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インスブルックはアルプスの街:トラップ大佐のカフェ

2011年4月8日金曜日@インスブルック~ウィーン/5回目

クリスタルワールドKristallweltenからインスブルック中央駅Innsbruck HBF前に戻りました。あまりにもクリスタルワールドからの山並みの景色が素晴らしく満足したので、ケーブルカーに乗って展望台に行くのは却下となります。
ウィーンに向かう電車までの時間、旧市街地の散策をすることに。

駅から市街地まではトラムに乗ろうとしましたが、トラムに乗るほど旧市街地は離れていません。歩いて街に向かいます。すぐにお目当ての凱旋門Triumphpforteに到着。


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マリア・テレジアの息子の結婚を記念して建てられたものです。ここからはマリア・テレジア通りMaria-Theresien-Straßeが、昨日見た黄金の小屋根Goldenes Dachlまでまっすぐに続きます。通りを少し進み、振り返って逆方向からの凱旋門を見ます。


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この凱旋門は完成前にマリア・テレジアの夫フランツ・シュテファン1世が世を去ったため、凱旋門の片面は結婚の歓喜、もう片面は哀しみを表現しているそうです。

マリア・テレジア通りを黄金の小屋根のほうに進むと、昨日は遠くから見た聖アンナ記念柱Annasäuleが間近に見えてきます。


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この聖アンナ記念柱は、1703年のスペイン継承戦争でハプスブルグがバイエルン軍を撃退した記念に建てられたものです。300年ほど前のものですね。
聖アンナはドイツの方を向き、侵入を手で制しています。正面に回って見てみましょう。


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これで、すべての観光は終了です。

観光終了で小腹も空き、喉も乾いたので、カフェでもはいりましょう。ちょうど近くに、トラップ大佐(多分、サウンド・オブ・ミュージックのお父さん、マリアの結婚相手)の旧宅Palais Trappにオシャレなカフェがあるとのことでそこに向かいます。通りを挟んだ向かいは州庁舎Landhausです。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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このカフェはマリア・テレジア通りMaria-Theresien-Straße沿いです。


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建物の中庭のようなところにオープンなテラス席があり、街の喧噪はシャットアウトし、静かで光に満ちた素晴らしいロケーションです。カフェ・パレ・トラップ・ホフRestaurant Café im Hof Palais Trappという名前のカフェです。


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カフェといっても、ここらあたりはかなり本格的な料理も出してくれます。


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配偶者のお好みのスープをまずいただきましょう。配偶者はシンプルなビーフ・コンソメ。


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saraiはポッドにはいった肉やソーセージや野菜を煮込んだビーフ・コンソメです。


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とても美味しくペロッといただきます。saraiはほかの人が白ワインを飲んでいるのを見て、堪らずリースリンクのグラスワインを注文。少し甘口ですが、とても美味しいワインです。


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冷たい白ワインを見ながら、仰ぎ見る青空の美しいこと。上機嫌になりますね。


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ついでに冷たいデザートもいただきましょう。配偶者はアイスクリーム入りのクレープ。


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saraiはアイスコーヒーのホイップクリーム抜き(これって、ほとんどコーヒー味のゆるいアイスクリームです)です。


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そうこうするうちに駅に戻る時間になります。
お勘定をお願いして、この気持のいいカフェを出ます。駅に向かいます。


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インスブルックはアルプスの街:レールジェットでウィーンへ

2011年4月8日金曜日@インスブルック~ウィーン/6回目

カフェを出て、ぶらぶらとインスブルック中央駅Innsbruck HBFに向かいます。
すると、通りを赤い色のトラムがやってきました。とうとう、この街ではトラムに乗り損ねることになります。


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途中、公園のようなところにオシャレなオープンカフェがあります。こんなのって、とてもいいですね。


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インスブルック中央駅に到着です。電車の時間まで30分ほどの余裕です。


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駅のコインロッカーから荷物を出し、ホームに移動。ここの駅はかなり新しく設備も整っています。すべてのホームは上り下りのエスカレーター完備で荷物の移動が楽です。今回の旅で最も素晴らしい駅です。
プラットホームからは、快晴の青空にくっきりとアルプスが見えます。


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ほぼ予定通りの時間に16時09分発のレールジェットRailjet(オーストリア国鉄自慢の新幹線みたいな特急電車)がホームに入ってきます。今回は列車編成表を見て、ファーストクラスのありそうなところで待っていたので、ぴたっと目の前にファーストクラスの車両が停まり、すぐに乗車。席もかなり空いているので、楽々席を確保。後はひたすらウィーン西駅Wien Westbahnhofまで4時間半乗り続けるだけです。早速PCを出して、今日の記事を2人でリレーして書き続けます。もちろんこの車両にも電源があり、バッテリーは気にしないで書き続けられます。
インスブルック中央駅を出ると、ほぼ真北の方向にミュンヘンMünchenを目指して走ります。しばらくすると、スナック菓子とジュースが配られます。冷えたジュースはいいですね。


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車窓には、イン川の流れがずっと見えています。周辺の山も綺麗です。


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そのうちにアルプスの山々は後ろに遠ざかり、見渡す限りの緑の高原が広がります。春は本当に緑が美しいですね。

電車はいったんドイツ領にはいり、ミュンヘンにかなり近いところ(ローゼンハイムRosenheim)でザルツブルグSalzburg方面の線路に合流。その後、7か月前に来たキームゼー湖Chiemseeのほとりを通り、ちょうど6時頃にザルツブルグ中央駅Salzburg HBFに到着。駅の工事はかなり進んでいるようです。さらに7時少し過ぎにリンツ中央駅Linz HBFに到着。そのころにはようやく日も落ち、家々の明かりが点々と綺麗です。

そろそろお腹も少し空いてきたので、食事でもお願いしましょう。オーダーすると席まで料理が運ばれてきます。
まずはグーラッシュです。


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次はソーセージ。


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それにチキンのソテーに野菜とライス付き。


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食後にコーヒーも頂きます。列車の中の食堂とは思えないほど美味しいんですよ。これはファーストクラスの特権です。やめられませんね。

食事をしているうちに最後の停車駅ザンクト・ペルテンSt. Pöltenも過ぎ、ようやく定刻の8時40分過ぎにウィーン西駅Wien Westbahnhofに到着。

インスブルックからウィーンまでのレールジェットのルートを地図で確認しておきましょう。


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何度目のウィーンでしょう。我が街って言ったら言い過ぎですが、なんだかとてもよく知っている街にきたようでほっとします。西駅も工事中ですが、なにやらかなり工事が進んだようで、駅の中の移動が楽になりました。この駅からはUバーン(地下鉄)に乗って、ホテルに移動します。途中、シュテファンズプラッツStephansplatzでU3からU1への1回の乗り換えがありますが、無事にホテルの最寄駅ケプラープラッツKeplerplatzに到着。

エレベーターで上に上がると少し通りは暗くなっています。初めてのところなのでまさに右も左も分らない状態。地図を見ながら茫然と佇んでいると、アジア系の人が近寄ってきて、地図を見せてみなさいとのことです。思い出しましたが、この人は先ほど地下鉄で隣に乗っていた人。こちらが一生懸命地図を見ていたのを観察していたのでしょう。その人は地図をさっと見ると、自分に着いてきなさいとさっさと歩きだします。悪そうな人ではないのでお言葉に甘えます。道々話していると、この人は台湾出身のかただそうです。同じアジア人を助けようと思ってくれたのかもしれません。お蔭であっという間にホテルに到着。ありがとうの握手をして別れました。ダンケ・シェーン! 

このホテルはオーストリア・トレンド・ホテル・ファボリタ(AUSTRIA TREND HOTEL FAVORITA)です。一応、4つ星ホテルです。このホテルには長逗留、6泊します。
ホテルはとても大きなホテルです。ホテルの前には大型観光バスが停まっています。この後、滞在中いつも観光バスは停まっていました。団体ツアーによく利用されるホテルのようですね。

ホテルにチェックイン。レセプションカウンターも広いです。


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ロビーも広く、宿泊客で賑わっています。


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その後も大勢の宿泊者がいましたが、さすがに日本人は少ないようで、そのためか、しっかりsarai達を覚えてくれていて、ホテルに戻るたびにルームナンバーを言う前にさっとsaraiの鍵を渡してくれました。立派なホテルマン(若い可愛い女性です)ですね。

さて、自分で荷物を持って、長い廊下を通って(本当に大きなホテルなんです)、お部屋に到着です。部屋は、これといった特徴はありませんが、何も問題はなく満足できる部屋でした。バスタブもありました。さて、ここで部屋の写真をUPしたいのですが、実はその写真がないのです。6泊もするので、写真はいつでも撮れると思うのがミスの原因ですね。残念!
代わりにせめて部屋の窓からの眺めを見てください。ホテルの中庭のようなところが見えます。カフェテラスもありますね。


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さて、まずはお決まりのインターネットの接続です。が、どうにもインターネットが繋がりません。無線LANの接続まではうまくいきますが、ホテルのホームページでのログインが分かりません。部屋から電話でレセプションに聞いていたら、レセプションの女性が業を煮やして、いいから受付につながりかけたPCを持ってきなさいとのこと。はいはい、仰せに従いましょう。その結果、要はドイツ語のホームページにログインのボタンがあり、それをクリックするだけでした。saraiには、ドイツ語のページがよく分からないので、英語のページを見ていたのが悪かったようです。英語のページにはログインのボタンがありません。分かってしまえば何でもないことですが、英語のページにもボタンぐらい用意してくれれば、こんなトラブルがなくなるのにね。
ネットはようやく繋がったので、安心して今日はゆっくりと休みましょう。しばらくはウィーンに滞在します。

明日からの8日連続、計9回のオペラ・コンサートに備えます。しばらくはウィーンに滞在です。


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この記事へのコメント

1, Njegusさん 2011/05/11 10:04
saraiさま
4月16日ガスタイク・フィルハーモニーではフォワイエが広すぎ、お目にかかれず失礼致しました。私共はウィーン(8泊)、ミュンヘン(2泊)どちらもインターシティホテルに泊りました。無料市内交通券を呉れますし、西駅、中央駅直近なのでなにかと便利です。朝食も良かったです。話は変りますが、来年2月末~4月初めパリオペラ座(ガルニエ)でDie lustige Witweがドイツ語で上演されますね。他劇場の2011/12スケジュールが出揃ったら、久しぶりにフランスを含む旅を計画してみようかと考えています。ではお元気で。

2, saraiさん 2011/05/11 15:15
Njegusさん、こんにちは、saraiです。

ウィーンでは初めてお言葉を交わせて、楽しい時間を持てました。ガスタイクではもちょうど反対側に座っていたのでお話できませんでしたが、手を振りあえてよかったです。
次の旅はまず、この旅の清算が終わってから計画です。そろそろ、オペラやコンサートのチェックにはいらないと、チケットが入手できませんね。ガルニエのメリー・ウィドウといえば、昔TVで放映されたマッティラとスコウフスの素晴らしい公演がありましたね。いまだにあれを越えるものは見たことがありません。
では、また。

3, Njegusさん 2011/05/11 22:06
saraiさま
度々で恐縮です。1997年パリオペラ座のMattilaのメリー・ウィドウのすばらしさはYouTubeでも一部が見れますね。来春の公演ではハンナがSusan Graham、ダニロは前と同じBo Skovhus(2008年のフォルクスオーパー公演もSkovhusでした)、ツェータ男爵は何とHarald Serafinさんのようですね。なんとか観たいものです。

4, saraiさん 2011/05/12 00:43
Njegusさん、こんばんは、saraiです。

なかなかよいキャストなのですね。スーザン・グラハムはメゾソプラノですが、ハンナを歌うんですね。ヴィリヤの歌は苦しいかもしれませんが、すべては「唇を閉じて」の場面でのロマンチックさが出せるかにかかっていると思います。演技力ですね。セラフィンさんは見物でしょう。早めにチケットを手配すると何とかなるのでは。健闘を祈ります。

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ウィーンの文化を満喫:アルベルティーナ美術館、パルメンハウス

2011年4月9日土曜日@ウィーン/1回目

旅の11日目です。
そして、ウィーン1日目です。今日も・・・晴れてます!
でも、とても冷たい風がかなり強く吹いています。コートを着たい気分だけど、日中暑くなると邪魔だし、ウィンドウブレーカーを羽織って出かけることにします。

今日の第一の用事は、コンサートのチケットを受け取ることです。では出かけましょう。

地下鉄U1に乗ってカールスプラッツKarlsplatzの駅まで行き、地上に出ると懐かしのウィーン国立歌劇場Wiener Staatsoperが目の前です。購入済のチケットをピックアップするために、まずはウィーン楽友協会Gesellschaft der Musikfreunde in Wienに向かいます。リンク通りRing Straßeとは一本裏のカールスプラッツKarlsplatzの大通りを行くと、もう楽友協会の建物が見えています。チケットオフィスはこの辺りだったと思うのですが、建物のドアを押しても引っ張っても開きません。今日は土曜日なのでお休みかなとメールのプリントを読むと、土曜の今の時間は開いていることになっています。建物をよく見ると、チケットオフィスはこちらという矢印があります。どうも場所が変わったか、記憶誤りのどちらかのようで、左のほうに周るとチケットオフィスが見つかります。窓口のお姉さんにメールのプリントを渡すと、すぐにチケットを渡してくれます。明日のコンサートのチケットです。

ついでに、今日のコンサート会場のウィーンコンツェルトハウスWiener Konzerthausの場所を確認しておきましょう。ベートーヴェンの銅像を眺めながら進むとコンツェルトハウスがあります。
次にフォルクスオーパーVolksoperのチケットをピックアップに行きますが、このチケットオフィスは国立歌劇場の裏手にあります。歩くのも面倒なので、リング通りのトラムに乗りましょう。昨夜24時間チケットを買ってあったので、公共交通機関は乗り放題ですからね。ケルントナー通りの前のケルントナー・リング・オパーKärntner Ring. Operでトラムを降り、国立歌劇場の横をホテルザッハーHotel Sacher Wienのほうに進みます。国立歌劇場には2日後に見る予定のオペラのポスターが張り出されています。楽しみです。さて、劇場連盟Bundestheaterのチケットオフィスに着くと、今度こそ本当にドアーが開きません。案内を見ると、土日はお休みのようです。明日はフォルクスオーパーに行くので、そのときにそこの窓口でピックアップするしかないようです。

これで、当面の用事は完了。まわりを見ると、ちょうどアルベルティーナ美術館Albertinaの高台が見えます。いつも気になってはいましたが、上がったことがありません。ちょっと上がってみましょう。すこし小高いだけですが、意外に高い目線でこの付近の眺めが違いました。目の前には、ウィーン国立歌劇場の裏手が見下ろせます。


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アルベルティーナ美術館のほうを見ると、美術展の案内ポスターが目に留まります。何と青騎士展をやっているではありませんか。今回の旅のテーマの一つは青騎士Blaue Reiterです。青騎士というのは、ミュンヘンでカンディンスキーやマルク等が始めた美術運動のグループのことです。ミュンヘンでは、青騎士のメッカのレンバッハハウス美術館Städtische Galerie im Lenbachhausは改装中でしばらくは見られませんが、青騎士が誕生するきっかけになった美しい街ムルナウMurnauやコッヘルKochelを訪問することにしています。その青騎士の美術展ですから、これからの旅のはずみにもなります。早速、美術館にはいってみます。


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アルベルティーナ美術館では、この青騎士展以外にもリキテンシュタイン展、《モネ~ピカソ展》など、多彩な美術展を同時開催しています。パンフレットに様々な美術展が紹介されています。


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各美術展を順番に見て回ります。青騎士は、カンディンスキー、マルク、ミュンター、クレーなど盛り沢山な展示です。大作こそありませんが、充実した展示で大満足。特にマルクの作品をこんなにまとめて見たことはありません。マルク好きの配偶者はとても喜んでいます。
カンディンスキーでよかったのはこの作品。風景という題名です。どこを描いたのかは不明ですが、作風からいってムルナウあたりではないかと思います。


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マルクと言えば、馬です。素晴らしい馬の作品があります。「赤い馬と青い馬」です。


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モネからピカソまで展はそれこそ多彩な展示で、青騎士の作品まであるのには恐れ入ります。特に感銘を受けたのはポール・デルヴォーの大きな1枚。彼ならではの心象風景に、こちらがその絵の世界にはいりこんでしまいそうな感じを抱いてしまいます。「街灯のある風景」です。


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その絵の横にはルネ・マグリットの作品が並んでいます。ベルギーを代表する彼らの絵はとても素晴らしいものです。もちろん、ピカソもいい作品が展示されていますが、珍しくはありませんね。
むしろ、シャガールの作品が珍しい作風でなかなか面白く感じます。「母であること」です。


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思わぬ美術鑑賞でもう昼時になってしまいます。

すぐ近くには王宮庭園(ブルクガルテンBurggarten)があり、そこの温室植物園パルメンハウスPalmenhausがカフェになっています。このパルメンハウスでランチでもいただきましょう。この時間になると気温が上昇し、ものすごく暑くなってきましたが、暑さにめげず庭園の芝生では多くの人たちが寛いでいます。ウィーン人、恐るべし!


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パルメンハウスは、外のテラス席も中も滅茶苦茶混んでいます。とても広いカフェなので何とかなるだろうと紳士っぽい雰囲気のウェイターに席をお願いすると、手品のように窓際の席を見つけてくれました。しかし、何せ温室の窓際ですからとても暑い! でも、ここは我慢です。


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外のテラス席も相当に暑そうです。


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スープとメインを1人前だけ注文し、シェアして食べます。ルール違反でしょうが、まあ、ここはそんなに堅苦しいお店ではないので許してやってください。


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ところでミネラルウォーターの注文を忘れていたので、料理を運んできた若いお兄さんに水もちょうだいって言ったら、本当にミネラルウォーターならぬコップの水を持ってきてくれました。


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海外で水(多分、水道水)を出してもらったのは初めてです。もちろん、無料。ウィーンではコーヒーを注文すると一緒にコップの水を持ってきてくれますが、これと同じなんでしょうか。
暑さに負けずに料理を完食し、時計を見るともう2時半。そろそろ、次の行動に移りましょう。

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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ウィーンの文化を満喫:黄金に輝くアム・シュタインホフ教会

2011年4月9日土曜日@ウィーン/2回目

暑い温室のパルメンハウスPalmenhausでのランチを満足して終えたところで、次の予定に移りましょう。

今日は建築家オットー・ワーグナーの代表作のアム・シュタインホフ教会Kirche am Steinhofを見に行かなければいけません。それも遅くとも4時までに行かなければなりません。なぜなら教会の内部を公開しているのは、土曜の午後のこの時間だけなんです。しかもこの教会はウィーンのはずれにあり、バスでしか行けません。少し焦ります。48A系統のバス乗り場はフォルクスシアターVolkstheaterにあるんです。急いで歩きますが、saraiが場所を誤認してラートハウスRathausの近くまで行ってしましました。配偶者の指摘で間違いに気付き、急いで戻ります。ちょうどフォルクスシアターの前まで戻ってきたところに、48Aのバスが来ます。が、これは逆方向です。しかし、配偶者からまたまた指摘。この道は一方通行だからこの方向のバスしか来ないわよ。ええっとばかりにまだ停車中だったバスにダッシュし、運転手に目的地に行くかと聞くと、このバスに乗れとのことです。半信半疑ながらバスに乗ると、やはり逆走します。リング通りRing Straßeまで行くと、ぐるっと折り返して、目的地方向に進みだします。循環バスだったんですね。20数個先の停留所まで20分ほど乗って、ぎりぎりの時間に精神病院前のバス停に到着。精神病院の門が見えます。


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目的の教会はこの精神病院に付属した教会なんです。病院の門を入り、長い坂道を進みます。緑の多い坂道です。坂道に続く階段を上ります。


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この坂道の先の丘の上に、黄金の丸いドームの美しい教会があります。


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息を切らせながら教会に入ると、3時からの説明(ドイツ語)がまだ続いています。それが終わるまでは入れないとのことなので、教会を外から眺めながらしばらく待ちます。正面の姿です。


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側面のほうからは黄金のドームがよく見えます。


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十分に外からの建物の姿を堪能したところで、ようやく説明が終わり、教会内部が開放されます。見放題、写真撮り放題で無料です。あまりに申し訳けないので、少しですがお布施をさせてもらいます。
教会内部ですが、こんなに美しい教会はめったにありません。アールヌーヴォー様式のモダンな意匠で統一され、美しさの限りです。
教会の前陣の概観です。


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金色に輝く天蓋と正面の壁画もモダンで美しいです。


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一方、天井はシンプルですっきりしています。


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ステンドグラスは同じ時期のアーティストのモーザーの傑作で素晴らしいものです。


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もう一方の側面のステンドグラスはまた別の色合いで美しいものです。


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個別の意匠も凝ったものです。ブドウの実の垂れ下がった照明のモダンなこと。


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教会の床の模様もシンプルでモダンです。


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教会の内外の素晴らしさにすっかり魅了されました。聞けば、2001年ごろから5年ほどかけて大修復され、100年前の輝きが戻ったとのことです。週に1度だけの内部公開ではもったいない建物です。外側はいつでも見られますけどね。

急いでバスに乗ってホテルに戻り、今夜のコンサートに出かけます。
先ほど偵察したコンツェルトハウスです。


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ウィーン交響楽団の演奏会で指揮はネーメ・ヤルヴィ。ウィーン風の美しい弦の音色とネーメ・ヤルヴィの骨太かつ繊細な指揮がぴたっと合い、素晴らしい演奏でした。弦の響きと指揮が見事にマッチしての奇跡の演奏ともいえます。詳細記事はここです。

満足して、ホテルで夜食のお持ち帰り寿司をつまみながら、ブログ記事を書き、今日はおしまい。


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ウィーンの文化を満喫:コウノトリのレストランでディナー

2011年4月10日日曜日@ウィーン

旅の12日目です。
そして、ウィーン2日目です。やっぱり・・・晴れてます!
でも、今日も冷たい風が強く吹いています。

今日は、saraiのウィーンの音楽のお友達Hさんと2つのコンサートをご一緒するので、saraiはルンルンです。10時30分の待ち合わせなので、急いで身支度をして、ちゃっちゃっと朝食を済ませて出かけます。

ホテルからフォルクスオーパーVolksoperへの行き方はいろいろあります。新しい物好きのsaraiとしては、これまで利用したことのないルート・路線を利用して移動することにします。待ち合わせ時間ぴったりに、フォルクスオーパーに到着。お友達Hさんはまだのようです。今日のチケットをピックアップするために列に並んでいると、お友達Hさんが登場です。9か月ぶりの再会です。
と、これまたブログ仲間のFeriさんとも待ち合わせだったのですが、お友達Hさんのお引き合わせで、初対面となりました。

皆がここで集合となったのは、このフォルクスオーパーで、日本支援のチャリティーコンサートがあるからです。
これはもちろん震災後に急きょ決まったコンサートで、フォルクスオーパーに関係する歌手たちが一堂に集まったガラ・コンサートです。このコンサートの収益は日本赤十字に寄託されることになっています。日本人歌手でここで以前に活躍していたメゾソプラノの中嶋彰子さんも参加しています。最後は山田耕作の赤とんぼなども歌われ、全員起立しての《君が代》で幕を閉じました。収益金は600万円以上になったそうです(隣の席のウィーン在住の方に教えてもらいました)。日本人として、こういうコンサートを企画してくれた方々や、コンサートに参加してくれた音楽家のみなさんや、コンサートに来場しチャリティに参加していただいた聴衆のみなさんの一人一人にありがとうを言いたい気持ちになります。日本は全世界から復興を支援してもらっているのが現地でよく分かりました。1日も早い復興を、力を合わせて成し遂げていきたいものですね。世界も暖かい目で見守ってくれています。

コンサート終了後は、ブログ仲間4人での楽しい食事会です。
Feriさんは一時帰国のため、慌ただしくさようならです。その後は、そのままお茶をしながらおしゃべりは続きます。

さあ、今日2つ目のコンサートに移動しましょう。お友達Hさんの車での移動なので楽ちんです。もちろん、慣れた運転と手慣れた駐車場探しで、無事コンサートホールに到着です。
このコンサートはもともとの予定。ウィーン楽友協会でのウィーン・トーンキュストラー管弦楽団の演奏会です。曲目はマーラーの交響曲第6番《悲劇的》です。
マーラーのメッカでのコンサートの詳細記事はここです。

コンサート終了後は、お友達Hさんご推奨のグルメレストランGUT PURBACHに向かいます。ハンガリーとの国境近くまで、高速を利用しての1時間のドライブです。ウィーンの市街地を抜けると、小高い丘が延々と続きます。すべてブドウ畑。ブドウ畑の中に点々と桜の木があり、今まさに満開です。さらに進むと、どこまでもどこまでも真っ平らな大平原が広がります。一面美しい緑の大地です。うっとりと見とれてしまいすね。
と、ワイン蔵が立ち並ぶ村に到着。その中にさりげなくそのレストランはあります。元は古い農家だったそうですが、とってもオシャレなレストランにリノベーションされています。


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レストランの隣の建物の煙突の上に、コウノトリが巣を作っていました!


