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スイス・オーストリアの旅(企画・準備編):ザルツブルグでの過ごし方②

さて、ザルツブルグでの過ごし方の続きです。

あと、残りはルードヴィッヒ2世が作った城のヘレンキームゼー城への行き方です。
これは素直にDBのサイトで経路を検索しました。

まず、ザルツブルグからの往路は
 8時12分 ザルツブルグ中央駅からザルツブルグ始発・ミュンヘン行きのRE(急行)で出発
 9時07分 プリン・ア・キームゼー着
 9時10分 バス(3分)と徒歩(5分)で船着場へ移動
 9時25分 船
 9時40分 ヘレン島に到着

これでヘレンキームゼー城に到着。2時間ほど滞在し、ルードヴィッヒ2世の夢の跡に思いを馳せることにします。

帰路は
 12時15分 ヘレン島を船で出発(15分)
 12時35分 ストック・ハーフェンからキームゼー鉄道(8分)
 12時50分 ザルツブルグ行きのRE
 13時42分 ザルツブルグ中央駅着

この日は結構、余裕のスケジュールです。
残りの時間はザルツブルグの街を散策しましょう。

ところで何故、ヘレンキームゼー城に行くことにしたのかって、以前、ご紹介しましたが、再度、ご説明しましょう。
2001年ですから、もう9年前になりますが、バイエルンを旅しました。そのときのテーマのひとつはルードヴィッヒ2世。
で、彼の造った城のうち、ノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホーフ城を訪問しましたが、もうひとつのヘレンキームゼー城だけは行けず仕舞い。
いつかは行きたいと思っていましたが、配偶者がザルツブルグから近そうだから、どうしても行きたいと言い出し、今回行くことになったわけです。

ともあれ、これでほとんどスケジュールは固まりました。
横では配偶者がせっせと荷物を作ってくれています。

まだ、オペラの予習も未完了なので、最後の追い込み。
saraiは電気工事士受験の勉強(技能練習)も必要なので、忙しいったら、ありゃしない。
ふーっ!!



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チューリッヒの朝     2010/07/06 12:54

昨日、成田を出発し、オーストリア航空に乗ってウィーン経由で無事、チューリッヒに到着しました。まあ、ノートラブルってとこで一安心です。

チューリッヒは日曜までが年に一度のお祭りで昨夜もまだその名残で賑わった雰囲気はありました。
ホテルはチューリッヒ湖畔近くのプチホテルSEEHOFで、チェックイン後、まだ、夜8時ごろでも日が残っている夕暮れのチューリッヒ湖畔を散策。スイスらしく美しい風景にうっとり。恋人たちとおもわれるカップルも湖畔の夕景を楽しんでいました。


2010070601.jpg



今日は残念ながら、雨模様。
でも、お蔭でこのところ暑かった気候も少ししのぎやすいようです。
今日は予定通り、ベルンでクレーセンターとばら公園を楽しみ、夜はチューリッヒ歌劇場でオペラ鑑賞。

旅も今日から本番です。



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「魔弾の射手」@チューリッヒ歌劇場 2010.7.6

スイス・オースオリアの旅では、オペラ・オペレッタを8回見ました。
今回から、順次、各公演について、レポートします。

ホテルの部屋で少し午睡をとって、おめかしをして、チューリッヒ歌劇場に向かいます。チューリッヒ歌劇場はホテルのすぐそば。5分とかかりません。開演30分前には着きました。既に正装した男女が集まっています。
で、中にはいろうとするとまだ様子がおかしい。係員に制止されました。まだ、15分ほど後にオープンとのこと。何せ、このオペラハウスは今夜が初めてなので、まったく、様子が分かりませんね。
待つこと暫し。ようやくオープン。

今日のオペラはウェーバー作曲の「魔弾の射手」。結構、有名オペラですが、生で聴くのは初めて。
キャストも粒ぞろいの歌手で楽しみです。席も平土間の8列目の中央から少し左寄りとまあまあの席です。
なお、今回に備えて、予習したビデオは次の2つです。

 ・チューリッヒ歌劇場
   指揮:アーノンクール  演出:ベルクハウス
   オットカー:デヴィッドソン  クノ:グレシェル
   アガーテ:ニールセン   エンヘェン:ハルテリウス
   カスパー:サルミネン マックス:ザイフェルト
   隠者:ポルガール キリアン:フォーゲル
   ザミエル:クラーメル

 このDVDは今回の公演と同じ演出で、事前の予習としては最高に役立ちました。世評では、特に演出はあんまり評判はよくありませんが、まあ、音楽的にはよい出来でしょう。

 ・ドレスデン・ゼンパー・オーパー
   指揮:ハウシルト    演出:ヘルツ
   オットカー:ケーテルゼン  クノ:エマリエ 
   アガーテ:スミトコヴァー  エンヘェン:イーレ
   カスパー:ヴラシーハ マックス:ゴルトベルク
   隠者:テオ・アダム キリアン:オラフ・ベーア
   ザミエル:ケムター

 これはレーザーディスク。随分前のものです。ゼンパーオーパーが再建されて、最初の公演という記念碑的なもの。配役はそれほどスターが揃っているわけではありませんが、内容的には、素晴らしい出来です。ゼンパーオーパーの名前に恥じない名演といえるでしょう。

今夜の公演のキャストは以下です。

指揮:ペーター・シュナイダー
演出:ルート・ベルクハウス
オットカー:マルティン・ガントナー
クノ:ロルフ・ハウンシュタイン
アガーテ:ペトラ・マリア・シュニッツァー
エンヘェン:マリン・ハルテリウス
カスパー:クルト・リードル
マックス:ペーター・ザイフェルト
隠者:アンドレアス・ヘルル
キリアン:アンドレアス・ヴィンクラー
ザミエル:ジョエル・シング

有名な序曲(秋の夜半の・・・)が始まりましたが、オーケストラのスケール感はもう一つで、何となくホールに響きわたっていない感じ。もう少し、ダイナミックに演奏すればいいのにと感じます。それにここは彼らのホームグラウンドで自家薬篭中のもののはずですけどね。まあ、それでも、響きを別にして、さすがにアンサンブルは見事。それだけに少し残念。オーケストラは少し弱いのかなというのが最初の印象です。
演出自体はDVDで見たとおり。今一つかもしれません。

主役のマックスのザイフェルトはなかなか良い出来でした。
敵役のカスパーはバスのクルト・リードル。まだ、彼は歌っているんですね。なかなか声も出ていて、これは存在感が十分にあります。狂言回しとしての演技も堂に入ったもの。さすがですね。
主役の恋人役のアガーテのシュニッツァーはまあまあってとこですが、印象に薄いです。
むしろ、エンヘェンを歌ったハルテリウスはこのオペラハウス専属のように育った人で、演技といい、歌唱力といい、好印象でした。まあ、見栄えもいいし・・・
また、このオペラの場合、隠れた主役は合唱ですが、これもばんばん響き渡るという合唱ではないものの優れた合唱でこのオペラを支えてことは間違いありません。

全体的にまとめると、最近評判になっているオペラハウスだけのことはあり、非常に高いレベルでの公演であったことは間違いありませんでしたが、キャストの割にもう一つという印象もあったのはオーケストラの響きの薄さと演出のせいでしょうか。

ただ、この日は旅の実質初日でまだ時差ボケもあり、とりわけ、オペラハウス内部が後半に向け、無茶苦茶に暑かったのと乾燥のせいで喉がとても乾き、体調がおかしく、強烈な眠気にとらわれ、苦痛も伴いました。きっと、チューリッヒがこんなに暑いことは異常でホールの設備が対応できなかったのでしょう。
そういうわけで、もうひとつオペラに没入できなかったのもマイナス材料でした。
まあ、それでも、オペラを何とか楽しみましたし、このオペラを聴くのは初めてですが、好印象に感じるところも多々ありました。

また、ウェーバーのオペラはベートーヴェンとワーグナーのドイツオペラをつなぐ重要な流れに位置することを再認識もできました。

この時期は途中の休憩時間もまだ外は明るく、まるでマチネーみたいな感じなのも面白いところ。休憩中は外で涼む人達も大勢です。もっとも外も暑いですけどね・・・・

オペラが終わり、ホテルの部屋に戻るともう何もできずに2人ともベッドに倒れこみ、朝までぐっすり・・・




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「薔薇の騎士」@チューリッヒ歌劇場 2010.7.7

昨日に引き続き、チューリッヒ歌劇場でオペラ。

今日は人気公演のR・シュトラウスの「薔薇の騎士」。昨日よりもお洒落した観客が多く、ちょっと、昨日の「魔弾の射手」とは雰囲気が違います。saraiも今回のチューリッヒで一番期待した公演です。
目玉は実質主役の元帥夫人を歌うルネ・フレミング。メトロポリタン歌劇場の来日公演のときは歌唱はともかく、舞台女優顔負けの演技力に驚きました。歌っていない時も目で演技しているという感じでした。

今回に備えて、予習したのは以下。
 ・ウィーン国立歌劇場 
   指揮:クライバー 演出:シェンク
   元帥夫人:ロット オックス男爵:モル
   オクタヴィアン:フォン・オッター  ソフィー:ボニー
   ファーニナル:ホーニク  ヴァルザッキ:ツェドニック
   イタリア人歌手:イカイア・パーディ

これはまあ決定版と言ってもいいDVD。どこをとっても素晴らしい。特に終幕の3重唱の素晴らしいこと。うっとりですね。

今回のキャストは以下。

   指揮:ペーター・シュナイダー
   演出:スヴェン・エリック・ベヒトルフ
   元帥夫人:ルネ・フレミング
   オックス男爵:アルフレード・ムフ
   オクタヴィアン:ミシェル・ブリート
   ソフィー:エヴァ・リーバウ
   ファーニナル:マルティン・ガントナー 
   イタリア人歌手:ボイコ・ツベタノフ

今回は人気公演ということでチケットの入手が困難で、ゲットした席は平土間ではなく、3階席の右後ろ。それでも最前列ですから、全体をよく見渡せます。
もちろん、この席もカテゴリー1の最上級の席です。ネットで予約した時点で残っていたカテゴリー1の最後の3席のうちの2席をなんとかゲットしたわけです。

さて、まずは序奏が始まります。あの輝かしい音楽です。ですが、昨日同様に輝かしい響きには少し遠いようです。こちらの気持ちの高まりが今一つというところ。いつもなら、このあたりでぐっとこちらの気持ちがのってくるところなんですが・・・

幕が上がると、シンプルな舞台装置。いつもの元帥夫人とオクタヴィアンが絡み合うベッドがなく、床にシーツ(布団?)が広げられています。なんだかね・・・・

まずはオクタヴィアンが歌い始めますが、スタイル(太っている)といい、声の伸びやかさといい、オクタヴィアンとしてはどうでしょうね。
もちろん、ルネ・フレミング演ずる元帥夫人はR・シュトラウスにふさわしい演技と歌唱。いまや、この人の元帥夫人が最高かもしれません。そう感じさせる内容です。第1幕後半の元帥夫人のモノローグは聴かせどころですが、実に深い歌唱を聴かせてくれました。この日はこのあたりが一番よかったかもしれません。
オックス男爵を演じるムフはまあまあってとこですね。

2幕目、これはまったく変な演出というか、変な舞台装置。お菓子工房のなかでしょうか、そこでソフィーが薔薇の騎士を迎えます。庶民階級ということを強調したのでしょうが、別に身分の差をとらえることが中心の課題ではなく、ある意味、夢のような古典回帰のオペラですから、これはまったくお門違いの演出としか言いようがありません。薔薇の騎士(オクタヴィアン)が銀の薔薇をソフィーに捧げるシーンは愛のシーンとしても、saraiの一番好きなシーンなのに雰囲気ぶち壊し。それに太ったオクタヴィアンではカッコいい騎士という感じには程遠い。救いはソフィーがまあまあの高音で歌っていたところでしょうか。

3幕目、一番の目玉ですが、これも3重唱ではオクタヴィアンが見栄えと歌唱力で足を引っ張った感じ。
フレミングだけに終始してしまいました。

それでも、公演後のブラボーコールも一際大きく、昨日に比べて大いに受けていました。ここの聴衆の質の問題か、それともバカンスシーズンで観光客が多くての結果か判然としませんが、なんだかねえ・・・・
だって、フレミング以外にもブラボーと大きな拍手があったのには、あまり釈然としませんでした。

まあ、このR・シュトラウスはウィーンとかには遠く及びませんが、実質主役のソプラノのルネ・フレミングの美貌と美声で魅了されたことは確かでした。それだけが救いでした。チューリッヒ歌劇場の実力はこんなものなのでしょうか? これで終わって欲しくありませんね。

今夜も昨夜同様、暑さと疲れとオクタヴィアンのせいで体調は最悪。長いオペラに耐えるのも大変です。
この日もホテルに帰って、すぐにダウンです。



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「カルメン」@チューリッヒ歌劇場 2010.7.8

今夜もチューリッヒ歌劇場で3夜目のオペラなので、散策は早めに打ち切って、トラムでホテルに戻り、休養。
テイクアウェイのお寿司(チューリッヒは寿司ブームらしく街中のいろんな所で見かけました)をホテルの部屋で少しつまんで、いざ、チューリッヒ歌劇場。

チューリッヒ歌劇場は今日でオシマイ。ぜひ、よい公演を聴きたいものです。これまでの「魔弾の射手」、「薔薇の騎士」は完全燃焼とはいきませんでしたからね。

今夜のオペラはビゼーの「カルメン」。カルメンはカサロヴァ、ドン・ホセはマッシモ・ジョルダーノ。
最初に結果を言ってしまうと、今夜の出来は最高。どちらかと言えば、昨日までの2回のオペラはチューリッヒ歌劇場ってこんなものという感も否めなかったのですが、今夜ですっかり評価が変わりました。これまで見た「カルメン」のなかで最高でした。
とりわけ、カサロヴァのどすの利いた節回しの個性的なカルメンとジョルダーノの生きのいいテノールは素晴らしかったし、オーケストラも演出も合唱もすべてがうまく機能していました。

今回の公演に向けての予習したのは以下。

 ・チューリッヒ歌劇場
   指揮:フランツ・ウェルザー・メスト   演出:マティアス・ハルトマン
   カルメン:ヴェッセリーナ・カサロヴァ  ミカエラ:イサベル・レイ
   ドン・ホセ:ヨナス・カウフマン     エスカミーリョ :ミケーレ・ペルトゥージ

 これはカサロヴァの一皮むけたともいっていいカルメンが最高、今夜と同じ演出の筈です。

今回のキャストは以下。

   指揮:ツォルト・ハマー
   演出:マティアス・ハルトマン
   カルメン:ヴェッセリーナ・カサロヴァ
   ミカエラ:サンドラ・トラットニック
   ドン・ホセ:マッシモ・ジョルダーノ
   エスカミーリョ :マッシモ・カヴァレッティ

席は平土間の10列目の中央。「魔弾の射手」のときより、すこし後ろですが、場所はよいでしょう。音の左右のバランスや響きもこれまでより、よさそうです。

まずは前奏曲が始まります。えっ、昨日までと違い、音に輝かしさが加わり、ダイナミックで歯切れがいい。まさにカルメン。
で、1幕目の聴きどころ、ハヴァネラです。カサロヴァが深い低音と張りのある高音で歌いまわします。まるでシャンソンの名歌唱を聴いている感じでもあります。
大変、個性の強い歌唱で好き好きはあるでしょうが、saraiはまったく魅了されて、引き込まれてしまいます。
昔、ウィーンで聴いたバルツァと比較しても、よっぽど、大好きなハヴァネラです。
最近はカルメンといえば、今をときめくガランチャが話題ですが、こんなに個性の強いカサロヴァの歌唱ですから、簡単に比較するのは困難でしょうね。いずれ、ガランチャを聴いて判断したいところですが、ガランチャはあまりカルメンで聴きたい歌手ではありませんね。「チェネレントラ」とか「ウェルテル」は素晴らしいので、生の歌唱はそちらのほうがいいんですが・・・・

ともあれ、ドン・ホセ役のジョルダーノも好調でカサロヴァと絡みながら、素晴らしく盛り上がります。
このイタリア出身のテノールもなかなか聴かせます。
エスカミーリョ役のカヴァレッティですが、彼の実力からいえば、順当なところの出来。もうひとつ存在感を出してもらいかったというのが辛目の注文。
ミカエラ役のトラットニックは初めて聴きましたが、なかなかうっとりする歌唱で好感。ただ、この役は意外にもうけ役で、主役も食いかねないと思いますが、さすがにそのレベルまではいってなかったと思います。まあ、カサロヴァが良すぎましたからね。

舞台はチューリッヒ歌劇場らしくシンプルなものですが、なかなか良い演出だと思います。
DVDと違うのはカサロヴァの衣装。DVDでは花柄の衣装でしたが、今夜は黒い絵柄のない衣装。
舞台と合いまって、シンプルな衣装もいいのではないでしょうか。

