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シラクーサからマルタ島へ:オルティージャ島の海沿いの道を散策

2011年10月17日月曜日@シラクーサ~マルタ島/1回目

旅は12日目です。

シラクーサSiracusaも3日目にして遂に青空。これでこそシチリアSiciliaです。燦々と陽光が降り注いでいます。ただ、結構風は吹いています。


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今日はお昼ごろにカターニア空港Aeroporto di Catania-Fontanarossaに向けて出発しますが、それまではフリーです。朝はゆっくりと起きて、8時半過ぎに屋上テラスで朝食です。昨日と打って変わって、陽光がまぶしいくらいです。


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朝食レストランに行くと、昨日と同じメンバーが既に揃っています。アメリカ人夫妻、デンマーク人家族、ドイツ人夫妻です。みなさんに軽く会釈をして朝食をとります。同じお天気の下でも皆さんの服装はまちまちです。特にデンマーク人一家の奥さんは、ショートパンツに半袖姿。お嬢さんたちは、わざわざサングラスを部屋まで取りに戻ってまで、かけています。北欧の人には眩しすぎる光なんですね。それにしても今日の眺めは昨日と違って、青空の下で連なる屋根の向こうには海も見え、とても気持ちがいいです。


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朝食を終え、みなさんに別れを告げました。今日はカターニア空港からマルタ島に向けて出発します。

お昼に空港に向けて出発するまではオルティージャ島Isola di Ortigiaを散策し、青空の下で写真を撮りなおしましょう。ドゥオーモ広場Piazza del Duomoが起点です。やはり青空の広場は綺麗です。


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海に出ましたが、素晴らしい海の色です。


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お馴染みになったアレトゥーサの泉Fonte Aretusaにも立ち寄ります。


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ここまでは見慣れたコースを辿り、ここから海岸沿いに島を1周します。オルティージャ島は細長い形で先端には昔の城跡があります。アレトゥーサの泉から城跡まではシチリア本島とオルティージャ島で囲まれた湾のようになっていて、海も穏やかです。静かな海岸を、青空の下気持ち良く散策です。マニアーチェ城Castello Maniaceの城跡に着きます。


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マニアーチェ城は残念ながら月曜日は閉まっていて入ることができません。城跡そのものよりも島の先端の岬に行きたかったのですが、無理なようです。配偶者は諦めきれずに、入口の門にへばりついて写真撮影です。


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この辺りは古い建物が多く、アパートも実に年輪を重ねています。


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そこからは島の反対側の海岸に出ますが、海の様子が一変。こちらの海岸は外海のようになっていて、地中海とは思えないような激しい波が海岸に押し寄せてきます。


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この反対側の海岸沿いにも道が続いていますので、ゆっくりと散策を楽しみます。海岸までびっしりと古い石造りの建物が立ち並んでいます。


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青空と碧い海で美しい周遊道路です。


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名前も知らなかったファサードの美しい教会もあります。サント・スピリト教会Chiesa dello Spirito Santoです。


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湾曲した道路を回ったところで岬のほうを振り返ると、空と海に挟まれたオルティージャ島の街の美しさが際立っています。中央に見えているのが先程のサント・スピリト教会です。


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海沿いの道をさらに進むと、海岸に打ちつける波しぶきがだんだん激しくなってきます。こういうオルティージャ島の側面もあったのですね。


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散策は続きます。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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テーマ : ヨーロッパ
ジャンル : 海外情報

 

ボリショイ・バレエ《スパルタクス》@東京文化会館 2012.2.1

初めて、バレエを見たのが昨年のウィーン国立歌劇場での《ラ・シルフィード》。そして、国内で初めて見るのが今夜のボリショイ・バレエ《スパルタクス》です。ちなみに3回目は4月のウィーン国立歌劇場での《アンナ・カレーニナ》になる予定です。そういうわけで、たいした感想が書ける筈はありません。それどころか、今日は最悪の体調で集中力を欠いています。そんな状態でかなり無理して見ました。なので、このあたりで読むのを止めていただいても結構です。
それでもブログランキングへの1票だけは是非お願いします。


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今日の《スパルタクス》はソ連の作曲家アラム・ハチャトゥリアンの作曲で、今回の振付は定番とも言えるユーリ・グリゴローヴィチによるものです。現在85歳の高齢の彼はボリショイ・バレエのバレエ・マスターで伝統を次世代に引き継ごうと努力しているようです。

今日のキャストは以下です。

 指揮:パーヴェル・ソローキン
 管弦楽:ボリショイ歌劇場管弦楽団

 スパルタクス:パヴェル・ドミトリチェンコ
 クラッスス:ユーリー・バラーノフ
 フリーギア:アンナ・ニクーリナ
 エギナ:マリーヤ・アレクサンドロワ

ボリショイのオーケストラの演奏から始まります。骨太の響きで金管の力強さが印象的です。弦はあまり目立ちませんが、腰の座った感じでしっかりとした響き、フリーギアのテーマは美しく奏でられました。
第1幕、第2幕と勇壮な男性ダンサーの群舞が目立ちます。スパルタクスとクラッススの力強いジャンプも目を引きます。しかし、体調不良で半分近くはうつらうつら状態。予習したワシーリエフのヴィデオを頭のなかで重ね合わせながら見ているので、流れにはついていけます。30年以上も前のものと、同じグリゴローヴィチの振付なので、ほとんど差異が分からないほどです。初心者のsaraiでは伝説のワシーリエフと今日のドミトリチェンコにそんなに差がないように感じます。まあ、満足して見ているのでいいでしょう。

第3幕にはいると、俄然、それまでのうつらうつら状態から一転、舞台に集中します。素晴らしいです。もちろん、スパルタクスとフリーギアのエレジーは最高。リフトの素晴らしさには圧倒されます。あの片手だけのリフトは凄過ぎます。支えるドミトリチェンコも、リフトされ足を高く伸ばすニクーリナも両者素晴らしい! 一方、クラッススとエギナも素晴らしいリフト。群舞もますます冴えわたります。
そして、槍に突き刺され、高く突き上げられるスパルタクスの最期のシーンはぞくぞくとします。予習して、よく分かっていたシーンですが、やはり、生の舞台の迫力は違います。このあたりではもう体調不良も完全に忘れ去っています。
遂にフィナーレ、これは素晴らしい。ヴィデオでは絶対、この感動は味わえません。戦士達の頭上にスパルタクスの遺体が高く持ち上げられ、その後方から、嘆きのフリーギアが高々と姿を表したときの絶頂感。まるでオペラの愛と死のフィナーレのようです。生の舞台で見て、このグリゴローヴィチの振付の造形的な美しさに圧倒され、感動しました。

しっかりと鑑賞できたのは第3幕だけですが、お蔭で体調も良くなり、これ以上の治療法はなかったようです。
また、バレエを見に行きましょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

シラクーサからマルタ島へ:オルティージャ島の激しい波しぶきの洗礼

2011年10月17日月曜日@シラクーサ~マルタ島/2回目

オルティージャ島の海沿いの道の散策を続けます。見晴らし台のような高台があり、そこには波が激しく打ちつけられています。


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見晴台に上がると、海面からずい分と離れて逆に静かです。


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手すりに近づくと、雄大な海が見通せます。


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下の方を見下ろすと、光る海と波しぶきでとても綺麗です。


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真下を見ると、岸壁に激しく波が打ちつけています。凄いです。


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さらに見晴台から先に進みましょう。この先、波が凄いです。


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オルティージャ島の海岸道路の向こうに、対岸の本島側のシラクーサの街が見えてきます。海の美しい色と街の白い色がマッチしています。


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島の根元の方に近づくにつれて、さらに波しぶきが激しくなります。


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釣り人が数人、この激しい波の海に釣り糸を垂らしています。いい釣り場なんでしょうね。


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波が一層強くなってきて、海よりも1段高くなっている海岸道路にも波しぶきがかかり、海岸から離れて歩くことを余儀なくされます。海岸沿いにさらに高台となった道があるので、そこなら安全だろうと思って近づくと、その高台に上がる直前に大きな波が来て見事に波しぶきの洗礼を浴びてしまいます。でも、なんだか楽しくって、これもシラクーサの思い出になるねって2人で強がっています。とりあえず高いところに上って、一安心。高みからの眺めも格別です。


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これが高く作られたれた遊歩道です。もう波しぶきの心配なしです。


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遊歩道を回り込むと、激しかった海ともお別れです。最後にもう一度、雄大な海を眺めました。


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ずいぶんと歩いて島の根元のシチリア本島と橋でつながっているところまでやってきました。島を半周以上回ったことになります。


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ここからは少し島の内陸部の路地を歩き、反対側の海岸に出ましょう。


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家の前を花々で飾った綺麗なお宅がありました。ヨーロッパは花が似合いますね。


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オルティージャ島を一周する散策はまだまだ続きます。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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シラクーサからマルタ島へ:オルティージャ島一周完歩!

2011年10月17日月曜日@シラクーサ~マルタ島/3回目

オルティージャ島Isola di Ortigia一周の散策が続きます。激しい波しぶきの海沿いの道から島の内部に入ります。海沿いの道が途切れていて、迂回することを余儀なくされるためです。少し歩くと、昨日も立ち寄ったアポロ神殿Tempio di Apolloに出ます。


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昨日と打って変わって、青空の下で見ると印象が異なります。美しい遺跡ってとこでしょうか。青空に映える廃墟の石組みも絵になります。


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このアポロ神殿の東側の路地エマヌエーレ・デ・ベネディクティス通りVia Emmanuele de Benedictisには、朝市も出ています。


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ここから、また海の方に復帰するためにオルティージャ島とシチリア本島をつなぐ橋に向かって歩いてみましょう。いかにもシチリアって感じの明るい通りです。


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すぐに橋に着きます。島には何本かの橋がかかっています。海峡というより川のような感じです。


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橋の上からの景色を楽しんで、オルティージャ島に戻ります。


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海沿いの道はどうも遠回りになりそうなので、また狭い路地を突っ切ります。


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お馴染みになったポルタ・マリーナPorta Marinaに出ます。


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今日は港の大埠頭に巨大な豪華客船が接岸しています。真っ白い船体が青空と地中海に映えています。


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ちょうど船に荷揚げ中です。船客は上陸中なのでしょう。今晩のディナーに備えた作業中かな。まだ本格的な豪華客船クルーズは経験ないのでよく分かりません。一度くらいは経験するのもいいでしょうが・・・(高額そうですね)。


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今日はすっかり晴れ渡ったので、港からの海の風景もきらきらと輝いています。


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この港の埠頭は広々としていて、先程の巨大な客船もちっぽけに見えています。大型船が何隻でも停泊できそうですね。


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さて、この港から先は海岸沿いにフォロ・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世Foro Vittorio Emanuele IIという遊歩道が続いています。ゆったり散策しましょう。


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こちらの海岸は先程の波しぶきの激しかった海岸と異なり、実に穏やかです。面白いものですね。フォロ・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の遊歩道の終点はアレトゥーサの泉Fonte Aretusaです。最初の出発点に戻ってきました。


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これでちょうど1周ですが、ぶらぶら歩いて1時間半ほどです。本当に小さな島ですが、シラクーサの旧市街地はかなりの部分ここに集約されています。
これでシラクーサ滞在もお終いです。ただ、最後に思わぬ面白い付録があります。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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シラクーサからマルタ島へ:最後も粘って、オルティージャ島の地下探検へGO

2011年10月17日月曜日@シラクーサ~マルタ島/4回目

オルティージャ島Isola di Ortigiaを一周完歩して歩き疲れたので、お茶でもして一休みしましょう。美しいドゥオーモ広場Piazza del Duomoは、昨日までとは打って変わって明るいシチリアの陽光に輝いています。妙な一人乗りコンパクトカーも広場にあります。そういえば、この広場では車は見かけません。乗り入れ禁止なんでしょう。とすると、このコンパクトカーは自動車ではなく電動椅子?


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ドゥオーモDuomoの目の前のオープンテラスのカフェに陣取り、広場の眺めを楽しみましょう。木立の下からのドゥオーモは今日も綺麗です。


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ところで、オルティージャ島を1周している間に何台かの20番の無料バスが私達を追い抜いて行きました。その間隔から、ホテル近くのバス停のバスの発車時間は、毎時10分と40分であることを突き止めました。ホテルからアレトゥーサの泉Fonte Aretusaまでは歩いて5分もかからないので、12時10分のバスに乗るためには、ホテルを12時に出れば十分のようです。それまでゆっくり過ごしましょう。ここには珍しくカプチーノがあります。それとシチリア名物のレモネードをいただきます。


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オープンテラスのカフェにはゆっくりとした時間が流れています。広場ものどかそのもの。こういう時間が旅の楽しみですね。


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それでも、ちょっと余裕を持って少し早目の11時50分にはカフェを出ます。この早めの行動が正解だったんです。
ドゥオーモ広場を歩き出すと、今までは見かけなかったものが目に飛び込んできます。ドゥオーモの脇の小さなドアが開いていて、数人の人が出入りしているのです。2人ともピンときて、顔を見合わせます。ずっと探していたドゥオーモの地下への入口です。どうも日曜はこの入口は休みだったらしく、月曜日の今日になって営業を開始したようです。もう時間もありませんが、saraiが楽しみにしていた地下探検なので、入場料1人4ユーロを払って急いで入ります。


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すぐに地下への階段が深く潜っていきます。


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一気に地下広場に出ます。


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ここからは、何本ものトンネルが網の目のように伸びているようです。多くは通行禁止になっていますが、通行可能なトンネルを時間の許す限り進んでみましょう。壁に大きな写真が張ってあります。この地下トンネルは第2次世界大戦中は防空壕として利用されていたようで、その頃の写真です。


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この地下トンネルは、ギリシャ時代に源を発するようです。
地下トンネルの地図が表示されていましたが、細かく吟味するような時間的余裕はありません。気持ちは焦っています。


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ともかく適当に1本のトンネルを進んで行くと、すぐにトンネルの出口の明るい光が見えてきます。


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何と先ほど歩いていた海岸沿いの道フォロ・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世に出ます。しかもその出口には誰も門番はいません。分かっていれば、無料で入場できたんですっ!


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いったん外に出ますが、地上を歩くとかえってホテルに戻るのに時間がかかりそうなので、トンネルに戻ってドゥオーモの脇の入口から出ます。門番のおじさんはにこやかに迎えてくれます。こちらが焦っているのは分かっているんでしょうか。


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急いでホテルに戻り、預けてあった荷物を受取り、バス停に向かいます。

バス停には予定時間の5分ほど前に到着し、余裕で推定出発時刻通り来た20番の無料バスに乗車。シラクーサ駅まで無事に移動完了です。これから、カターニア空港行きのバスを探してバスに乗車できれば、予定通りのスケジュールになるんです・・・。

ところで、シラクーサで滞在したホテルは駅からは遠くて心配でしたが、慣れれば無料送迎バスの20番はとても便利です。ホテルのあるオルティージャ島には、ドゥオーモやカラヴァッジョの絵のあるサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会もあり、美味しいシチリア料理のレストランもあり満足です。お蔭でカラヴァッジョの祭壇画は2度も見に行く余裕があり、saraiは大満足。ホテルのお兄さん達も英語が堪能で、しかも親切。建物は古いですが、屋上テラスの朝食レストランは眺めもよく気持ちが和やかになり、国際交流も図れます。それに何といっても料金が安い。絶対のお勧めホテルです。



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シラクーサからマルタ島へ:シラクーサからバスで一路、カターニア空港へ

2011年10月17日月曜日@シラクーサ~マルタ島/5回目

カターニア空港Aeroporto di Catania-Fontanarossa行のバスに乗るためにシラクーサSiracusaの駅前に到着です。駅前のバスターミナルからはいろんな方向へのバスが出ているようで、多くのバスとかなりの人がバス待ちをしています。カターニア空港行のバスもここから出る筈ですが、バスターミナルのどこから乗ればいいか、チケットはどこで買えばいいかが全く分かりません。INTERBUS社の切符売り場と乗り場は発見しますが、先に出るはずのAST社のバス停が分からず、saraiが必死に探しまわりますが一向に進展しません。そのうちに配偶者が、バスに乗車する人の様子をからAST社のバスのチケットは乗車の際に運転手から購入していることを見極めます。後はバス停の場所だけです。バスターミナルではAST社の職員らしき3人が立ち話中です。


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しばらくはこのあたりで様子を見極めようとしています。


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どうも様子がはっきりしないのでAST社の人達の1人にどこからバスが出るか聞くと、ここではなくてそっちだよと指さします。そちらの方に行こうとするとちょうどバスが入ってきて、さきほどの職員の人がそれがカターニヤCatania行だよって教えてくれます。そのバスの運転手にも再度確かめるとそうだとのこと。


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無事に空港行きのバスに乗車。駅前から乗車したのは我々2人を含めて4、5人です。


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その4、5人を乗せて、バスは定刻に無事バスターミナルを発車します。ほっ・・・。


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途中のバス停からも乗客が乗ってきますが、後で数えてみると計11人だけの乗客。これで一人5.7ユーロのバス代は安いと思います。バスはシラクーサの市街地を抜け、昨日のギリシャ劇場の横も通ります。


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やがて、バスは海近くの道に出ます。まわりには何もないところです。


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バスは高速道路にはいり、一路カターニア空港に向かいます。高速道路は丘の上を走り、遠く海も見渡せます。


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山側には特徴的な形の岩山も見えます。


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近くに大きな建物が見えます。郊外店舗のIKEAです。ヨーロッパにはいろんなところでIKEAの店舗を見かけます。


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1時間10分で空港に到着。ここで下車したのは6人だけ。バスはカターニア駅、タオルミナ、メッシーナの方に向かうようです。我々は空港ビルに向かって歩きます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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すごく立派な空港ビルです。意外です。


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空港ビルの中央は実にモダンなデザインです。


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空港ビルの中に入ると、外光をふんだんに取り込み明るい空間がひろがっています。


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1階、2階が巧みに組み合わせられた立体的な構造になっています。大勢の人たちがこの機能的に設計された空港内をスムーズに行き来しています。


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早速我々もマルタ行の便のチェックインを済ませましょう。いよいよ、マルタ島が近くなった感じです。



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シラクーサからマルタ島へ:カターニア空港からマルタ島へ一っ跳び

2011年10月17日月曜日@シラクーサ~マルタ島/6回目

シチリアのカターニア空港Aeroporto di Catania-FontanarossaにはマルタMalta行の便が出る3時間ほど前に着きました。チェックインカウンターは44~46番ということでしたが、まだ早過ぎて窓口の人もいなくて、チェックインはできません。チェックインは2時間前からみたいです。しばらく軽食でも食べて待ちましょう。具合よくチェックインカウンターが見下ろせるカフェの席に落ち着くことが出来ます。ちょうど下に44~46番のカウンターが見えています。


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このカフェはセルフサービスなので、ピザとかをセレクトして席に落ち着きます。


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チェックイン時間が近づくと急にカウンター前に行列が伸びてきます。


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我々も下に降りて、急いで列に加わります。


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無事にチェックインも完了し、荷物も預けて身軽になったところで、空港見学です。なかなかモダンなデザインの空港です。空港内をふらふら歩いているうちに搭乗時間が近づきました。


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手荷物検査も終え、搭乗口に行きます。待ち時間に空港売店をひやかしていると、ゴッドファーザーのTシャツを発見。男の子の孫に1枚ゲット。シチリア島だから本場ものでしょう。女の子の孫には、イタリアンファッションのお洒落なスカーフをゲットします。マルタ共和国はEUに加盟しているので、イタリアからは国内線扱いで手続きも簡単です。いよいよ搭乗が迫ります。マルタ航空の飛行機も見えています。


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ボーディングブリッジを通り搭乗します。


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予定通りの時刻に離陸し、マルタに向かいます。マルタ航空の便ですが、驚くほどの低料金でフェリーの料金よりも格段に低価格です。航空機もエアバスA319で立派です。飛行時間も40分ほどであっという間にマルタ・リカ空港MALTA International Airport/Luqa Airportに到着。ここではボーディングブリッジに接続せずにタラップがおろされます。


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だからと言って、大きな空港のように送迎バスが来るわけではなく、徒歩で空港ビルに向かいます。柵の間を抜けて、滑走路から空港ビルに入ります。


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空港ビルへの入口です。こういう空港もなんだか、ぬくもりを感じます。


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ビルに入ると、いきなりモダーンなアートが展示されてありビックリです。


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ターンテーブル前で荷物を待ちます。


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荷物を無事に受取り出口を出ると、事前に予約してあったタクシーの運転手さんが漢字のsaraiの名前を大きく書いた紙を持ってお出迎え。


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まったく土地勘がなく公共交通機関も不便なので、送迎のタクシーを奮発です。運転手さんに手伝ってもらって荷物をタクシーまで引っ張っていって、トランクに積み込んでもらいます。


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タクシーに乗ってビックリ。右ハンドルです。ということは、マルタは左側通行なんですね。こんなことも知らずにマルタにやってきてしまいました。見慣れない風景の島を実に丁寧な運転でホテル前まで送ってもらいます。小さな島だと思っていたのですが、予想以上に大きな立派な島です。
遂にマルタまでやってきました。これから3日間、マルタでの休日を楽しみます。



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この記事へのコメント

1, さかなさん 2012/04/26 15:44
この6月に友人と、カターニア空港からマルタへ行くつもりでいます。
それで教えていただきたいのですが、マルタ航空のチケットは、どう買われましたか?