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シェフは意外にとってもお若く、お友達Hさんに親しげに挨拶にいらして、私達も紹介してもらいます。


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レストラン内部の様子です。広々として、気持ちのよいスペースになっています。


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食事は、6品のコースを選択。そして、すべての料理にそれぞれ合うワインも選んでもらうことにします。しかも、sarai&配偶者に別々にということで、なんと12種のワインを楽しめるということになります。

こんな感じで選ばれたワインが出されます。


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料理は味だけでなく、目でも楽しめるものです。


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またまた、次のワインです。


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またまた、舌と目を楽しませてくれる料理です。


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このように、次々と出される料理は、実に洗練された素材の味を引き出した料理で、素晴らしいものです。量も、6品を楽しみながら頂ける(満腹にならない)よう配慮されていて、最後まで本当に美味しく頂けます。どれほど美味しかったかを伝えられないのが残念です。

途中、トイレに立った時に、調理場も覗かせてもらいます。


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美味しい料理は美しい調理場で作られています。
シェフも優しい顔で微笑んでくれています。


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最後のデザートまで、パーフェクトな料理が続きます。


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鉄道やバスでは行けない交通の不便なレストランです。
お友達Hさんのアテンドなしには絶対に行けなかったレストランでした。持つべきものは友ですね。
食事の後は、美しい星空を眺めながら、ホテルまで送っていただきます。お友達Hさんには、充実した楽しい1日をプロデュースしていただき感謝です。

明日もオペラ。一番楽しみにしているウィーン国立歌劇場の《アンナ・ボレーナ》です。世界の歌姫で人気を2分するアンナ・ネトレプコとエリーナ・ガランチャの2人が出演する超豪華オペラです。


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ウィーンの文化を満喫:オットー・ワーグナーの世界

2011年4月11日月曜日@ウィーン

旅の13日目です。
そして、ウィーン3日目です。曇り空。雨が降るような感じではありませんが、すこし寒くなるかなと思いコートを着て出かけます。

今夜は、今回の旅で一番大事なオペラがあるので、今日はそれがすべてです。したがって、自重して早くホテルに戻り、休息をしてオペラに備えるつもりです。
ということで、今日は先日も見た建築家オットー・ワーグナーの代表建築を見て歩く程度にしましょう。

まずはカールスプラッツKarlsplatzまで地下鉄U1で出て、そこからトラムに乗り換えてドナウ運河まで行きます。そこに彼の代表作の郵便貯金局Postsparkasseがあります。郵便貯金局のリング通りを隔てた向かい側には、銅像があります。ラデツキー将軍です。ニューイヤーコンサートでお馴染みの「ラデツキー行進曲」の主役ですね。


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郵便貯金局は、いかにもワーグナーらしいモダンななかに意匠を凝らしたすっきりした建築です。


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内部も自由に見られるので(業務は行っていますよ)、ゆっくりと見学。大ホールの直線と曲線の微妙な融合のモダンさは見事です。


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このホールの一角にオットー・ワーグナーのデザインを主としたショップがあります。


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このショップで、ワーグナーのデザイン風のグラスを3組購入。なかなかモダンで、気に入ったんです。ショップのおじさんからは、これは食洗機で洗っちゃ駄目だよというアドバイス。配偶者がそんなマシンは持ってないから大丈夫よと言うと、おじさんは大爆笑。

ここを出て、ドナウ運河の方に行き橋の上に立つと、たもとにあるウラニア天文台Urania Kinoの古い建物が見えます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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次はマジョリカハウスMajolikahausを見に行きましょう。トラムでカールスプラッツまで戻ります。ここからは歩いて行きますが、ついでにいつも見ているカールスプラッツの駅舎も見ておきましょう。これもオットー・ワーグナーの代表作のひとつです。


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さらに、ウィーンの市場ナッシュマルクトNaschmarktのお店を見ながら進むと、オットー・ワーグナーの代表作のマジョルカハウスとメダイヨンマンションMedaillon Mansionが並んで建っています。いずれも公共アパートのはずで、外からしか見られません。同じ人の設計なのに、ずいぶん違っています。モダンということでは同じですが・・・。
これがマジョリカハウス。


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これがメダイヨンマンション。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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というところで、そろそろお腹も空いたのでランチにします。まだ今回ウィーンに来て食べていないウィーンナー・シュニッツェルが食べたいとsaraiが提案。グルメガイドで調べると、シュテファン教会のそばに美味しいレストランがあるらしいので、地下鉄を乗り継いで向かいます。
途中の地下鉄の駅には、今晩見るオペラ《アンナ・ボレーナ》の大きなポスターが貼ってありました。夜のオペラに胸が高鳴ります。


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シュテファン・プラッツ駅からは、地図がなく所番地しかわかりません。何とか土地勘を働かせて探すと、運よくすぐに発見。フィグルミューラーというお店ですが、外から見ると狭いお店で、しかもどんどんお客がはいっていきます。案の上、入口で支配人に混んでいるから無理だと断られます。その代わり、すぐ近くにあるセカンド店を紹介してもらいます。早速、そちらに向かいます。こちらは綺麗な外観です。


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レストランに入ると、ここも結構一杯でしたが首尾よく空いていたテーブルに案内してもらえます。注文はもちろん、ウィーナーシュニッツェルを2人分と水。このメニューには、他にミックスサラダかポテトサラダをセットで注文(別料金です)するようになっているのですが、断固拒否。ちょっとイレギュラーな注文ですが、これが大正解。運ばれてきたシュニッツェルは皿からはみ出した巨大なシュニッツェル。これだけでも、一見食べきれるとは思えない大きさです。


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saraiは意地で完食しましたが、配偶者は健闘むなしく、適当なところでフィニッシュです。味はなかなか美味しいのですが、このサイズを食べ続けると、さすがに飽きてきます。

このあと、ホテルに戻り午睡。夕方元気よく起きだして、ウィーン国立歌劇場に参上。
かなり早く着いたので、ウィーン国立歌劇場の側面に設置されているパブリック・ビューイングの大画面を見に行きます。ここで、今夜のチケット入手困難なオペラを無料で鑑賞できるのは、なかなか歌劇場も太っ腹なことですね。


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開場時間になり、入場。


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ほぼ2年ぶりのウィーン国立歌劇場です。前回はネトレプコの《椿姫》でプラチナチケットでした。そして、最高の《椿姫》を聴けました。
今回もプラチナチケットで世界の最高の歌姫ネトレプコとガランチャの美声に聞き惚れ、オペラ《アンナ・ボレーナ》を堪能。saraiは感動のあまりうるうる状態。最高でした。

地下鉄でホテルに戻り、感動のオペラを即、感動が醒めぬうちにブログに書きます。そのブログの記事はここです。

明日も特別な予定はなく、フォルクスオーパーでオペレッタ《こうもり》を見るだけです。音楽だけに埋没するウィーンの滞在です。


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ウィーンの文化を満喫:リング通りの高台を散策

2011年4月12日火曜日@ウィーン/1回目

旅の14日目です。
そして、ウィーン4日目です。昨夜は素晴らしかったオペラの興奮冷めやらず、深夜までブログを書いていたので、今朝は9時過ぎに起床。慌てて服を着替えて、朝食を食べ損ねないように朝食ルームに飛び込み、ほとんど最後の朝食客になってしまいます。

ところで、このホテルの朝食の珍しいものとしては、スモークした魚のマリネがあります。これをメインに頂きましょう。ハムやチーズなども種類が多いです。


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パンもいろんなものがあります。トースターも置いてあります。saraiは結構トーストが好きなので、トーストを頂くことにします。で、配偶者がトーストしようとしますがスイッチが入りません。?????壊れてる?・・・ひょっともしたらと思いコードを手繰ってみると、ピンポ~ンはずれてたそうです!配偶者がレストランのお兄さんに、外れてることを知らせると、テーブルの下に潜り込んで差し込んでくれました。で、美味しくトーストが頂けました。じゃあ、今まで他の人達はどうしたんだろう?
飲み物はいつも通りチョコレートとメランジェ。チョコレートのついでにホットミルクもお願いすると、持ってきてくれました。これで、配偶者は自分のお気に入りの濃さにチョコレートを調節する技も習得したとのこと!

今日のウィーンは小雨模様。降ったり止んだりです。フード付のウィンドブレーカーを羽織って出かけます。今日は特に大きな目的はなく、夜のオペレッタに備えて自重するのが一番です。

まずは、昨日目を付けていた超軽量のRIMOWAのスーツケースSALSA AIRを、格安かつ割引かつ免税で購入します。日本で購入するよりもトータルで20%近く安価でゲット。もちろん、このスーツケースは邪魔なのでお店(ワルツ)に預かってもらい、今日の一番の目的であるブルグ劇場Burgtheater Wienに向かいます。

ここにはクリムトの装飾画があるので前から見たかったんです。館内ガイドツアーでしか見せてもらえずその時刻が15時という情報なので、事前に場所とかをチェックしに行きます。劇場のインフォメーションで聞くと、やはり15時にガイドツアーがあるので、その時間にここに来てチケットを買えということでした。まだ随分と時間があるので、付近を散歩しましょう。

小雨なので、そんなに気になりません。ウィーン大学が通りの反対側に見えてきました。


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通りのこちら側には高台があり、少し探すと上り道がありました。なかなか風情のある道です。


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さらに階段もあり、この階段を上るとベートーヴェンが住んでいたパスクァラティハウスPasqualatihausと呼ばれる建物に行き着きます。ここの5階にベートーヴェンが住んでいたそうです。


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第5交響曲「運命」、第7交響曲、オペラ《フィデリオ》、「エリーゼのために」などが作曲された歴史的な建物です。そういうことも頭の中に感じつつ、この辺りを散策します。この高台は昔は砲台だったそうです。その跡地に建物が立ち並んでいて、大変静かです。もちろん当時リング通りはまだなくグルリと城壁だったはずで、ベートーヴェンが眺めた景色とはかなり違うでしょうね。


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この高台をぐるっとまわると、向こう側に降りる階段があり、その階段の風情といったら驚くほどです。下から見た階段をご紹介しましょう。


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この階段周辺は面白いお店が多く集まり、ちょうど小雨の中で露天市のようなものをやっています。


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配偶者は興味深げに見て回り、生アスパラガスの皮むき器をゲット。

ここから少し進むと、トラムや地下鉄が交差するショッテントーアSchottentorに出ます。ここの地下街は面白そうなので、ぶらぶらとパン屋さんや花屋さんを見て歩きます。驚いたことにトラムの発着駅まで地下街の端にあります。


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ちょっと疲れたところで、先ほどのブルク劇場の隣にあるカフェの老舗のラントマンCafé Landtmannで休憩です。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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中に入ると、広々とした店内はほどほどの混み具合で、すぐにテーブルに着けます。


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お昼時なのでケーキにするかランチにするか迷いますが、とりあえずランチを頂きます。スープとメインのセットです。

これがスープ。ウィーン風のスープです。


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メインです。


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saraiは完食。配偶者はメインを半分ほど残します。これが男女の差ですね。

なのに、saraiが是非とも別の有名カフェに行こうと提案。配偶者は呆れ顔です。トラムに乗って、ケルントナー通りに移動です。


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ウィーンの文化を満喫:ブルク劇場のクリムト

2011年4月12日火曜日@ウィーン/2回目

カフェ・ラントマンCafé Landtmannでランチをいただき、ケーキは別のカフェで頂くことにします。

昔、王室御用達でエリザベートも愛用していたカフェ・ゲルストナーCafé Gerstnerです。


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店内は意外に簡素な雰囲気です。お客さんもほどほどに入っています。


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2人でチェコレートトルテ1つを分け合って頂きます。saraiはアインシュペナー、配偶者は紅茶をいただきます。

紅茶はこんな感じ。ウィーンのカフェで、ティーバッグでないのは珍しいかも。


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アインシュペナーとホイップクリーム添えのチェコレートトルテです。


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美味しいけれど、ウィーンではコーヒーに必ず付く水も付かないし、ケーキに沿えるホイップクリームも別料金。お店の方針なのでしょうから仕方ないですが、何だかビジネスライクでせちがらいですね。今度からはお隣のお気に入りのカフェ・L.ハイナーCafé-Konditorei L. Heinerにしましょう。

こんなにゆっくりしていたら、ブルク劇場Burgtheaterのガイドツアーの時間が迫ってきました。急いで地下鉄とトラムを乗り継ぎ、最速でブルク劇場に急行。やれやれ、間に合いました。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ガイドツアーが始まったのは3時を少し過ぎた頃です。案内はすべてドイツ語でさっぱり分かりません。事前に配布してくれた英語の紙を参考にします。いずれにせよ、見たいのはクリムトの天井画だけです。案内を生半可に聴きながら、左右の大階段上の遥か高いところにある天井画に目を凝らします。


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天井のいろんな部分にクリムトの絵がありますが、遠くて見えにくく探すのが大変。ここに1枚。「タオルミナの劇場」です。


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ここにも1枚。「テスピスの凱旋車」です。


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また、ここにクリムト。「ディオニソスの祭壇」です。


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宝物探しみたいですね。クリムトはここに3枚の絵を残しました。
これで、ウィーンにあるクリムトの重要作品はほとんど見たことになりました。結局、20年以上かけて見たことになります。満足です。

この大階段を上ると、2階のギャラリーに出ます。ここから、劇場の観客席に入れます。大きな窓と窓の間にはモダンな絵や古典的な絵が飾られています。


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窓から外を見ると、正面に市庁舎(ラートハウス)が見えます。


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劇場内を上から下まで歩き回る一通りのガイドツアーが終わり、ブルク劇場を出ます。劇場を仰ぎ見ると、重厚なネオ・ゴシックの建物が威容を誇っています。


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この後ワルツで預かっていてもらったRIMOWAのスーツケースを受取り、ホテルで休息。たいして午睡できる時間はありませんでしたが、ちょっと休んで今夜のオペレッタを聴きにフォルクスオーパーVolksoperに向かいます。
今日の演目はヨハン・シュトラウスの《こうもり》。有名なオペレッタですから、気楽に聴きましょう。


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とても楽しい公演でした。公演の詳細内容はここです。

ここでもブログでお付き合いのある方と初対面。ウィーンも狭いですね。
今日も夜遅くなってのホテル帰還です。明日も朝寝坊パターンですね。

明日はウィーン最後の夜でまたまたフォルクスオーパーでオペレッタ《チャルダッシュの女王》です。


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ウィーンの文化を満喫:カフェ巡り~カフェ・ムゼウム~L.ハイナー

2011年4月13日水曜日@ウィーン

旅の15日目です。
そして、ウィーン5日目です。今日は1日中雨との予報でしたが、太陽が顔を出しています。でも、風は冷たいですね。

毎夜遅くまで演奏会の報告をUPしているsaraiは少々疲れ気味。起きられそうにもないので、朝食をパスして寝ることにします。どうせ今日は何の予定もないゆるゆるの1日ですから、完全休養日としましょう。まだまだ旅は続きますからね。

配偶者はそれなりの時間に起き出して、メールやネットをチェックしたりして過ごしていますが、いい加減にそれらも終了。のんびり気持ち良く朝風呂を楽しんで出てきたところで、ようやくsaraiが起き出します。saraiもお風呂に入りのんびりしていると、もうお昼前です。

カフェでウィーンの朝食をいただきましょう。地下鉄U1でカフェ・ムゼウムCafé Museumに向かいます。老舗のカフェですが、経営が昨日行ったカフェのラントマンにかわり、最近新装開店したのでチェックです。カフェ・ムゼウムの前に到着。


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店内は明るく、ソファの色調が赤になっています。


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時間はもうお昼時を過ぎて、メニューはランチになっています。が、どうしても朝食にこだわるsaraiは、お店の人に朝食もOKかと確認すると、いいよ!とのことです。で、saraiはモーニングセットを、配偶者は日替わりランチをお願いします。

これがモーニングセットです。


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これが日替わりランチのスープです。


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これがランチのメイン。


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モーニングセットはホテルの朝食メニューと内容は変わり映えしませんが、もちろん各素材は美味しいですよ。
ところで、この籠に入ったパンは要注意です。


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パンは別料金で、食べた数の分だけ料金を取られます。フランスやイタリアでは、いくら食べてもタダで、足りなければ追加だってしても構わないのです。が、オーストリアやドイツはしっかり食べた分の料金が取られます。今まで無料なのか有料なのかが分からず、いつもビクビクしていたのですが、ずっと国を移動して旅をしてきてはっきり分かりました。これからは、納得してパンが食べられます。たかがパン、されどパンですから・・・。

配偶者のランチももちろん美味しかったそうですよ。スープもあって、配偶者は大満足です。ちなみにランチの方がちょっとだけ安かった。
と、外を見ると、雨がザァーザァー降ってます。ちょっと雲があったので傘を持ってきたのですが、よかったねと話しているうちに止んでしまいました。本当にこちらの天気は分からない。

雨上がりの道を、スーパーでお土産を少々調達するのでケルントナー通りKärntner Straßeに向かいます。ちょっと寄り道をして、映画「第3の男」の撮影現場を探しながらスーパーに到着。
山積みの野菜や果物を見るのは楽しいですね。日本と違うようで似てるし、似てるようで違うし・・・。《焼き栗むいちゃいました》(包装からしてそんな感じ)を発見!思わず買っちゃいます。お土産用にスープとチョコを購入。ついでに水も買いますが、やはりスーパーは安いね。

レジでsaraiは恐る恐る100ユーロ札を出すと、何の問題もなく会計をしてくれ、お財布に10ユーロ札がいっぱいになります。実は、高額紙幣って使いづらいのです。ちょっとしたものを買ってお札を出すと、「ノー、チェンジ!」って拒否されるんです。コイン、小額紙幣(10ユーロ、20ユーロ)がなくて本当に困るんです。たいていはカードで支払うので現金を使うのは少額の支払いの時だし、出国の時の両替では少額紙幣はなかなかくれないし(もちろんコインはくれない)。

saraiは、とっても上機嫌でホテルに戻り、気持ちよ~くお昼寝となります。
たっぷり休養をとって、さっぱりした気分でフォルクスオーパーVolksoperに向かいますが、ちょっと早めに出かけます。というのも、いよいよ明日にはウィーンを離れます。しかし、saraiはまだまだケーキを食べ足りないんです。

お気に入りのカフェのL.ハイナーCafé-Konditorei L. Heinerで、夕食代わりのお茶をしましょう。地下鉄U1のシュテファンズ・プラッツStephansplatzで降りケルントナー通りKärntner Straßeを進み、昨日お茶したカフェのゲルストナーを過ぎるとカフェのL.ハイナーがあります。1階はケーキの販売店舗とちょっとしたカフェコーナーで、2階はこじんまりとしていますがオシャレなカフェの空間が広がります。


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2人でポットのダージリンティーを頼み、ケーキのショーケースに行きケーキを選びます。


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どれも美味しそうで目移りしますが、2人ともチョコレートを素材にしたケーキをそれぞれ選びます。このケーキの美味しかったこと、日持ちが許せば日本に連れて帰りたいほどの美味しさです。


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色々とカフェを試しましたが、お店の雰囲気・ケーキの美味しさ・飲み物の美味しさ・接客の良さで、このカフェはsaraiにとってウィーン1のカフェです。それもヴォルツァイレ支店ではなく、ケルントナー通りの本店が1番です。今回、また確信を深めました。
あまりの居心地の良さに、思わずウェートレスのおばさんにお願いして、記念撮影させてもらいました。優しい笑顔に癒されますね。


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この後、楽しくオペレッタを鑑賞。今日の演目はカールマンの《チャルダッシュの女王》です。一番好きなオペレッタです。これでウィーンは最後ですが、それにふさわしい最高の舞台を見せてもらいました。公演の様子はここです。

今日も昨日に引き続き、ブログで知り合ったお友達と楽しいお話に花が咲きました。

フォルクスオーパーを出た通りの歩道に屋台が出ていて、そこに美味しそうなヌードルがあります。小腹の空いたsaraiは試しにテイクアウトのパックをオーダー。ホテルへ帰る道すがら、美味しく頂きました。


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フォルクスオーパーからの帰りには癖になりそうです。

ホテルに戻り、荷物を作って就寝です。明日は、早々にミュンヘンに旅立ちですからね。


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レールジェットでミュンヘンへ

2011年4月14日木曜日@ウィーン~ミュンヘン

旅の16日目です。

ウィーンも6日目です。部屋の窓から外を眺めると細かい雨の降る朝です。この旅で一番お天気が悪いかもしれません。旅の間、ずっと快晴が続いた後、ウィーンに入って3日目からは晴れ時々雨のお天気でしたが、時々さぁ~っと降るだけなので、ウィーンの街歩きには少しも問題はありませんでした。そして、今日はミュンヘンに移動するだけですから、雨が降るなら今日にしてほしいという日に、まさに雨になりました。しかも、ホテルから駅への移動には傘をさす必要もないほどの小雨ですから、これはラッキーというしかありませんね。

顔馴染みになった朝食ルームのお姉さんにチョコレートとメランジェをお願いして、最後の朝食です。もう、我が家のように寛げます。決まりきった朝食ですが、それがいいんです。

