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ミラノで芸術三昧:ドゥオーモからアンブロジアーナ美術館へ

2011年10月7日金曜日@ミラノ/5回目

さて、久しぶりにドゥオーモDuomoにも入ってみましょう。すっかり晴れ上がった青空に尖塔が美しいドゥオーモを見上げながら、内部に足を踏み入れます。さすがに世界でも名だたる教会です。


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内部空間の大きさ、内装の美しさは素晴らしいものです。
床の美しさもなかなかです。


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ステンドグラスも美しく輝いています。


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奥の方から歌声が響いてきました。近くに寄ってみると、素人の方たちの合唱団の歌声でした。こういうところで歌うのは気持ちがいいでしょうね。


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奥の方から入口の方の空間を見ると、石柱の素晴らしさ、天井のアーチの見事さに目を奪われます。


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ゆっくりとドゥオーモ内部を堪能はしましたが、ここは観光のメッカ。人の数も凄いもので、早々に退散。少し離れたところから見るドゥオーモの姿はとても美しいものでした。


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ドゥオーモ近くのメルカンティ広場Piazza dei Mercantiも見てみましょう。ここは中世の雰囲気の残る場所です。広場の中央には井戸。その横には長い柱廊が続いていいます。


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また、近くにはサン・サティロ教会Santa Maria Presso San Satiroもあります。ドームはブラマンテの作だそうです。


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折角ですから、教会の正面に回って内部も見てみようと思いましたが、残念ながら表の鉄柵が閉じられていました。


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ようやくアンブロジアーナ美術館Pinacoteca Ambrosianaに向かいます。美術館に付属の教会の前に出ました。


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教会の横に入口らしきものがありましたが、これは実は出口でした。


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なかなか入口が分からず建物を半周してしまいましたが、無事に正面の入口に出ました。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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やっと入館してカラヴァッジョの絵と対面します。




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ミラノで芸術三昧:アンブロジアーナ美術館で2枚目のカラヴァッジョ

2011年10月7日金曜日@ミラノ/6回目

アンブロジアーナ美術館Pinacoteca Ambrosianaに入館。まずはチケットを購入。


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ここで美術館のパンフレットをいただきます。


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パンフレットの写真の彫像は、多分この美術館を創設した17世紀のミラノ大司教フェデリコ・ポロメオでしょう。なお、この美術館の名前は街の守護聖人である聖アンブロシウスの名を冠して、この大司教が命名したものです。
また、今はレオナルド・ダ・ヴィンチ展もやっているようで特別展料金も上乗せでした。これがそのパンフレットです。


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今度は入口でカラヴァッジョの絵の場所とダ・ヴィンチの絵の場所を係の人から確認したので、余裕で美術鑑賞できます。1階は大変立派な図書室になっていて、美術展示スペースは2階と3階になっています。早速、2階に上ります。


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何故か、ミケランジェロのピエタ(バチカンにあります)のコピーと思われるものが置いてあります。


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ティチアーノ、ボッティチェリなどの名だたる絵を見ながら、カラヴァッジョに向かいます。カラヴァッジョの絵に到着。《果物籠》というカラヴァッジョ唯一の静物画です。


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本物を目の前に2人は口あんぐりです。凄すぎます。最近流行の超精密画なんて目じゃありません。もうリアルそのもの。何故、静物画がこの1点しかないか、分かりました。ここまで描ければ、もうこれ以上描く必要はありません。すぐ横で、拡大映像のビデオが流されていますが、ドアップで見ると凄い! 実物の葉っぱに付いている水滴はsaraiは何とか見えましたが、配偶者は見えなかったそうです。というくらいの精密さで、凄いとしか言えない作品です。

次はダ・ヴィンチの作品を見に行きますが、途中で中庭が見下ろせます。大変、趣のある庭です。


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中庭の向こうには、先ほど外から見えた付属教会のドーム部分も見えます。


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ダ・ヴィンチ特別展の展示室に到着。まずはダ・ヴィンチの《音楽家》という作品を見ます。あまりレオナルドらしくない作品ですが、緻密な描写は見てとれます。


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むしろ、一緒に展示されている《貴婦人の肖像》は明らかにレオナルドらしい作品です。


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ところが、この作品は昔はレオナルドの作とされていましたが、現在はレオナルドのミラノ時代の弟子アンブロージオ・デ・プレディスの作であるという説が有力だそうです。saraiの素人としての感覚では、レオナルドの真作としか感じられません。とても出来のよい作品で、レオナルドの作品としても完成度の高い作品と思います。今後のさらなる研究結果を待ちましょう。これで美術鑑賞は終了。この美術館は作品への照明が明るく、とてもよく見えるようにしてあります。また、回廊や中庭の緑も美しく素晴らしい美術館です。それに図書館の蔵書の多さも半端じゃありません。いろんなものに驚きながら美術館を出ます。

ミラノで予定していたカラヴァッジョの作品鑑賞は2作とも無事に見られて満足です。午前中はフルに美術鑑賞だったので、そろそろランチをいただきましょう。




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ミラノで芸術三昧:美味しいランチ、そしてスカラ座でオペラを堪能

2011年10月7日金曜日@ミラノ/7回目

お昼も過ぎたので、お手軽なピッツェリアでピザでも食べようとレ・ブリチョーレle Bricioleというお店に携帯で予約を入れ、レストランに向かいます。レストランは泊まっているホテルの近くです。ダンテ通りVia Danteをホテルの方向に向かいます。


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メトロの駅もあるカイローリ広場Largo Cairoliに着きました。ホテルの最寄駅でもあります。広場の向こうにはスフォルツァ城も見えています。


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この広場から、レストランの場所が分からず少し迷いましたが、ほどなく見つかりました。

アンブロジアーナ美術館からのルートを地図で確認しておきましょう。


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レストランの中に入るなり、ウェイターに先ほど予約の方ですねって言われてびっくり。訳の分からない英語で予約したので分かったんでしょう。すぐに席に案内されましたが、店内はお客さんでいっぱい。人気店のようです。


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予約をしていて良かった。我々の後から来た客は、ずいぶん待たされてました。


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メニューの説明を受け、ところでピザは?って聞くと、ここはリストランテなのでピザはありませんとのこと。観光案内書が古く、もうピッツェリアではなくなったようです。(店名は実際には、Ristorante le Bricioleでした。) まあ、いいでしょう。
海鮮パスタとミラノ風カツレツ、それにもちろん白ワインを注文。その白ワインの美味しいこと、微発泡性で素晴らしい味です。思わず、もう一杯追加してしまいました。


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カツレツも滅茶苦茶美味しいです。


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もちろん、パスタも美味。


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パンも美味しいです。


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イタリアは本当に食事が美味しいです。他の客はデザートもしっかり食べてましたが、我々はコーヒーのみで〆。


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美術館でカラヴァッジョの作品を見る目的も果たし、美味しいランチもいただき、満足したところでホテルに戻ると、既に2階の新しい部屋に荷物が運んでありました。この部屋では無線LANも問題なく接続できました。このホテルに泊まるときには、ちゃんと無線LANのつながる部屋とリクエストしておく必要がありますね。さて、オペラの開演時間までは仮眠です。ミラノ・スカラ座へは歩いて10分少しくらいですから、ゆっくりしていても大丈夫です。

休養を十分にとって、正装に着替え、ミラノ・スカラ座へ。ランチはたっぷり食べたので、夜はスカラ座に併設しているカフェで夕食代わりのお茶です。
紅茶とティラミスをいただきました。


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夕食もこれで十分な年齢になりました。

スカラ座に入ります。豪華なホールです。saraiはわくわくです。


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今日は平土間で聴きます。こんな感じで舞台が見えます。よい席なので楽しみです。


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さすが、スカラ座です。本日のオペラはR・シュトラウスの《薔薇の騎士》。素晴らしいオーケストラ、元帥夫人の優雅な歌唱、斬新でお洒落な演出・舞台装置とオペラを堪能しました。感想はここです。

終わってみれば、もう12時前。
でも、ホテルは近くて、ミラノ・スカラ座からの帰りも明るい大通りを歩いて帰れたので、治安上の問題もありません。
このホテルは無線LANを接続するには部屋を指定する必要がありますが、かなり部屋が狭いことを我慢すれば、街の中心にありとても便利なホテルでした。女性の一人旅にはお勧めしませんが、安価で便利なところをお探しの方にはお勧めです。

ホテルに戻って、早速ブログを書いていると配偶者はもうすやすやと眠りにはいっています。

明日は高速列車でローマに移動します。そして、夜はまたローマ歌劇場でオペラです。



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ミラノからローマへ:高速列車ユーロスターAVでGO!

2011年10月8日土曜日@ミラノ~ローマ/1回目

今日も青空です。

saraiは昨夜遅くまでブログを書いていたので朝寝坊。saraiをほったらかしてさっさと休んだ配偶者は早めに起床し、さっぱりとシャワー浴びて荷物の片付けをしていてくれました。今日はミラノMilanoからローマRomaへ鉄道で移動するんです。

簡単な食事を済ませて、地下鉄M1のカイローリ(CAIROLI)駅へ。スーツケースを引っ張って、カイローリ駅の改札を通ります。


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途中、ドゥオーモ駅Duomoで地下鉄M3に乗り換えてミラノ中央駅(CENTRALE F.S.)に到着です。ホテルからは30分足らずですから、便利ですね。

アレ~、ミラノの駅ってこんなに大きく立派で美しかったかしら。随分と綺麗になったような気がします。


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エスカレーターも完備。というより、旅の大きな荷物を持った観光客も多いのでしょうが、エスカレーターは坂道の動く歩道になっています。便利ですね。


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プラットホームに出ました。大変規模の大きなターミナル駅です。


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ホームはかなりの人でごったがえしています。週末の旅行に出かけるのでしょうか。

ローマに着くのは昼過ぎなので、昼食をゲットしましょう。お店には美味しそうなサンドイッチが並んでいますが、出来ることならピザが食べたいですね。お店を見渡すと、端の方でピザの準備をしています。石釜ではありませんが、大きな電気窯があります。焼き立てを売るようですね。


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お店を開ける準備を始めました。焼き上がりを待ちましょう。今日の開店1番の客です。アツアツのピザをお持ち帰り用に包んでもらいました。いまここで食べたい感じですけど・・・。

出発時間が迫ってきました。ホームには電車も入っています。イタリア国鉄ご自慢の高速列車ユーロスターAVです。


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乗る車両は、大きな荷物を持った人で乗り口が混み合っています。今日は贅沢にファーストクラスに乗ります。車両は美しいデザインです。さすがにデザインの国イタリアです。


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ようやく乗り込んで荷物を荷物置き場に片付けて予約した席に行くと・・・先客がいます。我々の席の筈の窓際にアメリカ人と思われる夫婦が座っています。そこは我々の席だと言っても、アメリカ人たちが窓際で、我々が通路側だと言い張ります。表示の絵を見ても我々の方が正しい。とあえず通路側に座り、saraiが車掌に確認しに行きます。確認の結果は、もちろん我々が窓際とのこと。それを伝えても、まだ主張し続けます。と、その辺りを陣取っていたツアーのツアコンが通りかかったので、判定を下してもらいました。もちろん、席の交代です。一騒動ありましたが、無事着席です。落ち着いて周りを見渡すと、観光客でほぼ満席状態です。ようやく騒動が終わったころ、列車は静かに走り始めました。
ローマまで3時間半の旅です。

すぐに、1等車ならではの特別サービスの飲み物のサービスが始まりました。アメリカ人がシャンパンを注文し、シャンパンは上手いぞ!というのでsaraiもシャンパン。配偶者は真っ赤なオレンジジュースを注文しました。


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4人で乾杯!仲良しになりました。


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列車は、刈り入れの済んだ広大な畑の中を走り、1時間ほどでボローニャBolognaに到着です。


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そろそろ、先程ゲットしたランチ用のピザをいただきましょう。テイクアウト用の箱を出します。


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これがピザ。もう冷えてはいましたが、美味しいピザでした。


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列車はローマを目指して、高速でひた走ります。



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レジス・パスキエ・ヴァイオリン・リサイタル@上大岡ひまわりの郷 2011.12.4

今日はいつもの上大岡ひまわりの郷コンサートシリーズです。定期会員みたいなっています。いつもかぶりつきの席で室内楽・ピアノを楽しんでいます。
今日の演奏とプログラムは以下です。

 ヴァイオリン:レジス・パスキエ
 ピアノ:金子陽子

 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第40番変ロ長調 K.454(当初発表のK.302から当日変更)
 シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調 Op.121

  《休憩》

 バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Sz.75
 ラヴェル:ツィガーヌ

  《アンコール》
   ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタから第2楽章(ブルース)

前半の演奏については語ることがありません。ただ、シューマンのソナタの第3楽章はとてもsaraiが好きなのですが、とても美しい演奏でした。前半が終わったところでこのまま終わったら、ブログに何も書けないと不満をぶつぶつと配偶者に語りかけていました。

後半のバルトーク。saraiのとても好きな曲です。弦楽四重奏曲同様、ベートーヴェン以降の西洋音楽史でバルトークの作品は20世紀の大きな頂きをなしていると考えています。
このソナタをまことに見事に演奏。ヴァイオリンがよく響き、バルトークの先鋭な曲想が熱く表現されます。なにより、演奏者の気迫がひしひしと伝わってくる素晴しい演奏です。saraiも思わず、体に力がはいってしまいます。
第1楽章は無調っぽい曲想が緊張感高く展開されます。ヴァイオリンの音色も美しく、それ故に無調性がさらに強調されます。間にはいるピアノの激しいパッセージも煽り立てるかのごとくで熱い音楽になります。
第2楽章は長いヴァイオリンのソロが続き、スローテンポながら、緊張感は持続します。
第3楽章はバルトークらしい民俗的なメロディーで親しみやすく感じます。この楽章は無調性よりもリズムの激しさで緊張感が高められます。
久しぶりに生でバルトークのソナタを聴きましたが、期待以上の驚くべきレベルの演奏で感動しました。ずい分前に諏訪内晶子の見事なバルトークを聴いて以来です。この素晴しいソナタはもっともっとリサイタルで取り上げてほしいものです。

ラヴェルのツィガーヌはパスキエのお得意の曲らしく、この曲だけは暗譜で演奏。バルトークの延長戦上に感じる見事な演奏でした。プログラム的にはアンコール的な意味合いの構成ですね。ですから、アンコールなしでも、もう十分に後半の2曲で満足でした。
それにこんな演奏の後にふにゃふにゃしたアンコール曲を弾かれると興ざめだと思っていたら、さすがにパスキエは理性的な音楽家でした。
ラヴェルのソナタを弾いてくれました。これもなかなかの演奏。ほとんど暗譜での演奏でした。あまり馴染みはない曲ですが、苦手なラヴェルも気持ちよく聴けました。パスキエはやはりフランスものはお得意のようです。
弾く曲によって、こんなに演奏家への感じ方が変わってしまうのも珍しい経験です。

最終的には、後半のプログラムだけで大満足のリサイタルでした。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

ミラノからローマへ:ローマ到着、早速ローマ歌劇場でオペラ

2011年10月8日土曜日@ミラノ~ローマ/2回目

ミラノMilanoから、高速列車ユーロスターAVでローマRomaに向けて移動中です。
ボローニャBolognaを出ると、次から次へと長いトンネルが続きます。これまた1時間ほどでフィレンツェFirenzeに到着。


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たくさんの観光客が降り、またまたたくさんの観光客が乗って出発です。
フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅Stazione di Santa Maria Novellaを出発すると、線路が大きく湾曲しているところがあり、乗っている列車の姿を見ることができました。


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フィレンツェからは、穏やかな丘が延々と続きます。羊が草を食んでいます。トスカーナの丘ですね。これまた、1時間ほどでローマRomaに到着。ここでも、どっと人が降ります。我々もここで列車を下ります。因縁のアメリカ人はナポリまで行くそうで、お別れです。


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久しぶりのローマは雑然とし、観光客でごった返しています。テルミニ駅Terminiで、まずはツーリストインフォメーションを訪れ、ローマパスを購入です。これで、バス・地下鉄と美術館(最初の2つだけは無料、後は割引料金)がフリーパスです。


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これが購入したローマパスホルダーで、パスや地図などのキットがセットされています。1人分25ユーロです。


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ローマのホテルは『ホテル ベルガモ(Hotel Bergamo)』。ここで3泊です。

ミラノからローマへ鉄道で到着すること地下鉄の便のよさを考えて、テルミニ駅に近く安価なこのホテルを選択しました。テルミニ駅は地下鉄のA線とB線が交差し、どちらにも乗れて便利ですし、駅前は大きなバスターミナルになっていてバス利用も便利です。次のナポリへも鉄道で移動するので、大きな荷物の運搬も楽です。また、オペラを見るローマ歌劇場も徒歩圏で夜遅くのホテルへの帰りが楽です。

テルミニ駅からホテルに向かいます。駅から歩いて数分のはずですが、これがなかなかみつかりません。ホテルの名前が書いてあるビルの回りをウロウロ・・・。その結果、このビルはいくつもの小さなホテルが共同で入っているビルだということが分りました。
このビルはフロアごとに別のホテルになっています。我々のホテルは3階のフロアです。エレベーターはビル全体で共同の1基のみですが、ちゃんとありました(ありがたい!)。移動スピードは超遅かったけど・・・まあ、あるだけよかったでしょう。
チェックインし、廊下の一番端の部屋が我々の部屋です。かわいいホテル・お部屋です。ま、こんなもんでしょう。ローマの真ん中でこの値段(2人で1泊86ユーロ)ですからね。

ここもミラノのホテル同様、ベッドと机だけで部屋はもういっぱいです。


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まあ、それでも机と椅子がちゃんとあるので、PCの操作には不自由なしです。


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水回りも普通です。もちろん、バスタブなんぞ望めません。シャワーのみです。


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無線LANは問題なく接続できました。もちろん、無料です。こういう1フロアのホテルは、無線LANの接続はかえって問題ありませんね。
ネット接続もできたので、安心です。

とりあえずホテルで一眠りして、オペラに備えます。

今夜は6時開演なので5時前にホテルを出ましたが、歩いてもさもない距離でローマ歌劇場に到着。


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内部に入ると、こんな感じの豪華な装飾です。


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今夜のオペラは素晴らしい出来で、感動ものでした。R・シュトラウスのオペラ《エレクトラ》についての詳細記事はここです。

