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ローマでカラヴァッジョ巡り:皮切りはやっぱりボルゲーゼ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/1回目

今日は旅も4日目です。カラヴァッジョ巡礼もカラヴァッジョの聖地と言ってもいいローマで本格化します。

今朝はよいお天気です。急いで支度して、美術館巡りです。

まずは朝食を食べようとレストランの場所を聞くと、このホテルは朝食はついていないよって言われ、ショック!!
予約の際に朝食がついていなかったような気もしていました。予約の紙を調べたら、やっぱり、朝食なしになっていました。そもそも、このホテルにはレストラン自体なさそうです。食事なしで出発ですが、これはこれでいいかも。いつも朝食を食べ過ぎてしまいますからね。結局、3日間朝食抜きになりましたが、我々の年齢では何も問題ありませんでした。これからは朝食なしのホテルを利用することを考えてもいいかもしれませんね。

朝食はともかくとして、ホテルの近くは駅前なので、レストランはいっぱいありとても便利です。毎日、いろんなレストランで美味しい夕食をいただきました。

朝食の問題はありましたが、立地は最高に便利で、駅前の治安もよさそうなので、コストパフォーマンスは最高です。部屋が狭いのは我慢しましょう。このホテルは女性の一人旅以外だったら、お勧めのホテルです。

気持ちを取り直して、まず、スタートはテルミニ駅Termini前のバス停からです。そのバス停は、ホテルから歩いてほんの5分ほど。でも、駅前にはバス停がずらっと並んでいて、ボルゲーゼ美術館行きの910番のバス停を見つけるのがなかなかです。それでも何とか見つけ出し、バスを待ちます。ところがなかなかバスがやってきません。他の路線のバスはどんどん来ているんですけどね。


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今日は日曜日なので、バスの本数が少ないようです。しかも日本と違い、バスの時刻表は平日分のみで休日分は表示されていないので、いつ来るか皆目見当もつきません。美術館の予約の時間も迫り、だんだんと落ち着かなくなります。美術館の予約時間は9時ですが、30分前にはチケットを購入せよとのことで、もう8時20分を過ぎました。バスはローマパスを買ってあるので3日間乗り放題ですが、意を決してタクシーで行くことにします。タクシー乗り場に歩き出すと、それを見透かしたように910番のバスがやって来ました。これは乗らないわけにはいきませんね。ところが乗ったはいいのですが、なかなか出発しません。いらいらしているとやっと出発。まずはローマパスの使い始めなので、打刻を忘れずにしましょう。


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道は空いていて、すいすい進みます。スムーズに最寄りのバス停に着き、急いでボルゲーゼ公園Villa Borghese内の美術館に行きます。結局、8時40分ちょっと前に到着。

ホテルからボルゲーゼ美術館までのルートを地図で確認しておきましょう。


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ボルゲーゼ美術館Museo Borgheseは白亜の美しい建物です。もともとはボルゲーゼ家の別荘だったそうです。


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チケット売り場に行くと行列ができていましたが、すぐに順番が来てローマパスと予約番号でチケットを無事ゲットできました。ほっ・・・!!
ローマパスがあるので、ここは無料でチケットがもらえます。ゲットしたチケットはこれです。やはり、カラヴァッジョとベルニーニの作品が絵柄になっています。


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パンフレットはこれです。これはベルニーニですね。日本語版は残念ながらありません。これは英語版です。


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ボルゲーゼ美術館には、1階のフロアに彫刻作品があり、4点のベルニーニの傑作を鑑賞。大理石彫刻とは思えない柔らかい質感に驚嘆しました。そして、何よりも美しい。配偶者は題材が男性が力ずくで女性を略奪するものなので、少々男性不信の感があるようです。しかし、これは芸術作品なんです。
代表的な2つの傑作をご紹介します。
これが《プロセルピナの略奪》です。冥界の王プルトンの手が女神の娘プロセルピナの柔肌にくいこんでいるのは、大理石彫刻とは思えません。とても美しい作品です。ベルニーニ23歳の作です。早熟の天才です。


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これが《アポロンとダフネ》です。アポロンに追いつかれたダフネの体が月桂樹に変身していく瞬間が、見事に大理石で表現されています。凄いですね。ベルニーニ25歳の作です。ところでダフネと言えば、R・シュトラウスのオペラ《ダフネ》を思い出します。美術と音楽は同一の題材を、まったく異なる手法で表現していて面白いです。


