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ルーブル美術館見て歩き:コンコルド広場からチュイルリー公園

2011年4月1日金曜日@パリ/1回目

旅の3日目です。

朝は何やら外がうるさいので早くから目が覚めます。毎朝ではないけれど、朝のまだ暗いうちから(五時くらいから?)通りの清掃が始まります。ガ~ガ~結構うるさい音。このお蔭でいつも美しい街並になっているのでしょうが、かなりうるさいですよ。もっとも、眠かったので、また、眠ってしまいましたけどね。

時間になり、そこそこに起き出します。今朝は、曇り空ですが雨は降りそうにありません。でも、結構寒いですよ。

さて、朝食は無論無料で付いています。昨日の朝はロワール古城巡りに早起きして出かけましたから、朝食は残念ながらパスしましたが、今日からはしっかり頂きます。朝食のレストランは地下です。レンガ造りのワイン倉庫のような感じの空間です。狭いですがなかなかいいですね。


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メニューの内容はパンとハムなどで普通です。
が、メイドさんが「コーヒー?チョコレート?」と聞きます。チョコレートって言うなんて、さすがにパリですね。もちろん配偶者はチョコレートをお願いしています。が、出してくれるのは、粉末チョコレートとミルクです。今どきなのでしょうね。配偶者はちょっと残念そうですが美味しいので良しとしましょうとのこと。


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総合的な評価ではこのパリのホテルが今回の旅のホテルでは最低なので、この後のホテルが快適に感じられるのが今回の旅での特徴でしょうか。

朝食を済ませ、ホテルを出発。ホテルの外に出ると、ちょうど出たところが公共自転車の駐輪場。自転車を使えば、街中を颯爽と風を切ることもできるでしょうが、今回はその機会がなく、残念です。


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今日は本当に久しぶりのルーブル美術館訪問です。前回訪れてから10年以上経っているかもしれません。
メトロを乗り継いで行きます。最寄りのノートルダム・ドゥ・ロレット駅Notre-Dame-de-Loretteからメトロの12号線でコンコルド駅Concordeまで行き、乗り換えです。
ノートルダム・ドゥ・ロレット駅はホテルから3分ほどのすぐ近くにあります。駅名の由来であるノートルダム・ドゥ・ロレット教会Notre-Dame de Loretteの前がメトロの入口です。折角ですから、メトロに乗る前に教会に入っておきましょう。入ると、特徴のある素晴らしい天井、側面の列柱と絵画など重厚な空間が広がっています。入ってみてよかった!


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教会の名前になっているロレットはイタリアの地名Loretoで、この教会はロレートの聖母マリアに捧げられているそうです。ロレートの聖母と言えば、カラヴァッジョの名画を思い出します。いつか、ローマのサンタゴスティーノ聖堂Santa'Agostinoまであの名画を見に行きたいと思います。

中程から後ろを振り返ると、見事なパイプオルガンが天井とマッチしています。


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さて、メトロに乗って、乗り換え駅のコンコルド駅に到着。ここで乗り換えですが、久しぶりにパリの中心地を歩いてみるのもよいかなと思い付き、コンコルド広場Place de la Concordeから歩いてルーブル美術館Musée du Louvreに向かうことにします。地上に出ると、いきなりコンコルド広場の中心に建つオベリスクとその向こうにパリのシンボルのエッフェル塔Tour Eiffelが見えます。


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すぐ近くのオランジェリー美術館Musée de l'Orangerieの向かいに建つジュ・ド・ポーム美術館Galerie nationale du Jeu de Paumeの小高いテラスにあがると、このあたりが一望できます。


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セーヌ川方面に目を向けると、ずっと向こうにアンバリッドInvalidesの金色のドームも見えます。


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エッフェル塔がかなり遠くに見えるので、ズームアップして撮影してみます。コンコルド広場のオベリスクと並んで美しいですね。


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久しぶりのパリの景色に興奮しながら、ひとしきりカメラのシャッターを切り、ようやくルーブル美術館の方に向かいます。せっかくですから、チュイルリー公園Jardin des Tuileriesの芽吹き始めた美しい木々の間を歩いて行きましょう。


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この公園はパリの中心にあるにもかかわらずとても広大で、ジョギングしている人たちがいます。東京のどこかみたいですね。
公園の中ほどまで来ると、はるか遠くにルーブル美術館に隣接するカルーゼル凱旋門Arc de Triomphe du Carrouselが見えてきます。


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さらに進むと、やっとルーブル美術館が見えてきます。


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チュイルリー公園の美しい花壇には、チューリップ、ヒヤシンス、ラッパ水仙が咲いています。春ですね。


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別の花壇には見事に咲き誇った花木があります。花桃でしょうか?