1回休憩をはさみ、緊張感を保ったまま、フィナーレへ。
2人の愛憎劇はすさまじく、そのまま、カルメンの死で幕。
いやあ、素晴らしい!!
こんなに見飽きたようなオペラでもここまでやれるとは驚きでした。
最高の歌劇「カルメン」、最高のカルメンを演じたカサロヴァ。まったく脱帽です!
いままではあまり好みでなかったカサロヴァの魅力を初体験した日にもなりました。
また、ジョルダーノの若手テノールとしてますます今後が楽しみです。
それにチューリッヒのオーケストラも結構やれるじゃないかと思いました。
指揮のハマーもうまくオーケストラと歌手をコントロール。今後が期待できる指揮者です。

なお、この日の終幕でのカルメンの死はビデオで見た演出に比べると、かなり、あっさりとした死に手直しされており、よりよい改善がなされていた印象です。こういう細かい演出上の改良を少しずつ加え、次第に高い芸術性を実現しているようです。そういうオペラハウスの不断の努力は評価したいと思います。

3日目にして、よい公演に出会え、大満足。
でも、聴衆の反応は疑問あり。saraiの感覚とかなり違っていたことを指摘しておきます。
昨日同様、バカンスシーズンで観光客が多く、地元の目の肥えたファンが少なかったんだろうと信じておきます。

3日間のチューリッヒ歌劇場を聴いた総括は、キャストがともかく粒揃いでよく、演出は公演によってばらつきがあるももの、それなりのレベル。
今後の最大の課題はオーケストラの底上げでしょうか。オーストリア、ドイツのオペラハウスのオーケストラのレベルに追い付いてもらいたいものです。
いずれにせよ、また、しばらくして、どう変化したか聴きたいオペラハウスです。

あと、夏の暑いシーズンは環境が悪く、観光客も多そうなので、それ以外のシーズンに聴いたほうがいいかなという印象です。
それでも最初の2日間に比べると、最後の3日目は少しエアコンが効いていて、まだしも暑さがしのげました。暑さ対策にオペラハウス管理者のかたも少しは気を使ってくれているのかなとも思います。今後ともオペラハウスの運営も細心の注意のもとに努力願えればと思います。


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ベルンでクレー三昧

昨日はベルンに出かけました。

目的はクレーの絵を見ること。特に「パルナッソス山へ」を見ること。

ベルン中央駅に着いて、早速、パウル・クレー・センターに向かいました。ちょうど、「ピカソとクレー」展をやっており、ピカソまで堪能。クレーも逸品揃い。ところが「パルナッソス山へ」がない!

係のかたに聞くと、ここではなくベルン市立美術館に展示とのこと。行かねばならないでしょう。

逸る心を抑えて、まずはバラ公園からベルンの旧市街の眺望を楽しみました。

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で、そのあと、ベルン市立美術館へ。
ありました、ありました!
「パルナッソス山へ」は想像以上に素晴らしく、文字通り、光り輝くような光沢感のある微妙な色彩感覚の天才芸術家のみになしうる傑作でした。

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この日の夜はチューリッヒ歌劇場初見参。
オペラはウェーバーの「魔弾の射手」。
さすがに評判の高いこのオペラハウスはキャストもよく、楽しめました。
ただ、まだ時差ボケもあり、眠くて、眠くて・・・・



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バーゼルで憧れの絵に感動!

さて、昨日は朝までぐっすり眠って、元気回復。この日はバーゼルに向かいます。

チューリッヒ中央駅で鉄道・バーゼルのシティトラム・バーゼル市立美術館のセット券を購入。全体で1割引きになります。

バーゼルには1時間で着きました。すぐにインフォメーションで市内地図をもらい、トラムで美術館に向かいます。美術館は5分ほどで到着。

美術館の周りを入口を探して、グルリと一周しました。入り口が分からないはずです。
ええーっ!!! まだ、閉まっている!!
開館までまだ1時間あります。美術館のカフェで紅茶を飲みながら、しばし、ゆったりとした時間を過ごします。

さあ、開館です。

2階にあがり、係の人にここでのお目当てというよりスイスに来た目的とも言えるココシュカの「風の花嫁」はどこにあるかと聞きました。するとたちどころに、3階のどのあたりにあるかを答えてくれました。

あとはもう一直線。ほかの絵はほぼ無視して、その絵に向かって突進です。3階に上がると、回廊のずっと先にそれらしい絵が正面にかかっています。あれはもしかして、夢に見ていたあの絵ではないでしょうか。どんどん近づくと、そうです。あの大好きな絵です。

これまで、この絵の前に立つ自分を想像していました。まさにその時はきました。胸にジーンときます。素晴らしい青味がかった色彩に愛し合う男女の姿。涙が出そうになるほど感動します。この絵に匹敵するのは、ゴッホの「オーヴェールの教会」だけです。オルセー美術館にあるその絵も全体の青が素晴らしい絵。何かの因縁でしょうか。
しばらく、この絵の前に立ちすくんで、じっと頭の中に絵を刻み付けました。

去りがたい絵からサヨナラして、次はライン川。偶然に発見したライン川の渡し船で川を横断。

渡し船の後は大聖堂の高い尖塔にヒーヒーいいながら上ります。そこからはバーゼルの街や下を流れるライン川、遠くはるかにはドイツの黒い森などを見渡すことができます。

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この日の夜はチューリッヒ歌劇場でオペラ。
R・シュトラウスの「薔薇の騎士」。
昨日よりもお洒落した観客が多く、公演後のブラボーコールも一際大きく、大いに受けていました。まあ、ウィーンとかには及びませんが、主役のソプラノのルネ・フレミングが美貌と美声で魅了したことは確かでした。



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薔薇の街、ラッパーズヴィル

今日はチューリッヒ観光。

片道、Sバーンで40分ほどの薔薇の街、ラッパーズヴィルを訪問。
手入れの行き届いたバラ園を見た後、チューリッヒ湖に突き出している木橋をぶらぶらします。素晴らしく透明度の高い澄んだ湖水とその向こうに見えるラッパーズヴィルの丘の上のお城が美しく見渡せ、スイスの夏のバカンスを暫し、楽しみます。

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今夜のオペラはチューリッヒ歌劇場3夜目のビゼーの「カルメン」。
カルメンはカサロヴァ、ドン・ホセはマッシモ・ジョルダーノ。今夜の出来は最高。どちらかと言えば、昨日までの2回のオペラはチューリッヒ歌劇場ってこんなもの?という感も否めなかったのですが、今夜ですっかり評価が変わります。これまで見た「カルメン」のなかで最高です。とりわけ、カサロヴァのどすの利いた節回しの個性的なカルメンとジョルダーノの活きのいいテノールは素晴らしいし、オーケストラも演出も合唱もすべてがうまく機能していました。



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7回目のウィーン

さて、今日は3泊したチューリッヒを後にして、またまた、ウィーンに向かいます。今日も快晴です。

チューリッヒ空港でチェックインしようとしたら、マシンでしかできないと言われ、ええーっ!!
まったく、よく分かりません。
で、マシンのそばにいた空港のお姉さんをつかまえて、手取り足取り、指導というより、ほとんどやってもらいました。
要はEチケットの場合、すべての航空券情報は既に登録されているので、行き先を選び、パスポートをマシンにかざせば、それでOKなんですね。Eチケット番号とかは不要。追加情報で荷物の個数とか座席変更とかも必要ですが・・・。分かってしまえば簡単ですが、初めてのものには、おっかなびっくりで大変でした。

無事に飛行機に乗り込み、アルプスを眼下に定刻の11時半にウィーン到着。
タクシー乗り場で4人のスーツケースが乗せられる大きなタクシーを何とかゲットし、ホテルの玄関前に横付け。
なかなか立派なホテル(Best Western Premier Hotel Kaiserhof Wien)でびっくり。
部屋に入ると、ちゃんとエアコンもあります。
そうです。実はチューリッヒのホテルにはエアコンがなく、かわいい扇風機だけで暑かったんです。ヨーロッパのホテルにはエアコンのないホテルも多いとは聞いていましたが、初体験でした。

さて、sarai達はついにウィーンは7回目となりました。で、ウィーンが初めてのsaraiの姉と姪っ子の観光案内するという感じで、ホテルを出発です。
まずはホテル・ザッハーで、昼食代わりにコーヒーとザッハートルテをいただきます。定番ですね。
あとはショッピングしながら、目抜き通りのケルントナー通りを抜け、ウィーンのシンボルの聖シュテファン大聖堂へ。

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そのあとはグラーベン通りを抜け、高級ブランドショップの立ち並ぶコールマルクト通りにご案内。
一通りのショッピングのあとは少し観光モードで王宮、美術史美術館(建物だけ)、国会議事堂と歩き、市民庭園のバラ園で力尽き、一休み。
歩き疲れたので、あとはトラムに乗って、王宮庭園のモーツァルト像にまたまたご対面。

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で、時間も時間なので、トラムと地下鉄を乗り継ぎ、再び、聖シュテファン大聖堂に戻り、モーツァルトハウス(フィガロハウス)を通って、夕食へ。
今日の夕食は、私達が行きつけのグーラッシュ(ハンガリー風のビーフシチュー)専門のレストラン(グーラッシュ・ムゼウム)。
ここでのグーラッシュとウィーナーシュニッツェルは姉たちにも大好評だったので、案内役としては一安心。
食後、近くのカフェ(カフェ・ディグラス)でコーヒーをいただき、元気回復。再び、ショッピングしながら、ケルントナー通りを経て、ホテルに戻ります。
正直、随分、歩き回り、疲れ果てました!!
今夜はオペラもないので、今はホテルのお部屋でぐったりしているところです。
明日も1日、ウィーン観光です。



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ウィーンは暑い!!!

ウィーンは今日も雲ひとつない晴天、うだるような暑さです。日本のように湿気はないので、日陰は比較的涼しいのがまだしも。

今日もウィーン観光案内モードです。まずは定番中の定番、シェーンブルン宮殿は欠かせません。トラムと地下鉄を乗り継いで、朝一番で宮殿へ。宮殿内部の観光はパスして、庭園をタダで見せてもらいます。折角なので、ツアーではほとんど行かない庭園奥の丘のグロリエッテに上り、眺望を楽しみます。

この丘の上のカフェでゆっくりお茶するつもりでしたが、外の暑い日差しのテラス席しか空いていないのでお茶は断念。下りは庭園の林の中を抜けますが、かわいいリス君たちと遭遇し、ほのぼの・・・・・

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次はベルヴェデーレ宮殿に向かいます。トラム・地下鉄・トラムと乗り継いで、ようやく到着。
saraiが久しぶりにスフィンクスのお胸に「タッチ!」出来、上機嫌です。と、これを見ていた少年がちょっと恥じらいながら「タッチ!」・・・・・困ったものです。

さて、まずは久しぶりにクリムトの『接吻』とご対面です。やはり、今日も光り輝いています。傑作ですね。
と、配偶者が「この絵もすごいね!」と小さな絵を指さします。クリムトの「水蛇1」という絵。『接吻』と似た作風の素晴らしい絵です。今回の新たな発見です。

ここではシーレの「家族」も見逃せない傑作です。なんと暖かい情感の漂う絵なんでしょう!!

というところで午前中の観光はオシマイ。お昼時になります。
今日はsaraiの姉がsaraiの退職記念に特別なランチをご馳走してくれるとのことで、ウィーン随一のホテルであるインペリアルホテルに向かいます。

まあ、ランチということで、形式ばらないカフェ・インペリアルでワイン・スープ・シュニッツェル・デザート・コーヒーといったご馳走をいただき、満足です。

このあとは、明日、日本に出発する姉たちのお土産もののショッピングでスーパーやブランドショップ巡りでこの日は終了。



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ウィーンもザルツブルグもとにかく暑い!!

ウ~、あぢぢぢぢ!

ザルツブルクへの移動の電車待ちで、西駅の待合室でこの記事を書いていますが、ものすごい暑さです。陽射しが半端じゃないです。焼き鳥とか焼き豚の気持が分かりそうです。
日陰で風が吹けば、うんヨーロッパの暑さってこんなものなんだ・・・と思えるのだけど、どこを見渡しても雲一つなく広がる青空から突き刺さすような陽射しは、南九州育ちのsaraiもビックリです。
もちろん、この待合室には冷房は入っていませんよ。トラムなどの交通機関やカフェなども冷房が入ってるものは少ないです。

さて、今日はsaraiの姉と姪っ子は日本に帰ります。
お昼までの短い時間を楽しみましょう。朝食を済ませ、シュタットパルク(市立公園)までお散歩です。ベートーヴェンの像の前で記念撮影。パチリ。
ここから、シュタットパルクに入ります。まずはヨハン・シュトラウスの金色に輝く像にご挨拶です。

お次はシューベルト像。
真ん中の池はいかにも美しく鴨が浮かんでいます。

木々の間からは美しい鳥の声。配偶者によると、これはドイツ語で歌っているとのこと(笑い)。

公園散策を終えて、リング通りに出て、トラムでホーフブルグ(王宮)に向かいます。
最後のお茶をするためにカフェに向かいます。
王宮を抜けて、コールマルクトに向かう途中、姉が前から気になっていたお店にふらふらっと・・・。
プチポアンのお店です。そこそこの品を求めて、ふと、店の中を見渡すと、写真が3枚飾ってあります。
なんと、この店は日本の皇室ご愛用の店で天皇・皇后がご利用になっているようです。

さて、やっと最後のカフェ、デーメルに到着。
もちろん、ザッハトルテとメランジェ、アインシュペナーをオーダー。ミット・シュラークと言わなかったので、ホイップクリームなしで持ってきます。言わなくても持ってきたのはカフェ・ザッハー。もちろん、後でミット・シュラークって言って、山盛りのホイップクリームを持ってきてもらいます。姪っ子は一口食べるなり「美味しい!」。ホテルザッハーとインペリアルホテルとデーメルの3つを食べ比べて、軍配はデーメルに上がったようです。これは配偶者も同じで、二人とも納得です。

さあ、そろそろ帰りましょう。名残惜しいですが、トラムでホテルへ。荷物をピックアップして、タクシーで空港に向かいます。
なかなか愛想の良いおじいさんドライバーです。日本人と確認できると、ソニーやパナソニックは素晴らしいとかトヨタは良い車だとか褒めてくれます。で、saraiに仕事は?と聞くので、リタイアして仕事はないと言うとものすごく怪訝な表情なので、仕方なく「コンピュータエンジニアだよ」というと納得してくれました。

いろいろ会話を楽しんでいるうちに空港です。
やはり、この空港もマシンでセルフチェックインです。今回はチューリッヒ空港でもやっているので、それなりに要領は分かっているので、何とかチェックイン完了。
で、プリントアウトされた搭乗券を見ると、姪っ子の分の搭乗券は座席番号が空白。操作画面に目をやると座席番号を確定できませんというメッセージ。空港の係の人に聞くと、搭乗ゲートで処理してくれとのこと。搭乗ゲートにはsaraiは付いていけないので、困ったなと思いますがどうしようもありません。何か具合の悪いことがあれば、携帯で連絡してねということで、不安ながら、別れました。

その後、携帯で連絡があり、座席は予約通り、並び席が確保でき、免税手続きも完了したとのこと。さすがにsaraiの姉はしっかりしていました。

こちらは安心して、電車に乗って、再び、ウィーン市内に戻ります。
鉄道チケットを購入しホームに向かおうとしていると、奥さんと小さな子供を2人連れた元気のよい男が市内に向かうのはこれでよいのかと訊いてきます。そうだよと答えると、大きなカバンをいくつも積んだカート押してエレベーターを降りていきます。ホームにいると、この男が血相を変えてエスカレーターを駆け上がっていきます。しばらくすると、小さめのキャリーバックを持って帰ってきます。「目を離したすきに持っていかれてしまったのを取り返してきた。もう大変だったよ」と言ってます。エェェェ!です。お父さんは逞しいねっ。

さて、ウィーン市内に到着。まだ、ウィーン西駅からザルツブルグ行の電車の予定出発時間には4~5時間もあります。そこで配偶者からの提案で、レオポルド美術館にクリムサウンド・オブ・ミュージックの登山鉄道トとシーレの絵を見に行こうということに。

地下鉄を乗り継いで、ムゼウム・クヴァルティアにあるレオポルド美術館に直行。
2年ぶりにここでシーレの傑作群とご対面。特別展でクリムトの絵も展示されており、昨日に引き続き、ウィーン世紀末芸術(といっても20世紀の作品群ですが)を堪能しました。
クリムトの「死と人生」という作品です。

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で、またまた、食い気。カフェというより、軽食が欲しいところ。外はとても暑いので動き回る気になれず、ホテルに向かう方向ということで、ホテルの最寄駅のカールスプラッツの日本食レストランで昼食もどき。
makimonobentouとudonを注文してみました。makimonobenntouは、予想通り巻きずしとごはん(この組み合わせがようわからん!)とエビフライとサラダ。udonは、長崎チャンポンの麺をうどんにしたようなもの。炒め野菜たっぷりでなかなか美味です。

2010071202.jpg



日本食も世界に受け入れられたようですね。この店には普通の家庭で付けるようなエアコンが付いてたけど、これではほとんど効果なく汗だくで食べます。

陽射しを避け、日陰を選びながら歩いてホテルへ。4日間の小旅行用に小分けしたカバンを受け取り、大きなスーツケースはホテルに預けて、出発です。

トラムを乗り継いで西駅に発車1時間前には到着。掲示板を見ると、少々遅れ気味との表示が出ています。
待合室で待つことしばし。電車が入線したようなのでホームに向かいます。が、入線したのは我々の電車と連結していくインスブルック行き電車のみで、我々のミュンヘン行き電車はまだ。多くの乗客が熱い陽射しを避けて日陰で待ちます。

8分遅れで出発。もちろんこれには冷房が入ってますよ。
郊外の工場の多い地域を過ぎると、緑美しいトウモロコシ畑がどこまでも続く丘が広がります。その中に、風力発電の風車を発見。世界中にこの風車が広まっていますね。

ザルツブルグに着いたのは約10分遅れの夜9時過ぎ。もう、日が落ち、薄暗くなっています。
トロリーバスで旧市街にあるホテルに向かいます。このホテル(Best Western Hotel Elephant)は700年以上前に建てられた建物です。近くにはモーツァルトの生家もあります。モーツァルトを身近に感じながら、ザルツブルグの1日目の夜、安らかな眠りにつきます。

オヤスミナサイ・・・・



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サウンド・オブ・ミュージックの登山鉄道

今日は、あのサウンド・オブ・ミュージックでマリアと子供たちがピクニックに出かけたシャーフベルク鉄道に乗って、ザルツカンマーグートの絶景を楽しみに出かけます。
この旅で一番晴れて欲しい日です。ここまで異常なほどの暑い晴天が続いているので、そろそろ天候も崩れるかと思いきや・・・今日も素晴らしい快晴です。そして、暑い!