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1階の最後の部屋に、お目当てのカラヴァッジョが文字通りずらり。何とここには6点ものカラヴァッジョがあります。多分、世界最大のコレクションでしょう。ところが残念ながら、そのうち1点はカナダのバンクーバーに貸出中(バッカスとしての自画像)。
これが貸し出し中だった《バッカスとしての自画像》です。カラヴァッジョ初の自画像です。


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これは以前に東京で催されたカラヴァッジョ展で見たので、よしとしましょう。

展示中の5点のうち、《蛇の聖母》の素晴らしさには心を打たれました。まさに絵が目に焼き付きます。聖母マリアの清楚な美しさと全体が黒が基調のモノトーンのなかで、聖母のまとう赤い衣装が映えています。


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もう1点、《執筆する聖ヒエロニムス》の静謐さ、そして長く伸ばした手先のあたりに光があたっている構図の素晴らしさにも感動を覚えます。


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残りの3点もご紹介します。
これが《ダヴィデとゴリアテ》です。ゴリアテの首は自画像です。これが最後の自画像です。


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これが《果物籠を持つ少年》です。果物籠の表現の見事さはミラノで見た静物画と同様です。


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これが《洗礼者ヨハネ》です。カラヴァッジョが死の時まで手元に持っていた遺品のひとつです。


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この後は、2階の絵画コレクションの名作を楽しみました。ティツィアーノ、ラファエロ、コレッジョなどの名品揃いですが、なかでもsaraiのお気に入りの作品はこれです。


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クラナッハの《ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド》です。同じ題材の絵はほかの美術館にもありますが、本当に素晴しい絵画です。

ミラノから始めたカラヴァッジョ巡礼はこれで計7枚見ることができました。取りこぼし1枚です。まずは上々ですね。

次のカピトリーニ美術館Musei Capitoliniに向かいます。



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ローマでカラヴァッジョ巡り:2番目はカピトリーニ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/2回目

ボルゲーゼ美術館Museo Borgheseを出ると、建物が朝日に輝いています。


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次はカピトリーニ美術館に向かいます。ボルゲーゼ公園Villa Borgheseの中を500mほど歩きましたが、公園の散策は気持ちがいいですね。


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サン・パウロ・デル・ブラジル・バス停San Paolo Del Brasileに到着。バス路線の関係で、テルミニ駅から到着したバス停Pinciana- Museo Borgheseとは別のバス停です。


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ところが、乗る予定の160番のバスがなかなか来ません。他の経路のバスは何本も来るのに、160番は全然です。バス待ちの客はどんどん入れ替わり、我々ともう1組の夫婦だけがバス停に釘づけ。彼らも160番のバスを待っているようです。他の人たちがいると、なんだか心強いですね。


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随分待って、ようやくバスが到着。バスは何事もなかったように順調に走り、カピトリーニ美術館Musei Capitoliniの最寄りのバス停に到着。ここからカピトリーノの丘の階段を上り、丘の上のカンピドリオ広場Piazza del Campidoglioへ向かいます。


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カンピドリオ広場はミケランジェロが設計した美しい広場です。広場の中央にはマルクス・アウレリウスの騎馬像のレプリカがあります。台座はミケランジェロの手になるものです。


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その広場に面して、カピトリーニ美術館があります。ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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チケット売り場でローマパスを提示し、無料でチケットをゲット。ローマパスは最初の2つの美術館が無料で入れ、3つ目からは割引料金で入れます。ということは、料金の高いものから利用した方がお得ということになりますね。
これがゲットしたチケットですが、絵柄もなくつまらないですね。


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この美術館はそれ自体の中に古代ローマ遺跡もあり、古い彫刻が多数展示されています。世界最古の美術館というふれこみです。有名な彫刻を2点ほどしっかりと見て、絵画フロアに向かいます。その彫刻の1つは、カンピドリオ広場にあったマルクス・アウレリウスの騎馬像のオリジナルです。台座はミケランジェロのものとは全然違いますね。


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ここには、お目当てのカラヴァッジョは2点あります。ところが、ここでもその1点《女占い師》はカナダに貸出中。カナダのバンクーバーで大がかりなカラヴァッジョ展をやっている模様です。残念です。