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いよいよ、チュイルリー公園からルーブル美術館にはいるところまでやってきました。チュイルリー公園を抜けるのに10分ちょっとでしたが、とても遠かった印象です。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ルーブル美術館見て歩き:一路モナリザへ・・・でも、その前に

2011年4月1日金曜日@パリ/2回目

やっとルーブル美術館Musée du Louvreの敷地に足を踏み入れます。目の前に巨大なルーブル美術館の建物が広がっています。


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ようやく凱旋門です。このカルーゼル凱旋門Arc de Triomphe du Carrouselはもともとはチュイルリー公園の門として作られたそうです。有名なシャンゼリゼ通りの凱旋門Étoile(エトワール凱旋門)の半分くらいの大きさですが、これもなかなか立派です。


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凱旋門の上には、平和を象徴する女神がチャリオットに乗っていて、その両脇に金メッキされた勝利の女神が馬を牽いて立っています。もともとはナポレオンがヴェネチアのサンマルコ寺院から持ち帰った馬だったそうですが、ナポレオン失脚後にヴェネチアに返却したそうです。もっとも、そのサンマルコの馬ももともとはコンスタンチノープルの競馬場から奪い取ったものだそうです。歴史って面白いですね。現在のものは、サンマルコの馬を返却後に新たに作ったものです。


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さて、凱旋門をくぐって進みましょう。向こうには、ガラスのピラミッドPyramide du Louvreが見えています。


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ようやく、ガラスのピラミッドの広場の前まで来ました。これがルーブル美術館の全景といいたいところですが、これは一部ですね。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ピラミッドに入ろうとすると人の行列ができています。


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こんなこともあろうかとあらかじめ、カルト・ミュゼ(美術館のフリーパス券)を購入しておいたんです。


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で、係の人にカルト・ミュゼを見せて通してもらおうとすると、なんと行列の後ろにつけとの指示です。不審に思いながらも仕方なく行列に加わり、そのまま列の先頭の方に進むと、この列はルーブル美術館の入館者のセキュリティチェックであることが分かりました。それは仕方ないですね。
このセキュリティチェックを抜けて入館口のある地下に下りると、チケット売り場には人がそんなに並んでいません。混雑を予想して、パリ到着後空港でカルト・ミュゼを買っておきましたが、あまり意味はなかったようです。
さて、いよいよ日本語の館内案内のパンフレットをもらい入館です。


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今日はダ・ヴィンチの絵を見るのがメインテーマなので、ともかくモナリザの案内指示に従って、館内をひたすら進みます。途中にはミロのビーナスもある筈なので見ていこうとしますが、見つからず断念。2階に上がり、一路モナリザに向かいます。が、その途中で19世紀のフランス絵画の回廊を通りますが、名作が目白押しで目を奪われ、足が止まります。

ジェリコーの「メデューズ号の筏」です。実物大の絵画なので巨大な絵です。


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続いて、ドラクロワの「サルダナパールの死」です。これも大きくて迫力があります。


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同じドラクロワの一番の代表作「民衆を導く自由の女神」です。超有名ですね。


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もっとも、これらはsaraiはそんなに好きなわけじゃないので、ちらちら見ながら素通り状態です。もったいないかな。
回廊と回廊がつながっているところは大きなドームになっており、素晴らしい天井です。ルーブル美術館は建物も凄いですね。


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いよいよモナリザが近付いてきます。


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ルーブル美術館見て歩き:ダ・ヴィンチを探せ!

