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生の炎:マーラー9番 ゲルギエフ+ロンドン交響楽団@サントリーホール 2010.12.1

マーラーの9番は私にとって特別な曲です。

この表現は実はハイティンクの言っていたことのパクリですが、ハイティンクは音楽演奏家として、ブルックナーの9番やベートーヴェンの9番やマーラーの9番は特別な曲でそうやたらに演奏するものではないという意味の発言をブルックナーの9番を演奏するにあたってしていました。

saraiもマーラーの9番は特別思い入れがあり、とてもいつも聴ける曲ではありません。そして、やはりこの日もそうでした。saraiの全存在が揺さぶられる思いでした。

第1楽章冒頭は弦楽器のため息にも感じられるフレーズで始まります。人生の深いため息です。そして、それはすぐに生の炎の熱い燃焼に変わっていきます。この楽章は炎が燃え上がったり、少しおさまったりしながら、進行していきます。

第2楽章はいったん諧謔的になり、聴いているこちらの心もいったんおさまります。が、また曲が進行していくとまた生の炎が燃え盛ります。

第3楽章はもう最初から激しく炎が燃え上がり、おさまることはありません。後半にはいるともう狂おしいばかりです。まさに狂乱。こちらの精神も狂ってしまうばかりです。そして、行き着く先の甘美な死も垣間見えてきます。しかし、音楽は美しいこと、この上なしで狂おしく身悶えするか如くです。

そして、あの第4楽章が始まります。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが美しい響きを奏でます。生の静かな燃焼に移ります。ただ美しいのではなく、実に分厚い響きで胸を揺さぶります。この静かでかつ熱く、哀しく、つらいという複合的な感情が交錯する奥深く複雑な音楽が進行し、胸がしめつけられそうです。目頭を熱くせずには聴けない曲です。そしてまた炎が燃え上がり、人生の最後の熱い感情が爆発します。
そして、響きが縮小し、甘美な死に向かいます。短いチェロの独奏の美しいことに感動します。ふいにトリスタンとイゾルデの愛の死が脳裏をよぎります。
音楽は何度も休止し、まるで甘美な死をためらっているかのようです。
そして、遂に響きが途絶えます。甘美な死が成就します。
でも、まだ音楽はまだ終わったわけではありません。
それはそれは深い静寂。この静寂はサントリーホールの観客が作り出したものです。マーラーの9番は観客が深い静寂を作り出すことで完結する音楽です。
この静寂によって、甘美だった筈の死は寂寞としたものに変容します。
そうです。これがマーラーが作り出した救いのない人生の寂寥感です。

この9番は実に奥深い名曲です。saraiの感じたままを書き連ねましたが、もちろん、ほかの感じ方も許容できる懐の広さを持っています。
マーラーの人生観、演奏家の人生観、聴衆の人生観がアウフヘーベンされて、それぞれの味わいに達するというところでしょうか。

今日の演奏は以下。

 指揮:ゲルギエフ
 管弦楽:ロンドン交響楽団

ゲルギエフのマーラーは実に堅苦しいものになるのかと身構えていましたが、彼のロシアの風土の根ざした暗い情念とマーラーのうら哀しい人生観が精神の奥のところでつながって、人生の狂おしい熱情や不条理感を表出させた聴き応えのある名演でした。

ロンドン交響楽団は美しくも激しいアプローチでゲルギエフの指揮に応え、胸にずっしりと響く音で魅了してくれました。弦の素晴らしさはもちろんですが、木管・金管の響きの素晴らしさにただただ脱帽。なかでもフルートの気合のこもった演奏には参りました。

曲、指揮、オーケストラ、聴衆と4拍子が超1流で超弩級のコンサートで、saraiは帰りの電車でもずっと目頭が熱くなったまま。こんなことはそうあることではありません。
今年のコンサートでも、アーノンクールのハイドン《天地創造》、プレートルの《エロイカ》と並ぶ感動の公演になりました。

saraiにとって、音楽は単なる楽しみではなく、生きる価値、人生そのものであることをしみじみと感じています。
作曲家・演奏家のみなさんには感謝あるのみです。

最後にこれでウィーン・フィルでマーラーの9番が聴けなかったことは完全に払拭されました。もちろん、ウィーン・フィルはまた別の形の演奏を聴かせてくれたことでしょうが、どちらにせよ、それはとても高いレベルでの違いにしか過ぎないと思うからです。いろんなマーラーがあるでしょうが、最高のマーラーの一つと出会えた感動で今は満足です。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/12/05 09:46
こんにちは。

ゲルギエフは素晴らしかったようですね。
マーラーの9番は自分にとっても特別の曲です。ですのでこの秋はウイ-ンフィルで聴くつもりだったのですが・・・
ゲルギエフは10年近く前にキーロフ管との「復活」を聴きましたが、今一つの印象でした。あれから随分進化したのかもしれませんね。聴きに行きたかったですが、財政的に仕分け対象となりました。

2, saraiさん 2010/12/05 11:35
ハルくんさん、こんにちは。

今年最後の高価チケットのコンサートでした。
ゲルギエフのマーラーということで不安もありましたが、LSOのマーラーを聴きたかったので、仕分け対象外になりました。

演奏自体でいえば、あのベルティーニの最終公演も上回る圧巻の演奏でした。やはり、LSOの力が大きかったのと、ゲルギエフも大変素晴らしい指揮者になりましたね。

来年の5月はコンセルトヘボウでハイティンクがこのマーラーの9番をやるので、現地のサイトでチケットをチェックしたら、4公演すべて完売でした。

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ジャンル : 音楽

 

シューマン・チクルス1日目:パーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマー・フィル@東京オペラシティ 2010.12.3

今日と明日は東京オペラシティでシューマン・チクルスです。
パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団のコンビでの演奏です。
今年はシューマン生誕200年の記念の年。それにふさわしい企画です。
あまり、シューマンの管弦楽作品はこれまで聴いてこなかったので、これを機にしっかりと聴いてみましょう。
もともとシューマン自体はショパンよりも好きなくらいですが、どうしてもピアノ曲や歌曲を中心に聴いてしまいます。
それにこれまで聴いたシューマンの管弦楽作品は何か大時代的な演奏が多く、しっくりこなかったこともあります。
最近聴いたクーベリック+バイエルン放送交響楽団のCDはそんな感覚を払拭してくれる爽やかな名演奏で、それもあって今回のチクルスへの期待が膨らみます。

まず、今夜は次のプログラムです。

 シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレ Op.52
 シューマン:交響曲第4番ニ短調 Op.120
  《休憩》
 シューマン:交響曲第1番変ロ長調 Op.38《春》
  《アンコール》
    ブラームス:ハンガリー舞曲第6番

ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団はその名の通り、規模の大きくないオーケストラです。ブレーメンが本拠地とのことです。ドイツのオーケストラですから、実力は期待できます。以前1度聴いた筈ですが、あまり記憶にないので、新たな気持ちで聴かせてもらいましょう。

最初の曲はいわば3楽章の小交響曲といえます。ただ、saraiはこれがCDも含めても初聴きなんです。初聴きって、めったにないことですが、新雪を踏みしめる感じで楽しませてもらいます。
悩ましい感じの動機で開始しますが、すぐに快活な調子に変わり、最後まで、明朗な音楽が続きます。演奏は素晴らしく歯切れがよく、明快な響きです。
初聴きなので何ともいえませんが、シューマンらしいよい曲です。そのうちにライブラリーに加えましょう。20分ほどの曲でした。

次は交響曲第4番。これは結構聴きこんだ曲です。
序奏に続き、テンポの早い軽快な演奏です。
パーヴォ・ヤルヴィへのインタビューによると、「この曲はシンプルで、特に論理的なところが一昔前のマエストロたちに好まれたところ」とのこと。
彼はそのマエストロたちの演奏のアンチテーゼか、きびきびとモダンな演奏です。ドライといってもいいくらい。saraiもこの傾向は前述のとおり、大歓迎と言いたいところですが少しやり過ぎかなと思うくらいです。よい演奏ではありましたが、何か違和感も残る演奏でした。もう少し、ロマン的、あるいは幻想的なところもあったっていいんじゃないかと思ってしまいました。

休憩を挟んで、最後は交響曲第1番「春」です。
これは曲自体もこの日の演奏もシンプルかつ明快でまさに春の祝祭という感じで素晴らしく文句なし。これぞ、シューマンです。
シューマンもクララとの新婚時代でまさに我が世の春という気持ちで明るい晴れやかな曲を書いたのですね。で、それをパーヴォは完全に引き出して、これは名演です。
saraiの気持ちまで晴れやかになりました。こういう音楽もいいものです。
もう、フィナーレなんか、スカッという感じで何の衒いもなし。

パーヴォの指揮は明快かつストレート。オーケストラは小規模なこともあり、完璧にドライブしていました。確信に満ちた指揮でした。それはそれでいいのですが、今後、オーケストラの自発性をどう引き出していくか、興味のあるところです。

ドイツ・カンマー・フィルは実に機能性の高いオーケストラです。ピリオド奏法ではありませんが、同一線上にあるモダン奏法と言えるのではないかと思います。こういうオーケストラは指揮者によって様々な色がつきます。いろんな指揮者で聴いてみたいオーケストラです。
今日はオーケストラの配置は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置でした。明快な響きのオーケストラには合っているかもしれません。

今日演奏した3曲はシューマンが本格的に管弦楽作品を作曲し始めた頃に書いた同時期の作品です。第4番は初稿がこの時期に書かれ、この日の演奏は第2稿でしたが、ベースは同じなんでしょう。
明日はもっと後の時期の作品でよりロマン的な傾向が強い作品です。さて、パーヴォはどう料理するか、想像はできませんが楽しみです。
名曲の交響曲第3番「ライン」は圧倒的な演奏になるでしょうか?



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シューマン・チクルス2日目:パーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマー・フィル@東京オペラシティ 2010.12.4

今日は昨日に引き続き、東京オペラシティでシューマン・チクルスです。
パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団のコンビでの演奏です。
昨日の交響曲第1番《春》は素晴らしい演奏だったので、今日も期待しましょう。

まず、今日のプログラムは以下です。

 シューマン:マンフレッド序曲 Op.115
 シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op.61
  《休憩》
 シューマン:交響曲第3番変ホ長調 Op.97《ライン》
  《アンコール》
    ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
    シベリウス:悲しきワルツ

まず最初はマンフレッド序曲です。非常にロマンの香りの高い曲です。
昨日同様きっちりと整然とした演奏ですが、シューマンらしいロマン性は出ていて、結構よい演奏でした。

次は交響曲第2番。これはあまり馴染みのない曲です。
なんだかぼーっと聴いていましたが、第3楽章にはいると美しい響きに耳を奪われます。続く第4楽章はうって変ってシューマンらしい響きの華やかさに心が躍ります。こういう明朗快活な部分ではこの指揮者とオーケストラの面目躍如って感じです。フィナーレも気持ちよく終わり、満足です。

休憩を挟んで、最後は交響曲第3番「ライン」です。
これはやはりシューマンの代表的な名曲です。実際、この交響曲は事実上最後の交響曲で管弦楽作品の総決算と言ってもいい作品です。
演奏が始まると気分が高揚していきます。でも、演奏は意外におとなしく、これまでの演奏に比べて、より重厚な響きを目指しているようです。思いっきりストレートな《春》のときのような演奏のほうがよさそうにも感じましたが、やはり、シューマン後期のこの曲ではブラームスを意識したような演奏スタイルでの表現を考えたのかもしれませんね。
で、若干、不完全燃焼気味でしたが、それでも第4楽章は圧巻でした。その響きの悲しげで厳かな感じは何とも言えず、本当に素晴らしい。よくぞ、この響きを実現できたものです。
続く最終楽章はこのチクルスの最終を飾るにふさわしい晴れやかなシューマンそのものの演奏です。
そして、感動のフィナーレ。

いろいろ思うところはあるにしても、シューマンイヤーの最後を飾るにふさわしい素晴らしいチクルスでした。
とりわけ、《ライン》の第4楽章の響きの素晴らしさはこのチクルスの白眉でした。手放しによかったのは《春》でした。幸せに満ちた祝祭的な響きの素晴らしかったことは忘れられません。
またまた、作曲家と演奏家のみなさんに感謝あるのみです。



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マタイ受難曲:ドレスデン聖十字架合唱団+ドレスデン・フィル@みなとみらいホール 2010.12.5

今年はアーノンクールのロ短調ミサ曲に続いて、マタイ受難曲というバッハの双璧ともいうべき大作を聴くことになりました。

今日はみなとみらいホールで演奏は以下です。

 クロイツカントール(音楽監督・指揮):ローデリッヒ・クライレ
 合唱:ドレスデン聖十字架合唱団
 管弦楽:ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
 福音史家(テノール):アンドレアス・ウェラー
 バス:クラウス・メルテンス
 バス:ヘンリク・ベーム
 ソプラノ:ユッタ・ベーネルト
 アルト:マルグリエット・フォン・ライゼン

マタイ受難曲をライブで聴くのは初体験です。
大変、長大な作品で20分の休憩を入れて、4時間弱もかかります。実際、こんなに長時間集中して聴くのは困難です。前半の第1部は少し集中できずに聴いていました。
それでも、福音史家のウェラーの美声で繊細な表現は素晴らしく、また何といってもドレスデン聖十字架合唱団の少年合唱団の歌声の素晴らしい響きは驚くべきもので、特にコラールの美しさは感動的でした。

マタイ受難曲はキリストが最後の晩餐から、捕らえられ、審問にかけられ、そして、十字架にかけられて、死を迎え、墓に埋葬されるまでの受難の物語を描いた純然たる宗教曲です。
saraiは無宗教でキリスト教信者ではありません。こういう宗教曲をどういうスタンスで聴くかは微妙に難しいところです。まあ、美術でも宗教絵画をどう鑑賞するかという問題と同様ですね。美術の場合は極端に言えば、美しければそれでいいという感じで鑑賞しています。宗教音楽も声楽なしならば、同様に美しければそれでいいというスタンスで聴けます。
が、声楽付きとなるとどうしても歌詞と音楽は不可分となります。人間キリストの苦しみや悩み、それに崇高さを宗教と切り離して、自己と同一化するというスタンスで聴くことにしましょう。