オペラは8時過ぎに終わり、事前に予約していたレストランで今日も美味しいイタリアン頂きます。レストランはトラットリア・アンティーカ・ボエム(Trattoria Antica Boheme)で、ローマ歌劇場のすぐ近くで便利です。

saraiは美味しい白ワインでご満悦。


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事前に予約しておいて正解でした。美味しいレストランなので、お客さんでいっぱいです。


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料理はまず、パスタ入りスープ。


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これは、野菜スープ。


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メインはブカティーニのアマトリチャーナ。穴の開いた太いスパゲッティです。


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メインのもう1品はショートパスタ。


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最後にデザートはジェラート。


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saraiはワインをたらふく飲んでご機嫌で、早々に就寝。配偶者が代わりにPCに向かっていました。

明日はカラヴァッジョを見るために美術館をはしごします。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:皮切りはやっぱりボルゲーゼ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/1回目

今日は旅も4日目です。カラヴァッジョ巡礼もカラヴァッジョの聖地と言ってもいいローマで本格化します。

今朝はよいお天気です。急いで支度して、美術館巡りです。

まずは朝食を食べようとレストランの場所を聞くと、このホテルは朝食はついていないよって言われ、ショック!!
予約の際に朝食がついていなかったような気もしていました。予約の紙を調べたら、やっぱり、朝食なしになっていました。そもそも、このホテルにはレストラン自体なさそうです。食事なしで出発ですが、これはこれでいいかも。いつも朝食を食べ過ぎてしまいますからね。結局、3日間朝食抜きになりましたが、我々の年齢では何も問題ありませんでした。これからは朝食なしのホテルを利用することを考えてもいいかもしれませんね。

朝食はともかくとして、ホテルの近くは駅前なので、レストランはいっぱいありとても便利です。毎日、いろんなレストランで美味しい夕食をいただきました。

朝食の問題はありましたが、立地は最高に便利で、駅前の治安もよさそうなので、コストパフォーマンスは最高です。部屋が狭いのは我慢しましょう。このホテルは女性の一人旅以外だったら、お勧めのホテルです。

気持ちを取り直して、まず、スタートはテルミニ駅Termini前のバス停からです。そのバス停は、ホテルから歩いてほんの5分ほど。でも、駅前にはバス停がずらっと並んでいて、ボルゲーゼ美術館行きの910番のバス停を見つけるのがなかなかです。それでも何とか見つけ出し、バスを待ちます。ところがなかなかバスがやってきません。他の路線のバスはどんどん来ているんですけどね。


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今日は日曜日なので、バスの本数が少ないようです。しかも日本と違い、バスの時刻表は平日分のみで休日分は表示されていないので、いつ来るか皆目見当もつきません。美術館の予約の時間も迫り、だんだんと落ち着かなくなります。美術館の予約時間は9時ですが、30分前にはチケットを購入せよとのことで、もう8時20分を過ぎました。バスはローマパスを買ってあるので3日間乗り放題ですが、意を決してタクシーで行くことにします。タクシー乗り場に歩き出すと、それを見透かしたように910番のバスがやって来ました。これは乗らないわけにはいきませんね。ところが乗ったはいいのですが、なかなか出発しません。いらいらしているとやっと出発。まずはローマパスの使い始めなので、打刻を忘れずにしましょう。


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道は空いていて、すいすい進みます。スムーズに最寄りのバス停に着き、急いでボルゲーゼ公園Villa Borghese内の美術館に行きます。結局、8時40分ちょっと前に到着。

ホテルからボルゲーゼ美術館までのルートを地図で確認しておきましょう。


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ボルゲーゼ美術館Museo Borgheseは白亜の美しい建物です。もともとはボルゲーゼ家の別荘だったそうです。


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チケット売り場に行くと行列ができていましたが、すぐに順番が来てローマパスと予約番号でチケットを無事ゲットできました。ほっ・・・!!
ローマパスがあるので、ここは無料でチケットがもらえます。ゲットしたチケットはこれです。やはり、カラヴァッジョとベルニーニの作品が絵柄になっています。


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パンフレットはこれです。これはベルニーニですね。日本語版は残念ながらありません。これは英語版です。


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ボルゲーゼ美術館には、1階のフロアに彫刻作品があり、4点のベルニーニの傑作を鑑賞。大理石彫刻とは思えない柔らかい質感に驚嘆しました。そして、何よりも美しい。配偶者は題材が男性が力ずくで女性を略奪するものなので、少々男性不信の感があるようです。しかし、これは芸術作品なんです。
代表的な2つの傑作をご紹介します。
これが《プロセルピナの略奪》です。冥界の王プルトンの手が女神の娘プロセルピナの柔肌にくいこんでいるのは、大理石彫刻とは思えません。とても美しい作品です。ベルニーニ23歳の作です。早熟の天才です。


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これが《アポロンとダフネ》です。アポロンに追いつかれたダフネの体が月桂樹に変身していく瞬間が、見事に大理石で表現されています。凄いですね。ベルニーニ25歳の作です。ところでダフネと言えば、R・シュトラウスのオペラ《ダフネ》を思い出します。美術と音楽は同一の題材を、まったく異なる手法で表現していて面白いです。


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1階の最後の部屋に、お目当てのカラヴァッジョが文字通りずらり。何とここには6点ものカラヴァッジョがあります。多分、世界最大のコレクションでしょう。ところが残念ながら、そのうち1点はカナダのバンクーバーに貸出中(バッカスとしての自画像)。
これが貸し出し中だった《バッカスとしての自画像》です。カラヴァッジョ初の自画像です。


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これは以前に東京で催されたカラヴァッジョ展で見たので、よしとしましょう。

展示中の5点のうち、《蛇の聖母》の素晴らしさには心を打たれました。まさに絵が目に焼き付きます。聖母マリアの清楚な美しさと全体が黒が基調のモノトーンのなかで、聖母のまとう赤い衣装が映えています。


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もう1点、《執筆する聖ヒエロニムス》の静謐さ、そして長く伸ばした手先のあたりに光があたっている構図の素晴らしさにも感動を覚えます。


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残りの3点もご紹介します。
これが《ダヴィデとゴリアテ》です。ゴリアテの首は自画像です。これが最後の自画像です。


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これが《果物籠を持つ少年》です。果物籠の表現の見事さはミラノで見た静物画と同様です。


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これが《洗礼者ヨハネ》です。カラヴァッジョが死の時まで手元に持っていた遺品のひとつです。


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この後は、2階の絵画コレクションの名作を楽しみました。ティツィアーノ、ラファエロ、コレッジョなどの名品揃いですが、なかでもsaraiのお気に入りの作品はこれです。


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クラナッハの《ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド》です。同じ題材の絵はほかの美術館にもありますが、本当に素晴しい絵画です。

ミラノから始めたカラヴァッジョ巡礼はこれで計7枚見ることができました。取りこぼし1枚です。まずは上々ですね。

次のカピトリーニ美術館Musei Capitoliniに向かいます。



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フルシャ+東京都響 plays ドヴォルザーク/スターバト・マーテル@サントリーホール 2011.12.7

今日は都響のスペシャルコンサートで1年ぶりにフルシャの指揮でチェコ音楽を聴きます。
前回のヤナーチェクのグラゴル・ミサの素晴らしい演奏が思い出されます。そのときの記事はここです。
今回も4人のソロ歌手はチェコおよびスロヴァキアからフルシャが選りすぐったメンバーで大いに期待できます。
今日の演奏者とプログラムは以下です。

 指揮:ヤクブ・フルシャ
 ソプラノ:シモナ・シャトゥロヴァー
 メゾソプラノ:ヤナ・ヴァリンゲロヴァー
 テノール:トマシュ・ユハース
 バス:ペテル・ミクラーシュ
 合唱:晋友会合唱団
 管弦楽:東京都交響楽団
 
 ドヴォルザーク:スターバト・マーテル Op.58

演奏はオーケストラの前奏で始まりますが、意外に重々しい感じです。もっと清々しい響きを想像していました。もっとも聴いている席の関係かもしれません。今日は最前列の中央に陣取りました。
合唱はまず男声合唱からはいってきますが、女声合唱がまことに美しい響きで続きます。合唱がとても素晴らしいです。
次にソロ歌手が歌い始めますが、それぞれ素晴らしい声でとても聴きごたえがあります。よく、ここまでのメンバーを揃えたという感じです。テノールはとても張りのある声で声量も豊かですが、あまりにオペラ的な歌い方なのが少し残念ですが、それを言ったら贅沢かも知れません。ソプラノの美しい声の響きはパーフェクト。メゾソプラノは少し声量がありませんが最前列では気になりません。歌には関係ありませんが彼女はとても美人。オペラでは見栄えがするでしょうね。バスは少し年齢を重ねたかたですが老練な歌い振りです。

第1曲は「スターバト・マーテル・ドロローサ・・・」の歌詞で始まる長大な曲ですが、ソロ歌手の歌声に聞き惚れているうちにあっという間に終わってしまった感じです。それにしてもドヴォルザークのメロディーの美しいこと、うっとりです。

第2曲もソロ歌手の4重唱に聴き惚れました。

第3曲はよく合唱団で歌われる曲だそうですが、まったくもって合唱の素晴しいこと、圧倒的です。

以降、美しい合唱曲やソロが続き、いよいよフィナーレに近づきます。

第10曲は終曲です。4重唱で始まり、合唱も加わり、アーメンの歌詞で頂点に達します。素晴しい高揚感です。いったん、オーケストラだけの演奏になり、ペースダウンして、再び、最後の頂点に・・・そして、静かに終わります。実に美しい曲です。

予習したCDはクーベリック盤(バイエルン放送交響楽団)、サヴァリッシュ盤(チェコ・フィル)でしたが、あまり、ドヴォルザークらしい民俗的なメロディーは感じられませんでしたが、今日のフルシャの描いたスターバト・マーテルは実にチェコの響きに満ちていました。特にソロ歌手達がラテン語の歌詞ながら、スラヴの雰囲気を感じさせる歌唱をしたのは、まさにわざわざ本場からフルシャが歌手達を連れてきた甲斐があったわけですね。またしてもフルシャはチェコ音楽の真髄を聴かせてくれました。来年の3月はフルシャが音楽監督をしているプラハ・フィルと来日して、ドヴォルザークの交響曲を聴かせてくれます。楽しみに待ちましょう。




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ローマでカラヴァッジョ巡り:2番目はカピトリーニ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/2回目

ボルゲーゼ美術館Museo Borgheseを出ると、建物が朝日に輝いています。


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次はカピトリーニ美術館に向かいます。ボルゲーゼ公園Villa Borgheseの中を500mほど歩きましたが、公園の散策は気持ちがいいですね。


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サン・パウロ・デル・ブラジル・バス停San Paolo Del Brasileに到着。バス路線の関係で、テルミニ駅から到着したバス停Pinciana- Museo Borgheseとは別のバス停です。


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ところが、乗る予定の160番のバスがなかなか来ません。他の経路のバスは何本も来るのに、160番は全然です。バス待ちの客はどんどん入れ替わり、我々ともう1組の夫婦だけがバス停に釘づけ。彼らも160番のバスを待っているようです。他の人たちがいると、なんだか心強いですね。


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随分待って、ようやくバスが到着。バスは何事もなかったように順調に走り、カピトリーニ美術館Musei Capitoliniの最寄りのバス停に到着。ここからカピトリーノの丘の階段を上り、丘の上のカンピドリオ広場Piazza del Campidoglioへ向かいます。


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カンピドリオ広場はミケランジェロが設計した美しい広場です。広場の中央にはマルクス・アウレリウスの騎馬像のレプリカがあります。台座はミケランジェロの手になるものです。


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その広場に面して、カピトリーニ美術館があります。ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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チケット売り場でローマパスを提示し、無料でチケットをゲット。ローマパスは最初の2つの美術館が無料で入れ、3つ目からは割引料金で入れます。ということは、料金の高いものから利用した方がお得ということになりますね。
これがゲットしたチケットですが、絵柄もなくつまらないですね。


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この美術館はそれ自体の中に古代ローマ遺跡もあり、古い彫刻が多数展示されています。世界最古の美術館というふれこみです。有名な彫刻を2点ほどしっかりと見て、絵画フロアに向かいます。その彫刻の1つは、カンピドリオ広場にあったマルクス・アウレリウスの騎馬像のオリジナルです。台座はミケランジェロのものとは全然違いますね。


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ここには、お目当てのカラヴァッジョは2点あります。ところが、ここでもその1点《女占い師》はカナダに貸出中。カナダのバンクーバーで大がかりなカラヴァッジョ展をやっている模様です。残念です。


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これが見る筈だった《女占い師》です。


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それでも、もう1点をしっかり鑑賞し、満足です。
これが《洗礼者ヨハネ》です。


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カラヴァッジョ巡礼はこれで計8枚見ることができました。取りこぼし2枚です。

その他に、三島由紀夫が愛した作品のグイド・レーニの《聖セバスティアヌスの殉教》の美しさにも魅了されました。この作品について、《仮面の告白》の冒頭で触れられています。


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同じグイド・レーニの《ルクレティア》も美しい作品です。


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次はドーリア・パンフィーリ美術館Galleria Doria Pamphiliに向かいます。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:ランチでビックリ・・・ドーリア・パンフィーリ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/3回目

カピトリーノ美術館Musei Capitoliniを出て、このカピトリーノの丘の上からフォロ・ロマーノForo Romanoの遺跡を少し眺めてました。今回は、フォロ・ロマーノ散策はパスします(10年ほど前に来た時に歩きましたので)。


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カピトリーノの丘を下りてきました。やはり観光地ですね、人の多いこと!


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丘の下はヴェネツィア広場Piazza Veneziaです。目の前にはヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂Monumento Nazionale a Vittorio Emanuele IIの側面が聳え立っています。


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次はドーリア・パンフィーリ美術館Galleria Doria Pamphiliに向かいますが、カピトリーニ美術館から歩いて600mくらいのはずです。ブラブラ歩いて、ほぼ行き着いたあたりに綺麗なカフェがあったので、お昼を兼ねて休憩をすることにしました。


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ピザとパスタでランチです。


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ついでにジェラートも頂きました。お腹も落ち着き店内の入口付近に行くと、何やらレストランらしくない豪華な装飾があります。


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このあたりでピンとくるべきだったのかもしれませんが、後でビックリすることになります。ちなみにお店の名前はカフェ・ドーリア。

お店を出てドーリア・パンフィーリ美術館に行くと、鉄柵でクローズされています。


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えっと思いますが、中を歩いている女の人もいます。どうやら、入口は他にありそうですね。でも、その辺りをうろうろしますが入口が見つかりません。もう一度そのクローズされた鉄柵をよくよく見ると、何やら表示があります。Google Earthのような写真地図に赤い矢印が描いてあり、入口は建物をぐるっとまわったところだとのことです。みなさん、迷うのでしょうね。


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地図の通りに行くと、やっと入口がありました。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。入口はコルソ通りVia del Corsoに面しています。


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入ると綺麗な中庭(前庭?)になっています。


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この庭に面した建物の一角がチケットオフィスです。


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この美術館はローマパスの効かない美術館で、正規料金でチケットを購入。1人10.5ユーロです。チケットの絵柄はもちろん、カラヴァッジョです。


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中に入り案内表示に従って進むと、先ほどのクローズした鉄柵の横を通過。その先に、美術館のカフェの入口がありました。配偶者がそこを覗いてビックリ! 何と先ほどランチを頂いたカフェでした。saraiも覗いてきました。


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カフェの従業員の眼を盗み、無料でしかも近道で入館できたかも知れません。残念!

ともあれ、カラヴァッジョを見ましょう。ここにも2点あります。まず1点は、問題なく発見。カラヴァッジョとしては変わった作品の《悔悛するマグダラのマリア》。悔悛というより、居眠りしているようにしか見えません。それに明るい作品です。


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もう1点、先ほどカピトリーニ美術館で見た《洗礼者ヨハネ》のレプリカといわれている作品がありましたが、素人の眼には違いは分かりません。どちらも本物でしょう。さて、残りの1点がどうしても見つかりません。美術館の真ん中にあるミュージアム・ショップでカラヴァッジョの作品の絵葉書を買い、ついでにその絵葉書の絵はどこにあるのか聞いてみると、出口近くにあるとのことです。まとめて展示してくれれば手間が省けるのにね。ようやく、最後の1点も鑑賞できました。
これが《エジプト逃避途上の休息》です。


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これでこの美術館は終了。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計10枚見ることができました。(取りこぼし2枚です)

次はバルベリーニ国立美術館に向かいます。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:まだまだ見ます・・・バルベリーニ国立美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/4回目

ドーリア・パンフィーリ美術館Galleria Doria Pamphiliから、またバス(85番)に乗ってバルベリーニ国立美術館Galleria Nazionale d'Arte Antica in Palazzo Barberiniに向かいます。85番のバス停は美術館を出て、通りを右手に進むとすぐのところです。バルベリーニ広場Piazza Barberiniでバスを降ります。
久しぶりに、広場にあるベルニーニ作のトリトーネの噴水を見ました。青空に映えて綺麗です。


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この広場からバルベリーニ国立美術館の建物は見えるのですが、美術館の入口が分からず、うろうろ。バルベリーニ広場からクアットロ・フォンターネ通りVia delle Quattro Fontaneをテルミニ駅の方に向かうと左手に入口がありました。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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入口の前の広場の噴水には、疲れ切ったような観光客が座り込んでいました。観光も疲れますね。


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ローマパスを提示し、半額料金の1人2.5ユーロでチケットをゲット。
入館しますが、何だか狭いし、カラヴァッジョもありません。さては違う美術館に入ってしまったかとも思いましたが、配偶者に「ともかく係の人に聞いてみなさいよ」と言われ、それもそうなので聞いてみると、何と一旦入口を出て建物の外から2階に上がってくれとのこと。それなら、入館時に言って欲しいものです。無用の心配をしてしまいました。
ようやくカラヴァッジョとご対面です。ここには3点あります。2点はすぐ見つかり、どちらも素晴らしい傑作で見入ってしまいました。
これが《ホロフェルネスの首を斬るユディト》です。実に生々しい絵画ですが、凄惨なシーンに対比して女性(ユディト)の可憐さが印象的です。ウィーン美術史美術館にあるクラナッハの《ユディット》とはあまりに違いますが、それぞれ素晴しい傑作です。


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これが《瞑想の聖フランチェスコ》です。カラヴァッジョ得意の背景の暗闇が人物を引き立てています。