2011年4月1日金曜日@パリ/3回目

ようやくモナリザに到着。モナリザの前は黒山の人だかりです。さすがにルーブル美術館で一番人気の作品ですね。


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しっかりとガラスケースにおさまっています。


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saraiは、そんなにモナリザに思い入れはないので見るだけ見て、他のダ・ヴィンチ作品を探します。が、ラファエロなどのイタリア作品はありますが、モナリザ以外のダ・ヴィンチが見つかりません。とりあえず、ラファエロを鑑賞しておきましょう。

ラファエロの「美しき女庭師」です。聖母子の代表作ですね。フィレンツェのピッティ美術館にある「小椅子の聖母」に次ぐ作品であると思います。


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ラファエロの「バルダッサーレ・カスティリオーネの肖像」です。ラファエロは聖母子だけの画家ではありませんね。


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この他、ともかくイタリア作品だけでも膨大な数があり、ダ・ヴィンチの作品はなかなか見つかりません。でも、こんなことくらいでダ・ヴィンチの作品との対面を諦めるわけにはいきません。もっと詳細な館内案内図はないかと、もう一度延々と歩いて入館案内所まで戻り聞いてみると、ブックショップにあるかも知れないとのこと。で、ブックショップを見回りましたが、それらしきものはありません。今度は店員さんに聞いてみると、館内案内図は館内案内所にしかないとのこと。つまり、詳細な案内図はないということになります。それならば、誰かに教えてもらうしかありませんね。そこで、配偶者が身振り手振りで粘りに粘って、何とか館内案内所の男の子からダ・ヴィンチ作品の展示場所を聞きだしました!
これが館内地図に書き込んでもらったダ・ヴィンチの作品の展示場所です。青ボールペンで一番下に丸く書き込まれたのがその場所。


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場所がわかれば、元気を出して歩くだけですね。再入館して、再度同じ道を辿ります。前回同様に彫刻の並べてある1階の回廊を通るので、この際彫刻も見ておきましょう。

カノーヴァの「エロスの接吻で目覚めるプシュケ」です。結構、人が集まっています。きれいな作品です。


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今度は「ミロのビーナス」も見つかります。


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またまた2階に上がり、イタリア作品の展示場所に戻り、教えられた場所に行くと遂にダ・ヴィンチを発見!!
特に「岩窟の聖母」の、よく書きこまれたマリアの美しい顔は素晴らしいものです。


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「洗礼者ヨハネ」です。ダ・ヴィンチがモナリザとともにアンボワーズに携えていった作品です。謎めいた雰囲気の作品ですね。


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これも「洗礼者ヨハネ」です。この絵の詳細は知りません。ダ・ヴィンチ工房の作品なのでしょうか。


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「美しきフェロニエール(婦人の肖像)」です。頭部と肩以外は弟子によるものだと言われています。いい作品だと思いますが・・・。


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残念ながら、見たかった「聖アンナと聖母子」は見当たりませんが、まあ、満足です。

ダ・ヴィンチを堪能したので、後はゆったりとこの他の好きな作品を見てまわりましょう。



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ルーブル美術館見て歩き:ボッティチェリなどのイタリア絵画も堪能

2011年4月1日金曜日@パリ/4回目

さて、ダ・ヴィンチを堪能したので、ルーブル美術館での最大の目的は果たしました。でも、久しぶりのルーブル美術館ですから、ほかに見たい作品がいっぱいあります。なかでも、saraiはどうしてもラ・トゥールが見たい!
というわけで、次はラ・トゥールの作品群をめざし、館内マップを見ながら迷路のような館内をウロウロすることになります。

ウロウロする途中で発見したのが、ジョットの聖フランチェスコ。この絵は、とても素晴らしい。この絵に気付いてくれた配偶者に感謝です。二人でじっとこの絵を見ていると、いつの間にかまわりに人が集まってきました。有名な作品ではありませんが、誰でもこの絵のよさは分かるようですね。今まで見たどのジョットの作品よりも保存状態が素晴らしいのにも驚きます。
「聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ」です。


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さらに、ボッティチェリやフィリッポ・リッピの作品も目にとまります。
特にボッティチェリの淡い色彩のフレスコ画は、大分傷んでいるのですが、とても雰囲気豊かな作品。実は、saraiが最初にルーブルを訪れた際にこの絵が印象に残り、その後のフィレンツェのウフィツィ美術館詣でが始まったといういわくつきの絵です。懐かしい思いに駆られます。
これがその「若い婦人に贈り物を捧げるヴィーナスと三美神」です。


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ボッティチェリの「聖母子と少年聖ヨハネ」です。ルーブル美術館にはボッティチェリの聖母子が3枚もあります。特にこの絵はいいですね。


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これが2枚目の「聖母子」です。これも聖母マリアが可愛いですね。


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これが3枚目の「5人の天使に囲まれる聖母子」です。


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これはフィリッポ・リッピの「聖母子と天使,聖フェルディアーノと聖アウグスティヌス」です。