部屋に戻って、出発の準備です。思いがけない安さにつられてつい買ってしまったRIMOWAの超軽量カバンに荷物を詰替えて、saraiはルンルンです。配偶者のカバンはもともとRIMOWAの超軽量カバンなので、ようやく二人そろって超軽量カバンになりました。やはり荷物は軽いのが1番ですね。
ところで、持ってきたカバンはどう廃棄するかというと・・・部屋に放置!すればいいそうです。部屋に残っていたものは、すべてゴミとしてホテルが処分してくれるそうです。何だかとっても便利。この手は有効に使えるかもね。

さあ、チェックアウトして西駅に向かいましょう。

最後にこのホテル、『オーストリア トレンド ホテル ファボリタ(AUSTRIA TREND HOTEL FAVORITA)』の総括をしておきましょう。
このホテルは、なかなか交通の便も良いのです。最寄りのUバーン(地下鉄)はラインU1でカールスプラッツKarlsplatzやシュテファンズプラッツStephansplatzに乗り換えなしですぐに着くことができます。ウィーン国立歌劇場、ウィーン楽友協会、ケルントナー通り、聖シュテファン大聖堂は直結しているようなものです。フォルクスオーパーだけは残念ながら、乗り換えが2回必要です。
何度もホテルの出入りを繰り返したので、Uバーンのケプラープラッツ駅Keplerplatzからの最短経路を覚えました。Uバーンの車両の最後尾に乗って、電車からホームに降りるとすぐに上りのエスカレータがあります。これで地上に出て、すぐの横道を抜け大通り、ラクセンブルガー通りLaxenburger Straßeに出て、その通りを横断します。もっともここは横断歩道はありませんが、慣れるとうまく渡れます。で、少しラクセンブルガー通りの歩道を進むとホテルの入口です。地下鉄駅から5分とかからずにホテルに着けるようになりました。

ホテルの外観を紹介しておきましょう。


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この日はたまたまホテルの前に観光バスが停まっていませんね。いつもはホテル客を運ぶ観光バスが必ず駐車しているんです。
これは建物の外側の入口です。


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ホテルには、もう一つ内側の入口のドアがあります。そこからはいったところがレセプションになっています。


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このホテルに6泊もして、オペラ・コンサート三昧しましたが、いよいよお別れです。

トラムを乗り継いで、ウィーン西駅Wien Westbahnhofに到着。

ウィーン西駅は大改装中ですが、大分できてきましたね。でも完成までにはまだまだかかりそうです。


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ホームで待つこと暫し、ちょっと遅れて列車は入ってきました。ブダペストから出発して、ウィーン・ザルツブルクを経て、ミュンヘンまで行く国際列車です。結構多くの人が降りますが、乗る人も多く大騒ぎです。ミュンヘンまで乗り換えなしの直行で行ける列車は、さすがに本数が少ないからでしょうか。この電車は10時14分発のレールジェットで、ミュンヘンには14時30分に到着の予定です。4時間ちょっとかかります。

乗車後、手際良く指定されていない席を確保。たいていのヨーロッパの鉄道には指定車両というのがありません。車両各シートの上に表示板があって、そこにウィーン西駅からミュンヘンというような表示があれば、そのシートはその区間が指定済だということです。よって、何も表示がなければ、自由に座っていいシートになります。指定を取ってもいいのですが、無駄に指定料金を支払う必要がないほど大体のところシートは空いています。特に今回はファーストクラスなので、余計空いているはずです。

席を確保後、車両の入口に荷物置き場がなかったので、超軽量カバンになったとは言え、それなりに重いスーツケースを棚の上に上げようとしていたら、後ろの席に座っている人が真ん中の方に置き場があるよと教えてくれます。車両によって色々と違いがあるので、なかなか慣れませんね。
ウィーン西駅を出発。ウィーンともお別れです。saraiは既に次回のウィーン来訪を目論んでいます。暫しのお別れってことですね。

街中を抜け、郊外に出ます。小雨にしっとりと濡れた木立や可愛い家々も素敵です。相変わらず延々と広がる広大な緑の平原も美しいです。


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30分ほども走ると雨は上がり、リンツLinz近くでは青空も見えてきました。
列車の旅と言えば、日本ではお弁当ですが、オーストリア国鉄では食堂車からのお取り寄せです。ウィーンに来るときは売り切れで食べられなかったフィレステーキを是非とも食べたいということで、お昼ちょっと前にフィレステーキと人参とリンゴのスープを注文! そして、届いたのは・・・。

まずはスープです。


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フィレステーキです。


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フィレステーキは、焼き方も絶妙でとろけそうに柔らかく本当に美味しい。日本で食べたら、一体いくらするでしょう。これは2000円くらいです。添えてあるジャガイモがこれまた絶品。しっかり硬さが残っていて、新ジャガの皮が香ばしいです。パプリカやズッキーニーの炒め野菜も美味しい。配偶者はスープにもちろん大満足です。

ザルツブルグSalzburgが近くなると、車窓の風景が一段と美しくなります。


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ザルツブルクに到着。まだまだ雪の残った山々が聳えています。やはりウィーンよりずっと寒そうです。ここからミュンヘンまでは1時間半。
ザルツブルグを出て、30分もするとキームゼー湖Chiemseeの近くになります。このあたりのバイエルンの風景も美しいですね。


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深夜までのブログ書きで寝不足のsaraiはここでも熟睡モード。目が覚めたら、もうミュンヘン中央駅München Hbfです。ホームに降りて、今まで乗ってきたレールジェットの赤い車体とお別れを告げます。


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今回の欧州鉄道周遊の旅もフランス、イタリア、オーストリアを経て、ドイツに至りました。旅全体を俯瞰しつつ、ウィーンからミュンヘンへの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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このミュンヘン中央駅も何度も来ている駅です。今回はこの駅で今夜のコンサートのチケットをピックアップしないといけません。ミュンヘンチケットMünchen Ticket am Hauptbahnhofというところで受け取るのですが、それらしいところは探しても見つかりません。ツーリストインフォメーションで聞くしかないと行ってみると、なんとそこの中の一つの窓口がミュンヘンチケット。そんなものですね。無事にチケットを受取り、一安心。


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駅の自動販売機で市内公共交通機関の3日間乗り放題券を買って、ホテルに向かいます。ホテルはトラムで行くのが一番近そうなので、駅のツーリストインフォメーションで最寄りの停留所(バイエルン国立歌劇場:Nationaltheater)に向かうトラムのラインを教えてもらい、その19番のトラムに乗ります。乗ってみて思い出しましたが、ミュンヘンでいつも乗っているラインのトラムでした。
今回のホテルはバイエルン国立歌劇場に一番近いと思われるホテルです。オペラを聴く目的には最適のロケーションです。
また、新市庁舎Neues Rathausのあるマリエン広場Marienplatzにも歩いてすぐです。このホテルは街の中心地に立地し、観光にも大変便利です。

さて、トラムに重い荷物を持ち込んで、無事、最寄りの停留所Nationaltheaterに到着。降りた停留所はマクシミリアン通りMaximilianstraße沿いで、向かいはバイエルン国立歌劇場Bayerische Staatsoper。最初の角で少し細い通り(ファルケンツルム通りFalkenturmstraße)に入るとすぐに今回のホテルです。実にスムーズに到着です。

駅からホテルまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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早速、チェックイン。ホテルはホテル・ファルケンツルム(Hotel Falkenturm)で、3日間宿泊します。


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こじんまりとしたプチホテルです。入り口もレセプションもロビーもレストランルームもコンパクトです。
ロビーと言ってもレセプションの前に椅子が2脚あるだけです。まあ、赤くて可愛い椅子ですが・・・。


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でも、ちゃんとエレベータはありますよ。

チェックイン時、レセプションのお兄さんからの丁寧な説明があります。特に、ホテルは深夜には外側の玄関の鍵を施錠するので、遅くなるときはちゃんと部屋の鍵を携行してほしいとのこと。部屋の鍵で玄関の鍵も開くそうです。
ネット接続についてはWIFI接続のユーザーIDとパスワードを発行してもらえますが、これは1日のみ有効なので、毎日、発行してもらう必要があるとのこと。面倒ですが、どうせ、毎日レセプションの前を通るので問題はありません。ネット接続は問題なくつながります。最終日の朝は不調でつながりませんでしたが、もう出かける寸前だったので、まあ困りはしませんでした。

さて、部屋ですが、結構小さ目。それでも、ちょっと椅子を動かして調節すると、荷物を広げるには充分です。それもスーツケース2つとも一度に広げておけます。


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それなりにベッドも可愛く演出してあります。


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壁は、緑と赤のパネルで装飾してありますが、食堂や廊下なども統一された装飾です。
水回りも清潔感があり、気持ち良く使えます。もちろん、バスタブもあります。


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部屋にはミニバーがないので、saraiは飲み物が欲しくて、配偶者に部屋で休んでいてもらい、買い出しに出かけます。レセプションのお兄さんに近くで飲み物が買えるところを聞くと、スーパーがいいかと聞き返されました。それが望ましいねというと、にやっと笑って、スーパーは何でも安いからなあと言いながら、一番近いスーパーの場所を教えてくれました。少し遠くて10分近くかかりますが、物資が豊富で安く満足です。ホテルに戻り、レセプションのお兄さんにダンケ・シェーン!
こんな感じで、なかなか気のおけないホテルで住み心地がいいです。

今夜のコンサートの時間までホテルで休み、近くの日本料理店で夜食用のお弁当を仕入れ、コンサートホールへ。

今夜のコンサートホールはレジデンツResidenz(王宮)に隣接するヘラクレスザールHerkulessaalです。レジデンツの庭園の中をホールに向かいます。


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ヘラクレスザールの入口に到着。堂々たる建物です。もともとはヴィッテルスバッハ家のルードヴィッヒ1世の謁見の間として使用されてきた玉座のある大広間をコンサートホールとして改築されたものです。


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その前には美しい庭園が広がります。素晴らしい環境ですね。


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ホテルからヘラクレスザールへのルートを地図で確認しておきましょう。


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この日のコンサートはバイエルン放送交響楽団演奏のコンサート形式のチャイコフスキーのオペラ《エウゲニ・オネーギン》。
ヘラクレスザールは初めてです。立派な内部空間です。壁に大きなタペストリーがかけられています。ギリシャのヘラクレス神話をモチーフにしたタペストリーです。アルブレヒト5世によって1556年に作成された由緒あるものだそうです。ホールの名前はこのタペストリーに由来しています。


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ドイツで最高のひとつとも評されるバイエルン放送交響楽団、世界的な指揮者マリス・ヤンソンス、実力のあるオペラ歌手による圧倒的な音楽にsaraiはまたしても感動の嵐。今回は特に素晴らしい音楽に恵まれて幸せです。
歩いて帰れるホテルに夜風を浴びながら帰着し、まずは夜食で腹ごしらえ。


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さあ、ブログ書きです。配偶者はすやすや。長旅の疲れを落としてくださいね。オペラの模様の詳細記事はここです。

明日はミュンヘン周辺の王宮を見て、夜はバイエルン国立歌劇場でコロラトゥーラソプラノの女王グルベローヴァのオペラ《ノルマ》を楽しみます。


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華麗なるシュライスハイム城

2011年4月15日金曜日@ミュンヘン/1回目

旅の17日目です。

そして、ミュンヘン2日目です。久しぶりに、雨の心配のない青空が広がっています。

ミュンヘン郊外のお城に出かけるには最適のお天気ですね。ミュンヘンのお城と言えば、ニンフェンブルク城Schloß Nymphenburgが有名ですが、これは以前行ったことがあるので、まだ行ったことのないシュライスハイム城Schloss Schleißheimに行ってみましょう。

ちゃっちゃと朝食をすませて出かけたいところですが、saraiはまたまた朝寝坊しました。でも、なんとか朝食の時間には間に合いました。

さて、朝食は、プチホテルということもあって、ごくごく一般的なメニューです。


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あら、暖かい卵料理がないね・・・と思いながら食べていると、ゆで卵を食べている人がいます。どこにあるのかと探していると、ここよとレストランのお姉さんが教えてくれます。なんと、ニワトリの形をしたぬいぐるみの中に入っています。お茶目!

この朝食レストランは広くはありませんが、窓も大きく、明るくて綺麗なレストランです。


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朝食を終え出かけますが、ミュンヘンの交通システムのチケットの買い方が少し難しいんです。ホテルのレセプションのお姉さんに聞くと、それは難しいから駅員さんに聞いたほうがいいわというお答です。それはそうですが・・・。

今日乗る電車は郊外電車Sバーンです。マリエンプラッツ駅Marienplatzの駅員さんに同じ質問をすると、英語があまり分からないから別の窓口に行ってねということ。ちゃんとした切符販売の窓口で聞くと、やっと明快なお答が得られました。今回3日間乗り放題の市内交通のチケットを買っていましたが、今日行く目的地のオーバーシュライスハイムOberschleißheimは市内のゾーン外で、通常2ゾーン券を買う必要があります。この場合、私達はさらにどんなチケットを買い足す必要があるのかという質問だったんです。
どうしてそんなに神経質になっているかと言えば、ドイツ国内は車内改札が厳格で、無効なチケットしかないととんでもない違反金を取られるからです。質問の答は1.2ユーロの短区間チケットを買えということでした。あとで交通地図をよく見ると、目的の駅は市内ゾーンから1つはみ出した駅でした。短区間チケットというのは2駅間までに有効なチケットです。よ~く意味がわかりました。教えられたチケットを買ってSバーンに乗ったんですが、結果的に車内改札はなかったので苦労は空振りです。マリエンプラッツ駅からオーバーシュライスハイム駅まではS1に乗って24分で、市内の密集した建物のあるところから緑あふれるところに脱出です。ここに今日の訪問するシュライスハイム城Schloss Schleißheimとルストハイム城Schloss Lustheimがあります。

マリエンプラッツ駅からオーバーシュライスハイム駅までのルートを地図で確認しておきましょう。


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シュライスハイム城には古い城のアルテス・シュロスAltes Schloss Schleißheimと新しい城のノイエス・シュロスNeues Schloss Schleißheimの2つがあります。主たるお城はノイエス・シュロスでマックス・エマヌエル選帝侯の美しいバロックのお城です。

駅からお城へはバスも出ていますが、お天気もよく歩いて15分という表示が出ているのでぶらぶら歩くことにします。駅からお城までは1本道で、道沿いはきれいな住宅街です。どの家もとてもよくお庭が手入れされていて、花々が美しく咲いています。


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美しい庭と綺麗な家、羨ましい! それに道と庭の間には塀も柵もありません。美しい街です。


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イースターも近いので、色とりどりの卵が吊り下げられている木もあります。配偶者は大喜びで、パチパチ写真を撮っています。


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道は気持ちのよい水路にぶつかります。


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ここを左に折れて、水路沿いに進みます。


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しばらくして水路を右にわたると、お城に到着です。

アルテス・シュロスとノイエス・シュロスは向かい合って立っています。
アルテス・シュロスは可愛いお城で前庭には花々が植えられています。


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ノイエス・シュロスは巨大なお館です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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まずはこのノイエス・シュロスを見学。入場券は1人8ユーロです。


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内部はだだっ広い空間が広がっています。大理石をふんだんに使った贅沢な造りです。


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そこは美術館にもなっていて膨大な絵が展示されています。


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見ものは2階への巨大な階段です。大理石と白い漆喰の彫刻で飾られた空間に1歩足を踏み入れると、思わず驚嘆の叫びが口を出ます。大きくて美しく圧倒される・・・そうとしか表現できません。


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はるか上方のドームには美しい天井画も描かれています。


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2階には実に広大で美しく、贅沢なホールがあります。


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もうしばらく、この豪勢なシュライスハイム城を鑑賞しましょう。


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美しい庭園とルストハイム城

2011年4月15日金曜日@ミュンヘン/2回目

シュライスハイム城Schloss Schleißheimの豪華さに驚かされます。
選帝侯というのは、国王にも匹敵する権力と財力を持っていたんでしょう。

2階の大きな窓からは広大な庭園も見えます。このお城を見た後で、ゆっくりと庭園も散策しましょう。


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壁に美術品が飾ってある回廊が続いています。


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回廊には、お城につきものの執務室や天蓋付のベッドの部屋が並んでいます。


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お城を出て、庭園に出ます。
お城の裏にある庭園は、まるでベルサイユ宮殿を思わせる延々と続く水路がどこまでもどこまでも伸びていて、その遥か彼方にまたお城が見えます。あれがルストハイム城Schloss Lustheimでしょう。


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庭園を少し進むと大きな池があり、これはその池越しに見たシュライスハイム城(ノイエス・シュロス)です。


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この池からは、水路の遥か向こうに米粒のようにルストハイム城が見えます。


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お天気も良いので、ピクニック気分でこの水路脇の森の中の小道を歩きルストハイム城を目指します。


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水路には鴨や白鳥が浮かび、長閑です。それに何と言っても観光客が少なく、森林浴の気分に浸ることができます。
やがて水路の端に着き、ルストハイム城も間近です。


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ここから後ろを振り返ると、先ほどまでのシュライスハイム城が水路の遥か彼方に見えます。ズームアップして、その美しい姿をもう一度見ましょう。


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ここからは花々に縁どられた芝生の間の小道を、ルストハイム城に向かいます。


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意外にルストハイム城の前の庭園も広く、ルストハイム城はなかなか遠いです。


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ようやくルストハイム城に到着です。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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随分遠くまで歩いて来たので、折角ですからルストハイム城の内部も鑑賞しましょう。


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シュライスハイムで美味しいイタリアン

2011年4月15日金曜日@ミュンヘン/3回目

ルストハイム城Schloss Lustheimの中に入ります。ルストハイム城はお城と言えないくらい、とっても小さなお城です。それでもシュライスハイム城Schloss Schleißheimと同様に内部は豪華な造りです。


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内部でマイセン陶磁器コレクションを展示しています。美しい陶磁器に目を奪われます。
特にsaraiの目を奪ったのは、マイセン陶磁器人形のオーケストラです。珍しいですね。選帝侯は音楽好きだったのかな。


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ルストハイム城を出て、また別の水路沿いの道を散策しながら駅のほうに戻ります。
水路沿いに桜並木を見つけます。とても綺麗に咲いています。


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水路沿いは花や緑などで大変美しく、気持ちのよい散策路です。


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駅に戻る途中で、お城に向かう時に目を付けていたローカルなイタリアンレストランで、遅めのランチです。MONTE DEL SOLEというレストランです。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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今回の旅ではイタリアを通ってきたのに、ピザやパスタを食べていなかったんです。村の中の唯一のイタリアンらしく、和気あいあいとおしゃべりを楽しむグループや家族連れで賑わっています。人のいないスペースの店内の様子はこんな風です。


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愉快で溌剌としたシェフが出すピザとパスタはとてもパリパリ・アツアツで美味しく、食後にティラミスとカフェ・ラッテまで頼んでしまいます。


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白ワインもとっても美味しく、満足・満足。


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ランチを食べ終え豊かな気持ちになって、再びオーバーシュライスハイム駅Oberschleißheimのホームに戻ってきました。


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と、目が点に!!! 突如、変わった人物が目にはいってきました。スーパーマンでしょうか?


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配偶者が嬌声をあげると、手を振りながら去って行きます。

やがて、Sバーンの電車がやってきます。


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この電車でマリエンプラッツ駅Marienplatzに戻ります。ミュンヘンの中心街をブラブラしていると、家電の量販店があります。中を覗いてみると、ずらりと並んでいるテレビ売り場には、パナソニックや東芝やソニーもあります。3Dが結構多く展示されていますが、なぜか3D眼鏡が置いてありません。パソコン売り場には、日本製もあります。最後に夜食のお弁当(モロ日本のコンビニ弁当です!)を買って、ホテルに帰着です。

1時間ほど仮眠して、またオペラ。バイエルン国立歌劇場です。コロラトゥーラソプラノの第1人者グルベローヴァの出演するベルリーニのオペラ《ノルマ》です。尻上がりに調子を上げた彼女の思いのこもった歌声に、saraiは感動の涙。これが彼女のオペラの聴き納めになることでしょう。引退ももうすぐでしょうから。
ホテルに戻って(歩いて5分もかからないほど)、夜食をいただきながらブログ書きです。


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オペラの詳細記事はここです。

早く寝ましょう。明日はいよいよヨーロッパ最後のコンサートです。


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ミュンヘンの文化を満喫:ミュンヘンの朝ごはんは無論「白ソーセージ」

2011年4月16日土曜日@ミュンヘン/1回目

旅の18日目です。

そして、ミュンヘン3日目です。
今日はsaraiはあえて朝寝坊を決め込みました。というのは、ホテルの朝食をパスして、ミュンヘンの朝ごはん「白ソーセージ」を食べようと目論んでいるからです。
配偶者は朝食レストランからカフェ・ラテだけをもらってきて、お部屋で飲みながらsaraiの朝の準備が終わるのを待っています。

気温は低く寒いですが、気持ちよく晴れています。さあ、出かけましょう。
白ソーセージのレストラン「ヴァイセス・ブロイハウスWeisses Bräuhaus München」はホテルからすぐ近くにあります。レストランに着くとまだ10時過ぎですが、お店はお客さんでいっぱいです。何とか席を見つけて座ることができます。


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かわいいエプロン姿のおばさんが注文を取りに来ます。

まず、白ソーセージWeiss Burstを注文。次は飲み物ですが、これはもちろん、白ビールWeissbierです。朝からぁ~なんていうものではありません。全員の前にビールがあるのですから・・・。でも、さすがに配偶者がお水にしようかと迷っていると「小さいのもあるわよ」とエプロンおばさんが薦めてくれるので、小さいグラスの白ビールを注文。それを聞いて、saraiも「僕も小さいのを!」とお願いしたにもかかわらず、届いたのは・・・大きいビアグラス1つと小さいビアグラス1つでした。男性は許されないというか、考えられないのでしょうね。


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大きいビアグラスの白ビールは3.6ユーロ、小さいビアグラスの白ビールは2.9ユーロです。

「白ソーセージ(ヴァイス・ヴルスト)」と9ヵ月ぶりのご対面です。こんなに早くお会いできるとは思ってもいませんでした。


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皮は上手くはずせます。甘いはちみつ入りの洋辛子をつけて頂きます。美味しい!本当に美味しいです。


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2人分4本で9.6ユーロです。

もちろんパンは有料ですから、2人で1個を分けて食べます。満足、満足です。


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プレッツェル1個で0.9ユーロです。

ところで、お店にはひっきりなしにお客さんが入ってきます。土曜日だからでしょうか。混雑しているので、美味しい朝食を頂いたところで早々に退散しましょう。エプロンおばさんに合図をして、会計をしてもらいます。


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お店を出ると、街は大勢の人でごった返しています。ヴィクトゥアーリエンマルクトViktualienmarktには朝市も出ています。賑わいに誘われるようにブラブラ朝市のお店の方に行きます。おっ、白ソーセージも売っています。しかも、真空パックになっているものもあります。


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買って帰ろうかとかなり迷いますが、新鮮さが売りの白ソーセージですから止めましょう。また食べに来ればいいのですからね。

と、saraiの目が点に!その目が釘付けになったのは「シュパーゲル(生ホワイトアスパラ)」。


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ウィーンでは、まだちょっと時期が早すぎると言われたシュパーゲルが、ここミュンヘンでは旬の時期がスタートしていたのです。どの八百屋さんの店先にもシュパーゲルが山積みになっています。そのぶっとくて美味しそうなこと・・・。saraiは食べさせてくれる店探しモードに突入です。朝市の会場内でも食べさせてくれるところも見つけましたが、もう少し美味しそうなお店を探してみましょう。


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と、その前に、シュパーゲルの衝撃のせいか、お腹がグルグル、もよおしてきます。近くにデパート(Galeria Kaufhof)があったので、そこを利用することにします。デパートは売り場の配置もほとんど日本と変わりありませんね。が、トイレが見当たりません。なんと、最上階(6階)に1か所あるのみです。しかも有料!お借りするのですから文句は言えませんね。無事、用足し終了。また、シュパーゲルを食べるお店探しに戻ります。

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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でも、その前に、今日の予定の教会巡りを済ませましょう。


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ミュンヘンの文化を満喫:ルードヴィッヒ詣でも完結。そして、念願のシュパーゲル!