で、休憩後の第2部が物語、音楽のより重要な部分となり、ここは集中して音楽に耳を傾けます。後半自体も長いのですが、バッハの音楽の総決算がぎゅっと詰まっていて、息が抜けません。
後半も少年合唱団のコラールは心を洗われる思いです。バッハの書いた慰めの音楽の優しさが体にしみ通ってくるような純粋な響きです。何度も繰り返し現れる受難のコラールの素晴らしさはなんという深さでしょう。2回繰り返される部分の2回目の少し声を落とした響きの純粋さには心が打たれます。完璧な歌声です。
教会の聖歌隊が少年合唱団なのに納得がいきました。先日のアーノルト・シェーンベルク合唱団の大人の歌声にも優るとも劣らないと感じました。
第2部はソロのアリアも素晴らしいものばかりです。
ああ、その前に福音史家の美しいテノールの歌唱に触れないといけませんね。レシタティーヴォは語りですからメロディアスではないので面白い部分ではない筈ですが、この日の歌唱は美声で語り口がうまく聴き惚れてしまいました。重要なところでのドラマチックな語りも決まっていました。キリストの死のところは思わず、襟を正す気持ちになります。
ソロは特に男声陣がよく、イエスはイエスらしい崇高で気高い歌唱で美しい。柔らかい歌い方にも好感です。もう一人のバスはこれは柔らかい美声。最後のアリアの清々しさはなんとも言えず素晴らしい。
男声3人はこれ以上何も求められないくらいのベストの歌唱でした。
一方、女声陣ですが、ソプラノは純粋で清らかな歌唱でまあ及第点です。
問題はアルト。このマタイ受難曲はミサ曲ロ短調と同様に素晴らしいアルトのアリアがたくさんあります。これが楽しみで聴きに行ったという面も大きいのですが、残念ながら、この日のアルトのライゼンはどうも喉が不調のようで声の滑らかさに欠けます。表現はよかったので、好調な喉だったらと悔やまれます。
ドレスデン・フィルはまあまあですが、弦セクションがドイツのオーケストラとしてはもうひとつでした。これはホールの聴く位置によっても違っていたかもしれません。

総合的には、やはり、マタイ受難曲の肝である合唱の素晴らしさでとても聴き映えのする美しい演奏であったと思います。

今年はバッハの代表作のミサ曲ロ短調、マタイ受難曲の素晴らしい演奏に出会えて、エポックメーキングな年になりました。saraiにとってはバッハイヤーとも言えるほどです。これから、バッハの声楽曲にのめりこみそうな予感がします。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/12/09 21:56
拙ブログへのコメントをありがとうございました。
いやいや、saraiさんもいらしていたとは知りませんでした。
こちらの記事も読ませていただいて、おおよそ同じ感想だったことが分かりました。やはり少年合唱と福音史家の素晴らしさに尽きますよね。本当に至福のひと時でした。

2, saraiさん 2010/12/10 00:37
当ブログへもコメントありがとうございます。

お互いたまたまご一緒していたコンサートが出来の素晴らしいものでよかったですね。
感想がほぼ同じというのもなんだか嬉しいような、恥ずかしいような。

それにしてもドイツの音楽界のレベルの高さには驚かされます。
来春もミュンヘンで音楽を楽しむ予定を立てているところです。

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シャーフベルク登山鉄道へ出発

2010年7月12日月曜日@ザルツブルク

今日は旅も8日目。

今日は、あの《サウンド・オブ・ミュージック》でマリアとトラップ家の子供たちがピクニックに出かけたシャーフベルク鉄道Schafbergbahnに乗って、ザルツカンマーグートSalzkammergutの絶景を楽しみに出かけます。
今日はこの旅で一番晴れて欲しい日です。ここまで異常なほどの暑い晴天が続いているので、そろそろ天候も崩れるかと思いきや・・・部屋の窓から外の景色を見ると、今日も素晴らしい快晴です。青空の下、大聖堂のドームが見えています。

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別の窓からは青空とメンヒスベルクMönchsbergの丘が見渡せます。

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それにしても、暑い!

ともかく、さっさと朝食を済ませます。朝食は美味しいです。

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昨日は夜到着したので、朝食後ホテルを出たところで、改めてホテルの正面を眺めます。ホテルとレストランが一体化しているんですね。

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ホテルの建物の上部を見上げると、確かにホテル・エレファントBest Western Hotel Elephantの名前通りに象さんの飾りが付いています。

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ホテルの前の路地、ジークムント・ハーフナー・ガッセSigmund-Haffner-Gasseの先には、ザルツブルグ市庁舎Altes Rathausの塔が聳えています。

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路地を進んで、市庁舎に近づきます。なかなか美しい塔です。

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塔の前で塔を見上げます。

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この市庁舎の前の通り、ゲトライデ通りGetreidegasseに出ると、すぐ先にはモーツァルトの生家Mozarts Geburtshausが目にはいります。それにしても、モーツァルトに関係した建物は何故みんな黄色なんでしょう?

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まずはこのザルツブルグ旧市街から、市内バスでザルツブルグ中央駅Salzburg Hbfまで出ます。ホテル近くのバス停でバス待ちをしていると、現地風の人が「どうしたんだい?」と話しかけてきます。中央駅までバスで出たいと言うと、何番のバスが一番いいとか、アドバイスしてくれます。バス待ちの間中、世間話で盛り上がります。ザルツブルグについての話題が中心です。
が、最後に彼は「俺はもともとここの人間じゃない。ドイツ人だよ。」と言って、大笑いして、去っていきました。唖然・・・。

無事、市内バスに乗って、予定通りの時間に中央駅に到着。郊外へのバスの出る乗り場に移動します。まだ、朝早いので、人はまばらです。

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中央駅からはザンクト・ギルゲンSt.Gilgenに行くためにまず150番のポストバスに乗ります。このバスはザンクト・ギルゲンを経由して、バート・イシュルBad Ischlまで行きます。観光シーズンでバスが混雑するのではないかと心配しましたが、待っている人もそう多くはなく、満員にはなりそうにありません。

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時間通りにバスが着き、ゆっくりと並びの席を確保できます。
バスはミラベル庭園Mirabellgartenあたりで左に折れ、狭い市街地の道を抜けて、郊外に出ます。
が、途中からいろんな人が乗ってきて、バスの中はそれなりに混み合ってきます。
で、一人で座っていた人の横の席もほとんど埋まり、知らない人同士が隣り合うような形でバスは満員になってきます。と、アレェ~、なんだかとっても賑やかというより、バスの中は騒がしいくらいです。驚いたことに、たぶん初対面の人達のはずの隣り合った人たちが、男女の区別なく、老若の区別なく、おしゃべりに夢中になっているんですっ!! そういえば、見ず知らずの人達が隣り合わせになったとき、お互いに不信感をいだかないように、しっかりおしゃべりをしなければいけないというようなことを、聞いたことがあるような・・・。
バスはザルツカンマーグートの村々を抜けていきます。

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このバスで1時間ほどでザンクト・ギルゲンの町のバス停まで行き、下車。
バス道路から、10分近く歩いて、ヴォルフガング湖Wolfgangseeの船着場ATS St.Gilgen Schiffstationに向かいます。
船着場の近くには、モーツァルトの母親の生家Kulturverein Mozartdorf St. Gilgenがあります。ここは以前に、ザルツカンマーグートのバスツアーでも立ち寄ったところで、懐かしい思いになります。博物館になっていて、見物もできます。

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湖畔近くの賑やかな場所に出ます。夏の陽光が燦燦と降り注いでいます。このあたりに船着き場があるようです。

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公園の広場もある綺麗なところです。

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花壇には色とりどりの花々が咲いています。

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で、ようやくヴォルフガング湖の船着場に到着します。

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船着場に着くと、次の船の乗船時間には1時間ありますが、とりあえず、船とシャーフベルク鉄道の往復コンビチケットを窓口で購入します。ここで、シャーフベルク鉄道のチケットも購入できるのは便利ですが、とっても人気のあるシャーフベルク鉄道の予約がここで出来てしまうので安心でもあるのです。鉄道の駅まで行って購入しようとすると、かなり遅い電車になってしまうことも多いそうです。

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これが購入したコンビチケットです。シャーフベルク登山鉄道の11時発の列車の予約が印字されています。

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登山鉄道の復路は、シャーフベルク鉄道の山頂駅に着いたときに時間予約するとのことです。
順調にチケットが購入でき、落ち着いたところで、船着場前にある公園のトイレに行きますが、番人が座っていて、しっかり使用料を取られます。
トイレは下の写真の公園の奥の方にある公衆トイレみたいなもので、本当にあの番人が管理していたのか(お仕事?)不明です。

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ところで、公園の様子からも猛暑っぽいのがお分かりでしょう!

まだ、時間はたっぷりあるので、近くの土産物のショップをのぞき、冷たい飲み物だけをゲット。「冷た~い飲み物」という表示はあったけど、とっても冷えているなんていえる代物ではありません。冷たいという感覚は、日本人とはかなり差がありますね。
何せ暑くて暑くて・・・日陰を探し喉を潤しながら、乗船までの時間をつぶします。
それでも、公園から眺めるヴォルフガング湖の景色は綺麗です。

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これが湖岸の様子です。

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船の乗船場には少し人がうろうろしているだけで、船はまだまだです。

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でも、この頃になると、チケット売り場に人の列ができています。早々とチケットを購入しておいて正解でした。

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ようやく、船が到着し乗船します。ここからヴォルフガング湖を渡り、シャーフベルク鉄道の駅があるザンクト・ヴォルフガングSt. Wolfgangまで行きます。湖を行くといっても今日もとにかく暑いし、船のデッキって太陽サンサンです。

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配偶者の指示で、ほんのわずかにあった船上デッキの物陰の日陰に席を取ります。
さあ、出航です。船が湖面に滑り出すと美しい風景が広がります。暑さを我慢しても、船室よりデッキですよね。

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こうして順調に船出しました。ヴォルフガング湖の美しい湖面を船は滑るように進んでいきます。

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いよいよシャーフベルク登山鉄道に向かっての短い船旅が始まります。。



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シャーフベルク登山鉄道で山頂へ

2010年7月12日月曜日@ザルツブルク/2回目

シャーフベルク鉄道Schafbergbahnに向かって、ザンクト・ギルゲンSt.Gilgenの船着場ATS St.Gilgen Schiffstationをクルーズ船が出航しました。

ヴォルフガング湖Wolfgangseeの周りの山はなだらかで緑が綺麗です。

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湖畔には贅沢なヴィラが建ち、夏のバカンスを楽しむ人たちが寛いでいます。別荘、あるいはホテルでしょうか。

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このヴィラの前には最初の停泊地、フュルベルクの船着き場ATS Fürberg/Wolfgangsee Schiffstationがあります。ザンクト・ギルゲンの対岸で、ここまで10分ほどのクルーズでした。
ゲートは既に閉じられていますが、ここから乗船してくる人が急いでやってきていますね。

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乗船者のためにゲートが開けられます。さらに乗船者の連れもやってきます。彼らの乗船が終わり次第、フュルベルクの船着き場を出港するようです。


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ようやく、フュルベルクの船着き場を出港。のんびりしたもんです。
岸辺には、湖水浴や日光浴を楽しむ水着の男女がいっぱいです。水遊びの子供たちもいます。まさに夏のバカンスですね。

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湖面を泳いでいる人達もいます。

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saraiはクルーズ船のデッキの日陰の席に陣取って、ヴォルフガング湖の景色を満喫。楽しいクルーズ旅です。

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大きな建物の前を通り過ぎます。大勢の観光客がいますね。ここは経済専門職のための高等連邦教育機関Höhere Bundeslehranstalt für wirtschaftliche Berufe Wolfgangseeのようです。インターナショナルな学校で色んな国の若者が学んでいるようです。

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次の停泊地、リート/ファルケンシュタインの船着き場Ried/Wolfgangsee Falkenstein (Schiffstation)に到着。ここでも少数の乗降客が入れ替わります。

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最終目的地のザンクト・ヴォルフガングに向けて、出航。
山と湖の岸辺の間の緑の平地には、コテージ風の別荘が点々と立ち並びます。こういうところに別荘が持てるのは羨ましい限りですね。

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クルーズ船のデッキは物凄い日差しですが、みなさん、その暑さにめげず、一心にヴォルフガング湖の景色を楽しんでいます。もちろん、船室で暑さを凌いでいる人も多いです。

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湖畔の風景です。緑の野原に点在するヴィラ、湖上の舟遊び・・・まさに夏の湖。

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湖畔の瀟洒なリゾートホテルの前を通り過ぎます。ホテル・ガルニHotel Garni Haus Arndtです。こういう風光明媚なホテルに泊まるのもいいですね。夏期料金は恐ろしく高いでしょうけどね。

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美しい湖・風景に見とれているうちに船はザンクト・ヴォルフガングSt. Wolfgangに近づいてきます。

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シャーフベルク鉄道の船着き場Schafbergbf (Schiffstation)に到着。下船します。

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すぐ近くのシャーフベルク鉄道の駅Schafbergbahnに着くと、大勢の人が次の列車待ちをしています。saraiにとっても期待以上の快晴の日ですが、地元の人にとっても願ってもない天候の日だったようで、どっと出かけてきたようです。しかも、1時間に1本の列車ですからね。

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駅前からヴォルフガング湖の景色を眺めます。

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ぼーっとしていないで、我々もさっさと列に並び、しばらく列車待ちです。ところで、この大勢の中に、日本人はsarai達だけみたいです。
行列は日本人の専売特許かと思っていたので、この行列を体験してビックリです。

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行列に加わらず、日陰のベンチでゆっくりしている人もいますね。彼らは大丈夫か、心配になります。誰かに並んでもらっているのかな。

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炎天下の行列でひたすら列車を待ちます。これも修行です。

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そうこうするうちに(10分ちょっと)、列車が到着し、みんなぞろぞろと乗車します。かわいい真っ赤なSLです。

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連結されている車両はわずか2両。急いで、空いた席を探します。

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saraiたち2人はなぜか首尾よく、並び席でSLの車両に乗り込こむとが出来ます。空いていた最後の並び席です。ラッキー!!
車両内は観光客でいっぱいです。

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が、ホームには、まだまだ人があふれています。無理やり、太ったおばさんが乗り込んだりして、ぎゅうぎゅう詰めになります。もう、車両は満席ですよ。

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どうするのかと思っていると、さらに別の列車、SLではなくて、ディーゼルカーが用意されます。

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何とか全員乗れたようです。が、この準備にかなりの時間がかかり、最初に乗り込んだ我々はジッと我慢の子です。列車内は満席で暑いったらありゃしない。もちろん、登山電車ですし、冷房なんて入ってるわけがありません。

皆が乗るための大騒動で出発が遅れましたが、ようやく発車です。かなりの急坂をガッガッガッガッとアプト式のSLが進みます。しばらくは麓の村の中を進みますが、急に視界が開けると、美しい草原です。まさにサウンド・オブ・ミュージックの世界の始まりです。

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また、狭い山道を登っていきます。

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木々の間から、ヴォルフガング湖の景色が見えてきます。

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少しずつ湖の風景が広がってきます。

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また、風景は木々に遮られます。

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さらにSLがぐんぐんと力強く山間を登り、眼下には湖と草原が広がってきます。素晴らしい!