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なかなか、イタリアの作品展示の回廊を抜け出すことができません。

マンテーニャの「聖セバスティアヌス」です。こういう殉教の場面を描かせたら、彼はそのリアルな表現で他の画家の追随を許さないと思います。


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ひときわ巨大な絵があります。ヴェロネーゼの「カナの婚礼」です。縦666cm、横990cmもあり、ルーブル美術館で一番大きな絵です。登場人物は100人を超えるそうですが、数える気になりませんね。大きさ66㎡といえば、ちょっとしたマンションの1戸分の広さですね。


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ところで、イタリア絵画といえば、この人を抜きにはできません。ティツィアーノです。
これは「化粧する女」です。豊満な女性が実に美しく描かれています。いかにもティツィアーノらしい傑作です。


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ようやく、イタリア絵画展示からは抜け出しました。
が、今度はフランス絵画の回廊にはいってしまいます。まあ、名作揃いなので、これらも見ておきましょう。


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ルーブル美術館見て歩き:ルーブルの恋人、そして、必見ラ・トゥール

2011年4月1日金曜日@パリ/5回目

さて、ラ・トゥールを目指す途中でフランス絵画の回廊にはいってしまいました。

アングルの「グランド・オダリスク」です。新古典主義の旗手アングルを代表する1枚です。女性の背中の美しさが何ともね・・・。


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新古典主義といえば、ダヴィッドも忘れてはいけません。
「ナポレオン1世の戴冠式」です。ルーブル美術館でも必見の大作ですね。


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でも、ダヴィッドといえば、saraiのルーブルの恋人と言っていい「レカミエ夫人」が大事な存在。しっかりと再会を楽しみます。いやあ、本当にいつ見てもお美しい麗人です。ルーブル美術館での1枚を聞かれたら、saraiは迷わずこの「レカミエ夫人」を選びます。


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と、近くに、この絵を描いたダヴィッドの「自画像」を発見します。この絵はこんなところにあるんですね。


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このくらいの鑑賞で、フランス絵画の回廊は通過。ふと階下を見下ろすと、そこには「サモトラケのニケ」が見えました。いつもは階段の下から上って行くときにこの彫刻が見え感動しますが、こういう風に見下ろすのもいいですね。ズームアップして撮影してみましょう。


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さて、肝心のラ・トゥールですが、展示されているのは18世紀フランス絵画のコーナーで3階です。この3階に上る階段が容易に見つからず、かなりうろうろしてしますが、ようやく3階への階段を発見。増築を重ねたルーブル宮殿は、本当に迷宮です。


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ようやく見つけた階段を上がり3階に行くと、窓からはルーブル美術館の中庭が見えます。さすがに、そこを歩く人はまばらです。


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3階の18世紀フランス絵画の展示の一番奥のほうに、やっとラ・トゥールのコレクションがあります。
ラ・トゥールの残っている作品は極めて少ないのですが、ここには彼の最大のコレクションがあります。といっても、せいぜい10枚程度です。特に「聖ヨセフと少年」は、ろうそくの火にかざされた少年の炎の透き通った手と、老人のよく書き込まれた顔の表情の素晴らしさが相まって、これは名作中の名作です。このような名作を独り占めできるのが、ルーブル美術館の凄さですね。


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この「灯火の前の聖マドレーヌ」も繰り返し描かれた題材で、この他に3点現存します(いずれもアメリカ)。聖マドレーヌとはマグダラのマリアのことです。このルーブル美術館所蔵品が最後に描かれたものだと言われています。


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これは「聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス」です。この題材となっている聖セバスティアヌスは先程のマンテーニャの絵画でも題材となっていましたが、いずれ劣らぬ傑作です。いずれも殉教者の痛みが伝わってきます。


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これは「羊飼いの礼拝」です。真ん中の赤ん坊はキリストです。左がマリアで、右が聖ヨセフで、真ん中の3人は羊飼い達です。この光の演出もラ・トゥールらしく秀逸です。


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これは「ダイヤのエースを持ついかさま師」です。ほかの宗教的な絵画と異なり、風俗画です。カードでいかさまをしている場面がドラマチックに描かれています。感動する絵ではありませんが、実に面白く鑑賞できます。


