fc2ブログ
 
  

歌劇「ウィリアム・テル」 by ゼッダ+東フィル 2010.3.7

前日のウィーン放送交響楽団のコンサートに引き続き、本日はオーチャードホールで東フィルの定期演奏会を聴きます。色んな思いがあり、東フィルの演奏会はこれでしばらく打ち止め。2010年度は東京都交響楽団のサントリーホール定期演奏会の会員になりました。しばらく、インバルの指揮を聴いてみます。

東フィル最後のプログラムは

 ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」(コンサート形式)

この歌劇はロッシーニ最後のオペラで4時間の大作。ワーグナー並みの長さですね。もともとフランスで書いたオペラでオリジナルはフランス語版。今回は原作に忠実にということで、フランス語で公演。で、題名もフランス語の題名「ギヨーム・テル」というのが、今回の上演の正式な題名になります。また、長大なオペラなので、今回は抜粋版でコンサート形式。

それでも、なかなか公演の機会が少なく、また、オリジナルのフランス語版ということで貴重な上演です。ロッシーニの権威であるゼッダが指揮するのも注目です。
特別な抜粋版で出演者も3名に絞っています。

 指揮:アルベルト・ゼッダ
 マティルド(ソプラノ):イアーノ・タマー
 アルノール(テノール):石 倚浩
 ギヨーム・テル(バス):牧野 正人
 合唱:新国立劇場合唱団

なお、当初、マティルド役はマリーナ・レベカの予定でしたが、急病のため、交代になっています。

聴きどころは、有名な序曲、マティルドのアリア《暗い森》、アルノールのアリア《涙誘う無人の家》あたりでしょうか。

ソロを歌った3人の歌手はそれぞれの持ち味を活かした歌唱で好演というべきでしょう。
特にソプラノのタマーは容姿も美しい上に、なかなかの美声でテクニックも上々。少し、音程に甘さがありますが、十分、魅力的でした。
テノールの石は少し線が細いですが、張りのある高音で会場を沸かせていました。
ゼッダの指揮はつぼを押さえた指揮で安心して聴いていられる演奏で、ロッシーニらしい音楽の流れを作っていたといえるでしょう。
ただ、抜粋版ということで、オペラの構成上、曲と曲の間の有機的な流れがとぎれるのは仕方のないところかもしれません。もう少し、省略を減らして、音楽の強い流れが欲しかったところではありました。

ともあれ、DVDでも、1988年のミラノ・スカラ座(ムーティ指揮)のイタリア語版しか、めぼしいものが無いなかで、日本でこういうものが聴けたのは誰にとっても貴重な経験だったでしょう。saraiもこの公演に先立って、上記のDVDで予習したことも含め、よいロッシーニ体験になりました。




↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR