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シチリア島でもカラヴァッジョ:メッシーナのドゥオーモ、そしてカラヴァッジョへ

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/1回目

旅は10日目です。

シチリア島の最初の朝です。イタリア半島から海峡を隔てた街メッシーナMessinaに昨夜着いたばかり。saraiはぐっすり眠っていますが、配偶者は久しぶりにお茶が飲みたかったようで、チョット早起きしたようです。まずは配偶者がシャワーを浴びてサッパリ。メッシーナのこのホテルは、なんと4つ星ホテルで、さすがに洗面所のアメニティもそろっています(歯ブラシも櫛もシェーバーもある)。バスローブもあります。が、残念ながらイタリアではお風呂につかる習慣がないということで、バスタブはなくシャワーだけです。でも、暖かいお湯がたっぷり出ます。


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部屋の設備も充実。湯沸器もあります。各種茶葉も用意されてます。


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配偶者が紅茶を淹れてゆったりとくつろいでいる頃に、saraiはのんびり起きだしてシャワーを浴び、紅茶をご相伴です。


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さあ、お天気チェック!
もう雨は止んだと思っていたのに、夜の間に激しく雨が降ったようですし、まだ、今も雨が残っています。ベランダはビショビショで雨粒がポタポタ落ちています。どんよりしていますが、雨は止むでしょう。

部屋でゆっくりしたところで、saraiの起きてくるのを待ちかねていた配偶者と朝食に出かけます。

さすがに4つ星です。一般的ですが食べ物がズラリと並んでいます。でも、朝食はほどほどの量にしておきましょう。


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朝食レストランもゆったりして上品です。


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このレストランで目を惹くのは、果物。中でもメロン(マスクメロンではないですが)。この種のメロンが水分たっぷりで甘くてものすごく美味しいことを、この旅で発見。今朝はメロンを中心に頂きましょう。


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いったん部屋に戻って、部屋のテラスから街の様子を見渡します。街の建物の向こうにはメッシーナの海峡が見え、その先は対岸のイタリア本島も見えています。


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天気がもう一つなので残念ですが、この部屋の専用テラスもながめがよく、気持ちがよさそうですね。まあ、カプリ島、アマルフィと気持ちのよい専用テラスを楽しんだので、もう十分ですけどね。


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下を見下ろすと、ホテルの前には大きな通りがあります。この通りを歩くことになりそうです。


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雨はほとんど止んでいまが、雨除けにウィンドブレーカーを着て出発です。この街ですべきことはただひとつ、メッシーナ州立美術館Museo regionale di Messinaでのカラヴァッジョ鑑賞です。ドゥオーモDuomo近くから美術館へのトラムが出てるようなので、まずはドゥオーモに向かいます。メッシーナはほとんど詳しい情報がないので、様子を見ながら道行く人にドゥオーモの場所を聞きながら向かいます。綺麗な並木の通りに出ました。ドゥオーモも近い筈です。


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なんとか建物の向こうにドゥオーモの尖塔を発見。ほっとします。


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どの街のドゥオーモも立派ですが、ここのドゥオーモも立派です。大地震と世界大戦で破壊され、何度も再建したもののようですが・・・。


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ホテルからドゥオーモまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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内部に入ってみると、誰もいません。シーンと静かです。厳粛な気持ちになります。


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祭壇はモザイク装飾です。飾られている彫刻も、聖人というよりギリシャ彫刻的な感じがします。ギリシャやトルコの影響が大きいのでしょうね。


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外に出て、正面からファサードを鑑賞。素朴ながらも美しい装飾が施されています。


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横に建つ鐘楼Campanileは華麗な金色の彫像で飾られています。これらの金色の彫像はからくり時計として動くそうですが、それは正午なので、待っているわけにはいきません。


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ドゥオーモ前の広場には美しいオリオンの噴水Fontana del Orioneがあります。


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十分にドゥオーモ鑑賞は済ませたので、今度は急いで美術館に向かいましょう。トラム乗り場を探します。でも、これが大変・・・誰に聞いても説明が難しいらしく、あっちの方と方向が分かるだけ。それでもありがたいです。(近くに2つのトラム乗り場があったので、人によって、別の乗り場を教えてくれたようです。)


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ようやく海沿いのヴィットリオ・エマヌエーレ2世通りVia Vittorio Emanuele IIに出ることができます。


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そして、ここでトラム乗り場Dogana/Palazzo Realeを発見。