2, saraiさん 2012/04/26 16:56
さかなさん、初めまして。

マルタ航空のチケットは普通にマルタ航空の以下のサイトから買えます。
http://www.airmalta.com/homepage?l=1

英語版も用意されているというか、マルタの公用語は英語なので、特に問題なく、購入できますよ。

3, さかなさん 2012/04/26 19:56
saraiさん、早々に、ありがとうございました。
今、マルタ航空のサイトを見てみました。
日曜日が出発予定です。
カターニアを、22時35分でマルタには、23時20分です。
金額は、2人で約190ユーロでした。
この時間に着いてから、バレッタまで更に行こうと思うと、ホテルに着けるのか心配になります。
カターニアと、マルタ間の飛行機は、本数が少ないのでしょうか?
私が利用したい日にちの座席数は、残りが2席とか---困ったな。

4, saraiさん 2012/04/26 22:28
さかなさん、カターニアからマルタへは1日1便だと思います。曜日で運行時間が変わります。
夜遅くの便なら、その日は目一杯シチリアで遊べるので、それもよいのではありませんか?カターニア空港はタオルミナから近いので、タオルミナで遊べますね。タオルミナから空港行きのバスも出ています。
ちなみにシーズンが異なるのかも知れませんが、航空機は2人で73ユーロでした。
マルタのリカ空港からはタクシーの利用をお勧めします。事前に予約しておくのがよいでしょう。私が利用したのは以下のサイトです。日本語で大丈夫です。送迎両方で40ユーロでした。(ドライバーへのチップは別)
www.maltanavi.cpm

ホテルにも到着時間をメールしておいたほうがいいでしょう。

5, さかなさん 2012/04/27 01:28
色々、ご親切に ありがとうございます。
一緒に行く友人とも、よく話し合って 楽しい旅をしたいと思います。
本当に、ありがとうございました。

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ジャンル : 海外情報

 

シラクーサからマルタ島へ:マルタの郷土料理うさぎ

2011年10月17日月曜日@シラクーサ~マルタ島/7回目

マルタMaltaで宿泊するホテルは、スリーマSliemaというマルタの首都ヴァレッタVallettaとは湾をはさんだ対岸の街にあります。マルタのホテルは『スリーマ ホテル(Sliema Hotel)』。ここで3泊します。

当初マルタではヴァレッタの旧市街の中のホテルにしようと思いましたが、マルタへの出入りの都合上3泊もすることになったので、街の中よりもヴァレッタの対岸にあるスリーマに泊まってゆったりと過ごそうということにしました。スリーマのフェリー乗り場の近くが交通の便がいいので、そのあたりのホテルを探すと驚くべき安さのホテルがあります。あまりの安さに惹かれて、キャンセル不可の超安値価格(2人で1泊45ユーロ)でこのホテルを予約しました。ところが、とんだ落とし穴というか、クレジットカードの履歴を見るとダブルチャージされてました。ネット予約サイトにもクレジットカード会社にもクレームをあげましたが、解決するのに1カ月あまりもかかりました。解決はしたものの、気持ちのいいものではありませんね。実際の宿泊の前からケチのついた形で、不安な気持ちでのチェックインになります。

スリーマのホテルには、タクシーに乗ったお蔭でスムーズに到着です。どこをどう走ったか見当もつきませんが、まずは順調な滑り出しです。チェックインも問題なく完了です。ただ、今日は部屋でネット接続できず、ロビーで接続してほしいとのことです。仕方ないですね。


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8階の部屋からは城塞都市ヴァレッタの街が湾の向こうに美しく見えます。


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この風景が見たくて、このホテルを選択しました。スリーマとヴァレッタに挟まれた湾には多くの船がひしめいています。


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テラスに出ると、スリーマの船着場も見下ろせます。海の色が綺麗ですね。


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真下を見下ろすと、こんな感じ。海岸沿いには遊歩道が整備されています。リゾート地らしい雰囲気です。


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滅茶苦茶部屋代が安いにもかかわらず、部屋は広くて立派。


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イタリアではお目にかかれなかったバスタブも付いています。


街の情報に疎いので、夕食は通りをふらふら歩きながらマルタ料理のレストランを探します。1軒目では予約なしでは満席と断られ、2軒目のローカルなレストランに入ります。このレストランは路地の奥にあります。


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このレストランDEE GOOSEは、メニューをレストランの外側に出しています。うさぎ料理が食べたかったので、このメニューで確認したうえで入店します。


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マルタでは言葉は英語なので食事の注文も楽です(このことも知らず、マルタではてっきりイタリア語が公用語だと思ってました!)。
まずは白ワインです。


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マルタ風の魚スープをまずいただきます。これは名物なので是非食べたかったんです。


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野菜スープもいただきます。


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そして、やはりマルタ名物のウサギの煮込みは欠かせません。


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最後は牛肉に玉ねぎなどを詰めた煮込みを食べます。


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いずれも、美味しくて完食。高級な料理とはまったく反対のいかにも庶民の味という感じのマルタの家庭料理でした。

ホテルに戻り、テラスからのヴァレッタの街の夜景を眺めながら、気持ち良く配偶者は就寝です。


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こちらもそろそろ寝ましょう。

明日は、カラヴァッジョ巡礼の旅の総仕上げでカラヴァッジョの絵を楽しみます。



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マルタ北部周遊:マルタの観光は2階建てバスで

2011年10月18日火曜日@マルタ島/1回目

旅は13日目です。

マルタMaltaの朝は、綺麗な青空でお目覚めです。やっと地中海の島らしいお天気になりました。
今日はのんびり朝風呂に入ってすっきりしましょう。
やられた!お風呂に栓がありません。よくあることだとは聞いていたのですが、これはしっかり抗議をして栓をもらわなくちゃね。とりあえずは、シャワーで我慢しましょう。あれ、タオルがバスタオル2人分があるだけです。しっかりと徹底した節約振りですね。ま、これで安くしてくれるならいいんですよ、バスタオルだけで。ハンドタオルにフェイスタオルに大判のバスタオルなんていらないものね。でも、ちゃんとチップ(枕銭)は置いておきましょう。これ以上意地悪をされたくないものね。

部屋のテラスから対岸のヴァレッタVallettaを眺めていると、テラスに出てきた隣の部屋の人と顔があってしまいます。会釈しながら、何となくバツが悪く、部屋の中に退散します。
朝食に出かけようと部屋を出ると、そのお隣さんとバッタリエレベーターで出会ってしまいます。おはようと挨拶をかわして、おしゃべりになります。彼はミュンヘンから来ていて、9月に日本で3週間ほど過ごしたとのことです。そして10月はマルタなのですから、世界中を旅していて、羨ましいですね。

朝食レストランは1階のレセプションの奥にありますが、実にすっきりあっさりしています。質実剛健って感じでしょうか。


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朝食も、ほぼトーストにハムにコーヒーと牛乳、オレンジジュースだけ。いいんですよ、これだけあれば十分です。我が家の朝もこんなもんです。そうそう、リンゴとオレンジもあります。


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今日はヴァレッタにカラヴァッジョの絵を見に行くのが一番の目的ですが、先にそちらに出かけるとその後の行動のスケジュールが難しくなるので、先にマルタ観光に出かけることにします。午前中は乗り降り自由のヒップオン・ヒップオフの2階建て観光バスで、マルタの北の方を回りましょう。このようなバスに乗るのは初めての体験です。日本語の音声ガイドも付いています。土地に不案内で公共交通機関も不便なので、心ならずもこういう形の観光になります。まずチケットを購入します。


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バスはスリーマSliemaのフェリー乗り場前から乗車できます。バスの到着を待ちます。


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いざバスに乗って出発です。
滞在している海辺のスリーマの街から、まずはヴァレッタに向かいます。スリーマの海沿いの道を進みます。


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教会の前です。教会の時計は2つありますが、時間が違っています。故障とか調整不足なのではなく、わざと1つは狂った時間にしてあるそうです。マルタのすべての教会の時計は1つは狂った時間になっており、理由は悪魔に礼拝時間を知られないようにするためだそうです。そうすれば、悪魔に礼拝の邪魔をされないということです。ところによって、変わった習慣がありますね。


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スリーマとヴァレッタの間には大きなマリーナがあります。クルーザーのマストが林立しています。


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ヴァレッタに向かう通りの大きな石造りの門に出ます。


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やがてサンタ・アナ通りTriq Sant' Annaを走って、ヴァレッタに近づきます。通りの両側は立派な石造りの建物が立ち並んでいます。後ろからも別のヒップオン・ヒップオフの2階建て観光バスが走ってきます。


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今まで見かけたことのない城塞都市はなかなか凄い風景です。ヴァレッタの市街地には観光バスは入れないので、ヴァレッタの街の入口で折り返していきます。また後でカラヴァッジョと対面するためにヴァレッタへ戻ってきましょう。街の入口はバスターミナルになっています。


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ヴァレッタから折り返した後しばらくは、住宅街を進みます。途中に水道橋のようなものがあります。ローマ時代のものでしょうか。


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住宅街を抜けると、見渡す限り広々とした大平原です。


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マルタには山も川もありません。石がゴロゴロと転がる痩せた土地で、おまけに地中海のど真ん中で、強風の日が多いらしい。ということで、作物はあまり育たないとのことですが、それでも工夫して農業が行われ、ワイン畑もあります。水道も昔から整備されていたみたいです。


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そんな中に、突然小高い丘に真っ白な建物が密集した街が現れます。平地にも大きな街があり、モスタMostaという街だそうです。このモスタの街にはとても大きな教会があります。通称、モスタドームです。この教会は被昇天聖母教区教会Parish Church of the Assumption です。


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このドームはとても大きく、お手本はパンテオンとのことで、教会としては、ロンドン、ヴァチカンに次いでヨーロッパ第3位の大きさだそうです。


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バスはモスタドームの前で一時停車し、写真撮影タイムをとってくれました。その後はすぐにモスタの街を後にします。バスはまた荒野の中を走り、遠くに先ほどの丘の上の白い建物の街が見えてきます。


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どんどんその丘の街に近づいていきます。マルタ島の古都イムディーナMdinaです。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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今日の観光の目的地です。次はイムディーナの街を歩きます。



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マルタ北部周遊:マルタの古都イムディーナを散策

2011年10月18日火曜日@マルタ島/2回目

小高い丘の上の古都イムディーナMdinaに向けて、バスは緩い勾配を上っていきます。かなり小高いところに上ったところでバスの後ろを振り返ると、荒野の中の並木のバス道路が見えています。


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バスはイムディーナの市壁前に到着。ここでバスを降りて、イムディーナの街を散策します。イムディーナの市壁は空堀で囲まれています。


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堀の周りは緑の公園になっています。


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堀にかかる橋を渡って、イムディーナの市門に向かいます。


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イムディーナは、市壁に囲まれた実に狭い街です。首都が現在のヴァレッタVallettaに移される前は、このイムディーナが首都だったようですが、こんな狭い街が首都として成り立ったのかしらね。立派な石造りの市門Main Gateをくぐります。


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市門をくぐると広場になっていて、大勢の観光客がいます。観光地ですね。


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広場右手の建物は国立自然科学博物館(ヴィヘーナ邸)です。ここは外から見るだけでパス。


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石造りの大きな建物の間の狭い道を進みます。まさに中世を思わせる通りです。


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曲がり角を過ぎてさらに進むと、広いメインストリートのVileaignon通りに出ます。


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通りの先が、街の中心の一番広い広場です。広場の奥に聖パウロ聖堂(大聖堂The Cathedral)があります。


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これは重厚な建物です。この聖堂は1693年の地震の後に再建されたそうです。そうそう、この聖堂の時計も左右で時間が違っています。
この聖堂から、中世風の美しい路地を歩きます。


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この辺りの建物は、マルタストーンという石でできた美しい建物ばかりです。さらに奥の方の市壁沿いのバスティオン広場Bastion Square(保塁広場)に行くと、城壁の上から広大な眺めが楽しめます。荒涼とした原野が広がります。遠くには地中海も見えています。素晴らしい眺めです。


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先ほど訪れたモスタの街も見え、モスタドームが街の目印になっています。


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また通りに戻ると、のどかに馬車が走っています。このイムディーナの街は、原則自動車乗り入れ禁止なので、馬車は有力な交通手段です。


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またも美しい路地です。


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街角にはかわいい聖母子像があります。


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さあ、この辺りでイムディーナ散策もお終いにしましょう。イムディーナは「サイレント・シティー」という意味だそうです。表通りはそれなりに賑やかですが、一歩路地にはいると人っ子一人いないという雰囲気たっぷりの街です。とても小さな街で面積は0.9平方kmで、散策にはもってこいの街です。

イムディーナ散策のルートを地図で確認しておきましょう。


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マルタ北部周遊:イムディーナから、セント・ポールズ・ベイ、サン・ジュリアンをひた走る

2011年10月18日火曜日@マルタ島/3回目

イムディーナMdinaの街の美しい路地を抜けて、市門Main Gateに向かいます。


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市門の外に出て、バス乗り場に戻ってきます。イムディーナの街の外側はラバトRabatの街が広がっていますが、散策はこれくらいにしてヴァレッタの街に向かうことにします。バスを待つ間、バス会社のおじさんと馬鹿話をしながら時間をつぶします。


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少し待つとバスが到着し、乗り込みます。


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またバスに揺られて行きます。風が強く、バスの2階のオープンな席は結構寒いです。陽が陰るとかなり寒く感じ、1階に降りていくお年寄りも多いです。イムディーナの街が遠くなっていきます。


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途中でイムジャールMgarrの教会に寄っていきました。立派なドームの教会です。


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バスは島の荒涼たる中央部を抜けて走ります。


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やがてゴールデン・ベイGolden Bayの海岸が見えてきました。ヴァレッタVallettaやスリーマSliemaとは島の反対側の海岸です。ここのビーチは日光浴の人で賑わっています。


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再び内陸部を走り、ヴァレッタ側の海岸に出ます。セント・ポールズ・ベイSt Paul's Bayです。


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ブジッバBUGIBBAというリゾート地に出ました。海岸線沿いにはホテルが立ち並んでいます。


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ブジッバに隣接するリゾート地アウラQawraにバスは入っていきます。立派なホテルやお洒落なカフェが立ち並んでいます。


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この辺りも陽光を楽しむ人で一杯です。ホテルのプールやビーチで日光浴をしている西欧人が多いです。寒くないのでしょうかね。
こんな風にのんびり過ごすことは日本人には無理だなと少々呆れながら眺めて、saraiはバスの2階で強い風に震えていました。これがリゾートライフですね。努力も必要そうです。


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次の湾の向かい側に出て、先程のアウラのホテル街が湾の向こうに望めました。まさにリゾート地ですね。


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バスはヴァレッタに向かって、海沿いに走ります。地中海の青さが目に染みます。


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やがて、スリーマの手前の街サン・ジュリアンSt Julian'sです。ここでも、ビーチで日光浴を楽しんでいる人達がいます。少し曇ってきてますます肌寒いのですが、みなさん頑張りますね。


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サン・ジュリアンのホテル街です。ホテルがびっしりと立ち並んでいます。


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やがて岬をまわり、最初にバスに乗ったスリーマの街に戻ってきました。が、このまま降りずにヴァレッタまで行くことにします。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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いよいよヴァレッタで待望のカラヴァッジョを鑑賞し、巡礼を完結しましょう。



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マルタでカラヴァッジョ:カラヴァッジョを求めて・・・ヴァレッタの大聖堂!

2011年10月18日火曜日@マルタ島/4回目

バスはスリーマSliemaの街を過ぎ、ヴァレッタVallettaの街に向かいます。当然ヴァレッタの街の入り口で停まるものと思っていたら、停まらずにそのまま通過してどんどん坂を下りていきます。そして、ヴァレッタの先のグランドハーバーGrand Harbourまで行ってしまいます。そこでどっと人が降ります。どうもそこに停泊している豪華客船の乗客のようです。私達もすごすごと一緒に降りて、とぼとぼとヴァレッタの街に引き返します。が、ヴァレッタの街は巨大な城壁の上・・・これは大変!!


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そのままバスの来た道を引き返すのも悔しいので、初めての土地とはいえ地図とにらめっこしながら、勘を働かせ作戦を考えます。城壁沿いに歩き、何とかヴァレッタの街に入りましょう。城壁沿いの道を少し上っていきます。道の右側には、グランドハーバーの向こうにスリーシティーズThree Citiesが見えてきます。


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グランドハーバーには豪華客船が停泊しています。


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土地勘が働いたのか、偶然のなせる業なのか、城壁から街に入ることのできる城門が見えてきました。ヴィクトリア門Victoria Gateです。やったね。


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早速、門のアーチをくぐります。


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そこから上を見上げると、門の上部に鉄の橋がかかっています。そこに街の中心に向かう道があるようです。何とか、目処がたってきましたね。


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石段を上って上の道に出ます。石段はそのままずっと続いています。でも、ヴァレッタの街は勾配だらけの街だということはあらかじめ分かっているので、これくらいの石段では驚きませんよ。


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真っ直ぐの坂道をどんどん進むと、とても賑やかな通りに出ます。これは、街のメインストリートです。


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目的地はカラヴァッジョの絵のあるヴァレッタの大聖堂St. Johns Co-Cathedral(サン・ジョヴァンニ大聖堂とか聖ヨハネ大聖堂とかいろんな呼称で呼ばれています)です。ついに、その大聖堂の堂々たる構えが見えてきます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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大聖堂の正面は工事中です。そのせいか、入口は正面ではなくぐるっと側面にまわったところです。


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教会とはいえ、今はその機能を果たしていないようで、博物館・美術館のような扱いで1人6ユーロの入場料です。教会だから当然無料だと思いますが、仕方がありませんね。チケットを購入します。


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中に入ると、教会の内部とは思えない黄金で豪華に装飾した作りになっています。ものすごく立派です。


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当然カラヴァッジョは主祭壇画の場所にあると思っていましたが、その場所にはヨハネがキリストに洗礼する大理石の彫刻が飾ってあります。


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それにしてもこの教会はとても立派です。壁面や天井も黄金の装飾が素晴らしい!


