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伊藤恵ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール 2011.4.29

ヨーロッパの長い旅から帰国して、久しぶりの国内で聴くコンサートです。
紀尾井ホールで、午後2時から、伊藤恵のピアノリサイタルです。

地下鉄銀座線の赤坂見附で下りて、ホールに向かいます。天を突くような高層ビルが立ち並んでいますが、緑も多くしっとりとした街ですね。どこかで軽くお昼をと探しながら、紀尾井坂の方に向かうと、テラス席の並んだカフェ・レストラン「AUX BACCHANALES KIOICHO(オーバカナル 紀尾井町)」を発見。


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昼時のせいか、かなり混雑しています。お店の人が、通りを見渡せるテラス席を見つけて案内してくれました。なかなか気持ちのよい席です。


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で、注文をとりにきたのは、なんとフランス人(ハンサム!)。いやあ、落ち着いて見渡せば、なかなかオシャレなお店です。ラフな室内着をさりげなく着こなし散歩のついでに立ち寄ったという感じの人達や小さな子供を連れた家族や外人さんたち・・・。お店の前には、プジョーやBMWなどのコンヴァーティブルが並んでいます(違法駐車でしょうが・・・)。さすが赤坂ですね、日本離れした雰囲気です。
sarai達は、紀尾井ホールでのコンサートに間に合わせて欲しいとお願いして、鴨のコンフィと真鯛のポワレを美味しく頂きました。

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で、コンサートに向かいました。並木が綺麗に繁る傾斜の急な紀尾井坂を上ると紀尾井ホールです。


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伊藤恵のピアノリサイタルは先月、鎌倉芸術館でも聴く予定でしたが、残念ながら計画停電の影響で中止になりました。ですから、今回はいい演奏を期待しています。
今回のプログラムはなかなかよい構成です。

 ・ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII-6
 ・シューベルト:即興曲集 D.935 Op.142
  《休憩》
 ・ハイドン:ピアノ・ソナタ ホ短調 Hob.XVI-34
 ・シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 D.850 Op.53

ハイドンからシューベルトという構成でウィーンの作曲家としては間のモーツァルト、ベートーヴェンが隠し味ってところですね。

で、まずはハイドンのアンダンテと変奏曲です。白状すると、ハイドンの鍵盤曲はほとんど聴いていないので、この曲も初聴きです。おっ、最初の一音から美しい響きです。最初のアンダンテの部分は典雅でなかなかよい感じ。続く変奏曲も装飾音が綺麗に散りばまれて、耳に心地よく響きます。バロックから古典派への流れが感じられる優しい曲を伊藤恵が素晴らしく演奏。ハイドンのピアノ曲もなかなかいいですね。短調の曲というのもポイントでしょう。

お次はシューベルトの即興曲集です。今回のリサイタルでは一番の有名曲で名作でもあります。saraiも昔から聴き込んできた曲でもあります。全体に入念に弾き込まれて完成度の高い演奏で美しいタッチ、特に右手の高音のタッチの響きが素晴らしい。なかでも第2曲の主題はたんたんと弾かれますが、心にしみ入ります。この主題が回帰するたびに祈りにも近い響きを感じてしまいます。

休憩後、ハイドンのソナタです。非常にコンパクトな構成ですが、モーツァルトとは違ったハイドンの様式感を感じます。ここでも伊藤恵の仕上がりは素晴らしい。よくここまで弾き込んだものと驚嘆します。音楽への真摯な態度が感じられます。ハイドンのピアノ曲も一度全曲聴いてみるのもいいかなと思ってしまいました。

最後がシューベルトの17番のソナタです。これまで、あまり意識的に聴いていなかった曲ですが、今日の伊藤恵の演奏は素晴らしく、この日の演奏で一番光っていました。さすがに最後に持ってきただけのことはありますね。そもそも第1楽章から、この曲はこんな曲だったっけという感じの素晴らしい出来で生き生きした表現でとても激しい。第2楽章は少し柔らかい感じになりますが、それでも中間からは熱い感情のほとばしりが感じられます。そして、躍動する第3楽章を経て、第4楽章はあの郷愁に満ちた旋律が美しく歌います。この旋律は形を変えて何度も登場しますがとても胸が熱くなる演奏です。無理な演奏、勝手な解釈はありませんが、十分に弾き込まれた演奏は作曲家のオリジナルな楽想を気持ちよく聴かせてくれます。シューベルトの演奏のひとつの規範ではないでしょうか。フィナーレで心から満足しました。熱狂はなくても、音楽を聴く喜びを十分に感じさせてくれたリサイタルでした。

アンコールは、同じオーストリアの作曲家ということでモーツァルトのソナチネ(第1楽章のみ)でした。saraiとしては、今日の構成であれば、シューベルトの即興曲 Op.90の1曲か、楽興の時あたりのほうがよかったかなと思わないでもありませんでした。

いずれにせよ、期待を上回るピアノ・リサイタルで満足して紀尾井坂をゆっくりと下っていきました。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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昨日投稿した記事の一部に誤りがありました。ドイツ騎士団の中庭はパスしないで、ちゃんと見ていました。追記・修正しました。申し訳ありません。

08/07 00:28 sarai

えりちゃさん、saraiです。お久しぶりです。

これは昨年の9月のウィーンですが、現在のコロナ禍では、古き良き日という風情ですね。もう、ポスト・コロナでは、行けたにし

07/20 12:41 sarai

Saraiさま、
お元気ですか?
新型コロナウィルス、自粛中。
このウィーンの散策を読んでいると、なんだか切なくて悲しくなってきました。
次はいつ行けるのかな、とか思う

07/20 05:08 えりちゃ

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。私は、個人ブログを運営しているyuichironyjpと申します。フリーランサーとして活動しており、フリーランスで稼ぐ方法や、

06/14 23:46 Yuichironyjp

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai
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