2011年4月16日土曜日@ミュンヘン/2回目

ミュンヘンの教会巡りの起点は、新市庁舎前のマリエン広場Marienplatzからです。新市庁舎Neues Rathausはミュンヘンのランドマークですね。


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マリエン広場からはまず、すぐ近くにあるフラウエン教会Frauenkircheに向かいます。
この教会は以前も訪れたことがありますが、内部をよく見ていません。


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早速、中に入ります。プロテスタントの教会でしょうか、とっても立派ですが装飾がシンプルです。(実際はプロテスタントではなくて、カトリックの教会だそうです。Njegusさん、ご指摘ありがとうございます。ドイツの教会はカトリックでもシンプルな装飾なんですね。)
内部のずらっと並んだ柱が印象的です。信者が祈りを捧げる席の間の通路に入ろうとしたら、おじさんに写真はだめよと言われます。カメラを片付け進むと、そのおじさんが他の人たちにも何か言ってます。どうやら、今からミサをやるのでこのあたりからは退去してくれと言っているようです。まだまだ祭壇は遠いので、我々も退却です。信者席の外側から写真をぱちりと撮ってオシマイ。


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次に、少し歩くと聖ミヒャエル教会St. Michael Kircheです。外側は工事中です。中に入ってみると、ミサが終わった直後なのでしょうかお香の匂いがしています。


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主祭壇のドームの下で、4人の男女がミサ曲を歌っています。たった4人の声とは思えないほどに美しく教会内に響き渡っています。


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saraiは、もちろんカメラの動画モードで録画。

この教会は規模は小さめですが、王族の教会ですから装飾が素晴らしいです。

祭壇横の地下に通じる階段が開いています。有料で公開しているようで、ルードヴィッヒ2世の写真が出ています。行ってみることにします。


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地下の部屋には、王族の棺が安置されています。もちろんルートヴィッヒ2世のものもあり、ひときわ立派でお花も供えられています。


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城を作ることにお金を使い過ぎ精神錯乱と診断されて退位させられたけど、今でも大切にされているんですね。もっとも、今や最大の観光資源を残した貢献は大ですからね。彼の作った3つのお城をすべて見に行った配偶者としては、彼の棺に祈りを捧げることができ、これでルードヴィッヒ詣でも完結したと満足しています。

さて、シュパーゲルで必死のsaraiは、白ソーセージを食べさせてくれる有名レストラン、バイエリッシャー・ドニスルBayerischer Donislに到着。シュパーゲル料理はあるかと尋ねると、あるわよとのこと。即、入店。テーブルに着きます。


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メニューを検討し、シュパーゲルのスープとシュパーゲルのオランデーズソースかけを注文します。2人でこの2品ですから、エ?という顔をされましたが、めげずにその2品のみの注文でOKをもらいます。しかし、やはりそれで大正解でした。なんと見事に太いアスパラが6本もお皿にのっています。


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これで12.5ユーロです。

スープもとても美味しそう。


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こちらは5.2ユーロです。

これらのシュパーゲルは、多分ちゃんとしたドイツ国内産のシュパーゲルでしょう。最近は輸入物も増えているようです。正式にはドイツ国内産でなければシュパーゲルとは言えず、輸入物は単なる白アスパラガスということです。このシュパーゲルの皿にはジャガイモと鶏のシュニッツェルまでついています。saraは大満足です。
(注:バイエリッシャー・ドニスルは2015年末までリノーベーションのため、閉鎖中とのことです。250年の歴史あるレストランの再開が待たれますね。)

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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食欲を満たした後は目を楽しませましょう。美術館に向かいます。


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この記事へのコメント

1, Njegusさん 2011/09/14 10:03
大変ご無沙汰いたしております。毎日、貴ブログ拝読しております。フランス、イタリア、オーストリア、バイエルンと大変長丁場のご旅行をされたのですね。Innsbruck近くのKristallweltenには私共も昔行ってまいりましたので懐しく拝見しました。ところで、本日の貴文中のミュンヘンのフラウエン教会ですが、カトリックの大司教座聖堂です(今のベネディクト16世教皇がここの大司教でしたので、彼の像が入口にあります)。
修正めいたことを申上げますことご容赦ください。

2, saraiさん 2011/09/14 11:34
Njegusさん、saraiです。こんにちは。

ご指摘ありがとうございます。なるべく、正確に書くようにしていましたが、これは調べもせずにさらっと書いてしまいました。
言い訳けですが、半月以上、家を空け、自分と配偶者の実家を駆け巡って、3000km以上走ってました。その間の記事はともすると、調査不足になってしまいました。自宅に戻ったのは一昨日深夜です。

ところで、ちょうど、この日の夜のガスタイクのティーレマンとミュンヘン・フィルのコンサートでNjegusさんと最後にお会いしたんですね。懐かしいです。

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ミュンヘンの文化を満喫:アルテ・ピナコテークのフェルメール展

2011年4月16日土曜日@ミュンヘン/3回目

ミュンヘンで朝ごはんの白ソーセージ+白ビール、ランチには予想外のシュパーゲルを食べることができ、食は満ち足りました。

これから、今日一番の目的の美術館に向かいます。9か月前にはノイエ・ピナコテークNeue Pinakothekに行ったので、今回はアルテ・ピナコテークAlte Pinakothekに行きましょう。これらの美術館は、広大な敷地内に隣り合って建っています。

マリエンプラッツMarienplatzからSバーンで1駅目のカールスプラッツMünchen Karlsplatzに行き、そこから27番のトラムに乗ると、すぐにピナコテーク停留所Pinakothekenに着きます。
緑の美しい広々とした公園をブラブラ歩いて、アルテ・ピナコテークを目指します。木々の若葉が本当に綺麗です。


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木々の先には、芝生の広場とその向こうに大きなアルテ・ピナコテークの建物が見えてきます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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木々を抜けると、正面に重厚なアルテ・ピナコテークの全容が見えます。マイヨール?のようなモダンな彫刻も芝生の中にありますね。


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美術館に近づいていくと、フェルメールの絵の描かれた大きな垂れ幕がかかっています。思いがけなく、フェルメールの絵の展示をやっているようですね。今回の旅では、ルーブルで見たフェルメールに続き2度目になります。


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美術館に入り、とりあえずチケットを購入。一人7ユーロです。


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まず、フェルメールの展示に向かいます。が、展示室と思われる方向に行くと、カフェしかありません。でも、カフェの中を進んで行く人もいるので、saraiもカフェのテーブルの間をウェーターとかを避けながら進むと、大きな扉にぶつかりました。恐る恐るその扉を開けると、フェルメールやクラナッハの展示会場です。右手のフェルメールの展示室の方に進むと、展示室の真ん中の正面に有名なフェルメールの「天秤を持つ女」があります。


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実に繊細なタッチの絵で、左の窓のカーテンの隙間から光が差し込んでいます。机の上の真珠などの宝飾品が光って見えるのは、フェルメール得意の手法ですね。恥ずかしながら、配偶者に指摘されるまで女の人が持つ天秤が見えていませんでした。それほど微細な表現で天秤は描かれています。これは素晴らしい名作ですね、すっかり魅了されました。アムステルダムの「牛乳を注ぐ女」、ドレスデンの「手紙を読む女」と同レベルの、フェルメールの傑作中の傑作だと思います。後で調べると、この絵はワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵のものです。昔は「金貨を秤る女」とも呼ばれていたそうですが、実際には秤の上には金貨は描かれていないので、現在の呼び名になったそうです。机の上には宝飾品が置かれ、これは虚飾を表していますが、単純に虚飾の愚かさを寓意化するのなら、当然、秤の上にも金貨をのせるのが分かりやすい表現です。フェルメールはあえて秤の上を空にすることで、単純な寓意画になることを避けていると思われます。彼の真の狙いは、風俗画を通しての美の追求にあったのだとsaraiは勝手に推測して疑いません。こういう名画を幸運にも、旅行先で見られるとは嬉しいことです。もっとも気前よくフェルメールの名作を貸し出してくれたワシントンのナショナル・ギャラリーには、この絵のほかにフェルメールの作品が何と3点もあるんですね。あるところにはあるもんだと感心します。

アルテ・ピナコテークの絵画鑑賞はまだ始まったばかりです。


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ミュンヘンの文化を満喫:アルテ・ピナコテークのクラナッハ展

2011年4月16日土曜日@ミュンヘン/4回目

久しぶりのアルテ・ピナコテークAlte Pinakothekの絵画鑑賞は続きます。

フェルメールの次は、大好きなクラナッハを見ましょう。
しかし、展示室の入口で待った!がかかります。クラナッハは常設展ではなく特別展なので、別のチケットが必要。入口の窓口でチケットを買ってきてねということです。そういうことなら、チケットを購入しに戻るしかないですね。でも、フェルメールは見ちゃったもんね・・・(やはりカフェからの入室はイレギュラーだったのかな)。
もちろんクラナッハも見たいので、窓口に戻りチケットを買ってきます。一人5ユーロの追加料金です。今回の特別展は(フェルメール展とクラナッハ展と所蔵品の特別展)アルテ・ピナコテークの175周年記念だったようです。


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クラナッハの展示室に入場。素晴らしい! こんなに大量のクラナッハの絵を見るのは初めてです。いろんな時代のクラナッハがあり、それぞれが実に素晴らしい絵です。微細にかつ色彩豊かに光沢のある絵が一番好みにあいます。とても素晴らしい絵が何点かあり、すっかり満足です。バイエルン各地の美術館から、クラナッハの絵を一堂に集めた特別展のようです。

saraiの思いの強い画家ルーカス・クラナッハに敬意を表して、多くの作品をご紹介しましょう。是非、みなさんもお付き合いください。クラナッハはドイツ・ルネッサンスを代表する画家です。生まれたのがクロナッハ(Kronach)だから、名前もクラナッハ。昔はこういう名前の付け方は一般的だったそうです。

まず、1枚目の絵はこれです。


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クラナッハと言えば、裸婦像が有名です。ヴィーナスやイヴを描いた作品が多数ありますが、この絵はミュンヘンの美術館にある「ルクレティア」(Lucretia)です。彼女は古代ローマ時代の美人で、辱めを受けて自ら命を絶ちます。ルクレティアは紀元前6世紀、タルクィニウス王がローマを支配していた時代の女性です。彼女の夫は戦争に出陣し、陣中の夕食のおりに妻の美しさと貞淑さを讃え、それに興味を抱いた王子セクトゥスがひそかに陣営を抜け出し、ルクレティアのもとを訪れ、彼女の美しさ故に凌辱します。彼女はそのため、夫と父に復讐を託し、自害します。そのため、ルクレティアは貞淑さの鑑とされており、シェークスピアの長詩「ルクレティアの凌辱」にもなっています。近年では、ブリテンのオペラ「ルクレティアの凌辱」もありますね。残念ながら、このオペラはsaraiもまだ見たことがありません。
なお、この事件が発端になって、ローマの王政が倒され、共和制に移行します。そして、強大なローマ帝国に発展していくわけです。1女性が世界の歴史を変えたともいえますね。
ただ、この絵はそういう女性の悲壮感よりも女性美を表現しているように感じます。自害する切迫感よりも妖しいエロティシズムを感じます。また、この絵は他の裸婦像と同様に体のバランスが少し妙です。この独特の表現が何か魅力的に感じ、妙に気に入っています。

次はミュンヘンの美術館にある「金の時代」(The Golden Age)です。


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多くの裸の男女が楽園で楽しむ姿です。
古代ギリシャの詩人ヘロドトスは天地創造に続く時代を金・銀・青銅・英雄・鉄に分けました。金の時代は天地創造後の最初の時代で、人間同士も自然にも調和し、無垢の状態。まさに旧約聖書のエデンの園ともイメージが重なります。クラナッハはそういうユートピアをこの絵で描き出しています。クラナッハは続く銀の時代も描いているそうで、労働苦と人々のいさかいがテーマだそうです。

ミュンヘンのドイツ博物館にある「真実の口」(la bocca della verita)です。


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ローマにあるライオンの口に手を入れる真実の口と同じですね。こういう風俗画っぽいのも面白いですね。

ミュンヘンの美術館にある「不釣り合いな恋人たち」(Unequal lovers)です。


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いやらしい顔の老人が妙齢の女性に体を寄せており、女性はどっこいその手が老人のカバンの中の財布を取り出そうとしています。後世のラ・トゥールの絵みたい・・・。こういう風俗画もなかなか上手いですね。
なお、この主題は15世紀から16世紀のドイツで大変人気があったそうです。この絵は老人と若い娘ですが、逆のパターンの老女と若い男というのもあったそうです。

ミュンヘンの美術館にある「ロットと2人の娘」(Lot and his Daughters)です。


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これも風俗画でしょうか。老人が娘達に妙にサービスされています。

バンベルクの美術館にある「クリスティナ・オイレナウの肖像」(Christina Eulenau)です。


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こういう女性の絵を描かせるとクラナッハの腕は冴えわたります。女性の個性が実に見事に表現されています。

ミュンヘンの美術館にある「マリアの頭部」(testa di maria)です。


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このマリアって誰でしょう? マグダラのマリアでしょうか。これも見事に女性の表情が描き込まれています。

あとは宗教画です。

ミュンヘンの美術館にある「紅海渡歩」(The Crossing of the Red Sea)です。旧約聖書の世界です。


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バンベルクの美術館にある「アブラハムの犠牲」(Das Opfer Abrahams)です。これも旧約聖書の世界です。


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Aschaffenburgの美術館にある「キリストと姦婦」(cristo e l'adultera)です。


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クロナッハの美術館にある「キリストと姦婦」(Christus und die Ehebrecherin)です。同じ題材の作品ですね。


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ミュンヘンの美術館にある「ゴルゴダの丘」(calvario)です。内容は説明不要ですね。


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次はミュンヘンの美術館にある「はりつけの前に跪くブランデンブルグのアルブレヒト枢機卿」((Kardinal Albrecht von Brandenburg vor dem Gekreuzigten kniend)です。


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特に心に感じた作品を選りすぐって、ご紹介しました。この特別展は「バイエルンのクラナッハ」と題されています。素晴らしい展示に出会えて、とても幸運です。

アルテ・ピナコテークの絵画鑑賞はさらに続きます。


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この記事へのコメント

1, ハミングバードさん 2014/07/17 12:47
Lot and two daughters の絵は恐らく旧約聖書の創世記19章のロトと二人の娘を描いていると思います。後ろに黄色もしくはオレンジ色描かれているのは神様によって滅ぼされた(焼き尽くされた)ソドムの町です。娘たちは子孫を残すために父親に酒を飲ませ意識を失わせます。そのシーンだと思います。
もうすでに調べられてご存知でしたらごめんなさい。

ドイツ鉄道の旅を計画しており、古いブログにも目を通しています。ローテンブルくはお気に召さなかったようですね。

2, saraiさん 2014/07/17 22:07
ハミングバードさん、こんばんは。

クラナッハの作品の解説、ありがとうございます。詳細な物語の内容は把握できていませんでした。ご教示いただき、感謝します。

ドイツ鉄道の旅とは楽しそうですね。いっぱい、楽しんでください。ローテンブルクは悪くありませんが、ニュルンブルク、ヴュルツブルクの街のほうが印象深かったですね。ただ、城壁の上の散策は楽しめましたよ。

テーマ : ヨーロッパ
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ミュンヘンの文化を満喫:アルテ・ピナコテークの名作・・デューラー他

2011年4月16日土曜日@ミュンヘン/5回目

アルテ・ピナコテークの絵画鑑賞は続きます。

フェルメール展、クラナッハ展のほかに特別展(アルテ・ピナコテーク所蔵品展示)でヤン・ファン・エイクなどのフランドル絵画の展示もあり、凄まじい絵の量に圧倒される思いでした。アルテ・ピナコテークの特別展示恐るべしです。特別展示の最後を締めくくる作品として、ヤン・ファン・エイクの素晴らしいキリスト像をご紹介しましょう。この作品は模写のようですが、決してそれが芸術的価値を減じるものではありません。


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さて、2階に上がって常設展を見ます。何といってもここではデューラーの作品を見ておきましょう。明日行くニュルンベルグはデューラーの街ですから、ニュルンベルグ初訪問を記念して見ておきましょう。ということで、デューラーを探しながら歩きますが、ある作品に目が留まり配偶者と顔を見合わせます。それはヒエロニムス・ボス以外の何者でもありません。配偶者は特に彼の崇拝者なんです。
『使徒ヤコブ・聖パヴォ(断片)』です。題材は最後の審判です。彼の得意なテーマですね。


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何と表現しようもない彼独特の異様なイメージを描いた作品です。ヒエロニムス・ボスの聖地と呼ばれるマドリードのプラド美術館詣でにも、いつかは行かないとね。

さて、肝心のデューラーですが、見たかった自画像がありました。もちろん、誰も見ている人はいません。海外の美術館はこういう名作を独り占めにできるのが贅沢です。


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彼の自画像はまるでキリストのように自分を表現し、芸術家としての矜持が見て取れます。決して自己満足やうぬぼれになっていないところが芸術家としての懐の深さです。画中のラテン語の文章は「自らを変わることなき色にて描けり」。この28歳の自画像を描いた後、2度と油彩で自画像を描かなかったそうです。

その向かいの壁には代表作の「4人の使徒」。まったくゆるぎのない表現で文句の付けようのない傑作です。


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この作品は、自画像が若い頃の作品であったのに対して、彼の最晩年の作品です。時は宗教改革の真っ只中。巨匠デューラーは多くのカトリック系の権力者をパトロンとしながら、この作品で公然とプロテスタントへの支持を表明しました。
この作品に描かれた4人は、左から若い姿の聖ヨハネ、天国の鍵を持つ聖ペテロ、福音書を書いた聖マルコ、憂鬱質の聖パウロです。ヨハネの赤いマントは多血質を表し、パウロの重厚なマントは憂鬱質を表しています。画面の左右をこのマントで挟み込んだ構図が素晴らしいですね。

ほかにはダ・ヴィンチ、ラファエロ、ボッティチェリ、フィリッポ・リッピなど名作の数々があり、見て回るのが大変です。こういう美術館は、やはり1日に一つしか見ることができませんね。体力も集中力も必要です。頭の中がすっかり美に埋め尽くされます。
その中から、珠玉の作品群をご紹介しましょう。

ヤン・ファン・エイクの登場で形成されたブリュージュ派のウェイデンの「聖母を描く聖ルカ」です。


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同じく、ブリュージュ派のメムリンクの「聖母の七つの喜び」です。


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広大な画面に聖母の様々なエピソードが描き込まれています。キリストの生誕、東方三博士の礼拝、キリストの復活、受胎告知、マリアの死などです。こういう時間軸の異なるエピソードを一枚の絵に描き込むのは中世からの手法です。

メムリンクの作品は豪華に3点、並べて展示されています。


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左から「アンナと聖母子」、「薔薇垣の聖母」、「聖ゲオルグ」です。メムリンクらしい名作です。

イタリア絵画も充実しています。
ラファエロの「カニジャーニの聖家族」です。


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フィレンツェのカニジャーノ家が注文したこの作品は、聖母子、聖ヨセフ、聖ヨハネ、ヨハネの母エリサベツが描かれています。3角形の安定した構図に描き出された聖母マリアの優しい美しさはラファエロならではのものですね。

次もラファエロの名作「テンピの聖母」です。


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アルテ・ピナコテークを創設したバイエルン国王ルードヴィッヒ1世が、20年以上も執心して手に入れたという逸話の残る作品です。ルードヴィッヒ1世はことのほかラファエロを敬愛しており、美術館の名前「ピナコテーク」を命名した日は、ラファエロの誕生日だったという気の入れようだったとのことです。さすがにこの作品は聖母マリアの情愛に満ちた名作ですね。

続く作品はレオナルド・ダ・ヴィンチの「カーネーションの聖母」です。


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この作品はレオナルドの初期の作品でフィレンツェで描かれたものです。背景には既に空気遠近法が用いられています。レオナルドとしては、まだぎこちなさが感じられます。
それにしても、今回の旅はフランスでのレオナルド・ダ・ヴィンチ巡りから始めた旅でした。その締めくくりが今回の作品。もう、旅の始まりから長い時間が過ぎ、やっと、ここまで行き着いたという感慨もあります。

続いて、フィリッポ・リッピの「受胎告知」です。


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リッピらしい繊細な表現がたまりませんね。

もう一つ、フィリッポ・リッピの「聖母子」です。


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ウフィツィ美術館の作品には及ばないものの、やはり聖母マリアの美しさは際立っています。

ボッティチェリもあります。「ピエタ」です。


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saraiの最も愛する「ヴィーナスの誕生」や「春」という傑作の誕生からずい分月日が経ち、メディチ家のロレンツォも亡くなり、時はサヴォナローラの時代。この暗い時代に感応してボッティチェリの作風も大きく変わります。人体の不自然なゆがみもありますが、実はこういうボッティチェリもsaraiは嫌いではありません。ある意味、時代を先取りして、ルネッサンスからマニエリスムを予感させると勝手な持論を展開しているんです。素人ですから、こんなこだわりも許してください。

ここで常設展も半分ほどご紹介しました。まだ、アルテ・ピナコテークの作品紹介は続きます。


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ミュンヘンの文化を満喫:アルテ・ピナコテークの貴婦人ポンパドゥール

2011年4月16日土曜日@ミュンヘン/6回目

ミュンヘンのアルテ・ピナコテークの常設展の作品紹介の続きです。

ヴェネチア派の巨匠ティツィアーノの「穢れの愛(虚栄心)」です。


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この寓意画は初期のティツィアーノの作品です。この絵は画家自身により、変更が加えられたそうです。最初は女性が持つ鏡には何も写っていませんでした。が、コインや宝石および老女が書き加えられ、さらに火の消えたろうそくが女性の手に置かれたそうです。これらの変更は、現実の世界の移ろい易さ(はかなさ)を強調するためだとされています。ただ、saraiとしては、そういう解釈はともかく、絵に描かれた美女の輝きこそ、例え一瞬の光であったとしても芸術の美そのものとして、礼賛したいと思います。

次もティツィアーノの「皇帝カール五世」です。


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晩年のティツィアーノの重要なパトロンであった神聖ローマ帝国皇帝の肖像です。さすがに絵の名手、素晴らしい出来ですね。

