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ナポリは天国と地獄:ナポリで2枚目のカラヴァッジョ

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/1回目

旅は7日目です。

ナポリの朝です。空は真っ青です。
saraiは深夜2時過ぎに起き出して記事を書きあげUPしたせいで、朝遅くまでぐっすり眠っていました。配偶者はsaraiが深夜起きていた間も眠り続け、おかげでアッピア街道を歩き続けた疲労もすっかり回復したそうです。それで配偶者は元気よく目覚めると、眠り込んでいるsaraiを起こさないように静かに荷物を片付けてホテルをチェックアウトする準備をしていたとのこと。ありがたいです。

朝食の時間ぎりぎりにsaraiは起こされ、身支度だけ済ませて朝食へ。

久しぶりの朝ご飯です。しかも、昨日のチェックインの折に、しっかり朝食の時間と食べたいメニューを確認されているので遅れるわけにはいきません。ぎりぎりの時間に配偶者に起こしてもらい、身支度だけ済ませて朝食スペースに行きます。朝食スペースと言っても、廊下の突き当たりの小さなスペースでテーブルがやっとひとつだけあります。


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テーブルに着いて上を見上げると何と空が見えます。わずかな建物の隙間にこのスペースを作ったんですね。外で食事をすることを好むこちらの人の感覚でしょうか。でも雨のときはどうするのでしょうね。また、テーブルが1つしかないので、チェックインのときに朝食時間の調整がありました。この日の朝食はsarai達だけでしたので希望時間通りでした。


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すぐに注文通りの素晴らしい朝食が出てきます。自宅のキッチンで準備してくれたようです。


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まあ一般的な内容ではありますが、久しぶりの朝食は美味しいですね。しっかり頂き、出かける準備を終えチェックアウトです。やはり、2人で59ユーロぽっきりです。久しぶりにお風呂にも入れたし、本当に大満足のホテルです。愛想のよいおしゃべり好きなホテルのおばさんに荷物を預けて出発します。

駅前なので治安はちょっと心配ですが、大変コストパフォーマンスのよいホテルです。

今日もカラヴァッジョを見ることが第1の目的です。ちょっと距離があるけれど歩いたほうが早そうなので、街ブラブラ歩きを兼ねて、カラヴァッジョの作品のあるピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂Il Pio Monte della Misericordiaに向かいます。ホテルを出ると、すぐにカプアーナ広場Piazza Capuanaに出ます。そこには大きなカプアーナ門Ponta Capuanaがあります。


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この広場の辺りからスパッカナポリSpacca Napoliの地区が始まります。魚屋さんが並んでいます。


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広場に沿って教会の建物があります。サンタ・カテリーナ・ア・フォルミエッロ教会Santa Caterina a Formielloでしょうか。


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先程のカプアーノ門を反対側から見ると、全然、雰囲気が違って見えます。


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カプアーノ門の先にはカプアーノ城Castel Capuanoがあり、このお城をぐるっと迂回して先に進みます。これがカプアーノ城の建物(ほんの一部)です。


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お城の先には賑やかな通りが始まっています。トリブナーリ通りVia dei Tribunaliです。もう、スリが多くて恐いと言われているスパッカナポリSpacca Napoliです。それに凄まじい喧騒です。街の騒音がうるさいったらありません。


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通りには小さなお店が並んでいます。これは果物屋さんですが、魚屋さんとか雑多です。


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細い路地が入り乱れ、ゴチャゴチャしているナポリの街は本当に分かりづらい。それでも、ようやくピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂Il Pio Monte della Misericordiaが見つかります。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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細い路地を通って、建物の中庭に入ります。


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が、これまた入り口が分かりづらい。ようやくそれと思われるところに入りますが、どうも開いている感じがしません。


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ガイド本には、休みが多く開いていることが少ないというようなことも書かれています。saraiが諦めかけようとしたところ、配偶者が奥の方でおしゃべりをしているおじさんを発見。チャオ!と声を掛けると出てきてくれます。そして、今はミサをしているだとか後10分でなんだとか説明をしようとするのですが、よく分かりません。と、面倒くさくなったのか、ここから入れと中に入れてくれます。