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ドゥオーモからここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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数人の人とトラムを待ちますが、なかなか来ません。暇つぶしに港を眺めながら時を過ごします。


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この後トラムで美術館に向かいます。


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シチリア島でもカラヴァッジョ:メッシーナのカラヴァッジョに心から感動

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/2回目

トラム乗り場でずい分トラムの到着を待ちます。いらいらしながら20分ほども待った頃ようやくトラムがやって来ます。


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でも、そのトラムに表示されている行き先が、saraiの仕入れた情報とは違います。1系統しかないはずなので、とりあえずこのトラムに乗り、美術館に行くかと乗客に聞くと、乗っていたおばさん達が口を揃えて行くわよとのことです。そして訳の分からないイタリア語でいろいろ話しかけてきます。気のいいおばさん達といい加減な会話を楽しみながら、トラムは港に沿って走っていきます。と、ものすごく立派な超豪華客船が停泊している横を通り過ぎます。何故か、おばさん達にあれに乗って来たのかと聞かれます。


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まさか! 電車で来たと答えます。途中で1人のおばさんが降りていきますが、もう1人のおばさんが私は美術館まで行くから大丈夫よと心強いお言葉(すべて勝手な解釈です)。そして、資料では終点で降りることになっているのに、その前の停留所でさあ降りるわよと付いてくるように言います。その駅は、終点MUSEOのひとつ手前のRINGOです。仕方がないのでトラムを降りておばさんの指差す方を見ると、美術館があります。感謝感謝です。このおばさんがいなかったら美術館には到着できなかったかもしれません。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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メッシーナ州立美術館Museo regionale di Messinaの入り口はこんな閑静な感じです。


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美術館へのアプローチは緑と花々に囲まれて、とっても綺麗です。


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ひとしきり入り口前で緑を楽しみます。綺麗な花々が咲いています。


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果樹もたわわに実をつけています。


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しかし、目的はカラヴァッジョの絵の鑑賞です。早速、美術館の建物にはいります。


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受付で2人分のチケットを買おうとして10ユーロ札を出すと、違うと言われ、それではと5ユーロ札を追加するとそれでもノー。えらく高価だなと思いながら20ユーロ札を出すと、そうではなくて2人で6ユーロだからおつりなしで出せと言っているのことがようやく分かりました。例の事件(ナポリでの小銭入れ盗難事件)でコイン不足なので、できればコインを使いたくないのですが、しぶしぶ6ユーロちょうど払って1件落着。さあ気を取り直して、入館です。

ルネッサンス以前のような宗教画がずらっと並んでいます。あまり出来がいいとは思えないものがほとんどです。多分入館者は我々だけのようで、我々の歩みに合わせて美術館のスタッフが3人も後から距離を置いてついてきます。セキュリティのためでしょう。構いませんよ。後ろめたいことは何もありませんからね。
小さな建物を半分ほど周ったところで、急に前ルネッサンスの絵画から趣向ががらっと変わります。もしや・・・そうです、カラヴァッジョです。まず、目についたのは《ラザロの復活》です。大変暗い画面に一筋の光が斜めから差しています。光のもとには暗くて顔の判別も難しいキリスト、そして、光に照らされているのは死から復活を遂げようとしているラザロです。ラザロの周りを囲む人たちにも部分部分に光があたっています。この少量の光の効果の素晴らしいこと、天才のなせる業です。単に絵が上手いだけでなく、ダイナミックなドラマを絵画として成立させている知的能力、これがカラヴァッジョの素晴らしさです。お付きの3人組は今や我々のすぐ後ろに立ち、ずっとこの部屋に一緒にいます。ちょうどよいので、彼らに写真を撮る許可をもらいます。すると親切にも彼らが照明の調整をしてくれます。グラッチェ! 思う存分、撮影三昧です。


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しかし照明が強過ぎて、絵に光が反射してうまく撮影できませんでした。残念です。よく見えず、ごめんなさい。

このとき、カラヴァッジョの部屋にいるのは独占鑑賞中の我々2人とお付きの3人組だけ。
次に隣の壁に目を移すと、これまたカラヴァッジョです。《羊飼いの礼拝》です。


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生まれたばかりのキリストを優しく抱いているマリアを、羊飼いたちとヨセフが礼拝しているシーンです。これも暗い絵ですが、薄暗がりの中に聖母マリアの母としての優しさがにじみ出て、見るものを暖かく包み込みます。思わず聖母マリアと幼子キリストだけをクローズアップして撮影してしまいます。


