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2年ぶりのレオポルド美術館

2010年7月11日日曜日@ウィーン~ザルツブルク/3回目

さて、ウィーン・シュヴェヒャート空港Flughafen Wien-Schwechatからウィーン市内に戻ります。

電車のチケットを購入しホームに向かおうとしていると、奥さんと小さな子供を2人連れた元気のよい男が市内に向かうのはこれでよいのかと訊いてきます。そうだよと答えると、大きなカバンをいくつも積んだカートを押してエレベーターで降りていきます。saraiがホームでSバーンの電車を待っていると、この男が血相を変えてエスカレーターを駆け上がっていきます。しばらくすると、小さめのキャリーバックを持って帰ってきます。「目を離したすきに持っていかれてしまったのを取り返してきた。もう大変だったよ」と言ってます。エェェェ!です。どこの国のお父さんも逞しいねっ。

さて、ウィーン市内に戻ります。が、ウィーン西駅Wien WestbahnhofからザルツブルグSalzburg行の電車の出発時間には、まだ4~5時間もあります。そこで配偶者からの提案で、レオポルド美術館Leopold Museumにクリムトとシーレの絵を見に行こうということになります。
今回の旅でスケジュール上、チェコのチェスキー・クルムロフČeský Krumlov訪問は候補から外れました。この街はシーレの母親の郷里でシーレの絵にもよく登場します。今回の旅で実際のチェスキー・クルムロフの街は見られないので、レオポルド美術館のシーレの絵でチェスキー・クルムロフの街を見たいものです。そんなことを配偶者と語り合いながら、電車でウィーン市内に到着。

地下鉄を乗り継いで、ムゼウムシュクヴァルティアーMuseumsQuartierにあるレオポルド美術館に直行。
ムゼウムシュクヴァルティアー駅から地上に出て少し進むと、紛れもないシーレの過激?な絵が見えてきます。

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レオポルド美術館の前に着きます。2年ぶりです。

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階段を上がり、ガラス張りの入口の前に立ち、写真をパチリ。

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なんと、ガラスのドアに見事にsaraiが映り込んでしまいます。
また、ウィーンカード割引でチケット購入。一人11ユーロが10パーセント引きで9.9ユーロ。

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現在、《シーレとクリムト》という特別展を開催中。二人の天才の傑作を見られそうです。

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さあ、シーレの傑作群とご対面。

「ほおずきの実のある自画像」です。1912年、22歳の作品です。次の「ヴァリーの肖像」と一対をなす作品です。シーレのヴァリーに対する愛情が感じられますね。

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自画像の中央部分を拡大してみましょう。シーレのナルシシズムが鮮烈に感じられます。

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「ヴァリーの肖像」です。1912年、22歳の作品です。ヴァリーはシーレの裸体モデルを務めていた少女ヴァリー・ノイツェルです。このハチミツ色の金髪と青い目をもつ17歳の少女とシーレは1911年、同棲を始めました。紆余曲折はありますが、二人の関係はシーレが妻に迎えることになるエーディトと出会うまで続きます。

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「小さな町Ⅱ」です。1913年、23歳の作品です。この作品はチェスキー・クルムロフを描いたものですね。母親の出身地のチェスキー・クルムロフは恋人のヴァリー・ノイツェルと暮らした地でもあり、チェスキー・クルムロフの細い路地に並ぶ家々の風景を好んで取り上げました。しかし、決して、目に見える風景をそのまま描くのではなく、シーレの心の中で再構成された風景になっています。ようやく、今回の旅で洩れたチェスキー・クルムロフの町を見ることができ、満足です。

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「ヴルタヴァ川に面したクルマウ(チェスキー・クルムロフ)」です。1915年、25歳の作品です。クルマウKrumauというのはチェスキー・クルムロフČeský Krumlov (チェコ語)のドイツ語での表記です。

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「弓形の家々」です。1915年、25歳の作品です。これももちろん、チェスキー・クルムロフを描いたものです。

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「ストライプのドレスで座っているエーディト・シーレ」です。1915年、25歳の作品です。この1915年、25歳のシーレには、彼の人生で最も重要な出来事がありました。エーディト・ハルムスとの結婚です。彼の画風もこれ以降、がらっと落ち着いたものに変わります。この結婚後、亡くなる3年間のシーレを作品をsaraiは最も愛しています。破天荒とも言えた画風が愛情に満ちたものに変わり、画面から滲み出る幸福感は見ているsaraiにも伝わってきて、ほのぼのとした気持ちにさせられます。この作品はその先駆けとも思えるものです。よほど新妻のエーディトへの愛情が深かったのでしょう。

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1918年、シーレ28歳の最晩年の作品を見ておきましょう。シーレがエーディトとの結婚の3日後、勃発していた第一次世界大戦のためにオーストリア=ハンガリー帝国軍に召集されたことで、絵画制作活動が休止に追い込もれます。しかし、従軍後、芸術家としてのシーレの経歴が考慮されて、シーレは前線に出ることはなく、この従軍期間はさらなる芸術的飛躍のための準備期間となります。1917年にウィーンに転属となると、シーレは事実上、制作活動を再開します。そして、1918年、シーレの最晩年になります。

「3人の裸の女」(未完)です。1918年、28歳の作品です。モデル(中央)は妻のエーディトですね。

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「うずくまる2人の女」です。1918年、28歳の作品です。モデルはダブルで愛妻のエーディトですね。最晩年の作品はどれをとっても傑作揃いです。

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「うずくまる2人の男(ダブルの自画像)」です。1918年、28歳の作品です。愛妻のエーディトをダブルで描いた「うずくまる2人の女」と一対をなす作品です。以前、恋人のヴァリーとの一対の作品を描いたことが思い出されます。今回はダブルで描いたことで、エーディトへの強い愛情を示しました。

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「横たわる女」です。1917年、27歳の作品です。最晩年の前の年の作品です。ちょっと印象は異なりますが、これもモデルは妻エーディトでしょう。軍務の合間に描いたようです。

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特別展でクリムトの絵も展示されており、昨日に引き続きウィーン世紀末芸術(といっても20世紀の作品群ですが)を堪能します。
クリムトの「死と人生」という作品です。

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白黒写真のパネルでクリムトの絵を展示しています。ウィーン大学大講堂の天井画として描かれた三部作の一つである「医学」です。ただし、この作品は1945年、インメンドルフ城で焼失しました。ここにあるのは白黒で復元されたものです。絵の下に描かれている女性は医学の保護女神ヒュゲエイアです。

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そうそう、クリムトの風景画も展示しており、これはザルツカンマーグートSalzkammergutのアッター湖Atterseeです。明日、そのあたりに向かいます。見ることができるでしょうか?

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ところで、レオポルド美術館の最上階は大きな窓で見晴らしが良く、このあたりのウィーンの中心地がよく見えます。今まで気がつきませんでした。暫し、街の景色を見ながら、あれは何、これは何と楽しみます。レオポルド美術館に行かれる方は必見ですよ。正面に見えているのはホーフブルグですね。

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これは美術史美術館ですね。

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美術鑑賞を終え、レオポルド美術館の外に出ると、子供たちが芸術活動に励んでいます。さすが、ウィーンです。

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もう少し時間をつぶしたら、ザルツブルグへの移動のためにウィーン西駅に向かいます。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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