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謹賀新年~みなとみらいホール:ジルヴェスターコンサート

あけましておめでとうございます。
本年も当ブログで旅の楽しみを中心に、一緒に感動を共有しましょう。

さて、昨夜は恒例のみなとみらいホール:ジルヴェスターコンサートでした。
大晦日のディナーを横浜・日本大通りにあるイタリアンレストラン《シルク》で楽しみ、いざ、ホールへ。
この日はなんとかぶりつきの最前列。娘夫婦とsarai夫婦の4人がずらり。少し、先ほどディナーで飲んだスプマンテが残っていて、頭がぽーっとしていますが、これは寝るわけにはいきませんね。

さて、着飾った色とりどりのドレスに身を包んだこの日のための特別編成のオーケストラが入場し、開会。指揮はお馴染みの飯森範親。
この日はこの年・翌年が記念の年になる作曲家の作品を中心に以下のプログラムが演奏されました。

池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ(当ジルヴェスターコンサートのためのオリジナル作品)
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ≪Vn:三浦文彰≫
R.シュトラウス/オーボエ協奏曲 ニ長調 より 第2楽章、第3楽章≪Ob:池田昭子≫
マーラー/「リュッケルトの詩による5つの歌曲」より“私はこの世に忘れられて”≪Sop:中丸三千繪≫
プッチーニ/“私のお父さん”≪Sop:中丸三千繪≫
ヴェルディ/オペラ「シチリア島の夕べの祈り」より“ありがとう、愛する友よ”≪Sop:中丸三千繪≫
ショパン/ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 より 第3楽章≪Pf:河村尚子
メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 より 第1楽章≪Pf:河村尚子、Vn:藤原浜雄、Vc:堀了介≫
シュポア/2つのヴァイオリンのための二重奏曲 作品67-3≪Vn:漆原啓子、漆原朝子≫
J.S.バッハ(Arr.池辺晋一郎)/幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542 より 幻想曲
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 より 第1楽章≪Vn:徳永二男≫
マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調 より 第4楽章、第5楽章
コープランド/組曲「ロデオ」 より カウボーイの休日
〈アンコール〉ヨハン・シュトラウスI世/ラデツキー行進曲

サンサーンスを演奏した三浦文彰は16歳の新鋭。昨年10月にドイツで行われたハノーファー国際ヴァイオリン・コンクールにて史上最年少での優勝、あわせて音楽評論家賞、聴衆賞も受賞した期待の星だそうです。この日もコンサートマスターとして演奏した東フィルの三浦彰広のお子さんだそうです。
テクニックはもちろん素晴らしく、この曲で断ずるのは難しいですが、音楽センスもよさそうです。順調に育ってほしいものです。

R・シュトラウスのオーボエを吹いた池田昭子はなかなか才能のある人です。この曲は80歳を過ぎたR・シュトラウスの作品で、《ばらの騎士》でウィーンの前衛から古典回帰を果たした彼が新古典を明確に打ち出したもの。心の底流では、モーツァルトの名曲《オーボエ協奏曲》とつながっていたことを想起させられます。このあたりをもっと明確に打ち出した演奏であればと惜しまれます。第2楽章はもっと美しく歌わせ、第3楽章はもっと軽やかに飛翔してほしかった。が、それよりもまず、R・シュトラウスは演奏家の曲に対する愛情が見せてほしいですね。ルネ・フレミングが涙を浮かべながら、R・シュトラウスの歌曲《あすの朝》を歌っていたことを思い出します。それだけの価値のある作品です。

中丸三千繪のマーラーは心を打たれました。今更ながら、彼女を生で聴くのは初めてですが、テクニックも声もいまひとつですが、マーラーに感情移入した魂の歌でした。こんなのはとても好きです。彼女も真に成熟したのでしょう。

さて、マーラーの第5番ですが、第5楽章のフィナーレでちょうど年明けを目指すアクロバット的な演奏。
マーラーの第5番を聴くのも久しぶりなので、当日、事前に自宅で、CDの聴きおさめにこの曲を聴きました。さあ、どのCDを聴こうかな。
まずは、バーンスタイン+VPOですが、1楽章の途中で何か、気分が合わないのでチェンジ。
次は、ベルティーニ+VSO。本命かなと思いましたが、やはり1楽章の途中でベルティーニらしさが十分でないと思い、チェンジ。
次は、クーベリック+バイエルン放送響。そんなに期待せずに聴き始めましたが、なかなかよい。第5番の派手さはほどほどで、繊細な人間味のある暖かい演奏です。アダージェットでは、本当にしみじみしてしまいます。映画「ヴェニスに死す」の美しさの極み的な解釈ではなく、もっと、ほのぼのと救われる感じ。クーベリックって、こんなによい指揮者であったことを認識できました。
さて、本番ですが、演奏はまあ、なかなかでしたが、それよりも、カウントダウンが成功するか、はらはらしながら、聴きました。
で、見事、成功!!
ジャーン、あけましておめでとうございますってことになり、昨年の聴きおさめ。続いて、聴き始め。

今年も楽しみなコンサート・オペラが目白押し。
当ブログでも、旅のレポートと併せて、ご紹介させていただきます。

まずはニューイヤーコンサートが3日、6日。

では、本年もよろしくお付き合いくださいね。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/01/03 10:31
saraiさん、新年おめでとうございます。