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ああこの母の優しさに包み込まれたら、もう何もいらない。自分の存在が溶け出してしまいそうです。絵画でありながら、描かれた奥の深いところから別次元の力が放射してくるような、絵画を超えた絵画です。カラヴァッジョは晩年そんな高みにまで達してしまったんですね。これらの2枚はマルタ島の要塞監獄から脱出した後このメッシーナに身を潜め、荒れた気持ちのときに描いたそうですが、実生活とは逆に芸術的・精神的に恐ろしいほど充実のときを迎えたようです。またこの2枚は教会の祭壇画でしたが、教会は地震や戦災で崩れ落ちたにも関わらず2枚の絵画は奇跡的に救われ、こうして美術館に収められているそうです。見るものと言えば、この2枚のカラヴァッジョの絵画だけの美術館ですが、まあなんと素晴らしい所蔵品があることでしょう。

カラヴァッジョを心ゆくまで鑑賞した後、美術館の中庭に出ます。


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煉瓦を敷き詰めた中庭には彫像がいくつか置かれ、とてもいい雰囲気です。井戸と聖母子像を正面から見ます。


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美術館を出て緑の小径を奥に歩くと、大きなオブジェがあります。古代の遺跡風ですが、結構新しそうな感じもします。


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さらに奥には、小さな凱旋門のようなものもあります。何でしょうね。


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そろそろ美術館を出て帰りましょう。この街での目的を遂げて、すっかり満足です。


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シチリア島でもカラヴァッジョ:メッシーナを出発し、ローカル列車でシラクーサへ

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/3回目

メッシーナ州立美術館Museo regionale di Messinaから、またトラムに乗って帰りましょう。トラムの停留所RINGOに着きました。でも線路を人が歩いている状態では、トラムの到着はまだまだでしょう。


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トラムの情報も古いのだか間違っているのだか・・・。saraiの感じでは、このトラムはドゥオーモDuomoの先からドゥオーモ~メッシーナ駅~美術館前を通って美術館のちょっと先までを、1車両のみが往復しているのではないかと思われます(実際はトラムの経路はドゥオーモの先の中央駅を通り越して、ずっと先まで延びているようです。ですから、さすがに1車両のみというわけではなさそうですね。)。だから30分おきほどにしかトラムは来ないのでしょう。というわけで、大分待たされましたがトラムはやってきて、乗り込むとガラガラに空いています。こんなに不便なトラムでは利用者も少ないのでしょう。


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旅人のsaraiにとっては貴重なトラム体験なので、車窓を楽しまなくてはと思います。海辺の公園には戦士の像が建っています。


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港の近くを通過する際、港の中に立っている聖母マリアと思しき金色の彫像を戴いたシンボル塔がよく見えます。フェリーで港に到着したときも見えましたが、暗くて写真に撮れなかったものです。この彫像は青銅に金箔を施した高さ6mのものです。


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往きに見た豪華客船のところまで戻ってきました。


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メッシーナ中央駅の前で降りて、無事にホテルに帰着。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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まだ、ホテルの外観の写真を撮っていなかったので、せめて入口だけでもと写真におさめます。ホテルの建物は大きく立派なんです。


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もうチェックアウトは終わっているので、預けておいた荷物をレセプションで受け取ります。


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ロビーも立派でソファーもゆったりとしています。


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さて、駅に向かいましょう。近くて便利です。

このホテルは立派なホテルですが、ビジネス客向けですね。観光の街ではないので当然でしょうね。メッシーナで泊まるのはこのホテルしかないでしょう。

駅の窓口でシラクーサSiracusaまでのチケットを購入しますが、2人と言ったのに1人分しか発券してくれなくて、何だか変だと気付いたsaraiがもう1人分を発券してもらい事なきを得ました。saraiがチケットを買っている間に配偶者は面白いものを発見。2人乗りの自転車を押した2人連れのカップルです。自転車で旅をしているようですね。列車に乗るらしくホームに出て行きます。実はこの人たちと意外な所で再会することになります。


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列車の中での食べものとコーラをゲットして乗車です。


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乗車するローカル列車はメッシーナ12時20分発で、目的地のシラクーサSiracusaまで3時間半もかかります。列車に乗り込むと発車する前にランチをいただきます。まずはコーラで喉を潤しましょう。


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食べ物のパックを開きます。


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ゲットした昼食は、ライスボールのようなものですがなかなか美味しい。イタリアの食文化恐るべしです。これはシチリアっ子の大好きなアランチーニという食べ物です。イタリア語でオレンジのことをアランチアと言いますが、その大きさと形が似ているのでアランチーニっていうそうです。