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が、もう1点が見つからない。2階の入口に戻ると、受付に女性が2人います。彼女らにカラヴァッジョのナルキッソスはどこにあるのかと聞くと、ノット・ヒアー・・・! ええーっとなりました。これもバンクーバーにあるとのこと。参りましたね。ただし、これも日本のカラヴァッジョ展で見ています。この絵は、まるで貸出用作品みたいですね。確かに3点の中では出来は3番目でしょう。
これが見逃した《ナルキッソス》です。


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カラヴァッジョ巡礼はこれで計12枚見ることができました。取りこぼしは3枚になりました。

おまけですが、ホルバインの《ヘンリー8世》を見付けました。有名な肖像画です。saraiにとっては今年の4月にウィーン国立歌劇場で見たプラチナオペラ《アンナ・ボレーナ》の登場人物の一人なので印象深かったんです。


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バルベリーニ国立美術館はこれで終了。
配偶者情報で、この美術館の近くに骸骨寺というのがあり、そこにもカラヴァッジョのレプリカがあるとのことです。それも、このバルベリーニ美術館で見たばかりの作品《瞑想の聖フランチェスコ》のレプリカです。レプリカなのか本物なのか、誰も確実なことは言えないと思うので、そこにも行ってみましょう。バルベリーニ広場のすぐ近くにありました。教会なので、もちろん入場無料です。ちょうど夕方になり、牧師さんが教会を開けているところだったので入れてもらいました。


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情報とは異なりカラヴァッジョは見つけることができませんでしたが、三島由紀夫ご推奨の画家グイド・レーニの有名な絵《大天使ミカエル》は展示されていました。


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下の墓室には膨大な骸骨があるそうですが、そういうものを見る趣味はないのでパスします。
骸骨寺(サンタ・マリア・デラ・コンチェツィオーネ聖堂)から表に出ると、綺麗なプラタナスの並木の通りです。


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ここのバス停から次のコルシーニ美術館Galleria Nazionale di Palazzo Corsiniに向かいます。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:最後の仕上げはコルシーニ美術館

2011年10月9日日曜日@ローマ/5回目

最後は、テヴェレ川の向こうにあるコルシーニ美術館Galleria Nazionale di Palazzo Corsiniにバスで向かいます。骸骨寺の通りの向かいのバス停でしばらく待ちます。


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待っていた116番のバスはミニバスでした。車内はこんな感じです。


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ミニバスなので狭い通りを走れます。ミニバスだけあって、乗客は我々2人だけのこともありました。貸切状態です。すると、いきなり若い男性が2人乗り込んで来て、我々に何か言いだしました。はは~ん、無賃乗車の抜き打ち検査で我々に目を付けたようです。さっとローマパスを出すと、チェックの結果はもちろんOKです。彼らは次の停留所で降りて行きました。その前に、配偶者が彼らの写真を撮ろうとすると断固拒否されました。それもそうかな。

そうこうするうちに、バスは途中から想定していたコースから外れてしまいました。仕方がないので、一番目的地に近そうなところで下車。そこから歩いて、テヴェレ川の対岸に渡ります。渡っている橋はG.マッツィーニ橋Ponte Mazziniで、向こうに見えているのはシスト橋Ponte Sistoです。


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テヴェレ川沿いの道は気持ちがいいです。


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シスト橋のたもとのトゥリルッサ広場Piazza Trilussaから、いかにもトラステヴェレ地区らしい狭い通りにはいります。


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でもこの先、一向にコルシーニ美術館が見つかりません。見つかったと思っても、隣にあるはずの別の美術館のようです。最後は袋小路にはまりこむ有様。配偶者のアドバイスで、先ほどの隣のはずの美術館に行き、コルシーニ美術館への行き方を聞くしかないということになりました。再度その美術館に戻り中に入ってみると、何とここがコルシーニ美術館という表示が出ていました。な~んだ・・・。それでもまだ美術館の入口が分からず、そのあたりにいた人に聞くと、2階に上がったところが美術館だとのこと。やっと到着です。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。(116番のバスのルートは不明なので、最短ルートで表示)


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入り口でローマパスでチケットを買おうとすると、今度はPCが動作不良で待たされます。ここまで苦労してきたんだから、ゆっくりと待ちましょう。ところが、一向にPCの動作は安定しない様子。受付の女性は意を決したらしく、とりあえずそのまま入館して、帰りにチケットを買ってねとのことです。ローマパスを人質にして、入館。一番奥の突き当たりにあるこの美術館が所有する唯一のカラヴァッジョとご対面。いやあ、ここまで来るのは大変でした。ゆっくりと椅子に腰かけて疲れた足を休めながら、鑑賞。この絵も変わった絵です。
これがその《洗礼者ヨハネ》です。


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カラヴァッジョ巡礼はこれで計13枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

この後、グイド・レーニの美しい《サロメ》などを見て戻ると、受付の女性が我々を探しに来ました。チケットが発行できたとのこと。
これがそのチケットです。半額の1人2ユーロでした。


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美術館で帰りに入場料を払うのは初めての経験です。トラブル続きの美術館に相応しい幕切れでした。

まだ夕陽が高いので、もうひとつ観光しましょう。テヴェレ川沿いに歩き、サンタンジェロ城Castel Sant'Angeloに向かいます。先程のG.マッツィーニ橋Ponte Mazziniを渡り、対岸に戻りました。テヴェレ川は夕陽に川面を輝かせています。


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途中から川を離れ、蛇行する川をショートカット。狭い通りを地図片手に進みます。


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古い通りらしく、道の端っこのローマ水道の蛇口からは水が流れっぱなしになっています。


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少し大きな通りに出ました。この通りをまっすぐ行くと、サンタンジェロ城に出るはずです。


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この通りも古い通りのようで、いわくありげな古びた建物があり、見物している人達もいました。


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見物していたガイド付きの徒歩ツアーのグループも、サンタンジェロ橋の方に向かっています。左手の人達がその一部です。


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やがて、通りの先にサンタンジェロ橋Ponte Sant'Angeloが見えてきました。道は間違っていなかったようです。15分ほどですが、それでも1.3kmほど歩きました。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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サンタンジェロ城をこれから見ます。



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ローマでカラヴァッジョ巡り:夕陽のサンタンジェロ城

2011年10月9日日曜日@ローマ/6回目

サンタンジェロ城Castel Sant'Angeloに到着しました。
サンタンジェロ城もその前にかかるサンタンジェロ橋Ponte Sant'Angeloも夕陽に輝いて、とても美しいです。


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サンタンジェロ橋を渡ります。夕方ですが、まだまだ観光客がいます。


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橋の上から見るテヴェレ川も、川面が夕陽に輝いています。


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サンタンジェロ城はどっしりとして、重量感があります。塔の一番上にはシンボルの天使像が見えています。オペラファンにとっては、ここはプッチーニのオペラ《トスカ》の舞台として馴染み深いものがあります。


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サンタンジェロ橋を渡り終え振り返ると、橋の両側に並ぶベルニーニ作の天使像(コピー)が印象的です。


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サンタンジェロ城の入口にきましたが、夕刻になって冷たい風が吹き、急速に冷え込んできました。配偶者は震えています。ここはもうひと頑張りしてもらい、サンタンジェロ城の塔の上に上りましょう。受付でチケットを買おうとすると、係の男性が流暢な日本語で「11ユーロです。」。驚いて、褒めると、「これだけしか言えません」。また、20ユーロ札を出すと「1ユーロのコインはありませんか」と立て続けの日本語。立派なものです。
これが購入したチケットです。


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塔の上に上りましょう。トンネルのような斜路を上ります。


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搭の上までは、それほどの苦もなく上り切りました。まだ若いかな。搭の上からは、夕陽に照らされたローマの街が一望できます。ちょうどバチカンの上に夕陽があり、サン・ピエトロ寺院Basilica di San Pietro in Vaticanoの巨大なドームが黒々と逆光になっています。これも絵になりますね。


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下の方を見下ろすと、先程渡ったサンタンジェロ橋が綺麗です。


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下から見上げていた塔の上の天使像もすぐ近くにあります。


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ローマの市街地を眺めながら、ひとしきり街の建物探しをして時を過ごしました。


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ズームアップしてみましょう。お馴染みの建物が見えます。


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さて、今日のディナーの心配です。テルミニ駅近くのレストランに携帯で予約を入れました。そろそろ塔を下りましょう。結構寒いんです。
サンタンジェロ城から出て、再びサンタンジェロ橋の上に戻ります。ますます夕陽が落ちてきて、橋の上の天使像がバラ色に輝いています。素晴しいですね。


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サンタンジェロ城もバラ色で綺麗です。ここは夕刻訪れるのが一番ですね。


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これからレストランに移動します。



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この記事へのコメント

1, あやさん 2011/12/15 08:56
お久しぶりですね!
私もサンタンジェロ城には行ったのですが、なんだかsaraiさんのブログを見ていると、全く行ったことのない世界の風景のように見えて、とても素敵です!私は何を見てきたのかな(~_~;)
やっぱりイタリアは素晴らしい国ですね!
次回も楽しみにしています♪

2, saraiさん 2011/12/15 21:57
あやさん、お久しぶりです。

あやさんもサンタンジェロ城に行ったんですね。当ブログでもう一度楽しんでもらえたようでよかったです。
ローマ、ナポリ、カプリ島と続いていくので、ご愛読ください。

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ローマでカラヴァッジョ巡り:やっぱりディナーは美味しいイタリアン

2011年10月9日日曜日@ローマ/7回目

サンタンジェロ城Castel Sant'Angeloに最後の別れを告げます。バラ色の輝きは素晴しいです。


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テヴェレ川も日暮れ前の最後の輝きで川面が美しいです。


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サンタンジェロ橋Ponte Sant'Angeloを渡り、最寄りのバス停を探します。


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首尾よくバス停が見つかり、40番のバスが来るのを待ってテルミニ駅に移動します。バスの車内は夕方の大混雑でバスも遅れがちですが、なんとかテルミニ駅に到着。テルミニ駅からはお店を探しながら約10分ほど歩き、予約時間に少し遅れてレストランに到着しました。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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間口の小さなレストランです。ラ・カピターレLa Capitaleという『地球の歩き方』に紹介されているお店ですが、その割りには日本人の姿は見えず、現地のかたばかりです。結構混み合っていたので、直前とは言え予約を入れておいてよかったです。


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まずは2種類のスープを注文しました。


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メインの1つはフィレステーキです。


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メインのもう1品は魚介のフリッターです。


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とても美味しいディナーになりました。もちろん、白ワインも美味しかったしね。
最後はカプチーノです。


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これでチップ込みで約7千円。一人4千円弱ですから、まあまあですね。このレストランは家族経営のようでした。

酩酊気分でホテルまで歩き、今日の日程は完全消化。カラヴァッジョが3点カナダに行っていたことだけが残念ですが、傑作群はしっかりと見ました。それにサンタンジェロ城というおまけまで見られたし、上々でしょう。

今日は日曜日ということで美術館を回りましたが、明日は月曜日なので教会にあるカラヴァッジョを見ます。




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インバル+東京都響playsショスタコーヴィチ@東京文化会館 2011.12.12

今日のように素晴らしい演奏に巡り合うと本当に幸せな気持ちになります。都響の定期会員になって、最高の演奏でした。決してパーフェクトな演奏ではありませんでしたが、そんなことは問題ではありません。演奏者の熱い思いが伝わる演奏でした。ここまでくると、音楽的によいとか悪いとか第3者的な気持ちでいられなくなります。要はみんなで感動を共有できたかどうかでしょう。インバルの指揮もいつになく、細かい表情をつけた丁寧なものです。あまりのテンポの変化、ダイナミズムの変化にオーケストラも完璧についていけたわけではありませんが、やはり、こういう個性的な指揮を期待しているんです。
とりあえず、今日のプログラムを紹介します。

 指揮:エリアフ・インバル
 チェロ:ガブリエル・リプキン
 管弦楽:東京都交響楽団
 
 ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番 Op.126

  《休憩》

 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 Op.47

上記の感想は休憩後の交響曲第5番に関するものですが、まずは最初のチェロ協奏曲について、述べます。

リプキンのチェロの音色は深く美しいです。冒頭のチェロ独奏は美しいというよりも沈痛な響きですが、その深い音色に救われる思いです。ショスタコーヴィチの後期の音楽はどうしてこんなに沈痛なんでしょう。時代状況もあったかも知れませんが、ベートーヴェンの音楽が中期の輝かしいものから後期の深く精神的なものに変化したように、ショスタコーヴィチの音楽も精神性を深めると同時に沈痛さを持つようになったような気がします。
第1楽章は徹頭徹尾、沈痛な表情を崩しません。実に聴き応えのある音楽が展開されていきました。チェロの素晴らしい響きがこの音楽の中核をしっかりと支えていました。
第2楽章以降は少し表情を緩めますが、底流には沈痛さがあります。重い重い音楽です。

休憩後、冒頭に既に激賞した交響曲第5番です。色々と取沙汰されることの多い音楽ですが、中期の輝かしい傑作であることは間違いありません。それに少年時代、saraiが夢中になった曲で思いも深いものがあります。ですから、作曲の背景とか時代背景とかは忘れて、ただただ音楽的に楽しむ気持ちで臨みます。

第1楽章はあの有名な低弦の合奏で開始されます。弦楽合奏は続き、第1ヴァイオリンが主旋律を演奏するあたりは都響のもっとも得意とするところです。今日も第1ヴァイオリンは素晴らしい響きです。次に木管のソロが続きますが、フルート、オーボエの音色の素晴らしさに驚かされます。都響って、木管がこんなに上手かったでしょうか。ともかく、第1ヴァイオリン、木管の響きに気持ちよくなっているうちにこの楽章はあっという間に終わりました。

第2楽章は結構テンポがスローに感じます。まあ、それ以上にインバルが細かいニュアンスを付けた指示を出し、テンポが揺れます。聴いているほうとしてはとても面白く感じますが、ともすると若干の破綻もありますが、かえってそれが楽趣をそそられます。聴いたこともないようなパッセージがあらわれるからです。実に面白いです。もっと合奏を完璧に仕立てあげていくことも良いでしょうが、これはこれで未完成の荒削りの妙も感じます。全体としてはオーケストラはよくインバルの注文に応えた良い演奏です。

第3楽章、これは素晴らしい! 弦楽合奏で始まる美しい演奏です。何の文句もない演奏です。長大な楽章で、この交響曲の中核をなす重要な楽章です。このあたりから、演奏も熱を帯びてきました。saraiもぐっと手に力がはいります。深く心に刻まれる演奏です。十分に満喫したところでこの楽章は閉じられますが、間髪をおかず、次の終楽章に突入します。

第4楽章、超有名なジャジャンジャンジャン~とド派手な曲が始まります。前楽章とのあまりの対比に高揚感が高まり、思わず、感極まってしまいます。曲の持っていき方がとても上手いし、何より、熱のこもった演奏にこちらまで熱くなります。お互いストレート勝負って感じです。この高揚感はフィナーレで最高潮に盛り上がります。指揮者の意図通りに乗せられてしまいました。分かっていても、その術中にはまってしまうという実にレベルの高い素晴しい演奏でした。最後、早過ぎる拍手の聴衆もいましたが、許しましょう。そんな気分の終わり方ではありました。

来年秋からのインバルのマーラーチクルスも楽しみになりました。このように細かい表情を付けたマーラーならば聴いてみたいです。少々の傷のある演奏でも構いません。saraiの心を燃焼させてくれる演奏を期待しましょう。2番、5番あたりが期待です。

もっとも今月はまだサントリーホールでのショスタコーヴィチの交響曲12番とヴァイオリン協奏曲も残っています。今年最後のコンサートにふさわしい演奏を期待しましょう。



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ローマでカラヴァッジョ巡り:高潔な美しさの《ロレートの聖母》

2011年10月10日月曜日@ローマ/1回目

旅は5日目です。今日は、ローマの教会を巡ってカラヴァッジョ作品を鑑賞します。

朝起きると雲一つない快晴です。でも、昨日に引き続きとても風が冷たくて寒く感じます。ちょっと暖かめの服装で出かけましょう。
このホテルは朝食が付いていないので、起きて身支度をしたらすぐに出かけます。どうしても食べ過ぎになるので、朝食が付いていないのも、それはそれでいいかもね。

歩いて数分のテルミニ中央駅Terminiのバスターミナルに向かいます。月曜の朝ということで、仕事に向かう人達で混雑しています。ここはものすごく大きなバスターミナルで、バスターミナル全体を見渡すことも出来ません。ということは・・・乗りたいバスが見つからない!うろうろ彷徨っていると、乗るべき40番のバスを発見。そのバスが進んでいく方向を見逃さないように、必死で追いかけます。無事に追いついて乗ることが出来ました。ローマのバスはとっても混んでいます。バスは便利な市民の交通手段なのでしょう。

問題なくスムーズに、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂San Luigi dei Francesi前に到着です。8時半に扉が開くということなので、それを目指して8時40分頃には到着しました。が、扉は固く閉まっています。よく見ると、扉に張り紙がしてあります。どうも扉が開くのは10時のようです。情報と違いますが、仕方ないですね。

次に行く予定にしていたサンタゴスティーノ聖堂Santa'Agostinoへ先に行きましょう。すぐ近くなので徒歩で向かいます。こちらは開いていました。ファサードはルネサンス様式の素朴な感じです。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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早速中に入りますが、なかなかカラヴァッジョの絵が見つかりません。気を落ち着けて再度案内書を調べ、その記述通りの場所に行くとありました。《ロレートの聖母》という作品です。照明が暗くてよく見えなかったのが、見つからなかった原因です。誰も見ている人もいないというか、そもそもこの教会にはまだほとんど人がいません。結局、この絵の前にいる間は完全独占状態。暗くてはっきりしませんが、ともかく写真に収めましょう。


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そうこうするうちに、照明のスイッチがあることに気付きました。1ユーロ入れると照明がぱっとつきました。うっ、美しい!何と魅力的な聖母マリアでしょう。この旅で最高の1枚です。


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絵としての素晴らしさでは他の絵も素晴らしかったのですが、この絵にはまさに心を奪われました。気品に満ちて凛としていながら、優しげなマリア。といいながらも、その姿は天上の神ではなくごく普通の人間です。人間がこんなに高潔な姿に高められるのは奇跡であり、ある意味救いでもあります。カラヴァッジョが描いたのは市井の人間を永遠の存在に写し取ったもので、天才ならではの神業です。この作品を見ただけでも今回の旅はもう満足です。1ユーロの照明が消えるまでの間、じっと美しい絵の前に魅せられていました。