年の締めくくりにジルベスターコンサートをすっかり楽しまれたようで良かったですね。
今年も旅とオペラと音楽と色々な記事を楽しみにしています。どうぞ宜しくお願い致します。
僕のほうは新年は「新世界より」三昧です。

2, saraiさん 2010/01/03 10:51
ハルくんさん、あけましておめでとうございます。

ハルくんさんの記事はいつも楽しませていただいてます。
また、お邪魔してコメントします。
マーラーはこちらも思いがいろいろあり、逆にコメントがしずらいですね。そんなものですね。

今年もよろしくおつきあいくださいね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       河村尚子,  

みなとみらいホールでニューイヤーコンサート 2010.1.3

今日は今年の初コンサート。
みなとみらいホールでニューイヤーコンサートです。

演奏はウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団で
曲目はウィンナーワルツの名曲。

皇帝円舞曲、ウィーンの森の物語、美しき青きドナウ・・・

まあ、通俗名曲ですが、お正月気分で難しいことはなしで
楽しみました。
それにウィーンの香りはしましたしね。

配偶者と2人で珍しく着物を着て出かけました。これもお正月気分。

7月はウィーンに出かけるので、少しずつ気持ちを盛り上げていきましょう。

年末には、今年の5月以降のコンサートのチケットを入手しました。なかなか楽しみなコンサートばかりです。

5月7日 バシュメット指揮ノーヴァヤ・ロシア交響楽団/諏訪内晶子
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
5月14日 バシュメット指揮ノーヴァヤ・ロシア交響楽団/上原彩子
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
 チャイコフスキー:交響曲第5番
5月30日 サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団/ヒラリー・ハーン
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
 シベリウス:交響曲第2番
6月2日 同上
6月21日 イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
 ブラームス:交響曲第4番

で、7月からはチューリッヒでオペラです。
ということで、今年も音楽と旅の記事をアップします。よろしくお願いします。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ウィーン・リング・アンサンブル@サントリーホール 2010..1.6

3日のみなとみらいホールでのニューイヤーコンサートに続き、今度はサントリーホールのニューイヤーコンサート。

いやあ、サントリーホールがウィーンと化したかのようでした。
バーンスタインではないですが、
「これはあなたがたの音楽です」って感じで、
まさに自在で闊達な演奏が繰り広げられました。

演奏はウィーン・リング・アンサンブルです。前にも聴いたことがあり、その素晴らしい響きが忘れられませんでした。この団体はウィーン・フィルのトップ奏者で編成されており、素晴らしいのも当り前です。コンサートマスターはウィーン・フィルの第1コンサートマスターのライナー・キュッヒル。20年近く前にひょんなことで、ウィーンのお宅でお茶をいただいたことがあり、いつも気になる存在です。実は彼はsaraiと同い年でもあります。彼が活躍しているのを見ているとsaraiもまだまだ頑張らねばとは思いますが、こちらは一音楽愛好家でまあ音楽を楽しめばいいだけで気楽な立場で、それもいいかな・・・
他のメンバーは

エクハルト・ザイフェルト (ヴァイオリン)
ハインリヒ・コル (ヴィオラ)
ゲアハルト・イーベラー (チェロ)
アロイス・ポッシュ (コントラバス)
ヴォルフガング・シュルツ (フルート)
ペーター・シュミードル (クラリネット)
ヨハン・ヒントラー (クラリネット)
ギュンター・ヘーグナー (ホルン)

まあ、いずれも名人揃いですね。
特にフルートのシュルツの素晴らしい響きと彼のお茶目ぶりが最高でした。
もちろん、クラリネットのシュミードルのいぶし銀の音色も健在。
これにキュッヒルさんのヴァイオリンの美しい音色が加わるのですから、文句ない素晴らしさ。それにしてもキュッヒルさんのヴァイオリンの音色はウィーン・フィルの響きと同じであることを再認識しました。
1人でもウィーン・フィル、100人でもウィーン・フィルって感じです。
それにしても、ウィーン・フィルのフルオーケストラでもいつも一糸乱れず当意即妙という演奏ですが、そこからトッププレーヤー9人で編成したアンサンブルはテンポの変化、強弱、リズム、すべてが完璧に機能し、それでいながら、決してメカニカルではなく、自然な音楽に仕立てあがっているという音楽の究極の形を体現していました。

まあ、演奏曲目がブラームスとかマーラーのような、いわばメインディッシュではなく、ウィンナーワルツとかオペレッタといった、いわばデザートメニューのようなものでしたから、真摯な音楽に向き合うというよりもサブカルチャー的な音楽をエンターテインメント的に楽しむというスタイルではありましたが、それだけに彼らの音楽文化の底深さを見せつけられたといっても過言ではありませんでした。

当日の演奏曲目は以下の内容でした。

J.シュトラウスⅡ:オペレッタ『ジプシー男爵』序曲
        :ワルツ「レモンの花咲くところ」
        :エジプト行進曲
ショパン:夜想曲Op.27-2~「小犬のワルツ」(編曲版)
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「ウィーン気質」 op.354
        :ポルカ・シュネル「ハンガリー万歳!」 op.332
        :オペレッタ『ヴェネツィアの一夜』序曲
        :ワルツ「ウィーンの森の物語」 op.325
        :トリッチ・トラッチ・ポルカ op.214
ランナー:マリアのワルツ
レハール:オペレッタ『メリー・ウィドウ』から
          「唇は黙していても」~ワルツ・メドレー
          「女の研究はむずかしい」