まずはホテル(ザルツブルグ旧市街)からバスで中央駅まで出ます。
中央駅からはまず150番のポストバスに乗ります。順調にザンクト・ギルゲンの町まで行きます。
ここから、ヴォルフガング湖を船で渡り、シャーフベルク鉄道の出るザンクト・ヴォルフガングまで行きます。湖面を行くといっても、今日もとにかく暑い。配偶者の指示で船上デッキの日陰に席を取ります。岸辺では、湖水浴や日光浴で水着の男女が大勢。まさに夏のバカンスですね。

シャーフベルク鉄道の駅に着くと、大勢の人が次の列車待ちです。何せ1時間に1本の列車です。
saraiたち2人は首尾よく、並び席でSLの車両に乗り込みます。が、まだまだ人はあふれています。別の列車が用意され何とか全員乗れたようですが、満席で暑いったらありゃしない。

皆が乗るための大騒動で出発が遅れましたが、ようやく発車です。かなりの急坂をガッガッガッガッとアプト式のSLが進みます。しばらくは麓の村の中を進みますが、急に視界が開けると、眼下には湖と草原が広がっています。素晴らしい絶景です!どんどん列車は力強く登っていきます。
単線のため途中で下りの電車とすれ違いながら、約1200メートルの標高差を45分かけて登ります。1893年に開通した登山列車で、SLの6台は当時のままだそうです。我々の乗ったのもその1台。1台のSLで2両の客車を押し上げます。

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頂上到着。360度見渡せられる大パノラマが広がっています。ゆっくり眼下の湖や遠くの山々を眺めながらグルリと一周します。かわいい草花も一面に咲いています。

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眺望を堪能したところで、山頂レストランでランチをすることに。レストランは賑わっていますが、素晴らしい景色を眺めながら食事できる席を何とか確保。スープもメインも美味です。
が、1780メートルの山頂にもかかわらず、太陽に近い分暑いのかと思うくらい涼しくない! 冷たい風の吹く心地よさを期待していたのに、この快晴の素晴らしいお天気が恨めしいほどです。
食事の後は、草原の中を散歩して、山頂の滞在約2時間半は過ぎていきます。

帰りは、来た道を逆に辿りますが、SLも船も冷房はなく、バスの少々汗をかかない程度の冷房に救われながらホテルに帰ります。ホテルでお風呂に入り一服。元気を取り戻して、ザルツブルクの街を散策しながら、夕食に向かいます。

今日のレストランは多分、ザルツブルグで1番有名なシュティフツケラー・ザンクト・ペーターです。修道院が経営しているレストランで以前にも1度食事したことがあります。再度、訪問することにしたのは、前回、果たせなかった夢を実現することためです。ここには有名なデザートのお菓子、ザルツブルガーノッケルンがあり、そのあまりにもボリュームがあることから、前回は食べることを断念しました。今回はその再挑戦です。

今回は食べるのをメイン2品(七面鳥のシュニッツェル、グーラッシュ)、白ワイン(ここの自家製)に絞り、ザルツブルガーノッケルンに備えます。今度は完食こそできませんでしたが、まあまあ何とかというレベルです。巨大なスフレであるザルツブルガーノッケルンは甘過ぎるとはいえ、わざわざ食べにくるだけの価値のあるオリジナリティーあふれる美味しいお菓子でした。

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この写真は2人で食べるために料理人が取り分けてくれた後なので、もう一つ巨大さが分かりにくくて、ゴメンナサイ・・・



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/07/14 00:10
araiさん、ヨーロッパの旅を満喫されていますね。トラベル便りを楽しく拝見していますよ。羨ましい限りです。
ザルツブルクへは4年前に行きましたが、晩秋でしたので大変涼しかったです。今度はもう少し暖かい時期に行きたいと思います。
では道中お気をつけて。最高の旅を続けられますことを。

2, saraiさん 2010/07/14 02:04
ハルくんさん、saraiです。
コメントありがとうございます。

今日までザルツブルグで明日はミュンヘンへフェストシュピールでオペラを見ます。フリットリが伯爵夫人のフィガロです。
その後はウィーンに戻り、4夜連続でオペラ・オペレッタです。

羨ませがらせて、ゴメンナサイ。
今日は暑さですこしやられていますが、旅の後半も楽しみます。

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ルードヴィッヒ夢の跡、ヘレンキームゼー城

saraiが得たインターネットの気象情報では、今日は11時頃から雨になるとのこと。連日の超快晴に少々お疲れ気味のsaraiたちとしては、何だか嬉しいような・・・。でも、どうしたら雨が降るのかと思われるほどの青空です。今日はヘレンキームゼー(キームゼー湖に浮かぶ島)に出かけるので、晴れているのはありがたい。早めの行動で、雨が降り出す前に観光をしてきましょう。

8時12分発のミュンヘン行のRE(急行)に乗ります。現在、ザルツブルグ駅は大改造中でプラットホームに行くのは、ぐるっと仮通路を回らないといけません。大工事が終わるのは2014年とのことで、中央に大きな連絡通路ができるようです。現在、昔の駅舎は廃墟のようになっています。チケットの窓口も仮のものです。
で、プラットホームに行くと、既に電車は入線済み。総2階建ての新しい車両です。早速、乗り込むと、まだ、誰も乗っていません。ゆっくりと、4人掛けシートを占拠。定時になると、電車は音もなく発車。ゆっくりとザルツブルグの街を離れていきます。途中、ど団体のおじさんたちが乗り込んできて、やたら、騒々しくなりますが、45分後には予定通り、プリーン・アム・キームゼー駅に到着。

3分後に出るバスに乗るため、バス停を探しますが、見つからず、湖の船着場まで歩く羽目に。もっともバスの乗車時間3分のところなので、たいした歩きではなく、途中の街の様子を見ながら、歩きます。ほかにも歩いている人たちがいます。
周りには、きれいな花のお庭の家も多く、配偶者は興味津々の様子。

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バスに乗らなかったので、その結果、予定の船には乗れず、25分後の船になります。ここも夏のバカンスモードで大勢の人たちが船に乗り込みます。強い陽射しですが、昨日のクルージングと違い、船が走り出すと、湖上の爽やかな風が心地よく、とてもいい気分。 20分ほどで湖上の島ヘレンキームゼーに到着です。

ここからは島の中心にあるお城まで20分ほど、木漏れ日の差す美しい木立の中を抜けていきます。
遂に木立の向こうに噴水やお城が見えてきます。
お城の庭園に数多く吹き上がる噴水に驚かされます。バロック庭園というんでしょうか、左右対称の美しい庭園です。

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お城の内部はガイドツアーです。我々は自動的に英語のツアーになっています。ガイドさんから配偶者にさっと何も訊かずに日本語のパンフレットが渡されます。む、なぜ日本人と分かる? ほかにロシア語、フランス語、スペイン語などのパンフレットを配っています。イギリス人もアメリカ人もいない英語ツアー、何か変ですね。

このお城はベルサイユ宮殿を模して建てられたので、鏡の間とか、寝室とか、執務室、ダイニングルームなど、いずれも黄金を多用した贅を尽くした立派なものです。最後にまだ未完の部分に案内されると、そこはレンガの壁がむき出しになった大階段。そうです。このお城はルードヴィッヒの謎の死とともに建設途上で未完に終わったんです。そのあたりの説明をしたガイドさん(若い女の子)は少しうるうる状態です。彼女もルードヴィッヒのファンなんでしょうか。

見学も終わり、元来た道を船着き場に戻ります。で、予定の船でプリーンの船着き場まで湖上クルージング。だいぶ暑くなってきます。雨などみじんも気配がありません。
先ほどは船着き場と鉄道駅の間は歩きましたが、今度はちょうどタイミングがよいので、SLに乗ります。キームゼー鉄道という観光列車。
楽ちんで8分で鉄道駅に横付け。

すぐにザルツブルグ行の電車が来たので乗りますが、冷房のない電車です。暑さでうとうとするうちにザルツブルグに到着です。
またバスで旧市内に戻ります。気になっていたモーツァルト広場にあるカフェ・デーメルでお昼代わりのお茶をしに行きます。白を基調にしたなかなかおしゃれな建物で賑わっています。さすがに冷房はしていますが、あまりきいていません。ケーキよりもアイスクリームが食べたくなり、メニューを探しますが、それらしいものがありません。お姉さんに、アイスクリームはどれかしら?とメニューを指さすと、アイスクリームだけの載っている別のメニューを持ってきます。別なんだ!
いやあ、美味しかったですよ。

ホテルに戻り、エアコンでガンガン冷やしながらぐっすりお昼寝です。saraiは3時間ほどもぐっすり寝て元気回復。
この部屋は、食卓もあるほど立派な部屋なので、この際ルームサービスで夕食をお願いして、部屋での休養に徹することにします。

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部屋で食事ができるのはいろんな意味で楽ですね。美味しくいただき、お風呂に入って、早めに休みましょう。

明日からは五夜連続のオペラ鑑賞に突入です。



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スイスへ出発

いよいよ、明日、スイス・オーストリアの旅に出発します。

17日間の長旅、現地からも時々、レポートします。
まずは明日は成田からウィーン経由チューリッヒに向かいます。

ここ数日は電気工事士の試験勉強、旅の最終準備で大忙し。
オペラ・オペレッタも8つ見るので、予習も大変です。

意外に手間取ったのが、新たに購入したモバイルPCのセットアップ。データや各種ソフトのインストール・設定。
それに今回はヨーロッパ専用にGSM携帯も購入しました。
それやこれやでばたばたし、若干寝不足気味。

でも、明日は早朝、家を出ます。
元気で行ってきまーす!!



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「フィガロの結婚」@バイエルン国立歌劇場 2010.7.14

ミュンヘンの美術館を堪能した後、ホテルでしばし休養をとって、オペラハウスに出かけます。
今夜のオペラはミュンヘンのオパーン・フェスト・シュピーレ。
会場はもちろんバイエルン国立歌劇場。

トラムに乗る予定で乗り場に向かいましたが、かなりトラムが遅れているような表示が出ていていました。仕方なく、地下鉄で迂回して行きましたが、十分に早めに出発したお蔭で、無事余裕で間に合いました。

今夜のオペラはモーツァルトの「フィガロの結婚」。素晴らしい出来にsaraiは大満足。大好きなソプラノのフリットリも出ていたし・・・。

さて、今回に備えて予習していたのは以下。

 ・ザルツブルグ音楽祭2006
   指揮:アーノンクール ウィーン・フィル
   フィガロ:ダルカンジェロ  スザンナ:ネトレプコ
   伯爵夫人:レシュマン    伯爵:ボー・スコウフス 
   ケルビーノ:シェーファー  マルチェリーナ:マクローリン
   バルバリーナ:エヴァ・リーバウ

 現在、望みうる最高のキャストで公演したもので、音楽的にはまったくもって素晴らしい。ただ、演出がザルツブルグらしく、ちょっとね・・・・  
 それとシェーファーのケルビーノの素晴らしかったこと。完全にネトレプコを食っていました。

で、今回のキャストは以下。

   指揮:ヴァルクハ
   演出:ディーター・ドーン
   フィガロ:ダルカンジェロ
   スザンナ:ティリング
   伯爵夫人:フリットリ   
   伯爵:クヴィエチェン 
   ケルビーノ:ボニタティブス
   バルバリーナ:ソトニコヴァ

何と言っても、フリットリの伯爵夫人が聴きたくて行ったオペラです。
席はいろいろとトラブルはあったものの最終的には、平土間の2列目のまさにど真ん中を確保。贅沢な鑑賞が期待できる席ですね。

まずはオペラ史上最高に素晴らしい序曲が始まります。期待しましたが、まあまあというところです。もう少し、演奏にわくわく感があればなあと感じました。大いに残念です。
ウィーンはあんなにうまいのにね。
でも、オーケストラは全体に言えば、モーツァルトの本質をついた見事なアンサンブルで序曲以外は満足でした。

さて、まずはスザンナとフィガロの出番。スザンナ役のティリングは以前バーバラ・ボニーの代役(小沢塾の公演)で聴いたことがありますが、そのときに比べるとなかなかの出来。この人はネトレプコのように声量のあるタイプではありませんが、実に透き通った声でスザンナのイメージにぴったり。演技力もなかなかです。それに比べて、スター歌手のダルカンジェロはもうひとつの出来。でも、さすがにベテラン。徐々にペースをあげ、4幕目では素晴らしい歌唱。

圧巻だったのが伯爵役のクヴィエチェン。声の張りといい、声量といい、素晴らしいバリトン。一番の収穫でした。
ケルビーノ役のボニタティブスは結構よいのですが、どうも安定感に欠け、歌の完成度が今一つ。今後に期待。どうしても、シェーファーと比べてしまいますが、それは酷ですね。でも、聴衆にはえらく受けていました。

さて、肝心のフリットリ。相変わらずの美声です。アリア2つとも感激です。あの透き通る美声の心に染み入ること、この上なし。
また、帰国後すぐに来日するトリノ歌劇場でミミが聴けるので、楽しみも倍増です。
まあ、ほかの歌手とは格が違うと言えば、叱られるかな・・・

全体にこのオペラの本質であるアンサンブルオペラがピタッと決まっていたのが印象で、これだけのモーツァルトが聴けるのはここのほかはウィーンくらいだなと思ったくらいの素晴らしいモーツァルトでした。

それにこのオペラはsaraiの好きな3大オペラの一つでもありますしね。ちなみにほかの2つはプッチーニの「ラ・ボエーム」とR・シュトラウスの「薔薇の騎士」。書いてしまえば、あまりに一般的ですが、いいものはいいので、仕方がないでしょう。

で、フィナーレの素晴らしかったことは特筆できます。
伯爵がこれまでの非を悔いて、実に深いメロディーを切々とした歌唱で伯爵夫人に許しを請います。
伯爵夫人=フリットリは透明な天からの声で、優しく伯爵を許します。
これって、男すべての罪、あるいは人すべての罪を聖母マリアがすべてを包み込んで、許してくれる究極の救済であり、フリットリはもう天上の人そのものとしか思えません。
これが「フィガロの結婚」の真のテーマであり、すべてはこの1点に向かって、一見、コメディータッチの劇が進行していくわけです。
このモーツァルトの畢生の名作を見事に表現しきった瞬間がフリットリのフィナーレの歌唱だったと感じました。
最後は一転して、人生の喜びを謳歌するように、アップテンポの最終歌唱で舞台も観客席も一体化して、昇華・・・・