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さらに、教会の中まで連れて行ってくれます。そこは本当に小さな教会ですが、正面にカラヴァッジョの大きな素晴らしい絵《慈悲の七つの行い》が掛けられています。特別に見せていただいたので、写真を撮影するわけにはいきませんでした。ご参考にこの絵の写真を掲載しておきます。


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教会の主祭壇画でこんなに近くから鑑賞できることってなかなかありません。それに教会の関係者が数人いるだけで、ほとんど独り占めの鑑賞です。絵はいかにもカラヴァッジョらしい描き方ですが、登場人物が多く、大きく描かれている人間がいないことが不満。やはり美しいマリアとか、尊厳のあるキリストとか、存在感のある人物が欲しいところ。とはいえ、こんなナポリの下町スパッカナポリにカラヴァッジョの大作があること自体が凄いと思います。一歩外に出ればナポリの喧噪に包まれますが、教会内部のカラヴァッジョの世界は別世界。ここでカラヴァッジョが制作活動を営んで、この傑作を生みだしたとはね。まあ、ビックリです。
本来は入場料を払って2階から鑑賞するのだそうですが、無料で、しかも間近で鑑賞できたのはラッキーです。見せてくれた親切なおじさんに本当に感謝です。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計22枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

トリブナーリ通りに戻ると、すぐ先の広場に聖ジェンナーロの尖塔Obelisco di San Gennaroがあります。


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聖ジェンナーロSan Gennaroというのはナポリの守護聖人で、その凝固した血液が毎年液化する奇跡で知られています。

さて、次に予約したカラヴァッジョの作品を見るために移動しますが、とんでもないトラブルに遭遇します(すべては無知なsaraiが悪いのですが・・・)。


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ナポリは天国と地獄:トラブルに打ちのめされ、それでもラスト・カラヴァッジョと対面

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/2回目

ピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂Il Pio Monte della Misericordiaでは幸運にもカラヴァッジョを見ることができましたが、もう次の予約の時間が迫っています。急いで行かなければいけませんが、すぐ近くにミラノ大聖堂(ドゥオーモDuomo)を発見。やはりお参りしていかなければいけないでしょう。ナポリには似つかわしくないほど綺麗!最近手を入れたのでしょうか。


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中に入ると、やはり大聖堂は立派です。この大聖堂はナポリの守護聖人の聖ジェンナーロを祭っています。


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と、そこに今見てきたカラヴァッジョの絵が・・・あれ? 飾り方も変ですし、レプリカなのでしょうね。本物よりも大きくて、かえって見やすい感じですけど。


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さて、次のパラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館に急ぎましょう。大聖堂を出て、ドゥオーモ通りVia Duomoを歩きます。


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この通りには、ウェディングドレス屋さんが何軒もズラリと並んでいます。大聖堂で結婚式をあげる人が多いのでしょうか。


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さらに変わったお店を発見。キリスト教の用品店のようです。日本で言えば、仏具店みたいなものでしょう。


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この通りをまっすぐ歩いて、ウンベルト1世大通りCorso Umberto Iに出ます。そこでようやくバス停を発見。


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R2番のバスに乗って移動します。やはりバスは混んでいます。そろそろ降りるバス停に近づくころ、乗り込んできた検札の人に声を掛けられます。もちろんしっかりチケットは持っているのでハイハイとそれを出すと、これではダメだからペナルティを払えとのこと。何故なのか分かりません。ちゃんと24時間有効のチケットを買ってあるのにね。どうも時間が過ぎているとのこと。saraiは1日券は24時間有効と思っているのですが、1日券はその日1日のみ有効だから昨日購入したsaraiのチケットは無効だと言うのです。近くにいた英語がよく分かる女性が間に入ってくれますが、これではダメだわねとのこと。そのうちに周りの人が、この人たちはそろそろ降りるバス停だろとのアドバイス。皆さん親切というかなんというか・・・そうです、降りるバス停なんです。ということで、検札の人も一緒に降りてきて、違反切符を切られてしまいました。こういうチケットトラブルだけは嫌だと思い、saraiは今までどれだけ苦労してきたことか。知らなったこととはいえ不正してたことは確かなことですが・・・。たっぷり罰金を払わされました! ちなみにローマでは、チケットは24時間チケット。ナポリはシステムが異なるようです。