で、アンコールはもちろん、

J.シュトラウスⅡ:ポルカ「狩り」
        :ワルツ「美しき青きドナウ」
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲

最初の『ジプシー男爵』序曲でいきなり、ウィーンに連れ込まれ、次の「レモンの花咲くところ」では陶然としてしまい、それなりに長いこの曲がいつまでも鳴り響いてほしいと感じるほどです。エジプト行進曲で我に返り、元気な曲で覚醒。ここで小休止。

次は今年がショパン年なので、珍しいショパンの編曲版の演奏。まるでウィーンにやってきたショパンっていう感じです。ショパンもパリではなく、ウィーンに居れば、きっとこんな風な作風になったのかなあと妙な思いが脳裏を横切ります。それにしても、キュッヒル、シュルツ、シュミードルの掛け合いが素晴らしい!
次はいよいよ「ウィーン気質」です。この曲が一番、ウィーンを感じさせられ、我が愛するウィーンを想起してしまいます。R・シュトラウスの「ばらの騎士」の楽想にも使われていますよね。まあ、うっとりとして聴き入ってしまいます。次の「ハンガリー万歳!」をテンポよく演奏したところで休憩です。

休憩後は『ヴェネツィアの一夜』です。あまり聴きなれない曲ですが、流石の演奏。じっくりと聴き入ってしまいます。次はお馴染み、「ウィーンの森の物語」。何もいうことなし。ただただ、キュッヒルさんのヴァイオリンの素晴らしいこと!! 次はやはりお馴染み「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を颯爽と演奏。次のランナーの曲はヴァイオリン2、ヴィオラ、コントラバスの弦4人だけでしっとりとロマンチックに演奏。こんな綺麗な曲があったんですね。
で、最後は『メリー・ウィドウ』です。いずれも耳慣れたメロディーが続き、うきうきです。残念だったのは、「女、女、女」で終わったのにリフレインがなかったこと。この曲でリフレインを最低1回はやってほしかった。若干、欲求不満です。次は頼みますよ、キュッヒルさん!

アンコールはお馴染みの3曲。「美しき青きドナウ」はやはり素晴らしい。これぞ、ウィーンっていう曲を、これぞウィーンっていうアンサンブルが演奏する。文句なしです。
ラデツキー行進曲はサントリーホールの聴衆の自主的?な手拍子が見事だった。演奏者からのキューのない手拍子でも一糸乱れず。これは聴衆に脱帽。ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでも、昔のウィリー・ボスコフスキーの時代には、やはり、聴衆の自主的な手拍子だったらしい。本場も昔に戻したら?

これでsaraiのお正月もおしまい。もちろん、既に仕事は始めていますが、気分的にってことです。

なお、当日のサントリーホールのチラシで11月に内田光子がクリーブランド管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏することを知りました。なんとしても聴きたいものです。指揮はなんとウェルザー・メストだということ。

ところで、後でよく調べてみたら、R・シュトラウスの「ばらの騎士」のオックス男爵のワルツの楽想のもとになっているのはこの「ウィーン気質」ではなく、ヨハン・シュトラウス2世の弟ヨ-ゼフ・シュトラウスのワルツ『ディナミーデン』のようです。実は聴いたことがないので、一度、聴いてみたいものです。
でも、「ウィーン気質」も似ているなあ(・・・しつこい)。



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この記事へのコメント

1, saraiさん 2010/01/08 17:51
自己レスです。
R・シュトラウスの「ばらの騎士」のオックス男爵のワルツの楽想のもとになっているのはこの「ウィーン気質」ではなく、ヨハン・シュトラウス2世の弟ヨ-ゼフ・シュトラウスのワルツ『ディナミーデン』のようです。実は聴いたことがないので、一度、聴いてみたいものです。
でも、「ウィーン気質」も似ているなあ(・・・しつこい)。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       キュッヒル,  

のだめカンタービレ@みなとみらい

本当に音楽が好きでよかったと実感しました。
映画「のだめカンタービレ」はそう感じさせてくれる映画でした。

さて、お正月前にはテレビで連日、映画「のだめカンタービレ」の宣伝攻勢。
saraiもTVドラマシリーズの「のだめカンタービレ」を見て、すっかり、ファンになっていたので、またまた、ヨーロッパ編のTVドラマの再放送を見ました。意外にも、少し、内容が付け加えられていたので、得をした感じ。やはり、「のだめ」は何度見ても面白い!
で、年末にさらにアニメ版「のだめ」が一挙17時間、再放送されることを知り、もちろん、一括録画。お正月のいい楽しみになり、配偶者と連日、飽きずに17時間分見てました。
アニメ作成の舞台裏はまったく知りませんが、ストーリーに合わせたオリジナルと思われる音楽(音源)が流れてくるにびっくり。なかなか、手間暇かけたアニメですね。ストーリーはTVドラマともちろん同じですが、流れる音楽が異なるので、見ていて飽きることはありません。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の連弾版など、聴いていて、わくわくです。
千秋のオーケストラ指揮で流れる音楽も楽しいし、それ以上にのだめが演奏するピアノがまさにキャラクターにぴったりの演奏で素晴らしい!
少し、はちゃめちゃな演奏ながら、音楽を愛するもののみが奏でられる演奏でもあります。こういう生き生きした音楽こそ、すべての音楽好きが理想とするものといったら、言い過ぎでしょうか。
のだめちゃんがフランスのお城で演奏するモーツァルトのピアノ・ソナタ17番はいつもはそんなに聴かない曲ですが、あんなにいい曲だったのかと今更ながら感じました。
で、これはもう一度ちゃんと聴いてみようと内田光子の全集から、この曲を通勤時の電車でIPODを使って聴きました。いいです。再認識しました。
なお、愛用のIPOD CLASSICには、内田光子のモーツァルトのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲の全集を入れてあり、よく聴いています。最近ではもっとも気に入ったCDなんです。