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これが見る筈だった《女占い師》です。


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それでも、もう1点をしっかり鑑賞し、満足です。
これが《洗礼者ヨハネ》です。


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カラヴァッジョ巡礼はこれで計8枚見ることができました。取りこぼし2枚です。

その他に、三島由紀夫が愛した作品のグイド・レーニの《聖セバスティアヌスの殉教》の美しさにも魅了されました。この作品について、《仮面の告白》の冒頭で触れられています。


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同じグイド・レーニの《ルクレティア》も美しい作品です。


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次はドーリア・パンフィーリ美術館Galleria Doria Pamphiliに向かいます。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:ランチでビックリ・・・ドーリア・パンフィーリ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/3回目

カピトリーノ美術館Musei Capitoliniを出て、このカピトリーノの丘の上からフォロ・ロマーノForo Romanoの遺跡を少し眺めてました。今回は、フォロ・ロマーノ散策はパスします(10年ほど前に来た時に歩きましたので)。


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カピトリーノの丘を下りてきました。やはり観光地ですね、人の多いこと!


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丘の下はヴェネツィア広場Piazza Veneziaです。目の前にはヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂Monumento Nazionale a Vittorio Emanuele IIの側面が聳え立っています。


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次はドーリア・パンフィーリ美術館Galleria Doria Pamphiliに向かいますが、カピトリーニ美術館から歩いて600mくらいのはずです。ブラブラ歩いて、ほぼ行き着いたあたりに綺麗なカフェがあったので、お昼を兼ねて休憩をすることにしました。


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ピザとパスタでランチです。


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ついでにジェラートも頂きました。お腹も落ち着き店内の入口付近に行くと、何やらレストランらしくない豪華な装飾があります。


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このあたりでピンとくるべきだったのかもしれませんが、後でビックリすることになります。ちなみにお店の名前はカフェ・ドーリア。

お店を出てドーリア・パンフィーリ美術館に行くと、鉄柵でクローズされています。


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えっと思いますが、中を歩いている女の人もいます。どうやら、入口は他にありそうですね。でも、その辺りをうろうろしますが入口が見つかりません。もう一度そのクローズされた鉄柵をよくよく見ると、何やら表示があります。Google Earthのような写真地図に赤い矢印が描いてあり、入口は建物をぐるっとまわったところだとのことです。みなさん、迷うのでしょうね。


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地図の通りに行くと、やっと入口がありました。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。入口はコルソ通りVia del Corsoに面しています。


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入ると綺麗な中庭(前庭?)になっています。


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この庭に面した建物の一角がチケットオフィスです。


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この美術館はローマパスの効かない美術館で、正規料金でチケットを購入。1人10.5ユーロです。チケットの絵柄はもちろん、カラヴァッジョです。


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中に入り案内表示に従って進むと、先ほどのクローズした鉄柵の横を通過。その先に、美術館のカフェの入口がありました。配偶者がそこを覗いてビックリ! 何と先ほどランチを頂いたカフェでした。saraiも覗いてきました。


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カフェの従業員の眼を盗み、無料でしかも近道で入館できたかも知れません。残念!

ともあれ、カラヴァッジョを見ましょう。ここにも2点あります。まず1点は、問題なく発見。カラヴァッジョとしては変わった作品の《悔悛するマグダラのマリア》。悔悛というより、居眠りしているようにしか見えません。それに明るい作品です。


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もう1点、先ほどカピトリーニ美術館で見た《洗礼者ヨハネ》のレプリカといわれている作品がありましたが、素人の眼には違いは分かりません。どちらも本物でしょう。さて、残りの1点がどうしても見つかりません。美術館の真ん中にあるミュージアム・ショップでカラヴァッジョの作品の絵葉書を買い、ついでにその絵葉書の絵はどこにあるのか聞いてみると、出口近くにあるとのことです。まとめて展示してくれれば手間が省けるのにね。ようやく、最後の1点も鑑賞できました。
これが《エジプト逃避途上の休息》です。


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これでこの美術館は終了。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計10枚見ることができました。(取りこぼし2枚です)

次はバルベリーニ国立美術館に向かいます。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:まだまだ見ます・・・バルベリーニ国立美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/4回目