17世紀バロックの巨匠ルーベンスの「レウキッポスの娘たちの略奪」です。


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巨大な画面に神話の一場面がダイナミックに描かれています。凄惨な場面のようにも見えますが、左端にはキューピッドも描かれており、男女の結び付き、すなわち結婚を祝っているとも言われています。

次もルーベンスの「スイカズラの木陰のルーベンスとイサベラ・ブラント」です。


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これはルーベンス夫妻の肖像画ですが、ルーベンス嫌いのsaraiも脱帽の1枚です。ルーベンスは大作をルーベンス工房のたくさんの弟子を使って描かせることが多かったわけですが、自分の家庭に関係した絵はルーベンス自身で描いていたようです。この絵も彼自身の筆で描いたとsaraiは勝手に信じていますが、絵の上手さは尋常ではありませんね。とても上品で奥行きのある作品です。

アルテ・ピナコテークを代表する1枚、ブーシェの「ポンパドゥール夫人」です。


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前回この美術館を訪れた際、この絵を尋ね回った思い出があり、saraiの大好きな作品です。ポンパドゥール夫人はルイ15世の愛妾にして、当時を代表する才媛です。ロココの画家ブーシェは、彼女の美貌と英知を見事に作品として完成させています。衣装の描き方も見事ですね。ちなみにルーヴル美術館には、同じくロココ朝の画家のモーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールが描いたポンパドゥール夫人の肖像があります。

ブーシェの絵をもう1枚、「ソファでのヌード」(Reclining Girl)です。


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笑ってしまいますね。こういう姿の女性を描かせるとブーシェに比肩できる画家はいません。モデルは15歳の少女だとのことです。もっと成熟した女性のほうがブーシェらしさが出るかもしれません。

次はスペインの画家、ムリーリョの「ブドウとメロンを食べる子供たち」です。


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ムリーリョの描く聖母マリアも素晴らしいですが、彼の子供たちを描く絵も素晴らしいです。

最後はスペインの巨匠エル・グレコの「聖衣剥奪」です。


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エル・グレコはマニエリスムの最後を飾る画家です。この絵にもその特徴は遺憾なく表れています。人々は不自然に歪んでいますが、それが絵画のなかに動きを感じさせます。
この作品のオリジナルはトレド大聖堂にありますが、この絵はエル・グレコ自身が複写したものです。本当に素晴らしい作品です。
しかし、この絵がトレド大聖堂の依頼で描かれた折り、約束した報酬の3分の1しか支払われなかったそうです。その理由は、キリストの頭よりも高いところに民衆が描かれていることと、手前左に3人のマリア(左から小ヤコブの母、聖母、マグダラのマリアという説がある)が描かれていることにあるとのことです。今では、こんな名画に対して考えられないことですね。

常設展の階から、エントランスの階に下ります。


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美術館を出て、再びトラムの停留所ピナコテークPinakothekenです。


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トラムを乗り継ぎ、ホテルに戻ります。ルートを地図で確認しておきましょう。


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夜のコンサートに向けて、休養の仮眠をとります。
元気になったところで、6時にホテルを出ます。コンサートの開演は7時ですが、今日の会場であるミュンヘン・フィルの本拠地のガスタイク文化センターKulturzentrum Gasteigのコンサートホールは少し遠いんです。経路を検討した結果、トラムを乗り継いで行くことにしましたが、19番のトラムからの乗り換えで次に乗り継ぐ28番のトラムの停留所、マックス・ウェーバー・プラッツMax-Weber-Platzの場所が分からず、うろうろ。結局、その28番のトラムが通り過ぎるのを見て、停留所の場所がようやく分かります。少し時間をロスしましたが、十分早めにホテルを出たので7時の開演にはちゃんと間に合いました。(28番のトラムは2015年現在は16番に変更になったようです。)
ホテルからガスタイク文化センターのコンサートホールへのルートを地図で確認しておきましょう。


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ガスタイクGasteig Münchenのホールは広大でモダンなデザインです。


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今一番勢いのある指揮者のティーレマンが率いるミュンヘン・フィルの演奏は、この広大なホールをR・シュトラウスの響きで満たし、《英雄の生涯》を見事に演奏。saraiはまったくもって彼の魅力に取りつかれてしまいます。コンサートの詳細記事はここです。ところで、このガスタイクでも、ウィーンのフォルクスオーパーに引き続き、当ブログにコメントをお寄せいただいているNjegusさんにお会いし、歓談させていただきました。このように、ネットの世界とリアルな世界が繋がるのは嬉しいことです。

帰路はトラムで逆の経路ですが、夜はトラムは20分間隔になってしまって待ち時間が長く、随分の時間をかけてのホテルへの帰着です。

帰国の日もいよいよ迫ってきて、遂にフランクフルト空港からの出発まで72時間を切りました。WEBチェックインが可能です。早速JALのサイトにログインし、WEBチェックイン。同時に座席を変更し、最後部の窓際2人掛けのラブラブシートを確保。さて、WEBチェックインを完全なものにするためには、オンライン搭乗券をプリントアウトする必要があります。もちろんプリンターは持っていないので、WEB上に表示されたページを自分のPCに保存し、それをUSBメモリーにコピー。そのUSBメモリーを持って、ホテルのレセプションに行きます。レセプションには先客がおりレセプションのお兄さんと随分長話をしています。よく聞くと、これがフランス語。後でそのレセプションのお兄さんに聞くと、ドイツ語はもちろんですが英語やフランス語、イタリア語までしゃべれるそうです。日本語は?と聞くと、「こんにちは」とかちょっとだけだよって笑っています。彼はなかなか親切なので、USBメモリーからの印刷も頼みやすく気軽にやってくれます。これで2人分のWEBチェックイン済の搭乗券が2枚手に入りました。これで無事に日本に帰られそうですね。もちろん空港で手続きをしてもよいのですが、面倒ですからWEBチェックインが一番です。

という感じで、今後ともオペラ・コンサートでミュンヘンに出かけるときには、定宿にしたいと思うくらい、気に入ったホテルでした。ロケーション、プライス、スタッフの対応が素晴らしいと思いました。

今日は早めに寝て、明日からの観光モードに備えましょう。音楽は今夜のコンサートですべて終了です。今回の旅の音楽も素晴らしかったです。やはり、ヨーロッパは凄い。



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バイエルンの美しい村は青騎士の原点:コッヘルへ

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/1回目

旅の19日目です。

ミュンヘンMünchenは晴れてます!見事な青空です。

今日は、青騎士Blaue Reiterの画家たちの活動の原点になったオーバーバイエルン地方Oberbayernの南部の村々、コッヘルKochelとムルナウMurnauに出かけます。
その後はミュンヘンを後にしてニュルンベルクNürnbergに向かうので、荷物をミュンヘン中央駅München HBFのコインロッカーに預けることにします。

久しぶりに早起きして、朝ごはんは簡単に済ませチェックアウトします。駅までは19番のトラムで向かいます。コインロッカーはすぐに見つかります。結構空いています。使い方は日本と同じで、簡単です。
コッヘル行きの電車は、一番はずれのホームのさらに先の方から出ます。一番右端の26番ホームまで歩き、そのホームを奥のほうに進んでいくと27番ホームがあります。そこからまた、ホームが36番まで並んでいます。延々と歩いて行き、30番ホームに停車しているコッヘル行きの電車にようやくたどり着きます。周りの人たちはほとんどトレッキングスタイルです。気持ち良く晴れ渡った日曜日、どっとトレッキングにお出かけのようです。


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このコッヘル行きには1等車はついていないので、2階建ての2等車の上の階の席を確保。そうそう、今日はユーレイルパスの最後の1日分を使います。だから1等車に乗ることができるのですが、なければ2等車に乗るしかありませんね。郊外電車Sバーン(S6)の電車なので、1等車があるわけありません。2階席からの車窓を楽しみながら行きましょう。9時32分、定刻の発車です。

ミュンヘンの街中を過ぎると、小さな小屋の建った貸農園が続きます。郊外に出ると、美しい庭のある立派な家並みが続きます。
すると、大きな湖が現れます。シュタルンベルク湖Starnberger Seeです。とっても大きな美しい湖です。ここでルートヴィッヒ2世は謎の死をとげました。亡くなった場所は個人の所有地なので行けません。思いがけず、彼が最期の時を迎えた湖まで見てしまいましたね。これで、ほんとうにルードヴィッヒを巡る旅は完結かもしれません。ほぼ10年かかりました。

湖の畔を過ぎると、また延々と緑の草原が続きます。黄色いタンポポが咲き誇り、黄緑色に見えます。真っ青な青空と草原の先は森が広がっています。
さて、コッヘルへの乗換駅、トゥッツィングTutzingが近づいてきます。乗り換え時間は5分。3番線から1番線に移動し、さらに1番線の南端まで移動しなければいけません。ちょっと緊張しますが、何も問題はありませんでした。トレッキングスタイルの人が大勢降りて、移動開始。付いて行けばOKのようです。しかし、日本人の1.5倍はありそうなドイツ人がガッガッと歩むのにsarai達が付いていくには、チョコチョコ駆け足状態です。


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無事乗り換え完了。今度の電車はRB(リージョナルバーンRegionalbahn:ローカル普通電車)で、わずか12席のみですが1等席があるので、余裕で座れます。


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ますます、青空は眩しいほどに上天気。やがて、雪を頂いたアルプスが見えてきます。


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そう、またまたインスブルックの方に向かっているのです。
乗り換え後30分ほどで10時35分にコッヘル駅に到着です。

ミュンヘンからコッヘルまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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ホームに降り立った自転車持参のお二人の笑顔が素敵です。


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コッヘルでは青騎士の主要メンバーのフランツ・マルクの美術館を訪れます。
コッヘルの駅は小さな田舎駅です。


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この駅も全体を見ると鄙びてはいますが、それなりの規模ではありますね。


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コッヘルは本当に小さな田舎の村で、ここでも大勢の人が電車から降りましたが、トレッキングが目的のようであっという間にどこかに散っていきます。

saraiたちは駅前でフランツ・マルク美術館Franz Marc Museumへの標識を見つけたので、それを頼りに歩きます。


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1キロ以上も歩くようですが、上天気で歩くのも楽しいです。ミニトレッキングを楽しみましょう。
大きな建物は駅前に少しあるだけです。バイエルンの田舎らしい可愛い建物です。


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駅前を通る自動車道路を右の方に少し進むと、村の住宅の中に続く道が左の方に分かれています。車でフランツ・マルク美術館に行くには自動車道路を進むわけですが、歩行者は村を抜けるほうが近道ですし、風情もありますね。


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道に沿っての家々は花々が美しく、それを見て歩くだけでも楽しいです。


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お年寄りが庭の椅子で寛ぎ、子供たちは庭でトランポリンを楽しんでいます。のどかな風景ですね。村の道は人影もなく、とても静かです。


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しっかりと美術館の標識があるので、それに従い村の中を進みます。


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村はずれの別れ道には、こんなしっかりした標識があります。もう、美術館も近いようです。


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駅からここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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まもなく、フランツ・マルク美術館です。


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バイエルンの美しい村は青騎士の原点:フランツ・マルク美術館

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/2回目

バイエルンの田舎町コッヘルKochelを散策しながら、フランツ・マルク美術館Franz Marc Museumに向かいます。

ようやく、美術館の入口です。


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入口といっても歩行者用の裏口で、ここから美術館の敷地が始まります。
美術館の裏山に入り、山の中の小道という感じの道を進みます。


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ようやく裏山を抜け、小さな橋の向こうに緑のスロープが見えてきます。あの丘の上に美術館があるようです。


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小高い丘の上に真っ白な瀟洒な建物が見えてきます。それが、フランツ・マルク美術館です。右側の建物は併設するレストランです。


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美術館の建つ丘の上からは、コッヘル湖Kochelseeとその向こうの山並みが綺麗です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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フランツ・マルク美術館のエントランスです。ドアが閉まっていると、何か入りづらいですね。なお、このフランツ・マルク美術館は月曜日はお休みで、開館時間は10時~18時です。


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このドアを開けて中に入ると、明るい空間でレセプションではお姉さんが待っています。まずはチケットを購入。1人7.5ユーロです。


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残念ながら、日本語のパンフレットはありません。英語版もないようです。せめてもとのことで、こんなカードをいただきました。


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荷物を預けて中に入ると、フランツ・マルクの世界が広がります。マルクは短い36年の人生で世を去りました。彼の初期の作品からいわゆる青騎士の作品までを、こんなにまとめて見るのは初めてです。マルクって本当に絵がうまいんですね。初期には印象派のような絵を描いていたようです。突然絵が変化しますが、そのマルクらしい絵を描いていたのは晩年の2、3年なんですね。色彩から激しい絵のような印象を持っていたのですが、よく見ると、なめらかな曲線を多用し画家の視点はとっても繊細で優しさを感じます。配偶者は、ますますマルクが好きになったようです。マルクに影響を与えたカンディンスキーの絵は数点しかなく、ミュンターの絵が多く展示されています。

マルクの展示作品の中から、特に気に入った作品を4点ご紹介しましょう。

「雪の中の干草の山」(Hocken im Schnee)です。


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干草というよりも、洋梨のようで美味しそうですね。

「跳びはねる馬」(Springendes Pferd)です。


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やはり、マルクと言えば馬の作品は見逃せません。

「赤い鹿」(Rote Rehe II)です。


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馬だけでなく、動物の作品もなかなかです。

「猫を抱く娘」(Maedchen mit Katze)です。


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すべてが丸みを帯びた曲線が何とも素晴しい。

絵もさることながら、この美術館はウィンドウピクチャー的に周りの景色が見られるようになっていて、それも素敵です。


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最後にミュージアムショップを見て、おしまい。大満足のマルク詣でです。お昼になったので、ランチをいただきます。


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バイエルンの美しい村は青騎士の原点:青騎士のレストラン

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/3回目

コッヘルKochelのフランツ・マルク美術館Franz Marc Museumに満足したところで、ちょうどお昼になったので、美術館の隣に併設したレストラン、ツム・ブラウエン・ライターZum Blauen Reiterでランチを頂くことにします。


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湖や山々が美しく眺められるテラス席をゲットします。


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このテラス席からは、美術館の丘の上から下る斜面が湖面につながる美しい眺めを見ることができます。


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お店の入り口のメニューにシュパーゲルの文字があるので、シュパーゲルが食べられるか聞いてみると、了解とのことなのでお願いします。ワインは、saraiお気に入りのフランケンをチョイスします。

まずは美味しいワインをいただきます。


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パンも籠で出てきますが、これは無料だったようです。


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料理が出てくるまでは下の風景を楽しみます。緑の斜面は人々の憩いの公園でもあるようです。


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運ばれてきた料理は、まずパルマの生ハムの前菜とじゃがいもです。


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そして、シュパーゲルの盛り合わせ。何とも美味しそうなシュパーゲルが6本です。


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周りの景色がさらに味を深めてくれ、実に美味しく頂きます。


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テラスにはテーブルが2つだけあり、隣のテーブルの先客がお帰りになったので、テラスの様子をご紹介しましょう。


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このレストランのシェフが来てくれたので、記念に撮影させてもらいます。もう一人はウェイター。と、いきなり「日本人ですか?」と聞いてきます。そうだよと答えると、「こいつは(ウェイター君のことです)あなたたちは韓国人に違いないって言ったけど、俺が当たりだった」と嬉しそうです。実は、朝この美術館に着いた折りに、美術館のエントランスの場所を尋ねた相手がこのシェフだったんです。その際、あとでレストランに食べに行くと約束していました。そのせいかどうか分かりませんが、テーブルに挨拶にきてくれました。気さくなシェフです。


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最後に、カプチーノで〆。二人で約45ユーロのランチです。こんな贅沢をしていてよいのでしょうか。


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さて、そろそろ、この居心地のよいレストランを出て、次の目的地ムルナウMurnauに向かいます。


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バイエルンの美しい村は青騎士の原点:美しい草原をムルナウへ

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/4回目

コッヘルKochelのフランツ・マルク美術館Franz Marc Museumでは、目と舌を楽しませてもらいました。

そろそろムルナウMurnauへのバスの出る時間です。電車でも行けますが、バスの方がショートカットできて早いのです。バスはコッヘル駅前から出ます。まだ時間的に余裕があるので、この美術館からコッヘル湖畔を散策しながら、コッヘル駅に戻りましょう。

美術館の建っている丘を下ったところから、ランチを摂ったレストランを眺めますが綺麗ですね。レストランの左手奥には美術館も見えています。


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もう少し丘の小道を下ると、美術館の看板が立っています。ここが美術館の本当の入口なんでしょう。


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コッヘル湖もよく見えます。アルプスの麓の美しい湖です。


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湖畔から離れ、コッヘル駅に向かう小道を歩きます。草原の花々がとても綺麗です。


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雑木林のまばらな木々を透かして、丘の上の美術館の建物も散見されます。もうここに来ることもないでしょう。豊かな美を楽しませてもらいました。


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小道を進みながら、まわりの美しい建物と景色を楽しませてもらいます。まるで別荘地ですね。


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やがてコッヘル駅前に着きます。

フランツ・マルク美術館からコッヘル駅までのルートを地図で確認しておきましょう。


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数人の客がバスを待っていますが、2時間半に1本程度のバスなので少々不安です。でも、出発時間の13時48分になると、きっちり時間通りにバスはきます。


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運転手にユーレイルパスは使えるかと聞くと、しっかり書類を調べてくれた上で駄目だよと答えてくれました。それでは仕方がないので、バスのチケットを買って乗車。2人で8.4ユーロですから、1人500円くらいです。

バスは近隣の村々で地元の人たちを乗り降りさせ、途中でトレッカーを拾いながら進みます。途中の風景の美しさは比類ないものです。


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バイエルン地方のアルプスの麓は緑のなだらかな丘が続き、これ以上美しい風景を見たことがありません。やはり、バスでの旅は風景を満喫するには最高です。途中の村の教会も花に囲まれ、とても美しいです。


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交通標識によると、この教会のある村がコッヘルとムルナウの中間あたりのようです。グロースヴァイルGroßweilの村のようです。


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この先の風景もまるで絵のように美しい限りです。うっとりと見ほれてしまいます。


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退屈する間もなく、バスは30分ほどでムルナウに到着です。予定ではムルナウの駅まで行くつもりでしたが、フランツ・マルク美術館のお姉さんが駅まで行かずに郵便局前で降りるといいわよと教えてくれたので、郵便局前で降ります。


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コッヘルからムルナウまでのバスのルートを地図で確認しておきましょう。


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結果的に、かなり歩く距離が短縮できたようです。お姉さんに感謝!
ここからはムルナウにある青騎士の記念碑的建物ミュンターハウスMünter-Hausに向かいます。



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バイエルンの美しい村は青騎士の原点:ムルナウのミュンターハウス

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/5回目

ムルナウMurnauは、コッヘルKochelに比べればずっと大きな街(村ですけど・・・)です。ここには、カンディンスキーのかってのパートナーで、彼の作品をナチスから守り抜いたミュンター女史の家(ミュンターハウスMünter-Haus)があるんです。この家ではカンディンスキーとミュンターが6年ほど夏を過ごし、有意義な時間を持ったようです。

この街もしっかり標識があるので、それに従って歩きます。


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快晴のお天気で、暑いほどです。ムルナウの街を見下ろせる小高い山の方に上っていきます。


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途中、線路の上を横切ります。


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そろそろかなと思う頃に、突然標識がなくなりウロウロ。ご近所の人と思われる数人に尋ねて、ようやくどの建物か分かりました。


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やっとのことで、ミュンターハウスの正面に立つことができます。


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バス停からミュンターハウスまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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小さな表札しか出てないんですよね。よく見れば、大勢の人が来ているのですが・・・。


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まずはチケットを購入。一人2ユーロです。チケットは絵はがきサイズでとても綺麗な印刷。ほかも見習ってほしいものですね。


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なお、ミュンターハウスは月曜日が休館で、開館時間は何と午後の2時から5時までの3時間だけです。行かれる方は要注意です。saraiはそのために先にコッヘルのフランツ・マルク美術館に行くことにしたんです。

ミュンターハウスは彼女の家がそのまま美術館になっていて、作品は彼女のものがほとんどです。でも、カンディンスキーの部屋があったり、彼が階段の手すりに絵を描いてたりしていて、生活の中に創作活動が感じられ面白く感じます。

入館すると、青騎士のポスター(版画)に迎えられます。


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この絵はカンディンスキーとミュンターのコペンハーゲンの思い出を描いたもののようですが、どちらが描いたのか判然としません。たぶんミュンターだと思うのですが、とても気に入った1枚です。


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階段を上がって、階上の部屋へ。明るい光に満ちた気持ちのよい部屋です。壁には、さりげなく彼らの絵が飾ってあります。


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この部屋は居間だったんでしょう。先程のコーナーの反対側にはテーブルとソファが置いてあり、彼らの親密な時間が感じられます。


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この部屋の窓からの眺めは最高です。


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家の周りはかわいい花畑で、ムルナウの街や山々が美しく眺められ、素敵な住まいです。
事実上、この地でインスピレーションを得たカンディンスキーが、それまでの作風からモダンで過激な作風に変貌を遂げ、青騎士の芸術運動が生まれました。この風光明媚な地から新しいものを作り上げるエネルギーを得たというのがなかなかぴんと来ませんが、それが芸術家というものかも知れません。この街をちょっと訪れただけで彼らの芸術活動を理解したという傲慢なことはとても言えません。ただ、同じ土地の空気を吸えただけでもよかったと思います。

少し、感傷的になりました。まだ、ミュンターハウスの見学は続きます。


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バイエルンの美しい村は青騎士の原点:ミュンターハウスからムルナウの街へ

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/6回目

ムルナウMurnauのミュンターハウスMünter-Hausの続きです。

この家の階段には装飾が施されています。カンディンスキーの手によるものとのことです。さすがにお洒落ですね。


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ミュンターの肖像画も飾ってあります。


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これはカンディンスキーの寝室でしょうか。ベッドの上にシルクハットが置いてありますね。


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家の外に出て、お庭を拝見しましょう。お庭はムルナウの街を借景にするようにデザインされているようです。


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庭は丘の斜面の上の方にも続いており、そこには四阿があります。きっと、そこで青騎士の構想を巡らせたりしていたんでしょう。


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この庭からのムルナウの街の眺めは本当に素晴しく、見飽きることがありません。カンディンスキーもきっとそうだったんでしょう。


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庭の端からミュンターハウスを眺めてみます。まさに彼らの夢のお城ですね。


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さて、そろそろ帰りましょう。ミュンターハウスから出たところで、もう一度この夢の家を眺めます。うーん、芸術的な美しさです。


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街に続く小道を下りて行きながら、後ろ髪を引かれるように何度も何度も振り返って、青騎士たちの夢の跡を見上げます。


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ムルナウ駅へは、ムルナウの街を抜けていきましょう。好天の日曜日の午後、村のメインストリート、ブルクグラーベンBurggrabenは歩行者天国になっているようです。


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通りには日曜市が並び、大勢の人で賑わっています。


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小編成のバンドもおり、もうお祭り状態です。


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街から駅はちょっと離れているのですが、駅に向かう人も多く迷わずに到着です。


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ミュンターハウスから駅までのルートを地図で確認しておきましょう。