やっと我にかえって、教会の内部を見ます。美しいアーチと天井の青が印象的です。


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このアーチの一番手前のカヴァレッティ礼拝堂に《ロレートの聖母》はあったんです。このカヴァレッティ礼拝堂だけが暗くなっているのがお分かりでしょう。他の礼拝堂は明るいんですけどね。


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教会の内部空間を前の方から見たところです。パイプオルガンが見えます。


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祭壇もなかなかの美しさです。


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ところで、この教会はプッチーニの歌劇《トスカ》の第1幕の舞台であるとも言われています。一般には聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会とも言われていますけどね。第3幕の舞台が昨日、最後に訪れたサンタンジェロ城です。何かとオペラ絡みの旅にもなりますね。

《ロレートの聖母》の美しさに後ろ髪を引かれながら、サンタゴスティーノ聖堂を出ました。

サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂が開くにはまだまだ時間があるので、もう一つ予定しているサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂Basilica di Santa Maria del Popoloに先に行くことにします。こちらはかなり離れているので、バスに乗って移動します。バスは628番の路線です。バスは途中からテヴェレ川沿いの並木道を走ります。


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思っていたより近くて15分ほどで到着です。お目当てのサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂は、ポポロ広場Piazza del Popoloに面しています。正面右手に見えています。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ポポロ広場は、とっても大きく広々しています。中心には高さ24mのオベリスクが建っています。広場はそのまま緩やかな丘の斜面に続いています。以前にここに来た時は、この丘を下ってポポロ広場に到着したことを思い出しました。


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ポポロ広場は、ふたつのそっくりな双子の教会(サンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会とサンタ・マリア・イン・モンテサント教会)なども面して建っている美しい広場です。


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サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂でカラヴァッジョを見ます。



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ローマでカラヴァッジョ巡り:サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂で名作に釘付け

2011年10月10日月曜日@ローマ/2回目

ポポロ広場を横切って、サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂Basilica di Santa Maria del Popoloの前にやってきました。


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教会の扉は開いています。当然観光客も多く、ツアコンに連れられた団体がいくつも来ています。とりわけ人が固まっているエリアがあります。そこがカラヴァッジョの絵のあるチェラージ礼拝堂です。ちょうどツアーの団体が絵を占拠しており、ガイドの説明の声が響きわたっています。それらにめげずに、人をかき分けて絵の前に進みます。四角い空間の両側面の2枚が、カラヴァッジョの名高い作品《聖ペテロの磔刑》と《聖パウロの回心》です。しばらくこれらの絵を見ているうちにツアーの団体も去り、ようやく思う存分の鑑賞タイムです。しかし、ツアー団体が去っても終始大勢の人たちが鑑賞している人気の絵画で、この作品の価値の高さも推し量れます。カラヴァッジョ渾身の傑作です。ここにも照明のボタンがあります。同じ方式なんですね。でも、1ユーロ入れなくてもボタンを押せばよいことを発見!何度も押して鑑賞します。照明が消えているとこんな感じです。


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照明を点けるとこんなに明るくなります。このチェラージ礼拝堂の中央にある祭壇画は、カラヴァッジョの好敵手カラッチの《聖母被昇天》です。カラヴァッジョの絵はこの両脇にあります。


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これがカラヴァッジョの名作《聖ペテロの磔刑》です。


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この絵は、逆さ十字にはりつけれた聖ペテロの迫力、地面の石ころやシャベルの質感、磔の作業をしている男のお尻や足裏の汚れなど、リアル感の凄い作品です。

これが《聖パウロの回心》です。


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とことん満足するまで見続けていました。

次に、この教会の名高いキージ礼拝堂を見ましょう。ラファエロの設計した礼拝堂ですが、ベルニーニの彫刻《ハバクク》と《ダニエル》を見ることが出来るので、とっても楽しみです。ところが・・・・


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礼拝堂は修復中です。しっかりとビニールの幕に覆われて何も見えません。横の隙間から何とか覗き込もうとしますが、暗くてほとんど見えません。残念!

教会は大理石の柱で美しい空間です。


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床も柱も見事ですね。


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教会を出ると、またポポロ広場Piazza del Popoloの明るい陽光の下です。さっきはよく見なかったオベリスクを近くから鑑賞です。


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立派なものですね。
広場の一角にあるローマへの入口であったポポロ門Porta del Popoloは、遠くからの撮影になります。このポポロ門も、ベルニーニによって装飾が加えられたものです。門の右側の教会が先程のサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂です。


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さて、そろそろ一番のお目当てのサン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂San Luigi dei Francesiに戻りましょう。ポポロ広場からまっすぐ伸びる一番賑やかなコルソ通りVia del Corsoを進むミニバスに乗ります。


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お店も開き始めています。バスの中から当たりを付けて通りの左を覗くと、スペイン広場Piazza di Spagnaのスペイン階段が見えます。「ローマの休日」でオードリヘップバーンがアイスクリームをなめていた階段で、観光客っでごった返す所ですよね。今回はそういう観光地を訪ねることもないかも・・・バスの中から失礼します。

サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂に戻ってきました。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:圧倒的なマタイ3部作!サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂

2011年10月10日月曜日@ローマ/3回目

サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂San Luigi dei Francesiに戻ってきました。今度は10時を少し過ぎていて、扉は開いています。まだ開いたばかりというのに、さすがにカラヴァッジョの絵の前には人だかり。でも、先ほどのサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂とは違って団体ツアーがいないのが救いです。
ここにはマタイ3部作という正面と両側の側面に聖マタイ伝を描き込んだ素晴らしい作品があります。

これがそのコンタレッリ礼拝堂です。


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ここは、カラヴァッジョのファンの聖地ともいえる場所になっています。
これらの絵は、ローマで無名だったカラヴァッジョを1朝にしてローマ中に知らしめてしまったという衝撃のデビュー作と言われています。最初に描かれた両側面の作品の充実度は素晴らしいものです。この絵を見ずして、カラヴァッジョは語れません。左側面の静かな緊張感、それに対して右側面のダイナミックな聖マタイの惨殺シーンの激しさ、この対比の凄さは見るものを引き込まずにはいないでしょう。もちろん照明のボタンはありますので、押し続けます。saraiが照明担当みたいになっています。

これが左側面の《聖マタイの召命》です。


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これが右側面の《聖マタイの殉教》です。


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正面には《聖マタイと天使》があります。これは両側面の絵の2年後に描かれたものです。側面の絵に比べるとサイズが小さいので構図がシンプルです。


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これで、今日の午前中のお目当ては終了です。この日の3教会の作品群はカラヴァッジョの頂点をいくものばかりで、満足感よりも圧倒される思いです。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計19枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂の内部空間はこんな感じです。正面に見える主祭壇画はフランチェスコ・バッサーノの《聖母被昇天》です。


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パイプオルガンも立派です。


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サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂から外に出ます。

教会の作品群はあまりにも簡単に鑑賞することができてしまいました。まだまだ時間があるので、すぐ近くのパンテオンPantheonにも行ってみましょう。
さすがにここは観光地中の観光地。人・人・人です。
パンテオン前の広場には、ローマ水道の水がチョロチョロ流れています。これがローマですね。


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パンテオンの古典的なファサードを見ながら、中に入ります。


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パンテオンの内部は人は多いのですが、それを感じさせないほど内部空間はとても広いです。ドームの天井の丸穴からの光が満ちています。


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ここではラファエロのお墓にお参りするだけで退散です。ラファエロらしく聖母子像の彫刻の下にお墓です。


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さて、意外にスムーズに予定が進んだので、ベルニーニの彫刻も見にいきましょう。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:ベルニーニの最高傑作《福者ルドヴィカ》と《聖テレサの法悦》

2011年10月10日月曜日@ローマ/4回目

教会にあるカラヴァッジョの祭壇画は見終わりましたが、まだお昼までには時間があるので教会も開いています。明日に予定していたベルニーニの傑作彫刻を見てきましょう。
歩いて移動しようとしますが、途中でトラムを発見し、そのトラムの経路がぴったりなので急遽乗り込みます。ローマでトラムに乗るのは初体験です。トラムはテヴェレ川Tevereを渡り、トラステヴェレ地区Trastevereにはいります。ルートも停留所もよく分かりませんが、ここらだろうと当たりをつけてトラステヴェレ通りの停留所でトラムを下ります。トラステヴェレ通りViale di Trastevereから斜めに分かれて伸びる通りの先に教会が見えます。もしかしてあれかしらと思い行ってみると、当たりです。
サンフランシスコ・ア・リーパ教会San Francesco a Ripaです。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ここにはベルニーニの最高傑作のひとつ《福者ルドヴィカ・アルベルトーニ》があります。以前からとても見たかった作品です。宗教的な作品でありながら、美の頂点を極めた驚くべき作品です。教会内に入ると、中は静まりかえって男の人が1人いるだけです。おかしいなと思って周りを見渡すと、何と内部はほとんど修復工事中で仮の壁に覆われて何も見えません。


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それでもあきらめきれずに教会の中をうろうろしていると、教会の人と目があいます。思い切ってベルニーニについてお聞きすると、こっちについて来なさいとのこと。後ろからついていくと、工事中の壁のドアのところで、ドアのガラス越しにあれだよって指し示されます。


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その視線を追うと、かなり遠くですがはっきりとベルニーニの彫刻が見えます。まさに《福者ルドヴィカ・アルベルトーニ》です。


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悲しいですが、工事中にもかかわらずこうやって見せてくれたことに感謝しないといけませんね。我々以外に見に来ている人はいません。いつもは大勢の人で大変な人気作品なんですよ。皆さん工事中だということを知っているのでしょうか。

まだ11時過ぎで、教会がいったん閉まる12時までは時間があります。最後に、ベルニーニの傑作彫刻の双璧をなす作品を見に行きましょう。またトラステヴェレ通りに戻ります。バス停の前には文部省の立派な建物が見えています。


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ほどなく来たH番のバスで移動です。遅れて到着したバスは人であふれています。そのために目的地に着くのも遅くなり、さらに停留所を間違えて1つ手前で下りたため、かなり歩くことになります。でも、ぎりぎりの時間ですが、まだ教会の扉は開いています。この教会はサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会Chiesa di Santa Maria della Vittoriaです。ここもファサードが工事中です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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この教会にあるのは、ベルニーニの有名な彫刻《聖テレサの法悦》です。ここも多くの人が押しかけています。大きな団体ツアーもいます。が、作品はかなり高い位置にあるので、見ることに難点はありません。逆に言うと、見えることは見えるのですが、下から見上げるので聖テレサの顔がはっきりと見えないということもあります。


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法悦というのは宗教的な悦びに悶えている様子ですが、一般人の愛の悦びの悶えと同じというように邪推してしまいます。それがこの彫刻の微妙によいところで、人気のある秘密でもあるのでしょう。実はさきほどの《福者ルドヴィカ・アルベルトーニ》もその路線だったんです。大理石彫刻で聖女の悶えを完璧に表現したベルニーニ、その作品を堂々と展示している教会、ローマカトリック教会の文化的な深さはいかほどのものか図りかねますが、芸術作品としての完成度・美しさは想像以上の素晴らしさです。
もっと顔がよく見たいと思いますが、このあたりが限界です。


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午後のバチカン美術館の予約は2時で少しだけ時間があるので、バルベリーニ通りVia Barberini沿いのバールで軽食をいただきます。


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イタリアは食の国、たかだかバールの軽食のサンドイッチも美味です。


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休憩もかねて、バールですが椅子のあるバールを選びます。そのせいか料金はやや高めです。

少し早いのですが、地下鉄でバチカンに移動します。地下鉄A線のバルベリーニ駅Barberiniは、エスカレーターでとっても深く地下にもぐっていきます。


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地下鉄は大変混雑しており、びっくりです。とにもかくにも、ローマの市内交通すべてが混雑しています。移動自体は便利なんですけど、疲れます。東京並です。
地下鉄でバチカンに向かいます。


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ローマでカラヴァッジョ巡り:大混雑のバチカン美術館

2011年10月10日月曜日@ローマ/5回目

地下鉄A線のオッタビアーノ(Ottaviano)駅から、10分少し歩いてバチカン美術館Musei Vaticaniの入口に到着。入口には大勢の行列ができています。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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でも、我々は事前に予約済なので入場はすいすいです。予約票と交換でチケットをもらいます。チケットの絵柄はラファエロですね。


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入口ではセキュリティチェックもありますが、そんなに厳しいものではありません。形式的なものでしょう。10年以上前に来た時とは、入り口はかなり様子が変わっています。新しいエントランスが出来たようですね。延々と歩かされた美しい螺旋階段は今はエスカレーターに変わっています。入場すると、美術館の中庭が賑わっているので少し見物。サン・ピエトロ大聖堂Basilica di San Pietro in Vaticanoのドームも遠くに見えています。


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中庭から美術館のエントランスの方を見ると、こんな感じです。


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では、そろそろ美術館の中に入りましょう。


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まずはギリシャ・ローマ時代の彫刻作品があります。どれも立派ですが、代表的な2作品を見ましょう。
これがハゲサンドロス、ポリュドロス、アタノドロスの《ラオコーン》です。ルネサンス期に発見され、大変な騒ぎになったそうです。


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これが《ベルヴェデーレのトルソ》です。大変マッシブですね。


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ところがここからが大変です。ミケランジェロの大天井画と大壁画で有名なシスティーナ礼拝堂Cappella Sistinaまで行くために、大混雑の中をあまり興味のないタペストリーとか地図とかを見ながら、延々と歩かせられます。前回行ったときにはそれほどにも感じませんでしたが、フルフルに収蔵品を見せるルートが確立したことと観光客の数が激増したようです。
これが地図の間の大混雑です。


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それでも前回は修復中でちらっと見ただけのラファエロの間がしっかりと見られたので、心残りはなくなりました。
これがラファエロの《アテネの学堂》です。


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これがラファエロの《聖体の論議》です。


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システィーナ礼拝堂ですが、2度目で変わり映えしないことと、そこに行き着くまでに精魂使い果たしたので、さっさと通り過ぎます。礼拝堂内は膨大な人であふれかえっています。それにうるさいです。以前は、静かにしろと怒られたものですが、それも納得できました。今はなんと祭壇もなくなり、単にミケランジェロ作品の空間になっています。礼拝堂ではなくなっているのです。観光に徹したようですね。有り難いような気もしますが、なんだか作品への感じ方も違ってしまったような気もします。
システィーナ礼拝堂全体の様子です。


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これがミケランジェロの《最後の審判》の大壁画です。


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これがミケランジェロの《天地創造》の大天井画です。


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やっと次は目的のカラヴァッジョを見ます。



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ローマでカラヴァッジョ巡り:ローマで最後のカラヴァッジョ《キリストの埋葬》

2011年10月10日月曜日@ローマ/6回目

システィーナ礼拝堂Cappella Sistinaを出て、本当のお目当てのカラヴァッジョを見に絵画ギャラリーに向かいます。そのためには、一旦入口に戻り、改めて絵画ギャラリーの方を目指すことになります。最初から絵画ギャラリーに行けばよかった・・・ということです。一目散にカラヴァッジョを探すと、すんなりと見つかります。これはとても素晴らしい絵です。
これが《キリストの埋葬》です。


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もともとは教会の祭壇画だったものです。教会で見るのにふさわしい作品に思えます。今日の午前中見た3つの教会の絵に引けをとらない圧倒的な迫力、魅力的な構図、背景の黒から浮かび上がる人物像のリアルさ、どれをとってもカラヴァッジョ渾身の作品です。
これでローマでのカラヴァッジョ鑑賞は終了。ほぼ予定通りに鑑賞できましたし、その魅力は十分に味わい尽くすことができました。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計20枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

隣にはグイド・レーニの《聖ペテロの磔刑》があります。


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先ほど同一題材のカラヴァッジョの作品を見たばかりですが、その影響を受けつつもレーニらしい作品に仕上げています。この人も相当の腕前です。

この美術館では、ラファエロの《キリスト昇天》も見逃せません。ラファエロの最高傑作のひとつです。


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また、バチカン美術館ならではの名品がこれです。


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メロッツォ・ダ・フォルリのサンティ・アポストリ教会の壁画装飾の断片です。特に右端の《奏楽天使(リュートを弾く天使)》が有名です。

ジョットの祭壇画もあります。
これが《ステファニスキの祭壇画》です。


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またまたびっくり。ここにもミケランジェロの《ピエタ》が置いてあります。サン・ピエトロ大聖堂のオリジナルと違い、すぐそばで鑑賞できます。見ている人もいないので、楽に見られます。意外にここで鑑賞するのもいいのかも。


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帰りは、例の螺旋階段をグルグルと降りて行きます。登るよりはずっと楽ですね。


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螺旋階段を下から見上げます。美しいですね。


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バチカン美術館は、しっかりと観光(鑑賞)ルートが確立したことを実感しました。その他、中庭が開放されのんびり過ごせるようになっていたり、カフェが充実していたりと、バチカン全体がテーマパーク化した様な感じです。その方向性がいいのかどうかは分かりませんが、そうでもしないとさばききれないほどの観光客です。美術館の外に出ましたが、相変わらず多くの人がたむろしています。


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これからどうしようかと考えますが、やはりサン・ピエトロ大聖堂Basilica di San Pietro in Vaticanoにもまわりましょう。バチカンの建物に沿ってぐるりと回るだけですが、かなりの距離があります。頑張って移動です。こちらもかなりの人が並んでいます。


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移動ルートを地図で確認しておきましょう。


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大聖堂の巨大なファサードです。


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人が多い割りには、大聖堂へはバチカン美術館ほどではなく入れてもらえます。すぐ近くに短パン姿の家族がいたのですが、注意はされてましたが入れてもらえたようです。大聖堂も祈りの場というより、観光地ですね。
内部も礼拝用の椅子はほとんど置いてなくて、大空間が観光客でいっぱいです。まずは、saraiの大好きなミケランジェロのピエタを見ます。これがオリジナルの本物です。


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かなり遠くからのガラス越しの鑑賞ということもあり、以前初めて見たときのような感動・ときめきは残念ながらありません。

大聖堂の中も、折角ですから見ていきましょう。
さすがにドームの大天井はスケールが大きく、圧倒されます。


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ベルニーニの作品群も鑑賞します。



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ローマでカラヴァッジョ巡り:バチカンから戻り、また美味しいイタリアンのディナー

2011年10月10日月曜日@ローマ/7回目

サン・ピエトロ大聖堂Basilica di San Pietro in Vaticanoの中を見て回ります。何といってもベルニーニの作品群が見ものです。
まずはベルニーニの天蓋を鑑賞します。何とも芸術的な天蓋です。


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これはベルニーニの教皇座です。ペテロの椅子に装飾したとのことですが、どこがどうなっているのか分かりませんが、これもとっても芸術的です。


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最後に大聖堂の全体を眺めて、外に出ます。


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これですっかり満足です。sarai的にはもうローマは見尽くしました。もう、これで最後の訪問となるかも知れません。

バチカンでホテル近くのレストランに予約を入れ、バスでいったんホテルに戻って休憩しましょう。今日はたくさん見て周って疲れましたからね。
ところが大聖堂を出てもすぐ前には路線バスのバス停が見当たりません。少し歩かないと駄目みたいです。大聖堂前からまっすぐに伸びる広々としたコンチリアツィオーネ通りVia della Conciliazioneを進みます。バスは停まっていますが、観光バスばかりです。


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通りの途中まで来て、振り返って大聖堂のほうを見ます。1日乗り放題のパノラマバスが停車しています。今更、このバスに乗るわけにはいきませんね。


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通りから右に折れて古めかしい雰囲気のある通りにはいります。


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しばらくしてテヴェレ川を渡り、ようやく最寄りのバス停からテルミニ駅方面行きのバスに乗車。ホテルに戻ります。

ホテルでちょっと休憩して、ホテルから5分ほどの『リストランテ・サンティRistorante Santi』へ。肩肘はらないレストランです。


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バチカンからホテル経由でレストランまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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このレストランには日本語メニューもあり、便利です。
まずは白ワインをボトルでいただきます。なかなか美味しいワインです。


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オードブルは生ハムとメロン。


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トマトソースのスパゲッティ。


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野菜スープ。


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メインは鶏肉のグリル。


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メインのもう一つは魚。この店は魚料理が名物です。


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デザートはやはりティラミス。


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またまた美味しいイタリアンを頂き、白ワインもまわり、満腹です。こんなことでいいんでしょうか。いいんですっ!