ドーリア・パンフィーリ美術館Galleria Doria Pamphiliから、またバス(85番)に乗ってバルベリーニ国立美術館Galleria Nazionale d'Arte Antica in Palazzo Barberiniに向かいます。85番のバス停は美術館を出て、通りを右手に進むとすぐのところです。バルベリーニ広場Piazza Barberiniでバスを降ります。
久しぶりに、広場にあるベルニーニ作のトリトーネの噴水を見ました。青空に映えて綺麗です。


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この広場からバルベリーニ国立美術館の建物は見えるのですが、美術館の入口が分からず、うろうろ。バルベリーニ広場からクアットロ・フォンターネ通りVia delle Quattro Fontaneをテルミニ駅の方に向かうと左手に入口がありました。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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入口の前の広場の噴水には、疲れ切ったような観光客が座り込んでいました。観光も疲れますね。


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ローマパスを提示し、半額料金の1人2.5ユーロでチケットをゲット。
入館しますが、何だか狭いし、カラヴァッジョもありません。さては違う美術館に入ってしまったかとも思いましたが、配偶者に「ともかく係の人に聞いてみなさいよ」と言われ、それもそうなので聞いてみると、何と一旦入口を出て建物の外から2階に上がってくれとのこと。それなら、入館時に言って欲しいものです。無用の心配をしてしまいました。
ようやくカラヴァッジョとご対面です。ここには3点あります。2点はすぐ見つかり、どちらも素晴らしい傑作で見入ってしまいました。
これが《ホロフェルネスの首を斬るユディト》です。実に生々しい絵画ですが、凄惨なシーンに対比して女性(ユディト)の可憐さが印象的です。ウィーン美術史美術館にあるクラナッハの《ユディット》とはあまりに違いますが、それぞれ素晴しい傑作です。


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これが《瞑想の聖フランチェスコ》です。カラヴァッジョ得意の背景の暗闇が人物を引き立てています。


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が、もう1点が見つからない。2階の入口に戻ると、受付に女性が2人います。彼女らにカラヴァッジョのナルキッソスはどこにあるのかと聞くと、ノット・ヒアー・・・! ええーっとなりました。これもバンクーバーにあるとのこと。参りましたね。ただし、これも日本のカラヴァッジョ展で見ています。この絵は、まるで貸出用作品みたいですね。確かに3点の中では出来は3番目でしょう。
これが見逃した《ナルキッソス》です。


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カラヴァッジョ巡礼はこれで計12枚見ることができました。取りこぼしは3枚になりました。

おまけですが、ホルバインの《ヘンリー8世》を見付けました。有名な肖像画です。saraiにとっては今年の4月にウィーン国立歌劇場で見たプラチナオペラ《アンナ・ボレーナ》の登場人物の一人なので印象深かったんです。


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バルベリーニ国立美術館はこれで終了。
配偶者情報で、この美術館の近くに骸骨寺というのがあり、そこにもカラヴァッジョのレプリカがあるとのことです。それも、このバルベリーニ美術館で見たばかりの作品《瞑想の聖フランチェスコ》のレプリカです。レプリカなのか本物なのか、誰も確実なことは言えないと思うので、そこにも行ってみましょう。バルベリーニ広場のすぐ近くにありました。教会なので、もちろん入場無料です。ちょうど夕方になり、牧師さんが教会を開けているところだったので入れてもらいました。


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情報とは異なりカラヴァッジョは見つけることができませんでしたが、三島由紀夫ご推奨の画家グイド・レーニの有名な絵《大天使ミカエル》は展示されていました。


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下の墓室には膨大な骸骨があるそうですが、そういうものを見る趣味はないのでパスします。
骸骨寺(サンタ・マリア・デラ・コンチェツィオーネ聖堂)から表に出ると、綺麗なプラタナスの並木の通りです。


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ここのバス停から次のコルシーニ美術館Galleria Nazionale di Palazzo Corsiniに向かいます。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:最後の仕上げはコルシーニ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/5回目

最後は、テヴェレ川の向こうにあるコルシーニ美術館Galleria Nazionale di Palazzo Corsiniにバスで向かいます。骸骨寺の通りの向かいのバス停でしばらく待ちます。


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待っていた116番のバスはミニバスでした。車内はこんな感じです。