このモーツァルトは今回のヨーロッパで一番、満足できたオペラでした。

ホテルに帰り着いたのは、トラムがなかなか来なかったせいもあり、かなり遅くはなりましたが、満足の睡眠になりました。



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ミュンヘンの美味しい朝ごはん、白ソーセージ

今日も晴れてますっ!
ガンガンに冷やしている部屋は涼しい。昨日一日休養したお蔭で元気モリモリです。

今日はミュンヘンに移動します。
駅へのバスの中、「ホーヘンザルツブルク城の写真さえ撮らなかったね」、「じゃ、時間もあるし、ミラベル庭園でちょっと降りて写真を撮ろうか」。ホーヘンザルツブルク城はミラベル庭園からが一番美しい写真が撮れると思います。一度訪れたことのある街は、こういう余裕がありますね。

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で、途中下車。
いやあ、降りて良かったです。薔薇が真っ盛りです。もともとミラベル庭園は花が美しいことで有名なのですが、やはり薔薇は一段と美しいですね。

さて、ミュンヘン行の電車はDBご自慢のICE、2等車とはいえ、リクライニングできるゆったり席。ところがエアコンが効いてなくて、暑い。
隣の車両はエアコンが効いているので移動。ああ、涼しい!!
座っていると、今度は寒いほどです。空も段々雲が広がってきます。そろそろ好天の猛暑も終わりでしょうか。
そうこうするうちにミュンヘンに到着。

到着したミュンヘンはまた上天気。暑い!!
でも、まず、一番の予定に向かって、突進。

それはミュンヘンの美味しい朝ごはん。白ソーセージです。
地下鉄に乗って、直行のはずが少し乗り間違え、かなり迂回して、目的のマリエン広場に到着。
そこからはすぐに白ソーセージのお店が見つかって、店のおばさんに「白ソーセージある?」と訊くと、あるとのこと。

早速、白ソーセージと白ビールを注文。
白ソーセージは皮をナイフとフォークで剥いて食べますが、何とか、うまく剥け、とてもほくほくと美味しいものです。
白ソーセージは午前中でなくなるらしいので、まずは急いだわけです。

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落ち着いたところでホテルに向かい、チェックイン。

夜のオペラまで少々時間があるので、美術館に行くことにします。またまた、ノイエ・ピナコテークに行くことに。
まず、入館すると、ゴッホの名作3点が目に飛び込んできます。有名な「ひまわり」(日本やアムステルダムにもありますが)や「オーヴェールの麦畑」、「アルルの風景」です。麦畑の明るい色調が印象的です。
ほかはこれと言って、それほどのものはないと思っていると、最後にクリムトの素晴らしい作品があります。このところ、クリムトばかり見ている感じですね。

これで結構時間を取ったので、早めにホテルに戻り、夜のオペラに備えて、休養しましょう。途中でしっかりと夜食をゲットします。

オペラはバイエルン国立歌劇場。少し、トラムの遅れがあり、地下鉄で迂回しましたが、十分に早めに到着。
今夜のオペラはモーツァルトの「フィガロの結婚」。素晴らしい出来にsaraiは大満足。大好きなソプラノのフリットリも出ていたし・・・。

帰りはなかなかトラムが来ず、またも地下鉄で迂回。ところがホテルの前で大粒の雨に降られ、ホテルに駆け込みます。
まったく久しぶりの雨です。

もう遅くなりました。オヤスミナサイ・・・

明日はウィーンに戻ります。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/07/15 23:13
こんにちは。

バイエルン歌劇場は懐かしいです。
自分が行った時には、ちょうど「リング」チクルス中だったので、そのうちの「神々の黄昏」を観てきました。
ルードヴィッヒ王がここでオペラを愉しんでいたのかと思うと中々感慨深さがありました。

2, saraiさん 2010/07/16 10:06
ここの歌劇場はワーグナーゆかりですね。
私もここで初演されたトリスタンを見て、ルードヴィッヒ2世に思いをはせたことがあります。
今回のモーツァルトは演出もまともで?(舞台装置は例によってシンプル)、モーツァルトのアンサンブルを見事に表現したものでした。また、詳細は帰国後、アップする予定です。

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「魔笛」@ザンクト・マルガレーテン音楽祭 2010.7.15

さて、今夜のオペラはウィーン郊外のザンクト・マルガレーテンで行われます。ウィーンの国際バスターミナルから、特別の送迎バスが出ます。やはり、地下鉄を乗り継いで、国際バスターミナルのあるエルドバーグに行きます。到着してみると、あちこちいろんな国に向かう大型バスがいっぱ並んでいるのに圧倒されます。これらのバスに乗っていくのでしょうか大きな荷物を持った人が多いです。また、別れを惜しんでいる人や見送りに来た人もいて、ごった返しています。空港の国際線と全く違う雰囲気です。


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18時出発の15分ほど前にバスがはいってきました。運転手さんは、汗だくでチケットの確認をしてました。全員が揃うと、運転手さんが挨拶をして注意事項を説明して(多分・・・)、それが終わると乗客から拍手がおきました。なんだか、日本のバス旅行のような感じで楽しいです。


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いよいよ出発。バスは、小麦やトウモロコシやヒマワリの畑の中の高速道路を飛ばして、1時間ほどで会場に到着。
私たちがバスを降りるときに、運転手さんが「この場所で待ってるよ。端から3台目だからね」と、それはそれは子供に言い聞かせるように言いました。もちろん日本人は我々だけだから、ちゃんと戻ってこれるかとっても心配だったのでしょうね。
駐車場は広大で迷うと大変なことになります。それでも、さすがにバスはオペラ会場の入り口の一番近くに駐車したので、便利でよかった。
で、駐車場で周りを見回すと、えらく見慣れた車。
そうです。わが愛車プリウス。それも新型。


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今回の旅行で随分、プリウスを見ましたが、まだ、新型(30型)は珍しいようです。

会場は昔はローマ時代の石切り場だったところ。ものすごく整備し、舞台装置も見たことがないくらい凝ったものです。こんなもの作って、ひと夏で元がとれるんでしょうか?
石切り場にある舞台まで、駐車場から、長い長い通路が整備されています。全体はすごく広大で驚きました。


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舞台の凄さにも驚きましたが、既に会場に集まっている人の数も相当なものでビックリです。そして皆さん、シャンペンやワインなどを手に、軽食を食べながら、大いに盛り上がっています。一大パーティー会場の雰囲気です。食事はどうするのかと心配していましたが、何も問題ないですね。私達も、皆さんに倣って、飲み物とサンドイッチを手にテーブルを相席させてもらいました。
ちなみに下の写真の右側の一段高いスペースはVIPラウンジ。もちろん、今夜はsaraiは左側の低い場所にある一般ラウンジで軽食をいただきました。
なお、奥に見えるのが観客席。その右手が舞台です。


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さて、お腹に食べ物を詰めたところで、いよいよ、舞台・観客席に向かいます。
まずは巨大で凝った舞台セットに圧倒されます。
舞台の上では、セットを見物するツアーをやっています。VIPラウンジのかたたちの特権でしょうか。


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ちなみに、中央のライオンの顔をした巨大な怪物はオペラの途中で真ん中から2つに割れて、左右に分離し、後ろに隠れているザラストロの宮殿が現れます。ダイナミックな舞台装置ですね。

舞台の前から観客席全体は、こんな感じ。


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そのうちに舞台のライトアップのテストが始まりました。
まだ、明るいですが、それでもこの美しさ。夜の闇がおりてくると、きっと美しいでしょうね。


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ともあれ、今夜の演目はモーツァルトの「魔笛」。オーケストラも歌手もすべてマイクを通しているので、よく音が通ります。野外オペラだから、どうしてもそのようになりますね。まあ、ミュージカルを見るようなものですが、仕掛けの数々があっと驚くようなもので、面白いスペクタクルです。

一応、今回に向けて予習したのは以下。

 ・ザルツブルグ音楽祭1982
指揮:レヴァイン 演出:ポネル
   ザラストロ:タルヴェラ   タミーノ:シュライヤー
   弁者:ベリー   夜の女王:グルベローヴァ
   パミーナ:コトルバシュ  パパゲーノ:ベッシュ
   パパゲーナ:ジーバー

 これは往年?の名歌手がずらっと揃ったDVDです。なかでも、まだ現役ですが、もう夜の女王は歌わないグルベローヴァの素晴らしいコロラトゥーラが聴きものです。

で、今回のキャストは以下。

指揮:シューツ
   演出:ワーバ
   ザラストロ:イェンティンス
   タミーノ:クドリャ
   弁者:クラーセンス
   夜の女王:ミヒャイロヴァ
   パミーナ:シュタインベルガー  
   パパゲーノ:ツェンクル
   パパゲーナ:プラットシャー

オーケストラはステージ横手の建物の中で演奏しており、姿がほとんど見えません。そのオーケストラの音がスピーカーで広大な会場に流されますが、意外にいい音です。普通の室内のオペラのような臨場感には欠けますが、思ったほど、悪くはありません。
歌手達も同様な印象。生声を聴いていないので、うかつな評価は慎みますが、パミーナ役のソプラノのシュタインベルガーの声は好きな部類の声で気持ち良く聴けます。

演出としては火薬が多用され、あちこちで炎や白煙があがります。始まってしばらくすると、左手の方からハトの群れが飛び立ち、舞台の上空で旋回しだしました。野外の会場だと、鳥やカラスが煩いことがよくあると聞いていたので、その類かと思っていたら、サァ~ッと舞台に舞い降りてきて、舞台の上にある籠に皆入ってしまいました。演出だったんです!
あまりの見事なハトの演技に大拍手がおきました。

また、夜の女王は、舞台中央の怖いライオンの顔の頭のてっぺんに立ってアリアを歌いました。イヤァ怖かったと思いますが、そんなことは微塵も感じさせない堂々とした歌いっぷりでした。

驚きの演出に大いに楽しめましたが、途中の虫の大群の襲来には閉口しました。しっかり防虫シートを持参し肌に塗りまくりましたが、完全に防御できるレベルの虫ではありませんでした。後ろのおばさんが防虫スプレーを貸そうかと言ってくれました。みなさんの親切に感謝。でも、それくらいではとても虫は撃退できません。

そんな感じで第1幕が終わり、休憩。
2幕目以降もどんな趣向があるのか大いに期待です。

ところが休憩中にアナウンスが入ると、観客がぞろぞろと会場から出たり、合羽を出し始めました。どうも雷雲が近づいているとのアナウンスだったようです。もちろん私達も準備はばっちりです。ウインドブレーカーをはおり、傘を出して雷雨に備えます。気温もどんどん下がります。着込んだ完全装備状態でも全く暑くありません。先ほどまでの暑さが信じられません。

いよいよ雨がぽつりぽつり降りはじめ、雷は近くで鳴るは、雨は激しく降り出すはで、もう大変です。


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で、第2幕がなかなか開きません。石切り場ならではの火薬を多用した演出が、雷で危険になっているようです。ステージに近い席の人(我々も)は強制的にセキュリティの人の誘導でステージから遠いところに避難。
結局、雨は強くなる一方で、ここで公演中止。残念ですが、仕方ありませんね。この時点でもうすぐ夜中の12時というところでした。
また、バスでウィーン市内に。
バスはシュターツオパー前まで送ってくれたので、あとは徒歩でホテルに。1時過ぎです。



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ウィーンに雷雨

今日は曇り空。久々ですね。っていうか、初めてかな?

ホテルのチェックアウトを済ませ、Sバーンの地下駅に向かいます。
カールスプラッツの大きな地下街にもぐり、駅に向かいます。この地下街には軽食レストランやスーパーも何軒もあります。長い滞在には便利ですね。
ともあれ、Sバーンでミュンヘン中央駅に。いつもながら、この駅は立派な駅です。ターミナル形式の駅にはホームも多く、いろんなところに向かう電車が発着しています。
着いたときはもう発車10分前で、14番線のホームには、我々の乗るザルツブルグ、リンツ、ウィーン経由ブダペスト行のオーストリア国鉄ご自慢の特急電車レールジェットが停車しています。今日はウィーンまで4時間の鉄道の旅なので奮発してファーストクラス。といっても、ドイツ国鉄DBの割引チケットを使って半額ですけどね。

ファーストクラスは通路を挟んで2列と1列のシートが並ぶゆったり車両。リクライニングはもちろん、電源コンセントも各シートに装備しています。スナック菓子とジュースが発車後まもなく配られます。もちろん、無料! 食堂車から、オーダー取りも来て、注文すると席まで運んでくれます。これは有料。
でも、やはり、DBの特急ICEのほうがやはり立派かな。今後はICEに乗るようにしたいですね。

ミュンヘンとザルツブルグ間は山がちの線路を走るので時速100キロ程度ですが、ザルツブルグを出て、リンツに近づくと大平原の中を時速200キロで特急らしく高速運行。日本の新幹線より少し遅いくらいです。
で、リンツにも定刻に到着・発車。あと、ウィーンまで1時間半です。

12時も過ぎ、そろそろ、昼時。ファーストクラスの特権を活かして、食堂車(といっても食卓はほとんどなく、昔の新幹線のビュッフェみたいなもの)から、食事を取り寄せます。
ビーフのダンプリング入りのスープ、グーラッシュスープ、チキンシュニッツェル、キーマカレーライスを2人でシェアして食べます。とても電車で食べているとは思えない美味しい食事。特にあったかい丸いフランスパンの美味しいこと。

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おなかいっぱいで(もちろん、完食)、コーヒーも断ります。
今夜はザンクト・マルガレーテンに野外オペラを見に行くので、これからの食事がどうなるのか分かりません。ここでしっかり食べられて良かったでしょう。
もうすぐ、ウィーンです。

ウィーン西駅に到着後、トラムを乗り継ぎ、ホテルに直行。4日前にチェックアウトした同じホテルです。レセプションのお姉さんはしっかり、2度目の滞在ねって、確認してくれます。
で、また、3度目の滞在もあるよって言っておきます。

部屋は最上階の6階(もちろん、日本で言う7階)で前よりも随分いい部屋です。今回の旅はホテルに実に恵まれていますね。このホテルで十分、休養して、今夜の野外オペラに出かけます。
ところで、部屋に荷物を運んでくれたボーイさんが言ってましたが、ウィーンはひどく暑い、テリブルだって・・・・。

さて、今夜のオペラはウィーン郊外のザンクト・マルガレーテン。ウィーンの国際バスターミナルから、特別の送迎バスが出ます。地下鉄を乗り継いで、国際バスターミナルのあるエルドバーグに行きます。なんだか、バスがいっぱいいて、ごたごたしたところです。18時出発の15分ほど前にバスがはいってきます。高速道路を飛ばして、1時間ほどでザンクト・マルガレーテンの野外オペラ会場に到着。

会場は昔はローマ時代の石切り場だったところ。ものすごく、あたりを整備し、舞台装置も見たことがないくらい凝ったものです。こんなもの作って、ひと夏で元がとれるんでしょうか?