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ショックで立ち上がれないsaraiですが、ナポリ最後の目的地には行かねばと気持ちを奮い立たせます。バス停のムニーチピオ広場Piazza Municipioから歩いてすぐのトレド通りVia Toledoに出ます。


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パラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館Galleria di Palazzo Zevallos Stiglianoはこのトレド通りのこの辺りにある筈ですが、これがまた見つからない。同じような所をウロウロ歩き回ってようやく発見。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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分からないはずです。ここはどういう建物なのでしょう。1階は、元銀行のような空家。その1階に受付の女性がいるので聞いてみると、美術館は3階まで上がりなさいとのことです。美術館のあるはずの3階のフロアに上がると、そこは1階からの吹き抜けになっていました。


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確かに、この階に美術館はあります。とりあえず、予約票を見せてチケットを購入します。ようやく、ナポリ3枚目のカラヴァッジョ鑑賞となります。


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この美術館には、カラヴァッジョが1点だけ飾ってあります。
《聖ウルスラの殉教》です。


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これは、描かれた年月が分かっている絵の中ではカラヴァッジョ最後の作品。ここの説明にもラスト・カラヴァッジョとあります。この絵も大作で、聖ウルスラが間近で対峙していたフン族の王アッティラに弓矢で射とめられた瞬間を切り取っています。まさに聖ウルスラの殉教の瞬間です。彼女は死を迎えていますが、平静で高貴さを保っています。対するアッティラは凶暴で野蛮。こういう高貴さと凶暴さの対比、静と動の対比がカラヴァッジョのメインテーマであったことがこの旅でよく分かってきました。そして、行き着いた先がこの絵だったんです。カラヴァッジョ自身、自分の中にこの2つの要素をあわせ持っていました。時に乱暴になり殺人を犯し、長い逃亡生活の末にこの絵を残し生涯を終えました。彼は絵を描くときはきっと高貴な精神だったと思います。作品のなかには、静謐さと高貴さへの憧れに近い気持ちが込められています。現実の生活では、それとはほど遠い行為に及んでいます。この彼の葛藤のなかで、素晴らしい作品群が作り出されました。この最後の作品では、聖ウルスラは平静ですがその目は深い闇を見ています。カラヴァッジョ自身も、この聖ウルスラの死と重ね合わせるように迫りくる人生の終焉を予感しているようです。絵画技術を超えて、自分の生涯を総括する生々しい精神の吐露がこの作品の本質でしょう。そういうことを感じつつ、2人でこの絵にずっとずっと見入っていました。時折来訪者はありましたが、この絵の展示室で、永遠に思える時をカラヴァッジョとsarai・配偶者の3人で共有できたのは生涯忘れられない体験になりそうです。

カラヴァッジョ巡礼はこれで計23枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

トラブルの果てに素晴らしいラスト・カラヴァッジョ・・・。
なかなか元気を取り戻せないsaraiです。この後、さらにトラブルの追い打ちが待っていることは知る由もありません。


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ナポリは天国と地獄:最低の気分でスパッカナポリをピザの名店ディ・マッテオへ

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/3回目

パラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館Galleria di Palazzo Zevallos Stiglianoでのカラヴァッジョの素晴らしい絵画作品の鑑賞を終え、現実生活に逆戻りです。まだまだチケットトラブルのショック状態のsarai。喉は乾くは元気は出ないは・・・配偶者はこんな時は知らんぷりを決め込んでいます。それがまた気に入らないsarai。昼食にはもう一つのピザの人気店のディ・マッテオに行く予定なのですが、移動のためにバスに乗るにはチケットを買わないといけない! その切符がなかなか売っていない。バス停では、1日券は売ってない! もう踏んだり蹴ったりで、意気消沈するばかり。ぐっと我慢して90分券を購入して、そのピザ店のあるスパッカナポリに移動です。ダンテ広場Piazza Danteでバスを下り、ポルタ・アルバPort'Albaからスパッカナポリに入り込みます。


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ポルタ・アルバはトンネルになっていて、凄い人込みです。スリも多いだろうし、ますます気分が暗くなる一方です。


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トンネルを抜けてポルタ・アルバ通りVia Port'Albaに入り、振り返ってポルタ・アルバの方を眺めたところです。ごみごみした通りですね。


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この辺りは古本屋さんが軒を並べています。日本で言えば神田みたいですが、規模はずっと小さいです。