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中身が異なる色々な種類のアランチーニがあります。


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ランチを食べていると、列車がメッシーナ中央駅Messina Centraleを出発します。


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メッシーナ中央駅を出ると、列車はずっと綺麗な海岸線を走ります。ビーチがずっと続いています。夏は賑わうのでしょうね。ところでこの路線は単線のようで、何度も対向する列車待ちをしながらのんびりとシラクーサを目指して走ります。途中で検札があります。ハイ、チケットは2人分持ってますよ。車掌さんに見せると、何かチケットに書きこんでいます。戻されたチケットには日付が書きこまれていました。そうです、忘れていました。乗るときに打刻しておかないと違反で(打刻しなければ何時でも何度でも使えてしまう)、これも罰金なんですよ。バカな旅人と見逃してくれたのでしょう。ありがとう!
1時間ほど走ると、綺麗な海岸が見えてきました。タオルミナ近くの海岸のようです。ここもこの季節は、賑わいとはほど遠いですね。


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5分ほどでタオルミナTaorminaの駅に到着。


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タオルミナを出ると、途中から海岸線を離れてオリーブ畑の中を走ります。雨はしつこく降ったり止んだりです。メッシーナの美術館に行くときは止んでいて良かった・・・。
列車は一路シラクーサに向かいます。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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シチリア島でもカラヴァッジョ:シラクーサでイタリア最後のカラヴァッジョと対面

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/4回目

予定通りメッシーナ中央駅Messina Centraleから3時間半ほどでシラクーサ駅Stazione di Siracusaに到着です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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シラクーサSiracusaの旧市街のあるオルティージャ島Isola di Ortigiaは駅からちょっと離れた所にあるのですが、駅からは無料の送迎バス(30分に1本)が出ているとのホテルからの事前情報を得ています。ところが、駅前にはそもそもバス乗り場が見当たりません。


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バス乗り場を探して、駅前の広場を出てみます。広場から見たシラクーサ駅の駅舎です。


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バス乗り場は駅前広場の一筋向こうにあり、見つけるのに苦労します。いったいどんな送迎バスかと思いきや、立派な市内バス20番が無料ということです。なかなか太っ腹なシラクーサ市ですね。


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シラクーサの旧市街のオルティージャ島は岬の突端の離れ小島で、橋を渡ると島に入ります。

バスをオルティージャ島のアルキメデス広場Piazza Archimedeで下ります。ホテルはそこからローマ通りVia Romaを少し進み、最後は本当に細い路地の奥で、とっても古~い建物にあります。


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駅からホテルまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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今日から泊まるホテルはアレトゥーサ・ヴァカンツェB&B(Aretusa Vacanze B&B)です。ここで2泊します。

シラクーサはカラヴァッジョの祭壇画のあるサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会がオルティージャ島にあるので、迷いなくその近くのホテルにしました。それにコスト的にも満点です(2人で1泊67ユーロ)。

早速チェックインですが、レセプションのお兄さんは英語もうまく、とても親切そうで安心です。


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部屋に案内してもらいます。エレベーターは操作にコツが必要で、ボタンを押し続けないと途中でストップしてしまいます。分かってしまえば問題ありませんが、なんだかドキドキしますね。


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案内された部屋は、古い建物を上手に生かしたなかなか雰囲気のある小奇麗な部屋で、キッチンまで付いています。


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ベッドも広々。


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バスルームはちょっと狭いですが普通です。ここにもバスタブはなく、シャワーのみです。


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キッチンは鍋や食器も一通り揃い、自炊もできそうです。


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無料の無線LANも問題なくつながります。快適な2日間になりそうです。


では、早速イタリアで最後となるカラヴァッジョを見に出かけましょう。ホテルの狭い路地を出て、鄙びたカポディエチ通りVia Capodieciを歩きます。


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さらにヴェルジニ通りVia delle Verginiを進むと、ドゥオーモ広場Piazza del Duomoに出ます。カラヴァッジョの祭壇画のあるサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会Chiesa di Santa Lucia alla badiaはこのドゥオーモ広場にあります。ホテルから歩いて5分ほどですぐに着きました。ホテルでチェックインのときに、レセプションの英語の堪能なお兄さんが丁寧に場所を教えてくれたので、迷わずに行くことができました。教会に入ると中はがらんとした空間ですが、遠くに祭壇が見渡せ、照明で浮かび上がっている絵は紛れもなくカラヴァッジョの《聖ルチアの埋葬》です。遠目にもなんて素晴らしい絵画なのかが一目で分かります。近くに寄ってじっくりと見ると、その素晴らしいこと。これも傑作中の傑作です。(なお、教会内では写真撮影禁止なので、教会入口付近で求めた絵はがきでこの絵をご覧ください。)