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演目はモーツァルトの「魔笛」。オーケストラも歌手もすべてマイクを通しているので、よく音が通ります。野外オペラだから、どうしてもそのようになりますね。まあ、ミュージカルを見るようなものです。
ただ、仕掛けの数々があっと驚くようなもので、面白いスペクタクルです。
そんな感じで第1幕が終わり、休憩。

ところが休憩中に雷雲が近づき、雨もぽつりぽつり。で、第2幕がなかなか開きません。
ここは石切り場なので火薬を多用した演出ですが、雷で危険になっているようです。

結局、雨は強くなる一方で、ここで公演中止。残念ですが、仕方ありません。また、バスでウィーン市内に戻ります。

ホテルは午前様で今は午前2時過ぎ。お風呂に入って、ゆっくりとヤスミマス。オヤスミナサイ・・・



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「ウィーン気質」@バーデン夏劇場 2010.7.16

バーデンはウィーン近郊の昔からの温泉保養地。
オペレッタを見るためにカールスプラッツからバーデン電車で1時間かけて出かけました。この日はバーデンのホテルに1泊します。

まずはバーデンでのテルメ、街散策を楽しみました。
特にヨーロッパ1の規模を誇るバラ園はなかなかのものでした。


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この後、ホテルの部屋で短時間ですが、ぐっすり眠り、英気回復して、正装でオペレッタへ。

今日はバーデン市の夏劇場でヨハン・シュトラウスの「ウィーン気質」です。(厳密に言えば、このオペレッタを完成させたのはヨハン・シュトラウスではないが、音楽はヨハン・シュトラウスのものを組み合わせている。)

劇場へはホテルからタクシー。何せ、正装しているので、暑くて、とても歩いて行く気にはなれません。
公園の中にあるこの夏劇場は小さいですが、立派な外観です。
夏しか使わないのはもったいないですね。


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saraiが行ったときには、既に大勢の人たちが劇場の前でドリンクを楽しんでいました。
入口の横には、今回の公演を紹介する写真があります。
この夏は「ウィーン気質」のほかにオッフェンバックの「パリの生活」も公演しており、写真のうち、左の6枚は「パリの生活」、右の3枚が「ウィーン気質」です。


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今回の公演のシートはチケット売り出し開始直後にゲットしましたから、2列目の中央というかぶりつきの席。なおかつ、この劇場はコンパクトなので、ステージも狭く、そしてなによりも客席からステージが近い。舞台にいる歌手の表情がくっきりと見えます。
思いっきり、近くで見ることができるのはなによりですね。

主要人物を演じる歌手たちはみんな芸達者で声もよく、素晴らしい仕上がりのオペレッタになっていました。ウィーンのフォルクスオーパーに勝るとも劣らないというのが印象で、楽しくて、楽しくて、最初から最後まで分からないドイツ語ではありますが、にこにこ顔で聴いていました。

また、この劇場は夏だけの劇場にふさわしい仕掛けがあります。
それは天井が開閉することです。


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開演時は満開状態。終演に近くなり、外がまっくらになるとがーっという音を立てて、あっと言う間に閉めてしまいました。
お蔭で終演時は暑いことこの上なし。閉めたのは何か事情があったのでしょうか。虫がはいってくるとか・・・。
あまりの暑さに、saraiは、上着を脱ぎ、Yシャツの袖をまくり、ネクタイをはずし、ボタンを開けて・・・と大変でした。ここは保養地ということもあるのか、皆さんラフな格好でした。

さて、今回に備えて予習したビデオは以下の2つ。

 ・メルビッシュ音楽祭2007
   指揮:ルドルフ・ビーブル
   ツェドラウ伯爵夫人:ナーデルマン  ツェドラウ伯爵:ライナー・トロスト
   フランツィスカ:クロブカー  イプスハイム・ギンデルバッハ侯爵:ハラルド・セラフィン
   ペピ:シュッテングルーバー

 これはライブ収録でオペレッタの面白さ満載で音楽的・お芝居的な水準も高いものです。

 ・UNITELオペレッタ映画
   指揮:パウリク  演出:ランスケ
   ツェドラウ伯爵夫人:ハルシュタイン  ツェドラウ伯爵:コロ
   フランツィスカ:コラー  イプスハイム・ギンデルバッハ侯爵:クッシェ
   ペピ:パポウシェク

 これは映画なので、ライブ感には欠けますが、全体の仕上がりはなかなかのものです。それにコロとコラーは素晴らしい。

今夜のキャストは以下。

   指揮:オリバー・オスターマン
   演出:ヘルムート・ヴァールナー
   ツェドラウ伯爵夫人:バーバラ・ペイハ
   ツェドラウ伯爵:アンドレアス・シャガール
   フランツィスカ:コルネリア・ツィンク
   イプスハイム・ギンデルバッハ侯爵:フリッツ・ヒーレ
   ペピ:エリザベート・シュヴァルツ
   カーグラー:ワルター・シュヴァブ
   ヨーゼフ:アンドレアス・ザウアーザップ
   御者:フランツ・フェーディンガー

まず、オーケストラですが、これは優秀。さすがにウィーンの音楽水準の高さを反映しています。
次から次にヨハン・シュトラウスのウィンナーワルツの名曲をリズム感よく演奏。
ここって、いつもこんなレベルなんでしょうか。素晴らしいですね。
指揮者のオスターマンもオペレッタの捌きが見事。若手ですが、なかなかのものです。

歌手はみんな歌もうまく、芝居上手。
執事のヨーゼフ役のザウアーザップと彼の恋人のペピ役のシュヴァルツは身も軽く、オペレッタ特有のダンスの楽しいこと、楽しいこと。
ツェドラウ伯爵、伯爵夫人ガブリエーレ、愛人フランツィスカのからみもみな歌とお芝居がうまいので、これも楽しい。
ボケ役のイプスハイム・ギンデルバッハ侯爵と愛人フランツィスカの父カーグラー、御者たちのお芝居も言葉(ドイツ語)が分からなくても雰囲気だけでもすごく面白いので、分かればどんなものでしょうね。

このオペレッタにはリフレインがあまりないのが寂しいところですが、伯爵のアリアでは拍手が多く、やりました。
伯爵役のシャガールは素晴らしく張りのある声で聴きごたえ十分。
難を言えば、伯爵夫人のソプラノのペイハの声は美声できれいなのですが、声量が少し小さく、最大の聞かせどころ「ヴィーナー・ブルート・・・・」と歌うところの盛り上がりがもう一つだったかもしれません。saraiも大好きなところなんですが・・・・
フランツィスカ役のツィンクは声もよく出ており、歌唱力も十分。

いずれにせよ、今夜のキャストは文句なしに素晴らしく、このキャストであれば、どのオペレッタをやっても面白いこと間違いなしって感じです。
例えば、「チャルダッシュの女王」とか聴けば楽しいでしょうね。
それほど、素晴らしいオペレッタらしいオペレッタでした。

なお、途中の休憩は夏の公演らしく、ホールの外に出るとまだ明るく、みな、公園のほうに出て、ドリンクを飲んだり、談笑したり、とてもよい雰囲気でした。


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オペレッタらしい楽しい終幕を迎え、saraiは大満足。久しぶりに楽しいオペレッタを見て、にこにこです。

終演後は暗い夜道を何とか迷わずに20分ほどかけてホテルに無事帰着。
シャワーを浴びてさっぱりし、よく効くエアコンで十分体を冷やし、さあ、寝ましょう。



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この記事へのコメント

1, Njegusさん 2010/07/28 22:45
saraiさま
私は前日の17日「パリの生活」を観ました。「地獄のギャロップ」カンカン、ダンサーは5人でしたが踊りは最高でした。終りに近く夕立になりホテルまで濡れて帰りました。15日のアン・デア・ウィーン劇場の「こうもり」も帰り地下鉄の駅で猛烈な雷雨、ウィーン近辺は夜の夕立に要注意ですね(2008年も何回も経験しました)
15日のザンクト・マルガレーテンのオペラ途中で終了とか、お気の毒さまでした。16日夜メルビッシュを観たのですが幸い晴天で、ウィーンへの帰りのバスの中からザンク・トマルガレーテンの終りの花火が良く見えました。行っている間中暑さには悩まされました。
来年も行きたいなとは思っておりますがどうなりますことやら。

2, saraiさん 2010/07/30 00:38
Njegusさん、ご返事遅れました。

現在来日中のトリノ歌劇場を見たりでばたばたしていました。

バーデンの夏劇場はどちらもよかったのですね。秋の来日公演がオペレッタならば、是非、出かけたいところでしたね。
アン・デア・ウィーン劇場は幸い観劇中に降ったようで、帰りはぽつぽつで傘不要でした。
ザンクト・マルガレーテンはある意味面白い経験でした。多分、その日だけが途中中止だったようですね。
今回のヨーロッパは特にオペラが暑くて参りました。例外はアン・デア・ウィーン劇場、エアコンが効いていました。

次は夏を避けたいと思っています。

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バーデンでオペレッタ

今日も・・・晴れてます。昨夜の雷雨は焼け石に水だったようですね。でも、もはやテリブルという感じではないです。

さて、今日はウィーン郊外のバーデン(電車で1時間位)でのオペレッタだけなので急ぐ必要はありません。昨夜は深夜の帰還だったことだしということで、朝寝坊を決め込みます。
9時頃に起き出して朝食のレストランへ。

しっかり朝食を頂いて、バーデン一泊のための荷物を持って出発です。
バーデンへは2つルートがありますが、ホテルの近くをバーデン電車が走っているので、それを利用します。でも、チケットは車内だとコインしか使えないので、残念ながら、2駅戻って、始発のオパーで窓口でチケットを買って乗ります。でも、お蔭でバーデン電車の詳細な時刻表がもらえたので、まあいいでしょう。

ちょうど1時間でバーデンのヨーゼフプラッツに到着。
まずは今夜のホテルに向かいます。客待ちのタクシーがいたので、ほぼ最低料金でホテルに楽ちんで到着。
ホテルはお城をリノベーションした立派なものですが、チェックイン後、ベルボーイにその建物の外に案内され、あれっ・・・
連れて行かれたのは別館のスパと客室が新しい建物に作られたところで、あの立派なお城とは別物でした。安い料金の部屋を予約したので仕方ないかも。
客室もこれまでのホテルと比べて狭いです。でも、メリットもあります。狭いのでエアコンがガンガン効き、寒いくらい。
部屋で充分体を冷やさないと外に出る気がしません。

遅い朝食をたっぷり頂いたきりなので、オペレッタの前に早めの夕食もいいかなということで、お街の方に出かけてみることにします。リゾート気分で、saraiはショートパンツ(実は寝間着)にビーチサンダル。配偶者もビーチサンダルです。ホテルの横の広大なバラ園を抜けていきます。大分終りかけていましたが、やはり薔薇はきれいですね。

前回来た時にシュパーゲルがメチャクチャ美味しかった店を探すと、すぐに見つかります。相変わらず賑わっています。夏のトマトスープ、ウィーン風スープにトマトソースパスタ、ハムのパスタ、白ワイン。特にスープが美味しかったのですが、量がたっぷりあり、パスタを食べるときにはもう満腹一歩手前。随分、残してしまいます。このお店はいつもスープが美味しいです。

また、ホテルの部屋で短時間ですが、ぐっすり眠り、元気を回復して、正装でオペレッタへ。
今日はバーデン市の夏劇場でヨハン・シュトラウスの「ウィーン気質」です。チケット売り出し開始直後にゲットしましたから、2列目の中央というかぶりつきの席。なおかつ、この劇場はコンパクトなので、ステージも狭く、そして客席から近い。
思いっきり、近くでオペレッタを見ることができました。
主要人物を演じる歌手たちはみんな芸達者で声もよく、素晴らしい仕上がりのオペレッタになっていました。ウィーンのフォルクスオーパーに勝るとも劣らないという印象で楽しくて、楽しくて、最初から最後まで分からないドイツ語を聴いて、にこにこ。

また、この劇場は夏だけの劇場にふさわしい仕掛けがあります。
それは天井が開閉することです。
開演時は満開状態。終演に近くなり、外がまっくらになるとがーっという音を立てて、あっと言う間に閉めてしまいます。
お蔭で終演時は暑いことこと上なし。閉めたのは何か事情があったのでしょうか。虫がはいってくるとか・・・

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終演後は暗い夜道を何とか迷わずに20分ほどかけてホテルに無事帰着。
シャワーを浴びてさっぱりし、例のよく効くエアコンで十分体を冷やし、さあ、寝ましょう。

帰国も大分、近づいてきました。
最後のラストスパート。
明日はウィーンのお友達と初デートです。るんるん・・・



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「こうもり」@アン・デア・ウィーン劇場 2010.7.17

今日はウィーンでオペレッタ。
いったん、ホテルで休憩して、今夜のオペレッタに備えます。
昨日に引き続き、ヨハン・シュトラウスですが、今日は「こうもり」。劇場はアン・デア・ウィーン劇場です。
このアン・デア・ウィーン劇場はこの「こうもり」を初演した歴史ある劇場。モーツァルトの「魔笛」やベートーヴェンの「運命」、「田園」も初演しています。そういうわけで、一度、ここで聴くのも悪くないと思った次第。

ホテルからはナッシュマルクトを横切ると5分ほどで劇場に着きます。
劇場前では、テーブルが歩道に置かれ、ドリンクを楽しんでいる男女がいます。


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劇場の壁面には今回の「こうもり」の公演ポスターが貼られています。


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この公演ポスターはウィーン市内の各所に張り巡らせてありました。

さて、事前に予習したのは以下。

 ・グラインドボーン音楽祭2003
   指揮:ユロフスキ  ロンドン・フィル
   アイゼンシュタイン:トーマス・アレン ロザリンデ:アームストロング
   フランク:コルン オルロフスキー公爵:エルンマン
   アルフレート:リンドスコーグ ファルケ博士:ハーゲゴード
   ブリント博士:ウルフング アデーレ:ペトロワ
   フロッシュ:ザメル イーダ:シュッテングルーバー

 本場ウィーンものではありませんが、なかなか素晴らしい公演です。

で、今回のキャストは以下。

   指揮:コルネリウス・マイスター
   演出:フィリップ・ヒンメルマン  
   アイゼンシュタイン:クルト・シュトライト
   ロザリンデ:ニコラ・ベラー・カルボーン
   フランク:マルクス・ブッター
   オルロフスキー公爵:ヤチェック・ラシュツコフスキー
   アルフレート:ライナー・トロスト
   ファルケ博士/フロッシュ:フローリアン・ボエシュ
   ブリント博士:エリック・エルマン
   アデーレ:ジュアニタ・ラスカッロ
   イーダ:スヴィンタ・ゲルシュトホーファー

初演の内容とは強烈に異なる演出(初演を見たわけじゃないが(笑い))に驚かされます。
ただ、音楽的には、さすがにウィーンの音楽水準の高さを示す素晴らしいもの。ウィーンで音楽を聴くと、よそがどうしても霞んでしまいます。

演出もさほど、異様ではないと思いました。もっとも、そう思ったのも事前に友人から演出の強烈さについて、お話を聴いていたせいかもしれませんね。
これはオペレッタとして見ると、確かに異様かもしれませんが、オペレッタではなく、オペラとしての「こうもり」がこの劇場で再初演されたと考えると、納得がいきます。軽いオペレッタではなく、本格的なオペラの内容ともとれます。
もっとも、出演者がみんな服を脱いで下着姿になるのをどう考えるかは聴衆個々の自由ですが、従来の殻をぶちこわすという意味はあるかもしれません。まあ、この程度は最近のオペラの演出では特別のことではありませんが、オペレッタ「こうもり」だと異様かも・・・

演出のせいとはいえ、全員が出ずっぱりというのは大変ですね。例えば、アルフレードは本来、第2幕は全然出番がないのに、左手の舞台横のボックス席で観客と混じって、ずっと待機。まるで、スポーツの全員参加みたいです。実は開幕前から、写真のように舞台に近いボックス席は男性1人が座っていました。


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この人の横の席はずっと空いていて、第1幕後半でアルフレードが舞台から仕切りを跨いで、この空いたボックス席に座り込みます。第2幕がはじまってもずっとそのまま。第3幕になって出番になったところで、再び、仕切りを跨いで、舞台に復帰するわけです。

オルロフスキーも幕開きから、舞台中央のソファに腰かけているし、これでは、第1幕もオルロフスキーを主賓とした劇中劇みたいにも見えます。いろんな解釈が成り立つ奥行きの深い演出とも言えますが、必ずしも評価はよくないようです。
ただ、この演出の延長線上に新たな「こうもり」の展開も十分期待できるとも思いました。
それにかなり意味不明な部分も多いのは確かだとしても、何となく、面白かったのも事実です。

歌手はアイゼンシュタイン役のクルト・シュトライトとロザリンデ役のカルボーンがよかったと思います。
カルボーンは高い声の部分が出ませんでしたが(歌わなかった)、音楽的には誤魔化して辻褄を合わせましたからね。
あと、関係ないけど、イーダ役のゲルシュトホーファーがなかなか可愛かった! 
そうそう、アルフレード役のトローストもさすがのテノール。

特筆すべきはオーケストラのウィーン放送交響楽団。とても素晴らしい出来でした。東京のときよりも音の純度が高かった感じ。どうしても演出が奇抜なので、耳がオーケストラから離れるのが残念でした。
最前列中央の席だったので、幕間の休憩で第2ヴァイオリンのトップの金髪のきれいな女性に「東京で聴いたよ。よい出来だったよ」と声をかけると、「どこで聴いたの?」って返事。「オペラシティだよ」って言うと、「ありがとう。今回はバカンスで来ているの?」と言われ、「長いバカンスでね」って言うと、横の第1ヴァイオリンの男性が「楽しんで行ってね」とのこと。
写真はオーケストラピットにいる第2ヴァイオリンのトップの女性とその横で話し込んでいる第1ヴァイオリン(多分)の男性。


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劇場内部の様子もご紹介しておきましょう。今回の演出では、観客席も演出の対象。ということで、観客席の天井から派手な色のライトが当たっています。観客の顔色がおかしいのは写真のせいではなく、客席に赤い色の照明があたっていたからです。


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終演後、劇場の外に出ると、コンサートの途中で激しい雷雨があったようで、道路はビショビショ。まだ少し雨粒が落ちていましたが、この程度ではウィーンでは傘はさしません。私達もそれにならいます。満足、満足でホテルに。ホテルは5分ほどで着ける場所で便利です。

明日も夜は野外のオペレッタに出かけます。



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ハイドンの聖地アイゼンシュタット

晴れてます。
保養地の朝はのんびりしましょう。ということで、8時に起床し、9時前に食堂に行ったのに、皆さん考えることは同じらしくものすごく賑わっています。

さて、食事も終わり、じっくりホテルを見渡してみると、saraiは大きな間違いをしていました。古城を改装したのはレストラン部分でした。もちろん、私たちが朝食を頂いたのも古城を改装した部分です。
古城に継ぎ足す形でフロントとお部屋がありました。別棟として私たちのお部屋とスパがあったのです。