あんまり、映画館には出かけないsaraiと配偶者ですが、お正月のアニメの「のだめ」にどっぷりと浸かりこんだこともあり、配偶者が音楽好きのsaraiの気分を察してくれて、「のだめの映画を見に行こうか?」って、優しく声をかけてくれたんです。それが映画「のだめカンタービレ」に行くことになった経緯です。

映画については次回で報告しますが、本当に幸福な時間を持てて、配偶者に感謝です。



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ジャンル : 音楽

 

音楽ファン必見! のだめカンタービレ@みなとみらい

さて、前回、久々に映画を見に行くことになった経緯を書きましたが、最近、映画に行っていないので、どうも状況が分りません。
で、ネットで調べてみると、「のだめ」を上映している横浜の映画館はみなとみらいにあるらしい。ワーナーマイカルシネマズです。
モバイル会員になると、映画料金が1200円になるので、早速、saraiと配偶者の携帯に会員情報をセット。

で、当日は土曜日ですが、多分、空いていると思われる朝一番の10時からの上映分を目指します。近くに住んでいる娘のマンションの外来駐車場を予約してもらって、車で出かけました。
結局、映画館に着いたのはぎりぎりの時間でしたが、少し、窓口に並んで、モバイル会員料金で無事、チケット購入。そんなに混んでないみたい。

ここはシネマコンプレックス(そう言うんだっけ?)で、廊下の両脇にずらっと各映画館の入口が並んでいます。こういうのは初めてなんです。時代は変わっているんですね。目的の入口をはいると、もう上映間近なのにがらがら空いています。お正月映画だったので、もう盛りは過ぎたんですね。席は中ほどのまあまあの席。映画館自体は小ぶりなので、スクリーンの大きさや音響が心配です。

ようやく、館内が暗くなり、スクリーンに映像が映り始めましたが、予告編が延々と続きます。
で、ようやく、「のだめカンタービレ」の上映開始。
冒頭でベートーベンの交響曲第7番の第1楽章の序奏の部分が流れます。元々、大好きなこの曲。自宅でも、そして、コンサートホールでも考えられないような大音響で鳴り響き、何だか、妙に胸にぐっときます。
そして、千秋のジョギングシーンが流れます。場所は、そうです・・・あのウィーン。次々と懐かしい音楽関係のスポット、モーツァルト像、ヨハン・シュトラウス像、シュターツオーパー、そして、ベートーベン像。
助走としてはもう十分。
遂にムジークフェライン(ウィーン楽友協会)で、千秋がオーケストラを振っています。
空中からクレーンで撮影したムジークフェラインの映像はもう大迫力。
ベートーベンの交響曲第7番のフィナーレが大音量で響き渡ります。もう、演奏が素晴らしいとか、そういう問題ではなく、その響きにすべて体を預けて、至福の境地!
理屈も何もなく、ただただ、音楽の素晴らしさに酔いしれます。
普通にコンサートで素晴らしい演奏に感動することとは、まったく別物ですが、音楽好きが音楽に没頭して、感動の喜びに浸る気持ちであることには間違いありません。

ああ、自分の人生に音楽があって、本当によかった。素直にそう思える瞬間でした。

音楽に限って言えば、千秋がパリのオーケストラを振って、演奏したチャイコフスキーの序曲「1812年」もなかなか聴き物でした。saraiはこの曲は中学生・高校生で卒業したはずの曲ですが、久々に聴いて、少年・青春時代が頭をよぎり、懐かしさとともに新鮮さすら感じました。分りやすい曲ですが、やはり、名曲なんですね。

のだめちゃんのピアノが少ないのが残念でした。モーツァルトのトルコ行進曲くらいでしたね。まあ、よかったのですが、妙にテンポが速くて、違和感があります。saraiの趣味としては、むしろ、極端にでもテンポを落として、完璧なタッチの演奏ってのがいいんです。
あとで配偶者から聴いた情報では、あの演奏はランランの演奏で、高速演奏に上野樹里が手を合わせるのも大変だったようです。どうりでね。
内田光子あたりが演奏してくれれば、saraiはさらなる感動だったのに・・・。
最近人気沸騰のランランですから、映画興行的には仕方がないか。

最後は映画「のだめカンタービレ」の後編の予告で終了。
何と、シュトレーゼマンとのだめちゃんでショパンのピアノ協奏曲をやるんですね。これもランランでしょうが、それはそれなりに楽しみです。4月に上映とのことで、また、行かなくっちゃ!