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ルイージ・ミラーリャ広場Piazza Luigi Miragliaでまわりの教会を眺めながら進むと、トリブナーリ通りVia dei Tribunaliに出ます。朝出発したときとは通りの逆の端っこです。


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お昼になって、お店がみんな開いています。ここにも果物屋さんです。


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ディ・マッテオDi Matteoというピザ屋さんを探しながら歩きますが、おっと朝通ったドゥオーモ通りVia Duomoまで出てしまいました。


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これでは行き過ぎなので、見落としてしまったようです。引き返して探しますが、その店がまたまた見つからない。食欲もなく超ご機嫌斜めのsaraiです。配偶者は呆れ顔でまあまあとなだめながら、一服しようとサン・ガエターノ広場Piazza San Gaetanoのジェラテーリアに入ります。


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ジュースを買って、その店先の椅子で喉を潤します。サン・ガエターノ広場の方をぼ~っと眺めながら、2人でだんまりを決め込んで、ジュースを飲んでいます。


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広場の奥には、サン・パウロ・マッジョーレ教会Basilica di San Paolo Maggioreが見えています。


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ピザ屋この辺りなんだけどなあと思いながら、視線を少し右の方に向けるとピザ屋さんらしき店が見えています。その店はこの広場から5軒ほど先ですが、探している店ディ・マッテオのような気がします。おずおずと配偶者にあの店のような気がするんだけどと話しかけます。その店の前は何度も通り過ぎています。気を取り直して、もう一度その方に行ってみます。やはり、先ほども人だかりはしてたけど、テイクアウトのピザ屋です。


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2人で店の様子を窺っていると、中に入ればというお店の人のお声。どうも店の奥に椅子があるようです。やっぱり、これがディ・マッテオのようです。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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中に入ってみると、ビックリ!です。いったい何時こんなに人が入店したのでしょう。1階のテーブルはいっぱいです。2階もあるようで、2階に上がりますがここも満員。なんとか空いた席を見つけ、隣の人と椅子のやりくりをして座ります。


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2階にも配膳台があり、キャビネットには可愛い装飾があり少し気持ちがなごみます。


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あまり食欲もありませんが、折角だからピザを食べてみましょう。ところが、それが絶品だったんです。


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この記事へのコメント

1, Chicca12さん 2012/01/02 16:33
ピッツァ店名は「ディ・マッテオ」だと思います。ブログ内の片仮名表記は間違っているのではないでしょうか。
ナポリのピッッェリアの有名店のうちのひとつですね。

2, saraiさん 2012/01/02 20:10
Chicca12さん、ご指摘ありがとうございました。
ご指摘の通り、「ディ・マッティラ」ではなく「ディ・マッテオ」です。
記事を訂正しました。お恥ずかしい!!

3, Chicca12さん 2012/01/03 19:28
ブログ拝見しました。ナポリではスリに遭われたりして、残念でした。私は北イタリアの某都市に住んで10数年になりますが、最近ようやくオペラに興味を持ち、Sarai様のブログを参考に勉強させていだいてます。昨年はミラノ・スカラ座で「トスカ」、夏にはマチェラータという中部イタリアの野外劇場で「リゴレット」を観劇し、すっかりはまってしまいました。
ブログの更新を楽しみにしております。また並行の旅行記にも期待してます。お体に気をつけて、頑張ってくださいね。

4, saraiさん 2012/01/04 00:11
Chicca12さん、コメントありがとうございます。
昨年のミラノ・スカラ座の「トスカ」というと、マルティナ・セラフィン、カウフマン、ルチッチの出演した公演ですか?それはよいものを見られましたね。特にカウフマンのカバラドッシというとミュンヘンでチケット完売でトスカを泣く泣くあきらめたことを思い出します。ドイツではカウフマンの出るオペラは人気があり過ぎてチケット入手困難です。もっともsaraiはテノールファンではないので、ミュンヘンのトスカではカウフマンではなくて、ソプラノのマッティラを聴きたかったんです。
オペラの記事は次は4月のウィーンになります。

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ナポリは天国と地獄:ディ・マッテオで絶品のピザ!