ホテルに戻り、これまでの記事をすべて完了させます。

明日は午後までローマでゆっくりし(この時点ではそう思っていましたが・・・)、高速列車でナポリに移動です。ナポリからは1泊続きなので、明日からはフル活動しないといけません。




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ローマの最後はアッピア街道:アッピア街道の石畳を往く

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/1回目

旅は6日目です。

さて、今日はアッピア街道Via Appiaに出かけることにします。

昨日は順調にカラヴァッジョやベルニーニを楽しむことが出きて、今日の予定は何もなくなってしまったんです。
昨夜、配偶者と二人で、ナポリに出発するまでローマで何をしようかという相談になり、saraiはアッピア街道に行ってみたいと提案。アッピア街道については予定外で何の資料もありません。saraiがブログを書いている横で、配偶者はベッドに寝転びながら観光案内書を読んでいますが、結構面倒そうです。だって街道を見ると言ってもね・・・と悩んでいるうちに配偶者はグーグームニャムニャ・・・。

今朝、配偶者が目を覚ました時、saraiはまだまだグッスリ。それではと、配偶者がアッピア街道についてネットで調べると、あるもんですねーって感じだったそうです。見つけたのは、アッピア街道を歩いた人の詳しいブログ記事。それを聞いてsaraiも起き出し、電車やバスの路線を調べたり、夢中でメモを取ります。旅先ではプリンターに印刷できませんからね。急な企画にsaraiがバタバタ準備をしている間に、配偶者は急いで出発の準備をしてくれます。まさに2人三脚の態です。今日は午後の列車でナポリに移動するので、荷物をまとめて部屋をチェックアウトしないといけないんです。

アッピア街道遠征の準備も出来、荷物をホテルに預けて出かけます。
とりあえず、テルミニ駅Terminiのツーリスト・インフォメーションでアッピア街道に関する資料をもらっておきましょう。ツーリスト・インフォメーションに行くと、ローマパスは売り切れの表示が出てます。売り切れになるんですね。3日前にはここで買えたのにね。


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ローマパスはもう関係ないので、アッピア街道について聞くと、それ自体の資料はないとのあっさりしたお答です。やっぱりね・・・。それでもアッピア街道付近までのおおよその地図をいただきます。肝心のアッピア街道はほとんど記載がないので、自分で調べた範囲内の知識で行ってみるしかありませんね。

まずは、テルミニ駅から地下鉄B線でチルコ・マッシモ駅Circo Massimoに移動です。そこからアッピア街道近くを通る118番のバスに乗り換えます。チルコ・マッシモ駅の目の前にはローマ遺跡が広がります。


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カラカラ浴場Terme di Caracallaでしょうか(後で調べると、古代ローマ時代のキルクス(戦車競技場)跡でした。イタリア語では、チルコ・マッシモCirco Massimoと呼ばれています。)。何となく同じ方向に行きそうな人たちと遺跡を眺めながらバスを待ちますが、なかなか来ません。時間に余裕はないのにね。タクシーにしようかと思った頃、バスが来ます。バスに乗ると、走り出したバスはすぐに通りを右に折れて、見事な笠松の並木の道を走ります。


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バスは元気よく、遺跡の間を走っていきます。右手に見えるのがどうも本当のカラカラ浴場Terme di Caracallaのようです。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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そのうちに、ガタガタと激しい振動です。お~、アッピア街道を思わせる石畳の上を走っています。が、実際はまだ、ポルタ・サン・セバスティアーノ通りVia di Porta San Sebastianoです。アッピア街道に続く道ですね。


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何だかそれらしい街道を走っていくと、城門(サン・セバスティアーノ門Porta San Sebastiano)をくぐります。古代ローマ時代の城壁であるアウレリアヌス城壁Mura aurelianeに設けられた最大の城門です。アッピア街道に通じる城門なので、古代ローマ時代にはアッピア門と呼ばれていたそうです。現在、この城門は城壁博物館Museo delle Muraになっています。


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ここからは城壁の外になります。いよいよ、ここからは古代アッピア街道が始まるんでしょうか。ローマ時代に隠れていたキリスト教徒たちのお墓(カタコンベCatacombe)があるのは、この辺りですね。などと思っていると、バスが停車し、ごそごそと乗客が降り始めます。


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sarai達も慌ててバスを降り、先に下りた女の子にここがサン・カリストのカタコンベCatacombe di S.Callistoかと聞くと、I think so だって(苦笑)。古びた塀のアーチ形の入口をくぐると、カタコンベの案内図があります。みんなもその方向に向かいます。


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途中に観光バスの大駐車場があります。ここは大観光地のようですね。


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カタコンベへの道標があります。道標の下の丸い注意板は、聖なる場所なのでそれにふさわしくない服装への警告でしょうか?


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サン・カリストのカタコンベCatacombe di S.Callistoに着くと、配偶者はカタコンベには入らないとのこと。saraiも特に入りたいわけではありません。


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それではと先ほどバスを降りたところに戻り、そこから、いよいよアッピア街道歩きを始めます。道標がしっかりと立っています。心強いですね。古代アッピア街道Via Appia Anticaのチェチリア・メテッラの墓Mausoleo di Cecilia Metellaの方向を表示しています。


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ということは、やはり乗っていたバスは既に古代アッピア街道をずっと走っていたんですね。ただ、石畳といっても最近整備されたもののようで、路面には比較的小さな石が並べてあります。


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本当の古代アッピア街道はかなり大きな石が並べてあるはず。まあそれとて近年に補修したものでしょうけどね。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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いよいよ、アッピア街道を歩き始めます。


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テーマ : ヨーロッパ
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インバル/ラクリン/東京都響playsショスタコーヴィチ@サントリーホール 2011.12.20

今日は実質、今年聴く最後のコンサートになります。
前半はウィーンの俊英ラクリンのヴァイオリンの素晴らしい音色に聴き惚れ、後半はインバルと都響の全身全霊を傾けたようなショスタコーヴィチのショスタコーヴィチのショスタコーヴィチの大音響にすっかり満足し、まさに今年をしめくくるにふさわしいと思えるコンサートでした。
今日のプログラムは以下の通りです。

 指揮:エリアフ・インバル
 ヴァイオリン:ジュリアン・ラクリン
 管弦楽:東京都交響楽団
 
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77

  《アンコール》 バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 より “サラバンド”

  《休憩》

 ショスタコーヴィチ:交響曲第12番ニ短調 Op.112《1917年》

まずはショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番です。
この曲は終始、ソロのヴァイオリンが弾きまくる曲ですから、ヴァイオリニストの出来がすべてと言っても過言ではないでしょう。ただ、前日予習のために聴いた演奏が初演者であるオイストラッフとムラヴィンスキーのあまりに凄すぎる演奏だったので、まず、これを超える演奏は不可能とも思えます。ですから、聴く前から少し、こわごわという感じで聴き始めました。低弦の序奏に続いて、すぐにソロのヴァイオリンがはいってきます。ラクリンのヴァイオリンは第1楽章の性格上も抑えた響きですが、ヴィブラートのきいた美しい音です。十分に満足できる演奏です。昨日のCDさえ聴かなければ、感動ものの演奏だったと言えるでしょう。ラクリンは生では初めて聴きましたが、素晴らしいヴァイオリニストです。瞑想的な演奏もフィナーレのリズムに乗りきった演奏も素晴らしいものでした。アンコールのバッハの無伴奏は妙な思い入れのないすっきりした演奏でした。こういう贅肉のない演奏もいいですね。

休憩後は交響曲第12番です。この曲はあの素晴らしい第10番の後に作曲された第11番とセットになるもので、前回聴いた第5番と同様に色々と取沙汰されることの多い音楽ですが、saraiとしてはやはり音楽は理性で聴くのではなく、感性で聴くという思いがあります。作曲の背景や思想を無視するわけではありませんが、もっと虚心坦懐に音楽に接したいという気持ちが強いんです。感性で聴くと書きながら、何これ理屈を言っているわけですが、要はこの壮大な曲を気持ちよく楽しめてしまったということです。インバルの指揮もストレートな表現で実に圧倒的なもので、第5番のときのように細かいニュアンス付けよりもひたすら推進力のある音楽を目指しているようです。都響もその能力いっぱいに今まで聴いたこともないような分厚く、切れのよい演奏でした。弦は美しいというよりも迫力があり、管も頑張っていました。まさに指揮者もオーケストラも一体になった名演でした。フィナーレの大音響は生ならではのもの。やはり、生は最高です。

これでこのコンビのショスタコーヴィチは2曲聴きましたが、期待以上の出来です。来年3月の大作、第4番が待ち遠しいです。第5番、第12番とはまったく傾向が異なるので、どういう演奏になるでしょう。



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ローマの最後はアッピア街道:上天気の下、街道を元気に散策

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/2回目

アッピア街道Via Appia Anticaを歩き始めます。間もなく、右手にサン・セバスティアーノ聖堂Basilica di San Sebastianoが見えてきます。


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この教会の脇にサン・セバスティアーノのカタコンベCatacombe di San Sebastianoがあるようですが、カタコンベはパスします。配偶者のお好みではありませんからね。道端には、こんな可愛い水飲み場があります。


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街道をさらに進むと今度は左手にマクセンティウスの競技場Villa di Massenzio跡とロムルスの廟Mausoleo di Romoloの門があります。


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マクセンティウスの競技場跡も外から見るだけで中に入るのはパスです。見るだけでも広々として綺麗ですね。


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だんだんとアッピア街道らしくなってきた道を進みます。とてもよい天気でピクニック気分です。


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道のまわりも草原になり、とても気持ちがいいです。


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道の左手にはチェチーリア・メテッラの墓Mausoleo di Cecilia Metellaがあります。


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チェチーリア・メテッラというのは、古代ローマの3頭政治でカエサル、ポンペイウスとともに一翼を担ったクラッススの息子の妻だそうです。さすがに重要人物の親族の墓は立派です。中も見学できるようですが、ここも外から見るだけでパスします。


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チェチーリア・メテッラの墓の向かいには、S.ニコラ教会Basilica di San Nicolaの廃墟があります。


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アッピア街道を示す立派な道標もあります。


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チェチーリア・メテッラの墓近くにはバス停もあります。アルケオバスArcheobusというアッピア街道を巡る小型の観光バス専用のバス停です。


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ローマ水道の名残りと思われるものもあります。雰囲気いいですね。


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チェチーリア・メテッラの墓を過ぎて、アッピア街道はさらに続きます。元気よく歩きましょう。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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まだこの時点では、この先どんなトラブルが待っているか、saraiも配偶者も知る由もありません。


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ローマの最後はアッピア街道:古代の面影を残す街道は雰囲気たっぷり

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/3回目

チェチリア・メテッラの墓Mausoleo di Cecilia Metella辺りを過ぎると車の往来もほとんどなくなり、いよいよ古代アッピア街道Via Appia Anticaの面影が感じられます。石畳が大きな石となり石畳の凹凸が大きいため、車はがたがた走行を強いられ、とても走れないんです。これこそ古代アッピア街道の石畳なんでしょう。


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街道沿いに珍しく休憩所があります。この後はもうこのような施設はないようです。


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美しい門構えが見えます。名称のプレートを見ると、この近くにある史跡Capo di Bove(牛の頭)の名前が書かれています。


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すぐ先にその史跡Torre di Capo di Bove(牛の頭の塔)という石塔があります。


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この先はますます古代を偲ばせるアッピア街道です。どこまでもどこまでも真っ直ぐ続いています。


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街道の両脇には小高い側道があり、その横は低い石垣が連なり、その向こうは草原や森のようになっています。側道には点々と石塔やレリーフ、石棺、墓のようなものが並んでいます。
これはお墓でしょうか。


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こういうものが点々と続きます。

また、厳重に網で囲われたところがありましたが、これは軍用区域で立ち入り禁止の札がかかっています。


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この辺りの石畳も相当に古く、はっきりと分かる轍の跡が2筋続いています。戦車や荷車や馬車が通った跡でしょうね。


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また、大きなお墓と思われるものもあります。


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道端の側道寄りに咲く小さな草花が可愛いですね。これらを愛でながら、気持ちよく歩きます。


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街道の右側には男性の像があります。《英雄のレリーフ》Rilievo eroicoです。これはレプリカで、オリジナルはローマ国立博物館にあるそうです。


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これは《マルクス・セルヴィリウスの墓Sepolcro di Marcus Servilio Quarto》です。色々なタイプのお墓があります。


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この辺りはますます古代街道の雰囲気があります。つまり、まわりに何もない田舎道で、笠松や糸杉の並木道がひたすら真っ直ぐ続きます。


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目標のクインティリ荘Villa dei Quintiliを目指して、2人で元気よく歩きます。


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ローマの最後はアッピア街道:街道沿いはお墓だらけ

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/4回目

アッピア街道Via Appia Anticaの散策はまだまだ続きます。

アッピア街道沿いには驚くほどお墓が多く、それらがまた様々な形をしています。こうして道沿いのお墓ならお参りもしてもらえそうだし、現に現代の無関係なsarai達まで知らず知らずのうちにお墓参りしているわけで、ちゃんと意図通りの結果になっていますね。アッピア街道の散策って、まるでお墓参りのピクニックみたいなものです。
円形のお墓Mausoleo circolareです。


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珍しく民家があります。この辺りではこの1軒だけです。


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またまた、お墓。《Sextus Pompeus Justus一族の墓》です。


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また、お墓。《Hilarius Fuscusの墓》です。


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そして、笠松と糸杉の並木の続くアッピア街道がずっとまっすぐに伸びています。よくこんな道を作ったものだと先人の努力の跡に感心します。


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また、お墓。ちょっと変わった形で入口には最近のものらしい鉄柵があります。煉瓦造りの墓Colombario in laterizioです。


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《Tiberius Claudius Secondinusの墓》です。


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《Quintus Apuleiusの墓》です。


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《Rabiriusの墓》です。


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これもお墓と石塔Sepolcro c.d. del Frontespizioです。まだまだお墓が点々と続いています。


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バスを降りて歩き始めてから1時間半近く、ようやくはじめてアッピア街道が車の走る道と交差します。Erode Attico通りです。


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この交差点の角に、観光客向けの移動販売の車が店を開いていました。ホットドッグ、パンニーニなどの軽食や飲み物を販売しています。たいして通行人もいないので商売になるのかなとも思いますが、アッピア街道沿いにはお店などは1軒もないので助かる人もいるのでしょう。


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交差点を過ぎて、なおもどんどんアッピア街道を進みます。


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この辺りの地図を確認しておきましょう。


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もう目的地のクインテッリ荘Villa dei Quintiliも近い筈です。この後、大変なトラブルに見舞われることになります。


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ローマの最後はアッピア街道:道に迷って、万事休す!