映画館を出て、saraiは配偶者に「ありがとう」って一言。

音楽が好きなかたは、これは映画館で見ないとダメです。大きなスクリーンと大音響のスピーカー。そして、暗く静まりかえった館内で音楽に没頭する時間。これは音楽ファンの贅沢そのものです。

音楽って、やめられない・・・・



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上原彩子ピアノ・リサイタル@サントリーホール 2010/01/23

今年前半で一番楽しみにしていた上原彩子のピアノ・リサイタル。
今日、サントリーホールで聴きました。
結論を先にいえば、まったく素晴らしいリサイタルで大満足でした。

14時からの開演なので、途中、汐留のスペイン料理店でランチを食べ、開場の10分以上前にサントリーホールに到着。なんとホール前の広場では、朝市が開かれていました。少し、お店をひやかして、配偶者は花鉢をゲット。そうこうするうちに開場。

席は1階の9列目のど真ん中。席も良し。期待でいっぱいです。
今日のプログラムは以下。

 J.S.バッハ:『平均律クラヴィア曲集 第1巻』から第1番 ハ長調、
                         第7番 変ホ長調、
                         第8番 変ホ短調
 タネーエフ:プレリュードとフーガ
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
    ***休憩***
 リスト: J.S.バッハのカンタータ「泣き、悲しみ、悩み、おののき」の通奏低音と
       ロ短調ミサの「クルチフィクス」による変奏曲
 西村朗:『神秘の鐘』から 1.薄明光
 リスト:ラ・カンパネラ
    :『巡礼の年 第2年 イタリア』から「ペトラルカのソネット第47番」、
                      「ペトラルカのソネット第104番」
    :ハンガリー狂詩曲第2番 嬰ハ短調

前半はバッハとベートーヴェン、後半はリストが中心のピアノの王道を行くようなプログラムですね。なかなか、魅力的なプログラムだと思います。
なんといっても、saraiがまったく知らない曲が3曲もあるのが凄い(タネーエフ、西村朗、リストの最初の曲)。しかも結構マイナーな曲なので、予習も断念。本番でじっくりと鑑賞します。

いよいよ、上原彩子がステージに登場です。黒のロングドレスに身をつつみ、すっきりした様子。そうです。前回までのコンサートは妊娠中でしたからね。
ピアノはもちろん、YAMAHA。一度でいいから、スタインウェイを弾く上原彩子を聴いてみたいものですね。一回り、スケールが大きくなるのではと期待しますが、見果てぬ夢でしょうね。

さて、まずはバッハです。ホール内が異常にシーンと静まり返り、上原彩子もsaraiも集中力がぐーっと高まります。上原彩子がまさに鍵盤に手を置こうとしたその瞬間、動作が凍りつきます。何やら、ほんの小さな音ですが、かすかにメロディーが聞こえます。携帯か何かでしょうか。しばらくするとその音は消えましたが、一気に上原彩子もsaraiも集中力が低下。ホール内がシーンと静まるなか、再び、集中力を高めますが、困ったものです。
出鼻をくじかれた形ですが、非常に抑えた音量で実に静謐なバッハが始まりました。新しいスタイルのチャレンジですね。いつものダイナミックな演奏ではなく、抑えに抑えた演奏です。ただ、まだ、このスタイルがしっくりとくる感じではなく、第1番は正直、物足りない。第7番のフーガあたりはsaraiもかなり満足できるレベル。第8番はますます静謐な演奏ですが、胸に沁みる演奏です。プレリュードもフーガも気持ちよく響いてきます。
ただし、saraiの勝手な感想では、彼女は同じバッハを弾くのだったら、パルティータのほうが気持ちよく、聴けただろう。フランス組曲かイギリス組曲でもよかったかも知れない。平均律からの3曲はまだ将来でよかったかなと感じてしまった。平均律クラヴィーア曲集に真っ向から取り組む意図は分かるのだが・・・

次のタネーエフは曲の形式がバッハの平均律と同じプレリュードもフーガということでプログラムに組み込まれたようだが、まったく響きは異なる。いつもの上原彩子が戻ってきた。ダイナミックな美しい響きがホールに満ち、なんだか、ほっとして、saraiも聴き入りました。

前半の最後はベートーヴェンの30番のソナタ。第3楽章の変奏曲にフーガが出てくるので、フーガつながりの選曲でしょうか。
後期の3ソナタの一つでベートーヴェンの芸術の一つの到達点ともいえる作品。素晴らしいタッチで、しかも高い音楽性の表現で、心が洗われます。特に長大な第3楽章はなんと美しい! saraiも納得のベートーヴェンです。何もいうことなしです。きっと、今後のリサイタルで演奏されるであろう31番、32番が楽しみです。気が早いですけどね。

休憩後、バッハの主題に基づいたリストの変奏曲。まったく聴いたことのない曲です。最初、大きな音量で曲が始まり、あれっ、これってバッハと関係あるのと思っていたら、静かな音でバッハの旋律が流れ始めました。なかなか雰囲気がよい。フィナーレではぐっと盛り上がり、再び、バッハの世界で終わります。作曲家のリストも演奏の上原彩子も、そして、saraiもバッハが大好きで、大好きな仲間が集まって、バッハを中心にコミュニティを作ったという感じで、なぜか、胸が熱くなります。リストの曲ではありますが、バッハって本当にいいなあと思わせる曲と演奏でした。1昨年、ライプツィヒの聖トーマス教会の日曜ミサでのバッハ体験が懐かしく思い出されます。

次は西村朗の作品です。これは楽譜を見ての演奏でした。曲そのものの評価はこれだけでは判断がつかないので保留ですが、演奏はクリアーな響きで鍵盤全体を駆け巡り、耳に心地よく聴けました(これって、曲が良かったっていうことかな?)