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/4回目

何とかピザの有名店ディ・マッテオDi Matteoのテーブルにつきました。でも、依然としてsaraiは食欲がありません。せっかくだから味見だけはしようと、ネットでご推奨の水牛(ブッファーロ)のチーズのピザと定番のマルゲリータを注文。この店には、飲み物とピザ以外ありません。それにものすごく安い(マルゲリータは約300円!)。


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とりあえず、水だけはすぐに運ばれてきます。


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周りのテーブルでは、美味しそうにピザをぱくぱく食べています。日本人とは違い皆さんがナイフとフォークを使っています。saraiは手で食べないとピザを食べた気がしませんけどね。


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ピザは次々と焼き上がってきます。ようやくsaraiの目の前に運ばれたピザの大きさは、もう驚かなくなったけどデカい!
これが水牛のモッツァレラチーズとトマトのピザ(ブファリーナ・ドック)です。


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これが定番のピザ・マルゲリータ。


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そして、その味は・・・美味しい!ピザってこんな食べ物なんですね。今まで食べていたピザとは全く別物です。特に、水牛のモッツァレラチーズとトマトのピザ(ブファリーナ・ドック)の美味しさったら、どう説明して良いのでしょうか。ガブッと噛むと、ジュワッと水分というか、水が口の中に広がります。その瑞々しさったらありません。とてもピザを食べている感覚ではありません。ただ、水でジュバジュバしているので、とても手で食べるわけにはいきません。これだけはさすがにナイフとフォークで食べました。
このピザはメニューの中では少し高いのですが、それでも500円くらい。是非、ナポリまで食べに行きましょう!

お店を出ると、店の前はテイクアウトのピザを求める人で行列です。お客さんに若い人たちの姿が目立つのも、この味と値段ではうなづけます。


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お店を外から見ると、2階が結構広いことが分かります。入口はテイクアウトだけになっているので、ここがレストランだということが分かりづらいですね。


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ようやくsaraiの機嫌も直り、にこにこです。現金なものです。そりゃあこんな美味しいものを食べて、不機嫌でいられるわけはありません。またトリブナーリ通りVia dei Tribunaliを歩いて、ホテルに戻りましょう。


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この通りにはやたら教会が多く目立ちます。これはジロラミーニ教会Chiesa dei Girolaminiでしょうか。


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トリブナーリ通りには交差する狭い通りも多く、スクーターとかの往来も激しく、賑やかというのを通り越して凄まじい喧騒です。これがスパッカナポリですね。とても長居できそうにはありません。


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早々にホテルに戻りカバンを受取り、船着き場に向かいます。またまた交通チケットを購入して、混み合ったトラムで移動です。カプリ島へ行く高速船の出るベヴェレッロ埠頭Molo Beverelloに到着。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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窓口を探し、カプリ島Capri行の高速船のチケットを購入します。


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チケットを購入でき、その釣り銭を小銭入れに入れようと探しますが小銭入れがどうしても見つかりません。配偶者が船に乗った後でゆっくりとカバンの中を探せばと言うので、とりあえずはフェリーの出発を待ちましょう。港は色々な行き先に向かう人達で賑わっています。


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もうすぐ、我々の乗る高速船も乗船時間になります。それまで美しい船体の船でも眺めながら過ごしましょう。


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カプリ島に向けて、いよいよナポリの街も脱出です。


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ナポリは天国と地獄:トラブル続きのナポリ・・・永遠の別れ

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/5回目

カプリ島Capri行きの高速船に乗ります。ナポリのベヴェレッロ港Molo Beverelloには多くの船が停泊しています。


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高速船はすぐに出航します。大きなクルーズ船の横を通り過ぎ、ナポリの街もまだ大きく見えています。


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高速船はここで大きく舳先を転回します。正面にはベスビオ山がくっきりと素晴らしい雄姿を見せてくれています。


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舳先の転回を終え、高速船は本格的に港から出て行きます。


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舷側からは何も遮るものもなく、海の向こうにベスビオ山が聳え立っています。


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高速船はさらにスピードを上げて、港を出て行きます。


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さようならナポリ・・・。
カプリ島までは40分少しで到着です。