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これは「聖トマス(槍を持った聖人)」です。ラ・トゥールの「聖トマス」と言えば、東京西洋美術館が最近購入したことで話題になりました。ご覧になったかたもいらっしゃるでしょう。あの絵は初期の絵で、猜疑心のある聖人の姿を見事に表現したものでした。このルーブル美術館の同一題材の絵は趣きを異にして、峻厳な聖人の姿になっています。東京のものよりもずっと後の作品です。


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それにしてもルーブル美術館のラ・トゥールのコレクションは素晴らしいです。しかも、まだまだ順次コレクションを増やしているようです。

あとはやはり2枚のフェルメールは欠かせないということでそちらに向かいます。


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ルーブル美術館見て歩き:フェルメールを見なくては!

2011年4月1日金曜日@パリ/6回目

さて、フェルメールの絵に向かって進みます。

途中のフランドル絵画、ドイツ絵画も見ていきましょう。

まずは、ヤン・ファン・エイクの「宰相ロランの聖母」です。実に精緻な表現の絵です。ヤン・ファン・エイクと言えば、彼の兄と2人で描いたゲントの祭壇画の精緻な表現も凄そうです。これから大修復だそうですから、いつか、きっとベルギーのゲントに修復の終わった祭壇画を見に行きたいと念願しています。


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次は、ハンス・メムリンクの「聖ヤコブと聖ドミニクスの間の聖母子」です。メムリンク独特の世界ですね。メムリンクもいつかきっとベルギーのブルージュに彼の傑作群を見に出かけたいものです。


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ホルバインの「アンナ・フォン・クレーフェの肖像」です。ホルバインの故郷はドイツですが、イギリスの宮廷画家をしていました。この絵のご婦人を見て、みなさんどう思いますか。そんなに美人ではありませんが、それなりの魅力がありますね。それがホルバインの画力なんです。ホルバインは、イギリス国王の結婚相手の見合い肖像画を描くためにドイツに行き、この絵を描きあげました。この絵を見たヘンリー8世はすっかり気に入り、4番目の妻にします。が、実物と会ったヘンリー8世は愕然とし、半年で離婚したそうです。この絵がルーブル美術館にあることを知らなかったので、この絵を見付けたsaraiは嬉しくなります。というのも、今回の旅でウィーン国立歌劇場で見るネトレプコ、ガランチャが出演するオペラ《アンナ・ボレーナ》は、ヘンリー8世と2番目の妻アン・ブーリン(アンナ・ボレーナ)と3番目の妻ジェーン・シーモアの愛と憎しみの物語なんです。アンとジェーンを演ずるのがネトレプコとガランチャです。そして、オペラには出てきませんが、その後の妻アン・オブ・クレーヴズがこの絵の人物です。ヘンリー8世は、結局6人の妃を持ちました。ヘンリー8世はこの離婚劇を宗教的に可能にするために、ローマ・カトリック教会から離脱しイングランド国教会を成立させました。この絵を見ると、そういう歴史的背景が頭の中をよぎります。


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次は、saraiの大好きなクラナッハの作品です。
「風景の中のヴィーナス」です。なんとも不自然な体型がいいんです。


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次は、デューラーの「自画像」です。有名な「自画像」はミュンヘンにあり、それもこの旅で鑑賞予定です。それというのも、デューラーの街であるニュルンベルグをこの旅の後半で訪れる予定なので、それを記念して?という感じです。


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ルーベンスの「マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸」です。実はルーベンスはあまり好みではありませんが、フランドル絵画でルーベンスは外せませんね。ちなみに、マリー・ド・メディシスはフィレンツェ大公の娘でメディチ家からフランス・ブルボン家に嫁いできた人です。ところで、ロワール古城巡りに再三登場したカトリーヌ・ド・メディシスは、同じメディチ家からブルボン家の前に断絶したヴァロワ家に嫁いできた人で、2人は遠縁の関係です。まあ、2人とも摂政として絶大な権力をふるうという共通点があることと、結婚相手がアンリ4世とアンリ2世と似ているのでややこしいですね。


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ようやくフェルメールの絵に到着。が、先着の団体が取り囲んでいて、長々と説明員の話が続き、待たされます。迷惑な話ですが、我慢ですね。ようやく団体が移動してくれて、ゆっくりと鑑賞です。なかなかの名品(地理学者)ですが、配偶者の評価は厳しいものです。よく描けているのにね。saraiとて、「牛乳を注ぐ女」などの代表作と比べる気はありませんが、それでもフェルメールの力作には違いありません。