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これからミュンヘンに戻ります。

ムルナウ駅からミュンヘンへ戻る時間は予定していたよりも約1時間早くなり、15時30分発の列車に乗れそうです。ムルナウで、ミュンターハウスの近くのバス停留所(郵便局前)で降りられたのが大きかったようです。電車の出発時間が近くなると、それなりに大勢の人達が集まってきます。


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この15時30分発のミュンヘン行きの列車にも1等車はあり、2階席での眺めは快適です。駅を出発すると、すぐにバイエルンの美しい草原が広がります。


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今朝コッヘルKochel行きの電車に乗り換えた駅トゥッツィングTutzingを通り過ぎ、その後は今朝ミュンヘンから来たのと同じ線路を引き返します。シュタルンベルク湖Starnberger Seeもまた通りますが、好天に誘われてどっと人が押し掛けたようで、まるで夏の海水浴場のような賑わいです。写真は美しい湖面とヨットだけですが・・・。


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定刻の16時27分にミュンヘン中央駅München HBFに到着です。

ムルナウからミュンヘンまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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駅でまずやることは・・・キャッシング!あまりの連日の贅沢三昧で現金の持ち合わせが寂しくなってしまったのです。ATMからは簡単にお金が出てきますね。帰国後の決算が恐ろしいですが、もうしばらくは考えないでおきましょう。ケセ・ラ・セラですっ。

懐具合があったかくなったところで次の目的地ニュルンベルクNürnbergに向かいます。


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中世の面影のニュルンベルク:美しい夕暮れ

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/7回目

ミュンヘン中央駅München HBFで預けておいた荷物をコインロッカーからとり出して、今度はニュルンベルクNürnbergに向かう列車に乗ります。ムルナウMurnauからの電車がミュンヘン中央駅に到着した後、たった20分での早業乗り換えです。だんだん列車の旅にも慣れてきましたね。

今度の列車は16時50分発のケルンKöln行のICEです。2編成のICEを連結するらしいので、あわてて様子を見に行きます。
大変珍しい作業を、間近に見ることができます。

まず、連結直前の様子です。


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そして、ガチャーン!連結完了です。


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さあ、出発準備完了ですよ。

ICEですから、もちろん1等車が付いています。先頭車両に乗り込みます。1番前のシートに座ろうと思いますが、何と女性の先客が占領しており残念です。少し後ろのシートに落ち着きます。


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ご覧のとおり、この車両はほとんどからっぽです。ミュンヘンが始発ですからね。それなのに1番前のシートだけ空いていないとは・・・ブチブチ。


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仕方がないので、ニュルンベルグまでは短時間ですが、PCを開いてブログの記事をまとめておきましょう。もちろん電源コンセントは完備しています。


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ICEは北に向かいます。この辺りの郊外の家の屋根にはソーラーパネルが目立ちます。ミュンヘン郊外はバイエルンの緑の草原が綺麗です。


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郊外を過ぎると、緑の草原というより森の中を走ります。1時間少しで、17時58分にニュルンベルク中央駅Nürnberg HBFに到着です。

今回の欧州鉄道周遊の旅もだんだん終わりに近づいてきます。旅全体を俯瞰しつつ、ミュンヘンからニュルンベルクへの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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駅舎を出ると、いきなり城門(ケーニッヒ門Königstor)が見え、中世の雰囲気です。まずは、駅から10分ほどケーニッヒ通りKönigstraßeを歩いて、今夜のホテルにチェックイン。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ニュルンベルクのホテルは『ホテル・ドライ・ラーベン(Hotel Drei Raben)』。ここで一泊です。
真ん中の窓が横に4つ並んだ建物がそのホテルです。


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レストランの入り口にホテルのレセプションのカウンターがありちょっとびっくりです。
なかなか闊達な2人のお兄さんたちに出迎えられます。


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そのうちの一人が荷物を運んでくれます(ということはチップがいる・・・)。エレベータにsaraiと配偶者と大きい方のカバンを乗せて、行き先の階のボタンを押して彼はお見送り。そして、お兄さんはカバンを1つ持って、階段を駆け上がることになります。こんな場合、sarai達が部屋のある階に到着してエレベータの扉が開く時には、彼が涼しい顔で扉の前で待っているというのがお決まりごとのようなもんですが・・・ジャ~ン、ちゃんと彼は待っています。息も切らせてませんよっ。

さて、お部屋に案内され、またまたビックリ。今回の旅で、一番の立派な部屋です(まだ明日がありますけど)。


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まあ、このホテルは一応4つ星のデザインホテルですから、それもそうかもとも思いますが、嬉しいことです。お兄さんもちょっと自慢げにいろいろ説明してくれます。壁には、なんだか素敵な文字が書かれています。このホテルの謂れ(物語)だそうです。


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ベッドの上にはウエルカム・ボード。


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テーブルには、ウェルカムお菓子。椅子もデスクもなかなかいい感じですね。


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ただ、残念ながらバスタブはありませんが、水周りも清潔で素敵です。そうそう、水周りの床は、床暖です。


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インターネットはパスワードもなく、完全にフリーでWIFI接続できます。ほかのホテルもこんな風にインターネットアクセスできればいいですね。このホテルが最高のネット環境でした。

落ち着いたところでホテルを出て、街に出かけます。
またまた食い気で、この街の名物のニュルンベルクソーセージが狙いです。夕食がてら頂きに行きましょう。
ニュルンベルグソーセージの美味しいレストランを、先ほどのホテルのレセプションのお兄さんに教えてもらいます。街の真ん中を流れるペグニッツ川Pegnitzの眺めのよいハインリヒ・ガイスト・シュピタールRestaurant Heilig Geist Spitalを推薦されます。では、それを目標に出かけましょう。

ケーニッヒ通りをペグニッツ川の方に向かうと、堂々たる教会が見えてきます。聖ローレンツ教会St. Lorenz Kircheです。


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夕陽を浴びたその姿の美しいこと、驚嘆の声を上げてしまいます。


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さらに進むと、ペグニッツ川にかかるムゼウム橋Museumbrückeです。橋の上から眺めるペグニッツ川は夕陽で輝いています。橋から右側を見ると、川をまたいで中洲までに建てられているハインリヒ・ガイスト・シュピタールが見えます。これから向かうレストランです。


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このレストランは元は救済院の建物だったそうです。

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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夕食の前にもう少し、この美しい夕暮れのなかを散策しましょう。


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中世の面影のニュルンベルク:ハインリヒ・ガイスト・シュピタールのソーセージ

2011年4月17日日曜日@ミュンヘン~コッヘル/ムルナウ~ニュルンベルク/8回目

ニュルンベルグNürnbergの美しい夕暮れ時、少し散策しましょう。橋を渡って右に折れると、ハインリヒ・ガイスト・シュピタールHeilig Geist Spitalのある通り、シュピタール・ガッセSpitalgasseです。


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ハインリヒ・ガイスト・シュピタールの先には、ハンス・ザックス広場Hans-Sachs-Platzがあります。


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広場の中央にはハンス・ザックスHans Sachsの銅像があります。有名なワーグナーの楽劇《ニュルンベルグのマイスタージンガー》の主人公の靴屋の親方です。実在の人物で、靴屋であり、かつ詩人だったそうです。オペラファンには見逃せません。


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レストランの入口が分からず川の周りを一周してしまいましたが、結局は先程のシュピタール・ガッセの通りでよかったんです。


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このWEIN STUBENという金飾りのあるところが入口です。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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レストランに入り、窓に近い川の見えるテーブルを確保。飲み物はもちろん白ワインを注文しましょう。何と白ワインは、5ページほどにわたって、大好きなフランケンワインのリストが並んでいます。日頃、日本の自宅でも、たまたまフランケンワインに縁のある親戚の方のご好意で随分このワインは飲んでいるので、そんなに迷わずにワインを選択。リースリンクのトロッケンを頼みます。かなり大きめのグラスになみなみと注がれたワインの美味しいこと。saraiも配偶者も残さずぐいぐいです。


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窓に接した席には家族連れが座っていますが、失礼は承知の上で、窓越しに見えるペグニッツ川Pegnitzとムゼウム橋Museumbrückeをまだ明るい内に撮影。


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肝心のニュルンベルグソーセージは、6本セットに季節の旬のものとしてシュパーゲルとポテトが付いてきます。メニューに似たようなソーセージとシュパーゲルのセットメニューが2つあるので、それぞれ注文してみます。

2枚のプレートにそれぞれソーセージとシュパーゲルが盛り付けられています。


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これは1枚のプレートにソーセージもシュパーゲルも盛り付けられています。いずれも内容は変わらず、盛りつけの違いだけです。キョトン・・・。


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昨日から3回目のシュパーゲル、だんだん美味しいものが出てきます。ソーセージは日本で食べるソーセージと似た感じ。この店は焼きソーセージの専門店ではないので、明日また別の店で試してみましょう。

ところで、窓際にいる小さな子供を連れた父親と母親の家族ですが、何となくその幼児と目があってしまい愛想をしていると、父親が話しかけてきます。saraiが日本から来たと言うと、どこの街かと聞きます。横浜と答えると、自分も実は日本の会社で働いているので、横浜はよく知っているとのことです。名刺をもらったら、アメリカのシリコンヴァレーにある日本企業の支店で働いているようです。まあ、奇遇ですね。saraiは定年退職したので名刺はないというと、そんな風には見えないねと驚かれます。配偶者は帰り際に調子よく、母親のほうにまた日本で会いましょうと声を掛けて、バカ受けです。

美味しい食事と美味しいワインで気持ち良くなって、レストランを出ます。


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もう、あたりはとっぷりと暮れて、真っ暗。周りのお店の照明で明るい夜道を帰ります。途中で、ライトアップされた聖ローレンツ教会St. Lorenz Kircheを眺めるというおまけがついて、またルンルン。


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ホテル近くのお店のショーウィンドウをふと見ると、ビックリ。日本の抹茶の道具を販売しています。


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上機嫌で2人はホテルに戻ります。

明日は午前中このニュルンベルグの街を見物し、午後からはロマンチック街道の街ローテンブルクRothenburgをまわる予定です。



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レイフ・オヴェ・アンスネス・ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ 2011.9.22

実に久しぶりのコンサートです。ほぼ、2か月ぶりです。夏になると、クラシック音楽は夏枯れになるようで、クラシック音楽ファンにとって、夏は鬼門です。演奏家の方々は長い夏休みでもとっているんでしょうか。

ともあれ、生で聴く音楽は素晴らしい。ピアノの音が耳を通して、頭の中まで沁みとおりました。

今夜聴いたピアニストのアンスネスは生では初聴きです。CDでは、彼の弾くグリークは誰よりも素晴らしいですが、他のものはあまり聴いていません。今日のプログラムではそのグリークがないのが少し残念です。
今夜のプログラムは以下です。

 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53
 ブラームス:バラードOp.10全4曲

  《休憩》

 ショパン:バラード第3番変イ長調Op.47
      ワルツ第13番変ニ長調Op.70-3
      ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
      ワルツ第11番変ト長調Op.70-1
      夜想曲第17番ロ長調Op.60-1
      バラード第1番ト短調Op.23

まず、ベートーヴェンのワルトシュタインです。落ち着いた様子でステージに登場したアンスネスはピアノの前で短く息を整え、曲のイメージにはいっていきます。
ワルトシュタインの軽やかに疾駆する主題が響き豊かに演奏されます。まったく、自然な演奏です。衒いもなく、自然な流れですが、ベートーヴェンの本質はしっかり把握して、ゆるぎのない演奏です。あまりに自然で、欲を言えば、少し破綻も欲しくなりますが、それは望み過ぎでしょう。彼のタッチは硬質過ぎす、ちょうどよいという中庸な感じです。またまた、欲を言えば、タッチの強弱の幅をさらに広くして、弱音の表現を磨いてほしいなと、これも望み過ぎです。まあ、何の不満もない演奏で、久しぶりにいいピアノの演奏を聴いたというのが本音ではあります。
第2楽章にはいると、ベートーヴェンの後期のソナタにみられる精神性の高い世界が予感されるパートですが、彼の演奏はしっかりと弾けてはいますが、さらに精神の高みに達する演奏を今後期待したいという感じ。
そのまま、第3楽章になだれこみますが、これは素晴らしい。ダイナミックでありながら、はめを外さずという納得の演奏。

続いて、ブラームスのバラードです。
アンスネスのピアノの響きは暗めで沈んだ音色です。もちろん、タッチはクリアーでピュアーな音色ですが、その上で暗めの音色です。
そして、こういう響きがぴったりなのがブラームス。この日、最高の演奏でした。
まず、第1番から、劇的な迫力でありながら、暗く渋めで満足の演奏。
第2番は優しい響きが何とも言えず、よい。
第3番はもともと、とても好きな曲で、気持ちよく聴けました。
そして、第4番がとても素晴しい。シューマン風の旋律がロマンチックに響きます。ピアノの音色もこのあたりで最高に純度が高くなり、陶然とします。
こんな素晴しいブラームスは初めて聴きました。

休憩の後は、ショパンのリサイタルです。
彼の暗めの音色はショパンには合わないような気もしますが、なかなか聴かせてくれるのも事実です。それだけ、ショパンのピアノ曲は魅力に満ちているということでしょうか。
まずはバラードの3番ですが、これは当初のプログラムが変更になったもので、もともとはバラードの2番でした。saraiとしては当初の選曲のほうがよかったと感じています。休憩前がブラームスのシューマン風でロマンチックなバラード第4番だったので、曲想的に静かに叙情的に始まるバラード第2番のほうが構成として、よりよいと思うからです。ただ、一般受けするのは変更になった3番のほうでしょう。ショパンらしい魅力に満ちた演奏でした。
この後、ワルツを3曲。まあ、難しいことは言わずに単純に名曲の聴き慣れた響きに身を委ねましょう。いわゆるショパン弾きなら、もっと華やかに弾いたでしょうが、これもアンスネスの個性ですから、問題ありません。
ショパンの演奏では次の夜想曲17番が1番、アンスネスにぴったりで楽しめました。非常に瞑想的な演奏で暗めの響きが合っていました。よく、こんな選曲をできたものだと感心しました。
最後はバラード第1番。名曲中の名曲ですが、それを納得できる演奏で聴かせられたのはアンスネスの実力でしょう。この曲を聴いていると、ジョン・ノイマイヤー振付のバレエ《椿姫》の情熱的なシーンを思い出します。パリ・オペラ座の華、アニエス・ルテステュが狂おしくバラード第1番の旋律にのって踊っている姿が脳裏に浮かびます。それもあいまって、とても感動的に演奏を聴けました。

アンコールですが、まずはショパン。妥当なところです。

 ショパン:プレリュード第17番 変イ長調Op.28-17

ただ、先程の強烈なバラード第1番に比べると、盛り上がりがもうひとつ。
次は待ってました!グリーグです。それも名曲を2曲も・・・

 グリーグ:抒情小曲集 第5集 Op.54 II ノルウェー農民の行進曲
 グリーグ:抒情小曲集 第3集 Op.43 VI 春に寄す

これはもう素晴しい。多彩な響きでパーフェクトな演奏。まさに手の内にはいっているという演奏です。1昨日の王子ホールのリサイタルでは、プログラムに抒情小曲集がはいっていたそうですが、それは聴きものだったでしょうね。残念。

久々のコンサートはやはり、楽しかったです。禁断症状でした。また、来週もコンサート。音楽シーズンが到来しました。



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中世の面影のニュルンベルク:職人広場から聖ローレンツ教会へ

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルグ~ヴュルツブルク/1回目

旅の20日目です。

ニュルンベルクNürnbergの朝は気持ち良い青空です。

朝食は、ホテルのレセプションもあったレストランで頂きます。なかなかいい雰囲気でしょ。


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お姉さんがいろいろサービスをしてくれて、ちょっと手のかけたものが並んでいます。


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ゆで卵は、卵の形をした保温ケースに入ってます。飲み物コーナーには、シャンペンも置いてあります。さすがに、saraiは自重しますけど、やっぱり飲みたかったな。うーん・・・。

朝食を終えたところで、まず、ホテルをチェックアウト。ニュルンベルクの散策後、ローテンブルクに向かうんです。散策の間、荷物はレセプションで預かってもらいます。

朝のレセプションは、かわいいお姉さんです。


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昨夜は気付かなかったのですが、カウンター横にニュルンベルクの街を積み木で造ってあるのを発見!なかなか素敵ですね。さすがに職人の街、そして、おもちゃの街で知られるニュルンベルグの面目躍如です。


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このニュルンベルグのホテルは今回泊まったホテルの中でトータルに考えて、1,2を争う素晴らしいホテルでお勧めです。それでいて、プライスもリーズナブルなのはやはりニュルンベルグは地方の小都市ということでしょうか。もっとももう1ランク上の部屋の中にバスタブがあるタイプ(バスルームではなく、ベッドのある部屋の中にバスタブがどーんと置いてあります)があるようです。その部屋に泊まるとプライスも1.5倍です。そのタイプの部屋にもかなり心が動きましたが、やはりプライスパフォーマンスが一番ですから、踏みとどまりました。

さあ、ニュルンベルクの散策に出かけましょう。

まずは、昨日も通ったケーニッヒ通りKönigstraßeを、駅の方の城門ケーニヒス門Königstorに向かいます。というのは、このケーニヒス門の隣に職人広場Handwerkerhof Nürnbergがあるからです。ニュルンベルクと言えば職人の街ですから、これは見なくちゃいけないでしょう。
ホテルから3分ほどでケーニヒス門です。


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ケーニヒス門の前には、職人広場(Handwerkerhof)の看板が立っています。


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職人広場の入口は、堅牢な石造りのアーチになっています。このアーチを抜けると職人広場のようです。


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まず、このあたりはレストランの通りですね。まだ朝早いので閑散としています。


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ここにもイースター飾りがあります。


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このあたりの小道はケーニヒス門も背景となり、いかにもそれらしい雰囲気です。まさに職人を前面に打ち出したテーマパークですね。


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このお店は、この広場のテーマ通りの手工芸品のお店のようです。


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お店の前の鉄飾りは欠かせませんね。


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でも、結局はお土産屋さんばかりで、これという興味を引くものもないので早々に退散します。
ケーニッヒ通りを戻り、ホテルを横目に通り過ぎます。

ペグニッツ川Pegnitzの方に向かいます。もうすっかり見慣れた風景です。正面に聖ローレンツ教会St. Lorenz Kircheも見えてきます。


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昨日は夕陽に輝いていた聖ローレンツ教会も今朝は朝日の陰になり雰囲気が変わっています。1日の太陽の動きで刻々と印象を変えていくようです。モネだったら、これを題材に連作の絵にでもしそうですね。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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昨日は外から見ただけだった聖ローレンツ教会に入ってみましょう。


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中世の面影のニュルンベルク:聖ローレンツ教会、聖なる空間

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルグ~ヴュルツブルク/2回目

聖ローレンツ教会St. Lorenz Kircheに入ってみましょう。
いかにもドイツの教会らしい広大な空間が広がっています。


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ゴシック様式の広い内部空間です。正面の天蓋には色鮮やかな受胎告知のレリーフが吊り下げられています。珍しいですね。


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ゴシック建築の大きなステンドグラス、高いアーチ状の柱、高くて複雑な構造の天井、すべて素晴しい芸術です。


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天蓋の横の柱には、柱に沿って上に高く伸びる木彫の聖体安置搭があり、これも珍しいものです。初めて見るものです。


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正面には、十字架のキリスト像、敬虔な気持ちになります。


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ところどころにいかにもこの職人の街らしいものが配置されています。


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教会の入口の上には、お約束の薔薇窓とパイプオルガン。すべてが揃っています。それも高いレベルで実現されています。


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この教会は内も外も非常に素晴らしい教会です。

教会を出て、ケーニッヒ通りを進むとペグニッツ川Pegnitzです。この川にかかるムゼウム橋Museumbrückeから眺めると、昨夜美味しいニュルンベルグソーセージとフランケンワインを頂いたハインリヒ・ガイスト・シュピタールHeilig Geist Spitalが朝日を浴びています。橋を渡り、プローベンホーフ通りPlobenhofstraßeを進むと、ハウプトマルクトHauptmarktの広場に出ます。広場全体が大きな市場と化しています。種々雑多なものが売られています。


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広場の一角には有名な「美しの泉Schöner Brunnen」がある筈ですが、これは違いますね。「美しの泉」はあとで探しましょう。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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ニュルンベルク散策はまだまだ続きます。


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中世の面影のニュルンベルク:カイザーブルクからの素晴しい眺め

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルグ~ヴュルツブルク/3回目

ニュルンベルグ散策は続きます。

ハウプトマルクトHauptmarkt広場に面して、大きな教会があります。フラウエン教会Frauenkircheです。この教会の正面には仕掛け時計Männleinlaufenがありますが、ヨーロッパの仕掛け時計は卒業した(たいして面白くない)のでパスです。
でも、内部は見ておきましょう。
えっ、正面のステンドグラスの前に大きな垂れ幕が吊り下げられていて、子供が描いたような絵が何枚か飾ってあります。


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ちょうどイースターだからでしょうか。綺麗なステンドグラスが見通せないので、一番前に行ってその垂れ幕を避けて見ようとしますがうまくいきません。


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まあ、こんなところであきらめましょう。


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教会の外に出ます。
広場で「美しの泉Schöner Brunnen」をようやく発見。泉とはいっても、何十もの彫像が飾られた金色の塔なんですね。


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旧市庁舎Altes Rathausの前の大通り、ラートハウスプラッツRathausplatzに向かいます。


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これが通り過ぎた旧市庁舎です。


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その通りを挟んだところにある聖セーバルドゥス教会Sankt Sebaldus Kircheです。


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かなり急な坂道、ブルク通りBurgstraßeをふうふう言いながら上っていくと、カイザーブルクKaiserburg Nürnbergというお城の前に出ます。


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ここから城門に向かって、さらなる急坂を上ります。


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城門を抜けると、お城の広場に出ます。


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この広場にある小さなアーチ門を抜けます。


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すると、ニュルンベルグの市内を一望できる展望台に出ます。とてもよい眺めです。


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ちょっと身を乗り出すと、お城の真下から市街地までずっと見通せます。ニュルンベルクに行くことを決めたときから、この風景が一番見たかったんです。夢が叶いました。それに絶好の好天だし・・・。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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満足するまで眺めを楽しんでお城を出ます。


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中世の面影のニュルンベルク:デューラーハウスも見たし・・・

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルグ~ヴュルツブルク/4回目

カイザーブルクKaiserburgからのニュルンベルクNürnbergの街の眺めを楽しんだところで、ちょっとお城も見て回りましょう。

まずは青空に映えるぶっとい塔です。このジンヴェル塔Sinwellturmは無骨ですが、それがいかにもドイツ的に感じます。


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お城にある宮殿の方に向かいます。先程のジンヴェル塔から十分に離れたところでお城の前庭の全体を眺めます。


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宮殿の入口のところまでやってきました。ここから入館すると有料です。


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お城の内部の見学はパスして、この高台から坂道を下り、途中から右手の方に降りていきます。


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お城の下に下りると、青空にジンヴェル塔が聳えています。城壁からせりだした白い部屋はレストランです。