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床面にも色大理石の装飾が施されています。名門の騎士たちのお墓なのでしょうね。


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どこもかしこも本当に立派な教会ですが、カラヴァッジョはどこを見てもありません。なんだかイヤな予感が頭をよぎります。配偶者は本当にここでいいのってsaraiに疑問を投げかけますが、ここでいい筈です。業を煮やした配偶者が係の人にカラヴァッジョはどこですかって聞くと、係の人は黙ってある方向を指さします。そこは入口に大きなマルタ十字の衝立が立っていて、入場制限がされているようです。そこには何人かの人たちもたむろしています。さては修復中とかで見られないのかという失望感が脳裏を横切ります。カラヴァッジョは見られるのでしょうか。


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仲道郁代ピアノ・リサイタル@サントリーホール 2012.2.12

毎年、定例的にサントリーホールでのリサイタルを開いている仲道郁代です。昨年も聴きました。そのときの感想はここです。昨年もオール・ベートーヴェン・プログラムのプログラムで今年もまたオール・ベートーヴェン・プログラムです。正直言って、今年、聴くのはどうしようかなって迷っていました。
実はご本人からリサイタルへのお誘いがあったので、おじさんとしてはふらふらっとその気になってしまったんです。そのときの経緯はここです。

今日のリサイタルのプログラムは以下です。オール・ベートーヴェン・プログラムで名曲尽くし。きっと楽しいリサイタルになるでしょう。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2 「テンペスト」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10-3

《休憩》

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57 「熱情」

  《アンコール》

 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op.13 「悲愴」から第2楽章
 ショパン:練習曲第13番 変イ長調 Op.25-1 「エオリアン・ハープ」
 エルガー:愛の挨拶

まずはベートーヴェンの「テンペスト」です。綺麗なタッチ、明快なテンポで第1楽章が始まります。個性的な演奏ではありませんが、実に無理のない表現。名曲はこういう風に弾いてもらうと安心して聴けます。第2楽章もほどよく叙情的な演奏です。心地よい演奏です。第3楽章はsaraiのとても好きな曲です。冒頭のタタタター、タタタター、タタタター、タタタターという有名なメロディーが軽やかに演奏され、これまた心地よい演奏です。終始、模範的とも言える安定した演奏で満足です。熱くなる演奏ではありませんが、美しい演奏でした。

続いて、第7番のソナタです。特に注目していた第2楽章は実に叙情的で美しい演奏でした。ショパンを思わせるタッチで心地よく聴けました。ご本人は第3楽章がお好みとのことですが、素直な演奏に好感を持てました。

休憩後、軽いトークでもあるのかと思っていたら、いきなり、ピアノの前に座り、「月光」です。超有名曲ですが、実に素直で嫌味のない演奏で気持ちよく聴けます。こういう風にさらっと弾いてもらうのが、こういう曲にはぴったりです。気持ちよく聴いているうちにあっと言う間に第1楽章が終わりました。第2楽章はさっと終わり、第3楽章はこれまた模範的とも思える演奏です。テンポも中庸、ダイナミズムもちょうどよしって感じです。タッチもクリアーで切れのよい演奏でした。

最後は「熱情」です。「月光」のカーテンコールで出てきたと思うとさっとピアノの前に座り、弾き始めました。少し、テンションがあがってきたようです。第1楽章はそれでも実に丁寧に模範的な演奏でした。これまでCDで名人達の演奏をさんざん聴いてきましたが、こういう風に無理のない表現で演奏されると、特に違和感なく、気持ちよく聴けるものです。第2楽章は単純なテーマがどんどん細かい音符に細分化されていく過程が驚異的な名曲ですが、彼女は美しく表現してみせてくれました。最後に少し変形したテーマに戻り、そのまま、第3楽章に突入していきますが、これがなかなか間合いがよくて、無理がありません。第3楽章、これはピアニストが弾いていて興奮するんだろうなあと思わせられる勢いのある曲ですが、彼女はテンポよく、美しく表現していきます。このまま、フィナーレかと思ったら、最後のプレストでは驚くことに、これまでの演奏スタイルを変えて、熱くたぎるような情熱的な演奏です。まさに持てる力と技術を使い果たすという勢いでの演奏でした。こういうものが聴けるのが生演奏のよいところですね。実に人間的な感情の揺れや思いを感じました。

全体を通して、こういう名曲アワーそのもののようなプログラムは聴衆に納得させるような演奏はなかなか難しいと思いますが、あまり、意気込んで個性を出し過ぎるよりも今日のように素直に表現するほうが受け入れやすいんだなあと感心しました。もちろん、ここまで弾きこなすのは相当に準備・練習したことが想像できます。ミスも極めて少なく、タッチも明快、テンポも安定、指もよくまわっていました。名曲故に細かいミスも目立ちやすいし、無理な表現もすぐに分かってしまいますが、今日はまったくといって、気になる箇所はなく、気持ちよく聴けました。

アンコールはショパンの練習曲が気持ちよく聴けました。仲道郁代はやはりショパン弾きなのかもしれません。



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マルタでカラヴァッジョ:カラヴァッジョは見られるのでしょうか?

2011年10月18日火曜日@マルタ島/5回目

カラヴァッジョははたして見られるのでしょうか。心配しながらマルタ十字の衝立の前に佇んでいました。そして、入場制限している綱の近くから中を覗き見ようとしていると、中から係の人が出てきて、もうしばらく入場は待ってくれとのこと。
安心します。待てばいいのね。待ちますよ。いつまでも待ちますよ。カラヴァッジョが見たくて、わざわざこんな地中海の島まで来ちゃったんですからね。この際、30分や1時間が待てないことはありません。
随分待っていますが、ここに張り付いて待っている人はそう多くはありません。カラヴァッジョがお目当ての人って、そんなにはいないようです。衝立の向こうでは女の人の声が響いています。きっとその人のせいで待たされているのでしょう。さすがに係の方も申し訳ないと思ったのか、衝立の向こうでその女の人と話をしているようです。ようやく綱が外されて中に入れます。中には中年の女性がいます。この人のせいで待たされたかと思い恨めしそうな視線を投げかけましたが、一顧だにされません。そして、この部屋(オラトリオっていう大きな礼拝堂)の中央には三脚に立てたビデオカメラとカメラマンの姿があります。女性の指揮の下、カラヴァッジョの絵の撮影が行われていたようです。
ともあれ、カラヴァッジョを巡る旅をしめくくる作品を見ましょう。このオラトリオの主祭壇画に照明があたっていて、ちょうどシラクーサの聖ルチア教会のような感じです。最後を締めくくるにふさわしい大作、《聖ヨハネの斬首》です。わざわざマルタ島まで見に来ただけの価値ある素晴らしい傑作です。残念ながらこの教会内でもこのオラトリオ内だけは写真撮影禁止なので、買い求めたポストカードでこの作品をご紹介しましょう。
まず、オラトリオ全体はこんな感じです。


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主祭壇画の《聖ヨハネの斬首》です。


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絵のテーマは、サロメの要求で首切り人(つまり死刑執行人)が聖ヨハネの首を切りつけ、多分聖ヨハネはもう息もないと思われますが、さらに首を切り取るために小刀を腰から抜こうとしている凄惨でショッキングな場面です。この有名な場面はほかの画家もたくさん絵に描いていますが、たいていはサロメが聖ヨハネの首を銀の盆にのせているシーンです。カラヴァッジョは、あえて主役の一人のサロメを絵の端に寄せ、腕に光を当ててこの事件の首謀者であることを示していますが、顔は暗くて明確に描かずにこの絵では脇役にしています。そして、中央の逞しい筋肉の首切り人と瀕死の聖ヨハネが主役になっています。これまで見てきたカラヴァッジョの中心的なテーマ、暴力と静謐さの対比がそこにあります。ただ、この絵の場合、首切り人の圧倒的な存在感、そしてある意味ではその美しさが描き出されています。それはカラヴァッジョが持っていた暴力的な面の肯定・賛歌とも見えてしまいます。実生活で暴力や無法さにのめりこんでいたカラヴァッジョ、そして絵画芸術において精神的な高みに上りつめたカラヴァッジョ、この二律背反的なものはカラヴァッジョの内部で矛盾なしに結合していたかも知れないというとてつもない怖い考えに至り、思わず戦慄を覚えます。瀕死の聖ヨハネの顔には光があてられていますが、精気のない死に顔で静謐さや高貴さはそれほど感じられません。暴力の美化といっては言い過ぎですが、暴力的な面が画面の中心テーマとしか感じられません。暴力への陶酔・・・カラヴァッジョ自身の実生活の昇華、それがこの作品に感じられます。もちろん別の見方も山ほどあるでしょう。カラヴァッジョの名画は劇的な空間表現で見るものをその空間の中に引きづりこみ、見るものの人生と対峙させてしまう力を持っています。それほどの傑作とこのマルタで向かい合うことができて、実に幸せです。
この後、ウィーンではこのサロメと聖ヨハネ(オペラではヨカナーン)を巡るドラマをR・シュトラウスの名作オペラ《サロメ》で鑑賞します。大芸術家2人のアプローチの違いを楽しみましょう。(R・シュトラウスのオペラ《サロメ》についてはここ
にご紹介しています。)
そうそう、このオラトリオには例の入口のマルタ十字の衝立の裏側に、もう1枚のカラヴァッジョの作品《執筆する聖ヒエロニムス》の絵もあります。緻密に描きこまれたよい作品なのですが、もう1枚の《聖ヨハネの斬首》のインパクトが強過ぎて、それほどの感銘はありません。


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これでミラノ⇒ローマ⇒ナポリ⇒シチリアと見てきたカラヴァッジョの絵画鑑賞がついに完了し、ほっとしたような残念なような妙な感覚です。それにしても晩年に描いた教会を飾る大作群は、宗教画というジャンルを超えて、恐ろしいほどの芸術的高みに達したものばかりで、圧倒され尽くしました。しかしながら、この1枚と言えば、ローマのサンタゴスティーノ聖堂にあった《ロレートの聖母》を挙げないといけないでしょう。あの聖母の美しさと高貴さは、生涯忘れえないものです。瞼の裏にはっきりと焼き付いています。
カラヴァッジョ巡礼は最終的に計28枚見ることができました(取りこぼしは3枚)。カラヴァッジョの作品を十分に堪能できました。

オラトリオから外に出ます。オラトリオの入口はマルタ十字の衝立で仕切られ、印象的です。


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再び、大聖堂のなかを見て回りますが、驚くほど豪華です。聖ヨハネ騎士団の強力な財政基盤が想像できます。


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大聖堂を後にします。大聖堂の出口には美しい緑があります。ふいに、カラヴァッジョ巡礼が終わってしまったことに感慨を覚えます。


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イタリア、マルタを巡ったカラヴァッジョの旅は忘れられない旅になりそうです。



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マルタでカラヴァッジョ:カラヴァッジョの後はカフェ・カラヴァッジョ、そして、ヴァレッタ散策

2011年10月18日火曜日@マルタ島/6回目

ヴァレッタの大聖堂St. Johns Co-Cathedralでの感動のカラヴァッジョ巡礼完結の後は、カフェで一休みして軽く遅めのお昼でも頂きましょう。大聖堂の正面にあるカフェに座ります。カフェの名前はカフェ・カラヴァッジョです。この場の気持ちにぴったりです。


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正面の大聖堂をじっくりと鑑賞。この石材もマルタ・ストーンなんでしょうね。


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屋根の上にはマルタ十字があります。


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カフェではスパゲッティをいただきます。

ボロネーゼです。


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トマトソースです。一応違うものをお願いしたのですが、エッ?と思うくらい変わり映えしませんね。


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味も語るほどのものではありません。観光客向けの店というのは、どうしてこうなんでしょうね。リピーターはいないと思っているのかもしれませんが、もうちょっと何とかならないでしょうか・・・。
一息ついた後は、騎士団長の宮殿Palace of the Grand Masterでも見てみようということで歩き始めます。メインストリートのマーチャント通りMerchants Stを歩きます。マルタ・ストーンの建物が続きます。


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通りから横に入る路地は急な下り坂です。歩き疲れたらしい男性が小休止中です。この街の散策は大変そうですね。


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騎士団長の宮殿の場所が分からずに同じところを何度も歩き回ります。建物沿いにはイタリアで言うところのポルティコもあります。


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歩き回った末にようやくパレス広場にたどり着きます。いかにも子供が水遊びしそうな噴水が上がっています。


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騎士団長の宮殿へのアーチを入っていきます。天井も立派です。


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でも、チケットの窓口を見つけた時には既にクローズド。ああ、無情!


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それでも中庭へのゲートはまだ開いているので、無理やり入場します。一応中庭だけは見ることができたので、よしとしましょう。


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中庭からは宮殿の武器庫Palace Armouryへの入口もありますが、もちろん固く扉が閉じられています。


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宮殿の中は見学できませんでしたが、宮殿のまわりは十分に散策できました。
そろそろホテルのある向こう岸のスリーマSliemaまで、フェリーで帰りましょう。乗り場と思われる方向に歩きながら、またまた街を散策です。通りを歩いていると、オーディオショップが目に留まります。何と日本メーカーのパイオニアのショップです。そう言えば、昨日のレストランでがんがん音楽を鳴らしていたのもパイオニアの音響機器でした。ヴァレッタVallettaではパイオニアが浸透しているのでしょうか。


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こんな美しい街角があります。思わず足を止めて、見とれてしまいます。


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ヴァレッタはビックリするほど起伏が激しく、ものすごい坂道があります。見るだけで、その方向には絶対に行きたくないですね~。写真ではもう一つ分かりづらいかもしれませんが、ものすごい下り道の先にはものすごい上り道が続いています。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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フェリー乗り場に向けて、ヴァレッタの散策は続きます。



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マルタでカラヴァッジョ:水しぶきをあげるフェリーでスリーマへ

2011年10月18日火曜日@マルタ島/7回目

ヴァレッタVallettaのスリーマSliema行きフェリー乗り場に向かう途中で見つけた美しい4つ角・・・これはカーマライト教会Carmelite Church(カルメル山の聖母教会)の4つ角です。通りからは教会の大きなドームが見えないので、分からなかったんです。教会の中に入ってみます。


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石灰岩でできた真っ白い教会です。ドーム内は楕円形の珍しい形です。この教会を出ると、今度はすぐ近くに聖パウロ教会St. Paul's Anglican Cathedralの尖塔が見えます。


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この聖パウロ教会の脇の道を下っていくと、その先に湾が見えます。


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湾に面する道路に出ます。湾の向こうにスリーマの街が見えます。


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湾から外海のほうです。ヴァレッタの城壁は高く聳えています。


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ちょうど正面に、湾内の島のマノエル島Manoel Islandがよく見えます。手前にあるVARETTA UNITEDという表示のあるプールは、ウォーター・ポロの競技場のようです。


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下の方を見ると船着場があります。ようやくフェリー乗り場を発見です。


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しかし、上からは見えているのですが下におりていく道が見当たりません。フェリー乗り場を恨めしそうに眺めながら、城壁の上をうろうろします。


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城壁からは何とか下りましたが、どうしてもフェリー乗り場に行く道が見当たりません。配偶者が茫然と佇んでいると、そこにいたおじさんがこっちにおいでと手招きをします。フェリー乗り場はそっちでいいのと聞くと、いいんだよと言います。でもどう考えても、おじさんの家の敷地を通らせて貰ったような気がします。ありがとう!
 
フェリー乗り場がある広場に到着です。


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フェリー乗り場には小さな船が停泊していますが、もう乗客でいっぱいです。


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とりあえず次の船のチケットを購入して待ちます。我々の他にもそこそこの人が待っています。やがてフェリーが到着します。


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これはフェリーというよりも、船に表示されているように水上タクシーですね。
乗り込むと、すぐに出発です。キャップテンは、太い腕にタトゥーを入れた大きなお兄さんです。


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凄いスピードで波頭を立てながら船は湾を快走します。これは、気持ちがよくて楽しいです。


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後ろにはヴァレッタの街が見えています。尖塔は聖パウロ教会、ドームはカーマライト教会です。


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夕陽で湾の水面が輝いています。絶景です!


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残念ながらあっという間に、ヴァレッタの対岸のスリーマのホテル近くのフェリー乗り場に着いてしまいます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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とりあえずホテルに戻って、小休止します。それからディナーです。



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マルタでカラヴァッジョ:創作マルタ料理のお洒落なレストラン「ザ・キッチン」でディナー

2011年10月18日火曜日@マルタ島/8回目

ヴァレッタVallettaからフェリーでスリーマSliemaにあるホテルに戻ってきました。

ホテルに戻ると、早速saraiはネットのチェックです。昨日は部屋では繋がらないというホテルの説明に我慢して、ロビーまで出向いてネットに接続しました。今日は繋がるという説明でした。が、やはり繋がりません。これは抗議に行かねばならないでしょう。ついでに、お風呂の栓ももらってきましょう。そうそう、チップの効果があって、バスタオルが1枚増えて3枚になり足ふきマットも用意されてます!
レセプションへの抗議の結果、8階のフロアは無線LANがつながらないことが判明し、無線LANのつながるフロアに部屋を代えてもらうことになります。新しく用意してもらった部屋で、ネット接続のチェックです。接続成功! この部屋から8階の部屋で待っている配偶者に電話して、部屋をチェンジすることになったよと連絡です。新しい部屋は4階のフロアですが、部屋そのものは8階の部屋とまったく同じです。強いて言えば、テラスからの眺めが低くなりましたが、ホテルの前は海岸通りですから遮るものはないので眺望は十分です。この4階の部屋はネットもしっかり繋がるし、お風呂の栓もあります! でも、この部屋にはバスタオルは2枚しかないので、ようやく獲得したバスタオルと足ふきマットは持って8階の部屋から移動します。ところで、バスタブにお湯を貯めようとすると途中から湯温が下がってしまうのには閉口します。だましだまし、使いますけどね。

繋がったネットを利用して、シェフ・オブ・ザ・イヤーに選ばれた美味しいとの評判の創作マルタ料理のお洒落なレストラン「ザ・キッチン」の場所を入念にチェック(プリントアウトできないから)。場所を把握できたところで、早速予約の電話を入れます。昨夜は予約なしでは入店を断られたレストランがありましたからね。やはり有名レストランには予約が必要です。「ザ・キッチン」はホテルからはちょっと遠いのですが、時間はあるのでメモった紙を見ながらぶらぶら歩いて向かいます。坂道を越えて、スリーマの街の岬の反対側に出ます。夜の8時を過ぎるともう真っ暗です。


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海沿いの道を少し歩くと、すぐにレストランがあります。


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予約していたので、問題なくテーブルに案内されます。店内はとっても賑わっています。予約なしでは無理ですね。
マルタは黙っていても英語のメニューが出てくるので楽です。


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まずは地元マルタ産のシャルドネの白ワインをしっかり頂きます。


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スターターはポテトスープです。


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さらにブッファーラ(水牛のモッツァレラチーズ)とトマトです。凝った盛りつけです。


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昨日も頂いたマルタの名物のウサギもお願いしますが、全く違う調理の仕方で絶品です。


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メインのもう1品はサーモンのフィレにパン粉を付けて焼いたものです。


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これらのメインの付け合せの温野菜サラダのお野菜の美味しいこと・・・久しぶりだったということ以上に本当に美味しいんです。こんな風にして野菜は食べたいなと思います。


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最後のレモンシャーベットはマルタ特産のレモンだけに強い味で堪能できます。


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評判通り、とても美味しいお店です。

上機嫌のsaraiは、千鳥足でホテルに戻るなりバタンキューです。しばらくして配偶者に起こされて、今日のカラヴァッジョの感想をブログ記事に書きます。夜も更け、配偶者はお風呂にも入りぐっすりと寝ています。こちらももう寝ましょう。明日はマルタで完全フリー。何しようかと思案中です。明日はゆっくりしたいですね。



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菊池洋子ピアノ・リサイタル@紀尾井ホール 2012.2.16

今日のピアニスト菊池洋子を本格的に聴くのは初めてです。彼女のリサイタルに行ってみる気になったのは昨年末のみなとみらいホール・ジルヴェスターコンサートで彼女のピアノの響きに触れたからです。そのときの経緯はここです。
今日、リサイタルを終え、saraiは満足そのものです。本物のモーツァルトが聴けました。特にK.330のハ長調のソナタの素晴らしかったこと。やはり、こういう演奏を聴くとモーツァルトの素晴らしさが再認識できます。エレーヌ・グリモーのモーツァルトの演奏を聴いて、今どきのモーツァルト演奏は分からないと思っていたモヤモヤがすっかり晴れました。暗然たる思いになったグリモーのリサイタルはここに書きました。もちろん、グリモーのピアノ演奏自体は素晴らしかったのですが、彼女はドイツ・オーストリア・ロマン派をベースとするピアニスト。そして、今日の菊池洋子は古典派、とりわけ、モーツァルトをベースとするピアニストということでしょう。

さて、話をリサイタルの前に戻します。リサイタルは7時からなので、四ツ谷駅前の洋食屋「たけだ」で配偶者と定食を食べました。紀尾井ホールでのコンサート前にはこれが定番になりつつあります。夕食を終え、紀尾井ホールに向かいますが空気が冷たく、そのうちに雪がちらつき始めました。開場前にホールに着きましたが、ホールも気を利かせたのか、早目の開場になりました。ホールに入ると聴衆の入りが今一つ。それにあまりこういうコンサートでは見かけないオバサン達の団体がいっぱいでびっくり。ただ、今日はNHKの録画があるようです。後日、放送とのこと。
若干、異質な聴衆と一緒に集中してピアノが聴けるか、心配はありますが、TV収録もあるし、静かに聴けることを期待しましょう。

今日のプログラムは以下の通りです。

 モーツァルト:幻想曲ハ短調 K.475
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457
 ショパン:《ドン・ジョヴァンニ》の「お手をどうぞ」による変奏曲 Op.2

  《休憩》

 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
 リスト:《ドン・ジョヴァンニ》の回想 S.418

  《アンコール》
 リスト:愛の夢 第3番 変イ長調
 ショパン:エチュード Op.25-1「エオリアンハープ」
 モーツァルト:小さなジーグ K.574

まずはモーツァルトの幻想曲です。幻想曲では、ニ短調の幻想曲のほうが好きなのですが、ハ短調の幻想曲は後続の演奏曲のハ短調のソナタとセットですから、こういうプログラムになるのは仕方のないこと。ハ短調の幻想曲ではありますが、saraiはそんなにデモーニッシュには感じない曲です。演奏は意外に遅めのテンポです。もっと今風に早いテンポになるかと思っていましたが、sarai好みのゆったりテンポです。深い響きの低音で開始し、ボリュームのある響きながら、タッチは明快。まさにモーツァルトにぴったりの響きです。幻想曲らしく、緩急の対比のきいた演奏で、はめを外すこともない節度ある演奏です。
幻想曲が終わると、すぐに間を置かず、ハ短調のソナタの第1楽章です。まさにソナタの序奏としての幻想曲です。ソナタのほうもそんなに短調っぽくない響き。明るい感じさえしてしまう響きです。この曲はもっとおどろおどろしい感じで弾くほうがよさそうにも思いますが、演奏そのものはいかにもモーツァルトっていう響きで好きな演奏と言えます。第2楽章はますます明るさが増し、少し悲しい長調くらいの感じです。これはこれでいいでしょう。第3楽章は勢いよく進み、フィナーレ。満足のモーツァルトですが、もうひとつ心に迫るものが足りない感じです。まあ、贅沢ですね。

次は一転して、ショパン。モーツァルトのオペラのアリアを主題とした変奏曲。ショパンらしい華麗な響きがホールに満ちます。モーツァルトで味わった古典派とのあまりの落差に今更ながら気が付かされます。ロマン派の流麗さは時として、鼻につくこともありますが、逆に言うと古典派は地味とも言えます。まあ、古典派もロマン派もそれぞれの良さがあり、それをどう表現するかが演奏者の力量でしょう。このショパンの曲はモーツァルトの主題をもとにしているとは言え、まったくもってショパンそのものです。この曲を聴くのは初めてですが、シューマンをして、ショパンを天才と言わしめた曲として知られています。そういう歴史的な曲を聴けて、満足ですし、演奏自体、とても質の高いものでした。15分を超える長い曲ですが、終始、うっとりとさせられてしまいました。彼女はモーツァルトのスペシャリストとのことですが、なかなかやりますね。相当に弾き込んだのでしょう。ところでこの曲は普通はピアノとオーケストラで演奏される曲です。ショパンが自分で弾くためでしょうが、ピアノ独奏バージョンも作りました。このほかに2台のピアノバージョン、室内楽バージョンもあるようです。この日、菊池洋子が弾いたのはこのピアノ独奏バージョンで、かって、クララ・シューマン(クララ・ヴィーク)がまだ少女時代に愛奏していたそうです。二人の聴き比べをしてみたい欲求にもかられますが、かなわぬことです。ただ、クララ・シューマンの時代にはスタインウェイはありませんから、菊池洋子のダイナミックで華麗な響きは出せなかったでしょうね。

休憩後、モーツァルトのハ長調のソナタです。予想されたことですが、菊池洋子のピアノの響きはこの長調の曲にぴったりと合っています。第1楽章はとても素晴らしい演奏で納得、また納得です。これぞ、クリアーなタッチといい、豊かな響きといい、まさにモーツァルトの王道を行く演奏です。節回しも心地よく、1フレーズだけある付点のメロディーも滑らかで美しく響きます。シンプルでありながら、奥行きのある表現でした。第2楽章は美しく歌い、心地よく響きます。第3楽章は第1楽章と並び、あるいはそれ以上に素晴らしい演奏でした。のりのよい演奏でありながら、決して拙速でない天国のような美しい演奏。心地よい響きに身を任せながら、音楽を聴く幸せに酔っていました。これほどのモーツァルトの演奏に出会えるとは想像していませんでした。この曲を聴けただけでもこのリサイタルに来た甲斐がありました。機会があれば、彼女のモーツァルトの全曲チクルスを聴いてみたいものです。数年前にこの紀尾井ホールで全曲チクルスをやったそうです。是非、もう1度、お願いしたいものです。

最後はまたロマン派の巨匠リストの曲です。この曲もショパンと同じくモーツァルトのオペラのアリアをもとにした作品です。20分ほどの曲ですが、リストらしいピアノのテクニックを尽くしたような派手な作品です。これに比べれば、ショパンも地味に思えるほどです。菊池洋子はまさに力演でした。パーフェクトな演奏ではありませんが、凄い気迫には脱帽です。CDでしか聴いたことのない作品でしたが、こんなに華やかに演奏される曲だとは思っていませんでした。リサイタルのフィナーレとして、気持ちよく聴ける演奏で満足。

アンコールは不要なほど充実したコンサートでしたが、3曲のアンコールがありました。密かにモーツァルトのニ短調の幻想曲を期待していましたが、残念ながらそうではありませんでした。今年は早々に素晴らしいピアノ・リサイタルが聴けて、とても満足。また、彼女のリサイタルを聴かせてもらいましょう。

そうそう、いつ放送されるか分かりませんが、NHKで放送される菊池洋子のこのリサイタルは必見・必聴ですよ!



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この記事へのコメント

1, 岩田正之さん 2012/02/17 06:04
素敵なリサイタルでした。菊池さんのモーツァルトはディスクでは愛聴していたのですが、生演奏は今回がはじめてでした。長調のソナタがとても楽しく聴けました。ドンジョバンニをモチーフとしたショパンとリストの描き分けもなるほどと納得できました。難曲として知られるリストバージョンはさすがにミスタタッチもありましたが熱演に心から拍手を送りました。派手さはないものの、こうした正統派のピアニストが育っていることに心強さを感じました。モーツアルトのソナタ全曲演奏を聴き逃した私は、ぜひまたその機会を得たいと思いました。

2, saraiさん 2012/02/17 17:50
岩田正之さん、初めまして。コメントありがとうございます。

一緒に素晴らしいリサイタルに聴けて、お互い、幸せでしたね。日本人でもこういう古典派の曲がきっちり弾ける人がいるのは嬉しいです。モーツァルトから、さらにベートーヴェンに幅を広げて欲しい人です。また、リサイタルに通いましょう。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

マルタの休日:ヴァレッタの街をガイド・ツアー

2011年10月19日水曜日@マルタ島/1回目

旅は14日目です。

マルタMaltaの陽光を侮っていました。今朝のマルタの光は、痛いほどです。これこそが地中海ですね。
昨日で旅の目標だった《カラヴァッジョの絵をできる限り見る》というチャレンジが無事完了。それに昨日の慣れないマルタ島観光ツアーの疲れもあり、今日はゆっくりしたいなと思います。そういうわけで、なかなかベッドから起きる気がせず、saraiは朝寝します。
それでも9時過ぎには起き出して、やはり当初から考えていたマルタ島の南を回るコースのバスに乗ろうということにします。昨日はマルタ島の北を回るコースだったので、今日南を回ればマルタ島を1周することになります。
そうと決まれば急いで、急いで支度をして出かけます。

バス乗り場はホテルの目の前なので楽ちんです。相変わらず観光バスやクルーズの売り込みで賑やかです。乗り降り自由(ヒップオン・ヒップオフ)の観光バスは2社あるようです。チケット売りのお兄さんに2社の違いを聞くと、会社が違うだけで内容は一緒だよとのお答え。確かに値段も同じだし、あまり違いはないような気がします。それでは昨日とは違う会社のバスにしてみましょう。


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チケットを買って乗り場に並んでいると、日本語が聞こえてきます。可愛くて若い女性の2人連れです。早速配偶者が声を掛けます。彼女達は、マルタで4泊してのんびり過ごすそうです。娘と同じ年頃の女性と一緒だとsaraiとて心が華やぎます。今回の旅は若くて綺麗な方と知り合うラッキーな旅です。

時間になり、ほぼ満員の2階建てバスが出発です。昨日と同様に、最初はヴァレッタVallettaを目指します。2度目のコースなので、余裕で車窓を楽しみます。やがてヴァレッタの城壁前の停留所に着きます。ここからのグランドハーバーGrand Harbourの眺めも美しいです。


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バスの上からヴァレッタの城壁を眺めます。


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このヴァレッタは昨日十分楽しんだのでバスを降りずにこのまま次の目的地に行こうとすると、ヴァレッタを案内するから全員降りるようにとのことです。え~乗り降り自由じゃなかったっけと思いながらも、指示に従ってガイドに連れられてヴァレッタ観光に出かけます。こんな風にガイドに連れられて観光するなんて何十年ぶりかしらと思いながらついて行きます。ただしガイドは英語ですから、配偶者はチンプンカンプンのようです。
聖カテリーナ教会St. Catherine of Italyの前を通って、歩きます。


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その先は昨日も歩いたメインストリートのマーチャント通りMerchants Stです。今日も昨日以上にとても賑やかです。


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ガイドが説明してくれるのは、イタリアのオーベルジュAuberge D'Italie(騎士団宿舎)です。現在は中央郵便局です。このヴァレッタはヨーロッパ各国出身の聖ヨハネ騎士団が防衛していましたが、街を各国の騎士団が分担して管理していました。この辺りはイタリアの騎士団の管理区域になります。


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その向かいはパリジオ宮殿Parazzo Parisioです。現在は外務省として使われています。


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ファサードには、ナポレオンが1798年にこの宮殿に数日間滞在したことが記された銘板があります。ナポレオンがマルタに滞在していたとは初耳です。


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またカラヴァッジョの絵のある大聖堂St. Johns Co-Cathedralに行きます。もう一度カラヴァッジョを見たいところですが、今日はガイド付きのツアーですからあきらめましょう。


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大聖堂からマーチャント通りを戻りながら、次はCastellania宮殿Castellania Palaceの説明です。この建物は1748年建造の宗教裁判所Inquisitor's Palaceでした。ガイドは、当時の裁判システムや刑罰について詳しく説明します。こちらの人達はこの手の残酷な話が好きですね。この建物は現在は厚生省として使われています。なんだか皮肉です。


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建物上部の見事な彫刻です。


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最後に、ヴァレッタの大きな港のグランド・ハーバーを見下ろす眺めのよいアッパーバラッカガーデンUpper Barracca Gardensに行きます。公園には噴水もあがっています。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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ここからは砲台越しにグランド・ハーバーの湾を隔てて、スリー・シティーズThree Citiesという古い街もよく見えます。これは絶景です。ヴァレッタの街をもう一度見せてもらった甲斐があります。


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展望台の手摺りの向こうには、グランド・ハーバーの外海の方がくっきりと見えます。海の青、空の青、そしてヴァレッタの旧市街のマルタ・ストーンの白い建物がとても美しいです。


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説明が終わり解散かと思ったら、バスへの集合時間の説明までしています。あらあら・・・。とりあえずはこの眺めのよい場所で、お嬢さんたちと写真の撮りっこしながら過ごします。
もう少し、このアッパーバラッカガーデンを楽しみます。



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マルタの休日:ヴァレッタの絶景!アッパーバラッカガーデン

2011年10月19日水曜日@マルタ島/2回目


絶景の眺めのアッパーバラッカガーデンUpper Barracca Gardensでガイドの最後の説明は、何とバスへの集合時間についてです。集合時間までは観光をしたり、お茶をして過ごせということみたい。


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sarai達も、この絶景の展望台でもう少し景色を楽しまなくってはね。展望台の一番端の方まで行くと、遮るものもなくグランド・ハーバーGrand Harbourの湾の出口の方が見渡せます。素晴らしい景色です。


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海だけでなく、ヴァレッタVallettaの街の風景も素晴らしい! マルタ・ストーンで造られた建物が立ち並んでいます。こんなに膨大にマルタ・ストーンが産出するんですね。街の建物はマルタ・ストーンの使用が義務づけされているとのことです。


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グランド・ハーバーの対岸の街もよく見てみましょう。この岬の街がヴィットリオーサVittoriosaの街です。岬の先端が聖アンジェロ砦Fort St Angeloです。この砦にあった鳥籠と呼ばれる牢獄に、聖ヨハネ騎士団の騎士になっていた画家カラヴァッジョが収監されていました。彼を誹謗した騎士を襲い、重傷を負わせた罪でした。彼はここから脱走し、シチリアに逃れるわけです。


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マルタというと、オスマン・トルコに包囲され、聖ヨハネ騎士団が7割もの犠牲者を出してまで守りきった戦い(グレートシージGreat Siegeと呼ばれています)が有名です。そのときの主戦場がこの街です。当時、この街はビルグBirguという名でした。グレートシージの戦いに勝利した記念で、勝利を意味するヴィットリオーサという街の名前になりました。ちなみにそのグレートシージの時には、まだヴァレッタの城塞都市はなかったそうです。
このヴィットリオーサの街の岬の右側の岬がセングレアSengleaの街です。岬の左側の港がドックヤード・クリークDockyard Creekです。


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グレートシージでは、このヴィットリオーサとセングレアの間を鎖でつないで、ドックヤード・クリーク辺りへのオスマン・トルコの侵入を阻みました。そういえば、コンスタンティノープルの陥落の際も金角湾の入り口に東ローマ帝国側が太い鎖を渡して、オスマン・トルコの侵入を阻みました。このときはオスマン・トルコの奇策・船の山越えで侵入されましたが、このマルタではオスマン・トルコの侵入を防ぎきりました。
ヴィットリオーサとセングレアの街、それに2つの街の間にあるコスピークワCospicuaの街は古くからある街で、3つをまとめてスリーシティーズThree Citiesと呼ばれています。
もう一度、砲台、グランド・ハーバー、スリーシティーズの絶景を眺めましょう。


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グランド・ハーバーには、今日も豪華客船が停泊しています。シチリアもこのマルタも豪華客船だらけです。本来はsaraiもマルタ島には船で来るつもりでしたが、もうシーズンオフで船便が少なく断念したんです。もっとも豪華客船ではなく、フェリーに乗るつもりでしたけどね。


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美しい風景の写真を撮り終え、お嬢さんたちに別れを告げます。公園を出ようと歩いていると、日当たりのよいベンチでのお昼寝の姿が目にはいります。


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有名なマルタの猫です。マルタは人間の数よりも猫の数のほうが多いという猫天国です。しかしながら、これがマルタで猫を見た最初で最後の機会になりました。
バスの集合時間の指示を無視して早めのバスに乗ろうと、バス乗り場に向かいます。バスターミナルに出ると、今度は猫ではなくて、これも有名なマルタの猫バスが停まっています。


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今年の初めに古い猫バスの代わりに大量の中国製バスが輸入され、猫バスは基本的になくなったと聞いていました。貴重なショットが撮れて、少し嬉しくなります。このバスの乗降口を見てください。ドアがありませんね。これも特徴です。できれば、乗ってみたいところですが、残念ながらそうはいきません。
バス乗り場に到着します。でも、一向にバスはやってきません。


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昨日乗った会社のバスはそれなりにやってきます。バス乗り場で世話をやいているお兄さんにもらったパンフレットを良く見直した結果、本日saraiが利用している会社のバスは乗り降り自由ではなく、1日ツアーであることが判明しました。2社に違いがないどころか、全く違うじゃないですか。もう観念するしかないですね。腹をくくって、1日観光を楽しむことにしましょう。素敵な2人のお嬢さんも一緒だから、たまにはこんな観光もよいでしょう。
というわけで、まだバスの出発時間まで30分以上もあります。バス乗り場の向かいに見えているヴァレッタの城壁の方に歩いていって、堅固な作りに驚きます。写真ではたいしたことはなさそうですが、実はこの城壁のまわりは深い堀になっていて、とても高い城壁になっているんです。


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グレートシージの後に来るべきオスマン・トルコの襲来に備えて、新しい城壁都市ヴァレッタを築いたそうです。城壁の上には、赤地に獅子が描かれたヴァレッタ旗(確信はありませんが)がはためいています。


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バス乗り場で長い間バスを待っている間にバス会社のお兄さんとも仲良しになり、記念撮影です。


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ようやくバスの出発時間になり皆さんがぞろぞろ集まってきて、バスは次の目的地を目指して出発です。


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マルタの休日:ヴィットリオーサの街と世界遺産の巨石神殿

2011年10月19日水曜日@マルタ島/3回目

ようやくヴァレッタVallettaを出発したバスは、グランド・ハーバーGrand Harbourの対岸の街のスリーシティーズThree Citiesに向かいます。湾が入り組んだスリーシティーズの中に入ってきます。


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この辺りが先程ヴァレッタのアッパーバラッカガーデンUpper Barracca Gardensから眺めていたドックヤード・クリークDockyard Creekのようです。


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バスはマリーナの前に停車します。ここでも下車してガイドの案内があるようです。もう観念して付いていきましょう。ここがヴィットリオーサVittoriosaの街の観光の起点のようです。街のメインゲートは別にあるようですが、ここが便利なんでしょうね。


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マリーナから見上げると、大きな教会が見えます。聖ローレンス教会Saint Lawrence Churchです。


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ガイドツアーが始まります。マリーナから階段を上がると、教会が見えます。これは聖ヨセフ教会Oratory of St Josephです。