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食事の後、ヨーロッパ一広大なバラ園をじっくり散策しました。池やサイクリング道路もあり、緑豊かな公園内をお年寄りの夫婦や家族がお散歩してました。ジョギングしている人もいました。小川も流れており、その脇の散策路兼サイクリングロードを通って、また、ホテルに戻りました。

で、今日はsaraiがウィーンのお友達と初めて会う日なんです。待ち合わせの時間まで部屋でのんびり(実はドキドキソワソワ)していると、電話が鳴り、「もうホテルに着いてます」とのこと。Hさんは、ネットで仲良しになったウィーン在住の音楽愛好家の日本人女性。ウィーンの演奏会の情報のブログサイトを開いている人気ブロガー。彼女とはいつもEメールをやりとりしている仲です。音楽好きの同好の士として、saraiがウィーンに行ったら会って音楽の話をしようと半年以上前から約束していました。

今日は土曜日でHさんも仕事が休み。いつもだと音楽会で忙しいHさんも今、ウィーンは音楽会はオフシーズンで比較的暇な時期。フロントまで、いそいそ行くと、Hさんが待っていました。どんな人かはヒミツ。個人情報ですからね。でも、素敵な女性でした、うきうき。
で、すぐに旧知の仲のように意気投合。
今日はHさんが車で案内してくれることになっています。行き先はこちらの希望もあり、ハイドンの聖地アイゼンシュタット。ここバーデンからは1時間ほどです。

車の中ではいろんな話で盛り上がりましたが、ほとんどHさんがしゃべっていたような気もします・・・(Hさん、ゴメンナサイ!)
アイゼンシュタットではまずランチすることにしていて、レストランの予約もお願いしてあります。
が、アイゼンシュタットに着いてもまだ予約の時間にはまだ早く、とりあえず、街を見下ろす高台にあるグロリエッテという古い建物に向かいます。ここは現在カフェレストランになっていて、お茶をしながら、眺めと尽きぬ話を楽しみます。

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時間になり、予約のレストランへ。何とハイドンが楽長として仕えていたエステルハージ宮殿の真向かいです。もとは厩だったとのこと。きのこのクリームスープ、牛肉と野菜のパスタ入りのコンソメスープ、ノイジーダラー湖の魚のフライ、魚ソテーの温野菜とパスタ添え、アイスコーヒー(アイスクリームのせ)、クレームブリュレ(アイスクリーム付)といったところをいただきました。もちろん、当地の白ワインは飲みました。
ちなみに、このアイスコーヒーは、コーヒーにアイスクリームと生クリームが入ったものです。この暑い中、何か冷たい飲み物が欲しいなと思っても、ジュース類も生ぬるくて満足できなかったので、Hさんに冷たいもの紹介してもらったのです。たしかに冷たくてとっても美味しかったですよ。
そうそう、この食事の途中に、それはそれは冷たく冷えたおしぼりのサービスがありました。首筋まで拭かせてもらっちゃいましたが、本当に冷房以上にすっきり涼しく感じました。 

長いランチの後、向かいの宮殿を見学。ハイドンザールというハイドン時代からのホールで、CDではありますが、ハイドンの交響曲「告別」のほんの少しを鑑賞し、ハイドンに思いを馳せます。最近購入したアダム・フィッシャー指揮のハイドンのCD(交響曲全集)もこのホールで録音されたそうで、saraとしては大満足。

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この後、今夜はオペレッタがあるので早めにウィーンに戻ってもらいます。でも、このアイゼンシュタットには、ハイドンゆかりのものがもうひとつ。ハイドンの棺です。ベルク教会にその棺があるそうで、寄ってもらいました。黙とう。

ホテルに戻り、Hさんとロビーでお茶して、また、明日も車で案内してもらえることになりました。ちなみにHさんは旅行業なので、プロに案内してもらうわけで恐縮ですが、まあ、お友達ってことで、甘えてしまいましょう。それにまだ話は尽きていないしね。

いったん、休憩して、今夜のオペレッタ。昨日に引き続き、ヨハン・シュトラウスですが、今日は「こうもり」。劇場はアン・デア・ウィーン劇場です。ここはこの「こうもり」を初演した歴史ある劇場。モーツァルトの「魔笛」やベートーヴェンの「運命」、「田園」も初演しています。そういうわけで、一度、ここで聴くのも悪くないと思った次第。

初演の内容とは強烈に異なる演出(初演を見たわけじゃないが(笑い))に驚かされます。ただ、音楽的には、さすがにウィーンの音楽水準の高さを示す素晴らしいもの。ウィーンで音楽を聴くと、よそがどうしても霞んでしまいます。
でも、さほど異様ではないと思いました。これはオペレッタとして見ると、確かに異様かもしれませんが、オペラ「こうもり」がこの劇場で再初演されたと考えると、納得がいきます。歌手はアイゼンシュタイン役のクルト・シュトライトとロザリンデ役のカルボーンがよかった。カルボーンは高い声の部分を誤魔化したにせよ、音楽的に誤魔化しましたからね。あと、関係ないけど、イーダ役のゲルシュトホーファーがなかなか可愛かった! そうそう、アルフレード役のトローストもさすがのテノール。
オーケストラのウィーン放送交響楽団も素晴らしい出来でした。東京のときよりも音の純度が高かった感じ。どうしても演出が奇抜なので、耳がオーケストラから離れるのが残念でした。
最前列中央の席だったので、幕間の休憩で第2ヴァイオリンのトップの金髪のきれいな女性に「東京で聴いたよ。よい出来だったよ」と声をかけると、「どこで聴いたの?」って返事。「オペラシティだよ」って言うと、「ありがとう。今回はバカンスで来ているの?」と言われ、「長いバカンスでね」って言うと、横の第1ヴァイオリンの男性が「楽しんで行ってね」とのこと。
劇場内部の様子です。色がおかしいのは写真のせいではなく、客席に赤い色の照明があたっていたからです。これも演出の一部。

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終演後、劇場の外に出ると、コンサートの途中で激しい雷雨があったようで、道路はビショビショ。まだ少し雨粒が落ちていましたが、この程度ではウィーンでは傘はさしません。私達もそれにならいます。満足、満足でホテルに。ホテルは10分も歩かないで着ける場所で便利です。
明日も夜は野外のオペレッタに出かけます。



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「ロシアの皇太子」@メルビッシュ湖上音楽祭 2010.7.18

今日はいよいよこの旅の最後のオペレッタをメルビッシュ湖上音楽祭で見ます。
今回の旅では、1回だけは、雷雨で野外オペラの途中中止はありましたが、無事8回目の鑑賞にこぎつけました。

まだ、オペレッタに出かけるには少し時間がありましたので、また、ホテルのロビーでお茶しながら、はっぱさんと話の続き・・・・
音楽、芸術のディープな話になり、つい話し込んでしまい、あっと気が付くと、もう出かけないと間に合わない!
はっぱさんとそそくさと別れを告げ、部屋に戻り、ちゃちゃっと支度をし、タクシーを呼んでもらい、速攻で出発。

今日のオペレッタは一昨日の野外オペラと同じバス乗り場(国際バスターミナル)からのバスを利用します。
タクシーがバス乗り場に着くと、バスの出発15分前。
メルビッシュ行のバスは1番乗り場ですが、まだ、何人かバスの前に並んでいました。
が、どうも我々がほとんど最後の乗客だったみたい。

ともあれ、バスは予定を少し過ぎて出発。向かう方向は毎日同じなので、見慣れた風景。しばらくすると睡魔に襲われ、気が付くと、大きな湖(ノイジードラー湖)に着いていました。ここが今日の会場です。
ノイジードラー湖はこんなに大きな湖です。


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今日はメルビッシュ湖上音楽祭で、今年は3日前から始まり、8月いっぱいやっています。
毎年、NHKで放送していたので、欠かさず、見ていた音楽祭で、まさか、その音楽祭に行けるとは思ってなかったのでsaraiは大喜び。

今年のプログラムはレハールのオペレッタ「ロシアの皇太子」。美しいメロディーで知られるオペレッタ。
これはこれまで聴いていなかったオペレッタなので、予習は必須。
予習は以下のDVD。

 ・UNITEL映画オペレッタ
   指揮:ヴィリー・マッテス
   演奏:クルト・グラウンケ管弦楽団
   監督:アルトゥール・マリア・ラーベナルト
   ロシアの皇太子:ヴィースラウ・オックマン
   ソーニャ:テレサ・ストラータス
   マーシャ:ビルケ・ブルック
   イワン:ハラルド・ユーンケ
   大公:パウル・エッサー

 映画版なのが残念ですが、現在入手可能な唯一のDVD。テレサ・ストラータスの公演が光ります。内容的にも面白い。

で、今回のキャストは以下。

   指揮:ヴォルフディーター・マウラー
   演奏:メルビッシュ音楽祭管弦楽団
   演出:ペーター・ルンド
   ロシアの皇太子:ティベリウス・シム
   ソーニャ:アレキサンドラ・ラインプレヒト
   マーシャ:ジークリンデ・フェルドホ-ファー
   イワン:マルク・カントル
   大公:クリスティアン・フッタークネヒト

今回ゲットしたチケットはVIP席(LOGE)。観客席の最後列のスタンドにある、無料のドリンク・軽食付きのもの。
スタンドには2階にレストランもあり、食事もできます。


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さて、VIP席に向かいましょう。
VIP席は会場案内板の下方中央の緑色のLOGEと表示されているブロックです。


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VIP席は専用の入口からはいります。
まず、入場するとスワロフスキーの大型双眼鏡を無料で貸してくれます。
ちゃんと返却することを確認するためでしょうか、名前や連絡先、パスポート番号などを記入させられます。
まあ、立派で高価な双眼鏡ですからね。


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また、お土産の手提げも手渡されます。中身は「ロシアの皇太子」のCD(もちろん、このメルビッシュ音楽祭のものです)、フルカラーの立派なプログラム、ドリンク。
そして、毛布。そうです、今日は一転して寒いんです。湖上からの寒風が身に沁みます。
で、とりあえず、ウェルカムシャンパンでお腹を温めましょう。


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VIP席はこんな雰囲気で中にバーカウンターもあり、なかなかリッチな気分になりますね。


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また、ここにはVIP席専用のトイレもあり、配偶者は早速利用。

周りを見渡すと、一般席は野球場のスタンドのようになっており、座布団が欲しいかもしれませんね。もちろん、VIP席はクッション付のシートになっています。


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VIP席からは、はるか前方に湖上に設営したステージが見えます。
ステージ上には、大きな舞台セットが見えていますが、オペレッタが始まると、色んなセットが次々と引き出されてきます。
客席もかなり埋まってきて、開演の時間も近づいてきました。


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8時半になり夕闇が迫った時に公演が開始。
次々にレハールの美しいメロディーが流れ、うっとりします。
湖上に設営されたステージにも大がかりなセットが次々と入れ替わり、見飽きることがありません。
出演者も大きなステージを埋め尽くすほどの大規模なもの。
コサック風の踊りも派手でダイナミック。
ここで芸術性のうんぬんはなしにしましょう。
スピーカーを通した音声も風に流され、決して、聴きやすいものではありません。
じっくりと鑑賞するのは、NHKが放送するか、DVDが出てからにします。
でも、主役級の5人は歌もお芝居も立派でしたので、なかなかの公演です。

今日はこの音楽祭の主催者でもあり、顔でもあるセラフィンさんが出ないのがちょっと残念ですね。
休憩時間には軽食と飲み物を寒さに震えながら、たっぷりといただきました。
が、気が付くと、VIP席の下に専用の暖かい部屋もあり、なーんだ・・・


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後半も順調に公演は続き、あっという間にフィナーレ。
フィナーレ後の湖上に上がる花火はレハールの音楽と連動した見事なもの。オペレッタファンの心をしっかりとつかんでいますね。みな、レハールのメロディーを鼻歌まじりに上機嫌で帰っていきます。

まとめとしては、一度は行く価値のある楽しい音楽祭です。
また、VIP席が結局はお得なので、お勧めです。価格的にも、一般席とそう変わりませんし、お土産や双眼鏡、毛布、無料の飲食等で十分以上に元が取れます。難をいえば、ステージが遠いことですが、ここは雰囲気を楽しむのが第1で、内容をしっかりと楽しむのは後日ビデオ(TV放送かDVD)がいいでしょう。

なお、来年はヨハン・シュトラウスのオペレッタ「ジプシー男爵」とのこと。

大満足で、またバスでウィーンに帰着。バスはシューターツオパー前まで行ってくれたので、ホテルには楽々帰れましたが、着いたら、深夜1時過ぎ。そのまま、倒れこむようにベッドに・・・



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この記事へのコメント

1, Feriさん 2010/08/07 18:45
こんにちは、feriです。

ちょっと曇っていたようですね。ところで、今年は蚊が多いと聞いていたのですが、いかがだったですか?
余談ですが、ロジェは以前、日本人の方はほとんどいらっしゃらなかったのですが、最近はツアーのお客さまも増えてきました。

2, saraiさん 2010/08/08 09:43
Feriさん、saraiです。
こちらまでお越しいただき、恐縮です。

ザンクト・マルガレーテンでは、大量の蚊の集団が襲ってきました。
が、メルビッシュは風が強く、肌寒かったせいか、ロジェでは、蚊は1匹もいませんでした。

そうですか、ロジェはツアーの日本人のかたが多いのですか。
saraiの行った日はロジェどころか、どこにも日本人のかたはお見かけしませんでした。
ザンクト・マルガレーテンでもお2人ほどいらっしゃっただけ。バーデンでもお見かけしませんでした。
やはり、個人行動では行くのが難しいかも知れませんね。
saraiの場合はFeriさんのアドバイスで助かりました。
ありがとうございました。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

遂にメルビッシュ湖上音楽祭!!

むむむっ・・・曇ってます。
そして、涼しい!私達が思っていたヨーロッパの夏です。、今までの暑さは何だったのでしょう。
さて、今日は昨日に引き続きHさんに案内してもらいながら、音楽談義を楽しむ予定です。約束の10時までに食事を済ませましょう。

さて、食事を済ませて部屋に戻ると、カードキーを差してもドアが開きません。アレ?と何回か試してみますが開きません。仕方なくフロントに行って事情を話すと、カードキーを書き直してくれました。
で、部屋に戻りカードキーを差しますが、やはり開きません。仕方なく、またまたフロントにl行き開かないというと、部屋の近くにいるメイドさんに指示をしてくれました。で、部屋に戻ると、今度はメイドさんがメイドさんのマスターキーでもダメだとフロントに連絡していました。
今度はメイドさんがボーイを呼ぶから待っててねというので、しばし、待っていると大柄のボーイさんがやってきました。
彼もいったんマスターキーを差してみますが、もちろん、開くわけはありません。どうするのかと思っていると、一緒に持ってきた大型ノートPCほどの機械を操作して、キーの差し込み口に向かって電波を送っているようです。すると、緑色のランプが点灯し、キーロックは解除。
部屋には入れましたが、まだ、キー操作は無効のようです。しばらく、部屋の内部からキー開閉装置を修理し、OKになりました。ボーイさん、ご苦労様! でも、これはホテルのトラブルだから、チップはなしです。それでよかったかな?

そうこうするうちに時計を見たら、えっ、もう10時。Hさんと約束の時間。あわてて、出かける準備して、部屋を出ようとすると、ロビーからHさんの電話。3分ほど遅れましたと言われましたが、遅れたのはこちら。で、すぐにロビーに降りて、謝罪よりも言い訳モード。だって、ホテルのドアロックシステムが悪い!!