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デューラーハウス前のティアゲルトナー門広場Tiergärtnerplatzに出ました。広場はレストランやカフェで囲まれています。


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広場の奥にデューラーハウスAlbrecht-Dürer-Hausがあります。


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デューラーが亡くなるまで、最後の20年ほどを過ごした家です。これも外から見ただけで失礼します。デューラーの素晴らしい絵は既にミュンヘンMünchenのアルテ・ピナコテークAlte Pinakothekで見てきました。こういうところで生活しながら、絵を描いていたんだなと感慨も一入です。

ところで、このティアゲルトナー門広場には妙なものがあります。


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うさぎの彫像のようですね。それにしても妙なものですが、デューラーの描いた絵にこのようなものがあったような・・・。
気になって、別の角度からもじっくりと観察します。これが顔の正面です。


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後で調べたら、このうさぎは30年ほど前にドイツのアーティストが作ったものらしいです。
元になったデューラーの描いた野うさぎの水彩絵は、ウィーンのアルベルティーナ美術館にあります。見比べると、耳の立ち方とか少し違ってますね。


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デューラーハウスも見たし、これで見るべきものは見たという感じです。しかし、まだこの街を去るまでにもう少しだけ時間が残っています。ワーグナーの楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》ゆかりのものをもう少し見て歩きましょう。

ペグニッツ川Pegnitzの向こうに向かって、デューラーハウスの前の道をぶらぶらと歩き始めます。この通りはその名もアルブレヒト・デューラー通りAlbrecht-Dürer-Straßeです。


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すると、市庁舎前で見た聖セーバルドゥス教会Sankt Sebaldus Kircheの正面に出ます。さっき見たドームの部分はゴシック様式でしたが、正面はロマネスク様式ですね。


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ここも中に入りたいところですが、ぐっとこらえて素通りします。あまり時間がありませんからね。

今度はおもちゃ博物館Spielzeugmuseumがあります。


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外壁には、ブリューゲルの巨大な絵画が描かれています。何故ここにこの絵があるかといえば、この絵が「子供の遊び」だからでしょうか・・・おもちゃ繋がりですね。この絵には、90以上の昔の遊びが描かれているそうです。
おもちゃ博物館の正面入口に行くと、この日は休館日。月曜日は休館なので、注意しましょう。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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ニュルンベルク散策はまだまだ続きます。


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中世の面影のニュルンベルク:ペグニッツ川の中洲の木橋

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルグ~ヴュルツブルク/5回目

ワーグナーの楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》ゆかりのものを求めて、ニュルンベルクNürnbergの散策は続きます。

散策を続けるうちに、またハウプトマルクトHauptmarkt広場に戻ってきました。ところで、「美しの泉Schöner Brunnen」でやり残していたことを思い出します。
美しの泉を囲む鉄柵に金色の輪がはめこまれています。それを3回回しながら願い事を思うと叶えられるという、よくある伝説です。ご利益のほどは分かりませんが、折角ですからsaraiも配偶者もお願いごとをします。何を願ったかは夫婦同士でもヒミツです。誰かに話したら願い事は叶わなくなるそうですから。


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ハウプトマルクト広場は真昼になり、美しの泉もフラウエン教会Frauenkircheも光を後ろから浴びて黒々としています。広場が光に満ちているのと好対照です。


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広場のお店も賑わってきました。


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ペグニッツ川Pegnitzに出ます。川の中洲の方に向かいます。そこから対岸に渡りましょう。


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中洲とは反対の方向を見ると、フライシュ橋Fleischbrückeが見えます。写真では見えていませんが、その少し先にムゼウム橋Museumbrückeがあり、その向こうが昨日ニュルンベルグソーセージを食べたハインリヒ・ガイスト・シュピタールHeilig Geist Spitalです。


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中洲を渡る橋の上にやってきます。左手が中洲で右手が今までいた川岸です。


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中洲に渡り終えたところでフライシュ橋のほうを見ると、橋は木陰に隠れて見えませんが川面は輝いて美しいです。


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中洲をさらに進むと正面に、屋根も壁もある回廊のような橋が見えてきます。


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これは橋ではなく、ヘンカーハウスHenkerhausという川の上の家だそうです。ヘンカーハウスというのは、死刑執行人の家という意味です。昔、実際にフランツ・シュミットという有名な死刑執行人が住んでいたとのこと。死刑執行人は市民から恐れられ忌み嫌われたため、街の外である川の上に家があったそうです。ヘンカーハウスの上に見えている3角屋根の建物はワインハウスです。

ヘンカーハウスのあたりまで行くと、川の中洲を通って向こう側に行く橋があります。木の屋根付きの橋です。


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これってテレビ番組でよく見かける有名な橋ですね。これはヘンカーシュテークHenkerstegという橋です。ヘンカーシュテークというのは死刑執行人の小橋という意味です。ヘンカーハウスの住人が使っていたのでしょう。
謂われを聞くと気味が悪いですが、明るい陽光のもとで気持ちのよい橋です。早速、渡ってみましょう。


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そこからの川の流れも美しいです。


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向こうに見えているのはマックス橋Maxbrückeです。
木橋を渡り終え、その木橋ヘンカーシュテークを少し遠くから見るために川沿いに移動します。


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中洲の向こうのマックス橋まで移動し、その橋の上から見物します。ヘンカーシュテークがよく見えます。左端に中洲の突端も見えています。


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目を左に転じると、ヘンカーハウスです。中洲を経由して、ヘンカーハウスがヘンカーシュテークに直結しているのがよく分かります。


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ああ、これがテレビの番組でよく見ている風景です。おまけの散策なのですが、いいところを見せてもらいました。なかなか絵になる風景ですね。

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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やっと川を渡りましたが、まだまだニュルンベルグ散策は続きます。


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中世の面影のニュルンベルク:ブラートヴルスト・ホイスレでまたソーセージ

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルグ~ヴュルツブルク/6回目

ニュルンベルグNürnbergの散策は続きます。

ワーグナーのオペラゆかりのものは、川から少し歩いたルードヴィッヒ広場Ludwigsplatzにあります。その広場に立つ「白い塔Weisser Turm」の前にあるエーエカルッセルの泉Ehekarussellには銅像が建ち並び、その一番高いところにハンス・ザックスの像があります。


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そうです、昨日もハンス・ザックスの銅像は見ましたが、これは別物です。少し、おどけた感じです。
別の角度からも見てみましょう。


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ハンス・ザックスの像のまわりの様々な彫像(泉の銅像)も面白いですね。

ここからぶらぶら歩いていると、ヘフナー広場Hefnersplatzで今度はデューラーと思われる彫像も発見。


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ところが後で調べてみると、これはデューラーではなくピーター・ヘンライン(Peter Henlein、1479年または1480年- 1542年8月)であることが判明。ヘンラインは、ニュルンベルクの鍵屋で時計職人。携帯型計時装置の発明者であり、腕時計の発明者とされることもあるようです。また、彫像というより、泉(brunnnen)といったほうが正確です。ニュルンベルクには、こういう泉がたくさんあるようです。

もうニュルンベルク散策も充分でしょう、満足です。
お昼時なので昨日から狙っていたニュルンベルクソーセージの専門店に行きましょう。ニュルンベルクの目抜き通りと思われるカロリーネン通りKarolinenstraßeを進み、聖ローレンツ教会St. Lorenz Kircheに向かってぶらぶら歩きます。


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またペグニッツ川Pegnitzを渡り、フラウエン教会Frauenkircheや美しの泉Schöner Brunnenを過ぎて、旧市庁舎Altes Rathaus前にあるブラートヴルスト・ホイスレBratwursthäusleという街一番の焼きソーセージ専門店に入ります。もう、レストランは客でいっぱいです。


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なんとか眺めのよいテーブルを確保。美しの泉が見えています。この店のウェートレスのおばさんも可愛いエプロンドレス姿です。


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もちろん、ニュルンベルクソーセージを6本ずつザウアークラウト添えで注文。パンはすぐに出てきますが、これは迂闊には食べません。何個食べたか後でチェックされ、かじった個数分の料金がとられます。


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今日は自重して、お昼からワインを飲むのはやめます。今日の夜はいよいよフランケンワインの本場のヴュルツブルクWürzburgで美味しいワインを飲むんですから、お楽しみは夜までとっておきましょう。ミネラルウォーターをお願いします。グラスがコカコーラのグラスなのはご愛嬌。


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ニュルンベルクソーセージが運ばれてきます。


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さすがにパリッと焼けていてあっという間に美味しくいただきます。ザウアークラウトも酸っぱくて美味しく完食です。美味しいニュルンベルクソーセージを食べることができて満足です。

いよいよ荷物を受け取りにホテルに戻りますが、その前にホテルのすぐ近くに聖マルタ教会St. Martha Kircheがあるので少し覗いてみます。ここはワーグナーのオペラの登場人物のハンス・ザックス達のマイスター(色々な職業の職人の親方)が集まって歌の練習をしていたところです。どうやら、この奥の教会のようです。


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ドアは開いていますが、入口でおじさんが見張っています。


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もしかしたら有料かも知れないので、入口で中をさっと見て写真だけ撮って、早々に退散。目的は十分に達したので可としましょう。


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これで本当にニュルンベルクを堪能しました。ホテルで預けていた荷物を受取り、ニュルンベルク中央駅Nürnberg HBFまで荷物を引っ張り、石畳の道を歩きます。

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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ニュルンベルク中央駅から今度はローテンブルクRothenburg ob der Tauberに向かいます。


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中世の街ローテンブルク:ローテンブルク駅のコインロッカーって・・・

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルク~ヴュルツブルク/7回目

ニュルンベルク中央駅Nürnberg HBFはなかなか大きく立派ですね。

今日はバイエルンチケットを購入します。バイエルンチケットは実に便利なチケットで2等席なら、バイエルンの中を1日乗り放題。しかも1枚のバイエルンチケットで2人とも乗ることができます。今日はこの格安チケットでローテンブルクRothenburg ob der Tauberを経てヴュルツブルクWürzburgまで行きます。ローテンブルク、ヴュルツブルクと言えば、ドイツ・ロマンチック街道を代表する街ですね。


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これが購入したバイエルンチケット。29ユーロです。


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エレベーターは各ホームの一番端っこに設置されているので、少し歩かされますが、エレベーターがあるだけでも有り難いです。楽して22番線のホームに出られます。


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定刻に13時21分発のアンスバッハANSBACH行きの列車が入ってきます。ローテンブルクへは2回乗り換えして行くことになります。バイエルンチケットですから2等車にしか乗れませんが、そもそもローカル線なので1等車は付いていません。もうすっかり見慣れたバイエルンの景色の中を50分ほど走り、乗換駅アンスバッハに到着。


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乗り換え時間は7分。到着したホームの反対側に電車がいますが、saraiの情報では乗り換えホームは隣のホームのはずですからこの電車ではありません。急いで移動しなければいけません。もちろんエレベーターなどはありません。荷物をガッと持ち上げて階段を降りようとすると、なんと階段横に小さな荷物運搬用のベルトコンベアーが付いているではありませんか! これこれ、これですよ。どこでもこれを付けてくれるといいのにね。saraiはさっさと楽ちんで降りて行きます。配偶者もこのベルトコンベアーに荷物を乗せようとしていると若い駅員さんが通りかかり乗せてくれます。しかし、このベルトコンベアーが結構速いんです。配偶者がキャーと可愛い声を出すと、若い駅員さんが下まで運んでくれます。感謝です! ところが、悲しいことに隣のホームへ上がるベルトコンベアーは壊れています。結局ヒーヒー言いながら持って上がります。なんとか無事ホームに到着しホッとしていると、おばさんの駅員さんが、どこに行くの?と聞いてきます。次の乗換駅シュタイナッハSteinachを告げると、その電車はあれよ!と、さっき着いたホームの反対側に停まっていた電車を指さします。エェェェ! 配偶者がsaraiに勘弁してよって言いますが、それはsaraiとて同じです。またまた、元のホームに移動します。いつ出発してしまうか分からない(こちらはベルもアナウンスもないですからね)ので、必死で荷物を持って階段を下りて上って、無事乗車します。まもなく列車は出発です。すぐに車掌さんが検札に来ます。お互い顔を見るなり、大爆笑です。その車掌さんは、さっき配偶者の荷物をベルトコンベアーで運んでくれた人です。


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20分ほどで次の乗り換えです。ここの乗り換え時間は4分。同じ失敗は許されません。いよいよ、乗換駅シュタイナッハに到着です。


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乗換駅シュタイナッハに着くと、同じ乗り換えの人がそれなりにいて心配するほどのことはありません。ここは、上りも下りもベルトコンベアーは動いていません・・・(あるのに!)。
この電車でようやくローテンブルクに向かえます。途中の沿線では、やたらソーラーパネルの家や倉庫?が目立ちます。日照時間が長いのでしょうか。


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結果的には無事に2回の乗り換えをこなし、トータル1時間半ほどでローテンブルクに到着です。

ニュルンベルクからローテンブルクまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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荷物をコインロッカーに預けて、街をうろつきましょう。
コインロッカーは降りた電車の目の前にあり、そこそこ空いています。狭いロッカーに何とか荷物を押し込もうとしていると、親切なおばさんからそのロッカーは使えないよというアドバイス。使えるのはここだよと指差しているのは最上段のロッカーです。そんなところにはとても荷物を持ち上げられないし、どうしてそこしか使えないのかがよく分かりません。怪訝な顔をしていると、おばさんは英語のしゃべれる人を連れてきて説明してくれます。それでも状況はよく分かりません。おばさんがいなくなったのを見計らって、隣のロッカーに移動して空いている所に荷物を押し込み、コインを入れてロックしようとしましたが、入れたコインがそのまま出てきてしまいます。ああ、こういうことだったのね。故障しているロッカーのことをおばさんは知っているのでしょう。ことここに至り、観念しておばさんが教えてくれた最上段のロッカーに、2人力を合わせて荷物を押し上げます。


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ところが、今度はコインを入れても、どう回してもキーが回らず、キーが抜けません。


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そこへ、またまたおばさん登場。おばさんが、がちゃがちゃとやった挙句にロッカーをど~んと叩くと、なんとコインが落ちる音が・・・。コインが投入口の中で詰まっていたんですね。そして、おばさんはおもむろに抜いたキーを渡してくれます。このおばさんのお蔭で、故障だらけのコインロッカーを何とか利用することができたんです。でも、このおばさんは一体何者なんでしょう。

さあ、街に出かけましょう。ローテンブルクの旧市街地は駅から歩いて10分もかかりません。まず、駅前のバーンホフ通りBahnhofstraßeを左の方に進みます。


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その後、右折して、アンスバッハー通りAnsbacher Straßeをまっすぐに歩くと、えらく古びた小さな城門が見えてきます。


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これがレーダー門Rödertorです。


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なんと情けない門なのだろうと思っていると、それは外側の城門で内側には立派なレーダー門とそれに続く城壁があります。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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さあ、この城門をくぐって、ローテンブルクの旧市街地にはいりましょう。


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中世の街ローテンブルク:旧市街の街並み

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルク~ヴュルツブルク/8回目

いよいよ城門を通って、ローテンブルクRothenburgの旧市街地にはいります。
レーダー門Rödertorは車道とは別に両脇に歩道があります。右側の歩道のアーチをくぐります。


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すると、城壁を抜ける歩道のアーチが正面に見えます。


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城壁の前には緑地が広がり、街の人たちの憩いの公園になっているようです。


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城壁のアーチに近づきます。いよいよローテンブルクの旧市街にはいります。


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旧市街の街並みです。このレーダーガッセRödergasseの通りをまっすぐ進んでみましょう。


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通りの先にレーダーアーチRöderbogen/マルクス塔Markusturmが見えてきます。


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旧市街地の色とりどりの家々が印象的です。
レーダーアーチとマルクス塔の間近までやってきます。


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レーダーアーチを抜けて振り返りますが、表も裏もほとんど同じです。


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この先の通りはオープンテラスのカフェが並ぶ賑やかな通りです。これでこそ、ロマンチック街道を代表する観光地ですね。


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街の中心のマルクト広場Marktplatzに到着。正面にルネサンス様式の立派な市庁舎Rothenburg Rathausが目にはいります。


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これが広場の全景です。この広場を囲む建物もカラフルです。


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特に右側に並ぶ三角形の建物の色合いが鮮やかです。


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一番奥の正面の建物が市議宴会館Ratstrinkstubeです。この3階にある仕掛け時計も有名だそうですが、この手のものは苦手なのでパスします。大きな杯でワインを飲み干す「マイスタートゥルンクMeistertrunk」という人形が出てくるそうです。


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以上がマルクト広場の全貌です。

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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ところで、このマルクト広場に来る途中のマルクス搭やレーダーアーチがこの街の一番の売りだそうですが、今一つピンときません。昨日と今朝見て回ったニュルンベルクのほうが、規模も雰囲気もすべて立派に思えます。

それはそれとして、このマルクト広場はなかなか立派でようやくローテンブルクに来たという実感です。この広場をひとしきり眺めて、市議宴会館の1階にあるツーリスト・インフォメーションで市内マップをゲットです。さすがに日本人観光客に人気のある街だけあって、日本語版マップがあります。


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このマップも参考にここからローテンブルク散策を楽しみます。



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中世の街ローテンブルク:ブルク公園とタウバー渓谷の眺め

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルク~ヴュルツブルク/9回目

ローテンブルクRothenburgの散策を、再びマルクト広場Marktplatzから開始します。

この広場からヘレンガッセHerrngasseをまっすぐ進み、街の反対側の城門ブルク門Burgtorに到着。門というより、塔ですね。


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この門のアーチを抜けると、城壁の外に出られます。旧市街に入ってきたレーダー門のちょうど反対側の城壁です。


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そこは緑豊かなブルク公園Burggartenです。ここは昔の城跡だそうです。ここからは眺めがよく、湾曲した城壁に囲まれたローテンブルクの街とその街の築かれた丘のずっと下の方のタウバー渓谷Taubertalが見えます。ここで眺めを楽しみながら、ゆっくりしましょう。


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タウバー渓谷は緑に覆われ、民家が点在しており、大変魅力的です。谷まで下りていきたいところですが、ずい分下まで下りないといけないようなので、無理ですね。


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このブルク公園自体が美しい公園なので、これで十分でしょう。


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元気の出たところで、城壁の端の城門シュピタール門Spitalbasteiを目指して歩きます。城壁に沿ったブルクガッセBurggasseを歩き、タウバー渓谷の景観も楽しみます。


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素晴しい景観が続きます。


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やがて道は城壁沿いから離れ、街中に入っていきます。見えてきた建物は中世犯罪博物館Mittelalterliches Kriminal museumです。中世の拷問道具を展示しているそうですが、ウィーンでも見せられましたが好みではありません。素通りしましょう。


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シュミードガッセSchmiedgasseの通りにぶつかったところで右に曲がってシュピタール門のほうに向かいます。
途中のお菓子屋さんで、配偶者がここの名物のお菓子シュネーバルを購入し、食べながら歩きます。なかなか美味しいお菓子です。


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通りの正面にはジーバーの塔Siebersturmが見えてきます。このジーバーの塔は城門のひとつで1385年頃に建設されたとても古いものです。この先にシュピタール門があります。


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ジーバーの塔が近くなってきます。ここでシュミードガッセの通りは2つに分かれています。ここはプレーンラインPlönleinと呼ばれています。右はタウバー渓谷に向かうコロボルツェラー門Kobolzeller Torに続いています。分かれ道に小さな可愛い3角形の広場がありますが、これがプレーンライン(ラテン語で「小さな場所」)の名前の由来だそうです。
saraiは別れ道を左に進み、ジーバーの塔に向かいます。


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ジーバーの塔Siebersturmに到着。この塔の先は南の郊外に達します。


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塔の先に続くシュピタール通りSpitalgasseを進むとシュピタール門があります。シュピタール門Spitalbasteiは正確に言うと、2つの空濠と7つの門を持つ城塞です。本当はそこまで歩くつもりだったんですが、ここから城壁に上って、引き返すことにしました。何故かと言うと、まあ、疲れてはいましたし、そんなに時間もなかったんですが、実はsaraiがジーバーの塔のことをシュピタール門と誤認してしまったからなんです。反省!! そんなに城門がいくつもあるなんて、聞いていませんでしたから・・・。

ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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この後、城壁の上にあがろうとして苦労することになるんです。それもシュピタール門を誤認したせいかも・・・。


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上原彩子+東京都響@サントリーホール 2011.9.27

やはり、コンサートに通い続けると、こんな名曲・名演奏にぶつかることもあります。上原彩子の演奏するチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番です。あの有名な第1番ではありませんよ。このコンサートまで、この曲はまったく知らずにいました。こんなに長くクラシック音楽を聴いているのにです。
もちろん、第1番っていうのだから、第2番もあるんだろうとは思ったことがありますが、こんなに話題にならないのだから、よほど価値のないものだろうと想像していました。
とりあえず、コンサートに先立って、CDで予習ですが、あまりCDはないようです。ここは本場ものということでエミール・ギレリスの演奏するCDを入手。劇的過ぎるほど劇的な曲で第1番の協奏曲とはかなり趣が異なります。まあ、聴いていて退屈する曲ではないので、コンサートでもそれなりに楽しめそうだと結論付けたところで本番に臨みました。

今日は東京都交響楽団の定期演奏会。会場はサントリーホールです。
今夜のプログラムは以下です。

 プロコフィエフ:歌劇《戦争と平和》序曲 Op.91
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(原典版)

  《休憩》

 プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 Op.100

指揮はマーティン・ブラビンスです。

まず、プロコフィエフの歌劇《戦争と平和》序曲です。ほんの5分ほどの短い曲です。新古典というか、社会主義リアリズムというか、明快そうな曲ですが、演奏は妙に大げさでこのホールには珍しく強音の響きが崩れ、ある意味うるさく感じられます。この指揮者が大きな音をオーケストラに要求しているのかもしれません。あまり、楽しめませんでした。

次はお目当ての上原彩子です。
これは冒頭に書いた通り、まことに見事な演奏。キレがあるとともに、抒情性も兼ね備えた滅多に聴けないピアノ演奏です。
オーケストラもピアノをステージに備えるために、少し、ステージから下がったせいか、音量も適度です。というのもsaraiの定期会員席が2列目とかなりステージに近いせいもあります。
そうそう、上原彩子のコンサートでいつも気になるピアノですが、今日もスタインウェイです。特に今日の曲目のような大音量の曲の場合、パワーがあり、音の豊かなスタインウェイがいいですね。
第1楽章、まさにダイナミックな演奏。風格さえ感じさせるピアノ演奏。素晴らしいです。響きもたっぷり。ピアノソロの部分ははっとする美しさです。
第2楽章にはいると、その傾向が如実に表れます。まず、コンサートマスターの矢部達哉の素晴らしいヴァイオリンソロ。続いて、チェロの古川展生の気迫のこもったソロ。さすがにこの二人は違うなと思って聴いていたら、続いての上原彩子のソロの抒情的な演奏、まあ、うっとりとして聴くだけ。これは哀歌です。一体、何の哀歌でしょう。ここだけ聴いても今夜のコンサートを聴いた甲斐があったというものです。まるでジャズのジャムセッションみたいな構成です。
やがて、この3人が一緒に演奏する部分があります。まさにピアノ3重奏です。ベートーヴェンのトリプルコンチェルトよりも素晴らしい。
第3楽章では、ピアノの目くるめく華やかな演奏に耳を奪われっぱなし。ここでもソロの素晴らしいこと。
この日の演奏は原典版で45分という長大なものでしたが、その長さを感じさせない名演でした。これまでは短縮改訂版での演奏が多かったそうです。
今後、この曲もメジャーになるに違いありません。もっともピアニストの大変な力量が要求されるでしょうが。

話は脱線しますが、この日の上原彩子を見てびっくり。すっかりスリムになっていました。お子さんを産む前はこんなだったでしょうか。見栄えも音楽性も一段とレベルアップした上原彩子でした。来年初めのサントリーホールでのリサイタルが一層楽しみになりました。

休憩後のプロコフィエフの交響曲第5番ですが、東京都響らしく、緻密な弦楽合奏が素晴らしかったです。ただ、やはり、強音では響きが崩れたのが如何にも残念です。指揮のブラビンスは協奏曲のときのように少し肩の力が抜けるといい演奏になるのになあと感じてしまいました。でも、あくまでも素人の感想です。

来週からヨーロッパへ旅立つので、国内の演奏会は次は11月の庄司紗矢香のコンチェルトまでありません。その分、10月はヨーロッパ、特にウィーンで連日のオペラ・オペレッタ・バレエ・コンサートで音楽に耽溺します。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2011/09/28 12:37
こんにちは。

ピアノ協奏曲2番は生で聴いたことも有りますしCDも持っていますが、正直言って曲に感銘を受けたことはありません。
上原さんの演奏がよほど良かったのかもしれませんね。
今度CDを聴きなおしてみます。

秋のヨーロッパいいですね。存分に楽しまれてきてください。

2, saraiさん 2011/09/28 23:36
こんばんは。

上原彩子のピアノソロの部分に感銘したというのが正確なところです。流石のギレリスも大袈裟といえば、大袈裟な演奏。それに上原彩子は原典版の演奏なので、ピアノソロのパートが十分に聴けたかもしれません(短縮版との違いは知りませんが)。CDは是非、原典版のかつ、ピアノソロパートにご注目ください。特に第2楽章です。YOU-TUBEの上原彩子のメッセージでも第2楽章に言及しています。

ヨーロッパですが、ウィーン楽友協会でプレートル+ウィーン・フィルでブルックナーの第7番を聴くのが一番の楽しみです。現在、CDで聴き比べ中。結果はハルくんさんのページに報告します。現在6枚聴きました。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,  

中世の街ローテンブルク:城壁の上を散策

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルク~ヴュルツブルク/10回目

ジーバーの塔Siebersturmの辺りで城壁の上に上ろうとしますが、なかなか上り口が見つかりません。城壁の上を歩いている人の行く先を見定め、上がり口を推察します。その結果ようやく、ジーバーの塔からの城壁が左に続く辺りに城壁を抜ける切り通しを発見。


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その切り通しの先に、城壁の間の通路が続きます。


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その先でいったん城壁の外側に出ます。


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ここで抜けてきた切り通しを覗くと、城壁内から上ってきた坂道が見えています。


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城壁の外側に、遂に城壁の上に上る石段を発見。よかった!