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写真は傾いているように見えますが、そうではなく、それほど列車は急傾斜を登っているんです。
どんどん列車は山を登っていきます。
saraiはここぞとばかりに写真を撮るのに夢中です。
おおっ、歩いて登っている猛者がいますね。それともこのあたりでハイキングかな。

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途中駅に停車。シャーフベルクアルペ駅Schafbergalpe Bahnhofです。

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と、ここで単線のため、下りのSLがやってきます。この駅ですれ違いができるようになっています。

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慎重に運転士が確認しながら、そろそろと動いています。

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どうやら、うまく、すれ違えたようです。

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下りの車両とすれ違っていきます。乗客がお互いの車両を見合っています。

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また、登り始めて、山の上のほうの野原を走っていきます。周りの山々も見渡せます。

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ごつごつした岩山を登っていきます。

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やがて、美しい野原の向こうにヴォルフガング湖が見えてきます。

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シャーフベルクの山頂も近づいてきます。

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約1200メートルの標高差を45分かけてSLは登りきります。無事、シャーフベルク頂上駅Shalfbergspitzeに到着です。

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この列車は1893年に開通した登山列車で、現在走っているSLの6台は当時のままだそうです。我々の乗ったのもその1台。1台のSLで2両の客車を押し上げます。
お隣には、緑色の別のタイプのSLが停車中。運転士が作業しています。

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いよいよ山頂からのパノラマを楽しみましょう。



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シャーフベルク頂上からの大パノラマ

2010年7月12日月曜日@ザルツブルク/3回目

順調にシャーフベルク山頂駅Shalfbergspitzeに到着したところです。目にも鮮やかな真っ赤なSLが駅に停車しています。

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駅のホームの先にはヴォルフガング湖が顔を覗かせています。

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と、一緒に出発したディーゼルカーがホームに入ってきます。あふれた乗客を運ぶために急遽用意された増便の登山列車です。

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駅からはシャーフベルクShalfbergの頂上が見えています。少し、歩いて登らないといけないようですね。頑張ろうっと。

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おっと、その前に帰りの列車の整理券をゲットします。約2時間半後の列車を確保します。

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標高1783mの山頂のカフェ・レストランの案内があります。毎日営業しています。そこでランチをいただきましょう。

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SLを降りた人達が一足早く登っていきます。saraiも負けずに健脚で頂上を目指します。

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少し登ったところで駅に停車中の登山列車を眺めます。

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だんだん、駅が下のほうに遠くなっていきます。フーフー・・・。

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山頂が近くなると、下方に絶景が広がります。ワオー!

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草原には可愛い山草が花を咲かせています。気分は最高です。

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草原の中の小道をゆっくりと登り、頂上に到着。丁度、列車でずっと同席していた家族が記念撮影中。saraiが、撮影担当だったお母さんも一緒に入れて、写真を撮ってあげます。よい記念写真になったかな・・・。

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頂上からは360度見渡せられる大パノラマが広がっています。ゆっくり眼下の湖や遠くの山々を眺めながらグルリと頂上の周遊散策道を一周します。かわいい草花も一面に咲いています。

今日は暑いほどの超快晴。眼下にザルツカンマーグートSalzkammergutの景観がくっきりと見えます。

ヴォルフガング湖の反対側には、クリムトやマーラーが夏を過ごしたアッター湖Atterseeが見えます。

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その左手にはモンド湖Mondsee。

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眺めているところの木柵のすぐ先は切り立った断崖がずっと下方まで垂直に落ち込んでいます。高所恐怖症でなくても、恐ろしくなります。

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これが山頂の周遊散策道です。下に見えているのはヴォルフガング湖です。

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山頂の上には夏の青空がギラギラと輝いています。いやはや、暑い!!

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足元に目を落とすと、草原は今花盛りです。岩場にはキンポウゲの黄色い花も見えます。

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こちらの崖の間際にキンポウゲの黄色い花が咲いています。その先に見えるザルツカンマーグートの湖と素晴らしい対照です。

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また、アッター湖の眺めに見入ります。ザルツカンマーグートはこういう美しい湖が点在しています。

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モンド湖の奥のほうをズームアップします。湖畔には家々が見えます。その奥に見える湖はイラー湖Irrseeでしょうか。

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ちょっとした草原のお花畑もあります。とても綺麗です。

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山頂の散策道の周りには木の柵が巡らせてあって、安全対策は万全です。

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遠くにはアルプス(正確にはチロル?)の白い連なりも見えています。

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そして、頂上の一端は鋭く切り立った剃刀のような岩の壁が立っています。驚きます。

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登山鉄道の駅も見えています。そのずっと下にはヴォルフガング湖。絶景です。

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観光客のみなさんはsaraiと同様に絶景に見入っています。そして、カメラをパチリ、パチリ。

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眺望を堪能したところで、山頂レストランでランチをすることにします。
レストランの横にはお馴染みのアルペンホルンもおいてありますが、残念ながらもう演奏は終わったようです。

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眺望を楽しめるレストランのパラソル席はとっても少なく、当然のことながら賑わっています。ざっと見わたしましたが、空き席はありません。

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パラソル席からの眺めはとてもよいので、何とか空き席をゲットしたいですね。

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配偶者がそろそろ食事を終えそうな席を狙って、ピンポイントで粘りのアタック。

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確かに狙いを絞らないと、席をゲットできそうにもありません。ここは配偶者の力にすべてを託しましょう。

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そして、たった数分で配偶者は見事に素晴らしい景色を眺めながら食事のできる席を確保しました。やったね!

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眼下はヴォルフガング湖です。遠くにはアルプスも薄くみえています。

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とりあえず、冷たい清涼飲料を飲んで一息つきましょう。

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このテーブルで料理を待つ間、遠くに望めるアルプス(チロルかな)をぱちり。

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眼下にはヴォルフガング湖の対岸の村もよく見えています。

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このカフェ・レストランはベルクホテル・シャーフベルクシュピッツBergHotel Schafbergspitzeです。

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大変混み合っていて、オーダーした料理がなかなか出てきませんでしたが、待った甲斐あってスープもメインも美味でした。
コンソメスープです。

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これはあっと言う間に飲み尽くします。

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魚のフライです。

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ターフェルスピッツです。

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ランチも終えます。また、眺めを楽しみながら、山頂の草原を散策しましょう。



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爽快!小川典子ピアノ・リサイタル@トッパンホール 2010.12.9

今夜は初めてのトッパンホールに出かけます。
小川典子の本格的なピアノ・リサイタルも初めてです。
どんなホールでどんな演奏が聴けるか楽しみです。

トッパンホールは飯田橋、江戸川橋からかなり歩いたところにあります。
土地勘もないので、早めに行って、ホール付属のレストランで夕食にします。
銀座から有楽町線で江戸川橋に移動し、そこから神田川沿いに飯田橋方面に歩きます。
かなり歩いたところで配偶者があれがそうじゃないのって指さします。
円形の大きなビルです。その1階にトッパンホールがありました。
2階にレストランとカフェがあります。
そのレストランでコンサート用の定食をいただきました。メインはトンポーローでボリュームもたっぷり。

で、ちょうど時間になったので1階のホールにはいります。
第1印象はすごく新しく綺麗なことです。
室内楽向けの小ホールを予想していましたが、結構広くて中ホールって感じです。
まあ、席は前から7列目の中央だったので、ホールの広さに関係なく快適に聴けそうです。

今夜のプログラムは以下です。

 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第9番ニ長調k.311
  《休憩》
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番ニ短調Op.14
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83
  《アンコール》
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330~第2楽章

前半のモーツァルトはもっと歯切れのよい演奏を期待していましたが、意外に響きがクリアーでなく残念です。また、8番のソナタは短調の曲でそれなりに悲哀・憂愁を感じたいところですが、あっさりした演奏でぐんぐん突き進むという感じです。駄目な演奏というわけではありませんが、少しsaraiの感性と異なります。
むしろ、9番のソナタのほうが音色が明るく、タッチも8番よりも明快で好感の持てる演奏です。これはまあ満足できました。これがこのピアニストの個性かも知れません。

休憩後、まず、プロコフィエフの2番のソナタですが、これはまったく素晴らしい演奏です。タッチの明快さ、打鍵の力強さは素晴らしく、圧倒的なプロコフィエフです。実に爽快な演奏です。
で、次の7番のソナタ。戦争ソナタの1曲ですが、まあ、何と表現しましょう。のりのりの激しいタッチでばりばりの演奏で素晴らしいのって何のって、生命感に満ち溢れています。もう第3楽章は先に先に推進するのみ。何もすべて世の中の憂さを晴らして、すっきりという感じ。圧倒的な迫力です。本来の曲の意味と違う部分もあるかもしれませんが、そんなことは些細なことと吹き飛ばす勢いのある演奏です。ピアノの演奏を聴いて、こんなに興奮して、気持ちよくなったのは久しぶりかもしれません。昔聴いたキーシンの《展覧会の絵》もこんな感じだったかもしれません。

意外だったのはアンコールです。てっきり、プロコフィエフを弾くと思って、気構えていたら、なんとモーツァルト・・・
これが激しいプロコフィエフの後ではとても優しく聴こえて、素晴らしい演奏でした。むしろ、前半に弾いたモーツァルトよりもよかったくらい。K.310からの4つのソナタはどれも充実していることもありますね。第2楽章の美しい調べというのもよい選択でした。でも、これなら、モーツァルトの曲の選択もK.310以降の曲にすればよかったかなという思いも残りました。

いずれにせよ、素晴らしいプロコフィエフを聴いて、大満足で家路につきました。

あ、そうそう、トッパンホールについてですが、そんなに小さなホールではないのに、小川典子のピアノの大音響が轟きわたっていました。ピアノッシモの音も鮮明に聴きとれます。実に響きのよいホールです。室内楽の繊細な響きもよさそうです。今度は弦楽四重奏でも聴きにきましょう。それにしても小川典子の力強い大音響はこのホールにはおさまらないほどでした。サントリーホールなどの大ホールでも十分満足して聴けるようなスケールの大きなピアニストです。



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この記事へのコメント

1, 女神さん 2012/03/25 18:18
シャーフベルグ登山鉄道の旅を探していて偶然こちらに来ました。
小川典子さんは私と同じ門下生の先輩です!なんだか嬉しいです。
直近で聴いたのはラフマニノフの2番でしたが、安定した技術は聴いていても心地よく聴いていられました。

中欧への日程で四苦八苦してます。質問などあった時はよろしくお願いします。

2, saraiさん 2012/03/26 03:24
女神さん、コメントありがとうございました。

小川典子さんと同じ門下生のかたなんですね。小川典子さんは日本人としても、女性としても、近代の曲をスケール感があり、それでいてシャープに演奏できる才能豊かなピアニストだと思っています。ラフマニノフもよさそうですね。でも、2番ではなく、3番を聴いてみたいものです。上原彩子さんも同じ得意分野ですが、それぞれ、ダイナミックな小川さんとクリアーな透明感のある上原さんに分かれるので、これから楽しみです。

オーストリアについてのご質問は大歓迎です。また、コメントをお寄せください。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

シャーフベルク山頂のお散歩、そして、下山

2010年7月12日月曜日@ザルツブルク/4回目

シャーフベルクShalfbergの山頂のレストランで絶景を楽しみながらのランチ。

お腹も満足したところでもう少し山頂を楽しみましょう。
が、1780メートルの山頂にもかかわらず、太陽に近い分暑いのかと思うくらい涼しくない!
しっかり用意してきたウインドブレーカーも出番なし。
冷たい風の吹く心地よさを期待していたのに、この快晴の素晴らしいお天気が恨めしいほどです。
いえいえ、そんな贅沢なことを言ってはいけませんね。素晴らしいお天気に感謝!です。

ランチの後は、草原の中を散歩します。頂上から少し草原に下りてきます。気持ちがいいですね。

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草原は今花盛りです。とても綺麗です。草原のすぐ先には登山鉄道の駅。その下方にはヴォルフガング湖Wolfgangseeが見えています。

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遠く、アルプス(チロル)の峰々も見えています。雪があります。

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山頂の滞在約2時間半はあっという間に過ぎていきます。
暑くはありましたが、絶景を堪能できて、2人ともとっても幸せな気分になります。

帰りは、来た道を逆に辿ります。
SLの牽引する登山列車には早めに乗り込み、よい席を確保。

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登山列車の中で出発を待ちながら、窓外の景色を楽しみます。

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窓からは、ヴォルフガング湖Wolfgangseeの上の方にパラグライダーで気持ちよく飛んで行く若者達が見えます。

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やがて、上りの登山列車がホームに入ってきます。

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やがて、SLが出発し、草原の中を走っていきます。

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かなり下りたところで、湖が見えてきます。

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はっきりとヴォルフガング湖の姿が見えてきます。

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SLはアプト式鉄道特有のがっがっという音を立てながら、急斜面を湖に向けて下りていきます。

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木々の間から、ヴォルフガング湖がちらちら見えています。

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森を抜けて、草原に出ると後続のSLが走って来る姿も見えます。いい感じですね。

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SLがヴォルフガング湖の湖岸の駅に到着します。列車から降りて、アプト式鉄道の線路をチェック。やはり、歯車のギザギザです。

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駅にはこれから登山列車に乗って、シャーフベルク山頂に登る人たちの行列ができています。ご苦労様!

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saraiは暑いので、とりあえず、アイスを食べます。

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駅のチケット売り場にはチケットを購入中の人以外にはもう並んでいる人はいませんね。もう午後3時過ぎです。

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さあ、クルーズ船の船着き場に向かいましょう。

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また、ヴォルフガング湖をクルーズ船でザンクト・ギルゲンSt.Gilgenに戻ります。船着き場でクルーズ船がやってくるのを待ちます。

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クルーズ船に乗り込んで、ザンクト・ギルゲンに戻ります。湖ではヨットを楽しんでいる人もいます。優雅ですね。

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湖岸では日光浴を楽しむ人たちの姿が見えます。

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やがて、ザンクト・ギルゲンの船着場に到着。ヴォルフガング湖のクルーズ船のルートを地図で確認しておきましょう。

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ザンクト・ギルゲンの船着場からは来たときとは別の道を通って、バス停に向かいます。
途中、ザンクト・ギルゲンの村役場Rathausに出ます。ローカルな雰囲気で可愛いくていいですね。

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バス停に着く直前には、近くの山、ツヴェルファーホルンZwölferhornへのロープウェイが見えてきます。実はシャーフベルク登山鉄道Schafbergbahnの混雑状況によってはこのロープウェイで山に登り、ザルツカンマーグートSalzkammergutの景観を楽しもうとも検討していました。結果的にそうならなくてラッキーでしたが、シャーフベルク登山鉄道はそれくらい超人気の観光スポットらしいです。

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バス停でバスを待ち、ほどなく来たザルツブルグ中央駅Salzburg Hbf行きのバスに乗車。
登山列車もクルーズ船も冷房はありませんでしたが、バスはあまり汗をかかない程度の冷房をしているので、それに救われながらホテルに帰ります。

ホテルでお風呂に入り強い冷房を入れて一服。元気を取り戻して、ザルツブルクSalzburgの街を散策しながら、夕食に向かいます。



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ザルツブルグで美味しいディナー:シュティフツケラー・ザンクト・ペーター

2010年7月12日月曜日@ザルツブルク/5回目

シャーフベルク登山鉄道Schafbergbahnで絶景を楽しみ、疲れた体をザルツブルグSalzburgのホテルで安め、夕食に出かけます。

ザルツブルグの目抜き通り、ゲトライデ通りGetreidegasseは、まだ、この時間は観光客で賑やかです。

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ザルツブルグと言えば、お店の前に掲げられた鉄飾りSchmiedeeisen Ladenschildが有名です。どのお店にもお店特有の鉄飾りがあり、それを見て歩くだけでも散策を楽しめます。

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通り抜けの狭い小径のパッサージュがあります。シュムックパッサージュSchmuckpassageです。このパッサージュを抜けると、大学広場Universitätsplatzに出ます。こういう通り抜けが何本もあります。

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ぶらぶら歩いていくと、すぐに通りの端にまで来てしまいます。ザルツブルグは小さな可愛い町です。

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また、反対方向に歩き始めます。お店の装飾を見ているだけで楽しいですね。