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すぐ近くに、ヴィットリオーサの街の中心のヴィクトリー広場Victory Squareがあります。もちろん、この広場の名前の由来はグレートシージの勝利を記念したものです。広場には、勝利のモニュメントが建っています。 ここでガイドがそういう話を説明してくれます。


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広場にはもうひとつ彫像が建っています。守護聖人の聖ローレンス像です。


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この広場からガイドの説明を聞きながらのプラプラ歩き。ここは広い通りのあったヴァレッタとは異なり、狭い路地が入り組んだ街です。それに、真っ昼間だというのになぜか人っ子一人歩いていません。一人で歩いては迷いそうだし、何やら危険な香りもします。気のせいかな・・・。まあ、しっかりと集団にくっついていきましょう。


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ガイドは建物の前に立ち止まって、やたらと裁判の話とか罪人の刑罰の話をしています。ヨーロッパはどこでもその手の話が好きみたいですが、これはヴァレッタでも聞かされた話の続きです。このヴィットリオーサの街にはヴァレッタよりも前から宗教裁判所があり、異教徒を厳しく罰していたそうです。十字軍を起源に持つ聖ヨハネ騎士団としては当然のことだったんでしょう。路地歩きはしばらく続きます。


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もっとガイドツアーが続くのかと思っていたら、いつの間にか最初のヴィクトリー広場に戻ってきています。時間の都合か、ここでの説明はほどほどで切り上げられるようです。最後に、聖ローレンス教会の前に来ました。マリーナから見上げていた教会です。この教会はマルタ・ストーンでできた立派なファサードです。


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またバスに乗車。今度は巨石神殿に向かいます。バスが住宅街のなかで停車するのであれっと思ったら、そこにタルシーン神殿(Tarxien Temples)があります。外の塀からは公園みたいに見えます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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建物の小さな出入口がこの神殿の入口です。雰囲気がないですね。


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この建物の中でチケットを購入。


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中に入ると、崩れた巨石がごろごろした古い神殿です。あまり面白くはありませんが、マルタでは有名みたいです。


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この神殿は、何と紀元前3600年から2500年頃に建造されたという凄く古いものです。「マルタの巨石神殿」として世界遺産(文化遺産)に登録もされているそうです。四つの巨石構造物から成り、それを案内板にしたがって見ていきますが、どう見ても岩が転がっているだけです。少しまともな建造物は巨大な三つの石でできている入口ですが、これは最近復元したものです。それに工事中で通れません。


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文句たらたら見て歩いていると、急に素晴らしいものに遭遇します。豊満な大地の女神の下半身像です。マッシブな造形は現代的でもあります。ピカソの絵にも通じるものでしょう。実物は大きなもので、迫力があります。


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ただし、野外に置いてあるこの像はコピーです。オリジナルはヴァレッタの考古学博物館に展示されているそうです。それも撮影禁止とか。
このタルシーン神殿での見物はこの女神像だけですが、コピーとは言え見る価値があります。

さて、またバスに乗って次の目的地に出発です。バスにゆっくり戻ったら、sarai達の席はもう2階にはなく、1階の離ればなれの席になります。配偶者が横にいないのは寂しいものです。


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早く次の目的地に着くといいな。



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マルタの休日:マルサシュロックの漁港で楽しいマルタ料理のランチ

2011年10月19日水曜日@マルタ島/4回目

バスの1階席に離ればなれに座って、バスはマルタ島の荒野をひた走ります。その荒野を農地化するために、マルタの人々は石垣を組んで、その中に土を盛り込むという努力をしたそうです。


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そして、これはワイン畑でしょうか。マルタ産のワインは人々の努力の結果ですから、とても貴重ですね。


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バスは次の目的地のマルサシュロックMarsaxlokkの漁港に到着です。なんともハデハデしい色合いのボートがいっぱい浮かんでいます。魚釣りのボートのようです。私達はここで昼食とのこと。海辺の町で美味しいご飯を食べようとの趣向のようですね。手際良くバスの中でメニューも渡されています。メニューの中に、ウニのスパゲッティを発見。マルタで食べたいナンバーワンに挙げられているもので、配偶者がどうしても食べてみたいと思っていたものです。思いがけない所で、食べる機会に恵まれます。
もう一つ、アリオッタ(魚のスープ)もあります。これらを食べれば、マルタの気になる食べ物は全部食べることになります。
連れて行かれたレストランは「pisces」です。お店と道路を挟んだ港に面した広場に、パラソルを広げてテーブルが並べられています。


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お嬢さん達2人もお誘いして、4人でテーブルにつきます。みんなでメニューの検討ですが、配偶者がウニのスパゲッティを勧めて、お嬢さん達も食べることになります。わいわい言っているうちにお2人のお嬢さんともすっかり打ち解けて、写真を撮らせてもらうことに。ブログへの顔出しOKとのことですので、札幌からのお嬢さん達をご紹介しましょう。


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まずは、マルタの厳しい環境を克服して作られた白ワインをいただきます。


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料理の前に、籠に盛られた美味しそうなプランスパンが登場。


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ウニのスパゲッティは、香ばしくてなかなか美味しい。


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アリオッタは、お米がはいっていてさっぱり系のスープです。


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シーフードのサラダもいただきます。


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これはハムとチーズのオムレツです。


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4人でテーブルを囲んで、賑やかにおしゃべりをしながらの食事は大いに盛り上がり、時間のたつのも忘れてしまいます。
ふと気が付くと周りには誰もいなくなっていて、ガイドのお兄さんがもうバスは出るよと呼びに来る始末。えっ、日本と違って食事はのんびりゆったりじゃなかったのかしら・・・。慌ててお金を払ってバスに乗り込みます。このときから、我々4人はガイドのお兄さんから要注意人物に指定されたようです。

いよいよ、このコースの目玉「青の洞窟Blue Grotto」です。カプリ島の青の洞窟とはどんなものでしょうね。駐車場に着くと、そこは強い陽光が降り注ぐ海を臨む小高い丘です。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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「青の洞窟」への案内板も出ています。その方向に向かって、みんなぞろぞろと歩きます。


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入り江では、海水浴をしている人達がいます。向かうのはその辺りです。


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坂道を下っていきます。


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やがて、坂道の突き当たりに入り江の海岸が見えてきます。坂道には、先程のマルサシュロックMarsaxlokkの漁港で見かけたようなカラフルな船が引き上げられて、ずらっと並んでいます。


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船着場に着きます。先着の人達が船を待っているようですが、船は一艘もいませんね。


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入り江で泳いでいる人達がいて危ないので、船は来ないようです。今は海水浴タイムということらしく、きっちり時間配分されているみたいです。海水浴タイムが終わるのを待つしかないのでしょう。ガイドのお兄さんや船乗りのおじさん達も、当然とばかりに時が来るのを待っている様子です。


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待っている間は、いろんな国の人達とのコミュニケーションタイムです。写真を撮りあったりして、交流を深めます。この後、恐怖のボートツアーが始まりますが、この時点ではみなさん和やかです。


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マルタの休日:マルタの「青の洞窟」って・・・恐怖体験!?

2011年10月19日水曜日@マルタ島/5回目

かなり待ちましたが、ようやく海水浴タイムが終了したようで、泳いでいた人達は海から上がってきます。それと入れ替わりで、青の洞窟Blue Grottoへのボートがやってきます。9人ずつ小型のボートで出かけます。ガイドのお兄さんは、私達日本人4人を見つけて「4人組だね、早く乗れよ」と1番に乗せてくれます。のろまな4人組だとお兄さんのブラックリストにしっかり載ってしまったようです。


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いざボートは船着場から出発です。ここは入り江なので、静かな船出です。


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もうすぐ外海に出ます。戻ってきたボートとすれ違います。


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いきなり地中海の外海に出ます。途端に、波に煽られてボートは激しく揺れます。配偶者はジェットコースターに乗ったような気分だとキャーキャー叫んでいます。表面は平静を装っているsaraiですが、実はものすごく怖い思いをしているんです。ボートは激しく揺れながらも、しばらくすると大小の洞窟が近づいてきます。


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すぐに小さな洞窟の近くまでボートは近づきます。


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ここからはいったん離れて、また次の洞窟に近づきます。


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洞窟の下の水面はとても綺麗な色です。


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光の角度によって、様々な色に変化します。


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こんな岩の狭間、奇岩もあります。カプリ島みたいですね。


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大きな岩のアーチが近づいてきました。


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想像通り、ボートはこの岩のアーチに近づいてくぐり抜けようとします。カプリ島のミニ版です。


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その先はこんな光のトンネルになっています。


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アーチの先に抜け出ていきます。


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この付近の洞窟は海の色が一番綺麗です。


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サンゴ礁だよと船頭さんは教えてくれますが、それはよく分かりません。でも、水は透き通ってとても綺麗です。


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確かに美しく青く輝いている所もあり、船頭さんが自慢げに見ろ見ろと言います。青く透き通った水と光の饗宴に心楽しくなります。


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本当に美しいんですが、カプリ島のような迫力はありませんね。午前中だともっと美しいのかも知れません。最も美しいときの光景に出会えるのは本当に難しいですね。
マルタの「青の洞窟」はこんなものかというところでボートは海岸を離れ、またまた大きく揺れながら船着場に戻ります。もう夕陽になって、水面が輝いています。


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やがて岬の突端が近づきます。そこを回れば、穏やかな入り江に入ります。


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入り江に入り、ボートは静かに進みます。船着場はすぐそこです。やれやれ・・・


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あまり船揺れには強くないのですが、なんとか乗り切ります。まさかこんな所に来て、遊園地の絶叫マシンもどきの体験をするとは思ってもみないことでした。



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マルタの休日:マルタ島サウスコースのバスツアーも無事終了

2011年10月19日水曜日@マルタ島/6回目

「青の洞窟Blue Grotto」のボートツアーを終えて正直ほっとした気持ちもありますが、もちろん成就感もあります。マルタ島の「青の洞窟」も気になっていましたからね。こんな小さなボートで地中海の外海で揺られ大変でしたが、何とか耐え忍び最後は結構慣れてきていました。


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さあバスに急いで戻り、いい席をゲットしましょう(配偶者と離れ離れは悲しい)。駐車場まで歩いていると、海は夕陽でぎらぎらと輝いてとても綺麗です。


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バスは2階の展望席を余裕でゲット。みんなが戻ってくるとバスはすぐに出発します。もう夕方です。


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後は帰るだけです。マルタ島も分かってしまうと狭い島です。サン・ジュリアン、スリーマ、ヴァレッタのホテルに戻るには、昨日回った観光ポイントのそばを走るしかないのです。イムディーナMdinaのすぐ横を通り過ぎます。今や懐かしく感じます。


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荒野の向こうにモスタMostaの街も見えます。モスタドームがシンボルになっているのですぐに分かります。


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やがて、遥か遠くに海が見えてきます。やはり、昨日と同じルートを走るようです。


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海岸線に近づいたところで夕陽が山の稜線に沈みます。マルタ島の日没は、空には雲一つなくとても強い陽射しのままの豪快な日没です。


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海岸線を走りながら、それぞれのホテルで乗客を降ろしていきます。陽はもう山影に落ちたので、強くなった風で吹きっさらしの2階はとっても寒いです。どんどんお客さんは降りていき、1日中ご一緒してもらった2人のお嬢さんともお別れです。10人位の若い子のグループとも一緒だったのですが、彼らが降りるときに「カガワシンジは知ってるか」と聞いてきます。カガワシンジ?・・・あっ、サッカーの香川真司ね。知ってるよ!と言うとなんだか嬉しそうです。こちらこそ嬉しいですよ。応援してあげてね。あの若い子たちはドイツ人だったんでしょうか。彼らが降りていくと、バスはがらんとします。楽しかった1日もお終いです。


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我々のホテルのあるスリーマSliemaのフェリー乗り場に着いた時は、もう7時近くです。もう岸壁沿いの遊歩道には街灯の灯がはいっています。美しい薄暮です。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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まだ対岸のヴァレッタの街もよく見えます。まあ思いがけない1日観光をしてしまいましたね。


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お昼にしっかりマルタ名物尽くしのランチを頂いたのでもう夕食はなしとしたいところですが、それでは少し寂しいですね。と思って歩いていると、ホテル近くの八百屋さんで果物が目に入ります。イタリアのホテルの朝食で頂いて、あまりの美味しさに癖になっていたメロンもあります。今夜はこれにしましょう。メロンとブドウとスイカを購入です。


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ホテルに戻り、早速頂きます。メロンは期待通り美味しかったのですが、スイカはダメです。ヨーロッパのスイカは、日本のようなシャキシャキした感じがなく甘味もあまりなくて水気だけです。あっ、ブドウはとっても甘くて美味しいですよ。


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こうして、マルタ最後の夜は更けていきます。
明日は、いよいよウィーンに移動です。



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この記事へのコメント

1, Ikumi Satoさん 2012/03/22 19:42
sarai様

素敵な写真がいっぱいで、マルタでの日々が蘇ってきました!
ホントに楽しかったですね!!
そして、もっとたくさん写真とるべきだったと反省。。。
今年はモロッコかトルコを狙ってます♪

2, saraiさん 2012/03/22 23:27
Ikumi Satoさん、コメントありがとうございます。

いやはや、1日付き合っていただき、楽しいマルタの1日になりました。モロッコ、トルコはsaraiの行けない場所ですね。いや、トルコはヨーロッパにトルコ経由で行けば、イスタンブールくらいには行ける可能性はあるかな。
ところで配偶者がIkumiさんにメールしたので読んでくださいね。

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マルタからウィーンへの試練の旅:マルタ・リカ空港へGO

2011年10月20日木曜日@マルタ島~フランクフルト~ウィーン/1回目

旅は15日目です。

マルタMaltaは今日も快晴。昨日からの引き続きで、気温もかなり上がっています。最高の天気。暑いくらいの陽気です。テラスからも陽光の強さが感じられます。


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今日はお昼過ぎの飛行機でウィーンに向かいます。10時半にタクシーが迎えに来るので、出かける準備をしてホテルの前の港沿いの遊歩道のベンチに座って、対岸のヴァレッタVallettaの街を眺めて過ごしましょう。
朝食に出かけると、3日連続でミュンヘンの人(最初の部屋で隣室だった人)と出会います。今日ウィーンに向かうのでサヨナラですとお別れの挨拶をします。
簡単な朝食を済ませて、部屋に戻ります。

PCを立ち上げて、最後のメールチェックをします。saraiがメールを見た途端にアチャ~との叫び声をあげてしまい、配偶者が「一体どうしたの」とびっくりです! とんでもない内容のEメールが届いています。明日のウィーンからチェスキー・クルムロフへのシャトルバスのリコンファームをした返事なのですが、シャトルバスが故障したので運行できないとの内容です。その代わりに、鉄道でリンツまで来ればそこからはシャトルバスを出すのでよろしくっていうことなので、仕方ありませんね。お詫びにバス代は無料にしてくれるそうです。早速オーストリア国鉄のホームページを開いて、ウィーンからリンツまでの鉄道チケットを購入。シャトルバスの会社にはリンツから乗るのでよろしくってメールします。後で気が付きますが、チェスキー・クルムロフからの帰りはどうなるんだろう? 帰りの日は早く帰って、その夜のオペラに備えないといけないのに・・・。 まあ、ネットって便利というか不可欠ですね。ちゃんとネットのつながる部屋にチェンジしてもらった効果がありました。

バタバタしましたが、手配を終えてようやく部屋を出ます。チェックアウトを済ませてフロントに荷物を預け、ホテル前の遊歩道のベンチでゆったりした時間を過ごします。朝日に輝く港の海と対岸のヴァレッタの街です。この風景も見納めです。


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港の岸壁沿いの遊歩道は長閑そのものです。


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ベンチに腰掛けた配偶者は、この後どんな事態が発生するか知る由もなく笑顔満面でご機嫌です。

船着き場を散策していると、またまたミュンヘンの人と遭遇。よほどご縁があるのですね。ヤ~、ということで、立ち話です。


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彼はまだまだ次の月曜日までマルタにいるとのこと。ヨットを買いに来たとか言ってましたが(ドイツ語なまりの英語でよく分からない)、いったい何者なんでしょうね。

そうそう、まだ、ホテルの外観の写真を撮っていませんでした。こんな感じの9階建てのビルです。


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我々が最初に泊まった8階の部屋のテラスが見えています。3人の宿泊の方がいらっしゃいますね。


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このホテルでは、ちょっとした問題は色々ありましたが、その程度で安く泊めてくれるのなら大歓迎です。万人にお勧めできるホテルではありませんが、旅の予算を圧縮したい方には十分過ぎるほどの内容のホテルです。

そろそろタクシーのお迎えが来るころです。ホテルに戻って待ちましょう。
ところが、約束の時間が過ぎてもタクシーはやってきません。ロビーで外の道路を見ながら、いらいらして待っています。


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10分間待ちましたが来ないので、携帯で連絡すると、向こうから聞こえてくるのは「もしもし・・・」という日本人女性の声です。てっきり英語の会話になると思っていたのでびっくり。日本語でタクシーがまだ着かない旨を告げると、タクシー会社に確認して再度連絡するとのこと。しばらくすると携帯に電話がかかってきて、道路の渋滞のせいで遅れているが3分から5分で着くので待っていて欲しいと言われ、了解です。
10分ほど待たされましたが、ようやくタクシーがやってきます。似たような名前の別のホテルに行ってしまったとのことです。遅れた理由は食い違っていますが、理由は何であれお迎えが来てくれてホッとします。またヴァレッタの街の前の道を通って、お馴染みになった街を抜けていきます。やはりマルタは小さな島です。そんなに色んな道はないのでしょうね。無事に空港に到着です。3日前にマルタに着いたときは、出迎えのドライバーにすぐに駐車場に連れていかれたのであまり空港を眺められなかったけど、ゆっくり眺めるとコンパクトで分かりやすい空港です。向かって左が出発口で右が到着口です。ボーディングブリッジもなく、歩きかバスで飛行機まで移動して乗り込む空港です。滑走路も一本で、混み合ってもいません。
昨夜WEBチェックインを済ませておいたので、簡単に搭乗手続きも終了です。が、出発は1時間半ほどの遅れとの情報です。カウンターで、フランクフルト空港でのウィーンへの乗り継ぎは大丈夫かと聞きますが、肩をすくめるだけ。ま、流れに従うしかないですね。

まずは空港内の郵便局を探して、孫への絵葉書を投函します。郵便代が100円もしないのは安いですね。


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投函するのは郵便局の窓口の横に設置してある郵便ポスト。マルタはどこでもこの赤い郵便ポストのようです。


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ちなみに、さすがにマルタ空港で出したこの絵葉書は、1週間もかからずに日本に到着したそうです。イタリア国内で、いくつかのホテルのフロントで投函をお願いした絵葉書は3週間から1ヶ月近くもかかって到着。この後ウィーンでもホテルのフロントにお願いしましたが、1週間から10日ほどで到着。お国柄が感じられますね。少し文字の読み書きができるようになった孫に、外国からの絵葉書が届けば喜ぶだろうという配偶者の初めての試みです。目論見どおり大いに孫は喜び、世界地図に都市を書き込んでいたとのことです。

いったん、空港ビルの外に出てみます。空港ビルはこんな感じ。


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空港前には、定期バスが停車しています。今年から運行を始めたARRIVAバスです。名物だった猫バスに代わって、この中国製のバスになりました。結局機会がなく、このARRIVAバスには一度も乗れませんでした。


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空港ビル内に戻ります。新しくて清潔な印象です。


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お店を眺めながら時間を過ごします。


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大したものはありませんが、やはり孫たちへのお土産物が目につきます。女の子の孫には小さなマルタ・テディーベア、男の子の孫には自分で彩色するマルタ名物の猫バスです。
待合室に移動します。またまた、ブラブラお店を物色です。食べ物屋さんにはピザの代わりにパイが多く並んでいます。