次は超有名な「ラ・カンパネッラ」。先ほどの西村朗の作品とは「鐘」つながりとのこと。まあ、上原彩子としては、これくらいの演奏は当然って感じでした。気持ちよく、楽しませてもらいました。

で、次は「巡礼の年」の2曲。「ペトラルカのソネット」です。これはまさに感動の演奏でした。ロマンチックで歌っています。リスト演奏の大御所ボレットのCDも素晴らしい演奏でしたが、もっともっと素晴らしい演奏。ここまでのリストが聴けるとは思っていませんでした。特に2曲目の104番は終始、うっとりとして夢の世界。もう1回アンコール演奏してほしかったくらい、素晴らしかった!

最後はこれも定番のハンガリー狂詩曲第2番。まあ、これも何もいうことなしの演奏。ただ、なぜ、この曲でリサイタルをしめくくったのか、よく分からない。「ペトラルカのソネット」で終わって欲しかった感じです。

本当に期待通りのリサイタルで心から満足できました。上原彩子は素晴らしいピアニストですね。本物です。

アンコールはショパンの「別れの曲」とカプースチンの「8つの演奏会用エチュード」からプレリュード の2曲。
ショパンは繊細な表現というより、少し重厚な安定した演奏。これはこれでいいでしょう。カプースチンって、まったく知りませんが、プロコフィエフっぽい感じの曲で上原彩子だったらお手の物って演奏でした。

既に5月のチャイコフスキーのピアノ協奏曲と来年2月のラヴェルのピアノ協奏曲のチケットを入手済で、上原彩子が素晴らしい演奏を聴かせてくれることを信じています。



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この記事へのコメント

1, まいくまさん 2010/01/24 00:40
始めまして

上原彩子さん、初めて聴いたものです。
いつもヤマハなのですか。
きっとヤマハの音の路線でいきたいのでしょうね。

チャイコン優勝者なんで、もっとガツガツのテクニシャンを想像していたのですが、エレガント系だったのでびっくりしています。
リストのペトラルカのソネットは最近やっと聴きだしたのですが、良い曲ですね。

私も感想書いたのでよろしかったらどうぞ

2, saraiさん 2010/01/24 01:27
まいくまさん、初めまして、saraiです。
早速のコメント、ありがとうございます。

かなり、上原彩子さんにはまっています。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を最初に聴きましたが、正直なところ、日本人でこんなにラフマニノフを弾けるのか、驚嘆し、それから、プロコフィエフとか、いつも期待を裏切らない演奏ばかりです。

ヤマハは彼女の経歴でお分かりでしょうが、ヤマハ音楽スクールの出身なのでヤマハしか弾かないようです。是非、スタインウェイにも挑戦してもらいたいと願っています。

いえいえ、彼女はとてもテクニックが優れていますよ。その上、音楽性にも恵まれ、素晴らしい逸材だと評価しています。今日はかなり意識的に抑えた演奏でした。プロコフィエフなどはバリバリです。

ブログ読ませていただきました。内田光子は単身ヨーロッパで名声を確立した人。確かにあのレベルを是非目指してもらいたいものですね。

3, wolverinesさん 2010/01/29 12:25
初めまして。
上原さんのピアノ単純に大好きです。
今回も大阪のリサイタルにいきましたが前回と同じくピアノはスタンウェイでした。
会場のいずみホールの横はヤマハピアノのショウルームなのですがね(笑)

4, saraiさん 2010/01/29 16:28
wolverinesさん、初めまして、saraiです。

コメントありがとうございます。
上原さん大好き仲間ですね。

スタインウェイ弾いているとは知りませんでした。
少なくとも、saraiはまだ未経験です。
音の響きのスケールが大きいのではと想像します。
タッチの美しさは同じでしょうが。
一度、聴いてみたい!

5, wolverinesさん 2010/02/01 11:58
>タッチの美しさは同じでしょうが。
美しい音色でした。
僕のように楽器ができない聴くだけの音楽好きにとってはここが重要なんです。
先日、NHKのBSで昨年の国際ピアノコンクールで優勝して話題になった日本人の方の演奏を見たのですが
僕敵には全然駄目で途中で見るのをやめましたから。

6, saraiさん 2010/02/01 13:09
またまた、コメントありがとうございます。

その通りですね。
特にピアノの場合、美しいタッチ・音色は何物にも代えがたいものです。
上原さんはその上、ダイナミックさと高い音楽性を兼ね備えている逸材だと思っています。

みんなで彼女の成長を見守っていきましょう!

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,  

またまた、のだめカンタービレ

またまたです。

「のだめカンタービレ」もTVドラマ、アニメ、映画ときて、はたと漫画の原作を読んでいないことに気が付きました。
一昨年の旅では、プラハで千秋の指揮者コンクールの舞台となった市民会館まで覗き、WIIのゲーム「のだめカンタービレ」まで買い込んだsaraiです。
ここまでくれば、ファンとしてはちゃんと締めくくらないといけません(何が???)
 
で、ここは大人買いで漫画の全巻セットをゲットするぞと意気込み、ネットでチェック。意外に相場は高いですが、さすがにヤフオクにはずい分、出品があります。一つ目の入札ではゲット失敗しましたが、2つ目の入札で何とかゲット。

で、23巻セットが無事届いて、読み始めたところ。音は鳴りませんが、自分の頭の中で音楽をイメージすればOK。

こうなれば、映画の後編で完結かと思いましたが、何と、漫画で「オペラ編」が既に開始されたんですね。オペラと聴くと、saraiもまたまた興味津々。パリ・オペラ座(それもガルニエ)での椿姫から始まるそうです。なかなかですねえ。

で、一体、いつまで続くんだー!!!