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で、やはり、今やザルツブルグといえばモーツァルトを外すことはできません。通りにも、カフェ・モーツァルトCafé Mozartというお店を見かけます。

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敬意を示すためにモーツァルト広場Mozartplatzを訪れます。モーツァルトの像Mozart-Denkmalにご挨拶。

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モーツァルト広場の一角にはカフェ・デーメルDemelもあります。ウィーンのデーメルの支店です。今日はこれから夕食ですから、駄目ですが、是非、寄ってみましょう。

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広場の別の一角にはザルツブルク博物館Salzburg Museumがあります。ノイエ・レジデンツNeue Residenzの建物の中にあります。

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モーツァルト広場のお隣はレジデンツ広場Residenzplatzです。ザルツブルグ大聖堂Dom zu Salzburgの側面と尖塔が見えます。

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このレジデンツ広場にもノイエ・レジデンツ、すなわち、ザルツブルク博物館が面しています。

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で、このあたりで目立ったのがこれ。

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セグウェイです。ウィーンでもここでも観光用に流行っていますね。

少し足を伸ばしてザルツブルグ音楽祭Salzburger Festspieleの会場を見物に行きます。ずい分、新しく改装されていたのでびっくり。
旧ザルツブルク祝祭小劇場Kleines Festspielhausがモーツァルト劇場Haus für Mozartと改称になっているのですね。

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そろそろ腹ごなしもできたところで、本日のレストランに行きましょう。丘の上にはホーエンザルツブルク城Festung Hohensalzburgが見えています。

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聖フランシスコ教会Franziskanerkircheとその修道院Franciscan Closterに挟まれた路地、フランツィスカナーガッセFranziskanergasseを進んでいきます。静かな路地です。

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やがて、右手にザンクト・ペーター教会St.Petersstiftskircheに続く路地があります。その路地をザンクト・ペーター教会に向かいます。教会の尖塔が見えていますね。

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ザンクト・ペーター教会の前に出ます。尖塔が聳え立っています。

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今日の夕食をいただくレストランは、ザルツブルグで、多分1番有名なシュティフツケラー・ザンクト・ペーターStiftskeller St. Peterです。修道院が経営しているレストランです。このレストランでは以前にも1度食事したことがあります。再度、訪問することにしたのは、前回果たせなかった夢を実現するためです。
ここにはザルツブルク名物のデザートのお菓子ザルツブルガー・ノッケルンSalzburger Nockerlnがあり、そのあまりにもボリュームがあることから、前回は食べることを途中で断念し、半分以上残してしまいました。今回はその再挑戦です。

ザンクト・ペーター教会の右手にそのシュティフツケラー・ザンクト・ペーターStiftskeller St. Peterがあります。

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さて、レストランの入口をはいりましょう。

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明るい中庭を抜けるとほの暗い石壁に囲まれたテーブルがあります。雰囲気がいいのでこのあたりのテーブルをお願いします。なお、今回は事前のテーブル予約は入れていませんでしたが、がらがらです。

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saraiの座ったテーブルから中庭を望むと明るくモダンですが、何かこのレストランの雰囲気とは違和感を感じます。伝統的な修道院の雰囲気が売りだと思うのですが・・・。

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saraiの座ったテーブルは石壁のなかの一番外側です。奥のほうにずっとテーブルが並んでいます。こちらはいかにも修道院の建物という雰囲気です。

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石壁はうっすらと苔むしたような感じです。実際にはそんなことはないでしょうけどね。

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中庭のテラス席と違って、石壁の中はほの暗いので、テーブルにローソクを置いてくれます。ロマンチックですね。

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石壁にはレリーフのようなものが飾ってあります。

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レストランの雰囲気を味わっているうちに、まずは注文した白ワイン(ここの自家製)が運ばれてきます。早速、いただきます。なかなかフルーティーで美味しいです。

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オードブルはチーズの3種盛り(これはオーダーしなくても自動的に出てくる突き出しみたいなもの)で見た目も味も、なかなかです。パンと一緒にいただきます。

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今回はオーダーする料理をメイン2品(七面鳥のシュニッツェル、グーラッシュ)に絞り、ザルツブルガー・ノッケルンに備えます。
初めて食べた七面鳥のシュニッツェルは絶品です。子牛のシュニッツェルよりも美味しい!!

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そして、グーラッシュです。

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で、デザートのザルツブルガー・ノッケルンですが、巨大なスフレであるザルツブルガー・ノッケルは甘過ぎるほど甘いのですが、甘酸っぱいいちごジャムと一緒に食べるとなかなか美味しいものです。わざわざ食べにきただけのことはあるオリジナリティーのある美味しいお菓子です。

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上の写真は、2人で食べるために料理人が取り分けてくれた(わざわざ料理人が運んでくる!)後なので、もう一つ巨大さが分かりにくくて、ゴメンナサイ・・・

今度も完食こそできませんでしたが、まあまあ2人で何とか半分くらいは食べられました。まあ、こんなものでしょう。

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もうこれ以上食べられないという満腹状態で二人はこの老舗のレストランを後にします。
少し薄暗くなった街を散策して、お腹を休めましょう。

レストランを出るとすぐ横にあるザンクト・ペーター教会St.Petersstiftskircheに入ってみます。
ほの暗い内部はとても小振りな教会ですが、立派な装飾で驚かされます。

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天井の装飾、パイプオルガン、バロック様式らしい豪華さです。

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外に出て教会を見ると、堂々とした尖塔に圧倒されます。

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教会の前の広場の中央には、噴水があります。ペーターの噴水Petersbrunnenです。

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ザンクト・ペーター教会の前の広場から抜け出ると、また、大きな教会の尖塔に突き当たります。聖フランシスコ教会です。

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聖フランシスコ教会の前の路地、フランツィスカナーガッセFranziskanergasseを右手に少し進むと、ドーム広場Domplatzに出ます。正面にザルツブルグ大聖堂の威容が見えます。広場の中央にはマリア像Mariensäuleが立っています。そのマリア像を取り囲むように仮設の客席が造られています。ザルツブルク音楽祭の重要な演目である演劇《イェーダーマン》が演じられるための準備です。

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ふらふら歩いていると見慣れた一角に出ます。
ホテルはすぐ近くです。路地を進むと、無事、ホテルの前にたどり着きます。

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今日の散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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今日は早めに休んで疲れを癒しましょう。
好天に恵まれて収穫の多い1日でした。

明日も好天は続きそうです。
明日はルードヴィッヒ2世Ludwig IIの3番目のお城、ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeに行きます。



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カンディンスキーと青騎士展@三菱一号館美術館

数日前に、電車に乗っていてこの展覧会の広告を見つけ、目が点に!
これは行かなくては!ということになりました。
善は急げとばかりに、その2日後には展覧会に来ていました。
もちろん、東京都響の会員券の確保のついででもありましたが。

ところで、目下ブログで進行中の《スイス・オーストリアの旅》は、現在ザルツブルグのことを書いています。
次はミュンヘンに移動します。
そのミュンヘンで、是非行こうと真っ先に向かったのが青騎士の館として知られるレンバッハ美術館です。
10年程前のミュンヘン滞在では、アルテ・ピナコテークとノイエ・ピナコテークには行きましたが、日程上、レンバッハ美術館には行きそびれました。もっとも、その頃はまだ美術知識が未熟で青騎士の何たるかもあまり分かっていませんでしたが・・・。
で、今回は絶対にレンバッハ美術館に行くぞと勇んで出かけたわけです。
ところが、地図にある筈の美術館が探しても探しても見つかりません。それもその筈で、2012年までの長期閉館中だったんです。
ちょっとした特別展は仮設の会場でやっていましたが、油絵は展示していないとのことだったので諦めました。
が、日本での展覧会を準備中だったんですね。それならそれで「秋には日本で展覧会があるよ」って窓口のおばさんも教えてくれればよかったのにと思いますが、おばさんも知らなかったのか、saraiが日本人って分からなかったのかもしれませんね。
というわけで、今年の7月にミュンヘンで見ぞこねたレンバッハ美術館の所蔵品を、東京で見られるということにルンルン気分になったわけです。それに本場ミュンヘンのレンバッハ美術館は閉館中なので、きっとよい作品を東京に持ってきてくれただろうという期待もありました。

さて、この《カンディンスキーと青騎士展》が開催されるのは、最近できた三菱一号館美術館です。前回はマネ展をやっていましたが、まだ行ったことのない美術館です。TVでは、BS日テレの《ぶらぶら美術・博物館》のマネ展を見たので、何となく様子は分かっています。レンガ作りの昔の建物を忠実に再現した施設です。東京駅から歩いて7~8分でしょうか。

既に時間指定のオンラインチケットを購入していましたが、特に行列もなく閑散としています。ゴッホ展やデューラー展ならいざ知らず、カンディンスキーと青騎士では日本では人気がありませんね。
で、苦労せずに入場し、ゆっくりと鑑賞と相成ったわけです。

実に膨大なカンディンスキーの作品が展示されていました。
カンディンスキーと言えば、色彩が散りばめられた難解な絵という印象があります。
が、今回の展示では、時代別に展示されており、その歴史的な変化を追うことができます。
ロシアからドイツに来た頃はまだ具象的な分かりやすい綺麗な絵を描いていたようです。
この絵なんかはセンスがよくて、好きな絵です。


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その後、パートナーのミュンスター女史とともに、ミュンヘン郊外のムルナウという美しいアルプス山麓の街を発見したことを契機に、画風が一変します。ムルナウの街を描いた絵は輪郭を失い、形も極端にデフォルメするようになり、鮮やかな色彩の饗宴と化していきます。
芸術家が環境に触発されて如何に変容していくかの過程がつぶさに体感できて、あの難解なカンディンスキーも少しは理解できるようになりました。でも、やっぱり、実際の絵を見ると難解です。この絵は彼の代表作の《印象Ⅲ〈コンサート〉》です。


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この絵は、同時代の12音技法を開拓したシェーンベルクのコンサートで、いたく感動して描いた作品だそうです。真ん中の黒いのがグランド・ピアノで、その下は聴衆で、縦の太い2本の白い帯はホールの柱、そして全体を覆う黄色は演奏で喚起される気分または演奏そのものということです。妙に具象的に言われても分かりませんね。それに絵に説明は基本的に不要というのがsaraiの意見です。

カンディンスキーには、このほか音楽を記号のようなもので表現したシリーズもありますが、これはこの展示会には展示されていませんでした。

いずれにせよ、カンディンスキーの《印象Ⅲ〈コンサート〉》が、芸術運動の青騎士の中核的な作品だと思います。パートナーのミュンスター女史はちょっとこれとは距離を置いている印象があります。2人が別れることになったのも雰囲気としては分かるような気もします。しかし、そのミュンスターがカンディンスキーの主要な作品を保管し、それがレンバッハ美術館の所蔵品のベースとなったのです。彼女の大きな功績ですね。美術は表に出ない人の努力で後世に引き継がれ、我々が現在鑑賞し、感動できるんですね。

芸術運動の青騎士ですが、カンディンスキーとマルクらが中心に推進していきます。青騎士の年鑑の表紙はまさに青騎士っていう感じで素晴らしいですね。


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この表紙も馬の絵ですが、実は青騎士に惹かれているのはsaraiというよりも配偶者です。配偶者はマルクの馬の絵がいたくお気に入りなんです。それを見たくてレンバッハ美術館に行こうとしたんです。今回の東京の美術展も狙いはマルクの馬。
残念ながら、展示されていたマルクの作品は虎と牛の絵でした。
それでも虎の絵は大迫力でした。


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お蔭で7月の旅のレンバッハ美術館閉館のダメージは、幾分なりとも解消できました。
でもやはり、2012年以降にレンバッハ美術館が開館したら、是非、見に行きたいと思っています。


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テーマ : 絵画・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

 

チェコ音楽の魂:フルシャ+東京都響@サントリーホール 2010.12.14

今日は今年最後の東京都交響楽団のサントリーホール定期演奏会です。
また、実質、saraiの今年最後のコンサートでもあります。無論、大晦日のジルヴェスターコンサートはありますが・・・

指揮者は新たに都響のプリンシパル・ゲスト・コンダクターに就任した29歳の俊英ヤクブ・フルシャ、チェコ人の指揮者です。

今夜のプログラムはこのチェコ人指揮者にふさわしくチェコ音楽三昧です。

 ドヴォルザーク:序曲《フス教徒》Op.67
 スメタナ:交響詩《ブラニーク》
 マルティヌー:リディツェへの追悼
  《休憩》
 ヤナーチェク:グラゴル・ミサ

グラゴル・ミサの演奏は以下のとおり、声楽ソロは本場のチェコ、スロヴァキアから歌手です。

 ソプラノ:アドリアナ・コフートコヴァー
 アルト:ヤナ・シーコロヴァー
 テノール:リハルト・サメク
 バス:マルティン・グーバル
 オルガン:小林英之
 合唱:晋友会合唱団
 合唱指揮:清水敬一

まず、指揮者登場。ちょっと見ると、シューベルトみたい。感じのよさそうな青年です。
盛大な拍手を受け、まずドヴォルザークです。
いやあ、なかなか熱い曲、熱い演奏です。チェコを愛する思いが込められています。分かっていながら、こちらもうるっときます。音楽を超えて、人の思いが伝わってくる演奏です。熱いだけではなく、きっちりと美しい演奏です。余程、リハーサルをみっちりとやったのでしょう。初めて聴くとはとても思えないほど、saraiものめりこんでしまう演奏でした。フィナーレでは熱い感動がありました。

次はスメタナの有名な《わが祖国》からの終曲です。先程のドヴォルザークと共通のフス教徒の賛美歌が主題になっています。これも思いの熱い演奏です。静かな部分も多いのですが、それだけに盛り上がりもすさまじい。冷静さと熱さの同居する素晴らしい演奏です。これもフィナーレでは思わず熱い感動を覚えます。

続いてマルティヌーです。この曲はナチスに大虐殺されたチェコのリディツェの村への追悼の曲です。基本的には激しい思いを静かな抒情に満ちた音楽に押し込めたという感じの曲で聴く側もそれなりの思いで向かい合わないといけない気持ちになります。ピカソのゲルニカ同様、やり場のない戦争への怒り・悲しみで頭がいっぱいになります。名曲です。そして、よい演奏です。静かな感動を覚えます。無調的な響きがなんともこの主題にあっています。

これで前半が終了ですが、今年一番の都響の演奏ではなかったでしょうか。選曲もよいし、演奏の質が最高です。チェコのオーケストラと比べてみないと分かりませんが、チェコ音楽の本質に迫ったと思われます。
そして、この演奏をなし遂げた若手の指揮者フルシャの並々ならぬ音楽性には驚きを禁じ得ません。今後、注目していかなければいけない音楽家がまた一人増えました。

休憩後はヤナーチェクのミサ曲です。ヤナーチェクの音楽はなかなかとっつきにくい印象があります。これは例え、管弦楽のみの曲でも、曲にチェコ語のイントネーションがはいっているからという話があります。素直な美しいメロディー(自分で予想する)からは離れやすいからです。逆にそこに何か新しい独自なものも見いだせるということもあるわけですが・・・
ともあれ、今日のミサ曲は声楽曲でテキストもグラゴル文字(古代教会スラヴ語)によっているので、まさにヤナーチェクの独特の語法による音楽です。
実際にそうなのですが、こちらがそう身構えているせいか、意外にスタンダードな曲にも聴こえて、普通に聴けます。
流石にソロ歌手たちは見事な歌唱です。オーケストラもフルシャの統率のもと、繊細な響きを聴かせます。まさにヤナーチェクの世界です。ひとつ注文をつけると合唱の響きがもうひとつ。合唱も本場の合唱団ならパーフェクトだったでしょう。
ところで次のヨーロッパ旅行ではパリでヤナーチェクのオペラを見ます。今後、ヤナーチェクの音楽に触れる機会も増えそうで、その先駆けでよい曲・よい演奏が思わぬところで聴けて感謝です。

前述したように、今年の都響の演奏会では、インバルやクレーもよかったものの今夜が最高のコンサートでした。新星フルシャに大注目しましょう!!