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そうですね、マルタはイギリスの文化圏ですね。イタリアではエスプレッソばかりでしたが、ここでは美味しい紅茶とパイを頂いてみましょう。紅茶を注文すると、とっても大きいマグカップにたっぷり紅茶を入れてくれました(もちろんティーバッグですけど)。セルフの砂糖などの置き場にポットに入った牛乳が用意されていたのには、さすがイギリス文化と納得しました。久しぶりの紅茶はとっても美味しかったですよ。


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このお店のテーブルからは空港ロビーが見渡せて、便利で気持ちがいいです。


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禁煙コーナーのテーブルはがらんとしています。奥のほうは混んでいたんです。


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時間はそれなりに経っていくものですね。しばらくすると搭乗ゲートが開きます。ゲートの外に出ます。


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ここからは飛行機まではバス。バスから降りて、ルフトハンザ航空のフランクフルト行きの飛行機に乗ります。


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結局、約2時間遅れで飛行機は出発です。

今日は既にトラブル続きでしたが、これはほんの序の口だったんです。これからトラブル本番?です。



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聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団「マタイ受難曲」@みなとみらいホール:予習編

明日はみなとみらいホールでバッハの「マタイ受難曲」を聴きます。ここは本腰を入れて予習しようとしましたが、何と言っても、この曲は大作です。ワーグナーの楽劇を別にすれば、普通のオペラよりもボリュームがあります。3時間を超える演奏がほとんどです。結果として、DVD1セット、CD3セットを聴き、大変、疲れました。もう、数セットは聴くつもりでしたがタイムオーバーです。

聴いた順序でご紹介しましょう。
まずは以下のDVDです。

 ペーター・シュライヤー(T:福音史家)
 エルンスト・ゲロルト・シュラム(B:イエス)
 ジークムント・ニムスゲルン(B:ペテロ、ピラト、ユダ)
 ヘレン・ドナート(S)
 ユリア・ハマリ(A)
 ホルスト・ラウベンタール(T)
 ヴァルター・ベリー(B)
 ミュンヘン少年合唱団
 ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団
 カール・リヒター(指揮)

 収録:1971年5月 ミュンヘン

 

言わずと知れたバッハの権威カール・リヒターの残した貴重な記録です。画面で見るリヒターはまだ若く、謹厳な指揮です。オーケストラや合唱団を十字架の形に配置し、上からは巨大な十字架も吊るされていて、度肝を抜かれます。演奏はいかにもリヒターらしい厳しくも平明なバッハに仕上がっています。CDの演奏と比べるのは難しいと思いますが聴き応えのある演奏であることは間違いありません。カメラワークがやたら、歌手の顔をアップで撮り過ぎるのが気になります。特にソプラノのヘレン・ドナートが表情を作り過ぎて歌うのはこの曲の雰囲気にそぐわない感じです。まあ、気に入らないシーンは目を閉じて聴けば問題ありません。アルトのユリア・ハマリのアリアには好感を持ちました。このDVDはリヒターの演奏が映像で見られるというのが一番のポイントです。

次は以下のCDを聴きました。

 クリストフ・プレガルディエン(テノール/福音史家)
 マティアス・ゲルネ(バス/イエス)
 クリスティーネ・シェーファー(ソプラノ1)
 ドロテア・レッシュマン(ソプラノ2)
 ベルナルダ・フィンク(アルト1)
 エリーザベト・フォン・マグヌス(アルト2)
 ミヒャエル・シャーデ(テノール1)
 マルクス・シェーファー(テノール2/証人2)
 ディートリヒ・ヘンシェル(バス1/ユダ、ペテロ、他)
 オリヴァー・ヴィトマー(バス2)
 アーノルト・シェーンベルク合唱団
 ウィーン少年合唱団
 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
 ニコラウス・アーノンクール(指揮)

 録音:2000年5月、ウィーン

古楽器演奏の旗手、と言ってももう御歳80を超えた大御所のアーノンクールの3度目の録音、CDとしては2回目になります。1970年録音の最初のCDは古楽器で演奏した世界で初めての「マタイ受難曲」のCDでした。古楽器演奏の代表として、このCDを聴きました。今や、古楽器だから、どうだということはありません。歌手陣の充実が凄いです。特にレッシュマンのソプラノ2はもったいない。もっとも、ソプラノ1もシェーファーですからね。アルトのフィンク、バスのヴィトマーの歌唱が光ります。それに何といってもアーノルト・シェーンベルク合唱団、ウィーン少年合唱団の合唱が白眉です。コラールには本当に感動します。特に再三歌われる受難コラールの素晴らしいこと、美しい限りです。

こうなると、次は名盤の誉れ高い真打ちのCDを聴くしかありません。

 アントニー・ファーベルク
 イルムガルト・ゼーフリート
 ヘルタ・テッパー
 エルンスト・ヘフリガー
 キート・エンゲン
 マックス・プレープストル
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
 ミュンヘン少年合唱団
 ミュンヘン・バッハ合唱団
 ミュンヘン・バッハ管弦楽団
 カール・リヒター(指揮)

 録音時期:1958年6~8月

 

古楽器演奏ブームでもう時代遅れとも言われていますが、そんなことはありません。このCDは世界初めてのステレオ録音の「マタイ受難曲」のCDでした。しかし、そんなことを感じさせないほど素晴らしい録音です。さすがにアルヒーフ録音です。ヘフリガーのエヴァンゲリストの素晴らしさはもちろんですが、素晴らしいのはアルトのテッパーとバスのフィッシャー=ディースカウです。彼らのアリアはすべて最高です。テッパーは声の伸びが素晴らしく、47番、61番のアリアの素晴らしさはこれまで聴いたなかでは最高です。また、それにも増して、フィッシャー=ディースカウは素晴らしく、彼のまだ若い頃の録音ですが、その柔らかい美声と美しいドイツ語の発音はどのアリアでも聴く者をうならせます。シューベルトの「冬の旅」と並ぶ代表的な歌唱です。そして、もちろん、リヒターの率いるオーケストラと合唱団は文句のつけどころのない感動の演奏。やはり、今でも、この1枚と言えば、このCDになります。

最後は明日のビラー指揮の聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団のCDを聴きます。

 ウタ・ゼルビッヒ(ソプラノ)
 ブリッタ・シュワルツ(アルト)
 マルティン・ペツォルト(テノール)
 マティアス・ヴァイヒェルト(バス)
 トーマス・ラスケ(バス)
 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 聖トーマス教会合唱団
 ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)

 録音:2006年、聖トーマス教会

 

これはバッハが1727年に初演した初期稿を用いて、初演の聖トーマス教会で録音したというCDです。明日の演奏も基本的にこの内容の筈です。歌手もアルトとバス(アリア)を除いて、同一メンバーになります。CDを聴いて、他のCDとの相違点が多くありました。
 ・女声合唱ではなく、少年合唱。これは必ずしも初期稿だけの関係ではありませんね。前回、聴いたドレスデン聖十字架合唱団でもそうでした。
 ・コラールの歌詞が一部、普通のものと異なっています。21番などです。
 ・66番のアリアがヴィオラ・ダ・ガンバではなく、リュートで演奏
 ・第2部冒頭の36番のアリアがアルトではなく、バスで歌われます。
 ・63番の受難のコラールが第1節のみで第2節は省略。
という感じです。ただ、全体の骨格は変わりません。改訂前から完成度が高かったことが分かります。演奏はエヴァンゲリスト役のテノールのペツォルトが大熱演。好き好きはあるかもしれませんが大変劇的な表現です。ソプラノのゼルビッヒは清らかな歌声で美しい響き。期待できそうです。しかし、一番素晴らしいのは聖トーマス教会合唱団の少年合唱です。すべてのコラールが素晴らしい出来です。本当に気持ちが癒されます。これも期待したいです。

もう時間的に余裕がなかったので、最後の最後に歴史的なCDから1曲だけを聴きました。1939年、第2次世界大戦を数カ月後に控えたアムステルダムでメンゲルベルクが指揮したライブCDです。自分の生まれる前にこういうバッハの演奏会があったことが実感できます。聴衆の感動ぶりも捉えられています。47番の「憐れみたまえ、我が神よ」を聴きました。当時のコンセルトヘボウのコンサートマスターの弾くオブリガート・ヴァイオリンでしょうが、これが素晴らしく、気持ちのこもったアルト独唱にもほろりときます。明日のコンサートの後でゆっくり鑑賞します。



明日は気合を入れて、聴きたいと思っています。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

 

聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団「マタイ受難曲」@みなとみらいホール 2012.2.25

今日はみなとみらいホールでバッハの「マタイ受難曲」を聴きました。この曲はやはり西洋音楽の金字塔と実感できる素晴らしい演奏で感動しました。saraiにとって、この感動に匹敵できるのはマーラーの交響曲第9番あるのみです。
ところで、昨日の予習編の記事で大きな勘違いがありました。てっきり、CDと同じく、バッハが1727年に初演した初期稿を用いて、演奏されるとばっかり思っていましたが、実際に途中まで聴いたところで通常の版での演奏であることに気がつきました。CDは、特別な演奏だったんですね。

まず、今日のキャストは以下です。

 聖トーマス教会合唱団
 ゲヴァントハウス管弦楽団
 ゲオルク・クリストフ・ビラー:指揮

 ウーテ・ゼルビッヒ:ソプラノ
 シュテファン・カーレ:アルト
 マルティン・ペッツォルト:テノール、エヴァンゲリスト及びアリア
 マティアス・ヴァイヒェルト:バス、イエス
 ゴットホルト・シュヴァルツ:バス、アリア

テノールのアリアを歌う予定だったクリストフ・ゲンツは体調不良で、代わりにエヴァンゲリストだけを歌う予定だったマルティン・ペッツォルトがアリアも歌うことになった旨の告知がありました。CDでもペッツォルトがアリアも歌っていたので、問題はないと思いました。これでCDとのキャストの違いはアルトとバスのアリアの二人だけです。ただ、アルトは今日は男性歌手です。どうな歌唱になるんでしょう。

では、順を追って、コンサートの感想をあげていきたいと思います。超大作の「マタイ受難曲」なので、どれだけ書けるか分かりませんが、今日の素晴らしい演奏に真摯に向き合って、頑張ってみますので、是非、みなさんもお付き合いください。
なお、バッハの旧版全集の曲番号を使いますので、ご注意ください。今日の日本語字幕では新版全集の曲番号を採用していました。どうしてもリヒター盤に親しんでいると旧版の番号のほうがしっくりきます。旧版だと全78曲、新版だと全68曲になります。

まず、第1部の第1曲から第35曲までです。

第1曲の合唱です。2群に分かれた管弦楽奏者たちが合同で演奏を開始します。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏ですから、さぞやと身構えて聴き始めますが、意外に抑えた演奏で地味に始まります。素晴らしい響きを期待していたので少し肩すかしの感です。少し、別の考え事をしているうちに、もう合唱が始まりました。合唱団も2群に分かれていますが、双方が呼応しながらの合唱です。これは素晴らしい響きでいきなり、圧倒される思いです。女声なしの少年合唱だけですが、美しい響きに耳を奪われます。そこにさらに少年合唱のコラールがかぶさって、厚みのある響きの合唱になります。ベースとなる管弦楽もしっくりと溶け込んでいます。最初、抑え気味に感じた管弦楽ですが、この合唱部分に照準を合わせていたことに気が付きました。実にまろやかなブレンドになっています。次第に白熱していく合唱に呼応して、抑え気味に感じた管弦楽も熱を帯びてきました。ゲヴァントハウスの美しい響きが聴こえ始めました。長い第1曲も気が付けば、あっと言う間に終了。合唱の素晴らしさにうっとりしっぱなしでした。

第2曲から第5曲までは「受難の予言」になります。

第2曲はエヴァンゲリストとイエスがこの受難の物語の開始を告げます。エヴァンゲリスト役のペッツォルトはこの役にぴったりの繊細なテノールで期待通りの第1声を発します。節回しもよく、「マタイ受難曲」の軸となるエヴァンゲリストだけに、ある意味、安心しました。イエス役のヴァイヒェルトはCDでは威厳を感じられずに、もう一つの印象でしたが、この実演に接すると、ベテランらしい落ち着いた歌唱、そして、きっちりと音節を刻んでいくような歌唱で好感の持てる感じです。イエスはこの曲の最後で自分が十字架に架けられることを宣言して、物語の結末を明確にします。

第3曲はコラールです。第2曲で十字架に架けられることをイエスが宣言したことを受けて、その悲惨さを慰めるかのような美しい合唱です。ただ、まだ、このコラールは抑え気味の合唱です。

第4曲、第5曲でエヴァンゲリストと合唱で祭司や律法学者たちのイエス殺害の陰謀が語られます。エヴァンゲリストの歌唱の確かさと合唱の響きに魅了されます。

第6曲から第10曲までは「香油をそそぐ女」になります。

第6曲はエヴァンゲリストが巧みな歌唱である女がイエスのこうべに香油をそそいだことを語ります。

第7曲は合唱でその行為を非難します。合唱の後半でフルートのちゃらちゃらしたメロディーが聴こえましたが、もう少し、このちゃらちゃらさを明確に演奏して、この合唱の非難の意味の浮薄さを強調して欲しかったところです。なんと言ってもあまりに合唱が美しく、内容の浮薄さを吹き飛ばしかねない感じです。

第8曲はイエスがこの行為を正当化する歌唱ですが、実に丁寧にきっちりと歌われました。ここも受難の意味するところを明確化する上で重要な部分です。

第9曲、第10曲はアルトの独唱になります。フルートの伴奏で香油をそそいだ行為の優しさとその行為に対してあふれだす涙を歌いあげます。前述した通り、このアルトは男性によって歌われました。彼は合唱団の1員でアルトの独唱になると合唱団の場所から最前列の独唱者席に歩み出てきます。その歌唱ですが、これは少し残念な歌声です。男性の生硬さが目立ち、声のつながりの滑らかさにも欠けます。これでは普通の女性のアルト歌手を採用すればよかったんではないでしょうか。この後にアルトのアリアは第47曲、第61曲に名曲を控えているだけに不安感を禁じ得ません。58年のリヒター盤のテッパーを理想と考えるsaraiにとってはとても不満足です。とは言え、フルートを始めとしたゲヴァントハウスの管弦楽の響きの美しさには舌を巻きました。

第11曲から第12曲までは「ユダの裏切り」になります。

第11曲ではエヴァンゲリストによって、銀貨30枚でユダがイエスを売ったことが語られますが、ここでは今までの繊細な歌唱から、強い劇的な歌唱も加わり、ペッツォルトの歌唱の多彩さ、豊かさを感じました。これまでエヴァンゲリスト役として巧みな語り役だと思ってきた観念的がくつがえされる思いです。ますます、ペッツォルトのエヴァンゲリストとしての歌唱に高い賛辞を送りたくなってきました。

第12曲はソプラノのアリアで、そのユダの愚かさを嘆きます。ソプラノのゼルビッヒはCDでの歌唱を聴いて、とても期待していましたが、その期待を上回る素晴らしい歌唱です。声の響きの透明さと言い、正確な歌唱と言い、saraiの考えるソプラノの理想を極めて近いところで具現化していると言っても言い過ぎではないでしょう。CDで聴いたゼーフリートやシェーファーやドナートを凌ぐ歌唱に感じました。このアリアだけで一目惚れという感じです。また、彼女の歌うこのアリアを聴いて、ユダ同様に弱い心を持つ自分に反省して、悪い自分でしたという気持ちを素直に感じさせられました。それほど説得力のあるゼルビッヒの歌唱に納得、満足です。

第13曲から第19曲までは「最後の晩餐」になります。

第13曲、第14曲でエヴァンゲリストが祭りの始まりを歌い、合唱で明るく祭りの喜びが歌われます。

第15曲でエヴァンゲリスト、イエスが最後の晩餐について語ります。最後にイエスが「この中に自分を売った者がいる」と語り、合唱が弟子達の「自分ですか」と激しく叫びます。

第16曲では、その興奮を抑えるかのように合唱団が強く、美しく、コラールを歌います。ここに至って、聖トーマス教会合唱団の素晴らしい合唱に心打たれる思いです。これは最高の合唱です。清らかで美しい響きに満ちて、究極の癒しを感じます。この世の中、嫌なこと、悲しいこと、多々ありますが、バッハは我々にこんな優しいプレゼントを贈ってくれました。それをバッハの聖地から来た聖トーマス教会合唱団が完璧に歌いあげてくれました。音楽は素晴らしいですが、そのなかでもとりわけ素晴らしくて、優しいのがバッハのコラールです。

第17曲は最後の晩餐の続きで、イエスとユダの会話で、イエスを売ったのがユダであることが明確化されます。続いて、イエスのアリオーソで聖餐設定(パンがイエスの体で、ワインがイエスの血であること)が表情豊かに歌われます。ここでもヴァイヒェルトのベテランらしい歌唱が光ります。

第18曲、第19曲はソプラノの独唱です。オーボエ・ダモーレの素晴らしい伴奏に乗って、ゼルビッヒの美しい歌唱です。もう、うっとりするだけです。受難曲であることを忘れてしまいそうなほど、美の極致です。もう、ゼルビッヒの素晴らしさを繰り返す必要はないでしょう。

第20曲から第23曲までは「つまずきの予言」になります。

第20曲ではイエスが自分の捕縛の際に弟子達がつまずき、逃げ散ってしまうことを予言します。

第21曲では、この「マタイ受難曲」の中核を成す受難コラールが初登場します。弟子達のつまずきという悲惨さ(人の心の弱さ)を和らげ、癒してくれるコラールです。この受難コラールはこの後も何度も歌われ、言わば、「マタイ受難曲」の屋台骨とも言えます。分かりやすく、美しいメロディーが調性、表情、歌詞などを変えて、我々に訴えかけてきます。saraiとて、この曲は大好きで、CDを聴いていても、つい、ドイツ語の歌詞を見ながら一緒に口ずさみたくなります。それにしても聖トーマス教会合唱団のコラールの美しいこと、この上ありません。ただ、このあたりではまだずい分と抑えた歌い方で、この先の受難コラールの再登場での盛り上げを見通しているかのようです。

第22曲では、イエスがペテロの否み(一番弟子のペテロが捕縛されたイエスのことを知らない人だと嘘をつくこと)を予言します。

第23曲は再び、第21曲の受難コラールが歌われます。ペテロの否みの予言は人の弱さを象徴するもので、その悲惨さを慰めてくれる優しいコラールです。それはまるで聖母マリアのピエタの優しい眼差しにも思えます。

第24曲から第31曲までは「ゲッセマネの園」になります。

第24曲では、ゲッセマネの園でイエスが近づいてきた受難に苦悩しながら祈りを捧げることが語られます。

第25曲、第26曲では、合唱を伴ったテノールの独唱です。ここでは、これまでエヴァンゲリスト役だったペッツォルトが綺麗な高音でアリアを聴かせてくれました。テノールの交代の結果は上々です。第26曲のアリアでのオーボエのくっきりとした響き、そして、テノールの歌声との絶妙な絡み合いには脱帽です。ここでもゲヴァントハウスの実力を思い知らされます。耳をそばだてて、じっくりと聴きいりました。

第27曲では、イエスの地にひれ伏しながらの苦悩の祈りが続きます。

第28曲、第29曲は、弦楽合奏に伴われたバスの独唱です。バスのアリアを歌うシュヴァルツはここで初めて歌います。バスのアリアはCDでフィッシャー・ディースカウのビロードの歌声を聴いてしまうと、もう誰の歌唱にも満足できません。ですから、シュヴァルツも歌う前から厳しい状況にはあります。まあ、それなりの歌唱ではありましたが、低音域と中音域の声の響きの違いがどうにも満足できません。特に低音域は美しい響きとは言えず、不満足です。むしろ、ここはゲヴァントハウスの弦楽合奏の美しさに聴き惚れたというところです。