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聖ルチアの亡骸を埋葬しているシーンが臨場感たっぷりに描かれています。不思議なことに平面に描かれた絵画なのにその絵画は立体的に感じられ、埋葬の場面に絵を見ている我々も入り込んで一緒に埋葬に参加している錯覚に陥ります。聖ルチアを失った悲しみを絵画の中の人物たちと一緒に共有している気持ちになり、目頭が熱くなります。これも絵画を超えた絵画です。カラヴァッジョの底知れぬ才能に魅了されるのみです。この絵を描いた2年ほど後にカラヴァッジョは38歳の生涯を終えますが、このまま絵画の道を突き進んでいたら、きっと途轍もない世界まで達しただろうと惜しまれてなりません。

この絵を描く直前にカラヴァッジョはマルタ島から逃亡してきました。そして、この逃亡の地シラクーサでこの絵を描きました。saraiは時代を遡ってこの後、マルタ島に出かけて、マルタ島時代に描いた作品を見る予定です。とても楽しみです。

ところで、聖ルチアは首を切りつけられて殉教した美少女で、シラクーサの街の守護聖人です。毎年盛大に聖ルチアを祝うお祭りがあります。シラクーサにとって、カラヴァッジョのこの絵は街のシンボルと言っていい宝物でしょう。よいものを見せてもらいました。

今日シチリア島で見た3作はカラバッジョが38歳の早過ぎる死の2年ほど前に描いた大作ばかりで、カラバッジョの無限の才能を感じさせられるものでした。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計26枚見ることができました。これでイタリア国内のカラバッジョはローマで貸出中の3点を除いて、ほとんど見ることができました。カラバッジョを巡って旅して本当に幸せです。

教会を出て、あらためてサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会のファサードを見ます。先程はカラヴァッジョを早く見たい一心で、教会の建物を見る気持ちの余裕はありませんでしたからね。


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教会はシラクーサのドゥオーモ広場に面しています。この広場はものすごく美しい広場です。今まで見たヨーロッパの広場の中で一番かもしれません。


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このシラクーサの街は紀元前までさかのぼる歴史があり、かのアルキメデスが生まれ、走れメロスが友を助けるために走った街です。が、何度も地震や世界大戦などで壊滅状態になりながら元の状態にと復興してきた街だからこそ、この広場の美しさがあるのかもしれません。広場の真ん中に立ち、今度はサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会の方を振り返って見ます。どの方向から見ても美しい広場です。


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広場には多くのツアー客がぞろぞろと歩いています。なかなか人気のある観光地なのでしょう。広場の中核であるドゥオーモDuomoの前に立ちます。目の前にはドゥオーモの素晴らしいファサードがあります。


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下から見上げると、ギリシャ風の柱の美しさにうっとりします。


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ドゥオーモの入口では、ちょうど結婚セレモニーの真っ最中。花嫁さんが美しいですね。おめでとう!


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ドゥオーモに建つ彫像も素晴らしいです。


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ドゥオーモの横にもミネルヴァ広場Piazza Minervaが続いています。こちらも美しいです。


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再度ドゥオーモのファサードの上部に見とれます。本当に見事です。


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ドゥオーモの内部にもはいってみましょう。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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シチリア島でもカラヴァッジョ:シラクーサの美しい海と「アレトゥーサの泉」

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/5回目

シラクーサSiracusaのドゥオーモ広場Piazza del Duomoの美しさにすっかり魅了されました。次はドゥオーモDuomoの中も見ておきましょう。内部もギリシャ風です。


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中はこれという見どころはありません。また広場に出ますが、すっかり雨模様です。ただ、小雨です。


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雨の中ですが、シチリア名物のジェラートは味わっておきましょう。広場の隅にジェラート屋さんがあります。さすがに美味しいですね。


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レモンとピスタチオのジェラートです。シチリアと言えば、やはり、レモンとピスタチオですね。ジェラートを食べながら、広場をあとにして海岸の方に向かいます。すぐに海を臨む展望台、アレトゥーサ広場Largo Aretusaに出ます。美しい海の向こうはシチリア本島です。