今日もHさんの車でクロスター・ノイブルク修道院に案内してもらいます。
その前にウィーンの森あたりに寄ってくれるそうです。
途中、Hさんが住んでいるところのそばを通りましたが、大きな公園のある一角で、高級住宅地帯。すごいですね。
ウィーンの森の中腹で眺めを楽しみましたが、そこではドナウは見えません。
さらにカレンベルクの丘に上り、ここは昔(20年前)に来たはずですが、まったく覚えていません。Hさんによると随分、変わったらしい。ここからの眺めは素晴らしい。ウィーンの街、ドナウが一望できます。

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ドナウ川は見えますが、ドナウ運河は見えません。
Hさんに伺うと、ここからは小さくて運河の周りの緑が見えるだけとのこと。そう言われると、運河沿いのフンデルトヴァッサーのごみ焼却場の煙突の横に緑地帯がずっと続いていますね。なるほどね。

ここから、丘を下るとクロスター・ノイブルク修道院です。ここはカール6世が修道院と住居をあわせて作ったもので、スペイン出身のカール6世がスペインのエスコリアルを思い描いて作ったとのこと。ただ、カール6世の娘、マリア・テレジアがこの建物に興味を示さなかったので、さらなる発展はなかったとのこと(すべて、Hさんの受け売りです。)。
住居部分だけを見て歩き、絵画展示も合わせて見て、往時を偲び、見学終了。ここも随分、修復されています。
この修道院はワイン醸造も経営しているそうで、ワインの販売を見ると、ゼクト(スパークリングワイン)が安い。飲みやすいピッコロのボトルをあるだけ6本お買い上げ。

さて、お昼時。この修道院にもカフェレストランもありますが、もっと、ちゃんとしたところということで、Hさんに近くのレストランに案内してもらいました。ここも修道院の経営とのこと、修道院の経済力は恐るべし・・・・

野菜とパンケーキの細切りの入ったコンソメスープ、西洋松茸のフライ、玉ねぎのソースと玉ねぎのカリッと揚げた細切りの添えたローストビーフ、アイスクリームのせのアイスコーヒー、メランジェといったところを食べ、満腹!!!
ここで昼食を食べていると、外は雨。Hさんに今夜の野外オペレッタの会場に電話で状況を聞いてもらうと、ウィーンは雨だが、こっちは晴れているわよってことです。

で、会計を済ませ、ホテルに戻りました。まだ、出かけるには少し時間がありましたので、また、ホテルのロビーでお茶しながら、Hさんと話の続き・・・・
音楽、芸術のディープな話になり、つい話し込んでしまい、あっと気が付くと、もう出かけないと間に合わない!
Hさんとそそくさと別れを告げ(Hさん、慌ただしくて、ゴメンナサイ!)、部屋に戻り、ちゃちゃっと支度をし、タクシーを呼んでもらい、速攻で出発。

今日のオペレッタは一昨日の野外オペラと同じバス乗り場(国際バスターミナル)からのバスを利用します。
バス乗り場に着くと、出発15分前、まだ、何人かバスの前に並んでいましたが、どうも我々がほとんど最後の乗客だったみたい。
ともあれ、バスは予定を少し過ぎて出発。向かう方向は毎日同じなので、見慣れた風景。しばらくすると睡魔に襲われ、気が付くと、大きな湖・ノイジードラー湖に着いていました。ここが今日の会場です。

今日はメルビッシュ湖上音楽祭で、3日前から始まり、8月いっぱいやっています。
毎年、NHKで放送していたので、欠かさず、見ていた音楽祭で、まさか、その音楽祭に行けるとは思ってなかったのでsaraiは大喜び。
今年のプログラムはレハールのオペレッタ「ロシアの皇太子」。美しいメロディーで知られるオペレッタ。

今回ゲットしたチケットはVIP席。観客席の最後列にスタンドにある、無料のドリンク・軽食付きのもの。まず、入場するとスワロフスキーの大型双眼鏡を無料で貸してくれます。そして、毛布。そうです、今日は一転して寒いんです。湖上からの寒風が身に沁みます。こんな事態も想定して持参したウィンドブレーカーも着込みます。
で、とりあえず、ウェルカムシャンパンでお腹を温めましょう。

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ここにはVIP席専用のトイレもあり、配偶者は早速利用。

8時半になり夕闇が迫った時に公演が開始。
次々にレハールの美しいメロディーが流れ、うっとりします。
湖上に設営されたステージにも大がかりなセットが次々と入れ替わり、見飽きることがありません。
出演者も大きなステージを埋め尽くすほどの大規模なもの。
コサック風の踊りも派手でダイナミック。
ここで芸術性のうんぬんはなしにしましょう。
じっくりと鑑賞するのは、NHKが放送するか、DVDが出てからにします。
でも、主役級の5人は歌もお芝居も立派でしたので、なかなかの公演です。

休憩時間には軽食と飲み物を寒さに震えながら、たっぷりといただきました。
が、気が付くと、VIP席の下に専用の暖かい部屋もあり、なーんだ・・・


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後半も順調に公演は続き、あっという間にフィナーレ。
フィナーレ後の湖上に上がる花火はレハールの音楽と連動して見事なもの。

満足して、バスでウィーンに帰着。バスはシューターツオパー前まで行ってくれたので、ホテルには楽々帰れましたが、着いたら、深夜1時過ぎ。そのまま、倒れこむようにベッドに・・・


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この記事へのコメント

1, yokoさん 2014/06/15 18:58
はじめまして!メルビッシュ湖上音楽祭に個人で行きたく調べていたらHPに出会いました。
最初はメルビッシュに一泊しようかとおもいましたがホテルがいっぱいで。。。もしよければどこのツアーを利用されたかVIPチケットはどのように買われたか教えていただけないでしょうか?

2, saraiさん 2014/06/16 03:57
yokoさん、saraiです。

お尋ねの件ですが、そのときの準備状況は以下も参考にしてくださいね。(頭にhttp://を付ければURLになります。)
 traveler.co-blog.jp/sarai/7200

チケットやアクセスについては以下のページに紹介されています。
 www.austria-fan.com/index.php?%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5

実は今、ウィーンに来ています。詳しくは帰国後に対応できますので、不明の点があれば、ご遠慮なく、ご質問ください。
3, yokoさん 2014/06/21 15:26
こんにちは!

メッセージありがとうございます。
今ウィーンなんですね!オペラとか観れて羨ましいです。

私はお盆の時行くので残念ながらオペラなど観れません…

せめてメルビッシュだけは行きたくて…

あのウィーンからお戻りになってからでいいんですが
帰りバス降りたら深夜ですよね?タクシーとかありました?
地下鉄はないですよね。

よろしくお願いします。

4, saraiさん 2014/06/23 01:17
yokoさん、こんばんは。

ウィーンからは数日前に戻ってきました。今回の旅はブログにアップしているので、ご覧下さいね。以下の記事から順番に読めます。(頭にhttp://を付ければURLになります。)
 traveler.co-blog.jp/sarai/120475

どうやら、メルビッシュのVIP席と往復のバスチケットの入手は目途がついたようですね。
往きのバスは長距離バスターミナル出発ですが、帰りのバスは夜遅いせいか、国立オペラ座前まで行ってくれました。ホテルが近かったので徒歩で帰れました。タクシーはよく分かりませんが、夜はナイトバスが運行しています。しかし、できれば、街の中心のホテルに泊まるのがよいでしょう。帰りのバスのドライバーにどこまで行ってくれるか確認しておくといいでしょうね。
5, yokoさん 2014/06/23 21:05
saraiさん、

いろいろありがとうございます。実はチケットはとれたんですがバスの予約をどこでしたらいいかわかりません。一応ガイドブックにBlagussというところのHPがあったのでいったのですが、そこからみつけられなくて・・・。

saraiさんはどこで手配されましたか?バスがなければメルビッシュのホテルがいっぱいなのでハンガリーのショプロンというところのホテルにしようかと思ってるんですが、会場の外に電車とかタクシーとかある環境なんでしょうか?

チケットがとれたのにかなり不安になってます。。

すみません。何度もお聞きしてしまって。

6, saraiさん 2014/06/24 01:08
yokoさん、こんばんは。

バスはBlagussから購入するようです。以前はメルビッシュ音楽祭のサイトから直接購入できたんですが、その場合もバス会社はBlagussでした。以下のページの左上にメルビッシュ音楽祭のシャトルバスのリンクがあり、そこをクリックすると、購入ページに行きます。

www.blaguss.at/en/shuttle-bus

Travel Requestのボタンを押すと、購入内容を記入するページになります。必要事項を記入して、購入してくださいね。
不明点があれば、また、ご連絡ください。

以下のページもご参考に。

wien.cocolog-nifty.com/operette/2010/01/2010-8d82.html
7, yokoさん 2014/06/24 20:59
saraiさん
バスのサイトありがとうございました!ここにたどりつけなかったので本当に感謝しています。

あの、いつも質問ですみませんがついたらお食事食べる時間とかはありますか?

お写真見てたらとても美味しそうですね!

8, saraiさん 2014/06/24 23:49
yokoさん、こんばんは。

メルビッシュ音楽祭は文字通り、お祭りですから、会場に着いたら、みなさん、食べたり、飲んだりして、寛いでいます。軽食が中心になりますけどね。もし、VIP席なら、VIP席専用ブースでも幕間に飲食できます。
9, yokoさん 2014/06/27 00:08
こんばんは!

お食事情報ありがとうございますo(*´ヮ`*)o
なんだかすごく楽しみになってきました。あいにく
VIPが取れなくて普通席になってしまったので残念ですが…

またいろいろお聞きするかもしれませんがよろしくお願いします。

10, saraiさん 2014/06/30 01:14
yokoさん、こんばんは。

メルビッシュ音楽祭、目いっぱい楽しんでください。
また、情報が必要なときは、なんなりと。
11, yokoさん 2014/08/06 23:17
こんにちは!

明後日からいよいよウィーンに出発なんですがメルビッシュの音楽祭は寒かったでしょうか?
湖上なのですこし心配なんですが。コートなど必要か迷ってます。

12, saraiさん 2014/08/07 01:12
yokoさん、元気で楽しんできてくださいね。帰ってきたら、、また、投稿してください。

メルビッシュは湖上ですから、夜は冷え込むこともあります。現地のかたはみなさん、毛布持参のようです。それよりも大変なのは虫対策です。現地のかたはみなさん、防虫スプレー持参です。最低、防虫クリームは必要でしょう。まあ、まわりの現地のかたがスプレーを貸してくれるかもしれませんが・・・ いずれにせよ、雨対策も含め、天候は自然が決めるものですから、何でもありでしょう。
13, yokoさん 2014/08/07 07:41
わあー!貴重な情報ありがとうございます!さっそく今日スキンガード買ってきます(⑅˃◡˂⑅)

皆さんわりとラフな格好なんでしょうか?ザルツブルク音楽祭みたいな感じかなとおもってたんですが。

14, saraiさん 2014/08/08 01:04
yokoさん、今日出発ですね。気を付けて行ってきてください。

メルビッシュはザルツブルグと違い、結構、ラフな人が多いですよ。お洒落している人もいますけどね。
15, yokoさん 2014/08/16 04:50
こんにちは!今メルビッシュに来てるんですが雨がひどく、1時間待ったあげく中止になってしまいました。( ձ ̥̥̥ ヘ ձ ̥̥̥ )
せっかくいろいろ教えていただいたのに残念です…

16, saraiさん 2014/08/18 02:06
yokoさん、あれまー、残念でしたね。自然には勝てませんね。
一生懸命、準備したのに悔しいですね。
まあ、会場を見れたということで、メルビッシュがどんなところか、お分かりになったでしょうから、これから、ヴィデオを見る楽しみを増えて、よかったということで納得しましょう。現地は雰囲気がよいですが、鑑賞はヴィデオが特等席です。

テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

ウィーン、余裕の1日はカフェ

今日もウィーンは曇り空で、涼しいです。
街の中には、ビシッとタイトなスーツを着て颯爽と歩いてるビジネスマンを多く見かけます。自分は暑いときはどんな格好をしてたのかな・・・。観光客は何だか寒そうな夏の格好です。
私たちは、ちゃんと上着を着て出かけます。今日は街をブラブラしながらお土産の調達とカフェ巡りです。涼しいと体が楽ですね。元気よく出発です。

カフェ巡りはまず、前回お気に入りになったカフェのL.ハイナーに向かいます。
ただ、同じところもつまらないので、前回はケルントナー通りの本店だったので、今回はヴォルツァイレ通り(聖シュテファン大聖堂の近く)の支店に行ってみます。

ハイナー特製のハウストルテ(チョコレートのトルテ)、やはりハイナー特製のウィーナー・メーデルトルテといったケーキとアイスコーヒーとメランジェをいただきます。ここのアイスコーヒー(Hさんに教えられてからはまった!)は、コーヒーにアイスクリームが浮いているというより、アイスクリームにコーヒーがかかっているという感じでほとんどアイスクリームです。やはり、冷たいものはアイスクリームという文化なのでしょうね。
食器類は本店同様にかわいいものですが、店内が古い内装で暗いので、やはり本店のほうが雰囲気がよかったねということで意見が一致。

ここでいったん、ホテルに荷物を置きがてら帰り、休憩。といっても前日のメルビッシュ音楽祭からの帰りが遅く、ブログ記事も書けていなかったので、PCの前で格闘します。一段落したところで、再び、出撃。

ホテルのすぐ近くにナッシュマルクト(市場)があります。そのすぐ横に「茶の間」というカフェがあり、そこの抹茶スムージー(抹茶フロートのようなもの) が美味しいとHさんから情報をもらい、行ってみることにします。ウィーンのお寿司屋など日本食のお店はたいてい中国人がやっているのか、すごく変なお店が多いのですが、このお店は店員さんも含め、「ザ日本」という感じがします。おにぎりや味噌汁、大福などの和菓子もあります。抹茶スムージーと抹茶ティラミスを頂きますが、美味しいですよ。

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近くには「小次郎」というお寿司屋さんもあり、安いしまともそうな気がします(試食してないので味はわかりません)。
また、「日本屋」という日本食品のお店もあります。すべて日本の製品で、本当にいろんなものがあります。夕食にしようと「どん兵衛天ぷらそば」を買いますが、なんと500円ちょっとします(後で食べたら、悔しいけど美味しかった!)。何でも手には入るけど、相当高いですね。

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ナッシュマルクトには、野菜や果物、魚、肉・・・いろんな食材があります。配偶者が昨日食べてとても美味しかった西洋松茸もあります。写真の右下がその西洋松茸です。

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レストランもいろいろあり、お寿司もメニューの中に多く見られますが、アジア系の食べ物屋さんのメニューの一部になっています。
このあたりを十分にうろついたところで、またまたカフェ巡りに復帰。

ウィーンの有名カフェのオーバーラーに向かいます。昨年はお店までは行きましたが、もうお腹いっぱい状態でケーキだけ買って、ホテルに戻って食べましたが、今年こそ、店内で食べましょう。
お店に行くと、テラス席と店内の席がありますが、初めてなので、店内を体験しましょう。

saraiがアプフェルシュトゥルーデルを頼むと、売り切れとのこと。もう夕方遅いので、ケーキの種類も少なくなっているようです。
で、ホーレンダー(コーヒー味クリーム)、レモンケーキ風、ダージリンティー、アールグレイティーをオーダー。人気店に恥じない美味しいケーキです。初めて、ウィーンで紅茶を頼んでみますが、甘いケーキにはコーヒーよりも合うかも知れないと再認識します。
でも、紅茶はどこのお店もお湯の入ったティーポットとティーバッグが出てくるだけです。自分でお湯にティーバッグを入れ、適当な時間待って頂くようです。紅茶派の配偶者としては、この紅茶に対する扱いはどうも納得できないとのこと。が、たっぷり飲めるという利点はありますね。

この後はホテルでゆっくり過ごそうと、ケルントナー通りのノルドゼーでフィッシュ・アンド・チップスをテイクアウトしてホテルに帰着。

今、ホテルでその夜食を食べて、この記事を書いています。
もう明日は帰国です。



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無事帰国。でも日本も暑い!!!