話は変わって、年末に録画したクラシック音楽ハイライトを見ました。
ウィーン・フィル来日公演でズービン・メータが振ったベートーベンの交響曲第7番の第1楽章と第4楽章を聴きました。映画「のだめ」で聴いたばかりだったので、ウィーン・フィルではどう聴こえるか、興味を持って聴きました。テレビでは、やはり、あの繊細で美しいウィーン・フィルの響きを完全に聴き取ることは不可能ですが、第4楽章のかっちりとリズムを隈取った演奏のフォルムの美しさは抜群。メータも幾分、早めのテンポでぐんぐんフィナーレに向けて、盛り上げていきます。やはり、メータもなかなかの名指揮者ですね。映画「のだめ」のベートーベンの7番もよかったが、やはり、ウィーン・フィルは凄かったということです。

で、問題というか、何というか、のだめちゃんのピアノ演奏を受け持ったランランをこのハイライトでじっくりと聴いてみました。
一言でいうと、唖然・・・
saraiの大好きなバルトークのピアノ・ソナタ。難曲だと思いますが、エネルギッシュに自由奔放にのりにのって、パーフェクトに弾ききりました。終始、笑みをたたえて、余裕の演奏。まさにのだめちゃんが弾くバルトークそのもののイメージ。ある面では、究極のバルトークでしょう。
それでも、何故か、saraiには、何か違和感が残ります。リズム感は抜群だし、生き生きとした音楽作り、美しいタッチ、マジャールの血に満ちたメロディーラインもしっかりと表出、これ以上、一体、何があるんだ?
そうです。それこそがsaraiのイメージと違うんです。出来過ぎなんです。これでは、まさにバルトークももう古典だねって感じ。まるでリストの難曲を弾ききったのと同じ。
バルトークは第2次世界大戦前のヨーロッパのぎりぎりの限界状況を一身に受け止め、鋭く、ある意味、悲痛な叫びの音楽を表現したと思っています。人間として、とても共感できる作曲家です。
にこやかにそして美しいピアノの響きで気持ちよく演奏するだけの曲ではないんじゃないかというのが正直なところ。
反面、これからのバルトークの演奏はこれが規範ではないかという恐れも実はあります。
色んな感情が渦巻いて、saraiはとてもショックを受けました。
ランランは良い意味でも、悪い意味でも、恐ろしい新時代のピアニストです。彼は今や、ウィーンでも寵児だとのことで、彼のコンサートのチケットの入手も難しいそうです。彼の向かう方向によっては、音楽界にとてつもないリスクもあるかも知れないとさえ思います。
で、バルトークを弾き終わった彼はすぐにまた椅子に座って、何とショパンの英雄ポロネーズを弾き始めました。また、ショック。なんだか、バルトークと一緒に聴こえます。バルトークもショパンも一緒かあ?
生き生きとしたショパン、きっちりとしたテンポに支えられた安定感、ダイナミックなエネルギー、文句のつけようのない演奏です。
もう、まるで訳がわかりません!
一度、生で聴いてみる必要はあるでしょう。でも、彼のエネルギーに翻弄されるかも知れません。

この彼の弾くショパンのピアノ協奏曲第1番が映画「のだめ」の後編に流れるわけです。完璧でエネルギッシュで自由奔放なショパン。まさにのだめを体現するわけでしょう。でも、あのショパンの少し憂鬱さや陰の部分はどうなってしまうんだろう。
恐れと期待に満ちた後編はいかなることになるか。
saraiの趣味と異なる演奏だったトルコ行進曲のようでなければいいけれど・・・




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この記事へのコメント

1, まいくまさん 2010/01/25 22:21
saraiさま:

またおじゃましました。
「のだめ」原作はもう3回くらい読みました。
私くらいの中途半端だと、半分くらいは知らない曲で、随分刺激になりまし。た

あとクラッシックハイライトもみました。
そもそもベト7自体、あまり聴いておらず、ほぼ「のだめ」で知ったのですが、メータの指揮を見て、あ、やっぱ千秋はねっとりタイプに描かれていたんだとわかりました。

ランランも見ました。
あの演奏がウイーンでうけるとは、ちょっと信じられません。およそヨーロッパタイプとは思えないので。

バルトークはともかく、ショパンは私にはちときつかったです。

2, saraiさん 2010/01/25 23:25
まいくまさん、saraiです。

またまた、いらっしゃい。ありがとうございます。こちらはまだやっと今#9を読んでいます。

クラシックハイライト見られたんですね。ウィーン・フィルの7番は特別ですね。まったく、美しさの極致です。

ランランですが、ウィーンは文化の幅も深さも考えられないほどです。それにウィーンっ子だけでなく、よそからの観光客も多く、様々です。ですから、文化の受容力も想像以上だと思います。

saraiはバルトークファンなので、バルトークがむしろきつかったです。ショパンはいずれにせよ、いろんな演奏するピアニストがたくさんいますからね。
ウィーン在住の音楽通のかたから、ランランは何を弾いても、ランラン節だと聴いて、少し納得して、今はショックが和らいでいます。