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ミニバスなので狭い通りを走れます。ミニバスだけあって、乗客は我々2人だけのこともありました。貸切状態です。すると、いきなり若い男性が2人乗り込んで来て、我々に何か言いだしました。はは~ん、無賃乗車の抜き打ち検査で我々に目を付けたようです。さっとローマパスを出すと、チェックの結果はもちろんOKです。彼らは次の停留所で降りて行きました。その前に、配偶者が彼らの写真を撮ろうとすると断固拒否されました。それもそうかな。

そうこうするうちに、バスは途中から想定していたコースから外れてしまいました。仕方がないので、一番目的地に近そうなところで下車。そこから歩いて、テヴェレ川の対岸に渡ります。渡っている橋はG.マッツィーニ橋Ponte Mazziniで、向こうに見えているのはシスト橋Ponte Sistoです。


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テヴェレ川沿いの道は気持ちがいいです。


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シスト橋のたもとのトゥリルッサ広場Piazza Trilussaから、いかにもトラステヴェレ地区らしい狭い通りにはいります。


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でもこの先、一向にコルシーニ美術館が見つかりません。見つかったと思っても、隣にあるはずの別の美術館のようです。最後は袋小路にはまりこむ有様。配偶者のアドバイスで、先ほどの隣のはずの美術館に行き、コルシーニ美術館への行き方を聞くしかないということになりました。再度その美術館に戻り中に入ってみると、何とここがコルシーニ美術館という表示が出ていました。な~んだ・・・。それでもまだ美術館の入口が分からず、そのあたりにいた人に聞くと、2階に上がったところが美術館だとのこと。やっと到着です。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。(116番のバスのルートは不明なので、最短ルートで表示)


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入り口でローマパスでチケットを買おうとすると、今度はPCが動作不良で待たされます。ここまで苦労してきたんだから、ゆっくりと待ちましょう。ところが、一向にPCの動作は安定しない様子。受付の女性は意を決したらしく、とりあえずそのまま入館して、帰りにチケットを買ってねとのことです。ローマパスを人質にして、入館。一番奥の突き当たりにあるこの美術館が所有する唯一のカラヴァッジョとご対面。いやあ、ここまで来るのは大変でした。ゆっくりと椅子に腰かけて疲れた足を休めながら、鑑賞。この絵も変わった絵です。
これがその《洗礼者ヨハネ》です。


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カラヴァッジョ巡礼はこれで計13枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

この後、グイド・レーニの美しい《サロメ》などを見て戻ると、受付の女性が我々を探しに来ました。チケットが発行できたとのこと。
これがそのチケットです。半額の1人2ユーロでした。


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美術館で帰りに入場料を払うのは初めての経験です。トラブル続きの美術館に相応しい幕切れでした。

まだ夕陽が高いので、もうひとつ観光しましょう。テヴェレ川沿いに歩き、サンタンジェロ城Castel Sant'Angeloに向かいます。先程のG.マッツィーニ橋Ponte Mazziniを渡り、対岸に戻りました。テヴェレ川は夕陽に川面を輝かせています。


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途中から川を離れ、蛇行する川をショートカット。狭い通りを地図片手に進みます。


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古い通りらしく、道の端っこのローマ水道の蛇口からは水が流れっぱなしになっています。


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少し大きな通りに出ました。この通りをまっすぐ行くと、サンタンジェロ城に出るはずです。


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この通りも古い通りのようで、いわくありげな古びた建物があり、見物している人達もいました。


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見物していたガイド付きの徒歩ツアーのグループも、サンタンジェロ橋の方に向かっています。左手の人達がその一部です。


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やがて、通りの先にサンタンジェロ橋Ponte Sant'Angeloが見えてきました。道は間違っていなかったようです。15分ほどですが、それでも1.3kmほど歩きました。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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サンタンジェロ城をこれから見ます。



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ローマでカラヴァッジョ巡り:夕陽のサンタンジェロ城

2011年10月9日日曜日@ローマ/6回目

サンタンジェロ城Castel Sant'Angeloに到着しました。
サンタンジェロ城もその前にかかるサンタンジェロ橋Ponte Sant'Angeloも夕陽に輝いて、とても美しいです。


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サンタンジェロ橋を渡ります。夕方ですが、まだまだ観光客がいます。


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橋の上から見るテヴェレ川も、川面が夕陽に輝いています。


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サンタンジェロ城はどっしりとして、重量感があります。塔の一番上にはシンボルの天使像が見えています。オペラファンにとっては、ここはプッチーニのオペラ《トスカ》の舞台として馴染み深いものがあります。