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ヘレンキームゼー城に出発

2010年7月13日火曜日@ザルツブルク

今日は旅も9日目。

saraiが得たインターネットの気象情報では、今日は11時頃から雨になるとのこと。連日の超快晴に少々お疲れ気味のsarai達としては、何だかちょっぴり嬉しいような・・・。でも、どうして雨が降るのかと思ってしまうほどの青空です。
今日はヘレンキームゼーHerrenchiemsee(キーム湖Chiemseeに浮かぶ島)に出かけるので、晴れているのはありがたい。早めの行動で、雨が降り出す前に観光をしてきましょう。
ところで、このヘレンキームゼーのお城観光は、今回の旅で配偶者が是非にと提案したものです。約10年ほど前に、ミュンヘンMünchenを基点としたルードヴィッヒ2世Ludwig IIが造ったお城を巡る旅に出かけ、ノイシュバンシュタイン城Schloss Neuschwansteinとリンダーホーフ城Schloss Linderhofを訪れました。そして、3つ目のヘレンキームゼーにある城、ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeにも行きたかったのですが、ミュンヘンから意外に遠くて行くことが出来なかったのです。その後、このお城は、ミュンヘンよりもザルツブルクSalzburgからの方が近いことを発見した配偶者が、ザルツブルクに行く機会があったらそのチャンスを絶対に逃すまいと、虎視眈々と狙っていたらしいのです。

朝食を済ませ、昨日と同じように、バスでザルツブルク中央駅Salzburg Hbfまで行きます。
キームゼーまでの電車のチケットを購入するために駅の窓口へ。
「プリーン・アム・キームゼーPrien am Chiemsee駅まで往復2枚」というと、「安いチケットはDB:Deutsche Bahn(ドイツ国鉄)の窓口で買ってね」と言いながら、隣の売り場を指差します。saraiが並んだ窓口はオーストリア国鉄(ÖBB:Österreichische Bundesbahnen)の窓口でした。

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ザルツブルグSalzburgはオーストリアの西のはずれにあり、プリーン・アム・キームゼー駅はドイツの東のはずれです。で、ザルツブルク駅のチケット売り場には、オーストリア国鉄とドイツ国鉄の窓口が並んでいるのです。どうも日本人には馴染みのない光景ですね。それにしても、どちらで買うかで値段が違うのもおかしいですが、安いものを教えてくれるのはありがたいですね。実は、オーストリア国鉄には割引チケットがありませんが、ドイツ国鉄は割引チケットがとっても豊富なんです。
せっかくのアドバイスですから、お隣のドイツ国鉄の窓口に移動して、安いチケットを購入させてもらいましょう。

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これが購入したチケット。(あれっ、ブログを再アップするためにこのチケットをよく見ると、二人往復で46ユーロもする通常チケットです。てっきり、格安のバイエルンチケットだと思っていました。窓口が割引チケットを売ってくれなかったんでしょうか。よくよく考えてみると、この日は9時前の電車に乗りました。バイエルンチケットは平日の9時からでないと使えません。もう1時間後の電車に乗れば、ほぼ半額の27ユーロで済んだのにね。窓口の人は間違えていませんでした。)

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現在、ザルツブルグ中央駅は大改造中でいたるところが工事中です。チケットを買った窓口も臨時の建物のようです。

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プラットホームに行くには、ぐるっと仮通路を回らないといけません。こんな木組み丸出しの階段を上ります。

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階段を上がると、もちろん仮通路ですが、かわいい絵で装飾してあり、心がなごみますね。

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大工事が終わるのは2014年とのことで、中央に大きな連絡通路ができるようです。現在、昔の駅舎は廃墟のようになっています。
で、現在工事中の様子が上から覗けます。なかなかの大工事ですね。

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ホームに着きます。これから8時12分発のミュンヘン中央駅行のRB(Regional Bahn)に乗ります。

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プラットホームには既に電車は入線済み。総2階建ての新しい車両です。

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早速、乗り込むと、まだ誰も乗っていません。ゆっくりと4人掛けシートを占拠。定時になると、電車は音もなく発車。ゆっくりとザルツブルグの街を離れていきます。しばらく、近郊の駅の構内を抜けていきます。

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やがて、美しい田園地帯にはいっていきます。

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しばらく、この美しい風景の中を電車は進んでいきます。真っ青な空が広がり、気持ちのよい日和です。

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途中、ど団体のおじさんたちが乗り込んできて、やたら騒々しくなりますが、45分後には予定通りプリーン・アム・キームゼー駅に到着します。

3分後に出るバスに乗るためバス停を探しますが、見つけることが出来ず、キーム湖の船着場Chiemsee Schifffahrtまで歩く羽目になってしまいます。とはいえ、バスの乗車時間はたったの3分のところなので、たいした距離ではなく、途中の街の様子を眺めながら歩くのも楽しいものです。saraiたち以外にも歩いている人達もいます。
通り沿いには、きれいに手入れされたお庭の家も多く、配偶者は興味津々の様子です。

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この後、船でヘレンキームゼー城に向かいます。



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ヘレンキームゼー島にクルージング

2010年7月13日火曜日@ザルツブルク/2回目

プリーン・アム・キームゼーPrien am Chiemseeの鉄道駅から歩いてキーム湖Chiemseeの船着場Chiemsee Schifffahrtに着きます。

バスに乗れなかったので、その結果として、予定の船には乗れず、25分後の船になります。まずは窓口でヘレンキームゼー島Herrenchiemseeまでの往復チケットを購入します。結構、人が並んでいます。

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船の出るのはまだ時間がありますが、船は桟橋に既に停泊中です。いかに湖の連絡船という風情ですね。

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船着場には桟橋がずらっと並び、船の往来も多そうです。このキーム湖はドイツ・バイエルン州で最大の湖でプリーン・アム・キームゼーの船着場はその湖観光の起点みたいです。

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船に乗る人達が続々と詰めかけます。

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saraiたちが乗る船も夏のバカンスモードで大勢の人たちが乗り込みます。

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デッキ上の席を確保して、出航を待ちます。

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さあ、出航は間近です。

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他の桟橋にも船がずらっと並んでいます。

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やがて、船はゆっくりと桟橋を離れていきます。

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強い陽射しですが、昨日のクルージングと違い、船が走り出すと、湖上の爽やかな風が心地よく、とてもいい気分。湖から見える山並みも綺麗です。

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桟橋がたちまち、遠ざかっていきます。

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遠くなったプリーン・アム・キームゼーの船着場の全景が見えます。船が4艘ほど停泊しているのが見えます。

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船は岸辺近くを進んでいきます。岸辺の木々も水面に映えて美しいです。

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ヨットのマリーナには凄い数のヨットのマストが林立しています。本当にバカンスの拠点なんですね。

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向こうから、プリーン・アム・キームゼーの方に向かう観光船がやってきます。まだ午前中も早い時間ですから、乗っている人はまばらです。やはり、プリーン・アム・キームゼーを観光の起点とする人のほうが多いんですね。

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船のデッキは大勢の乗客で混み合っています。行く手に船着き場が見えてきます。

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あたりの景色に見とれているうちに、20分ほどで湖上の島ヘレンキームゼーに到着です。皆さんに混じって、船を降りて桟橋を進みます。

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船はまた次の寄港地に向かって出航します。船に乗ったまま、さらに先の寄港地に進む人が多いですね。

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さて、船着き場のすぐ先には、ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeのチケット売り場があります。まずはここでお城の入場券を購入します。

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これが購入したチケット。一人7ユーロとリーズナブルな料金です。お城内部のガイドツアーの時間は10時45分と印字されています。ガイドツアーはEnglishでの案内です。

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ここでヘレンキームゼー島の中の様子を地図で確認しておきましょう。船着き場から、島の中央にあるヘレンキームゼー城まで、少し歩くようです。

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いよいよ、ヘレンキームゼー城です。




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ヘレンキームゼー城の美しい庭園と噴水

2010年7月13日火曜日@ザルツブルク/3回目

ヘレンキームゼー島Herrenchiemseeに到着し、ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeの入場チケットを購入しました。

このチケット売り場のある船着場Chiemsee Schifffahrtから、島の中心にあるヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeまで20分ほど歩くそうです。
では、元気よく歩きましょう。歩き始めると、後ろに船着き場の桟橋が見えます。散策道は湖岸と並行しているんですね。

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すぐに分かれ道に出ます。どうやら、右手の道がお城へ続く道。左手は島内を一周する散策道です。もちろん、右手のお城への道に進みます。

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するとこの分かれ道の前には、目の前に馬車が停まっています。これに乗っていくと楽ちんだねと配偶者に言うと、健康のために歩きましょうとのこと。はいはい。

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馬車の横を通り過ぎ、その後で振り返ってみると、子供たち(幼稚園生くらい)が馬車に乗り込んでいました。健康な大人は歩くもんですね。はい。

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綺麗な並木道になります。気持ちよく歩きます。

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並木道はいつしか、林の中の道に変わります。

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林のすぐ外側には、日陰ひとつない草原が広がっています。夏の暑い日差しを避けて、涼しい林の中を歩けて幸いです。

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林の中には木漏れ日が差しています。

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木漏れ日の差す美しい木立の中をゆっくりと抜けていきます。やはり、歩いて正解。森林浴気分でるんるんです。

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やがて、木立の先に明るい光が見えてきます。

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島は直径2キロメートルほどの小さなもので、ルードヴィッヒ2世Ludwig IIの建てたお城くらいしかありませんが、それが今や観光の目玉です。

カップルの後ろを着いていくと、遂に木立の向こうに噴水やお城が見えてきます。

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木立の道を出ると、お城と庭の全景が見えます。素晴らしい眺めです。

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お城とは逆の方をみると、林に挟まれた草原がまっすぐに湖まで続いています。ベルサイユ宮殿を始めとしたヨーロッパの宮殿の庭の典型的な形式を踏襲していますね。

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丁度、中心に立って、お城に向かい合います。お城の庭園に数多く吹き上がる噴水に驚かされます。バロック庭園というんでしょうか、左右対称の美しい庭園です。

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庭園を鑑賞しながら、ぶらぶらとお城の方に向かいます。配偶者は庭園に綺麗に咲いている花々にうっとりです。

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庭園の花を綺麗に咲かせるためには管理する人達の隠れた努力が必要ですが、ここではその努力の様子が見えています。

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噴水が近くなってきます。まずは中央、手前にある噴水ですが、素晴らしく立派ですね。ラトーナの噴水Latona-Brunnenです。

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噴水に隠れて、彫像の姿があまり見えないので、反対側からも眺めてみますが、やはり、噴水に隠れています。ラトーナの女神の彫像が彫られている筈です。

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ラトーナの噴水の横から、庭園の側面を眺めます。噴水と花園で美しく飾られています。庭園の両側には巨大な樹木が立ち並んでいます。

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さらにお城に近くなってきます。堂々たる宮殿です。

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宮殿に近いところにある噴水は凄く立派です。噴水なのか、彫刻なのか、素晴らしいの一語です。

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これは右手のある大噴水です。フォルトゥナの噴水Fortuna-Brunnenです。ローマ神話の運命の女神です。運命の車輪を司ります。

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これは左手にある大噴水です。ファーマの噴水Fama-Brunnenです。ファーマとは、ローマ神話(ギリシャ神話)の噂の女神です。ラッパを吹く女神です。

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この噴水の周りを飾る彫像も大変素晴らしいです。ルードヴィッヒ2世の気持ちの入れ込みようが感じられます。

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お城が目の前です。もはや、全景は捉えられません。美しいバロックの城です。

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お城にたどり着いて、振り返って、庭園全体を眺めます。広大で噴水の素晴らしい庭園です。

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お城の中から、扉越しにお庭の写真を撮ってみます。いかがでしょう。なかなかいい雰囲気でしょう。

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ここまでの散策ルートを地図で確認しておきましょう。

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ここで、ちょうど、お城のガイドツアーの開始時間になります。
いよいよお城の内部に入ります。



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豪華絢爛なヘレンキームゼー城はルードヴィッヒの夢の跡

2010年7月13日火曜日@ザルツブルク/4回目

ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeのお庭を満喫したところでいよいよお城の内部を見てみましょう。

お城の内部はガイドツアーで見ることができます。我々は自動的に英語のツアーになっています。ガイドさんから配偶者に、何も訊かれなかったのにさっと日本語のパンフレット(写真なしの文字だけ)が渡されます。む、なぜ日本人と分かる?

