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シチリア島でもカラヴァッジョ:シラクーサでイタリア最後のカラヴァッジョと対面

2011年10月15日土曜日@メッシーナ~シラクーサ/4回目

予定通りメッシーナ中央駅Messina Centraleから3時間半ほどでシラクーサ駅Stazione di Siracusaに到着です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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シラクーサSiracusaの旧市街のあるオルティージャ島Isola di Ortigiaは駅からちょっと離れた所にあるのですが、駅からは無料の送迎バス(30分に1本)が出ているとのホテルからの事前情報を得ています。ところが、駅前にはそもそもバス乗り場が見当たりません。


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バス乗り場を探して、駅前の広場を出てみます。広場から見たシラクーサ駅の駅舎です。


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バス乗り場は駅前広場の一筋向こうにあり、見つけるのに苦労します。いったいどんな送迎バスかと思いきや、立派な市内バス20番が無料ということです。なかなか太っ腹なシラクーサ市ですね。


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シラクーサの旧市街のオルティージャ島は岬の突端の離れ小島で、橋を渡ると島に入ります。

バスをオルティージャ島のアルキメデス広場Piazza Archimedeで下ります。ホテルはそこからローマ通りVia Romaを少し進み、最後は本当に細い路地の奥で、とっても古~い建物にあります。


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駅からホテルまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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今日から泊まるホテルはアレトゥーサ・ヴァカンツェB&B(Aretusa Vacanze B&B)です。ここで2泊します。

シラクーサはカラヴァッジョの祭壇画のあるサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会がオルティージャ島にあるので、迷いなくその近くのホテルにしました。それにコスト的にも満点です(2人で1泊67ユーロ)。

早速チェックインですが、レセプションのお兄さんは英語もうまく、とても親切そうで安心です。


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部屋に案内してもらいます。エレベーターは操作にコツが必要で、ボタンを押し続けないと途中でストップしてしまいます。分かってしまえば問題ありませんが、なんだかドキドキしますね。


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案内された部屋は、古い建物を上手に生かしたなかなか雰囲気のある小奇麗な部屋で、キッチンまで付いています。


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ベッドも広々。


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バスルームはちょっと狭いですが普通です。ここにもバスタブはなく、シャワーのみです。


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キッチンは鍋や食器も一通り揃い、自炊もできそうです。


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無料の無線LANも問題なくつながります。快適な2日間になりそうです。


では、早速イタリアで最後となるカラヴァッジョを見に出かけましょう。ホテルの狭い路地を出て、鄙びたカポディエチ通りVia Capodieciを歩きます。


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さらにヴェルジニ通りVia delle Verginiを進むと、ドゥオーモ広場Piazza del Duomoに出ます。カラヴァッジョの祭壇画のあるサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会Chiesa di Santa Lucia alla badiaはこのドゥオーモ広場にあります。ホテルから歩いて5分ほどですぐに着きました。ホテルでチェックインのときに、レセプションの英語の堪能なお兄さんが丁寧に場所を教えてくれたので、迷わずに行くことができました。教会に入ると中はがらんとした空間ですが、遠くに祭壇が見渡せ、照明で浮かび上がっている絵は紛れもなくカラヴァッジョの《聖ルチアの埋葬》です。遠目にもなんて素晴らしい絵画なのかが一目で分かります。近くに寄ってじっくりと見ると、その素晴らしいこと。これも傑作中の傑作です。(なお、教会内では写真撮影禁止なので、教会入口付近で求めた絵はがきでこの絵をご覧ください。)


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聖ルチアの亡骸を埋葬しているシーンが臨場感たっぷりに描かれています。不思議なことに平面に描かれた絵画なのにその絵画は立体的に感じられ、埋葬の場面に絵を見ている我々も入り込んで一緒に埋葬に参加している錯覚に陥ります。聖ルチアを失った悲しみを絵画の中の人物たちと一緒に共有している気持ちになり、目頭が熱くなります。これも絵画を超えた絵画です。カラヴァッジョの底知れぬ才能に魅了されるのみです。この絵を描いた2年ほど後にカラヴァッジョは38歳の生涯を終えますが、このまま絵画の道を突き進んでいたら、きっと途轍もない世界まで達しただろうと惜しまれてなりません。

この絵を描く直前にカラヴァッジョはマルタ島から逃亡してきました。そして、この逃亡の地シラクーサでこの絵を描きました。saraiは時代を遡ってこの後、マルタ島に出かけて、マルタ島時代に描いた作品を見る予定です。とても楽しみです。

ところで、聖ルチアは首を切りつけられて殉教した美少女で、シラクーサの街の守護聖人です。毎年盛大に聖ルチアを祝うお祭りがあります。シラクーサにとって、カラヴァッジョのこの絵は街のシンボルと言っていい宝物でしょう。よいものを見せてもらいました。

今日シチリア島で見た3作はカラバッジョが38歳の早過ぎる死の2年ほど前に描いた大作ばかりで、カラバッジョの無限の才能を感じさせられるものでした。
カラヴァッジョ巡礼はこれで計26枚見ることができました。これでイタリア国内のカラバッジョはローマで貸出中の3点を除いて、ほとんど見ることができました。カラバッジョを巡って旅して本当に幸せです。

教会を出て、あらためてサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会のファサードを見ます。先程はカラヴァッジョを早く見たい一心で、教会の建物を見る気持ちの余裕はありませんでしたからね。


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教会はシラクーサのドゥオーモ広場に面しています。この広場はものすごく美しい広場です。今まで見たヨーロッパの広場の中で一番かもしれません。


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このシラクーサの街は紀元前までさかのぼる歴史があり、かのアルキメデスが生まれ、走れメロスが友を助けるために走った街です。が、何度も地震や世界大戦などで壊滅状態になりながら元の状態にと復興してきた街だからこそ、この広場の美しさがあるのかもしれません。広場の真ん中に立ち、今度はサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会の方を振り返って見ます。どの方向から見ても美しい広場です。


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広場には多くのツアー客がぞろぞろと歩いています。なかなか人気のある観光地なのでしょう。広場の中核であるドゥオーモDuomoの前に立ちます。目の前にはドゥオーモの素晴らしいファサードがあります。


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下から見上げると、ギリシャ風の柱の美しさにうっとりします。


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ドゥオーモの入口では、ちょうど結婚セレモニーの真っ最中。花嫁さんが美しいですね。おめでとう!


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ドゥオーモに建つ彫像も素晴らしいです。


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ドゥオーモの横にもミネルヴァ広場Piazza Minervaが続いています。こちらも美しいです。


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再度ドゥオーモのファサードの上部に見とれます。本当に見事です。


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ドゥオーモの内部にもはいってみましょう。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

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