今日のプログラムは以下です。シューベルトの後期のソナタ3つ、すべて大作です。
シューベルト:ピアノ・ソナタ ハ短調 D958
シューベルト:ピアノ・ソナタ イ長調 D959
《休憩》
シューベルト:ピアノ・ソナタ 変ロ長調 D960
昨年とは、最初の1音から違いました。クリアーというのではありませんが、深い響きです。思いっきり、強弱をつけて、音楽の表情を明確にした演奏です。シューベルトの音楽への愛情と理解がベースとなった演奏とも感じられます。
ハ短調のソナタは彼女のCDでは今一つに思えましたが、今日の演奏は素晴らしい演奏です。
しかし、さらに素晴らしかったのは次の2曲。パーフェクトな演奏です。シューベルトの憧憬に満ちた音楽を余すところなく表現していました。一体、何に対する憧憬でしょう。色々な心の動きが深い響きで演奏されます。
特にどちらの2曲も第2楽章のゆっくりしたメロディーの美しさはうっとりと聴くのみです。このしみじみとした音楽は後期のシューベルトを聴く喜びですが、それを内田光子は最高の演奏で聴衆に与えてくれました。
長大なソナタ3曲、彼女は最後まで丁寧に、そして真摯に演奏しきってくれました。大変な体力と精神的集中力を要するリサイタルですが、完璧な演奏でした。
昨年のsaraiの不完全燃焼を完全に払拭してもらいました。
実に長大なソナタなので、細かく感想を書くことができず、申し訳ありません。素晴らしいシューベルトだったということだけを述べるに留めさせていただきます。
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この記事へのコメント
この春、同じプログラムで内田さんの演奏を聴きました。(オランダです)
シューベルトへの愛情は並々ならぬ彼女ですから、精神統一してシューベルトの霊が憑依した
巫女さんのようで、聴衆を別世界に案内してくれました。
最後のソナタは、速めのテンポでしたが馬力で押していくのではなく、音の隅々まで光っていて、
凄まじい集中力に圧倒されました。
また最近シューベルト練習してます。ピアノ・ソナタは長大なので即興曲ですが。自分に一番
しっくりくる作曲家のような気がします。
2, saraiさん 2011/11/10 00:12
レイネさん、こんばんは。
シューベルトのピアノ曲いいですよね。即興曲といえば、記事にも書きましたがペライアの演奏素晴しかったです。最近はCDではアラウの最晩年の3つの小品D.946のあまりにも素晴しい演奏に感涙しました。レイネさんの演奏も一度聴いてみたいですね。youtubeにアップしませんか?
内田光子さんはCDのシューベルト集よりも、やはりおっしゃるとおり、ライブの集中力が凄かったですね。あの長大なソナタ3つ弾ききるだけでも大変なのにね。