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/5回目

アッピア街道Via Appia Anticaを2人で元気よく歩いていると、後ろから若い人たちが次々と自転車で追い越していきます。公園管理事務所で自転車を貸し出してくれるようです。写真を撮ってくれと言ってくる女の子のグループもあり、saraiは上機嫌で『ハイ、チーズ!』。
今日は素晴らしい青空で、ちょうど歩いていく方角に太陽があり眩しくて、とても暑いんです。上着を脱いで、腰にしばりつけます。なるべく側道の木陰を選んで歩きます。先に進むほどにだんだんと人の数も減ってきて、先程の車道を横切った後は人もまばらです。この辺りまで来る人はいないようですね。それでもなおかつ散策している人に出会うと挨拶を交わしながら、歩きます。「今日はお天気も最高だし、空気もいいし、車もいなくて素晴らしいね」とおじさんが話しかけてきたとたん、1台の車がゴトゴト走っていき、大笑いします。

大きな煉瓦遺跡Primo Monumento in Laterizioがあります。


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その隣には立派な邸宅の門Villa Appia Anticaがあります。こんなところに住んでいる人もいるんですね。


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邸宅の庭と思しきところでは、スプリンクラーで水を撒いています。お金持ちのお屋敷なんでしょう。


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この先で左に折れて、ローマ時代のクラウディア水道橋Aqua Claudiaに向かう予定なんです。注意深く分岐路を探しながら歩きます。すると、それらしい道がありましたが、どこにも通りの名前を示すものがありません。これではないようです。


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近くに小高い塚の上に崩れかけた石塔Tumulo dei Curiaziがあるので、もしものときの目印にしましょう。

2時間近くも歩き、ようやく目標のクインティリ荘Villa dei Quintiliに到着。広々とした草原に点々と廃墟があるだけのものでした。


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自転車で追い抜いていった若い人達もこのあたりにたむろしています。


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《クインティリ荘のニンフェオ》Ninfeo Villa dei Quintiliです。クインティリアヌス兄弟の別荘だったようです。中は見学できるようですが、もう時間もおしているのでパス。


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このクインティリ荘の辺りにアルケオバスのバス停があり、その手前から土の道を左に折れることにしています。バス停が見当たらないので先に進んでみます。アッピア街道はまだまだずっと続きます。


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しかし、クインティリ荘を過ぎて行けども行けどもバス停はありません。ずい分進んだところに整備した遺跡Casal Rotondoがあります。煉瓦の壁に古い装飾のかけらをパズルのように組み合わせているようです。


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その先にもかなり傷んだ大きな遺跡があります。


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そうこうするうちに、また大きな車道と交差している所にさしかかります。


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さらに、交差点のちょっと先まで行ってみましたがバス停はありません。クインティリ荘から20分近くも歩いてきているのです。変ですよね。さすがにバス停を探すのを断念。
アッピア街道はまだまだ真っ直ぐ続いていますが、周りは人気もない原っぱです。なす術もないので、元の道を戻ることにします。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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しかし、戻ると言っても、下車した元のバス停へは2時間以上もかかることになります。それではローマ・テルミニ駅からナポリまでのチケット購入済みの列車の発車時間(午後2時)には到底間に合いません。もう既に12時20分過ぎです。配偶者は列車に間に合わなくてもいいから落ち着いて歩きましょうと言ってくれますが、何とかしたいものです。先程のアッピア街道と交差していた車道を行くことも考えましたが、バスなどが走っている気配はありません。やはりアッピア街道を急ぎ足で戻るしかないですね。ようやくクインティリ荘まで戻ってきました。再確認しながら戻りますが、もちろんバス停は見当たりません。もしかしたら、バス停は撤去されたのかも知れませんね。気になるのは、このクインティリ荘から5分ほど戻ったところにある道しるべのまったくない横道(土の道)です。来るときにも気にはなりましたが、まったく道しるべがなかったので、そこを折れることは除外していました。しかし、事ここに至れば、もう失うものは何もないので、思い切ってその道に入ってみることにします。林の中の砂利道です。


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林の中の一本道をかなり進むと、羊が放牧されている所に出ます。


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ということは、人が住んでいるということですよね。なんだか嬉しいです。いざとなれば、誰かに道を尋ねることもできるかもしれません。
さて、この結末はどうなるでしょう。

現在地を地図で確認しておきましょう。(その時はもちろん、自分のいるところがどこかは分かっていませんでしたよ(笑い)。)


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ローマの最後はアッピア街道:最後の結末は・・・

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/6回目

アッピア街道Via Appia Anticaの迷路から抜け出すべく、狭い未舗装道路を一心に進みます。だんだん人里の感じがしてきます。やがて、前方にテニスコートが見えてきます。


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さらに進むと遠くに街らしきものが見えだし、そのうちに目の前に車が往来する立派な道路。ヤッタ!
でも、もうこの時点で列車の時間までに1時間ほどになっています。駅に戻り、ホテルから荷物を持って列車に乗り込むのは微妙なところです。道の左右を急いで見渡すと、ガソリンスタンドが目に入ります。少なくとも何か相談はできそうです。さらになんと、そのガソリンスタンドのそばにバス停を発見!! それっ、急げ! 途中に大きな花屋さんがあり配偶者は恨めしそうですが、ここは花屋には目もくれずに急ぐしかありません。


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花屋さんの魅惑的な入口を足早に通り過ぎます。


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バス停の路線図を見ると、どうも逆方向がよさそうです。


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急遽道を横断し、向かいのバス停に移動。時刻表を見ると、どうやら来るときに乗ってきた118番のバスがまもなくやって来るようです。祈るような気持ちで、通りの向かいの花屋さんのガーデンを見ながら待ちます。


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と、さほどに待つことなくバスの姿が見えてきます! まさに救いの神を見る感じ。急いで乗り込んだバスは、やがてアッピア街道に入り、先ほど降りたカタコンベ・サン・カリストCatacombe di S.Callistoを通過。この後は来た時とほとんど同じルートを逆に戻っていきます。順調に走り、ようやくアウレリアヌス城壁Mura aurelianeまで戻ってきます。もう少しで着きます。急いでくれと念じるばかりです。

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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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遂に地下鉄チルコ・マッシモCirco Massimo駅前に到着。通りからは遺跡の発掘現場も見えていますが、とりあえず急ぎましょう。


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ここからはローマ・テルミニ駅まで地下鉄B線で3駅です。分刻みの勝負になってきます。急いで地下鉄の駅に降りて、入口でローマパスを出そうと、腰にまいた上着のポケットを探ると、ない!! どうやら、歩いているうちにポケットから滑り出したようです。エッ!、ということは、さっきのバスは結果的に無賃乗車だったことになりますね。地下鉄は入口で改札があるので無賃乗車はあり得ませんが、チケットを買わねばなりません。係の人にチケットの販売機の場所を聞くと、販売機はすぐ近くにあるので、何とかささっと1回乗車券を購入してホームへ。その間に電車は来なかったので、時間のロスはありません。電車はすぐにやってきて、スムーズにテルミニ駅に到着。ここからホテルはそれなりに距離がありますが、方向感はつかめているので地下通路を迷わずに進みます。駅の地上部分に出ると、ちょうどホテルへの道の真ん前です。この時点でようやく、予定の列車に間にあう確信を得ます。

ホテルに着くと、saraiが階段を駆け上がり、配偶者はエレベータに乗って、降りる手段を確保することに。涙ぐましい連携プレイです。saraiがエレベータまでスーツケース2つを引っ張っていくと、配偶者が既に待機中。あとは駅まで一直線。電光表示板で出発ホームを探します。ナポリ行は6番ホームです。急いで6番ホームに向かいますが、念のためもう一度電光表示板で確認すると、14時発の列車はサレルノ行で8番ホームです。先ほどのは到着分だったんでしょう。あぶない、あぶない。
改めて8番ホームに走ると、既にユーロスターAVは入線済。我々の乗る1等車の2号車はすぐそこなので、飛び乗ります。スーツケースを荷物置き場に積み上げて、席に行くと、今度はちゃんと窓際の2席は空いています。隣に若いアメリカ人女性が座っていたので通してもらい、ようやく目的の列車に着席。ようやくほっと一息です。時計を見ると、もう発車4分前。配偶者によると、この列車は予定よりも1分早く発車したそうですから、本当にぎりぎりでした。ふ~っ・・・。

ところで、隣りに座っているアメリカ人は横の2人席に座っているご両親との旅行のようで、ウィスコンシンの何とかという街から来たとのこと。途中から、日本人には説明が難しいと思ったらしく、広い意味でシカゴよって言い直していました。この女性は我々2人の写真を撮ってくれたりして、親切できさくな方です。この旅行の列車の旅のお供はアメリカ人と決まったようです。

列車は無事にsarai達を乗せて、テルミニ駅のホームを滑り出します。


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ここでようやく、朝出かける時に駅のパン屋さんで仕入れ、アッピア街道で食べるつもりだった昼食を食べることになりますが、saraiはくたびれて食欲もありません。配偶者はぱくぱく美味しそうに食べています。本当に豪胆な女性だと今更ながら感心します。


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ユーロスターAVは快調に走り、青空が綺麗な山間部にさしかかります。


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やがて、山間部も抜けて、ナポリに近づいてきます。


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もう10分ほどでナポリです。アッピア街道ではどうなるかと心底思いましたが、何とか無事にローマからナポリに移動できそうです。



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ナポリは天国と地獄:カポディモンテ国立博物館でカラヴァッジョの名作

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/7回目

高速列車は1時間10分後の14時10分にナポリ中央駅Napoli Centraleに到着。アメリカ人親子ともお別れです。荷物をがらがら引いて、いかにも治安の悪そうな通りを用心しながらホテルに向かいます。お昼で陽も高いので、まあ大丈夫でしょう。そのためにも明るいうちにホテルに入れる早い時間の列車にしたんです。ナポリのホテルは『B&B デル コルソ(B&B Del Corso)』。ここでは1泊のみです。

ナポリへの到着後、その日のうちにカポディモンテ美術館Museo Nazionale di Capodimonteを訪問する予定なので、選択の余地なく駅近くのホテルにしました。それに、このホテルは信じられないくらい安いんです(2人で1泊59ユーロ)。それでいて、朝食も付いています。なんと、バスタブもあるんですっ。

ホテルに向かって、荷物をがらがら引いて歩きますが、思ったよりも駅から遠く、配偶者からはこれって駅そばなのって言われます。でも、初めての道でゴチャゴチャしているので遠いように感じますが、実際には10分程の距離です。アパートメントのように門の前でボタンを押すと、インターフォンから3階まで上がってきてねという声がして入口を開錠してくれます。入口からは階段しか見えなかったのでギョッとしましたが、ちゃんとエレベータはあります。無事、レセプションでチェックインです。レセプションの女性はホテルの向かいが住居とのことで、小規模な家族経営のホテルです。詳細なオリエンテーションがあり、感謝というか迷惑というか・・・。ようやく開放されて、部屋に入りますが、部屋は実に素晴らしくて、びっくり。広く綺麗で、ベッドもトリプル。写真のベッドは予備用の3つ目のベッドです。写真には写っていませんが、右手にツインのベッドがあります。


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バスルームもとても広くて手入れも行き届いています。これは洗面台。綺麗でしょう。


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バスタブも大きくて立派です。形も可愛いですね。久しぶりにお風呂に体を沈められそうです。


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これで朝食も付いて、無料のWIFIもできます。とても安いですね。1人分の価格じゃないかって配偶者がつぶやくほどです。そうそう、無料のよく冷えた水のボトルも2本サービスで助かりました。何せ、ヨーロッパは乾燥しているのでやたら喉が渇くんです。

部屋に大満足だからとて、落ち着いているわけにはいきません。ネットの接続の確認も省略し、急いでホテルを飛び出し、カポディモンテ美術館に向かいます。
今日の最後の目的を果たさないといけません。今日は火曜日ですが、明日の水曜日はカポディモンテ国立博物館は休館なんです。今日のうちに、その美術館にあるカラヴァッジョを見に行く必要があります。この美術館が結構遠くて、行き方もややこしいんです。再びナポリ中央駅に戻ります。これが駅前です。なんだか雑然としたところですね。


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駅の中にはいります。駅自体は清潔です。


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キオスクで公共交通の1日券を購入。この1日券というのがこの後のトラブルの元になったんです。
キオスクはものすごく混み合って行列ができています。


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ガイドブックでは1日券は3.1ユーロの筈でしたが、ミラノやローマ同様に値上げになっており3.6ユーロ。ヨーロッパは物価がどんどん上昇しているようです。
地下鉄のホームと思われるホームに移動しますが、そのホームには普通のイタリア国鉄(fs)の車両が入ってきます。地下鉄を探してホームを上がったり下がったりしているうちに、だんだんこれでよさそうな気がしてきました。思い切ってやって来た電車に乗り、乗客の女の子にカブール広場Piazza Cavourに行くかと聞くと、シーとのお答え。これでよかったようで、無事にカブール広場に到着。カブール広場では、バスに乗ろうとしますが目的の路線のバスの番号78番が表示されていません。78番のバス停を探して、街の中を次の次のバス停(国立考古学博物館前)まで歩いていると、配偶者が偶然78番のバスを発見。それ~っとそのバスに突進し、運転手さんにカポディモンテ国立博物館に行くかと聞くと、行くとのこと。横にいた乗客のおじいさんもムゼイ(博物館)だろうと言うので、そうですって答えましたが、これが後で役立ちました。こちらのバスは車内の表示もアナウンスもないので、観光客にとって乗るのはいいのですが降りるのが大変。ナポリの交通事情はほとんどつかめていないので、行き当たりばったりで感に頼るしかありません。かなり丘の上に上がってきて、この辺りかなと思っていると、先ほどのおじいさんが近づいてきて何やら説明してくれます。イタリア語なのでほとんど分かりませんが、雰囲気は分かります。どうやらおじいさんが指示を与えてくれるみたいです。大船に乗った気持ちで指示を待ちましょう!
バスを降りるようにとのおじいさんから指示でバスを降りると、バス停のすぐそばがカポディモンテ公園の入口でした。グラッチェ!


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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カポディモンテは丘の上の王宮で、今は広大な公園になっています。博物館は全く見えませんが、行き先を示す標識に従って歩きます。


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市民の憩いの場になっているらしく、三々五々散策している人達がいます。緑の中を博物館に向かいます。


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ようやく王宮の建物を使った博物館が見えてきました。赤い壁が印象的ですね。


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建物に入ると、そこは中庭のようになっています。


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中庭から建物の内部に入り、チケット売り場を探しますが見つかりません。その辺りに5,6人の男女がたむろしていますが、チラッと見るだけで何もいいません。かなりうろうろしていると、ようやくチケットかって尋ねてくれます。建物の外でチケットを売っているよってことです。実はここは出口です。特にチェックもないようで、その気になれば無料で入館できるみたいです。
やっと正しい入口のチケット売り場にたどり着きます。


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早速チケットを購入。1人6.5ユーロです。


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美術館は2階と3階になっていて、膨大なコレクションです。立派な階段を上って、2階に上がります。


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最終的にカラヴァッジョは3階にありましたが、2階にはティツィアーノの名作が無造作に展示されていました。本物なんでしょうね。2階の展示の紹介は後回しにします。3階に上がり、突き当たりに展示されているカラヴァッジョに一目散で向かいます。《キリストの笞打ち》は、大きなキャンバスで額もなく、この絵を1枚だけ展示した室に照明を当てて展示されています。


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椅子もちょうど2脚あります。誰も見る人とていず、またまた2人で独占状態。思う存分鑑賞します。


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キリストが茨の冠をかぶらされ激しく鞭打たれる場面ですが、平静に従容として受け入れるキリストの姿、鬼のような形相で鞭打つ役人、これまた静と動のダイナミックな局面が描かれています。その対比を見事に表現しており、圧倒的な絵の迫力は群を抜いています。そこが1番カラヴァッジョの素晴らしいところなのかも知れません。昨日のバチカンとこのカポディモンテの絵は、いずれもキリストが描かれ教会の祭壇に飾られていた大作で、両者は甲乙つけがたい傑作に思えます。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計21枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

さて、カポディモンテ国立博物館のほかの名作絵画もご紹介しましょう。




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ナポリは天国と地獄:カポディモンテ国立博物館は名作の宝庫

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/8回目

カポディモンテ国立博物館Museo Nazionale di Capodimonteでカラヴァッジョを見たところまでご紹介しましたが、実はカラヴァッジョを見たのは3階のフロアに上がってからです。その前に2階のフロアで名画の数々を見ていたので、時を遡って、その2階のフロアの名画をご紹介します。
ここにはベネツィアの巨匠ティツィアーノの傑作が揃っています。
《パウルス3世の肖像》です。ファルネーゼ家出身の教皇パウルス3世はティツィアーノのパトロンでもありました。そもそもこのカポディモンテ国立博物館の美術品はファルネーゼ家の収集品が中心になっているので、この作品はこの美術館に最もふさわしい作品と言えるでしょう。


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《ダナエ》です。ティツィアーノらしい、とても美しい作品です。こういう美女を描かせて、彼の右に出る者はいませんね。


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《マッダレーナ》です。これもティツィアーノのお得意のポーズの1枚です。虚空を見上げる美女の表情の美しさといったら、たとえようもありません。


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マザッチオの《キリストの磔刑》です。ルネサンスの始祖マザッチオの代表作のひとつであり、この美術館を代表する1枚でもあります。


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パルミジャニーノの《アンテア》です。マニエリスムを代表する画家の見事な作品です。この美術館のポスターにもなっています。


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グイド・レーニの《アタランタとヒッポメネス》です。今回の旅では、この画家の作品によく出会います。この作品も恐いくらい美しく魅惑的です。


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ゴヤのスペイン王家の肖像画2点です。
《カルロス4世の肖像》です。プラド美術館に家族の有名な肖像画がありますね。


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《マリア・ルイーズの肖像》です。カルロス4世の王妃です。ゴヤは本当に赤裸々な肖像を描きます。こんなふうに描かれて、国王・王妃はお怒りにならなかったのでしょうか。それとも、この絵が分からなかったのか、度量が大きかったのか・・・謎です。


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最後にこれは作者が分かりませんが、モデルのあまりの美しさにsaraiがくらくらっときてしまい、とても気に入った無名の絵画です。絵の内容からはマグダラのマリアでしょうか。現実にこんなに美しい女性がいるんですね!(きっと、モデルが超美人だったに違いないと思います。)


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このあたりでこの美術館には満足。この他にも素晴しい作品が揃っています。さすがにローマの名門ファルネーゼ家のコレクションです。
このカポディモンテ国立博物館で美術品とともに忘れてはならないのが景色です。丘の上の王宮の建物なので、見晴らしがいいことこの上なしです。ナポリの街とその向こうにナポリ湾が見えています。


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左に目を転じると、ナポリのシンボルのヴェスヴィオ山Vesuvioがよく見えます。


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美術館を出て公園内を歩いていると、公園内の建物が夕陽に輝いています。もう夕刻です。


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ここから、楽しみにしていたナポリのピザを夕食で食べるために、有名レストランのブランディに携帯で予約を入れます。また、バス停に戻りましょう。すると、前を歩いているカップルに気が付きます。


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何と男性のTシャツには日本語でウルトラマンと書かれています。意味分かって着ているんでしょうか。日本では、あまり大人は着ていませんね。

では、ナポリのピザを楽しみましょう。




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ナポリは天国と地獄:ピザ・マルゲリータ発祥の店ブランディ

2011年10月11日火曜日@ローマ~ナポリ/9回目

カポディモンテ国立博物館Museo Nazionale di Capodimonteで満足した後は、食い気です。食の街ナポリといえば、ピザ。ピザといえば、何といってもピザ・マルゲリータ発祥の店ブランディです。
バスで街に向かいます。バスの路線がよく分からず、3度ほどバスを乗り継ぐことになってしまいました。バス停には電子掲示板があり、乗り換えの参考になります。こういうのは便利ですね。


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なんとかブランディ近くの王宮前に到着。そこは以前行ったサン・カルロ歌劇場Real Teatro di San Carloの真ん前でもあります。予約まで少し時間があるので、ウンベルト1世のガッレリアgalleria Umberto I に寄ってみます。久しぶりに見ましたが、ミラノのガッレリアとよく似ていますね。


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ガッレリアの中心付近です。


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予約時間になり、レストランへ。ここは前回の旅で2度も通ったお気に入りのお店ですが、なかなか見つからず賑やかな通りをうろうろと迷います。