第30曲では、イエスの再びの祈りです。

第31曲は、癒しのコラールでイエスの祈りにこたえます。繰り返しになりますが、聖トーマス教会合唱団の素晴らしい合唱の響きに心打たれます。

第32曲から第35曲までは「捕縛」になります。

第32曲では、ユダの手引きによるイエスの捕縛が語られます。

第33曲は、その捕縛の情景です。管弦楽の行進曲風の曲の演奏に続き、ソプラノとアルトの2重唱です。もう、ソプラノは美しさの限り、アルトは不満足です。ソプラノに集中して、耳を傾けます。美しいです! 最後に合唱が捕縛への怒りの大爆発。少年合唱が主体とは言え、大迫力です。

第34曲では、イエスが大衆の無知、愚かさを嘆きます。そして、イエスの弟子達も逃げ散りました。

第35曲は、大規模なコラール幻想曲です。管弦楽と合唱が力強く響き合い、この曲を持って、第1部を閉じます。

ここで休憩です。第1部も聴きどころ満載でした。しかし、「マタイ受難曲」の素晴らしさはこの後の第2部にあります。ロビーで休みながら、第2部へ期待します。ところでロビーでは、聖トーマス教会合唱団の関係者と思われるかたがCDの販売を行っています。当然、聖トーマス教会合唱団による「マタイ受難曲」も販売しています。今日の素晴らしい演奏を聴いて、購入するかたもいらっしゃるでしょうが、演奏メンバーがほとんど同じとは言え、CDは初期稿による演奏なので、購入後、CDを聴かれて、その違いにびっくりするんではないかと老婆心にかられました。また違った演奏が聴けて良いとも言えますけどね。
さて、場内アナウンスがはいり、第2部の開始です。

第2部は第36曲から第78曲までです。

第36曲から第44曲までは「大祭司の尋問」になります。

第36曲は、アルト独唱と合唱です。長閑なイメージの曲です。例の男性のアルトは第1部に比べると、声の響きが明らかによくなっています。どうも、今日は声が不安定だったのかも知れません。

第37曲では、エヴァンゲリストによって、祭司たちのイエスの罪のでっちあげの画策ぶりが語られます。

第38曲は、また美しいコラールです。人間の醜さへの慰めでしょうか。

第39曲では、偽証による不利な証言に対して、イエスが沈黙も守る様が語られます。

第40曲、第41曲は、テノールの独唱でイエスの沈黙の意味するところが明かされます。沈黙によって、無辜の罪を受け入れ、人々の苦しみを代わりに受けようと歌われます。第41曲のアリアではテノールの鋭い歌唱が印象的です。

第42曲では、大祭司によるイエスへの尋問の様子が語られます。最後に合唱で激した民衆がイエスに死罪を求める様が歌われます。

第43曲では、民衆がイエスを殴りつける様が合唱で凄まじく歌われます。

第44曲は、その悲しい様を静めるかのように簡潔なコラールが歌われます。しみじみ・・・

第45曲から第48曲までは「ペテロの否み」になります。

第45曲、第46曲は、イエスによって予言されていた一番弟子のペテロの否みのシーンが語られます。最も信頼されている筈のペテロがある意味、イエスの信頼を裏切る場面です。誰にでもある人間の弱さが心に突き刺さります。自分には、そんな弱さ・ずるさがないと言える人なんて、いるでしょうか。そう思うと、この場面の悲惨さは辛く感じます。ペテロ自身も自己嫌悪に陥り、ひどく泣くところで第46曲は終わります。最後の「ひどく(苦く)」という意味のドイツ語のビターリッヒという言葉がエヴァンゲリストによって、思いを込めて歌われると、何かしら、ジーンと感じるものがあります。

第47曲は、そのビターリッヒという言葉を受けて、アルトの素晴らしいアリアが歌われます。「マタイ受難曲」中、最高の名曲、いや、もう古今東西、名曲中の最高の名曲です。エルバルメ・ディッヒ、マイン・ゴット(憐れみたまえ、我が神よ)とアルトの独唱で繰り返し歌われます。伴奏はオブリガート・ヴァイオリンです。ここでも最初に弾き始めたオブリガート・ヴァイオリンは抑えた表現です。しかし、ゲヴァントハウスのコンサートマスターです。アルトの独唱と絡み合い始めるとテンションがあがり、素晴らしい響き。不満に感じていた男性のアルトもここでは熱唱。ここで感動しない人はこのコンサートに来た甲斐がないとまで言い切りたいと思います。saraiは感動を通り越して、涙が出ました。これが聴けただけでも、今日の「マタイ受難曲」を聴きに来て、良かったと思いました。この曲以降は「マタイ受難曲」でも名曲が目白押しに続きます。

第48曲は、明るい雰囲気のコラールで第47曲のアリアで感動さめやらぬ心をやさしく受け止めてくれます。美しい合唱・・・

第49曲から第51曲までは「ユダの自殺」になります。

第49曲、第50曲では、ユダが己の罪におののいて、貰った銀貨を返し、さらには首をくくって自殺する様が語られます。

第51曲では、独奏ヴァイオリンと弦楽合奏でさながら、ドッペル・コンチェルトを思わせるバロック風のノリのよい曲が演奏され、その上にバスの独唱によるアリアが歌われます。ここでのバスは声域が少し高めということもあり、美しい歌唱で満足でした。

第52曲から第58曲までは「ピラトの尋問」になります。

第52曲では、ピラトの尋問に対して、イエスがやはり沈黙を守る様が語られます。

第53曲は、またもや、受難コラールの登場ですが、歌詞はイエスが行くべき道を決めて沈黙を守るという内容です。美しいメロディー、美しい合唱です。

第54曲では、ピラトと群衆のやりとりの様が語られ、ピラトの赦免するのはイエスか、バラバという問いに対して、民衆の答える「バラバ」という合唱の美しく強い響きに聴衆としては戦慄を覚えます。さらに最後に対位法的な合唱で「イエスは十字架にかけるべし」と歌われ、「マタイ受難曲」の中核部にはいっていきます。この対位法的な合唱は第59曲でも繰り返され、その対称構造から、第54曲から第59曲の間は十字架を意味すると言われているそうです。歌詞の内容はともかく、この合唱の素晴らしさは尋常ではありません。

第55曲は、コラールで群衆の残酷な声を静めてくれます。

第56曲では、ピラトが「彼(イエス)はどんな悪いことをしたのか」と思わず、つぶやきます。

第57曲、第58曲は、ソプラノの独唱です。またまた、ゼルビッヒの素晴らしい歌唱にうっとりします。第58曲のアリアでは通奏低音なしでフルート主体の高音部だけの伴奏で清らかな天上の歌声が素晴らしく響きます。「アウス・リーベ」(愛故に)という言葉が心に沁みます。ソプラノのアリアはこれで聞き納めです。残念ですが、満足でもありました。

第59曲から第63曲までは「判決と鞭打ち、嘲弄」になります。

第59曲では、裁きの場面に戻り、群衆の「イエスは十字架にかけるべし」の合唱で十字架構造が閉じます。さらに群衆はイエスを死罪にする責任を負い、自分達とその子孫がその責任を持つと言い切ります。ここに至って、ピラトはあきらめて、イエスに鞭打たせ、十字架に架けることにします。

第60曲、第61曲は、アルトの独唱です。本来なら、このあたりでコラールのはいりそうなものですが、アルトの独唱がその代わりを受け持ちます。第61曲のアリアは第47曲のアリアに次ぐ名曲「わが頬の涙」です。ケンネン・トレーネン、マイナー・ヴァンゲンという歌詞が繰り返し、歌われます。ここでの男性のアルトは第47曲のアリアほどの出来ではなく、残念ですが、その代わり、ここでもゲヴァントハウスの弦楽合奏は素晴らしい響きでした。

第62曲では、兵卒たちがイエスに赤い衣を着せ、茨の冠をかぶせて、嘲弄する様が語られます。

第63曲は、たまらず、受難コラールで癒しを与えてくれます。このあたりの受難コラールは素晴らしく表情豊かです。第1節を朗々と歌い上げ、第2節は抑えた合唱でしみじみ感があります。ただ、第2節はもっと小さな声に抑えた歌唱だとさらなる感慨深さが感じられたような気もしました。いずれにせよ、美しい受難コラールでした。

第64曲から第66曲までは「十字架への道行き」になります。

第64曲では、イエスがゴルゴタの丘に引き立てられる場面が語られます。

第65曲、第66曲は、バスの独唱です。第66曲のアリアはヴィオラ・ダ・ガンバの重々しい独奏を伴うもので名曲ですが、まあ、納得の歌唱だったと言えるでしょう。ところでヴィオラ・ダ・ガンバはこのアリアの数曲前で調弦を始めたのはびっくりでした。そんなにこの楽器は狂いやすいものなんでしょうか。

第67曲から第70曲までは「磔刑」になります。

第67曲、第68曲では、十字架につけられたイエスがみんなから嘲弄される様が語られます。激しい合唱も印象的です。

第69曲、第70曲は、アルトの独唱です。このあたりのアルトの歌唱もかなり響きが悪くなり、もうひとつです。

第71曲から第73曲までは「イエスの死」になります。

第71曲で、イエスは最後の言葉「エリ、エリ、ラマ、アサブタニ」を発して、息絶えます。

第72曲は、葬送の曲とも思える最後の受難コラールです。フリギア旋法で表情が変わった、この受難コラールはこの重要な場面にふさわしい名曲です。聖トーマス教会合唱団の素晴らしい合唱の響きにも感動です。音楽的には、もう、ここで終結でしょう。もう満足です。静かな感動で終えたいところです。ただ、「マタイ受難曲」は宗教曲ですから、ここで終わるわけにはいきませんね。後を聴きましょう。エピローグかな。

第73曲では、天地が鳴動する様が激しく語られます。絵画で言えば、ティントレット風・・・。その後に合唱で「あの人はやはり神の子だったのだ」というフレーズで衆愚を皮肉ります(非キリスト教信者のつぶやきです。気にしないでくださいね。)。

第74曲から第78曲までは「埋葬」になります。

第74曲、第75曲は、バスの独唱です。ヴァイオリンが奏する木々のざわめきの様子は清々しい感じです。ゲヴァントハウスの弦楽セクションの素晴らしさと相まって、気持ちよく聴けます。バスもなかなかの好演です。

第76曲では、イエスが埋葬され、岩に封印されます。

第77曲は、バス、テノール、アルト、ソプラノの順に1節ずつ、独唱があり、その間に合唱が挟まる形式です。最後にソプラノのピュアーな歌声が聴けて、幸せでした。

第78曲は、終結合唱です。全管弦楽と全合唱でのしめくくりです。ここで盛り上げて、終わりという曲ではありません。それとなく、簡潔にこの超大作がフィナーレです。

残念ながら、指揮者が手を下ろす前に心ない聴衆の拍手がはいりました。興をそぎますね。素晴らしい演奏だったので、もっと最後に静寂の時間を持ちたかったのに・・・。イエスも沈黙の大事さをこの曲を通して、教えてくれたのではなかったでしょうか。

ともあれ、素晴らしい演奏に3時間、集中して聴けて、こんな幸せはありません。管弦楽、合唱は素晴らしいの一言。独唱もアルトを除いて、満足です。特にエヴァンゲリスト役のマルティン・ペッツォルト、さらにはソプラノのウーテ・ゼルビッヒは最高でした。そうそう、指揮のゲオルク・クリストフ・ビラーは拍を明確に刻む的確な指揮で全体をまとめあげていました。彼の手腕のよって、素晴らしい構成の演奏になっていました。この人達の演奏でロ短調ミサ曲も聴いてみたいものです。

以上です。ここまで読んでくれた人がいれば、感謝あるのみです。



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この記事へのコメント

1, soraotoさん 2012/02/29 10:57
はじめまして。
私は昨日、オペラシティでこのマタイ受難曲を見ました。
私はあまり曲自体に造詣が深いわけではないのですが、
まったく同じような感想を持ちましたので、コメントさせていただきました。

アルト、バスについてもしかり・・・
最初のアルトであれ?と思い、途中からよくなるのも、
昨日も同じでした。やはり若いゆえの経験不足なのでしょうか。

ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者をフォローしますと、(自分はチェリストですので、肩をもちます 笑)ガット弦は大変温度、湿度に弱く、
舞台上の暑さでは、どんどん音が狂ってきます。
なので、あの前で調弦を行うのはやむおえないのではと思っています。

2, saraiさん 2012/02/29 15:21
soraotoさん、コメントありがとうございます。
それに長大な記事を読んでもらえて、嬉しいです。

soraotoさんも同じような感想を持たれたとのこと。この記事も、あまり、的外れな感想でもなかったようですね。

ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のフォロー、分かりました。ガット弦なんですね。それで狂いやすい。やむを得ないのかな。

また、コンサートの記事を読みにおいでくださいね。

3, ハルくんさん 2012/02/29 18:20
こんにちは。

またまた、みなとみらいですれ違いだったようですね。
当日のマタイ聴いていましたよ。

一昨年の聖十字架合唱団も素晴らしかったですが、トーマス教会合唱団、やはり素晴らしいですね。ただ、ビラーのテンポが随分と速過ぎに感じてしまい、昔のカントールの指揮した演奏が懐かしかったです。ちょっとせわしなかった印象でした。
アルトが棒の余り好まないカウンターテナーだったのもマイナスポイントかな。その他詳しくは拙ブログに記事アップしました。

この合唱団を聴いたのは、なんと30年以上ぶりでしたが、これからは来日の度に聴きに行くと思います。神様に召される前にせいぜい聴いておかなくては。(笑)

4, ehimeさん 2012/03/01 11:12
sarai様
私も昨日サントリーホールでのマタイを聴き同じような感想でした。
若い男性がアルトを歌うマタイは初めてでした。ベテランの女性アルトに比べると深みも声量もなく物足りなかったのですが、ベテラン歌手にはない清らかさを感じました。
ヴィオラダガンバもなかなか聴く機会がないのでとても新鮮でした。
本日が公演最終日になりますが、当日券でもう一度聴きに行こうと思っています。ゲバントハウスと聖トーマス教会合唱団に完全にノックアウトされました。。。

5, saraiさん 2012/03/01 12:49
ハルくんさん、こんいちは。

やはり、来られていたんですね。マタイ受難曲はマーラーの9番同様、聴き応えがありますね。聖トーマス教会はなかでも素晴らしかったです。テンポは終わってみれば、えらく速かったことに気が付くぐらい、そんなには気になりませんでした。まあ、第1曲あたりはじっくりとゲヴァントハウスの響きを聴けたほうがよかったかも知れませんが、まあ、少年合唱の素晴らしいこと、この上なしって感じでした。聖トーマス教会合唱団はよく来日しているようですね。saraiもこれから聴き逃せません。聴きながら、神に召されるかもしれませんが・・・(笑)

6, saraiさん 2012/03/01 12:53
ehimeさん、初めまして。コメントありがとうございます。

みなさん、同様な感想を抱かれたようですね。やはり、マタイ受難曲は素晴らしいです。今回はもう聴きにいきませんが、また、再来日時はかけつけたいと思います。
最終日の公演、しみじみと味わってください。

また、コメントをお願いします。

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マルタからウィーンへの試練の旅:フランクフルト空港で地獄のダッシュ2本!!

2011年10月20日木曜日@マルタ島~フランクフルト~ウィーン/2回目


マルタからフランクフルト国際空港へのルフトハンザ航空の飛行機にようやく搭乗でき、それなりに一安心。
飛行機に乗ってみると、最後部の3列分の9席を倒してベッドがセットされ痛々しく寝させられている人がいます。お医者さんも1人付き添っています。この人の搬入で出発が遅れたのかもしれませんね。それでは仕方ありません。
飛行機は無事に飛び立ちます。飛び上がると、マルタ島の海岸線に出ます。下には、昨日恐怖感を味わった青の洞窟のある海岸が見えています。


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飛行機が海に出て右に旋回すると、今飛び立ったマルタの空港、その先には島の反対側の海岸線が見えます。その海岸線の右の方に左右に湾を抱いているのがヴァレッタVallettaの街でしょう。右側の湾にはスリーシティーズThree Cities、左側の湾にはスリーマSliemaの街があります。


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飛行機はマルタ島に沿って北の方に向かい、マルタ島の北端、その先に小さなコミノ島Comino(ブルーラグーンで有名)、そしてゴゾ島Gozoの東端が見えてきます。快晴で素晴らしい眺めです。


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やがて、後方にはマルタ島の全体が見渡せます。ヴァレッタの街のあたりには残念ながら雲がかかっています。さようなら、マルタ。カラバッジョを尋ねてこんな所までやってきてしまいましたが、多分もう訪れることはないでしょうね。


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飛行機はゴゾ島の上空です。下にはゴゾ島、その先にはコミノ島が見えています。


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ここまでの飛行ルートを地図で確認しておきましょう。


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飛行機はさらに地中海の上空をしばらく飛び、シチリア島の海岸が見えてきます。


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シチリア島を飛び越し、イタリア(ちょっと雲が多め)の上を飛びます。この辺りまで来たところで、軽食が出ます。紙箱が配られたので開けてみると、美味しそうなチキンの包み焼きです。


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遅れて飲み物も配られます。コーラと紅茶をいただきます。


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イタリア上空からアルプスをひとっとびです。


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アルプスは少し雲が多いのですが、次第に雲も晴れ、ドイツの緑の平原が見えてきます。豊饒な緑の大地です。フランクフルトももうすぐでしょう。


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ここまでの飛行ルートを地図で確認しておきましょう。


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やがて、蛇行して流れるマイン川とフランクフルトの郊外が見えてきます。


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すぐに夕陽に照らされたフランクフルトの中心の高層ビル群が見えてきます。


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飛行機はフランクフルト国際空港への最終アプローチで、着陸態勢にはいります。


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フランクフルト国際空港へは1時間半ほど遅れて5時過ぎに到着。とっくにウィーンへの乗り継ぎ便の出発時間は過ぎています。急いで乗り継ぎ便に向かわないといけませんが、何とボーディングブリッジではなくバスで到着ゲートに向かいます。まあ、あせっても仕方がないでしょう。バスを降りて乗り継ぎ便の搭乗ゲートに行く前に案内表示板で確認しますが、乗る予定の飛行機はとっくに飛び立ったようで表示は消えています。とりあえずは搭乗ゲートに行ってみましょう。何か指示があるかもしれませんからね。急いで搭乗ゲートのB14に行きますが、人っ子一人いなくて照明もおとされ薄暗いだけ。さあ何とかしないといけませんね。どこに行ってよいのかもわからないので、次のウィーン行きの便の搭乗ゲートに行ってみましょう。とはいえ、これももう出発間際で時間がありません。そのゲートはA30です。B14⇒A30がどのくらい遠いか分かりますか? まったく別の棟なんです! 走る走る・・・なんだか周りでも走っている人が一杯です。みんな必死です。ものすごい形相で駆け抜けていく家族もいます。だんだんバテ気味で遅れそうになるsaraiを、配偶者が叱咤激励しながら前になって走ります。日頃水泳で鍛えた持久力なんでしょうね。運動不足のsaraiはもうへとへとです。ようやくA30に到着。飛行機に乗り込む最後の人を見たような気がしますが、凄い形相で駆けていった人は今度は凄い形相で怒っています。どうやら、すでに満席で乗れなかったようです。ということは、なんとか次の便を探してもらわないといけませんね。


