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シチリア島でもカラヴァッジョ:メッシーナのカラヴァッジョに心から感動

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/2回目

トラム乗り場でずい分トラムの到着を待ちます。いらいらしながら20分ほども待った頃ようやくトラムがやって来ます。


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でも、そのトラムに表示されている行き先が、saraiの仕入れた情報とは違います。1系統しかないはずなので、とりあえずこのトラムに乗り、美術館に行くかと乗客に聞くと、乗っていたおばさん達が口を揃えて行くわよとのことです。そして訳の分からないイタリア語でいろいろ話しかけてきます。気のいいおばさん達といい加減な会話を楽しみながら、トラムは港に沿って走っていきます。と、ものすごく立派な超豪華客船が停泊している横を通り過ぎます。何故か、おばさん達にあれに乗って来たのかと聞かれます。


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まさか! 電車で来たと答えます。途中で1人のおばさんが降りていきますが、もう1人のおばさんが私は美術館まで行くから大丈夫よと心強いお言葉(すべて勝手な解釈です)。そして、資料では終点で降りることになっているのに、その前の停留所でさあ降りるわよと付いてくるように言います。その駅は、終点MUSEOのひとつ手前のRINGOです。仕方がないのでトラムを降りておばさんの指差す方を見ると、美術館があります。感謝感謝です。このおばさんがいなかったら美術館には到着できなかったかもしれません。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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メッシーナ州立美術館Museo regionale di Messinaの入り口はこんな閑静な感じです。


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美術館へのアプローチは緑と花々に囲まれて、とっても綺麗です。


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ひとしきり入り口前で緑を楽しみます。綺麗な花々が咲いています。


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果樹もたわわに実をつけています。


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しかし、目的はカラヴァッジョの絵の鑑賞です。早速、美術館の建物にはいります。


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受付で2人分のチケットを買おうとして10ユーロ札を出すと、違うと言われ、それではと5ユーロ札を追加するとそれでもノー。えらく高価だなと思いながら20ユーロ札を出すと、そうではなくて2人で6ユーロだからおつりなしで出せと言っているのことがようやく分かりました。例の事件(ナポリでの小銭入れ盗難事件)でコイン不足なので、できればコインを使いたくないのですが、しぶしぶ6ユーロちょうど払って1件落着。さあ気を取り直して、入館です。

ルネッサンス以前のような宗教画がずらっと並んでいます。あまり出来がいいとは思えないものがほとんどです。多分入館者は我々だけのようで、我々の歩みに合わせて美術館のスタッフが3人も後から距離を置いてついてきます。セキュリティのためでしょう。構いませんよ。後ろめたいことは何もありませんからね。
小さな建物を半分ほど周ったところで、急に前ルネッサンスの絵画から趣向ががらっと変わります。もしや・・・そうです、カラヴァッジョです。まず、目についたのは《ラザロの復活》です。大変暗い画面に一筋の光が斜めから差しています。光のもとには暗くて顔の判別も難しいキリスト、そして、光に照らされているのは死から復活を遂げようとしているラザロです。ラザロの周りを囲む人たちにも部分部分に光があたっています。この少量の光の効果の素晴らしいこと、天才のなせる業です。単に絵が上手いだけでなく、ダイナミックなドラマを絵画として成立させている知的能力、これがカラヴァッジョの素晴らしさです。お付きの3人組は今や我々のすぐ後ろに立ち、ずっとこの部屋に一緒にいます。ちょうどよいので、彼らに写真を撮る許可をもらいます。すると親切にも彼らが照明の調整をしてくれます。グラッチェ! 思う存分、撮影三昧です。


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しかし照明が強過ぎて、絵に光が反射してうまく撮影できませんでした。残念です。よく見えず、ごめんなさい。

このとき、カラヴァッジョの部屋にいるのは独占鑑賞中の我々2人とお付きの3人組だけ。
次に隣の壁に目を移すと、これまたカラヴァッジョです。《羊飼いの礼拝》です。


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生まれたばかりのキリストを優しく抱いているマリアを、羊飼いたちとヨセフが礼拝しているシーンです。これも暗い絵ですが、薄暗がりの中に聖母マリアの母としての優しさがにじみ出て、見るものを暖かく包み込みます。思わず聖母マリアと幼子キリストだけをクローズアップして撮影してしまいます。


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ああこの母の優しさに包み込まれたら、もう何もいらない。自分の存在が溶け出してしまいそうです。絵画でありながら、描かれた奥の深いところから別次元の力が放射してくるような、絵画を超えた絵画です。カラヴァッジョは晩年そんな高みにまで達してしまったんですね。これらの2枚はマルタ島の要塞監獄から脱出した後このメッシーナに身を潜め、荒れた気持ちのときに描いたそうですが、実生活とは逆に芸術的・精神的に恐ろしいほど充実のときを迎えたようです。またこの2枚は教会の祭壇画でしたが、教会は地震や戦災で崩れ落ちたにも関わらず2枚の絵画は奇跡的に救われ、こうして美術館に収められているそうです。見るものと言えば、この2枚のカラヴァッジョの絵画だけの美術館ですが、まあなんと素晴らしい所蔵品があることでしょう。

カラヴァッジョを心ゆくまで鑑賞した後、美術館の中庭に出ます。


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煉瓦を敷き詰めた中庭には彫像がいくつか置かれ、とてもいい雰囲気です。井戸と聖母子像を正面から見ます。


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美術館を出て緑の小径を奥に歩くと、大きなオブジェがあります。古代の遺跡風ですが、結構新しそうな感じもします。


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さらに奥には、小さな凱旋門のようなものもあります。何でしょうね。


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そろそろ美術館を出て帰りましょう。この街での目的を遂げて、すっかり満足です。


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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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