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もちろん、写真入りの英語のパンフレットもいただきます。

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他の人達には、何語がよいかを尋ねながら、ロシア語、フランス語、スペイン語などのパンフレットを配っています。イギリス人もアメリカ人もいない英語ツアーって、何か変ですね。

このお城はヴェルサイユ宮殿を模して建てられたので、鏡の間とか、寝室とか、執務室、ダイニングルームなど、いずれも黄金を多用した贅を尽くした立派なものです。ルードヴィッヒ2世Ludwig IIのための《小さなヴェルサイユ宮殿》と言われています。

1階の集合場所からツアーが始まり、まずは2階に上がります。
これが2階の見取り図です。ツアーは1番の南側の大階段から、16番の北側の階段まで、番号順に進められます。

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まずは1番の南側の大階段Prunktreppenhausです。
非常に豪華な階段の間です。《ヴェルサイユの大使の階段》と呼ばれています。ヴェルサイユ宮殿と違うのは、トップライトになっていて天井は総ガラス張りです。

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2番の護衛の間Hartschiersaalです。
バイエルン王の護衛の矛・槍が立てられています。飾られている4枚の絵にはルイ14世の出兵の様子が描かれています。

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3番の第1控え室Erstes Vorzimmerです。
べっ甲で作られた大きな家具が置いてあります。楽器を収納するために使われていました。

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4番の第2控え室Zweites Vorzimmerです。
卵型の形をした窓があり、《丸窓の間》と呼ばれています。この部屋にはお城で一番大きな鏡があります。ブロンズ製の騎馬像は太陽王ルイ14世の姿です。

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5番の豪華な寝室Paradeschlafzimmerです。
お城の中央にある、この部屋は先輩のヴェルサイユ宮殿の寝室の豪華さを凌ぐそうです。ヴェルサイユでは1日の最初と最後の謁見は寝室が使用されていました。残念ながら、ルードヴィッヒは一度もこの寝室を使用することはありませんでした。

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6番の会議室Beratungssaalです。
ルイ14世の大きな肖像画が印象的です。

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7番の鏡の間Große Spiegelgalerieです。
このギャラリー廊下は98mの長さです。33のシャンデリアと44のロウソク台があり、夏には4000本のろうそくをシャンデリアに灯して、コンサートも開かれるそうです。

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10番の寝室Schlafzimmerです。
ルードヴィッヒの好みの青が基調になっています。

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12番の王の執務室Arbeitszimmerです。
執務室にはそのベルサイユ宮殿に敬意を表してルイ14世の肖像画がかけられています。そういえば、リンダーホーフ城にもルイ14世の肖像画がありますね。執務室の机は1884年にパリで製作されたもので、ヴェルサイユのルイ15世のオリジナルをコピーしたものです。

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13番の食堂Speisezimmerです。
部屋の中央には《グリム童話》と呼ばれる有名なテーブルがあります。テーブルの上にはマイセンの壺、天井には豪華なシャンデリアがあります。

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最後に、まだ未完の部分に案内されます。そこはレンガの壁がむき出しになった大階段。16番の北の大階段Nördliches Treppenhausです。そうです。このお城はルードヴィッヒの謎の死とともに建設途上で未完に終わったんです。この階段以外にも50ほどの部屋が未完で残されました。そのあたりの説明をしたガイドさん(若い女の子)は少しうるうる状態です。彼女もルードヴィッヒのファンなんでしょうか。

これでルードヴィッヒ2世Ludwig IIの夢の後の3つの城を約10年がかりで見ることができた配偶者は感慨しきりです。若い女の子のガイドさんと同じ思いなのかな。なんだか、ロマンチックですね。

お城の外に出て、もう一度、お城を眺めます。なんだか不思議な思いです。ルードヴィッヒ2世は単にお城が作りたかっただけなのか。そのために身の破滅を招いても後悔はなかったのか。すべては謎、闇の中です。

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お城の建物を突き抜けて、いったん、向こう側に出ます。こちらが表ですね。こちらも林に挟まれた通りが湖まで続いています。

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つまり、お城はこのヘレンキームゼー島の中央にあり、表と裏のまっすぐな直線の通りが島の湖岸にまで達しています。お城のための島なんですね。ルードヴィッヒ2世がヴェルサイユ宮殿を模したお城を造る場所に、なぜこの湖を選んだのかが分かったような気がします。ルードヴィッヒ2世はこのお城を建てるために大枚をはたいて島全体を買収したそうです。

で、お城の表側はこんな風に立派な作りになっています。

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建物の上は彫像で飾られています。

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もう少し離れて、お城の正面を眺めます。

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緑の並木道が湖岸に向かって続いています。

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これが本来のお城の正面に向かう大通りです。ルードヴィッヒは湖岸から、この大通りをお城に向かうつもりだったんでしょうか。

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さすがに湖岸まで、この大通りを歩く気力はありません。お城の側面を周り込んで、庭園のほうに戻ります。

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見学もこれで十分です。さあ帰りましょう。元来た林の中の道を船着き場Chiemsee Schifffahrtに戻ります。船着場の桟橋にはまたどっと観光客が押し寄せてきます。丁度、プリーン・アム・キームゼーPrien am Chiemseeに向かう、乗船予定の船も桟橋に着いたところです。

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船に乗り込むと、反対方向に向かう船も桟橋に着いています。

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また、プリーン・アム・キームゼーの船着き場まで湖上クルージング。白い鳥が湖上を滑空しています。

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だいぶ暑くなってきました。雨などみじんも降る気配はありません。乗客のみなさんも暑さに参っている様子ですね。

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saraiはまた配偶者の指令通り、デッキの日陰で暑さを凌いでいます。

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プリーン・アム・キームゼーの船着場ではまたお楽しみがあります。



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おもちゃのようなSL:キームゼー鉄道

2010年7月13日火曜日@ザルツブルク/5回目

キーム湖Chiemseeをクルージングしてプリーン・アム・キームゼーPrien am Chiemseeの船着場Chiemsee Schifffahrtに到着しました。

先ほどはプリーン・アム・キームゼーの船着き場と鉄道駅の間は歩きましたが、今度はちょうどタイミングがよいので、SLに乗ります。キームゼー鉄道Chiemsee-Bahnという観光列車です。これも楽しみにしていましたが、往路はタイミングが悪く、乗車できなかったんです。

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最前部にある機関車の内部です。コンパクトな蒸気機関ですね。

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運転士兼機関士が乗り組んで、出発です。

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SLとは言え、一般道路の中を走っていきます。トラムみたいなものですね。

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チケットは列車の中で車掌さんから買います。

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これが購入したチケット。SLのイラストの模様のある可愛いチケットです。

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SLは住宅地の中を抜けていきます。

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緑にあふれたお宅が建ち並んでいます。

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色鮮やかな花で飾られたお家が多く見られます。

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駅に向かって、元気に歩いている女性たちもいますね。我々もさきほどは歩きましたし、SLに乗るほどのことはありません。乗ったのはあくまでも観光気分のためです。

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ゆっくりと進むSLから、綺麗な住宅地を眺めているのも気持ちがいいものです。

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やがて、前方に駅が見えてきます。電車が停車しています。

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もうすぐ駅に到着です。運転士がスピードを落とし始めます。

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楽ちんで8分で鉄道駅に隣接するキームゼー鉄道専用駅に横付けです。

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乗ってきたキームゼー鉄道の客車です。この緑色の車体がなんとも古めかしくていいですね。

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ところで、このプリーン・アム・キームゼー駅にはちゃんとコインロッカーがあることを確認します。この旅の計画を練る段階で、プリーン・アム・キームゼー駅はザルツブルグSalzburgとミュンヘンMünchenの中間にあるので、ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeを観光して、そのままミュンヘンに移動することも考えました。その場合、荷物を持っての移動になるので、このプリーン・アム・キームゼー駅で荷物を預かってもらえるかどうかが問題でした。ネットでさんざん調べた挙げ句、どうもコインロッカーがあるらしいことは分かりましたが、どれくらいのコインロッカーがあって空いているかどうかも分かりません。結局、無理をすることはないということで、ザルツブルグからの日帰りにしたわけです。結果的にはコインロッカーが使えることが分かりました。でも、ザルツブルグの街をもう少し見たかったこともあるので、まあ、いいでしょう。

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これが駅前の様子。ゆっくりと見ると、バス停が並んでいますね。朝、このバス停が見つからずにバスに乗れなかった・・・。

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すぐにザルツブルグ行の電車が来ます。乗り換え時間5分ほどの効率の良さです。きっとこの電車に合わせたSLのタイムテーブルなんでしょう。

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乗ってみると、冷房のない電車です。暑さの疲れでうとうとするうちにザルツブルグに到着です。

まだお昼を過ぎたばかりなので、ザルツブルグの街歩きを楽しみます。少なくとも、このときはそう思っていましたが・・・。



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ザルツブルグのデーメル、ルームサービスのディナー

2010年7月13日火曜日@ザルツブルク/6回目

ヘレンキームゼー城Schloss Herrenchiemseeからザルツブルグ中央駅Salzburg Hbfまで戻ってきました。

工事中の駅の構内を抜けて、バス乗り場に向かいます。駅構内に新駅の再生プランを説明するパネルがあります。中央に広い連絡通路を設けたモダンな駅に生まれ変わるようです。(2008年に始まった大改修工事はこの時、2年を経過したところでした。完成したのは2014年ですから、この後、4年後でした。その2014年6月に再訪したときには、駅正面を除いて、ほぼ完成していました。その後、2016年に訪問したときは完全に完成して、素晴らしい駅に生まれ変わっていました。)

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バスで旧市内に戻ります。まずは気になっていたモーツァルト広場MozartplatzにあるデーメルDemelで、お昼代わりのお茶をすることにします。白を基調にしたなかなかおしゃれな建物で賑わっています。ほぼ満席ですが、すぐに席につけます。さすがに冷房はしていますが、あまりきいていません。それでも外のテラス席の暑さよりもましです。

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ケーキよりも冷たいアイスクリームが食べたくなり、メニューを探しますがそれらしいものがありません。お店のスタッフのお姉さんに、メニューの中でアイスクリームはどれかしら?と訊くと、アイスクリームだけが載っている別のメニューを持ってきます。別なんだ!
いやあ、美味しかった!

これがsaraiの食べたアイスクリーム。

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これが配偶者の食べたアイスクリーム。

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(ザルツブルクのデーメルに入ったのはこのときが最初で最後になりました。2006年からモーツァルト広場に面して営業していたカフェ・ デーメルはその後すぐに閉店しました。2014年にこのデーメルの前に行くと店は閉まり工事中でした。賑わっていたのですが、どうしたのでしょうね。老舗のカフェ・グロッケンシュピールから店舗を受け継いで、僅か10年もたたずに閉店とは・・・。)

美味しいアイスクリームをいただいて、デーメルを後にします。ゲトライデ通りGetreidegasseに出ます。気象予報と異なり、雨が降り出すどころか、ますます暑くなってきます。それにしても、通りを彩る鉄飾りはなんとも可愛いですね。

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この暑さに参ってしまい、今日は休養の日にしようということでまだ早い時間ですが、お寿司を買ってホテルに戻ることにします。このザルツブルクにもお寿司屋があるんです。前から気になって目をつけていました。《MY INDIGO》というお店です。(この後も、ザルツブルクを訪問するたびに贔屓にしています。お寿司以外にもカレーも美味しんです。)

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お寿司は大流行ですね。味見をするために、積極的に購入です。ここはイクラやタコ、エビなど種類も多く日本と変わらないほどの出来です。

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それにお持ち帰り用にこんなに可愛い紙箱に入れてくれます。

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ホテルの部屋に戻って、エアコンでガンガン冷やしながら、ぐっすりお昼寝です。saraiは3時間ほどもぐっすり寝て、元気回復。もう、夕方です。先ほどゲットしたお寿司を美味しくいただきます。
そろそろ、夕食の時間になります。これから出かけるのも面倒です。
この部屋は食卓もあるほど立派な部屋なので、この際ルームサービスで夕食をお願いして、今日は部屋での休養に徹することにします。

注文したのはサラダ。

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そして、スープ。

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そしてメインは魚のグリル。

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テーブルにセッティングしたところです。疲れてもおり、この程度の量で十分です。

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部屋で食事ができるのはいろんな意味で楽ですね。配偶者と二人だけでのディナータイムです。さあ、席に着いて、いただきましょう。

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美味しくいただきました。お風呂に入って、早めに休みましょう。

明日からは五夜連続のオペラ・オペレッタ鑑賞モードに突入です。 明日はまず、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場です。



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ミラベル庭園で途中下車

2010年7月14日水曜日@ザルツブルク~ミュンヘン

さて、今日は旅も10日目。ザルツブルクSalzburgの最後の朝です。

今日も晴れてますっ!
ガンガンに冷やしている部屋は涼しい。昨日一日休養したお蔭で元気モリモリです。

今日はミュンヘンMünchenに移動します。
暑い食堂での朝食をサッサと済ませて出発です。チェックアウトします。

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チェックアウトの際、ロビーの中を見渡すと、このホテルならではのものがあります。

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そうです。象さんの置物です。ホテルの名前がホテル・エレファントですからね。

さて、象さんにもお別れして、ザルツブルグ中央駅Salzburg Hbfに向かいます。その中央駅に向かうバスの中で、saraiが「ホーヘンザルツブルク城の写真さえ撮らなかったね」というと、配偶者が「じゃ、時間もあるし、ミラベル庭園でちょっと降りて写真を撮る?」。なかなかよい提案です。
ホーヘンザルツブルク城Festung Hohensalzburgは、ミラベル庭園Mirabellgartenからが一番美しい写真が撮れるとsaraiは思っています。一度訪れたことのある街は、こういう余裕があるからいいですね。

で、ミラベル庭園で途中下車。ミラベル宮殿Schloss Mirabellの裏手の緑地に入ります。

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宮殿の側面から庭園に入ります。朝早いせいか、庭師が水遣りの作業中です。遠くにホーヘンザルツブルク城が見えています。

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おおっ、石垣沿いに薔薇が綺麗に咲いています。

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芝生の花壇も綺麗です。

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いやあ、降りて良かったです。薔薇が真っ盛りです。もともとミラベル庭園は花が美しいことで有名ですが、やはり薔薇は一段と美しいですね。配偶者はバラの写真を撮りまくりです。石垣に沿って歩きます。

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石垣の薔薇とその根元に咲く花が素晴らしいハーモニーを作っています。

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saraiはホーヘンザルツブルク城を撮りまくり。
まずは庭園越しにホーヘンザルツブルク城です。

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ホーヘンザルツブルク城をズームアップして撮影したので、実際の風景はこんな感じ。

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ここから、今はいってきた庭園の入口を振り返ると、映画《サウンド・オブ・ミュージック》のドレミの歌の石段です。

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saraiも配偶者に続いて、石垣沿いを歩きます。本当に薔薇が綺麗ですね。

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また、振り返って、宮殿の側面の庭園を眺めます。

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石垣に沿って、庭園の真ん中のほうに向かいます。

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庭園を進むと緑のアーチが近づきます。庭園のお手入れは素晴らしいですね。

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庭園のほぼ全景とその向こうのホーヘンザルツブルク城が見渡せます。朝早くですが、観光客も結構多いです。

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もう少し進んでズームアップして撮影。

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配偶者は薔薇に夢中。庭園の石塀には薔薇がからんで綺麗に咲いています。

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朝日を浴びて、石塀の薔薇が輝いています。

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さて、ミラベル宮殿の建物の前にある薔薇園に向かっていきましょう。宮殿と薔薇の組み合わせがいいですね。

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薔薇園に入ると、まさに薔薇が満開です。うわーって、配偶者が歓声を上げています。

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どこを見ても薔薇が満開です。

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薔薇園のほぼ全景です。薔薇が咲き誇っています。

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アップで見るとこんな感じです。

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こういう変わった薔薇も咲いています。

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再び、宮殿前の美しい薔薇を眺めます。

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見飽きることがありません。

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薔薇園を巡って、薔薇を愛でながら出口に向かいます。

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薔薇園の鉄柵にも蔓薔薇がからんで綺麗に咲いています。

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薔薇園の入口からまた庭園に戻ります。

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今度は庭園をずっと進んで行きましょう。

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その前にバラ園と宮殿を振り返ります。

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庭園中央にある噴水までやってきました。

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ここで宮殿を振り返ってみると、かなり宮殿が遠くなりましたが、ここには庭園のお手入れをしている人の姿があります。どこの施設も十分な管理が行き届いていますね。これでこそ美しい庭園が維持できるのでしょう。

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このような庭園には必ず彫像がありますが、ここにも立派な彫像があります。ベルニーニ(「プロセルピナの略奪」)もどきですね。

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朝の8時過ぎの庭園では、朝日を浴びながら、お手入れが続いています。

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さて、十分に美しい庭園を満喫しました。そろそろ、駅に向かいましょう。庭園の横の出口からバス道路に出ます。出口の前にも立派な噴水があります。

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この後、ザルツブルグ中央駅からミュンヘンに向かいます。



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ザルツブルグ中央駅からミュンヘン中央駅へ

2010年7月14日水曜日@ザルツブルク~ミュンヘン/2回目

途中下車したミラベル庭園Mirabellgartenの前から再びバスに乗って、ザルツブルグ中央駅Salzburg Hbfに向かいます。そこからミュンヘンMünchenに移動します。

駅に到着します。工事中の駅の前には仮設のチケット売り場があります。

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と、パワフルなママさん達を発見。自転車にミニリヤカーを付けて荷物を積み、二人の子供を(もちろん自転車をひいてます)引き連れた2組の家族です。夏休みなんですね。なんとも逞しい!