落ち着いたところで、さっきから見つからないsaraiの小銭入れを探しましょう。ところがどうしても見つかりません。saraiは滅多に物を失くさないんですが、配偶者に探してもらってもやはりありません。ふと思い出したのが、トラムを降りるときに配偶者を先に行かせて、saraiをなかなか降りさせてくれず乗車してくる人とガタガタすることになった2人連れおじさんのこと。何だか変だなとは思ったのですが・・・スリだった!のですね。まんまとやられました。滅多にポケットには入れずにカバンに片付ける財布を、トラムのチケットを買った時についポケットに入れたのがいけなかったようです。でも、ポケットにはカメラと携帯電話も入っていたのですが、被害が小銭入れでラッキーでした。授業料として差し出すには、一番被害のない小銭入れです。不幸中の幸いとしましょう。小銭入れですから、中身のコインそのものは大した金額ではありませんが、小銭入れ自体がsaraiの姉からプレゼントされたグッチだったので、残念だし姉にも申し訳けない思いです。もしかしたら、トラムのチケットを買い小銭入れをポケットに入れるところを見ていたスリが、ブランド物の小銭入れを狙って一緒にトラムに乗り込んできたのかもしれませんね。あ~あ~・・・。

カラバッジョの3つの名作に惹かれてやってきたナポリ。絶品のピザのある街。喧噪と犯罪の渦巻く街。そして、何よりもsaraiと相性が悪過ぎた街。多分、もう2度と訪れることはないでしょう。カプリに向かう高速船の上から、絶景のナポリの街とベスビオ山に永遠の別れを告げます。


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縁起の悪いナポリよ、さようなら・・・。

もう、ほとんどナポリの街は小さくなって見えなくなりました。


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やがて、船上からソレント半島の尖端も見えてきます。


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カプリ島も近づき、はっきりと島の姿が捉えられるようになります。


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船はカプリ島の玄関口マリーナ・グランデMarina Grandeに近づいていきます。


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船はマリーナ・グランデへの着岸準備にかかります。晴れ上がった空の下、カプリ島はいい眺めです。


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カプリ島の山の上にはまだまだ陽が高く、まぶしいほど輝いています。ナポリでは本当に天国と地獄を味わいましたが、カプリ島ですべてリセットしましょう。


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カプリ島にそろそろ上陸です。



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この記事へのコメント

1, レイネさん 2012/01/03 13:53
やっぱり、ナポリでスリに遭いましたか。でも、被害が小額だったのが不幸中の幸いですね。乗り物の出・入り口付近には南欧ではどこもスリがうようよしていて危ないです。
新年早々、夏のヴァカンス計画を立てています。こちらでは年頭に、同業者同士や部署内でヴァカンスの期間が重ならないよう調整するので、スケジュール立てるのも予約も今が勝負。実は、ナポリ南のアマルフィ海岸およびチレント海岸を2週間セイリングしようと思ってるんです。この数年は、ヨットをチャーターするセイリング・ヴァカンスにはまってます。去年はサルディニア島北部とコルシカでした。ナポリには行ったことがないので、わくわく。でも、物騒・剣呑なので気をつけないと。

2, saraiさん 2012/01/03 23:44
レイネさん、まさしく「やっぱり」でした。お粗末でした。
アマルフィ海岸2週間のクルーズとは何と豪勢な!!
セイリング・ヴァカンスなんですね。羨ましいことです。
ナポリは十分に気をつけてくださいね。

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ナポリは天国と地獄:カプリ島のお洒落なホテルですべてをリセット

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/6回目

カプリ島Capriのマリーナ・グランデMarina Grandeに到着です。

ここで、今回の旅の行程を地図で確認しておきましょう。ミラノ到着後、鉄道でローマ、ナポリと移動し、そこから船でカプリ島までやってきたわけです。


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高速船から、スーツケースをがらがら引いて上陸します。マリーナ・グランデは人・人・人です。ここからホテルに電話をして、送迎シャトルをお願いします。


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マリーナ・グランデにあるケーブルカー乗り場に迎えに来てもらうことにします。すぐ近くの乗り場の方にスーツケースを引いて移動します。


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さすがにカプリ島ですね。日本人の団体なども多く見かけます。sarai達の隣には、日本人と思われる若いカップルも立っています。かなり待たされましたが、ホテルから迎えの車が来ました。すると、一緒に近くで待っていた日本人のカップルもその車に乗り込むのでびっくりです。お2人は新婚旅行中だということです。若いお2人と一緒になり、なんだか楽しいですね。
送迎シャトルは狭いくねくねした道を高台に上っていき、ホテルに到着します。
ホテルは『ホテル エクセルシオール・パルコ(Hotel Excelsior Parco)』です。ここでは1泊のみです。