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が、何とか発見。横の狭い通りに入るんです。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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お店は、向かいの建物もブランディになっていて記憶と乖離があります。お店は相変わらず混み合っています。


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まずは白ワインと水を注文。昔この店でとっても美味しくて是非また食べたかったズッパ・ディ・ペッシュをお願いすると、すげなくノー。2年前まででやめたそうです。でも、10年前もメニューにはなかったんです。きっと、そういう特別注文をきかない経営方針に変わったのでしょう。仕方がないので諦めて、定番のピザ・マルゲリータとピザ・カプリチョーザにしときましょう。
白ワインのボトルが運ばれてきました。


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これが有名なピザ・マルゲリータです。美味しそうです。


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ピザ・カプリチョーザです。


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相変わらずピザは美味しくモチモチですが、saraiが歳を重ねて胃が小さくなりピザ1枚が食べきれず・・・。残してごめんなさい。
デザートにさっぱりしたところでソルベを頼もうとしたら、これもない。いろいろ示された中からメロンを頼むと、雑メロンですが冷たく冷えた甘いメロンでとっても美味しくいただきます。


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そうそう、カプチーノを頼んだら、エスプレッソのみとのこと。それではと、エスプレッソを頂きます。


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お蔭でお勘定は安く済みました。昔ほどの感動もなく、ブランディももういいかなって感じです。ナポリのピザも卒業でしょうか。

ブランディを出て夜空を見上げると、見事な満月です。ナポリの月もいいものです。


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夜道をナポリ港まで歩きます。ライトアップしたカステル・ヌオーヴォが近くに見えてきます。


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そこからトラムに乗って、ホテルに帰着。ホテルのすぐ近くにトラムの停留所があります。このトラム路線は、明日ナポリからカプリ島に行く経路なので、事前調査っていったところでもあります。

この帰りのルートを地図で確認しておきましょう。


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ホテルに帰着し、今日の疲れとワインの酔いのせいでそのまま2時過ぎまで寝てしまったので、それから起き出して深夜・早朝にブログ記事を書きます。ネットの接続は問題なくOKです。
そのうち、ぐっと眠くなりました。オヤスミナサイ・・・。




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saraiの音楽総決算:ピアノ・室内楽編

いよいよ、今年も押し迫りました。今年もsarai恒例の音楽総決算です。

今年は3月の大震災・原発事故もあり、直後のコンサートはほとんどキャンセルという悲しい現実もありました。被害者のかたのご苦労に比べられはしませんが、楽しみにしていたコンサートも流れて音楽ファンとして残念な思いでした。
そういう1年ではありましたが、今回から3回のシリーズで今年生で聴いた音楽会のベストを選んで、今年の音楽の総決算としたいと思います。
今回はピアノ・リサイタルと室内楽編です。
ちなみに昨年の結果はここです。

今年は以下をベスト10に選びました。

1位 マレイ・ペライア・ピアノ・リサイタル@サントリーホール 11.5
2位 エレーヌ・グリモー・ピアノ・リサイタル@神奈川県立音楽堂 1.15
3位 内田光子ピアノ・リサイタル@サントリーホール 11.7
4位 エベーヌ弦楽四重奏団@上大岡・ひまわりの郷 11.6
5位 庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタルinラ・フォル・ジュル・オ・ジャポン@東京国際フォーラム 5.5
6位 森麻季+仲道郁代@横浜みなとみらいホール 3.19
7位 ユリアンナ・アヴデーエワ・ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ 11.5
8位 レジス・パスキエ・ヴァイオリン・リサイタル@上大岡ひまわりの郷 12.4
9位 レイフ・オヴェ・アンスネス・ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ 9.22
10位 伊藤恵ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール 4.29

マレイ・ペライア・ピアノ・リサイタルは文句なしに生涯で最高のピアノ・リサイタル。断然、ぶっちぎりのトップです。すべての演奏が素晴しかったのですが、ブラームスの美しさは格別でした。来年は追っかけではありませんが、ベルリンまでベルリン・フィルと共演するコンサートを聴きに出かける予定です。

エレーヌ・グリモー・ピアノ・リサイタルは彼女の魅力にとらわれてしまったリサイタルです。ベルクとリストが素晴しかったです。それに何といってもサイン会で言葉を交わし、握手してもらったことが忘れられません。あっ、音楽とは関係ないですね。でも彼女の笑顔は素敵だった・・・。

内田光子ピアノ・リサイタルは実に精神性の高いシューベルトを聴かせてもらったリサイタルでした。長大なソナタ3曲もまとめて聴ける機会はそんなにないし、すべてがパーフェクトというのも驚異的です。今、彼女のシューベルト作品集のCDを聴いているところです。やはり、シューベルトのピアノ曲は最高です。そう言えば、ペライアのリサイタルのアンコールの最後もシューベルトの即興曲でしたが、とても美しい演奏でした。

エベーヌ弦楽四重奏団はフランスの音楽団体ですが、極上のドイツ・オーストリア音楽を聴かせてもらいました。まだ若手ですが、注目すべき演奏団体です。

庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタルはオール・ブラームスのミニコンサートでした。最近の庄司紗矢香の変化、成長といっていいと思いますが、それがはっきりと見えてきたリサイタルで、とても満足できたものでした。大震災の影響で海外の演奏家のコンサートキャンセルが相次ぐなかで、急遽企画されたコンサートでした。お蔭でこういうものが聴けてよかったです。

森麻季+仲道郁代のデュオリサイタルは大震災後の1週間後に開催された希有なリサイタルでした。saraiが震災後1ヶ月間にチケットを購入していたコンサート9つのうち、唯一開催された貴重なコンサートだったんです。当日、曲目変更で歌われたフォーレのレクィエムは森麻季の素晴しい歌唱で心にしみ入るものでした。

ユリアンナ・アヴデーエワ・ピアノ・リサイタルは前から一度、聴きたかったアヴデーエワのピアノを聴くために、ペライアのリサイタルを聴く前に無理して行ったリサイタルでした。同じ日にピアノ・リサイタルを2回も聴くのは初めてでした。そうした甲斐もあり、よく考え抜かれた構成のプログラムで彼女のピアノ音楽のカタログのような多彩な響きが聴けました。今後も彼女のリサイタルは聴き逃せません。

レジス・パスキエ・ヴァイオリン・リサイタルはある意味、特殊なリサイタルでした。前半はがっかりし、後半はとても集中して聴いたというアンバランスなものでした。後半のバルトークのソナタ第1番は出色の出来で、久々に素晴しいバルトークを聴きました。

レイフ・オヴェ・アンスネス・ピアノ・リサイタルは北欧の暗い響きのピアノで印象的なリサイタルでした。変な話ですが、アンコールの最後で弾かれたグリークの抒情小曲集の素晴しさっていったらありません。

伊藤恵ピアノ・リサイタルはハイドンとシューベルトのピアノ曲をじっくりと聴かせてくれた中身の濃いリサイタルでした。このリサイタルを聴いて、ハイドンのピアノ・ソナタ全曲を聴いてみる気になりました。これから、CDを聴くところです。

次回はオペラ・オペレッタ編です。



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ナポリは天国と地獄:ナポリで2枚目のカラヴァッジョ

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/1回目

旅は7日目です。

ナポリの朝です。空は真っ青です。
saraiは深夜2時過ぎに起き出して記事を書きあげUPしたせいで、朝遅くまでぐっすり眠っていました。配偶者はsaraiが深夜起きていた間も眠り続け、おかげでアッピア街道を歩き続けた疲労もすっかり回復したそうです。それで配偶者は元気よく目覚めると、眠り込んでいるsaraiを起こさないように静かに荷物を片付けてホテルをチェックアウトする準備をしていたとのこと。ありがたいです。

朝食の時間ぎりぎりにsaraiは起こされ、身支度だけ済ませて朝食へ。

久しぶりの朝ご飯です。しかも、昨日のチェックインの折に、しっかり朝食の時間と食べたいメニューを確認されているので遅れるわけにはいきません。ぎりぎりの時間に配偶者に起こしてもらい、身支度だけ済ませて朝食スペースに行きます。朝食スペースと言っても、廊下の突き当たりの小さなスペースでテーブルがやっとひとつだけあります。


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テーブルに着いて上を見上げると何と空が見えます。わずかな建物の隙間にこのスペースを作ったんですね。外で食事をすることを好むこちらの人の感覚でしょうか。でも雨のときはどうするのでしょうね。また、テーブルが1つしかないので、チェックインのときに朝食時間の調整がありました。この日の朝食はsarai達だけでしたので希望時間通りでした。


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すぐに注文通りの素晴らしい朝食が出てきます。自宅のキッチンで準備してくれたようです。


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まあ一般的な内容ではありますが、久しぶりの朝食は美味しいですね。しっかり頂き、出かける準備を終えチェックアウトです。やはり、2人で59ユーロぽっきりです。久しぶりにお風呂にも入れたし、本当に大満足のホテルです。愛想のよいおしゃべり好きなホテルのおばさんに荷物を預けて出発します。

駅前なので治安はちょっと心配ですが、大変コストパフォーマンスのよいホテルです。

今日もカラヴァッジョを見ることが第1の目的です。ちょっと距離があるけれど歩いたほうが早そうなので、街ブラブラ歩きを兼ねて、カラヴァッジョの作品のあるピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂Il Pio Monte della Misericordiaに向かいます。ホテルを出ると、すぐにカプアーナ広場Piazza Capuanaに出ます。そこには大きなカプアーナ門Ponta Capuanaがあります。


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この広場の辺りからスパッカナポリSpacca Napoliの地区が始まります。魚屋さんが並んでいます。


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広場に沿って教会の建物があります。サンタ・カテリーナ・ア・フォルミエッロ教会Santa Caterina a Formielloでしょうか。


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先程のカプアーノ門を反対側から見ると、全然、雰囲気が違って見えます。


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カプアーノ門の先にはカプアーノ城Castel Capuanoがあり、このお城をぐるっと迂回して先に進みます。これがカプアーノ城の建物(ほんの一部)です。


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お城の先には賑やかな通りが始まっています。トリブナーリ通りVia dei Tribunaliです。もう、スリが多くて恐いと言われているスパッカナポリSpacca Napoliです。それに凄まじい喧騒です。街の騒音がうるさいったらありません。


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通りには小さなお店が並んでいます。これは果物屋さんですが、魚屋さんとか雑多です。


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細い路地が入り乱れ、ゴチャゴチャしているナポリの街は本当に分かりづらい。それでも、ようやくピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂Il Pio Monte della Misericordiaが見つかります。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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細い路地を通って、建物の中庭に入ります。


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が、これまた入り口が分かりづらい。ようやくそれと思われるところに入りますが、どうも開いている感じがしません。


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ガイド本には、休みが多く開いていることが少ないというようなことも書かれています。saraiが諦めかけようとしたところ、配偶者が奥の方でおしゃべりをしているおじさんを発見。チャオ!と声を掛けると出てきてくれます。そして、今はミサをしているだとか後10分でなんだとか説明をしようとするのですが、よく分かりません。と、面倒くさくなったのか、ここから入れと中に入れてくれます。


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さらに、教会の中まで連れて行ってくれます。そこは本当に小さな教会ですが、正面にカラヴァッジョの大きな素晴らしい絵《慈悲の七つの行い》が掛けられています。特別に見せていただいたので、写真を撮影するわけにはいきませんでした。ご参考にこの絵の写真を掲載しておきます。


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教会の主祭壇画でこんなに近くから鑑賞できることってなかなかありません。それに教会の関係者が数人いるだけで、ほとんど独り占めの鑑賞です。絵はいかにもカラヴァッジョらしい描き方ですが、登場人物が多く、大きく描かれている人間がいないことが不満。やはり美しいマリアとか、尊厳のあるキリストとか、存在感のある人物が欲しいところ。とはいえ、こんなナポリの下町スパッカナポリにカラヴァッジョの大作があること自体が凄いと思います。一歩外に出ればナポリの喧噪に包まれますが、教会内部のカラヴァッジョの世界は別世界。ここでカラヴァッジョが制作活動を営んで、この傑作を生みだしたとはね。まあ、ビックリです。
本来は入場料を払って2階から鑑賞するのだそうですが、無料で、しかも間近で鑑賞できたのはラッキーです。見せてくれた親切なおじさんに本当に感謝です。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計22枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

トリブナーリ通りに戻ると、すぐ先の広場に聖ジェンナーロの尖塔Obelisco di San Gennaroがあります。


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聖ジェンナーロSan Gennaroというのはナポリの守護聖人で、その凝固した血液が毎年液化する奇跡で知られています。

さて、次に予約したカラヴァッジョの作品を見るために移動しますが、とんでもないトラブルに遭遇します(すべては無知なsaraiが悪いのですが・・・)。


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今年の音楽総決算:オペラ・オペレッタ編

さて、前回に引き続き、今年の音楽の総決算です。

今回はオペラ・オペレッタ編です。
今年は6月のメトロポリタンオペラ以外はすべて海外でオペラ・オペレッタを聴きました。そういうわけでベストもほとんど海外でのオペラとなりました。オペラはどうしてもそうなりますね。
ちなみに昨年の結果はここです。

で、今年は以下をベスト10に選びました。

1位 カミラ・ニュルンド《サロメ》@ウィーン国立歌劇場 10.22
2位 ネトレプコ+ガランチャ《アンナ・ボレーナ》@ウィーン国立歌劇場 4.11
3位 デノケ《カーチャ・カバノヴァ》@パリオペラ座(ガルニエ宮) 4.1
4位 フリットリ/MET《ラ・ボエーム》@NHKホール 2011.6.17
5位 マレーナ・エルンマン+スピノージ《セルセ》@アン・デア・ウィーン劇場 10.25
6位 エヴァ・ヨハンソン《エレクトラ》@ローマ歌劇場 10.8
7位 ダムラウ/MET《ルチア》@東京文化会館 6.16
8位 ヤンソンス+バイエルン放送響《エウゲニ・オネーギン》@ミュンヘン・ヘルクレスザール 4.14
9位 シュヴァンネヴィルムス+ヨルダン《薔薇の騎士》@ミラノ・スカラ座 10.7
10位 《チャルダッシュの女王》@ウィーン・フォルクスオーパー 4.13

特別選 グルベローヴァ《ノルマ》@ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場 4.15

カミラ・ニュルンドの《サロメ》はウィーン国立歌劇場のオーケストラの最高に美しい響きとあいまって、ネトレプコ、ガランチャという超弩級のオペラを押しのけて堂々の1位です。とにかく圧倒的に素晴らしく、感動で終始うるうる状態でした。今年はR・シュトラウスのオペラの当たり年でいずれも素晴しい公演でしたが、なかでもこれは一生忘れられないオペラになりそうです。saraiのベスト10でもネトレプコの3連覇を阻んだ予想外の名演でした。

ネトレプコとガランチャというスーパースターの夢の共演のプラチナオペラ《アンナ・ボレーナ》は本来なら、今年の最高のオペラになる筈でした。今でもネトレプコの最後のホーム・スイート・ホームのメロディを歌うシーンがまぶたに浮かんでくるくらい感動的なオペラでした。《サロメ》と同列1位にしたいくらい凄い公演でした。ですが、涙を飲んで、2位にしましょう。それくらい《サロメ》が圧倒的だったということです。初めて聴いたガランチャのインパクトも大きく、来年は4月にウィーン国立歌劇場にガランチャが出るかもしれない《薔薇の騎士》を聴きに行く予定です。

デノケの《カーチャ・カバノヴァ》は期待以上の素晴しい公演でした。何といってもデノケの歌唱がすべてと言っていいくらい、カーチャ役がはまっていました。上品な高音の響きは忘れられません。また、ネトピルの指揮が的確でヤナーチェックの独特の語法の音楽を見事に表現し、パリ国立オペラ座管弦楽団も彼の指揮に応えて、素晴しい響きを出していました。オーケストラだけでも聴きものでした。

大震災後で来日がやきもきさせられたメトロポリタンオペラでフリットリがミミを歌った《ラ・ボエーム》です。本当はフリットリには、《ドン・カルロ》のエリザベッタを歌って欲しかったんですが(その場合はベスト10には《ドン・カルロ》が確実にはいったでしょう)、フリットリの歌ったミミは本当に素晴しかった。まさに聖なる歌唱でした。フレーニ以外でここまでミミを歌える人がいるとは思ってもいませんでした。

アン・デア・ウィーン劇場でのバロック・オペラ《セルセ》は素晴しい公演でベスト3に入れたいくらいですが、ほかのオペラが凄過ぎて、この5位に甘んずることになりました。まあ、マレーナ・エルンマンが宝塚の男役みたいにかっこよくて、それでいて超絶技巧の歌唱までこなすとなると参りますね。他の歌手もそれぞれ素晴しく、演出も実によく考え抜かれており、見事な公演でした。スピノージ指揮のバロックアンサンブルも好演でした。

ローマ歌劇場の《エレクトラ》はそれは素晴しい出来ばえでした。特にタイトルロールのエヴァ・ヨハンソンの素晴しさといってははっきり言って驚きました。世界は広く、まだまだ、未知の素晴しい歌手がいるもんだと認識を新たにしました。と共にR・シュトラウスのオペラの素晴しさを再確認したのも事実です。ほかのオペラを聴いていなければ、これを1位にしても何もおかしくない出来ばえでした。

ダムラウがタイトルロールを歌った《ルチア》です。これもメトロポリタンオペラの来日公演でした。「狂乱の場」のダムラウの歌唱はまあ見事というしかない美しい響きでした。今、あれ以上歌える人は誰もいないでしょう。声の響きだけなら、ネトレプコよりも上です。エドガルド役のベチャワのフィナーレの歌唱にも泣かされました。感動したオペラです。

ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の《エウゲニ・オネーギン》はミュンヘンのヘルクレスザールでのコンサート形式での上演でした。コンサート形式でなかったら、ベスト3を争ったであろうという素晴しい演奏でした。歌手陣も粒揃い。ヤンソンスの指揮を見直した公演でした。それにオーケストラの響きの素晴しかったこと!