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もう1枚の「裁縫をする女」はとても小さな絵で寂しいですね。


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充分絵画鑑賞を楽しんだのですが、クラナッハの特別展示をやっているということで、さらに楽しみは続きます。
クラナッハの「三美神」です。これは今年になって、購入・展示になった作品です。400万ユーロだったそうです。4.5億円くらいですから、よい買い物だったのではないでしょうか。それでも購入資金が不足し、最後の100万ユーロは一般の寄付に頼ったとのこと。1月29日の特別鑑賞会では、高額寄付の約600人が招待され、先程ご紹介したボッティチェリのフレスコ画の前でフルートの演奏などもあったようです。
いずれにせよ、ルーブル美術館はまた素晴らしい絵を手に入れたようです。


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おまけのクラナッハまで鑑賞し、本当に充実した美術鑑賞でした。というわけで、もう心身ともに疲れ果て、この後凱旋門に行くつもりでしたが、予定を変更して昼食にすることにします。
再び、ピラミッドまで戻ってきました。
ピラミッドのガラス越しにルーブル美術館の建物が見えます。よい風景ですね。


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ルーブルのメトロの駅に向かいます。


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予定しているシャンゼリゼのレストランにメトロで向かうためです。


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ルーブル美術館見て歩き:シャンゼリゼでプリウス発見!そして、ムール貝のランチ

2011年4月1日金曜日@パリ/7回目

ルーブル美術館での美術鑑賞は本当に疲れました。美味しいランチを食べて元気回復を図りましょう。

メトロに乗って、あっと言う間にシャンゼリゼ通りAvenue des Champs-Élyséesに着きます。シャンゼリゼ通りは本当に久しぶりです。やはり人通りが多いですね。


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カフェテラスの前は歩道が狭くなっているので、人と行き交うのも混み合って大変です。


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と、ここで意外なものを発見!
トヨタのショールームです。世界のシャンゼリゼに進出していたんですね。ちょっと、覗いてみましょう。
かっこいいコンセプトカーと思しきものが展示されています。


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そして、我が愛車プリウスももちろん展示されています。


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未来志向のような車も展示してあります。


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店内のテーブルに、自動車の紙の組み立て模型と塗り絵が置いてあるので、孫へのお土産にいただきましょう。

ようやく、シャンゼリゼ通りの中程にあるレストランに到着です。レオン(Leon de Bruxelles)というムール貝のレストランです。お店の名前からも分かるように、ベルギー名物のムール貝料理の店です。


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お店の間口は狭いのですが、とても奥行きがあって店内は広く、予約なしでもすぐにテーブルに案内してもらえます。まわりのお客さんはみんな、もりもりとムール貝を山ほど食べています。


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sarai達も、負けじとムール貝の山盛りを注文します。
が、その前に飲み物ってことで、アルザスの白ワイン(もちろん、リースリンク)をいただきます。とても美味しいワインです。


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で、いよいよムール貝の料理が届きます。
配偶者はムール貝だけです。これは19.7ユーロ。


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saraiはさらに海鮮もプラスしたものです。これは22ユーロ。


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ムール貝だけのレストランですが、そのムール貝はさすがに美味しいです。山盛りのムール貝を、あっと言う間に完食です。


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いやあ、満足!満足!
お店を出ると、シャンゼリゼ通りの向こうに凱旋門が見えます。今日は凱旋門に上る予定でしたが、ルーブル鑑賞でかなり疲れたので、この予定はキャンセル。


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メトロに乗って、いったんホテルに戻り、休養して、今夜のオペラに備えます。



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この記事へのコメント

1, yueさん 2011/07/03 16:56
はじめまして。
山盛りのムール貝を見て、以前パリを旅したときのことを思い出し、コメントさせていただきました。
日本だとムール貝を頼んでもちょこっとだけで、なかなかガッツリいただけないんですよね。
パンやフライドポテトに煮汁をつけてもとても美味しかったと記憶しています。

2, saraiさん 2011/07/03 22:59
yueさん、初めまして、saraiです。

何故かヨーロッパのムール貝美味しいんですよね。それに安い。で、山盛りを食べることになります。煮汁も完食ですから、パンにつける分は残りませんでした。

HP覗かせてもらいました。ウィーンのページなんですね。saraiもウィーン大好き人間ですから、今後ともよろしく。今年も4月に続いて、10月にウィーンにオペラ・コンサート聴きに行きます。目玉はプレートル指揮ウィーン・フィル@楽友協会です。