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駅構内も、エレベーターに乗ったりしながら手馴れた風で移動していきます。そして、列車に乗り込んでいきました。

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プラットホームに着き、車両編成を確認します。

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ネットで購入したチケットがこれ。短距離なので、節約してセカンドクラスです。もちろん、格安チケットで二人で29ユーロですが、念のため、5ユーロ追加して、指定席にしてあります。(今になって気が付きましたが、City Mobileチケットも10.4ユーロで購入していました・・・忘れていて、さらにミュンヘンで市内交通のチケットを買った!) 指定席は23号車です。

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車両編成表です。これから乗るICE260の23号車を確認します。セクターBのあたりに停車するようです。そちらに移動します。

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プラットホームからは工事用のクレーンが見えます。大工事ですね。

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ホームで電車を待っていると、日本人の青年が「この電車は予約なしで乗れますか」と訊いてきます。「予約なしで乗れるよ。指定予約されてない席(指定席車両というのはなくて席が指定席になる)だったらどこにでも座っていいよ」と教えます。
やがて、入線してきた電車に乗り込みます。
電車は発車後、すぐに高速で走り出します。

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ザルツブルクの郊外を駆け抜けていきます。

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乗車後、saraiは何となくこの青年のことが気になって、隣の車両に乗っていた彼のところに話をしに行きます。彼は学生で、1か月程ヨーロッパ放浪の旅をするらしいです。宿も行きあたりばったりとのこと。saraiの長男も以前、同じようなパターンでヨーロッパを旅したことを思い出します。彼はこれからノイシュヴァンシュタイン城に行き、それからはロマンチック街道を北上するとのこと。いいことです。青年は荒野をめざせ!!

saraiが、若者とおしゃべりをしている間に、配偶者のところには車掌がチケットの検札にきたそうです。インターネットで購入しプリントアウトしたチケットを見せると、購入時に使用したクレジットカードを見せろと言われたそうです。「それは主人が・・・」と言うと、「いいよいいよ」と無罪放免だったそうです。

さて、乗車したミュンヘン行の電車はDBご自慢のICEです。セカンドクラスとはいえ、リクライニングできるゆったり席。ところが、エアコンが効いてなくて暑い!
先程の青年が乗っていた隣の車両はエアコンが効いていたのでそちらに移動。ああ、涼しい!! ずっと座っていると、今度は寒いほどです。車両によって、温度設定を調整しているのでしょうか・・・。
空も段々雲が広がってきます。そろそろ好天の猛暑も終わりでしょうか。
そうこうするうちにミュンヘン中央駅München Hauptbahnhofに到着。ICEはスタイリッシュでカッコいいですね。

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そのICEの姿を眺めつつ、プラットホームから駅舎の外に移動します。

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駅から移動する前に、まず、ツーリストインフォメーションに立ち寄って、ミュンヘンカードのようなものがあるかどうかを確認します。すると、シティツアーカードCityTourCardというものを紹介されます。1日乗車券に美術館などの割引が付属したものです。で、このCityTourCard Partner-Targeskarteを購入。この1枚で5人まで使えます。16ユーロです。(この時点では、既にCity Mobileチケットを購入済だったことをすっかり忘れています。)

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地下鉄(Uバーン)に乗る前にチケットに日時を打刻して有効化しておきます。

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この後、地下鉄に乗って、あるところへ急いで向かいます。急ぐ理由は・・・。



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ミュンヘンの朝ごはんは白ソーセージと白ビール

2010年7月14日水曜日@ザルツブルク~ミュンヘン/3回目

ザルツブルグSalzburgからミュンヘンMünchenに到着しました。

到着したミュンヘンはまたまた上天気。暑い!!
でも、暑さにめげている時間はありません。ミュンヘンでの一番の予定に向かって、突進です。
それは、ミュンヘンの美味しい朝ごはん『白ソーセージ』(ヴァイスヴルストWeißwurst)です。

地下鉄に乗って直行のはずが、ちょっと乗り間違えてしまい、かなり迂回して目的のマリエン広場Marienplatzに到着。
そこからはすぐに白ソーセージのお店ヴァイセス・ブロイハウスWeisses Braeuhaus(現在はシュナイダー・ブロイハウスSchneider Bräuhausに改称)が見つかって、ほっとします。

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店のおばさんに「白ソーセージある?」と訊くと、あるとのこと。
白ソーセージは新鮮さ一番で、午前中でなくなる分しか作らないらしいのです。間に合ったようですね。

早速、白ソーセージWeißwurstと白ビールWeißbierを注文。
注文したものが届くのを待つ間、お店の様子を観察します。ほとんど地元の人ばかりですね。

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こちらは厨房のほうです。お店のかたが忙しそうにしていますね。

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まずこのお店の白ビール「シュナイダー・ヴァイセSchneider Weisse」が届きます。喉越しの爽やかなビールで一息つきます。

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白ビールを飲みながら、白ソーセージが届くのを待ちます。朝は2階は使われていないのですね。

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ボールのお湯に浮かんだ白ソーセージが登場。迫力ありますね。

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白ソーセージは皮をナイフとフォークで剥いて食べますが、何とかうまく剥け、とてもほくほくと美味しいものです。でも、1個目はあんまり、綺麗に剥けずにソーセージが少し崩れてしまいます。プレッツェルBrezelも一緒に食べます。

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ところで、ソーセージといえばマスタード(洋ガラシ)ですが、なんと付いてくるマスタードは甘い!蜂蜜入りらしいのです。なんだか合わない感じがするのですが、恐る恐る付けて食べてみると・・・意外にもものすごぉ~く美味しい。甘いマスタードがダメな人もいるのか、普通のマスタードも持ってきてくれます。両方食べ比べてみましたが、断然蜂蜜入りのほうが美味しかったですよ。

で、2個目はかなりうまく剥けます。より美味しく、いただきます。

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担当のお店のおばさんです。そろいの制服で何となく様子が可愛いですね。

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白ソーセージに大満足したところでやっとホテルに向かいます。



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ミュンヘンのホテルにチェックイン

2010年7月14日水曜日@ザルツブルク~ミュンヘン/4回目

さて、ミュンヘンMünchenでの一番のお楽しみ、朝ごはんを無事終え、マリエン広場Marienplatzの地下鉄の駅に向かいます。
途中、お寿司屋さんを発見。漢字で東京寿司って書いてあります。なんだか懐かしいですね。

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地下鉄でホテルに向かいます。車内は結構混んでます。

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こんな混んだ車内でもお熱いシーンを披露するのがヨーロッパらしいところです。

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ホテルは、ミュンヘン中央駅München Hauptbahnhofからも近いカールスプラッツ駅Karlsplatzそばのホテル・ダニエルHotel Daniel。まずはチェックイン。

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部屋に入っての最初のお仕事は、ネット接続。ここも無事接続完了です。ただし、このホテルの無線LANは残念ながら有料です。

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お部屋の様子を見てみましょう。
まずはベッドです。

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窓からはカールスプラッツの大通りが見下ろせます。

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バスルームも清潔です。が、なんとバスタブがあるのでびっくり。というのも、ネットの予約サイトではシャワーのみの部屋しかないと言われていたからです。それでもしつこくバスタブの部屋を一応要求しておいたのですが、バスタブのある部屋もあるんじゃないですか。やはり、言ってみるもんですね。

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無事にホテルにチェックインしたところで、ちょっと街に出かけましょう。



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レンバッハハウス美術館は閉館中、トホホ・・・で、ノイエ・ピナコテークに

2010年7月14日水曜日@ザルツブルク~ミュンヘン/5回目

ホテルからミュンヘンMünchenの街に出かけます。

夜のオペラまで少々時間があるので、美術館に行くことにします。アルテ・ピナコテークAlte Pinakothekとノイエ・ピナコテークNeue Pinakothekは、10年ほど前にミュンヘンを訪れた時に行ったので、青騎士der Blaue Reiter(ミュンヘンの絵画集団の名称、彼らが発刊した総合芸術誌の名称でもあります。)の絵画があるレンバッハハウス美術館Städtische Galerie im Lenbachhausに行くことにします。
ところが、レンバッハハウス美術館の最寄り駅ケーニヒスプラッツKönigsplatzから、その周辺を探します。ファサードの美しい建物が並んでいます。

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探しても探しても見つからない。その筈です。レンバッハハウス美術館は2年先(2012年)まで閉館中とのこと。
代わりの特別展はやっていますが、油絵は一切展示されていないとのことなので泣く泣くあきらめます。

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(これは後日談ですが、この年の秋に日本でも三菱1号館美術館でレンバッハハウス美術館からの青騎士の展覧会が開催されたので、この時の痛手を何とかリカバリーすることができました。また、この4年後の2014年6月にようやく、再オープンしたレンバッハハウス美術館を訪れることになります。)

それではと、またまた、ノイエ・ピナコテークに行くことにします。最寄りの地下鉄駅、テレジエンシュトラーセTheresienstraßeからノイエ・ピナコテークに向かっていると、また、お寿司屋さんの天満屋の前を通り掛かります。ミュンヘンはお寿司屋さんが本当に多いですね。

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ミュンヘン工科大学Technische Universität Münchenのモダンな建物の間を抜けていくと、緑多い公園地区に出ます。まっすぐに歩いていくと、右手にアルテ・ピナコテークの建物が見えてきます。

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やがて、左手にモダンな建物が現れます。ノイエ・ピナコテークです。

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入館チケット(7ユーロ)を購入して、入館します。

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すると、いきなり、ゴッホの名作3点が目に飛び込んできます。有名な「ひまわり」(日本やアムステルダムにもありますが)や「オーヴェールの麦畑」、「アルルの風景」です。
これが「ひまわり」です。1888年にアルルで描かれました。ゴッホが描いた3番目の「ひまわり」で描かれたひまわりの本数は12本です。4番目以降の「ひまわり」はすべて、この作品をもとに制作されたものです。(ナショナルギャラリー(ロンドン):15本、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(東京):15本、ファン・ゴッホ美術館(アムステルダム):15本、フィラデルフィア美術館(フィラデルフィア):12本) saraiとしては、7点ある「ひまわり」の中では、アムステルダムのゴッホ美術館のものが一番好きです。もっとも、東京、アムステルダム、ミュンヘンの3点しか見ていませんけどね。

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これが「オーヴェールの麦畑」です。1890年にオーヴェールで描かれました。麦畑の明るい色調が印象的です。とても好きな絵です。

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これが「アルルの風景」です。1889年にアルルで描かれました。これもとてもよい絵ですね。

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他にはこれと言うほどのものはないと思っていたら、最後にクリムトの素晴らしい作品がありました。このところ、クリムトばかり見ている感じですね。
「マルガレーテ・ストンボロー=ヴィトゲンシュタインの肖像」です。1905年にこの肖像画に描かれた女性の父親、カール・ヴィトゲンシュタインの注文によって描かれました。カール・ヴィトゲンシュタインは、鉄と鉱物を扱う大実業家・大富豪でしたが、クリムトのパトロンでもありました。この肖像画はマルガレーテの結婚の記念にクリムトに注文されましたが、出来上がった肖像画を見て、気に入らなかったマルガレーテはそのまま、この肖像画を夏の家の屋根裏部屋に放り込んでしまったそうです。この作品はご覧のとおり、大変、素晴らしい出来栄えですが、肖像画は自分の姿が描かれているので、意に合わないこともあるのでしょう。ちなみにマルガレーテの兄弟には有名な人物が二人います。ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは哲学者でウィーンにあるヴィトゲンシュタインの家は有名な建築物です。また、パウル・ヴィトゲンシュタインはピアニストで、第1次世界大戦で負傷し、右腕を失いますが、その後、左手だけで演奏活動を続け、ラヴェルは彼のために《左手のためのピアノ協奏曲》を書きました。

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美術鑑賞欲を満たしたところで少しお買い物モードにはいります。



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交通トラブルもなんのそのでバイエルン国立歌劇場でオペラ

2010年7月14日水曜日@ザルツブルク~ミュンヘン/6回目

ノイエ・ピナコテークNeue Pinakothekでそれなりに満足し、早めにホテルに戻り夜のオペラに備えたいところです。

がその前に、娘へのお土産のプラダがあるかもと中心街へ行きます。が、プラダのお店を発見できません。お店の入れ替わりも激しいようですね。
ところで、昔、バウムクーヘンを買ったお菓子屋さんの「クロイツカムCafé Kreutzkamm」はそのままの場所にあります。そのときは、ミュンヘンの「クロイツカム」が本店だと思っていたのですが、実はドレスデンが本店だそうで、それならとドレスデンにある「クロイツカム」本店にも行ってしまいました。今回は店を見ただけで素通りです。

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では、ホテルに戻りましょう。トラムを待っているとなかなか来ません。待つ人もどんどん増えて、かなりの数になった頃にバスが来ます。ここにはバスが走っていない筈です。バスの行き先の表示は乗る予定のトラムと同じなのですが、冒険はできませんね。待っていた人はどんどん乗っていきます。躊躇していると、乗り込もうとしていたおばさんが「これでいいのよ。乗りなさい。」とのありがたいアドバイス。何かのトラブルで、トラムがバスに変更になったのでしょうか。よくは分かりませんが、親切なおばさんに感謝!です。
途中で、しっかりと夜食の中華風お弁当をゲットして、ホテルに到着します。

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しばし休養をして、出かけます

オペラの公演があるのはバイエルン国立歌劇場Bayerische Staatsoper。ここを訪れるのは4回目です。
トラムに乗っていくつもりでトラム乗り場に向かいますが、トラムがかなり遅れているような表示が出ています。先ほどのバス事件と何か関係があるのかもしれませんね。仕方なく、地下鉄で迂回することにします。それでも十分に早めに到着。
バイエルン国立歌劇場の正面はいつ見ても立派です。

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このオペラハウスは久しぶりですが、内部の装飾はやはり豪華です。
予約の折には色々トラブルがあり(チケットが郵送されてきませんでした)、苦労しましたが、結果的に2列目中央のプラチナ席をゲットできています。オーケストラピットも目の前です。

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後ろを振り返るとオペラハウスの客席全体が見渡せます。豪華でしょう。

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上を見上げるとこのオペラハウス名物の上下にアップダウンする巨大なシャンデリア。

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もうすぐ、幕が開きます。いつもこの時間はわくわくして、気持ちが高揚します。

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オーケストラのメンバーも次々に入ってきて、いよいよです。

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今夜のオペラはモーツァルトの「フィガロの結婚」。素晴らしい出来にsaraiは大満足。大好きなソプラノのフリットリも出ていたし・・・。
この日のオペラの詳細はここに紹介済です。

オペラが終わった後、帰りもなかなかトラムが来ません。しびれをきらせて、またもや地下鉄で迂回して帰ることにします。トラムを待つ間中稲妻が光っていましたが、到着したホテルの前では大粒の雨に降られ、慌ててホテルに駆け込みます。まったく久しぶりの雨です。