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城壁の上に上ると、城壁の内側に木組みの板の通路が続いています。苦労して城壁に上ったので、街を高みから見ながら散策しましょう。


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城壁のところどころには壁眼があり、城壁外の草原が見えます。ここから攻めてくる敵の動静を探り、応戦したのでしょう。


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城壁の上からは旧市街の家並みが見渡せます。


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城壁の壁面には、この城壁の改修に寄付した人達の名前が刻まれています。このあたりの城壁は1945年3月31日の壊滅的な空襲で破壊されたそうです。再建には20年の年月を要したそうです。

寄付銘板に日本人の名前が多いことに驚きます。日本との結び付きが強いんですね。こういう日本の企業の名前もありました。


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城壁の上をレーダー門Rödertorの方に向かいます。相変わらず、家々の屋根の眺めも美しいです。


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もう、レーダー門も近くなりました。城壁はその先も延々と続きますが、この辺りで下に下りましょう。


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この石段を下ります。


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これが今下りてきた石段です。


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城壁から下りてきたところは、街に入ってきたレーダー門辺りです。
レーダー門からいったん城壁の外に出てみましょう。


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城壁の外は綺麗な緑の公園なので、その辺りで一服します。


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ここまでの散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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電車の時間まではもう少しあるので、再び城壁の中に入って、お店のショーウィンドウでも眺めてみましょう。
これはおもちゃ屋さんのショーウィンドウです。


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レーダーアーチRöderbogenの辺りまで行きましたが、お土産屋さん以外に面白そうなお店もないので、引き返すことに・・・。
途中で、saraiの大好きなアイスクリーム屋さんを発見。とっても美味しそうなので、配偶者に買ってもらい食べながら駅に向かいます。


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来た時の道をそのまま戻り、ローテンブルク・オプ・デア・タウバー駅Rothenburg ob der Tauber Hbfに到着。


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例のコインロッカーからは、何事もなかったようにさっと荷物を取り出すことができます。


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大きな荷物を持ってプラットホームに上りますが、この駅の荷物用のベルトコンベアは正常に稼働しており助かります。


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また、バイエルンチケットを利用して、ヴュルツブルクWürzburgに向かいましょう。


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ヴュルツブルクはフランケンワインの街:極上のフランケンワインで酩酊

2011年4月18日月曜日@ニュルンベルク~ローテンブルク~ヴュルツブルク/11回目

ローテンブルク・オプ・デア・タウバー駅Rothenburg ob der Tauber Hbfから18時6分発の電車に乗り、先ほどの乗換駅シュタイナッハSteinachに向かいます。


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そこでヴュルツブルクWürzburg行に乗り換えて、無事にヴュルツブルク中央駅Würzburg Hbfに19時15分に到着。

ローテンブルクからヴュルツブルクまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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駅前に出ると、そこからトラムが出ています。


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駅前の広場は広くて立派です。


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さて、まずはホテルに向かいましょう。でも、駅からのホテルへの行き方が分からないのでホテルに携帯で電話して聞くと、2番のトラムに乗り何とかという停留所で降りてねとのこと(停留所の名前が正確に聴き取れませんでした)。自動販売機で24時間チケットを購入し、とりあえず2番のトラムに乗ります。停留所の名前の響きを思い出しながら、何とかその停留所で降りようと聞き耳を立ててると、2番目の停留所ウルマー・ホーフUlmer Hofがそれらしいので、そこで降りようとすると、後ろに座っているおじいさんがどこのホテルだと聞いてきます。ホテルの名前を告げると、それは降りてから左側にあるよとのこと。みなさん親切ですね。すぐにホテルが見つかります。


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駅からホテルまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ヴュルツブルグのホテルは『ホテル・レジデンス(Hotel Residence)』。この旅最後に泊まる10番目のホテルで、ここで1泊です。

チェックインしようとすると、saraiの名前を告げるだけでレセプションのお姉さんがルームキーを渡してくれます。こんな簡単なチェックインは初めてです。えらく楽ですね。

saraiが、マイン川とお城が見える眺望のよいお部屋にして欲しいとお願いをしておいたのですが、ちゃんとその希望はかなえられ、部屋の窓からは素晴らしい眺めです。最上階の角部屋です。


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川の向こうの丘の上にマリエンベルク要塞Festung Marienbergが夕日に浮かび上がっています。


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最上階ということで、天井は傾斜しています。この屋根裏部屋のような感じは、結構好きなんです。部屋も広々していて、ベッドも大きいです。


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デスクスペースもゆったりです。


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おまけに、バスタブも巨大。どんなに大きなドイツ人だって入れる・・・というか、sarai達には大き過ぎ!


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それにバスルーム自体も広々としていて、運動会ができるほどです。


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インターネットは問題なく、WIFI接続できます。結局、今回の旅では10軒のホテル中、8軒がWIFI接続、残り2軒がケーブル接続、すべて無料でした。昨年に比べても随分便利になりましたね。もうすぐWIFI接続がすべて常識になりそうです。

今夜はこの旅最後の夜。ヴュルツブルクのフランケンワインが一番の楽しみです。 さあ、夕食に出かけましょう。

ホテルの部屋から今夜のレストラン・バッケーエフェレBacköfeleに予約を入れ、しばらくしてからレストランに向かいます。いったんマイン川の河畔に出て、マイン川の流れを楽しみます。既に辺りは薄暗くなっています。


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アルテマイン橋Alte Mainbrückeとその向こうの丘の上のマリエンベルク要塞が夕暮れの中で見えています。この街一番の景観です。


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アルテマイン橋の前で街の方に向かいます。左手に市庁舎Rathaus、正面奥に大聖堂Würzburger Domが見えています。


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市庁舎の前には「フィーアレーレンの泉」(Vierröhrenbrunnen)があリます。フランケン地方の象徴フランコニアの像を中心に、周囲に配置されているのは「賢明」「正義」「思慮」「勇気」の四つの美徳を表した像です。


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これが正面から見た市庁舎です。


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ここからレストランはすぐ近くですが、路地の奥にあったので少し迷ってしまいます。それでも動物的な勘で無事到着。これがレストラン・バッケーエフェレ(Backöfele)の外観です。あまり、レストランらしくありません。


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ホテルからレストランまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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中に入るとかなり薄暗い店内です。テーブルは結構うまっています。やはり事前の予約は必要なレストランです。


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もちろん極上のフランケンワイン(リースリンク)を飲みます。さすがに本場という素晴しく美味しい白ワインです。


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料理はフランケン料理です。

まず、フランケン風ワインスープです。


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配偶者はポテトスープ。


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メインは150gフィレステーキです。とても柔らかく美味しい肉です。


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配偶者はリンズルーラーデ(牛肉のロール巻き)です。


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美味しいフランケンワインとヨーロッパ最後の夜という感慨ですっかり酩酊して、ホテルに帰っても記事も書かずにバタンキューで朝までぐっすり。それでも気力を奮い絞り、ホテルの部屋の窓からライトアップされたマリエンベルク要塞の姿はカメラにおさめます。


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明日の朝は何とか記事を書きましょう。明日はヴュルツブルク見物ですが、夜にはフランクフルトから帰国の途に就きます。



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ヴュルツブルクはフランケンワインの街:本場のフランケンワインをゲット

2011年4月19日火曜日@ヴュルツブルク~フランクフルト/1回目

旅の21日目です。

今日でこの旅も終了。夕方にはフランクフルトFrankfurtに移動して、夜には日本に向けて飛び立ちます。最後の観光を楽しみましょう。

それにふさわしく、ヴュルツブルクWürzburgは見事な青空です。部屋の窓からはマリエンベルク要塞Festung Marienbergもその青空に映えて美しい眺めです。


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昨日からグングン気温が上がり、コートはカバンにしまいましたが、途中からセーターも脱いでいました。今日は半袖の上にジャケットで十分でしょう。

昨夜は美味しいフランケンワインを飲みながらの夕食にすっかりいい気分で、二人ともホテルに着くなりバタンキュウだったので、さすがに7時には気持ち良く起床です。お風呂に入りながら、旅便りを仕上げたり、帰国の荷物を作ったりして慌ただしい朝です。

朝食には、目玉焼きがあります。今回の旅で初めてです。また、ニュルンベルクソーセージもあります。最後まで食の楽しみが続きますね。


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生野菜もたっぷり美味しく頂きます。レストランは、なかなか面白い雰囲気です。


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朝食を終えました。ホテルを引き払います。

ヴュルツブルグのホテルも素晴らしいホテルで満足。パリではホテルに不満が残りましたが、あとは良くなる一方で、今回の旅もトータルにはホテルに恵まれました。スタッフの方々との思い出もいろいろと残りました。ホテルも旅の楽しみのひとつですね。例え、高級ホテルでなくても・・・。

チェックアウトして、荷物を預けて、ヴュルツブルク見物に出かけましょう。

まずは、フランケンワインショップに一目散です。何故ヴュルツブルクに来たかというと、もちろんフランケンワインの産地だからです。それ以外の理由は何もないと、saraiはキッパリと配偶者に言い切ったんです。強いて言えば、さらに世界遺産のレジデンツがあるからくらいですかね。

ホテルを出ると、街角には花屋さん。どうしても配偶者は気になるようです。


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昨夜レストランからの帰りに通ったマルクト広場Marktplatzに出ますが、今朝は印象がまるで違って見えます。漆黒の闇と青空の違いです。広場に面して建っているマリエンカペレMarienkapelle(聖母マリア礼拝堂)は朝の光を浴びてとても色鮮やかです。


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マルクト広場には、その名の通りお店がいっぱい並んでいます。


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店先を覗くと、この旅で舌を楽しませてくれたシュパーゲルが束にして売られています。まさに旬ですね。


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この広場から続く路地も人で賑わっています。


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大聖堂Würzburger Domの近くまでやってきます。


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ワインショップはこの大聖堂の裏手の方なので、大聖堂の横を抜けていきましょう。
そのワインショップ、ビュルガーシュピタールBürgerspital Weingutは日本までワインを託送してくれるとのことで、是非そのショップに行きたいところです。その店を探して右往左往。ありました、ありました。このショップはワインレストランBürgerspital Weinstubenに併設されており、まずそのレストランを発見。


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その大きな建物の端にワインショップの鉄飾りがあります。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ワインショップの前まで行くと、入口には日本語で日本に送ってくれると書いてあります。この歳で重いワインを手持ちで持って帰る体力も気力もありません。だからと言って、1本だけというのも残念。少々の宅配料なら、送ってもらいたいところです。


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店先には、あの独特の形のボトル(ボックスボイテル)がディスプレイされています。それもその筈、初めてフランケンワインがこの形のボトルに詰められたのは、このワインケラーのワインだったそうです。由緒ありますね!


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早速店内に入ると、大量のフランケンワインが綺麗に並べられています。


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ちらっと展示を見ながら、早速お店の方に託送について伺います。すると、6本で日本への託送料は48ユーロとのこと。いいでしょう。早速、リースリンクのワインの試飲をお願いします。4本ほどを試飲して、その中から3種類選びます。一番気に入ったものを4本購入。あとは1本ずつ購入です。


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1本当たり免税で1000円くらい。1本だけ高い2000円強のものを選択。これはかなり甘口です(配偶者用)。満足して店を出ます。

これでヴュルツブルクへ来た目的は、昨夜のレストランでの美味しかったフランケンワインと合わせて、このフランケンワインのゲットですべて完了したようなものです。とはいえ、この街は世界遺産の街。ちゃんと散策しましょう。


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ヴュルツブルクはフランケンワインの街:世界遺産レジデンツを見る

2011年4月19日火曜日@ヴュルツブルク~フランクフルト/2回目

フランケンワインの購入も終え、ヴュルツブルクWürzburgへ来た目的は果たせました。あとは余裕でヴュルツブルク散策です。

まずはレジデンツResidenzに行きましょう。このワインショップからはそう遠くありません。大きな通りテアター通りTheaterstraßeを進むと・・・えっ!と驚きます。


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これは本物の人間ではありませんでした。少し遠くからだと絶世の美女に見えるのですけどね。

まっすぐ通りを進むと壮大なレジデンツの建物に出ます。レジデンツは歴代の司教たち(ヴュルツブルクの領主)の宮殿で、ユネスコ世界遺産に指定されています。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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近くに寄ってみると、全体の建物が1枚の写真に収まらない程、巨大です。建物が意外に新しそうに思えるのは、第2次世界大戦で破壊された後に再建されたためでしょう。


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建物前の広場には、フランコニアの噴水Frankoniabrunnenがあります。フランコニアFrankoniaって、フランケン地方の守護神です。このレジデンツ広場Residenzplatzもユネスコ世界遺産に指定されています。


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建物の中央の引っ込んだ部分から内部にはいります。


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チケットを買って(クレジットカードの機械はあるのにキャッシュオンリーと言われました)、入場です。料金は一人7.5ユーロです。
最初に入った大きな部屋(庭園の間Gartensaal)では、アントニオ・ボッシの素晴らしい漆喰装飾にびっくり。すごく豪華で立派です。天井画も同様に素晴しいです。この天井画はヨハン・ツィックの作です。


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ここで天井画を眺めながらきょろきょろしていると、男性が寄ってきて話しかけてきました。日本人の青年です。「日本の方ですか? よろしければ、僕はドイツ語が話せるのでガイドの説明を通訳しましょうか?」とのことです。えっと驚きますが、その青年をしっかりと見直すととても真面目そうで、ドイツ人に負けないくらい背の高い若い子です。嬉しいお申し出なので、とりあえずお言葉に甘えちゃうことにします。あとで聞いてみたら、東京の高校2年生(某有名私立高校)で、自分のこれからの進路を模索するためにドイツに1年間の予定で留学しており、半年経ったところだそうです。ハンブルグから少し離れた地方の小さな街にホームステイしており、この日はホストファミリーと一緒にここに来ているそうです。ホストの方もとても厳格で真面目そうで、親切に案内・説明していただきます。このホストの方自身が建築の専門家(古い建物の修復も手がけているとのこと)なので、レジデンツのガイドの代わりに細かく説明していただきます。ただし、奥の方の部屋はガイド付きでないと入れない(ツアーでないけど一緒に入っちゃいました)とのことで、そこだけはガイドに付いて説明を聞きます。

レジデンツですが、一番重要な部分は中央にある部分で、そこは奇跡的に戦災にあわなかったそうでオリジナルの素晴らしいものが見られます。先程の庭園の間の隣はとても天井の高い玄関ホールで、そこから2階へ続く階段の間Treppenhausがレジデンツで最も有名なものです。この階段の間はドイツバロックの天才建築家バルタザール・ノイマンの傑作です。圧倒的な迫力と優美な美をあわせもっています。


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さらに、ここの天井に描かれたベネチア派の巨匠ティエポロのフレスコ画は世界で一番大きいフレスコ天井1枚画です。4辺にそれぞれヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジアという4大陸を描いています。いやはや、本当に大きい!


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アジアの端は中国、日本だということですが、残念ながら日本を思わせる部分は見いだせません。まあ、ティエポロは見てもいない世界を想像で描いているので仕方ありませんが、それで芸術性を損なっているわけではなく、素晴らしく見事な芸術作品に仕上がっています。

階段を上がった2階には、まず白の間Weißersaalがあります。天井と壁面は恐ろしく手間のかかったスタッコ(漆喰)飾りで覆い尽くされ、それは見事で感嘆します。ここを作り上げたのも1階の庭園の間を漆喰で飾ったアントニオ・ボッシですが、庭園の間以上に全面が漆喰の飾りで覆い尽くされ、とても素晴らしい作品です。ボッシは10カ月かけてこの部屋を完成し、その過酷な作業で精神錯乱に陥り、3年後に亡くなったということです。芸術の道は厳しいですね。

続く皇帝の間Kaisersaalは一番豪華な部屋でふんだんに黄金が使われ、ノイマン、ティエポロ、ボッシの3人トリオが力を合わせて作り上げたものです。


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この先がガイドの案内でないと通してもらえないところ。なかでも鏡の間Spiegelsaalは鏡がきらきらと輝き、美しい部屋です。


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ここは戦災で崩れ落ちたものを修復したそうです。鏡を始め家具調度は事前に地下に運び出していたそうで、それらはオリジナルとのことです。いずれにせよ、ドイツ人の文化財の修復にかける執念と粘り強さには感服するのみです。ミュンヘンもしかり、ニュルンベルグもしかり、以前訪れたドレスデンもしかりです。いずれベルリンも再訪して、どんなに変わったか、あるいは変わらないようにしたかをこの目で確かめたいと思います。

ここで日本人の高校生とそのホストのドイツ人に感謝の握手をしてお別れです。お蔭でレジデンツをよく理解して見てまわることができました。この旅でも色々な人達のお世話になりました。人との交流も旅の楽しみのひとつですね。

レジデンツには美しい庭園もあります。この宮廷庭園Hofgartenもユネスコ世界遺産に指定されているものです。庭園は眺めるだけに留めました。


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レジデンツを出て、最後にレジデンツ広場の端を下がれるだけ下がって、写真を撮ってみますが、残念ながら、建物の両端は切れてしまいます。


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これでレジデンツ見学も完了。ヴュルツブルク散策はまだ続きます。


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ヴュルツブルクはフランケンワインの街:マリエンベルク要塞へ上る

2011年4月19日火曜日@ヴュルツブルク~フランクフルト/3回目

ヴュルツブルクWürzburgの散策を続けましょう。

もうお昼になりました。が、夕方には駅から空港に移動するので、とりあえずはランチ抜きで頑張りましょう。まずは大聖堂Würzburger Domとその大聖堂に隣り合うノイミュンスター教会Neumünsterに向かいます。大聖堂は裏側から見る形になります。


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もう時間もないので、外側から建物だけを見せてもらうことにします。一応表にもまわって、大聖堂をちらりと見ます。


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マイン川Mainの向こうの丘の上にたつマリエンベルク要塞Festung Marienbergには、是非行かねばなりません。大聖堂からアルテ・マイン橋Alte Mainbrückeの方に急いで向かいます。前方に見えている塔は市庁舎Rathausです。


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アルテ・マイン橋を渡って20分ほど坂を上ればマリエンベルク要塞に着くとのことですが、もうその気力・体力がなく、楽をしてタクシーを使うことにします。アルテ・マイン橋の手前には客待ちのタクシーがいます。我々のような軟弱な客を待っているのでしょうか。運転手のおじさんにマリエンベルク要塞までいいかと聞くと、OKとのこと。アルテ・マイン橋は車の通れない橋なので、マイン川沿いにぐるっと迂回し北側のフリーデンス橋Friedensbrückeを渡って、丘の横の方から車は登ります。最後は丘の上のマリエンベルク要塞まで横付けです。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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マリエンベルク要塞に行ったのはその建物を見たいということもありますが、本当の目的は丘の上からヴュルツブルクの街とフランケンのワイン畑(どうしてもsaraiはブドウ畑をワイン畑と言いたいんです)を眺めることです。

まずは要塞のなかを見て回ります。ここは無料なので、いきなり要塞の中です。


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これはシェーレンベルク門Scherenbergtorです。石材の物凄い重量感があります。後ろに見えている塔は聖キリアンの塔Kiliansturmです。


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この門をくぐって、要塞内部にはいります。


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大きな塔があります。主塔(ベルクフリートBergfried)です。この要塞で最古の建築物です。この塔は何の役に立つのか分からない巨大な石造りの塔です。


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主塔の先には、聖母マリア礼拝堂Marienkircheです。


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礼拝堂の中は清らかな美しさです。


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床にはレリーフが彫ってあります。お墓でしょうか。


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この8角形の建物Brunnentempelは井戸を保護するものです。


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中には、こういう井戸Tiefer Brunnenがあります。


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104mの深さだそうです。丘の上まで水をくみ上げるためにすごく深い井戸だったそうです。


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これで要塞の中はおおよそ見て回りました。
要塞の建物の内部も見学できるようですが、それはパス。要塞といってもレジデンツができるまでは司教の住まいだったそうですから、宮殿みたいなものでしょう。

次は当初の目的の眺望を楽しみます。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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