3, yueさん 2011/07/04 18:04
わあ!羨ましいです。
プレートル指揮のウィーン・フィル!
ウィーン・フィルはまだ聴く機会がなくて、いつかはと思っています。
プレートルさんは笑顔がとても素敵な方ですよね。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。

4, saraiさん 2011/07/04 19:02
プレートル指揮のウィーン・フィル、昨年の来日公演で聴いて、感動しました。是非、本場でプレートルさんがお元気なうちに聴こうと決意しました。といっても、チケットは一般発売されないので、大変入手困難で現地に着いてがっかりという事態も覚悟しています。ウィーンでVSOをプレートル指揮で聴かれたこと自体、素晴らしい経験でしたね。存命の指揮者では、プレートル、ハイティンクのお二人を一番尊敬しています。
再度のコメントありがとうございました。

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ルーブル美術館見て歩き:夜はオペラ座、そして、カフェ・ド・ラ・ぺでお茶

2011年4月1日金曜日@パリ/8回目

ムール貝のランチに大変満足しました。

レストランのすぐ近くにメトロの出入口があるので、そこからメトロに乗ってホテルにもどります。


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メトロは1号線でコンコルドConcordeまで行き、そこで朝出発したときにも乗った12号線に乗り換えます。


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この12号線でノートルダム・ドゥ・ロレット駅Notre-Dame-de-Loretteに戻ります。地上に出ると、朝見学したノートルダム・ドゥ・ロレット教会Notre-Dame de Loretteが見えます。そういえば、朝は外の写真を撮っていませんでした。ギリシャ建築風の列柱が特徴です。


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ホテルの近くの生鮮食料品店の店先には、いちご、マッシュルーム、ホワイトアスパラガスが並んでします。この時期は、ホワイトアスパラガスはまだ早いのか、もうひとつの出来ですね。旅も後半はドイツですから、シュパーゲル(ホワイトアスパラガス)が食べられることを願いましょう。


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ホテルに戻りました。今夜のオペラに備えるために、ちょっと午睡しましょう。

十分に休養を取ったところで、早めにメトロでパリ・オペラ座(ガルニエ)L'Opera Garnierに向かいます。オペラ座はいつものように観光客で賑わっています。


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早速、館内に入ります。が、まだ時間が早いので、階段の前で待たされます。係の黒服の人もなんだか立派ですね。それに館内の装飾も素晴らしいです。


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ようやく、ホール内の座席まで入れました。座席から上を見上げると、シャガール作の天井画「夢の花束」が実に美しいです。これを鑑賞するのも、オペラ座の楽しみのひとつですね。


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今日の座席は平土間です。後ろを振り返ると、天井まで観客席が聳え立っています。


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側面の前部はこんな感じ。


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壁の上のほうの装飾はこんな感じで素晴らしいものです。さすがですね。


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この日のオペラ、ヤナーチェックの《カーチャ・カバノヴァ》はソプラノのアンゲラ・デノケが素晴らしいこともあり、大変感動しました。詳細はここに既に報告済です。

興奮さめやらぬ中、オペラ座の前にある超有名カフェのカフェ・ド・ラ・ぺCafé de la Paixで、夕食がわりのスイーツをいただくことにします。
カフェ・ド・ラ・ぺでは食事もとれるのですが、オペラが終わった後ということで、店内のテーブルは混み合っています。もう夜の11時を過ぎていますが、アフターオペラのディナーをするのが、正当な楽しみ方のようです。皆さん、タフですね。逆にカフェのテーブルは空いており、sarai達はすぐに案内してもらえます。
saraiは、昔食べて美味しかったミルフィーユとカフェモカ(のようなもの)をいただきます。


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配偶者は、このカフェが発祥の地になっているオペラ(チョコレートケーキ)と紅茶です。


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とても美味しくいただきました。さすがにパリは食事・カフェが美味しいですね。でも、単にスイーツとお茶をしただけですが、食事並みの料金(43ユーロ)を支払います。さすがに有名店は高いです。

明日はゆっくりパリの街歩きを楽しんで、夜アヴィニョンに出発です。いよいよプロヴァンスにはいります。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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金婚式、おめでとうございます!!!
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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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