3, まいくまさん 2010/01/25 23:55
saraiさん、相当深そうですね。
しかも本場を知っていらっしゃる。
相当刺激になりそうです。

近現代ものは苦手なのでバルトークも親しんでおらず。
ただ、今ピアノのレッスンでミクロコスモスを最初からさらっています。

バッハで挫折したら、先生からやるように言われたので。

これからもちょくちょく寄らせていただくかもしれません。よろしくお願いします。

4, saraiさん 2010/01/26 09:41
まいくまさん、saraiです。

またまたコメントありがとうございます。
残念ながら、本場を知ってるといっても、今年の7月にウィーンに行く予定なので、それでやっと7回目ということになります。それも基本的に音楽はオペラオンリー。まいくまさんのお好きなピアノは国内でしか聴いていませんよ。
ただ、ウィーンは世界中で1番好きな街なので、ネットなどの各種メディアでウォッチしてはいます。

ピアノをレッスンしているんですね。ミクロコスモスといえば、最初の部分は子供のレッスン用の簡単な練習曲で途中から急に難しくなりますね。昔昔、まだ結婚前の配偶者にアドバイス(半ば強制?)して、ミクロコスモスをレッスン用教材に練習してもらったことを思い出します。もちろん、簡単なやつです。まいくまさんは難しい方ですか?

音楽ネタもアップしますので、是非、お立ち寄りくださいね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

マーラー「巨人」 by チョン・ミョンフン&東フィル@オーチャードホール 2010.1.31

今日は東京フィルのオーチャードホール定期。

今年度最後のチョン・ミョンフン指揮ですが、来年度からは彼はほとんど東フィルを振らなくなるので、ある意味、親密な関係にあったチョン・ミョンフン&東フィルの最終コンサートとも言えますね。
前回のサントリーホールで行われたブラームス・チクルスの2回目が素晴らしかったので、saraiも既に満足し、本日のコンサートには正直、多大な期待は抱いていませんでした。

チョン・ミョンフンが離れることもあり、東フィルのコンサートは次回、3月の定期を最後にし、saraiは来年度からは東京都交響楽団のサントリーホール定期会員に移動することにしました。インバルのマーラー、ブルックナーをじっくりと聴くことにしたわけです。

で、ともあれ、今回がサヨナラコンサートの気分で、気持ちよく、終わりたいなあと思っていました。

本日のプログラムは以下。

 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
  ピアノ:キム・ソヌク
 マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」

まずはモーツァルト。ピアノは初めて聴く韓国の若手ピアニスト。
力みない軽いモーツァルトで好感の持てる演奏です。
インパクトがないと言えば、その通りですが、妙に力のはいった演奏よりはずっといいです。
まあ、ピアニストの評価としては、この曲だけでは何とも言えませんね。
アンコールは
 シューベルト:即興曲Op.90-2
これは特に高音部の粒立ちのよいタッチの流麗な演奏で、演奏スタイルが新鮮に感じられ、とてもよい演奏でした。
少し、線が細く、ダイナミックさには欠けるものの、演奏する曲を絞り、小ホールで聴けば、とてもよいかも知れません。シューマン、シューベルトあたりを中心に置いたプログラムなどはよさそうです。
今後に期待したいピアニストです。
東フィルですが、この曲では、もう少し、クラリネットの存在感を打ち出してもらいたいところでした。

さて、休憩後は本日のメインディッシュじゃなくて、メインプログラムのマーラーです。
久々にマーラーに感動しました。
「巨人」はマーラーの交響曲のなかでは、あまりお好みの曲ではないのですが、この日の演奏はCD、コンサートを通じても、最高の演奏でした。
「巨人」という曲がこんなに素晴らしいとは、saraiの認識不足でした。
なんといっても、チョン・ミョンフンの指揮、曲作りがとても立派。
彼のマーラーがこんなにいいとも思ってもみませんでした。
まず、最弱音で曲が始まった途端、即、saraiの周波数とピタリと一致。幾分、遅めのテンポですが、実に内省的な演奏です。この弦楽器のハーモニクスの部分の表現が実によい。一転して、主要主題が始まると、テンポは一般的なテンポになりますが、先ほどの遅めのテンポとの対比がきいて、きびきびと聴こえます。そして、アインザッツがぴたりと決まり、今日のアンサンブルは素晴らしい。ずいぶん、練り上げられた演奏です。第1楽章は一気に終わります。ここで拍手したいくらい、素晴らしい。
第2楽章のスケルツォは、低音弦の素晴らしい音色で始まり、中間部を経て、輝かしく終わります。素晴らしい演奏が持続します。
第3楽章の葬送行進曲は静かに終わり、すぐに第4楽章に突入。
この輝かしい楽章はいつもは派手派手しく感じ、もうひとつ好きになれませんでしたが、この日の演奏はまったく別物。
まったく感動的です。アインザッツもぴたりぴたり決まり、もう、マーラーの世界に没入。どこがどうとかではなく、すべてが素晴らしい。思わず、saraiも手も握り締め、力が入ります。最後の金管奏者が立ち上がるところからはもうなんだか頭が混乱するくらい、分けが分からない状態。
そして、最後のじゃ、じゃん。ブラヴォー!!!

これまで聴いたチョン・ミョンフンの最高の演奏でした。
そして、しばらく、さようなら、チョン・ミョンフン・・・

決して、ウィーン風とは思えない演奏。日本人のオーケストラ。韓国人の指揮者。ウィーン・フィルだったら、きっと超絶に美しいウィーン風の演奏をするかも知れませんが、この日の彼らの「巨人」も最高に素晴らしい「巨人」でした。



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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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