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サンタンジェロ橋を渡り終え振り返ると、橋の両側に並ぶベルニーニ作の天使像(コピー)が印象的です。


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サンタンジェロ城の入口にきましたが、夕刻になって冷たい風が吹き、急速に冷え込んできました。配偶者は震えています。ここはもうひと頑張りしてもらい、サンタンジェロ城の塔の上に上りましょう。受付でチケットを買おうとすると、係の男性が流暢な日本語で「11ユーロです。」。驚いて、褒めると、「これだけしか言えません」。また、20ユーロ札を出すと「1ユーロのコインはありませんか」と立て続けの日本語。立派なものです。
これが購入したチケットです。


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塔の上に上りましょう。トンネルのような斜路を上ります。


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搭の上までは、それほどの苦もなく上り切りました。まだ若いかな。搭の上からは、夕陽に照らされたローマの街が一望できます。ちょうどバチカンの上に夕陽があり、サン・ピエトロ寺院Basilica di San Pietro in Vaticanoの巨大なドームが黒々と逆光になっています。これも絵になりますね。


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下の方を見下ろすと、先程渡ったサンタンジェロ橋が綺麗です。


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下から見上げていた塔の上の天使像もすぐ近くにあります。


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ローマの市街地を眺めながら、ひとしきり街の建物探しをして時を過ごしました。


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ズームアップしてみましょう。お馴染みの建物が見えます。


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さて、今日のディナーの心配です。テルミニ駅近くのレストランに携帯で予約を入れました。そろそろ塔を下りましょう。結構寒いんです。
サンタンジェロ城から出て、再びサンタンジェロ橋の上に戻ります。ますます夕陽が落ちてきて、橋の上の天使像がバラ色に輝いています。素晴しいですね。


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サンタンジェロ城もバラ色で綺麗です。ここは夕刻訪れるのが一番ですね。


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これからレストランに移動します。



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この記事へのコメント

1, あやさん 2011/12/15 08:56
お久しぶりですね!
私もサンタンジェロ城には行ったのですが、なんだかsaraiさんのブログを見ていると、全く行ったことのない世界の風景のように見えて、とても素敵です!私は何を見てきたのかな(~_~;)
やっぱりイタリアは素晴らしい国ですね!
次回も楽しみにしています♪

2, saraiさん 2011/12/15 21:57
あやさん、お久しぶりです。

あやさんもサンタンジェロ城に行ったんですね。当ブログでもう一度楽しんでもらえたようでよかったです。
ローマ、ナポリ、カプリ島と続いていくので、ご愛読ください。

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ローマでカラヴァッジョ巡り:やっぱりディナーは美味しいイタリアン

2011年10月9日日曜日@ローマ/7回目

サンタンジェロ城Castel Sant'Angeloに最後の別れを告げます。バラ色の輝きは素晴しいです。


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テヴェレ川も日暮れ前の最後の輝きで川面が美しいです。


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サンタンジェロ橋Ponte Sant'Angeloを渡り、最寄りのバス停を探します。


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首尾よくバス停が見つかり、40番のバスが来るのを待ってテルミニ駅に移動します。バスの車内は夕方の大混雑でバスも遅れがちですが、なんとかテルミニ駅に到着。テルミニ駅からはお店を探しながら約10分ほど歩き、予約時間に少し遅れてレストランに到着しました。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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間口の小さなレストランです。ラ・カピターレLa Capitaleという『地球の歩き方』に紹介されているお店ですが、その割りには日本人の姿は見えず、現地のかたばかりです。結構混み合っていたので、直前とは言え予約を入れておいてよかったです。


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まずは2種類のスープを注文しました。


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メインの1つはフィレステーキです。


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メインのもう1品は魚介のフリッターです。


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とても美味しいディナーになりました。もちろん、白ワインも美味しかったしね。
最後はカプチーノです。


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これでチップ込みで約7千円。一人4千円弱ですから、まあまあですね。このレストランは家族経営のようでした。

酩酊気分でホテルまで歩き、今日の日程は完全消化。カラヴァッジョが3点カナダに行っていたことだけが残念ですが、傑作群はしっかりと見ました。それにサンタンジェロ城というおまけまで見られたし、上々でしょう。

今日は日曜日ということで美術館を回りましたが、明日は月曜日なので教会にあるカラヴァッジョを見ます。




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Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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