ミラノ・スカラ座の《薔薇の騎士》です。このオペラを見たときはミラノ・スカラ座の実力に脱帽でした。ただ、この後にもっと凄いR・シュトラウスのオペラをローマ歌劇場、ウィーン国立歌劇場で見ることになってしまい、やはり世界は広いを実感。でも、この公演もなかなかでした。シュヴァンネヴィルムスの元帥夫人は特別よかったです。ヨルダンのクライバーもどきの指揮もおもしろかったし。

ウィーン・フォルクスオーパーのオペレッタ《チャルダッシュの女王》です。オペラがどれも出来がよかったので、オペレッタのはいる余地がなくなりました。ひとつ入れるなら、これです。ヨイママンは楽しかったしね。

グルベローヴァの《ノルマ》は枠外で特別です。これでグルベローヴァの聴き納めにします。後半は彼女らしい素晴しい歌唱で最後を飾ってくれました。もう、こういうコロラトゥーラを聴くことはできないでしょうね。少なくともsaraiは・・・。

いつもの年なら、1位から4位までの《サロメ》、《アンナ・ボレーナ》、《カーチャ・カバノヴァ》、《ラ・ボエーム》のどれもトップになるようなオペラでした。
オペラは満足以上のものが与えられた1年となりました。

次回はオーケストラ・声楽曲編です。



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ナポリは天国と地獄:トラブルに打ちのめされ、それでもラスト・カラヴァッジョと対面

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/2回目

ピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア聖堂Il Pio Monte della Misericordiaでは幸運にもカラヴァッジョを見ることができましたが、もう次の予約の時間が迫っています。急いで行かなければいけませんが、すぐ近くにミラノ大聖堂(ドゥオーモDuomo)を発見。やはりお参りしていかなければいけないでしょう。ナポリには似つかわしくないほど綺麗!最近手を入れたのでしょうか。


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中に入ると、やはり大聖堂は立派です。この大聖堂はナポリの守護聖人の聖ジェンナーロを祭っています。


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と、そこに今見てきたカラヴァッジョの絵が・・・あれ? 飾り方も変ですし、レプリカなのでしょうね。本物よりも大きくて、かえって見やすい感じですけど。


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さて、次のパラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館に急ぎましょう。大聖堂を出て、ドゥオーモ通りVia Duomoを歩きます。


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この通りには、ウェディングドレス屋さんが何軒もズラリと並んでいます。大聖堂で結婚式をあげる人が多いのでしょうか。


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さらに変わったお店を発見。キリスト教の用品店のようです。日本で言えば、仏具店みたいなものでしょう。


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この通りをまっすぐ歩いて、ウンベルト1世大通りCorso Umberto Iに出ます。そこでようやくバス停を発見。


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R2番のバスに乗って移動します。やはりバスは混んでいます。そろそろ降りるバス停に近づくころ、乗り込んできた検札の人に声を掛けられます。もちろんしっかりチケットは持っているのでハイハイとそれを出すと、これではダメだからペナルティを払えとのこと。何故なのか分かりません。ちゃんと24時間有効のチケットを買ってあるのにね。どうも時間が過ぎているとのこと。saraiは1日券は24時間有効と思っているのですが、1日券はその日1日のみ有効だから昨日購入したsaraiのチケットは無効だと言うのです。近くにいた英語がよく分かる女性が間に入ってくれますが、これではダメだわねとのこと。そのうちに周りの人が、この人たちはそろそろ降りるバス停だろとのアドバイス。皆さん親切というかなんというか・・・そうです、降りるバス停なんです。ということで、検札の人も一緒に降りてきて、違反切符を切られてしまいました。こういうチケットトラブルだけは嫌だと思い、saraiは今までどれだけ苦労してきたことか。知らなったこととはいえ不正してたことは確かなことですが・・・。たっぷり罰金を払わされました! ちなみにローマでは、チケットは24時間チケット。ナポリはシステムが異なるようです。


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ショックで立ち上がれないsaraiですが、ナポリ最後の目的地には行かねばと気持ちを奮い立たせます。バス停のムニーチピオ広場Piazza Municipioから歩いてすぐのトレド通りVia Toledoに出ます。


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パラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館Galleria di Palazzo Zevallos Stiglianoはこのトレド通りのこの辺りにある筈ですが、これがまた見つからない。同じような所をウロウロ歩き回ってようやく発見。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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分からないはずです。ここはどういう建物なのでしょう。1階は、元銀行のような空家。その1階に受付の女性がいるので聞いてみると、美術館は3階まで上がりなさいとのことです。美術館のあるはずの3階のフロアに上がると、そこは1階からの吹き抜けになっていました。


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確かに、この階に美術館はあります。とりあえず、予約票を見せてチケットを購入します。ようやく、ナポリ3枚目のカラヴァッジョ鑑賞となります。


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この美術館には、カラヴァッジョが1点だけ飾ってあります。
《聖ウルスラの殉教》です。


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これは、描かれた年月が分かっている絵の中ではカラヴァッジョ最後の作品。ここの説明にもラスト・カラヴァッジョとあります。この絵も大作で、聖ウルスラが間近で対峙していたフン族の王アッティラに弓矢で射とめられた瞬間を切り取っています。まさに聖ウルスラの殉教の瞬間です。彼女は死を迎えていますが、平静で高貴さを保っています。対するアッティラは凶暴で野蛮。こういう高貴さと凶暴さの対比、静と動の対比がカラヴァッジョのメインテーマであったことがこの旅でよく分かってきました。そして、行き着いた先がこの絵だったんです。カラヴァッジョ自身、自分の中にこの2つの要素をあわせ持っていました。時に乱暴になり殺人を犯し、長い逃亡生活の末にこの絵を残し生涯を終えました。彼は絵を描くときはきっと高貴な精神だったと思います。作品のなかには、静謐さと高貴さへの憧れに近い気持ちが込められています。現実の生活では、それとはほど遠い行為に及んでいます。この彼の葛藤のなかで、素晴らしい作品群が作り出されました。この最後の作品では、聖ウルスラは平静ですがその目は深い闇を見ています。カラヴァッジョ自身も、この聖ウルスラの死と重ね合わせるように迫りくる人生の終焉を予感しているようです。絵画技術を超えて、自分の生涯を総括する生々しい精神の吐露がこの作品の本質でしょう。そういうことを感じつつ、2人でこの絵にずっとずっと見入っていました。時折来訪者はありましたが、この絵の展示室で、永遠に思える時をカラヴァッジョとsarai・配偶者の3人で共有できたのは生涯忘れられない体験になりそうです。

カラヴァッジョ巡礼はこれで計23枚見ることができました。(取りこぼしは3枚)

トラブルの果てに素晴らしいラスト・カラヴァッジョ・・・。
なかなか元気を取り戻せないsaraiです。この後、さらにトラブルの追い打ちが待っていることは知る由もありません。


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今年の音楽総決算:オーケストラ・声楽曲編

今年の音楽の総決算もいよいよ最後になりました。

今回はオーケストラ・声楽曲編です。
このジャンルは毎年素晴らしいコンサートが多く、いつも感動に浸り、音楽家の方達に感謝と尊敬でいっぱいです。今年も素晴らしいコンサートが多く、ベストの選択が大変です。
ちなみに昨年の結果はここです。

で、今年は以下をベスト10に選びました。

1位 ブルックナー7番:プレートル+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 10.30
2位 マーラー9番:ラトル+ベルリン・フィル@サントリーホール 11.24
3位 ベートーヴェン8番:エッシェンバッハ+ウィーン・フィル@ウィーン楽友協会 10.23
4位 ブルックナー8番:シャイー+ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管@サントリーホール 3.4
5位 ショスタコーヴィチ5番:インバル+東京都響@東京文化会館 12.12
6位 英雄の生涯:ティーレマン+ミュンヘン・フィル@ミュンヘン・ガスタイク 4.16
7位 チャイコフスキー2番:上原彩子+東京都響@サントリーホール 9.27
8位 メンデルスゾーン:庄司紗矢香、テミルカーノフ、サンクトペテルブルグ・フィル@サントリーホール 11.1
9位 ベルク:ツィンマーマン、アラン・ギルバート+東京都響@サントリーホール 7.18
10位 マーラー4番:ハーディング+マーラー室内管@Bunkamuraオーチャードホール 6.7

次点 マーラー1番:ネルソンズ+ウィーン交響楽団@ウィーン楽友協会 10.28

プレートル+ウィーン・フィルは昨年の来日公演に続いての連覇です。今年は特にウィーン楽友協会の素晴らしい響きもあいまって、感動の演奏でした。事前にゲネプロも体験し、リンツにブルックナー詣でもすませての期待を裏切らない素晴らしいブルックナーを聴かせてくれました。もう、このコンビでのブルックナーもこれが最後ではないでしょうか。これも忘れられない思い出になりそうです。

ラトル+ベルリン・フィルのマーラーの交響曲9番も快演でした。ベルリン・フィル初体験にふさわしい高水準のマーラー、それも9番です。ラトルの地味でオーケストラの自発性に委ねた指揮ぶりも印象的でした。来年はベルリン・フィルをベルリンの本拠地で聴けそうなので、今から楽しみです。

3位以降はそんなに大きな差はなく、かなり、順位選定には迷いました。
エッシェンバッハ+ウィーン・フィルのベートーヴェンの8番はウィーン・フィルを初めて楽友協会で聴いた、saraiにとって記念すべきコンサートということでこの順位です。このホールで聴いたベートーヴェンはまさに新鮮そのもの。8番ですら、こんな風ですから、ティーレマンのチクルスはいかほどだったかというのは想像するだに凄そうです。ビデオで聴いた演奏はそんなにピンときませんでしたが、やはり、ここは生で聴くべきホールです。

シャイー+ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のブルックナーの交響曲第8番は予想以上の素晴らしさ。あの長大な曲を集中して聴くことができました。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を振るシャイーは初めて聴きましたが、なかなか相性もよさそうです。長く続け、さらに練成していくことを期待したいものです。

日本のオーケストラもなかなかのものです。インバルが指揮する東京都交響楽団は一味違います。今年、12月定期のショスタコーヴィチのプログラムは第5番も第12番も素晴らしい演奏でした。特にここに選定した第5番はあまりに有名過ぎる曲ですが、インバルの実に丁寧なスコアを読み切ったような指揮に都響が限界までの能力を出し切った凄い演奏でした。時として、アンサンブルが崩れるほどまでの挑戦的な演奏、もう1度、再挑戦を期待したいものです。

ティーレマン+ミュンヘン・フィルのR・シュトラウスの《英雄の生涯》はさすがの演奏でした。如何せん、ミュンヘンのガスタイクホールは巨大過ぎて、saraiの席も結構ステージから遠く、その演奏の全容を把握しきれなかったというところでした。もっと、ベストの席で聴ければ、ベスト3は固かったでしょう。

上原彩子が東京都響の定期演奏会に登場してのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番は初めて聴いた曲ですが、上原彩子のピアノの素晴らしさにいつもながら魅了されました。まさにパーフェクトな演奏でした。昨年のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番も素晴らしい演奏でベスト10に選定しましたが、彼女のチャイコフスキーはさすがに素晴らしいものです。今年はラヴェルのピアノ協奏曲も聴きましたが、これも快演でした。来年の1月のリサイタルが楽しみです。

日本人演奏家ではもう一人、庄司紗矢香がsaraiのお気に入り。彼女がいつも相性のよいテミルカーノフ+サンクトペテルブルグ・フィルと共演したコンサートは期待通りのものでした。CDではがっかりした演奏だったメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を魂のこもった演奏を聴かせてくれました。メンデルスゾーンというとあまりに名曲過ぎて、いつもは敬遠するんですが、この日の演奏は新鮮で刺激的でした。来年はヒラリー・ハーンでもこのメンデルスゾーンを聴く予定です。その聴き比べも楽しみです。

ツィンマーマンがアラン・ギルバート+東京都響と共演したベルクのヴァイオリン協奏曲も驚くほどレベルの高い演奏でした。パーフェクトと言っても過言でないヴァイオリンでした。なお、アラン・ギルバートのスケールの大きな音楽の作り方にも共感を覚えました。

ハーディング+マーラー室内管弦楽団のマーラーの交響曲第4番は胸の熱くなる演奏でした。オーケストラはこじんまりとした響きでしたが、誠実な音楽作りでじっくりとマーラーを堪能できました。ソプラノのモイツァ・エルトマンも美人であるだけでなく、初々しい歌唱に共感を覚えました。

以上がベスト10でいずれも今思い出しても素晴らしい演奏ばかりです。次点はネルソンズ+ウィーン交響楽団のウィーン楽友協会でのマーラーの巨人としました。同じ楽友協会で聴いたゴンザレス+ウィーン・トーンキュストラー管弦楽団のマーラーの交響曲第6番もよかったのですが、ネルソンズのあまりにダイナミックで熱狂的とも言える指揮ぶりに驚嘆して選定しました。もしも曲目がマーラーの巨人でなく、交響曲第2番以降ならば、きっとベスト10に入れたでしょう。

最後に収穫の多かった今年のコンサート・オペラ・リサイタルのなかで大賞を選定するとすれば、今まで書いてきたベスト10とは矛盾してしまいますが、

 ネトレプコ+ガランチャ《アンナ・ボレーナ》@ウィーン国立歌劇場

になります。こんなプラチナオペラはなかなか聴けないし、それに最近のネトレプコの異常な太り方をみていると、あのときはまだまだ正常の範囲内でしたから、今後はどうなるか不安です。声には関係ないかもしれませんが・・・。ともかく素晴らしいオペラでした。

また、来年の感動に期待しながら、今年の総括に幕。




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ナポリは天国と地獄:最低の気分でスパッカナポリをピザの名店ディ・マッテオへ

2011年10月12日水曜日@ナポリ~カプリ島/3回目

パラッツォ・ゼヴァロス・スティリアーノ美術館Galleria di Palazzo Zevallos Stiglianoでのカラヴァッジョの素晴らしい絵画作品の鑑賞を終え、現実生活に逆戻りです。まだまだチケットトラブルのショック状態のsarai。喉は乾くは元気は出ないは・・・配偶者はこんな時は知らんぷりを決め込んでいます。それがまた気に入らないsarai。昼食にはもう一つのピザの人気店のディ・マッテオに行く予定なのですが、移動のためにバスに乗るにはチケットを買わないといけない! その切符がなかなか売っていない。バス停では、1日券は売ってない! もう踏んだり蹴ったりで、意気消沈するばかり。ぐっと我慢して90分券を購入して、そのピザ店のあるスパッカナポリに移動です。ダンテ広場Piazza Danteでバスを下り、ポルタ・アルバPort'Albaからスパッカナポリに入り込みます。


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ポルタ・アルバはトンネルになっていて、凄い人込みです。スリも多いだろうし、ますます気分が暗くなる一方です。


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トンネルを抜けてポルタ・アルバ通りVia Port'Albaに入り、振り返ってポルタ・アルバの方を眺めたところです。ごみごみした通りですね。


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この辺りは古本屋さんが軒を並べています。日本で言えば神田みたいですが、規模はずっと小さいです。


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ルイージ・ミラーリャ広場Piazza Luigi Miragliaでまわりの教会を眺めながら進むと、トリブナーリ通りVia dei Tribunaliに出ます。朝出発したときとは通りの逆の端っこです。


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お昼になって、お店がみんな開いています。ここにも果物屋さんです。


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ディ・マッテオDi Matteoというピザ屋さんを探しながら歩きますが、おっと朝通ったドゥオーモ通りVia Duomoまで出てしまいました。


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これでは行き過ぎなので、見落としてしまったようです。引き返して探しますが、その店がまたまた見つからない。食欲もなく超ご機嫌斜めのsaraiです。配偶者は呆れ顔でまあまあとなだめながら、一服しようとサン・ガエターノ広場Piazza San Gaetanoのジェラテーリアに入ります。


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ジュースを買って、その店先の椅子で喉を潤します。サン・ガエターノ広場の方をぼ~っと眺めながら、2人でだんまりを決め込んで、ジュースを飲んでいます。


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広場の奥には、サン・パウロ・マッジョーレ教会Basilica di San Paolo Maggioreが見えています。


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ピザ屋この辺りなんだけどなあと思いながら、視線を少し右の方に向けるとピザ屋さんらしき店が見えています。その店はこの広場から5軒ほど先ですが、探している店ディ・マッテオのような気がします。おずおずと配偶者にあの店のような気がするんだけどと話しかけます。その店の前は何度も通り過ぎています。気を取り直して、もう一度その方に行ってみます。やはり、先ほども人だかりはしてたけど、テイクアウトのピザ屋です。


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2人で店の様子を窺っていると、中に入ればというお店の人のお声。どうも店の奥に椅子があるようです。やっぱり、これがディ・マッテオのようです。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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中に入ってみると、ビックリ!です。いったい何時こんなに人が入店したのでしょう。1階のテーブルはいっぱいです。2階もあるようで、2階に上がりますがここも満員。なんとか空いた席を見つけ、隣の人と椅子のやりくりをして座ります。


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2階にも配膳台があり、キャビネットには可愛い装飾があり少し気持ちがなごみます。


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あまり食欲もありませんが、折角だからピザを食べてみましょう。ところが、それが絶品だったんです。


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この記事へのコメント

1, Chicca12さん 2012/01/02 16:33
ピッツァ店名は「ディ・マッテオ」だと思います。ブログ内の片仮名表記は間違っているのではないでしょうか。
ナポリのピッッェリアの有名店のうちのひとつですね。

2, saraiさん 2012/01/02 20:10
Chicca12さん、ご指摘ありがとうございました。
ご指摘の通り、「ディ・マッティラ」ではなく「ディ・マッテオ」です。
記事を訂正しました。お恥ずかしい!!

3, Chicca12さん 2012/01/03 19:28
ブログ拝見しました。ナポリではスリに遭われたりして、残念でした。私は北イタリアの某都市に住んで10数年になりますが、最近ようやくオペラに興味を持ち、Sarai様のブログを参考に勉強させていだいてます。昨年はミラノ・スカラ座で「トスカ」、夏にはマチェラータという中部イタリアの野外劇場で「リゴレット」を観劇し、すっかりはまってしまいました。
ブログの更新を楽しみにしております。また並行の旅行記にも期待してます。お体に気をつけて、頑張ってくださいね。

4, saraiさん 2012/01/04 00:11
Chicca12さん、コメントありがとうございます。
昨年のミラノ・スカラ座の「トスカ」というと、マルティナ・セラフィン、カウフマン、ルチッチの出演した公演ですか?それはよいものを見られましたね。特にカウフマンのカバラドッシというとミュンヘンでチケット完売でトスカを泣く泣くあきらめたことを思い出します。ドイツではカウフマンの出るオペラは人気があり過ぎてチケット入手困難です。もっともsaraiはテノールファンではないので、ミュンヘンのトスカではカウフマンではなくて、ソプラノのマッティラを聴きたかったんです。
オペラの記事は次は4月のウィーンになります。

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07/08 15:53 じじい@

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06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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