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話が付いたようには思えない家族連れと幼い子を連れたママがどこかへ去っていき、ようやく我々の番が回ってきました。難しい顔をしてパソコンのキーをたたいているお姉さんをじっと見守ります。と、なぜか我々には40分後に出発する便を押さえたとの回答があります。ありがとう! でも、ここではチケットが発券できない(押さえた便名は書きこんでくれた)ので、A22付近のトランスファー・チェックインのカウンターに行って発券してねとのことです。急いで向かいますが、そのカウンターは長蛇の列です。


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そして、最後尾で仕切っているおじさんが、我々にもそこに並べとの指示。しばらく並んでみますが、とうてい埒があきません。配偶者がsaraiに、「これでは指示された飛行機に乗れなくなる」と仕切っているおじさんに抗議に行くように指示を出します。仕切り屋おじさんにもう搭乗まで時間がないけど大丈夫かって詰め寄ると、彼はあくまでも自分の意見だが、直接搭乗ゲートに行った方がいいだろうが、多分もう無理だろうと無責任な態度。今さらそんなこと言われても諦めるわけにはいきません。搭乗までにほとんど時間がありません。A22⇒B11への移動がどれだけ大変か! またまた走る走る!!! ヒーヒーになって、B11カウンターに到着しますが、精魂尽きます。そして、ここのカウンターでも、深刻そうな難しい顔をした職員と客が何人も向かい合っています。


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しばらく待って、そこの係の人にウィーンまでの搭乗券を示してどうなってるかときくと、またまた難しい顔をして考え込んでいます。それでも、何か検討しているみたいです。しばらくすると、その中の責任者が何故か配偶者の方を向いて、ちょっと待ってねとの返事。これは何とかしてくれる気なのではないだろうかと、期待して待ちます。既に飛行機の出発予定時間は過ぎています。
と、どうぞ!と搭乗ゲートを通してくれました。何がどうなっているのかは分かりませんが、我々は飛行機に乗れるということです。まだまだ交渉している人は何人もいるんですけどね。移動用バスに着くと、数人の人を乗せてバスが待っています。


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バスの中でしばらく待っていると、さらに一人だけ追加の乗客が現れてバスは出発します。このバスに乗っている人だけが救われた人達です。運命を分けた事情が何なのかはさっぱりわかりませんが、ともかくホッと一安心です。この後はすんなりとウィーンに行けるのでしょうか、まだまだ心配です。この後、ドタバタ劇は続きます。


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マルタからウィーンへの試練の旅:遂にウィーンにはたどり着いたが、やはり・・・

2011年10月20日木曜日@マルタ島~フランクフルト~ウィーン/3回目

空港内の移動用バスに乗ってウィーン行きの飛行機に向かい、無事に飛行機に到着。早速、搭乗しましょう。気持ちがはやって、飛行機へ歩む足がつい早くなります。ここで置いていかれるわけにはいきませんからね。


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ほぼ最後に貰えた貴重なチケットですから、配偶者と並びの座席などと贅沢は言えません。saraiの席は後方の窓際で、配偶者は前方の通路側の席です。飛行機に乗り込むと、泣き別れです。saraiの席の窓からは沈みかけた太陽の最後の輝きが見えました。


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5時過ぎにフランクフルト国際空港に到着し、ドタバタ劇の結果6時半にはウィーン行きの飛行機の座席に収まりました。乗り換えに要した時間は1時間少しですが、とてもとても長~い1時間です。自分の落ち着いた席から前方をながめますが、配偶者の姿は見えません。1列2+2席の小さな飛行機です。


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飛行機は、10分ほど遅れて街灯りが灯りだしたフランクフルトを飛び立ちます。まだドキドキしています。


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配偶者には、席に座ると水が手渡され、飛行機が飛び立つとすぐに食事が運ばれてきたそうです。配偶者によると、他の人はパンだけなのに・・・自分のまわりの12席だけに食事やアルコール飲料が配られたそうです。そうなんです。なんと配偶者がもらえたチケットはビジネスクラスのチケットだったのです。見た目には全席同じ席ですが、前方に『ビジネスクラス』と書かれていたそうです。

配偶者の豪華食事。


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離れた席のsaraiは、エコノミーです。

saraiの貧弱な食事。


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これまた何が運命を分けたのでしょう。それはレディーファーストの精神で女性に華を持たせたんでしょう。ねっ、マダム!

落ち着くまでもなく、1時間半のフライトで無事にウィーンに着きます。もう、空港は真っ暗です。


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飛行機からはタラップで直接滑走路に降り立ちます。乗ってきたのはADRIA航空という航空会社の飛行機でした。


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もちろん我々の荷物は無理だろうなとは思っていましたが、当然のごとく荷物はターンテーブルには出てきません。フランクフルト空港の最終搭乗ゲートでは、一応女性の係員が荷物の手続きはしてくれたんですけどね。早速、ルフトハンザ航空のバゲッジクレームの窓口に行きます。


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そこでは、状況説明もそこそこに書類を書かされます。これって、荷物は届かないってことなのね。調査の結果、荷物はまだフランクフルトにあるけど真夜中にはウィーンに届くので、明日朝8時頃にはホテルに届けるとのことです。その言葉を信じて待ちましょう。話にだけは聞いたことがあるお詫びのお泊りセットを2つ(男女の別はなく同じもの)頂いて、空港を後にします。いろいろあってさすがに疲れたので、saraiがタクシーを奮発することにします。空港カウンターで料金を払って、タクシーの運転手の迎えを待ちます。


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タクシーに乗って、楽ちんでホテルに到着です。後でよく考えてみると、よく知っているウィーンの空港で、しかも手ぶらだったのに、高いタクシーに乗る必要はありませんでしたね。あまりのトラブル続きで頭がおかしくなっていたようです。

今夜のホテルは今年の4月にも長逗留したホテルなので勝手が分かっています。レセプションには、saraiお気に入りの可愛い女の子のスタッフもいます。「ボクを覚えている?」というと戸惑った顔をしています。やっと、気持ちが癒されます。


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部屋に落ち着き、ロスト・バゲッジ用のお泊りセットをチェックします。立派なケースにはスターアライアンスのロゴがはいっています。ということはルフトハンザ航空でもANAでも同じものを使っているんでしょうか。


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ケースの中には、お詫びのメッセージ(日本語もあります)、洗面道具、なぜかニベア、洗剤、女性用品といったものが入っています。


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整理して、綺麗に並べてみます。寝間着代わりのXLサイズのTシャツもあります。配偶者にはぴったりですが、saraiにはちょっと短め。まあ、何もないよりはいいですし、これは記念にはなりますね。ようやくトラブルを楽しみに切り替える余裕が出てきます・・・。


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この後、すぐにネットに接続。PCは肌身離さず持ち歩いていますからね。お風呂にゆったりとつかって疲れをとり、カバンがないにもかかわらず快適な生活です。ただし、エコノミーで食事がパンだけだったsaraiは、空腹をかかえてぐったりです。なのに、saraiは明日の鉄道チケットをホテルのお姉さんに頼んでプリントアウトしてもらったり、そのチケットでレールジェットに乗れるか確認するのに大わらわ。遂には、ウィーンのお友達に電話して、そのチケットでレールジェットに乗れそうなことを確認して一安心。チェスキー・クルムロフのシャトルバスの会社に帰りのシャトルバスはどうなるかの確認のメールをして一段落です。さて、明日はどうなるやら・・・・

そろそろ、ブログを書いて寝ましょう。大変な1日でした。明日はチェスキー・クルムロフでの楽しい1日が待っていることを信じたいです。



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この記事へのコメント

1, レイネさん 2012/02/28 17:03
お疲れ様でした。空港でのダッシュ2本には、読んでるほうもハラハラしましたよ。
ネバー・ギブアップの精神が大切ですね。
さて、ウィーンまで乗ってこられた飛行機がアドリア・エアウェイズなんですね。
この航空会社の名前は、カウンターテナーのアンドレアス・ショルが自作自演の
ポップスで歌ってるので知ってました。預けた荷物がとうとう届かなかったという
苦い思い出の歌ですが、saraiさん達のお荷物は無事届いたでしょうね。

2, saraiさん 2012/02/28 19:34
レイネさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。

そんな歌があるんですか!!! びっくりです。
saraiの荷物ははらはら、どきどきでしたが、結局は届きました。当ブログでは届くのは、まだまだ、先のことになります。
ショルの歌を聴いて、自分を慰めることにならなくて、よかった!

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チェスキー・クルムロフの旅:一体、荷物は届くのか・・・??

2011年10月21日金曜日@ウィーン~チェスキー・クルムロフ/1回目

旅は16日目です。

残念ながら荷物はありませんが、ウィーンWienのホテルの窓からは青空が見え、心は晴れます。今日から1泊の予定でチェスキー・クルムロフČeský Krumlovへのミニ旅行の予定です。


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航空会社が荷物を届けると言っていた8時までは、期待しながら部屋でゆっくりお休みです。とりあえず荷物の状況を把握してから、今後の行動を決めましょう。8時半頃まで待っても荷物が届かないので、空港(手続きをした書類に書いてあった電話番号)に電話してみます。が、営業は9時からとのことで繋がらないので、部屋でネットをチェックしながら時間を待ちます。
と、ドアをノックする音が!・・・さては荷物が届いたのかと、saraiがチップを握りしめてドアを開けると、単にお掃除おばさんの在室確認のノックです。ガックリ・・・。

9時になり再度空港のカウンターに電話をすると、ここでは状況が分からないので航空会社の統括センターに聞いて欲しいと電話番号を教えられます。そこに連絡して状況を確かめると、2個の荷物のうち1個は届いているが、残りの1個は次の便で届くので、まとめて11時にホテルに届けるということです。でも我々は11時にはホテルを出てリンツ行きの列車に乗るためにウィーン西駅に向かう予定なので、1個だけでも10時までに届けて欲しいとお願いします。すると了解したようなことを言います。どうもあいまいで信用できませんが、いずれにせよ10時までは荷物も届かないので、急いで朝食を食べに行きましょう。定宿ですから、勝手知ったレストランです。久しぶりのシティホテルの朝食は充実しています。目移りしますが、計9泊もするホテルですから順次頂いていきましょう。食べ過ぎはいけませんね。

朝食を終え、通りすがりにフロントで確認しますが、まだ荷物は届いていません。部屋に戻り、催促の電話をします。すると、やっぱり向こうの予定は変えていなかったようで、11時にホテルに届けるという返事です。仕方ないですね。しかし、今度は荷物は2個とも届いているとのことです。早く持ってきて欲しいですね。11時までに届けばトラムでウィーン西駅Wien Westbahnhofに移動しますが、もしも11時までに届かない場合は、ギリギリ11時20分頃まで荷物を待ち、その後はウィーン西駅までタクシーで行くことに決定。
別に荷物がなくても、大きな支障はありません。着のみ着のままというだけのことです。マルタMaltaでの真夏の服装のままではちょっと困りますが、上着だけは配偶者が手持ちの自分のバックに入れてました。好天でそれほど寒くない気候が我々を励ましてくれます。最低のお泊りグッズは航空会社から頂きましたしね。困るのはsaraiの常備薬ですが、1日くらい飲まなくても命に別状はないでしょう。手持ちの荷物を最小にしている配偶者は化粧品がないので、すっぴんでのお出かけになるのが1番の問題です。

11時前にEメールを出したりした後に部屋を出て、チェックアウト。ところで、チェスキー・クルムロフのシャトルバスの会社から返事のEメールが届いていて、チェスキー・クルムロフからウィーンへ戻るシャトルバスは運行するとのことです。懸案のひとつは解決しました。
チェックアウト後ホテルのロビーでいらいらしながら待ちますが、予想通り11時20分になっても荷物は届きません。タクシーを呼んでもらって、まったくの軽装で出発です。幸い、天候が良いのが本当に救いです。

タクシーにしたので、予定の高速列車レールジェットの出発時刻の30分以上も前にウィーン西駅に到着。半年前までは工事中だったウィーン西駅も立派に完成しています。なかなか格好いい外観です。ホームに出ると、これは以前と変わりありません。電子掲示板でレールジェットのホームを確認して7番ホームに行くと、まだ列車は入線していません。


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とりあえず、車内での食べ物でも調達しましょう。お馴染みのノルド・ゼーというフィッシュ・アンド・チップスのお店があるので、ランチをゲットしましょう。


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ミックスボックス(白身フィッシュ、エビ、フライドポテト)とコーラをテイクアウトします。


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駅ビルは真新しく、色々なお店も出店しています。


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レールジェットのホームに戻り、先頭車両まで進んで到着を待ちます。配偶者の意見で、自由席を見つけるには一番端がいいだろうという意見に従ったんです。やがて、ブダペストからのレールジェットが到着。


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車両に乗り込むと、かなり混み合っています。指定の入っていない席を急いで探します。うまく並びの席が見つかり一安心ですが、後から乗ってきた人たちは席を探すのに苦労しています。満席状態です。配偶者の慧眼が当たりましたね。

テイクアウトしたランチをいただきます。配偶者がホテルのフロントのカウンターの上に置いてあったのをもらってきたリンゴ(皆さんどうぞ!というサービス品です)も、一緒にいただきましょう。


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ところで、我々の隣の席にすわっている人のランチを見てビックリ。なんとお寿司です(にぎりと細巻)。お寿司が好きなんですかと聞くと、オーストリア人のランチの定番だよというお答です。


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列車はザルツブルグSalzburg行で、この路線はもう何度も乗り慣れた路線です。今回は秋の佇まいで、紅葉もありとても綺麗です。緑の丘陵の村々もいつ見ても美しいです。


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こういう風景が続きます。


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やがて、緑の大平原に農地が広がります。


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絵はがきのような景色がどこまでも続き、見飽きることもありません。


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40分ほどで最初の停車駅ザンクト・ペルテン中央駅Sankt Pölten Hauptbahnhofに着きます。この後の停車駅は目的のリンツ中央駅Linz Hauptbahnhofです。


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ここまでの鉄道ルートを地図で確認しておきましょう。


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まだ届かない荷物のことが頭から離れませんが、好天の下の美しい風景の旅を楽しむことにしましょう。



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チェスキー・クルムロフの旅:リンツ経由で無事、チェスキー・クルムロフに到着

2011年10月21日金曜日@ウィーン~チェスキー・クルムロフ/2回目

ザンクト・ペルテン中央駅Sankt Pölten Hauptbahnhofを列車が出発し、途中通過する筈のメルク修道院Stift Melkを見ようと思っていましたが、なぜか見逃してしまいました。今度はドナウ川の向こう側の小高い丘の上に教会が見えます。マリアターフル聖堂Basilica Maria Taferlです。


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車窓を楽しんでいるうちに、ウィーンWienから1時間半の鉄道の旅もあっという間に過ぎて、リンツ中央駅Linz Hauptbahnhofに到着です。リンツ中央駅で降りるのは初めてですが、とても近代的で綺麗な駅です。


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駅前のタクシー乗り場でシャトルバスを待っていると、車の側面に「lobo」という文字が塗装されたワゴン車がやってきます。


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先客は中国語を話す女性2人です。運転手のお兄さんは、我々が手ぶらなので驚いた様子。ロストバゲッジだと言うと、それは大変だねと同情しながら、すぐに車は出発です。リンツLinzの街は思ったよりもとても大きく、郊外に出るのがなかなかです。30分近く走り、ようやく郊外の緑豊かな草原に出ます。


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市街地を抜けると、大平原の中を車は凄い勢いで飛ばし始めます。


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saraiはその綺麗な景色もそっちのけで、携帯にしがみついてホテルや空港に連絡を取り、荷物がどうなったかを確認します。どうも話がうまく進まず、もうすぐチェコの国境を越えそうなところで、お友達に電話してサポートをお願いします。ほどなくお友達から携帯にとっくにホテルに荷物が着いているとの返事が来ます。やっと安心して、まわりの景色を楽しみます。チェコČeská republikaに入ると山道になり、美しい川沿を走ります。ヴルタヴァ川Vltavaですね。


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快調に飛ばしていた車が急にノロノロ運転です。山の中の道なのに、何故か大渋滞に巻き込まれてしまいます。15分ほどの渋滞でしたが、とても長く感じます。渋滞の原因は道路工事・・・。


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その後は順調で、1時間半ほどでチェスキー・クルムロフČeský Krumlovに到着です。

ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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チェスキー・クルムロフ到着後、まずは明日の帰りのシャトルバスのチケットを購入。その後、ホテルに送ってもらいます。

チェスキー・クルムロフのホテルは『ホテル ドヴォルザーク チェスキー・クルムロフ(Hotel Dvořák, Český Krumlov)』。ここは1泊だけです。

やはり、チェスキー・クルムロフでは蛇行するヴルタヴァ川に囲まれた旧市街に泊まりたいですね。そして、チェスキー・クルムロフのシンボルであるお城の夜景を楽しみたいということで、このホテルを選択しました。ヴルタヴァ川の外側にはとても安価なペンションもあるのですが、ここはちょっとだけ贅沢しましょう。そう何度も来るところではありませんからね。

ホテルはチェコの偉大な音楽家に因んだ名前のホテルです。音楽好きのsaraiには喜ばしいです。チェックインはスムーズに進み、部屋に入ると、とても広くジュニア・スイート並です。しかも最上階(正確にはもうひとつ上もありますが屋根裏みたいです)の角部屋で、このフロアではこの部屋だけが唯一専用テラスがあり、そこからの眺めは絶景。まずはテラスに出て、目の前にそびえ立つお城を堪能します。


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視線を下に落とすとヴルタヴァ川が美しく眺められます。このホテルは川沿いに建っています。


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部屋の様子をよく見ましょう。部屋の中央には大きなベッドが余裕たっぷりに鎮座しています。


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美しいカーテンの窓の前にはソファセットがゆったりと置いてあり、寛げそうです。


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花柄のカーテンで美しく飾られた窓辺です。窓の下には寒さをしのぐ為のスチームのパイプが暖かくなっています。


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窓の外には綺麗なゼラニュームが飾られ、その向こうには赤い屋根の街並みが見えます。


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入り口を入ると右が部屋で左がバスルーム、というように部屋とは完全に独立してバスルームがあります。真っ白で清潔感にあふれ、それに何といってもちゃんとバスタブがあります。


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4時前ですが、もう夕陽で街中の建物が綺麗に輝いています。しかし、部屋に落ち着いていて、いつまでもテラスからの眺めを楽しんでいるわけにはいきません。この街を散策できるのは今日の夕方の数時間だけ。明日は朝1番のシャトルバスでウィーンにとんぼ返りという慌ただしいスケジュールです。急いで部屋を後にして、ホテルのレセプションのお姉さんに街の地図をいただき、散策に出発です。そうなんです。この街の資料は何にも持っていないんです。だって、カバンがないですからね。

街の様子は何度もテレビの旅番組で見ていたので、よく知っています。まずはお城に向かいます。ホテルを出ると、すぐにヴルタヴァ川にかかる橋です。ラゼブニツキー橋Lazebnický mostです。橋の上には彫像が立っています。聖ヤン・ネポムツキーの像です。背後に見えている塔は旧聖ヨシュト教会(Sv Jošta)です。


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聖ヤン・ネポムツキーの像に向かい合って、十字架のイエスの像もあり、その背後にはお城の塔です。


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橋の上からみたお城沿いのヴルタヴァ川です。


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お城はホテルからは橋を渡ってすぐですが、ラトラーン通りLatránをどんどん進み、曲がり角をずっと通り過ぎてしまい慌てて戻ります。曲がり角からが石段であることは、地図からは読み取れませんでした。急な石段Zámecké schodyを上ります。


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石段を上っていくと、綺麗なアーチの門が見えてきます。


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この門を抜けると、お城の前の広場に出ます。


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ここまでのルートを地図で確認しておきましょう。


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これからお城の塔に上って、チェスキー・クルムロフの街の風景を楽しみます。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

通りすがりさん

コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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