もう遅くなりました。オヤスミナサイ・・・

明日はウィーンに戻ります。


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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/12/29 00:51
こんにちは。

バイエルン歌劇場は懐かしいです。4年前にワーグナーの「神々の黄昏」を観ましたが素晴らしかったです。
その前日に、現地の仕事先の人たちに「明日は歌劇場に行くんだ」と話したら、誰一人行ったことの有る人は居ませんでした。地元に住んでいて何とももったいないことですね。

2, saraiさん 2010/07/16 10:06
ハルくんさん、こんにちは。

このオペラハウスでワーグナーといえば、ルードヴィッヒ2世以来のつながりですからね。saraiも「トリスタンとイゾルデ」を見ましたが素晴らしかった。ただ、演出が先鋭的なのが・・・

来年もまた行くつもりでチケット入手の画策をしているところです。

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今年の音楽総決算:ピアノ・室内楽編

いよいよ、今年も押し迫りました。

今年は6月に長年働いた会社をリタイアし、後半は今までになく音楽会に通いました。
今回から3回のシリーズで今年生で聴いた音楽のベストを選んで、今年の音楽の総決算としたいと思います。
今回はピアノ・リサイタルと室内楽編です。
残念ながら、今年はあまりこのジャンルの音楽に触れる機会が少なかったと思います。来年はもっと積極的に聴きたいと思います。

で、今年は以下をベスト5に選びました。

1位 上原彩子ピアノ・リサイタル@サントリーホール 1/23
2位 庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタル@彩の国さいたま芸術劇場 10/31
3位 荘村清&小林美恵デュオリサイタル@上大岡ひまわりの郷 9/23
4位 長岡純子ピアノ・リサイタル@上大岡ひまわりの郷 11/28
5位 ウィーン弦楽四重奏団@リリスホール 11/23

次点 小川典子ピアノ・リサイタル@トッパンホール 12/9

上原彩子ピアノ・リサイタルはベートーヴェンのソナタ30番が素晴らしく、さらにリストの「ペトラルカのソネット」には痺れました。このサントリーホールでのリサイタルに比べると鎌倉芸術館でのリサイタルはもう一つでしたが、彼女も芸術家としての幅を拡げつつあり、ますます今後が楽しみです。文句なしの1位です。

庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタルはオール・ベートーヴェンプログラムで後半の《クロイツェル・ソナタ》は出色の出来の演奏でオーソドックスなスタイルながらヴァイオリンの素晴らしい響きに満足しました。CDでも同じ《クロイツェル・ソナタ》が発売されましたが少しデリケート過ぎる演奏で、この日の思い切った演奏のほうが好ましく感じました。

荘村清&小林美恵デュオリサイタルは何といっても後半のピアソラに尽きます。ピアソラの素晴らしさと自在な音楽の楽しみに酔いしれました。ピアソラ開眼ということで高い順位を付けさせてもらいました。

長岡純子ピアノ・リサイタルは本当に音楽の奥深さを感じたリサイタルでした。80を過ぎたら、こんな音楽が演奏できるのかと驚嘆しました。極端にテンポの遅い「子供の情景」を最後まで弾ききり、最後はもう途切れ途切れ。こんな音楽もあるという超個性的な演奏。一方、「ワルトシュタイン」はダイナミックで精神性の高い演奏。いい音楽を聴かせてもらって感謝です。

ウィーン弦楽四重奏団は極上の席でウィーンの音楽を美しい演奏で楽しませてもらい、まったくもって贅沢な時間でした。室内楽を聴く喜びをまざまざと思い出せていただき、これも感謝です。

次点の小川典子ピアノ・リサイタルはモーツァルトはともかく、プロコフィエフのソナタの力強く爽快なこと、この上なしです。上原彩子のシャープな切れ味のプロコフィエフも好きですが、小川典子のプロコフィエフもまた聴きたくなる演奏です。ランクインでもよかったリサイタルでした。

番外としては上大岡ひまわりの郷で聴いたロータス・カルテットのシューベルトの「ロザムンデ」も心に残る演奏でした。

次回はオペラ・オペレッタ編です。



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今年の音楽総決算:オペラ・オペレッタ編

さて、前回に引き続き、今年の音楽の総決算です。

今回はオペラ・オペレッタ編です。
今年は海外でオペラ・オペレッタを聴く機会があったので、国内でのオペラとあわせての総括になります。

で、今年は以下をベスト5に選びました。

1位 《マノン》byロイヤル・オペラ、ネトレプコ@東京文化会館 9/17
2位 《カルメン》byチューリッヒ歌劇場、カサロヴァ@チューリッヒ歌劇場 7/8
3位 《フィガロの結婚》byバイエルン国立歌劇場、フリットリ@バイエルン国立歌劇場 7/14
4位 《ウィーン気質》byバーデン歌劇場@バーデン夏劇場 7/16
5位 《ラ・ボエーム》byトリノ歌劇場、フリットリ@東京文化会館 7/29

次点 《椿姫》byトリノ歌劇場、デッセイ@東京文化会館 7/28

ネトレプコの《マノン》は圧倒的に素晴らしかったです。パッパーノ指揮のオーケストラもとてもよく、ロイヤル・オペラの実力を堪能できました。ま、これが最後のロイヤル・オペラになろうとは予想だにしませんでしたが・・・

チューリッヒ歌劇場の《カルメン》は最高の《カルメン》でした。カサロヴァの歌唱力がすべてでしたが、テノールのジョルダーノもとてもよかったと思います。猛暑で暑さに耐えながら聴いたのが忘れられません(笑い)。

バイエルン国立歌劇場の《フィガロの結婚》は流石にこのオペラハウスの実力を思い知らされる出来でした。フリットリの伯爵夫人はほぼ期待通りでしたが、アルマヴィーヴァ伯爵のクヴィエチェンの張りのある歌唱は一番の収穫。そして、フィナーレのフリットリの透明な声の素晴らしかったこと。

バーデン夏劇場のオペレッタ《ウィーン気質》は歌手陣の充実していたことが忘れられません。今回もっと上位にランクしてもよかったほどです。このキャストでほかのオペレッタも聴きたいと今でも思っています。楽しくて楽しくてたまらなかったオペレッタでした。

フリットリのミミはよかったのですが、やはりフレーニには及ばなかったというのが率直なところ。ですが、それなりに聴き映えのした《ラ・ボエーム》ではありました。フリットリは来年の《ドン・カルロ》に期待しましょう。

次点のデッセイのヴィオレッタも彼女らしい勢いのある歌唱ではありました。特に高音部には文句のつけようはありませんでした。トータルには一部不満ありという感じですが、それも高いレベルで言えばっていう感じで次点というのももったいないとは思います。それにトリノ歌劇場のオーケストラも意外によかったし・・・

総合的にはネトレプコの《マノン》がダントツで、カサロヴァの《カルメン》も最高によかったというのが今年のオペラ鑑賞の結果でした。
ランクにははいりませんでしたが、アン・デア・ウィーン劇場の《こうもり》も素晴らしい音楽を聴かせてくれました。オーケストラを担当したウィーン放送交響楽団の出来が素晴らしかったと思います。チューリッヒ歌劇場の《薔薇の騎士》はフレミングの元帥夫人は流石の歌唱・演技力でうならせられました。
オペラには満足の1年となりました。

次回はオーケストラ・声楽曲編です。



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今年の音楽総決算:オーケストラ・声楽曲編

さて、今年の音楽の総決算も最後になりました。
今年最後のブログ記事でもあります。
また、今年も当ブログにお付き合い願い大変ありがとうございました。

今回はオーケストラ・声楽曲編です。
このジャンルは今年は素晴らしいコンサートが多く、今思っても感動と幸福でいっぱいです。リタイアの年をスタートするにあたり、よい音楽体験ができたなあと感慨深いものがあります。

で、今年は以下をベスト10に選びました。

1位 《ベートーヴェン:英雄》プレートル+ウィーン・フィル@宮崎芸術劇場 11/7
2位 《ハイドン:天地創造》アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス@サントリーホール 10/29
3位 《マーラー:交響曲第9番》ゲルギエフ+ロンドン交響楽団@サントリーホール 12/1
4位 《チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲》ヒラリー・ハーン+サロネン+フィルハーモニア管弦楽団@サントリーホール 6/2
5位 《マーラー:交響曲第3番》ヤンソンス+ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団@サントリーホール 11/22
6位 《バッハ:ロ短調ミサ曲》アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス@サントリーホール 10/26
7位 《チャイコフスキー:ピアノ協奏曲》上原彩子+バシュメット+国立ノーヴァヤロシア交響楽団@東京オペラシティ 5/14
8位 《ブラームス:ヴァイオリン協奏曲》パク・ヘユン+ノリントン+シュトゥットガルト放送交響楽団@みなとみらいホール 5/12
9位 《チェコ音楽》フルシャ+東京都交響楽団@サントリーホール 12/14
10位 《マーラー:復活》インバル+東京都交響楽団@サントリーホール 6/19


次点 《ブラームス:交響曲第4番》イヴァン・フィッシャー+ブダペスト祝祭管弦楽団@東京オペラシティ 6/21
次点 《マーラー:巨人》ミョンフン+東京フィル@オーチャードホール 1/31
次点 《バッハ:マタイ受難曲》ドレスデン聖十字架合唱団+ドレスデン・フィル@みなとみらいホール 12/5
次点 《モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番/第27番》内田光子+クリーブランド管弦楽団@サントリーホール 11/16

プレートル+ウィーン・フィルはプレートルおじいちゃんが仙人でウィーン・フィルが達人集団でそれが真剣勝負という感じの凄い演奏でした。特に《英雄》はめったに聴けないベートーヴェンで、生涯に何度出会えるか分からない素晴らしいコンサートでした。一生忘れられない体験です。ふいに昔クライバーの《薔薇の騎士》を思い出しました。あれも忘れられないオペラでした。

アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの《天地創造》もまた生涯に何度出会えるか分からない素晴らしいコンサートでした。ハイドンで初めて感動しました。アーノルト・シェーンベルク合唱団の素晴らしい合唱、ベッシュ、シャーデの男声ソロの素晴らしさ、そして、ソプラノのレッシュマンの美声と芯のしっかりした歌唱には何も言うことはありません。そして、アーノンクールのパーフェクトな曲作り・コントロールは別次元のものでした。

ゲルギエフ+ロンドン交響楽団のマーラーの9番はまさに頭が狂乱の渦になるほどインパクトのある演奏で生涯最高のマーラーでした。今回3位にしましたが心情的には1位にしたいくらいです。ですが、これはまた聴く機会があるかもしれないので3位ということで、ほとんど1位から3位は差がありません。いずれも物凄い快演奏でした。ゲルギエフがこれほどのマーラーを聴かせてくれるなんて想像していませんでした。それにロンドン交響楽団は初聴きですが素晴らしいオーケストラでした。

ヒラリー・ハーンのコンサートは今回2回行きましたが、2回目のサントリーホールでのチャイコフスキーのヴァイオリンのピュアーな響きはもう天上の音楽としか言えないもの。もうメロメロになってしまったコンサートでした。来年のヴァイオリン・リサイタルも2回ともチケット購入済です。いつも期待を裏切らない素晴らしいヴァイオリニストです。ますます高みに上る成長ぶりが楽しみです。

ヤンソンス+ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のマーラーの3番、これも素晴らしいマーラーでした。特に最後の第6楽章の絶頂感は宗教的にも思えるほどでした。ヤンソンスを見直した一夜でした。3番のファンにもなりました。

アーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのバッハのロ短調ミサ曲は本格的なバッハの声楽曲を初めて生で聴いた体験でした。これが西洋音楽の最高峰というものなのかということが実感できたコンサートでsaraiにとって意義深いものがありました。宗教音楽ですが、人間的共感に満ちた演奏でもありました。saraiの今後に向けて、ひとつのスタートとなるでしょう。

上原彩子のチャイコフスキーのピアノ協奏曲はただただ上原彩子の壮大でクリアーなピアノの響きに圧倒されたコンサートでした。オーケストラとはレベルが違ったのがなんですが、そんなことは関係なく、彼女はばりばりと弾くだけ。本当に凄いピアニストです。あまり人気が沸騰しないのが寂しいですが、お蔭でチケットの入手も楽で国内で聴けるのも利点です。日本フィルと共演したプロコフィエフの3番も素晴らしい演奏でしたが、ランクではあえてこのコンサートに絞りました。来年はラヴェルやベートーヴェンの協奏曲も聴けるのでますます楽しみです。今や上原彩子とヒラリー・ハーンが一番のお気に入りです。

パク・ヘユン+ノリントン+シュトゥットガルト放送交響楽団のブラームスのヴァイオリン協奏曲ですがこれはパク・ヘユンという新しい才能に出会った記念すべきコンサートになりました。彼女の弾くブラームスの素晴らしさは驚嘆すべきレベルにありました。来年は彼女の日本での初リサイタルを聴きますがおそらく素晴らしいリサイタルになるでしょう。ノリントン+シュトゥットガルト放送交響楽団のノンヴィブラート奏法もなかなかのものではありました。

フルシャ指揮の東京都交響楽団のコンサートは今年の定期演奏会中での最高のものでした。まずは選曲がよかったです。まず、ドヴォルザークで一撃をくらい、スメタナ、マルティヌー、そして、ヤナーチェクの素晴らしいグラゴル・ミサ。チェコ音楽の真髄に触れた思いです。指揮のフルシャの並々ならぬ才能も感じました。今後が楽しみです。

インバル+東京都交響楽団のマーラーの《復活》はsaraiのリタイア後の初コンサート。まさにsaraiの復活を祝ってくれるような涙ウルウルの素晴らしいマーラーでした。インバルのマーラーを生で初めて聴いたコンサートでもありました。インバルのマーラーは再来年の《大地の歌》までお預けで待ち遠しいですね。

以上がベスト10でいずれも今思い出しても感動うるうるの素晴らしいものばかりです。次点の4つは涙を飲んでランクから外したものですが、いずれも素晴らしいコンサートでした。特に初めて生で聴いた《マタイ受難曲》はドレスデン聖十字架合唱団の少年合唱によるコラールの美しさは尋常のものではありませんでした。

最後に収穫の多かった今年のコンサート・オペラ・リサイタルのなかで最も素晴らしかったのは何といっても80歳を過ぎたプレートルとウィーン・フィルのコンサートでした。これはまったく音楽的事件とでも言うべきもので日本にいながら、こんな凄いものが聴けたのは奇跡とも言うものでした。

また、来年はどんな感動が待っているだろう!!!



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2010/12/31 16:37
saraiさん、こんにちは。

本当に同行の士との交流は楽しいものですね。
今年は会場こそ異なれどもプレートル/ウイーンフィルや、全く同じ会場でのドレスデン十字架合唱団などの素晴らしいコンサートの感想を語り合えたことを大変嬉しく思います。願わくば来年は同じコンサートでご一緒でもできたらいいでしょうね。

それでは来年も変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願い致します。よいお正月を過ごされますように。

2, saraiさん 2011/01/01 16:07
あけましておめでとうございます。
本年もお互いに音楽を楽しみ、熱く語り合いましょう。

そして、いつの日かコンサートホールでお会いしましょう。
マーラーかバッハか、はたまたブラームスでしょうか。

では。

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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