体が黒が基調のモノトーンのなかで、聖母のまとう赤い衣装が映えています。

もう1点、《執筆する聖ヒエロニムス》の静謐さ、そして長く伸ばした手先のあたりに光があたっている構図の素晴らしさにも感動を覚えます。

残りの3点もご紹介します。
これが《ダヴィデとゴリアテ》です。ゴリアテの首は自画像です。これが最後の自画像です。

これが《果物籠を持つ少年》です。果物籠の表現の見事さはミラノで見た静物画と同様です。

これが《洗礼者ヨハネ》です。カラヴァッジョが死の時まで手元に持っていた遺品のひとつです。

この後は、2階の絵画コレクションの名作を楽しみました。ティツィアーノ、ラファエロ、コレッジョなどの名品揃いですが、なかでもsaraiのお気に入りの作品はこれです。

クラナッハの《ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド》です。同じ題材の絵はほかの美術館にもありますが、本当に素晴しい絵画です。
ミラノから始めたカラヴァッジョ巡礼はこれで計7枚見ることができました。取りこぼし1枚です。まずは上々ですね。
次のカピトリーニ美術館Musei Capitoliniに向かいます。
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