もともと泊まる予定はなく、「青の洞窟」への再チャレンジだけにカプリ島に行くつもりでした。が、「青の洞窟」へは午前中が狙い目ということなので、日程を組み替えて1泊してもよいかなと思ったんです。それにカプリ島からはアマルフィまでクルーズする予定なので、大きな荷物のことも考えて泊まることにしました。
そういうわけで、マリーナグランデからの出入りが便利で景色もよさそうなホテルということで、このホテルを選択しました。何といってもマリーナグランデからの無料シャトルサービスがついていたのが決め手です。お蔭でナポリが2泊の予定が1泊になり、ナポリのホテルのおしゃべり好きな女主人からは、最初は2泊の予定だったのに1泊に変更したのねって、ちくっと言われました。このカプリのホテルはキャンセル不可条件でなるべく安価に済ませましたが、それでもさすがにリゾートホテルなので、ナポリのホテルの2倍の宿泊料。予算も超過です。

ホテルの入口と送迎シャトルです。


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ホテルはちょっと高台にあり、ロケーションが素晴らしい、なかなかおしゃれなホテルです。saraiが奮発しただけのことはあります。外観は瀟洒な邸宅を思わせるような雰囲気です。


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ウェルカムシャンパンも出ます。


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シャンパンを味わっているうちにチェックイン手続きが終わり、部屋に御案内です。と、グレードをUPしてシーサイドビューのお部屋を用意させていただきましたとのこと。やったね。悪いことばかりではありませんね。
部屋に案内されますが、チップもあげられません。ナポリで小銭入れを盗まれたことを話すと、それは大変だったと慰めてくれました。後ほど小銭への両替をしてくれるようお願いします。
お部屋は素晴らしいです。広々としたベッド。


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水回りもタイル張りの綺麗なバスルームです。が、残念ながらバスタブはなくシャワーのみです。


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デスクも美しいもので、照明スタンドも可愛いですね。


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ハイライトは専用ベランダです。広いスペースには可愛いテーブルと椅子。地中海も望めます。


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デッキチェアーも用意され、リラックスして海が眺められます。


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部屋からの眺めは素晴らしいです。部屋のテラスからはホテルのお洒落な中庭が見下ろせます。


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地中海も木々の向こうに見通せます。


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saraiもやっと上機嫌です。部屋でゆったりしましょう。ナポリでは色々あったし、昨日はアッピア街道で歩き疲れましたからね。

ところで、無線LANの接続は無料で、問題なく接続できました。

部屋でゆっくりした後、まだ明るいので、もっと眺めがよさそうなところを探してみましょう。部屋を出て、ホテルの中を探索。屋上のテラスに出てみます。とてもよい眺めです。太陽が沈んだカプリ島の山の岩肌が綺麗です。


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海の方に目を転じると、カプリ島の岸壁が落ち込んでいる地中海、その向こうにはソレント半島が霞んで見えます。


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部屋に戻り、乾いた喉に冷たいものが欲しくなり、ルームサービスでレモンシャーベットをお願いします。でも、運んでくれたメイドさんにもチップはあげられません。ゴメンナサイね。シャーベットはとっても美味しかったのですけど・・・。


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とてもリラックスでき、昨夜の睡眠不足ととんでもない出来事の連続での疲れもあり、saraiはぐっすり寝込んでしまいます。夜もすっかりふけた頃、配偶者に起こされ、ルームサービスで夕食をお願いすることにします。ルームサービスって結構便利なんですよ。どんなに好き勝手な内容の注文をしようが許されるし(1人2品とか言われない!)、寝間着にスリッパでOKだし、結果的に安く済みます。ルームサービスのある立派なホテルには滅多に泊まらないけど、ルームサービスがあるときには利用しないとね。折角のリゾート気分をゆっくり味わいましょう。
ということで、ルームサービスで遅い夕食。スプマンテで乾杯し、色々あった波乱と感動とリラックスの1日が終わります。


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明日は今度こそという青の洞窟への再挑戦。そして、再挑戦後はカプリ島を離れ、アマルフィ海岸をクルーズして、アマルフィAmalfiの街に向かいます。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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