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海の色が独特で、見たことのない光景です。先程とは反対の方向を見ていますが、内海のような感じでぐるりとシチリア本島に取り囲まれています。


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この展望台は我々以外にはほとんど人がいませんが、展望台の横は人だかりができています。観光名所なのでしょうか。


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そちらに移動すると、「アレトゥーサの泉」Fonte Aretusaがあります。ニンフのアレトゥーサが泉になったという伝説のある泉です。泉に自生しているのはパピルスだそうです。初めて見ます。白鳥もいます。


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この泉は結構広い泉です。ぐるっとまわって反対側まで行ってみます。


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泉の先には、海岸沿いにレストランや土産物店が並んでいます。このあたりはシラクーサの観光地なんでしょうね。


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少し暗くなってきたのでギリシャ遺跡巡りは明日にして、夕食までホテルで休憩することにします。狭いカポディエチ通りVia Capodieciを歩いて、ホテルに戻ります。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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「アレトゥーサの泉」からホテルへは5分もかかりません。ホテルの名前にもアレトゥーサの名前が付いているくらいですから、当然といえば当然です。
部屋でゆっくりして、ディナーはシチリア料理です。



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シチリア島でもカラヴァッジョ:シラクーサでも美味しいシチリア料理を堪能

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/6回目

ホテルから夕食に出かけます。またまたドゥオーモ広場Piazza del Duomoを通ります。夜の帳がおりて、サンタ・ルチア・アッラ・バディア教会Chiesa di Santa Lucia alla badiaもうっすらとライトアップされていて、雰囲気があります。


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路地のような狭いサヴェリオ・ランドリナ通りVia Saverio Landolinaを歩きますが、明るく賑やかです。


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通りの店先に面白いものを見付けました。とても艶やかで綺麗な魚の置物です。まさかルアーじゃありませんよね。


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カヴール通りVia Cavour沿いにあるレストランに到着します。人気の高いシチリア料理店シチリア・イン・ターヴォラ(Sicilia in Tavola)です。特にパスタが美味しいそうです。シラクーサに向かう列車の中から早めに予約を入れておきました。今日は土曜日の夜。大変混み合っているようで、予約なしのお客さんが次々とやってきますがことごとく断られています。早めの予約は大正解でした。我々は7時半開店と同時の1番客です。
料理はアンティパストはブッフェということで、10種類くらいの料理から自分で好きなものをチョイスして皿に盛りつけます。これは配偶者の役目で、どっさりとナス料理を楽しんでいます(ナスはsaraiの嫌いな野菜・・・)。


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シチリア産のフルーティーな白ワインも注文。とても美味しい。


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次は海の幸のスパゲッティ。こしのある手打ち麺が絶品。


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メインはsaraiが海の幸のズッパです。


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配偶者のメインはムール貝のズッパ。見かけはどちらもムール貝が大量に入っていて同じです。


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配偶者は昨夜と違いもりもりと皿を平らげて、saraiの分まで手伝って、完食! もう満腹だという配偶者を無理にカプチーノに誘い注文しますが、ここにもカプチーノはないそうです。では、エスプレッソを・・・。


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非常に苦みのあるコーヒーがだんだん癖になりそうです。我が家でもコーヒーマシーンで、いつも飲んでいるカプチーノではなくエスプレッソを飲んでみましょう。

食事が終えても相変わらずテーブルは満席状態です。我々が1番客ですから、最初に食事を終える客ということになります。


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会計を済ませ、お店を出ようとするときに、一組のお客さんと入れ違います。何とあのメッシーナの駅で見かけた自転車野郎です。お店の前には、あの2人乗りの自転車が停めてあります。メッシーナで見かけたよと楽しく握手して、別れます。非常に混み合っているお店ですが、我々がテーブルを空けたので彼らがちょうど入れ替わりに入れたようです。

帰り道は雨がそぼ降っていて、ライトアップされたドゥオーモ広場が物悲しく美しく感じられます。
広場の向こうにサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会が見えます。


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振り返ると広場の右手にドゥオーモが見えます。


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ドゥオーモ広場を過ぎて、ご機嫌に酔っぱらったsaraiはふらふらと道に迷ってしまい、配偶者に違うわよと止められても分からずにどんどん間違った道を進んでしまいます。ようやく間違っていることを認識したsaraiが正しい道に戻り、無事にホテルに帰り着きます。どうもゴメンナサイ。今日の1日の幸せに感謝しつつ、穏やかに就寝です。

明日はもう1泊シラクーサです。雨模様なので、ゆっくりしましょう。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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