ついに帰る日になってしまいました。
気持よく晴れています。今は爽やかですが、日中は暑くなりそうです。数日涼しい日が続きましたが、また真夏の暑さに戻るのでしょうね。

空港に行くまでの数時間を、モーツァルトのお墓参りで過ごすことにします。荷物をホテルに預けて出発です。
トラムの1日券を購入し、トラムを乗り継いで最寄駅に到着です。親切に標識があるので、それに従って10分ほど歩くと、墓地の入口です。
入口からまっすぐ並木道が続いています。その並木の両側にズラ~ッとお墓が並んでいますが、全体に大きな木が茂り、こんもりとした森になっています。モーツァルトのお墓は左側で花に囲まれているというガイドブックの案内をたよりに5分ほど歩くと、見つかります。すっきりとした清楚なお墓です。合掌。

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さて帰りましょう。
入口に向かって歩いていると、おばさんが一人こちらに向かって歩いてきます。すれ違う時に、モーツァルトの墓はどこかと訊かれたので、もうちょっと先を左よと教えてあげます。saraiは、次に向かう中央墓地への経路を確認するためベンチに座って地図を見ていると、おばさんが不安そうにこちらを見ているので、配偶者が左よと合図すると、左に曲がります。
ムム?ちょっと早過ぎたかなと気になったので、配偶者がダッシュ!やはり一筋早過ぎです。このままでは森の奥に迷い込みそうです。
「ヘイ、カムバック!」と呼び戻し、《モーツァルトはこっち》というプレートを教えてあげます。すると、その先のお墓を見ながら、写真を撮って欲しいと言うので、ハイパチリ!もう1枚と言うので、ハイパチリ!
ちゃんと撮れたか確認するわと言うので、ハイどうぞ!(もう解放してくれ)
まだまだ話しかけてきそうなので、楽しんでね~と言い置いて、ダッシュでsaraiの所に戻ります。

時間も無くなってきたので、中央墓地に行くのは断念してホテルに戻ります。
ホテルでの最後のお楽しみは・・・合計七泊もしたからか、お飲物券を頂いていたので、それを使わなくっちゃね。
saraiはシュヴェップスのビターレモン、配偶者はオレンジジュース。すると、
「ジュースに氷を入れる?」
「えええええ?!、そんなことができるなら、もちろんお願い!」
冷た~く冷えたオレンジジュースが五臓六腑に沁み渡ります。この長い暑い旅で、初めて飲んだ冷たい飲み物です。

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いそいでタクシーを呼んでもらい空港へ。昨夜、saraiが苦労してWEBチェックインを済ませておいたので、さっさと荷物を預け、出国。機上の人となります。日本はもうすぐです。

ところで、WEBチェックインですが、インターネットに接続さえすれば、まあ、そんなに面倒ではありませんが、大変なのは、チェックインした結果を紙に印刷すること。携帯にメールで送っておいてもいいのですが、海外で使える携帯は一台しかありませんから配偶者との2人分は無理で、それも困難。で、持って行ったモデムを接続して、ホテルのファックスに送ろうとしますが、設定がうまくいきません。何せ、まだ使い慣れないWINDOWS7ですからね。で、いろいろと頭を捻りました。そうだ!やっと、ひらめきました。ホテルにEメールでWEBチェックインの文書を添付して送付し、プリントアウトを依頼すれば、いいんじゃないか!
で、ホテルのEメールアドレスを調べて、PDF文書を添付して、Eメールを送りました。翌朝、レセプションでその次第を説明し、ルームナンバーを告げると、もう、レセプションのカウンターの上にプリントアウトした紙が封筒に入れて用意されていました。もう、ファックスなんて時代じゃありませんね。以上がWEBチェックインの顛末です。

さて、あんな、こんなの長~い旅でしたが、猛暑の日本に無事到着です。
成田に無事到着したオーストリア航空の飛行機です。

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本当に本当に長大な旅便りにお付き合いくださって、ありがとうございました。

実はこれまでは現地からのリアルタイム発信の速報版でこれから詳細編をさらに準備しています。 乞うご期待!



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「ラ・ボエーム」トリノ王立歌劇場@文化会館 2010.7.28

スイス・オーストリアの旅から帰国し、1週間。

帰国直後から、3日間猛勉強し、日曜に電気工事士2級の試験を受け(まあまあの出来でした。大丈夫だと思いますが、結果はさてどうでしょう?)、その次の日から、上京した母と勝浦に1泊2日のドライブ旅行。

翌日から、来日したトリノ王立歌劇場の「ラ・ボエーム」と「椿姫」とばたばたした日程だったのと、時差ボケか旅行疲れか判然としませんが、特に夕方になると異常な眠気に襲われ、なんだか、落ち着かない毎日でした。

昨日、母を空港で見送り、今日はやっと余裕の1日。
リタイア後、ようやく、リタイアした実感がありますが、といっても、今日は土曜日。リタイアしてなくても休日なんですね。

ということで、やっと、3日前のトリノ王立歌劇場のプッチーニ「ラ・ボエーム」についての記事を書けます。

ミュンヘンの「フィガロの結婚」で聴いたばかりのバルバラ・フリットリをまた聴ける喜びで一杯でしたが、何せ、おかしな体調で、頭が茫然とした状態で夢の中で聴いたようなフリットリのミミでした。

さて、まずは予習ですが、このオペラはさすがに予習不要。というか、頭のなかにしっかりとミレッラ・フレーニのミミが住み着いています。生オペラで3回も聴いたし、ビデオやCDでも飽きるほど聴きました。
もっとも、もう生では聴けませんが・・・
もともと、フレーニのミミを聴くためにオペラにのめり込んだようなsaraiです。
ですから、飽きるほど聴いたといっても、今でも、ビデオ・CDで第1幕の愛の2重唱でフレーニの透き通った高音がテノールの声に重なってくるところでは、もう、うるうるになってしまいます。まるで、パブロフの犬ですね。
ということで、予習して感動にひたるのもよかったのですが、暇がなかったのと、またまた、フレーニのイメージが強くなりすぎるのもどうかと思ったので、予習を回避したわけです。
もちろん、フレーニ以外で聴く気はしないし・・・
(ネトレプコのミミだって、やっぱり、受け付けられませんでしたからね)

今回は大好きなフリットリが、既にフレーニで封印した「ラ・ボエーム」をどこまでこじ開けて、新たな見方を提供してくれるか、それだけが関心事だったわけです。

さて、今回のキャストは以下。

 トリノ王立歌劇場(管弦楽団・合唱団)、杉並児童合唱団
 指揮:ジャナンドレア・ノセダ
 演出:ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ
 ミミ:バルバラ・フリットリ
 ロドルフォ:マルセロ・アルバレス
 ムゼッタ:森麻季
 マルチェッロ:ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ
 ショナール:ナターレ・デ・カローリス
 コッリーネ:ニコラ・ウリヴィエーリ
 ベノワ/アルチンドーロ:マッテオ・ペイローネ

さて、いよいよ、第1幕です。
意外に?オーケストラはよく鳴っています。
指揮のノセダもおおきなてぶりで振っています。振りすぎくらいですが、オーケストラや歌手には分かりやすいかも知れませんね。ウィーンなんかでは、みんな自律的に合わせてしまうかもしれませんが、普通のオペラハウスはこれくらいクリアな棒さばきも必要かもしれません。
耳になじんだ旋律が流れ、もうプッチーニの世界です。
このあたりの雰囲気はなかなかいいですね。
最初登場するロドルフォとマルチェッロ。声量はもう一つですが、表現は上々。
ショナールとコッリーネも登場し、だんだんと雰囲気は盛り上がってきます。
べノワの登場も終わり、ステージには、ロドルフォだけ。

遂にフリットリ扮するミミの登場。地味な衣装をまとっていますが、なかなか美しい。最初の2人のやりとりでは、フリットリらしく、抑えた表現。
まずはアルバレスのアリアです。
なかなかリリックな歌声で好感が持てます。残念ながら、一番高音を張り上げる聴かせどころは空振り。まあ、仕方ないですね。今まで、生で満足した経験はないし、ビデオ・CDでも、満足したのは、パヴァロッティとライモンディだけ。

で、次にいよいよ「私の名はミミ」・・・
いつも最初は抑え気味なフリットリですが、ここは結構声が出ています。
うん、なかなかいい・・・!
でも、アリアの後半、もっと、声を響かせてほしかった。
まあまあの出だしでした。
1幕目いきなりのアリアはなかなか難しいですね。

第2幕はムゼッタに注目です。
ムゼッタは森麻季。ドレスデンの「薔薇の騎士」のソフィーでもなかなかの好演でしたので、期待できますが、ムゼッタは声量が必要なので、どうでしょう。
で、「ムゼッタのワルツ」は声量もあり、よい歌唱でした。森麻季はいいオペラ歌手になりましたね。これは今回の収穫でした。

第3幕、ここからが本当の聴かせどころ。
「ミミの別れ」、フリットリも全開モード。
いつもの素晴らしく透明な声です。
それに何といっても、この幕のフリットリはとても美しい。フリットリって、こんなに奇麗だったんだろうか・・・・
で、だんだん朦朧としてきた頭のなかでフリットリの声だけが響きます。
フリットリのミミはこのあたりになってくると、聖女ミミって感じで聴こえます。まさに清純無垢。
表現上、それがいいのかどうかは問題ではなく、これがフリットリの世界。
満足です。
結果的にこの幕が一番よかった。

第4幕、死にゆくミミ。
フリットリは表現上、その状況に合わせて、かなり抑えた歌唱でした。
でも、saraiとしては、状況は無視しても、もっと歌いあげてほしかった。
まあ、悪くはありませんでしたが、若干、オペラを聴く立場としては欲求不満気味。
それでも、ミミの死はロドルフォだけでなく、saraiも悲しかった。
悲しい感動で幕。

期待したフリットリのミミでしたが、期待以上だったかと言われると、そこまでではありません。
ですが、フレーニ以外のミミでは、ここまで歌えた人はいなかったのも事実。
まあ、やはり、「ラ・ボエーム」はフレーニで封印ということに相成りましたが、フリットリだからこそ、ここまで歌えたなとも思いました。
頭がかなりふらふらしながら聴いていたので、それも残念でした。もしかしたら、フリットリはもっと良かったかもしれません。聴く側のsaraiの問題も大きかったのは事実です。
オペラは長い緊張状態を強いられるので、体調管理が大事です。

来年のMETの来日公演では超豪華キャストで「ドン・カルロ」。また、フリットリはそのときに聴きなおしましょう。エリザベッタをフリットリ以上に歌える人はいないのだから、これは期待しても期待を裏切られることはないでしょう。
十分に体調を整えて、臨むことにします。



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椿姫:トリノ王立歌劇場@文化会館 2010.7.29

さて、トリノ王立歌劇場の前日の「ラ・ボエーム」に引き続き、ヴェルディの「椿姫」を聴きました。

この「椿姫」では、ナタリー・デッセイが初めてヴィオレッタを歌うのが話題になっています。コロラトゥーラソプラノのデッセイが今までヴィオレッタを歌っていなかったんですね。
彼女はあまり日本に来ていないので、生で聴く機会も少ない人です。
saraiもデッセイのツェルビネッタを聴きたくて、7年ほど前にパリ・オペラ座まで出かけたことがあります。そのときは期待が大き過ぎて?、もう一つ、その歌唱に満足できなかった覚えがあります。
まあ、その前に聴いたグルベローヴァのツェルビネッタがあまりにも凄かったせいもあり、満足できなかったのかも知れませんね。ルチアやツェルビネッタを歌うグルベローヴァは素晴らしいというよりも恐ろしいくらい凄いですからね。

ともあれ、デッセイは現代を代表するソプラノの一人だし、何といっても、歌だけでなく、演技力、それも体当たり的な迫力には一目も二目もおかなければならないでしょう。
特に最近のMETでの活躍には、目を見張るものもあります。ルチアや「夢遊病の女」です。

で、そこそこ、デッセイのヴィオレッタはどうなるか、期待しつつ、上野の文化会館に出かけました。

予習ですが、これもさすがにパスしました。あまりにも有名なオペラで、これまでも、ずい分、聴きました。
それに昨年、ウィーンで聴いたネトレプコの「椿姫」の素晴らしかったこと。彼女のヴィオレッタの素晴らしい歌唱はまだ耳に残っています。

さて、今回の公演のキャストは以下。

 トリノ王立歌劇場(管弦楽団・合唱団)
 指揮:ジャナンドレア・ノセダ
 演出:ローラン・ペリ
 ヴィオレッタ:ナタリー・デッセイ
 アルフレード:マシュー・ポレンザーニ
 ジェルモン:ローラン・ナウリ
 フローラ:ガブリエッラ・スボルジ
 アンニーナ:バルバラ・バルニェージ
 ガストン子爵:エンリーコ・イヴィリア
 ドゥフォール男爵:ドナート・ディ・ジョイア
 ドビニー侯爵:マリオ・ベッラノーヴァ
 グランヴィル:マッティア・デンティ

まずは前奏曲がピアノシモで抑えに抑えて、始まります。
でも、saraiは抑えすぎに感じました。ピアノシモにしても、もっとクリアな響きがほしいところ。あの悲しくも美しい旋律はくっきりと表現したいものです。

が、そんなことを思っている間もなく、ヴィオレッタのテーマが始まると、早くも待ちかねたようにデッセイが登場。それも元気よく、奇声をあげたりします。
まだ、前奏曲ですよ!
はて、これは「椿姫」なのか?
デッセイはいつもの彼女らしく身の軽い仕草でステージを動き回ります。
これがデッセイのヴィオレッタですね。紛れもありません。
デッセイはデッセイであって、ヴィオレッタも一つの素材。
まあ、これもありかと納得し、思わず、笑ってしまいました。
「椿姫」以外の別のオペラを見ているような気分にもなりますが、面白いことには違いありません。
実に個性的なヴィオレッタですが、デッセイにしかできない表現でもあります。

そうこう思っているうちに早くも「乾杯の歌」。
アルフレード役のポレンザーニですが、声は出ていますが、声の質が軽く明るい感じで少し、この役には違和感があります。もう少し、重量感がほしいと感じました。
で、次はデッセイ。さすがに歌も演技もうまい。

一幕目後半になり、いよいよ、ヴィオレッタが一人になり、「ああ、そは彼の人か」、そして、続いて「花から花へ」。コロラトゥーラの聴かせどころ。
これもデッセイは奇麗な高音を聴かせてくれます。コロラトゥーラの節回しも素晴らしい。
ただ、中音域での声の透明感に欠けるのが惜しい。
このヴィオレッタ役は実に広い音域をカバーしなければならないことに今さらながら気がつきました。大変難しい役ですね。
まあ、トータルには、演技力も含めて、立派なヴィオレッタでした。

二幕目はジェルモンの活躍する場面が多いわけですが、ナウリは声量もあり、なかなかな歌唱。もう一つ、聴衆の心を鷲づかみする魅力がありませんが、まあ、十分といえば十分といえるのではないでしょうか。
デッセイはカジュアルな衣装でステージを駆け巡り、アルフレードに飛びついたり、まさに演技では彼女の独壇場。
こういうのはsaraiも嫌いじゃありません。
なかなかコケティッシュでいいかも・・・・

三幕目、ヴィオレッタが病で最期を迎えるクライマックスです。
二幕目の終りのパーティーのシーンから、そのまま移行します。
なかなか見事な場面転換です。
ヴィオレッタは女性たちに囲まれて、ステージ上でドレスから寝間着に着替えます。
そしてまた、この幕は今回の演出で一番こだわったところだと思われます。
それは、ヴィオレッタは誰にも見捨てられて、一人で死んでいくというものです。
実際はアルフレードもジェルモンもヴィオレッタのもとに駆けつけるわけですが、それはヴィオレッタの幻想だったという解釈の演出になっています。
で、ヴィオレッタの最期で、アルフレードとジェルモンがすっとステージから消えることで、それを強調しています。
この演出の意図はこのオペラの趣旨:過ちを一度おかした女は決して救われないということの延長線上で、そんなに無理があるとも思えませんが、ただ、今回の舞台を見た感じでは、そんなに成功しているとも思えません。
何故かというと、やはり、ヴィオレッタ一人の幻想ではなく、実際にアルフレードとジェルモンがヴィオレッタのもとに駆け付けたように見えるからです。
それにそんなにヴィオレッタを痛みつけなくてもいいのではとsaraiは優しく考えてしまいます。最期に死ぬ時くらいは救われてもいいのでは?

演出はどうであれ、ヴェルディの音楽の力は強烈でクライマックスの音楽的な迫力はいつも通り、泣かされます。

エンディング後、ステージに一人残ったデッセイは今回の演出に沿って、しおらしくカーテンコールを受けますが、えっと驚くサプライズ。
何と急に走り出して、ステージを元気よく去って行きました。
それって、一人幻想だけで見捨てられたヴィオレッタの役柄と違うんじゃないのって、びっくり。

まあ、いろいろありますが、結局は小柄でかわいいデッセイの個性的な表現のヴィオレッタに尽きてしまう「椿姫」で、面白かったことは間違いありません。

ですが、ネトレプコのヴィオレッタを「聴いて」しまうと、その素晴らしく美しい声の魅力には、デッセイの総合力をもってしても、対抗することが難しかったというのが正直な感想でした。

「椿姫」も多分、ネトレプコで封印かも知れません・・・

今回のオペラで、7月はオペラ・オペレッタの10回目の鑑賞となりました。
これくらい聴けば、満足です。
しばらくはオペラもコンサートも夏枯れでお休みです。
次の音楽会は9月初めの室内楽となります。
オペラは9月のロイヤルオペラの来日公演が楽しみ。
ネトレプコのマノンですからね。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/08/03 08:05
saraiさん、お帰りなさい。

ヨーロッパでオペラ三昧、帰国されてもオペラ鑑賞、まさにオペラづけですね。実に羨ましいです。

ネトレプコの「椿姫」は自分もDVDを持っていますよ。
歌もいいですが、何しろ色気が最高ですね。
美脚があらわになったりするとドキドキします。
おじさんには刺激的です。(笑)

2, saraiさん 2010/08/03 08:27
ハルくんさん、saraiです。

コンサートもいいですが、やはり、オペラは最高です。

ネトレプコの「椿姫」、ザルツブルグと違って、ウィーンは正統的?な演出で美脚はあらわになりませんよ(笑い)。あくまでも歌で勝負です。まあ、それでも姿や顔は美しいですけどね。
saraiも普通のおじさんですけど、ネトレプコはその美声に参っています。

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06/18 12:46 sarai

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 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

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